JP6186252B2 - 磁気センサ - Google Patents

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Description

本発明は、細長い形状の素子層と、前記素子層に間欠的に導通する複数の電極層とが設けられた磁気センサに係り、特に、素子層のフリー磁性層の磁化を安定させるとともに、外部ノイズの影響を低減できる構造の磁気センサに関する。
特許文献1に記載された磁気センサは、固定磁性層と非磁性層とフリー磁性層とが重ねられた素子部が縦方向に向けて細長形状に形成されている。素子部に導通する複数の電極層が縦方向に間隔を空けて設けられ、素子部は電極層と導通されていない部分が磁気感知部で、電極層と導通されている部分が非感知部となっている。
前記素子部のフリー磁性層は、縦方向に向けて細長形状とされ、形状異方性により磁化が縦方向へ揃えられている。固定磁性層は、磁化が前記縦方向と直交する横方向へ向けて固定されている。外部磁界は磁気感知部で素子部を横方向へ横断するように誘導され、フリー磁性層の磁化方向が外部磁界によって変動させられる。磁気感知部では、フリー磁性層の磁化方向と、固定磁性層の固定磁化方向との相対関係で電気抵抗値が変化し、これにより、外部磁界の強度が検知される。
特開2013−148406号公報
特許文献1に記載された磁気センサは、フリー磁性層の磁化の方向が形状異方性により縦方向へ揃えられている。この場合、素子部の幅寸法が短ければ短いほどフリー磁性層の磁化を縦方向へ揃えやすくなり、検知出力のリニアリティを向上させることが可能になる。しかしながら、本発明の発明者らの検討により、素子部の幅寸法を短くしていくと、磁気センサに検知ノイズが重畳しやすくなることが発見された。これは、素子部の幅寸法を短くしすぎると、固定磁性層の固定磁化の向きが不安定になり、外部磁界によって固定磁化の方向にゆらぎが発生し、その結果、環境磁場が検知ノイズに重畳しやすくなることが原因であると予測される。
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、フリー磁性層の磁化の向きを形状異方性によって揃えやすくして高いリニアリティを確保し、且つ固定磁性層の固定磁化の向きを安定させて、検知ノイズを低減できるようにした磁気センサを提供することを目的としている。
本発明は、固定磁性層とフリー磁性層とが非磁性層を挟んで積層されて縦方向の長さ寸法が横方向の幅寸法よりも長く形成された素子層と、縦方向に間隔を空けて配置されて前記素子層に導通する複数の電極層とが設けられた磁気センサにおいて、
前記素子層は、前記電極層と導通していない部分が磁気感知部で、前記電極層と導通している部分が非感知部であり、前記磁気感知部と前記非感知部はそれぞれ複数個存在し、縦方向に交互に形成され、前記素子層は、横方向の幅寸法、前記非感知部の一部で前記磁気感知部よりも小さくなって、全体が前記非感知部に含まれる所定幅の細幅部分と、前記磁気感知部の全長にわたって延び、かつ一部が前記非感知部に含まれる所定幅の太幅部分とを備えており、前記細幅部分の縦方向の長さ寸法が、前記太幅部分の縦方向の長さ寸法より大きく、前記フリー磁性層の磁化が縦方向に向けられていることを特徴とするものである。
本発明は、前記フリー磁性層の磁化は、形状異方性によって、縦方向に向けられているものである。
本発明は、前記素子層は、幅寸法の大きい部分と小さい部分との境界部で、幅寸法が徐々に変化していることが好ましい。
また、前記固定磁性層は、磁化が横方向に固定されている。
本発明は、前記固定磁性層は、第1の固定層と第2の固定層とが非磁性中間層を挟んで積層されて、前記第1の固定層の磁化方向と前記第2の固定層の磁化方向とが反平行とされている場合に特に有効である。
ただし、本発明は、前記固定磁性層が、反強磁性層との反強結合で磁化が固定されているものであってもよい。
本発明の磁気センサは、縦方向に延びる磁界誘導層が、前記磁気感知部を挟んで横方向に対向しており、外部磁界の縦方向成分が前記磁界誘導層で誘導され、前記磁界誘導層から前記磁気感知部に対して横方向に向く磁界が与えられるものとして構成できる。
本発明の磁気センサは、前記非感知部での素子層の幅寸法が0.8μm未満であり、前記磁気感知部での素子層の幅寸法が、0.8μm以上であることが好ましい。
本発明の磁気センサは、素子層の幅寸法を非感知部で細く形成しているため、形状異方性によってフリー磁性層の磁化の方向を縦方向へ揃えやすくなり、外部磁界に対する検知感度を高めて、リニアリティを向上させることができる。一方、磁気感知部では、非感知部よりも素子層の幅寸法を大きくしているため、固定磁性層の固定磁化を安定させることができ、環境磁場などが検知ノイズとして重畳しにくくなる。
特に、固定磁性層がいわゆるセルフピン構造である場合に、磁気感知部で固定磁化方向を安定させることができ、外部ノイズに強い磁気センサを構成できるようになる。
本発明の実施の形態の磁気センサの全体構造を示す平面図、 図1に示す磁気センサの等価回路図、 磁気センサの第1の磁気検知構造部を示す部分拡大平面図、 磁気センサの第2の磁気検知構造部を示す部分拡大平面図、 素子層の形状を拡大して示す拡大平面図、 図3をVI−VI線で切断した拡大断面図、 素子層の幅寸法と検知ノイズとの関係を示す線図、 検知出力のリニアリティに関する説明図、 実施の形態と比較例とでの検知出力のリニアリティを比較する線図、
図1に示す磁気センサSxは外部磁界のうちのX方向の成分を検知するものである。磁気センサSxの基本的な構造はY方向の磁界を検知できるものであるが、X方向の磁界成分が、図3に示す磁界誘導層10a,10bによって、Y方向へ導かれて検知される。
磁気センサSxは、外部磁界のうちのY方向の成分を検知する磁気センサSyならびにZ方向の成分を検知する磁気センサSzと組み合わされて、直交する3方向の外部磁界を検知できるものとなる。この磁気センサは地磁気センサなどとして使用される。磁気センサSy,Szは図示されていないが、素子の基本的な構造は以下に説明する磁気センサSxと同じである。
図1に示すように、磁気センサSxは、第1の抵抗変化部1と第2の抵抗変化部2ならびに第3の抵抗変化部3と第4の抵抗変化部4とから構成されている。図2の等価回路図にも示されているように、第1の抵抗変化部1と第3の抵抗変化部3とが直列に接続され、第4の抵抗変化部4と第2の抵抗変化部2が直列に接続されている。第1の抵抗変化部1と第4の抵抗変化部4は配線部5aを介して端子5に接続され、端子5に電源電圧Vccが印加される。第3の抵抗変化部3と第2の抵抗変化部2との接続部は、配線部6aを介して端子6に接続され、端子6は接地されている。第1の抵抗変化部1と第3の抵抗変化部3との接続中間部は、配線部7aを介して第1の検知端子7に接続され、第4の抵抗変化部4と第2の抵抗変化部2との接続中間点は、配線部8aを介して第2の検知端子8に接続されている。第1の検知端子7の出力と第2の検知端子8の出力との差動出力が磁気センサSxの検知出力となる。
第1の抵抗変化部1と第2の抵抗変化部2は、図3に示す第1の検知素子構造部10aを有し、第3の抵抗変化部3と第4の抵抗変化部4は、図4に示す第2の検知素子構造部10bを有している。
図1に示すように、第1の抵抗変化部1と第2の抵抗変化部2では、X方向へ直線的に延びる第1の検知素子構造部10aが複数本(図1では8本)平行に配置され、それぞれの第1の検知素子構造部10aのX1側の端部とX2側の端部が導電連結層9aによって互い違いに接合されている。その結果、第1の検知素子構造部10aはいわゆるミアンダパターンとなり、X方向(縦方向)への実質的な寸法がきわめて長くなっている。
第3の抵抗変化部3と第4の抵抗変化部4では、X方向へ直線的に延びる第2の検知素子構造部10bが複数本(図1では8本)平行に配置され、第2の検知素子構造部10bのX1側の端部とX2側の端部が導電連結層9bによって互い違いに接合されている。その結果、第2の検知素子構造部10bはいわゆるミアンダパターンとなり、X方向(縦方向)への実質的な寸法がきわめて長くなっている。
図3に示す第1の検知素子構造部10aと図4に示す第2の検知素子構造部10bは、外部磁界のうちのX方向の成分が磁界誘導層15a,15bで導かれてY方向の測定磁界(例えばHy1,Hy2)として与えられ、これら測定磁界の強さに応じて電気抵抗値が変化する。ただし、第1の検知素子構造部10aと第2の検知素子構造部10bとでは、同じX方向の外部磁界が与えられたときに、測定磁界が逆向きに作用する。第1の検知素子構造部10aと第2の検知素子構造部10bでは、素子層20の固定磁化Pの方向が同じであるため、第1の検知素子構造部10aと第2の検知素子構造部10bとでは、電気抵抗値の変化の極性が相反するものとなる。
例えば、外部磁界のX1方向へ成分が大きくなるにしたがって、第1の検知素子構造部10aでは電気抵抗値が大きくなり、第2の検知素子構造部10bでは、電気抵抗値が小さくなる。また、外部磁界のX2方向へ成分が大きくなるにしたがって、第1の検知素子構造部10aでは電気抵抗値が小さくなり、第2の検知素子構造部10bでは、電気抵抗値が大きくなる。
したがって、第1の検知端子7の検知出力(電圧変化)と第2の検知端子8部8の検知出力(電圧変化)の差動出力をとることで、外部磁界のX方向成分の強度の変化に応じた出力を得ることができる。
なお、磁界誘導層10a,10bで導かれる磁界を考慮することなく、磁気センサSxに対して直接にY方向へ作用する外部磁界に着目すると、第1の検知素子構造部10aと第2の検知素子構造部10bとで、素子層20の固定磁化Pの方向が同じであるため、第1の検知素子構造部10aと第2の検知素子構造部10bの抵抗変化が互いに同じである。そのため、第1の検知端子7の検知出力と第2の検知端子8の検知出力は、Y方向の磁界の変化があっても変動せず、磁気センサSxは外部磁界のX方向成分のみを検知することができる。
図3に示す第1の検知素子構造部10aと図4に示す第2の検知素子構造部10bでは、前記素子層20が共にX方向に直線的に延びて形成されている。図6に示すように、基板11の表面に絶縁下地層12が形成され、その上に金属が多層に積層された素子層20が形成されている。素子層20を構成する金属層はスパッタ工程やCVD工程で成膜されている。
素子層20は、巨大抵抗効果を発揮する磁気抵抗効果素子層(GMR層)であり、絶縁下地層12の上に、固定磁性層22と非磁性層23とフリー磁性層24が順に積層され、フリー磁性層24が保護層25で覆われている。
固定磁性層22は、第1の固定層22aと第2の固定層22b、ならびに第1の固定層22aと第2の固定層22bとの間に位置する非磁性中間層22cを有する積層フェリ構造である。第1の固定層22aと第2の固定層22bは、CoFe合金(コバルト−鉄合金)などの軟磁性材料で形成されている。非磁性中間層22cはRu(ルテニウム)などである。
積層フェリ構造の固定磁性層22は、第1の固定層22aと第2の固定層22bの磁化が反平行に固定されたいわゆるセルフピン構造である。セルフピン構造は、固定磁性層22の磁化を固定するために反強磁性層を用いていない。反強磁性層を用いるものでは、反強磁性層と固定磁性層とを積層し、磁場中で熱処理することで、固定磁性層の磁化を固定するが、積層フェリ構造の固定磁性層22では、磁化中で熱処理を行うことなく、第1の固定層22aと第2の固定層22bの反強磁性結合により、磁化の向きが固定されている。
固定磁性層22の磁化の固定方向は第2の固定層22bの磁化方向であり、第1の検知素子構造部10aと第2の検知素子構造部10bの双方において、固定磁性層22の固定磁化Pの方向が、素子層20の横方向(Y1方向)である。
非磁性層23はCu(銅)などの非磁性材料で形成されている。フリー磁性層24は、NiFe合金(ニッケル−鉄合金)などの軟磁性材料で形成されている。フリー磁性層24は、縦方向(X方向)の長さ寸法が横方向(Y方向)の幅寸法よりも十分に大きく、その形状異方性によって、磁化がX2方向へ向けて揃えられている。したがって、フリー磁性層24の磁化を縦方向へ揃えるための縦バイアス付与構造を備えていない。固定磁性層22が積層フェリ構造であり、磁場中の熱処理が不要であるため、フリー磁性層24の磁気異方性を保持しやすくなっている。フリー磁性層24を覆う保護層25はTa(タンタル)などで形成されている。
図3と図4に示すように、第1の検知素子構造部10aと第2の検知素子構造部10bでは、素子層20の上に複数の電極層13が積層されて形成されている。電極層13は、Al(アルミニウム)、Cu、Ti(チタン)、Cr(クロム)などの非磁性の導電性材料で形成されており、例えばCuとAlとの積層構造である。電極層13はスパッタ工程で形成されている。
図6に示すように、素子層20の保護層25が部分的に除去されて、保護層25の上に電極層13が積層され、素子層20と電極層13とが導通している。電極層13は素子層13よりも電気抵抗値が低いため、図2に示す電源電圧Vccによって素子層20に与えられる検知電流が電極層13をバイパスし、電極層13が重ねられている部分で、検知電流が素子層13を通過しない。そのため、両検知素子構造部10a,10bでは、電極層13が積層されている部分の素子層20が非感知部20cとなる。
また、図3に示すように、第1の検知素子構造部10aでは、素子層20のうちの電極層13が積層されていない部分が第1の磁気感知部20aとなり、図4に示す第2の検知素子構造部20bでは、素子層20のうちの電極層13が積層されていない部分が第2の磁気感知部20bとなる。
第1の磁気感知部20aと第2の磁気感知部20bの長さを確定するためには、それぞれの電極層13では、少なくともX1側とX2側のそれぞれの端部が素子層20と導通していることが必要である。
なお、素子層20と電極層13とが導通できる範囲において、電極層13の下に保護層25が薄く残されていてもよい。
図6に示すように、素子層20と電極層13は絶縁層14で覆われている。図3に示す第1の検知素子構造部10aでは、絶縁層14の上に第1の磁界誘導層15aが形成され、図4に示す第2の検知素子構造部10bでは、絶縁層14の上に第2の磁界誘導層15bが形成されている。第1の磁界誘導層15aと第2の磁界誘導層15bは、NiFe合金、CoFe合金、CoFeSiB合金(コバルト−鉄−シリコン−ボロン合金)、CoZrNb合金(コバルト−ジルコニウム−ニオブ合金)などの軟磁性材料で形成されている。
図3に示すように、第1の磁界誘導層15aは、素子層20の両側で縦方向(X方向)に延びているとともに、素子層20の第1の磁気感知部20aを挟んで横方向(Y方向)に対向している。図4に示すように、第2の磁界誘導層15bも、素子層20の両側で縦方向(X方向)に延び、素子層20の第2の磁気感知部20bを挟んで横方向(Y方向)に対向している。ただし、図3に示す第1の検知素子構造部10aと、図4に示す第2の検知素子構造部10bとでは、磁界誘導層15a,15bのY方向での対向方向が互いに対称である。
外部磁界のうちのX1方向の磁界成分について説明すると、図3に示す第1の検知素子構造部10aでは、X1方向の磁界成分が第1の磁界誘導層15aによってX1方向へ導かれ、第1の磁気感知部20aでは、一方の第1の磁界誘導層15aから他方の第1の磁界誘導層15aに渡って、Y2方向へ向く測定磁界Hy2が与えられる。図4に示す第1の検知素子構造部10aでは、X1方向の磁界成分が第2の磁界誘導層15bによってX1方向へ導かれ、第2の磁気感知部20bでは、一方の第2の磁界誘導層15bから他方の第2の磁界誘導層15bに渡って、Y1方向に向く測定磁界Hy1が与えられる。
これとは逆に、外部磁界のうちのX2方向の磁界成分は、図3に示す第1の磁気感知部20aにおいてY1方向へ与えられ、図4に示す第2の磁気感知部20bでは、Y2方向へ与えられる。
図5には、第1の検知素子構造部10aと第2の検知素子構造部10bのそれぞれに設けられた素子層20の平面形状が拡大して示されている。素子層20は、電極層13が積層されていない第1の磁気感知部20aと第2の磁気感知部20bで、横方向(Y方向)の幅寸法W1が大きく、電極層13が積層されている非感知部20cで幅寸法W2が小さく形成されている。幅寸法W1の部分と幅寸法W2の部分との境界部では、幅寸法W3が徐々に変化している。
また、素子層20は、幅寸法がW1の部分のX方向での長さ寸法L1よりも、幅寸法がW2の部分のX方向での長さ寸法L2の方が大きくなっている。
非感知部20cを形成している素子層20は磁気感知部20a,20bを形成している素子層20cよりも長さ寸法L2が大きく、且つ幅寸法W2が小さいため、非感知部20cでは、フリー磁性層24の形状異方性が強くなり、長さL2の部分でフリー磁性層24の磁化20eがX方向へ強い異方性で揃えられる。素子層20は非感知部20cから磁気感知部20a,20bに向けて幅寸法W3が徐々に広くなるので、余計な磁区が発生することなく、非感知部20cでの磁気異方性が磁気感知部20a,20bに誘導されて、幅寸法がW1の部分でも磁化20fの方向がX方向へ強く向けられる。
また、第1の磁気感知部20aと第2の磁気感知部20bでは、素子層20の幅寸法W1が大きく、固定磁性層22の幅寸法が大きくなっているので、固定磁性層22の固定磁化Pが強くなる。固定磁性層22が積層フェリ構造であると、幅寸法が狭まると固定磁化Pの向きが不安定になりやすいるが、磁気感知部20a,20bでは、幅寸法W1を広く確保できるために、固定磁性層22の固定磁化Pの向きを安定させることができる。
図3に示す第1の磁気感知部20aでは、第1の磁界誘導層15aから第1の磁界誘導層15aに至る測定磁界Hy2によってフリー磁性層24の磁化の向きが変えられるので、フリー磁性層24の磁化の向きと、固定磁性層22の固定磁化Pの方向との関係によって素子層20の電気抵抗値が変化する。図4に示す第2の磁気感知部20bでは、第2の磁界誘導層15bから与えられる測定磁界Hy1によってフリー磁性層24の磁化の向きが変えられ、フリー磁性層24の磁化の向きと、固定磁性層22の固定磁化Pの方向との関係によって素子層20の電気抵抗値が変化する。
第1の検知素子構造部10aを有する第1の抵抗変化部1ならびに第2の抵抗変化部2と、第2の検知素子構造部10bを有する第3の抵抗変化部3ならびに第4の抵抗変化部4とでは、同じX方向の磁界成分に対して電気抵抗値が逆極性で変化し、その結果、磁気センサSxから、外部磁界のX方向成分に応じた検知出力が得られる。
次に、素子層20の幅寸法W1,W2の好ましい値について説明する。
図7は、素子層20の幅寸法とノイズとの関係を示している。図1に示す構造の磁気センサSxにおいて、第1の検知素子構造部10aと第2の検知素子構造部10bの素子層20のY方向の幅寸法を均一にし、その幅寸法を変化させたサンプルを作成した。そして、磁気センサSxに測定用の外部磁界を与えることなく、検知出力を監視した。
図7の横軸は素子層20の均一な幅寸法であり、縦軸は検知出力を外部磁界の大きさ(マイクロテスラ)に換算した値を示している。
図7から、素子層20の幅寸法が0.8μmを下回ると、固定磁性層22の固定磁化が不安定になり、測定用磁界を与えていなくても、環境磁場の変化によって検知出力がノイズとして現れることがわかる。このノイズの影響を阻止するには、磁気感知部20a,20bでの素子層20の幅寸法W1が0.8μm以上であることが好ましい。
非感知部20cでの素子幅W2は、細ければ細いほど、磁気異方性によってフリー磁性層24の磁化をX方向へ揃える力が大きくなる。しかし、図6に示す積層構造の素子層20の幅寸法を短く加工するのには限界があり、0.4μm程度が限界である。よって、非感知部20cでの素子層20の幅寸法W2は、0.4μm以上で、0.8μm未満であることが好ましい。
図9は、本発明の実施の形態の磁気センサSxと、比較例の磁気センサでの検知出力のリニアリティを比較した結果を示している。図9において黒色の四角のプロットが実施の形態であり、図9では新構造PTN(新構造パターン)と記載されている。この実施の形態は、図1に示す構造の磁気センサSxにおいて、第1の検知素子構造部10aと第2の検知素子構造部10bでの素子層20を図5に示す形状にしている。幅寸法W1を1μmとし、幅寸法W2を0.5μmとした。
図9において黒色の菱形のプロットは比較例であり、図9では従来構造PTN(従来構造パターン)と記載されている。この比較例は、図1に示す磁気センサSxにおいて、第1の検知素子構造部10aと第2の検知素子構造部10bでの素子層20を幅寸法を1μmと均一にしたものである。
実施の形態と比較例は、多数個作成した。図9の横軸は、実施の形態と比較例のそれぞれのサンプル番号を示し、縦軸はフルスケールリニアリティを示している。図8に、フルスケールリニアリティの説明図が示されている。図8に示すように、磁気センサSxにX方向の外部磁界を向きと大きさを変えて与えたときの、フルスケールの検知出力の変化幅をFSとし、各出力から最小二乗法で得られた変化直線をSLとし、直線SLから各出力の差N1,N2,・・・のうちの最大値をNmaxとしたときに、フルスケールリニアリティは、(Nmax/FS)×100(%)で表される。
図9から、本発明の実施の形態では、非感知部20cにおいて素子層20の幅寸法W2を小さくしたことにより、検知出力のリニアリティが向上していることが解る。
なお、本発明は、素子層20の構成としては、固定磁性層22とフリー磁性層24とが図6の順番とが上下逆であってもよい。また、固定磁性層22が積層フェリ構造ではなく、固定磁性層22に反強磁性層が接合され、前述した磁場中の熱処理後の交換結合によって固定磁性層22の磁化が固定されてもよい。ただし、固定磁性層22が積層フェリ構造であると、素子層の幅寸法が固定磁化の安定に影響を与える度合いが大きくなるため、本発明は、特に、固定磁性層22が積層フェリ構造であるときに有効である。
Sx 磁気センサ
W1,W2 幅寸法
1 第1の抵抗変化部
2 第2の抵抗変化部
3 第3の抵抗変化部
4 第4の抵抗変化部
10a 第1の検知素子構造部
10b 第2の検知素子構造部
11 基板
13 電極層
15a 第1の磁界誘導層
15b 第2の磁界誘導層
20 素子層
20a 第1の磁気検知部
20b 第2の磁気感知部
20c 非感知部
22 固定磁性層
23 非磁性層
24 フリー磁性層

Claims (8)

  1. 固定磁性層とフリー磁性層とが非磁性層を挟んで積層されて縦方向の長さ寸法が横方向の幅寸法よりも長く形成された素子層と、縦方向に間隔を空けて配置されて前記素子層に導通する複数の電極層とが設けられた磁気センサにおいて、
    前記素子層は、前記電極層と導通していない部分が磁気感知部で、前記電極層と導通している部分が非感知部であり、前記磁気感知部と前記非感知部はそれぞれ複数個存在し、縦方向に交互に形成され、前記素子層は、横方向の幅寸法、前記非感知部の一部で前記磁気感知部よりも小さくなって、全体が前記非感知部に含まれる所定幅の細幅部分と、前記磁気感知部の全長にわたって延び、かつ一部が前記非感知部に含まれる所定幅の太幅部分とを備えており、前記細幅部分の縦方向の長さ寸法が、前記太幅部分の縦方向の長さ寸法より大きく、前記フリー磁性層の磁化が縦方向に向けられていることを特徴とする磁気センサ。
  2. 前記フリー磁性層の磁化は、形状異方性によって、縦方向に向けられている請求項1記載の磁気センサ。
  3. 前記素子層は、幅寸法の大きい部分と小さい部分との境界部で、幅寸法が徐々に変化している請求項1または2記載の磁気センサ。
  4. 前記固定磁性層は、磁化が横方向に固定されている請求項1ないし3のいずれかに記載の磁気センサ。
  5. 前記固定磁性層は、第1の固定層と第2の固定層とが非磁性中間層を挟んで積層されて、前記第1の固定層の磁化方向と前記第2の固定層の磁化方向とが反平行とされている請求項4記載の磁気センサ。
  6. 前記固定磁性層は、反強磁性層との反強結合で磁化が固定されている請求項4記載の磁気センサ。
  7. 縦方向に延びる磁界誘導層が、前記磁気感知部を挟んで横方向に対向しており、外部磁界の縦方向成分が前記磁界誘導層で誘導され、前記磁界誘導層から前記磁気感知部に対して横方向に向く磁界が与えられる請求項4ないし6のいずれかに記載の磁気センサ。
  8. 前記非感知部での素子層の幅寸法が0.8μm未満であり、前記磁気感知部での素子層の幅寸法が、0.8μm以上である請求項1ないし7のいずれかに記載の磁気センサ。
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