JP6173687B2 - 筆記具用水性インキ組成物及びそれを内蔵した筆記具 - Google Patents

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Description

本発明は筆記具用水性インキ組成物に関する。更には、長期経時後も安定した筆跡を形成できる筆記具用水性インキ組成物とそれを内蔵した筆記具に関する。
従来、水性インキ組成物においては、高温多湿状態等、保管状態によってインキやペン先等にカビが発生して筆記不良を生じることがあるため、インキ中に防腐剤が添加されている。特に、児童が使用しやすいマーキングペン等の筆記具に適用する場合には、より安全性の高い防腐剤が求められており、ソルビン酸カリウム等の食品用保存料として用いられるものが適用されている(例えば、特許文献1,2参照)。
前記ソルビン酸カリウムは食品添加物の保存料として規定されているため、防腐剤としての安全性は高いものであるが、筆記具インキ用の添加剤としては効果が十分に得られるものではないため、特に筆記具形態での長期経時によってはカビ等を発生してしまい、筆記不良を生じることがある。
これとは別に、銀や亜鉛等の抗菌性物質を固定した粒子を防腐剤に用いたインキ組成物が開示されている。前記粒子では、シリカゲル等の多孔性無機粒子の孔内に抗菌性物質を担持、固定させることで、経時的に抗菌性物質を徐放することで抗菌効果を発現するものであるが、インキ中でも粒子で存在するため、経時により凝集や沈降等を生じることがあり、筆記不良を生じる虞がある。更に、抗菌性物質を表面に担持する粒子を用いるため、インキ中に抗菌性成分自体の配合量を増やすことが困難であり、所望の効果が得られ難いものであった。(例えば、特許文献3参照)。
また、前記銀を含むインキとしては、銀コロイドと高分子分散剤を用いたものが開示されているが、これは筆跡に光輝性を付与するための着色剤として用いられるものであり、防腐剤としての効果を発現するものではない。このようなナノ粒子であっても、高分子分散剤の添加が必須となるように、経時による凝集が生じ易いため、インキ中での安定性に欠けるものであった(例えば、特許文献4参照)。
特開平6−322309号公報 実開平7−15379号公報 特開平7−331151号公報 特開2004−161852号公報
本発明は、安全性が高く、長期経時後もインキ物性の変化を生じることなく、継続的に十分な効果を発現する防腐剤を用いることで、長期間安定した筆跡形成が可能な、より実用性の高い筆記具用水性インキ組成物とそれを内蔵した筆記具を提供するものである。
本発明の筆記具用水性インキ組成物は、着色剤と銀イオン水を含んでなり、水性インキ中の銀イオン濃度が重量で0.1〜10ppmの範囲であることを要件とする。
更には、前記筆記具用水性インキ組成物を内蔵してなる筆記具を要件とする。
本発明の筆記具用水性インキ組成物は銀イオン水を用いることで、安全性及びインキ中での安定性が高く、長期的にカビの発生を抑制できるため、インキ形態のみならず、筆記具形態での長期経時後も筆記不良を生じることなく良好な筆跡を継続して形成できる、より実用性の高い筆記具用水性インキ組成物とそれを内蔵した筆記具となる。
前記銀イオン水とは、イオン化状態にした銀イオンが溶け込んだ水溶液であり、銀錯体をシリカゲルに担持した粒子やナノ銀粒子等を分散状態で用いていた従来のインキとは異なり、イオンの状態で長期間安定してインキ中に存在できるため、凝集や沈降等を生じることなく、インキに対する銀イオンの配合量(銀イオン濃度)の調整が容易に行い得るものとなる。そのため、水性インキ媒体中でカビの発生を長期に亘って効果的に抑制できるものである。
前記銀イオン水としては、水媒体中に銀イオンを含むものであればどのようなものでも適用できるが、イオン濃度の調整が容易である点から電気分解法や薬剤法で調製されたものが好適である。
特に、前記銀イオン水のうち、電気分解法で製造されたものは銀イオン成分以外のものを含まないため、インキに配合した際の組成調整が確実に行い得る。前記電気分解法として、具体的には、水中で銀電極に電流を通して電気分解することで銀イオンを溶出させる製法が適用される。この方法を用いた場合、電流量や調製時間に応じて水中のイオン濃度を容易に調節できるため、所望の濃度の銀イオン水が確実に得られ、特に使用し易いものとなる。尚、銀イオン水の濃度調整は、使用する銀イオン水に水を加えることや、他のインキ組成物を含む水媒体(ビヒクル)中に銀イオン水を加えること等、通常の方法で行うことができる。
前記銀イオンの水性インキ中での濃度としては、0.1〜10ppm、好ましくは0.5〜5ppmの範囲として適用される。
0.1ppm未満では防腐剤としての効果を十分得ることは困難であり、また、10ppmを越えて配合しても更なる効果は得られないので、これ以上の添加を要しない。
前記着色剤としては、水性系媒体に溶解もしくは分散可能な染料及び顔料がすべて使用可能であり、その具体例を以下に例示する。
前記染料としては、酸性染料、塩基性染料、直接染料等を使用することができる。
酸性染料としては、ニューコクシン(C.I.16255)、タートラジン(C.I.19140)、アシッドブルーブラック10B(C.I.20470)、ギニアグリーン(C.I.42085)、ブリリアントブルーFCF(C.I.42090)、アシッドバイオレット6B(C.I.42640)、ソルブルブルー(C.I.42755)、ナフタレングリーン(C.I.44025)、エオシン(C.I.45380)、フロキシン(C.I.45410)、エリスロシン(C.I.45430)、ニグロシン(C.I.50420)、アシッドフラビン(C.I.56205)等が用いられる。
塩基性染料としては、クリソイジン(C.I.11270)、メチルバイオレットFN(C.I.42535)、クリスタルバイオレット(C.I.42555)、マラカイトグリーン(C.I.42000)、ビクトリアブルーFB(C.I.44045)、ローダミンB(C.I.45170)、アクリジンオレンジNS(C.I.46005)、メチレンブルーB(C.I.52015)等が用いられる。
直接染料としては、コンゴーレッド(C.I.22120)、ダイレクトスカイブルー5B(C.I.24400)、バイオレットBB(C.I.27905)、ダイレクトディープブラックEX(C.I.30235)、カヤラスブラックGコンク(C.I.35225)、ダイレクトファストブラックG(C.I.35255)、フタロシアニンブルー(C.I.74180)等が用いられる。
前記顔料としては、カーボンブラック、群青などの無機顔料や銅フタロシアニンブルー、ベンジジンイエロー等の有機顔料の他、予め界面活性剤や樹脂を用いて微細に安定的に水媒体中に分散された水分散顔料製品等が用いられ、例えば、C.I.Pigment Blue 15:3B〔品名:Sandye Super Blue GLL、顔料分24%、山陽色素株式会社製〕、C.I. Pigment Red 146〔品名:Sandye Super Pink FBL、顔料分21.5%、山陽色素株式会社製〕、C.I.Pigment Yellow 81〔品名:TC Yellow FG、顔料分約30%、大日精化工業株式会社製〕、C.I.Pigment Red 220/166〔品名:TC Red FG、顔料分約35%、大日精化工業株式会社製〕等を挙げることができる。
尚、前記顔料を分散する樹脂としては、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、アクリル酸樹脂、マレイン酸樹脂、アラビアゴム、セルロース、デキストラン、カゼイン等、およびそれらの誘導体、前記した樹脂の共重合体等が挙げられる。
蛍光顔料としては、各種蛍光性染料を樹脂マトリックス中に固溶体化した合成樹脂微細粒子状の蛍光顔料が使用できる。
また、酸化チタン等の白色顔料、アルミニウム等の金属粉、天然雲母、合成雲母、アルミナ、ガラス片から選ばれる芯物質の表面を二酸化チタン等の金属酸化物で被覆したパール顔料、コレステリック液晶型光輝性顔料等を使用することもできる。
更に、熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料(加熱消色型顔料)や、熱変色性組成物と共に、染料や顔料を内包したマイクロカプセル顔料等の熱変色性顔料を使用することもできる。
前記熱変色性組成物としては、(イ)電子供与性呈色性有機化合物、(ロ)電子受容性化合物、(ハ)前記両者の呈色反応の生起温度を決める反応媒体からなる可逆熱変色性組成物が好適であり、マイクロカプセルに内包させて可逆熱変色性マイクロカプセル顔料として適用される。
前記可逆熱変色性組成物としては、特公昭51−44706号公報、特公昭51−44707号公報、特公平1−29398号公報等に記載された、所定の温度(変色点)を境としてその前後で変色し、高温側変色点以上の温度域で消色状態、低温側変色点以下の温度域で発色状態を呈し、前記両状態のうち常温域では特定の一方の状態しか存在せず、もう一方の状態は、その状態が発現するのに要した熱又は冷熱が適用されている間は維持されるが、前記熱又は冷熱の適用がなくなれば常温域で呈する状態に戻る、ヒステリシス幅が比較的小さい特性(ΔH=1〜7℃)を有する可逆熱変色性組成物をマイクロカプセル中に内包させた加熱消色型のマイクロカプセル顔料が適用できる。
更に、特公平4−17154号公報、特開平7−179777号公報、特開平7−33997号公報、特開平8−39936号公報等に記載されている大きなヒステリシス特性(ΔH=8〜50℃)を示す、即ち、温度変化による着色濃度の変化をプロットした曲線の形状が、温度を変色温度域より低温側から上昇させていく場合と逆に変色温度域より高温側から下降させていく場合とで大きく異なる経路を辿って変色し、完全発色温度以下の低温域での発色状態、又は完全消色温度以上の高温域での消色状態が、特定温度域で色彩記憶性を有する可逆熱変色性組成物をマイクロカプセル中に内包させた加熱消色型のマイクロカプセル顔料も適用できる。
尚、前記色彩記憶性を有する可逆熱変色性組成物として具体的には、完全発色温度を冷凍室、寒冷地等でしか得られない温度、即ち−50〜0℃、好ましくは−40〜−5℃、より好ましくは−30〜−10℃、且つ、完全消色温度を摩擦体による摩擦熱、ヘアドライヤー等身近な加熱体から得られる温度、即ち50〜95℃、好ましくは50〜90℃、より好ましくは60〜80℃の範囲に特定し、ΔH値を40〜100℃に特定することにより、常態(日常の生活温度域)で呈する色彩の保持に有効に機能させることができる。
前記着色剤は一種又は二種以上を適宜混合して使用することができ、インキ組成物中1〜30重量%、好ましくは2〜20重量%の範囲で用いられる。
また、水に相溶性のある従来汎用の水溶性有機溶剤を用いることもでき、例えば、エタノール、プロパノール、ブタノール、グリセリン、ソルビトール、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、チオジエチレングリコール、ヘキシレングリコール、1,3−ブタンジオール、ネオプレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。
尚、前記水溶性有機溶剤は一種又は二種以上を併用することもでき、インキ組成物中2〜60重量%、好ましくは5〜35重量%の範囲で用いられる。
その他、必要に応じて、炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、酢酸ソーダ等の無機塩類、水溶性のアミン化合物等の有機塩基性化合物等のpH調整剤、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、サポニン等の防錆剤、石炭酸、1、2−ベンズチアゾリン3−オンのナトリウム塩、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、パラオキシ安息香酸プロピル、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルフォニル)ピリジン等の防腐剤或いは防黴剤、尿素、ソルビット、マンニット、ショ糖、ぶどう糖、還元デンプン加水分解物、ピロリン酸ナトリウム等の湿潤剤、消泡剤、インキの浸透性を向上させるフッ素系界面活性剤やノニオン系界面活性剤を使用してもよい。
更に、潤滑剤を添加することができ、金属石鹸、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、エチレンオキサイド付加型カチオン活性剤、リン酸エステル系活性剤、N−アシルアミノ酸系界面活性剤、ジカルボン酸型界面活性剤、β−アラニン型界面活性剤、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールやその塩やオリゴマー、3−アミノ−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、チオカルバミン酸塩、ジメチルジチオカルバミン酸塩、α−リポ酸、N−アシル−L−グルタミン酸とL−リジンとの縮合物やその塩等が用いられる。
また、N−ビニル−2−ピロリドンのオリゴマー、N−ビニル−2−ピペリドンのオリゴマー、N−ビニル−2−ピロリドン、N−シクロヘキシル−2−ピロリドン、ε−カプロラクタム、N−ビニル−ε−カプロラクタムのオリゴマー等の増粘抑制剤を添加することで、出没式形態での機能を高めることもできる。
また、耐乾燥性を妨げない範疇でアルキッド樹脂、アクリル樹脂、スチレンマレイン酸共重合物、セルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、デキストリン等の水溶性樹脂を一種又は二種以上添加したり、尿素、ノニオン系界面活性剤、ソルビット、マンニット、ショ糖、ぶどう糖、還元デンプン加水分解物、ピロリン酸ナトリウム等の湿潤剤を一種又は二種以上添加することもできる。
前記水性インキ組成物には、剪断減粘性付与剤を添加することもできる。
前記剪断減粘性付与剤としては、水に可溶乃至分散性の物質が効果的であり、キサンタンガム、ウェランガム、ゼータシーガム、ダイユータンガム、マクロホモプシスガム、構成単糖がグルコースとガラクトースの有機酸修飾ヘテロ多糖体であるサクシノグリカン(平均分子量約100乃至800万)、グアーガム、ローカストビーンガム及びその誘導体、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸アルキルエステル類、メタクリル酸のアルキルエステルを主成分とする分子量10万〜15万の重合体、グルコマンナン、寒天やカラゲニン等の海藻より抽出されるゲル化能を有する炭水化物、ポリN−ビニル−カルボン酸アミド架橋物、ベンジリデンソルビトール及びベンジリデンキシリトール又はこれらの誘導体、架橋性アクリル酸重合体、無機質微粒子、HLB値が8〜12のノニオン系界面活性剤、ジアルキルスルホコハク酸の金属塩やアミン塩等を例示できる。更には、インキ組成物中にN−アルキル−2−ピロリドンとアニオン系界面活性剤を併用して添加してもよい。
前記剪断減粘性付与剤は、インキ組成物中0.1〜20重量%の範囲で用いることができる。
本発明の筆記具用水性インキ組成物は、繊維チップ、フェルトチップ、プラスチックチップ、ボールペンチップを筆記先端部に装着したマーキングペンやボールペンに充填される。尚、前記マーキングペンやボールペンは、ペン先を覆うキャップを備えたキャップ式の他、ノック式、回転式、スライド式等の出没機構を有し、軸筒内にペン先を収容可能な出没式であってもよい。
マーキングペンに充填する場合、マーキングペン自体の構造、形状は特に限定されるものではなく、例えば、繊維チップ、フェルトチップ、プラスチックチップ等のマーキングペン用ペン先(砲弾型、チゼル型、筆ペン型等)を筆記先端部に装着し、軸筒内部に収容した繊維束からなるインキ吸蔵体にインキを含浸させ、筆記先端部にインキを供給する構造、軸筒内部に直接インキを収容し、櫛溝状のインキ流量調節部材や繊維束からなるインキ流量調節部材を介在させて筆記先端部に所定量のインキを供給する構造、軸筒内部に直接インキを収容して、弁機構により筆記先端部に所定量のインキを供給する構造のマーキングペンが挙げられる。
また、ペン先を1本備えるものの他、太さや形状の異なるペン先を軸筒の両端に備えた両頭式形態であってもよい。尚、前記両頭式形態においては、一端をボールペンとしたものであってもよい。
ボールペンに充填する場合、ボールペン自体の構造、形状は特に限定されるものではなく、例えば、軸筒内部に収容した繊維束からなるインキ吸蔵体にインキを含浸させ、筆記先端部にインキを供給する構造、軸筒内部に直接インキを収容し、櫛溝状のインキ流量調節部材や繊維束からなるインキ流量調節部材を介在させる構造、軸筒内にインキ組成物を充填したインキ収容管を有し、該インキ収容管はボールを先端部に装着したチップに連通しており、さらにインキの端面には逆流防止用の液栓が密接している構造のボールペンが挙げられる。
実施例及び比較例のインキ組成を以下の表に示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、表中の組成の数値は重量部を示す。
Figure 0006173687
表中の原料の内容について注番号に沿って説明する。
(1)冨士色素(株)製、商品名:フジSPブラック8500(固形分:16%)
(2)(株)アイゼン製、商品名:フロキシン(C.I.アシッドレッド92)
(3)山陽色素(株)製、商品名:サンダイスーパーブラックC(固形分:30%)
(4)(イ)成分として2−(2−クロロアニリノ)−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン4.5部、(ロ)成分として1,1−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)n−デカン4.5部、2,2−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン7.5部、(ハ)成分としてカプリン酸4−ベンジルオキシフェニルエチル50.0部からなる可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料(T:−20℃、T:−9℃、T:40℃、T:57℃、ΔH:63℃、平均粒子径:2.5μm、黒色から無色に色変化する)
(5)BASF社製、商品名:ジョンクリル61J
(6)荒川化学工業(株)製、商品名:スーパーエステルE730−55
(7)第一工業製薬(株)製、商品名:プライサーフAL
(8)三晶(株)製、商品名:レオザン
(9)イオン交換水中に銀電極を浸漬し、電気分解することで銀イオンを溶出させる電気分解法により調製した銀イオン濃度10ppmの銀イオン水
(10)松下電気産業(株)製、商品名:アメニトップ
マーキングペンインキの調製
前記実施例1乃至3及び比較例1乃至3の配合量で各原料を混合し、25℃で3時間撹拌溶解した後、濾過することによりマーキングペンインキ組成物を得た。
マーキングペンの作製
ポリエステルスライバーを合成樹脂フィルムで被覆したインキ吸蔵体内に前記マーキングペンインキ組成物を含浸させ、ポリプロピレン樹脂からなる軸筒内に収容し、ホルダーを介して軸筒先端部にポリエステル繊維の樹脂加工チップ(砲弾型)を接続状態に組み立て、キャップを装着することでマーキングペンを得た。
ボールペンインキの調製
前記実施例4,5及び比較例4,5の配合量で増粘剤を除く各原料を混合し、25℃でディスパーにて400rpm、1時間攪拌した後、増粘剤を加えて更に1時間攪拌することでボールペンインキ組成物を得た。
インキ逆流防止体の調製
基油としてポリブテン98.5部中に、増粘剤として脂肪酸アマイド1.5部を添加した後、3本ロールにて混練してインキ逆流防止体を得た。
ボールペンの作製
直径0.4mmの超硬合金製ボールを抱持するステンレススチール製チップが透明ポリプロピレン製パイプの一端に嵌着されたボールペンレフィル内に、前記各インキ組成物を充填し、その後端に前記インキ逆流防止体を配設した後、前記ボールペンレフィルを軸筒に組み込み、ボールペンを作製した。
得られた各インキ組成物と各筆記具を用いて以下の試験を行った。
防腐試験
調製した各インキ5gをサンプル瓶に移し取り蓋をした後、25℃,湿度60%の環境下に60日間放置した。その後、インキの状態(カビ発生の有無)を目視により確認した。
筆記試験
前記マーキングペン及びボールペンをキャップ下向きで25℃,湿度60%の環境下に60日間放置した後、旧JIS P3201筆記用紙Aに手書きで螺旋状の丸を連続筆記した際の筆跡の状態を目視により確認した。
インキ安定性試験
前記マーキングペン及びボールペンをチップ下向き状態で静置し、25℃,湿度60%の環境下に60日間放置した。その後、室温にて内部のインキの状態を目視により確認した。
各試験の結果を以下に示す。
Figure 0006173687
尚、前記表中の記号に関する評価は以下の通りである。
防腐試験
○:変化なし。
×:カビの発生が見られる。
筆記試験
○:良好な筆跡が得られる。
×:筆跡にカスレや色調変化が見られる、または筆記不能であった。
インキ安定性試験
○:異常なし。
×:粒子の凝集や沈降が見られる。

Claims (2)

  1. 着色剤と銀イオン水を含んでなり、水性インキ中の銀イオン濃度が重量で0.1〜10ppmの範囲である筆記具用水性インキ組成物。
  2. 前記請求項1に記載の筆記具用水性インキ組成物を内蔵してなる筆記具
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