JP6186705B2 - ポリエステル樹脂およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリエステル樹脂およびその製造方法に関する。
電子写真印刷法および静電荷現像法により画像を得る方法においては、感光体上に形成された静電荷像をあらかじめ摩擦により帯電させたトナーによって現像したのち、定着が行われる。定着方式については、現像によって得られたトナー像を加圧および加熱されたローラーを用いて定着するヒートローラー方式と、電気オーブンまたはフラッシュビーム光を用いて定着する非接触定着方式とがある。これらのプロセスを問題なく通過するためには、トナーは、まず安定した帯電量を保持することが必要であり、次に紙への定着性が良好である必要がある。また、装置は加熱体である定着部を有し、装置内での温度が上昇するため、トナーがブロッキングしないことが必要である。さらに、トナー製造時の樹脂の粉砕性が良好であることが求められている。
また、近年のプリンターの高速化、小型化、省エネルギー化等の要求に対し、ヒートローラー方式の定着部の低温化が進んできた。そのため、トナー用樹脂にはより低い温度で紙に定着し、幅広い温度領域で定着性が良好であることが求められている。
例えば特許文献1には、不飽和二重結合を有するポリエステル樹脂を架橋反応させたトナー用ポリエステル樹脂が記載されている。また、特許文献2には、エリスリタンを共重合させた、耐熱性と透明度に優れたポリエステル樹脂が記載されている。
WO2007/034813号公報 特開2008−239744号公報
しかし、特許文献1に記載のポリエステル樹脂では、樹脂が割れにくく粉砕性が十分ではなかった。また、特許文献2に記載のポリエステル樹脂は、トナー用に用いた場合、低温での定着が不十分であった。
本発明の目的は、この問題点を解決し、粉砕性に優れ、定着温度幅が広いトナー用ポリエステル樹脂を提供することである。
本発明の要旨は、 下記の一般式(1)で表される構造単位と、不飽和二重結合を有するポリエステル樹脂にある。
Figure 0006186705
本発明のポリエステル樹脂を用いることによって、粉砕性に優れ、定着温度幅が広いトナーを提供することができる。
本発明のポリエステル樹脂は、下記の一般式(1)で表される構造単位を有する。
Figure 0006186705
本発明において、前記一般式(1)で表される構造単位を有するポリエステル樹脂は、下記一般式(2)で表される多価アルコール(エリスリタン)を含む多価アルコールと、多価カルボン酸を重縮合することで得られる。エリスリタンは、たとえば、天然の多糖類であるエリスリトールの分子内脱水反応によって合成される。
Figure 0006186705
本発明では、前記一般式(1)で表される構造単位を有することで、本発明のポリエステル樹脂を用いたトナーの粉砕性が向上する。
また、本発明では、前記一般式(1)で表される構造単位を、多価カルボン酸由来の構成単位100モル部に対して、1〜45モル部含有することが好ましい。前記一般式(1)で表される構造単位を、多価カルボン酸由来の構成単位100モル部に対して、1モル部以上含むと粉砕性が良好となり、45モル部以下であれば粉砕性、低温流動性が良好となる。粉砕性の点から10モル部以上が好ましく40モル部以下が好ましい。
さらに本発明のポリエステル樹脂は不飽和二重結合を有している。
不飽和二重結合の位置は、ポリエステル樹脂の主鎖であっても、側鎖であっても良い。
本発明ではポリエステル樹脂中の不飽和二重結合を架橋反応させることにより分子鎖間の架橋が起こり、分子量分布が広くなりトナー用ポリエステル樹脂とし定着温度幅が広くなる。
なお、不飽和二重結合とは、炭素間二重結合であり、不飽和二重結合を有する多価カルボン酸および不飽和二重結合を有する多価アルコールの少なくとも一方を含む、多価カルボン酸と多価アルコールの単量体混合物を重縮合することで得られる。
不飽和二重結合を有する多価カルボン酸は、前記単量体混合物中の多価カルボン酸100モル部中、1〜50モル部が好ましく、不飽和二重結合を有する多価アルコールは、前記単量体混合物中の多価カルボン酸100モル部に対して、1〜50モル部が好ましい。また、両者を併用する場合には、両者の合計が1〜50モル部であることが好ましい。
不飽和二重結合を有する単量体の含有量が1モル部以上の場合、トナーの低温定着幅が広くなる傾向にあり、不飽和二重結合の含有量が50モル部以下の場合に、トナーの保存安定性が良好となる傾向にある。粉砕性の点から5モル部以上、30モル部以下がより好ましい。
不飽和二重結合を有する多価カルボン酸としては、例えば、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、テトラヒドロフタル酸およびこれらのエステル誘導体、アクリル酸、クロトン酸、メタクリル酸およびこれらのエステル誘導体等が挙げられる。また、不飽和二重結合を有する多価アルコールとしては、例えば、1,4−ジヒドロキシ−2−ブテンが挙げられる。これらの中では、反応性の点から、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸が好ましい。
また、本発明のポリエステル樹脂に含まれる、前記以外の多価アルコール由来の構成単位、多価カルボン酸由来の構成単位としては、後述する多価アルコール、多価カルボン酸由来のものが挙げられる。
なお、本発明のポリエステル樹脂に含まれる一般式(1)で表される構造単位の含有量は、1H−NMR(核磁気共鳴装置)、13C−NMR測定にてスペクトルの積分比から共重合体組成より決定することができる。とくに2種類の核プローブを用いることで、精度の高い分析が可能となる。
また、本発明のポリエステル樹脂は、さらにビスフェノールA誘導体由来の構造単位を有することが好ましい。ビスフェノールA誘導体を構成単位として含有することにより、耐ブロッキング性、耐久性が向上する
なお、ビスフェノールA誘導体としては、たとえば、ポリオキシプロピレン−(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物が挙げられる。
さらに本発明のポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、75℃以下が好ましい。Tgが75℃以下であれば、低温流動性、粉砕性、保存性が良好となる。保存性の点から45℃以上が好ましく、低温定着性の点から73℃以下が好ましい。なお、ガラス転移温度(Tg)は示差走差熱量計を用いてポリエステル樹脂を測定した値である。
また、本発明のポリエステル樹脂の軟化温度(T4)は、80〜140℃が好ましい。軟化温度が80℃以上であればトナーの保存性が良好となり、140℃以下であれば低温流動性が良好となる。
さらに本発明のポリエステル樹脂の酸価は、1〜50mgKOH/gが好ましい。酸価が1mgKOH/g以上であれば帯電性が良好となり、50mgKOH/g以下であれば、吸湿を抑制できる。
また、本発明のポリエステル樹脂のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)におけるピーク分子量(Mp)は、500〜9000が好ましい。Mpが500以上であれば保存性が良好となり、9000以下であれば粉砕性が良好となる。さらに粉砕性の点から、2000以上がより好ましく、7000以下がより好ましい
次に本発明のポリエステル樹脂の製造方法について説明する。
本発明のポリエステル樹脂は、多価カルボン酸と多価アルコールを含む単量体混合物を重縮合する方法で製造でき、前記単量体混合物が不飽和二重結合を有する多価カルボン酸および不飽和二重結合を有する多価アルコールの少なくとも一方と、式(2)で表される多価アルコールを含む単量体混合物を重縮合することで得られる。
Figure 0006186705
前記式(2)で表されるエリスリタンは多価カルボン酸100モル部に対して1〜50モル部含有することが好ましい。前記エリスリタンを、多価カルボン酸100モル部に対して1モル部以上含むと粉砕性が良好となり、50モル部以下含むと粉砕性、低温流動性が良好となる。粉砕性の点から10モル部以上が好ましく45モル部以下が好ましい。
さらに本発明では、式(2)以外の多価アルコールとして、前記単量体混合物中にビスフェノールA誘導体を含むことが好ましい。ビスフェノールA誘導体としては、ポリオキシエチレン−(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(2.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.2)−ポリオキシエチレン−(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(2.4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物が挙げられる。
前記ビスフェノールA誘導体は、多価カルボン酸100モル部に対して5〜70モル部含有することが好ましい。5モル部以上であればトナーの定着強度が良好となり、70モル部以下であれば重合時の熱分解を防ぐことができる。
また、前記単量体混合物中に含まれる上記以外の多価アルコールとしては、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、プロピレングリコール、ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、D−イソソルバイド、L−イソソルバイド、イソマンニド、1,4−ジヒドロキシ−2−ブテン、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサテトラロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチル−1,2,3−プロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等が挙げられる。
これらの中で、低温流動性、保存性と粉砕性の点から、エチレングリコール、ポリオキシエチレン−(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(2.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンが好ましい。
これらの多価アルコールは単独でも2種類以上混合して用いてもよい。
上記多価アルコールの合計量は、ガラス転移温度(Tg)と軟化温度(T4)のバランスの観点より、多価カルボン酸100モル部に対して、150モル部以下が好ましく、60モル部以上、140モル部以下がより好ましく、70モル部以上、130モル部がさらに好ましく、80モル部以上、120モル部以下が特に好ましい。
この含有量が80モル部以上の場合に、ポリエステル樹脂の製造安定性が良好となる傾向にある。また120モル部以下の場合に、T4に対してTgが高くなりやすく保存性が良好となる傾向にある。
また、前記単量体混合物に含まれる多価カルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸ジメチル、イソフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジエチル、イソフタル酸ジエチル、テレフタル酸ジブチル、イソフタル酸ジブチル等の二価のカルボン酸、またはこれらのエステルもしくは酸無水物、フタル酸、セバシン酸、イソデシルコハク酸、ドデセニルコハク酸、マレイン酸、フマル酸、アジピン酸、コハク酸、またはこれらのエステルもしくは酸無水物等の脂肪族ジカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、またはこれらのエステルもしくは酸無水物等が挙げられる。これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
さらに、本発明の目的を損なわない範囲で、末端官能基数の調整や他のトナー用材料の分散性向上目的で、1価のカルボン酸またはアルコールを含んでいてもよい。
1価のカルボン酸化合物としては、安息香酸、p−メチル安息香酸等の炭素数30以下の芳香族カルボン酸や、ステアリン酸、ベヘン酸等の炭素数30以下の脂肪族カルボン酸等や、桂皮酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等の不飽和二重結合を分子内に一つ以上有する不飽和カルボン酸が挙げられる。
また、1価のアルコール化合物としては、ベンジルアルコール等の炭素数30以下の芳香族アルコールや、オレイルアルコール、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の炭素数30以下の脂肪族アルコール等が挙げられる。
ポリエステル樹脂の重縮合に際しては、例えば、チタンテトラブトキシド等のチタン系触媒、ジブチルスズオキシド、酢酸スズ、2硫化スズ等のスズ系触媒、酢酸亜鉛、3酸化アンチモン、2酸化ゲルマニウム等の触媒を用いることができる。環境負荷低減の観点より、チタン系触媒が好ましい。
重縮合の反応温度は、180℃〜280℃の範囲が好ましい。反応温度が180℃以上の場合に、生産性が良好となる傾向にあり、280℃以下の場合に、樹脂の分解や、臭気の要因となる揮発分の副生成を抑制できる傾向にある。反応温度の下限値は200℃以上がより好ましく、上限値は270℃以下がより好ましい。
また、得られるポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)を決定する方法としては、反応中に樹脂をサンプリングしてTg測定を行い所定のTgになった時点で反応を終了させればよい。なお、反応を終了させるとは、反応装置の攪拌を停止し、装置内部を常圧とし、窒素により装置内部を加圧して装置下部より反応物を取り出して100℃以下に冷却することをいう。
さらに本発明においては、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で上記の成分とともに離型剤成分を添加してポリエステル樹脂を重合することもできる。離型剤成分を添加して重合することにより、トナーの定着性、ワックス分散性が向上する傾向にある。
また、ポリエステル樹脂の重合安定性を得る目的で、安定剤を添加してもよい。安定剤としては、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、ヒンダードフェノール化合物などが挙げられる。
本発明のポリエステル樹脂は、トナー用バインダー樹脂として単独で用いてもよいが、本発明のポリエステル樹脂と他のポリエステル樹脂を混合した後、本発明のポリエステル樹脂の不飽和二重結合を架橋反応させてトナー用ポリエステル樹脂とすることが好ましい。不飽和二重結合を架橋反応させることで、定着温度幅が広くなる。
本発明のポリエステル樹脂を架橋反応させると、その一部はTHFに溶解しない架橋密度の高い架橋成分(THF不溶分)に変化し、またその一部はTHFに溶解する架橋密度の低い架橋成分に変化し、残りは未反応のまま残存する。その結果、架橋反応させて得られた樹脂は、THF不溶分(THFに溶解しない架橋成分)とTHF可溶分(THFに溶解する架橋成分、未反応のポリエステル樹脂(1)、および未反応のポリエステル樹脂(2))を含有する。
THF可溶分のうち、未反応のポリエステル樹脂(2)はトナーに低温定着性を付与する作用を奏する。また、THF可溶分のうち、未反応のポリエステル樹脂(1)はトナーに弾性を付与する作用を奏する。また、THF不溶分は、高度に架橋しているため、トナーにさらに高い弾性率を付与する作用を奏する。
これにより、架橋反応させて得られたトナー用ポリエステル樹脂は、良好な低温定着性を維持したまま、高い耐高温オフセット性を示し、定着温度幅が広くなる。なお、架橋反応による定着温度幅の変化は、架橋反応後の分子量分布(Mw/Mn)が架橋反応前の分子量分布より大きくなることで判断できる。
本発明のポリエステル樹脂と混合する他のポリエステル樹脂としては、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにおけるピーク分子量が10,000以上、1,000,000以下であるポリエステル樹脂が好ましく、不飽和二重結合を含んでいても良い。
また、他のポリエステル樹脂のTgは40〜80℃が好ましい。40℃以上の場合に、トナーの保存性が良好となる傾向にあり、80℃以下の場合に、トナーの低温定着性が良好となる傾向にある。さらに酸価は、50mgKOH/g以下であることが好ましい。酸価が50mgKOH/g以下の場合に、トナーの定着画像濃度が良好となる傾向にある。なお、前記の他のポリエステル樹脂は、公知の多価カルボン酸と多価アルコールを含む単量体混合物を重縮合することで得られる。
なお本発明のポリエステル樹脂は、60質量%以上混合されていることが好ましい。
架橋反応の方法は、例えば、不飽和二重結合をラジカル付加反応、カチオン付加反応、またはアニオン付加反応等によって反応させ、分子間炭素−炭素結合を生成させる反応が挙げられ、ラジカル反応開始剤を使用するラジカル付加反応が特に好ましい。
ラジカル反応開始剤としては、特に制限されず、アゾ化合物や有機過酸化物が用いられる。中でも開始剤効率が高く、シアン化合物副生成物を生成しないことから、有機過酸化物が好ましい。
有機過酸化物としては、例えば、ベンゾイルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、t−ブチルクミルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、α、α−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)へキサン、ジ−t−へキシルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルパーオキシへキシン−3、アセチルパーオキシド、イソブチリルパーオキシド、オクタニノルパーオキシド、デカノリルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、3,3,5−トリメチルヘキサノイルパーオキシド、m−トルイルパーオキシド、t−ブチルパ
ーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、クミルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンソエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシアセテート等が挙げられる。
これらの中でも、架橋反応が効率よく進行し、使用量が少なくて済むことから、水素引抜き能の高いラジカル反応開始剤が特に好ましい。水素引抜き能の高いラジカル反応開始剤の好ましい例としては、ベンゾイルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、t−ブチルクミルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、α、α−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)へキサン、ジ−t−へキシルパーオキシド等が挙げられる。
ラジカル反応開始剤の使用量は、ポリエステル樹脂100質量部に対して、0.01〜20質量部が好ましい。ラジカル反応開始剤の使用量が、0.01質量部以上の場合に架橋反応が進行し易くなる傾向にあり、20質量部以下の場合に、臭気が良好となる傾向にある。
また、架橋反応開始剤は希釈剤により薄めて使用することが好ましい。ラジカル反応開始剤を希釈剤で希釈して添加することによって、ラジカル反応開始剤の自己誘発分解を抑制できる傾向にあり、ポリエステル樹脂製造時に安全性が確保できることと、自己誘発分解によるラジカル反応開始剤の無駄な消費が抑えられ、ラジカル反応開始剤の使用量を低減させることが可能となる。
希釈剤としては、離型剤が好ましく不飽和二重結合の架橋反応を阻害しないものを用いることが好ましい。不飽和二重結合の架橋反応を阻害しないものとしては、炭化水素系の離型剤が好ましく、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス等の脂肪族炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックス等の脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物;またはこれらのブロック化合物などが挙げられる。
なお、架橋反応開始剤との混合が容易であり、トナーの低温定着性をさらに高めることができることから、離型剤の融点は120℃以下であることが好ましい。融点が120℃以下の離型剤としては、パラフィンワックスが最も好ましい。
架橋反応開始剤を離型剤で希釈する方法は、加熱により液化した離型剤に液体の架橋反応開始剤を混合する方法、液体の離型剤に固体の架橋反応開始剤を溶解させ混合する方法、固体の離型剤に液体の架橋反応開始剤を染み込ませる方法などが挙げられる。その中でも、架橋反応開始剤の均一性、分散性の観点から、液化した離型剤に液体である架橋反応開始剤を混合する方法や、液化した離型剤に固体である架橋反応開始剤を溶解させる方法などが好ましい。
架橋反応を行う装置については、ポリエステル樹脂と架橋反応開始剤を短時間で均一に混合するという観点から、溶融混合装置が好ましい。
溶融混合装置としては、単軸押出機、二軸押出機、連続密閉式混合機、ギア押出機、ディスク押出機及びロールミル押出機、スタティックミキサー等の連続溶融混合装置、バンバリーミキサー、ブラベンダーミキサー及びハーケミキサー等のバッチ密閉式溶融混合装置が挙げられる。
これらの中でも、短時間で効率よくポリエステル樹脂中に架橋反応開始剤を分散させることが可能なことから、連続溶融混合装置が好ましい。
次に、本発明のポリエステル樹脂を用いたトナーについて説明する。本発明のトナーは、本発明のポリエステル樹脂と公知の着色剤、荷電制御剤、離型剤、流動改質剤等の添加剤、磁性体等を配合して得られる。
着色剤としては、カーボンブラック、ニグロシン、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ハンザイエロー、ローダミン系染顔料、クロムイエロー、キナクリドン、ベンジジンイエロー、ローズベンガル、トリアリルメタン系染料、モノアゾ系、ジスアゾ系、縮合アゾ系染料、顔料などを挙げることができる。着色剤の含有量は、特に制限されないが、トナーの色調や画像濃度、熱特性の点から、トナー中2〜10質量%であることが好ましい。
荷電制御剤としては、正帯電制御剤として4級アンモニウム塩や、塩基性もしくは電子供与性の有機物質等が挙げられ、負帯電制御剤として金属キレート類、含金属染料、酸性もしくは電子求引性の有機物質等が挙げられる。カラートナーの場合、帯電制御剤が無色ないし淡色で、トナーへの色調障害がないことが好ましく、サリチル酸またはアルキルサリチル酸のクロム、亜鉛、アルミニウム等との金属塩、金属錯体、アミド化合物、フェノール化合物、ナフトール化合物等が挙げられる。さらに、スチレン系、アクリル酸系、メタクリル酸系、スルホン酸基を有するビニル重合体を荷電制御剤として用いてもよい。
荷電制御剤の含有量は、トナー中0.5〜5質量%が好ましい。荷電制御剤の含有量が0.5質量%以上の場合にトナーの帯電量が充分なレベルとなる傾向にあり、5質量%以下の場合に荷電制御剤の凝集による帯電量の低下が抑制される傾向にある。
離型剤としては、トナーの離型性、保存性、定着性、発色性等を考慮して、カルナバワックス、ライスワックス、蜜蝋、ポリプロピレン系ワックス、ポリエチレン系ワックス、合成エステル系ワックス、パラフィンワックス、脂肪酸アミド、シリコーン系ワックス等を適宜選択して使用できる。離型剤の含有量は特に制限されないが、トナー中0.3〜15質量%であることが好ましい。
その他の添加剤として、微粉末のシリカ、アルミナ、チタニア等の流動性向上剤、マグネタイト、フェライト、酸化セリウム、チタン酸ストロンチウム、導電性チタニア等の無機微粉末、スチレン樹脂、アクリル樹脂などの抵抗調節剤、滑剤などが挙げられる。トナー中の、これらの添加剤の含有量は0.05〜10質量%が好ましい。
さらにバインダー樹脂として、本発明のポリエステル樹脂以外のバインダー樹脂を用いてもよく、例えば、本発明のポリエステル樹脂以外のポリエステル樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、環状オレフィン樹脂、メタクリル酸系樹脂、エポキシ樹脂などを挙げることができ、2種以上を混合して使用することができる。
また本発明のトナーは、磁性1成分現像剤、非磁性1成分現像剤、2成分現像剤の何れの現像剤としても使用できる。
本発明のトナー用ポリエステル樹脂を含有するトナーは、公知の方法で製造できる。たとえば、前述のバインダー樹脂および配合物を混合した後、2軸押出機などで溶融混練し、粗粉砕、微粉砕、分級を行い、必要に応じて無機粒子の外添処理等を行って製造する方法(粉砕法)、前述のバインダー樹脂および配合物を溶剤に溶解・分散させ、水系媒体中にて造粒したのち溶剤を除去し、洗浄、乾燥してトナー粒子を得て、必要に応じて無機粒子の外添処理等を行って製造する方法(ケミカル法)等が挙げられる。
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに詳しく説明する。また、評価は以下の方法で行った。
<ガラス転移温度(Tg)>
示差走差熱量計(島津製作所製DSC−60)を用いて、昇温速度5℃/minにおけるチャートのベースラインと吸熱カーブの接線との交点から測定した。測定試料は10mg±0.5mgをアルミパン内に計量し、100℃で10分融解後、ドライアイスを用いて急冷却処理したサンプルを用いて行った。
<軟化温度(T4)>
フローテスター(島津製作所社製CFT−500D)を用いて、1mmφ×10mmのノズル、荷重294N、昇温速度3℃/minの等速昇温下で、樹脂サンプル1.0g中の4mmが流出したときの温度を測定した。
<酸価>
サンプル約0.2gを枝付き三角フラスコ内に精秤し(A(g))、ベンジルアルコール10mlを加え、窒素雰囲気下で230℃のヒーターにて15分加熱し樹脂を溶解した。室温まで放冷後、ベンジルアルコール10ml、クロロホルム20ml、フェノールフタレイン溶液数滴を加え、0.02規定のKOH溶液にて滴定した(滴定量=B(ml)、KOH溶液の力価=p)。ブランク測定を同様に行い(滴定量=C(ml))、以下の式に従って算出した。
酸価(mgKOH/g)=(B−C)×0.02×56.11×p÷A
<分子量:数平均分子量(Mn)、質量平均分子量(Mw)、ピーク分子量(Mp)>
以下の条件でGPC法により測定した。ピーク分子量(Mp)は、得られた溶出曲線のピーク値に相当する保持時間から、標準ポリスチレン換算により求めた。なお、溶出曲線のピーク値とは、溶出曲線が極大を示す点であり、極大値が2点以上ある場合は、溶出曲線が最大値を与える点のことである。
装置:東洋ソーダ工業(株)製、HLC8020
カラム:東洋ソーダ工業(株)製、TSKgelGMHXL(カラムサイズ:7.8mm(ID)×30.0cm(L))を3本直列に連結
オーブン温度:40℃
溶離液:THF
試料濃度:4mg/10mL
濾過条件:0.45μmテフロン(登録商標)メンブレンフィルターで試料溶液を濾過
流速:1mL/分
注入量:0.1mL
検出器:RI
検量線作成用標準ポリスチレン試料:東洋ソーダ工業(株)製TSK standard
、A−500(分子量5.0×10)、A−2500(分子量2.74×10)、F−2(分子量1.96×10)、F−20(分子量1.9×10)、F−40(分子量3.55×10)、F−80(分子量7.06×10)、F−128(分子量1.09×10)、F−288(分子量2.89×10)、F−700(分子量6.77×10)、F−2000(分子量2.0×10)。
<ポリエステル樹脂の構成単位の組成分析>
超伝導核磁気共鳴装置を用いて分析を行った。
装置:日本電子製 Excalibur 270 超伝導FT−NMR
マグネット:JNM−GSX270型 超伝導マグネット
スペクトロメーター:JNM−EX270型
観測周波数:1H 270MHz、13C 67MHz
溶媒:重クロロホルム溶液
温度:35℃
積算回数:1H:16回、13C:1024回
1 H−NMR、13−NMRを測定し、各構成単位由来の帰属ピークの積分比からポリカルボン酸、ポリオールの割合を求めた。
(1 H−NMRの帰属ピーク範囲)
テレフタル酸構造由来:8.0〜8.1ppm
フマル酸構造由来:6.8〜6.9ppm
エチレングリコール構造由来:4.0〜5.0ppm
エリスリタン構造由来:3.9〜4.2ppm、5.2ppm〜5.7ppm
ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物構造由来:4.2〜4.3、4.6〜4.7、6.8〜6.9、7.1〜7.2ppm
ビスフェノールAプロピレンオキサイド2.3モル付加物構造由来:1.5〜1.6、4.6〜4.7、5.6〜5.7、6.8〜6.9、7.1〜7.2ppm
(13 C−NMRの帰属ピーク範囲)
テレフタル酸構造のカルボニル炭素由来:165.4〜165.6ppm
テレフタル酸構造のベンゼン環炭素由来:129.5〜133.8ppm
フマル酸構造のカルボニル炭素由来:165.4〜165.6ppm
フマル酸構造の(−C=C−)炭素由来:133.4〜133.8ppm
エチレングリコール構造由来:63.0〜63.1ppm
エリスリタン構造の由来:
{−(C=O)−O−CH−}:7.4〜7.5ppm
(−CH2−O−):7.0ppm〜7.1ppm
ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物構造由来:
(−O−CH2−CH2−O−):6.8〜6.9ppm
(−O−C6H4−O−):114.1、127.7、143.6、156.2ppm
(−C(CH3)2−):31.1、41.8ppm
なお、NMRスペクトルにおける各吸収の帰属は、化学領域増刊141号 NMR−総説と実験ガイド[I]、p.132〜133に準じて行なった。
<粉砕性>
樹脂を篩いにかけ、16メッシュを通過し22メッシュを通過しない樹脂粉体を得、この分級された樹脂粉末を10.00g精秤し、トリオブレンダー粉砕器(トリオサイエンス社製)にて10秒間粉砕後、30メッシュの篩いにかけ、通過しない樹脂の重量(A)gを精秤し、次式により樹脂残存率を求め、この操作を3回行い平均した値で評価した。
{(A)g/粉砕前の樹脂重量(10.00g)}×100=樹脂残存率(%)
得られた樹脂残存率より、粉砕性を以下の様に評価した。
◎ (非常に良好):樹脂残存率が60%未満
○ (良好):樹脂残存率が60%以上70%未満
△ (使用可能):樹脂残存率が70%以上85%未満
× (劣る):樹脂残存率が85%以上
<保存性>
トナーを約5gを秤量してサンプル瓶に投入し、これを45℃に保温された乾燥機に約24時間放置し、トナーの凝集程度を評価して保存性の指標とした。評価基準を以下の通りとした。
○ (良好):サンプル瓶を逆さにし、1〜3回叩くと分散する
× (劣る):サンプル瓶を逆さにし、4回以上叩くと分散する
<定着温度幅>
離型剤(日本精鑞(株)製SP−0160)90質量部を75℃に加熱し溶融させ、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)へキサン10質量部を添加し、得られた混合物を冷却、粉砕して、離型剤で希釈された架橋反応開始剤を調製した。
二軸押出機((株)池貝製PCM−29:L/D=30)を用い、ポリエステル樹脂1(テレフタル酸77モル部、イソフタル酸20モル部、アジピン酸3モル部、1、4−シクロヘキサンジメタノール15モル部、エチレングリコール105モル部、Tg:64℃、T4:185℃、酸価:2mgKOH/g、Mn:8000、Mw:52000、Mp:50000)を15質量部と各実施例で得られたポリエステル樹脂を85質量部、溶融混練した後、前記架橋反応開始剤0.2質量部を押出機に供給し、外温設定180℃、滞在時間3分で架橋反応を行った。
得られた樹脂の分子量を上記分子量測定手順に沿って測定し、架橋反応後の分子量分布と架橋反応前の分子量分布を比較して、定着温度幅の指標とした。評価基準を以下の通りとした。
○ (定着温度幅が広い):架橋反応後の分子量分布が架橋反応前の分子量分布より大きい。
× (定着温度幅が狭い):架橋反応後の分子量分布が架橋反応前の分子量分布と変わらない。
(エリスリタンの合成)
断熱材を巻いたクライゼン管、温度計を備えた300mlの4つ口フラスコにエリスリトール214.0g(1.75mol)、85質量%リン酸水溶液23.1g(0.2mol)を仕込んだ。さらにリービッヒ冷却管、温度計、二又アダプター、フラスコ、圧力計、凍結した水で閉塞されないようにしたトラップ、真空ポンプ、圧力調整器を接続した。マグネチックスターラーで攪拌しながら、フラスコをオイルバスで加熱した。内温が135℃に達した後、真空ポンプを起動させて減圧を開始した。反応により生成し、留出したエリスリタンと一部の水はリービッヒ冷却管で凝縮され、二又アダプターにつけたフラスコに回収した。リービッヒ冷却管で凝縮されなかった水は液体窒素で冷却されたトラップに回収した。留出液がフラスコに50ml回収されたところで減圧を停止し、エリスリトールを72.5g(0.59mol)供給した後、真空ポンプを起動し、エリスリタンの回収を再開した。以降、同様の操作でエリスリトールの供給を13回繰り返した後、エリスリタンの留出がなくなるまで反応を継続した。使用したエリスリトールは全部で1229.0g(10.1mol)であった。反応液の温度は135〜150℃、圧力は最終的に150Paになった。
フラスコに回収されたエリスリタンをガスクロマトグラフィーで分析し、エリスリタンの純度を分析した。水を含むエリスリタンの取得量は1001.7gであり純度は96質量%、水の含有量は3質量%であり、収率は92%であった。300mlフラスコ内に残った残渣の重量は62.8gであった。
(実施例1)
表1に示す仕込み組成の多価カルボン酸、多価アルコール、および多価カルボン酸に対して1000ppmのテトラ-n-ブトキシチタンを蒸留塔備え付けの反応容器に投入した。次いで昇温を開始し、反応系内の温度が265℃になるように加熱し、この温度を保持し、反応系からの水の留出がなくなるまでエステル化反応を行った。次いで、反応系内の温度を235℃とし、反応容器内を減圧し、反応系からポリアルコールを留出させながら重縮合反応を実施した。
反応の終点は、反応中に樹脂を約2gサンプリングしてTg測定を行い表1記載の所定のTgになった時点で、攪拌停を停止し、反応系を窒素導入により常圧に戻し、窒素により加圧して反応物を取り出し、100℃以下に冷却しポリエステル樹脂を得た。得られた樹脂の特性値を表1に示す。
次に樹脂1:93質量部、着色剤としてキナクリドン顔料(クラリアント社製E02)3質量部および負帯電性の荷電制御剤LR−147(日本カートリット社製)1質量部、カルナバワックス(東洋ペトロライド社製)3質量部を粉体混合し、二軸押出機(PCM−29:株式会社池貝)を用いて外温設定:120℃、滞在時間1分として溶融混練し、粗粉砕後、ジェットミル型粉砕機で微粉砕し、分級機で平均粒径5μmのトナーを得た。このトナーを用いて保存性を評価した。評価結果を表1に示す。
(実施例2〜8および比較例1〜2)
仕込み組成を表1に示すように変更した以外は実施例1と同様の方法を用いてポリエステル樹脂を得た。得られたポリエステル樹脂の特性値を表1に示す。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
Figure 0006186705




比較例1では、一般式(1)で表される構造単位を含んでいないため、粉砕性が不十分であった。
比較例2では、不飽和二重結合を含有していないため定着温度幅が不十分であった。

Claims (5)

  1. 式(1)で表される構造単位と、不飽和二重結合と、ビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物由来の構造単位とを有し、前記不飽和二重結合が、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、テトラヒドロフタル酸およびこれらのエステル誘導体、1,4−ジヒドロキシ−2−ブテンから選択される少なくとも1種の多価カルボン酸又は多価アルコール由来の構造である、ポリエステル樹脂。
    Figure 0006186705
  2. ガラス転移温度(Tg)が、75℃以下である、請求項1に記載のポリエステル樹脂。
  3. 多価カルボン酸と多価アルコールを含む単量体混合物を重縮合するポリエステル樹脂を製造する方法であって、前記単量体混合物が、不飽和二重結合を有する多価カルボン酸および不飽和二重結合を有する多価アルコールの少なくとも一方と、式(2)で表される多価アルコールを含む、請求項1または2に記載のポリエステル樹脂を製造する方法。
    Figure 0006186705
  4. 請求項1または2に記載のポリエステル樹脂を、架橋反応開始剤を用いて架橋反応させるポリエステル樹脂を製造する方法。
  5. 請求項1または2に記載のポリエステル樹脂を含有するトナー。
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