JP6187492B2 - モーター制御装置および画像形成装置 - Google Patents
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Description
制御回路はモーターからの分離に伴い、そのモーターの実際の昇温量(周囲との温度差)を検出することができない。制御回路はまたそのモーターの電流量も、センサーを新設しない限り検出することができない。したがって、従来の構成のままでモーターを過熱から保護する目的で、制御回路はそのモーターの入力値からその昇温量を推定する。たとえば特許文献1に開示された制御回路は、パルス幅変調(PWM)制御におけるデューティー値(すなわち、モーターに入力するパルス電流またはパルス電圧のパルス幅が1周期に占める割合)が閾値を超えた回数から、モーターの昇温量を推定する。特許文献2に開示された制御回路はモーターの電流量からその発熱量を推定する。昇温量または発熱量の推定値からモーターの過熱の危険性を検知した場合、制御回路はそのモーターの回転数を下げ、または駆動間隔を空ける。それと共に、装置本体の制御回路と連携して、そのモーターの駆動対象の動作タイミングに他の可動部材の動作タイミングを整合させる。これにより制御回路は、そのモーターを過熱させることなく、装置にジョブを続行させる。
たとえば、特許文献1に開示された技術のように、PWM制御におけるデューティー値が閾値を超えた回数からモーターの昇温量を推定する技術では、そのモーターの停止期間中での放熱量と、動作の再開時におけるそのモーターの蓄熱量とがいずれも考慮されていない。したがって、複数のジョブが間欠的に処理される場合、それらのジョブの処理期間の全体にわたってモーターの昇温量を正確に推定することが難しい。
本発明の目的は上記の課題を解決することであり、特に、モーターの駆動の間欠的な繰り返しにも、多様な負荷変動にもかかわらず、そのモーターの昇温量の推定精度を向上させることが可能なモーター制御装置を提供することにある。
本発明の別の観点によるモーター制御装置は、上記のモーター制御装置とは推定部が異なる。推定部は、モーターの熱モデルを利用して、速度制御部の算定したパルス幅を積分することによりそのモーターの昇温量を推定するLPFを含む。
本発明による更に別の観点によるモーター制御装置は、システムに搭載されたモーターの出力値と、そのシステムの動作モードに応じた目標値とに基づいて、そのモーターの入力値を算定してそのモーターの駆動回路に指示するためのモーター制御装置であり、モーターの熱モデルを利用してモーターの入力値からモーターの昇温量を推定する推定部と、その推定部による推定値を閾値と比較し、その推定値がその閾値を超えた場合にシステムへ動作モードの切換要求を送信する通知部とを備えている。システムの動作モードの中にはモーターの平均的な電力損失が異なるものが複数含まれており、通知部は、そのシステムへの動作モードの切換要求によってそのシステムに切り換えさせるべき動作モードの順序を、モーターの平均的な電力損失が段階的に低減するように設定する。
本発明の更に別の観点における画像形成装置は、シートを給送しながらそのシートに画像を形成する画像形成装置であり、ユーザーから受け付けたジョブに応じて動作モードを指定する主制御部と、シートの給送と画像の形成とに利用される複数のモーターと、それら複数のモーターのそれぞれへ電力を入力する駆動回路と、複数のモーターのそれぞれの出力値と動作モードに応じた目標値とに基づいてそのモーターの入力値を算定してそのモーターの駆動回路へ指示するモーター制御装置とを備えている。このモーター制御装置は、複数のモーターのそれぞれの熱モデルを利用してそのモーターの入力値からそのモーターの昇温量を推定する推定部と、その推定部による推定値を閾値と比較し、その推定値がその閾値を超えた場合に主制御部へ動作モードの切換要求を送信する通知部とを含む。主制御部は通知部からの動作モードの切換要求に応じて、複数のモーターのうち、推定部による推定値が閾値を超えたモーターが待機し、またはそのモーターの平均的な駆動時間が短縮するように動作モードを切り換える。
上記のいずれの観点による画像形成装置においても主制御部は、シートの給送間隔が拡がるように、またはシートの給送速度が下がるように動作モードを切り換えてもよい。
《実施形態1》
[画像形成装置の内部構造]
図1は、本発明の実施形態1による画像形成装置100の内部構造を模式的に示す正面図である。この画像形成装置100はカラーレーザープリンターである。図1にはこのプリンター100の内部の要素が、あたかも筐体の前面を透かして見えているように描かれている。図1を参照するにプリンター100は、給送部10、作像部20、定着部30、および排紙部40を含む。これらの要素10−40がプリンター100の画像形成部を構成する。
給送部10は、給紙カセット11から作像部20までのシートの搬送路に沿って設置された搬送ローラー群12、13、14を回転させることにより、給紙カセット11からシートSHTを1枚ずつ作像部20へ給送する。「シート」とは、紙またはフィルム樹脂等の薄い膜状または板状の材料または物品をいう。給紙カセット11に収容可能なシートSHTの紙種は、普通紙、上質紙、カラー用紙、または塗工紙であり、サイズは、A3、A4、A5、またはB4である。搬送ローラー群の中で最も作像部20に近いタイミングローラー14はジョブの実行中でも一般には停止しており、後述の主制御部からの駆動信号に応じて回転する。その駆動信号が示すタイミングでタイミングローラー14はシートSH2を作像部20へ送り出す。
作像部20は、給送部10から送られたシートSH2の上にトナー像を形成する。
具体的には、4つの作像ユニット21Y、21M、21C、21Kのそれぞれがまず、感光体ドラム25Y、25M、25C、25Kを回転させながらその表面を帯電器26に対向させる。これにより、その対向した部分が均一に帯電する。
定着部30は、作像部20から送り出されたシートSH2の上にトナー像を熱定着させる。具体的には、定着部30は定着ローラー31と加圧ローラー32とを回転させながら両者の間のニップにそのシートSH2を通紙する。このとき、定着ローラー31はそのシートSH2の表面へ内蔵のヒーターの熱を加え、加圧ローラー32はそのシートSH2の加熱部分に対して圧力を加えて定着ローラー31へ押し付ける。定着ローラー31からの熱と加圧ローラー32からの圧力とにより、トナー像がそのシートSH2の表面に定着する。定着部30は更に定着ローラー31と加圧ローラー32との回転により、そのシートSH2を排紙部40へ送り出す。
排紙部40は、トナー像が定着したシートSH3をプリンター100の筐体の外へ排紙する。具体的には、まずシートSH3が定着部30の上部からガイド板41に沿って、プリンター100の筐体に開けられた排紙口42へ向かって移動してくる。このとき排紙部40は、排紙口42の内側に配置された排紙ローラー43を回転させ、その周面でそのシートSH3を排紙口42の外へ送り出す。これによりこのシートSH3は、プリンター100の上面の含む排紙トレイ44に収容される。
図2は、プリンター100の電子制御系統の構成を示すブロック図である。図2を参照するに、この電子制御系統では、画像形成部10−40に加えて操作部50と主制御部60とがバス90を通して互いに通信可能に接続されている。
−操作部−
操作部50はユーザーの操作または外部の電子機器との通信を通してジョブの要求と、画像等、処理対象のデータとを受け付けてそれらを主制御部60へ伝える。図2を参照するに操作部50は、操作パネル51、メモリーインタフェース(I/F)52、およびネットワーク(LAN)I/F53を含む。操作パネル51は、押しボタン、タッチパネル、およびディスプレイを含む。操作パネル51は、操作画面および各種パラメーターの入力画面等のGUI画面をディスプレイに表示する。操作パネル51はまた、ユーザーが操作した押しボタンまたはタッチパネルの位置を識別し、その識別に関する情報を操作情報として主制御部60へ伝える。メモリーI/F52はUSBポートまたはメモリーカードスロットを含み、それらを通してUSBメモリーまたはハードディスクドライブ(HDD)等の外付けの記憶装置から直に処理対象のデータを取り込む。LAN・I/F53は外部のネットワークNTWに有線または無線で接続され、そのネットワークNTWに接続された他の電子機器から処理対象のデータを受信する。
主制御部60は1枚の基板の上に実装された電子回路であり、その基板はプリンター100の内部に設置されている。図2を参照するに主制御部60は、CPU61、RAM62、およびROM63を含む。CPU61はファームウェアに従って、バス90に接続された他の要素10、20、…を制御する。RAM62は、CPU61がファームウェアを実行する際の作業領域をCPU61に提供すると共に、操作部50が受け付けた処理対象のデータを保存する。ROM63は書き込み不可の半導体メモリー装置と、EEPROM等の書き換え可能な半導体メモリー装置またはHDDとを含む。前者はファームウェアを格納し、後者はCPU61に環境変数等の保存領域を提供する。
図2を更に参照するに、画像形成部の各要素10、20、30、40は、それぞれが利用する可動部材、たとえば、搬送ローラー群12−14、中間転写ベルト23、感光体ドラム25Y、…、現像ローラー28、定着ローラー31、排紙ローラー43を駆動するモーターを制御するための駆動部10D、20D、30D、40Dを含む。
モーター制御装置310は、特定用途向け集積回路(ASIC)またはプログラム可能な集積回路(FPGA)等、1枚の基板の上に実装された電子回路であり、その基板はプリンター100の内部に設置されている。モーター制御装置310は、図2の示すバス90を通して主制御部60または他の駆動部10D、…、40Dのモーター制御装置と通信する。好ましくはモーター制御装置310は主制御部60と同じ基板に統合されている。モーター制御装置310はモーター330の目標の回転数(「回転速度」と同義である。)と実際の回転数とに基づいて、そのモーター330に対して印加すべき電圧の平均値を算定する。モーター制御装置310は更にこの値に基づいて駆動回路320に対するPWM制御を行う。
図3を更に参照するに、モーター制御装置310は、制御部311、推定部312、および通知部313を含む。これらの機能部311−313は、ASIC、FPGA等の電子回路に専用のハードウェアとして組み込まれている。
制御部311はモーター330の出力値を利用して、駆動回路320に指示すべきモーター330の入力値を算定するためのフィードバック制御を行う。ここで、モーター330の出力値としては回転数が利用され、入力値としてはモーター330に対して印加すべき電圧の平均値が利用される。図3を参照するに、制御部311は、速度制御部321、PWM部322、および検出部323を含む。
−推定部−
推定部312はモーター330の熱モデルを利用して、制御部311が駆動回路320に指示するそのモーター330の入力値からそのモーター330の昇温量を推定する。モーターの「昇温量」とは、そのモーターのコイルの温度またはその駆動回路のスイッチング素子の温度と、そのモーターまたは駆動回路の周囲の空気温度、すなわち周囲温度との差をいう。
通知部313は、推定部312からモーター330の昇温量の推定値TRSを受け取る度にその値TRSを閾値と比較する。この閾値は次の条件を満たす。「モーター330の周囲温度が許容上限に保たれている環境下においても、モーター330の昇温量がこの閾値以下であれば、モーター330はコイルまたは駆動回路320のスイッチング素子を焼損することなく安全に使用可能である。」すなわち、この閾値は、モーター330が真に過熱状態に陥るときの昇温量(以下、「昇温量の上限」という。)よりも十分に小さく設定されている。特にこの閾値と上限との差、すなわち余裕量は推定値TRSの標準的な誤差よりも十分に大きく確保されている。また、モーター330および駆動回路320が過熱状態に陥る温度はそれらの周囲温度に依らず一定であると見なせる一方、多くの場合に周囲温度はその許容上限よりも十分に低い。したがって、多くの場合、昇温量の上限はこの閾値の設定時に想定された値よりも更に大きい。それ故、昇温量の推定値TRSがこの閾値以下に保たれている限り、実際の昇温量が上限に達する危険性、すなわちモーター330が過熱状態に陥る危険性はない。仮に推定値TRSがこの閾値を超えたとしても、その時点ではまだモーター330の昇温量には上限との間に余裕があると見なせる。
[デューティー値からのモーターの電力損失の推測]
推測部331は、電圧指令DTYの表すデューティー値dを次の2次方程式(1)に代入することにより、モーター330の電力損失の推測値PLを算定する:
トルク定数KtとパラメーターA[N]、d[N]とは、モーター330の設計値から算定され、または実験によって決められている。したがって、式(1)の係数c2[N]、c1[N]、c0[N]は、モーター330の回転数Nが決まれば算定可能である。推測部331はこれらの係数c2[N]、…を、速度制御部321の設定した回転数の目標値Ntgから算定する。
図4の(a)は、PWM制御がモーター330の回転数Nを2000rpmに保つときにおけるデューティー値dとモーター330の入力電力PI、出力電力PO、および電力損失PLとの関係を示すグラフである。図4の(a)を参照するに、入力電力PIはデューティー値dの2次曲線で表され、出力電力POは1次曲線、すなわち直線で表される。したがって、両者の差である電力損失PLはデューティー値dの2次曲線で表される。入力電力PIと出力電力POとがこのような関数形であることは以下のように説明される。
モーター330の入力電力PIは平均電圧Vavと電流量Iとの積に等しい:PI=Vav×I。平均電圧Vavはデューティー値dに比例し、電流量IはトルクTrqに比例し、トルクTrqは式(2)からデューティー値dの1次式で表される:Trq=(d−d[N])/A。したがって、入力電力PIはデューティー値dの2次式(3)で表される:
パラメーターA、d[N]は式(2)のとおり、モーター330に固有の定数Kt、Ki、およびコイル等の抵抗Rで決まる。したがって、それらの値は、モーター330の設計値から算定され、または実験によって決定され、推測部331と共にASICまたはFPGA等の電子回路に組み込まれたメモリーに記憶されている。ここで、回転数Nに依存するパラメーターd[N]はモーター330の回転数に比例するので、メモリーにはその値がモーター330の回転数ごとに保存されている。
−LPFの構成−
図5の(a)はLPF332のブロック図である。図5の(a)を参照するに、LPF332は入力端子501と出力端子502との間に、3つの乗算器510、511、521、2つの遅延器531、532、および2つの加算器541、542を含む。
出力端子502は同じ周期Tsでモーター330の昇温量の推定値、すなわちそのコイル等の温度の推定値Tm[i]と周囲温度Taとの差Tr[i]=Tm[i]−Taを通知部313へ送出する。すなわち、(i+1)番目の推定値Tr[i]は、最初の推定値Tr[0]の出力から周期Tsのi倍の時間iTsが経過した時点で出力される。
第1加算器541は第2乗算器511の出力a1×PL[i−1]と第3乗算器521の出力b1×Tr[i−1]との和を求めて第2加算器542へ渡す。第2加算器542はその和a1×PL[i−1]+b1×Tr[i−1]と第1乗算器511の出力a0×PL[i]との和を求めて推測値PL[i]として出力端子502へ渡す。
−式(5)の導出−
モーター330の駆動時、コイル等からの発熱量は電力損失PL、すなわち入力電力PIから、負荷へのトルクの伝達によって失われた仕事量POを除いた残り全部のエネルギーに等しいと見なせる。この発熱量PLのうち、一部はモーター330のコイル等に蓄積されてそれらを昇温させる一方、残りは周囲へ散逸する。モーター330の蓄熱量はコイル等の熱容量Chとその温度Tmの時間tによる微分との積で表され、モーター330の放熱量はコイル等の熱抵抗Rhに対するその温度Tmと周囲温度Taとの差Tr=Tm−Taの比で表される。したがって、モーター330の熱モデルは次式(6)で表される:
−LPFによる推定の効果−
熱モデル(5)には式(6)が示すとおり、モーター330の蓄熱と放熱とが考慮されている。したがって、LPF332はモーター330の停止期間においても、その蓄熱量が放熱に伴って停止前の値からどのように減少するかを推定することができる。
一方、図5の(c)には、2回目の動作期間DR2の開始時刻t2に昇温量の推定値Trを“0”に初期化した場合における推定値Trのその後の経時的変化が破線のグラフGR2で示されている。このグラフGR2が示すとおり、推定値Trは2回目の動作期間DR2においても最初の動作期間DR2と同じ変化を示す。特に、破線のグラフGR2の示す推定値は実線のグラフGR1の示す値よりも低い。このことから、昇温量の推定に上記2つの事項1、2を反映させることにより、モーター330の過熱の危険性をより早く、すなわちより正確に検知できることがわかる。
[モーターの昇温量の推定頻度]
モーター330の温度変化は、駆動回路320がモーター330に対して印加するパルス電圧の変化よりも十分に遅い。実際、パルス電圧の周期すなわちPWM周期は一般に、1/(可聴周波数の上限)≒1/二十数kHz≒10-5秒以下であるので、モーター330の熱モデル(6)の時定数τAすなわち角周波数ωAの逆数に対して無視できるほど短い。
ただし、推測部331はデューティー値のサンプリング周期をモーター330の負荷変動の周期とは一致しないように調整して、負荷変動に伴う推測精度の低下を防ぐ。具体的には、推測部331はまずデューティー値のサンプリング周波数の初期値を、想定される負荷変動の周波数帯域よりも十分に高い値に設定する。この周波数帯域は、搬送ローラー等、モーター330が駆動すべき可動部材、およびモーター330からその可動部材へ駆動力を伝達するギア、ベルト等の機構の機械的特性から実験またはシミュレーションを利用して予測される。推測部331は次に、その初期値の周波数に応じた周期でサンプリングされたデューティー値の変動から実際の負荷変動の周期を検出し、検出された値およびその整数倍のいずれからも十分に離れているようにデューティー値のサンプリング周期を調整する。
モーター330の昇温量の推定値TRSが閾値を超えたとき、モーター330はまだ過熱状態にこそ陥ってはいないものの、その危険性は生じていると見なせる。このとき、通知部313は主制御部60のCPU61へ動作モードの切換要求RQSを送信して、モーター330の過熱を未然に防ぐことができるように動作モードを切り換えさせる。具体的には動作モードを、モーター330が回転数をより低く保つものへ移行させる。これは以下の理由による。
モーター330の昇温量が閾値を超えた時点でその回転数Nを下げた場合、その発熱量の減少に伴ってその昇温速度が低下もしくは停滞し、または降温に転じる。したがって、モーター330が回転数をより低く保つ動作モードほど、モーター330の昇温量が閾値以下に留まる時間が長い。
図7は、図3の示す共通の構成300によるモーター制御のフローチャートである。この処理は、プリンター100の電源投入に応じて制御部311が制御対象のモーター330を起動させたときに開始される。
ステップS101では、制御部311は主制御部60から駆動信号DRVを受け、その信号DRVから動作モードを識別し、その動作モードに応じてモーター330の回転数の目標値Ntgを設定する。その後、処理はステップS102へ進む。
ステップS106では、昇温量の推定値Trが閾値Tthを超えているので、通知部313は、切り換え可能な動作モードの中に、現時点での動作モードよりもモーター330の回転数を低く保つ動作モードがあるか否かを確認する。そのような動作モードがあれば処理はステップS107へ進み、なければ処理はステップS108へ進む。
本発明の実施形態によるモーター制御装置310は上記のとおり、駆動回路320がモーター330に対して印加するパルス電圧のデューティー値dからモーター330の電力損失を推測し、その推測値PL[i]からそのモーター330の熱モデル(5)を利用してそのモーター330の昇温量Trを推定する。このデューティー値dの変動には駆動回路320とモーター330との状態、および負荷の変動がフィードバックされている。また、その熱モデル(5)にはモーター330の蓄熱と放熱とが考慮されているので、LPF332はモーター330の停止期間中、電力損失の推測値PL[i]が“0”に維持されていても昇温量の推定値Tr[i]を計算可能である。したがって、このモーター制御装置310は、モーター330の負荷が変動しても、ジョブが間欠的に繰り返されても、ジョブの処理期間の全体にわたってモーター330の昇温量Trの推定精度を高く維持することができる。
(A)本発明の実施形態1によるモーター制御装置310はレーザープリンター100に搭載されている。本発明によるモーター制御装置はその他に、インクジェット等の異なる方式のプリンター、コピー機、スキャナー、FAX、または複合機等の画像形成装置に搭載されてもよい。
(B)図3の示すモーター制御装置310の機能部311、312、313は電子回路に専用のハードウェアとして組み込まれている。これらの機能部311−313はその他に、モーター制御装置310に内蔵されたCPUが専用のファームウェアを実行することによって実現されてもよい。
(D)推測部331は、PWM制御におけるデューティー値dとモーター330の電力損失の推測値PLとの関係式(1)の係数c2[N]、…を、速度制御部321の設定した回転数の目標値Ntgから算定する。推測部331はその他に、検出部323による回転数の実測値Nmsから、これらの係数c2[N]、…を算定してもよい。また、これらの係数c2[N]、…とモーターの回転数Nとの対応関係が予めテーブル化され、推測部331と同じ電子回路に組み込まれたメモリーに記憶されてもよい。
(E)推測部331は、電圧指令DTYの表すデューティー値を所定時間ごとに平均して電力損失の推測に利用する。その他に、デューティー値の所定時間ごとの総和を電力損失の推測に利用してもよい。また、負荷変動が十分に緩やかであって、それに伴う電力損失の推測値の変動が許容誤差の範囲内に留まるのであれば、推測部はデューティー値を平均することも足し合わせることもなく、単独のまま電力損失の推測に利用してもよい。さらに、推測部は、先にデューティー値から電力損失の推測値を計算し、計算結果を複数個蓄積した後にそれらの平均値または総和をLPF332へ入力してもよい。
通知部313は主制御部60に、昇温量の推定値が閾値を超えたことに関する履歴を、主制御部60のROM63に、またはメモリーI/F52を通して外付けの記憶装置に保存させてもよい。この履歴はプリンター1000のメンテナンスへの利用に有利である。さらに、昇温量の推定値が閾値を超えたことをその度に、またはそのことに関する履歴を定期的に、LAN・I/F53を通して外部ネットワークNTW上のサーバー等へ報告させてもよい。
本発明の実施形態2によるモーター制御装置は実施形態1によるもの310と同様に、カラーレーザープリンターに搭載されている。このモーター制御装置は実施形態1によるもの310とは推定部の構造のみが異なり、その他の要素は実施形態1のものと同様である。したがって、以下では推定部の相違点のみを説明し、同様な要素については実施形態1の説明を援用する。
図8は、実施形態2によるLPFが入力に利用する、PWM制御におけるデューティー値dとモーター330の電力損失の近似値PMとの関係を表すグラフである。図8を参照するに、この関係は直線LTで表されており、この直線LTは、電力損失PLをより正確に表す2次曲線(式(1)参照)と点PTで接する。すなわち、デューティー値dとモーターの電力損失の近似値PMとは次式(9)を満たす:
一方、LPFは式(5)に代えて次式(10)をモーターの熱モデルとして利用して、デューティー値のサンプルd[i]からモーターの昇温量Trm[i]を推定する:
実施形態2によるモーター制御装置は上記のとおり、実施形態1によるもの310と同様、モーターの熱モデルを利用してその昇温量を推定するのでその推定精度が高い。したがって、モーターを過熱状態に陥らせることなくその動作を継続させることができる。その結果、ジョブの処理に対する信頼性と生産性とをいずれも高く維持することができる。
本発明の実施形態3によるモーター制御装置は実施形態1によるもの310と同様に、カラーレーザープリンターに搭載されている。このモーター制御装置は実施形態1によるもの310とはLPFの構造のみが異なり、その他の要素は実施形態1によるものと同様である。したがって、以下ではLPFの相違点のみを説明し、同様な要素については実施形態1の説明を援用する。
第2主乗算器921と第2副乗算器922とは第2フィルター係数の値a11、a12のみが異なる。いずれの乗算器921、922も、第1遅延器531から1周期1Ts前のサンプルPL[i−1]を受信する度に、それに第2フィルター係数a11、a12を乗算して第2スイッチ942へ渡す。
3つのスイッチ941、942、943はいずれも、推測部によるモーターの電力損失の推測値が“0”であるか否かに応じてモーターの動作期間と停止期間とを識別する。各スイッチ941、…は、モーターの動作期間では主乗算器911、921、931の出力を選択し、停止期間中では副乗算器912、922、932の出力を選択する。さらに、選択した出力を、第1スイッチ941は第2加算器542へ渡し、第2スイッチ942と第3スイッチ943とは第1加算器541へ渡す。
[実施形態3の利点]
実施形態3によるモーター制御装置は上記のとおり、モーターの昇温量の推定にその動作時と停止時とで2つの熱モデル(12)、(13)を使い分ける。これにより、ジョブの間欠的な処理に伴ってモーターが動作と停止とを頻繁に繰り返しても、それらの期間の全体にわたってその昇温量の推定精度を高く維持することができる。したがって、モーターを過熱状態に陥らせることなくその動作を継続させることができる。その結果、ジョブの処理に対する信頼性と生産性とをいずれも高く維持することができる。
本発明の実施形態4によるモーター制御装置は実施形態1によるもの310と同様に、カラーレーザープリンターに搭載されている。このモーター制御装置は実施形態1によるもの310とはモーター制御の流れの一部のみが異なり、その他の要素は実施形態1によるものと同様である。したがって、以下ではその制御の流れの相違点のみを説明し、同様な要素については実施形態1の説明を援用する。
ステップS102では、モーター330に対するPWM制御が数回〜十数回繰り返される。その後、処理はステップS103へ進む。
ステップS103では、電圧指令DTYの表すデューティー値からモーター330の電力損失が推測される。デューティー値が“0”である等、モーター330の停止が検知された場合、推測値は“0”に設定される。その後、処理はステップS104へ進む。
ステップS105では、昇温量の推定値Trが閾値Tth以下であるか否かが確認される。その推定値Trが閾値Tth以下であれば処理はステップS109へ進み、閾値Tthを超えていれば処理はステップS110へ進む。
ステップS106では、現時点からジョブ完了までの残り時間が猶予上限以上であるので、このままジョブの処理が継続されていれば、それが完了するよりも早くモーターが過熱状態に陥りかねない。したがって通知部313は、現時点での動作モードよりもモーターの回転数を低く保つ動作モードがあるか否かを確認する。そのような動作モードがあれば処理はステップS107へ進み、なければ処理はステップS108へ進む。
ステップS108では、現時点での動作モードよりもモーターの回転数を低く保つ動作モードがもはや残っていないので、通知部313は制御部311にはモーター330を停止させ、主制御部60にはジョブを中断させる。こうしてそのモーター330を過熱から保護する。その後、処理は終了する。
実施形態4によるモーター制御装置は実施形態1によるもの310と同様、モーターの熱モデルを利用してその昇温量を推定するのでその推定精度が高い。したがって、モーターを過熱状態に陥らせることなくその動作を継続させることができる。その結果、ジョブの処理に対する信頼性と生産性とをいずれも高く維持することができる。
本発明の実施形態5によるモーター制御装置は実施形態1によるもの310と同様に、カラーレーザープリンターに搭載されている。このモーター制御装置は実施形態1によるもの310とはモーター制御の流れの一部のみが異なり、その他の要素は実施形態1によるものと同様である。したがって、以下ではその制御の流れの相違点のみを説明し、同様な要素については実施形態1の説明を援用する。
一般に、給紙間隔が長いほどモーターの平均的な負荷は軽い。たとえば、搬送ローラーはシートと接触していない時間が増える一方、そのローラーの駆動用モーターにかかる負荷はそのローラーがシートと接触している間にのみ重いので、その時間的な平均値が減少する。図6が示すとおり、モーターのトルクが低いほどその電力損失は低いので、平均的な負荷の軽減は平均的な発熱量の減少を意味する。
図11は実施形態5によるモーター制御のフローチャートである。この処理は図7の示す処理とは、ステップS106、S107に代えてステップS116、S117を含む点でのみ異なり、その他のステップは実施形態1によるものと同様である。したがって、以下ではステップS116、S117についてのみその詳細を説明し、同様なステップの詳細については実施形態1の説明を援用する。
ステップS102では、モーター330に対するPWM制御が数回〜十数回繰り返される。その後、処理はステップS103へ進む。
ステップS103では、電圧指令DTYの表すデューティー値からモーター330の電力損失が推測される。デューティー値が“0”である等、モーター330の停止が検知された場合、推測値は“0”に設定される。その後、処理はステップS104へ進む。
ステップS105では、昇温量の推定値Trが閾値Tth以下であるか否かが確認される。その推定値Trが閾値Tth以下であれば処理はステップS109へ進み、閾値Tthを超えていれば処理はステップS116へ進む。
ステップS117では、現時点での動作モードよりも給紙間隔が長い動作モードがまだ残っている。したがって、通知部313は動作モードの切換要求を主制御部60へ送信して、現時点での動作モードよりも給紙間隔が長い動作モードへの移行を主制御部60に要求する。その後、処理はステップS109へ進む。
ステップS109では、昇温量の推定値Trが閾値Tth以下であるか、または、現時点からジョブ完了までの残り時間が猶予上限未満である。したがって、このままジョブを続けても、モーターが過熱する危険性がないか、またはモーターが過熱状態に陥るより先にジョブが完了する見込みである。したがって、制御部311はプリンター100の電源をオフにする指示の有無を確認し、その指示があれば処理は終了し、なければ処理はステップS101から繰り返される。
実施形態5によるモーター制御装置は実施形態1によるもの310と同様、モーターの熱モデルを利用してその昇温量を推定するのでその推定精度が高い。
モーターの昇温量の推定値が閾値を超えたときに通知部313は、給紙間隔がより長い動作モードへの移行を主制御部60に要求する。この移行に伴ってモーターの発熱量が減少するのでその過熱の危険性が回避される。さらに、給紙間隔の拡大に伴って昇温速度が低下するので、昇温量の推定値が閾値以下に留まる時間が延長する。この間、プリンターにモーターを利用した動作を継続させることができる。こうして実施形態5によるモーター制御装置は、モーターを過熱状態に陥らせることなくその動作を継続させることができるので、ジョブの処理に対する信頼性と生産性とをいずれも高く維持することができる。
本発明の実施形態6によるモーター制御装置は実施形態1によるもの310と同様に、カラーレーザープリンターに搭載されている。このモーター制御装置は実施形態1によるもの310とはモーター制御の流れの一部のみが異なり、その他の要素は実施形態1によるものと同様である。したがって、以下ではその制御の流れの相違点のみを説明し、同様な要素については実施形態1の説明を援用する。
ステップS102では、モーター330に対するPWM制御が数回〜十数回繰り返される。その後、処理はステップS103へ進む。
ステップS103では、電圧指令DTYの表すデューティー値からモーター330の電力損失が推測される。デューティー値が“0”である等、モーター330の停止が検知された場合、推測値は“0”に設定される。その後、処理はステップS104へ進む。
ステップS105では、昇温量の推定値Trが閾値Tth以下であるか否かが確認される。その推定値Trが閾値Tth以下であれば処理はステップS109へ進み、閾値Tthを超えていれば処理はステップS106へ進む。
ステップS107では、現時点での動作モードよりもモーターの回転数を低く保つ動作モードがまだ残っている。したがって、通知部313はその動作モードへの移行を主制御部60に要求する。その後、処理はステップS109へ進む。
ステップS121では、ステップS108で中断したジョブの再開を通知部313が判断する。ここで、その再開のための条件には次の2種類がある。(A)中断の継続時間が所定値に達する。または、(B)中断の継続中にモーターの昇温量の推定値が閾値以下まで下降する。これらのいずれかの条件が満たされた場合、通知部313はそのジョブの再開要求を主制御部60へ送信する。その後、処理はステップS109へ進む。
図13の(a)は、図12の示すステップS121のサブルーチンにおいて、ジョブの再開条件として(A)「中断の継続時間が所定値に達すること」を採用したときのフローチャートである。
図13の(b)は、図12の示すステップS121のサブルーチンにおいて、ジョブの再開条件として(B)「中断の継続中にモーターの昇温量の推定値が閾値以下まで下降すること」を採用したときのフローチャートである。
ステップSB4では、昇温量の推定値Trが閾値Tnt以下であるので、仮にジョブが再開されても、その再開からそのジョブの完了までの間にモーターの昇温量が、そのモーターを停止させなければならない程度まで上昇する危険性はない。したがって、通知部313はジョブの再開要求を主制御部60へ送信する。その後、処理はサブルーチンを抜けて、図12の示すステップS109へ進む。
実施形態6によるモーター制御装置は実施形態1によるもの310と同様、モーターの熱モデルを利用してその昇温量を推定するのでその推定精度が高い。したがって、モーターを過熱状態に陥らせることなくその動作を継続させることができる。その結果、ジョブの処理に対する信頼性と生産性とをいずれも高く維持することができる。
《実施形態7》
本発明の実施形態7によるモーター制御装置は実施形態1によるもの310と同様に、カラーレーザープリンターに搭載されている。このモーター制御装置は実施形態1によるもの310とはモーター制御の流れの一部のみが異なり、その他の要素は実施形態1によるものと同様である。したがって、以下ではその制御の流れの相違点のみを説明し、同様な要素については実施形態1の説明を援用する。
ステップS102では、モーター330に対するPWM制御が数回〜十数回繰り返される。その後、処理はステップS103へ進む。
ステップS103では、電圧指令DTYの表すデューティー値からモーター330の電力損失が推測される。デューティー値が“0”である等、モーター330の停止が検知された場合、推測値は“0”に設定される。その後、処理はステップS104へ進む。
ステップS105では、昇温量の推定値Trが閾値Tth以下であるか否かが確認される。その推定値Trが閾値Tth以下であれば処理はステップS141へ進み、閾値Tthを超えていれば処理はステップS108へ進む。
ステップS141では、昇温量の推定値Trが閾値Tth以下であるので、モーターにはまだ過熱の危険性はない。通知部313は更に、その推定値Trが第1レベル以下であるか否かを確認する。第1レベルは、モーターに対するファンの冷却能力、すなわちその回転数を上げるべき昇温量の範囲の下限、たとえば閾値Tthの0.9倍に等しい。推定値Trが第1レベル以下であれば処理はステップS142へ進み、第1レベルを超えていれば処理はステップS143へ進む。
[実施形態7の利点]
実施形態7によるモーター制御装置は実施形態1によるもの310と同様、モーターの熱モデルを利用してその昇温量を推定するのでその推定精度が高い。したがって、モーターを過熱状態に陥らせることなくその動作を継続させることができる。その結果、ジョブの処理に対する信頼性と生産性とをいずれも高く維持することができる。
60 主制御部
61 CPU
300 駆動部
310 モーター制御装置
311 制御部
312 推定部
313 通知部
321 速度制御部
322 PWM部
323 検出部
331 推測部
332 LPF
320 駆動回路
330 モーター
340 エンコーダー
DRV 駆動信号
DTY 電圧指令
FGP エンコーダーの出力信号
Nms モーターの回転数の実測値
Ntg モーターの回転数の目標値
PLS モーターの電力損失の推測値
TRS モーターの昇温量の推定値
RQS 動作モードの切換要求
Claims (11)
- システムに搭載されたモーターの出力値と、前記システムの動作モードに応じた目標値とに基づいて、前記モーターの入力値を算定して前記モーターの駆動回路に指示するためのモーター制御装置であり、
前記モーターの熱モデルを利用して前記モーターの入力値から前記モーターの昇温量を推定する推定部と、
前記推定部による推定値を閾値と比較し、当該推定値が当該閾値を超えた場合に前記システムへ動作モードの切換要求を送信する通知部と、
前記モーターの出力値として前記モーターの回転速度を検出する検出部と、
前記検出部が検出した前記モーターの回転速度の実測値と前記システムの動作モードに応じた前記モーターの回転速度の目標値との差に基づいて、前記モーターの駆動回路から前記モーターへ入力すべきパルスの幅を前記モーターの入力値として算定する速度制御部と
を備え、
前記推定部は、
前記速度制御部の算定したパルス幅から前記モーターの電力損失を推測する推測部と、
前記モーターの熱モデルを利用して前記推測部による前記モーターの電力損失の推測値を積分することにより前記モーターの昇温量を推定するローパスフィルターと、
を含むモーター制御装置。 - システムに搭載されたモーターの出力値と、前記システムの動作モードに応じた目標値とに基づいて、前記モーターの入力値を算定して前記モーターの駆動回路に指示するためのモーター制御装置であり、
前記モーターの熱モデルを利用して前記モーターの入力値から前記モーターの昇温量を推定する推定部と、
前記推定部による推定値を閾値と比較し、当該推定値が当該閾値を超えた場合に前記システムへ動作モードの切換要求を送信する通知部と、
前記モーターの出力値として前記モーターの回転速度を検出する検出部と、
前記検出部が検出した前記モーターの回転速度の実測値と前記システムの動作モードに応じた前記モーターの回転速度の目標値との差に基づいて、前記モーターの駆動回路から前記モーターへ入力すべきパルスの幅を前記モーターの入力値として算定する速度制御部と
を備え、
前記推定部は、
前記モーターの熱モデルを利用して、前記速度制御部の算定したパルス幅を積分することにより前記モーターの昇温量を推定するローパスフィルター
を含むモーター制御装置。 - 前記推定部が推定値を更新する周期は、前記モーターの入力値が更新される周期よりも長いことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のモーター制御装置。
- 前記推定部は前記モーターの熱モデルとして発熱時用と放熱時用との2種類を含み、前記モーターの出力値または入力値が前記モーターの駆動を示す間は発熱時用を利用し、前記モーターの停止を示す間は放熱時用を利用することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のモーター制御装置。
- システムに搭載されたモーターの出力値と、前記システムの動作モードに応じた目標値とに基づいて、前記モーターの入力値を算定して前記モーターの駆動回路に指示するためのモーター制御装置であり、
前記モーターの熱モデルを利用して前記モーターの入力値から前記モーターの昇温量を推定する推定部と、
前記推定部による推定値を閾値と比較し、当該推定値が当該閾値を超えた場合に前記システムへ動作モードの切換要求を送信する通知部と
を備え、
前記システムの動作モードの中には前記モーターの平均的な電力損失が異なるものが複数含まれており、
前記通知部は、前記システムへの動作モードの切換要求によって前記システムに切り換えさせるべき動作モードの順序を、前記モーターの平均的な電力損失が段階的に低減するように設定する
ことを特徴とするモーター制御装置。 - シートを給送しながら当該シートに画像を形成する画像形成装置であり、
ユーザーから受け付けたジョブに応じて動作モードを指定する主制御部と、
シートの給送と画像の形成とに利用される複数のモーターと、
前記複数のモーターのそれぞれへ電力を入力する駆動回路と、
前記複数のモーターのそれぞれの出力値に基づいて当該モーターの入力値を算定して当該モーターの駆動回路へ指示する請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のモーター制御装置と、
を備え、
前記モーター制御装置において前記通知部が動作モードの切換要求を前記主制御部へ送信することを特徴とする画像形成装置。 - シートを給送しながら当該シートに画像を形成する画像形成装置であり、
ユーザーから受け付けたジョブに応じて動作モードを指定する主制御部と、
シートの給送と画像の形成とに利用される複数のモーターと、
前記複数のモーターのそれぞれへ電力を入力する駆動回路と、
前記複数のモーターのそれぞれの出力値と動作モードに応じた目標値とに基づいて当該モーターの入力値を算定して当該モーターの駆動回路へ指示するモーター制御装置と、
を備え、
前記モーター制御装置は、
前記複数のモーターのそれぞれの熱モデルを利用して当該モーターの入力値から当該モーターの昇温量を推定する推定部と、
前記推定部による推定値を閾値と比較し、当該推定値が当該閾値を超えた場合に前記主制御部へ動作モードの切換要求を送信する通知部と
を含み、
前記主制御部は前記通知部からの動作モードの切換要求に応じて、現時点で処理中のジョブが完了するまでの時間に合わせて、切り換えるべき動作モードを選択することを特徴とする画像形成装置。 - シートを給送しながら当該シートに画像を形成する画像形成装置であり、
ユーザーから受け付けたジョブに応じて動作モードを指定する主制御部と、
シートの給送と画像の形成とに利用される複数のモーターと、
前記複数のモーターのそれぞれへ電力を入力する駆動回路と、
前記複数のモーターのそれぞれの出力値と動作モードに応じた目標値とに基づいて当該モーターの入力値を算定して当該モーターの駆動回路へ指示するモーター制御装置と、
を備え、
前記モーター制御装置は、
前記複数のモーターのそれぞれの熱モデルを利用して当該モーターの入力値から当該モーターの昇温量を推定する推定部と、
前記推定部による推定値を閾値と比較し、当該推定値が当該閾値を超えた場合に前記主制御部へ動作モードの切換要求を送信する通知部と
を含み、
前記主制御部は前記通知部からの動作モードの切換要求に応じて、前記複数のモーターのうち、前記推定部による推定値が閾値を超えたモーターが待機し、または当該モーターの平均的な駆動時間が短縮するように動作モードを切り換えることを特徴とする画像形成装置。 - シートを給送しながら当該シートに画像を形成する画像形成装置であり、
ユーザーから受け付けたジョブに応じて動作モードを指定する主制御部と、
シートの給送と画像の形成とに利用される複数のモーターと、
前記複数のモーターのそれぞれへ電力を入力する駆動回路と、
前記複数のモーターのそれぞれの出力値と動作モードに応じた目標値とに基づいて当該モーターの入力値を算定して当該モーターの駆動回路へ指示するモーター制御装置と、
前記画像形成装置の少なくとも一部を冷却するためのファンと
を備え、
前記モーター制御装置は、
前記複数のモーターのそれぞれの熱モデルを利用して当該モーターの入力値から当該モーターの昇温量を推定する推定部と、
前記推定部による推定値を閾値と比較し、当該推定値が当該閾値を超えた場合に前記主制御部へ動作モードの切換要求を送信する通知部と
を含み、
前記主制御部は前記通知部からの動作モードの切換要求に応じて、前記ファンの回転速度が変わるように動作モードを切り換える
ことを特徴とする画像形成装置。 - 前記主制御部は前記通知部からの動作モードの切換要求に応じて、シートの給送間隔が拡がるように動作モードを切り換えることを特徴とする請求項6から請求項9までのいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記主制御部は前記通知部からの動作モードの切換要求に応じて、シートの給送速度が下がるように動作モードを切り換えることを特徴とする請求項6から請求項10までのいずれか1項に記載の画像形成装置。
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