JP6179952B2 - 車両状態判定装置、車両状態判定プログラム及び荷重検出装置 - Google Patents

車両状態判定装置、車両状態判定プログラム及び荷重検出装置 Download PDF

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Description

この発明は、車両の軸箱の振動を抑える防振ゴムに作用する荷重を検出することによって、この車両の状態を判定する車両状態判定装置、車両状態判定プログラム、及び振動を抑える防振ゴムに作用する荷重を検出する荷重検出装置に関する。
従来の異常検出装置は、鉄道車両の軸箱内の軸受の転動動作時の物理量を検出する物理量検出素子と、この物理量検出素子の出力信号に所定の処理をする信号処理回路と、この信号処理回路の出力信号に基づいて軸箱内の軸受の異常を判定する制御装置などを備えている(例えば、特許文献1参照)。このような従来の異常検出装置は、軸箱内の軸受の振動や温度を物理量として物理量検出素子が検出し、この物理量検出素子の出力信号に基づいて軸受の異常を制御装置が判定している。
特開2007-322441号公報
従来の異常検出装置では、軸受の振動を監視して軸受に異常な振動が発生したときに、軸受の損傷などを発見する構造である。その結果、従来の異常検出装置では、軸受の異常を検出したときには軸受が重大な損傷に至っている場合が多く、ほとんどの場合に車両の走行が困難な状態になっている。このため、従来の異常検出装置では、事前に軸受の損傷の兆候を確認するために、軸箱に加速度ピックアップなどを取り付けて軸箱の振動加速度を測定し、この振動加速度の出力信号の異常値などによって損傷を発見する検査を定期的に実施している。軸受の損傷を発見する検査を実施するときには、車両所内などで車両を低速で走行させて加速度を測定している。このため、従来の異常検出装置では、加速度ピックアップが落下しないように加速度ピックアップを軸箱の外部に取り付ける必要があり、加速度ピックアップの取り付けに細心の注意が必要になり、作業に手間がかかる問題点がある。また、従来の異常検出装置では、実際に営業線上を車両が走行するときの速度で検査することができず、損傷の発見が困難である問題点がある。
この発明の課題は、防振ゴムに内蔵された圧電ゴム部によって車両の状態を正確に判定することができるとともに、防振ゴムに作用する荷重を簡単に検出することができる車両状態判定装置、車両状態判定プログラム及び荷重検出装置を提供することである。
この発明は、以下に記載するような解決手段により、前記課題を解決する。
なお、この発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、この実施形態に限定するものではない。
請求項1の発明は、図1〜図4、図9〜図12、図16〜図19及び図22〜図25に示すように、車両(2)の軸箱(7)の振動を抑える防振ゴム(10)に作用する荷重を検出することによって、この車両の状態を判定する車両状態判定装置であって、前記防振ゴムに内蔵された圧電ゴム部(14)がこの防振ゴムに作用する荷重に応じて出力する電気信号に基づいて、前記車両の状態を判定する車両状態判定部(25)を備えることを特徴とする車両状態判定装置(19)である。
請求項2の発明は、請求項1に記載の車両状態判定装置において、図4に示すように、前記車両状態判定部は、前記圧電ゴム部が出力する電気信号に基づいて、前記車両の軸受(6)の状態を判定することを特徴とする車両状態判定装置である。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の車両状態判定装置において、図7に示すように、前記車両状態判定部は、前記圧電ゴム部が出力する電気信号の大きさが所定値(Th1)を超えるときには前記軸受が異常状態であると判定し、前記圧電ゴム部が出力する電気信号の大きさが所定値(Th1)以下であるときには前記軸受が正常状態であると判定することを特徴とする車両状態判定装置である。
請求項4の発明は、請求項1又は請求項2に記載の車両状態判定装置において、図14に示すように、前記車両状態判定部は、前記圧電ゴム部が出力する電気信号の卓越周波数が所定範囲(fth)内であるときには前記軸受が異常状態であると判定し、前記圧電ゴム部が出力する電気信号の卓越周波数が所定範囲(fth)外であるときには前記軸受が正常状態であると判定することを特徴とする車両状態判定装置である。
請求項5の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の車両状態判定装置において、図16、図18及び図19に示すように、前記車両状態判定部は、前記圧電ゴム部が出力する電気信号に基づいて、前記車両の軸受が支持する車軸(5b)の状態を判定することを特徴とする車両状態判定装置である。
請求項6の発明は、請求項5に記載の車両状態判定装置において、図20に示すように、前記車両状態判定部は、前記車軸の端部側及び車輪側の圧電ゴム部が出力する電気信号の差が所定範囲(Th3)外であるときには前記車軸のたわみが異常状態であると判定し、前記車軸の端部側及び車輪側の圧電ゴム部が出力する電気信号の差が所定範囲(Th3)内であるときには前記車軸のたわみが正常状態であると判定することを特徴とする車両状態判定装置である。
請求項7の発明は、請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の車両状態判定装置において、図22〜図25に示すように、前記車両状態判定部は、前記圧電ゴム部が出力する電気信号に基づいて、前記車両の輪重変動の程度を判定することを特徴とする車両状態判定装置である。
請求項8の発明は、請求項7に記載の車両状態判定装置において、図26に示すように、前記車両状態判定部は、前記圧電ゴム部が出力する電気信号の大きさが所定値(Th4)を下回るときには前記輪重変動の程度が異常状態であると判定し、前記圧電ゴム部が出力する電気信号の大きさが所定値(Th4)以上であるときには前記輪重変動の程度が正常状態であると判定することを特徴とする車両状態判定装置である。
請求項9の発明は、図1〜図4、図8〜図12、図15〜図19及び図21〜図25及び図27に示すように、車両(2)の軸箱(7)の振動を抑える防振ゴム(10)に作用する荷重を検出することによって、この車両の状態を判定する車両状態判定プログラムであって、前記防振ゴムに内蔵された圧電ゴム部(14)がこの防振ゴムに作用する荷重に応じて出力する電気信号に基づいて、前記車両の状態を判定する車両状態判定手順(S130;S240;S340;S440)をコンピュータに実行させることを特徴とする車両状態判定プログラムである。
請求項10の発明は、請求項9に記載の車両状態判定プログラムにおいて、図4及び図8に示すように、前記車両状態判定手順(S130)は、前記圧電ゴム部が出力する電気信号に基づいて、前記車両の軸受(6)の状態を判定する手順を含むことを特徴とする車両状態判定プログラムである。
請求項11の発明は、請求項9又は請求項10に記載の車両状態判定プログラムにおいて、図7に示すように、前記車両状態判定手順は、前記圧電ゴム部が出力する電気信号の大きさが所定値を超えるときには前記軸受が異常状態であると判定し、前記圧電ゴム部が出力する電気信号の大きさが所定値以下であるときには前記軸受が正常状態であると判定する手順を含むことを特徴とする車両状態判定プログラムである。
請求項12の発明は、請求項9又は請求項10に記載の車両状態判定プログラムにおいて、図14及び図15に示すように、前記車両状態判定手順(S240)は、前記圧電ゴム部が出力する電気信号の卓越周波数が所定範囲(fth)内であるときには前記軸受が異常状態であると判定し、前記圧電ゴム部が出力する電気信号の卓越周波数が所定範囲(fth)外であるときには前記軸受が正常状態であると判定する手順を含むことを特徴とする車両状態判定プログラムである。
請求項13の発明は、請求項9から請求項12までのいずれか1項に記載の車両状態判定プログラムにおいて、図16、図18、図19及び図21に示すように、前記車両状態判定手順(S340)は、前記圧電ゴム部が出力する電気信号に基づいて、前記車両の軸受が支持する車軸(5b)の状態を判定する手順を含むことを特徴とする車両状態判定プログラムである。
請求項14の発明は、請求項13に記載の車両状態判定プログラムにおいて、図20及び図21に示すように、前記車両状態判定手順は、前記車軸の端部側及び車輪側の圧電ゴム部が出力する電気信号の差が所定範囲(Th3)外であるときには前記車軸のたわみが異常状態であると判定し、前記車軸の端部側及び車輪側の圧電ゴム部が出力する電気信号の差が所定範囲(Th3)内であるときには前記車軸のたわみが正常状態であると判定する手順を含むことを特徴とする車両状態判定プログラムである。
請求項15の発明は、請求項9から請求項14までのいずれか1項に記載の車両状態判定プログラムにおいて、図22〜図25及び図27に示すように、前記車両状態判定手順(S440)は、前記圧電ゴム部が出力する電気信号に基づいて、前記車両の輪重変動の程度を判定する手順を含むことを特徴とする車両状態判定プログラムである。
請求項16の発明は、請求項15に記載の車両状態判定プログラムにおいて、図26及び図27に示すように、前記車両状態判定手順は、前記圧電ゴム部が出力する電気信号の大きさが所定値(Th4)を下回るときには前記輪重変動の程度が異常状態であると判定し、前記圧電ゴム部が出力する電気信号の大きさが所定値(Th4)以上であるときには前記輪重変動の程度が正常状態であると判定する手順を含むことを特徴とする車両状態判定プログラムである。
請求項17の発明は、図5及び図28に示すように、車両の軸箱の振動を抑える防振ゴム(10)に作用する荷重を検出する荷重検出装置であって、前記防振ゴムに内蔵された状態でこの防振ゴムに作用する荷重に応じて電気信号を出力する圧電ゴム部(14)を備えることを特徴とする荷重検出装置(13A〜13D)である。
請求項18の発明は、請求項17に記載の荷重検出装置において、図5に示すように、前記防振ゴムは、前記軸箱の上面部(7a)の全面と密着する密着面(12c)を備えることを特徴とする荷重検出装置である。
請求項19の発明は、請求項17に記載の荷重検出装置において、図28に示すように、前記防振ゴムは、前記軸箱の上面部(7a)の端部(7d,7e)のみと密着する密着面(11b)を備えることを特徴とする荷重検出装置である。
この発明によると、防振ゴムに内蔵された圧電ゴム部によって車両の状態を正確に判定することができるとともに、防振ゴムに作用する荷重を簡単に検出することができる。
この発明の第1実施形態に係る車両状態判定装置を備える車両を模式的に示す平面図である。 この発明の第1実施形態に係る車両状態判定装置を備える車両を模式的に示す側面図である。 この発明の第1実施形態に係る車両状態判定装置を備える車両の台車を模式的に示す平面図である。 この発明の第1実施形態に係る車両状態判定装置を備える車両の台車を模式的に示す正面図である。 この発明の第1実施形態に係る車両状態判定装置に使用される防振ゴムの全体図であり、(A)は平面図であり、(B)は(A)のV-VB線で切断した状態を示す断面図であり、(C)は(B)のVC部分を拡大して示す断面図である。 軸受回転試験装置によって損傷軸受及び正常軸受を試験したときの測定結果を示すグラフであり、(A)は車両速度が30km/hに相当する場合の圧電ゴム部の出力信号の電圧値の時間波形を一例として示すグラフであり、(B)は車両速度が150km/hに相当する圧電ゴム部の出力信号の電圧値の時間波形を一例として示すグラフである。 この発明の第1実施形態に係る車両状態判定装置の車両状態判定部による軸受の状態の判定動作を説明するための模式図である。 この発明の第1実施形態に係る車両状態判定装置の動作を説明するためのフローチャートである。 この発明の第2実施形態に係る車両状態判定装置を備える車両を模式的に示す平面図である。 この発明の第2実施形態に係る車両状態判定装置を備える車両を模式的に示す側面図である。 この発明の第2実施形態に係る車両状態判定装置を備える車両の台車を模式的に示す平面図である。 この発明の第2実施形態に係る車両状態判定装置を備える車両の台車を模式的に示す正面図である。 軸受回転試験装置において損傷軸受及び正常軸受を試験したときの測定結果を示すグラフであり、(A)は車両速度が30km/hに相当する場合の圧電ゴム部の出力信号の周波数解析を一例として示すグラフであり、(B)は車両速度が150km/hに相当する圧電ゴム部の出力信号の周波数解析を一例として示すグラフである。 この発明の第2実施形態に係る車両状態判定装置の車両状態判定部による軸受状態の判定動作を説明するための模式図であり、(A)は軸受が異常状態であると判定するときの模式図であり、(B)は正常状態であるときの模式図である。 この発明の第2実施形態に係る車両状態判定装置の動作を説明するためのフローチャートである。 この発明の第3実施形態に係る車両状態判定装置を備える車両を模式的に示す平面図である。 この発明の第3実施形態に係る車両状態判定装置を備える車両を模式的に示す側面図である。 この発明の第3実施形態に係る車両状態判定装置を備える車両の台車を模式的に示す平面図である。 この発明の第3実施形態に係る車両状態判定装置を備える車両の台車を模式的に示す正面図である。 この発明の第3実施形態に係る車両状態判定装置の車両状態判定部により車軸のたわみ状態の判定動作を説明するための模式図である。 この発明の第3実施形態に係る車両状態判定装置の動作を説明するためのフローチャートである。 この発明の第4実施形態に係る車両状態判定装置を備える車両を模式的に示す平面図である。 この発明の第4実施形態に係る車両状態判定装置を備える車両を模式的に示す側面図である。 この発明の第4実施形態に係る車両状態判定装置を備える車両の台車を模式的に示す平面図である。 この発明の第4実施形態に係る車両状態判定装置を備える車両の台車を模式的に示す正面図である。 この発明の第4実施形態に係る車両状態判定装置の車両状態判定部による輪重変動の程度の判定動作を説明するための模式図である。 この発明の第4実施形態に係る車両状態判定装置の動作を説明するためのフローチャートである。 この発明の第5実施形態に係る荷重検出装置を備える防振ゴムを概略的に示す全体図であり、(A)は底面図であり、(B)は(A)のXVIII-XVIIIB線で切断した状態を示す断面図である。
(第1実施形態)
以下、図面を参照して、この発明の第1実施形態について詳しく説明する。
図2及び図4に示す軌道1は、車両2が走行する通路(線路)である。軌道1は、車両2の車輪5aを支持し案内してこの車両2を走行させるレール1aなどを備えている。
図1、図2及び図4に示す車両2は、軌道1に沿って走行する鉄道車両である。車両2は、例えば、電車、気動車、機関車、客車又は貨車などである。車両2は、車体3と台車4などを備えている。車体3は、旅客又は貨物などの積載物を輸送するための構造物である。
図1、図2及び図4に示す台車4は、車体3を支持して走行する装置である。台車4は、図1、図3及び図4に示す輪軸5と、図4に示す軸受6と、図1〜図4に示す軸箱7と、図1、図2及び図4に示す台車枠8と、図2及び図4に示す軸ばね9と、図1〜図5に示す防振ゴム10などを備えている。図1、図2及び図4に示す台車4は、図2に示すように、軸箱7と一体となったリンク部材(軸ばり)をゴムブシュ及びピンを介して台車枠8に連結する構造であり、在来線車両に使用される軸はり式台車である。
図1、図3及び図4に示す輪軸5は、車輪5aと車軸5bとを組み立てた部材である。車輪5aは、レール1aと転がり接触する部材である。車軸5bは、車輪5aと一体となって回転する部材であり、両端部側に左右一対の車輪5aが圧入され取り付けられている。図4に示す軸受6は、車軸5bを支持する部材であり、車軸5bの両端部を回転自在に支持する転がり軸受である。
図1〜図4に示す軸箱7は、軸受6を収容する部材であり、軸箱支持装置によって台車枠8の所定の位置に保持されている。軸箱7は、図5に示すように、上面部7aと心棒7bなどを備えている。上面部7aは、防振ゴム10を支持する部分であり、軸箱7の上面に平坦面に形成されている。心棒7bは、軸箱7上の所定の位置に防振ゴム10を位置決めする部材である。心棒7bは、防振ゴム10の貫通孔11a,12a,12bを貫通する円柱状の突起部である。心棒7bは、図3に示すように、上面部7aの車軸5bの中心線に対してこの心棒7bの中心線が直交しており、図5に示すように上面部7aから突出して上面部7aと一体に形成されている。
図1、図2及び図4に示す台車枠8は、台車4の主要構成部である。台車枠8は、図2に示すように、左右の側梁とこれらをつなぐ横梁などによって構成されている。台車枠8は、図示しないけん引装置によって車体3に連結されており、車体3との間で前後方向の力が伝達される。図2及び図4に示す軸ばね9は、軸箱7と台車枠8との間の衝撃を緩和する部材である。
軸ばね9は、図4に示すように、軸箱7と台車枠8との間で垂直方向の荷重を弾性的に支持しており、図5に示すようにばね座9aなどを備えている。ばね座9aは、軸ばね9の下端を支持する部分である。ばね座9aは、軸ばね9と防振ゴム10との間に挟み込まれており、軸ばね9の下端が均一に防振ゴム10と接触するように、防振ゴム10の金具部12Aと接触する側が平坦面に形成されている。
図1〜図5に示す防振ゴム10は、車両2の軸箱7の振動を抑える部材である。防振ゴム10は、図2、図4及び図5に示すように、軸箱7と軸ばね9との間に挟み込まれた状態でこれらの間に装着されている。防振ゴム10は、軸箱7の振動を抑え振動の伝達を防止するとともに、これらの間に発生する衝撃を緩和して騒音の発生を防止する。防振ゴム10は、図5(A)に示すように、平面形状が円形の板状部材である。防振ゴム10は、図5に示すように、ゴム部11と、金具部12A,12Bと、荷重検出装置13A〜13Dなどを備えている。図5に示す防振ゴム10は、圧電ゴム部14を内蔵する圧電ゴム内蔵型の軸ばね防振ゴムであり、ゴム部11、金具部12A,12B及び荷重検出装置13A〜13Dなどが一体となってゴム成形されている。防振ゴム10は、例えば、図1に示すように、台車4の車軸5bの左右に1個ずつ配置されており、台車1台当たり合計4個(1両当たり合計8個)配置されている。
図5(B)に示すゴム部11は、防振ゴム10の本体を構成する部分である。ゴム部11は、例えば、天然ゴム、スチレンゴムなどの一般加硫ゴム、ニトリルゴムなどの耐油性を有する加硫ゴム、クロロプレンゴムなどの耐候性及び耐有性を有する加硫ゴム、ブチルゴムなどの振動緩衝性能を有する加硫ゴム又は合成高分子から製造される合成ゴムなどの弾性材である。ゴム部11は、図5(B)に示すように、貫通孔11aなどを備えている。貫通孔11aは、軸ばね9の心棒7bが貫通する部分であり、ゴム部11の中心に形成されている。
図5(B)に示す金具部12A,12Bは、防振ゴム10の上面及び下面を構成する部分である。金具部12A,12Bは、ゴム部11を挟み込むようにゴム部11の上面及び下面に積層されており、ゴム部11の両面全域を被覆するようにこのゴム部11に接合されている。金具部12A,12Bは、例えば、一般圧延用鋼材(SS400)などであり、互いに平行になるようにゴム部11の両面に加硫接着されている。金具部12Aは、防振ゴム10の上面プレート部を構成し、金具部12Bは防振ゴム10の下面プレート部を構成する。金具部12Aは、貫通孔12aを備えており、金具部12Bは貫通孔12bと密着面12cを備えている。貫通孔12a,12bは、軸ばね9の心棒7bが貫通する部分であり、金具部12A,12Bの中心に形成されている。貫通孔12aは、貫通孔12bよりも内径が小さく形成されている。密着面12cは、軸箱7の上面部7aの全面と密着する部分である。密着面12cは、軸箱7の上面部7aと接触する側の金具部12Bの表面である。密着面12cは、この密着面12cと軸箱7の上面部7aの全面との間で荷重が均等に作用するように、この軸箱7の上面部7aと同じく平坦面に形成されている。
図5(A)に示す荷重検出装置13A〜13Dは、振動を抑える防振ゴム10に作用する荷重を検出する装置である。荷重検出装置13A〜13Dは、軌道1上を車両2が走行するときに発生する機械的な振動を電気信号に変換する機械電気変換部として機能する。荷重検出装置13A〜13Dは、車両2の走行によって軸箱7が振動したときに発生する電力によって、軸箱7に作用する荷重を検出して軸受6の状態を監視する軸受監視センサとしても機能する。荷重検出装置13A〜13Dは、図5(C)に示す圧電ゴム部14と、電極部15A,15Bと、保護部16と、図5(A)に示す導電部17A,17Bなどを備えている。荷重検出装置13A〜13Dは、防振ゴム10の円周上に等間隔に4つ配置されており、防振ゴム10に作用する荷重を検出する。図3に示すように、荷重検出装置13A,13Bは車両2の長さ方向(車軸5bの長さ方向と直交する方向)に配置されており、荷重検出装置13C,13Dは車両2の幅方向(車軸5bの長さ方向)に配置されている。荷重検出装置13Cは、車軸5bの端部側に配置されており、荷重検出装置13Dは車輪5a側に配置されている。
図5に示す圧電ゴム部14は、防振ゴム10に内蔵された状態でこの防振ゴム10に作用する荷重に応じて電気信号を出力する部分である。圧電ゴム部14は、軌道1上を車両2が走行するときに発生する振動を圧電効果によって電気信号に変換する。圧電ゴム部14は、防振ゴム10と同様に軸箱7の振動を抑え振動の伝達を防止するとともに、これらの間に発生する衝撃を緩和して騒音の発生を防止する。圧電ゴム部14は、ゴム中に圧電材料を分散させた部材であり、振動の大きさ(荷重の大きさ)に応じた電力を発生する弾性を有する圧電素子である。圧電ゴム部14は、例えば、ニトリルゴムなどのゴム材とチタン酸ジルコン酸鉛(商品名PZT)などの圧電セラミック粉末とを混合する混合工程と、この混合工程後の混合物を加硫する加硫工程と、この加硫工程後の混合物の両端部に電圧を印加してこの混合物を分極させる分極工程とによって製造される。圧電ゴム部14は、図1〜図4に示すように、防振ゴム10に作用する荷重に応じた電気信号(荷重検出信号(荷重検出情報))を車両状態判定装置19の制御部28に出力する。
図6に示す縦軸は、圧電ゴム部14が出力する荷重検出信号の電圧(mV)であり、横軸は時間(s)である。図6に示す実線は、軸受が損傷しているときに圧電ゴム部14が出力する荷重検出信号の時間変化を示す波形であり、破線は軸受が正常であるときに圧電ゴム部14が出力する荷重検出信号の時間変化を示す波形である。図6に示すグラフは、公益財団法人鉄道総合技術研究所の主電動機用軸受回転試験装置に同一形式の異常軸受と正常軸受とをそれぞれ装着して、この損傷軸受とこの正常軸受とに実際の鉄道車両と同様の荷重を加えた状態で、車軸を回転させたときの試験結果である。ここで、主電動機用軸受回転試験装置とは、実物の鉄道車両用主電動機の軸受によって回転試験を実施して、実際の電動機の軸受構造を評価する試験装置である。図6に示すように、軸受6が損傷している場合と軸受6が正常である場合とでは、圧電ゴム部14が出力する荷重検出信号の電圧の大きさが異なり、車両速度が高くなるほど圧電ゴム部14が出力する荷重検出信号の電圧が大きくなる。
図5(C)に示す電極部15A,15Bは、圧電ゴム部14に電気的に接続された接点部分である。電極部15A,15Bは、圧電ゴム部14の両面にそれぞれ積層されており、圧電ゴム部14の両面全域を被覆するように接合されている。電極部15A,15Bは、例えば、互いに平行になるように各圧電ゴム部14の両面に加硫接着して形成されたり、金属、金属酸化物又はカーボンなどの導電性材料を蒸着、シルクスクリーン印刷又はイオンスパッタリングなどの方法によって圧電ゴム部14の両面に形成されたり、導電性材料を含有する樹脂又は導電性高分子などの導電性樹脂を圧電ゴム部14の両面に多層化して形成されたりする。
図5(C)に示す保護部16は、圧電ゴム部14及び電極部15A,15Bを保護する部分である。保護部16は、例えば、耐熱性を有するフッ素樹脂製の被覆材などである。保護部16は、圧電ゴム部14及び電極部15A,15Bの表面全域を被覆するように形成されている。保護部16は、圧電ゴム部14及び電極部15A,15Bを被覆することによって、防振ゴム10の製造時の熱から圧電ゴム部14及び電極部15A,15Bを保護している。
図5(A)に示す導電部17A,17Bは、圧電ゴム部14が発生する電流が流れる部分である。導電部17A,17Bは、導電材の表面が絶縁材によって被覆された電線であり、圧電ゴム部14が出力する荷重検出信号を取り出すための端子に接続されている。導電部17A,17Bは、一方の端部が電極部15A,15Bにそれぞれ接続されており、他方の端部が車両状態判定装置19の荷重検出信号入力部20に接続されている。
図1〜図4に示す速度検出装置18は、車両2の速度を検出する装置である。速度検出装置18は、例えば、車両2の車輪5aの回転によって発生するパルス信号に基づいて車両2の走行速度を検出する速度発電機などである。速度検出装置18は、例えば、車輪5aの1回転毎に所定数のパルス信号を発生して車両2の速度を検出し、この検出結果を速度検出信号(速度検出情報)として車両状態判定装置19の速度検出信号入力部22に出力する。
図1〜図4に示す車両状態判定装置19は、防振ゴム10に作用する荷重を検出することによって、車両2の状態を判定する装置である。車両状態判定装置19は、防振ゴム10に内蔵された圧電ゴム部14が出力する荷重検出信号の大きさに基づいて軸箱7内の軸受6の状態を監視し、この軸受6の損傷のような異常状態の有無を判定する。車両状態判定装置19は、荷重検出信号入力部20と、信号処理部21と、速度検出信号入力部22と、判定基準情報記憶部23と、判定条件設定部24と、車両状態判定部25と、判定結果告知部26と、プログラム記憶部27と、制御部28などを備えている。
荷重検出信号入力部20は、荷重検出装置13A〜13Dが出力する荷重検出信号を入力させる手段である。荷重検出信号入力部20は、図3及び図5に示す荷重検出装置13A〜13Dの圧電ゴム部14が出力する荷重検出信号を信号処理部21に出力する。荷重検出信号入力部20は、例えば、荷重検出装置13A〜13Dから信号処理部21に荷重検出信号を入力させるインタフェース(I/F)回路などである。
図1〜図4に示す信号処理部21は、圧電ゴム部14が出力する荷重検出信号を所定の処理をする手段である。信号処理部21は、例えば、図5(C)に示す圧電ゴム部14が出力する荷重検出信号をアナログ信号からディジタル信号に変換するA/D変換回路と、圧電ゴム部14が出力する荷重検出信号からノイズ成分を除去するフィルタ回路などを備えている。信号処理部21は、信号処理後の荷重検出信号を制御部28に出力する。
図1〜図4に示す速度検出信号入力部22は、速度検出装置18が出力する速度検出信号を入力させる手段である。速度検出信号入力部22は、速度検出装置18が出力する速度検出信号を制御部28に出力する。速度検出信号入力部22は、例えば、速度検出装置18から制御部28に速度検出信号を入力させるインタフェース(I/F)回路などである。
判定基準情報記憶部23は、車両2の軸受6の状態を判定するときに基準となる判定基準を記憶する手段である。判定基準情報記憶部23は、軸受6の異常状態の有無を判定するときの判定基準となるしきい値(所定値)Th1を判定基準情報として記憶するメモリなどである。判定基準情報記憶部23は、車両2が低速で走行しているときの判定基準となる低速走行時のしきい値Th1と、車両2が高速で走行しているときの判定基準となる高速走行時のしきい値Th1とを判定基準情報として記憶する。また、判定基準情報記憶部23は、車両2の走行速度に応じて軸受6の異常状態の有無を判定するときの判定基準となるしきい値Th1が異なるときには、車両2の走行速度とこの走行速度に対応するしきい値Th1とを判定基準情報として記憶する。判定基準情報記憶部23は、例えば、実際の鉄道車両又は軸受回転試験装置に異常軸受を取り付けて種々の速度で試験したときに、圧電ゴム部14が速度毎に出力する荷重検出信号の電圧値からしきい値Th1を設定しこのしきい値Th1を判定基準情報として記憶している。
判定条件設定部24は、軸受6の状態を判定するときの判定条件を設定する手段である。判定条件設定部24は、車両2が低速で走行するときに軸受6の状態を判定する低速走行判定モードと、車両2が高速で走行するときに軸受6の状態を判定する高速走行判定モードと、車両2が任意の速度で走行するときに軸受6の状態を速度毎に判定する現在走行判定モードとに判定条件を設定する。判定条件設定部24は、車両2の乗務員などが判定条件を手動操作によって切り替える切替スイッチなどであり、乗務員などによって車両2の運転を開始するときに操作される。判定条件設定部24は、設定後の判定条件を判定条件信号(判定条件情報)として制御部28に出力する。
図1〜図4に示す車両状態判定部25は、防振ゴム10に内蔵された圧電ゴム部14がこの防振ゴム10に作用する荷重に応じて出力する荷重検出信号に基づいて、車両2の状態を判定する手段である。車両状態判定部25は、圧電ゴム部14が出力する荷重検出信号に基づいて、車両2の軸受6の状態を判定する。車両状態判定部25は、例えば、1つの防振ゴム10内の4つの圧電ゴム部14が出力する4つの荷重検出信号をそれぞれ解析して、車両2の軸受6の状態を判定する。車両状態判定部25は、例えば、圧電ゴム部14が出力する荷重検出信号に基づいて軸受6の損傷のような異常状態の有無を判定する。
車両状態判定部25は、圧電ゴム部14が出力する荷重検出信号の大きさがしきい値Th1を超えるときには、軸受6が異常状態であると判定する。一方、車両状態判定部25は、圧電ゴム部14が出力する荷重検出信号の大きさがしきい値Th1以下であるときには、軸受6が正常状態であると判定する。ここで、図7に示すグラフは、圧電ゴム部14が出力する荷重検出信号の時間変化を模式的に示す波形である。図7に示すように、軸受6が損傷すると荷重検出信号のレベルが徐々に高くなって、時間t11において荷重検出信号のレベルがしきい値Th1を超えている。時間t11以降において軸受6の損傷が徐々に大きくなって荷重検出信号のレベルも高くなって、荷重検出信号のレベルがしきい値Th1を超えている状態が継続している。車両状態判定部25は、図7に示すように、信号処理部21が出力する荷重検出信号の電圧値としきい値Th1とを比較し、この電圧値がしきい値Th1を超えるときには軸受6が異常状態であると判定し、この電圧値がしきい値Th1以下であるときには軸受6が正常状態であると判定する。車両状態判定部25は、例えば、時間t11まで荷重検出信号のレベルがしきい値Th1以下であるため、軸受6が正常状態であると判定する。一方、車両状態判定部25は、時間t11において荷重検出信号のレベルがしきい値Th1を超えてからの経過時間を計測し、荷重検出信号のレベルが所定時間T1以上継続してしきい値Th1を超えているときには、軸受6が異常状態であると判定する。ここで、所定時間T1は、例えば、荷重検出信号のノイズなどによって荷重検出信号のレベルが一時的にしきい値Th1を超えたようなときに、軸受6が正常状態であるにもかかわらず異常状態であると誤って判定されないように比較的長い時間に設定される。
車両状態判定部25は、車両2の走行速度に応じて、軸受6の状態を判定するための判定基準となるしきい値Th1を変化させて、この軸受6の状態を判定する。車両状態判定部25は、例えば、図6(A)に示すように、車両2が30km/h程度の低速で走行しているときに、圧電ゴム部14が出力する荷重検出信号の電圧値が低速走行時のしきい値Th1を超えているか否かを判定する。車両状態判定部25は、例えば、図6(B)に示すように、車両2が150km/h程度の高速で走行しているときに、圧電ゴム部14が出力する荷重検出信号の電圧値が高速走行時のしきい値Th1を超えているか否かを判定する。
車両状態判定部25は、判定条件設定部24によって低速走行判定モードが設定されているときには、圧電ゴム部14が出力する荷重検出信号の電圧値が低速走行時のしきい値Th1を超えているか否かを判定する。車両状態判定部25は、判定条件設定部24によって高速走行判定モードが設定されているときには、圧電ゴム部14が出力する荷重検出信号の電圧値が高速走行時のしきい値Th1を超えているか否かを判定する。車両状態判定部25は、判定条件設定部24によって現在走行判定モードが設定されているときには、圧電ゴム部14が出力する荷重検出信号の電圧値が現在走行時のしきい値Th1を超えているか否かを判定する。車両状態判定部25は、軸受6の異常状態の有無の判定結果を判定結果信号(判定結果情報)として制御部28に出力する。
図1〜図4に判定結果告知部26は、車両状態判定部25の判定結果を告知する手段である。判定結果告知部26は、例えば、軸受6が異常状態であると車両状態判定部25が判定したときに、この車両状態判定部25の判定結果を乗務員などに警告する。判定結果告知部26は、例えば、乗務員が運転士であるときには、この運転士が乗務する乗務員室内の運転台に設置されている。判定結果告知部26は、例えば、軸受6の異常状態を表示画面上に文字、図形、記号又はこれらの組み合わせによって表示する表示装置又は音声で告知する音声発生装置などである。
プログラム記憶部27は、防振ゴム10に作用する荷重を検出することによって、この車両2の状態を判定する車両状態判定プログラムを記憶する手段である。プログラム記憶部27は、情報記録媒体から読み取った情報提供プログラム又は電気通信回線を通じて取り込まれた情報提供プログラムなどを記憶するメモリなどである。
制御部28は、車両状態判定装置19の種々の動作を制御する中央処理部(CPU)である。制御部28は、例えば、プログラム記憶部27から車両状態判定プログラムを読み出してこの車両状態判定プログラムに従って所定の処理を実行する。制御部28は、例えば、信号処理部21が出力する荷重検出信号を車両状態判定部25に出力したり、速度検出信号入力部22が出力する速度検出信号を車両状態判定部25に出力したり、車両状態判定部25に軸受6の状態の判定を指令したり、判定基準情報記憶部23から判定基準情報を読み出してこの判定基準情報を車両状態判定部25に出力したり、判定条件設定部24が出力する判定条件情報を車両状態判定部25に出力したり、車両状態判定部25が出力する車両状態判定信号を判定結果告知部26に出力したりする。制御部28には、荷重検出信号入力部20、信号処理部21、速度検出信号入力部22、判定基準情報記憶部23、判定条件設定部24、車両状態判定部25、判定結果告知部26及びプログラム記憶部27などが相互に通信可能なように接続されている。
次に、この発明の第1実施形態に係る車両状態判定装置の動作を説明する。
以下では、図1〜図4に示す制御部28の動作を中心として説明する。
図8に示すステップ(以下、Sという)100において、プログラム記憶部27から車両状態判定プログラムを制御部28が読み込む。図示しない電源が使用者にON操作されると図1〜図4に示す車両状態判定装置19に電力が供給されて、プログラム記憶部27から車両状態判定プログラムを制御部28が読み込み、一連の車両状態判定処理を制御部28が実行する。
S110において、判定条件設定信号が判定条件設定部24から入力しているか否かを制御部28が判断する。判定条件設定部24を乗務員が操作すると、判定条件設定部24から判定条件設定信号が制御部28に出力する。判定条件設定信号が入力したと制御部28が判断したときにはS120に進み、判定条件設定信号が入力していないと制御部28が判断したときには一連の車両状態判定処理を終了する。
S120において、判定基準情報を判定基準情報記憶部23から制御部28が読み出す。例えば、車両所内で車両2を30km/h程度の低速で走行させた状態で軸受6の状態を判定するときには、乗務員が判定条件設定部24を操作して低速走行判定モードが設定される。この場合には、低速走行時のしきい値Th1に対応する判定基準情報を判定基準情報記憶部23から制御部28が読み出して、この低速走行時の判定基準情報を制御部28が車両状態判定部25に出力する。
一方、営業線で車両2を150km/h程度の高速で走行させた状態で軸受6の状態を判定するときには、乗務員が判定条件設定部24を操作して高速走行判定モードが設定される。この場合には、高速走行時のしきい値Th1に対応する判定基準情報を判定基準情報記憶部23から制御部28が読み出して、この高速走行時の判定基準情報を制御部28が車両状態判定部25に出力する。
また、営業線で車両2を任意の速度で走行させた状態で軸受6の状態を判定するときには、乗務員が判定条件設定部24を操作して現在走行判定モードが設定される。この場合には、速度検出信号入力部22から入力する速度検出信号に基づいて、車両2の現在の走行速度に対応する現在走行時のしきい値Th1に対応する判定基準情報を判定基準情報記憶部23から制御部28が読み出して、この現在走行時の判定基準情報を制御部28が車両状態判定部25に出力する。
S130において、軸受6の状態の判定を車両状態判定部25に制御部28が指令する。荷重検出信号入力部20が出力する荷重検出信号と制御部28が出力する判定基準情報とに基づいて、図7に示すように荷重検出信号の電圧値がしきい値Th1を超えるか否かを車両状態判定部25が判定する。荷重検出信号の電圧値が所定時間T1以上継続してしきい値Th1を超えているときには、軸受6が異常状態であると車両状態判定部25が判定する。一方、荷重検出信号の電圧値がしきい値Th1以下であるときには、軸受6が正常状態であると車両状態判定部25が判定する。
S140において、判定結果の告知を判定結果告知部26に制御部28が指令する。車両状態判定部25から判定結果信号が制御部28に入力すると、この判定結果信号を制御部28が判定結果告知部26に出力する。その結果、判定結果告知部26が車両2内の乗務員に軸受6が異常状態であることを告知する。
S150において、軸受6の状態の判定を終了するか否かを制御部28が判断する。車両2が運行を終了したと制御部28が判断したときには、一連の車両状態判定処理を制御部28が終了する。一方、車両2が運行を継続していると制御部28が判断したときにはS110に戻り、S110以降の車両状態判定処理を制御部28が繰り返す。
この発明の第1実施形態に係る車両状態判定装置には、以下に記載するような効果がある。
(1) この第1実施形態では、防振ゴム10に内蔵された圧電ゴム部14がこの防振ゴム10に作用する荷重に応じて荷重検出信号を出力する。このため、防振ゴム10とともに弾性変形する圧電ゴム部14からの出力信号を解析することによって、車両2の状態を正確に監視してこの車両2の状態を正確に判定することができる。
(2) この第1実施形態では、圧電ゴム部14が出力する荷重検出信号に基づいて、車両2の軸受6の状態を車両状態判定部25が判定する。このため、軸受6の状態を監視することによって、軸受6の損傷などの異常状態を判定することができる。また、例えば、従来の異常検出装置のような加速度ピックアップを使用して軸受6の状態を監視する場合には、加速度ピックアップの出力信号である電荷信号を電圧信号に変換するチャージアンプが必要であり、このチャージアンプによって増幅する必要がある。この第1実施形態では、圧電ゴム部14から出力される比較的高電圧の荷重検出信号をそのまま使用して軸受6の状態を監視することができる。このため、従来の異常検出装置のようなチャージアンプを軸箱7に取り付ける必要がなくなって、車両状態判定装置19を低コストで製造することができる。また、この第1実施形態では、従来の異常検出装置のようなチャージアンプに電力を供給する電源が不要になるため、車両状態判定装置19の電力消費を抑えることができる。
(3) この第1実施形態では、圧電ゴム部14が出力する荷重検出信号の大きさがしきい値Th1を超えるときには軸受6が異常状態であると車両状態判定部25が判定し、圧電ゴム部14が出力する荷重検出信号の大きさがしきい値Th1以下であるときには軸受6が正常状態であると車両状態判定部25が判定する。このため、圧電ゴム部14が出力する荷重検出信号の大きさとしきい値Th1とを比較することによって、軸受6が異常状態であるか否かを簡単に判定することができる。
この発明の第1実施形態に係る荷重検出装置には、以下に記載するような効果がある。
(1) この第1実施形態では、防振ゴム10に内蔵された状態でこの防振ゴム10に作用する荷重に応じて圧電ゴム部14が荷重検出信号を出力する。このため、防振ゴム10に作用する荷重をこの防振ゴム10と一体の圧電ゴム部14によって簡単に検出することができる。また、防振ゴム10の内部に圧電ゴム部14が埋設されているため、圧電ゴム部14を防振ゴム10によって保護することができる。
(2) この第1実施形態では、防振ゴム10が車両2の軸箱7の振動を抑える。このため、軸箱7の振動状態を圧電ゴム部14によって簡単に検出して、この軸箱7の振動状態を解析することができる。
(3) この第1実施形態では、軸箱7の上面部7aの全面と密着する密着面12cを防振ゴム10が備えている。このため、防振ゴム10の密着面12cと軸箱7の上面部7aの全面との間で広範囲に荷重を均等に作用させて、防振ゴム10によって振動を緩和させることができる。
(第2実施形態)
以下では、図1〜図5に示す部分と同一の部分については、同一の番号を付して詳細な説明を省略する。
図9〜図12に示す車両状態判定装置19は、圧電ゴム部14が出力する荷重検出信号の卓越周波数に基づいて軸箱7内の軸受6の状態を監視し、この軸受6の損傷のような異常状態の有無を判定する。ここで、卓越周波数とは、軸箱7の振動波形(荷重検出信号の波形)を周波数分析したときに振幅スペクトルが極大となる周波数である。車両状態判定装置19は、図1〜図4に示す車両状態判定装置19とは異なり、図9〜図12に示す卓越周波数演算部29などを備えている。
図13に示す縦軸は、圧電ゴム部14が出力する荷重検出信号の周波数解析後のスペクトル波形の電圧(mV)であり、横軸は周波数(Hz)である。図13に示す実線は、軸受6が損傷しているときに圧電ゴム部14が出力する荷重検出信号のフーリエスペクトルを示す波形であり、破線は軸受6が正常であるときに圧電ゴム部14が出力する荷重検出信号のフーリエスペクトルを示す波形である。図13に示すグラフは、図6に示すグラフと同様に、主電動機用軸受回転試験装置に同一形式の異常軸受と正常軸受とをそれぞれ装着して試験を実施したときの試験結果である。
図13に示すように、軸受6が損傷している場合と軸受6が正常である場合とでは、圧電ゴム部14が出力する荷重検出信号のスペクトル波形のピークが現れる周波数帯域が異なり、速度が変化すると圧電ゴム部14が出力する荷重検出信号のスペクトル波形のピークが現れる周波数も変化している。このように、軸受6が異常状態になると軸受6が正常状態であるときとは異なる周波数帯域に、荷重検出信号のスペクトル波形のピークが現れる。このため、軸受6が正常な場合の荷重検出信号のスペクトル波形と軸受6が異常な場合の荷重検出信号のスペクトル波形とを車両速度毎に比較することによって、軸受6の異常状態を判定することができる。例えば、図13(A)に示すように、車両速度30km/hに相当する場合には、軸受6が損傷状態であると70Hz又は150Hz付近の周波数帯域内に荷重検出信号のスペクトル波形のピークが現れることが確認されている。また、図13(B)に示すように、車両速度150km/hに相当する場合には、軸受6が損傷状態であると230Hz付近の周波数帯域内に荷重検出信号のスペクトル波形のピークが現れることが確認されている。このため、図13(A)に示すように、車両速度30km/hに相当する場合には、荷重検出信号のスペクトル波形のピークが70Hz又は150Hz付近の周波数帯域内に存在するか否かによって軸受6が異常状態であるか否かを判定可能である。また、図13(B)に示すように、車両速度150km/hに相当する場合には、荷重検出信号のスペクトル波形のピークが230Hz付近の周波数帯域内に存在するか否かによって軸受6が異常状態であるか否かを判定可能である。
図9〜図12に示す判定基準情報記憶部23は、軸受6の異常状態の有無を判定するときの判定基準となる基準周波数帯域(所定範囲)fthを判定基準情報として記憶するメモリなどである。判定基準情報記憶部23は、車両2が低速で走行しているときの判定基準となる低速走行時の基準周波数帯域fthと、車両2が高速で走行しているときの判定基準となる高速走行時の基準周波数帯域fthとを判定基準情報として記憶する。また、判定基準情報記憶部23は、軸受6の異常状態の有無を判定するときの判定基準となる基準周波数帯域fthが車両2の走行速度に応じて異なるときには、車両2の走行速度とこの走行速度に対応する基準周波数帯域fthとを判定基準情報として記憶する。判定基準情報記憶部23は、例えば、実際の鉄道車両又は軸受回転試験装置に同一形式の正常軸受と異常軸受とを取り付けて種々の速度で試験したときに、圧電ゴム部14が出力する荷重検出信号の卓越周波数から基準周波数帯域fthを特定し、この基準周波数帯域fthを判定基準情報として記憶している。
車両状態判定部25は、圧電ゴム部14が出力する荷重検出信号の卓越周波数が基準周波数帯域fth内であるときには、軸受6が異常状態であると判定する。一方、車両状態判定部25は、圧電ゴム部14が出力する荷重検出信号の卓越周波数が基準周波数帯域fth外であるときには、軸受6が正常状態であると判定する。ここで、図14に示すグラフは、圧電ゴム部14が出力する荷重検出信号のフーリエスペクトルを模式的に示す波形である。車両状態判定部25は、卓越周波数演算部29が演算した卓越周波数と基準周波数帯域fthとを比較し、図14(A)に示すようにこの卓越周波数が基準周波数帯域fth内であるときには軸受6が異常状態であると判定し、図14(B)に示すようにこの卓越周波数が基準周波数帯域fth外であるときには軸受6が正常状態であると判定する。
車両状態判定部25は、軸受6の状態を判定するための判定基準となる基準周波数帯域fthを車両2の走行速度に応じて変化させて、この軸受6の状態を判定する。車両状態判定部25は、例えば、図13(A)に示すように、車両2が30km/h程度の低速で走行しているときに、圧電ゴム部14が出力する荷重検出信号の卓越周波数が低速走行時の基準周波数帯域fth内であるか否かを判定する。車両状態判定部25は、例えば、図13(B)に示すように、車両2が150km/h程度の高速で走行しているときに、圧電ゴム部14が出力する荷重検出信号の卓越周波数が高速走行時の基準周波数帯域fth内であるか否かを判定する。
車両状態判定部25は、判定条件設定部24によって低速走行判定モードが設定されているときには、圧電ゴム部14が出力する荷重検出信号の卓越周波数が低速走行時の基準周波数帯域fth内であるか否かを判定する。車両状態判定部25は、判定条件設定部24によって高速走行判定モードが設定されているときには、圧電ゴム部14が出力する荷重検出信号の卓越周波数が高速走行時の基準周波数帯域fthを超えているか否かを判定する。車両状態判定部25は、判定条件設定部24によって現在走行判定モードが設定されているときには、圧電ゴム部14が出力する荷重検出信号の卓越周波数が現在走行時の基準周波数帯域fthを超えているか否かを判定する。
図9〜図12に示す卓越周波数演算部29は、圧電ゴム部14が出力する荷重検出信号の卓越周波数を演算する手段である。卓越周波数演算部29は、信号処理部21が出力する荷重検出信号を高速フーリエ変換(Fast Fourier Transformation(以下、FFTという))処理して、この荷重検出信号の卓越周波数を演算する演算回路などを備えている。卓越周波数演算部29は、演算後の卓越周波数を卓越周波数信号(卓越周波数情報)として制御部28に出力する。
次に、この発明の第2実施形態に係る車両状態判定装置の動作を説明する。
S210において、判定条件設定信号が判定条件設定部24から入力しているか否かを制御部28が判断し、S220において判定基準情報を判定基準情報記憶部23から制御部28が読み出す。例えば、車両所内で車両2を30km/h程度の低速で走行させた状態で軸受6の状態を判定するときには、乗務員が判定条件設定部24を操作して低速走行判定モードが設定される。この場合には、低速走行時の基準周波数帯域fthに対応する判定基準情報を判定基準情報記憶部23から制御部28が読み出して、この低速走行時の判定基準情報を制御部28が車両状態判定部25に出力する。一方、営業線で車両2を150km/h程度の高速で走行させた状態で軸受6の状態を判定するときには、乗務員が判定条件設定部24を操作して高速走行判定モードが設定される。この場合には、高速走行時の基準周波数帯域fthに対応する判定基準情報を判定基準情報記憶部23から制御部28が読み出して、この高速走行時の判定基準情報を制御部28が車両状態判定部25に出力する。また、営業線で車両2を任意の速度で走行させた状態で軸受6の状態を判定するときには、乗務員が判定条件設定部24を操作して現在走行判定モードが設定される。この場合には、速度検出信号入力部22から入力する速度検出信号に基づいて、車両2の現在の走行速度に対応する現在走行時の基準周波数帯域fthを判定基準情報記憶部23から制御部28が読み出して、この現在走行時の判定基準情報を制御部28が車両状態判定部25に出力する。
S230において、卓越周波数の演算を卓越周波数演算部29に制御部28が指令する。荷重検出信号入力部20が出力する荷重検出信号を卓越周波数演算部29に制御部28が出力すると、この荷重検出信号の卓越周波数を卓越周波数演算部29が演算する。例えば、図13に示すようなスペクトル波形のピークに相当する卓越周波数を卓越周波数演算部29が演算し、この卓越周波数信号を卓越周波数信号として制御部28に出力し、この卓越周波数信号を車両状態判定部25に制御部28が出力する。
S240において、軸受6の状態の判定を車両状態判定部25に制御部28が指令する。卓越周波数演算部29が出力する卓越周波数信号と制御部28が出力する判定基準情報とに基づいて、図14に示すように荷重検出信号の卓越周波数が基準周波数帯域fth内であるか否かを車両状態判定部25が判定する。図14(A)に示すように、荷重検出信号の卓越周波数が基準周波数帯域fth内であるときには、軸受6が異常状態であると車両状態判定部25が判定する。一方、図14(B)に示すように、荷重検出信号の卓越周波数が基準周波数帯域fth外であるときには、軸受6が正常状態であると車両状態判定部25が判定する。
S250において、判定結果の告知を判定結果告知部26に制御部28が指令し、S260において軸受6の状態の判定を終了するか否かを制御部28が判断する。車両2が運行を継続していると制御部28が判断したときにはS210に戻り、S210以降の車両状態判定処理を制御部28が繰り返す。
この発明の第2実施形態に係る車両状態判定装置には、第1実施形態の効果に加えて、以下に記載するような効果がある。
この第2実施形態では、圧電ゴム部14が出力する荷重検出信号の卓越周波数が基準周波数帯域fth内であるときには、軸受6が異常状態であると車両状態判定部25が判定し、圧電ゴム部14が出力する荷重検出信号の卓越周波数が基準周波数帯域fth外であるときには、軸受6が正常状態であると車両状態判定部25が判定する。このため、圧電ゴム部14が出力する荷重検出信号の卓越周波数と基準周波数帯域fthとを比較することによって、軸受6が異常状態であるか否かを簡単に判定することができる。
(第3実施形態)
図16〜図19に示す車両状態判定装置19は、図1〜図4及び図9〜図12に示す車両状態判定装置19とは異なり、図18に示すように荷重検出装置13C,13D及び判定条件設定部24を備えていない。図16〜図19に示す車両状態判定装置19は、図18に示すように、荷重検出装置13C側の圧電ゴム部14と荷重検出装置13D側の圧電ゴム部14とがそれぞれ出力する荷重検出信号の差に基づいて車軸5bの状態を監視し、図19に二点鎖線で示すような車軸5bのたわみに起因する車軸5bの変形のような異常状態の有無を判定する。車両状態判定装置19は、図19に示すように、車軸5bにたわみが発生すると車軸5bの端部側と車輪5a側とで防振ゴム10に作用する荷重が異なるため、車軸5bの端部側及び車輪5a側の圧電ゴム部14が出力する荷重検出信号の差に基づいて、車軸5bの状態を判定する。車両状態判定装置19は、図16〜図19に示すように、車軸たわみ量演算部30などを備えている。
図16〜図19に示す判定基準情報記憶部23は、車軸5bの状態を判定するときに基準となる判定基準を記憶する手段である。判定基準情報記憶部23は、車軸5bのたわみによる異常状態の有無を判定するときの判定基準となる基準範囲(所定範囲)Th3を判定基準情報として記憶するメモリなどである。判定基準情報記憶部23は、例えば、実際に鉄道車両の車軸5bのたわみを測定し、この車軸5bのたわみが異常状態になったときの荷重検出信号の電圧値から基準範囲Th3を特定し、この基準範囲Th3を判定基準情報として記憶している。
車両状態判定部25は、車軸5bの端部側及び車輪5a側の圧電ゴム部14が出力する荷重検出信号に基づいて、車両2の車軸5bの状態を判定する。車両状態判定部25は、例えば、図18に示すように、1つの防振ゴム10内の2つの圧電ゴム部14が出力する2つの荷重検出信号の差分を解析して、車両2の車軸5bの状態を判定する。車両状態判定部25は、車軸5bの端部側及び車輪5a側の圧電ゴム部14が出力する荷重検出信号に基づいて、図19に示す車軸5bのたわみに起因する車軸5bの変形のような異常状態の有無を判定する。
車両状態判定部25は、車軸5bの端部側及び車輪5a側の圧電ゴム部14が出力する荷重検出信号の差が基準範囲Th3外であるときには、車軸5bのたわみが異常状態であると判定する。一方、車両状態判定部25は、車軸5bの端部側及び車輪5a側の圧電ゴム部14が出力する荷重検出信号の差が基準範囲Th3内であるときには、車軸5bのたわみが正常状態であると判定する。ここで、図20に示すグラフは、車軸たわみ量演算部30が出力する車軸たわみ量信号の時間変化を模式的に示す波形である。図20に示すように、時間t31〜t32において車軸5bに異常なたわみが発生して車軸5bが上側に凸状態にたわみ、車軸たわみ量信号が基準範囲Th3を上回り、車軸たわみ量信号に異常値が出力されている。また、図20に示すように、時間t33〜t34において車軸5bに異常なたわみが発生して車軸5bが下側に凸状態にたわみ、車軸たわみ量信号が基準範囲Th3を下回り、車軸たわみ量信号に異常値が出力されている。車両状態判定部25は、図20に示すように、車軸たわみ量演算部30が出力する車軸たわみ量信号の電圧値と基準範囲Th3とを比較し、この電圧値が基準範囲Th3外であるときには車軸5bが異常状態であると判定し、この電圧値が基準範囲Th3内であるときには車軸5bが正常状態であると判定する。
車両状態判定部25は、例えば、時間t31まで車軸たわみ量信号のレベルが基準範囲Th3内であり、時間t32〜t33では車軸たわみ量信号のレベルが基準範囲Th3内であり、時間t34以降では車軸たわみ量信号のレベルが基準範囲Th3内であるため、軸受6が正常状態であると判定する。一方、車両状態判定部25は、時間t31,t33において車軸たわみ量信号のレベルが基準範囲Th3外になってから時間t32,t34において車軸たわみ量信号のレベルが基準範囲Th3内になるまでの経過時間を計測し、この経過時間が所定時間T3以下(T3≧t32−t31又はT3≧t34−t33)であるときには、車軸5bが異常状態であると判定する。車両状態判定部25は、車軸5bの異常状態の有無の判定結果を判定結果信号(判定結果情報)として制御部28に出力する。ここで、所定時間T3は、例えば、車軸5bが異常状態になるときには車軸たわみ量信号のレベルの異常値が瞬間的に発生するため、車軸5bの異常状態が正確に判定されるように比較的短い時間に設定される。
判定結果告知部26は、例えば、車軸5bが異常状態であると車両状態判定部25が判定したときに、この車両状態判定部25の判定結果を乗務員などに警告する。制御部28は、例えば、信号処理部21が出力する荷重検出信号を車軸たわみ量演算部30に出力したり、車両状態判定部25に軸受6の状態の判定を指令したり、車軸たわみ量演算部30に車軸5bのたわみ量の演算を指令したりする。制御部28には、荷重検出信号入力部20、信号処理部21、判定基準情報記憶部23、車両状態判定部25、判定結果告知部26、プログラム記憶部27、車軸たわみ量演算部30などが相互に通信可能なように接続されている。
車軸たわみ量演算部30は、車軸5bの端部側及び車輪5a側の圧電ゴム部14が出力する荷重検出信号に基づいて、車軸5bのたわみ量を演算する手段である。車軸たわみ量演算部30は、図19に示すように、車軸5bにたわみが発生したときに、図18に示す車軸5bの端部側の荷重検出装置13Cの圧電ゴム部14が出力する荷重検出信号と、車輪5a側の荷重検出装置13Dの圧電ゴム部14が出力する荷重検出信号との差に基づいて、車軸5bのたわみ量を演算する。車軸たわみ量演算部30は、防振ゴム10に作用する荷重に応じて圧電ゴム部14が出力する荷重検出信号の差分に基づいて車軸5bのたわみ量を演算し、この演算結果を車軸たわみ量信号(車軸たわみ量情報)として制御部28に出力する。
次に、この発明の第3実施形態に係る車両状態判定装置の動作を説明する。
図21に示すS400において、プログラム記憶部27から車両状態判定プログラムを制御部28が読み込み、S410において、判定基準情報を判定基準情報記憶部23から制御部28が読み出す。基準範囲Th3に対応する判定基準情報を判定基準情報記憶部23から制御部28が読み出して、この判定基準情報を制御部28が車両状態判定部25に出力する。
S330において、車軸たわみ量の演算を車軸たわみ量演算部30に制御部28が指令する。荷重検出信号入力部20が出力する荷重検出信号を車軸たわみ量演算部30に制御部28が出力すると、この荷重検出信号に基づいて車軸5bのたわみ量を車軸たわみ量演算部30が演算する。例えば、図19に二点鎖線で示すような車軸5bのたわみ量を車軸たわみ量演算部30が演算し、この車軸5bのたわみ量に応じた車軸たわみ量信号を車軸たわみ量演算部30が制御部28に出力し、この車軸たわみ量信号を車両状態判定部25に制御部28が出力する。
S340において、車軸5bの状態の判定を車両状態判定部25に制御部28が指令する。車軸たわみ量演算部30が出力する車軸たわみ量信号と制御部28が出力する判定基準情報とに基づいて、図20に示すように車軸たわみ量信号の電圧値が基準範囲Th3の範囲内であるか否かを車両状態判定部25が判定する。車軸たわみ量信号の電圧値が基準範囲Th3外であるときには、軸受6が異常状態であると車両状態判定部25が判定し、車軸たわみ量信号の電圧値が基準範囲Th3内であるときには、車軸5bが正常状態であると車両状態判定部25が判定する。これらの判定結果を判定結果信号として車両状態判定部25が制御部28に出力する。
S350において、判定結果の告知を判定結果告知部26に制御部28が指令する。その結果、判定結果告知部26が車両2内の乗務員に車軸5bが異常状態であることを告知する。S360において、車軸5bの状態の判定を終了するか否かを制御部28が判断する。車両2が運行を継続していると制御部28が判断したときにはS310に戻り、S310以降の車両状態判定処理を制御部28が繰り返す。
この発明の第3実施形態に係る車両状態判定装置には、第1実施形態及び第2実施形態の効果に加えて、以下に記載するような効果がある。
(1) この第3実施形態では、圧電ゴム部14が出力する荷重検出信号に基づいて、車両2の軸受6が支持する車軸5bの状態を車両状態判定部25が判定する。このため、車軸5bの状態を監視することによって、車軸5bのたわみに起因する車軸5bの変形などの異常状態を判定することができる。
(2) この第3実施形態では、車軸5bの端部側及び車輪5a側の圧電ゴム部14が出力する荷重検出信号の差が基準範囲Th3外であるときには車軸5bのたわみが異常状態であると車両状態判定部25が判定し、車軸5bの端部側及び車輪5a側の圧電ゴム部14が出力する荷重検出信号の差が基準範囲Th3内であるときには車軸5bのたわみが正常状態であると車両状態判定部25が判定する。このため、圧電ゴム部14が出力する荷重検出信号の差と基準範囲Th3とを比較することによって、車軸5bが異常状態であるか否かを簡単に判定することができる。
(第4実施形態)
図22〜図25に示す車両状態判定装置19は、圧電ゴム部14が出力する荷重検出信号に基づいて車両2の輪重変動の程度を監視し、この車両2の輪重減少に起因する走行安全性に関する異常状態の有無を判定する。ここで、輪重とは、車両2の車輪5aとレール1aとの接触点に作用する垂直方向の力であり、車輪5aとレール1aとの間に作用する力のうちレール1aの長さ方向に対して垂直な面内にある上下方向成分の分力である。輪重変動とは、軌道1上を車両2が走行状態であるときに測定した左右の車輪5aの輪重である動的輪重から、平坦な軌道1上で車両2が停止状態又は低速走行状態であるときに測定した左右の車輪5aの輪重である静止輪重を差し引いた変動分の荷重である。輪重減少(輪重抜け)とは、静止輪重よりも動的輪重が小さい状態である。車両状態判定装置19は、図22〜図25に示すように、輪重変動量演算部31などを備えている。
図22〜図25に示す判定基準情報記憶部23は、車両2の輪重変動の程度を判定するときに基準となる判定基準を記憶する手段である。判定基準情報記憶部23は、車両2の輪重変動の程度を判定するときの判定基準となるしきい値(所定値)Th4を判定基準情報として記憶するメモリなどである。判定基準情報記憶部23は、例えば、実際に鉄道車両の輪重を測定し、輪重減少の程度が異常状態になったときの荷重検出信号の電圧値からしきい値Th4を特定し、このしきい値Th4を判定基準情報として記憶している。
車両状態判定部25は、圧電ゴム部14が出力する荷重検出信号に基づいて、車両2の輪重変動の程度を判定する。車両状態判定部25は、例えば、図24に示すように、1つの防振ゴム10内の4つの圧電ゴム部14が出力する4つの荷重検出信号をそれぞれ解析して、車両2の輪重変動の程度を判定する。車両状態判定部25は、例えば、圧電ゴム部14が出力する荷重検出信号に基づいて、輪重減少による走行安全性の有無を判定する。
車両状態判定部25は、圧電ゴム部14が出力する荷重検出信号の大きさがしきい値Th4を下回るときには、輪重変動の程度が異常状態であると判定する。一方、車両状態判定部25は、圧電ゴム部14が出力する荷重検出信号の大きさがしきい値Th4以上であるときには、輪重変動の程度が正常状態であると判定する。ここで、図26に示すグラフは、輪重変動量演算部31が出力する輪重変動量信号の時間変化を模式的に示す波形である。図26に示すように、時間t41〜t42において輪重変動量信号に異常値が出力されており輪重減少が発生している。車両状態判定部25は、信号処理部21が出力する荷重検出信号の電圧値としきい値Th4とを比較し、この電圧値がしきい値Th4を下回るときには輪重変動の程度が異常状態であると判定し、この電圧値がしきい値Th4以上であるときには輪重変動の程度が正常状態であると判定する。
車両状態判定部25は、例えば、時間t41まで輪重変動量信号のレベルがしきい値Th4以上であり、時間t42以降でも輪重変動量信号のレベルがしきい値Th4以上であるため、輪重変動の程度が正常状態であると判定する。一方、車両状態判定部25は、時間t41において輪重変動量信号のレベルがしきい値Th4を下回ってから時間t42において輪重変動量信号のレベルがしきい値Th4以上になるまでの経過時間を計測し、この経過時間が所定時間T4以下(T4≧t42−t41)であるときには、輪重変動の程度が異常状態であると判定する。ここで、所定時間T4は、例えば、輪重減少のような異常状態になるときには輪重変動量信号のレベルの異常値が瞬間的に発生するため、輪重変動の程度が正確に判定されるように比較的短い時間に設定される。車両状態判定部25は、輪重変動による異常状態の有無の判定結果を判定結果信号(判定結果情報)として制御部28に出力する。
図22〜図25に示す判定結果告知部26は、例えば、輪重変動の程度が異常状態であると車両状態判定部25が判定したときに、この車両状態判定部25の判定結果を乗務員などに警告する。制御部28は、例えば、信号処理部21が出力する荷重検出信号を輪重変動量演算部31に出力したり、車両状態判定部25に輪重変動の程度の判定を指令したり、輪重変動量演算部31に輪重変動量の演算を指令したりする。制御部28には、荷重検出信号入力部20、信号処理部21、判定基準情報記憶部23、車両状態判定部25、判定結果告知部26、プログラム記憶部27、輪重変動量演算部31などが相互に通信可能なように接続されている。
輪重変動量演算部31は、圧電ゴム部14が出力する荷重検出信号に基づいて、輪重変動量を演算する手段である。輪重変動量演算部31は、圧電ゴム部14が出力する荷重検出信号に基づいて動的輪重を演算し、静止輪重からこの動的輪重を減算して輪重変動量を演算する。輪重変動量演算部31は、防振ゴム10に作用する荷重に応じて圧電ゴム部14が出力する荷重検出信号に基づいて輪重変動量を演算し、この演算結果を輪重変動量演算信号(輪重変動量演算情報)として制御部28に出力する。
次に、この発明の第4実施形態に係る車両状態判定装置の動作を説明する。
図27に示すS400において、プログラム記憶部27から車両状態判定プログラムを制御部28が読み込み、S410において判定基準情報を判定基準情報記憶部23から制御部28が読み出す。しきい値Th4に対応する判定基準情報を判定基準情報記憶部23から制御部28が読み出して、この判定基準情報を制御部28が車両状態判定部25に出力する。
S430において、輪重変動量の演算を輪重変動量演算部31に制御部28が指令する。荷重検出信号入力部20が出力する荷重検出信号を輪重変動量演算部31に制御部28が出力すると、この荷重検出信号に基づいて輪重変動量を輪重変動量演算部31が演算する。輪重変動量演算部31が輪重変動量に応じた輪重変動量信号を制御部28に出力し、この輪重変動量信号を車両状態判定部25に制御部28が出力する。
S440において、輪重変動の程度の判定を車両状態判定部25に制御部28が指令する。輪重変動量演算部31が出力する輪重変動量信号と制御部28が出力する判定基準情報とに基づいて、図26に示すように輪重変動量信号の電圧値がしきい値Th4を下回るか否かを車両状態判定部25が判定する。輪重変動量演算信号の電圧値がしきい値Th4を下回るときには、輪重変動の程度が異常状態であると車両状態判定部25が判定する。一方、輪重変動量演算信号の電圧値がしきい値Th4以上であるときには、輪重変動の程度が正常状態であると車両状態判定部25が判定する。これらの判定結果を判定結果信号として車両状態判定部25が制御部28に出力する。
S450において、判定結果の告知を判定結果告知部26に制御部28が指令する。その結果、判定結果告知部26が車両2内の乗務員に輪重変動の程度が異常状態であることを告知する。S440において、輪重変動の程度の判定を終了するか否かを制御部28が判断する。車両2が運行を継続していると制御部28が判断したときにはS410に戻り、S410以降の車両状態判定処理を制御部28が繰り返す。
この発明の第4実施形態に係る車両状態判定装置には、第1実施形態〜第3実施形態の効果に加えて、以下に記載するような効果がある。
(1) この第4実施形態では、圧電ゴム部14が出力する荷重検出信号に基づいて、車両2の輪重変動の程度を車両状態判定部25が判定する。このため、輪重変動の程度を監視することによって、輪重減少に起因する走行安全性の低下などの異常状態を判定することができる。
(2) この第4実施形態では、圧電ゴム部14が出力する荷重検出信号の大きさがしきい値Th4を下回るときには輪重変動の程度が異常状態であると車両状態判定部25が判定し、圧電ゴム部14が出力する荷重検出信号の大きさがしきい値Th4以上であるときには輪重変動の程度が正常状態であると車両状態判定部25が判定する。このため、圧電ゴム部14が出力する荷重検出信号としきい値Th4とを比較することによって、輪重変動の程度が異常状態であるか否かを簡単に判定することができる。
(第5実施形態)
図28に示す防振ゴム10は、図5に示す防振ゴム10とは異なり金具部12Bを備えておらず、図28(A)に示すように平面形状が略四角形の板状部材であり、新幹線車両の台車などに使用される。図28に示す軸箱7は、図5に示す上面部7aとは異なり、上面部7aが凸状面に形成されている。上面部7aは、図28(A)に示すように、平坦面7c,7dと傾斜面7eなどを備えている。平坦面7cは、上面部7aの凸部であり、車軸5bの長さ方向に沿って上面部7aの中央部にこの上面部7aよりも高く形成されている。平坦面7dは、上面部7aの凹部であり、車軸5bの長さ方向に沿ってこの上面部7aの端部に形成されている。傾斜面7eは、上面部7aの段部であり、平坦面7cと平坦面7dとを繋ぐようにこれらの平坦面7c,7dと連続して形成されている。
図28に示すゴム部11は、図5に示すゴム部11とは異なり、密着面11bなどを備えており、この密着面11bは軸箱7の上面部7aの端部のみと密着する部分である。ゴム部11は、図28(B)に示すように、上面部7aの平坦面7d及び傾斜面7eと密着面11bとが密着しており、これらの間で荷重を均等に作用させる。ゴム部11は、上面部7aの平坦面7cと金具部12Aとの間に隙間を形成するようにこの平坦面7cとは密着しておらず、この密着面11bと平坦面7cとの間で荷重を作用させない。
図28に示す荷重検出装置13A〜13Dは、図5に示す荷重検出装置13A〜13Dとは異なり、図28(A)に示すように防振ゴム10の中心線に対して等間隔に左右に2つずつ配置されている。荷重検出装置13A,13Cは、車軸5bの端部側に配置されており、荷重検出装置13B,13Dは車輪5a側に配置されている。
この発明の第5実施形態に係る荷重検出装置には、以下に記載するような効果がある。
この第5実施形態では、軸箱7の上面部7aの端部のみと密着する密着面11bを防振ゴム10が備えている。このため、軸箱7の上面部7aのうち比較的剛性の低い上面部7aの中央部と防振ゴム10の密着面11bとを接触させず、軸箱7の上面部7aのうち比較的剛性の高い上面部7aの端部と防振ゴム10の密着面11bとを接触させることができる。その結果、軸箱7の上面部7aの端部と防振ゴム10の密着面11bとの間でのみ荷重を作用させて、軸箱7の中央部に過大な荷重が作用するのを防ぐことができる。
(他の実施形態)
この発明は、以上説明した実施形態に限定するものではなく、以下に記載するように種々の変形又は変更が可能であり、これらもこの発明の範囲内である。
(1) この実施形態では、台車4が軸はり式台車である場合を例に挙げて説明したが、2枚の板ばねによって軸箱7と台車枠8とを連結する板ばね式台車、又は平行リンク機構を構成する段違いの2つのリンク部材によって軸箱7と台車枠8とを連結するリンク式台車などについても、この発明を適用することができる。また、この実施形態では、軸箱7の振動を抑える防振ゴム10に作用する荷重を荷重検出装置13A〜13Dによって検出する場合を例に挙げて説明したが、軸箱7以外の物体の振動を抑える防振ゴムについても、この発明を適用することができる。さらに、この実施形態では、防振ゴム10内に圧電ゴム部14を4つ配置する構造を例に挙げて説明したが、このような構造に限定するものではない。例えば、円環状の一つの圧電ゴムに電極部を複数貼り付けた構造にすることもできる。
(2) この第1実施形態では、車両2の速度に応じてしきい値Th1を設定して、このしきい値Th1によって車両2の軸受6の状態を判定する場合を例に挙げて説明したが、このような判定方法に限定するものではない。同様に、この第2実施形態では、車両2の速度に応じて基準周波数帯域fthを設定して、この基準周波数帯域fthによって車両2の軸受6の状態を判定する場合を例に挙げて説明したが、このような判定方法に限定するものではない。例えば、低速走行時又は高速走行時のいずれか一方のしきい値Th1又は基準周波数帯域fthのみを設定し、所定の低速度又は高速度になったときのしきい値Th1又は基準周波数帯域fthによって自動的に車両2の軸箱7の状態を判定することができる。また、この第1実施形態、第2実施形態及び第4実施形態では、荷重検出装置13A〜13Dの各圧電ゴム部14が出力する4つの荷重検出信号についてそれぞれ解析しているが、圧電ゴム部14が出力する4つの荷重検出信号を平均化して解析することもできる。
(3) この第1実施形態、第2実施形態及び第4実施形態では、荷重検出装置13A〜13Dを防振ゴム10内に4つ配置する場合を例に挙げて説明したが、設置個数を4つ限定するものではなく任意の個数を配置することもできる。例えば、荷重検出装置13A,13Bを省略して荷重検出装置13C,13Dのみを防振ゴム10内に配置することもできる。同様に、この第3実施形態では、荷重検出装置13C,13Dを防振ゴム10内に2つ配置する場合を例に挙げて説明したが、設置個数を2つに限定するものではなく3つ以上配置することもできる。また、この第5実施形態では、荷重検出装置13A〜13Dを左右のゴム部11に2つずつ配置する場合を例に挙げて説明したが、左右のゴム部11に1つずつ配置することもできる。
1 軌道
1a レール
2 車両
3 車体
4 台車
5 輪軸
5a 車輪
5b 車軸
6 軸受
7 軸箱
7a 上面部
7b 心棒
7c 平坦面(中央部)
7d 平坦面(端部)
7e 傾斜面(端部)
8 台車枠
9 軸ばね
10 防振ゴム
11 ゴム部
11a 貫通孔
11b 密着面
12A,12B 金具部
12a,12b 貫通孔
12c 密着面
13A〜13D 荷重検出装置
14 圧電ゴム部
15A,15B 電極部
16 保護部
17A,17B 導電部
18 速度検出装置
19 車両状態判定装置
20 荷重検出信号入力部
21 信号処理部
22 速度検出信号入力部
23 判定基準情報記憶部
24 判定条件設定部
25 車両状態判定部
26 判定結果告知部
27 プログラム記憶部
28 制御部
29 卓越周波数演算部
30 車軸たわみ量演算部
31 輪重変動量演算部
Th1 しきい値(所定値)
th 基準周波数帯域(所定範囲)
Th3 基準範囲(所定範囲)
Th4 しきい値(所定値)
1,T3,T4 所定時間

Claims (19)

  1. 車両の軸箱の振動を抑える防振ゴムに作用する荷重を検出することによって、この車両の状態を判定する車両状態判定装置であって、
    前記防振ゴムに内蔵された圧電ゴム部がこの防振ゴムに作用する荷重に応じて出力する電気信号に基づいて、前記車両の状態を判定する車両状態判定部を備えること、
    を特徴とする車両状態判定装置。
  2. 請求項1に記載の車両状態判定装置において、
    前記車両状態判定部は、前記圧電ゴム部が出力する電気信号に基づいて、前記車両の軸受の状態を判定すること、
    を特徴とする車両状態判定装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の車両状態判定装置において、
    前記車両状態判定部は、前記圧電ゴム部が出力する電気信号の大きさが所定値を超えるときには前記軸受が異常状態であると判定し、前記圧電ゴム部が出力する電気信号の大きさが所定値以下であるときには前記軸受が正常状態であると判定すること、
    を特徴とする車両状態判定装置。
  4. 請求項1又は請求項2に記載の車両状態判定装置において、
    前記車両状態判定部は、前記圧電ゴム部が出力する電気信号の卓越周波数が所定範囲内であるときには前記軸受が異常状態であると判定し、前記圧電ゴム部が出力する電気信号の卓越周波数が所定範囲外であるときには前記軸受が正常状態であると判定すること、
    を特徴とする車両状態判定装置。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の車両状態判定装置において、
    前記車両状態判定部は、前記圧電ゴム部が出力する電気信号に基づいて、前記車両の軸受が支持する車軸の状態を判定すること、
    を特徴とする車両状態判定装置。
  6. 請求項5に記載の車両状態判定装置において、
    前記車両状態判定部は、前記車軸の端部側及び車輪側の圧電ゴム部が出力する電気信号の差が所定範囲外であるときには前記車軸のたわみが異常状態であると判定し、前記車軸の端部側及び車輪側の圧電ゴム部が出力する電気信号の差が所定範囲内であるときには前記車軸のたわみが正常状態であると判定すること、
    を特徴とする車両状態判定装置。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の車両状態判定装置において、
    前記車両状態判定部は、前記圧電ゴム部が出力する電気信号に基づいて、前記車両の輪重変動の程度を判定すること、
    を特徴とする車両状態判定装置。
  8. 請求項7に記載の車両状態判定装置において、
    前記車両状態判定部は、前記圧電ゴム部が出力する電気信号の大きさが所定値を下回るときには前記輪重変動の程度が異常状態であると判定し、前記圧電ゴム部が出力する電気信号の大きさが所定値以上であるときには前記輪重変動の程度が正常状態であると判定すること、
    を特徴とする車両状態判定装置。
  9. 車両の軸箱の振動を抑える防振ゴムに作用する荷重を検出することによって、この車両の状態を判定する車両状態判定プログラムであって、
    前記防振ゴムに内蔵された圧電ゴム部がこの防振ゴムに作用する荷重に応じて出力する電気信号に基づいて、前記車両の状態を判定する車両状態判定手順をコンピュータに実行させること、
    を特徴とする車両状態判定プログラム。
  10. 請求項9に記載の車両状態判定プログラムにおいて、
    前記車両状態判定手順は、前記圧電ゴム部が出力する電気信号に基づいて、前記車両の軸受の状態を判定する手順を含むこと、
    を特徴とする車両状態判定プログラム。
  11. 請求項9又は請求項10に記載の車両状態判定プログラムにおいて、
    前記車両状態判定手順は、前記圧電ゴム部が出力する電気信号の大きさが所定値を超えるときには前記軸受が異常状態であると判定し、前記圧電ゴム部が出力する電気信号の大きさが所定値以下であるときには前記軸受が正常状態であると判定する手順を含むこと、
    を特徴とする車両状態判定プログラム。
  12. 請求項9又は請求項10に記載の車両状態判定プログラムにおいて、
    前記車両状態判定手順は、前記圧電ゴム部が出力する電気信号の卓越周波数が所定範囲内であるときには前記軸受が異常状態であると判定し、前記圧電ゴム部が出力する電気信号の卓越周波数が所定範囲外であるときには前記軸受が正常状態であると判定する手順を含むこと、
    を特徴とする車両状態判定プログラム。
  13. 請求項9から請求項12までのいずれか1項に記載の車両状態判定プログラムにおいて、
    前記車両状態判定手順は、前記圧電ゴム部が出力する電気信号に基づいて、前記車両の軸受が支持する車軸の状態を判定する手順を含むこと、
    を特徴とする車両状態判定プログラム。
  14. 請求項13に記載の車両状態判定プログラムにおいて、
    前記車両状態判定手順は、前記車軸の端部側及び車輪側の圧電ゴム部が出力する電気信号の差が所定範囲外であるときには前記車軸のたわみが異常状態であると判定し、前記車軸の端部側及び車輪側の圧電ゴム部が出力する電気信号の差が所定範囲内であるときには前記車軸のたわみが正常状態であると判定する手順を含むこと、
    を特徴とする車両状態判定プログラム。
  15. 請求項9から請求項14までのいずれか1項に記載の車両状態判定プログラムにおいて、
    前記車両状態判定手順は、前記圧電ゴム部が出力する電気信号に基づいて、前記車両の輪重変動の程度を判定する手順を含むこと、
    を特徴とする車両状態判定プログラム。
  16. 請求項15に記載の車両状態判定プログラムにおいて、
    前記車両状態判定手順は、前記圧電ゴム部が出力する電気信号の大きさが所定値を下回るときには前記輪重変動の程度が異常状態であると判定し、前記圧電ゴム部が出力する電気信号の大きさが所定値以上であるときには前記輪重変動の程度が正常状態であると判定する手順を含むこと、
    を特徴とする車両状態判定プログラム。
  17. 車両の軸箱の振動を抑える防振ゴムに作用する荷重を検出する荷重検出装置であって、
    前記防振ゴムに内蔵された状態でこの防振ゴムに作用する荷重に応じて電気信号を出力する圧電ゴム部を備えること、
    を特徴とする荷重検出装置。
  18. 請求項17に記載の荷重検出装置において、
    前記防振ゴムは、前記軸箱の上面部の全面と密着する密着面を備えること、
    を特徴とする荷重検出装置。
  19. 請求項17に記載の荷重検出装置において、
    前記防振ゴムは、前記軸箱の上面部の端部のみと密着する密着面を備えること、
    を特徴とする荷重検出装置。
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