以下、本発明の一実施の形態について、図面を用いて説明する。
まず、本実施の形態に係る画像形成システムの構成について説明する。
図1は、本実施の形態に係る画像形成システム10のブロック図である。
図1に示すように、画像形成システム10は、印刷ジョブを送信するコンピューター20と、コンピューター20によって送信されてきた印刷ジョブを管理可能なMFP(Multifunction Peripheral)であるジョブ管理装置としてのマネージャーMFP30と、マネージャーMFP30によって管理されている印刷ジョブを実行可能な画像形成装置としてのMFPであるクライアントMFP40などの複数のクライアントMFPとを備えている。コンピューター20と、マネージャーMFP30と、クライアントMFP40などのクライアントMFPとは、LAN(Local Area Network)、インターネットなどのネットワーク11を介して互いに通信可能に接続されている。
なお、クライアントMFP40以外のクライアントMFPについては、クライアントMFP40と同様であるので、以下において説明を省略する。
図2は、コンピューター20のブロック図である。
図2に示すように、コンピューター20は、種々の操作が入力されるマウスやキーボードなどの入力デバイスである操作部21と、種々の情報を表示するLCD(Liquid Crystal Display)などの表示デバイスである表示部22と、ネットワーク11(図1参照。)経由でMFPなど、外部の装置と通信を実行する通信デバイスである通信部23と、プログラムおよび各種のデータを記憶しているHDD(Hard Disk Drive)などの記憶デバイスである記憶部24と、コンピューター20全体を制御する制御部25とを備えている。コンピューター20は、例えばPC(Personal Computer)などの電子機器によって構成されている。
記憶部24は、コンピューター20からMFPを制御するプリンタードライバー24aを記憶している。プリンタードライバー24aは、コンピューター20の製造段階でコンピューター20にインストールされていても良いし、CD(Compact Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、USB(Universal Serial Bus)メモリーなどの記憶媒体からコンピューター20に追加でインストールされても良いし、ネットワーク11上からコンピューター20に追加でインストールされても良い。
記憶部24は、マネージャーMFP30(図1参照。)の第1のポート番号として、通常の印刷のためのポート番号(以下「通常印刷用ポート番号」と言う。)24bを記憶することが可能である。また、記憶部24は、マネージャーMFP30の第2のポート番号として、プルプリント用のポート番号(以下「プルプリント用ポート番号」と言う。)24cを記憶することが可能である。また、記憶部24は、クライアントMFP40(図1参照。)などの複数のクライアントMFPに対しても、通常印刷用ポート番号24dをそれぞれ記憶することができる。
制御部25は、例えば、CPU(Central Processing Unit)と、プログラムおよび各種のデータを予め記憶しているROM(Read Only Memory)と、CPUの作業領域として用いられるRAM(Random Access Memory)とを備えている。CPUは、ROMまたは記憶部24に記憶されているプログラムを実行するようになっている。
制御部25は、記憶部24に記憶されているプリンタードライバー24aを実行することによって、指示を受け付ける指示受付手段25a、および、指示受付手段25aによって受け付けられた指示に応じてMFPに印刷ジョブを送信するジョブ送信手段25bとして機能する。
図3は、マネージャーMFP30のブロック図である。
図3に示すように、マネージャーMFP30は、種々の操作が入力されるボタンなどの入力デバイスである操作部31と、種々の情報を表示するLCDなどの表示デバイスである表示部32と、原稿から画像を読み取る読取デバイスであるスキャナー33と、用紙などの記録媒体に印刷を実行する印刷デバイスであるプリンター34と、図示していない外部のファクシミリ装置と公衆電話回線などの通信回線経由でファックス通信を実行するファックスデバイスであるファックス通信部35と、ネットワーク11(図1参照。)経由でコンピューター20(図1参照。)など、外部の装置と通信を実行する通信デバイスである通信部36と、IDカードからIDカード情報を読み取るカード読取デバイスとしてのIDカードリーダー37と、各種のデータを記憶しているEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、HDDなどの記憶デバイスである記憶部38と、マネージャーMFP30全体を制御する制御部39とを備えている。
記憶部38は、印刷ジョブの実行を制御するための印刷制御プログラム38aと、プルプリントを制御するためのジョブ管理プログラムとしてのマネージャー用プルプリントプログラム38bとを記憶している。印刷制御プログラム38aおよびマネージャー用プルプリントプログラム38bは、マネージャーMFP30の製造段階でマネージャーMFP30にインストールされていても良いし、SDカード、USB(Universal Serial Bus)メモリーなどの記憶媒体からマネージャーMFP30に追加でインストールされても良いし、ネットワーク11上からマネージャーMFP30に追加でインストールされても良い。
記憶部38は、通常印刷用ポート番号38cおよびプルプリント用ポート番号38dを記憶することが可能である。通常印刷用ポート番号38cおよびプルプリント用ポート番号38dは、互いに異なるポート番号であって、例えばマネージャーMFP30の管理者によって任意に設定されることが可能である。例えば、通常印刷用ポート番号38c、プルプリント用ポート番号38dは、それぞれ、「9100」、「39100」である。
記憶部38は、コンピューター20から送信されてきた印刷ジョブ38eを複数記憶することができる。
また、記憶部38は、利用者の情報を管理するための利用者情報テーブル38fと、印刷ジョブの情報を管理するためのジョブ情報テーブル38gとを記憶することができる。
図4は、利用者情報テーブル38fの一例を示す図である。
図4に示すように、利用者情報テーブル38fには、利用者の識別情報を示す利用者名と、利用者の認証情報を示すアクセスコードと、利用者のIDカードのIDカード情報とが利用者毎に含まれる。例えば、図4に示す例では、利用者名「k080701267」の利用者のアクセスコードは、「5678」である。
図5は、ジョブ情報テーブル38gの一例を示す図である。
図5に示すように、ジョブ情報テーブル38gには、印刷ジョブの名称を示すジョブ名と、印刷ジョブに関連付けられている利用者名と、印刷ジョブのファイル名とが印刷ジョブ毎に含まれる。例えば、図5に示す例では、ジョブ名「Word_140513_102723.prn」の印刷ジョブに関連付けられている利用者名、ファイル名は、それぞれ、「k080701267」、「info.doc」である。
図3に示す制御部39は、例えば、CPUと、プログラムおよび各種のデータを記憶しているROMと、CPUの作業領域として用いられる主記憶デバイスとしてのRAMとを備えている。CPUは、ROMまたは記憶部38に記憶されているプログラムを実行する。
制御部39は、記憶部38に記憶されている印刷制御プログラム38aを実行することによって、通常印刷用ポート番号38c宛てに通信部36によって受信された印刷ジョブをプリンター34によって実行する印刷実行手段39aとして機能する。
また、制御部39は、記憶部38に記憶されているマネージャー用プルプリントプログラム38bを実行することによって、プルプリント用ポート番号38d宛てに通信部36によって受信された印刷ジョブを管理するジョブ管理手段39b、および、ジョブ管理手段39bによって管理されている印刷ジョブをクライアントMFPからの要求に応じて通信部36を介してクライアントMFPに送信する他装置送信手段39cとして機能する。
図6は、クライアントMFP40のブロック図である。
図6に示すように、クライアントMFP40は、マネージャーMFP30(図3参照。)と同様に、操作部41、表示部42、スキャナー43、プリンター44、ファックス通信部45、通信部46、IDカードリーダー47、記憶部48および制御部49を備えている。
記憶部48は、印刷ジョブの実行を制御するための印刷制御プログラム48aと、プルプリントを制御するためのクライアント用プルプリントプログラム48bとを記憶している。印刷制御プログラム48aおよびクライアント用プルプリントプログラム48bは、クライアントMFP40の製造段階でクライアントMFP40にインストールされていても良いし、SDカード、USBメモリーなどの記憶媒体からクライアントMFP40に追加でインストールされても良いし、ネットワーク11(図1参照。)上からクライアントMFP40に追加でインストールされても良い。
記憶部48は、通常印刷用ポート番号48cを記憶することが可能である。通常印刷用ポート番号48cは、例えばクライアントMFP40の管理者によって任意に設定されることが可能である。例えば、通常印刷用ポート番号48cは、「9100」である。
制御部49は、記憶部48に記憶されている印刷制御プログラム48aを実行することによって、通常印刷用ポート番号48c宛てに通信部46によって受信された印刷ジョブをプリンター44によって実行する通常印刷実行手段49aとして機能する。
また、制御部49は、記憶部48に記憶されているクライアント用プルプリントプログラム48bを実行することによって、マネージャーMFP30に情報を送信する情報送信手段49b、および、マネージャーMFP30から受信した印刷ジョブをプリンター44によって実行するプルプリント用印刷実行手段49cとして機能する。
次に、画像形成システム10の動作について説明する。
まず、プリンタードライバー24aによるポート番号の設定について説明する。
利用者は、コンピューター20の操作部21を介して、マネージャーMFP30のプルプリント用ポート番号の設定の開始をコンピューター20に指示することができる。コンピューター20の指示受付手段25aは、マネージャーMFP30のプルプリント用ポート番号の設定の開始が指示されると、図7に示す設定画面50を表示部22に表示する。
図7は、プリンタードライバー24aによるポート番号の設定画面50の一例を示す図である。
図7に示す設定画面50には、設定対象のポートの名称が入力されるためのテキストボックス51と、設定対象のMFPの名称またはIP(Internet Protocol)アドレスが入力されるためのテキストボックス52と、設定対象のMFPとの通信プロトコルとしてRawが選択されるためのラジオボタン53aと、設定対象のMFPとの通信プロトコルとしてLPR(Line Printer daemon protocol)が選択されるためのラジオボタン53bと、設定対象のMFPとRawプロトコルで通信する場合に使用するポート番号が入力されるためのテキストボックス54と、設定対象のMFPとLPRで通信する場合の設定領域55と、SNMP(Simple Network Management Protocol)に関する設定領域56と、設定を有効にするためのOKボタン57と、設定を中止するためのキャンセルボタン58とが含まれている。ラジオボタン53aおよびラジオボタン53bは、常に何れか一方のみが選択された状態になる。
利用者は、設定画面50において、マネージャーMFP30のIPアドレスをテキストボックス52に入力し、ラジオボタン53aを選択し、マネージャーMFP30のプルプリント用ポート番号として例えばマネージャーMFP30の管理者から通知されているポート番号をテキストボックス54に入力した後、OKボタン57を押すことによって、プリンタードライバー24aによるマネージャーMFP30のプルプリント用ポート番号の設定を指示することができる。
指示受付手段25aは、プリンタードライバー24aによるマネージャーMFP30のプルプリント用ポート番号の設定が指示されると、テキストボックス54において指定されていたポート番号をプルプリント用ポート番号24cとして記憶部24に記憶する。
以上においては、プリンタードライバー24aによるマネージャーMFP30のプルプリント用ポート番号の設定について説明したが、プリンタードライバー24aによるマネージャーMFP30の通常印刷用ポート番号の設定や、プリンタードライバー24aによるクライアントMFPの通常印刷用ポート番号の設定についても同様である。
次に、通常の印刷の場合の画像形成システム10の動作について説明する。
利用者は、コンピューター20の操作部21を介して、印刷部数、ページ集約、両面印刷などの様々な設定に応じた印刷をマネージャーMFP30に実行させる指示をコンピューター20に入力することができる。マネージャーMFP30に印刷を実行させる指示が入力されると、コンピューター20の指示受付手段25aは、マネージャーMFP30に印刷を実行させる指示を受け付ける。
コンピューター20のジョブ送信手段25bは、マネージャーMFP30に印刷を実行させる指示が指示受付手段25aによって受け付けられると、指示受付手段25aによって受け付けられた指示に応じた印刷ジョブを、記憶部24に記憶されている通常印刷用ポート番号24b宛てにマネージャーMFP30に対して送信する。
そして、マネージャーMFP30の印刷実行手段39aは、通信部36によって受信された印刷ジョブの宛先と、記憶部38に記憶されている通常印刷用ポート番号38cとが同一である場合、すなわち、通常印刷用ポート番号38c宛ての印刷ジョブが通信部36によって受信された場合、通信部36によって受信された印刷ジョブをプリンター34によって実行する。
以上においては、マネージャーMFP30による通常の印刷について説明したが、クライアントMFPによる通常の印刷についても同様である。
次に、プルプリントの場合の画像形成システム10の動作について説明する。
利用者は、マネージャーMFP30によるクライアントMFPへの印刷ジョブの送信のためにマネージャーMFP30に印刷ジョブを管理させる指示、すなわち、プルプリントの指示を、コンピューター20の操作部21を介してコンピューター20に入力することができる。具体的には、利用者は、印刷部数、ページ集約、両面印刷などの様々な印刷設定と、図8に示す設定画面60によるプルプリント(プライベートプリント)用の設定とを行った印刷を実行する指示をコンピューター20に入力する。
図8は、プリンタードライバー24aによるプルプリントの設定画面60の一例を示す図である。
図8に示す設定画面60には、アクセスコードが入力されるためのテキストボックス61と、設定を有効にするためのOKボタン62と、設定を中止するためのキャンセルボタン63とが含まれている。
プルプリントの指示が入力されると、コンピューター20の指示受付手段25aは、プルプリントの指示を受け付ける。
コンピューター20のジョブ送信手段25bは、プルプリントの指示が指示受付手段25aによって受け付けられると、指示受付手段25aによって受け付けられた指示に応じた印刷ジョブを、記憶部24に記憶されているプルプリント用ポート番号24c宛てにマネージャーMFP30に対して送信する。このとき、ジョブ送信手段25bは、マネージャーMFP30のプルプリント用ポート番号宛てに送信する印刷ジョブのPJL(Printer Job Language)に次のコマンドを付与する。
@PJL SET HOLDTYPE=PRIVATE
@PJL SET HOLDKEY=”5678”
@PJL SET USERNAME=”k080701267”
一行目のコマンドは、パラメーター「HOLDTYPE」に値「PRIVATE」を設定するコマンドであり、プルプリントが指示された印刷ジョブであることを示すコマンドである。
二行目のコマンドは、パラメーター「HOLDKEY」に値「5678」を設定するコマンドであり、アクセスコードを示すコマンドである。なお、値「5678」は、一例であり、実際には、設定画面60のテキストボックス61において設定された値である。
三行目のコマンドは、パラメーター「USERNAME」に値「k080701267」を設定するコマンドであり、利用者名を示すコマンドである。なお、値「k080701267」は、一例であり、実際には、プルプリントの指示を入力した利用者がコンピューター20にログインした利用者名である。
そして、マネージャーMFP30のジョブ管理手段39bは、通信部36によって受信された印刷ジョブの宛先と、記憶部38に記憶されているプルプリント用ポート番号38dとが同一である場合、すなわち、プルプリント用ポート番号38d宛ての印刷ジョブが通信部36によって受信された場合、通信部36によって受信された印刷ジョブを管理する。具体的には、ジョブ管理手段39bは、図9に示す動作を実行する。
図9は、印刷ジョブを管理する場合のマネージャーMFP30の動作のフローチャートである。
図9に示すように、ジョブ管理手段39bは、対象の印刷ジョブのPJLのコマンドにおいてパラメーター「HOLDTYPE」に値「PRIVATE」が設定されているか否かを判断する(S101)。
ジョブ管理手段39bは、パラメーター「HOLDTYPE」に値「PRIVATE」が設定されているとS101において判断すると、対象の印刷ジョブのPJLのコマンドにおいてパラメーター「HOLDKEY」に番号が設定されているか否かを判断する(S102)。
ジョブ管理手段39bは、パラメーター「HOLDKEY」に番号が設定されているとS102において判断すると、対象の印刷ジョブのPJLのコマンドにおいてパラメーター「USERNAME」に利用者名が設定されているか否かを判断する(S103)。
ジョブ管理手段39bは、パラメーター「HOLDTYPE」に値「PRIVATE」が設定されていないとS101において判断するか、パラメーター「HOLDKEY」に番号が設定されていないとS102において判断するか、パラメーター「USERNAME」に利用者名が設定されていないとS103において判断すると、対象の印刷ジョブを破棄して(S104)、図9に示す動作を終了する。
ジョブ管理手段39bは、パラメーター「USERNAME」に利用者名が設定されているとS103において判断すると、対象の印刷ジョブのPJLのコマンドにおいてパラメーター「USERNAME」に設定されている利用者名と、対象の印刷ジョブのPJLのコマンドにおいてパラメーター「HOLDKEY」に番号として設定されているアクセスコードとを関連付けて利用者情報テーブル38fに記憶する(S105)。具体的には、ジョブ管理手段39bは、対象の利用者名が利用者情報テーブル38fに記憶されているか否かを判断し、対象の利用者名が利用者情報テーブル38fに記憶されていなければ、対象の利用者名を利用者情報テーブル38fに追加する。次いで、ジョブ管理手段39bは、利用者情報テーブル38fにおいて対象の利用者名に対応付けられるアクセスコードとして、対象のアクセスコードを記憶させる。ここで、利用者情報テーブル38fにおいて対象の利用者名に既にアクセスコードが対応付けられる場合には、既に対応付けられているアクセスコードを、対象のアクセスコードによって上書きする。
ジョブ管理手段39bは、S105の処理の後、対象の印刷ジョブの情報をジョブ情報テーブル38gに記憶する(S106)。ここで、ジョブ管理手段39bは、対象の印刷ジョブのジョブ名を任意に生成しても良い。また、対象の印刷ジョブの情報の1つとして、対象の印刷ジョブのPJLのコマンドにおいてパラメーター「USERNAME」に設定されている利用者名もジョブ情報テーブル38gに記憶させる。
次いで、ジョブ管理手段39bは、対象の印刷ジョブを印刷ジョブ38eとして記憶部38に記憶して(S107)、図9に示す動作を終了する。
利用者は、印刷ジョブがマネージャーMFP30によって図9に示すように管理されると、マネージャーMFP30へのログインをクライアントMFP40の操作部41を介してクライアントMFP40に指示することができる。ここで、クライアントMFP40の表示部42には、マネージャーMFP30へのログインのための図10に示すようなログイン画面70が表示される。
図10は、ログイン画面70の一例を示す図である。
図10に示すログイン画面70には、利用者名が入力されるためのテキストボックス71と、ログイン用のパスワードが入力されるためのテキストボックス72と、処理を中止するためのキャンセルボタン73と、IDカードによってログインするためのボタン74と、処理を続行するためのOKボタン75とが含まれる。
利用者は、テキストボックス71、テキストボックス72にそれぞれ利用者名、パスワードを入力して、OKボタン75を押すことによって、テキストボックス71に入力された利用者名と、テキストボックス72に入力されたパスワードとの組み合わせをログイン用情報としたマネージャーMFP30へのログインを、クライアントMFP40に指示することができる。また、利用者は、IDカードリーダー47にIDカードをセットしてログイン画面70においてボタン74を押すことによって、IDカードリーダー47によってIDカードから読み取られたIDカード情報をログイン用情報としたマネージャーMFP30へのログインを、クライアントMFP40に指示することができる。
図11は、マネージャーMFP30によって管理されている印刷ジョブをクライアントMFP40で実行する場合のマネージャーMFP30およびクライアントMFP40の動作のシーケンス図である。
図11に示すように、クライアントMFP40は、マネージャーMFP30へのログインが指示されると、利用者によって入力されたログイン用情報をマネージャーMFP30に送信する(S121)。ここで、マネージャーMFP30と、クライアントMFP40との間の通信は、Webサービスを使用して実現される。
マネージャーMFP30のジョブ管理手段39bは、S121によって送信されたログイン用情報に基づいて利用者のログインの成否を判断する(S122)。そして、ジョブ管理手段39bは、利用者のログインが成功したと判断すると、利用者情報テーブル38fに記憶されている利用者名の一覧を、クライアントMFP40に送信する(S123)。
クライアントMFP40は、マネージャーMFP30から利用者名の一覧を受信すると、図12に示すような利用者名一覧画面80を表示部42に表示する(S124)。
図12は、利用者名一覧画面80の一例を示す図である。
図12に示す利用者名一覧画面80には、マネージャーMFP30から受信した利用者名の一覧を表示するための利用者名一覧領域81と、アクセスコードを入力するためのテキストボックス82と、処理を中止するためのキャンセルボタン83と、IDカードによって利用者を選択するためのボタン84と、処理を続行するためのOKボタン85とが含まれる。
利用者は、利用者名一覧画面80において、利用者名一覧領域81で利用者名を選択し、利用者名一覧領域81で選択した利用者名に対応するアクセスコードをテキストボックス82に入力し、OKボタン85を押すことができる。
そして、クライアントMFP40の情報送信手段49bは、OKボタン85が押された時点で利用者名一覧領域81において選択されている利用者名と、OKボタン85が押された時点でテキストボックス82に入力されているアクセスコードとの組み合わせを、マネージャーMFP30に送信する(S125)。
マネージャーMFP30のジョブ管理手段39bは、クライアントMFP40から送信されてきた利用者名およびアクセスコードの組み合わせを受信すると、受信した利用者名およびアクセスコードの組み合わせが利用者情報テーブル38fに記憶されている場合、この利用者名にジョブ情報テーブル38gにおいて関連付けられている印刷ジョブの一覧を抽出する(S126)。そして、ジョブ管理手段39bは、S126において抽出した印刷ジョブの一覧をクライアントMFP40に送信する(S127)。
クライアントMFP40は、マネージャーMFP30から送信されてきた印刷ジョブの一覧を受信すると、図13に示すようなジョブ一覧画面90を表示部42に表示する(S128)。
図13は、ジョブ一覧画面90の一例を示す図である。
図13に示すジョブ一覧画面90には、マネージャーMFP30から受信した印刷ジョブの一覧を表示するためのジョブ一覧領域91と、利用者名一覧画面80に戻るためのボタン92と、IDカード情報を登録するためのボタン93と、処理を続行するためのOKボタン94とが含まれる。
利用者は、ジョブ一覧画面90において、ジョブ一覧領域91で少なくとも1つの印刷ジョブを選択し、OKボタン94を押すことができる。
そして、クライアントMFP40は、OKボタン94が押された時点でジョブ一覧領域91において選択されている印刷ジョブのジョブ名をマネージャーMFP30に送信することによって、印刷ジョブをマネージャーMFP30に要求する(S129)。
マネージャーMFP30の他装置送信手段39cは、クライアントMFP40から送信されてきたジョブ名を受信すると、受信したジョブ名が付けられている印刷ジョブ38eを記憶部38から読み出して(S130)、読み出した印刷ジョブをクライアントMFP40に送信する(S131)。
クライアントMFP40のプルプリント用印刷実行手段49cは、マネージャーMFP30から送信されてきた印刷ジョブを受信すると、受信した印刷ジョブをプリンター44によって実行する(S132)。
なお、利用者は、ジョブ一覧画面90においてIDカード情報を登録することができる。具体的には、利用者は、IDカードリーダー47にIDカードをセットしてジョブ一覧画面90においてボタン93を押すことによって、IDカード情報を登録することができる。
図14は、IDカード情報を登録する場合のマネージャーMFP30およびクライアントMFP40の動作のシーケンス図である。
図14に示すように、クライアントMFP40の情報送信手段49bは、ジョブ一覧画面90においてボタン93が押されると、IDカードリーダー47によってIDカードからIDカード情報を読み取る(S141)。
次いで、情報送信手段49bは、S141において読み取ったIDカード情報を、ジョブ一覧画面90の表示の際に利用者名一覧画面80において選択されていた利用者名とともに、マネージャーMFP30に送信する(S142)。
マネージャーMFP30のジョブ管理手段39bは、IDカード情報と、利用者名との組み合わせをクライアントMFP40から受信すると、受信したIDカード情報によって利用者情報テーブル38fを更新する(S143)。具体的には、ジョブ管理手段39bは、利用者情報テーブル38fにおいて対象の利用者名に対応付けられるIDカード情報として、対象のIDカード情報を記憶させる。ここで、利用者情報テーブル38fにおいて対象の利用者名に既にIDカード情報が対応付けられる場合には、既に対応付けられているIDカード情報を、対象のIDカード情報によって上書きする。
そして、ジョブ管理手段39bは、IDカード情報の登録の成功をクライアントMFP40に通知する(S144)。なお、ジョブ管理手段39bは、何らかの理由でIDカード情報の登録を失敗した場合には、IDカード情報の登録の失敗をクライアントMFP40に通知しても良い。
クライアントMFP40は、IDカード情報の登録の成功がマネージャーMFP30から通知された場合、IDカード情報の登録の成功を表示部42に表示しても良い。同様に、クライアントMFP40は、IDカード情報の登録の失敗がマネージャーMFP30から通知された場合、IDカード情報の登録の失敗を表示部42に表示しても良い。
利用者は、利用者情報テーブル38fにIDカード情報が登録されると、IDカードリーダー47にIDカードをセットして利用者名一覧画面80においてボタン84を押すことによって、ジョブ一覧画面90を表示部42に表示させることができる。
図15は、IDカードによってジョブ一覧画面90を表示部42に表示させる場合のマネージャーMFP30およびクライアントMFP40の動作のシーケンス図である。なお、図15に示す処理は、図11におけるS125〜S128の処理に代えて実行されることが可能な処理である。
図15に示すように、クライアントMFP40の情報送信手段49bは、利用者名一覧画面80においてボタン84が押されると、IDカードリーダー47によってIDカードからIDカード情報を読み取る(S161)。
次いで、情報送信手段49bは、S161において読み取ったIDカード情報をマネージャーMFP30に送信する(S162)。
マネージャーMFP30のジョブ管理手段39bは、クライアントMFP40から送信されてきたIDカード情報を受信すると、受信したIDカード情報が利用者情報テーブル38fに記憶されている場合、このIDカード情報に対応付けられている利用者名にジョブ情報テーブル38gにおいて関連付けられている印刷ジョブの一覧を抽出する(S163)。そして、ジョブ管理手段39bは、S163において抽出した印刷ジョブの一覧をクライアントMFP40に送信する(S164)。
クライアントMFP40は、マネージャーMFP30から送信されてきた印刷ジョブの一覧を受信すると、ジョブ一覧画面90を表示部42に表示する(S165)。
以上に説明したように、画像形成システム10は、コンピューター20から送信されてきた印刷ジョブを管理するマネージャーMFP30がクライアントMFP40から送信されてきたIDカード情報を管理するので、印刷ジョブを送信するコンピューター20がIDカードリーダーを備えていなくても、IDカード情報を用いたプルプリントを実現することができる。
また、画像形成システム10のジョブ管理装置としてのマネージャーMFP30は、印刷ジョブの実行と、クライアントMFPへの印刷ジョブの送信のための印刷ジョブの管理とを、コンピューター20から送信された印刷ジョブの宛先のポート番号によって切り替えて動作するので、画像形成装置によって実現されることが可能である。したがって、画像形成システム10は、サーバーコンピューターを使用せずにプルプリントを実現することができる。
なお、以上においては、マネージャーMFP30によって管理されている印刷ジョブをクライアントMFP40から実行する場合について説明したが、マネージャーMFP30によって管理されている印刷ジョブをマネージャーMFP30自身から実行する場合も同様の動作によって実現可能である。
本発明の「ジョブ管理装置」は、本実施の形態においてマネージャーMFP30であるが、MFP以外の電子機器であっても良い。例えば、本発明の「ジョブ管理装置」は、プリンター専用機など、MFP以外の画像形成装置であっても良いし、サーバーコンピューターなど、画像形成装置以外の電子機器であっても良い。
本発明の「画像形成装置」は、本実施の形態においてクライアントMFPであるが、印刷ジョブを実行可能な装置であれば、プリンター専用機など、MFP以外の装置であっても良い。