JP6189103B2 - マーキングペン - Google Patents

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Description

本発明は、着色剤として顔料を用いた水性インキ組成物とそれを内蔵したマーキングペンに関する。
従来、着色剤として顔料を用いた水性インキ組成物では、顔料が凝集、沈降することを抑制するために、インキ粘度を高めたり、顔料分散剤を添加することにより、顔料の分散状態を維持する試みがなされている(例えば、特許文献1,2参照)。特に、前記顔料のうち、粒子径が0.1μmを超える大粒径のものは水性インキ中での分散安定性が極めて悪いため、汎用の顔料分散剤の添加や粘度調整により分散効果を付与した場合であっても、経時により凝集や沈降を生じて筆記不良を起こすことがあった。
これに対して、ボールペンでは、インキに剪断減粘性を付与することで、非筆記時には高粘度状態で顔料分散を保持し、筆記時のボールの回転を利用して吐出するインキ粘度を下げることができるため、顔料の凝集や沈降を効果的に抑制することができるが、マーキングペンには前記インキを適用できないため、経時による顔料の凝集や沈降を抑制することが困難であった。
特開2004−231943号公報 特開2004−18675号公報
本発明は、着色剤として顔料を用いた水性インキをマーキングペンに適用する場合であっても、インキ中での分散状態を長期的に安定維持することができ、筆跡にカスレ等を生じることなく良好な筆記性能を継続的に発現できるマーキングペン用の水性インキ組成物を内蔵したマーキングペンを提供するものである。
本発明は、水と顔料と発酵セルロースと、前記顔料と発酵セルロースを架橋するカルボキシメチルセルロース又はその塩を含んでなる水性インキ組成物を内蔵してなるマーキングペンを要件とする。
更に、前記顔料が、平均粒子径0.1〜30μmの範囲にあることを要件とする。
更には、繊維集束体からなるペン先を備えてなることを要件とする。
本発明のマーキングペンは、着色剤として顔料を用いた場合であっても、インキ中での分散状態を長期的に安定維持することができ、筆跡カスレや筆記不良等を生じることなく良好な筆記性能を継続的に発現できるマーキングペンを形成できる。
本発明のマーキングペンに内蔵される水性インキ組成物は、架橋剤により顔料と発酵セルロースを架橋状態として水媒体中に含有するものである。
前記発酵セルロースは、酢酸菌の亜種を適正な培地で通気撹拌培養し、菌体外産出されたセルロース繊維を分離・回収したものであり、水媒体中で非常に細かい三次元網目構造を形成する繊維性物質である。そのため、水性インキに添加した際には、インキ粘度を上昇させることなく三次元網目構造を形成する。本発明では、架橋剤と発酵セルロースを併用することで、発酵セルロースの網目を用いて顔料の分散性を付与するとともに、該分散状態の材料や発酵セルロースと顔料の単体同士を架橋剤による適度な橋架けでインキ中全体に均等分散保持するものである。そのため、マーキングペン用途であっても、インキ粘度を高くすることなく、顔料の分散状態を長期的に維持できるため、筆跡の濃淡やカスレ等を生じることなく、良好な筆記が長期に亘って可能なものとなる。
前記発酵セルロースは、インキ組成物全量に対し、0.005〜1.0質量%、好ましくは0.01〜0.5質量%の範囲で添加される。前記範囲を下まわると、顔料の分散保持性が十分ではなく、この範囲を超えても更なる性能の向上は得られない。
前記架橋剤は、発酵セルロースと顔料や各発酵セルロースの網目構造間を架橋することで複合的に結ぶとともに、発酵セルロースの網目構造をより細かくするものである。そのため、顔料がより分散安定性に優れた状態を確保できる。
前記架橋剤としては、インキ中の水や水溶性有機溶剤に対して十分な溶解性を持つものであれば、その種類を特に限定されるものではないが、特に水溶性高分子が好適である。具体的には、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール等の合成高分子類や、セルロース誘導体が挙げられる。前記セルロース誘導体としては、カルボキシメチルセルロース又はその塩、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、酢酸セルロース等の発酵セルロースとは異なる構造のものが挙げられる。特に、発酵セルロースと絡みやすく、長期間安定して複合状態を維持できることから、カルボキシメチルセルロース又はその塩を用いることが好ましい。更に、ポリアクリル酸、アクリル酸共重合体、マレイン酸樹脂等があり、具体的には、アクリル樹脂、スチレンアクリル樹脂、スチレンマレイン酸樹脂等の樹脂を塩の形にして水溶性にしたものを用いることができる。塩を形成するアルカリ金属としては、ナトリウムやカリウムが代表的であり、アミンとしてはモノ−、ジ−、またはトリ−メチルアミン等の脂肪族第1から第3級アミン、モノ−、ジ−またはトリ−プロパノールアミン、メチルエタノールアミン、メチルプロパノールアミン、ジメチルエタノールアミン等のアルコールアミン、その他アンモニア、モルホリンおよびN−メチルホリン等が代表的である。
これらの架橋剤は、単独又は二種以上混合して使用してもよい。
前記架橋剤の含有量は、インキ組成物全量に対し、0.005〜5.0質量%、好ましくは0.01〜3.0質量%の範囲で添加される。この範囲を下まわると、分散効果の向上には不十分であり、この範囲を超えても更なる性能の向上は得られない。
更に、前記発酵セルロースと併用してキサンタンガム、グアーガム等の天然高分子(分子量が大きな超高分子)及びその誘導体を添加することで、水中での発酵セルロースと顔料の分散状態(拡散性)を向上、保持できる。そのため、顔料がより優れた分散安定状態を確保できる。
前記天然高分子は、インキ組成物全量に対し0.001〜0.5質量%、好ましくは0.05〜0.1重量%である。
前記顔料としては、カーボンブラック、群青などの無機顔料や銅フタロシアニンブルー、ベンジジンイエロー等の有機顔料の他、予め界面活性剤等を用いて微細に安定的に水媒体中に分散された水分散顔料製品等が用いられ、例えば、C.I.Pigment Blue 15:3B〔品名:S.S.Blue GLL、顔料分22%、山陽色素株式会社製〕、C.I.Pigment Red 146〔品名:S.S.Pink FBL、顔料分21.5%、山陽色素株式会社製〕、C.I.Pigment Yellow 81〔品名:TC Yellow FG、顔料分約30%、大日精化工業株式会社製〕、C.I.Pigment Red220/166〔品名:TC Red FG、顔料分約35%、大日精化工業株式会社製〕等を挙げることができる。
蛍光顔料としては、各種蛍光性染料を樹脂マトリックス中に固溶体化した合成樹脂微細粒子状の蛍光顔料が使用できる。
また、酸化チタン等の白色顔料、蓄光性顔料、アルミニウム、ブロンズ粉等の金属粉顔料、天然雲母、合成雲母、アルミナ、ガラス片から選ばれる芯物質の表面を二酸化チタン等の金属酸化物で被覆したパール顔料、コレステリック液晶型光輝性顔料等を使用することもできる。更には、熱変色性組成物、光変色性組成物、香料等を直接又はマイクロカプセル化したカプセル顔料等を例示できる。
前記熱変色性組成物としては、(イ)電子供与性呈色性有機化合物、(ロ)電子受容性化合物、(ハ)前記両者の呈色反応の生起温度を決める反応媒体からなる可逆熱変色性組成物が好適であり、マイクロカプセルに内包させて可逆熱変色性マイクロカプセル顔料として適用される。
前記可逆熱変色性組成物としては、特公昭51−44706号公報、特公昭51−44707号公報、特公平1−29398号公報等に記載された、所定の温度(変色点)を境としてその前後で変色し、高温側変色点以上の温度域で消色状態、低温側変色点以下の温度域で発色状態を呈し、前記両状態のうち常温域では特定の一方の状態しか存在せず、もう一方の状態は、その状態が発現するのに要した熱又は冷熱が適用されている間は維持されるが、前記熱又は冷熱の適用がなくなれば常温域で呈する状態に戻る、ヒステリシス幅が比較的小さい特性(ΔH=1〜7℃)を有する可逆熱変色性組成物をマイクロカプセル中に内包させた加熱消色型のマイクロカプセル顔料が適用できる。
更に、特公平4−17154号公報、特開平7−179777号公報、特開平7−33997号公報、特開平8−39936号公報等に記載されている比較的大きなヒステリシス特性(ΔH=8〜50℃)を示すものや、特開2006−137886号公報、特開2006−188660号公報、特開2008−45062号公報、特開2008−280523号公報等に記載されている大きなヒステリシス特性を示す、即ち、温度変化による着色濃度の変化をプロットした曲線の形状が、温度を変色温度域より低温側から上昇させていく場合と逆に変色温度域より高温側から下降させていく場合とで大きく異なる経路を辿って変色し、完全発色温度以下の低温域での発色状態、又は完全消色温度以上の高温域での消色状態が、特定温度域で色彩記憶性を有する可逆熱変色性組成物を内包させ加熱消色型のマイクロカプセル顔料も適用できる。
尚、前記色彩記憶性を有する可逆熱変色性組成物として具体的には、完全発色温度を冷凍室、寒冷地等でしか得られない温度、即ち−50〜0℃、好ましくは−40〜−5℃、より好ましくは−30〜−10℃、且つ、完全消色温度を摩擦体による摩擦熱、ヘアドライヤー等身近な加熱体から得られる温度、即ち50〜95℃、好ましくは50〜90℃、より好ましくは60〜80℃の範囲に特定し、ΔH値を40〜100℃に特定することにより、常態(日常の生活温度域)で呈する色彩の保持に有効に機能させることができる。
前記顔料のうち、平均粒子径が0.1μm以上のものは、分散安定性が特に悪いため、本発明の構成がより有用である。具体的には、平均粒子径0.1〜30μm、好ましくは0.1〜20μmの範囲のものがインキ吐出性を妨げることなく鮮明な色相を発現できるため好適である(レーザー回析法、体積基準による)。
更に、必要に応じて、水性媒体に溶解可能な染料を併用することもできる。
前記染料としては、酸性染料、塩基性染料、直接染料等を使用することができ、酸性染料としては、ニューコクシン(C.I.16255)、タートラジン(C.I.19140)、アシッドブルーブラック10B(C.I.20470)、ギニアグリーン(C.I.42085)、ブリリアントブルーFCF(C.I.42090)、アシッドバイオレット6B(C.I.42640)、ソルブルブルー(C.I.42755)、ナフタレングリーン(C.I.44025)、エオシン(C.I.45380)、フロキシン(C.I.45410)、エリスロシン(C.I.45430)、ニグロシン(C.I.50420)、アシッドフラビン(C.I.56205)等が用いられる。
塩基性染料としては、クリソイジン(C.I.11270)、メチルバイオレットFN(C.I.42535)、クリスタルバイオレット(C.I.42555)、マラカイトグリーン(C.I.42000)、ビクトリアブルーFB(C.I.44045)、ローダミンB(C.I.45170)、アクリジンオレンジNS(C.I.46005)、メチレンブルーB(C.I.52015)等が用いられる。
直接染料としては、コンゴーレッド(C.I.22120)、ダイレクトスカイブルー5B(C.I.24400)、バイオレットBB(C.I.27905)、ダイレクトディープブラックEX(C.I.30235)、カヤラスブラックGコンク(C.I.35225)、ダイレクトファストブラックG(C.I.35255)、フタロシアニンブルー(C.I.74180)等が用いられる。
前記顔料を含む着色剤は一種又は二種以上を適宜混合して使用することができ、インキ組成中1乃至35質量%、好ましくは2乃至30質量%の範囲で用いられる。
更に、顔料分散剤を用いることもできる。顔料分散剤は、顔料粒子表面に吸着して、水中に顔料を分散するためのものであり、水溶性樹脂や界面活性剤等が適用できる。水溶性樹脂としては例えば、水溶性アクリル樹脂、架橋型水溶性アクリル樹脂、水溶性マレイン酸樹脂、水溶性スチレン樹脂、水溶性スチレンアクリル樹脂、水溶性スチレンマレイン酸樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコ−ル、水溶性ウレタン樹脂等が挙げられる。また界面活性剤はアニオン性、カチオン性、ノニオン性、両性界面活性剤より任意の者を選択して用いられる。
これらの顔料分散剤は、顔料1質量%に対して0.05〜2質量%の範囲、好ましくは0.2〜0.5質量%の範囲で適用される。これらの使用量は少ないと更なる顔料の分散安定性が得られず、多くなると粘度が高くなりインキ吐出性が悪化する。
また、水に相溶性のある従来汎用の水溶性有機溶剤を用いることもでき、例えば、エタノール、プロパノール、ブタノール、グリセリン、ソルビトール、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、チオジエチレングリコール、ヘキシレングリコール、1,3−ブタンジオール、ネオプレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。
尚、前記水溶性有機溶剤は一種又は二種以上を併用することもでき、インキ組成物中2〜60質量%、好ましくは5〜35質量%の範囲で用いられる。
その他、必要に応じて、炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、酢酸ソーダ等の無機塩類、水溶性のアミン化合物等の有機塩基性化合物等のpH調整剤、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、サポニン等の防錆剤、石炭酸、1、2−ベンズチアゾリン3−オンのナトリウム塩、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、パラオキシ安息香酸プロピル、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルフォニル)ピリジン等の防腐剤或いは防黴剤、尿素、ソルビット、マンニット、ショ糖、ぶどう糖、還元デンプン加水分解物、ピロリン酸ナトリウム等の湿潤剤、消泡剤、酸化防止剤、インキの浸透性を向上させるフッ素系界面活性剤やノニオン系界面活性剤を使用してもよい。
更に、潤滑剤を添加することができ、金属石鹸、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、エチレンオキサイド付加型カチオン活性剤、リン酸エステル系活性剤、N−アシルアミノ酸系界面活性剤、ジカルボン酸型界面活性剤、β−アラニン型界面活性剤、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールやその塩やオリゴマー、3−アミノ−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、チオカルバミン酸塩、ジメチルジチオカルバミン酸塩、α−リポ酸、N−アシル−L−グルタミン酸とL−リジンとの縮合物やその塩等が用いられる。
また、N−ビニル−2−ピロリドンのオリゴマー、N−ビニル−2−ピペリドンのオリゴマー、N−ビニル−2−ピロリドン、N−シクロヘキシル−2−ピロリドン、ε−カプロラクタム、N−ビニル−ε−カプロラクタムのオリゴマー等の増粘抑制剤を添加することで、出没式形態での機能を高めることもできる。
また、耐乾燥性を妨げない範疇でアルキッド樹脂、アクリル樹脂、スチレンマレイン酸共重合物、セルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、デキストリン等の水溶性樹脂を一種又は二種以上添加したり、尿素、ノニオン系界面活性剤、ソルビット、マンニット、ショ糖、ぶどう糖、還元デンプン加水分解物、ピロリン酸ナトリウム等の湿潤剤を一種又は二種以上添加することもできる。
更に必要に応じて、インキ粘度を調整するために汎用の剪断減粘性付与剤を用いることもできる。
前記剪断減粘性付与剤としては、水に可溶乃至分散性の物質が効果的であり、キサンタンガム、ウェランガム、ゼータシーガム、ダイユータンガム、マクロホモプシスガム、構成単糖がグルコースとガラクトースの有機酸修飾ヘテロ多糖体であるサクシノグリカン(平均分子量約100乃至800万)、グアーガム、ローカストビーンガム及びその誘導体、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸アルキルエステル類、メタクリル酸のアルキルエステルを主成分とする分子量10万〜15万の重合体、グルコマンナン、寒天やカラゲニン等の海藻より抽出されるゲル化能を有する炭水化物、ポリN−ビニル−カルボン酸アミド架橋物、ベンジリデンソルビトール及びベンジリデンキシリトール又はこれらの誘導体、架橋性アクリル酸重合体、無機質微粒子、HLB値が8〜12のノニオン系界面活性剤、ジアルキルスルホコハク酸の金属塩やアミン塩等を例示できる。更には、インキ組成物中にN−アルキル−2−ピロリドンとアニオン系界面活性剤を併用して添加してもよい。
前記剪断減粘性付与剤は、インキ組成物中0.1〜20質量%の範囲で用いることができる。
本発明の水性インキ組成物は、マーキングペンチップを筆記先端部に装着したマーキングペンに充填して実用に供される。尚、前記マーキングペンやボールペンは、ペン先を覆うキャップを備えたキャップ式の他、ノック式、回転式、スライド式等の出没機構を有し、軸筒内にペン先を収容可能な出没式であってもよい。
前記マーキングペン自体の構造、形状は特に限定されるものではなく、例えば、繊維チップ、フェルトチップ、プラスチックチップ等のマーキングペン用ペン先(砲弾型、チゼル型、筆ペン型等)を筆記先端部に装着し、軸筒内部に収容した繊維束からなるインキ吸蔵体にインキを含浸させ、筆記先端部にインキを供給する構造、軸筒内部に直接インキを収容し、櫛溝状のインキ流量調節部材や繊維束からなるインキ流量調節部材を介在させて筆記先端部に所定量のインキを供給する構造、軸筒内部に直接インキを収容して、弁機構により筆記先端部に所定量のインキを供給する構造のマーキングペンが挙げられる。
また、ペン先を1本備えるものの他、太さや形状の異なるペン先を軸筒の両端に備えた両頭式形態であってもよい。尚、前記両頭式形態においては、一端をボールペンとしたものであってもよい。
特に、ペン先として繊維収束体からなる繊維チップやフェルトチップにおいては、ペン先内の繊維間で橋架け状の顔料がより安定保持できるため、安定性の点からより有利である。また、繊維束からなるインキ吸蔵体を用いたものも、同様の理由から特に有用である。
実施例及び比較例のインキ組成を以下の表に示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、表中の組成の数値は質量部を示す。また、各粒子径は堀場製作所製レーザー式粒度分布測定機LA−300を使用し、そのメジアン径を平均粒子径とした。
Figure 0006189103
Figure 0006189103
表中の原料の内容について注番号に沿って説明する。
(1)東洋アルミ(株)製、商品名:WXM630(粒子径:11〜12μm)
(2)東洋アルミ(株)製、商品名:EMR−D5660(粒子径:11〜12μm)
(3)(イ)成分として4−[2,6−ビス(2−エトキシフェニル)−4−ピリジニル]−N,N−ジメチルベンゼンアミン、(ロ)成分として、2,2−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン、(ハ)成分としてカプリン酸4−ベンジルオキシフェニルエチルからなる色彩記憶性を有する可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料(予め−20℃以下に冷却してマイクロカプセル顔料を黄色に発色させたもの)。平均粒子径:2.5μm、完全消色温度:61℃、完全発色温度:−20℃、温度変化により黄色から無色に変色する。
(4)テイカ(株)製、商品名:JR707(粒子径:0.1〜0.3μm)
(5)山陽色素(株)製、商品名:サンダイスーパーブラック(粒子径:0.1〜0.2μm)
(6)アニオン系界面活性剤、第一工業製薬(株)製、商品名:ラピゾールA30
(7)高分子活性剤、ルーブリゾール(株)製、商品名:ソルスパース43000
(8)アーチケミカルズジャパン社製、商品名:プロキセルXL−2
インキの調製
前記実施例及び比較例の配合量で増粘成分(発酵セルロース、カルボキシメチルセルロース、キサンタンガム、グアーガム)以外の各原料を混合し、1000rpm(20℃)で10分間撹拌混合した後、別に調製した増粘成分(発酵セルロース、カルボキシメチルセルロース、キサンタンガム、グアーガムを水中に添加して4000rpm(20℃)で1時間撹拌混合したもの)を添加し、更に2000rpmで10分間撹拌分散することによりマーキングペン用水性インキ組成物を得た。
マーキングペンの作製
得られた各インキ組成物を軸筒内のインキ吸蔵体に充填し、先端部にインキ吸蔵体と連通するアクリル繊維束を樹脂で結着した砲弾型チップを設けることで試料用マーキングペンを得た。
各マーキングペンを用いて以下のテストを行った。
筆記試験
筆記可能であることを確認した各試料マーキングペンについて、作製直後(初期)、及び、ペン先下向き状態で20℃環境下に60日間放置した後(経時後)、旧JIS P3201筆記用紙Aに手書きで螺旋状の丸を連続筆記した際の筆跡の状態を目視により確認した。
前記試験の結果を以下の表に示す。
Figure 0006189103
尚、試験結果の評価は以下の通りである。
筆記試験
・初期
○:良好な筆跡が得られた。
×:インキ粘度が高く筆跡にかすれや線飛びが見られた。
・経時後
○:良好な筆跡が得られた。
△:筆記はできるが、書き出しから筆跡にかすれや線飛びが多数見られる、又は筆跡に濃淡差が見られる。
×:着色成分が吐出されない、又は筆記不能。

Claims (3)

  1. 水と顔料と発酵セルロースと、前記顔料と発酵セルロースを架橋するカルボキシメチルセルロース又はその塩を含んでなる水性インキ組成物を内蔵してなるマーキングペン。
  2. 前記顔料が、平均粒子径0.1〜30μmの範囲にある請求項1記載のマーキングペン。
  3. 繊維集束体からなるペン先を備えてなる請求項1又は2に記載のマーキングペン。
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