JP6179423B2 - 硫黄含有ニッケル粉末の製造方法 - Google Patents

硫黄含有ニッケル粉末の製造方法 Download PDF

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本発明は、硫黄含有ニッケル粉末の製造方法に関し、さらに詳しくは、積層セラミックコンデンサの内部電極に好適な硫黄含有ニッケル粉末の低コストかつ効率的な製造方法に関する。
ニッケル粉末は、厚膜導電体を作製するための導電ペーストの材料として、使用されている。厚膜導電体は、電気回路の形成や、積層セラミックコンデンサおよび多層セラミック基板等の積層セラミック部品の電極などに用いられている。
特に、積層セラミックコンデンサは、内部電極層と誘電体層とが交互に積み重なり、両端に外部電極が設けられた構造となっており、次のように製造されている。
先ず、ニッケル粉末とエチルセルロース等の樹脂とターピネオール等の有機溶剤等とを混練した導電ペーストをスクリーン印刷した誘電体グリーンシートを作製する。印刷された導電ペーストが交互に重なるように誘電体グリーンシートを積層し、圧着する。
その後、積層体を所定の大きさにカットし、有機バインダとして使用したエチルセルロース等の樹脂の燃焼、除去を行う脱バインダ処理を行って、1300℃まで高温焼成する。そして、このセラミック体に外部電極を取り付けて、積層セラミックコンデンサとする。
内部電極となる上記導電ペースト中の金属粉末は、貴金属よりもニッケルなどの卑金属が主流となっていることから、積層体の脱バインダ処理は、ニッケル粉末などが酸化しないように、極めて微量の酸素を含んだ雰囲気にて行われる。
近年、小型化、大容量化が求められている積層セラミックコンデンサは、内部電極、誘電体ともに薄層化が進められている。特に内部電極に使用されるニッケル粉末の粒径は、0.5μm以下が主流となっている。
しかし、微細なニッケル粉末は、触媒活性を有しており、脱バインダ工程時に樹脂が低温で分解ガス化し、層間剥離を起こしてしまうため、触媒活性を制御しておく必要がある。また、微細なニッケル粉末は、積層体の高温焼成時に、誘電体よりも低温で焼結を開始してしまい、内部電極の不連続性を引き起こしたり、誘電体よりも熱収縮が大きいため、誘電体層と内部電極層の剥離を引き起こしたりする問題がある。
この問題を解決するため、硫化物を含む水溶液を用いて、ニッケル粉末の表面に硫黄を含有させ、触媒活性を制御し、かつ熱挙動を改善したニッケル粉末を得る方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この方法によれば、ニッケル粉末の表面に大部分の硫黄が硫化物の形態で含有されることになるので、触媒活性を制御しつつ熱挙動を改善できるものの、硫黄を硫化物の状態で保持するために、酸素との接触を避ける設備上の対策が必要であるといった問題点、ニッケル粉末を得た工程の後に硫化物処理する工程があり、工程が長くなるといった問題点がある。また、水溶性の硫化物は、反応性が高いために、ニッケルスラリーに水溶性の硫化物を添加しても、ニッケル粉末の表面全体に、均一に表面に付着させることが困難であった。
触媒活性や熱挙動の問題点、ニッケル粉末表面に均一に硫黄を含有させにくいといった問題点、処理工程が長くなることによるコストアップといった問題を解決する方法として、湿式還元系内に硫黄粉末を添加してニッケルを還元析出させ、ニッケル粉末の表面に硫黄を含有させる方法、湿式還元系内にめっき用の光沢剤を添加してニッケル粉末を還元析出させ、ニッケル粉末の表面に硫黄を含有させる方法が挙げられている(例えば、特許文献2参照)。
一般に、湿式還元反応で得られるニッケル粉末は、一次粒子として30nm以下の微結晶粒子が析出し、この微結晶粒子が凝集して0.05〜0.30μmの概球形の二次粒子を形成している。また、特許文献2の電子顕微鏡の写真も、30nm以下の一次粒子の微結晶が凝集して、0.1μm程度の二次粒子を形成していることを示す表面凹凸を有している。
このような湿式還元反応で得られるニッケル粉末のうち積層セラミックコンデンサに適しているニッケル粉末としては、触媒活性の制御のために、二次粒子であるニッケル粉末表面に硫化ニッケルが存在していること、かつ、1300℃まで高温焼成された際に、連続的な膜状態の内部電極を得るために熱挙動の制御が重要であることが分かっている。
本発明者らの詳細な検討では、好適な連続膜となるためには、粉末の熱収縮挙動において、600℃以上で最大収縮率に到達した後は、ほぼ一定の状態が保持されていることが重要であり、その所望の焼結挙動が得られる湿式還元反応によるニッケル粉末としては0.05〜0.30μmの二次粒子内に硫黄が含まれていることが重要であることが分かっている。
さらに調査すると、湿式還元反応で得られた0.05〜0.30μmの二次粒子内に硫黄が含まれていない場合、600℃での焼結状態が適度な再配列過程となっておらず、その結果、1300℃まで焼成した際に、過焼結となり空孔ができる状態になったり、焼結が進行せず、緻密な膜になっていない状態となったりし、理想とする緻密化した膜を得ることができないことになる。
このため、前記のような湿式還元系内に硫黄粉末または硫黄化合物を添加して、ニッケルを還元析出させ、ニッケル粉末の表面に硫黄を含有させる方法では、膜の緻密化が不十分となる。また、例えば、ニッケル粉末成長の核となるニッケルより貴な金属粒子を含むコロイド水溶液に、硫化物、還元剤、ニッケル塩水溶液を添加しても、硫化物には還元作用があるため、球状の単分散のニッケル粉末を得ることは難しい。
こうした背景から、より低コストでニッケル粉末を得られる湿式還元反応を用いて、表面には硫化物形態の硫黄が十分に形成されている微細なニッケル粉末を得られる手法が求められている。
特開2010−043339号公報 特開2012−122122号公報
本発明の目的は、上記従来技術の問題点に鑑み、積層セラミックコンデンサの内部電極として好適な硫黄含有ニッケル粉末を、低コストかつ容易に製造することにあり、具体的には、積層セラミックコンデンサを製造する際の焼成工程において、1300℃まで高温焼成しセラミック体を得る際に好適な内部電極層を形成できる熱挙動を示すこと、つまり最大収縮率に達した後、その状態が維持される熱挙動が改善された硫黄含有ニッケル粉末の製造方法を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成するために、鋭意研究した結果、湿式還元反応を用いるニッケル粉末の製造工程において、ニッケルより貴な金属粒子を含むコロイド水溶液に、還元剤、ニッケル塩水溶液を添加してニッケル粉末の晶析開始後、所定の時間が経過してから硫化物を添加するなど特定の条件でニッケル粉末に硫黄を含有させることで、積層セラミックコンデンサの内部電極に好適な硫黄含有ニッケル粉末を得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、ニッケルよりも貴な金属の塩と保護コロイド剤との複合コロイド粒子が分散したコロイド水溶液を作製する工程(A)と、該コロイド水溶液に、錯化剤、アルカリ性物質、還元剤を混合した混合液にニッケル塩水溶液を添加した後に、ニッケル粉末を晶析させながら、硫化物を添加することによって十分な量の硫黄を含有する微細なニッケル粉末を生成させる工程(B)と、ニッケル粉末を含むスラリーを固液分離した後、乾燥させる工程(C)からなり、前記工程(B)において、前記混合液にニッケル塩水溶液を添加してから、1.5〜15分経過後に硫化物を添加することを特徴とする硫黄含有ニッケル粉末の製造方法が提供される。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、前記硫化物は、硫化水素ナトリウム、硫化水素アンモニウム、硫化ナトリウムまたは硫化アンモニウムのいずれか一つ以上を含むことを特徴とする硫黄含有ニッケル粉末の製造方法が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第1又は2の発明において、前記硫化物は、得られるニッケル粉末の硫黄含有量が0.05〜1.00質量%となる量を添加することを特徴とする硫黄含有ニッケル粉末の製造方法が提供される。
また、本発明の第4の発明によれば、第1〜3のいずれかの発明において、前記ニッケルよりも貴な金属の塩は、パラジウム塩または銀塩のいずれか一つ以上を含むことを特徴とする硫黄含有ニッケル粉末の製造方法が提供される。
さらに、本発明の第5の発明によれば、第1〜4のいずれかの発明において、前記ニッケル塩水溶液は、塩化ニッケル水溶液であることを特徴とする硫黄含有ニッケル粉末の製造方法が提供される。
また、本発明の第6の発明によれば、第1〜5のいずれかの発明において、前記還元剤は、ヒドラジンであることを特徴とする硫黄含有ニッケル粉末の製造方法が提供される。
また、本発明の第7の発明によれば、第1〜6のいずれかの発明において、前記保護コロイド剤は、ゼラチンであることを特徴とする硫黄含有ニッケル粉末の製造方法が提供される。
また、本発明の第8の発明によれば、第1〜7のいずれかの発明において、前記錯化剤は、酢酸、酒石酸またはクエン酸のいずれか一つ以上を含むことを特徴とする硫黄含有ニッケル粉末の製造方法が提供される。
さらに、本発明の第9の発明によれば、第1〜8のいずれかの発明において、前記アルカリ性物質は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムまたはアンモニアのいずれか一つ以上を含むことを特徴とする硫黄含有ニッケル粉末の製造方法が提供される。
また、本発明の第10の発明によれば、第1〜9のいずれかの発明において、前記硫黄含有ニッケル粉末の硫黄含有量が0.05〜1.00質量%であり、該硫黄はニッケル粉末の表面に硫化物として存在していることを特徴とする硫黄含有ニッケル粉末の製造方法が提供される。
さらに、本発明の第11の発明によれば、第10の発明において、前記硫黄含有ニッケル粉末の平均粒径は、0.05〜0.30μmの範囲にあることを特徴とする硫黄含有ニッケル粉末の製造方法が提供される。
本発明の硫黄含有ニッケル粉末の製造方法は、湿式晶析法を用いたものであって、ニッケル粉末の晶析時に硫黄を含有させるため、低コストでありながら、操作が容易で工業的規模の生産にも適している。また、得られる硫黄含有ニッケル粉末は、熱収縮挙動特性に優れており、高温焼成された際に、連続的な膜状態の内部電極を得ることができる。これにより、電気回路の形成や、積層セラミックコンデンサおよび多層セラミック基板など積層セラミック部品の電極などに用いられる厚膜導電体を作製するための導電ペーストの材料として利用でき、その工業的価値は極めて大きい。
実施例1のニッケル粉末のSEM(走査型電子顕微鏡)写真である。 実施例3のニッケル粉末のSEM写真である。 実施例5のニッケル粉末のSEM写真である。 比較例1のニッケル粉末のSEM写真である。 実施例1、2、4および比較例1のニッケル粉末を1300℃まで加熱したときの熱収縮挙動を示すグラフである。
以下、本発明の硫黄含有ニッケル粉末の製造方法を詳細に説明する。
I.硫黄含有ニッケル粉末の製造方法
本発明の硫黄含有ニッケル粉末の製造方法は、ニッケルよりも貴な金属の塩と保護コロイド剤との複合コロイド粒子が分散したコロイド水溶液を作製する工程(A)と、該コロイド水溶液に、錯化剤、アルカリ性物質、還元剤を混合した混合液にニッケル塩水溶液を添加した後に、ニッケル粉末を晶析させながら、硫化物を添加することによって十分な量の硫黄を含有する微細なニッケル粉末を生成させる工程(B)と、ニッケル粉末を含むスラリーを固液分離した後、乾燥させる工程(C)からなり、前記工程(B)において、前記混合液にニッケル塩水溶液を添加してから、1.5〜15分経過後に硫化物を添加することを特徴とする。
従来の方法では、ニッケル粉末成長の核となるニッケルより貴な金属粒子を含むコロイド水溶液に、硫化物、還元剤、ニッケル塩水溶液を添加するが、硫化物には還元作用があるため、球状の単分散のニッケル粉末を得ることは難しい。すなわち、ニッケル粉末に含有させる硫黄所望量に対して、添加する硫化物量や硫化物種の還元力の違いによって、ニッケル粉末形状と平均粒径に影響を与えることから、球状の単分散のニッケル粉末を得るには、溶液、pHなどの諸条件を硫化物量毎に最適化する必要があった。
本発明の硫黄含有ニッケル粉末の製造方法は、従来の方法とは異なり、硫化物を添加するタイミングを変えて、ニッケル粉末の晶析を開始させ、所定の時間が経過した後に硫化物を添加するようにしたので、溶液、pHなどの諸条件を硫化物量毎に最適化する必要がなく、より簡便かつ低コストでニッケル粉末を得ることができる。
1.工程(A)
ニッケルよりも貴な金属の複合コロイド水溶液は、保護コロイド剤を添加した水溶液に、ニッケルよりも貴な金属の塩の混合液と還元剤とを添加することによって作製する。
ニッケルよりも貴な金属の塩の混合液、還元剤との添加順序は、制限されず、混合液より先に還元剤を添加することでも、本発明に係るコロイド水溶液を得ることができる。しかし、本発明においては、保護コロイド剤を添加した水溶液に、ニッケルよりも貴な金属の塩の混合液を添加した後に、還元剤を添加する方が望ましい。その理由としては、詳細は不明であるが、ニッケルよりも貴な金属種が微細な状態で分散した系を得ることができ、その結果、少量の貴な金属種でニッケル粉末を微細化することができるためである。
(1)保護コロイド剤
本発明に用いる保護コロイド剤は、コロイド粒子の凝集を抑制するために、添加する。保護コロイド剤としては、次に記載するニッケルよりも貴な金属の塩からなる複合コロイド粒子(例えば、パラジウムと銀とからなる複合コロイド粒子)を取り囲み、保護コロイドの形成に寄与するものであればよく、特にゼラチンが好ましいが、その他、ポリビニルピロリドン、アラビアゴム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ポリビニルアルコールなどを用いることも、できる。
(2)ニッケルよりも貴な金属塩
ニッケルよりも貴な金属の塩としては、水溶性の金塩、銀塩、プラチナ塩、パラジウム塩、ロジウム塩、イリジウム塩、銅塩が挙げられるが、特に水溶性のパラジウム塩、水溶性の銀塩のいずれか、若しくは、それらの混合物が適している。その中でも、パラジウム塩と銀塩の水溶液の混合液が最適である。
その理由としては、核として働く貴な金属種の凝集が抑制され、その結果、ニッケル粉末の粗大粒子や連結粒子の形成が抑制されるためである。
パラジウム塩水溶液は、特に限定されるものではない。例えば、塩化パラジウム、硝酸パラジウム、硫酸パラジウム等から選ばれる少なくとも1種類を含む水溶液を、パラジウム塩水溶液として用いることができる。これらの中では、液調整が容易な塩化パラジウムが最も好ましい。
また、銀塩水溶液としては、例えば、硝酸銀水溶液を用いることができる。
(3)還元剤
還元剤は、特に限定されるものではないが、ヒドラジン(HNNH)、ヒドラジン化合物、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH)等から選ばれる少なくとも1種類を含み、水溶性ヒドラジン化合物を用いて作製したヒドラジン水溶液等を用いることが好ましい。これらの水溶性ヒドラジン化合物の中では、特に不純物が少ない点で、ヒドラジン(N)が最も好ましい。
(4)工程(A)における配合比率
特に適しているコロイド水溶液の原材料である、保護コロイド剤としてのゼラチン、還元作用を有するヒドラジンなどの還元剤、ニッケルよりも貴な金属塩としての塩化パラジウムと硝酸銀の配合比率は、次のとおりである。
ニッケル塩水溶液中のニッケル質量100%に対して、ゼラチンが0.025〜0.2質量%、ヒドラジンが0.1〜0.8質量%、パラジウム塩中のパラジウム量で10〜350質量ppm、銀塩中の銀量で0.01〜0.35質量ppmであることが望ましい。
ゼラチンは、0.025質量%未満であると、保護コロイド剤量として不足し、0.2質量%よりも多いと、ニッケルの還元析出を妨害してしまい、未還元のニッケルが発生してしまい、所望の粒径のニッケル粉末が得られない。
(5)工程(A)における作製条件
コロイド水溶液を作製する際の温度は、特に制限されないが、50℃〜95℃が好ましく、特に60℃〜85℃が好ましい。また、パラジウム塩と銀塩の混合液、還元剤を添加する前の水溶液は、極力撹拌されていることが望ましい。
加温する理由としては、保護コロイド剤のゼラチンの絡み合った高分子鎖が解され、所望の保護コロイド効果を発揮させやすいからである。極力撹拌する理由としては、十分に撹拌されていない場合、微細な核が得られず、ニッケル粉末の粒径が所望レベルで制御できないためである。
2.工程(B)
次に工程(B)として、上記のコロイド水溶液に、錯化剤とアルカリ性物質と還元剤とニッケル塩水溶液を混合し、ニッケル粉末が晶析し始めてから、微細な硫黄含有ニッケル粉末を成長させるのに十分な条件で硫化物を添加する。硫化物を添加するのは、ニッケル粉末が晶析し始めてから、例えば1.5分以上の時間が経過後とするのが好ましい。
(1)錯化剤
錯化剤は、錯体を形成する効果を有するものであればよく、アンモニウム、又はカルボキシル基を有する蟻酸、酢酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、アスコルビン酸等を用いることができる。
その中でも、酢酸、酒石酸、クエン酸が望ましく、更には、酒石酸が最も望ましい。その理由としては、詳細は不明であるが、連結粒子が少なく、最も球状度が高く理想とするニッケル粉末が得られるためである。
錯化剤の量は、ニッケル塩中のニッケル1molに対して、0.01〜1molとするのが好ましい。
(2)還元剤
還元剤は、特に限定されるものではないが、ヒドラジン(HNNH)、ヒドラジン化合物、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH)等から選ばれる少なくとも1種類を含み、水溶性ヒドラジン化合物を用いて作製したヒドラジン水溶液等を用いることが好ましい。これらの水溶性ヒドラジン化合物の中では、特に不純物が少ない点で、ヒドラジン(N)が最も好ましい。還元剤の量は、ニッケル塩中のニッケル1molに対して、1.3〜4molとするのが好ましい。
(3)アルカリ性物質
アルカリ性物質は、特に限定されるものではないが、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等の水溶性のアルカリ性物質が望ましい。また、本発明においては、これら水溶性のアルカリ性物質の量を調整して、上記の還元剤としてのヒドラジン、ヒドラジン水和物等の水溶性ヒドラジン化合物を純水中で混合して、pHが8〜13のアルカリ性のヒドラジン水溶液を作製して用いることができる。
(4)ニッケル塩水溶液
ニッケル塩水溶液は、特に限定されるものではなく、例えば、塩化ニッケル、硝酸ニッケルおよび硫酸ニッケル等から選ばれる少なくとも1種類を含む水溶液を用いることができる。これらの水溶液の中では、特に廃液処理が簡易であることから塩化ニッケル水溶液が好ましい。
(5)硫化物
硫化物としては、硫化水素ナトリウム、硫化水素アンモニウム、硫化ナトリウム、硫化アンモニウムが好ましい。特に、硫化水素ナトリウムが好ましい。硫化物の添加量は、得られるニッケル粉末の硫黄含有量が0.05〜1.00質量%となる量とする。
(6)ニッケル粉末が晶析開始するまでの作製手順、条件
本発明において、コロイド水溶液、錯化剤、還元剤、アルカリ性物質の混合順序は、特に制限されない。例えば、コロイド水溶液に、錯化剤、還元剤、アルカリ性物質を順次混合しても良いし、前もって、錯化剤、アルカリ性物質、還元剤を混合した水溶液とコロイド水溶液を混合しても良い。
また、ニッケル塩水溶液は、コロイド水溶液と錯化剤と還元剤とアルカリ性物質の混合液を調製した後に、添加することが望ましい。その理由は、該混合液を調製した後に、添加しないと、所望とされるニッケル粉末は、単分散で極力球状であるにも関わらず、異形状であったり、連結粒子が増加したりするためである。
また、コロイド水溶液、錯化剤、還元剤、アルカリ性物質の作製条件も特に制限されず、これらの混合水溶液が得られるpH、温度や攪拌条件とすれば良い。コロイド水溶液と錯化剤と還元剤とアルカリ性物質の混合液のpHは、10以上であることが好ましい。pHが10未満では、反応速度が遅くなるため、ニッケルの還元析出が起こりにくくなるためである。
コロイド水溶液と錯化剤と還元剤とアルカリ性物質の混合液は、ニッケル塩水溶液添加前の温度を60℃〜95℃とするのが望ましい。また、混合液添加前のニッケル塩水溶液の温度も、60℃〜95℃であるのが望ましい。更には、コロイド水溶液と錯化剤と還元剤とアルカリ性物質の混合液とニッケル塩水溶液を混合した後は、その混合液を加熱し、70℃以上にすることが望ましい。これら熱を加える理由としては、反応をスムーズに進め、均一な粒子を得ることができるためである。
(7)硫化物を含む水溶液を添加する作成手順、条件
本発明において、硫化物は、コロイド水溶液と錯化剤と還元剤とアルカリ性物質の混合液にニッケル塩水溶液を添加してニッケル粉末の晶析を開始させた後、添加・混合するのが重要である。硫化物は、固体のものを直接添加しても、水溶液として添加しても、いずれでもかまわない。
コロイド水溶液と錯化剤と還元剤とアルカリ性物質の混合液にニッケル塩水溶液を添加してから1.5分より前に硫化物を混合し始めたり、コロイド水溶液と錯化剤と還元剤とアルカリ性物質と硫化物の混合液にニッケル塩水溶液を添加すると、硫化物には還元作用があるためニッケルの還元が促進され、粒子径の制御が困難で粗大な粒子が成長しやすく広い粒度分布になったり、球状で単分散のニッケル粉末を得られないことがある。
また、コロイド水溶液と錯化剤と還元剤とアルカリ性物質の混合液にニッケル塩水溶液を添加してから15分より後に硫化物を混合し始めると、ニッケル粉末の成長速度が低下して硫黄がニッケル粉末に取り込まれにくくなり、所望の硫黄含有量のニッケル粉末を得ることが難しくなる。
このため、硫化物は、ニッケル塩水溶液を添加後、1.5〜15分の間に混合するようにし、1.5〜10分の間が好ましく、1.5〜5分の間がより好ましい。
3.工程(C)
本発明の方法では、上記により還元析出したニッケル粉末を固液分離し、その後乾燥する。固液分離は、公知の方法で行えばよく、また、不活性ガス雰囲気下で行うことが望ましい。また、乾燥も公知の方法で行えばよく、真空下または不活性ガス雰囲気下にて、行うことが望ましい。
次に、乾燥後に得られたニッケル粉末を、必要に応じて還元雰囲気での熱処理を行うことが望ましい。
還元雰囲気は、水素濃度が1〜50vol%の水素ガスと不活性ガスからなる混合ガスが望ましい。水素ガス濃度が1vol%未満であると、還元ガスの効果が得られにくく、一方、水素ガス濃度が50vol%より多くすると、効果に対するコストメリットが失われる。また、不活性ガスは、特に限定されず、窒素ガス、アルゴンガスなどが使用できる。
また、熱処理の加熱温度は、100〜350℃であることが望ましい。加熱温度が100℃未満である場合、熱処理による水分などの不純物の除去が不十分であり、加熱温度が350℃より高い場合、ニッケル粉末同士のネッキングが起こり、分散処理をしてもニッケル粉末を単分散することができない。加熱に用いる炉は、還元雰囲気で使用できるものであれば特に限定されず、バッチ炉、ローラーハース炉またはプッシャー炉などを用いることができる。
II.硫黄含有ニッケル粉末
本発明の上記製造方法で得られる硫黄含有ニッケル粉末は、硫黄含有量が0.05〜1.00質量%であり、硫黄はニッケル粉末の表面に硫化物として存在している。
ニッケル粉末への硫黄含有量は0.1〜1.0質量%であることが好ましい。より好ましくは0.1〜0.5質量%である。ニッケル粉末の硫黄含有量が0.1質量%より少ないと、ニッケル粉末の熱収縮挙動において、最大収縮率に達した後、再膨張が見られることがある。また、多量の硫黄含有量は、積層セラミックコンデンサ製造時に脱バインダ工程やその後の焼成工程にて発生する硫黄含有ガスがコンデンサ製造装置を腐食する可能性があるため最小化されることが望ましい。
熱処理後のニッケル粉末は、凝集していることが多く、分散性が求められる積層セラミックコンデンサ用の材料粉末として、十分な粒径ではない。そのため、熱処理後は、ジェットミル等で解砕処理を施す必要がある。ジェットミルのタイプとしては、スパイラル式、カウンター式などを用いることができる。
このようなニッケル粉末の中で、導電ペーストに用いるのに適した形状、及び平均粒径を有する粉末は、形状が球形で、平均粒径が0.05〜0.30μmの粉末である。
なお、平均粒径は、走査型電子顕微鏡(SEM)による観察から計測したものである。
以下、本発明の実施例及び比較例によって、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例によって何ら限定されるものではない。
なお、実施例及び比較例で得られたニッケル粉末の平均粒径、硫黄含有量、ニッケル粉末の熱収縮挙動などの評価方法は、以下の通りである。
(1)ニッケル粉末の平均粒径
ニッケル粉末の平均粒径は、走査型電子顕微鏡(日本電子社製、JSM−5510)を用いて、倍率20,000倍の写真(縦19.2μm×横25.6μm)を撮影し、写真中の粒子形状の全様が見える粒子の面積を測定し、面積から各粒子の半径を求め、その平均値により定めた。
(2)ニッケル粉末の硫黄含有量:
硫黄含有量は、炭素、硫黄同時分析装置(LECO社製、型番GS−600)にて、測定した。
(3)ニッケル粉末の熱収縮挙動:
ニッケル粉末を直径5mmの円柱ペレットに成形し、熱機械的分析装置(TMA装置)(マックサイエンス社製、TMA4000S)を用いて、2vol%水素−窒素ガス中、5℃/minの昇温速度で、1300℃まで昇温し、前記ペレットの収縮曲線を測定し、最大収縮量に到達後膨張が見られない試料を「○」、最大収縮量に到達後再膨張した試料を「×」とした。
[実施例1]
75℃の純水6.5Lに、十分に撹拌しながら、ゼラチンを添加し溶解した後に、濃度が0.02g/Lとなるようにヒドラジンを添加し、更に塩化パラジウムと硝酸銀を溶解した水溶液を添加し複合コロイド水溶液を得た。各分量は、ゼラチン、塩化パラジウム、硝酸銀は、後に添加されるニッケル塩水溶液中のニッケルの全質量に対して、パラジウム25質量ppm、銀0.025質量ppm、ゼラチン0.025質量%となるよう添加した。
その後、酒石酸8g、水酸化ナトリウム水溶液、60vol%水加ヒドラジン溶液200mlを添加した後に、ニッケル濃度が100g/Lの塩化ニッケル水溶液を添加して本発明に係るコロイド水溶液を得た。水酸化ナトリウム水溶液はpHが10以上になるようにした。
次に、このコロイド水溶液に塩化ニッケル水溶液を添加した。塩化ニッケル水溶液の添加とともにニッケル粉末の晶析が始まるが、1.5分後に、硫黄0.10質量%となる硫化水素ナトリウムを添加し、ニッケルの還元を行った後、不活性ガス雰囲気下にて固液分離した。
分離された固体は、真空乾燥機にて乾燥し、水素濃度2.0vol%の水素窒素混合ガス雰囲気で、加熱温度180℃、加熱時間60分の処理を行った。
その後、得られたニッケル粉末をスパイラル式ジェットミル(株式会社パウレック製)で処理した。処理条件は、粉砕圧0.50MPa、供給圧0.55MPa、給粉量50g/minとした。ガス媒体は空気とした。
このニッケル粉末の平均粒径、ニッケル粉末の含有硫黄量、ニッケル粉末の熱収縮挙動を測定した。結果を表1、図1に示す。
[実施例2〜3]
実施例1において、塩化ニッケル水溶液を添加してから硫化水素ナトリウムを添加するまでの時間を、2.5分(実施例2)、4.5分(実施例3)とした以外は、実施例1と同じ条件でニッケル粉末を作製し、平均粒径、ニッケル粉末の含有硫黄量、ニッケル粉末の熱収縮挙動を測定した。結果を表1、図1に示す。
[実施例4、5]
実施例2に対して、硫黄0.2質量%(実施例4)、0.4質量%(実施例5)となる硫化水素ナトリウムを添加した以外は、実施例1と同じ条件でニッケル粉末を作製し、平均粒径、ニッケル粉末の含有硫黄量、ニッケル粉末の熱収縮挙動を測定した。結果を表1、図1に示す。
[比較例1]
実施例1において、塩化ニッケル水溶液を添加してから硫化水素ナトリウムを添加するまでの時間を、1分とした以外は、実施例1と同じ条件でニッケル粉末を作製し、平均粒径、ニッケル粉末の含有硫黄量、ニッケル粉末の熱収縮挙動を測定した。結果を表1、図1に示す。
[従来例1]
塩化ニッケル水溶液を添加後に、硫化水素ナトリウムを添加しなかった以外は、実施例1と同じ条件でニッケル粉末を作製し、平均粒径、ニッケル粉末の含有硫黄量、ニッケル粉末の熱収縮挙動を測定した。結果を表1に示す。
[従来例2]
75℃の純水6.5Lに、十分に撹拌しながら、ゼラチンを添加し溶解した後に、硫化水素ナトリウムの固体を添加し、更に塩化パラジウムと硝酸銀を溶解した水溶液を添加し複合コロイド水溶液を得た。
各分量は、ゼラチン、硫化水素ナトリウム、塩化パラジウム、硝酸銀は、後に添加されるニッケル塩水溶液中のニッケルの全質量に対して、硫黄0.08質量%、パラジウム800質量ppm、銀0.8質量ppm、ゼラチン0.16質量%となるよう添加した。
その後、酒石酸8g、水酸化ナトリウム水溶液、60vol%水加ヒドラジン溶液200mlを添加し、コロイド水溶液を得た。水酸化ナトリウム水溶液はpHが10以上になるようにした。
次に、このコロイド水溶液に、ニッケル濃度が100g/Lの塩化ニッケル水溶液を500ml滴下してニッケルの還元を行った後に、不活性ガス雰囲気下にて固液分離した。
その後、真空乾燥機にて乾燥し、水素濃度2.0vol%の水素窒素混合ガス雰囲気で、加熱温度180℃、加熱時間60分の処理を行った。
その後、得られたニッケル粉末をスパイラル式ジェットミル(株式会社パウレック製)で処理した。処理条件は、粉砕圧0.50MPa、供給圧0.55MPa、給粉量50g/minとした。ガス媒体は空気とした。
このニッケル粉末の平均粒径、ニッケル粉末の含有硫黄量、ニッケル粉末の熱収縮挙動を測定した。結果を表1に示す。
[従来例3]
従来例2に対して、添加成分の量を変えて、ニッケル塩水溶液中のニッケルの全質量に対して、硫黄0.5質量%、パラジウム5000質量ppm、銀5質量ppm、ゼラチン5質量%となるよう添加した以外は、従来例2と同じ条件でニッケル粉末を作製した。得られたニッケル粉末の平均粒径、含有硫黄量、熱収縮挙動を測定した。結果を表1に示す。
Figure 0006179423
「評価」
上記実施例、比較例の結果を示す表1から、次のことが分かる。
塩化ニッケル水溶液添加後、硫黄源として硫化水素ナトリウムを添加するまでの時間を1.5〜4.5分とした実施例1〜5は、ニッケル粉末に所望の硫黄が含有されており、熱収縮挙動において、収縮後の膨張は、観察されていない。これにより高温焼成された際に、連続的な膜状態の内部電極を得ることができ、導電ペーストの材料として利用できる。
一方、比較例1では、硫化水素ナトリウムを添加するまでの時間が1分と短いため、平均粒径が2倍以上大きく、粒制御が困難であることが分かる。
また、硫化水素ナトリウムを添加していない従来例1は、熱収縮挙動において、最大収縮量に到達後再膨張している。コロイド水溶液に硫化水素ナトリウムを添加した従来例2、3は、所望の硫黄含有量、熱収縮挙動は得ているが、実施例1〜5と比較して、ニッケルより高価なパラジウム及び銀含有量、およびゼラチン量が多いことからコストが高いことが分かる。
本発明により得られる硫黄含有ニッケル粉末は、熱収縮挙動特性に優れており、高温焼成された際に、連続的な膜状態の内部電極を得ることができるので、電気回路の形成や、積層セラミックコンデンサおよび多層セラミック基板など積層セラミック部品の電極などに用いられる厚膜導電体を作製するための導電ペーストの材料として利用できる。

Claims (11)

  1. ニッケルよりも貴な金属の塩と保護コロイド剤との複合コロイド粒子が分散したコロイド水溶液を作製する工程(A)と、該コロイド水溶液に、錯化剤、アルカリ性物質、還元剤を混合した混合液にニッケル塩水溶液を添加した後に、ニッケル粉末を晶析させながら、硫化物を添加することによって十分な量の硫黄を含有する微細なニッケル粉末を生成させる工程(B)と、ニッケル粉末を含むスラリーを固液分離した後、乾燥させる工程(C)からなり、
    前記工程(B)において、前記混合液にニッケル塩水溶液を添加してから、1.5〜15分経過後に硫化物を添加することを特徴とする硫黄含有ニッケル粉末の製造方法。
  2. 前記硫化物は、硫化水素ナトリウム、硫化水素アンモニウム、硫化ナトリウムまたは硫化アンモニウムのいずれか一つ以上を含むことを特徴とする請求項1に記載の硫黄含有ニッケル粉末の製造方法。
  3. 前記硫化物は、得られるニッケル粉末の硫黄含有量が0.05〜1.00質量%となる量を添加することを特徴とする請求項1または2に記載の硫黄含有ニッケル粉末の製造方法。
  4. 前記ニッケルよりも貴な金属の塩は、パラジウム塩または銀塩のいずれか一つ以上を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の硫黄含有ニッケル粉末の製造方法。
  5. 前記ニッケル塩水溶液は、塩化ニッケル水溶液であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の硫黄含有ニッケル粉末の製造方法。
  6. 前記還元剤は、ヒドラジンであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の硫黄含有ニッケル粉末の製造方法。
  7. 前記保護コロイド剤は、ゼラチンであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の硫黄含有ニッケル粉末の製造方法。
  8. 前記錯化剤は、酢酸、酒石酸またはクエン酸のいずれか一つ以上を含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の硫黄含有ニッケル粉末の製造方法。
  9. 前記アルカリ性物質は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムまたはアンモニアのいずれか一つ以上を含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の硫黄含有ニッケル粉末の製造方法。
  10. 前記硫黄含有ニッケル粉末の硫黄含有量が0.05〜1.00質量%であり、該硫黄はニッケル粉末の表面に硫化物として存在していることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の硫黄含有ニッケル粉末の製造方法
  11. 前記硫黄含有ニッケル粉末の平均粒径は、0.05〜0.30μmの範囲にあることを特徴とする請求項10に記載の硫黄含有ニッケル粉末の製造方法
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