JP5387614B2 - 回転機の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、互いに相違する複数の電圧値を有する電圧印加手段と回転機の端子との間を開閉するスイッチング素子を備えて構成される電力変換回路について、該電力変換回路のスイッチング素子をオン・オフ操作することで前記回転機を流れる電流、前記回転機のトルク、および前記回転機の磁束の少なくとも1つを有した制御量を制御する回転機の制御装置に関する。
この種の制御装置としては、例えば下記特許文献1に見られるように、インバータの操作状態を様々に設定した場合についての3相電動機の電流をそれぞれ予測し、予測される電流と指令電流との偏差を最小化することのできる操作状態となるように、インバータを操作するいわゆるモデル予測制御を行うものが提案されている。これによれば、インバータの操作状態に基づき予測される電流の挙動を最適化するようにインバータを操作するため、過渡時における指令電流への追従性を良好なものとすることができる。このため、モデル予測制御は、車載主機としてのモータジェネレータの制御装置等、過渡追従特性として特に高い性能が要求される用途にとっては、有用性が高いと考えられる。
特開2008−228419号公報
ただし、モデル予測制御を行なう場合、予測される電流と指令電流との偏差を最小化する操作状態が都度選択されるために、インバータのスイッチング状態の切替頻度が増大するおそれがある。
本発明は、上記課題を解決する過程でなされたものであり、その目的は、互いに相違する複数の電圧値を有する電圧印加手段と回転機の端子との間を開閉するスイッチング素子を備えて構成される電力変換回路について、該電力変換回路のスイッチング素子をオン・オフ操作することで前記回転機を流れる電流、前記回転機のトルク、および前記回転機の磁束の少なくとも1つを有した制御量を制御する新たな回転機の制御装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、およびその作用効果について記載する。
請求項1記載の発明は、互いに相違する複数の電圧値を有する電圧印加手段と回転機の端子との間を開閉するスイッチング素子を備えて構成される電力変換回路について、該電力変換回路を構成するスイッチング素子のオン・オフ操作によって、前記回転機を流れる電流、前記回転機のトルク、および前記回転機の磁束の少なくとも1つを有した制御量を制御する回転機の制御装置において、前記オン・オフ操作によって定まる電圧ベクトルにて表現される前記電力変換回路の操作状態からのスイッチング状態の切り替え相数が2以下となるものを次回の制御周期における前記電圧ベクトルと仮設定し、該仮設定された操作状態のそれぞれに応じて予測される前記制御量の1制御周期における変化量である変化速度と、前記制御量の指令値の1制御周期における変化量である変化速度との差である相対速度を予測する相対速度予測手段と、前記操作状態を決定すべく前記電力変換回路の操作状態を評価するに際し、前記相対速度の絶対値の小さいものの評価を高くし、前記評価が最も高い前記操作状態を前記電力変換回路の操作状態として決定する決定手段と、該決定された操作状態となるように前記電力変換回路を操作する操作手段とを備えることを特徴とする。
相対速度が大きいほど、制御量が指令値から大きく離間するまでに要する時間が短くなり、ひいてはこの事態を打開すべく操作状態が変更されるまでに要する時間が短くなる。このため、相対速度を用いることで、制御量が指令値から大きく離間するまでに要する時間が長くなる操作状態を高く評価しつつ、操作状態を決定することができ、ひいてはスイッチング状態の切り替え頻度を低減することができる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記相対速度予測手段は、前記制御量の前記変化速度を前記相対速度として代用するものであることを特徴とする。
制御量の指令値が変化しない定常状態においては、制御量の変化速度と、指令値に対する制御量の相対速度とは、少なくともその絶対値同士に関しては比例関係にある。上記発明では、この点に鑑み、制御量の変化速度を予測した。
第1の構成は、前記決定手段は、前記操作状態を決定すべく前記電力変換回路の操作状態を評価するに際し、前記相対速度の小さいものの評価を高くすることを特徴とする。
相対速度が小さい操作状態を選択するなら、制御量が指令値から大きく離間するまでに要する時間が長くなると考えられる。このため、スイッチング状態の切り替え頻度を低減するうえで適切な操作状態の評価を高くすることができる。
第2の構成は、前記仮設定された操作状態によって実現される前記制御量を予測する制御量予測手段をさらに備え、前記決定手段は、前記操作状態を決定すべく前記電力変換回路の操作状態を評価するに際し、前記予測される制御量とその指令値との差が小さいものの評価を高くすることを特徴とする。
上記発明では、制御量とその指令値との差が小さいものの評価を高くすることで、制御量をその指令値に追従させるうえで適切な操作状態が選択される傾向を高めることができる。
請求項記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記仮設定された操作状態によって実現される前記制御量を予測する制御量予測手段をさらに備え、前記決定手段は、前記制御量予測手段により予測される制御量とその指令値との差が規定値以下であることを条件に、前記相対速度に基づく評価が最も高くなる前記操作状態を前記操作手段によって用いられるものに決定することを特徴とする。
上記発明では、制御量とその指令値との差に基づく評価を、この差が規定値以下であるか否かによって行なうことで、相対速度の評価との両立を容易に実現しつつ操作状態を評価することができる。
請求項記載の発明は、請求項記載の発明において、前記決定手段は、前記仮設定された操作状態の中に前記制御量予測手段により予測される制御量とその指令値との差が規定値以下となるものが存在しない場合、前記仮設定された操作状態のうち前記差が最小となるものを前記操作手段によって用いられるものに決定することを特徴とする。
請求項記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記決定手段は、前記操作状態を決定すべく前記電力変換回路の操作状態を評価するに際し、2制御周期先での予測される制御量が2制御周期先での制御量の指令値よりも大きいことを条件として、前記仮設定された操作状態のうち、前記相対速度が負になる操作状態を正となる操作状態よりも高く評価するとともに、2制御周期先での予測される制御量が2制御周期先での制御量の指令値よりも小さいことを条件として、前記仮設定された操作状態のうち、前記相対速度が正となる操作状態を負となる操作状態よりも高く評価することを特徴とする。
制御量が指令値よりも大きい場合、相対速度を小さくすることができる操作状態であっても、制御量を指令値よりもさらに大きくする操作状態は、回転機の制御性を高く維持する上では適切とは言いがたい。同様に、制御量が指令値よりも小さい場合、相対速度を小さくすることができる操作状態であっても、制御量を指令値よりもさらに小さくする操作状態は、回転機の制御性を高く維持する上では適切とは言いがたい。上記発明では、この点に鑑み、制御量とその指令値との差の符号に基づき制御量を指令値に近づける側の相対速度の符号を把握することができ、これに基づき相対速度の符号を適切に評価することができる。
請求項記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の発明において、前記電力変換回路は、直流電圧源の正極および負極のそれぞれに前記回転機の端子を選択的に接続するスイッチング素子を備える直流交流変換回路であることを特徴とする。
第1の実施形態にかかるシステム構成図。 インバータの操作状態を表現する電圧ベクトルを示す図。 上記実施形態にかかるモデル予測処理の手順を示す流れ図。 同実施形態にかかる仮設定候補となる操作状態を示す図。 同実施形態の効果を示すタイムチャート。 同実施形態の効果を示すタイムチャート。 同実施形態の効果を示す図。 第2の実施形態にかかるモデル予測処理の手順を示す流れ図。 第3の実施形態にかかるシステム構成図。
<第1の実施形態>
以下、本発明にかかる回転機の制御装置をハイブリッド車の制御装置に適用した第1の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に、本実施形態にかかるモータジェネレータの制御システムの全体構成を示す。車載主機としてのモータジェネレータ10は、3相の永久磁石同期モータである。また、モータジェネレータ10は、突極性を有する回転機(突極機)である。詳しくは、モータジェネレータ10は、埋め込み磁石同期モータ(IPMSM)である。
モータジェネレータ10は、インバータIVを介して高電圧バッテリ12に接続されている。インバータIVは、スイッチング素子S*p,S*n(*=u,v,w)の直列接続体を3組備えており、これら各直列接続体の接続点がモータジェネレータ10のU,V,W相にそれぞれ接続されている。これらスイッチング素子S*#(*=u,v,w;#=p,n)として、本実施形態では、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)が用いられている。そして、これらにはそれぞれ、ダイオードD*#が逆並列に接続されている。
本実施形態では、モータジェネレータ10やインバータIVの状態を検出する検出手段として、以下のものを備えている。まずモータジェネレータ10の回転角度(電気角θ)を検出する回転角度センサ14を備えている。また、モータジェネレータ10の各相を流れる電流iu,iv,iwを検出する電流センサ16を備えている。更に、インバータIVの入力電圧(電源電圧VDC)を検出する電圧センサ18を備えている。
上記各種センサの検出値は、図示しないインターフェースを介して低電圧システムを構成する制御装置20に取り込まれる。制御装置20では、これら各種センサの検出値に基づき、インバータIVを操作する操作信号を生成して出力する。ここで、インバータIVのスイッチング素子S*#を操作する信号が、操作信号g*#である。
上記制御装置20は、モータジェネレータ10のトルクを要求トルクTrに制御すべく、インバータIVを操作する。詳しくは、要求トルクTrを実現するための指令電流とモータジェネレータ10を流れる電流とが一致するように、インバータIVを操作する。すなわち、本実施形態では、モータジェネレータ10のトルクが最終的な制御量となるものであるが、トルクを制御すべく、モータジェネレータ10を流れる電流を直接の制御量として、これを指令電流に制御する。特に、本実施形態では、モータジェネレータ10を流れる電流を指令電流に制御すべく、インバータIVの操作状態を複数通りのそれぞれに仮設定した場合についてのモータジェネレータ10の電流を予測し、予測される電流に基づき仮設定した操作状態を評価する。そして評価の高いものをインバータIVの実際の操作状態として採用するモデル予測制御を行う。
詳しくは、電流センサ16によって検出された相電流iu,iv,iwは、dq変換部22において、回転座標系の実電流id,iqに変換される。また、回転角度センサ14によって検出される電気角θは、速度算出部23の入力となり、これにより、回転速度(電気角速度ω)が算出される。一方、指令電流設定部24は、要求トルクTrを入力とし、dq座標系での指令電流idr,iqrを出力する。これら指令電流idr,iqr、実電流id,iq、及び電気角θは、モデル予測制御部30の入力となる。モデル予測制御部30では、これら入力パラメータに基づき、インバータIVの操作状態を規定する電圧ベクトルViを決定し、操作部26に入力する。操作部26では、入力された電圧ベクトルViに基づき、上記操作信号g*#を生成してインバータIVに出力する。
ここで、インバータIVの操作状態を表現する電圧ベクトルは、図2に示す8つの電圧ベクトルとなる。例えば、低電位側のスイッチング素子Sun,Svn,Swnがオン状態となる操作状態(図中、「下」と表記)を表現する電圧ベクトルが電圧ベクトルV0であり、高電位側のスイッチング素子Sup,Svp,Swpがオン状態となる操作状態(図中、「上」と表記)を表現する電圧ベクトルが電圧ベクトルV7である。これら電圧ベクトルV0,V7は、モータジェネレータ10の全相を短絡させるものであり、インバータIVからモータジェネレータ10に印加される電圧がゼロとなるものであるため、ゼロ電圧ベクトルと呼ばれている。これに対し、残りの6つの電圧ベクトルV1〜V6は、上側アーム及び下側アームの双方にオン状態となるスイッチング素子が存在する操作パターンによって規定されるものであり、有効電圧ベクトルと呼ばれている。なお、図2(b)に示すように、電圧ベクトルV1、V3,V5のそれぞれがU相、V相、W相の正側にそれぞれ対応している。
次に、モデル予測制御部30の処理の詳細について説明する。先の図1に示す操作状態設定部31では、インバータIVの操作状態を設定する。ここでは、先の図2に示した電圧ベクトルV0〜V7をインバータIVの操作状態として設定する。dq変換部32では、操作状態設定部31によって設定された電圧ベクトルをdq変換することで、dq座標系の電圧ベクトルVdq=(vd,vq)を算出する。こうした変換を行うべく、操作状態設定部31における電圧ベクトルV0〜V7を、例えば、先の図2において、「上」を「VDC/2」として且つ「下」を「−VDC/2」とすることで表現すればよい。この場合、例えば、電圧ベクトルV0は、(−VDC/2、−VDC/2、−VDC/2)となり、電圧ベクトルV1は、(VDC/2、−VDC/2、−VDC/2)となる。
予測部33では、電圧ベクトル(vd、vq)と、実電流id,iqと、電気角速度ωとに基づき、インバータIVの操作状態を操作状態設定部31によって設定される状態とした場合の電流id,iqを予測する。ここでは、下記(c1)、(c2)にて表現される電圧方程式を、電流の微分項について解いた下記の状態方程式(式(c3)、(c4))を離散化し、1ステップ先の電流を予測する。
vd=(R+pLd)id −ωLqiq …(c1)
vq=ωLdid +(R+pLq)iq +ωφ …(c2)
pid
=−(R/Ld)id +ω(Lq/Ld)iq +vd/Ld …(c3)
piq
=−ω(Ld/Lq)id−(Rd/Lq)iq+vq/Lq−ωφ/Lq…(c4)
ちなみに、上記の式(c1)、(c2)において、抵抗R、微分演算子p、d軸インダクタンスLd,q軸インダクタンスLqおよび電機子鎖交磁束定数φを用いた。
上記電流の予測は、操作状態設定部31によって仮設定される複数通りの操作状態のそれぞれについて行われる。
一方、操作状態決定部34では、予測部33によって予測された予測電流ide,iqeと、指令電流idr,iqrとを入力として、インバータIVの操作状態を決定する。こうして決定された操作状態に基づき、操作部26では、操作信号g*#を生成して出力する。
図3に、本実施形態にかかるモデル予測制御の処理手順を示す。この処理は、所定周期(制御周期Tc)で繰り返し実行される。
この一連の処理では、まずステップS10において、電気角θ(n)と、実電流id(n),iq(n)とを検出するとともに、前回の制御周期で決定された電圧ベクトルV(n)を出力する。続くステップS12においては、1制御周期先における電流(ide(n+1),iqe(n+1))を予測する。これは、上記ステップS10によって出力された電圧ベクトルV(n)によって、1制御周期先の電流がどうなるかを予測する処理である。ここでは、上記の式(c3)、(c4)にて表現されたモデルを前進差分法にて制御周期Tcで離散化したものを用いて、電流ide(n+1)、iqe(n+1)を算出する。この際、電流の初期値として、上記ステップS10において検出された実電流id(n),iq(n)を用いるとともに、dq軸上の電圧ベクトルとして、電圧ベクトルV(n)を、上記ステップS10において検出された電気角θ(n)によってdq変換したものを用いる。
続くステップS14,S16では、今回の制御周期における電圧ベクトルV(n)にて表現される操作状態からのスイッチング状態の切り替え相数が「1」以下となるものを次回の制御周期における電圧ベクトルV(n+1)として仮設定した場合について、2制御周期先の電流を予測する処理を行う。すなわち、まずステップS14において、電圧ベクトルV(n+1)を、今回の制御周期における電圧ベクトルV(n)にて表現される操作状態からのスイッチング状態の切り替え相数が「1」以下となるものとする。ちなみに、図では、先の図2(a)の上を「1」、下を「0」とおくことで、相数が「1」以下となる条件を記載している。
詳しくは、電圧ベクトルV(n)が有効電圧ベクトルVi(i=1〜6)である場合、電圧ベクトルV(n+1)を、電圧ベクトルVi−1、Vi,Vi+1(i:mod 6)とするか、ゼロ電圧ベクトルとする。ただし、ゼロ電圧ベクトルとしては、V(n)=V2k(k=1〜3)であるなら、ゼロ電圧ベクトルV7を選択し、V(n)=V2k−1であるなら、ゼロ電圧ベクトルV0を選択する。図4(a)に、V(n)=V1の場合について、電圧ベクトルV(n+1)として仮設定可能な4つの電圧ベクトルを示した。また、現在の電圧ベクトルV(n)がゼロ電圧ベクトルV0である場合、図4(b)に示すように、電圧ベクトルV(n+1)を、奇数の電圧ベクトルV1,V3,V5またはゼロ電圧ベクトルV0とする。さらに、現在の電圧ベクトルV(n)がゼロ電圧ベクトルV7である場合、図4(c)に示すように、電圧ベクトルV(n+1)を、偶数の電圧ベクトルV2,V4,V6またはゼロ電圧ベクトルV7とする。続くステップS16では、上記ステップS12と同様にして予測電流ide(n+2)、iqe(n+2)を算出する。ただし、ここでは、電流の初期値として、上記ステップS12において算出された予測電流ide(n+1),iqe(n+1)を用いるとともに、dq軸上の電圧ベクトルとして、電圧ベクトルV(n+1)を、上記ステップS10において検出された電気角θ(n)にωTcを加算した角度によってdq変換したものを用いる。
続くステップS18においては、上記スイッチング状態の切り替え相数が「1」以下となる電圧ベクトル全てについて、2制御周期先の電流を予測する処理が完了したか否かを判断する。そして、否定判断される場合には、ステップS14に戻る。ただし、ここでは、ステップS14において、スイッチング状態の切り替え相数が「1」以下となる電圧ベクトルのうち、未だ2制御周期先の電流を予測する処理に用いられていない電圧ベクトルを電圧ベクトルV(n+1)に設定する。
一方、ステップS18において肯定判断される場合、ステップS20に移行する。ステップS20では、ステップS16において算出された4組の予測電流ide(n+2),iqe(n+2)の中に、指令電流idr,iqrとのベクトルの差のノルム(誤差edq(n+2))が閾値eth以下となるものがあるか否かを判断する。
ここで、閾値ethは、要求トルクTr,電気角速度ωおよび電源電圧VDCに応じて可変設定されるものである。すなわち、要求トルクTrが大きいほど、指令電流idr,iqrが大きくなるため、同一の差であっても指令電流idr,iqrに対する誤差の割合が小さくなる。このため、要求トルクTrが大きいほど、閾値ethを大きい値とすることで、指令電流idr,iqrに対する誤差の割合が過度に大きいか否かを判断する。また、電気角速度ωが大きいほど、電流が変化しにくくなることに鑑み、電気角速度ωが小さいほど閾値ethを大きい値とすることで、閾値ethを上回る事態が生じることを抑制する。さらに、電源電圧VDCが大きいほど、電流が変化しやすくなることに鑑み、電源電圧VDCが大きいほど閾値ethを大きい値とすることで、閾値ethを上回る事態が生じることを抑制する。
ステップS20において否定判断される場合、ステップS22において、上記ステップS16において算出された4組の予測電流ide(n+2),iqe(n+2)の中で、誤差edqが最も小さくなるものに対応する電圧ベクトルを、インバータIVの次回の制御周期における操作状態を表現する電圧ベクトルとして選択する。すなわち、ここでは、誤差edqが最も小さくなる電圧ベクトルの評価を最も高くする。
一方、ステップS20において肯定判断される場合、ステップS24に移行する。この場合、4組の予測電流ide(n+2),iqe(n+2)の中で誤差edq(n+2)が閾値eth以下であるものが存在することから、閾値eth以下に対応する電圧ベクトルの中から、インバータIVの次回の制御周期における操作状態を表現する電圧ベクトルを選択する。
詳しくは、1制御周期前の予測電流ide(n+1),iqe(n+1)とのベクトル同士の差のノルム(変化率ΔIdqe(n+2))が最小となるものに対応する電圧ベクトルを、インバータIVの次回の制御周期における操作状態を表現する電圧ベクトルとして選択する。これは、スイッチング状態の切替頻度を低下させるための設定である。すなわち、変化率ΔIdqe(n+2)が大きい場合、実電流id,iqが1制御周期Tcの間に大きく変化することから、誤差edqが閾値ethを上回るまでに要する時間が短くなる。そしてこの場合、ステップS20において否定判断され、ステップS22に移行することから、電圧ベクトルが変更され、スイッチング状態の切り替えがなされる可能性が高くなる。これに対し、変化率ΔIdqe(n+2)が小さい場合、実電流id,iqが1制御周期Tcの間に変化する量が小さくなることから、誤差edqが閾値ethを上回るまでに要する時間が長くなり、ひいてはスイッチング状態の変更がなされにくい。これは、誤差edqの変化を示すベクトル(指令電流idr,iqrに対する予測電流ide,iqeの相対速度ベクトル)が、インバータIVの平均的な出力電圧(基本波電圧)と現在の電圧ベクトルとの差によって表現されるためである。すなわち、この場合、指令電流idr,iqrの変化が小さい定常状態においては、次回の制御周期においても同一の電圧ベクトルが相対速度を最小とする電圧ベクトルとして評価される蓋然性が高くなる。一方、定常状態においては相対速度と変化率ΔIdqe(n+2)との間には比例関係があるため、同一の電圧ベクトルが変化率ΔIdqe(n+2)を最小とする電圧ベクトルとして評価される蓋然性が高くなる。
上記ステップS22,S24の処理が完了する場合、ステップS26に移行する。ステップS26においては、電圧ベクトルV(n),V(n+1)を、それぞれ電圧ベクトルV(n−1),V(n)とし、電気角θ(n)を電気角θ(n−1)とし、実電流id(n),iq(n)を、それぞれ実電流id(n−1)、iq(n−1)とする。
なお、ステップS26の処理が完了する場合には、この一連の処理を一旦終了する。
図5(a)に、本実施形態にかかるU相の電流の挙動を示し、図5(b)に、周知の三角波PWM処理によるU相の電流の挙動を示す。なお、ここで三角波PWM処理のキャリア周期は5kHzとし、モデル予測制御の制御周期Tcをキャリア周期が5kHzの三角波PWM処理と同等のスイッチング状態の切り替えが可能となるように設定した。図示されるように、電流の挙動に大きな差はない。
図6(a)に、本実施形態にかかるU相のインバータIV出力電圧の推移を示し、図5(b)に、周知の三角波PWM処理によるU相のインバータIV出力電圧の推移を示す。この図において、低電圧側にある場合は、スイッチング素子Supがオフ且つスイッチング素子Sunがオンとなる状態であり、高電圧側にある場合は、スイッチング素子Supがオン且つスイッチング素子Sunがオフとなる状態である。図示されるように、本実施形態によれば、スイッチング素子Su#(#=p,n)のスイッチング状態の切り替え頻度が三角波PWM処理よりも少なくなっている。事実、図7に示すように、本実施形態では、三角波PWM処理と比較して、スイッチング回数を「33%」低減することができた。ちなみに、三角波PWM処理と比較してスイッチング状態の切り替え頻度が低くなっているのは、相電流i*の絶対値が大きいときであることが発明者らによって確認されている。相電流i*の絶対値が大きいときは、スイッチング素子S*#のスイッチング状態の切り替えに伴う電力損失が大きくなるときであるため、本実施形態における電力損失の低減効果は、上記スイッチング回数の低減の割りに大きいものとなっている。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)予測電流ide,iqeの変化率ΔIdqe(n+2)に基づき、インバータIVの操作状態を決定した。これにより、実電流id,iqが指令電流idr,iqrから大きく離間するまでに要する時間が長くなる操作状態を高く評価しつつ、操作状態を決定することができ、ひいてはスイッチング状態の切り替え頻度を低減することができる。
(2)変化率ΔIdqe(n+2)の小さいものの評価を高くした。これにより、スイッチング状態の切り替え頻度を低減するうえで適切な操作状態の評価を高くすることができる。
(3)誤差edq(n+2)が閾値eth以下であることを条件に、変化率ΔIdqe(n+2)が最も小さい操作状態をインバータIVの操作状態として決定した。これにより、誤差edq(n+2)の評価と変化率ΔIdqe(n+2)の評価との両立を容易に実現しつつ操作状態を評価することができる。
<第2の実施形態>
以下、第2の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、予測電流ide,iqeの変化速度の符号に応じて仮設定される操作状態の評価を相違させる。
図8に、本実施形態にかかる操作状態決定部34の行なう処理の手順を示す。この処理は、たとえば所定周期でくり返し実行される。
この一連の処理では、まずステップS30において、次回の電圧ベクトルV(n+1)を、今回の電圧ベクトルV(n)と同一の電圧ベクトルに仮設定する。続くステップS32においては、予測電流i$e(n+2)($=d,q)から指令電流i$r(n+2)を減算した値を指令電流i$r(n+2)で除算した値が、規定値Δ(>0)を上回るか否かを判断する。この処理は、今回の電圧ベクトルV(n)が次回も継続使用されることで、実電流i$が指令電流i$rを大きく上回る事態が生じるか否かを判断するためのものである。そして、ステップS32において肯定判断される場合、ステップS34において過大フラグF$pを「1」として且つ過小フラグF$nを「0」とする。これに対し、ステップS32において否定判断される場合、ステップS36に移行する。ステップS36では、予測電流i$e(n+2)($=d,q)から指令電流i$r(n+2)を減算した値を指令電流i$r(n+2)で除算した値が、規定値「−Δ」を下回るか否かを判断する。この処理は、今回の電圧ベクトルV(n)が次回も継続使用されることで、実電流i$が指令電流i$rを大きく下回る事態が生じるか否かを判断するためのものである。そして、ステップS36において肯定判断される場合、ステップS38において過大フラグF$pを「0」として且つ過小フラグF$nを「1」とする。
ステップS34,S38の処理が完了する場合や、ステップS36において否定判断される場合には、ステップS42において、次回の電圧ベクトルV(n+1)を仮設定する。ここでは、スイッチング状態の切り替え相数が「1」以下となる電圧ベクトルの全てを仮設定の対象とする。そして、ステップS44では、変化率ΔIdqe(n+2)が最小となるものを選択する。ただし、過大フラグF$pが「1」である場合には、仮設定された電圧ベクトルのうち、予測電流i$e(n+2)から予測電流i$e(n+1)を減算した値がゼロ以下であるものを選択対象とする。これは、実電流i$が指令電流i$rを大きく上回る事態が解消されうる電圧ベクトルを高く評価し、これを選択することを意図したものである。また、過小フラグF$nが「1」である場合には、仮設定された電圧ベクトルのうち、予測電流i$e(n+2)から予測電流i$e(n+1)を減算した値がゼロ以上であるものを選択対象とする。これは、実電流i$が指令電流i$rを下回る事態が解消されうる電圧ベクトルを高く評価し、これを選択することを意図したものである。
ステップS44の処理が完了する場合には、この一連の処理を一旦終了する。
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の実施形態の上記(1)に準じた効果に加えて、さらに以下の効果が得られるようになる。
(4)予測電流ide,iqeと指令電流idr,iqrとの差の符号に基づき、予測電流ide,iqeの変化速度の一対の符号のうちの一方の評価を他方と比較して高くした。これにより、同一の電圧ベクトルを用いた場合に実電流id,iqが予測電流ide,iqeから大きく離間するまでに要する時間を極力長くすることができる。
<第3の実施形態>
以下、第3の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、トルクと磁束とを直接の制御量とし、これらの指令値と予測値とを入力としてインバータIVの操作状態を決定する。
図9に、本実施形態にかかるシステム構成を示す。なお、図9において、先の図1に示した処理に対応する処理については、便宜上同一の符号を付している。
図示されるように、トルク/磁束予測部37では、予測電流ide,iqeに基づき、モータジェネレータ10の磁束ベクトルΦとトルクTとを予測する。ここで、磁束ベクトルΦ=(Φd、Φq)は、下記の式(c5)、(c6)にて予測され、トルクTは、下記の式(c7)にて予測される。
Φd=Ld・id+φ …(c5)
Φq=Lq・iq …(c6)
T=P(Φd・iq−Φq・id) …(c7)
ちなみに、上記の式(c7)においては、極対数Pを用いている。
一方、磁束マップ38では、要求トルクTrに基づき、指令磁束ベクトルΦrを設定する。ここで、指令磁束ベクトルΦrは、要求トルクTrを満たすもののうち、例えば最小の電流で最大のトルクが得られる最大トルク制御を実現する等の要求によって設定されるものである。
操作状態決定部34aでは、予測トルクTeと要求トルクTrとの差と、予測磁束ベクトルΦeと指令磁束ベクトルΦrとの各成分の差とに基づき定量化される値に閾値以下のものがない場合には、定量化される値が最小となる電圧ベクトルを採用する。ここでの定量化は、これらの差の2乗のそれぞれに重み係数α、β(α≠β、α≠0、β≠0)を乗算した値同士の和に基づき決定される。ここで、重み係数α、βは、トルクと磁束との大きさが相違することに鑑みたものである。すなわち例えば、トルクの数値の方が大きくなる単位設定をする場合、トルク偏差の方が大きくなりやすいため、重み係数α、βを用いない場合には、磁束の制御性が低い電圧ベクトルであっても、評価がさほど低くならない等のデメリットの生じるおそれがある。このため、重み係数α、βを、評価のための複数の入力パラメータの絶対値の大きさの相違を補償する手段として用いる。
一方、閾値以下であるものがある場合には、予測トルクTeの変化率と予測磁束ベクトルΦeの変化率との和が最も小さいものを採用する。
<その他の実施形態>
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
「決定手段について」
上記第1の実施形態において、誤差edq(n+2)が閾値eth以下となるもののうち変化率ΔIdqe(n+2)が最小となるものとする代わりに、誤差edq(n+2)と変化率ΔIdqe(n+2)との加重平均処理値「α・edq(n+2)+β・ΔIdq(n+2)」が最小となるものを選択してもよい。
また、第1の実施形態において、前回の誤差edq(n+1)が閾値ethに対して十分に余裕がある場合には、今回の誤差edq(n+2)を評価することなく、変化率ΔIdqe(n+2)を最小とする操作状態を選択するようにしてもよい。
上記第2の実施形態において、選択対象となる操作状態に、誤差edq(n+2)が閾値eth以下となるものに対応する操作状態との条件をさらに付与してもよい。
次の更新タイミング(1制御周期先の更新タイミング)における電圧ベクトルV(n+1)に応じた予測結果のみを参照するものに限らないことについては、「相対速度予測手段について」の欄に記載したとおりである。
「相対速度予測手段について」
次回の電圧ベクトルV(n+1)の更新に際しての電流値としての予測電流Idq(n+1)と、電圧ベクトルV(n+1)によって生じる電流値としての予測電流Idq(n+2)との差に限らない。たとえば上記(c3),(c4)によれば、次回の電圧ベクトルV(n+1)の更新に際しての電流値としての予測電流Idq(n+1)と電圧ベクトルV(n+1)とに基づき、電圧ベクトルV(n+1)によって生じるd軸の電流の変化速度やq軸の電流の変化速度を算出できる。このため、これに基づき変化速度を算出してもよい。ここで、たとえば上記決定手段が、前回の誤差edq(n+1)が閾値ethに対して十分に余裕がある場合には、今回の誤差edq(n+2)を算出しないようにするなら、予測電流idq(n+2)を算出することなく、操作状態の決定がなされることもありうる。
次回の電圧ベクトルV(n+1)によって生じる電流の変化速度のみを予測するものに限らない。たとえば、数制御周期先の更新タイミングにおけるインバータIVの操作による制御量まで順次予測するものにおいて、これらの平均速度を予測してもよい。この場合、決定手段が、平均速度が最も小さいものを選択するのも一法である。
また、指令電流idr,iqrと予測電流ide,iqeとの相対速度を評価対象としてもよい。ここで、指令電流idr,iqrの変化速度は、指令電流idr(n+2),iqr(n+2)と指令電流idr(n+1),iqr(n+1)との差であり、これと予測電流ide,iqeの変化速度との差によって生じるベクトルが、相対速度ベクトルである。ここで、第1の実施形態において上記変化率ΔIdqe(n+2)を相対速度ベクトルのノルムに置き換える場合、指令電流idr,iqrが変化しないときには、上記第1の実施形態の処理と数学的に等価となる。
「相対速度の定量化手法について」
たとえば、上記第1の実施形態において、予測電流ide(n+2)と予測電流ide(n+1)との差の絶対値と、予測電流iqe(n+2)と予測電流iqe(n+1)との差の絶対値との加重平均処理値を、相対速度(変化速度)の評価対象とするパラメータとしてもよい。要は、相対速度が大きいほど評価が低くなることを定量化すべく、相対速度との間に正または負の相関関係があるパラメータによって定量化すればよい。
「制御量とその指令値との乖離度を評価するパラメータについて」
たとえば、上記第1の実施形態において、予測電流ide(n+2)と指令電流idr(n+2)との差の絶対値と、予測電流iqe(n+2)と指令電流iqr(n+2)との差の絶対値との加重平均処理値を、乖離度合いの評価対象とするパラメータとしてもよい。要は、乖離度合いが大きいほど評価が低くなることを定量化すべく、乖離度合いとの間に正または負の相関関係があるパラメータによって定量化すればよい。
「閾値ethについて」
閾値ethとしては、要求トルクTr、電気角速度ω、および電源電圧VDCに応じて可変設定されるものに限らず、これら3つのパラメータのうちの1つまたは2つに応じて可変設定されるものであってもよい。また、要求トルクTrに代えて、実電流id,iqから推定される推定トルクを用いてもよい。さらに、要求トルクTrに代えて、実電流id,iqや、指令電流idr,iqrを用いてもよい。
また、閾値ethを固定値としてもよい。ただしこの場合、閾値ethとの比較対象を、制御量の絶対値によって規格化された誤差(指令電流ベクトルのノルムに対する誤差ベクトルのノルムの比等)とすることが望ましい。
「仮設定される操作状態について」
スイッチング状態の切り替え相数が「1」以下となるものに限らず、「2」以下となるものであってもよい。また、電圧ベクトルV0〜V7の全てであってもよい。
「制御量について」
指令値と予測値とに基づきインバータIVの操作を決定するために用いる制御量としては、トルクおよび磁束と、電流とのいずれかに限らない。例えば、トルクのみまたは磁束のみであってもよい。また例えば、トルクおよび電流であってもよい。ここで、制御量を電流以外とする場合等において、センサによる直接の検出対象を電流以外としてもよい。
上記各実施形態では、回転機の究極の制御量(予測対象であるか否かにかかわらず、最終的に所望の量とされることが要求される制御量)を、トルクとしたが、これに限らず、例えば回転速度等としてもよい。
「そのほか」
回転機としては、埋め込み磁石同期機に限らず、表面磁石同期機や、界磁巻線型同期機等、任意の同期機であってよい。更に、同期機にも限らず、誘導モータ等、誘導回転機であってもよい。
回転機としては、ハイブリッド車に搭載されるものに限らず、電気自動車に搭載されるものであってもよい。また、回転機としては車両の主機として用いられるものに限らない。
直流電圧源としては、高電圧バッテリ12に限らず、例えば高電圧バッテリ12の電圧を昇圧するコンバータの出力端子であってもよい。
互いに相違する複数の電圧値を有する電圧印加手段と回転機の端子との間を開閉するスイッチング素子を備えて構成される電力変換回路としては、インバータIVに限らない。例えば、多相回転機の各相に3つ以上の互いに相違する値の電圧を印加する電圧印加手段と回転機の端子との間を選択的に開閉するスイッチング素子を備えるものであってもよい。なお、回転機の端子に3つ以上の互いに相違する値の電圧を印加するための電力変換回路としては、例えば特開2006−174697号公報に例示されているものがある。
10…モータジェネレータ、12…高電圧バッテリ(直流電圧源の一実施形態)、14…制御装置(回転機の制御装置の一実施形態)。

Claims (6)

  1. 互いに相違する複数の電圧値を有する電圧印加手段と回転機の端子との間を開閉するスイッチング素子を備えて構成される電力変換回路について、該電力変換回路を構成するスイッチング素子のオン・オフ操作によって、前記回転機を流れる電流、前記回転機のトルク、および前記回転機の磁束の少なくとも1つを有した制御量を制御する回転機の制御装置において、
    前記オン・オフ操作によって定まる電圧ベクトルにて表現される前記電力変換回路の操作状態からのスイッチング状態の切り替え相数が2以下となるものを次回の制御周期における前記電圧ベクトルと仮設定し、該仮設定された操作状態のそれぞれに応じて予測される前記制御量の1制御周期における変化量である変化速度と、前記制御量の指令値の1制御周期における変化量である変化速度との差である相対速度を予測する相対速度予測手段と、
    前記操作状態を決定すべく前記電力変換回路の操作状態を評価するに際し、前記相対速度の絶対値の小さいものの評価を高くし、前記評価が最も高い前記操作状態を前記電力変換回路の操作状態として決定する決定手段と、
    該決定された操作状態となるように前記電力変換回路を操作する操作手段とを備えることを特徴とする回転機の制御装置。
  2. 前記相対速度予測手段は、前記制御量の前記変化速度を前記相対速度として代用するものであることを特徴とする請求項1記載の回転機の制御装置。
  3. 前記仮設定された操作状態によって実現される前記制御量を予測する制御量予測手段をさらに備え、
    前記決定手段は、前記制御量予測手段により予測される制御量とその指令値との差が規定値以下であることを条件に、前記相対速度に基づく評価が最も高くなる前記操作状態を前記操作手段によって用いられるものに決定することを特徴とする請求項1又は2に記載の回転機の制御装置。
  4. 前記決定手段は、前記仮設定された操作状態の中に前記制御量予測手段により予測される制御量とその指令値との差が規定値以下となるものが存在しない場合、前記仮設定された操作状態のうち前記差が最小となるものを前記操作手段によって用いられるものに決定することを特徴とする請求項記載の回転機の制御装置。
  5. 前記決定手段は、前記操作状態を決定すべく前記電力変換回路の操作状態を評価するに際し、2制御周期先での予測される制御量が2制御周期先での制御量の指令値よりも大きいことを条件として、前記仮設定された操作状態のうち、前記相対速度が負になる操作状態を正となる操作状態よりも高く評価するとともに、2制御周期先での予測される制御量が2制御周期先での制御量の指令値よりも小さいことを条件として、前記仮設定された操作状態のうち、前記相対速度が正となる操作状態を負となる操作状態よりも高く評価することを特徴とする請求項1又は2に記載の回転機の制御装置。
  6. 前記電力変換回路は、直流電圧源の正極および負極のそれぞれに前記回転機の端子を選択的に接続するスイッチング素子を備える直流交流変換回路であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の回転機の制御装置。
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