JP6183285B2 - 電力変換器制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電力変換器制御装置に関する。
従来、電力変換器を構成するスイッチング素子のオンオフを制御することにより、交流電動機の駆動を制御する電力変換器制御装置が公知である。例えば特許文献1では、電動機が発生する騒音を低減するため、特定の周波数帯を騒音域とし、騒音域内で発生する高調波成分を抑制するパルスパターンを演算している。
特開2013−215041号公報
特許文献1では、例えば1周期でのスイッチング回数が7回である場合、固定座標上の2つの周波数成分をゼロとすることができる。しかしながら、特許文献1では、スイッチング回数に応じて抑制できる高調波の数に限りがあり、さらに多くの周波数成分を抑制したい場合、連立方程式の数が未知数より多くなり、全ての連立方程式を満足する解を求めることができない。したがって、除去できない次数の高調波成分が成り行きで決まってしまうため、演算されるパルスパターンが、騒音、振動等の面から最適なものであるとは限らない。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、高調波成分に起因する騒音や振動を低減可能な電力変換器制御装置を提供することにある。
本発明の電力変換器制御装置は、負荷に供給される電力を変換する電力変換器を制御するものであって、パルスパターン演算部と、高調波演算部と、音演算部と、パターン選択部と、を備える。
パルスパターン演算部は、負荷の要求に応じたパルスパターンを演算する。
高調波演算部は、パルスパターンにて電力変換器を制御したときに負荷に印加される電圧の高調波成分である電圧高調波、および、負荷に通電される電流の高調波成分である電流高調波の少なくとも一方を、それぞれのパルスパターンについて次数毎に演算する。
音演算部は、パルスパターンにて電力変換器を制御したときに発生する音の高調波成分である音圧高調波を電圧高調波または電流高調波に基づいて次数毎に推定する音圧高調波推定部、および、パルスパターンにて電力変換器を制御したときに発生する音圧レベルを音圧高調波に基づいて演算する音圧レベル演算部を有する。
パターン選択部は、電圧高調波および電流高調波の少なくとも一方に基づき、評価関数を用いて電力変換器の制御に用いるパルスパターンである出力パルスパターンを選択する。
本発明では、電圧高調波および電流高調波の少なくとも一方に基づき、評価関数を用いてパルスパターンを選択するので、他の制御方法と比較し、高調波成分に起因する振動や騒音を低減することができる。また、振動や騒音に影響を及ぼす高調波成分の次数が多い場合であっても、適切に振動や騒音を低減することができる。
本発明の一実施形態による駆動システムの構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態による電力変換器制御装置の変調器を説明するブロック図である。 本発明の一実施形態によるパルスパターン演算部でのパルスパターン演算を説明する説明図である。 本発明の一実施形態による音演算部およびゲイン特性導出部を説明するブロック図である。 本発明の一実施形態による電圧高調波と音圧高調波とを関連づけたマップを説明する説明図である。 本発明の一実施形態による電流高調波と音圧高調波とを関連づけたマップを説明する説明図である。 本発明の一実施形態によるパルスパターン選択処理を説明するフローチャートである。 本発明の一実施形態によるパルスパターン選択処理を説明するフローチャートである。 本発明の一実施形態によるパルスパターン制御による騒音低減効果を説明する説明図である。 本発明の一実施形態によるパルスパターン制御による騒音低減効果を説明する説明図である。
以下、本発明による電力変換器制御装置を図面に基づいて説明する。
(一実施形態)
本発明の一実施形態による電力変換器制御装置を図1〜図10に基づいて説明する。
図1に示すように、電力変換器制御装置20は、負荷としてのモータジェネレータ(以下、「MG」という。)10を駆動する駆動システム1に適用される。
駆動システム1は、MG10、電力変換器としてのインバータ15、および、電力変換器制御装置20等を備える。
MG10は、例えば電動車両の駆動輪を駆動するためのトルクを発生する所謂「主機モータ」である。本実施形態のMG10は、永久磁石式同期型の三相交流電動機である。MG10は、図示しない駆動輪を駆動するためのトルクを発生する電動機としての機能、および、図示しないエンジンや駆動輪から伝わる車両の運動エネルギにより駆動されて発電可能な発電機としての機能を有する。以下、主にMG10が電動機として機能する場合を中心に説明する。
インバータ15には、MG10の駆動状態や車両要求等に応じ、直流電源の電圧である電源電圧Vdcが印加される。また、例えば昇圧コンバータ等により変圧された電圧がインバータ15に印加されるように構成してもよい。
インバータ15は、ブリッジ接続される図示しない6つのスイッチング素子を有する。スイッチング素子には、例えばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、MOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタ、バイポーラトランジスタ等を用いることができる。スイッチング素子は、電力変換器制御装置20から出力されるパルスパターンである出力パルスパターンに基づいて、オン/オフが制御される。これにより、インバータ15は、MG10に印加される三相交流電圧Vu、Vv、Vwを制御する。MG10は、インバータ15により生成された三相交流電圧Vu、Vv、Vwが印加されることにより、駆動が制御される。
電力変換器制御装置20は、マイクロコンピュータ等により構成され、内部にはいずれも図示しないCPU、ROM、RAM、I/O、および、これらを接続するバスライン等を備える。電力変換器制御装置20は、MG10を構成する巻線に通電される電流を検出する電流検出部からの電流検出値や、図示しないレゾルバ等からMG10の電気角等を取得し、これらの検出値に基づき、予め記憶されたプログラムをCPUで実行することによるソフトウェア処理や、専用の電子回路によるハードウェア処理により、MG10の動作を制御する。
電力変換器制御装置20は、制御器21、変調器30、および、ゲイン特性導出部40(図4参照)を備える。
制御器21は、図示しない上位ECUからのトルク指令値に基づいて図示しない電流指令値演算部にて演算されるd軸電流指令値Id*およびq軸電流指令値Iq*と、図示しないdq変換部にてdq変換された電流検出値であるd軸電流検出値Id_snsおよびq軸電流検出値Iq_snsに基づき、d軸電圧指令値Vd*およびq軸電圧指令値Vq*を演算する。詳細には、d軸電流指令値Id*とd軸電流検出値Id_snsとの電流偏差ΔId、および、q軸電流指令値Iq*とq軸電流検出値Iq_snsとの電流偏差ΔIqを算出し、電流検出値Id_sns、Iq_snsを電流指令値Id*、Iq*に追従させるべく、電流偏差ΔId、ΔIqが0に収束するように電圧指令値Vd*、Vq*を演算する。
図2に示すように、変調器30は、変調率演算部31、パルスパターン演算部32、高調波演算部33、音演算部34、および、パターン選択部35を有する。
変調率演算部31は、d軸電圧指令値Vd*およびq軸電圧指令値Vq*に基づき、指令変調率mrefを演算する。指令変調率mrefは、式(1)にて演算される。
Figure 0006183285
パルスパターン演算部32は、第1演算部321および第2演算部322を有し、指令変調率mrefに応じたパルスパターンを演算する。
第1演算部321は、指令変調率mrefが判定閾値Mth未満である場合、三角波比較方式によるパルス幅変調(PWM;pulse width modulation)制御によりパルスパターンを演算する。また、パルス幅変調に替えて、空間ベクトル変調(SVM;space vector modulation)制御により、パルスパターンを演算してもよい。PWM制御またはSVM制御では、指令変調率mrefに応じてパルスパターンが一意に決まるので、第1演算部321にて演算されたパルスパターンは、パターン選択部35にて出力パルスパターンとして選択され、インバータ15に出力される。
また、第1演算部321にて演算されたパルスパターンは、高調波演算部33に出力される。なお、例えば指令変調率mrefが所定値以上であり、後述のパルスパターン制御に移行する可能性のある領域のパルスパターンのみ高調波演算部33に出力されるように構成し、指令変調率mrefが所定値未満であり、パルスパターン制御に直接移行することがない領域のパルスパターンの高調波演算部33への出力を省略してもよい。
第2演算部322は、指令変調率mrefが判定閾値Mth以上である場合、指令変調率mrefおよびスイッチング回数kに基づき、複数のパルスパターンを演算する。スイッチング回数kは、例えば図示しない上位ECUから取得される。本実施形態では、指令変調率mrefおよびスイッチング回数kに基づいて演算されるパルスパターンによる制御を「パルスパターン制御」という。また本実施形態では、判定閾値Mthを1とし、指令変調率mrefが判定閾値Mth(=1)以上である所謂「過変調領域」にて「パルスパターン制御」を採用する。パルスパターン制御では、後述の高調波演算部33および音演算部34の演算結果に基づき、パターン選択部35にて評価関数を用いて最適なパルスパターンを選択し、選択されたパルスパターンをインバータ15に出力する。
以下、パルスパターン制御を中心に説明する。
指令変調率mrefおよびスイッチング回数kに基づくパルスパターン演算について、図3に基づいて説明する。本実施形態では、スイッチング回数kは、電気角半周期におけるスイッチング回数とする。図3は、スイッチング回数k=5のときのU相上アーム素子のオンオフに係るパルスパターンを示し、パルスパターンが1のときU相上アーム素子がオンされ、パルスパターンが0のときにオフされる。
まず、スイッチング回数kのとき、1/4周期である電気角0[°]〜90[°]の領域におけるオンオフ回数nは、式(2)で表される。式(2)中の「floor」は切り捨てを意味する。ここで、「オンオフ回数n」とは、オンオフの順でのスイッチングを1組としたときの組数とする。
n=floor(k/2) ・・・(2)
例えば、図3に示すように、スイッチング回数k=5のとき、電気角1/4周期のオンオフ回数n=2であり、例えば、電気角0[°]〜90[°]では、最初のオフ期間と最後のオン期間を除き、オフ期間が2回、オン期間が2回のパルスとなる。ここで、オフ期間の中心位相をθn、中心位相θnからオンされるまでの幅(以下適宜、「オフ期間の幅」)をδn+1とし、指令変調率mrefおよびスイッチング回数kを満足する中心位相θ1〜θnおよびオフ期間の幅δ1〜δn+1の初期値を決定する。以下、中心位相θ1〜θnおよびオフ期間の幅δ1〜δn+1を、単に「中心位相θnおよびδn+1」という。オフ期間の幅δn+1および中心位相θnが決まれば、電気角0[°]〜90[°]のパルスパターンが決定される。また、電気角90[°]〜180[°]のパルスパターンは、電気角90[°]を中心として電気角0[°]〜90[°]のパルスパターンを反転したものとし、電気角180[°]〜360[°]のパルスパターンは、電気角180[°]を中心として電気角0[°]〜180[°]のパルスパターンを反転したものとする。
図3の例では、最初のオフ期間の幅δ1、2回目のオフ期間の幅δ2、3回目のオフ期間の幅δ3、2回目のオフ期間の中心位相θ1、および、3回目のオフ期間の中心位相θ2とする。なお、最初のオフ期間の幅δ1については、電気角0[°]を中心位相と捉えれば、幅δ2、δ3と同様、中心位相からオンされるまでの幅と捉えることができる。
本実施形態では、指令変調率mrefおよびスイッチング回数kに基づき、オフ期間の幅δ1〜δ3、および、中心位相θ1、θ2の初期値を決定する。また、オフ期間の幅δ1〜δ3を、MG10の電気角を検出するレゾルバの分解能(LSB)に応じた値であるパルス幅シフト量Δδずらし、中心位相θ1、θ2を、レゾルバの分解能に応じた値である位相シフト量Δθずらすことにより、複数のパルスパターンを演算する。
本実施形態では、中心位相θnが「パルスの位置」に対応し、オフ期間の幅δn+1が「パルス幅」に対応し、位相シフト量Δθおよびパルス幅シフト量Δδが「所定間隔」に対応する。
また第2演算部322は、演算されたそれぞれのパルスパターンについて、変調率mを演算し、指令変調率mrefと演算された変調率mとが一致するパルスパターンを候補パルスパターンとして、高調波演算部33に出力する。
変調率mは、式(3)により演算される。
Figure 0006183285
高調波演算部33は、電圧高調波演算部331および電流高調波演算部332を有する。
電圧高調波演算部331は、パルスパターン演算部32から出力された候補パルスパターンについて、フーリエ級数展開により、相電圧の各次数の高調波電圧である電圧高調波Vhを演算する。次数hの電圧高調波Vhは、式(4)により演算される。なお、過変調領域において騒音の原因となりやすい次数hが6の倍数±1(すなわちh=6x±1)の高調波成分を演算するようにしてもよい。
Figure 0006183285
電流高調波演算部332は、電圧高調波演算部331にて演算された電圧高調波Vhに基づき、dq軸電流の電流高調波Ihを演算する。なお、過変調領域において騒音の原因となりやすい次数が6の倍数(6x次)高調波成分を演算するようにしてもよい。
まず、h次の電圧高調波Vhに係るdq軸電圧方程式を式(5)に示す。
Figure 0006183285
式中の文字は、以下の通りである。
dh、Vqh:h次の電圧高調波Vhのd軸成分、q軸成分
dh、Iqh:h次の電流高調波Ihのd軸成分、q軸成分
s:ラプラス演算子
ω1:電気角速度
d、Lq:定常インダクタンスのd軸成分、q軸成分
dd、Lqq:微分インダクタンスのd軸成分、q軸成分
dh、eqh:誘起電圧のd軸成分、q軸成分
なお、定常インダクタンスLd、Lqは、磁束λ(d軸成分λd、q軸成分λq)、および、電流I(d軸成分Id、q軸成分Iq)に基づき、式(6−1)、(6−2)で表される。
Figure 0006183285
また、微分インダクタンスLdd、Lqqは、磁束λおよび電流Iの偏微分に基づき、式(7−1)、(7−2)で表される。
Figure 0006183285
また、ラプラス演算子s=jω1(jは虚数単位)を代入し、式(5)の逆行列を解くと、電流高調波Ihは、式(8−1)で表される。また、h=6xとし、6x次の電流高調波I6xは、式(8−2)で表される。なお、式(8−2)中のId_6x、Iq_6xは、6x次の電流高調波I6xのd軸成分、q軸成分である。
Figure 0006183285
高調波演算部33にて演算された電圧高調波Vhおよび電流高調波Ihは、音演算部34およびパターン選択部35に出力される。
音演算部34では、高調波演算部33にて演算された電圧高調波Vhまたは電流高調波Ihに基づき、数式モデル近似またはマップ演算により、それぞれの候補パルスパターンについて、音圧高調波Shを次数毎に演算する。
図4に示すように、音演算部34は、ゲイン特性記憶部341、音圧高調波推定部342、および、音圧レベル演算部343を有する。
ゲイン特性記憶部341には、ゲイン特性導出部40にて導出された電圧高調波Vhまたは電流高調波Ihと音圧高調波Shとが関連づけられた数式モデル、または、マップがゲイン特性として記憶される。
ゲイン特性導出部40は、電圧高調波Vhまたは電流高調波Ihと音圧高調波Shとの関係を、数値解析または実測データに基づいて導出する。
ゲイン特性導出部40における電圧高調波Vhと音圧高調波Shとが関連づけられた数式モデルの導出について説明する。
MG10の回転数およびトルク毎に、複数のパルスパターンにてMG10を駆動し、そのときの騒音(または振動)を測定する。また、パルスパターンと測定された騒音(または振動)について、周波数分析を行い、可聴域内におけるh次の高調波成分の振幅を抽出する。
そして、ゲイン特性導出部40は、音圧高調波Shと電圧高調波Vhとの関係式(式(9))を導出する。なお、式中のap_11、ap_12、ap_13は、各項の係数(定数)であり、例えばp=1のときの係数a1_11とp=2のときの係数a2_11とは異なる値であることを意味する。b1は、切片(定数)である。また、rは、近似する多項式の次数とする。すなわち、例えば2次の多項式に近似する場合、r=2とする。
Figure 0006183285
同様に、ゲイン特性導出部40は、音圧高調波Shと電流高調波Ihとの関係式(式(10))を導出する。なお、式中のap_21、ap_22、ap_23は、各項各次数における係数(定数)であり、b2は切片(定数)である。
Figure 0006183285
また、式(9)に示す音圧高調波Shと電圧高調波Vhとの関係式に替えて、電圧高調波Vhと音圧高調波Shとを、図5に示す座標系にマップ化しておいてもよい。また、式(10)に示す音圧高調波Shと電流高調波Ihとの関係式に替えて、電流高調波Ihと音圧高調波Shとを、図6に示す座標系にマップ化しておいてもよい。
ゲイン特性記憶部341には、(i)音圧高調波Shと電圧高調波Vhとの関係式(式(9))、(ii)音圧高調波Shと電流高調波Ihとの関係式(式(10))、(iii)電圧高調波Vhと音圧高調波Shとが関連づけられたマップ(図5)、(iv)電流高調波Ihと音圧高調波Shとが関連づけられたマップ(図6)のうちの少なくとも1つが記憶されている。
なお、電流高調波Ihは、電圧高調波Vhよりも電磁騒音との相間が強いため、電流高調波Ihを用いた方がより適切に音圧高調波Shを推定可能である。
音圧高調波推定部342では、ゲイン特性記憶部341に記憶されたマップまたは数式モデルに基づき、高調波演算部33にて演算された電圧高調波Vhまたは電流高調波Ihにより発生する音圧高調波Shを、パルスパターン毎に推定する。
音圧レベル演算部343では、音圧高調波推定部342にて演算された音圧高調波Shについて、MG10にて発生すると推定される音圧レベルL[dB]を式(11)にて、パルスパターン毎に演算する。式(11)中のSoは、基準値である。演算された音圧レベルLは、パターン選択部35に出力される。
なお、電圧高調波Vh、電流高調波Ih、音圧高調波Sh、および、音圧レベルLは、PWM制御におけるパルスパターンまたはSVM制御におけるパルスパターンについても同様に、高調波演算部33および音演算部34にて演算可能である。
Figure 0006183285
パターン選択部35では、高調波演算部33にて演算された電圧高調波Vhおよび電流高調波Ihと、音演算部34にて演算された音圧高調波Shおよび音圧レベルLとに基づき、インバータ15に出力するパルスパターンである出力パルスパターンを評価関数f1〜f5に基づいて選択する。評価関数f1〜f5の詳細は後述する。
次に、本実施形態によるパルスパターン選択処理を図7および図8に示すフローチャートに基づいて説明する。パルスパターン選択処理は、変調器30にて所定の間隔で実行される。
最初のステップS101(以下、「ステップ」を省略し、単に記号「S」で示す。)では、変調率演算部31は、d軸電圧指令値Vd*およびq軸電圧指令値Vq*に基づき、指令変調率mrefを演算する。
S102では、パルスパターン演算部32は、指令変調率mrefが判定閾値Mth未満か否かを判断する。指令変調率mrefが判定閾値Mth以上であると判断された場合(S102:YES)、パルスパターン制御とすべく、S104へ移行する。指令変調率mrefが判定閾値Mth未満であると判断された場合(S102:YES)、S103へ移行する。
S103では、第1演算部321は、制御方式をPWM制御とし、PWM制御に基づくパルスパターンを決定し、図8中のS121へ移行する。なお、PWM制御に替えて、SVM制御としてもよい。
指令変調率mrefが判定閾値Mth以上であると判断された場合(S102:NO)に移行するS104では、第2演算部322は、制御方式をパルスパターン制御とし、電気角半周期のスイッチング回数kを取得し、電気角1/4周期の領域におけるオンオフ回数nを決定する。
S105では、パルスパターン演算部32は、制御方式がPWM制御から切り替わるか否かを判断する。制御方式がPWM制御から切り替わると判断された場合(S105:YES)、すなわち、前回演算における指令変調率mrefが判定閾値Mth未満であって今回演算における指令変調率mrefが判定閾値Mth以上であり、PWM制御からパルスパターン制御に切り替わる場合、S109へ移行する。制御方式がPWM制御からの切り替えではないと判断された場合(S105:NO)、すなわち前回演算および今回演算における指令変調率mrefが共に判定閾値Mth以上であって、パルスパターン制御が継続される場合、S106へ移行する。
S106では、パルスパターン演算部32は、スイッチング回数kが変更されたか否かを判断する。スイッチング回数kが変更されたと判断された場合(S106:YES)、S109へ移行する。スイッチング回数kが変更されていないと判断された場合(S106:NO)、S107へ移行する。
S107では、パルスパターン演算部32は、指令変調率mrefが変更されたか否かを判断する。指令変調率mrefが変更されたと判断された場合(S107:YES)、S109へ移行する。指令変調率mrefが変更されていないと判断された場合(S107:NO)、S108へ移行する。
S108では、パルスパターン演算部32は、現在のパルスパターンを継続し、図8中のS121へ移行する。
制御方式がPWM制御から切り替わる場合(S105:YES)、スイッチング回数kが変更された場合(S106:YES)、または、指令変調率mrefが変更された場合(S107:YES)に移行するS109では、パルスパターン演算部32は、指令変調率mref、および、スイッチング回数kを満足するオフ期間の幅δn+1、および、オフ期間の中心位相θnの初期値を設定する
S110では、パルスパターン演算部32は、オフ期間の幅δn+1およびオフ期間の中心位相θnに基づいて決定されるパルスパターンについて、変調率mを演算する。
S111では、S110にて演算された変調率mが指令変調率mrefと一致するか否かを判断する。変調率mが指令変調率mrefと一致しないと判断された場合(S111:NO)、S112の処理を行わず、S113へ移行する。変調率mが指令変調率mrefと一致すると判断された場合(S111:YES)、S112へ移行する。
S112では、指令変調率mrefと演算された変調率mとが一致したパルスパターンを候補パターンとして記憶する。ここでの候補パルスパターンの記憶は、一時的なものであり、S121までの処理が終了したときにリセットされる。
S113では、パルスパターン演算部32は、指令変調率mrefおよびスイッチング回数kを満足する全てのパルスパターンの抽出が終了したか否かを判断する。全てのパルスパターンの抽出が終了したと判断された場合(S113:YES)、S112にて記憶された候補パルスパターンを高調波演算部33に出力し、図8中のS115へ移行する。全てのパルスパターンの抽出が終了していないと判断された場合(S113:NO)、S114へ移行する。
S114では、オフ期間の幅δn+1をパルス幅シフト量Δδずらす。また、オフ期間の中心位相θnを位相シフト量Δθずらし、S110へ戻る。
指令変調率mrefおよびスイッチング回数kを満足する全てのパルスパターンの抽出が終了したと判断された場合(S113:YES)に移行する図8中のS115〜S118の処理は、全ての候補パルスパターンについて、パルスパターン毎に実行される。
S115では、電圧高調波演算部331では、フーリエ級数展開により、電圧高調波Vhを演算する。
S116では、電流高調波演算部332では、S115にて演算された電圧高調波Vhおよび電圧方程式に基づき、電流高調波Ihを演算する。
S117では、音圧高調波推定部342では、電圧高調波Vhまたは電流高調波Ihに基づき、音圧高調波Shを演算する。
S118では、音圧レベル演算部343では、音圧高調波Shに基づき、音圧レベルLを演算する。
全ての候補パルスパターンについて、電圧高調波Vh、電流高調波Ih、音圧高調波Sh、および、音圧レベルLを演算した後に移行するS119では、パターン選択部35は、パルスパターンの選択に用いる評価関数を選択する。
S120では、パターン選択部35は、S119にて選択された評価関数に基づき、S112にて記憶されたパルスパターンの中から最適なパルスパターンを選択する。
S121では、パターン選択部35は、選択されたパルスパターンをインバータ15に出力する。
ここで、パターン選択部35における評価関数の選択、および、パルスパターンの選択について説明する。
パターン選択部35には、第1評価関数f1、第2評価関数f2、第3評価関数f3、第4評価関数f4、および、第5評価関数f5が格納されている。パターン選択部35では、例えばMG10の回転数やトルク等に応じ、第1評価関数f1、第2評価関数f2、第3評価関数f3、第4評価関数f4および第5評価関数f5のいずれかを、パルスパターンの選択に用いる評価関数として選択する。
第1評価関数f1は、音圧レベルLが最小となるパルスパターンを選択するものであって、式(12)で表される。
f1=min(L) ・・・(12)
第2評価関数f2は、現在のパルスパターンとの騒音差が最小となる候補パルスパターンを選択するものであって、式(13)で表される。なお、候補パルスパターンの音圧レベルをL(z+1)、インバータ15の制御に用いられている現在のパルスパターンの音圧レベルをL(z)とする。
f2=min|L(z)−L(z+1)| ・・・(13)
第3評価関数f3は、現在のパルスパターンと音圧高調波Shの各次数成分が最も類似する候補パルスパターンを選択するものであって、式(14)で表される。なお、候補パルスパターンの音圧高調波Sh(z+1)、インバータ15の制御に用いられている現在のパルスパターンの音圧高調波をSh(z)とする。
Figure 0006183285
第4評価関数f3は、現在のパルスパターンと電圧高調波Vhの各次数成分が最も類似する候補パルスパターンを選択するものであって、式(15)で表される。なお、候補パルスパターンの電圧高調波Vh(z+1)、インバータ15の制御に用いられている現在のパルスパターンの電圧高調波をVh(z)とする。
Figure 0006183285
第5評価関数f5は、現在のパルスパターンと電流高調波Ihの各次数成分が最も類似するパルスパターンを選択するものであって、式(16)で表される。なお、候補パルスパターンの電流高調波をIh(z+1)、インバータ15の制御に用いられている現在のパルスパターンの電流高調波をIh(z)とする。
Figure 0006183285
パターン選択部35にて、第1評価関数f1、第2評価関数f2、第3評価関数f3、第4評価関数f4または第5評価関数f5に基づいて候補パルスパターンの中から選択された出力パルスパターンは、インバータ15に出力され、出力パルスパターンに基づいてインバータ15を構成するスイッチング素子のオンオフが制御される。
本実施形態では、第1評価関数f1に基づいてパルスパターンを選択することにより、音圧レベルを最小とすることができる。
また、第2評価関数f2に基づいてパルスパターンを選択することにより、パルスパターンの切り替えに伴う音圧レベル差を最小とすることができるので、パルスパターンの切り替えに伴う音の変化を最小限に抑えることができる。同様に、第3評価関数f3に基づいてパルスパターンを選択することにより、パルスパターンの切り替えに伴う音の変化を最小に抑えることができる。
さらにまた、第4評価関数f4または第5評価関数f5に基づいてパルスパターンを選択することにより、パルスパターンの切り替えに伴う振動や騒音等の変化を最小限に抑え、ユーザに与える違和感を最小限に抑えることができる。
ここで、本実施形態の電力変換器制御装置20の騒音低減効果について図9および図10に基づいて説明する。図9および図10では、MG10を、変調率1.1、回転数N=1860[rpm]で回転させる。このとき、18次高調波が約4.5[kHz]であり、MG10の機械共振周波数が4.5[kHz]であるものとする。また、図9および図10では、6x次の高調波成分を示し、他の次数については省略した。
図9では(a)〜(c)が過変調PWM制御を行った場合を示し、(d)〜(f)がパルスパターン制御を行った場合を示す。(d)〜(f)のパルスパターン制御では、第1評価関数f1により、音圧レベルLが最小となるパルスパターンを選択する。また、図9(a)、(d)は音圧レベルLを示し、(b)、(e)は電流高調波Ihのd軸成分Idhを示し、(c)、(f)は電流高調波Ihのq軸成分Iqhを示す。
図9(a)〜(f)において、各次数に対応する棒グラフは、左から順にスイッチング回数k=5、7、9のときを示している。
また、図10では、(a)がスイッチング回数k=5のときの音圧レベルLであり、(b)がスイッチング回数k=7のときの音圧レベルL、(c)がスイッチング回数k=9のときの音圧レベルLを示しており、図10(a)〜(c)において左側が過変調PWM制御を行った場合を示し、右側がパルスパターン制御を行った場合を示している。図10の音圧レベルLは、6x次成分のみで演算した結果である。
図9に示すように、本実施形態のパルスパターン制御を行うことにより、過変調PWM制御を行う場合と比較し、6x次の電流高調波Ihのd軸成分Idhおよびq軸成分Iqhが同等または低減される。また、図9および図10に示すように、各次数の高調波成分に起因する音圧レベルLも同等または低減される。特に、機械共振周波数と近い18次の電流高調波Ihのd軸成分Idhおよびq軸成分Iqhが抑制されるので、共振によるMG10の振動および騒音を低減することができる。
以上詳述したように、電力変換器制御装置20は、MG10に供給される電力を変換するインバータ15を制御するものであって、パルスパターン演算部32と、高調波演算部33と、パターン選択部35と、を備える。
パルスパターン演算部32は、MG10の要求に応じたパルスパターンを演算する。
高調波演算部33は、パルスパターンにてインバータ15を制御したときにMG10に印加される電圧の高調波成分である電圧高調波Vh、および、MG10に通電される電流の高調波成分である電流高調波Ihの少なくとも一方を、それぞれのパルスパターンについて次数毎に演算する。
パターン選択部35は、電圧高調波Vhおよび電流高調波Ihの少なくとも一方に基づき、評価関数f1〜f5を用いてインバータ15の制御に用いるパルスパターンである出力パルスパターンを選択する。
本実施形態では、電圧高調波Vhおよび電流高調波Ihの少なくとも一方に基づき、評価関数f1〜f5を用いてパルスパターンを選択するので、他の制御方法と比較し、高調波成分に起因する振動や騒音を低減することができる。また、振動や騒音に影響を与える高調波成分の次数が多い場合であっても、適切に振動や騒音を低減することができる。
電力変換器制御装置20は、音演算部34をさらに備える。音演算部34は、音圧高調波推定部342、および、音圧レベル演算部343を有する。音圧高調波推定部342は、パルスパターンにてインバータ15を制御したときに発生する音の高調波成分である音圧高調波Shを電圧高調波Vhまたは電流高調波Ihに基づいて次数毎に推定する。音圧レベル演算部343は、パルスパターンにてインバータ15を制御したときに発生する音圧レベルLを音圧高調波Shに基づいて演算する。
これにより、高調波成分に起因して発生する騒音を適切に推定することができる。
電力変換器制御装置20は、電圧高調波Vhまたは電流高調波Ihと音圧高調波Shとが関連づけられたマップ、または、数式モデルを導出するゲイン特性導出部40をさらに備える。
音圧高調波推定部342は、ゲイン特性導出部40にて導出されたマップまたは数式モデルに基づき、音圧高調波Shを推定する。
これにより、音圧高調波Shを適切に推定することができる。
パターン選択部35は、例えばMG10の回転数やトルク等に応じた評価関数を選択することで、出力パルスパターンを以下のように選択することができる。
評価関数f1は、音圧レベルLが最も小さいパルスパターンを出力パルスパターンとして選択するものである。これにより、MG10にて発生する騒音を低減することができる。
評価関数f2は、出力パルスパターンを切り替えるとき、MG10における現在の音圧レベルLとの差が最も小さいパルスパターンを出力パルスパターンとして選択するものである。
評価関数f3は、出力パルスパターンを切り替えるとき、MG10における現在の音圧高調波Shと各次数成分が最も類似するパルスパターンを出力パルスパターンとして選択するものである。
これにより、パルスパターンの切り替えに伴う音の変化を最低限に抑えることができ、ユーザに与える違和感を低減することができる。
なお、音圧高調波Shおよび音圧レベルLは、電圧高調波Vhまたは電流高調波Ihに基づいて演算されているため、音圧高調波Shまたは音圧レベルLに基づいて出力パルスパターンを選択することは、「電圧高調波Vhまたは電流高調波Ihに基づいて出力パルスパターンを選択する」という概念に含まれるものとする。
評価関数f4は、出力パルスパターンを切り替えるとき、MG10における現在の電圧高調波Vhと各次数成分が最も類似するパルスパターンを出力パルスパターンとして選択するものである。
評価関数f5は、出力パルスパターンを切り替えるとき、MG10における現在の電流高調波Ihと各次数成分が最も類似するパルスパターンを出力パルスパターンとして選択するものである。
これにより、パルスパターンの切り替えに伴う音や振動の変化を最低限に抑えることができ、ユーザに与える違和感を低減することができる。
ここで、「出力パルスパターンを切り替える」とは、MG10の現在の制御に用いられているパルスパターンとは異なるパルスパターンに変更することを意味し、PWM制御またはSVM制御からパルスパターン制御へ切り替える場合であってもよいし(図7中のS105:YES)、パルスパターン制御が継続されている中でパルスパターンを切り替える場合であってもよい(S106:YES、または、S107:YES)。
高調波演算部33の電圧高調波演算部331は、フーリエ級数展開により、電圧高調波Vhを演算する。これにより、電圧高調波Vhを適切に演算することができる。
また、高調波演算部33の電流高調波演算部332は、電圧高調波Vhおよび電圧方程式に基づき、電流高調波Ihを演算する。これにより、電流高調波Ihを適切に演算することができる。
パルスパターン演算部32の第2演算部322は、指令変調率mrefおよびスイッチング回数kに応じたパルス位置であるオフ期間の中心位相θnおよびオフ期間の幅δn+1の初期値を設定し、中心位相θnおよびオフ期間の幅δn+1を所定間隔で変化させることにより、パルスパターンを演算する。詳細には、オフ期間の中心位相θnを位相シフト量Δθだけシフトし、オフ期間の幅δn+1をパルス幅シフト量Δδだけシフトする。これにより、指令変調率mrefおよびスイッチング回数kを満足するパルスパターンを適切に演算することができる。
また、パルスパターン演算部32は、第1演算部321と、第2演算部322とを有する。
第1演算部321は、指令変調率mrefが判定閾値Mth未満である場合、PWM制御またはSVW制御により1つのパルスパターンを演算する。
第2演算部322は、指令変調率mrefが判定閾値Mth以上である場合、指令変調率mrefおよびスイッチング回数kに応じた複数のパルスパターンを演算する。
パターン選択部35は、指令変調率mrefが判定閾値Mth未満である場合、第1演算部321にて演算されたパルスパターンを出力パルスパターンとして選択する。また、指令変調率mrefが判定閾値Mth以上である場合、第2演算部322にて演算されたパルスパターンの中から、評価関数f1〜f5を用いて出力パルスパターンを選択する。
これにより、指令変調率mrefに応じて適切なパルスパターンを選択することができる。本実施形態では、判定閾値Mthを1とし、過変調領域にてパルスパターン制御とすることで、特に過変調領域における振動や騒音を低減することができる。

(他の実施形態)
(ア)パルスパターン演算部
上記実施形態では、判定閾値を1とし、過変調領域にてパルスパターン制御とした。他の実施形態では、判定閾値は1に限らず、どのような値としてもよい。また、判定閾値を設けず、変調率によらず、パルスパターン制御としてもよい。
(イ)高調波演算部
上記実施形態では、高調波演算部は、電圧高調波および電流高調波を演算する。他の実施形態では、電圧高調波または電流高調波の演算を省略してもよい。例えば、電流高調波の演算を省略することで、電圧方程式の逆行列を解く演算が省略可能であるので、演算負荷を低減することができる。
また、上記実施形態では、電圧高調波をフーリエ級数展開により演算し、電流高調波を電圧高調波および電圧方程式に基づいて演算する。他の実施形態では、電圧高調波および電流高調波は、どのような方法で演算してもよい。
上記実施形態では、主に6x次の高調波成分を演算する例を説明したが、他の実施形態では、6x次に限らず、少なくとも1つの次数の高調波成分が演算されればよく、所定次数以下の全ての次数の高調波成分を演算してもよいし、6x次とは異なる特定の次数の高調波成分を演算としてもよい。
(ウ)音圧高調波の推定
上記実施形態では、マップまたは数式モデルに基づいて音圧高調波を推定する。他の実施形態では、ゲイン特性導出部は、負荷の運転領域毎に音圧高調波の推定に係るマップまたは数式モデルを導出してもよい。また、音演算部では、負荷の運転領域に応じたマップまたは数式モデルを用いて、音圧高調波を推定してもよい。
(エ)パターン選択部
上記実施形態では、第1評価関数f1、第2評価関数f2、第3評価関数f3、第4評価関数f4および第5評価関数f5を有する。他の実施形態では、一部の評価関数を省略してもよい。なお、パターン選択部が1つの評価関数を有し、当該評価関数に基づいて出力パルスパターンを選択するように構成してもよい。
上記実施形態の第3評価関数f3は、負荷における現在の音圧高調波の各次数成分とパルスパターンの各次数成分との偏差の2乗和が最小のパルスパターンを、負荷における現在の音圧高調波と各次数成分が最も類似するパルスパターンとする。他の実施形態では、音圧高調波が最も類似するパルスパターンの選択に係る評価関数は、偏差の2乗和最小に限らず、どのような関数としてもよい。電圧高調波および電流高調波についても同様である。
また、評価関数は、電圧高調波または電流高調波の各次数成分の2乗和が最小となるパルスパターンを選択する評価関数としてもよい。これにより、高調波成分に起因する損失を低減することができる。さらにまた、評価関数は、これに限らず、どのようなものであってもよい。
(オ)電力変換器制御装置
他の実施形態では、パルスパターン演算部、高調波演算部、音演算部、および、ゲイン特性導出部における演算の少なくとも一部を、オフラインにて予め演算しておき、演算結果を記憶部等に記憶させておくようにしてもよい。
上記実施形態では、車両主機であるMGを駆動するMGシステムに適用される。例えば車両補機等、車両主機以外に適用してもよい。また、発電機または電動機としての機能を持たないものであってもよい。また、上記実施形態では、負荷は、永久磁石式同期型の三相交流電動機であったが、他の実施形態では、誘導電動機やその他の同期電動機であってもよい。また、四相以上の多相回転機としてもよい。さらにまた、負荷は、MGに限らず、どのようなものであってもよい。
以上、本発明は、上記実施形態になんら限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
1・・・駆動システム
10・・・モータジェネレータ(負荷)
15・・・インバータ
20・・・電力変換器制御装置
32・・・パルスパターン演算部
33・・・高調波演算部
34・・・音演算部
35・・・パターン選択部
40・・・ゲイン特性導出部

Claims (11)

  1. 負荷(10)に供給される電力を変換する電力変換器(15)を制御する電力変換器制御装置(20)であって、
    前記負荷の要求に応じたパルスパターンを演算するパルスパターン演算部(32)と、
    前記パルスパターンにて前記電力変換器を制御したときに前記負荷に印加される電圧の高調波成分である電圧高調波、および、前記負荷に通電される電流の高調波成分である電流高調波の少なくとも一方を、それぞれの前記パルスパターンについて次数毎に演算する高調波演算部(33)と、
    前記パルスパターンにて前記電力変換器を制御したときに発生する音の高調波成分である音圧高調波を前記電圧高調波または前記電流高調波に基づいて次数毎に推定する音圧高調波推定部(343)、および、前記パルスパターンにて前記電力変換器を制御したときに発生する音圧レベルを前記音圧高調波に基づいて演算する音圧レベル演算部(344)を有する音演算部(34)と、
    前記電圧高調波および前記電流高調波の少なくとも一方に基づき、評価関数を用いて前記電力変換器の制御に用いる前記パルスパターンである出力パルスパターンを選択するパターン選択部(35)と、
    を備えることを特徴とする電力変換器制御装置。
  2. 前記電圧高調波または前記電流高調波と前記音圧高調波とが関連づけられたマップ、または、数式モデルを導出するゲイン特性導出部(40)をさらに備え、
    前記音圧高調波推定部は、前記ゲイン特性導出部にて導出された前記マップまたは前記数式モデルに基づき、前記音圧高調波を推定することを特徴とする請求項に記載の電力変換器制御装置。
  3. 前記評価関数は、前記音圧レベルが最も小さい前記パルスパターンを前記出力パルスパターンとして選択するものであることを特徴とする請求項またはに記載の電力変換器制御装置。
  4. 前記評価関数は、前記出力パルスパターンを切り替えるとき、前記負荷における現在の前記音圧レベルとの差が最も小さい前記パルスパターンを前記出力パルスパターンとして選択するものであることを特徴とする請求項またはに記載の電力変換器制御装置。
  5. 前記評価関数は、前記出力パルスパターンを切り替えるとき、前記負荷における現在の前記音圧高調波と各次数成分が最も類似する前記パルスパターンを前記出力パルスパターンとして選択するものであることを特徴とする請求項またはに記載の電力変換器制御装置。
  6. 前記評価関数は、前記出力パルスパターンを切り替えるとき、前記負荷における現在の前記電圧高調波と各次数成分が最も類似する前記パルスパターンを前記出力パルスパターンとして選択するものであることを特徴とする請求項1または2に記載の電力変換器制御装置。
  7. 前記評価関数は、前記出力パルスパターンを切り替えるとき、前記負荷における現在の前記電流高調波と各次数成分が最も類似する前記パルスパターンを前記出力パルスパターンとして選択するものであることを特徴とする請求項1または2に記載の電力変換器制御装置。
  8. 前記高調波演算部は、フーリエ級数展開により、前記電圧高調波を演算することを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の電力変換器制御装置。
  9. 前記高調波演算部は、前記電圧高調波および電圧方程式に基づき、前記電流高調波を演算することを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の電力変換器制御装置。
  10. 前記パルスパターン演算部は、指令変調率およびスイッチング回数に応じたパルス位置およびパルス幅の初期値を設定し、前記パルス位置および前記パルス幅を所定間隔で変化させることにより、複数の前記パルスパターンを演算することを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の電力変換器制御装置。
  11. 前記パルスパターン演算部は、
    指令変調率が判定閾値未満である場合、パルス幅変調制御または空間ベクトル変調制御により1つの前記パルスパターンを演算する第1演算部(321)と、
    前記指令変調率が前記判定閾値以上である場合、前記指令変調率およびスイッチング回数に応じた複数の前記パルスパターンを演算する第2演算部(322)と、
    を有し、
    前記パターン選択部は、
    前記指令変調率が前記判定閾値未満である場合、前記第1演算部にて演算された前記パルスパターンを前記出力パルスパターンとして選択し、
    前記指令変調率が前記判定閾値以上である場合、前記第2演算部にて演算された複数の前記パルスパターンの中から、前記評価関数を用いて前記出力パルスパターンを選択することを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の電力変換器制御装置。
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