本発明は、用紙搬送装置により画像転写部へ搬送される用紙位置ずれ補正に関するものである。すなわち、トナー画像が中間転写ベルトに書き込まれた後、中間転写ベルトにより画像転写部まで移送され、画像転写部でトナー画像が用紙に転写されるまでの間の、中間転写ベルトの位置ずれ量の計測結果を用いて用紙の位置ずれ補正を行うのである。これにより、画像転写部で用紙に転写されるトナー画像の位置ずれを、短時間で精度良く補正することが特徴となっている。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化乃至省略する。
まず初めに、本実施形態に係る画像形成装置の全体構成、及び本実施形態に係る画像形成装置の作像部の構成について説明する。図1は、本実施形態に係る画像形成装置の全体構成について説明する図であり、図2は、本実施形態に係る画像形成装置の作像部の構成について説明する拡大図である。
図1において、本実施形態に係る画像形成装置を構成する画像形成装置本体の一例であるプリンタ本体100の中央には、中間転写ベルト装置15が設置されている。また、中間転写ベルト装置15の中間転写ベルト8に対向するように、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した作像部6Y、6M、6C、6Kが並設されている。搬送装置30は、中間転写ベルト装置15の右下方に配設されている。
なお、以降、画像形成装置として4色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)を使用する場合について説明するが、画像形成装置で使用可能な色数は4つに限定されず任意の数の色でも良く、任意の1色のみが使用可能であっても良い。また、画像形成装置が任意の数の色で印刷可能な場合において、実際に印刷に使用する色は、使用可能な最大色数ではなく任意の数の色であっても良く、任意の1色のみを使用することとしても良い。
図2において、イエローに対応した作像部6Yは、像担持体としての感光体ドラム1Yと、感光体ドラム1Yの周囲に配設された帯電部4Yと、現像部5Yと、クリーニング部2Yと、図示しない除電部等と、により構成されている。そして、感光体ドラム1Y上で、帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、及びクリーニング工程からなる作像プロセスが行われ、感光体ドラム1Y上にイエロー画像が形成されることになる。
なお、他の3つの作像部6M、6C、6Kについても、使用されるトナーの色が異なる以外は、イエローに対応した作像部6Yと略同様の構成となっていて、それぞれのトナー色に対応した画像が形成される。以下、他の3つの作像部6M、6C、6Kの説明を適宜省略し、イエローに対応した作像部6Yのみの説明を行うことにする。
図2において、感光体ドラム1Yは、図示しない駆動モータにより、図2の反時計方向(矢印方向)に回転駆動される。そして、帯電部4Yの位置で、感光体ドラム1Yの表面が一様に帯電される。これが帯電工程である。その後、感光体ドラム1Yの表面は、露光部7から発せられるレーザ光Lの照射位置に達し、この位置での露光走査によってイエローに対応した静電潜像が形成される。これが露光工程である。
その後、感光体ドラム1Yの表面は、現像部5Yとの対向位置に達し、この位置で静電潜像が現像され、イエローのトナー像(画像)が形成される。これが現像工程である。その後、感光体ドラム1Yの表面は、中間転写ベルト8及び転写ローラ9Yとの対向位置に達し、この位置で感光体ドラム1Y上のトナー像が中間転写ベルト8上に転写される。これが1次転写工程である。このとき、感光体ドラム1Y上には、僅かながら未転写トナーが残存する。
その後、感光体ドラム1Yの表面は、クリーニング部2Yとの対向位置に達し、この位置で感光体ドラム1Y上に残存した未転写トナーがクリーニングブレード2aによってクリーニング部2Y内に回収される。これがクリーニング工程である。最後に、感光体ドラム1Yの表面は、図示しない除電部との対向位置に達し、この位置で感光体ドラム1上の残留電位が除去される。こうして、感光体ドラム1Y上で行われる、一連の作像プロセスが終了する。
なお、上述した作像プロセスは、他の作像部6M、6C、6Kにおいても、イエロー作像部6Yと同様に行われる。すなわち、作像部6M、6C、6Kの上方に配設された露光部7から、画像情報に基いたレーザ光Lが、各作像部6M、6C、6Kの感光体ドラム1M、1C、1K上に向けて照射される。
詳しくは、露光部7は、光源からレーザ光Lを発し、そのレーザ光Lを回転駆動されたポリゴンミラーで走査しながら、複数の光学素子を介して感光体ドラム1M、1C、1K上に照射する。その後、現像工程を経て各感光体ドラム上に形成した各色のトナー像を、像担持体としての中間転写ベルト8上に重ねて転写する。こうして、中間転写ベルト8上にカラー画像が形成される。
次に、本実施形態に係る画像形成装置の搬送装置とその周辺部の構成、及び画像形成装置の搬送装置とその周辺部に関し、単一色(ブラック)の場合の構成、並びに、画像形成装置の中間転写ベルト近傍の構成について説明する。図3は、本実施形態に係る画像形成装置の搬送装置とその周辺部の構成について説明する図であり、図4は、本実施形態に係る画像形成装置の搬送装置とその周辺部に関し、単一色(ブラック)の場合の構成について説明する図である。また、図5は、本実施形態に係る画像形成装置の中間転写ベルト近傍の構成について説明する図である。
図3、及び図4を参照すると、中間転写ベルト装置15は、中間転写ベルト8、4つの転写ローラ9Y、9M、9C、9K、駆動ローラ12A、対向ローラ12B、テンションローラ12Cから12Fで構成される。また、中間転写ベルト装置15は、中間転写クリーニング部10、センサ61、ベルトオーバランセンサ62、ステアリングローラセンサ64、ステアリングモータ65、等から構成される。
中間転写ベルト8は、複数のローラ部材12Aから12Fによって張架・支持されると共に、1つのローラ部材である駆動ローラ12Aの回転駆動により、図3中の実線矢印方向に無端移動される。4つの転写ローラ9Y、9M、9C、9Kは、それぞれ中間転写ベルト8を感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kとの間に挟み込んで1次転写ニップを形成している。そして、転写ローラ9Y、9M、9C、9Kに、トナーの極性とは逆の転写電圧(転写バイアス)が印加される。
そして、像担持体である中間転写ベルト8は、実線矢印方向に走行し、転写ローラ9Y、9M、9C、9Kの1次転写ニップを順次通過する。このようにして、感光体ドラム1Y、1M、1C、1K上の各色のトナー像が、中間転写ベルト8上に重ねて1次転写される。
その後、各色のトナー像が重ねて転写された中間転写ベルト8は、2次転写ローラ19との対向位置、すなわち、画像転写部に到達する。この位置では、対向ローラ12Bが、2次転写ローラ19との間に中間転写ベルト8を挟み込む。そして、中間転写ベルト8上に形成された画像を記録媒体Pに転写する2次転写ニップを形成している。
そして、中間転写ベルト8上に形成された4色のトナー像は、この2次転写ニップの位置に搬送された転写紙等の記録媒体P上に転写される。このとき、中間転写ベルト8には、記録媒体Pに転写されなかった未転写トナーが残存する。その後、中間転写ベルト8は、中間転写クリーニング部10の位置に達する。そして、この位置で、中間転写ベルト8上の未転写トナーが除去される。こうして、中間転写ベルト8上で行われる一連の転写プロセスが終了する。
図1に戻り、2次転写ニップの位置に搬送された記録媒体Pは、画像形成装置本体100の下方に配設された給紙部26、又は側方に配設された給紙部26から、搬送装置30、給紙ローラ27等を経由して搬送されたものである。詳しくは、給紙部26には、用紙等の記録媒体Pが複数枚重ねて収納されている。そして、給紙ローラ27が図1中の反時計方向に回転駆動すると、一番上の記録媒体Pが搬送装置30に向けて給送される。
搬送装置30の位置に搬送された記録媒体Pは、搬送装置30により、搬送方向の位置ずれ補正である縦レジスト補正、幅方向の位置ずれ補正である横レジスト補正、及び斜行補正であるスキュー補正が施される。その後、中間転写ベルト8上のカラー画像にタイミングを合わせて、画像転写部である2次転写ニップに向けて搬送される。このようにして、記録媒体P上に、所望のカラー画像が転写される。
その後、2次転写ニップの位置でカラー画像が転写された記録媒体Pは、定着部20の位置に搬送される。そして、この位置で、定着ローラ及び圧力ローラによる熱と圧力とにより、表面に転写されたカラー画像が記録媒体P上に定着される。その後、記録媒体Pは、図示しない排紙ローラ対により画像形成装置本体100の外へ排出される。
図示しない排紙ローラ対によって画像形成装置本体100外に排出された被転写記録媒体Pは、出力画像として、スタック部上に順次スタックされる。こうして、画像形成装置本体100における、一連の画像形成プロセスが完了する。
次に、図2を用いて、作像部における現像部の構成及び動作について、さらに詳しく説明する。現像部5Yは、感光体ドラム1Yに対向する現像ローラ51Yと、現像ローラ51Yに対向するドクターブレード52Yと、現像剤収容部内に配設された2つの搬送スクリュ55Yと、により構成される。また、現像部5Yは、現像剤収容部に開口を介して連通するトナー補給経路43Yと、現像剤中のトナー濃度を検知する濃度検知センサ56Yと、等により構成される。現像ローラ51Yは、内部に固設されたマグネットや、マグネットの周囲を回転するスリーブ等で構成される。現像剤収容部内には、キャリアとトナーとからなる2成分現像剤が収容されている。
このように構成された現像部5Yは、次のように動作する。すなわち、現像ローラ51Yのスリーブは、図2の実線矢印方向(時計方向)に回転している。そして、マグネットで形成された磁界により、現像ローラ51Y上に担持された現像剤は、スリーブの回転に伴い現像ローラ51Y上を移動する。ここで、現像部5Y内の現像剤は、現像剤中のトナーの割合、すなわちトナー濃度が所定の範囲内になるように調整される。
その後、現像剤収容部内に補給されたトナーは、2つの搬送スクリュ55Yにより、現像剤と共に混合及び撹拌されながら、図2における紙面垂直方向に移動することにより、隔絶された2つの現像剤収容部を循環する。そして、現像剤中のトナーは、キャリアとの摩擦帯電によりキャリアに吸着し、現像ローラ51Y上に形成された磁力によりキャリアと共に現像ローラ51Y上に担持される。
現像ローラ51Y上に担持された現像剤は、図2中の実線矢印方向(時計方向)に搬送され、ドクターブレード52Yの位置に達する。そして、現像ローラ51Y上の現像剤は、この位置で現像剤量が適量化された後、現像領域である感光体ドラム1Yとの対向位置まで搬送される。そして、現像領域に形成された電界により、感光体ドラム1Y上に形成された潜像にトナーが吸着される。その後、現像ローラ51Y上に残った現像剤はスリーブの回転に伴い現像剤収容部の上方に達し、この位置で現像ローラ51Yから離脱される。
次に、本実施形態に係る画像形成装置の搬送装置、及び本実施形態に係る画像形成装置のトナー画像が感光***置から記録媒体Pに転写されるまでの手順について説明する。図6は、本実施形態に係る画像形成装置の搬送装置を幅方向から見たときの上面図である。図7及び図8は、本実施形態に係る画像形成装置のトナー画像が感光***置から記録媒体Pに転写されるまでの手順について説明する概略図である。
図7及び図8において、搬送装置30には、図3の破線で示す記録媒体Pの搬送経路に沿って、搬送ローラ28、挟持ローラ31、突当部材32、レジストローラ33、が配設されている。また、突当部材32とレジストローラ33との間には、検知手段であるCIS(コンタクト・イメージ・センサ)37が配設されている。さらに、レジストローラ33と画像転写部である2次転写ニップとの間には、フォトセンサ38が配設されている。
ここで、第1縦レジスト補正手段である突当部材32は、幅方向に複数分割されており(図6)、記録媒体Pの先端が突き当たる突当面を有する金属板である。突当部材32に記録媒体Pの先端が突き当たることにより、記録媒体Pの縦レジストが補正される。また、突当部材32に記録媒体Pの先端が突き当たることにより、記録媒体Pの斜行も補正される。
この突当部材32は、記録媒体Pの搬送経路を開閉できるように構成されている。具体的には、突当部材32に係合する図示しないカム機構の駆動により、突当部材32は所定のタイミングで、図7及び図8の上方に移動することにより搬送経路を閉鎖したり、図7及び図8の下方に移動することにより搬送経路を開放したりする。
横レジスト補正手段である挟持ローラ31は、幅方向に複数分割されたローラ部を有するローラ対であって(図6)、突当部材32に対して記録媒体Pの搬送方向上流側に配設されている。挟持ローラ31は、図示しない駆動機構により、ローラ対の当接及び離脱動作ができるように構成されると共に、図6の破線矢印S方向である幅方向に移動できるように構成されている。そして、突当部材32に突き当たった状態の記録媒体Pを、挟持ローラ31が挟持した後、幅方向に移動することにより、記録媒体Pの横レジストが補正される。
第2縦レジスト補正手段としてのレジストローラ33は、突当部材32に対して記録媒体Pの搬送方向下流側に配設されたローラ対である。そして、挟持ローラ31により横レジストが補正された後の記録媒体Pがレジストローラ33のニップ部に突き当たることにより、記録媒体Pの縦レジストが再び補正される。また、レジストローラ33に記録媒体Pの先端が突き当たることにより、記録媒体Pの斜行も補正される。
検知手段であるCIS37は、幅方向に複数のLED等の発光素子とフォトダイオード等の受光素子とからなるフォトセンサが並設されたものであって、記録媒体Pの幅方向両端の位置を検知することにより横レジストのずれ量を検知する。そして、CIS37の検知結果に基づいて、挟持ローラ31による横レジスト補正が行われる。
フォトセンサ38は、レジストローラ33に対して記録媒体Pの搬送方向下流側に配設されており、レジストローラ33から搬送された記録媒体Pの先端を光学的に検知する。そして、フォトセンサ38の検知結果に基づいて、レジストローラ33により、2次転写ニップに向けて搬送される記録媒体Pの搬送タイミングが微調整される。
次に、図7(A)から(D)及び図8(A)から(D)を用いて、上述のように構成された搬送装置30の動作について詳述する。まず、図7(A)に示すように、給紙部26(図1)から給送された記録媒体Pは、搬送ローラ28のR1方向の回転により、突当部材32の位置に向けて破線矢印方向に搬送される。このとき、挟持ローラ31は、搬送経路を開放する方向(A1方向)に移動している。また、突当部材32は、搬送経路を閉鎖する方向(B1方向)に移動している。
その後、図7(B)に示すように、記録媒体Pは、その先端が突当部材32に突き当たることにより停止する。そして、図7(C)に示すように、搬送ローラ28の回転が停止されると共に、挟持ローラ31が記録媒体Pを挟持する方向(A2方向)に移動する。このとき、記録媒体Pの一部が撓んだ状態になる。そして、記録媒体Pの縦レジストが補正される。
その後、中間転写ベルト8上のカラー画像にタイミングを合わせて挟持ローラ31が回転駆動することにより、記録媒体Pがレジストローラ33に向けて搬送される。また、突当部材32に記録媒体Pの先端が突き当たることにより、記録媒体Pの斜行も補正される。すなわち、記録媒体Pが搬送方向に対して斜めの姿勢で搬送(スキュー)されていても、その先端の一端がまず突当部材32に突き当たりその一端を中心として記録媒体Pのスキューが補正される。そして、他端も突当部材32に突き当たることにより、最終的に記録媒体Pのスキューが補正される。
その後、図7(D)に示すように、搬送ローラ28が搬送経路を開放する方向(C1方向)に移動すると共に、突当部材32も搬送経路を開放する方向(B2方向)に移動する。すなわち、記録媒体Pは、挟持ローラ31のみに挟持された状態になる。
このとき、記録媒体Pの剛性の違い等により、突当部材32に突き当たっていた記録媒体Pの先端が変位してしまうことがある。このような場合、突当部材32への突き当てにより補正した縦レジストがずれてしまうことになる。この縦レジストのずれは、特に厚さの薄い記録媒体P(薄紙)を用いた場合に生じ易い。
その後、図8(A)に示すように、記録媒体Pは、挟持ローラ31のR2方向の回転により、破線矢印方向に示すレジストローラ33の位置に向けて搬送される。このとき、CIS37により、記録媒体Pの横レジストのずれ量が検知され、そのずれ量を相殺するように挟持ローラ31が紙面垂直方向(S方向)に移動する。
例えば、図6において、記録媒体Pの横レジストが右側に3mmだけずれていた場合、記録媒体Pを挟持する挟持ローラ31を左側に3mmだけシフトさせる。このように、突当部材32による搬送経路の開放がされた状態で、挟持ローラ31により記録媒体Pがレジストローラ33に向けて搬送されると共に、横レジスト補正が行われる。
その後、図8(B)に示すように、横レジストが補正された記録媒体Pは、その先端がレジストローラ33に突き当たり停止する。このとき、搬送ローラ28は、次の記録媒体の搬送に備えて、記録媒体Pを搬送する方向(C2方向)に移動する。
そして、図8(C)に示すように、搬送ローラ28の回転が再開されるとともに、挟持ローラ31が記録媒体Pの挟持を開放する方向(A1方向)に移動する。さらに、レジストローラ33が回転し、フォトセンサ38により記録媒体Pの先端が検知されると、レジストローラ33の回転が一旦停止する。そして、記録媒体Pの縦レジストが補正される。
すなわち、図8(D)に示すように、中間転写ベルト8上のカラー画像にタイミングを合わせ、記録媒体Pが2次転写ニップに向けて搬送される。こうして、記録媒体P上の所望の位置にカラー画像が転写される。
なお、レジストローラ33は、図示しない可変駆動モータによる駆動により、その回転数を可変できるように構成されている。これにより、レジストローラ33から2次転写ニップに向けて搬送される記録媒体Pの搬送速度を調整できるため、さらに精度の高い縦レジスト調整が可能になる。
また、このとき、突当部材32は搬送経路を閉鎖する方向(B1方向)に移動して、搬送ローラ28によって搬送される次の記録媒体P´に対する縦レジスト補正の準備が行われる。なお、図8(B)において、レジストローラ33のニップ部に記録媒体Pの先端が突き当たることにより、記録媒体Pの斜行も補正される。すなわち、記録媒体Pがスキューしていても、その先端の一端がまずレジストローラ33のニップ部に突き当たりその一端を中心として記録媒体Pのスキューが補正される。そして、他端もレジストローラ33のニップ部に突き当たることにより、最終的に記録媒体Pのスキューが補正される。
このように、本実施形態では、記録媒体Pの種類の違いや横レジスト補正を行うことにより、突当部材32の位置で一度補正した縦レジストがその後にずれたとしても、画像転写部の直前の位置であるレジストローラ33の位置で再び縦レジストの補正を行っている。すなわち、2段階で縦レジスト補正を行っている。そのため、精度の高い縦レジスト補正を行うことができる。
以上説明したように、本実施形態における搬送装置30は、第1縦レジスト補正手段である突当部材32、横レジスト補正手段である挟持ローラ31、及び第2縦レジスト補正手段であるレジストローラ33が設けられている。これにより、2次転写ニップ(画像転写部)に向けて搬送される記録媒体Pの位置ずれを精度良く補正することができる。
なお、上記実施形態では、像担持体として中間転写ベルト8等の中間転写体を用いた画像形成装置に対して適用している。これに対し、像担持体として感光体ドラムや感光体ベルト等の感光体を用いた画像形成装置に対しても本実施形態を適用することができる。
その場合、感光体上に形成された画像を画像転写部で記録媒体上に転写するため、搬送装置に、第1縦レジスト補正手段32、横レジスト補正手段31、及び第2縦レジスト補正手段33を設置することにより、本実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、本発明が、本実施形態に限定されず、本発明の技術的思想の範囲内において、本実施形態の中で示唆した以外にも、本実施形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、上記した構成部材の数、位置、形状等は本実施形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
次に、本実施形態に係る画像形成装置の中間転写ベルト近傍の構成、具体的には、中間転写ベルト位置計測手段、及び中間転写ベルト位置ずれ補正手段の構成、動作について説明する。図5は、本実施形態に係る画像形成装置の中間転写ベルト近傍の構成について説明する図である。
中間転写ベルト8の位置を高精度で検出するために、レバー60とセンサ61とから構成されるベルト位置測定機構70が設けられている。中間転写ベルト8の端部はレバー60に常時接触しており、中間転写ベルト8が幅方向に移動するとレバー60が移動する構成である。そのため、レバー60の位置をセンサ61で測定することにより、中間転写ベルト8端部の設計上の基準走行位置からの位置ずれ量を測定できる。
このレバー60とセンサ61とによるベルト位置測定機構70は、図4に示す70Pのように、画像転写部を基準位置として、ベルト走行の上流側近傍と下流側近傍とに設置し、上流側と下流側との各測定値を用いる。これにより、画像転写部においてトナー画像を記録媒体Pに転写するときの中間転写ベルト8の位置ずれ量を正確に測定することができる。また、70Pは、画像転写部の上流側又は下流側の何れか一方にだけ設置しても良く、70Pは各測定箇所に1個に限定されることなく、任意の数だけ設置しても良い。
また、ベルト位置測定機構70は、図3に示す70Y、70C、70M、70Kのように、各色の感光体ドラムを基準位置として、ベルト走行の上流側近傍と下流側近傍とに設置する。そして、上流側と下流側との各測定値を用いることにより、トナー画像を中間転写ベルト8に書き込んだときの中間転写ベルト8の位置ずれ量を正確に計測することができる。また、70Y、70C、70M、70Kは、各色の感光体ドラムの上流側又は下流側の何れか一方にだけ設置しても良く、70Y、70C、70M、70K、は各測定箇所に1個に限定されることなく、任意の数だけ設置しても良い。
さらに、中間転写ベルト8が、転写ローラ9Y、9M、9C、9Kのセンター位置からずれないように、中間転写ベルト位置ずれ補正機構が備わっている。中間転写ベルト8の位置ずれは、ステアリングローラ12Dを傾斜させることにより補正する。ステアリングローラ12Dの傾斜は、ステアリングモータ65の駆動によって行われる。ステアリングローラ12Dの状態は、ステアリングローラセンサ64によって検出する。
また、中間転写ベルト位置ずれ補正機構が異常動作した場合、中間転写ベルト8の破損を防止するため、ベルトオーバランセンサ62が設けられる場合がある。この場合、中間転写ベルト8の位置ずれによりアクチュエータ63が移動し、アクチュエータ63をベルトオーバランセンサ62が検知すると機械が停止する制御が行われる。
次に、本実施形態に係る画像形成装置の中間転写ベルトが幅方向に位置ずれしないときの、トナー画像を記録媒体Pに転写する位置関係、及び幅方向に位置ずれしたときの、記録媒体Pの必要補正量、並びに記録媒体Pの補正値について説明する。図9は、本実施形態に係る画像形成装置の中間転写ベルトが幅方向に位置ずれしないときの、トナー画像を記録媒体Pに転写する位置関係について説明する図である。図10は、本実施形態に係る画像形成装置の中間転写ベルトが幅方向に位置ずれしたときの、記録媒体Pの必要補正量について説明する図である。図11は、本実施形態に係る画像形成装置の中間転写ベルトが幅方向に位置ずれしたときの、記録媒体Pの補正値について説明する図である。
中間転写ベルト8が幅方向に移動すると、中間転写ベルト8端部に接触しているレバー60が移動する。そして、レバー60の移動量をセンサ61により測定し、中間転写ベルト8端部の設計上の基準走行位置からの位置ずれ量をリアルタイムに測定する。
レバー60とセンサ61とによるベルト位置測定機構70は、各色の感光体ドラム近傍(70Y、70C、70M、70K)及び画像転写部近傍(70P)に設置されている。よって、中間転写ベルト8の搬送方向と直交する方向において、トナー画像が中間転写ベルト8に書き込まれるときのベルト位置ずれ量Xbと、画像転写部でトナー画像が記録媒体Pに転写される時のベルト位置ずれ量Xwとを測定することができる。
このとき、ベルト位置ずれ量Xbは各色の感光体ドラム近傍(70Y、70C、70M、70K)の測定値を使って算出するが、ベルト走行の最上流にある70Yと最下流にある70Kの測定値の総和の平均値を使ってベルト位置ずれ量Xbを算出しても良い。また1色(例えば、ブラック)のみ印刷する場合には、その色のトナー画像を転写する感光体ドラム近傍にあるベルト位置測定機構70(例えば70K)の測定値のみを使ってベルト位置ずれ量Xbを算出しても良い。
また、任意の複数色(例えば、シアンとブラック)を印刷する場合には、その複数色のトナー画像を転写する感光体ドラム近傍にあるベルト位置測定機構70(例えば、70Cと70K)の測定値の総和の平均値を使ってベルト位置ずれ量Xbを算出しても良い。これにより、未使用色の測定値を使用することなく、実際に印刷する色のトナー画像を転写する感光体ドラム位置における中間転写ベルト8の位置ずれ量Xbを正確に算出することができる。
さらに、ベルト走行の最上流にある70Yと最下流にある70Kの測定値と、ベルト位置測定機構70を設置していない感光体ドラム近傍のベルト位置ずれ量Xbを線形近似により算出して得られた測定値との総和の平均値を使って算出しても良い。これにより、ベルト位置測定機構70を設置することができない場合でも、中間転写ベルト8の位置ずれ量Xbを正確に算出することができる。
このとき、画像転写部でトナー画像が記録媒体Pに転写される時の、トナー画像の設計上の基準位置からの位置ずれ量Xtは、Xt=Xw−Xbにより算出される。また、搬送装置30には、検知手段であるCIS37が設置され、記録媒体Pの設計上の基準走行位置からの幅方向の位置ずれ量Xpをリアルタイムに検出する。
これらの測定結果及び算出結果により、画像転写部においてトナー画像を記録媒体Pの所望の位置に転写するよう、記録媒体Pの位置ずれ補正動作するための補正値Xが、X=Xt−Xp、すなわち、X=Xw−Xb−Xpにより算出できる。この算出された記録媒体Pの補正値Xに基づいて、搬送装置30の位置に搬送された記録媒体Pを、搬送装置30によって位置ずれ補正動作を行うことにより、記録媒体P上の所望の位置にトナー画像を精度良く転写することができる。
さらに、記録媒体Pの両面印刷を行う場合は、記録媒体Pの位置ずれ補正のための補正値の変更タイミングは、記録媒体Pの表面側の印刷タイミングで実施する。これにより、記録媒体Pに転写されるトナー画像の位置ずれについて、表面側と裏面側の位置ずれ量の差異を低減できる効果がある。
次に、本実施形態に係る画像形成装置の中間転写ベルトが幅方向に位置ずれしたときの、記録媒体Pの補正値を算出するフローについて説明する。図12は、本実施形態に係る画像形成装置の中間転写ベルトが幅方向に位置ずれしたときの、記録媒体Pの補正値を算出するフローについて説明する図である。
図12において、ステップ(以下、Sという。)121の処理では、レバー60とセンサ61とによるベルト位置測定機構70により、中間転写ベルト8の1次転写位置における位置ずれ量Xbと、2次転写位置における位置ずれ量Xwが測定される。そして、S122の処理では、CIS37により、記録媒体Pの設計上の基準走行位置からの幅方向の位置ずれ量Xpが測定される。
S123の処理では、記録媒体Pの補正値であるXが、Xm−Xpにより算出される。S124の処理では、S123の処理で算出されたXの絶対値が、所定の閾値A未満であるか否かが判断される。
Xの絶対値が、所定の閾値A未満である(S124:YES)と判断されると、処理を終了する。Xの絶対値が、所定の閾値A以上である(S124:NO)と判断されると、S125の処理へ移行する。
S125の処理では、S123で算出されたXの値に基づいて、挟持ローラ31を移動することにより位置ずれ補正動作を行う。これにより、記録媒体P上の所望の位置にトナー画像を精度良く転写することができる。また、位置ずれ補正動作を毎回実行しなくても、記録媒体Pの位置ずれ量を一定範囲内に保つことができる。
なお、図12に示した本発明の実施形態における画像形成装置本体100を構成する各機能ブロックの各動作は、コンピュータ上のプログラムに実現させることもできる。すなわち、画像形成装置本体100の図示しない制御部が、記憶部に格納されたプログラムをロードし、プログラムの各処理ステップが順次実行されることによって行われる。
本発明は、1次転写と2次転写とにおける中間転写ベルトの主走査位置を測定し、転写画像の主走査位置におけるずれ量を算出している。そして、用紙の位置を測定し、用紙の位置補正を行ってから2次転写を行う構成である。これにより、用紙に対して転写画像の主走査位置が一致するよう補正することができる。
また、2次転写ローラの傾斜動作を行わないため、用紙先端と用紙後端とにおいて傾斜が異なることがなく、中間転写ベルトと用紙とを無理に擦ることがないので、転写画像の品質に悪影響を与えない。さらに、2次転ローラの傾斜動作を行わないため、中間転写ベルトの寄り方向に影響を与えることがなく、色ずれ悪化の懸念もない。
さらに、本発明では、用紙搬送装置により画像転写部へ搬送される用紙位置ずれ補正について、トナー画像が中間転写ベルトに書き込まれてから、トナー画像が中間転写ベルトにより画像転写部まで移送される。そして、画像転写部でトナー画像が用紙に転写されるまでの間の、中間転写ベルトの位置ずれ量の計測結果を用いて、用紙の位置ずれ補正を行っている。これにより、画像形成装置の画像転写部で用紙に転写されるトナー画像の位置ずれを、短時間で精度良く補正することが可能な搬送装置、画像形成装置、及び制御方法が得られる。
以上、本発明の好適な実施形態により本発明を説明した。ここでは特定の具体例を示して本発明を説明したが、特許請求の範囲に定義された本発明の広範囲な趣旨及び範囲から逸脱することなく、これら具体例に様々な修正及び変更が可能である。