本発明は、化合物、医薬組成物、BTK活性を阻害する方法、ならびに前記化合物および医薬組成物の治療的使用を提供する。本発明の実践では、別段の指示がない限り、有機化学、薬理学、分子生物学(組み換え技術を包含する)、細胞生物学、生化学および免疫学の従来の技術を用いる。そのような技術は、「Comprehensive Organic Synthesis」(B.M.TrostおよびI.Fleming編、1991〜1992);「Handbook of experimental immunology」(D.M.WeirおよびC.C.Blackwell編);「Current protocols in molecular biology」(F.M.Ausubelら編、1987および定期的更新);および「Current protocols in immunology」(J.E.Coliganら編、1991)等の文献において説明されており、これらのそれぞれは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
本明細書において使用されている節見出しは、構成のみを目的としたものであり、記述されている主題を限定するものとして解釈されるべきではない。特許、特許出願、論文、書籍、マニュアルおよび専門書を包含するがこれらに限定されない、本願において引用されているすべての文書または文書の一部は、目的に応じてそれらの全体が参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
本発明の種々の態様を以下の節で説明するが、1つの特定の節において記述されている本発明の態様は、任意の特定の節に限定されるものではない。さらに、変数に定義が付随しない場合、該変数の先の定義を適用する。
本明細書において記述されている方法および組成物は、本明細書において記述されている特定の方法論、プロトコール、細胞株、構築物および試薬に限定されず、そのため変動し得ることを理解されたい。本明細書において使用されている術語は、特定の実施形態を記述することだけを目的としており、本明細書において記述されている方法および組成物の範囲を限定することは意図されておらず、これらは添付の特許請求の範囲によってのみ限定されることも理解されたい。
用語「ブルトン型チロシンキナーゼ」は、本明細書において使用される場合、米国特許第6,326,469号(ジーンバンク受託番号NP.sub.−−000052)において開示されている通り、人類由来のブルトン型チロシンキナーゼを指す。
用語「ブルトン型チロシンキナーゼ相同体」は、本明細書において使用される場合、ブルトン型チロシンキナーゼのオルソログ、例えば、マウス(ジーンバンク受託(Acession)番号AAB47246)、イヌ(ジーンバンク受託番号XP.sub.−−549139.)、ラット(ジーンバンク受託番号NP.sub.−−001007799)、ニワトリ(ジーンバンク受託番号NP.sub.−−989564)、またはゼブラフィッシュ(ジーンバンク受託番号XP.sub.−−698117)由来のオルソログ、およびブルトン型チロシンキナーゼの1つまたは複数の基質に対してキナーゼ活性を呈する前述のいずれかの融合タンパク質を指す。
用語「相同システイン」は、本明細書において使用される場合、本明細書において定義されている通り、ブルトン型チロシンキナーゼのシステイン481のものと相同である配列位置内に見られるシステイン残基を指す。例えば、システイン482は、ブルトン型チロシンキナーゼのラットオルソログの相同システインであり、システイン479は、ニワトリオルソログの相同システインであり、システイン481は、ゼブラフィッシュオルソログにおける相同システインである。別の例において、ブルトン型チロシンに関係するTecキナーゼファミリーメンバーであるTXKの相同システインは、Cys350である。相同システインを有するキナーゼの他の例は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2012/252822号の図1に示されている。ワールドワイドウェブのkinase.com/human/kinome/phylogeny.htmlにおいて公開されている、チロシンキナーゼ(TK)の配列アラインメントも参照されたい。
用語「BTK阻害剤」は、本明細書において使用される場合、BTKのアミノ酸残基と共有結合を形成することができるBTKの阻害剤を指す。一実施形態において、BTKの阻害剤は、BTKのCys残基と共有結合を形成することができる。
用語「モジュレートする」は、本明細書において使用される場合、単なる例として、標的の活性を増強すること、標的の活性を阻害すること、標的の活性を限定すること、または標的の活性を拡大することを包含する、標的の活性を変化させることのために、標的と直接的にまたは間接的にのいずれかで相互作用することを意味する。
本明細書において使用される場合、用語「モジュレーター」は、分子の活性を変化させる化合物を指す。例えば、モジュレーターは、モジュレーターの非存在下における活性の規模と比較して、分子のある特定の活性の規模における増大または減少を引き起こすことができる。ある特定の実施形態において、モジュレーターは、分子の1つまたは複数の活性の規模を減少させる阻害剤である。ある特定の実施形態において、阻害剤は、分子の1つまたは複数の活性を完全に防止する。ある特定の実施形態において、モジュレーターは、分子の少なくとも1つの活性の規模を増大させる活性化因子である。ある特定の実施形態において、モジュレーターの存在は、モジュレーターの非存在下では発生しない活性をもたらす。
用語「ヘテロ原子」は、炭素または水素以外の原子を指す。ヘテロ原子は、典型的には、酸素、硫黄、窒素、ケイ素およびリンの中から独立に選択されるが、これらの原子に限定されない。2個以上のヘテロ原子が存在する実施形態において、該2個以上のヘテロ原子は、すべて互いに同じであってよく、または、該2個以上のヘテロ原子のいくつかもしくはすべては、それぞれ他のものとは異なっていてよい。
用語「アルキル」は、1から12個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖の飽和ヒドロカルビル置換基(すなわち、炭化水素から水素の除去によって取得された置換基)を指す。そのような置換基の例は、メチル、エチル、プロピル(n−プロピルおよびイソプロピルを包含する)、ブチル(n−ブチル、イソブチル、sec−ブチルおよびtert−ブチルを包含する)、ペンチル、イソアミル、ヘキシル等を包含する。用語「ハロアルキル」および「ハロアルコキシ」は、少なくとも1個の水素がハロゲン原子で置きかえられている、アルキルおよびアルコキシ構造をそれぞれ包含する。2個以上の水素原子がハロゲン原子で置きかえられているある特定の実施形態において、ハロゲン原子はすべて互いに同じである。2個以上の水素原子がハロゲン原子で置きかえられている他の実施形態において、ハロゲン原子はすべて互いに同じとは限らない。
用語「フルオロアルキル」は、本明細書において使用される場合、少なくとも1つの水素がフッ素原子で置きかえられているアルキル基を指す。フルオロアルキル基の例は、−CF3、−CH2CF3、−CF2CF3、−CH2CH2CF3等を包含するがこれらに限定されない。
用語「シクロアルキル」は、飽和炭素環式分子から水素を除去することによって取得され、3から10個の炭素原子を有する炭素環式置換基を指す。一実施形態において、シクロアルキル置換基は、3から10個の炭素原子を有する。シクロアルキルは、典型的には3から6個の環原子を含有する、単環であってよい。シクロアルキルの例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルを包含する。代替として、シクロアルキルは、ビシクロ[4.2.0]オクタンおよびデカリニル等、一緒に縮合された2または3つの環であってよく、「ビシクロアルキル」とも称され得る。
用語「アリール」は、1つの環または2もしくは3つの縮合環を含有する芳香族置換基を指す。アリール置換基は、6から18個の炭素原子を有し得る。例として、アリール置換基は、6から14個の炭素原子を有し得る。用語「アリール」は、フェニル、ナフチルおよびアントラセニル等の置換基を指す場合がある。用語「アリール」は、C5もしくはC6炭素環等のC4〜10炭素環と、または4から10員のヘテロ環式環と縮合している、フェニル、ナフチルおよびアントラセニル等の置換基も包含し、ここで、そのような縮合アリール基を置換基として有する基は、アリール基の芳香族炭素と結合している。そのような縮合アリール基がもう1つの(one more)置換基で置換されている場合、該1つまたは複数の置換基は、別段の特定がない限り、それぞれ縮合アリール基の芳香族炭素と結合している。縮合C4〜10炭素環式または4から10員のヘテロ環式環は、ハロゲン、C1〜6アルキル、C3〜10シクロアルキル、または=Oで置換されていてもよい。したがって、アリール基の例は、フェニル、ナフタレニル、テトラヒドロナフタレニル(「テトラリニル」としても公知である)、インデニル、イソインデニル、インダニル、アントラセニル、フェナントレニル、ベンゾナフテニル(「フェナレニル」としても公知である)およびフルオレニルを包含する。
いくつかの場合において、1個または複数のヘテロ原子を含有する環式置換基(すなわち、ヘテロアリールまたはヘテロシクロアルキル)中の原子の数は、接頭辞「A〜B員の」によって示され、ここで、Aは置換基の環式部分を形成する原子の最小数であり、Bは最大数である。故に、例えば、5〜8員のヘテロシクロアルキルは、ヘテロシクロアルキルの環式部分において、1個または複数のヘテロ原子を包含する5から8個の原子を含有するヘテロシクロアルキルを指す。
用語「ハロゲン」および「ハロ」は、フッ素(Fと示され得る)、塩素(Clと示され得る)、臭素(Brと示され得る)、またはヨウ素(Iと示され得る)を指す。一実施形態において、ハロゲンは塩素である。別の実施形態において、ハロゲンはフッ素である。別の実施形態において、ハロゲンは臭素である。
用語「ヘテロシクロアルキル」および「ヘテロシクリル」は、同義で使用され、合計4から14個の環原子を含有する飽和または部分飽和環構造から水素を除去することによって取得された置換基を指し、ここで、環原子の少なくとも1つは、酸素、窒素または硫黄から選択されるヘテロ原子である。例えば、本明細書において使用される場合、用語「4から10員のヘテロシクロアルキル」は、置換基が、合計4から10員を持つ単環であることを意味する。ヘテロシクロアルキルは、代替として、2または3つの一緒に縮合した環を含んでいてよく、ここで、少なくとも1つのそのような環は、ヘテロ原子を環原子(すなわち、窒素、酸素または硫黄)として含有する。ヘテロシクロアルキル置換基を有する基において、該基と結合しているヘテロシクロアルキル置換基の環原子は、ヘテロ原子の1つであってよく、または該環原子は環炭素原子であってよく、ここで、該環炭素原子は、該ヘテロ原子と同じ環中にあってよく、または該ヘテロ原子とは異なる環中にあってよい。同様に、今度はヘテロシクロアルキル置換基が基または置換基で置換されている場合、該基もしくは置換基は該ヘテロ原子と結合していてよく、または該基もしくは置換基は環炭素原子と結合していてよく、ここで、環炭素原子は該少なくとも1個のヘテロ原子と同じ環中にあってよく、または、該環炭素原子は該ヘテロ原子とは異なる環中にあってよい。
用語「ヘテロアリール」は、5から14個の環原子を含有し、該環原子の少なくとも1つはヘテロ原子(すなわち、酸素、窒素または硫黄)であり、残りの環原子は、炭素、酸素、窒素および硫黄からなる群から独立に選択される、芳香族環構造から、水素を除去することによって取得される置換基を指す。ヘテロアリールは、単環または2もしくは3つの縮合環であってよい。ヘテロアリール置換基の例は、ピリジル、ピラジル、ピリミジニルおよびピリダジニル等の6員環の置換基、トリアゾリル、イミダゾリル、フラニル、チオフェニル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、1,2,3−、1,2,4−、1,2,5−、または1,3,4−オキサジアゾリルおよびイソチアゾリル等の5員環の置換基、ベンゾチオフラニル、イソベンゾチオフラニル、ベンズイソオキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、プリニルおよびアントラニリル等の6/5員縮合環置換基、ならびに、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、キナゾリニルおよび1,4−ベンズオキサジニル等の6/6員縮合環置換基を包含するがこれらに限定されない。ヘテロアリール置換基を有する基において、該基と結合しているヘテロアリール置換基の環原子は、少なくとも1個のヘテロ原子であってよく、または該環原子は環炭素原子であってよく、ここで、該環炭素原子は該少なくとも1個のヘテロ原子と同じ環中にあってよく、または、該環炭素原子は該少なくとも1個のヘテロ原子とは異なる環中にあってよい。同様に、今度はヘテロアリール置換基が基または置換基で置換されている場合、該基もしくは置換基は該ヘテロ原子と結合していてよく、または該基もしくは置換基は環炭素原子と結合していてよく、ここで、該環炭素原子は該ヘテロ原子と同じ環中にあってよく、または、該環炭素原子は該ヘテロ原子とは異なる環中にあってよい。用語「ヘテロアリール」は、ピリジルN−オキシドおよびピリジンN−オキシド環を含有する基も包含する。
置換基の群が、置換基の一覧の1つまたは複数によって置換されていてもよいと総称的に記述される場合、該群は、(1)置換不可能な置換基、(2)任意選択の置換基によって置換されていない、置換可能な置換基、および/または(3)任意選択の置換基の1つもしくは複数によって置換されている、置換可能な置換基を包含し得る。
置換基が特定数以下の非水素置換基で「置換されていてよい(may be substituted)」または置換されていてもよい(optionally substituted)と記述される場合、その置換基は、(1)置換されていないか、または(2)その特定数以下の非水素置換基、もしくは該置換基上の最大数以下の置換可能位置のいずれか小さいほうによって置換されているかのいずれであってもよい。故に、例えば、置換基が最大3個の非水素置換基で置換されていてもよいヘテロアリールと記述される場合、3つ未満の置換可能位置を持つ任意のヘテロアリールは、ヘテロアリールが置換可能位置を有するのと最大でも同数の非水素置換基によって置換されていてもよいことになる。例証すると、テトラゾリル(置換可能位置を1つだけ有する)は、最大1個の非水素置換基で置換されていてもよいことになる。さらに例証すると、アミノ窒素が最大2個の非水素置換基で置換されていてもよいと記述される場合、アミノ窒素が第一級窒素であれば該窒素は最大2個の非水素置換基で置換されていてもよいことになり、これに対し、アミノ窒素が第二級窒素であればアミノ窒素は最大でも1個の非水素置換基で置換されていてもよいことになる。
複数部分の置換基に付けられた接頭辞は、最初の部分にのみ適用される。例証すると、用語「アルキルシクロアルキル」は、2つの部分:アルキルおよびシクロアルキルを含有する。故に、(C1〜C6)アルキルシクロアルキルにおける(C1〜C6)接頭辞は、アルキルシクロアルキルのアルキル部分が1から6個の炭素原子を含有することを意味し、(C1〜C6)−接頭辞はシクロアルキル部分について記述するものではない。さらに例証すると、ハロアルコキシアルキルにおける接頭辞「ハロ」は、アルコキシアルキル置換基のアルコキシ部分だけが1個または複数のハロゲン置換基で置換されていることを示す。ハロゲン置換がアルキル部分においてのみ発生する場合、置換基は「アルコキシハロアルキル」と記述されることになる。ハロゲン置換がアルキル部分およびアルコキシ部分の両方において発生する場合、置換基は「ハロアルコキシハロアルキル」と記述されることになる。
本明細書において使用される場合、用語「式(I)および式(II)」は、「本発明の化合物」と称され得る。そのような用語は、その水和物、溶媒和物、異性体、結晶および非結晶形態、同形、多形、ならびに代謝産物を包含する、式(I)および式(II)の化合物のすべての形態を包含するようにも定義される。例えば、式(I)および式(II)の化合物、ならびに薬学的に許容できるその塩は、非溶媒和および溶媒和形態で存在し得る。溶媒または水が密接に結合している場合、錯体は、湿度とは無関係に明確な化学量論を有することになる。しかしながら、チャネル溶媒和物および吸湿性化合物のように溶媒または水の結合が弱い場合、水/溶媒含有量は湿度および乾燥条件に依存することになる。そのような事例では、非化学量論が基準となる。
本明細書において開示されている化合物の「代謝産物」は、化合物が代謝される際に形成される、化合物の誘導体である。用語「活性代謝物」は、化合物が代謝される際に形成される、化合物の生物学的に活性な誘導体を指す。用語「代謝される」は、本明細書において使用される場合、特定の物質が生物によって変化するプロセス(加水分解反応および酸化反応等の酵素によって触媒される反応を包含するがこれらに限定されない)の総和を指す。故に、酵素は、化合物に特異的な構造変化を生成し得る。例えば、シトクロムP450は、多様な酸化および還元反応を触媒し、一方、ウリジン二リン酸グルクロニルトランスフェラーゼは、活性化されたグルクロン酸分子の、芳香族アルコール、脂肪族アルコール、カルボン酸、アミンおよび遊離スルフヒドリル基への移動を触媒する。代謝に関するさらなる情報は、The Pharmacological Basis of Therapeutics、第9版、McGraw−Hill(1996)から取得することができる。本明細書において開示されている化合物の代謝産物は、受容者への化合物の投与および受容者からの組織試料の分析によって、または化合物の肝細胞とのインビトロでのインキュベーションおよび得られた化合物の分析によってのいずれかで同定できる。両方の方法が当技術分野において周知である。いくつかの実施形態において、化合物の代謝産物は、酸化プロセスによって形成され、対応するヒドロキシ含有化合物と一致する。いくつかの実施形態において、化合物は、代謝されて薬理活性代謝物となる。
いくつかの実施形態において、本明細書において記述されている化合物は、プロドラッグとして調製される。「プロドラッグ」は、インビボで親薬物に変換される作用物質を指す。プロドラッグは、いくつかの状況において、親薬物よりも投与が容易となり得るため、多くの場合に有用である。プロドラッグは、例えば、経口投与によって生物学的に利用可能となり得るのに対し、親はなり得ない。プロドラッグは、親薬物よりも改善された、医薬組成物への溶解性も有し得る。プロドラッグの限定されない例は、水溶性が移動性にとって有害となる細胞膜全体にわたる伝送を容易にするためにエステル(「プロドラッグ」)として投与されるが、その後、水溶性が有益である細胞内へ入ると、活性実体であるカルボン酸に代謝的に加水分解される、本明細書において記述されている化合物であろう。プロドラッグのさらなる例は、ペプチドが代謝されて活性部分を露出させている、酸基と結合した短ペプチド(ポリアミノ酸)であるかもしれない。ある特定の実施形態において、インビボ投与時に、プロドラッグは、化学的に変換されて、化合物の、生物学的に、薬学的にまたは治療的に活性な形態となる。ある特定の実施形態において、プロドラッグは、1つまたは複数のステップまたはプロセスによって酵素的に代謝されて、化合物の、生物学的に、薬学的にまたは治療的に活性な形態となる。プロドラッグを生成するために、薬学的に活性な化合物は、インビボ投与時に活性化合物が再生されるように修飾される。プロドラッグは、薬物の代謝安定性もしくは輸送特徴を変化させるように、副作用もしくは毒性をマスクするように、薬物の香味を改善するように、または薬物の他の特徴もしくは特性を変化させるように設計され得る。薬力学的プロセスおよびインビボでの薬物代謝の知識により、当業者は、ある薬学的に活性な化合物が公知となれば、化合物のプロドラッグを設計することができる(例えば、Nogrady(1985)Medicinal Chemistry A Biochemical Approach、Oxford University Press、New York、388〜392頁;Silverman(1992)、The Organic Chemistry of Drug Design and Drug Action、Academic Press,Inc.、San Diego、352〜401頁、Saulnierら、(1994)、Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters、第4巻、1985頁を参照)。
プロドラッグがインビボで代謝されて本明細書で説明されている通りの誘導体を生成する、本明細書で記述されている化合物のプロドラッグ形態は、特許請求の範囲内に包含される。いくつかの事例において、本明細書で記述されている化合物のいくつかは、別の誘導体または活性化合物のプロドラッグであってよい。
プロドラッグは、いくつかの状況において、親薬物よりも投与が容易となり得るため、多くの場合に有用である。プロドラッグは、例えば、経口投与によって生物学的に利用可能となり得るのに対し、親はなり得ない。プロドラッグは、親薬物よりも改善された、医薬組成物への溶解性も有し得る。プロドラッグは、部位特異的組織への薬物輸送を増強するための修飾物質として使用するための、可逆的薬物誘導体として設計され得る。いくつかの実施形態において、プロドラッグの設計は、有効水溶性を増大させる。例えば、すべてその全体が本明細書に組み込まれる、Fedorakら、Am.J.Physiol.、269:G210〜218(1995);McLoedら、Gastroenterol、106:405〜413(1994);Hochhausら、Biomed.Chrom.、6:283〜286(1992);J.LarsenおよびH.Bundgaard、Int.J.Pharmaceutics、37、87(1987);J.Larsenら、Int.J.Pharmaceutics、47、103(1988);Sinkulaら、J.Pharm.Sci.、64:181〜210(1975);T.HiguchiおよびV.Stella、Pro−drugs as Novel Delivery Systems、A.C.S.Symposium Seriesの第14巻;ならびに、Edward B.Roche、Bioreversible Carriers in Drug Design、American Pharmaceutical Association and Pergamon Press、1987を参照されたい。
本発明の化合物は、不斉炭素原子を有し得る。本発明の化合物の炭素−炭素結合は、実線、実線楔または点線楔を使用して描写され得る。不斉炭素原子との結合を描写するための実線の使用は、その炭素原子において考えられるすべての立体異性体(例えば、特定の鏡像異性体、ラセミ混合物等)が包含されることを示すようになっている。不斉炭素原子との結合を描写するための実線楔または点線楔のいずれかの使用は、示されている立体異性体のみが包含されるようになっていることを示すようになっている。本発明の化合物は複数の不斉炭素原子を含有し得ることが考えられる。それらの化合物において、不斉炭素原子との結合を描写するための実線の使用は、考えられるすべての立体異性体が含まれるようになっていることを示すようになっている。例えば、別段の定めがない限り、本発明の化合物は、鏡像異性体およびジアステレオマーとして、またはそれらのラセミ体および混合物として存在し得ることが意図されている。本発明の化合物中の1つまたは複数の不斉炭素原子との結合を描写するための実線の使用、および同じ化合物中の他の不斉炭素原子との結合を描写するための実線楔または点線楔の使用は、ジアステレオマーの混合物が存在することを示すようになっている。
本発明の化合物の立体異性体は、シスおよびトランス異性体、RおよびS鏡像異性体等の光学異性体、ジアステレオマー、幾何異性体、回転異性体、配座異性体、ならびに複数種の異性を呈する化合物を包含する、本発明の化合物の互変異性体、ならびにそれらの混合物(ラセミ体およびジアステレオマー対等)を包含する。対イオンが光学活性である酸付加もしくは塩基付加塩、例えばD−乳酸もしくはL−リジン、またはラセミである該塩、例えばDL−酒石酸もしくはDL−アルギニンも包含される。
任意のラセミ体が結晶化する場合、2つの異なる種類の結晶が可能である。第一の種類は、両方の鏡像異性体を含有する1つの均質な形態の結晶が等モル量で生成される、上記で言及したラセミ化合物(真のラセミ体)である。第二の種類は、それぞれ単一の鏡像異性体を含む2つの形態の結晶が等モル量で生成される、ラセミ混合物またはコングロメレートである。
本発明は、1個または複数の原子が、自然界において通常見られる原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する原子によって置きかえられているという事実を除き、本明細書の式(I)および(II)において列挙されているものと同一の、同位体標識化合物も包含する。本発明の化合物に組み込まれ得る同位体の例は、2H、3H、13C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18Fおよび36Cl等であるがこれらに限定されない、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素および塩素の同位体を包含する。式(I)および式(II)のある特定の同位体標識化合物、例えば、3Hおよび14O等の放射性同位体が組み込まれたものは、薬物および/または基質組織分布アッセイにおいて有用である。トリチウム化、すなわち3H、および炭素−14、すなわち14C同位体は、それらの調製の容易さおよび検出性から特に好ましい。さらに、重水素、すなわち2H等のより重い同位体による置換は、より優れた代謝安定性から生じるある特定の治療上の利点、例えばインビボ半減期の増大または必要投薬量の低減を生じさせることができ、それ故、いくつかの状況において好ましい場合がある。本発明の同位体標識化合物は、概して、非同位体標識試薬を同位体標識試薬で代用することによって、以下のスキームならびに/または実施例および調製で開示されている手順を行うことにより調製できる。
本発明の化合物は、無機または有機酸から誘導された塩の形態で使用され得る。特定の化合物に応じて、化合物の塩は、異なる温度および湿度における薬学的安定性の増強、または水もしくは油への望ましい溶解性等、塩の物理的特性の1つまたは複数により、有利となり得る。いくつかの場合において、化合物の塩は、化合物の単離、精製および/または分割における助剤としても使用され得る。
塩が患者に投与されることが意図されている場合(例えば、インビトロ状況において使用されるのとは対照的に)、該塩は、好ましくは薬学的に許容できる。用語「薬学的に許容できる塩」は、式(I)および式(II)の化合物を、そのアニオンまたはカチオンが、ヒトが消費するのに好適であるとみなされている酸または塩基と組み合わせることによって調製された塩を指す。薬学的に許容できる塩は、親化合物と比較して大きいそれらの水溶解性により、本発明の方法の生成物として特に有用である。医療で使用するために、本発明の化合物の塩は、非毒性の「薬学的に許容できる塩」である。用語「薬学的に許容できる塩」内に包括される塩は、遊離塩基を好適な有機または無機酸と反応させることによって概して調製される、本発明の化合物の非毒性塩を指す。
本発明の化合物の好適な薬学的に許容できる酸付加塩は、可能な場合、塩酸、臭化水素酸、フッ化水素酸、ホウ酸、ホウフッ化水素酸、リン酸、メタリン酸、硝酸、カルボン酸、スルホン酸および硫酸等の無機酸、ならびに、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グリコール酸、イソチオン酸、乳酸、ラクトビオン酸、マレイン酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、コハク酸、トルエンスルホン酸、酒石酸およびトリフルオロ酢酸等の有機酸から誘導されたものを包含する。好適な有機酸は、概して、有機酸の脂肪族、脂環式、芳香族、芳香脂肪族、ヘテロ環式、カルボン酸およびスルホン酸クラスを包含するがこれらに限定されない。
好適な有機酸の具体例は、酢酸、トリフルオロ酢酸、ギ酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、グルコン酸、ジグルコン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、グロクロン酸、マレイン酸、フマル酸、ピルビン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、安息香酸、アントラニル酸、ステアリン酸、サリチル酸、p−ヒドロキシ安息香酸、フェニル酢酸、マンデル酸、エンボン酸(パモ酸)、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パントテン酸、トルエンスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、スファニレート、シクロヘキシルアミノスルホン酸、アルゲン酸、β−ヒドロキシ酪酸、ガラクタル酸、ガラクツロン酸、アジピン酸、アルギン酸、酪酸、ショウノウ酸、ショウノウスルホン酸、シクロペンタンプロピオン酸、ドデシル硫酸、グリコヘプタン酸、グリセロリン酸、ヘプタン酸、ヘキサン酸、ニコチン酸、2−ナフタレスルホネート、シュウ酸、パルモ酸、ペクチン酸、3−フェニルプロピオン酸、ピクリン酸、ピバル酸、チオシアン酸およびウンデカン酸を包含するがこれらに限定されない。
さらに、本発明の化合物が酸性部分を担持する場合、好適な薬学的に許容できるその塩は、アルカリ金属塩、すなわちナトリウムまたはカリウム塩、アルカリ土類金属塩、例えばカルシウムまたはマグネシウム塩、および好適な有機リガンドと形成された塩、例えば第四級アンモニウム塩を包含し得る。別の実施形態において、塩基塩は、アルミニウム塩、アルギニン塩、ベンザチン塩、コリン塩、ジエチルアミン塩、ジオールアミン塩、グリシン塩、リジン塩、メグルミン塩、オラミン塩、トロメタミン塩および亜鉛塩を包含する非毒性塩を形成する塩基から形成される。
有機塩は、トロメタミン、ジエチルアミン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミン(N−メチルグルカミン)およびプロカイン等の、第二級、第三級または第四級アミン塩から作製され得る。塩基性窒素含有基を、低級アルキル(C1〜C6)ハロゲン化物(例えば、塩化、臭化およびヨウ化メチル、塩化、臭化およびヨウ化エチル、塩化、臭化およびヨウ化プロピル、ならびに塩化、臭化およびヨウ化ブチル)、硫酸ジアルキル(すなわち、硫酸ジメチル、硫酸ジエチル、硫酸ジブチル、および硫酸ジアミル)、長鎖ハロゲン化物(すなわち、塩化、臭化およびヨウ化デシル、塩化、臭化およびヨウ化ラウリル、塩化、臭化およびヨウ化ミリスチル、ならびに塩化、臭化およびヨウ化ステアリル)、アリールアルキルハロゲン化物(すなわち、臭化ベンジルおよび臭化フェネチル)他等の作用物質で、四級化してよい。
ある特定の実施形態において、本明細書において記述されている本発明の化合物は、BTK、およびBTKにおけるシステイン481のアミノ酸配列位置と相同であるチロシンキナーゼのアミノ酸配列位置にシステイン残基を有するキナーゼに対して選択的である。
概して、本明細書において記述されている方法において使用されるBTKの阻害化合物は、インビトロアッセイ、例えば、無細胞生化学アッセイまたは細胞機能アッセイにおいて同定される、または特徴付けられる。そのようなアッセイは、前記化合物のインビトロIC50を決定するために有用である。
いくつかの実施形態において、本明細書において記述されている方法に使用されるBTK阻害化合物は、BTKまたはBTK相同体キナーゼ活性を、10μM未満(例えば、1μM未満、0.5μM未満、0.4μM未満、0.3μM未満、0.1未満、0.08μM未満、0.06μM未満、0.05μM未満、0.04μM未満、0.03μM未満、0.02μM未満、0.01未満、0.008μM未満、0.006μM未満、0.005μM未満、0.004μM未満、0.003μM未満、0.002μM未満、0.001未満、0.00099μM未満、0.00098μM未満、0.00097μM未満、0.00096μM未満、0.00095μM未満、0.00094μM未満、0.00093μM未満、0.00092未満、または0.00090μM未満)のインビトロIC50で阻害する。
本明細書において記述されているのは、式(II)のものを包含する式(I)の化合物である。そのような化合物の、薬学的に許容できる塩、薬学的に許容できる溶媒和物、薬学的に活性な代謝産物および薬学的に許容できるプロドラッグも本明細書において記述されている。少なくとも1つのそのような化合物、またはそのような化合物の薬学的に許容できる塩、薬学的に許容できる溶媒和物、薬学的に活性な代謝産物もしくは薬学的に許容できるプロドラッグを包含する、医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態において、本明細書において開示されている化合物が易酸化性の窒素原子を含有する場合、該窒素原子は、当技術分野において周知の方法によってN−オキシドに変換され得る。ある特定の実施形態において、式(I)または式(II)によって表される構造を有する化合物の異性体および化学的に保護された形態も提供される。
別の態様において、本明細書で提供されるのは、ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)活性を阻害するための、またはブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)活性の阻害が有益であるであろう疾患、障害もしくは状態の治療のための、本明細書において開示されている化合物の使用である。
他の実施形態において、本明細書で提供される化合物は、チロシンキナーゼ活性の阻害用医薬の製剤化に使用される。いくつかの他の実施形態において、本明細書で提供される化合物は、ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)活性の阻害用医薬の製剤化に使用される。
さらなる態様において、本明細書で提供されるのは、それを必要とする対象においてブルトン型チロシンキナーゼを阻害するための方法であって、その対象に、治療有効量の本発明の少なくとも1つの化合物を含有する組成物を投与することによる方法である。いくつかの実施形態において、必要とする対象は、自己免疫疾患、例えば、炎症性腸疾患、関節炎、ループス、関節リウマチ、乾癬性関節炎、変形性関節炎、スティル病、若年性関節炎、糖尿病、重症筋無力症、橋本甲状腺炎、オード甲状腺炎、バセドウ病、シェーグレン症候群、多発性硬化症、ギラン・バレー症候群、急性播種性脳脊髄炎、アジソン病、オプソクローヌス・ミオクローヌス症候群、強直性脊椎炎、抗リン脂質抗体症候群、再生不良性貧血、自己免疫性肝炎、セリアック病、グッドパスチャー症候群、特発性血小板減少性紫斑病、視神経炎、強皮症、原発性胆汁性肝硬変、ライター症候群、高安動脈炎、側頭動脈炎、温式自己免疫性溶血性貧血、ウェゲナー肉芽腫症、乾癬、全身性脱毛症、ベーチェット病、慢性疲労、自律神経失調症、子宮内膜症、間質性膀胱炎、神経筋緊張症、強皮症または外陰部痛に罹患している。
他の実施形態において、必要とする対象は、異種免疫状態または疾患、例えば、移植片対宿主病、移植、輸液、アナフィラキシー、アレルギー、I型過敏症、アレルギー性結膜炎、アレルギー性鼻炎、またはアトピー性皮膚炎に罹患している。
ある特定の実施形態において、必要とする対象は、炎症性疾患、例えば、喘息、虫垂炎、眼瞼炎、細気管支炎、気管支炎、滑液包炎、子宮頸管炎、胆管炎、胆嚢炎、結腸炎、結膜炎、膀胱炎、涙腺炎、皮膚炎、皮膚筋炎、脳炎、心内膜炎、子宮内膜炎、胃腸炎、全腸炎、上顆炎、精巣上体炎、筋膜炎、結合組織炎、胃炎、胃腸炎、肝炎、化膿性汗腺炎、喉頭炎、乳腺炎、髄膜炎、脊髄炎、心筋炎、筋炎、腎炎、卵巣炎、精巣炎、骨炎、耳炎、膵炎、耳下腺炎、心膜炎、腹膜炎、咽頭炎、胸膜炎、静脈炎、肺臓炎、肺炎、直腸炎、前立腺炎、腎盂腎炎、鼻炎、卵管炎、副鼻腔炎、口内炎、滑膜炎、腱炎、へんとう炎、ブドウ膜炎、膣炎、血管炎、または外陰炎に罹患している。
さらなる実施形態において、必要とする対象は、がんに罹患している。一実施形態において、がんは、B細胞増殖性障害、例えば、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、慢性リンパ球性リンパ腫、慢性リンパ球性白血病、B細胞前リンパ球性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫/ヴァルデンストレームマクログロブリン血症、脾性辺縁帯リンパ腫、形質細胞性骨髄腫、形質細胞腫、節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、節性辺縁帯B細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、原発性滲出液リンパ腫、バーキットリンパ腫/白血病、またはリンパ腫様肉芽腫症である。いくつかの実施形態において、対象ががんに罹患している場合、上記で言及した化合物の1つに加えて抗がん剤が対象に投与される。一実施形態において、抗がん剤は、マイトジェン活性化タンパク質キナーゼシグナル伝達の阻害剤、例えば、U0126、PD98059、PD184352、PD0325901、ARRY−142886、SB239063、SP600125、BAY43−9006、ウォルトマンニン、またはLY294002である。
さらなる実施形態において、必要とする対象は、血栓塞栓性障害、例えば、心筋梗塞、狭心症、血管形成術後の再閉塞、血管形成術後の再狭窄、大動脈冠動脈バイパス後の再閉塞、大動脈冠動脈バイパス後の再狭窄、脳卒中、一過性虚血、末梢動脈閉塞性障害、肺塞栓症、または深部静脈血栓症に罹患している。
さらなる態様において、本明細書で提供されるのは、自己免疫疾患を治療するための方法であって、それを必要とする対象に、治療有効量の本発明の少なくとも1つの化合物を含有する組成物を投与することによる方法である。一実施形態において、自己免疫疾患は関節炎である。別の実施形態において、自己免疫疾患はループスである。いくつかの実施形態において、自己免疫疾患は、炎症性腸疾患(クローン病および潰瘍性結腸炎を包含する)、関節リウマチ、乾癬性関節炎、変形性関節炎、スティル病、若年性関節炎、ループス、糖尿病、重症筋無力症、橋本甲状腺炎、オード甲状腺炎、バセドウ病、シェーグレン症候群、多発性硬化症、ギラン・バレー症候群、急性播種性脳脊髄炎、アジソン病、オプソクローヌス・ミオクローヌス症候群、強直性脊椎炎、抗リン脂質抗体症候群、再生不良性貧血、自己免疫性肝炎、セリアック病、グッドパスチャー症候群、特発性血小板減少性紫斑病、視神経炎、強皮症、原発性胆汁性肝硬変、ライター症候群、高安動脈炎、側頭動脈炎、温式自己免疫性溶血性貧血、ウェゲナー肉芽腫症、乾癬、全身性脱毛症、ベーチェット病、慢性疲労、自律神経失調症、子宮内膜症、間質性膀胱炎、神経筋緊張症、強皮症、または外陰部痛である。
さらなる態様において、本明細書で提供されるのは、異種免疫状態または疾患を治療するための方法であって、それを必要とする対象に、治療有効量の本発明の少なくとも1つの化合物を含有する組成物を投与することによる方法である。いくつかの実施形態において、異種免疫状態または疾患は、移植片対宿主病、移植、輸液、アナフィラキシー、アレルギー、I型過敏症、アレルギー性結膜炎、アレルギー性鼻炎、またはアトピー性皮膚炎である。
さらなる態様において、本明細書で提供されるのは、炎症性疾患を治療するための方法であって、それを必要とする対象に、治療有効量の本発明の少なくとも1つの化合物を含有する組成物を投与することによる方法である。いくつかの実施形態において、炎症性疾患は、喘息、炎症性腸疾患(クローン病および潰瘍性結腸炎を包含する)、虫垂炎、眼瞼炎、細気管支炎、気管支炎、滑液包炎、子宮頸管炎、胆管炎、胆嚢炎、結腸炎、結膜炎、膀胱炎、涙腺炎、皮膚炎、皮膚筋炎、脳炎、心内膜炎、子宮内膜炎、腸炎、全腸炎、上顆炎、精巣上体炎、筋膜炎、結合組織炎、胃炎、胃腸炎、肝炎、化膿性汗腺炎、喉頭炎、乳腺炎、髄膜炎、脊髄炎、心筋炎、筋炎、腎炎、卵巣炎、精巣炎、骨炎、耳炎、膵炎、耳下腺炎、心膜炎、腹膜炎、咽頭炎、胸膜炎、静脈炎、肺臓炎、肺炎、直腸炎、前立腺炎、腎盂腎炎、鼻炎、卵管炎、副鼻腔炎、口内炎、滑膜炎、腱炎、へんとう炎、ブドウ膜炎、膣炎、血管炎、または外陰炎である。
また別の態様において、本明細書で提供されるのは、がんを治療するための方法であって、それを必要とする対象に、治療有効量の本発明の少なくとも1つの化合物を含有する組成物を投与することによる方法である。一実施形態において、がんは、B細胞増殖性障害、例えば、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、慢性リンパ球性リンパ腫、慢性リンパ球性白血病、B細胞前リンパ球性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫/ヴァルデンストレームマクログロブリン血症、脾性辺縁帯リンパ腫、形質細胞性骨髄腫、形質細胞腫、節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、節性辺縁帯B細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、原発性滲出液リンパ腫、バーキットリンパ腫/白血病、またはリンパ腫様肉芽腫症である。いくつかの実施形態において、対象ががんに罹患している場合、上記で言及した化合物の1つに加えて抗がん剤が対象に投与される。一実施形態において、抗がん剤は、マイトジェン活性化タンパク質キナーゼシグナル伝達の阻害剤、例えば、U0126、PD98059、PD184352、PD0325901、ARRY−142886、SB239063、SP600125、BAY43−9006、ウォルトマンニン、またはLY294002である。
別の態様において、本明細書で提供されるのは、血栓塞栓性障害を治療するための方法であって、それを必要とする対象に、治療有効量の本発明の少なくとも1つの化合物を含有する組成物を投与することによる方法である。いくつかの実施形態において、血栓塞栓性障害は、心筋梗塞、狭心症、血管形成術後の再閉塞、血管形成術後の再狭窄、大動脈冠動脈バイパス後の再閉塞、大動脈冠動脈バイパス後の再狭窄、脳卒中、一過性虚血、末梢動脈閉塞性障害、肺塞栓症、または深部静脈血栓症である。
さらなる態様において、本明細書で提供されるのは、自己免疫疾患を治療するための方法であって、それを必要とする対象に、ブルトン型チロシンキナーゼと共有結合を形成する治療有効量の化合物を含有する組成物を投与することによる方法である。一実施形態において、化合物は、ブルトン型チロシンキナーゼの活性化形態と共有結合を形成する。さらなるまたは代替的な実施形態において、化合物は、ブルトン型チロシンキナーゼ上のシステイン残基と共有結合を形成する。
さらなる態様において、本明細書で提供されるのは、異種免疫状態または疾患を治療するための方法であって、それを必要とする対象に、ブルトン型チロシンキナーゼと共有結合を形成する治療有効量の化合物を含有する組成物を投与することによる方法である。一実施形態において、化合物は、ブルトン型チロシンキナーゼの活性化形態と共有結合を形成する。さらなるまたは代替的な実施形態において、化合物は、ブルトン型チロシンキナーゼ上のシステイン残基と共有結合を形成する。
さらなる態様において、本明細書で提供されるのは、炎症性疾患を治療するための方法であって、それを必要とする対象に、ブルトン型チロシンキナーゼと共有結合を形成する治療有効量の化合物を含有する組成物を投与することによる方法である。一実施形態において、化合物は、ブルトン型チロシンキナーゼの活性化形態と共有結合を形成する。さらなるまたは代替的な実施形態において、化合物は、ブルトン型チロシンキナーゼ上のシステイン残基と共有結合を形成する。また別の態様において、本明細書で提供されるのは、がんを治療するための方法であって、それを必要とする対象に、ブルトン型チロシンキナーゼと共有結合を形成する治療有効量の化合物を含有する組成物を投与することによる方法である。一実施形態において、化合物は、ブルトン型チロシンキナーゼの活性化形態と共有結合を形成する。さらなるまたは代替的な実施形態において、化合物は、ブルトン型チロシンキナーゼ上のシステイン残基と共有結合を形成する。別の態様において、本明細書で提供されるのは、血栓塞栓性障害を手供するための方法であって、それを必要とする対象に、ブルトン型チロシンキナーゼと共有結合を形成する治療有効量の化合物を含有する組成物を投与することによる方法である。一実施形態において、化合物は、ブルトン型チロシンキナーゼの活性化形態と共有結合を形成する。さらなるまたは代替的な実施形態において、化合物は、ブルトン型チロシンキナーゼ上のシステイン残基と共有結合を形成する。
がんを包含する増殖性障害の治療に関与する前述の態様のいずれかにおいて、さらなる実施形態は、アレムツズマブ、三酸化ヒ素、アスパラギナーゼ(ペグ化または非ペグ化)、ベバシズマブ、セツキシマブ、シスプラチン等の白金系化合物、クラドリビン、ダウノルビシン/ドキソルビシン/イダルビシン、イリノテカン、フルダラビン、5−フルオロウラシル、ゲムツズマブ、メトトレキサート、Paclitaxel(商標)、タキソール、テモゾロマイド、チオグアニン、またはホルモン(抗エストロゲン、抗アンドロゲンまたはゴナドトロピン放出ホルモン類似体、アルファインターフェロン等のインターフェロン、ブスルファンもしくはメルファランもしくはメクロレタミン等のナイトロジェンマスタード、トレチノイン等のレチノイド、イリノテカンもしくはトポテカン等のトポイソメラーゼ阻害剤、ゲフィニチニブもしくはイマチニブ等のチロシンキナーゼ阻害剤、またはアロプリノール、フィルグラスチム、グラニセトロン/オンダンセトロン/パロノセトロン、ドロナビノールを包含するもの等の療法によって誘発される兆候もしくは症状を治療するための作用物質を包含する薬物のクラスからなる群から選択される少なくとも1つの追加の作用物質を投与することを含む。
BTK依存性またはチロシンキナーゼ媒介性疾患または状態の予防または治療に関与する前述の態様のいずれかにおいて、さらなる実施形態は、チロシンキナーゼ遺伝子ハプロタイプをスクリーニングすることにより、患者を同定することを含む。さらなるまたは代替的な実施形態において、チロシンキナーゼ遺伝子ハプロタイプはチロシンキナーゼ経路遺伝子であり、一方、またさらなるまたは代替的な実施形態において、チロシンキナーゼ遺伝子ハプロタイプはBTKハプロタイプである。
さらなるまたは代替的な実施形態において、本発明の化合物は、ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)の阻害剤であり、一方、またさらなるまたは代替的な実施形態において、そのような阻害剤は、BTKに対して選択的である。一層さらなるまたは代替的な実施形態において、そのような阻害剤は、酵素アッセイにおいて10μMを下回るIC50を有する。一実施形態において、そのような阻害剤は、1μM未満、別の実施形態において0.25μM未満のIC50を有する。
用語「治療すること」は、本明細書において使用される場合、別段の指示がない限り、そのような用語が適用される障害もしくは状態、またはそのような障害もしくは状態の1つもしくは複数の症状を、逆転させること、軽減すること、その進行を阻害すること、または予防することを意味する。用語「治療」は、本明細書において使用される場合、別段の指示がない限り、「治療すること」がすぐ上で定義された通りの治療する行為を指す。用語「治療すること」は、対象のアジュバントおよびネオアジュバント治療も包含する。
上記で示した通り、本発明は、1つまたは複数の薬学的に許容できる担体(添加物)および/または賦形剤と一緒に製剤化された、治療有効量の上述した1つまたは複数の化合物を含む医薬組成物を提供する。医薬組成物は、下記に適合されたものを包含する、固体または液体形態での投与のために特別に製剤化され得る:(1)経口投与、例えば、ドレンチ剤(水性または非水性の液剤または懸濁剤)、錠剤、例えば口腔、舌下および全身吸収を標的としたもの、ボーラス剤、散剤、顆粒剤、舌への塗布のためのペースト剤、(2)非経口投与、例えば、皮下、筋肉内、静脈内または硬膜外注射により、例えば、滅菌液剤もしくは懸濁剤、または持続放出製剤として、(3)局所適用、例えば、クリーム剤、軟膏剤、または皮膚に塗布される制御放出パッチ剤もしくはスプレー剤として、(4)腟内にまたは直腸内に、例えば、ペッサリー、クリーム剤またはフォーム剤として、(5)舌下に、(6)眼内に、(7)経皮的に、または、(8)経鼻的に。
語句「薬学的に許容できる」は、本明細書において、妥当な医学的判断の範囲内で、過剰な毒性、刺激、アレルギー反応、または他の問題もしくは合併症なしにヒトおよび動物の組織と接触させて使用するのに好適であり、合理的なベネフィット/リスク比に見合った、化合物、材料、組成物、および/または剤形を指すために用いられる。
湿潤剤、乳化剤、ならびにラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウム等の滑沢剤、ならびに、着色剤、解除剤、コーティング剤、甘味剤、香味剤および着香剤、保存剤、および酸化防止剤も、組成物中に存在し得る。
薬学的に許容できる酸化防止剤の例は、(1)アスコルビン酸、システイン塩酸塩、重硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム等の水溶性酸化防止剤、(2)パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、レシチン、没食子酸プロピル、アルファ−トコフェロール等の油溶性酸化防止剤、ならびに(3)クエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ソルビトール、酒石酸、リン酸等の金属キレート剤を包含する。
本発明の製剤は、経口、経鼻、局所(口腔および舌下を包含する)、経直腸、経膣および/または非経口投与に好適なものを包含する。製剤は、好都合なことに、単位剤形中に存在してよく、薬学分野において周知である任意の方法によって調製され得る。単一剤形を生成するために担体材料と組み合わせることができる活性成分の量は、治療されている受容者、特定の投与モードに応じて変動することになる。単一剤形を生成するために担体材料と組み合わせることができる活性成分の量は、概して、治療効果を生成する化合物の量となる。概して、100パーセントのうち、この量は、約0.1パーセントから約99パーセントまで、好ましくは約5パーセントから約70パーセントまで、最も好ましくは約10パーセントから約30パーセントまでの範囲の活性成分となる。
ある特定の実施形態において、本発明の製剤は、シクロデキストリン、セルロース、リポソーム、ミセル形成剤、例えば胆汁酸、ならびにポリマー担体、例えばポリエステルおよびポリ無水物からなる群から選択される添加剤と、本発明の化合物とを含む。ある特定の実施形態において、前述の製剤は、本発明の化合物を、経口で生物学的に利用可能にする。
これらの製剤または組成物を調製する方法は、本発明の化合物を、担体および場合により1つまたは複数の副成分と会合させるステップを包含する。概して、製剤は、本発明の化合物を、液体担体もしくは微粉化した固体担体または両方と、均一かつ密接に会合させること、次いで、必要ならば、生成物を成形することによって調製される。
経口投与に好適な本発明の製剤は、カプセル剤、カシェ剤、丸剤、錠剤、ロゼンジ剤(香味付けされた基剤、通常はスクロースおよびアカシアまたはトラガカントを使用する)、散剤、顆粒剤の形態、または水性もしくは非水性液体中の溶液もしくは懸濁液として、または水中油型もしくは油中水型液体乳剤として、またはエリキシル剤もしくはシロップ剤として、またはパステル剤(ゼラチンおよびグリセリン、またはスクロースおよびアカシア等の不活性基剤を使用する)として、ならびに/または洗口液等としてものであってよく、それぞれ、所定量の本発明の化合物を活性成分として含有する。本発明の化合物は、ボーラス剤、舐剤またはペースト剤として投与されてもよい。
経口投与用の本発明の固体剤形(カプセル剤、錠剤、丸剤、糖衣錠剤、散剤、顆粒剤、トローチ剤等)において、活性成分は、クエン酸ナトリウムもしくは第二リン酸カルシウム、および/または下記のいずれか等の1つまたは複数の薬学的に許容できる担体と混合される:(1)デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、および/またはケイ酸等の充填剤または増量剤、(2)例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロースおよび/またはアカシア等の結合剤、(3)グリセロール等の保湿剤、(4)寒天、炭酸カルシウム、バレイショまたはタピオカデンプン、アルギン酸、ある特定のシリケート、および炭酸ナトリウム等の崩壊剤、(5)パラフィン等の溶液遅延剤、(6)第四級アンモニウム化合物等の吸収加速剤ならびにポロキサマーおよびラウリル硫酸ナトリウム等の界面活性剤、(7)例えば、セチルアルコール、グリセロールモノステアレート、および非イオン性界面活性剤等の湿潤剤、(8)カオリンおよびベントナイト粘土等の吸収剤、(9)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸、およびそれらの混合物等の滑沢剤、(10)着色剤、ならびに(11)クロスポビドンまたはエチルセルロース等の制御放出剤。カプセル剤、錠剤および丸剤の事例において、医薬組成物は、緩衝剤も包含し得る。同様の種類の固体組成物は、ラクトースまたは乳糖、および高分子量ポリエチレングリコール等の添加剤を使用して、軟および硬殻ゼラチンカプセル剤における充填剤として用いられてもよい。
錠剤は、場合により1つまたは複数の副成分とともに、圧縮または成型によって作製され得る。圧縮錠剤は、結合剤(例えば、ゼラチンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース)、滑沢剤、不活性賦形剤、保存剤、崩壊剤(例えば、デンプングリコール酸ナトリウムまたは架橋カルボキシルメチルセルロースナトリウム)、表面活性または分散剤を使用して調製され得る。成型錠剤は、好適な機械内で、不活性液体賦形剤で湿潤させた粉末状化合物の混合物を成型することによって作製できる。
錠剤、ならびに、糖衣錠剤、カプセル剤、丸剤および顆粒剤等、本発明の医薬組成物の他の固体剤形は、切り込み線が入れられていてもよく、または腸溶コーティングおよび医薬製剤分野において周知である他のコーティング等のコーティングおよび外殻を用いて調製されていてもよい。それらの剤形は、例えば、所望の放出プロファイルを提供するために可変割合のヒドロキシプロピルメチルセルロース、他のポリマーマトリックス、リポソームおよび/またはミクロスフェアを使用して、その中の活性成分の緩徐または制御放出を提供するように製剤化されてもよい。それらは、迅速放出用に製剤化、例えばフリーズドライされていてよい。それらは、例えば、細菌保持フィルターを通す濾過によって、または滅菌剤を使用直前に滅菌水もしくはいくつかの他の無菌注射用媒体に溶解され得る無菌の固体組成物の形態で組み込むことによって、滅菌されていてよい。これらの組成物は、乳白剤を含有していてもよく、場合により遅延方式で、胃腸管のある特定の部分において、活性成分のみを、または優先的に放出する組成物であってもよい。使用され得る包埋組成物の例は、ポリマー性物質およびワックスを包含する。活性成分は、適切ならば、上述の添加剤の1つまたは複数を加えた、マイクロカプセル形態であってもよい。
本発明の化合物の経口投与用の液体剤形は、薬学的に許容できる乳剤、マイクロ乳剤、液剤、懸濁剤、シロップ剤およびエリキシル剤を包含する。液体剤形は、活性成分に加えて、例えば、水または他の溶媒、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、油(特に、綿実、ラッカセイ、コーン、胚芽、オリーブ、ヒマシおよびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、ならびにそれらの混合物等の可溶化剤および乳化剤等、当技術分野において一般に使用される不活性賦形剤を含有し得る。
懸濁剤は、活性化合物に加えて、例えば、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、微結晶性セルロース、アルミニウムメタ水酸化物、ベントナイト、寒天およびトラガカント、ならびにそれらの混合物等の懸濁化剤を含有し得る。
経直腸または経膣投与用の本発明の医薬組成物の製剤は、坐剤として提示されてよく、これは、本発明の1つまたは複数の化合物を、例えば、ココアバター、ポリエチレングリコール、坐剤ワックスまたはサリチレートを含み、室温では固体であるが体温では液体であり、したがって、直腸または膣腔内で融解して活性化合物を放出する、1つまたは複数の好適な非刺激性の添加剤または担体と混合することによって調製され得る。
経膣投与に好適な本発明の製剤は、当技術分野において適切であることが公知であるような担体を含有する、ペッサリー、タンポン、クリーム剤、ゲル剤、ペースト剤、フォーム剤またはスプレー製剤も包含する。
本発明の化合物の局所または経皮投与のための剤形は、散剤、スプレー剤、軟膏剤、ペースト剤、クリーム剤、ローション剤、ゲル剤、液剤、パッチ剤および吸入剤を包含する。活性化合物を、滅菌条件下で、薬学的に許容できる担体と、および必要とされ得る任意の保存剤、緩衝剤または噴射剤と混合してよい。
軟膏剤、ペースト剤、クリーム剤およびゲル剤は、本発明の活性化合物に加えて、動物性および植物性脂肪、油、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、タルクならびに酸化亜鉛、またはそれらの混合物等の添加剤を含有し得る。
散剤およびスプレー剤は、本発明の化合物に加えて、ラクトース、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウムおよびポリアミド粉末等の添加剤、またはこれらの物質の混合物を含有し得る。スプレー剤は、クロロフルオロ炭化水素ならびにブタンおよびプロパン等の揮発性非置換炭化水素等、慣習的な噴射剤を追加で含有し得る。
経皮パッチ剤は、本発明の化合物の体内への制御送達を提供するという付加的な利点を有する。そのような剤形は、化合物を適正な媒質中に溶解または分散させることによって作製できる。吸収エンハンサーを使用して、皮膚の全体にわたる化合物のフラックスを増大させることもできる。そのようなフラックスの速度は、速度制御膜を設けること、または化合物をポリマーマトリックスもしくはゲル中に分散させることのいずれかによって制御され得る。
眼科用製剤、眼軟膏剤、散剤、液剤等も、本発明の範囲内であるとして企図される。眼への局所投与に好適な製剤は、例えば、本発明の化合物が好適な担体に溶解または懸濁された点眼剤を包含する。眼または耳内投与に好適である典型的な製剤は、等張のpH調整した滅菌生理食塩水中の微粒化懸濁液または溶液の滴下剤(drop)の形態であってよい。眼および耳内投与に好適な他の製剤は、軟膏剤、生物分解性(すなわち、吸収性ゲルスポンジ、コラーゲン)および非生物分解性(すなわち、シリコーン)移植片、ウエハー剤、レンズおよび微粒子、またはニオソームもしくはリポソーム等の小胞系を包含する。架橋ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ヒアルロン酸、セルロース性ポリマー等のポリマー、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースもしくはメチルセルロース、またはヘテロ多糖ポリマー、例えばジェランガムを、塩化ベンザルコニウム等の保存剤と一緒に組み込んでよい。そのような製剤を、イオントフォレーシスによって送達してもよい。
鼻腔内投与または吸入による投与では、本発明の活性化合物は、好都合なことに、患者が圧搾するもしくは噴出させるポンプスプレー容器からの溶液もしくは懸濁液の形態で、または加圧容器もしくはネブライザーからのエアゾールスプレー提示として、好適な噴射剤を使用して、送達される。鼻腔内投与に好適な製剤は、典型的には、乾燥粉末吸入器からの乾燥粉末(単独で、例えばラクトースとの乾式混和物中の混合物として、または例えばホスファチジルコリン等のリン脂質と混合された混合成分粒子としてのいずれか)の形態で、または、加圧容器、ポンプ、スプレー、噴霧器(好ましくは、電気流体力学を使用して霧状ミストを生成する噴霧器)もしくはネブライザーからエアゾールスプレーとして、1,1,1,2−テトラフルオロエタンもしくは1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン等の好適な推進剤を使用してもしくは使用せずに、投与される。鼻腔内使用のために、粉末は、生体接着剤、例えばキトサンまたはシクロデキストリンを含んでいてよい。
非経口投与に好適な本発明の医薬組成物は、本発明の1つまたは複数の化合物を、糖、アルコール、酸化防止剤、緩衝剤、静菌剤、製剤を意図されているレシピエントの血液と等張にする溶質、または懸濁化もしくは増粘剤を含有し得る、1つまたは複数の薬学的に許容できる無菌等張水溶液もしくは非水溶液、分散液、懸濁液またはエマルション、または使用直前に無菌注射溶液もしくは分散液に再構成することができる無菌粉末と組み合わせて含む。
本発明の医薬組成物において用いられ得る好適な水性および非水性担体の例は、水、エタノール、ポリオール(グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等)、およびそれらの好適な混合物、オリーブ油等の植物油、ならびにオレイン酸エチル等の注射用有機エステルを包含する。適正な流動性は、例えば、レシチン等のコーティング材料の使用によって、分散液の事例においては必要となる粒径の維持によって、および界面活性剤の使用によって維持することができる。
これらの組成物は、保存剤、湿潤剤、乳化剤および分散剤等のアジュバントも含有し得る。対象化合物に対する微生物の作用の予防は、種々の抗菌および抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノールソルビン酸等の包含によって確実にすることができる。糖、塩化ナトリウム等の等張剤を組成物に包含することが望ましい場合もある。加えて、注射用医薬形態の持続的吸収は、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチン等の吸収を遅延させる作用物質の包含によってもたらされ得る。
いくつかの事例において、薬物の効果を持続させるために、皮下または筋肉内注射からの薬物の吸収を減速させることが望ましい。これは、難水溶性を有する結晶または非晶質材料の液体懸濁液の使用によって遂行され得る。次いで、薬物の吸収速度は、その溶解速度によって決まり、これは、今度は、結晶サイズおよび結晶形態によって決まり得る。代替として、非経口的に投与される薬物形態の遅延吸収は、薬物を油ビヒクル中に溶解または懸濁することによって遂行される。
注射用デポー形態は、ポリラクチド−ポリグリコリド等の生分解性ポリマー中、対象化合物のマイクロカプセル化マトリックスを形成することによって作製される。薬物対ポリマーの比率、および用いられる特定のポリマーの性質に応じて、薬物放出の速度を制御することができる。他の生分解性ポリマーの例は、ポリ(オルトエステル)およびポリ(無水物)を包含する。デポー注射用製剤は、薬物を、生体組織と適合性であるリポソームまたはマイクロ乳剤に封入することによっても調製される。
本発明の化合物が医薬品としてヒトおよび動物に投与される場合、該化合物は、それ自体、または、例えば0.1から99%(より好ましくは、10から30%)の活性成分を、薬学的に許容できる担体と組み合わせて含有する医薬組成物として与えられ得る。
本発明の調製物は、経口的に、非経口的に、局所的に、または経直腸的に与えられてよい。該調製物は、当然ながら、各投与経路に好適な形態で与えられる。例えば、それらは、錠剤またはカプセル剤形態で、注射、吸入によって、注射、注入または吸入による洗眼液、軟膏剤、坐剤等の投与によって、ローション剤または軟膏剤により局所的に、および坐剤により経直腸に、投与される。経口投与が好ましい。
語句「非経口投与」および「非経口的に投与される」は、本明細書において使用される場合、腸内および局所投与以外の、通常は注射による投与モードを意味し、静脈内、筋肉内、動脈内、くも膜下腔内、嚢内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、関節内、被膜下、くも膜下、髄腔内および胸骨内注射および注入を包含するがこれらに限定されない。
語句「全身投与」、「全身投与される」、「末梢投与」および「末梢投与される」は、本明細書において使用される場合、化合物、薬物または他の材料が、中枢神経系へ直接的に以外で患者のシステムに入り、故に、代謝および他の類似プロセスに供されるような投与、例えば、皮下投与を意味する。
これらの化合物は、経口的に、例えばスプレー剤のように経鼻的に、経直腸的に、腟内に、非経口的に、大槽内に、ならびに、散剤、軟膏剤または滴下剤のように、頬側におよび舌下にを包含する局所的にを包含する、任意の好適な投与経路による療法のために、ヒトおよび他の動物に投与され得る。
選択される投与経路にかかわらず、好適な水和物形態で使用され得る本発明の化合物、および/または本発明の医薬組成物は、当業者に公知の従来の方法によって薬学的に許容できる剤形に製剤化される。
本発明の医薬組成物中における活性成分の実際の投薬量レベルは、患者に毒性となることなく、特定の患者、組成物および投与モードにとって所望の治療応答を達成するのに有効な活性成分の量を取得するように変動させてよい。
選択される投薬量レベルは、用いられている本発明の特定の化合物、またはそのエステル、塩もしくはアミドの活性、投与経路、投与時間、用いられている特定の化合物の***または代謝の速度、吸収の速度および程度、治療の持続時間、用いられている特定の化合物と組み合わせて使用される他の薬物、化合物および/または材料、治療されている患者の年齢、性別、体重、状態、全身の健康および以前の病歴、ならびに医療分野において周知である類似の要因を包含する多様な要因によって決まることになる。
当技術分野における通常の技量を有する医師または獣医であれば、必要とされる有効量の医薬組成物を容易に決定し処方することができる。例えば、医師または獣医は、医薬組成物において用いられる本発明の化合物の用量を、所望の治療効果を達成するために必要とされるよりも低いレベルから開始し、所望の効果が達成されるまで投薬量を徐々に増大させることがある。
概して、本発明の化合物の好適な日用量は、治療効果を生成するのに有効な最低用量である化合物の量となる。そのような有効用量は、概して、上述した要因によって決まることになる。好ましくは、化合物は、約0.01mg/kgから約200mg/kgで、より好ましくは約0.1mg/kgから約100mg/kgで、さらに一層好ましくは約0.5mg/kgから約50mg/kgで投与される。
例えば、自己免疫疾患を治療するためのBTK阻害化合物の投薬は、関節リウマチのマウスモデルにおいて評価することができる。このモデルでは、抗コラーゲン抗体およびリポ多糖を投与することによって、Balb/cマウスにおいて関節炎が誘発される。Nandakumarら(2003)、Am.J.Pathol 163:1827〜1837を参照されたい。
別の例において、B細胞増殖性障害の治療のためのBTK阻害剤の投薬は、例えばヒト対マウス異種移植片モデルにおいて検査することができ、ここで、例えば、Pagelら(2005)、Clin Cancer Res 11(13):4857〜4866において記述されている通り、ヒトB細胞リンパ腫細胞(例えばRamos細胞)が免疫不全マウス(例えば「ヌード」マウス)に移植される。
前述の疾患の1つに対する化合物の治療的効能は、治療の経過中に最適化され得る。例えば、治療されている対象は、病状または病理の軽減を、所与の用量のBTK阻害剤を投与することによって達成されるインビボBTK活性の阻害と相関させるための診断的評価を受けることができる。当技術分野において公知の細胞アッセイを使用して、BTK阻害剤の存在下または非存在下におけるBTKのインビボ活性を決定することができる。例えば、活性化されたBTKはチロシン223(Y223)およびチロシン551(Y551)においてリン酸化されるため、P−Y223またはP−Y551陽性細胞のホスホ特異的免疫細胞化学的染色を使用して、細胞集団中におけるBktの活性化を検出または定量化することができる(例えば、染色対非染色細胞のFACS分析によって)。例えば、Nisitaniら(1999)、Proc.Natl.Acad.Sci、USA 96:2221〜2226を参照されたい。故に、対象に投与されるBTK阻害剤阻害化合物の量は、対象の疾患状態を治療するのに最適なBTK阻害のレベルを維持するように、必要に応じて増大または減少させることができる。
本明細書において記述されている化合物が、別の作用物質(例えば感作物質等)と共投与される場合、有効量は、該作用物質が単独で使用される場合よりも少なくなる場合がある。
所望ならば、活性化合物の有効日用量は、1日を通して適切な間隔で、場合により単位剤形で別個に投与される、2、3、4、5、6回またはそれ以上のサブ用量として投与され得る。好ましい投薬は、1日当たり1回の投与である。
本発明はさらに、式(I)および式(II)のいずれか一方の化合物もしくは本明細書において記述されている特定化合物、または薬学的に許容できるその塩を、本明細書において記述されている特定の免疫障害または炎症性障害の1つ等の免疫または炎症性障害の治療のための治療有効量で含む、単位剤形(錠剤またはカプセル剤等)を提供する。
加えて、包装材、該包装材内の、BTK等のチロシンキナーゼの活性を阻害するのに有効な、本明細書で提供される化合物もしくは組成物または薬学的に許容できるその誘導体を包含する製造品、ならびに、化合物もしくは組成物、またはその薬学的に許容できる塩、薬学的に活性な代謝産物、薬学的に許容できるプロドラッグもしくは薬学的に許容できる溶媒和物が、BTK等のチロシンキナーゼの活性を阻害するために使用されることを示すラベルが提供される。
ある特定の場合において、本明細書において記述されている少なくとも1つのBTK阻害化合物を、別の治療剤と組み合わせて投与することが適切となり得る。単なる例として、本明細書において記述されているBTK阻害化合物の1つを受けた際に患者が経験する副作用の1つが悪心であれば、抗悪心剤を最初の治療剤と組み合わせて投与することが適切となり得る。または、単なる例として、本明細書において記述されている化合物の1つの治療有効性を、アジュバントの投与によって増強することができる(すなわち、アジュバント自体は最小治療的利益を有し得るが、別の治療剤と組み合わせると、患者に対する全体的な治療的利益は増強される)。または、単なる例として、患者が経験する利益は、本明細書において記述されている化合物の1つを、治療的利益も有する別の治療剤(治療レジメンも包含する)とともに投与することによって増大し得る。いずれの事例でも、治療されている疾患、障害または状態にかかわらず、患者が経験する全体的な利益は単純に2つの治療剤の相加的なものとなり得るか、または患者は相乗的な利益を経験し得る。
使用される化合物の特定の選択は、担当医の診断および患者の状態についてのその判断、ならびに適切な治療プロトコールによって決まることになる。化合物は、疾患、障害または状態の性質、患者の状態、および使用される化合物の実際の選択に応じて、同時発生的に(例えば、同時に、本質的に同時にまたは同じ治療プロトコール内で)または順次に投与され得る。投与順序、および治療プロトコール中における各治療剤の投与の繰り返し回数の決定は、治療されている疾患および患者の状態の評価後ならば、十分に当業者の知識内である。
治療有効投薬量は、薬物が治療併用において使用される場合には変動し得ることが当業者には公知である。薬物および併用治療レジメンにおいて使用するための他の作用物質の治療有効投薬量を実験的に決定するための方法は、文献において記述されている。例えば、メトロノミック投薬(metronomic dosing)の使用、すなわち、毒性副作用を最小化するために、より高い頻度の、より低い用量を提供することは、文献において広範に記述されてきた。併用治療はさらに、患者の臨床管理を補助するために様々な時間に開始および停止する定期的治療を包含する。
本明細書において記述されている併用療法では、共投与される化合物の投薬量は、当然ながら、用いられる共薬物の種類、用いられる具体的な薬物、治療されている疾患または状態等に応じて変動することになる。加えて、1つまたは複数の生物学的活性剤と共投与される場合、本明細書で提供される化合物は、生物学的活性剤と同時に、または順次にのいずれかで投与され得る。順次に投与されるならば、担当医は、タンパク質を生物学的活性剤と組み合わせて投与する適切な順序を決定することになる。
いずれの事例でも、複数の治療剤(すなわち、本発明の化合物)を、任意の順序で、またはさらには同時に投与してよい。同時にならば、複数の治療剤は、単一の統一形態、または複数の形態(単なる例として、単一の丸剤としてまたは2つの別個の丸剤としてのいずれか)で提供され得る。治療剤の1つが複数回用量で与えられてもよいし、両方が複数回用量として与えられてもよい。同時でないならば、複数回用量間のタイミングは、0週超から4週未満まで変動し得る。加えて、併用方法、組成物および製剤は2つの作用物質のみの使用に限定されず、多数の治療併用の使用も想定される。
軽減が求められている状態を治療する、予防する、または寛解させるための投薬レジメンは、多様な要因に従って修正され得ることが理解される。これらの要因は、対象が罹患している障害、ならびに対象の年齢、体重、性別、食生活および医学的状態を包含する。故に、実際に用いられる投薬レジメンは広く変動し得、したがって、本明細書で説明されている投薬レジメンから逸脱し得る。
本明細書において開示されている併用療法を構成する医薬剤は、組み合わせられた剤形であってもよいし、または実質的に同時投与を意図した別個の剤形であってもよい。併用療法を構成する医薬剤は、2ステップ投与を求めるレジメンによって投与されるいずれかの治療化合物と順次に投与されてもよい。2ステップ投与レジメンでは、活性剤の順次投与または別個の活性剤の相隔たる投与が求められることがある。複数の投与ステップ間の期間は、医薬剤の効力、溶解性、バイオアベイラビリティ、血漿中半減期および動的プロフィール等、各医薬剤の特性に応じて、数分から数時間までの範囲となり得る。標的分子濃度の日内変動により、最適な投薬間隔を決定することもできる。
加えて、本明細書において記述されている化合物を、患者に相加的または相乗的な利益を提供し得る手順と組み合わせて使用してもよい。単なる例として、患者は、本明細書において記述されている方法において治療的および/または予防的利益を見出すと期待されており、ここで、本明細書において開示されている化合物の医薬組成物および/または他の治療薬との組合せは、その個体が、ある特定の疾患または状態と相関していることが公知である突然変異遺伝子の保有者であるか否かを決定するための遺伝子検査と組み合わせられる。
本明細書において記述されている化合物および併用療法は、疾患または状態の発生の前、最中または後に投与でき、化合物を含有する組成物を投与するタイミングは変動し得る。故に、例えば、化合物を予防薬として使用してよく、疾患または状態の発生を予防するために、状態または疾患を発症する傾向がある対象に連続的に投与してよい。化合物および組成物は、症状の発症の最中またはその後可能な限り早く、対象に投与され得る。化合物の投与は、症状の発症の最初の48時間以内、症状の発症の最初の6時間以内、または症状の発症の3時間以内に開始され得る。初回投与は、例えば、静脈内注射、ボーラス注射、5分間から約5時間にわたる注入、丸剤、カプセル剤、経皮パッチ剤、口腔送達等またはそれらの組合せ等、任意の実用的経路を介するものであってよい。化合物は、疾患または状態の発症が検出された、または疑われた後実行可能な限り早く、例えば約1か月から約3か月等、疾患の治療に必要な時間の長さにわたって投与されるべきである。治療の長さは各対象ごとに変動してよく、その長さは公知の基準を使用して決定できる。例えば、化合物または化合物を含有する製剤は、少なくとも2週間、約1か月から約5年の間、または約1か月から約3年にわたって、投与され得る。
対象が、自己免疫疾患、炎症性疾患、またはアレルギー疾患に罹患している、または罹患するリスクがある場合、BTK阻害化合物は、下記の治療剤の1つまたは複数と任意の組合せで使用され得る:免疫抑制薬(例えば、タクロリムス、シクロスポリン、ラパミシン、メトトレキサート、シクロホスファミド、アザチオプリン、メルカプトプリン、ミコフェノール酸塩またはFTY720)、グルココルチコイド(例えば、プレドニソン、酢酸コルチゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、デキサメタゾン、ベタメタゾン、トリアムシノロン、ベクロメタゾン、酢酸フルドロコルチゾン、酢酸デオキシコルチコステロン、アルドステロン)、非ステロイド系抗炎症薬(例えば、サリチレート、アリールアルカン酸、2−アリールプロピオン酸、N−アリールアントラニル酸、オキシカム、コキシブまたはスルホンアニリド)、Cox−2特異的阻害剤(例えば、バルデコキシブ、セレコキシブまたはロフェコキシブ)、レフルノミド、金チオグルコース、金チオマレート、オーロフィン、スルファサラジン、ヒドロキシクロロキニン、ミノサイクリン、TNF−.アルファ結合タンパク質(例えば、インフリキシマブ、エタネルセプトまたはアダリムマブ)、アバタセプト、アナキンラ、インターフェロン−β、インターフェロン−γ、インターロイキン−2、アレルギーワクチン、抗ヒスタミン薬、抗ロイコトリエン薬、ベータ−アゴニスト、テオフィリン、または抗コリン薬。
対象が、B細胞増殖性障害(例えば、形質細胞性骨髄腫)に罹患している、または罹患するリスクがある場合、対象は、1つまたは複数の他の抗がん剤との任意の組合せのBTK阻害化合物で治療され得る。いくつかの実施形態において、抗がん剤の1つまたは複数は、アポトーシス促進剤である。抗がん剤の例は、下記のいずれかを包含するがこれらに限定されない:ゴシフォール、ジェナセンス、ポリフェノールE、クロロフシン、全トランス型レチノイン酸(ATRA)、ブリオスタチン、腫瘍壊死因子関連アポトーシス誘導リガンド(TRAIL)、5−アザ−2’−デオキシシチジン、全トランス型レチノイン酸、ドキソルビシン、ビンクリスチン、エトポシド、ゲムシタビン、イマチニブ(Gleevec(商標))、ゲルダナマイシン、17−N−アリルアミノ−17−デメトキシゲルダナマイシン(17−AAG)、フラボピリドール、LY294002、ボルテゾミブ、トラスツズマブ、BAY11−7082、PKC412またはPD184352、微小管形成を増強し安定させることによって作用する周知の抗がん薬である、「パクリタキセル」とも称されるTaxol(商標)、およびTaxotere(商標)等のTaxol(商標)の類似体。塩基性タキサン骨格を共通の構造的特徴として有する化合物は、安定化微小管により細胞をG2−M期で停止させる能力を有することも示されており、本明細書において記述されている化合物と組み合わせてがんを治療するのに有用となり得る。
BTK阻害化合物と組み合わせて使用するための抗がん剤のさらなる例は、マイトジェン活性化タンパク質キナーゼシグナル伝達の阻害剤、例えば、U0126、PD98059、PD184352、PD0325901、ARRY−142886、SB239063、SP600125、BAY43−9006、ウォルトマンニンまたはLY294002;Syk阻害剤;mTOR阻害剤;および抗体(例えば、リツキサン)を包含する。
BTK阻害化合物と組み合わせて用いることができる他の抗がん剤は、アドリアマイシン、ダクチノマイシン、ブレオマイシン、ビンブラスチン、シスプラチン、アシビシン;アクラルビシン;アコダゾール塩酸塩;アクロニン;アドゼレシン;アルデスロイキン;アルトレタミン;アムボマイシン;酢酸アメタントロン;アミノグルテチミド;アムサクリン;アナストロゾール;アントラマイシン;アスパラギナーゼ;アスペルリン;アザシチジン;アゼテパ;アゾトマイシン;バチマスタット;ベンゾデパ;ビカルタミド;ビサントレン塩酸塩;ジメシル酸ビスナフィド;ビゼレシン;硫酸ブレオマイシン;ブレキナルナトリウム;ブロピリミン;ブスルファン;カクチノマイシン;カルステロン;カラセミド;カルベチマー;カルボプラチン;カルムスチン;カルビシン塩酸塩;カルゼルシン;セデフィンゴール;クロラムブシル;シロレマイシン;クラドリビン;メシル酸クリスナトール;シクロホスファミド;シタラビン;ダカルバジン;ダウノルビシン塩酸塩;デシタビン;デキソルマプラチン;デザグアニン;メシル酸デザグアニン;ジアジクオン;ドキソルビシン;ドキソルビシン塩酸塩;ドロロキシフェン;クエン酸ドロロキシフェン;プロピオン酸ドロモスタノロン;デュアゾマイシン;エダトレキサート;エフロルニチン塩酸塩;エルサミトルシン;エンロプラチン;エンプロメート;エピプロピジン;エピルビシン塩酸塩;エルブロゾール;エソルビシン塩酸塩;エストラムスチン;エストラムスチンリン酸ナトリウム;エタニダゾール;エトポシド;リン酸エトポシド;エトプリン;ファドロゾール塩酸塩;ファザラビン;フェンレチニド;フロクシウリジン;リン酸フルダラビン;フルオロウラシル;フルオロシタビン;ホスキドン;ホストリエシンナトリウム;ゲムシタビン;ゲムシタビン塩酸塩;ヒドロキシ尿素;イダルビシン塩酸塩;イホスファミド;イイモホシン;インターロイキンI1(組み換えインターロイキンII、またはr1L2を包含する)、インターフェロンアルファ−2a;インターフェロンアルファ−2b;インターフェロンアルファ−n1;インターフェロンアルファ−n3;インターフェロンベータ−1a;インターフェロンガンマ−1b;イプロプラチン;イリノテカン塩酸塩;酢酸ランレオチド;レトロゾール;酢酸ロイプロリド;リアロゾール塩酸塩;ロメトレキソールナトリウム;ロムスチン;ロソキサントロン塩酸塩;マソプロコール;メイタンシン;メクロレタミン塩酸塩;酢酸メゲストロール;酢酸メレンゲステロール;メルファラン;メノガリル;メルカプトプリン;メトトレキサート;メトトレキサートナトリウム;メトプリン;メツレデパ;ミチンドミド;ミトカルシン;ミトクロミン;ミトギリン;ミトマルシン;マイトマイシン;ミトスペル;ミトタン;ミトキサントロン塩酸塩;ミコフェノール酸;ナコダゾイエ;ノガラマイシン;オルマプラチン;オキシスラン;ペグアスパラガーゼ;ペリオマイシン;ペンタムスチン;硫酸ペプロマイシン;ペルホスファミド;ピポブロマン;ピポスルファン;ピロキサントロン塩酸塩;プリカマイシン;プロメスタン;ポルフィマーナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニムスチン;プロカルバジン塩酸塩;プロマイシン;プロマイシン塩酸塩;ピラゾフリン;リボプリン;ログレチミド;サフィンゴール;サフィンゴール塩酸塩;セムスチン;シムトラゼン;スパルフォセートナトリウム;スパルソマイシン;スピロゲルマニウム塩酸塩;スピロムスチン;スピロプラチン;ストレプトニグリン;ストレプトゾシン;スロフェヌル;タリソマイシン;テコガランナトリウム;テガフール;テロキサントロン塩酸塩;テモポルフィン;テニポシド;テロキシロン;テストラクトン;チアミプリン;チオグアニン;チオテパ;チアゾフリン;チラパザミン;クエン酸トレミフェン;酢酸トレストロン;リン酸トリシリビン;トリメトレキサート;グルクロン酸トリメトレキサート;トリプトレリン;ツブロゾール塩酸塩;ウラシルマスタード;ウレデパ;バプレオチド;ベルテポルフィン;硫酸ビンブラスチン;硫酸ビンクリスチン;ビンデシン;硫酸ビンデシン;硫酸ビネピジン;硫酸ビングリシネート;硫酸ビンレウロシン;酒石酸ビノレルビン;硫酸ビンロシジン;硫酸ビンゾリジン;ボロゾール;ゼニプラチン;ジノスタチン;ゾルビシン塩酸塩を包含する。
BTK阻害化合物と組み合わせて用いることができる他の抗がん剤は、20−epi−1、25ジヒドロキシビタミンD3;5−エチニルウラシル;アビラテロン;アクラルビシン;アシルフルベン;アデシペノール;アドゼレシン;アルデスロイキン;ALL−TKアンタゴニスト;アルトレタミン;アンバムスチン;アミドックス;アミフォスチン;アミノレブリン酸;アムルビシン;アムサクリン;アナグレリド;アナストロゾール;アンドログラフォリド;血管新生阻害剤;アンタゴニストD;アンタゴニストG;アンタレリクス;抗背方化形態形成タンパク質−1;抗アンドロゲン、前立腺癌;抗エストロゲン;アンチネオプラストン;アンチセンスオリゴヌクレオチド;グリシン酸アフィディコリン;アポトーシス遺伝子モジュレーター;アポトーシス調節剤;アプリン酸;アラ−CDP−DL−PTBA;アルギニンデアミナーゼ;アスラクリン;アタメスタン;アトリムスチン;アキシナスタチン1;アキシナスタチン2;アキシナスタチン3;アザセトロン;アザトキシン;アザチロシン;バッカチンIII誘導体;バラノール;バチマスタット;BCR/ABLアンタゴニスト;ベンゾクロリン;ベンゾイルスタウロスポリン;ベータラクタム誘導体;ベータ−アレシン;ベタクラマイシンB;ベツリン酸;bFGF阻害剤;ビカルタミド;ビサントレン;ビザジリジニルスペルミン;ビスナフィド;ビストラテンA;ビゼレシン;ブレフレート;ブロピリミン;ブドチタン;ブチオニンスルホキシミン;カルシポトリオール;カルフォスチンC;カンプトセシン誘導体;カナリア痘IL−2;カペシタビン;カルボキサミド−アミノ−トリアゾール;カルボキシアミドトリアゾール;CaRest M3;CARN700;軟骨由来阻害剤;カルゼルシン;カゼインキナーゼ阻害剤(ICOS);カスタノスペルミン;セクロピンB;セトロレリクス;クロリン;クロロキノキサリンスルホンアミド;シカプロスト;シス−ポルフィリン;クラドリビン;クロミフェン類似体;クロトリマゾール;コリスマイシンA;コリスマイシンB;コンブレタスタチンA4;コンブレタスタチン類似体;コナゲニン;クラムベシジン816;クリスナトール;クリプトフィシン8;クリプトフィシンA誘導体;キュラシンA;シクロペンタントラキノン;シクロプラタム;シペマイシン;シタラビンオクホスファート;細胞溶解因子;サイトスタチン;ダクリキシマブ;デシタビン;デヒドロジデムニンB;デスロレリン;デキサメタゾン;デキシホスファミド;デクスラゾキサン;デクスベラパミル;ジアジクオン;ジデムニンB;ジドックス;ジエチルノルスペルミン;ジヒドロ−5−アザシチジン;9−ジオキサマイシン;ジフェニルスピロムスチン;ドコサノール;ドラセトロン;ドキシフルリジン;ドロロキシフェン;ドロナビノール;デュオカルマイシンSA;エブセレン;エコムスチン;エデルフォシン;エドレコロマブ;エフロルニチン;エレメン;エミテフール;エピルビシン;エプリステライド;エストラムスチン類似体;エストロゲンアゴニスト;エストロゲンアンタゴニスト;エタニダゾール;リン酸エトポシド;エクスメスタン;ファドロゾール;ファザラビン;フェンレチニド;フィルグラスチム;フィナステライド;フラボピリドール;フレゼラスチン;フルアステロン;フルダラビン;フルオロダウノルビシン塩酸塩;フォルフェニメックス;ホルメスタン;ホストリエシン;フォテムスチン;ガドリニウムテキサフィリン;硝酸ガリウム;ガロシタビン;ガニレリックス;ゼラチナーゼ阻害剤;ゲムシタビン;グルタチオン阻害剤;ヘプスルファム;ヘレグリン;ヘキサメチレンビスアセトアミド;ヒペリシン;イバンドロン酸;イダルビシン;イドキシフェン;イドラマントン;イルモホシン;イロマスタット;イミダゾアクリドン;イミキモド;免疫刺激ペプチド;インスリン様成長因子−1受容体阻害剤;インターフェロンアゴニスト;インターフェロン;インターロイキン;イオベングアン;ヨードドキソルビシン;イポメアノール、4−;イロプラクト;イルソグラジン;イソベンガゾール;イソホモハリコンドリンB;イタセトロン;ジャスプラキノリド;カハラリドF;ラメラリン−Nトリアセテート;ランレオチド;レイナマイシン;レノグラスチム;硫酸レンチナン;レプトルスタチン;レトロゾール;白血病阻害因子;白血球アルファインターフェロン;ロイプロリド+エストロゲン+プロゲステロン;レウプロレリン;レバミゾール;リアロゾール;直鎖ポリアミン類似体;親油性二糖ペプチド;親油性白金化合物;リッソクリナミド7;ロバプラチン;ロンブリシン;ロメトレキソール;ロニダミン;ロソキサントロン;ロバスタチン;ロキソリビン;ルルトテカン;ルテチウムテキサフィリン;リソフィリン;溶解性ペプチド;マイタンシン;マンノスタチンA;マリマスタット;マソプロコール;マスピン;マトリリシン阻害剤;マトリックスメタロプロティナーゼ阻害剤;メノガリル;メルバロン;メテレリン;メチオニナーゼ;メトクロプラミド;MIF阻害剤;ミフェプリストン;ミルテフォシン;ミリモスチム;不適合塩基配列を有する二重鎖RNA;ミトグアゾン;ミトラクトール;マイトマイシン類似体;ミトナフィド;マイトトキシン繊維芽細胞成長因子−サポリン;ミトキサントロン;モファロテン;モルグラモスチム;モノクローナル抗体、ヒト絨毛性ゴナドトロピン;モノホスホリル脂質A+ミオバクテリア細胞壁サブスタンスK;モビダモール;多剤耐性遺伝子阻害剤;多腫瘍抑制剤1基剤療法;マスタード抗がん剤;ミカペルオキシドB;ミコバクテリア細胞壁抽出物;ミリアポロン;N−アセチルジナリン;N置換ベンズアミド;ナファレリン;ナグレスチプ;ナロキソン+ペンタゾシン;ナパビン;ナフテルピン;ナルトグラスチム;ネダプラチン;ネモルビシン;ネリドロン酸;中性エンドペプチダーゼ;ニルタミド;ニサマイシン;一酸化窒素モジュレーター;ニトロキシド抗酸化剤;ニトルリン;O6−ベンジルグアニン;オクトレオチド;オキセノン;オリゴヌクレオチド;オナプリストン;オンダンセトロン;オンダンセトロン;オラシン;経口サイトカイン誘導物質;オルマプラチン;オサテロン;オキサリプラチン;オキザウノマイシン;パラウアミン;パルミトイルリゾキシン;パミドロン酸;パナキシトリオール;パノミフェン;パラバクチン;パゼリプチン;ペガスパルガーゼ;ペルデシン;ペントサンポリ硫酸ナトリウム;ペントスタチン;ペントロゾール;パーフルブロン;ペルホスファミド;ペリリルアルコール;フェナジノマイシン;フェニル酢酸;ホスファターゼ阻害剤;ピシバニール;ピロカルピン塩酸塩;ピラルビシン;ピリトレキシム;プラセチンA;プラセチンB;プラスミノーゲンアクチベーター阻害剤;白金錯体;白金化合物;白金−トリアミン錯体;ポルフィマーナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニゾン;プロピルビス−アクリドン;プロスタグランジンJ2;プロテアソーム阻害剤;タンパク質Aベースの免疫モジュレーター;タンパク質キナーゼC阻害剤;タンパク質キナーゼC阻害剤、微細藻類;タンパク質チロシンホスファターゼ阻害剤;プリンヌクレオシドホスホリラーゼ阻害剤;プルプリン;ピラゾロアクリジン;ピリドキシル化ヘモグロビンポリオキシエチレリエ(polyoxyethylerie)コンジュゲート;rafアンタゴニスト;ラルチトレキセド;ラモセトロン;rasファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤;ras阻害剤;ras−GAP阻害剤;脱メチル化レテリプチン;レニウムRe186エチドロネート;リゾキシン;リボザイム;RIIレチナミド;ログレチミド;ロヒツキン;ロムルチド;ロキニメクス;ルビジノンB1;ルボキシル;サフィンゴール;セイントピン;SarCNU;サルコフィトールA;サルグラモスチム;Sdi1模倣剤;セムスチン;老化由来阻害剤1;センスオリゴヌクレオチド;シグナル伝達阻害剤;シグナル伝達モジュレーター;単鎖抗原結合タンパク質;シゾフラン;ソブゾキサン;ボロカプテイトナトリウム;フェニル酢酸ナトリウム;ソルベロール;ソマトメジン結合タンパク質;ソネルミン;スパルホス酸;スピカマイシンD;スピロムスチン;スプレノペンチン;スポンジスタチン1;スクアラミン;幹細胞阻害剤;幹細胞***阻害剤;スチピアミド;ストロメライシン阻害剤;スルフィノシン;超活性血管作用性小腸ペプチドアンタゴニスト;スラジスタ;スラミン;スワインソニン;合成グリコサミノグリカン;タリムスチン;タモキシフェンメチオジド;タウロムスチン;タザロテン;テコガランナトリウム;テガフール;テルラピリリウム;テロメラーゼ阻害剤;テモポルフィン;テモゾロマイド;テニポシド;テトラクロロデカオキシド;テトラゾミン;タリブラスチン;チオコラリン;トロンボポエチン;トロンボポエチン模倣剤;チマルファシン;サイモポエチン受容体アゴニスト;チモトリナン;甲状腺刺激ホルモン;スズエチルエチオプルプリン;チラパザミン;二塩化チタノセン;トプセンチン;トレミフェン;全能性幹細胞因子;翻訳阻害剤;トレチノイン;トリアセチルウリジン;トリシリビン;トリメトレキサート;トリプトレリン;トロピセトロン;テュロステライド;チロシンキナーゼ阻害剤;チロホスチン;UBC阻害剤;ウベニメクス;尿生殖洞由来成長阻害因子;ウロキナーゼ受容体アンタゴニスト;バプレオチド;バリオリンB;ベクター系、赤血球遺伝子療法;ベラレソール;ベラミン;バーディン;ベルテポルフィン;ビノレルビン;ビンキサルチン;バイタクシン;ボロゾール;ザノテロン;ゼニプラチン;ジラスコルブ;およびジノスタチンスチマラマーを包含する。
BTK阻害化合物と組み合わせて用いることができるさらに他の抗がん剤は、アルキル化剤、代謝拮抗物質、天然物、またはホルモン、例えば、ナイトロジェンマスタード(例えば、メクロロエタミン、シクロホスファミド、クロラムブシル等)、スルホン酸アルキル(例えば、ブスルファン)、ニトロソ尿素(例えば、カルムスチン、ロムスチン等)、またはトリアゼン(ダカルバジン等)を包含する。代謝拮抗物質の例は、葉酸類似体(例えば、メトトレキサート)、またはピリミジン類似体(例えば、シタラビン)、プリン類似体(例えば、メルカプトプリン、チオグアニン、ペントスタチン)を包含するがこれらに限定されない。
BTK阻害化合物と組み合わせて有用な天然物の例は、ビンカアルカロイド(例えば、ビンブラスチン、ビンクリスチン)、エピポドフィロトキシン(例えば、エトポシド)、抗生物質(例えば、ダウノルビシン、ドキソルビシン、ブレオマイシン)、酵素(例えば、L−アスパラギナーゼ)、または生体応答修飾物質(例えば、インターフェロンアルファ)を包含するがこれらに限定されない。
BTK阻害化合物と組み合わせて用いることができるアルキル化剤の例は、ナイトロジェンマスタード(例えば、メクロロエタミン、シクロホスファミド、クロラムブシル、メイファラン等)、エチレンイミンおよびメチルメルカプタン(例えば、ヘクサメチルメラミン、チオテパ)、スルホン酸アルキル(例えば、ブスルファン)、ニトロソ尿素(例えば、カルムスチン、ロムスチン、セムスチン、ストレプトゾシン等)、またはトリアゼン(ダカルバジン等)を包含するがこれらに限定されない。代謝拮抗物質の例は、葉酸類似体(例えば、メトトレキサート)、またはピリミジン類似体(例えば、フルオロウラシル、フロクスウリジン、シタラビン)、プリン類似体(例えば、メルカプトプリン、チオグアニン、ペントスタチンを包含するがこれらに限定されない。
BTK阻害化合物と組み合わせて有用なホルモンおよびアンタゴニストの例は、副腎皮質ステロイド(例えば、プレドニソン)、プロゲスチン(例えば、カプロン酸ヒドロキシプロゲステロン、酢酸メゲストロール、酢酸メドロキシプロゲステロン)、エストロゲン(例えば、ジエチルスチルベストロール、エチニルエストラジオール)、抗エストロゲン(例えば、タモキシフェン)、アンドロゲン(例えば、プロピオン酸テストステロン、フルオキシメステロン)、抗アンドロゲン(例えば、フルタミド)、ゴナドトロピン放出ホルモン類似体(例えば、ロイプロリド)を包含するがこれらに限定されない。がんの治療または予防のための本明細書において記述されている方法および組成物において使用することができる他の作用物質は、白金配位錯体(例えば、シスプラチン、カルボブラチン)、アントラセンジオン(例えば、ミトキサントロン)、置換尿素(例えば、ヒドロキシ尿素)、メチルヒドラジン誘導体(例えば、プロカルバジン)、副腎皮質抑制薬(例えば、ミトタン、アミノグルテチミド)を包含する。
安定化微小管により細胞をG2−M期で停止させることにより作用し、BTK阻害化合物と組み合わせて使用することができる抗がん剤の例は、下記の販売されている薬物および開発中の薬物を包含するがこれらに限定されない:エルブロゾール(R−55104としても公知である)、ドラスタチン10(DLS−10およびNSC−376128としても公知である)、ミボブリンイセチオネート(CI−980としても公知である)、ビンクリスチン、NSC−639829、ディスコデルモライド(NVP−XX−A−296としても公知である)、ABT−751(Abbott、E−7010としても公知である)、アルトリーチン(アルトリーチンAおよびアルトリーチンC等)、スポンジスタチン(スポンジスタチン1、スポンジスタチン2、スポンジスタチン3、スポンジスタチン4、スポンジスタチン5、スポンジスタチン6、スポンジスタチン7、スポンジスタチン8およびスポンジスタチン9等)、セマドチン塩酸塩(LU−103793およびNSC−D−669356としても公知である)、エポチロン(エポチロンA、エポチロンB、エポチロンC(デオキシエポチロンAまたはdEpoAとしても公知である)、エポチロンD(KOS−862、dEpoBおよびデオキシエポチロンBとも称される)、エポチロンE、エポチロンF、エポチロンB N−オキシド、エポチロンA N−オキシド、16−アザ−エポチロンB、21−アミノエポチロンB(BMS−310705としても公知である)、21−ヒドロキシエポチロンD(デオキシエポチロンFおよびdEpoFとしても公知である)、26−フルオロエポチロン等)、オーリスタチンPE(NSC−654663としても公知である)、ソブリドチン(TZT−1027としても公知である)、LS−4559−P(Pharmacia、LS−4577としても公知である)、LS−4578(Pharmacia、LS−477−Pとしても公知である)、LS−4477(Pharmacia)、LS−4559(Pharmacia)、RPR−112378(Aventis)、硫酸ビンクリスチン、DZ−3358(第一三共株式会社)、FR−182877(藤沢薬品工業株式会社、WS−9885Bとしても公知である)、GS−164(武田薬品工業株式会社)、GS−198(武田薬品工業株式会社)、KAR−2(Hungarian Academy of Sciences)、BSF−223651(BASF、ILX−651およびLU−223651としても公知である)、SAH−49960(Lilly/Novartis)、SDZ−268970(Lilly/Novartis)、AM−97(Armad/協和発酵工業株式会社)、AM−132(Armad)、AM−138(Armad/協和発酵工業株式会社)、IDN−5005(Indena)、クリプトフィシン52(LY−355703としても公知である)、AC−7739(味の素株式会社、AVE−8063AおよびCS−39.HCIとしても公知である)、AC−7700(味の素株式会社、AVE−8062、AVE−8062A、CS−39−L−Ser.HCIおよびRPR−258062Aとしても公知である)、ビチレブアミド、ツブリシンA、カナデンソール、センタウレイジン(NSC−106969としても公知である)、T−138067(Tularik、T−67、TL−138067およびTI−138067としても公知である)、COBRA−1(Parker Hughes Institute、DDE−261およびWHI−261としても公知である)、H10(Kansas State University)、H16(Kansas State University)、オンコシジンA1(BTO−956およびDIMEとしても公知である)、DDE−313(Parker Hughes Institute)、フィジアノリドB、ラウリマリド、SPA−2(Parker Hughes Institute)、SPA−1(Parker Hughes Institute、SPIKET−Pとしても公知である)、3−IAABU(Cytoskeleton/Mt.Sinai School of Medicine、MF−569としても公知である)、ナルコシン(NSC−5366としても公知である)、ナスカピン、D−24851(Asta Medica)、A−105972(Abbott)、ヘミアステリン、3−BAABU(Cytoskeleton/Mt.Sinai School of Medicine、MF−191としても公知である)、TMPN(Arizona State University)、バナドセンアセチルアセトネート、T−138026(Tularik)、モンサトロール、イナノシン(Inanocine)(NSC−698666としても公知である)、3−IAABE(Cytoskeleton/Mt.Sinai School of Medicine)、A−204197(Abbott)、T−607(Tuiarik、T−900607としても公知である)、RPR−115781(Aventis)、エリュテロビン(ジスメチレロイセロビン、ジサエチレロイセロビン、イソエレロイセロビンAおよびZ−エレロイセロビン等)、カリバエオシド、カリバエオリン、ハリコンドリンB、D−64131(Asta Medica)、D−68144(Asta Medica)、ジアゾンアミドA、A−293620(Abbott)、NPI−2350(Nereus)、タッカロノリドA、TUB−245(Aventis)、A−259754(Abbott)、ジオゾスタチン、(−)−フェニラヒスチン(NSCL−96F037としても公知である)、D−68838(Asta Medica)、D−68836(Asta Medica)、ミオセベリンB、D−43411(Zentaris、D−81862としても公知である)、A−289099(Abbott)、A−318315(Abbott)、HTI−286(SPA−110としても公知である、トリフルオロ酢酸塩)(Wyeth)、D−82317(Zentaris)、D−82318(Zentaris)、SC−12983(NCI)、レスベラスタチン酸ナトリウム、BPR−OY−007(National Health Research Institutes)、およびSSR−250411(Sanofi)。
対象が、血栓塞栓性障害(例えば、脳卒中)に罹患している、または罹患するリスクがある場合、対象は、1つまたは複数の他の抗血栓塞栓剤との任意の組み合わせのBTK阻害化合物で治療され得る。抗血栓塞栓剤の例は、下記のいずれかを包含するがこれらに限定されない:血栓溶解剤(例えば、アルテプラーゼ、アニストレプラーゼ、ストレプトキナーゼ、ウロキナーゼまたは組織プラスミノゲン活性化因子)、ヘパリン、チンザパリン、ワルファリン、ダビガトラン(例えば、ダビガトランエテキシレート)、第Xa因子阻害剤(例えば、フォンダパリヌクス、ドラパリヌクス、リバロキサバン、DX−9065a、オタミキサバン、LY517717またはYM150)、チクロピジン、クロピドグレル、CS−747(プラスグレル、LY640315)、キシメラガトラン、またはBIBR1048。
本明細書で提供される製造品は、包装材料を含有する。医薬品を包装するのに使用するための包装材料は、当業者に周知である。例えば、米国特許第5,323,907号、同第5,052,558号および同第5,033,252号を参照されたい。医薬包装材料の例は、ブリスターパック、ボトル、管、吸入器、ポンプ、バッグ、バイアル、容器、シリンジ、ボトル、ならびに、選択された製剤ならびに意図された投与および治療モードに好適である任意の包装材料を包含するがこれらに限定されない。本明細書で提供される化合物および組成物の幅広い製剤が、BTKの阻害が有益であるであろう、またはBTKが症状もしくは原因のメディエーターもしくは一因である、任意の疾患、障害または状態の多様な治療であるとして企図される。
例えば、容器は、1つまたは複数の本明細書において記述されている化合物を、場合により組成物中にまたは本明細書において開示されている通りの別の作用物質と組み合わせて包含し得る。容器は、滅菌アクセスポートを有していてもよい(例えば、容器は皮下注射針によって貫通可能な栓を有する静脈注射溶液バッグまたはバイアルであってよい)。そのようなキットは、化合物を、識別記述もしくはラベル、または本明細書において記述されている方法におけるその使用に関連する説明書とともに含んでいてもよい。
キットは、典型的には、1つまたは複数の追加の容器を、それぞれ、本明細書において記述されている化合物の使用のための商業的および使用者の立場から望ましい種々の材料の1つまたは複数(場合により濃縮形態の試薬、および/またはデバイス等)とともに包含し得る。そのような材料の非限定的な例は、緩衝剤、賦形剤、フィルター、針、シリンジ;内容物および/または使用説明書を列挙した、キャリア、パッケージ、容器、バイアルおよび/または管のラベル、ならびに使用説明書付きの添付文書を包含するがこれらに限定されない。典型的には、説明書のセットも包含されることになる。
ラベルは、容器に接しているか添付されていてよい。ラベルは、容器に接していてよく、このとき、文字、数字、またはラベルを形成する他の字が容器自体に付着しているか、成型されているか、または食刻されており、ラベルは、容器に添付されていてよく、このとき、例えば添付文書等、容器も収容するレセプタクルまたはキャリア内にそれが存在する。ラベルは、内容物が特定の治療用途のために使用されることを示すために使用され得る。ラベルは、本明細書において記述されている方法において等、内容物の使用のための指示も示し得る。
ある特定の実施形態において、医薬組成物は、本明細書で提供される化合物を含有する1つまたは複数の単位剤形を収納することができるパックまたはディスペンサーデバイス中に提示され得る。パックは、例えば、ブリスターパック等の金属またはプラスチック箔を含有し得る。パックまたはディスペンサーデバイスには、投与説明書が付随していてよい。パックまたはディスペンサーには、医薬品の製造、使用または販売を規制する政府機関によって定められる形態で容器に添付された注意書きが付随していてもよく、この注意書きは、ヒトまたは獣医学的投与用の薬物の形態の該機関による承認を反映している。そのような注意書きは、例えば、処方薬について米国食品医薬品局によって承認されたラベル表示、または承認製品添付文書であってよい。適合性医薬担体中に配合された本明細書で提供される化合物を含有する組成物を調製し、適切な容器に入れ、指示された状態の治療を表すラベル表示をすることもできる。
下記の合成シーケンスのいずれかの間、関与する分子のいずれか上の感応性または反応性基を保護することが必要となる、かつ/または望ましい場合がある。これは、T.W.GreeneおよびP.G.M.Wuts、Protective Groups in Organic Chemistry、John Wiley&Sons、2006において記述されているもの等、従来の保護基を利用して実現することができる。適切な保護基の必要性および選択は、当業者によって容易に決定することができる。
式(I)の化合物は、単一の鏡像異性体として、またはラセミ混合物を包含する個々の鏡像異性体の混合物として、調製され得る。個々の鏡像異性体の混合物またはラセミ混合物から単一の鏡像異性体を優先的に取得するための方法は、有機化学の当業者に周知である。そのような方法は、ジアステレオマー塩(例えば、酒石酸塩またはショウノウスルホン酸塩)の優先晶出、キラル、非ラセミ試薬による共有結合誘導体化、それに続く、得られたジアステレオマーの、一般的方法(例えば、結晶化、クロマトグラフ分離または蒸留)による分離およびスケールミック(scalemic)化合物への化学的復帰、疑似移動床技術、またはキラル固定相を用いる高/中圧液体クロマトグラフィーもしくは超臨界流体クロマトグラフィーを包含するがこれらに限定されない。これらの技術は、式(I)の最終化合物に対して、または立体中心を担持する式(I)の化合物への任意の中間体に対して実施され得る。また、上述した方法のいずれかによる分離を容易にするために、式(I)の化合物または立体中心を担持する式(I)の化合物への任意の中間体を、アキラル試薬と一時的に反応させ、分離し、次いで、標準的合成技術によってスケールミック化合物に戻してよい。
式(I)の化合物は、スキームAで記述されている通りに調製され得る。スキームCで記述されている通りに調製された式A1の化合物を、式A2のヒドラジン[式中、環Bは、置換されていてもよい4〜8員の窒素含有ヘテロ環であり、Pは、適切なアミン保護基(例えば、ベンジルオキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、アセチルまたはジフェニルメチレン)である]と縮合して、式A3のピラゾールを得る。式A2のヒドラジンは、市販されているか、またはスキームG〜Iで記述されている通りに調製され得る。化合物A4は、ベンジルオキシカルボニル保護の事例においては触媒的水素化、またはt−ブトキシカルボニルの事例においてはトリフルオロ酢酸等の条件を用いるアミンの脱保護によって、取得され得る。その後の、式A5のカルボキサミドを得るためのニトリルの加水分解は、強塩基(例えば、水酸化ナトリウム)または強酸(例えば、硫酸)の存在下で化合物A4を加熱することによって遂行され得る。代替として、式A3の化合物は、これらの条件下で直接A5に転換され得る。
ある特定の実施形態において、次いで、化合物A5を、臭化シアンと、極性溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド)中、無機塩基(例えば、炭酸カリウム)の存在下で反応させて、式A6.1の化合物を得る。スキームBで記述されているのと同様に、アミンA5をブロモアセトニトリルと反応させて、式B1の化合物を提供する。
ある特定の実施形態において、次いで、化合物A5を、アルケン酸またはアルケン酸塩化物と、アミンおよび必要に応じて適切なカップリング剤の存在下で反応させて、式A6.2の化合物を得る。
スキームAで用いられる式A1の化合物は、スキームCで記述されている通りに調製され得る。市販されている、またはスキームD〜Fで記述されている通りに調製される式C1のカルボン酸を、塩化チオニルまたは塩化オキサリルとの反応によって、対応するカルボン酸塩化物C2に変換する。C2とマロノニトリルのナトリウムアニオンとの無水テトラヒドロフラン中での縮合により、式C3の化合物が得られる。次いで、式A1の化合物は、C3と硫酸メチルとの、無機塩基(例えば、重炭酸ナトリウム)の存在下での反応によって提供される。
スキームCで用いられる式C1のカルボン酸は、スキームD〜Fで記述されている通りに調製され得る。スキームDにおいて、4−ヒドロキシ安息香酸メチルを、式D1の置換ボロン酸と、4−ジメチルアミノピリジンおよび酸化銅(II)の存在下でカップリングさせて、式D3のエステルを提供することができる。その後の、水酸化ナトリウム等の無機塩基を用いるD3の鹸化により、式C1.1のカルボン酸が提供される。代替として、スキームEで記述されている通りに、(4−(メトキシカルボニル)フェニル)ボロン酸を、式E2の置換フェノールと、4−ジメチルアミノピリジンおよび酸化銅(II)の存在下でカップリングして、式D3のエステルを提供することができ、これを、スキームDで記述されている通りに酸C1.1にさらに転換することができる。代替として、スキームFで記述されている通りに、1−(4−フルオロフェニル)エタノンを、ジメチルアセトアミド中、式E2の置換フェノールおよび炭酸カリウム等の無機塩基とともに加熱して、式F2のエーテルを得ることができる。その後の、次亜塩素酸ナトリウム溶液を用いるF2のバイヤー・ビリガー酸化により、式C1.1のカルボン酸が提供される。
スキームAで用いられる式A2の化合物は、スキームGで記述されている通りに調製され得、ここで、環Bは、置換されていてもよいアゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、アゼパン等である。式G1のヒドロキシアミン中に存在する塩基性窒素原子は、ベンジルオキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、アセチルまたはジフェニルメチレン等の適切な保護基で、当業者に周知の条件を用いて保護されて、G2[式中、x=0〜2、y=1〜2であり、Rは、(C1〜C4)アルキル、(C1〜C4)フルオロアルキル、ハロ、保護されたヒドロキシおよび(C1〜C4)アルコキシ等の基を包含し得る]を提供する。次いで、化合物G2を酸化して式G3のケトンを提供し、次いでこれを、t−ブチルヒドラジンカルボキシレートと縮合して、G4の化合物を提供する。次いで、得られたヒドラゾンを、適切な金属水素化物還元剤(例えば、シアノ水素化ホウ素ナトリウム)と反応させて、G5を提供する。次いで、化合物G5を酸(例えば、塩酸)で処理して、式A1.1のヒドラジンを提供する。
スキームAで用いられるA2の追加の例は、スキームHで記述されている通りに調製され得、ここで、環Bはオキサゼパンである。水素化ナトリウム塩基の存在下での3−クロロ−2−(クロロメチル)プロパ−1−エンおよびN−(t−ブトキシカルボニル)−2−アミノエタノールの縮合により、化合物H3が提供される。過ヨウ素酸ナトリウムおよび四酸化オスミウムを用いるオレフィンの酸化的開裂により、ケトンH4が提供される。化合物H4をベンジルヒドラジンカルボキシレートと縮合し、続いてシアノ水素化ホウ素ナトリウムでの処理により、化合物H5を提供する。次いで、化合物H5を、パラジウム炭素の存在下、水素ガスで処理して、ヒドラジンA1.2を得る。
スキームAで用いられるA2の追加の例は、スキームIで記述されている通りに調製され得、ここで、環Bはアザビシクロ[2.2.1]ヘプタンである。シクロペンタ−1,3−ジエンを、塩化アンモニウム、ホルムアルデヒドおよびクロロギ酸ベンジルと反応させて、化合物I2を提供する。メチルスルフィドボランを用いるI2のヒドロホウ素化、続いて過酸化水素による酸化により、アルコールI3が提供され、これを、その後、デス・マーチンペルヨージナンで酸化して、ケトンI5を提供する。次いで、得られたケトンをt−ブチルヒドラジンカルボキシレートと縮合し、続いてシアノ水素化ホウ素ナトリウムで処理して、化合物I6を提供する。次いで、化合物I6を酸(例えば、塩酸)で処理して、式A1.3のヒドラジンを提供する。
代替として、式(I)の化合物は、スキームJで記述されている通りに調製され得る。無水テトラヒドロフラン中での4−ヨードベンゾイルクロリドとマロノニトリルのナトリウムアニオンとの縮合により、化合物J2が得られ、次いでこれを、硫酸メチルと、無機塩基(例えば、重炭酸ナトリウム)の存在下で反応させて、化合物J3を提供する。化合物J3を、式A2のヒドラジン[式中、Bは、置換されていてもよい4〜8員の窒素含有ヘテロ環であり、Pは、適切なアミン保護基(例えば、ベンジルオキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、アセチルまたはジフェニルメチレン)である]と縮合して、式J4のピラゾールを得る。式A2のヒドラジンは、市販されているか、またはスキームG〜Iで記述されている通りに調製され得る。化合物J4を、PdCl2(dppf)2によって触媒されたビス(ピナコラト)ジボロンおよび酢酸カリウムと反応させて、式J5の化合物を提供する。次いで、J5によって描写される得られたボロネートを、過ヨウ素酸ナトリウムおよび酢酸アンモニウムの存在下で加水分解して、式J6のボロン酸を得る。化合物J6を、場合により置換フェノールと、酸化銅(II)およびピリジンの存在下でカップリングして、式A3.1のアリールエーテルを得ることができ、これをその後、スキームAで記述されている手順に従って、式(I)の化合物に変換することができる。同様に、3−ヨードベンゾイルクロリドから出発し、アリールエーテル置換基がメタ位にある式(I)の化合物を調製することができる。
代替として、スキームLで記述されている通りに、J4のアミノ置換基を、対応するN−アセチルとして一時的に保護して、式L1の化合物を提供することができる。化合物L1を、置換されていてもよいハロゲン化ベンジル亜鉛と、S−PHOSおよびPd2(dba)3触媒の存在下で反応させて、式L2の化合物[式中、X=CH2である]を得る。同様の様式で、化合物L1を、置換されていてもよいフェノールと、炭酸セシウムおよびヨウ化銅(I)の存在下で反応させて、式L2の化合物[式中、X=Oである]を提供する。加えて、化合物L1を、置換されていてもよいチオフェノールと、炭酸カリウムおよびヨウ化銅(I)の存在下で反応させて、式L2の化合物[式中、X=Sである]を提供する。次いで、化合物L2を、強塩基(例えば、水酸化ナトリウム)または強酸(例えば、濃硫酸)で処理して、式A5の化合物を提供することができ、これをその後、スキームAで記述されている手順に従って、式(I)の化合物に変換することができる。
式(I)の化合物[式中、Aはピリジン環である]は、スキームMで記述されている通りに調製される。6−クロロニコチニルクロリド(M1)を、マロノニトリルのナトリウムアニオンと、無水テトラヒドロフラン中で縮合して、化合物M2を得、次いでこれを、硫酸メチルと、無機塩基(例えば、重炭酸ナトリウム)の存在下で反応させて、M3を提供する。化合物M3を、式A2のヒドラジン[式中、環Bは、置換されていてもよい4〜8員の窒素含有ヘテロ環であり、Pは、適切なアミン保護基(例えば、ベンジルオキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、アセチルまたはジフェニルメチレン)である]と縮合して、式M4のピラゾールを得る。式A2のヒドラジンは、市販されているか、またはスキームG〜Iで記述されている通りに調製され得る。化合物M4を、極性溶媒中、置換されていてもよいフェノールおよび無機塩基(例えば、炭酸カリウム)とともに加熱して、式M5の化合物を提供する。次いで、化合物M5を、水酸化ナトリウムのエタノール溶液中で加熱して、カルボキサミドM6を提供する。
ある特定の実施形態において、次いで、得られたアミンを、臭化シアンと、極性溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド)中、無機塩基(例えば、炭酸カリウム)の存在下で反応させて、式M7.1の化合物(式中、R=CNである)を得る。同様に、アミンをブロモアセトニトリルと反応させて、式M7.1の化合物(式中、R=CH2CNである)を提供する。
他の実施形態において、次いで、得られたアミンを、アルケン酸またはアルケン酸塩化物と、アミンおよび必要に応じて適切なカップリング剤の存在下で反応させて、式M7.2の化合物を得る。
式(I)の化合物[式中、Wはピリジン環である]は、スキームNで記述されている通りに調製され得る。4−ヒドロキシ安息香酸(N1)を、t−ブチルジメチルシリルクロリドと、イミダゾールの存在下で反応させて、化合物N2を得る。化合物N2を、クロロギ酸イソブチルとの反応により、対応する酸塩化物に変換し、次いでこれを、マロノニトリルのナトリウムアニオンと、無水テトラヒドロフラン中で縮合し、次いで無機塩基(例えば、重炭酸ナトリウム)の存在下、硫酸メチルで処理して、N3を提供する。化合物N3を、式A2のヒドラジン[式中、環Bは、置換されていてもよい4〜8員の窒素含有ヘテロ環であり、Pは、適切なアミン保護基(例えば、ベンジルオキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、アセチルまたはジフェニルメチレン)である]と縮合して、式N4のピラゾールを得る。式A2のヒドラジンは、市販されているか、またはスキームG〜Iで記述されている通りに調製され得る。化合物N4を、塩化アセチルおよびトリエチルアミンで処理して、式N5の化合物を得、次いでこれを、メタノールおよび水の混合物中、水酸化リチウムで処理して、化合物N6を提供する。得られたフェノールを、極性溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド)中、置換されていてもよい2−ハロピリジンおよび無機塩基(例えば、炭酸セシウム)とともに加熱して、式N7の化合物を提供する。化合物N7を濃硫酸と反応させて、式N8のカルボキサミドを提供する。
ある特定の実施形態において、次いで、得られたアミンを、臭化シアンと、極性溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド)中、無機塩基(例えば、炭酸カリウム)の存在下で反応させて、式N9.1の化合物(式中、R=CNである)を得る。同様に、アミンを、ブロモアセトニトリルと反応させて、式N9.1の化合物(式中、R=CH2CNである)を提供する。
他の実施形態において、次いで、得られたアミンを、アルケン酸またはアルケン酸塩化物と、アミンおよび必要に応じて適切なカップリング剤の存在下で反応させて、式M9.2の化合物を得る。
式(I)の化合物は、スキームOで記述されている通りに調製されてもよい。スキームPで記述されている通りに調製されたtert−ブチル3−(5−アセトアミド−3−ブロモ−4−(エトキシカルボニル)−1H−ピラゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(化合物O1)を、スキームQで記述されている通りに調製され得る式O2のボロン酸エステルと、Pd(dppf)2Cl2および無機塩基(例えば、炭酸ナトリウム)の存在下で反応させて、式O3の化合物を提供する。次いで、得られたエステルを、メタノールおよびテトラヒドロフランの混合物中、水酸化リチウムで処理して、式O4のカルボン酸を提供し、次いでこれを、アンモニアと、1−ヒドロキシベンゾトリアゾールおよび3−(ジメチルアミノ)プロピルカルボジイミド塩酸塩による活性化後にカップリングして、アミドO5を提供する。次いで、化合物O5を酸(例えば、トリフルオロ酢酸)で処理して、式O6のアミンを提供する。
ある特定の実施形態において、次いで、得られたアミンを、臭化シアンと、極性溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド)中、無機塩基(例えば、炭酸カリウム)の存在下で反応させて、式O7の化合物(R=CN)を得る。同様に、アミンをブロモアセトニトリルと反応させて、式O8の化合物(R=CH2CN)を提供する。
他の実施形態において、次いで、得られたアミンを、アルケン酸またはアルケン酸塩化物と、アミンおよび必要に応じて適切なカップリング剤の存在下で反応させて、式O9の化合物を得る。
スキームOで用いられるtert−ブチル3−(5−アセトアミド−3−ブロモ−4−(エトキシカルボニル)−1H−ピラゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(化合物O1)は、エチル5−アミノ−1H−ピラゾール−4−カルボキシレートから、スキームPで記述されている通りに調製される(化合物P1)。化合物P1を塩化アセチルで処理して、化合物P2を提供し、次いでこれを、エタノールおよび酢酸ナトリウム水溶液の混合物中、臭素と反応させて、化合物P3を提供する。化合物P3を、光延反応条件下、t−ブチル3−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシレートと反応させて、化合物O1を提供する。
スキームOで用いられる式O2のボロン酸エステルの代表的な例は、スキームQで記述されている通りに調製され得る。式Q1のフェノールを、式D1のボロン酸と、酸化銅(II)およびトリエチルアミンの存在下で反応させて、式Q2のエーテルを提供する。次いで、Q2等の臭化アリールを、ビス(ピナコラト)ジボロンと、無機塩基(例えば、酢酸カリウム)およびPd(dppf)2Cl2の存在下で反応させて、式O2の化合物を提供する。
実験は、特に酸素または水分感受性の試薬または中間体を用いた事例では、概して不活性雰囲気(窒素またはアルゴン)下で行った。適切な場合には無水溶媒を包含する市販の溶媒および試薬を、概してさらに精製することなく使用した。質量分析データは、液体クロマトグラフィー質量分析(LCMS)、大気圧化学イオン化(APCI)またはガスクロマトグラフィー質量分析(GCMS)計測のいずれかにより報告する。核磁気共鳴(NMR)データの化学シフトは、用いた重水素化溶媒からの残存ピークを参照して100万分の1(ppm、δ)で表す。カップリング定数(J値)は、ヘルツで報告する。
他の実施例または方法における手順を参照する合成では、反応条件(反応の長さおよび温度)は変動し得る。概して、反応に続いて薄層クロマトグラフィーまたは質量分析を行い、適切な場合にはワークアップに供した。精製は、実験間で変動し得、概して、溶媒および溶離液/勾配に使用する溶媒比は、適切なRf’sまたは保持時間(RetT)を提供するように選択した。
(実施例1)
5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−(4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾールカルボキサミド
ステップ1:4−フェノキシベンゾイルクロリドの調製。塩化チオニル(1.2L)中の4−フェノキシ安息香酸(500g、2.33mol)の溶液を、16時間還流させ、その後、揮発物を真空で除去して、表題化合物を褐色ガム状物として得、これを精製することなく次のステップに持ち込んだ。
ステップ2:2−[ヒドロキシ−(4−フェノキシ−フェニル)−メチレン]−マロノニトリルの調製。無水テトラヒドロフラン(500mL)中のマロノニトリル(154mL、2.55mol)の溶液を、窒素下、テトラヒドロフラン(2L)中の水素化ナトリウム(205g、5.12mol)の懸濁液に、1.5時間かけて0℃で滴下添加した。反応混合物を追加で30分間撹拌させ、その後、テトラヒドロフラン(750mL)中の4−フェノキシベンゾイルクロリド(540g、2.32mol)の溶液の添加を添加した。次いで、反応物を周囲温度で16時間撹拌させ、0℃に冷却し、1N塩酸(1L)でクエンチした。生成物を酢酸エチル中に抽出し、合わせた有機層を、水、次いでブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空で濃縮して、表題化合物をオフホワイトの固体として得、これを精製することなく次のステップに持ち越した。MS (M-H) m/z 261. 1H NMR (CDCl3) δ 7.74 (d, J = 8.8Hz, 2H), 7.39 (t, J = 7.6Hz, 2H), 7.21 (t, J =
7.2Hz, 1H), 7.06 (d, J = 8Hz, 2H), 7.00 (d, J = 8.8Hz, 2H).
ステップ3:2−[(4−フェノキシ−フェニル)−メトキシ−メチレン]−マロノニトリルの調製。0℃のジオキサン/水(4/1、5L)の混合物中の2−[ヒドロキシ−(4−フェノキシ−フェニル)−メチレン]−マロノニトリル(600g、2.29mol)の溶液に、重炭酸ナトリウム(1.34kg、16mol)を小分けにして添加した。硫酸ジメチル(1.2L、13.74mol)を2時間かけて滴下添加し、その後、反応物を80℃に加温し、追加で12時間撹拌させた。反応物を周囲温度に冷却し、水で希釈し、酢酸エチル中に抽出した。合わせた有機層を、水、次いでブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空で濃縮した。粗残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物をオフホワイトの固体(300g、48%)として得た。MS (M+H) m/z 277. 1H NMR (CDCl3) δ 7.47 (d, J = 8.8Hz, 2H), 7.42 (t, J = 7.6Hz, 2H), 7.23 (t, J =
7.6Hz, 1H), 7.07 (t, J = 8.8Hz, 4H), 3.97 (s, 3H).
ステップ4:3−ヒドロキシ−ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルエステルの調製。0℃のジクロロメタン(2L)中のピペリジン−3−オール塩酸塩(134g、0.974mol)およびトリエチルアミン(276mL、1.98mol)の懸濁液に、ジクロロメタン(100mL)中のクロロギ酸ベンジル(140mL、0.981mol)の溶液を、2.5時間かけて滴下添加した。反応物を、追加で30分間0℃で撹拌させ、次いで周囲温度に16時間かけて加温させ、その後、これを1N塩酸(3L)でクエンチし、30分間撹拌させた。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空で濃縮して、表題化合物(218g、95%)を得た。1H-NMR (CDCl3) δ 7.29-7.41 (m, 5H), 5.14 (s, 2H), 3.59-3.85 (m, 3H), 3.13-3.27 (m,
2H), 2.18 (bs, 1H), 1.74-1.94 (m, 2H), 1.38-1.61 (m, 2H).
ステップ5:3−オキソ−ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルエステルの調製。0℃のジクロロメタン(1.25L)中のピリジン三酸化硫黄錯体(135.6g、0.85mol)の懸濁液に、トリエチルアミン(148mL、1.07mol)、続いてDMSO(151mL、2.13mol)を添加した。次いで、ジクロロメタン(415mL)中の3−ヒドロキシ−ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(50.0g、0.21mol)の溶液を、温度が0℃を超えないことを確実にしながら、1時間かけて滴下添加した。次いで、反応物を周囲温度に16時間かけて加温させ、その後、これを15℃に冷却し、飽和塩化アンモニウム水溶液(1L)でゆっくりクエンチした(発熱)。次いで、混合物を追加で30分間撹拌させ、その後、有機層を分離し、水性層をジクロロメタンで抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空で濃縮した。残留物をヘプタン/酢酸エチルの50%溶液(300mL)に溶解し、0.5N塩酸(600mL)、次いでブラインで洗浄した。有機層を真空で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製した。1H-NMR δ (CDCl3):
7.32-7.41 (m, 5H), 5.17 (s, 2H), 4.10 (s, 2H), 3.69 (t, 2H), 2.50 (t, 2H),
1.97-2.08 (m, 2H).
ステップ6:3−(tert−ブトキシカルボニル−ヒドラゾノ)−ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルエステルの調製。テトラヒドロフラン(1.5L)中の3−オキソ−ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(150g、0.64mol)の溶液に、tert−ブチルヒドラジンカルボキシレート(85g、0.64mol)を添加した。溶液を2時間還流まで加熱し、その後、これを周囲温度に冷却し、真空で濃縮して、表題化合物を得た。MS (M+H) m/z 348. 1H-NMR (CDCl3) δ 7.56 (s, 1H), 7.28-7.41 (m, 5H), 5.14-5.16 (d, 2H), 4.13-4.25 (d,
2H), 3.73-3.78 (m, 0.6 H), 3.53-3.61 (m, 1.4H), 2.51-2.56 (t, 0.7H), 2.33-2.37
(t, 1.3H), 1.82-1.91 (m, 2H), 1.52 (s, 9H)
ステップ7:ベンジル3−(2−(tert−ブトキシカルボニル)ヒドラジニル)ピペリジン−1−カルボキシレートの調製。テトラヒドロフラン(1.5L)中の3−(tert−ブトキシカルボニル−ヒドラゾノ)−ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(230g、0.66mol)の溶液に、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(41.6g、0.66mol)を添加した。次いで、テトラヒドロフラン(590mL)中のパラ−トルエンスルホン酸一水和物(126g、0.66mol)の溶液を、温度が21℃を超えないことを確実にしながら、1.5時間かけて滴下添加した。次いで、反応物を16時間かけて撹拌させた。揮発物を真空で除去し、得られた残留物を酢酸エチル(2.0L)に溶解し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(1L)で洗浄し、次いで1N水酸化ナトリウム(1.5L)に添加し、1時間撹拌させた。有機層を分離し、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空で濃縮した。粗残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(0〜3%ジクロロメタン/メタノール溶媒勾配)によって精製して、表題化合物を無色油(169g、73%)として得た。1H-NMR (CDCl3): δ 7.29-7.36 (m, 5H), 6.33 (bs, 1H), 5.88 (bs, 1H), 5.12 (bs, 2H),
3.42-3.64 (m, 5H), 3.02-3.17 (m, 1H),1.74-1.80 (m, 2H).
ステップ8:3−ヒドラジノ−ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル塩酸塩の調製。メタノール(180mL)中のベンジル3−(2−(tert−ブトキシカルボニル)ヒドラジニル)ピペリジン−1−カルボキシレート(50g、0.143mol)の溶液に、ジオキサン中4N塩酸の溶液(180mL)を、温度が10℃を超えないことを確実にしながら、滴下添加した。反応物を周囲温度で16時間かけて撹拌させ、その後、白色沈殿物が形成された。沈殿物を濾過し、次いで、酢酸エチル(700mL)中、周囲温度で、追加で16時間撹拌させ、濾過し、次いで真空下で乾燥させて、表題化合物を白色粉末として得た。MS (M+H) m/z 250.2. 1H-NMR (DMSO-d6) δ 7.28-7.41 (m, 5H), 5.08 (s, 2H), 4.10 (d, 1H), 3.72 (d, 1H), 2.95
(bs, 3H), 1.98 (m, 1H), 1.70 (m, 1H), 1.29-1.37 (m, 2H).
ステップ9:ベンジル3−[5−アミノ−4−シアノ−3−(4−フェノキシ−フェニル)−ピラゾール−1−イル]−ピペリジン−1−カルボキシレートの調製。エタノール(500mL)中の2−[(4−フェノキシ−フェニル)−メトキシ−メチレン]−マロノニトリル(ステップ3;146g、0.53mol)の溶液に、ベンジル3−ヒドラジノ−ピペリジン−1−カルボキシレート(ステップ8;150.6g、0.53mol)およびトリエチルアミン(107g、1.05mol)を、溶液の温度を55℃に到達させながら、添加した。次いで、反応物を周囲温度に16時間かけて冷却させ、その後、沈殿物が形成された。沈殿物を濾過除去し、2−メチルテトラヒドロフラン(3.5L)に添加し、これにより、所望生成物を、トリエチルアミン塩酸を残して溶解し、次いでこれを真空濾過によって除去した。次いで、濾液をブライン(1L)で洗浄し、真空で濃縮して、表題化合物を白色固体として得た。MS (M+H) m/z 494.
ステップ10:5−アミノ−3−(4−フェノキシ−フェニル)−1−ピペリジン−3−イル−1H−ピラゾール−4−カルボニトリルの調製。2−メチルテトラヒドロフラン(5L)中のベンジル3−[5−アミノ−4−シアノ−3−(4−フェノキシ−フェニル)−ピラゾール−1−イル]−ピペリジン−1−カルボキシレート(260g、527mmol)の溶液を、65℃、7mL/分、全水素下で、10%Pd/Cカートリッジを使用し、16時間にわたって、ミディ装置に通過させた。溶媒を真空で除去して、表題化合物を黄褐色固体として得た。MS (M+H) m/z 360.
ステップ11:5−アミノ−3−(4−フェノキシフェニル)−1−ピペリジン−3−イル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸アミドの調製。2LのSS Parrオートクレーブに、5−アミノ−3−(4−フェノキシ−フェニル)−1−ピペリジン−3−イル−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(189g、527mmol)およびエタノール(550mL)の溶液を添加した。次いで、2N水酸化ナトリウム溶液(880mL)を添加し、オートクレーブを密閉し、150℃で30分間加熱し、その後、反応は完了したと判断された。溶液を周囲温度に冷却し、酢酸エチル(500mL)に添加した。有機層を分離し、ブラインで洗浄し、真空で濃縮して、ガム状固体を得、これをアセトニトリル(500mL)で粉砕し、次いでシリカゲルカラムクロマトグラフィー(15〜40%メタノール/ジクロロメタン溶媒勾配)によってさらに精製して、表題化合物を白色固体(135g、70%)として得た。MS (M+H) m/z 360.
ステップ12:5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−(4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾールカルボキサミドの調製。N,N−ジメチルホルムアミド中の5−アミノ−3−(4−フェノキシフェニル)−1−ピペリジン−3−イル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸アミド(1.17g、3.10mmol)の溶液に、炭酸カリウム(643mg、4.65mmol)、続いて臭化シアン(398mg、3.72mmol)を添加した。混合物を50℃で16時間かけて撹拌し、その後、揮発物を真空で除去した。得られた残留物を酢酸エチルに溶解し、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮した。粗生成物を逆相分取HPLCによって精製して、表題化合物を得た。MS (M+H) m/z 403.188. 1H NMR (DMSO-d6) δ 7.45 (d, J=8.79Hz, 2 H), 7.39 (t, J=7.87Hz, 2 H), 7.14 (t,
J=7.32Hz, 1 H), 7.03 (t, J=8.79Hz, 4 H), 6.44 (bs, 2 H), 4.31 - 4.38 (m, 1 H),
3.48 (bs, 1 H), 3.45 (d, J=3.66Hz, 1 H), 2.98- 3.09 (m, 1 H), 1.90 (bs, 2 H), 1.76
- 1.88 (m, 2 H), 1.68 (t, J=12.45Hz, 1 H).
(実施例2)
5−アミノ−1−[(3R)−1−シアノピペリジン−3−イル]−3−(4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
rac−5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−(4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾールカルボキサミド(実施例1で記述されている通りに調製したもの)を、超臨界流体クロマトグラフィー(OJ−H30×250mmカラム、50%MeOH、70mL/分)によってキラル分離した。第一の溶離異性体の単離により、表題化合物を得た。MS (M+H) m/z 403.
1H NMR (DMSO-d6) δ 7.45 (d, J=8.79Hz, 2 H), 7.39 (t, J=7.87Hz, 2 H), 7.14 (t,
J=7.32Hz, 1 H), 7.03 (t, J=8.79Hz, 4 H), 6.44 (bs, 2 H), 4.31 - 4.38 (m, 1 H),
3.48 (bs, 1 H), 3.45 (d, J=3.66Hz, 1 H), 2.98- 3.09 (m, 1 H), 1.90 (bs, 2 H),
1.76 - 1.88 (m, 2 H), 1.68 (t, J=12.45Hz, 1 H).
(実施例3)
5−アミノ−1−[(3S)−1−シアノピペリジン−3−イル]−3−(4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
rac−5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−(4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾールカルボキサミド(実施例1で記述されている通りに調製したもの)を、超臨界流体クロマトグラフィー(OJ−H30×250mmカラム、50%MeOH、70mL/分)によってキラル分離した。第二の溶離異性体の単離により、表題化合物を得た。MS (M+H) m/z 403.
1H NMR (DMSO-d6) δ 7.45 (d, J=8.79Hz, 2 H), 7.39 (t, J=7.87Hz, 2 H), 7.14 (t,
J=7.32Hz, 1 H), 7.03 (t, J=8.79Hz, 4 H), 6.44 (bs, 2 H), 4.31 - 4.38 (m, 1 H),
3.48 (bs, 1 H), 3.45 (d, J=3.66Hz, 1 H), 2.98- 3.09 (m, 1 H), 1.90 (bs, 2 H),
1.76 - 1.88 (m, 2 H), 1.68 (t, J=12.45Hz, 1 H).
(実施例4)
5−アミノ−1−[1−(シアノメチル)ピペリジン−3−イル]−3−(4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
N,N−ジメチルホルムアミド中の、5−アミノ−3−(4−フェノキシ−フェニル)−1−ピペリジン−3−イル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸アミド(100mg、0.27mmol)(実施例1、ステップ11)、炭酸カリウム(40mg、0.29mmol)およびブロモアセトニトリル(38mg、0.32mmol)の混合物を、50℃で16時間かけて撹拌させた。懸濁液を冷却し、水で希釈し、酢酸エチル中に抽出した。有機層を合わせ、真空で濃縮した。粗生成物を逆相分取HPLCによって精製して、表題化合物を得た。MS (M+H) m/z 417.
1H NMR (DMSO-d6) δ ppm 7.47(d, J=8.79Hz, 2 H) 7.40 (t, J=8.1Hz, 2 H), 7.15 (t,
J=7.3Hz, 1 H), 7.06 (t, J=8.8Hz, 4 H), 6.40 (bs, 2 H), 4.23 - 4.33 (m, 1 H),
3.77 (d, J=8.4Hz, 2 H), 2.86 - 2.95 (m, 1 H), 2.78 (d, J=10.3Hz, 1 H), 2.55
(bs, 1 H), 2.07 - 2.18 (m, 1 H), 1.86 (bs,1 H), 1.79 (d, J=9.9Hz, 1 H), 1.59 -
1.71 (m, 2 H).
(実施例5)
5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−4−イル)−3−(4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
ステップ1:ベンジル4−オキソピペリジン−1−カルボキシレートの調製。飽和重炭酸ナトリウム水溶液(3L)中のピペリジン−4−オン塩酸塩(150g、0.98mol)の溶液に、ジオキサン(114mL)中のクロロ炭酸ベンジル(192g、1.13mol)の溶液を滴下添加した。反応物を周囲温度で16時間撹拌させた。次いで、混合物を酢酸エチル中に抽出し、合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空で濃縮して、表題化合物(236g、99%超)を得た。
ステップ2:ベンジル4−(2−(tert−ブトキシカルボニル)ヒドラゾノ)ピペリジン−1−カルボキシレートの調製。ヘプタン(6.5L)中のベンジル4−オキソピペリジン−1−カルボキシレート(236g、1.01mol)およびtert−ブチルヒドラジンカルボキシレート(133g、1.01mol)の溶液を、1時間還流まで加熱した。得られた沈殿物を濾過して、表題化合物(296g、0.84mol)を得た。
ステップ3:ベンジル4−(2−(tert−ブトキシカルボニル)ヒドラジニル)ピペリジン−1−カルボキシレートの調製。テトラヒドロフラン(1.7L)中のベンジル4−(2−(tert−ブトキシカルボニル)ヒドラゾノ)ピペリジン−1−カルボキシレート(250g、0.72mol)の溶液を、周囲温度で30分間撹拌させ、次いで4℃に冷却した。次いで、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(50g、0.79mol)を、反応温度が10℃を超えないことを確実にしながら、小分けにして添加した。反応物を追加で10分間撹拌し、その後、テトラヒドロフラン(700mL)中のパラ−トルエンスルホン酸(150g、0.79mol)の溶液を滴下添加した。反応物を追加で3時間撹拌させた。溶媒を真空で除去し、粗残留物を酢酸エチル中に抽出し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液、1N水酸化ナトリウム、ブラインで洗浄し、次いで硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空で濃縮して、表題化合物を得、これを精製することなく次のステップに持ち込んだ(224g、90%)。
ステップ4:ベンジル4−ヒドラジニルピペリジン−1−カルボキシレート塩酸塩の調製。メタノール/ジオキサン中4N塩酸の50%溶液(2L)中のベンジル4−(2−(tert−ブトキシカルボニル)ヒドラジニル)ピペリジン−1−カルボキシレート(174g、0.5mol)の溶液を、周囲温度で48時間撹拌させ、その後、これを真空で濃縮した。得られた粗白色固体を温ジクロロメタンで粉砕して、表題化合物(131g、96%)を得た。
ステップ5:5−アミノ−3−(4−フェノキシフェニル)−1−ピペリジン−4−イル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの調製。5−アミノ−3−(4−フェノキシフェニル)−1−ピペリジン−3−イル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸アミドについて記述した手順(実施例1、ステップ9〜11)に従い、2−[(4−フェノキシ−フェニル)−メトキシ−メチレン]−マロノニトリル(実施例1、ステップ3)およびベンジル4−ヒドラジニルピペリジン−1−カルボキシレート塩酸塩から始めて調製して、表題化合物を得た。
ステップ6:5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−4−イル)−3−(4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの調製。5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−(4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾールカルボキサミドについての手順(実施例1、ステップ12)に従い、5−アミノ−3−(4−フェノキシフェニル)−1−ピペリジン−4−イル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドを用いて調製して、表題化合物(9mg、8%)を得た。MS (M+H) m/z 403. 1H NMR (DMSO-d6) δ 7.49 (d, J=8.8Hz, 2H), 7.37 - 7.44 (m, 2H) 7.12 - 7.19 (m, 1H),
7.05 (d, J=8.79Hz, 2H), 7.07 (d, J=7.7Hz, 2H), 6.35 (s, 2H), 4.21 - 4.30 (m,
1H), 3.51 (d, J=12.8Hz, 2H), 3.09 - 3.18 (m, 2H), 1.94 - 2.05 (m, 2H), 1.85 (d,
J=10.6Hz, 2H).
(実施例6)
5−アミノ−1−[1−(シアノメチル)ピペリジン−3−イル]−3−(4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
5−アミノ−1−[1−(シアノメチル)ピペリジン−3−イル]−3−(4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドについての手順(実施例4)に従い、5−アミノ−3−(4−フェノキシフェニル)−1−ピペリジン−4−イル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例5、ステップ5)から調製して、表題化合物(13mg、12%)を得た。MS (M+H) m/z 417.
1H NMR (DMSO-d6) δ 7.47 (d, J=8.4Hz, 2H), 7.40 (t, J=7.9Hz, 2H), 7.16 (t, J=7.3Hz,
1H), 7.07 (d, J=8.1Hz, 2H), 7.04 (d, J=8.79Hz, 2H) 6.36 (s, 2H), 4.08 - 4.18
(m, 1H), 3.76 (s, 2H), 2.88 (d, J=11.0Hz, 2H), 2.29 - 2.39 (m, 2 H), 1.98 (qd,
J=12.0, 3.7Hz, 2H), 1.83 (d, J=10.3Hz, 2H).
(実施例7)
5−アミノ−1−(1−シアノピロリジン−3−イル)−3−(4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
ステップ1:ベンジル(3S)−3−ヒドロキシピロリジン−1−カルボキシレートの調製。ジクロロメタン(130mL)中の(3S)−ピロリジン−3−オール(10.0g、0.12mol)の溶液を、5℃に冷却した。トリエチルアミン(16.9mL、0.12mol)を添加し、続いて、温度が5℃を超えないことを確実にしながら、クロロギ酸ベンジル(13.9mL、0.10mol)を滴下添加した。次いで、反応混合物を周囲温度で48時間撹拌させ、その後、これを飽和重炭酸ナトリウム水溶液に注ぎ入れ、ジクロロメタン中に抽出した。合わせた有機層を飽和重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空で濃縮した。得られた粗製油をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(50%エーテル/ヘキサン、続いてエーテル)によって精製して、表題化合物を透明油(14g、92%)として得た。
ステップ2:ベンジル3−オキソピロリジン−1−カルボキシレートの調製。ジクロロメタン(1.2L)中のベンジル(3S)−3−ヒドロキシピロリジン−1−カルボキシレート(7.5g、33.9mmol)の溶液に、4−メチルモルホリンN−オキシド(5.96g、50.0mmol)、過ルテニウム酸テトラプロピルアンモニウム(0.60g、1.7mmol)および4Å分子ふるい(7.0g)を添加した。反応混合物を窒素下で2時間撹拌させ、その後、これをシリカゲルプラグに通して濾過し、ジエチルエーテルで溶離した。濾液を濃縮して、表題化合物を透明油(6.5g、88%)として得た。
ステップ3:ベンジル3−[2−(tert−ブトキシカルボニル)ヒドラジノ]ピロリジン−1−カルボキシレートの調製。テトラヒドロフラン(30mL)中のベンジル3−オキソピロリジン−1−カルボキシレート(3.0g、13.7mmol)の溶液に、tert−ブチルヒドラジンカルボキシレート(1.81g、13.7mmol)を添加した。混合物を24時間還流まで加熱し、次いで15℃に冷却し、その後、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(0.86g、13.7mmol)を添加し、続いて、テトラヒドロフラン(15mL)中のパラ−トルエンスルホン酸(2.6g、15.1mmol)を滴下添加した。反応混合物を周囲温度で追加で16時間撹拌させ、次いで、真空で濃縮した。得られた残留物を、飽和重炭酸ナトリウム水溶液と酢酸エチルとに分配した。有機層を分離し、次いで30mLの1N水酸化ナトリウム水溶液に添加し、30分間撹拌させた。水性層を除去し、有機物を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空で濃縮して、表題化合物を透明油(4.4g、97%)として得た。
ステップ4:ベンジル3−ヒドラジノピロリジン−1−カルボキシレートの調製。テトラヒドロフラン(25mL)中のベンジル3−[2−(tert−ブトキシカルボニル)ヒドラジノ]ピロリジン−1−カルボキシレート(2.0g、6.4mmol)の溶液に、ジオキサン中4M塩酸(6.0mL)を添加した。溶液を60℃で3時間撹拌させた。溶媒を真空で除去し、得られた残留物を、水と酢酸エチルとに分配した。有機層を廃棄し、次いで水性層を真空で濃縮して、表題化合物を白色泡状物(1.7g、99%超)として得た。
ステップ5:5−アミノ−3−(4−フェノキシフェニル)−1−ピロリジン−3−イル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの調製。5−アミノ−3−(4−フェノキシフェニル)−1−ピペリジン−3−イル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸アミドについて記述した手順(実施例1、ステップ9〜11)に従い、2−[(4−フェノキシ−フェニル)−メトキシ−メチレン]−マロノニトリル(実施例1、ステップ3)およびベンジル3−ヒドラジノピロリジン−1−カルボキシレートから始めて調製して、表題化合物を得た。
ステップ6:5−アミノ−1−(1−シアノピロリジン−3−イル)−3−(4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの調製。5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−(4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾールカルボキサミドについての手順(実施例1、ステップ12)に従い、5−アミノ−3−(4−フェノキシフェニル)−1−ピロリジン−3−イル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドを用いて調製して、表題化合物(9mg、8%)を得た。MS (M+H) m/z 389. 1H NMR (DMSO-d6) δ 7.51 (d, J=8.8Hz, 2H), 7.41 (t, J=7.9Hz, 2H), 7.16 (t, J=7.5Hz,
1H), 7.06 (dd, J=10.8, 8.24Hz, 4H), 6.42 (s, 2H), 4.88 - 4.98 (m, 1H), 3.74
(dd, J=10.3, 6.6Hz, 1H), 3.43 - 3.67 (m, 3H), 2.14 - 2.33 (m, 2H).
(実施例8)
5−アミノ−1−[1−(シアノメチル)ピロリジン−3−イル]−3−(4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
5−アミノ−1−[1−(シアノメチル)ピペリジン−3−イル]−3−(4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドについて記述した手順(実施例4)に従い、5−アミノ−3−(4−フェノキシフェニル)−1−ピペリジン−4−イル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例7、ステップ5)およびブロモアセトニトリルから調製して、表題化合物を得た。MS (M+H) m/z 402.7.
1H NMR (DMSO-d6) m/z 7.48 (d,
J=8.4Hz, 2H), 7.35 - 7.45 (m, 2H), 7.12 - 7.21 (m, 1H), 7.00 - 7.12 (m, 4H),
6.41 (s, 2H), 4.81 - 4.96 (m, 1H), 3.81 - 3.90 (m, 2 H), 3.01 (t, J=8.4Hz, 1H),
2.75 - 2.88 (m, 2H), 2.64 - 2.75 (m, 1H), 2.10 - 2.36 (m, 2H).
(実施例9)
5−アミノ−1−(1−シアノアゼチジン−3−イル)−3−(4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
ステップ1:1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−オンの調製。ジメチルスルホキシド(172.6mL)中の三酸化硫黄−ピリジン錯体(69g、432.95mmol)の撹拌溶液に、テトラヒドロフラン(69mL)中の1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−オール塩酸(20g、72.52mmol)およびトリエチルアミン(50.5mL、362.6mmol)の溶液を、10分間かけて滴下添加した。溶液を2時間撹拌させた。次いで、反応混合物を水に注ぎ入れ、50%酢酸エチル/ヘキサン中に抽出した。有機層を合わせ、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空で濃縮して、表題化合物(11.4g、66%)を得た。
ステップ2:tert−ブチル2−[1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イリデン]ヒドラジンカルボキシレートの調製。メタノール(110mL)中の1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−オン(11.4g、48.0mmol)の溶液を、0℃に冷却した。tert−ブチルヒドラジンカルボキシレート(6.3g、48.0mmol)を添加し、続いて酢酸(5.56mL)を滴下添加した。反応物を16時間かけて撹拌させた。溶媒を真空で除去し、得られた残留物をジクロロメタンに溶解し、1N水酸化ナトリウムで、次いでブラインで洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空で濃縮した。粗固体をジエチルエーテルでの粉砕によって精製して、表題化合物を白色固体(15.8g、94%)として得た。
ステップ3:tert−ブチル2−[1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イル]ヒドラジンカルボキシレートの調製。酢酸(120mL)中のtert−ブチル2−[1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イリデン]ヒドラジンカルボキシレート(15.8g、45.0mmol)の溶液を、0℃に冷却した。次いで、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(2.82g、45.0mmol)を小分けにして添加し、反応物を周囲温度に4時間加温させた。溶媒の大半を真空で除去し、次いで、得られたスラリーを1N水酸化ナトリウムでpH=7に中和した。所望の化合物をジクロロメタン中に抽出した。有機層を水およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空で濃縮した。得られた残留物をジエチルエーテルでの粉砕によって精製して、表題化合物(15g、95%)を得た。
ステップ4:1−ベンズヒドリル−3−ヒドラジニルアゼチジンの調製。0℃のジオキサン(633mL)中のtert−ブチル2−[1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イル]ヒドラジンカルボキシレート(19.3g、54.6mmol)の溶液に、ジオキサン中4M塩酸(290mL)をゆっくり添加した。反応物を周囲温度で4時間撹拌させた。溶媒を真空で除去し、得られた残留物をジエチルエーテルでの粉砕を介して精製して、表題化合物の塩酸塩を白色固体(16.5g、99%超)として得た。
ステップ5:5−アミノ−1−(1−ベンズヒドリルアゼチジン−3−イル)−3−(4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボニトリルの調製。ベンジル3−[5−アミノ−4−シアノ−3−(4−フェノキシ−フェニル)−ピラゾール−1−イル]−ピペリジン−1−カルボキシレートについて記述した手順(実施例1、ステップ9)に従い、2−[(4−フェノキシ−フェニル)−メトキシ−メチレン]−マロノニトリル(実施例1、ステップ3)(1.0g、3.25mmol)および1−ベンズヒドリル−3−ヒドラジニルアゼチジン(0.69g、6.82mmol)を用いて周囲温度で調製して、表題化合物を塩酸塩(1.04g、64%)として得た。MS (M+H) m/z 498. 1H NMR (DMSO-d6) δ 7.88 - 7.78 (m, 2H), 7.50 - 7.38 (m, 5H), 7.34 - 7.24 (m, 4H), 7.24
- 7.15 (m, 4H), 7.15 - 7.03 (m, 4H), 6.82 (s, 2H), 4.97 (t, J = 7.03Hz, 1H),
4.57 (s, 1H), 3.63 - 3.52 (m. 2H), 3.39 (t, J = 7.5Hz, 2H).
ステップ6:5−アミノ−1−(アゼチジン−3−イル)−3−(4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボニトリルの調製。メタノール(30mL)中の5−アミノ−1−(1−ベンズヒドリルアゼチジン−3−イル)−3−(4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(0.29g、0.58mmol)および濃塩酸(0.5mL)の溶液を、H−キューブ装置内の20%水酸化パラジウムカートリッジに50℃で2回通過させた。次いで、溶液を真空で濃縮して、表題化合物(0.19g、98%)を得た。
ステップ7:5−アミノ−1−(アゼチジン−3−イル)−3−(4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの調製。5−アミノ−1−(アゼチジン−3−イル)−3−(4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(414mg、0.580mmol)から、5−アミノ−3−(4−フェノキシフェニル)−1−ピペリジン−3−イル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸アミドについて記述した手順(実施例1、ステップ11)に従って調製して、表題化合物(120mg、20%)を得た。MS (M+H) m/z 350. 1H NMR (DMSO-d6) δ 9.03 - 8.87 (m, 2H), 7.61 - 7.50 (m, 2H), 7.49 - 7.39 (m, 2H), 7.23
- 7.16 (m, 1H), 7.14 - 7.05 (m, 4H), 6.49 (s, 2H), 5.41 - 5.31 (m, 1H), 4.44 -
4.26 (m, 4H), 3.43 - 3.27 (m, 1H).
ステップ8:5−アミノ−1−(1−シアノアゼチジン−3−イル)−3−(4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの調製。5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−(4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾールカルボキサミドについて記述した手順(実施例1、ステップ12)に従い、5−アミノ−1−(アゼチジン−3−イル)−3−(4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドから調製して、表題化合物(32mg、67%)を得た。MS (M+H) m/z 375. 1H NMR (DMSO-d6) m/z 7.55 (d, J =
8.79Hz, 2H), 7.41 (t, J = 7.9Hz, 2H), 7.17 (t, J= 7.5Hz, 1H), 7.08 (dd, J =
8.6, 2.0Hz, 4H), 6.41 (s, 2H), 5.28 (五重線, J = 7.0Hz,
1H), 4.50 (d, J = 7.0Hz, 5H).
(実施例10)
5−アミノ−1−(4−シアノ−1,4−オキサゼパン−6−イル)−3−(4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
ステップ1:tert−ブチル6−メチレン−1,4−オキサゼパン−4−カルボキシレートの調製。0℃のN,N−ジメチルホルムアミド(130mL)中の3−クロロ−2−(クロロメチル)プロパ−1−エン(10.0g、80.0mmol)の溶液に、水素化ナトリウム(5.8g、174.0mmol)を一度に添加した。反応物を0℃で10分間撹拌させ、その後、テトラヒドロフラン(100mL)中のN−(tert−ブトキシカルボニル)−2−アミノエタノール(12.9g、80.0mmol)の溶液を、カニューレを介してゆっくり添加した。次いで、反応物を周囲温度に追加で2時間加温させ、その後、溶媒を真空で除去した。得られた残留物を、水と2:1 酢酸エチル:ヘキサン混合物とに分配した。抽出後、合わせた有機層を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空で濃縮した。得られた粗製油を蒸留(2mmHg、85℃)によって精製して、表題化合物を透明油(7.9g、46%)として得た。
ステップ2:tert−ブチル6−オキソ−1,4−オキサゼパン−4−カルボキシレートの調製。ジオキサン(80mL)中のtert−ブチル6−メチレン−1,4−オキサゼパン−4−カルボキシレート(4.0g、18.76mmol)の溶液に、水(80mL)中の過ヨウ素酸ナトリウム(8.0g、37.4mmol)の溶液、続いて1.2mLのtert−ブタノール中四酸化オスミウムの2.5%wt溶液を添加した。反応物を周囲温度で48時間撹拌させ、その後、水およびブラインを添加し、所望生成物を酢酸エチル中に抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空で濃縮した。得られた褐色油をシリカゲルプラグに通過させて、表題化合物を透明油として得た。
ステップ3:tert−ブチル6−{2−[(ベンジルオキシ)カルボニル]ヒドラジノ}−1,4−オキサゼパン−4−カルボキシレートの調製。テトラヒドロフラン(30mL)中のtert−ブチル6−オキソ−1,4−オキサゼパン−4−カルボキシレート(2.0g、9.29mmol)の溶液に、ベンジルヒドラジンカルボキシレート(1.54g、9.29mmol)を添加した。反応物を周囲温度で24時間かけて撹拌させ、次いで0℃に冷却し、その後、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(584mg、9.29mmol)を添加し、続いてテトラヒドロフラン(30mL)中のパラ−トルエンスルホン酸(1.77g、9.29mmol)の溶液を滴下添加した。次いで、反応物を周囲温度に追加で24時間加温させ、次いで真空で濃縮した。得られた残留物を酢酸エチルに溶解し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄した。次いで、有機層に1N水酸化ナトリウム(15mL)を添加し、混合物を3時間撹拌させ、その後、有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空で濃縮した。得られた残留物をジエチルエーテルに溶解し、シリカゲルプラグに通過させて、表題化合物を油(2.9g、89%)として得た。
ステップ4:tert−ブチル6−ヒドラジノ−1,4−オキサゼパン−4−カルボキシレートの調製。エタノール(30mL)中のtert−ブチル6−{2−[(ベンジルオキシ)カルボニル]ヒドラジノ}−1,4−オキサゼパン−4−カルボキシレート(2.9g、8.3mmol)の溶液に、10%Pd/C(500mg、50%湿潤)を添加した。混合物を水素(50psi、Parrシェーカー)下に24時間置き、その後、これをセライトに通して濾過し、エタノールで数回洗浄した。濾液を真空で濃縮して、表題化合物を油(1.8g、94%)として得た。
ステップ5:tert−ブチル6−[5−アミノ−4−シアノ−3−(4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル]−1,4−オキサゼパン−4−カルボキシレートの調製。ベンジル3−[5−アミノ−4−シアノ−3−(4−フェノキシ−フェニル)−ピラゾール−1−イル]−ピペリジン−1−カルボキシレートについて記述した手順(実施例1、ステップ9)に従い、2−[(4−フェノキシ−フェニル)−メトキシ−メチレン]−マロノニトリル(実施例1、ステップ3)およびtert−ブチル6−ヒドラジノ−1,4−オキサゼパン−4−カルボキシレートから調製して、表題化合物を得た。MS (M+H) m/z 475.9.
ステップ6:5−アミノ−1−(1,4−オキサゼパン−6−イル)−3−(4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボニトリルの調製。等量のジクロロメタン、トリフルオロ酢酸およびトリエチルシラン(30mL)中のtert−ブチル6−[5−アミノ−4−シアノ−3−(4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル]−1,4−オキサゼパン−4−カルボキシレートの溶液を、周囲温度で1時間撹拌させた。混合物を、酢酸エチルと水とに分配し、有機層を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空で濃縮して、表題化合物を得た。MS (M+H) m/z 376.9.
ステップ7:5−アミノ−1−(1,4−オキサゼパン−6−イル)−3−(4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの調製。表題化合物は、5−アミノ−1−(1,4−オキサゼパン−6−イル)−3−(4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボニトリルから、5−アミノ−3−(4−フェノキシフェニル)−1−ピペリジン−3−イル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸アミドについて記述した手順(実施例1、ステップ11)に従って調製した。
ステップ8:5−アミノ−1−(4−シアノ−1,4−オキサゼパン−6−イル)−3−(4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの調製。表題化合物は、5−アミノ−1−(1,4−オキサゼパン−6−イル)−3−(4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドから、5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−(4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾールカルボキサミドについて記述した手順(実施例1、ステップ12)に従って調製した。MS (M+H) m/z 419. 1H NMR (DMSO-d6) δ 7.47(d, J=8.8Hz, 2H), 7.40 (t, J=8.1Hz, 2H), 7.15 (t, J=7.3Hz, 1H),
7.06 (t, J=8.8Hz, 4H), 6.40 (bs, 2 H), 4.23 - 4.33 (m, 1 H), 3.77 (d, J=8.4Hz,
2 H), 3.77 (d, J=8.4Hz, 2 H), 2.86 - 2.95 (m, 1 H), 2.78 (d, J=10.3Hz, 1 H),
2.55 (bs, 1 H), 2.07 - 2.18 (m, 1 H), 1.86 (bs,1 H), 1.79 (d, J=9.9Hz, 1 H),
1.59 - 1.71 (m, 2 H).
(実施例11)
5−アミノ−1−(2−シアノ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−イル)−3−(4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
ステップ1:ベンジル2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−カルボキシレートの調製。シクロペンタ−1,3−ジエン(220g、3.33mol)、水(2.5L)中の塩化アンモニウム(535g、10mol)、およびホルムアルデヒド溶液(405mL、5mol、37%)の混合物を、室温で36時間撹拌した。混合物を固体Na
2CO
3で中和し、0℃に冷却した。混合物に、クロロギ酸ベンジル(568g、3.33mol)および飽和Na
2CO
3水溶液(1L)を、0℃で2時間機械撹拌しながら添加した。次いで、混合物を水(1L)で希釈し、ジクロロメタン(1L×4)で抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物をシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc、50:1から5:1)によって精製して、表題化合物(252g、33.0%)を黄色油として得た。
ステップ2:ベンジル5−ヒドロキシ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシレートの調製。無水テトラヒドロフラン(550mL)中のベンジル2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−カルボキシレート(100g、0.44mol)の溶液に、テトラヒドロフラン(1140mL)中のボランメチルスルフィド(86.3g、108mL、1.135mol)の溶液を、−70℃で滴下添加した。15分後、混合物を室温に加温させ、3時間撹拌した。反応混合物を、水(250mL)、NaOH水溶液(250mL、6M、1.54mol)、次いで過酸化水素(250mL、250g、30%、2.2mol)の順次添加によって、0〜10℃の間でクエンチした。混合物を室温でもう1時間撹拌し、次いで濃縮した。残留物を、エーテル(2L)と水(1L)とに分配した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物をシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc、4:1;1/1)によって精製して、表題化合物(58g、26.6%)を無色油として得た。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 7.30 - 7.39 (m, 5H), 5.12 - 5.22 (m, 2H), 4.05 - 4.35 (m, 2H), 3.29
- 3.32 (m, 1H), 2.93 - 3.02 (m, 1H), 2.51 (m, 1H), 1.86 - 1.99 (m, 2H), 1.48 -
1.63 (m, 2H).
ステップ3:ベンジル5−オキソ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシレートの調製。無水ジクロロメタン(600mL)中のベンジル5−ヒドロキシ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシレート(29g、0.117mol)の溶液に、デス・マーチンペルヨージナン(75g、0.175mol)を10℃で小分けにして添加した。混合物を室温で3時間撹拌した。Na2CO3水溶液(1M、1100mL)およびNa2S2O3水溶液(1M、1100mL)を添加し、混合物を室温で0.5時間撹拌した。混合物を分離し、水層をジクロロメタン(1000mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(500mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、表題化合物(48g、82%)を黄色油として得た。
ステップ4:ベンジル5−(2−(tert−ブトキシカルボニル)ヒドラジニル)−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシレートの調製。テトラヒドロフラン(380mL×2)中のベンジル5−オキソ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシレート(24g、0.098mol)の溶液に、Bocヒドラジン(13g、0.098mol)を室温で添加した。混合物を還流まで加熱し、終夜撹拌した。反応混合物を15℃に冷却し。NaCNBH3(6.2g、0.098mol)を添加した。テトラヒドロフラン(180mL)中のp−トルエンスルホン酸(18.6g、0.098mol)の溶液を、温度を20℃未満に保ちながら、滴下添加した。混合物を室温で終夜撹拌し、次いで真空で濃縮した。残留物をEtOAc(800mL)に溶解し、溶液を飽和重炭酸ナトリウム水溶液(800mL)で洗浄した。有機層をNaOH水溶液(1N、300mL)とともに1時間撹拌した。その後、有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物をシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc、1:1)によって精製して、表題化合物(38g、53.7%)を白色固体として得た。
ステップ5:ベンジル5−ヒドラジニル−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシレートの調製。メタノール(200mL)中のベンジル5−(2−(tert−ブトキシカルボニル)ヒドラジニル)−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシレート(19g、0.053mol)の溶液に、1,4−ジオキサン中塩酸の溶液(200mL、4M、0.8mol)を−5℃で添加した。混合物を室温で4時間撹拌し、次いで濃縮した。残留物を逆相分取HPLCによって精製して、表題化合物(12g、29%)を得た。1H NMR (400MHz, D2O) δ 7.40 - 7.45 (m, 5H), 5.10 - 5.14 (m, 2H), 4.25 - 4.36 (m, 1H), 3.68
- 3.71 (m, 1H), 3.43 - 3.52 (m, 2H), 2.89 (m, 1H), 2.12 - 2.16 (m, 2H), 1.69 -
1.87 (m, 2H).
ステップ6:ベンジル5−(5−アミノ−4−シアノ−3−(4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル)−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシレートの調製。エタノール(200mL)中のベンジル5−ヒドラジニル−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシレート(6.5g、0.017mol)および2−[(4−フェノキシ−フェニル)−メトキシ−メチレン]−マロノニトリル(実施例1、ステップ3)(4.78g、0.017mol)の溶液に、トリエチルアミン(5mL、0.035mol)を−10℃で添加した。混合物を室温で2時間撹拌し、次いで濾過して、表題化合物(7.0g、80.1%)を白色固体として得た。
ステップ7:5−アミノ−1−(2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5−イル)−3−(4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの調製。エタノール(10mL)中のベンジル5−(5−アミノ−4−シアノ−3−(4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル)−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシレート(0.9g、1.78mmol)およびNaOH水溶液(2.5N、5mL、12.5mmol)の混合物を、145℃で20分間、マイクロ波照射で処理した。混合物を水(10mL)に注ぎ入れ、EtOAc(20mL×3)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空で濃縮して、表題化合物(0.69g)を得た。
ステップ8:5−アミノ−1−(2−シアノ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−イル)−3−(4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの調製。N,N−ジメチルホルムアミド(20mL)中の5−アミノ−1−(2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5−イル)−3−(4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(1.2g、3.08mmol)および臭化シアン(3.08mmol)の混合物に、Cs2CO3(2g、6.16mmol)を室温で添加し、混合物を室温で終夜撹拌した。混合物を水(20mL)に注ぎ入れ、次いでEtOAc(20mL×3)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物を分取逆相HPLCによって精製して、表題化合物(252mg)を固体として得た。MS (M+H) m/z 415. 1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ 7.59 - 7.61 (m, 2H), 7.39 - 7.43 (m, 2H), 7.03 - 7.19 (m, 5H), 6.37
(s, 2H), 4.72 - 4.75 (m, 1H), 4.02 (m, 1H), 3.17 - 3.23 (m, 2H), 2.91 (m, 1H),
2.66 - 2.69 (m, 1H), 2.07 - 2.12 (m, 1H) , 1.77 - 1.83 (m, 2H).
(実施例12)
5−アミノ−1−[2−(シアノメチル)−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−イル]−3−(4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
表題化合物は、5−アミノ−1−[1−(シアノメチル)ピペリジン−3−イル]−3−(4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドについて記述した手順(実施例4)に従い、5−アミノ−1−(2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5−イル)−3−(4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例11、ステップ7)およびブロモアセトニトリルから調製した。MS (M+H) m/z 429.
1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ 7.35 - 7.52 (m, 4H), 7.05 - 7.19 (m, 5H), 6.36 (s, 2H), 4.57 - 4.60
(m, 1H), 3.75 - 3.88 (m, 2H), 3.33 (m, 1H), 2.53 - 2.63 (m, 2H), 1.84 - 1.86
(m, 2H), 1.57 - 1.60 (m, 1H).
(実施例13)
5−アミノ−3−[4−(4−クロロフェノキシ)フェニル]−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
ステップ1:メチル4−(4−クロロフェノキシ)ベンゾエートの調製。(4−クロロフェニル)ボロン酸(25.4g、162.82mmol)、4Å分子ふるい粉末(16g)、4−ジメチルアミノピリジン(39.5g、325.65mmol)および無水酸化銅(II)(39.0g、217.11mmol)を、室温の乾燥ジクロロメタン(1000mL)中の4−ヒドロキシ安息香酸メチル(16.5g、108.55mmol)の溶液に添加し、得られた混合物を48時間撹拌した。次いで、反応混合物をセライトパッドに通して濾過した。濾液を濃縮し、残留物をシリカ上でのカラムクロマトグラフィー(石油エーテル中8%EtOAc)によって精製して、表題化合物(14g、48%収率)をオフホワイトの固体として得た。MS (M+H) m/z 263.
1H NMR (CDCl
3, 400MHz) δ 8.02 (d, 2H), 7.35 (d, 2H), 7.02 (d, 2H), 6.97 (d, 2H), 3.88 (s,
3H).
ステップ2:4−(4−クロロフェノキシ)安息香酸の調製。メタノール−水(5:1、360mL)中のメチル4−(4−クロロフェノキシ)ベンゾエート(14.0g、53.43mmol)の懸濁液に、NaOH(10.68g、267.11mmol)を0℃で添加し、次いで冷却バッチを除去し、反応混合物を60℃で3時間撹拌した。メタノールを留去し、水(500mL)を残留物に添加し、ジエチルエーテル(3×100mL)で洗浄した。水性層を2N HClで酸性化し、次いで酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、表題化合物(10.5g、79%収率)をオフホワイトの固体として得た。MS (M+H) m/z 247. 1H NMR (DMSO-d6, 300MHz) δ 12.83 (bs, 1H), 7.95 (d, 2H), 7.51 (d, 2H), 7.17 (d, 2H), 7.07 (d,
2H).
ステップ3:4−(4−クロロフェノキシ)ベンゾイルクロリドの調製。塩化チオニル(110mL)中の4−(4−クロロフェノキシ)−安息香酸(10.5g、42.33mmol)を、4時間還流させた。揮発物を蒸発させ、粗表題化合物を次のステップに持ち込んだ。
ステップ4:2−((4−(4−クロロフェノキシ)フェニル)(メトキシ)メチレン)−マロノニトリルの調製。テトラヒドロフラン(25mL)中のマロノニトリル(3.54g、53.66mmol)の溶液を、テトラヒドロフラン(50mL)中の水素化ナトリウム(3.96g、鉱物油中60%、158.4mmol)の撹拌懸濁液に、窒素雰囲気下、0℃で滴下添加した。30分間撹拌した後、テトラヒドロフラン(35mL)中の4−(4−クロロフェノキシ)ベンゾイルクロリド(11.0g、41.35mmol)を滴下添加した。冷却浴を除去し、反応混合物を室温で3時間撹拌した。反応混合物を還流まで加熱し、硫酸ジメチル(28mL、288.89mmol)を滴下添加し、得られた混合物を18時間還流させた。室温に冷却した後、水(100mL)を添加し、酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。合わせた有機層を酢酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮し、シリカ上でのフラッシュクロマトグラフィー(石油エーテル中5〜8%EtOAc)によって精製して、表題化合物(6.0g、47%収率)を淡黄色油として得た。1H NMR (DMSO-d6, 400MHz) δ 7.73 (d, 2H), 7.52 (d, 2H), 7.2 (d, 2H), 7.18 (d, 2H), 3.92 (s,
3H).
ステップ5:ベンジル3−(5−アミノ−3−(4−(4−クロロフェノキシ)フェニル)−4−シアノ−1H−ピラゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレートの調製。トリエチルアミン(8.6mL 19.35mmol)を、エタノール(60mL)中の2−((4−(4−クロロフェノキシ)フェニル)(メトキシ)メチレン)マロノニトリル(6.0g、19.35mmol)および3−ヒドラジノ−ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル塩酸塩(実施例1、ステップ8)(5.5g、57.89mmol)の撹拌混合物に室温で添加した。3時間撹拌した後、沈殿した固体を濾過除去した。固体をエタノールで洗浄し、真空下で乾燥させて、表題化合物(7.2g、70%収率)を得た。MS (M+H) m/z 526. 1H NMR (DMSO-d6, 400MHz) δ 8.0 (d, 2H), 7.45 (d, 2H), 7.37 (m, 5H), 7.12 (d, 2H), 7.08 (d,
2H), 6.77 (s, 2H), 5.06 (bs, 2H), 4.23 (m, 1H), 4.0 (m, 2H), 2.97 (m, 2H), 1.87
(m, 3H), 1.50 (m, 1H).
ステップ6:5−アミノ−3−(4−(4−クロロフェノキシ)フェニル)−1−(ピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの調製。冷たい2.5M NaOH水溶液(70mL)を、250mLの密封管内、エタノール(70mL)中のベンジル3−(5−アミノ−3−(4−(4−クロロフェノキシ)フェニル)−4−シアノ−1H−ピラゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(7.2g、13.66mmol)の溶液に添加し、得られた混合物を140℃で48時間撹拌しながら加熱した。室温に冷却した後、水を反応混合物に添加し、酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、表題化合物(2.6g)を得た。1H NMR (DMSO-d6, 400MHz) δ 8.21 (s, 1H), 7.49 (m, 4H), 7.45 (d, 2H), 7.10 (m, 4H), 6.36 (s,
2H), 4.20 (m, 1H), 3.11 (m, 1H), 2.97 (m, 2H), 2.50 (m, 1H), 1.93 (m, 2H), 1.76
(m, 1H), 1.60 (m, 1H).
ステップ7:5−アミノ−3−[4−(4−クロロフェノキシ)フェニル]−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの調製。炭酸カリウム(1.33g、9.52mmol)を、N,N−ジメチルホルムアミド(20mL)中の5−アミノ−3−(4−(4−クロロフェノキシ)フェニル)−1−(ピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(2.6g、6.35mmol)の溶液に添加し、5分間撹拌した後、臭化シアン(670mg、6.99mmol)を添加し、得られた混合物を60℃で3時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、水を添加し、酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗化合物を、ヘキサン中30〜50%EtOAcを使用するシリカゲル上でのフラッシュカラムクロマトグラフィー(100〜200メッシュ)によって精製して、表題化合物(6.2g、77%)を得た。MS (M+H) m/z 437. 1H NMR (DMSO-d6, 400MHz) δ 7.5 (d, 2H), 7.45 (d, 2H), 7.12 (d, 2H), 7.08 (d, 2H), 6.45 (s,
2H), 5.6 (br, 1H), 4.37 (m, 1H), 3.48 (dd, 1H), 3.35 (m, 2H), 3.07 (dt, 1H),
1.87 (m, 3H), 1.70 (m, 1H).
(実施例14)
5−アミノ−3−[4−(4−クロロフェノキシ)フェニル]−1−[(3S)−1−シアノピペリジン−3−イル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
rac−5−アミノ−3−(4−(4−クロロフェノキシ)フェニル)−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例13で記述されている通りに調製したもの)を、分取HPLC(キラルパックIA、4.6×250mm、5μmカラム、ヘキサン/エタノール、50/50、0.8mL/分流速)によってキラル分離した。第一の溶離異性体の単離により、表題化合物を得た。MS (M+H) m/z 436.8.
1H NMR (DMSO-d6, 300MHz) δ 7.5 (d, 2H), 7.45 (d, 2H), 7.12 (d, 2H), 7.08 (d, 2H), 6.45 (s,
2H), 5.6 (br, 1H), 4.37 (m, 1H), 3.48 (dd, 1H), 3.35 (m, 2H), 3.07 (dt, 1H),
1.87 (m, 3H), 1.70 (m, 1H). SOR +57.6 (c, MeOH中0.5%)
(実施例15)
5−アミノ−3−[4−(4−クロロフェノキシ)フェニル]−1−[(3R)−1−シアノピペリジン−3−イル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
rac−5−アミノ−3−(4−(4−クロロフェノキシ)フェニル)−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例13で記述されている通りに調製したもの)を、分取HPLC(キラルパックIA、4.6×250mm、5μmカラム、ヘキサン/エタノール、50/50、0.8mL/分流速)によってキラル分離した。第二の溶離異性体の単離により、表題化合物を得た。MS (M+H) m/z 436.8.
1H NMR (DMSO-d6, 300MHz) δ 7.5 (d, 2H), 7.45 (d, 2H), 7.12 (d, 2H), 7.08 (d, 2H), 6.45 (s,
2H), 5.6 (br, 1H), 4.37 (m, 1H), 3.48 (dd, 1H), 3.35 (m, 2H), 3.07 (dt, 1H),
1.87 (m, 3H), 1.70 (m, 1H). SOR -56.8 (c, MeOH中0.5%).
(実施例16)
5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−[4−(3,4−ジメチルフェノキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
5−アミノ−3−[4−(4−クロロフェノキシ)フェニル]−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例15)と同様にして、(3,4−ジメチルフェニル)ボロン酸を用いて調製して、表題化合物を得た。MS (M+H) m/z 431.
1H NMR (DMSO-d6, 300MHz) δ 7.45 (d, 2H), 7.17 (d, 1H), 6.98 (d, 2H), 6.90 (s, 1H), 6.80 (d,
1H), 6.42 (s, 2H), 4.37 (m, 1H), 3.44 (m, 1H), 3.35 (m, 2H), 3.07 (t, 1H), 2.20
(s, 6H), 1.7-1.97 (m, 4H).
(実施例17)
(R)−5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−[4−(3,4−ジメチルフェノキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
rac−5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−[4−(3,4−ジメチルフェノキシ)フェニル」−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例16で記述されている通りに調製したもの)を、分取HPLC(キラルパックIA、4.6×250mm、5μmカラム、ヘキサン/エタノール、70/30、1.0mL/分流速)によってキラル分離した。第一の溶離異性体の単離により、表題化合物を得た。MS (M+H) m/z 431.
1H NMR (DMSO-d6, 400MHz) δ 7.45 (d, 2H), 7.17 (d, 1H), 6.98 (d, 2H), 6.90 (s, 1H), 6.80 (d,
1H), 6.42 (s, 2H), 4.37 (m, 1H), 3.44 (m, 1H), 3.35 (m, 2H), 3.07 (t, 1H), 2.20
(s, 6H), 1.7-1.97 (m, 4H).
(実施例18)
(S)−5−アミノ−1−(−1−シアノピペリジン−3−イル)−3−[4−(3,4−ジメチルフェノキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
rac−5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−[4−(3,4−ジメチルフェノキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例16で記述されている通りに調製したもの)を、分取HPLC(キラルパックIA、4.6×250mm、5μmカラム、ヘキサン/エタノール、70/30、1.0mL/分流速)によってキラル分離した。第二の溶離異性体の単離により、表題化合物を得た。MS (M+H) m/z 431.
1H NMR (DMSO-d6, 400MHz) δ 7.45 (d, 2H), 7.17 (d, 1H), 6.98 (d, 2H), 6.90 (s, 1H), 6.80 (d,
1H), 6.42 (s, 2H), 4.37 (m, 1H), 3.44 (m, 1H), 3.35 (m, 2H), 3.07 (t, 1H), 2.20
(s, 6H), 1.7-1.97 (m, 4H).
(実施例19)
5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−[4−(4−エチルフェノキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
5−アミノ−3−[4−(4−クロロフェノキシ)フェニル]−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例15)と同様にして、(4−エチルフェニル)ボロン酸を用いて調製して、表題化合物を得た。MS (M+H) m/z 431.
1H NMR (DMSO-d6, 300MHz) δ 7.46 (d, 2H), 7.21 (d, 2H), 7.0 (m, 4H), 6.35 (s, 2H), 5.06 (bs,
2H), 4.16 (m, 1H), 3.12 (m, 1H), 2.90 (m, 2H), 2.30 (s, 3H), 1.87 (m, 2H), 1.73
(m, 1H), 1.45 (m, 1H.)
(実施例20)
5−アミノ−3−[4−(4−クロロ−2−メチルフェノキシ)フェニル]−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
5−アミノ−3−[4−(4−クロロフェノキシ)フェニル]−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例15)と同様にして、(4−メチルフェニル)ボロン酸を用いて調製して、表題化合物を得た。MS (M+H) m/z 451.
1H NMR (DMSO-d6, 300MHz) δ 7.43 (m, 3H), 7.27 (dd, 1H), 6.90 (m, 3H), 6.43 (s, 2H), 4.35 (m,
1H), 3.50 (dd, 1H), 3.35 (m, 2H), 3.05 (dt, 1H), 2.18 (s, 3H), 1.65-1.95 (m,
4H).
(実施例21)
(S)−5−アミノ−3−[4−(4−クロロ−2−メチルフェノキシ)フェニル]−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
rac−5−アミノ−3−[4−(4−クロロ−2−メチルフェノキシ)フェニル]−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例20で記述されている通りに調製したもの)を、分取HPLC(キラルパックIA、4.6×250mm、5μmカラム、ヘキサン/エタノール、30/70、0.8mL/分流速)によってキラル分離した。第一の溶離異性体の単離により、表題化合物を得た。MS (M+H) m/z 451.
1H NMR (DMSO-d6, 300MHz) δ 7.45 (m, 3H), 7.27 (dd, 1H), 7.0 (m, 3H), 6.43 (s, 2H), 5.5-6.3
(br, 2H), 4.35 (m, 1H), 3.50 (dd, 1H), 3.35 (m, 2H), 3.05 (dt, 1H), 2.18 (s,
3H), 1.65-1.95 (m, 4H). SOR +61.2 (c, クロロホルム中0.5%)
(実施例22)
(R)−5−アミノ−3−[4−(4−クロロ−2−メチルフェノキシ)フェニル]−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
rac−5−アミノ−3−[4−(4−クロロ−2−メチルフェノキシ)フェニル]−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例20で記述されている通りに調製したもの)を、分取HPLC(キラルパックIA、4.6×250mm、5μmカラム、ヘキサン/エタノール、30/70、0.8mL/分流速)によってキラル分離した。第二の溶離異性体の単離により、表題化合物を得た。MS (M+H) m/z 451.
1H NMR (DMSO-d6, 300MHz) δ 7.45 (m, 3H), 7.27 (dd, 1H), 7.0 (m, 3H), 6.45 (s, 2H), 5.5-6.3
(br, 2H), 4.35 (m, 1H), 3.50 (dd, 1H), 3.35 (m, 2H), 3.05 (dt, 1H), 2.18 (s,
3H), 1.65-1.95 (m, 4H). SOR -59.2 (c, クロロホルム中0.5%)
(実施例23)
5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−[4−(2,4−ジメチルフェノキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
5−アミノ−3−[4−(4−クロロフェノキシ)フェニル]−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例15)と同様にして、(2,4−ジメチルフェニル)ボロン酸を用いて調製して、表題化合物を得た。MS (M+H) m/z 431.
1H NMR (400MHz, メタノール-d4) δ 7.44 (d, J = 8.4Hz, 2H), 7.12 (s,
1H), 7.04 (d, J = 8.0Hz, 1H), 6.93 (d, J = 8.4Hz, 2H), 6.85 (d, J = 8.0Hz, 1H),
4.36 (m, 1H), 3.55 (m, 1H), 3.44 (m, 2H), 3.11 (m, 1H), 2.32 (s, 3H), 2.14 (s,
3H), 2.03 (m, 2H), 1.90 (m, 2H).
(実施例24)
5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−[4−(4−イソプロピルフェノキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
5−アミノ−3−[4−(4−クロロフェノキシ)フェニル]−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例15)と同様にして、(4−イソプロピルフェニル)ボロン酸を用いて調製して、表題化合物を得た。MS (M+H) m/z 445.
1H NMR (400MHz, メタノール-d4) δ 7.46 (d, J = 8.4Hz, 2H), 7.27 (d, J =
8.4Hz, 2H), 7.05 (d, J = 8.4Hz, 2H), 6.98 (d, J = 8.4Hz, 2H), 4.37 (m, 1H),
3.56 (m, 1H), 3.45 (m, 2H), 3.11 (m, 1H), 2.92 (m, 1H), 2.06 (m, 2H), 1.91 (m,
2H), 1.27 (d, 6H).
(実施例25)
5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−[4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
ステップ1:メチル4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)ベンゾエートの調製。4Å分子ふるい粉末(17g)、(4−(メトキシカルボニル)フェニル)ボロン酸(17.34g、133.33mmol)、DMAP(27.13g、222.22mmol)および無水酸化銅(II)(30.3g、166.7mmol)を、乾燥ジクロロメタン(800mL)中の2,4−ジフルオロフェノール(20.0g、111.11mmol)の溶液に室温で添加し、得られた混合物を48時間撹拌した。次いで、反応混合物をセライトパッドに通して濾過し、濾液を濃縮し、石油エーテル中8%EtOAcで溶離するシリカ上でのカラムクロマトグラフィー(100〜200メッシュ)によって精製して、compd−2X10(15g、51.2%)を固体として得た。MS (M+H) m/z 265.
1H NMR (DMSO-d6, 300MHz) δ 7.97 (d, 2H), 7.56 (m, 1H), 7.45 (m, 1H), 7.20 (t, 1H), 7.05 (d,
2H), 3.83 (s, 3H).
ステップ2:4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)安息香酸の調製。メタノール(525mL)中のメチル4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)ベンゾエート(15.0g、56.82mmol)の懸濁液に、水(63mL)およびNaOHペレット(12.22g、284.11mmol)を0℃で添加し、次いで冷却バッチを除去し、反応混合物を50℃で3時間撹拌した。メタノールを留去し、水を添加した。残留物を1N HClで酸性化し、次いでEtOAcで抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、表題化合物(12.0g、91.5%)を白色固体として得た。MS (M+H) m/z 249. 1H NMR (DMSO-d6, 300MHz) δ 12.85 (bs, 1H), 7.92 (d, 2H), 7.52 (m, 1H), 7.40 (m, 1H), 7.20 (t,
1H), 7.00 (d, 2H).
ステップ3:4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)ベンゾイルクロリドの調製。塩化チオニル(80mL)中の4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)安息香酸(3.0g、30mmol)を、終夜還流させた。揮発物を蒸発させて、表題化合物を得た。
ステップ4:2−((4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)フェニル)(メトキシ)メチレン)−マロノニトリルの調製。テトラヒドロフラン(10mL)中のマロノニトリル(1.0g、15.52mmol)の溶液を、テトラヒドロフラン(50mL)中のNaH(574mg、23.9mmol)の撹拌懸濁液に、0℃、N2雰囲気中、滴下添加した。30分間撹拌した後、テトラヒドロフラン(15mL)中の4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)ベンゾイルクロリド(3.2g、11.94mmol)を滴下添加した。反応混合物を室温にし、撹拌した(約3時間)。次いで、反応混合物を還流まで加熱し、硫酸ジメチル(7.7mL、83.6mmol)を滴下添加した。混合物を18時間還流させた。室温に冷却した後、混合物を氷水(100mL)でクエンチし、EtOAc(2×)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮し、石油エーテル中12%EtOAcで溶離するシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(100〜200メッシュ)によって精製して、表題化合物(1.8g)を液体として得た。MS (M+H) m/z 297. 1H NMR (DMSO-d6, 400MHz) δ 7.71 (d, 2H), 7.52 (m, 1H), 7.43 (m, 1H), 7.20 (t, 1H), 7.16 (d,
2H), 3.93 (s, 3H).
ステップ5:ベンジル3−(5−アミノ−4−シアノ−3−(4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)フェニル)−1H−ピラゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレートの調製。トリエチルアミン(2.2mL 14.4mmol)を、エタノール(30mL)中の2−((4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)フェニル)(メトキシ)メチレン)マロノニトリル(1.5g、4.8mmol)および3−ヒドラジノ−ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル塩酸塩(実施例1、ステップ8)(1.4g、4.8mmol)の撹拌混合物に室温で添加した。3時間撹拌した後、沈殿物を濾過した。得られた固体をエタノールで洗浄し、真空下で乾燥させて、表題化合物(1.8g、40%)を得た。MS (M+H) m/z 530. 1H NMR (DMSO-d6, 300MHz) δ 7.78 (d, 2H), 7.50 (m, 1H), 7.33 (m, 6H), 7.18 (m, 1H), 7.05 (d,
2H), 6.78 (s, 2H), 5.06 (bs, 2H), 4.26 (m, 1H), 3.99 (m, 2H), 3.30 (m, 1H),
2.97 (t, 1H), 2.21 (s, 3H), 1.90 (m, 3H), 1.48 (m, 1H).
ステップ6:5−アミノ−3−(4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)フェニル)−1−(ピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの調製。冷たい2.5M NaOH水溶液(20mL)を、100mLの密封管に投入したエタノール(20mL)中のベンジル3−(5−アミノ−4−シアノ−3−(4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)フェニル)−1H−ピラゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(1.8g、3.39mmol)の混合物に添加した。混合物を140℃で24時間撹拌しながら加熱した。室温に冷却した後、反応混合物を水で希釈し、EtOAc(2×)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、表題化合物(1.4g)を得た。MS (M+H) m/z 414. 1H NMR (DMSO-d6, 300MHz) δ 7.45 (d, 2H), 7.32 (m, 1H), 7.23 (m, 1H), 7.18 (m, 1H), 7.01 (d,
2H), 6.30 (s, 2H), 5.17 (t, 1H), 4.07 (m, 1H), 3.0 (d, 1H), 2.7-2.90 (m, 3H),
1.90 (m, 2H), 1.70 (m, 1H), 1.48 (m, 1H).
ステップ7:5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−[4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの調製。炭酸カリウム(450mg、3.3mmol)を、N,N−ジメチルホルムアミド(10mL)中の5−アミノ−3−(4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)フェニル)−1−(ピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(0.9g、2.2mmol)の溶液に添加した。5分間撹拌した後、臭化シアン(260mg、2.42mmol)を添加し、得られた混合物を60℃で2時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、水を添加した。得られた沈殿物を濾過した。粗生成物を、50%EtOAc/ヘキサンを溶離液として用いるシリカゲル上でのフラッシュカラムクロマトグラフィー(100〜200メッシュ)によって精製して、表題化合物(1.3g)を得た。MS (M+H) m/z 439. 1H NMR (DMSO-d6, 400MHz) 7.52 (m, 1H),
7.48 (d, 2H), 7.35 (m, 1H), 7.18 (t, 1H), 7.01 (d, 2H), 6.43 (s, 2H), 4.35 (m,
1H), 3.50 (d, 1H), 3.35 (m, 2H), 3.03 (t, 1H), 1.92 (m, 1H), 1.80 (m, 2H), 1.48
(m, 1H).
(実施例26)
5−アミノ−1−[(3S)−1−シアノピペリジン−3−イル]−3−[4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
rac−5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−[4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例25で記述されている通りに調製したもの)を、分取HPLC(キラルパックIA、4.6×250mm、5μmカラム、ヘキサン/エタノール、30/70、0.8mL/分流速)によってキラル分離した。第一の溶離異性体の単離により、表題化合物を得た。
1H NMR (DMSO-d6, 300MHz) δ 7.52 (m, 1H), 7.48 (d, 2H), 7.35 (m, 1H), 7.18 (t, 1H), 7.01 (d,
2H), 6.43 (s, 2H), 5.2-6.2 (br, 2H), 4.35 (m, 1H), 3.50 (d, 1H), 3.35 (m, 2H),
3.03 (t, 1H), 1.92 (m, 1H), 1.80 (m, 2H), 1.48 (m, 1H). MS (M+H) m/z 439. SOP:
+56.8°(C=MeOH中0.5%).
(実施例27)
5−アミノ−1−[(3R)−1−シアノピペリジン−3−イル]−3−[4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
rac−5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−[4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例25で記述されている通りに調製したもの)を、分取HPLC(キラルパックIA、4.6×250mm、5μmカラム、ヘキサン/エタノール、30/70、0.8mL/分流速)によってキラル分離した。第二の溶離異性体の単離により、表題化合物を得た。MS (M+H) m/z 439.
1H NMR (DMSO-d6, 300MHz) δ 7.52 (m, 1H), 7.48 (d, 2H), 7.35 (m, 1H), 7.18 (t, 1H), 7.01 (d,
2H), 6.43 (s, 2H), 4.35 (m, 1H), 3.50 (d, 1H), 3.35 (m, 2H), 3.03 (t, 1H), 1.92
(m, 1H), 1.80 (m, 2H), 1.48 (m, 1H). SOP: -52.4°(C=MeOH中0.5%).
(実施例28)
5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−[4−(3−フルオロ−4−メチルフェノキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−[4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例25)と同様にして、3−フルオロ−4−メチルフェノールを用いて調製して、表題化合物を得た。MS (M+H) m/z 435.
1H NMR (DMSO-d6, 400MHz) δ 7.50 (d, 2H), 7.28 (t, 1H), 7.17 (d, 2H), 6.90 (dd, 1H), 6.82 (dd,
1H), 6.43 (s, 2H), 4.35 (m, 1H), 3.50 (dd, 1H), 3.35 (m, 2H), 3.05 (dt, 1H),
2.22 (s, 3H), 1.65-1.95 (m, 4H).
(実施例29)
(S)−5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−[4−(3−フルオロ−4−メチルフェノキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
rac−5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−[4−(3−フルオロ−4−メチルフェノキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例28で記述されている通りに調製したもの)を、分取HPLC(キラルパックIB、4.6×250mm、5μmカラム、ヘキサン/エタノール、50/50、1.0mL/分流速)によってキラル分離した。第一の溶離異性体の単離により、表題化合物を得た。
1H NMR (DMSO-d6, 400MHz) δ 7.50 (d, 2H), 7.28 (t, 1H), 7.08 (d, 2H), 6.90 (dd, 1H), 6.82 (dd,
1H), 6.43 (s, 2H), 4.35 (m, 1H), 3.50 (dd, 1H), 3.35 (m, 2H), 3.05 (dt, 1H),
2.22 (s, 3H), 1.65-1.95 (m, 4H). SOP: +59.6°(C=MeOH中0.5%).
(実施例30)
(R)−5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−[4−(3−フルオロ−4−メチルフェノキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
rac−5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−[4−(3−フルオロ−4−メチルフェノキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例28で記述されている通りに調製したもの)を、分取HPLC(キラルパックIB、4.6×250mm、5μmカラム、ヘキサン/エタノール、50/50、1.0mL/分流速)によってキラル分離した。第二の溶離異性体の単離により、表題化合物を得た。MS (M+H) m/z 435.
1H NMR (DMSO-d6, 300MHz) δ 7.50 (d, 2H), 7.28 (t, 1H), 7.08 (d, 2H), 6.90 (dd, 1H), 6.82 (dd,
1H), 6.43 (s, 2H), 4.35 (m, 1H), 3.50 (dd, 1H), 3.35 (m, 2H), 3.05 (dt, 1H),
2.22 (s, 3H), 1.65-1.95 (m, 4H). SOP: -64°
(C=MeOH中0.5%).
(実施例31)
5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−[4−(4−フルオロ−3−メチルフェノキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−[4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例25)と同様にして、4−フルオロ−3−メチルフェノールを用いて調製して、表題化合物を得た。MS (M+H) m/z 435.
1H NMR (DMSO-d6, 300MHz) δ 7.48 (d, 2H), 7.18 (t, 1H), 7.03 (m, 3H), 6.92 (m, 1H), 6.43 (s,
2H), 4.36 (m, 1H), 3.50 (d, 1H), 3.35 (m, 2H), 3.04 (t, 1H), 2.21 (s, 3H),
1.65-1.95 (m, 4H).
(実施例32)
5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−[4−(4−フルオロ−2−メチルフェノキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−[4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例25)と同様にして、4−フルオロ−2−メチルフェノールを用いて調製して、表題化合物を得た。MS (M+H) m/z 435.
1H NMR (DMSO-d6, 400MHz) δ 7.42 (d, 2H), 7.23 (d, 1H), 7.04 (m, 2H), 6.91 (d, 2H), 6.42 (s,
2H), 4.36 (m, 1H), 3.47 (m, 1H), 3.32 (m, 2H), 3.06 (t, 1H), 2.18 (s, 3H),
1.62-1.92 (m, 4H).
(実施例33)
(S)−5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−[4−(4−フルオロ−2−メチルフェノキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
rac−5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−[4−(4−フルオロ−2−メチルフェノキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例32で記述されている通りに調製したもの)を、分取HPLC(キラルパックIB、4.6×250mm、5μmカラム、ヘキサン/エタノール、50/50、1.0mL/分流速)によってキラル分離した。第一の溶離異性体の単離により、表題化合物を得た。MS (M+H) m/z 435.
1H NMR (DMSO-d6, 400MHz) δ 7.42 (d, 2H), 7.23 (d, 1H), 7.04 (m, 2H), 6.91 (d, 2H), 6.42 (s,
2H), 5.2-6.0 (br, 2H), 4.36 (m, 1H), 3.47 (m, 1H), 3.32 (m, 2H), 3.06 (t, 1H),
2.18 (s, 3H), 1.62-1.92 (m, 4H). SOR: +53.2°(C=MeOH中0.5%).
(実施例34)
(R)−5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−[4−(4−フルオロ−2−メチルフェノキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
rac−5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−[4−(4−フルオロ−2−メチルフェノキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例32で記述されている通りに調製したもの)を、分取HPLC(キラルパックIB、4.6×250mm、5μmカラム、ヘキサン/エタノール、50/50、1.0mL/分流速)によってキラル分離した。第二の溶離異性体の単離により、表題化合物を得た。MS (M+H) m/z 435.
1H NMR (DMSO-d6, 400MHz) δ 7.42 (d, 2H), 7.23 (d, 1H), 7.04 (m, 2H), 6.91 (d, 2H), 6.42 (s,
2H), 5.2-6.0 (br, 2H), 4.36 (m, 1H), 3.47 (m, 1H), 3.32 (m, 2H), 3.06 (t, 1H),
2.18 (s, 3H), 1.62-1.92 (m, 4H). SOR: -64.8°(C=MeOH中0.5%).
(実施例35)
5−アミノ−3−[4−(2−クロロ−4−フルオロフェノキシ)フェニル]−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−[4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例25)と同様にして、2−クロロ−4−フルオロフェノールを用いて調製して、表題化合物を得た。MS (M+H) m/z 454.9.
1H NMR (DMSO-d6, 300MHz) δ 7.63 (d, 1H), 7.48 (d, 2H), 7.30 (d, 2H), 6.98 (d, 2H), 6.43 (s,
2H), 4.37 (m, 1H), 3.5 (m, 1H), 3.35 (m, 2H), 3.06 (t, 1H), 1.65-1.95 (m, 4H).
(実施例36)
(S)−5−アミノ−3−[4−(2−クロロ−4−フルオロフェノキシ)フェニル]−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
rac−5−アミノ−3−[4−(2−クロロ−4−フルオロフェノキシ)フェニル]−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例35で記述されている通りに調製したもの)を、分取HPLC(キラルパックIB、4.6×250mm、5μmカラム、ヘキサン/エタノール、50/50、1.0mL/分流速)によってキラル分離した。第一の溶離異性体の単離により、表題化合物を得た。MS (M+H) m/z 454.9.
1H NMR (DMSO-d6, 400MHz) δ 7.63 (d, 1H), 7.48 (d, 2H), 7.30 (d, 2H), 6.98 (d, 2H), 6.43 (s,
2H), 5.2-6.2 (br, 2H), 4.37 (m, 1H), 3.5 (m, 1H), 3.35 (m, 2H), 3.06 (t, 1H),
1.65-1.95 (m, 4H). SOR: +49.2 (C=MeOH中0.5%).
(実施例37)
(R)−5−アミノ−3−[4−(2−クロロ−4−クロロフェノキシ)フェニル]−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
rac−5−アミノ−3−[4−(2−クロロ−4−フルオロフェノキシ)フェニル]−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例35で記述されている通りに調製したもの)を、分取HPLC(キラルパックIB、4.6×250mm、5μmカラム、ヘキサン/エタノール、50/50、1.0mL/分流速)によってキラル分離した。第二の溶離異性体の単離により、表題化合物を得た。MS (M+H) m/z 454.9.
1H NMR (DMSO-d6, 300MHz) δ 7.63 (d, 1H), 7.48 (d, 2H), 7.30 (d, 2H), 6.98 (d, 2H), 6.43 (s,
2H), 5.2-6.2 (br, 2H), 4.37 (m, 1H), 3.5 (m, 1H), 3.35 (m, 2H), 3.06 (t, 1H),
1.65-1.95 (m, 4H).
(実施例38)
5−アミノ−3−[4−(2−クロロ−4−メチルフェノキシ)フェニル]−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−[4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例25)と同様にして、2−クロロ−4−メチルフェノールを用いて調製して、表題化合物を得た。MS (M+H) m/z 451.
1H NMR (400MHz, メタノール-d4) δ 7.47 (d, J = 8.8Hz, 2H), 7.36 (s,
1H), 7.17 (d, J = 8.4Hz, 1H), 7.05 (d, J = 8.0Hz, 1H), 6.98 (d, J = 8.8Hz, 2H),
4.37 (m, 1H), 3.57 (m, 1H), 3.44 (m, 2H), 3.11 (m, 1H), 2.36 (s, 3H), 2.06 (m,
2H), 1.92 (m, 2H).
(実施例39)
5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−[4−(2−フルオロ−4−メチルフェノキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−[4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例25)と同様にして、2−フルオロ−4−メチルフェノールを用いて調製して、表題化合物を得た。MS (M+H) m/z 435.
1H NMR (400MHz, メタノール-d4) δ 7.47 (d, J = 8.8Hz, 2H), 7.10 (m,
2H), 7.03 (m, 3H), 4.37 (m, 1H), 3.55 (m, 1H), 3.44 (m, 2H), 3.11 (m, 1H), 2.37
(s, 3H), 2.04 (m, 2H), 1.90 (m, 2H).
(実施例40)
5−アミノ−3−[4−(4−クロロ−3−メチルフェノキシ)フェニル]−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
ステップ1:1−[4−(4−クロロ−3−メチルフェノキシ)フェニル]エタノンの調製。ジメチルアセトアミド(4mL)中の4−フルオロアセトフェノン(1.0g、7.2mmol)の溶液に、4−クロロ−3−メチルフェノール(1.24g、8.69mmol)、続いて炭酸カリウム(1.38g、9.99mmol)を添加した。反応混合物を100℃で3時間加熱し、次いで冷却させ、水でクエンチし、酢酸エチル中に抽出した。合わせた有機層を真空で濃縮して、表題化合物を得た。MS (M+H) m/z 260.9.
1H NMR (DMSO-d6) δ 7.99 (m, 2 H) 7.48 (d, J=8.5Hz, 1 H), 7.16 (d, J=3.1Hz, 1 H), 7.07
(m, 2 H), 6.98 (dd, J=8.5, 3.07Hz, 1 H) 2.55 (s, 3 H), 2.33 (s, 3 H).
ステップ2:4−(4−クロロ−3−メチルフェノキシ)安息香酸の調製。エタノール(10mL)中の1−[4−(4−クロロ−3−メチルフェノキシ)フェニル]エタノン(1.8g、6.9mmol)の溶液に、20mLの10〜15%次亜塩素酸ナトリウム溶液を添加し、混合物を周囲温度で撹拌した。重亜硫酸ナトリウムの水溶液(50mL)を添加し、次いで、混合物を12N塩酸で酸性化した。得られた沈殿物を濾過して、表題化合物を得た。
ステップ3:4−(4−クロロ−3−メチルフェノキシ)ベンゾイルクロリドの調製。無水塩化オキサリル(1.23g、9.71mmol)、続いて4滴のN,N−ジメチルホルムアミドを、テトラヒドロフラン(30mL)中の4−(4−クロロ−3−メチルフェノキシ)安息香酸(1.701g、6.475mmol)の溶液に、0℃で滴下添加した。混合物を周囲温度に16時間かけて加温させ、次いで濃縮して、表題化合物を黄色固体として得た。
ステップ4:2−((4−(4−クロロ−3−メチルフェノキシ)フェニル)(メトキシ)メチレン)−マロノニトリルの調製。無水テトラヒドロフラン(3mL)中のマロノニトリル(252mg、3.81mmol)の溶液を、テトラヒドロフラン(15mL)中の水素化ナトリウム(183mg、3.807mmol)の懸濁液に0℃で添加した。次いで、テトラヒドロフラン(5mL)中の4−(4−クロロ−3−メチルフェノキシ)ベンゾイルクロリド(1.0g、3.81mmol)の溶液を、10分間かけて滴下添加した。次いで、混合物を硫酸ジメチルで処理し、3時間還流まで加熱し、その後、これを飽和塩化アンモニウム水溶液でクエンチし、酢酸エチル中に抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、真空で濃縮して、表題化合物を油として得た。
ステップ5:1−(3−ヒドロキシピペリジン−1−イル)エタノンの調製。ジクロロメタン(1L)中の3−ヒドロキシ−ピペルジン(piperdine)(100g、0.73mol)およびトリエチルアミン(121mL、0.87mol)の懸濁液を、0℃に冷却した。次いで、酢酸無水物(79mL、0.84mol)を、温度が0℃を超えないことを確実にしながら、1.5時間かけて滴下添加した。混合物を周囲温度で追加で16時間撹拌させ、次いで、水、飽和重炭酸ナトリウム水溶液、最後にブラインで洗浄した。次いで、合わせた水性層を10%メタノール/ジクロロメタンの溶液で再抽出した。合わせた有機層を真空で濃縮し、次いで、得られた残留物を酢酸エチル(500mL)に添加し、15分間撹拌させ、その後、白色沈殿物が形成された。沈殿物を濾過除去し、酢酸エチルで洗浄した。濾液を真空で濃縮した。残留物を、真空蒸留(140℃、4mbar)による残留無水物の除去を介して精製して、表題化合物を褐色油(192g、61%)として得た。1H-NMR (CDCl3) δ 3.59-3.92 (m, 3H), 3.21-3.49 (m, 3H), 2.12 (s, 3H), 1.73-2.07 (m,
2H), 1.44-1.68 (m, 2H).
ステップ6:1−アセチルピペリジン−3−オンの調製。ジクロロメタン(2.0L)中のピリジン.SO3(372.0g、2.338mol)の冷懸濁液に、トリエチルアミン(408.5mL、2.923mol)およびジメチルスルホキシド(414mL、5.846mol)を、温度を0℃に保ちながら順に添加した。ジクロロメタン(500mL)中の1−(3−ヒドロキシピペリジン−1−イル)エタノン(76.0g、0.531mol)の溶液を、温度を0℃未満に保ちながら、1時間かけて滴下添加した。反応混合物を室温で16時間撹拌させた。反応混合物を0〜5℃で飽和塩化アンモニウム(1L)でクエンチし、もう1時間撹拌した。有機層を分離し、水性層をジクロロメタン中10%メタノール(4×250mL)で抽出した。合わせた有機層を真空で濃縮した。残留物を酢酸エチル(1L)に溶解し、焼結ガラスに通して濾過し、真空で濃縮した。残留ジメチルスルホキシドおよびトリエチルアミンを、高真空蒸留によって除去した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物(16g)を褐色半固体として得た。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 4.15 (s, 1 H), 3.98 (s, 1 H), 3.72 (t, J = 12Hz, 2 H), 3.61 (t, J =
12Hz, 2 H), 2.12 (s, 1.5 H), 2.06 (s, 1.5 H), 1.94-2.03 (m, 4H).
ステップ7:tert−ブチル2−(1−アセチルピペリジン−3−イル)ヒドラジンカルボキシレートの調製。テトラヒドロフラン(1.5L)中の1−アセチル−ピペリジン−3−オン(123g、0.87mol)の溶液に、tert−ブチルヒドラジンカルボキシレート(115g、0.87mol)を添加した。溶液を16時間還流まで加熱し、その後、これを15℃に冷却し、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(54.8g、0.87mol)を一度に添加した。次いで、テトラヒドロフラン(700mL)中のp−トルエンスルホン酸一水和物(166g、0.87mol)の溶液を、温度が20℃を超えないことを確実にしながら、2時間かけて滴下添加した。混合物を周囲温度で16時間撹拌させ、その後、揮発物を真空で除去した。得られた油を酢酸エチル(1.5L)に溶解し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(1L)で洗浄した。次いで、有機層を1N水酸化ナトリウム(1L)に添加し、1時間撹拌させた。有機層を分離し、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(1〜7%ジクロロメタン/2−プロパノール)によって精製し、10〜50%酢酸エチル/2−プロパノール溶媒勾配を使用して再精製して、表題化合物を油(74.5g、33%)として得た。1H NMR (CDCl3) δ 6.42 (bs, 1H), 6.03 (bs, 1H), 3.34-4.14 (m, 4H), 2.85-3.04 (m, 2H),
2.08 (ds, 3H), 1.49-1.91 (m, 3H), 1.44 (bs, 9H).
ステップ8:1−(3−ヒドラジニルピペリジン−1−イル)エタノン塩酸塩の調製。0℃のメタノール(220mL)中のtert−ブチル2−(1−アセチルピペリジン−3−イル)ヒドラジンカルボキシレート(45.1g、0.18mol)の溶液に、ジオキサン中4N塩酸(221mL)を、温度が10℃を超えないことを確実にしながら、添加した。混合物を周囲温度で16時間撹拌させ、その後、揮発物を真空で除去した。残留物を水(75mL)に溶解し、10%ジクロロメタン/メタノール中に抽出した。合わせた有機層を濃縮して、表題化合物を得た。MS (M+H) m/z 158. 1H NMR (DMSO-d6) δ 4.15 (q, 0.5H), 4.00 (d, 0.5H), 3.85-3.92 (m, 0.5H), 3.53-3.59 (m,
0.5H), 2.71-3.16 (m, 3H), 2.01 (ds, 3H), 1.91-2.01 (m, 1H), 1.61-1.80 (m, 1H),
1.25-1.52 (m, 2H).
ステップ9:1−(1−アセチルピペリジン−3−イル)−5−アミノ−3−[4−(4−クロロ−3−メチルフェノキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボニトリルの調製。トリエチルアミン(156mg、1.54mmol)を、1−(3−ヒドラジニルピペリジン−1−イル)エタノン塩酸塩(133mg、0.68mmol)および2−((4−(4−クロロ−3−メチルフェノキシ)フェニル)(メトキシ)メチレン)マロノニトリル(200mg、0.62mmol)のスラリーに添加し、混合物を室温で18時間撹拌した。反応混合物を、水と酢酸エチルとに分配した。有機層を乾燥させ(MgSO4)、濾過し、濃縮して、表題化合物を得た。MS (M+H) m/z 450.
ステップ10:5−アミノ−3−[4−(4−クロロ−3−メチルフェノキシ)フェニル]−1−ピペリジン−3−イル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの調製。表題化合物は、5−アミノ−3−(4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)フェニル)−1−(ピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例25、ステップ6)と同様にして、1−(1−アセチルピペリジン−3−イル)−5−アミノ−3−[4−(4−クロロ−3−メチルフェノキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボニトリルを用いて調製した。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ ppm 7.50 (m, J=8.53Hz, 2 H), 7.43 (d, J=8.54Hz, 1 H), 7.08 (m, 2
H), 7.11 (d, J=3.41Hz, 1 H), 6.90 - 6.97 (m, 1 H), 6.34 (s, 2 H), 4.13 (d,
J=4.78Hz, 1 H), 3.01 - 3.10 (m, 1 H), 2.80 - 2.96 (m, 2 H), 2.32 (s, 4 H), 1.90
- 1.96 (m, 1 H), 1.82 - 1.90 (m, 1 H), 1.68 - 1.78 (m, 1 H), 1.47 - 1.59 (m, 2
H),
ステップ11:5−アミノ−3−[4−(4−クロロ−3−メチルフェノキシ)フェニル]−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの調製。表題化合物は、5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−[4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例25、ステップ7)と同様にして、5−アミノ−3−[4−(4−クロロ−3−メチルフェノキシ)フェニル]−1−ピペリジン−3−イル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドを用いて調製した。MS (M+H) m/z 451. 1H NMR (DMSO-d6) δ 7.09 (d, 2 H), 7.06 (d, J=8.30Hz, 2 H) 6.91 (dd, J=8.79, 2.93Hz, 1
H), 6.43 (s, 2 H), 4.33 - 4.39 (m, 1 H), 3.49 (dd, J=12.21, 3.91Hz, 1H), 3.30 -
3.36 (m, 2 H), 3.02 - 3.09 (m, 1 H), 2.31 (s, 3 H), 1.94 (td, J=13.18, 3.42Hz,
1 H), 1.82 - 1.89 (m, 1 H), 1.80 (bs, 1 H), 1.65 - 1.74 (m, 1 H).
(実施例41)
5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−[4−(4−フルオロフェノキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
表題化合物は、5−アミノ−3−[4−(4−クロロ−3−メチルフェノキシ)フェニル]−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例40)と同様にして、4−フルオロフェノールを用いて調製した。MS (M+H) m/z 421.
1H NMR (DMSO-d6) δ 7.45 (d, J=8.8Hz, 2 H), 7.39 (t, J=7.9Hz, 2 H), 7.14 (t, J=7.3Hz, 1
H), 7.03 (t, J=8.8Hz, 4 H), 6.44 (bs, 2 H), 4.31 - 4.38 (m, 1 H), 3.48 (bs, 1
H), 3.45 (d, J=3.7Hz, 1 H), 2.98 - 3.09 (m, 1 H), 1.90 (bs, 2 H), 1.76 - 1.88
(m, 2 H), 1.68 (t, J=12.5Hz, 1 H).
(実施例42)
5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−[4−(4−メチルフェノキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
表題化合物は、5−アミノ−3−[4−(4−クロロ−3−メチルフェノキシ)フェニル]−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例40)と同様にして、4−メチルフェノールを用いて調製した。MS (M+H) m/z 417.
1H NMR (DMSO-d6) δ 7.45 (d, J=8.4Hz, 2 H), 7.21 (d, J=8.4Hz, 2 H), 6.97 (d, J=8.8Hz, 2
H), 7.00 (d, J=8.8Hz, 2 H), 6.73 (bs, 1 H), 6.53 - 6.67 (m, 1 H), 6.40 (d,
J=8.8Hz, 2 H), 4.95 - 5.08 (m, 1 H), 4.32 - 4.53 (m, 1 H), 4.12 (bs, 4 H), 3.40
- 3.50 (m, 1 H), 3.01 (bs, 1 H), 2.29 (s, 3 H), 1.77 - 2.02 (m, 3 H), 1.45 (bs,
1 H).
(実施例43)
5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−[4−(2,5−ジフルオロフェノキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
ステップ1:4−ヨードベンゾイルクロリドの調製。0℃の塩化オキサリル(417mL、4.83mol)中の4−ヨード安息香酸(60g、0.24mol)の懸濁液に、N,N−ジメチルホルムアミド(1mL)を滴下添加した。次いで、混合物を16時間還流まで加熱し、その後、これを周囲温度に冷却し、真空で濃縮した。得られた油をトルエンに溶解し、真空蒸留によって精製して、表題化合物を得た。
ステップ2:2−(ヒドロキシ(4−ヨードフェニル)メチレン)マロノニトリルの調製。0℃のテトラヒドロフラン(600mL)中の水素化ナトリウム(60%、64.36g、1.61mol)の撹拌懸濁液に、テトラヒドロフラン(600mL)中のマロノニトリル(53.09g、804.5mmol)の溶液を添加し、得られた反応混合物を同じ温度で30分間撹拌した。テトラヒドロフラン(600mL)中の4−ヨードベンゾイルクロリド(214g、804.5mmol)を懸濁液に0℃で添加し、次いで、室温で16時間撹拌した。反応混合物を0℃に冷却し、飽和塩化アンモニウム溶液(1000ml)でクエンチした。得られた水溶液を酢酸エチル(2×1.5L)で抽出した。合わせた有機層をブライン(1L)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して、表題化合物(250g)を褐色固体として得た。MS (M-H) m/z 295. 1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ 7.73 (d, J = 8.0Hz, 2 H), 7.35 (d, J = 8.0Hz, 2 H).
ステップ3:2−((4−ヨードフェニル)(メトキシ)メチレン)マロノニトリルの調製。0℃のテトラヒドロフラン(500mL)中の水素化ナトリウム(60%、37.16g、929mmol)の撹拌懸濁液に、テトラヒドロフラン(500mL)中の2−(ヒドロキシ(4−ヨードフェニル)メチレン)マロノニトリル(250g、844.6mmol)の溶液を添加し、得られた反応混合物を同じ温度で30分間撹拌した。テトラヒドロフラン(500mL)中の硫酸ジメチル(241mL、253.8mmol)を、上記の撹拌懸濁液に0℃で添加し、得られた反応混合物を80℃で16時間撹拌した。反応混合物を0℃に冷却し、飽和塩化アンモニウム溶液(1000mL)でクエンチした。得られた水溶液を酢酸エチル(2×1.5L)で抽出した。合わせた有機層をブライン溶液(1L)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して、表題化合物(200g)を得た。LCMS (M-H) m/z 308.
ステップ4:ベンジル3−[5−アミノ−4−シアノ−3−(4−ヨードフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル]ピペリジン−1−カルボキシレートの調製。エタノール(1L)中の2−((4−ヨードフェニル)(メトキシ)−メチレン)マロノニトリル(100g、322.6mmol)の撹拌懸濁液に、新たに蒸留したトリエチルアミン(49.1mL、354.8mmol)を添加し、続いて、2−(メトキシ(3−ヨード)メチレン)−マロノニトリルおよびベンジル3−ヒドラジノ−ピペリジン−1−カルボキシレート(実施例1、ステップ8)(91.93g、322.6mmol)を室温で添加し、得られた混合物を80℃で16時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、濃縮して、500mLの体積とした。得られた固体を濾過し、水(2×500ml)で洗浄し、真空下で乾燥させて、表題化合物(98gm、58%)をオフホワイトの固体として得た。MS (M+H) m/z 527.8. 1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ 7.82 (d, J = 8.0Hz, 2 H), 7.57 (d, J = 8.0Hz, 2 H), 7.34 (br, 5 H),
6.82 (s, 2 H), 5.06 (br, 2 H), 4.27 (br, 1 H), 4.01-3.91(m, 2 H), 3.32-3.27 (m,
1 H), 2.99-2.93 (m, 1 H), 1.98-1.85 (m, 3 H), 1.54-1.48 (m, 1 H).
ステップ5:ベンジル3−{5−アミノ−4−シアノ−3−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]−1H−ピラゾール−1−イル}ピペリジン−1−カルボキシレートの調製。窒素下で20分間脱気した、ジメチルスルホキシド(300mL)中の、ベンジル3−[5−アミノ−4−シアノ−3−(4−ヨードフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル]ピペリジン−1−カルボキシレート(86.7g、341.6mmol)、ビス(ピナコラト)ジボラン(95.4g、375.8mmol)および酢酸カリウム(34g、347.2mmol)の撹拌懸濁液に、PdCl2(dppf)(7.4g、9.1mmol)を添加した。次いで、反応混合物を80℃に2時間加熱し、周囲温度に冷却させ、セライトに通して濾過した。濾液を酢酸エチルで希釈し、水およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空で濃縮した。粗残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を淡黄色油(45g、75%)として得た。MS (M+H) m/z 528. 1H NMR: (400MHz, DMSO-d6) δ ppm: 7.83 (d, J=8Hz, 2H), 7.57 (d, J=8Hz, 2H), 7.36 (s, 5H), 6.83
(br s, 2H), 5.0 (bs, 2H), 4.30 (d, J=28Hz, 2H), 3.98 (d, J=40Hz, 2H), 3.22-3.20
(m,1H), 2.95 (t, J=24Hz, 1H), 1.97-1.84 (dd, J=52Hz, 3H), 1.56-1.46
(bs,1H),1.30 (s, 12H).
ステップ6:[4−(5−アミノ−1−{1−[(ベンジルオキシ)カルボニル]ピペリジン−3−イル}−4−シアノ−1H−ピラゾール−3−イル)フェニル]ボロン酸の調製の調製。33%アセトン水溶液(67.5mL)中のベンジル−3−{5−アミノ−4−シアノ−3−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]−1H−ピラゾール−1−イル}ピペリジン−1−カルボキシレート(2.97g、5.63mmol)の溶液に、過ヨウ素酸ナトリウム(3.61g、16.88mmol)および酢酸アンモニウム(1.30g、16.88mmol)を添加した。反応混合物を30℃で16時間かけて撹拌し、その後、所望生成物を酢酸エチル中に抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空で濃縮して、表題化合物を得た。MS (M+H) m/z 445.9.
ステップ7:ベンジル3−{5−アミノ−4−シアノ−3−[4−(2,5−ジフルオロフェノキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−1−イル}ピペリジン−1−カルボキシレートの調製。8mLのバイアル内、ジクロロメタン(1mL)中の2,4−ジフルオロフェノール(16mg、0.125mmol)および[4−(5−アミノ−1−{1−[(ベンジルオキシ)カルボニル]ピペリジン−3−イル}−4−シアノ−1H−ピラゾール−3−イル)フェニル]ボロン酸(56mg、0.125mmol)の溶液に、酸化銅(II)(18mg、0.100mmol)、4Å分子ふるい(10mg)およびピリジン(20μL、0.200mmol)を添加した。バイアルに蓋をし、30℃で16時間振とうさせた。次いで、反応混合物を濾過し、スピードバックを使用して濾液を濃縮した。次いで、得られた残留物を分取TLCによって精製して、表題化合物を得た。
ステップ8:5−アミノ−3−[4−(2,5−ジフルオロフェノキシ)フェニル]−1−ピペリジン−3−イル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの調製。8mLのバイアル内、イソプロパノール(1mL)中のベンジル3−{5−アミノ−4−シアノ−3−[4−(2,5−ジフルオロフェノキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−1−イル}ピペリジン−1−カルボキシレート(66mg、0.125mmol)の溶液に、5M水酸化ナトリウム水溶液(0.5mL、2.50mmol)を添加した。バイアルに蓋をし、155℃で48時間振とうさせた。水をバイアルに添加し(1mL)、所望生成物を酢酸エチル(3×1mL)中に抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、スピードバックを使用して濃縮して、表題化合物を得た。
ステップ9:5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−[4−(2,5−ジフルオロフェノキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの調製。5−アミノ−3−[4−(2,5−ジフルオロフェノキシ)フェニル]−1−ピペリジン−3−イル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(52mg、0.125mmol)を含有する8mLのバイアルに、N,N−ジメチルホルムアミド(0.5mL)中の臭化シアン0.250mmol)の0.5M溶液、続いて炭酸カリウム(52mg、0.375mmol)を添加した。バイアルに蓋をし、30℃で16時間振とうさせた。スピードバックを使用して溶媒を除去し、得られた残留物を、分取HPLCを介して精製して、表題化合物を得た。LCMS (M+H) m/z 439.
(実施例44〜66)
以下の表中の化合物は、5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−[4−(2,5−ジフルオロフェノキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例43)と同様にして調製した。
(実施例67)
5−アミノ−3−(4−ベンジルフェニル)−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
ステップ1:ベンジル3−(5−アミノ−3−(4−ベンジルフェニル)−4−シアノ−1H−ピラゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレートの調製。N,N−ジメチルホルムアミド(50mL)中の、ベンジル3−[5−アミノ−4−シアノ−3−(4−ヨードフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル]ピペリジン−1−カルボキシレート(実施例43、ステップ4)(1当量)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル(0.073当量)、Pd
2(dba)
3(0.065当量)の混合物に、ベンジル亜鉛ブロミドの溶液(3当量、テトラヒドロフラン中0.5M)を、N
2下、室温で滴下添加した。混合物を室温で終夜撹拌した。反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液によってクエンチし、酢酸エチル(100mL)を添加した。混合物を濾過し、濾液を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた(combine)有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物をシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(CH
2Cl
2/CH
3OH、4/1〜1/1)によって精製して、表題化合物を黄色油として得た。
ステップ2:5−アミノ−3−(4−ベンジルフェニル)−1−(ピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの調製。ベンジル3−(5−アミノ−3−(4−ベンジルフェニル)−4−シアノ−1H−ピラゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(1当量)、NaOH溶液(7〜10当量、2.5M)、EtOH(8mL)の混合物を、145℃のマイクロ波中で1時間照射した。反応混合物をEtOAc(50mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空で濃縮して、表題化合物を黄色油として得た。
ステップ3:5−アミノ−3−(4−ベンジルフェニル)−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの調製。N,N−ジメチルホルムアミド(10mL)中の、5−アミノ−3−(4−ベンジルフェニル)−1−(ピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(1当量)、Cs2CO3(2当量)、臭化シアン(1.1当量)の混合物を、室温で終夜撹拌した。反応混合物をEtOAc(50mL×2)で抽出した。合わせた(combine)有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。粗生成物を逆相分取HPLCによって精製して、表題化合物を白色固体として得た。LCMS (M+H): 401. 1H NMR (DMSO-d6) δ 7.05 - 7.51 (m, 9H), 6.45 (s, 2H), 4.24 - 4.43 (m, 1H), 3.97 (s,
2H), 3.47 (dd, J=12.1, 4.0Hz, 1H), 3.03 (td, J=12.5, 2.2Hz, 1H), 1.75 - 2.01
(m, 3H), 1.58 - 1.73 (m, 1H).
(実施例68)
5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−[4−(3−メチルベンジル)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
表題化合物は、5−アミノ−3−(4−ベンジルフェニル)−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例67)と同様にして、(3−メチルベンジル)亜鉛クロリドを用いて調製した。MS (M+H) m/z 415.
1H NMR (CDCl
3, 400MHz) δ
1.77 - 1.84 (m, 2H), 2.07 - 2.11 (m, 2H), 2.25 (s, 3H), 2.93 -
2.99 (m, 1H), 3.35 -3.53 (m, 3H), 3.90 (s, 2H), 4.0 - 4.02 (m, 1H), 5.13 (d,
2H), 5.47 (s, 2H), 6.92 - 6.97 (m, 3H), 7.10 - 7.74 (m, 1H), 7.22 (d, 2H), 7.36
(d, 2H).
(実施例69)
(R)−5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−(4−(3−メチルベンジル)フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
rac−5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−[4−(3−メチルベンジル)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例68で記述されている通りに調製したもの)を、超臨界流体クロマトグラフィー(キラルパックAD 5μ、21×250mmカラム、27%MeOH、70mL/分)によってキラル分離した。第一の溶離異性体の単離により、表題化合物を得た。MS (M+H) m/z 415.
1H NMR (400MHz, DMSO-d
6) δ ppm 7.39 (d, J=8.6Hz, 2 H), 7.29 (d, J=8.1Hz, 2 H), 7.15 - 7.21 (m,
1 H), 6.98 - 7.09 (m, 3 H), 6.46 (s, 2 H), 4.31 - 4.41 (m, 1 H), 3.94 (s, 2 H),
3.49 (dd, J=12.1, 4.3Hz, 1 H), 3.32 (m, 2 H), 3.00 - 3.10 (m, 1 H), 2.26 (s, 3
H), 1.76 - 2.00 (m, 3 H), 1.58 - 1.76 (m, 1 H)
(実施例70)
(S)−5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−(4−(3−メチルベンジル)フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
rac−5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−[4−(3−メチルベンジル)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例68で記述されている通りに調製したもの)を、超臨界流体クロマトグラフィー(キラルパックAD 5μ、21×250mmカラム、27%MeOH、70mL/分)によってキラル分離した。第二の溶離異性体の単離により、表題化合物を得た。MS (M+H) m/z 415.
1H NMR (400MHz, DMSO-d
6) δ ppm 7.39 (d, J=8.6Hz, 2 H), 7.29 (d, J=8.1Hz, 2 H), 7.15 - 7.21 (m,
1 H), 6.98 - 7.09 (m, 3 H), 6.46 (s, 2 H), 4.31 - 4.41 (m, 1 H), 3.94 (s, 2 H),
3.49 (dd, J=12.1, 4.3Hz, 1 H), 3.32 (m, 2 H), 3.00 - 3.10 (m, 1 H), 2.26 (s, 3
H), 1.76 - 2.00 (m, 3 H), 1.58 - 1.76 (m, 1 H)
(実施例71)
5−アミノ−3−(4−(2−クロロベンジル)フェニル)−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
表題化合物は、5−アミノ−3−(4−ベンジルフェニル)−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例67)と同様にして、(2−クロロベンジル)亜鉛クロリドを用いて調製した。MS (M+H) m/z 435.
1H NMR (CDCl
3, 400MHz) δ 1.78 - 1.87 (m, 2H), 2.05 - 2.11 (m, 2H), 2.93 - 3.00 (m, 1H), 3.35
- 3.53 (m, 3H), 4.00 - 4.05 (m, 1H), 4.074 (s, 2H), 5.15 (d, 2H), 5.48 (s, 2H),
7.10 - 7.13 (m, 2H), 7.22 (d, 2H), 7.31 - 7.33 (m, 1H), 7.37 (d, 2H).
(実施例72)
(R)−5−アミノ−3−(4−(2−クロロベンジル)フェニル)−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
rac−5−アミノ−3−(4−(2−クロロベンジル)フェニル)−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例71で記述されている通りに調製したもの)を、超臨界流体クロマトグラフィー(キラルパックAD 5μ、21×250mmカラム、30%MeOH、70mL/分)によってキラル分離した。第一の溶離異性体の単離により、表題化合物を得た。MS (M+H) m/z 435.
1H NMR (400MHz, DMSO-d
6) δ ppm 7.24 - 7.48 (m, 8 H), 6.46 (s, 2 H), 4.31 - 4.41 (m, 1 H), 4.12
(s, 2 H), 3.49 (dd, J=12.1, 4.3Hz, 1 H), 3.30 - 3.38 (m, 2 H), 3.04 (td,
J=12.4, 2.9Hz, 1 H), 1.77 - 2.00 (m, 3 H), 1.64 - 1.76 (m, 1 H).
(実施例73)
(S)−5−アミノ−3−(4−(2−クロロベンジル)フェニル)−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
rac−5−アミノ−3−(4−(2−クロロベンジル)フェニル)−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例71で記述されている通りに調製したもの)を、超臨界流体クロマトグラフィー(キラルパックAD 5μ、21×250mmカラム、30%MeOH、70mL/分)によってキラル分離した。第二の溶離異性体の単離により、表題化合物を得た。MS (M+H) m/z 435.
1H NMR (400MHz, DMSO-d
6) δ ppm 7.24 - 7.48 (m, 8 H), 6.46 (s, 2 H), 4.31 - 4.41 (m, 1 H), 4.12
(s, 2 H), 3.49 (dd, J=12.1, 4.3Hz, 1 H), 3.30 - 3.38 (m, 2 H), 3.04 (td,
J=12.4, 2.9Hz, 1 H), 1.77 - 2.00 (m, 3 H), 1.64 - 1.76 (m, 1 H).
(実施例74)
5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−[4−(2−フルオロベンジル)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
表題化合物は、5−アミノ−3−(4−ベンジルフェニル)−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例67)と同様にして、(2−クロロベンジル)亜鉛クロリドを用いて調製した。MS (M+H) m/z 419.
1H NMR (300MHz, DMSO-d
6) δ ppm 7.40 (d, 2 H), 7.25 - 7.37 (m, 4 H), 7.12 - 7.21 (m, 2 H), 6.46
(s, 2 H), 4.30 - 4.40 (m, 1 H), 4.02 (s, 2 H), 3.48 (dd, 1 H), 3.33 - 3.38 (m,
2 H), 3.04 (td, 1 H), 1.60 - 1.99 (m, 4 H).
(実施例75)
(R)−5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−(4−(2−フルオロベンジル)フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
rac−5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−[4−(2−フルオロベンジル)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例74で記述されている通りに調製したもの)を、超臨界流体クロマトグラフィー(キラルパックAD 5μ、21×250mmカラム、27%MeOH、70mL/分)によってキラル分離した。第一の溶離異性体の単離により、表題化合物を得た。MS (M+H) m/z 419.
1H NMR (400MHz, DMSO-d
6) δ ppm 7.40 (d, J=8.3Hz, 2 H), 7.25 - 7.37 (m, 4 H), 7.12 - 7.21 (m, 2
H), 6.46 (s, 2 H), 4.30 - 4.40 (m, 1 H), 4.02 (s, 2 H), 3.48 (dd, J=12.3,
4.2Hz, 1 H), 3.33 - 3.38 (m, 2 H), 3.04 (td, J=12.4, 2.9Hz, 1 H), 1.76 - 1.99
(m, 3 H), 1.70 (tt, J=12.5, 4.1Hz, 1 H).
(実施例76)
(S)−5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−(4−(2−フルオロベンジル)フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
rac−5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−[4−(2−フルオロベンジル)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例74で記述されている通りに調製したもの)を、超臨界流体クロマトグラフィー(キラルパックAD 5μ、21×250mmカラム、27%MeOH、70mL/分)によってキラル分離した。第二の溶離異性体の単離により、表題化合物を得た。MS (M+H) m/z 419.
1H NMR (400MHz, DMSO-d
6) δ ppm 7.40 (d, J=8.3Hz, 2 H), 7.25 - 7.37 (m, 4 H), 7.12 - 7.21 (m, 2
H), 6.46 (s, 2 H), 4.30 - 4.40 (m, 1 H), 4.02 (s, 2 H), 3.48 (dd, J=12.3, 4.2Hz,
1 H), 3.33 - 3.38 (m, 2 H), 3.04 (td, J=12.4, 2.9Hz, 1 H), 1.76 - 1.99 (m, 3
H), 1.70 (tt, J=12.5, 4.1Hz, 1 H).
(実施例77)
5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−[4−(3−フルオロベンジル)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
表題化合物は、5−アミノ−3−(4−ベンジルフェニル)−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例67)と同様にして、(3−フルオロベンジル)亜鉛クロリドを用いて調製した。MS (M+H) m/z 419.
1H NMR (CDCl
3, 400MHz) δ 1.78 - 1.88 (m, 2H), 2.05 - 2.11 (m, 2H), 2.93 - 3.00 (m, 1H), 3.35
-3.53 (m, 3H), 3.94 (s, 2H), 3.98 - 4.06 (m, 1H), 5.09 - 5.19 (s, 2H), 5.49 (s,
2H), 6.80 - 6.92 (m, 3H), 7.21 (d, 2H), 7.38 (d, 2H).
(実施例78)
(R)−5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−(4−(3−フルオロベンジル)フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
rac−5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−[4−(2−フルオロベンジル)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例77で記述されている通りに調製したもの)を、超臨界流体クロマトグラフィー(キラルパックAD 5μ、21×250mmカラム、27%MeOH、70mL/分)によってキラル分離した。第一の溶離異性体の単離により、表題化合物を得た。MS (M+H) m/z 419.
1H NMR (400MHz, DMSO-d
6) δ ppm 7.38 - 7.44 (m, 2 H), 7.29 - 7.38 (m, 3 H), 7.07 - 7.13 (m, 3
H), 6.99 - 7.06 (m, 1 H), 6.46 (s, 2 H), 4.31 - 4.41 (m, 1 H), 4.01 (s, 2 H),
3.49 (dd, J=12.1, 4.5Hz, 1 H), 3.36 (br. s., 1 H), 3.05 (td, J=12.4, 2.5Hz, 1
H), 1.76 - 1.98 (m, 3 H), 1.60 - 1.75 (m, 1 H).
(実施例79)
(S)−5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−(4−(3−フルオロベンジル)フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
rac−5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−[4−(2−フルオロベンジル)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例77で記述されている通りに調製したもの)を、超臨界流体クロマトグラフィー(キラルパックAD 5μ、21×250mmカラム、27%MeOH、70mL/分)によってキラル分離した。第二の溶離異性体の単離により、表題化合物を得た。MS (M+H) m/z 419.
1H NMR (400MHz, DMSO-d
6) δ ppm 7.38 - 7.44 (m, 2 H), 7.29 - 7.38 (m, 3 H), 7.07 - 7.13 (m, 3
H), 6.99 - 7.06 (m, 1 H), 6.46 (s, 2 H), 4.31 - 4.41 (m, 1 H), 4.01 (s, 2 H),
3.49 (dd, J=12.1, 4.5Hz, 1 H), 3.36 (br. s., 1 H), 3.05 (td, J=12.4, 2.5Hz, 1
H), 1.76 - 1.98 (m, 3 H), 1.60 - 1.75 (m, 1 H)
(実施例80)
5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−[4−(2,4−ジフルオロベンジル)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
表題化合物は、5−アミノ−3−(4−ベンジルフェニル)−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例67)と同様にして、(3−フルオロベンジル)亜鉛クロリドを用いて調製した。MS (M+H) m/z 437.
1H NMR (CDCl
3, 400MHz) δ 1.80 - 1.84 (m, 2H), 2.04 - 2.08 (m, 2H), 2.93 - 3.00 (m, 1H), 3.35
- 3.53 (m, 3H), 3.918 (s, 2H), 3.98 - 4.05 (m, 1H), 5.14 (s, 2H), 5.49 (s, 2H),
6.72 - 6.76 (m, 2H), 7.03 - 7.09 (m, 1H), 7.22 (d, 2H), 7.37 (d, 2H).
(実施例81)
(R)−5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−(4−(2,4−ジフルオロベンジル)フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
rac−5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−[4−(2,4−ジフルオロベンジル)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例80で記述されている通りに調製したもの)を、超臨界流体クロマトグラフィー(キラルパックAD 5μ、21×250mmカラム、27%MeOH、70mL/分)によってキラル分離した。第一の溶離異性体の単離により、表題化合物を得た。MS (M+H) m/z 437.
1H NMR (400MHz, DMSO-d
6) δ ppm 7.35 - 7.44 (m, 3 H), 7.27 (d, J=7.8Hz, 2 H), 7.18 - 7.25 (m, 1
H), 7.05 (tt, J=8.5, 1.4Hz, 1 H), 6.46 (s, 2 H), 4.30 - 4.40 (m, 1 H), 3.99 (s,
2 H), 3.49 (dd, J=12.4, 4.3Hz, 1 H), 3.26 - 3.38 (m, 4 H), 3.04 (td, J=12.4,
2.8Hz, 1 H), 1.77 - 1.99 (m, 3 H), 1.70 (tt, J=12.8, 4.0Hz, 1 H).
(実施例82)
(S)−5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−(4−(2,4−ジフルオロベンジル)フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
rac−5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−[4−(2,4−ジフルオロベンジル)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例80で記述されている通りに調製したもの)を、超臨界流体クロマトグラフィー(キラルパックAD 5μ、21×250mmカラム、27%MeOH、70mL/分)によってキラル分離した。第二の溶離異性体の単離により、表題化合物を得た。MS (M+H) m/z 437.
1H NMR (400MHz, DMSO-d
6) δ ppm 7.35 - 7.44 (m, 3 H), 7.27 (d, J=7.8Hz, 2 H), 7.18 - 7.25 (m, 1
H), 7.05 (tt, J=8.5, 1.4Hz, 1 H), 6.46 (s, 2 H), 4.30 - 4.40 (m, 1 H), 3.99 (s,
2 H), 3.49 (dd, J=12.4, 4.3Hz, 1 H), 3.26 - 3.38 (m, 4 H), 3.04 (td, J=12.4,
2.8Hz, 1 H), 1.77 - 1.99 (m, 3 H), 1.70 (tt, J=12.8, 4.0Hz, 1 H).
(実施例83)
5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−[4−(3,4−ジフルオロベンジル)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
表題化合物は、5−アミノ−3−(4−ベンジルフェニル)−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例67)と同様にして、(3,4−ジフルオロベンジル)亜鉛クロリドを用いて調製した。MS (M+H) m/z 437.
1H NMR (CDCl
3, 400MHz) δ 7.39 (d, 2H), 7.18 (d, 2H), 6.84 - 7.04 (m, 2H), 5.67 (s, 2H), 5.26
(s, 2H), 4.10 - 4.11 (m, 1H), 3.89 (s, 2H), 3.34 - 3.54 (m, 3H), 2.93 - 3.00
(m, 1H), 2.07 - 2.08 (m, 2H), 1.71 - 1.83 (m, 2H).
(実施例84)
(R)−5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−(4−(3,4−ジフルオロベンジル)フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
rac−5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−(4−(3,4−ジフルオロベンジル)フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例83で記述されている通りに調製したもの)を、超臨界流体クロマトグラフィー(キラルパックAD 5μ、21×250mmカラム、27%MeOH、70mL/分)によってキラル分離した。第一の溶離異性体の単離により、表題化合物を得た。MS (M+H) m/z 437.
1H NMR (400MHz, DMSO-d
6) δ ppm 7.29 - 7.44 (m, 6 H), 7.11 (ddd, J=6.3, 4.2, 2.4Hz, 1 H), 6.46
(s, 2 H), 4.31 - 4.41 (m, 1 H), 3.98 (s, 2 H), 3.49 (dd, J=12.1, 4.3Hz, 1 H),
3.30 - 3.38 (s, 4 H), 3.05 (td, J=12.4, 2.7Hz, 1 H), 1.76 - 1.98 (m, 3 H), 1.64
- 1.76 (m, 1 H).
(実施例85)
(S)−5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−(4−(3,4−ジフルオロベンジル)フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
rac−5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−(4−(3,4−ジフルオロベンジル)フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例83で記述されている通りに調製したもの)を、超臨界流体クロマトグラフィー(キラルパックAD 5μ、21×250mmカラム、27%MeOH、70mL/分)によってキラル分離した。第二の溶離異性体の単離により、表題化合物を得た。MS (M+H) m/z 437.
1H NMR (400MHz, DMSO-d
6) δ ppm 7.29 - 7.44 (m, 6 H), 7.11 (ddd, J=6.3, 4.2, 2.4Hz, 1 H), 6.46
(s, 2 H), 4.31 - 4.41 (m, 1 H), 3.98 (s, 2 H), 3.49 (dd, J=12.1, 4.3Hz, 1 H), 3.30
- 3.38 (s, 4 H), 3.05 (td, J=12.4, 2.7Hz, 1 H), 1.76 - 1.98 (m, 3 H), 1.64 -
1.76 (m, 1 H).
(実施例86)
5−アミノ−3−[4−(4−クロロベンジル)フェニル]−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
ステップ1:3−[5−アセチルアミノ−4−シアノ−3−(4−ヨードフェニル)−ピラゾール−1−イル]−ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルエステルの調製。ジクロロメタン(1.6L)中のベンジル3−[5−アミノ−4−シアノ−3−(4−ヨードフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル]ピペリジン−1−カルボキシレート(100g、189.8mmol)(実施例43、ステップ4)の撹拌懸濁液に、塩化アセチル(145mL、1.897mol)を、窒素雰囲気下、0℃で滴下添加した。30分後、新たに蒸留したトリエチルアミン(49.1mL、354.8mmol)を0℃で滴下添加し、得られた混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物を飽和重炭酸ナトリウム溶液でクエンチし、水性部分を分離した。水性層をジクロロメタン(500mL)で逆抽出し、合わせた有機層を、水、続いてブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して、表題化合物(70gm、65%)を薄黄色固体として得た。MS (M+H) m/z 570.
1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ 10.56 (s, 1 H), 7.89 (d, J = 8.0Hz, 2 H), 7.63 (d, J = 8.0Hz, 2 H),
7.33 (br, 5 H), 5.05 (s, 2 H), 4.29 (br, 1 H), 4.08 (m, 1 H), 3.88 (m, 1 H),
3.0 (m, 1 H), 2.13 (s, 3 H), 1.99 (m, 3 H), 1.54-1.51 (m, 1 H).
ステップ2:ベンジル3−{5−アセトアミド−3−[4−(4−クロロベンジル)フェニル]−4−シアノ−1H−ピラゾール−1−イル}ピペリジン−1−カルボキシレートの調製。0℃のテトラヒドロフラン(6mL)中の、ベンジル3−[5−アセトアミド−4−シアノ−3−(4−ヨードフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル]ピペリジン−1−カルボキシレート(0.41g、0.73mmol)、酢酸パラジウム(12mg、0.053mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル(18mg、0.043mmol)および塩化リチウム(80mg、1.89mmol)の溶液に、テトラヒドロフラン中の4−クロロベンジル亜鉛クロリドの溶液(3.4mL、1.7mmol)を添加した。反応物を0℃で20分間撹拌させ、次いで周囲温度で16時間撹拌させた。第二アリコートの4−クロロベンジル亜鉛クロリド溶液(3mL)を添加し、次いで、反応物を追加で27時間撹拌させ、その後、これを飽和塩化アンモニウム水溶液でクエンチし、酢酸エチル中に抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空で濃縮した。次いで、粗残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(60%酢酸エチル/ヘプタン)によって精製して、表題化合物を褐色油として得た。MS (M+H) m/z 568.
ステップ3:5−アミノ−3−[4−(4−クロロベンジル)フェニル]−1−ピペリジン−3−イル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの調製。5−アミノ−3−(4−フェノキシフェニル)−1−ピペリジン−3−イル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸アミドについて記述した手順(実施例1、ステップ11)に従い、ベンジル3−{5−アセトアミド−3−[4−(4−クロロベンジル)フェニル]−4−シアノ−1H−ピラゾール−1−イル}ピペリジン−1−カルボキシレートから調製して、表題化合物を得、これを精製することなく次のステップに持ち込んだ。MS (M+H) m/z 410.
ステップ4:5−アミノ−3−[4−(4−クロロベンジル)フェニル]−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの調製。5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−(4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾールカルボキサミドについて記述した手順(実施例1、ステップ12)に従い、5−アミノ−3−[4−(4−クロロベンジル)フェニル]−1−ピペリジン−3−イル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドから調製して、表題化合物を得た。MS (M+H) m/z 435. 1H NMR (DMSO-d6) δ 7.39 (d, J = 8.3Hz, 2H), 7.34 (d, J = 8.3Hz, 2H), 7.30-7.25 (m,
4H), 6.43 (s, 2H), 4.38-4.31 (m, 1H), 3.97 (s, 2H), 3.52-3.45 (m, 1H),
3.37-3.29 (m, 2H), 3.07-3.00 (m, 1H), 1.99-1.91 (m, 1H), 1.87-1.79 (m, 2H),
1.73-1.64 (m, 1H).
(実施例87)
5−アミノ−3−(4−ベンゾイル−フェニル)−1−(1−シアノ)−ピペリジン−3−イル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸アミド
ステップ1:4−ベンゾイルベンゾイルクロリドの調製。塩化オキサリル(1.3mL、15mmol)を、テトラヒドロフラン中の4−ベンゾイル安息香酸(2.2gm、10mmol)の溶液に、数滴のN,N−ジメチルホルムアミドとともに、15分間かけて滴下添加した。混合物を室温で1時間撹拌し、次いで、減圧(reduce pressure)下で濃縮して、表題化合物(2.4gm)を得た。
ステップ2:2−((4−ベンゾイルフェニル)(メトキシ)メチレン)マロノニトリルの調製。0℃の乾燥テトラヒドロフラン(10mL)中の水素化ナトリウム(640mg、16mmol)の懸濁液に、テトラヒドロフラン(5mL)中のマロノニトリル(528mg、8mmol)の溶液を、窒素雰囲気下、15分間かけて滴下添加した。次いで、テトラヒドロフラン中の4−ベンゾイルベンゾイルクロリド(2.45g、10mmol)、続いて硫酸ジメチル(528mg、8mmol)を滴下添加した。次いで、混合物を18時間還流まで加熱した。反応混合物を室温に冷却し、塩化アンモニウム水溶液でクエンチし、酢酸エチル(3×)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘプタン/酢酸エチル)によって精製して、表題化合物(700mg、30%)をオフホワイトの固体として得た。MS (M+H) m/z 289.2.
ステップ3:ベンジル3−(5−アミノ−3−(4−ベンゾイルフェニル)−4−シアノ−1H−ピラゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレートの調製。ベンジル3−ヒドラジノ−ピペリジン−1−カルボキシレート(実施例1、ステップ8)(694mg、2.43mmol)およびトリエチルアミン(1.2mL、8.5mmol)を、エタノール(20mL)中の2−((4−ベンゾイルフェニル)(メトキシ)メチレン)マロノニトリル(700mg、2.43mmol)の溶液に添加した。混合物を70℃に加熱し、終夜撹拌した。室温に冷却した後、溶液を、酢酸エチルと水とに分配した。水性層を酢酸エチル(3×)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して、表題化合物(1.1g、90%)を得た。MS (M+H) m/z 506.4.
ステップ4:5−アミノ−3−(4−ベンゾイル−フェニル)−1−(1−シアノ)−ピペリジン−3−イル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸アミドの調製。25mLのSS Parrオートクレーブに、ベンジル3−(5−アミノ−3−(4−ベンゾイルフェニル)−4−シアノ−1H−ピラゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(2g、4mmol)およびエタノール(3mL)を添加した。水酸化ナトリウムの溶液(2.5N、10mmol、4mL)。オートクレーブを密閉し、内部温度が150℃に到達するまで15分間加熱した。室温に冷却した後、混合物を、水と酢酸エチルとに分配した。水性層を酢酸エチル(3×)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して、表題化合物(1.15g、76%)を得た。MS (M+H) m/z 390.3.
ステップ5:5−アミノ−3−(4−ベンゾイル−フェニル)−1−(1−シアノ)−ピペリジン−3−イル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸アミドの調製。臭化シアン(38mg、0.36mmol)および炭酸カリウム(62mg、0.45mmol)を、N,N−ジメチルホルムアミド(4mL)中の5−アミノ−3−(4−ベンゾイル−フェニル)−1−(1−シアノ)−ピペリジン−3−イル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸アミド(117mg、0.3mmol)の溶液に添加した。混合物を50℃に加熱し、2時間撹拌した。室温に冷却した後、混合物を酢酸エチルと水とに分配した。水性層を酢酸エチル(3×)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。粗生成物を逆相分取HPLCによって精製して、表題化合物を得た。MS (M+H) m/z 515.3. 1H NMR (DMSO-d6) δ 7.76 - 7.86 (m, 4H), 7.67 - 7.76 (m, 3H), 7.54 - 7.65 (m, 2H), 6.44
(s, 2H), 4.33 - 4.49 (m, 1H), 3.55 (dd, J=12.1, 3.9Hz, 1H), 3.02 - 3.17 (m,
1H), 1.81 - 2.07 (m, 3H), 1.67 - 1.81 (m, 1H).
(実施例88)
5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−{4−[ヒドロキシ(フェニル)メチル]フェニル}−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
ステップ1:5−アミノ−3−{4−[ヒドロキシ(フェニル)メチル]フェニル}−1−ピペリジン−3−イル−1H−ピラゾール−4−カルボニトリルの調製。メタノール(20mL)を、フィッシャーポーター(Fisher−Porter)ボトル内のベンジル3−(5−アミノ−3−(4−ベンゾイルフェニル)−4−シアノ−1H−ピラゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(実施例87、ステップ3)および10%パラジウム炭素に添加した。数滴の酢酸を添加し、ボトルに水素ガス(43psi)を投入した。混合物を室温で18時間撹拌し、次いで、セライトに通して濾過した。濾液を濃縮して、表題化合物を得た。
ステップ2:5−アミノ−3−(4−(ヒドロキシ(フェニル)メチル)フェニル)−1−(ピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの調製。表題化合物は、5−アミノ−3−(4−ベンゾイル−フェニル)−1−(1−シアノ)−ピペリジン−3−イル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸アミド(実施例87、ステップ4)と同様にして、5−アミノ−3−{4−[ヒドロキシ(フェニル)メチル]フェニル}−1−ピペリジン−3−イル−1H−ピラゾール−4−カルボニトリルを用いて調製した。MS (M+H) m/z 392.3.
ステップ3:5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−{4−[ヒドロキシ(フェニル)メチル]フェニル}−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの調製。表題化合物は、5−アミノ−3−(4−ベンゾイル−フェニル)−1−(1−シアノ)−ピペリジン−3−イル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸アミド(実施例87、ステップ5)と同様にして、5−アミノ−3−(4−(ヒドロキシ(フェニル)メチル)フェニル)−1−(ピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドを用いて調製した。MS (M+H) m/z 417.3. 1H NMR (DMSO-d6) δ 7.36 - 7.45 (m, 6H), 7.34 - 7.49 (m, 6H), 7.29 (t, J=7.5Hz, 2H),
7.25 - 7.34 (m, 2H), 7.17 - 7.23 (m, 1H), 7.14 - 7.24(m, 1H), 6.45 (s, 2H),
6.36 - 6.52 (m, 2H), 5.94 (d, J=4.1Hz, 1H), 5.84 - 6.02 (m, 1H), 5.72 (d,
J=4.0Hz, 1H), 5.64 - 5.79 (m, 1H), 4.29 - 4.39 (m, 1H), 4.23 - 4.43 (m, 1H), 3.47
(dd, J=12.1, 4.0Hz, 1H), 3.40 - 3.54 (m, 1H), 3.25 - 3.31 (m, 1H), 2.99 - 3.06
(m, 1H), 2.99 (bs, 1H), 1.88 (d, J=3.7Hz, 1H), 1.76 -1.86 (m, 2H), 1.74 - 1.98
(m, 3H), 1.62 - 1.73 (m, 1H), 1.59 - 1.74 (m, 1 H).
(実施例89)
5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−(3−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
2−(メトキシ(3−フェノキシフェニル)メチレン)マロノニトリルは、4−(4−クロロ−3−メチルフェノキシ)フェニル](メトキシ)メチレン}マロノニトリル(実施例40、ステップ4)と同様にして、市販の3−フェノキシ安息香酸から調製した。次いで、表題化合物は、5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−(4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾールカルボキサミド(実施例1)と同様にして調製して、表題化合物(23mg、28%)を得た。MS (M+H) m/z 403.
1H-NMR (DMSO-d6) δ 7.36 - 7.46 (M, 3H), 7.26 (d, J=7.69Hz, 1H), 7.11 - 7.17 (m, 1H),
7.01 - 7.08 (m, 4H), 6.42 (s, 2H), 4.30 - 4.38 (m, 1H), 3.47 (dd, J=11.90,
3.84Hz, 1H), 3.27 - 3.32 (m, 1H), 3.05 (td, J=12.5, 2.2Hz, 1H), 1.74 - 2.00 (m,
4H), 1.62 - 1.73 (m, 1H).
(実施例90)
5−アミノ−1−[(3R)−1−シアノピペリジン−3−イル]−3−(3−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
rac−5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−(3−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例89で記述されている通りに調製したもの)を、超臨界流体クロマトグラフィー(キラルパック5μ、21×250mm、修飾物質30%MeOH、流速70mL/分)によってキラル分離した。第一の溶離異性体の単離により、表題化合物を白色固体として得た。MS (M+H): 403.
1H NMR (400MHz, CDCl
3) δ ppm 7.32 - 7.46 (m, 3H) 7.21 - 7.27 (m, 1 H), 7.12 - 7.17 (m, 2 H),
7.00 - 7.08 (m, 3 H), 5.72 (s, 2 H), 5.31 (bs., 2 H), 4.08 - 4.21 (m, 1 H),
3.39 - 3.62 (m, 3 H), 2.98 - 3.11 (m, 1 H), 2.07 - 2.18 (m, 2 H), 1.82 - 1.94
(m, 2 H).
(実施例91)
5−アミノ−1−[(3S)−1−シアノピペリジン−3−イル]−3−(3−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
rac−5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−(3−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例89で記述されている通りに調製したもの)を、超臨界流体クロマトグラフィー(キラルパック5μ、21×250mm、修飾物質30%MeOH、流速70mL/分)によってキラル分離した。第二の溶離異性体の単離により、表題化合物を白色固体として得た。MS (M+H) m/z 403.
1H NMR (400MHz, CDCl
3) δ ppm 7.31 - 7.46 (m, 3H), 7.21 - 7.28 (m, 1H), 7.12 - 7.18 (m, 2H),
7.00 - 7.09 (m, 3H), 5.72 (s, 2H), 5.31 (bs., 2H), 4.09 - 4.21 (m, 1H), 3.38 -
3.62 (m, 3H), 2.97 - 3.11 (m, 1H), 2.08 - 2.18 (m, 2H), 1.82 - 1.95 (m, 2H).
(実施例92)
5−アミノ−3−[3−(4−クロロベンジル)フェニル]−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
ステップ1:2−((3−ヨードフェニル)(メトキシ)メチレン)マロノニトリルの調製。2−[(4−フェノキシ−フェニル)−メトキシ−メチレン]マロノニトリル(実施例1、ステップ3)と同様にして、3−ヨード安息香酸から調製して、表題化合物を得た。
1H NMR δ
(300MHz, DMSO-d6): 8.05 (t, J=18.3Hz, 2H), 7.70 (d, J= 8.7Hz, 1H), 7.42 (t,
J=17.4Hz, 1H), 3.42 (s, 3H).
ステップ2:ベンジル3−[5−アミノ−4−シアノ−3−(3−ヨードフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル]ピペリジン−1−カルボキシレートの調製。ベンジル3−[5−アミノ−4−シアノ−3−(4−フェノキシ−フェニル)−ピラゾール−1−イル]−ピペリジン−1−カルボキシレート(実施例1、ステップ9)と同様にして、2−((3−ヨードフェニル)(メトキシ)メチレン)マロノニトリルおよびベンジル3−ヒドラジノ−ピペリジン−1−カルボキシレート(実施例1、ステップ8)から調製して、表題化合物(80g、62%)を得た。MS (M+H) m/z 528. 1H NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 8.12 (t, J=3.6Hz, 1H), 7.75 - 7.81 (m, J=18Hz, 2H), 7.24 - 7.29 (m,
J=15Hz, 5H), 6.85 (s, 1H), 5.07 (bs, 2H), 4.27 (t, J=27Hz, 1H), 3.98 (dd,
J=41.7Hz, 2H), 2.99 (t, J=21Hz, 1H), 1.83 - 1.98 (m, J=45Hz, 3H), 1.51 (d,
J=12Hz, 1H).
ステップ3:ベンジル3−(5−アセトアミド−4−シアノ−3−(3−ヨードフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレートの調製。3−[5−アセチルアミノ−4−シアノ−3−(4−ヨードフェニル)−ピラゾール−1−イル]−ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(実施例86、ステップ1)と同様にして、ベンジル3−[5−アミノ−4−シアノ−3−(3−ヨードフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル]ピペリジン−1−カルボキシレートを用いて調製して、表題化合物を得た。MS (M+H) m/z 570. 1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ 8.24 (s, 1H), 7.89 (d, J=8Hz, 1H), 7.74 (d, J=8Hz, 1H), 7.74 (s,
5H), 7.17 (t, J=16Hz, 1H), 5.13 (s, 2H), 4.07 - 4.27 (dd, J=84Hz, 3H), 3.33 (
bs, 1H), 2.96 (d, J=12Hz, 1H), 1.91 (d, 1H, J=12Hz), 1.73 (s, 2H), 1.60 (d,
J=16Hz, 1H).
ステップ4:ベンジル3−{5−アセトアミド−3−[3−(4−クロロベンジル)フェニル]−4−シアノ−1H−ピラゾール−1−イル}ピペリジン−1−カルボキシレートの調製。テトラヒドロフラン(5mL)中の、ベンジル3−(5−アセトアミド−4−シアノ−3−(3−ヨードフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(498mg、0.875mmol)、2’−ジシクロヘキシルホスフィノ−2,6−ジメチオキシビフェニル(dimethyoxybiphenyl)(29.6mg、0.07mmol)およびトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(55.8mg、0.061mmol)の溶液に、テトラヒドロフラン(8.0mL)中の4−クロロベンジル亜鉛クロリドの0.5M溶液を、窒素下で添加した。反応物を周囲温度で16時間かけて撹拌させ、その後、水(10mL)を添加し、所望生成物をジクロロメタン(2×15mL)中に抽出した。合わせた有機層を真空で濃縮し、次いで、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を薄黄色固体(430mg、86%)として得た。MS (M+H) m/z 568.
ステップ5:5−アミノ−3−[3−(4−クロロベンジル)フェニル]−1−ピペリジン−3−イル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの調製。33%エタノール水溶液(6mL)中のベンジル3−{5−アセトアミド−3−[3−(4−クロロベンジル)フェニル]−4−シアノ−1H−ピラゾール−1−イル}ピペリジン−1−カルボキシレート(430mg、0.74mmol)および水酸化ナトリウム(888mg、22.2mmol)の溶液を、165℃に加熱した。50分後、溶媒を真空で除去して、表題化合物を白色固体として得た。MS (M+H) m/z 410.
ステップ6:5−アミノ−3−[2−クロロ−4−(4−フルオロフェノキシ)フェニル]−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの調製。N,N−ジメチルホルムアミド(5mL)中の、5−アミノ−3−[3−(4−クロロベンジル)フェニル]−1−ピペリジン−3−イル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(100mg、0.24mmol)、臭化シアン(40mg、0.37mmol)および炭酸ナトリウム(78mg、0.73mmol)の溶液を、周囲温度で16時間にわたって撹拌させた。次いで、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、飽和塩化アンモニウム水溶液で処理した。層を分離し、有機層を、水、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、次いで硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空で濃縮した。粗製油をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)によって精製して、表題化合物を薄黄色固体(31mg、29%)として得た。MS (M+H) m/z 435. 1H NMR (400MHz, CDCl3) δ ppm: 7.60 - 7.75 (m, 2H), 7.56 - 7.55 (m, 1H), 7.43 - 7.50 (m, 1H),
7.18 - 7.29 (m, 2H), 7.12 (d, J=8.28Hz, 2H), 5.62 - 5.74 (s, 2 H), 5.20 (br.
s., 2H), 4.08 - 4.20 (m, 1H), 3.98 (s, 2H), 3.96 - 4.02 (m, 1H), 3.36 - 3.62
(m, 4H), 3.04 (td, J=12.23, 3.89Hz, 1H), 2.14 (dq, J=8.91, 4.56Hz, 1H), 1.83 -
1.94 (m, 1H).
(実施例93)
5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−[3−(4−フルオロベンジル)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
5−アミノ−3−[2−クロロ−4−(4−フルオロフェノキシ)フェニル]−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドについて記述した手順(実施例92)に従い、4−フルオロベンジル亜鉛クロリドを用いて調製して、表題化合物を得た。MS (M+H) m/z 418.
1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ ppm 7.11 - 7.39 (m, 4H), 7.11 (t, J=8.35Hz, 2H), 6.49 (s, 1H), 4.37
(t, J=10.40Hz, 1H), 3.98 (s, 2H), 3.49 (d, J=8.8Hz, 1H), 3.06 (t, J=12.1Hz,
1H), 1.69 - 1.96 (m, 5H).
(実施例94)
5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−(3−(4−フルオロフェノキシ)フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
ステップ1:ベンジル3−(5−アセトアミド−4−シアノ−3−(3−(4−フルオロフェノキシ)フェニル)−1H−ピラゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレートの調製。炭酸セシウム(81mg、250μmol)およびCuI(2.4mg、12.5μmol)を、N,N−ジメチルアセトアミド(1mL)中の4−フルオロフェノール(125μmol)およびベンジル3−(5−アセトアミド−4−シアノ−3−(3−ヨードフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(実施例92、ステップ3)(75mg、125μmol)の混合物に添加した。無水N,N−ジメチルアセトアミド中の2,2,6,6−テトラメチルヘプタン−3,5−ジオン(1.25M、100μL)の溶液を添加した。バイアルを、120℃で16時間振とうした。混合物を濾過し、濾液を濃縮した。粗生成物を分取TLCによって精製して、表題化合物を得た。
ステップ2:5−アミノ−3−(3−(4−フルオロフェノキシ)フェニル)−1−(ピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの調製。NaOHの5N水溶液(2.5mL)を、イソプロパノール(1mL)中のベンジル3−(5−アセトアミド−4−シアノ−3−(3−(4−フルオロフェノキシ)フェニル)−1H−ピラゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(125μmol)の溶液に添加した。混合物を、155℃で48時間振とうした。水(1mL)を添加し、混合物をEtOAc(3×1mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、表題化合物を得た。
ステップ3:5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−(3−(4−フルオロフェノキシ)フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの調製。5−アミノ−3−(3−(4−フルオロフェノキシ)フェニル)−1−(ピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(125μmol)およびK2CO3(52mg、375μmol)を、臭化シアンの0.5M溶液(0.5mL)に添加した。混合物を、30℃で16時間振とうし、次いで濃縮した。粗生成物を逆相分取HPLCによって精製して、表題化合物を得た。MS (M+H) m/z 421.
(実施例95〜106)
以下の表中の化合物は、5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−(3−(4−フルオロフェノキシ)フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例94)と同様にして調製した。
(実施例107)
5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−(6−フェノキシピリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
ステップ1:2−((6−クロロピリジン−3−イル)(メトキシ)メチレンマロノニトリルの調製。0℃のテトラヒドロフラン(5mL)中の水素化ナトリウム(454mg、11.4mmol)の懸濁液に、マロノニトリル(474mg、7.10mmol)を添加し、続いて、テトラヒドロフラン(5mL)中の6−クロロニコチニルクロリド(1.0g、5.7mmol)の溶液を5分間かけて滴下添加し、最後に、硫酸ジメチル(0.55mL、5.68mmol)を添加した。反応物を3時間撹拌還流し、次いで周囲温度で18時間撹拌し、その後、これを飽和塩化アンモニウム水溶液でクエンチし、酢酸エチル中に抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空で濃縮して、表題化合物を橙色油として得、これを精製することなく次のステップに持ち込んだ。
ステップ2:ベンジル3−(5−アミノ−3−(6−クロロピリジン−3−イル)−4−シアノ−1H−ピラゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレートの調製。水性ワークアップおよび順相SiO2カラムクロマトグラフィーを介する精製を除き、ベンジル3−[5−アミノ−4−シアノ−3−(4−フェノキシ−フェニル)−ピラゾール−1−イル]−ピペリジン−1−カルボキシレート(実施例1、ステップ9)と同様にして、周囲温度での16時間にわたる2−((6−クロロピリジン−3−イル)(メトキシ)メチレンマロノニトリルおよび3−ヒドラジノ−ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(実施例1、ステップ8)および2−((6−クロロピリジン−3−イル)(メトキシ)メチレンマロノニトリルの反応によって調製して、表題化合物を黄色固体(590mg、10%)として得た。
ステップ3:ベンジル3−(5−アミノ−4−シアノ−3−(6−フェノキシピリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレートの調製。ジメチルスルホキシド(3mL)中の溶液ベンジル3−(5−アミノ−3−(6−クロロピリジン−3−イル)−4−シアノ−1H−ピラゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(590mg、1.35mmol)に、フェノール(134mg、1.42mmol)および炭酸カリウム(280mg、2.02mmol)を添加した。反応物を105℃で72時間かけて撹拌させ、その後、これを周囲温度に冷却し、ジクロロメタンと水とに分配し、相分離管に通して濾過し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘプタン)によって精製して、表題化合物(260mg、39%)を得た。
ステップ4:5−アミノ−3−(6−フェノキシピリジン−3−イル)−1−(ピペルジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの調製。5−アミノ−3−(4−フェノキシフェニル)−1−ピペリジン−3−イル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸アミドについて記述した手順(実施例1、ステップ11)に従い、ベンジル3−(5−アミノ−4−シアノ−3−(6−フェノキシピリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレートから調製して、表題化合物(150mg、78%)を得た。
ステップ5:5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−(6−フェノキシピリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの調製。5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−(4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾールカルボキサミドについて記述した手順(実施例1、ステップ12)と同様にして、5−アミノ−3−(6−フェノキシピリジン−3−イル)−1−(ピペルジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(67mg、0.18mmol)から調製し、表題化合物(3mg、4%)を得た。MS (M+H) m/z 404. 1H NMR (DMSO-d6) δ 8.23 (s, 1H), 7.91 (dd, J=8.55, 2.2Hz, 1H), 7.42 (t, J=8.06Hz, 2H),
7.21 (t, J=7.57Hz, 1H), 7.15 (d, J=7.81Hz, 2H), 7.04 (d, J=8.79Hz, 1H), 6.37
(s, 2 H), 4.34 - 4.40 (m, 1H), 3.49 (dd, J=12.21, 3.42Hz, 1H), 3.30 - 3.38 (m,
2 H), 3.03 - 3.10 (m, 1H), 1.91 - 1.97 (m, 1H), 1.83 - 1.90 (m, 1 H), 1.81 (bs,
1H), 1.65 - 1.74 (m, 1H).
(実施例108)
5−アミノ−3−(4−((5−クロロピリジン−2−イル)オキシ)フェニル)−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
ステップ1:4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)安息香酸の調製。N,N−ジメチルホルムアミド(3.25L)中の4−ヒドロキシ安息香酸(200g、1.45mol)の撹拌溶液に、イミダゾール(595g、8.67mol)を添加し、続いて、tert−ブチルジメチルシリルクロリド(327g、2.17mol)を0℃で添加した。得られた反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物をクラッシュアイスに上に注ぎ、酢酸エチル(2×2L)で抽出した。合わせた有機層を、水(2×1L)、続いてブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗生成物をヘキサン中でのカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物(170g、47%)を白色固体として得た。
1H NMR (400MHz, CDCl
3): 7.96-7.98
(d, J = 8.68Hz, 2 H), 6.86-6.88 (d, J = 8.68Hz, 2 H), 0.98 (s, 9 H), 0.23 (s, 6
H).
ステップ2:2−((4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)フェニル)(メトキシ)−メチレン)マロノニトリルの調製。600mLのテトラヒドロフラン中の水素化ナトリウム(60%、22.8g、0.95mol)の撹拌懸濁液に、マロノニトリル(31.4g、0.47mol、600mLのテトラヒドロフランに溶解したもの)を0℃で添加した。得られた懸濁液を0℃で1時間撹拌した。別の三口丸底フラスコに、4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)安息香酸(120g、0.47mol、1200mLのテトラヒドロフランに溶解したもの)、続いてN−メチルモルホリン(52.9mL、0.47mol)およびイソブチル−クロロホルメート(61.94mL、0.47mol、600mLのテトラヒドロフランに溶解したもの)を−30℃で投入した。得られた白色懸濁液を、−30℃で1時間撹拌した。この酸塩化物懸濁液を、NaHの撹拌懸濁液に、0℃でゆっくり(カニューレを経由して)添加した。得られた懸濁液を室温で3時間撹拌した。硫酸ジメチル(135.9mL、1.4mol)を懸濁液に室温で添加し、得られた反応混合物を16時間加熱還流した。反応混合物をクラッシュアイス上に注ぎ、酢酸エチル(2×2L)で抽出した。合わせた有機層を、水(2×1L)、続いてブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物(76g、61%)を薄黄色固体として得た。MS (M+H) m/z 315.6. 1H NMR (400MHz, CDCl3):
7.43 (d, J =8.68Hz, 2 H), 6.95 (d, J =11.4Hz, 2 H), 3.95 (s, 3 H), 0.98 (s, 9
H), 0.24 (s, 6 H).
ステップ3:ベンジル3−(5−アミノ−3−(4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)フェニル)−4−シアノ−1H−ピラゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレートの調製。エタノール(760mL)中の2−((4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)フェニル)(メトキシ)メチレン)マロノニトリル(76g、0.24mol)の撹拌溶液に、ベンジル3−ヒドラジニルピペリジン−1−カルボキシレート(実施例1、ステップ8)(68.9g、0.24mol)を添加し、続いてトリエチルアミン(37mL、0.26mol)を室温で添加した。得られた反応混合物を16時間還流まで加熱し、次いで減圧下で濃縮した。残留物を水(500mL)で希釈し、酢酸エチル(2×500mL)で抽出した。合わせた有機層を、水(500mL)、続いてブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、表題化合物(102g、89%)をオフホワイトの固体として得た。MS (M+H) m/z 532. 1H NMR (400MHz, CDCl3):
7.76 (d, J = 8.48Hz, 2 H), 7.31-7.38 (m, 5 H), 6.86 (d, J = 8.48Hz, 2 H),
5.10-5.18 (m, 2 H), 4.44 (m, 1 H), 4.28 (m, 1 H), 4.16 (m, 1 H), 3.82 (m, 1 H),
3.2 (m, 1 H), 2.83-2.90 (t, J = 12Hz, 1 H), 2.25 (m, 1 H), 2.09-2.12 (m, 1 H),
1.88 (m, 1 H), 0.97 (s, 9 H), 0.20 (s, 6 H).
ステップ4:ベンジル3−(5−アセトアミド−3−(4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)フェニル)−4−シアノ−1H−ピラゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレートの調製。ジクロロメタン(1.2L)中のベンジル3−(5−アミノ−3−(4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)フェニル)−4−シアノ−1H−ピラゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(120g、0.19mol)の撹拌溶液に、トリエチルアミン(133mL、0.96mol)を添加し、続いて、塩化アセチル(78.5mL、1.9mol)を0℃で滴下添加した。得られた反応混合物を0℃で30分間、次いで室温で16時間撹拌した。反応混合物を冷水(500mL)で希釈した。得られた水性層をジクロロメタン(2×500mL)で抽出した。合わせた有機層を、水(500mL)、続いてブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(30%酢酸エチル/ヘキサン)によって精製して、表題化合物(100g)を得た。MS (M+H) m/z 574. 1H NMR (400MHz, CDCl3)
δ 7.79 (d, J = 8.48Hz, 2 H), 7.33 (m, 5 H), 6.88 (d, J
= 8.48Hz, 2 H), 5.11 (s, 2 H), 4.03-4.24 (m, 3 H), 3.31-3.32 (m, 2 H), 2.90 (t,
J = 12Hz, 1 H), 2.21 (m, 5 H), 1.88 (m, 1 H), 0.97 (s, 9 H), 0.20 (s, 6 H).
ステップ5:ベンジル3−(5−アセトアミド−4−シアノ−3−(4−ヒドロキシフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレートの調製。メタノール:水(4:1、2.8L)中のベンジル3−(5−アセトアミド−3−(4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)フェニル)−4−シアノ−1H−ピラゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(165g、0.35mol)の撹拌溶液に、LiOH・H2O(43.8g、1.04mol)を0℃で添加した。得られた反応混合物を0℃で2時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、残留物を水(1L)に溶解し、1N HCl(1.8L)でpH6.5に中和した。沈殿した固体を濾過し、水(500mL×2)、続いてヘキサンで洗浄し、真空下で乾燥させた。固体を酢酸エチル(1L)に溶解し、水(2×500mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、表題化合物(104g)をオフホワイトの固体として得た。MS (M+H) m/z 460. 1H NMR (400MHz, CDCl3):
10.48 (s, 1 H), 9.83 (s, 1 H), 7.67 (d, J = 8.48Hz, 2 H), 7.33 (m, 5 H),
6.87 (d, J = 8.48Hz, 2 H), 5.06 (s, 2 H), 4.23 (bs, 1 H), 4.05 (m, 1 H), 3.90
(m, 1 H), 3.00 (t, J = 11.0Hz, 1 H), 2.17 (s, 3 H), 2.0 (m, 1 H), 1.87 (m, 1
H), 1.51 (m, 1 H).
ステップ6:ベンジル3−(5−アセトアミド−3−{4−[(5−クロロピリジン−2−イル)オキシ]フェニル}−4−シアノ−1H−ピラゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレートの調製。N,N−ジメチルホルムアミド(1mL)中のベンジル3−(5−アセトアミド−4−シアノ−3−(4−ヒドロキシフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(500mg、1.20mmol)の溶液に、5−クロロ−2−フルオロピリジン(237mg、1.80mmol)および炭酸セシウム(1.95g、5.99mmol)を添加した。次いで、反応混合物を、100℃にマイクロ波条件下で30分間加熱し、その後、これを水で希釈し、酢酸エチル(3×5mL)中に抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物(300mg、44%)を得た。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ ppm 8.10 - 8.18 (m, 1H), 7.93 (d, J=8.78Hz, 2H), 7.66 (dd, J=8.66,
2.64Hz, 1H), 7.33 (s, 5H), 7.11 - 7.20 (m, 2H), 6.90 (d, J=8.78Hz, 1H), 5.12
(s, 2H), 4.27 (d, J=11.04Hz, 1H), 4.08 - 4.20 (m, 2H), 3.18 - 3.43 (m, 1H),
2.91 (t, J=11.92Hz, 1H), 2.21 (s, 2H), 1.83 - 1.95 (m, 1H), 1.48 - 1.68 (m,
1H).
ステップ7:5−アミノ−3−(4−((5−クロロピリジン−2−イル)オキシ)フェニル)−1−(ピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの調製。0℃の濃硫酸の撹拌溶液(6mL)に、ベンジル3−(5−アセトアミド−3−{4−[(5−クロロピリジン−2−イル)オキシ]フェニル}−4−シアノ−1H−ピラゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(300mg、0.53mmol)を、10分間かけて小分けにして添加した。次いで、反応混合物を30℃で16時間かけて撹拌させ、その後、これを冷却して0℃に戻した。濃水酸化アンモニウムを慎重に添加して、温度が5℃を超えないことを確実にしながら、酸をpH=7に中和した。次いで、混合物を酢酸エチル(3×5mL)で抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空で濃縮して、表題化合物を得た。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ ppm: 8.19 - 8.27 (m, 1H), 7.91 - 8.02 (m, 1H), 7.48 - 7.56 (m, 2H),
7.19 - 7.22 (m, 2H), 7.16 (s, 1H), 6.32 (s, 2H), 4.03 - 4.16 (m, 1H), 3.31 (br.
s., 1H), 3.01 (dd, J=11.8, 3.5Hz, 1H), 2.87 (d, J=12.3Hz, 1H), 2.79 (dd,
J=11.5, 10.3Hz, 1H), 2.38 - 2.48 (m, 1H), 1.81 - 1.96 (m, 2H), 1.71 (d,
J=13.1Hz, 1H), 1.42 - 1.57 (m, 1H).
ステップ8:5−アミノ−3−(4−((5−クロロピリジン−2−イル)オキシ)フェニル)−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの調製。N,N−ジメチルホルムアミド中の5−アミノ−3−(4−((5−クロロピリジン−2−イル)オキシ)フェニル)−1−(ピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(217mg、0.53mmol)の溶液に、炭酸セシウム(516mg、1.59mmol)および臭化シアン(281mg、2.65mmol)を添加した。反応物を周囲温度で6時間撹拌させ、その後、水を添加し、酢酸エチル中に抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)によって精製して、表題化合物を得た。1H NMR (500MHz, DMSO-d6) δ ppm: 8.21 (d, J=2.29Hz, 1H), 7.96 (dd, J=8.71, 2.75Hz, 1H), 7.52
(d, J=8.71Hz, 2H), 7.21 (d, J=8.71Hz, 2H), 7.13 (d, J=8.71Hz, 1H), 6.44 (br.
s., 2H), 4.26 - 4.42 (m, 1H), 3.43 - 3.52 (m, 1H), 3.25 - 3.39 (m, 2H), 2.96 -
3.11 (m, 1H), 1.78 - 2.00 (m, 3H), 1.62 - 1.77 (m, 1H).
(実施例109)
(S)−5−アミノ−3−(4−((5−クロロピリジン−2−イル)オキシ)フェニル)−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
rac−5−アミノ−3−{4−[(5−クロロピリジン−2−イル)オキシ]フェニル}−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例108で記述されている通りに調製したもの)を、超臨界流体クロマトグラフィー(キラルパックOD−H 30×250mmカラム、55%メタノール、1%イソプロピルアミン、80mL/分)によってキラル分離した。第一の溶離異性体の単離により、表題化合物を得た。
1H NMR (500MHz, DMSO-d
6) δ ppm: 8.21 (d, J=2.29Hz, 1H), 7.96 (dd, J=8.71, 2.75Hz, 1H), 7.52
(d, J=8.71Hz, 2H), 7.21 (d, J=8.71Hz, 2H), 7.13 (d, J=8.71Hz, 1H), 6.44 (br.
s., 2H), 4.26 - 4.42 (m, 1H), 3.43 - 3.52 (m, 1H), 3.25 - 3.39 (m, 2H), 2.96 -
3.11 (m, 1H), 1.78 - 2.00 (m, 3H), 1.62 - 1.77 (m, 1H).
(実施例110)
(R)−5−アミノ−3−(4−((5−クロロピリジン−2−イル)オキシ)フェニル)−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
rac−5−アミノ−3−{4−[(5−クロロピリジン−2−イル)オキシ]フェニル}−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例108で記述されている通りに調製したもの)を、超臨界流体クロマトグラフィー(キラルパックOD−H 30×250mmカラム、55%メタノール、1%イソプロピルアミン、80mL/分)によってキラル分離した。第二の溶離異性体の単離により、表題化合物を得た。
1H NMR (500MHz, DMSO-d
6) δ ppm: 8.21 (d, J=2.29Hz, 1H), 7.96 (dd, J=8.71, 2.75Hz, 1H), 7.52
(d, J=8.71Hz, 2H), 7.21 (d, J=8.71Hz, 2H), 7.13 (d, J=8.71Hz, 1H), 6.44 (br.
s., 2H), 4.26 - 4.42 (m, 1H), 3.43 - 3.52 (m, 1H), 3.25 - 3.39 (m, 2H), 2.96 -
3.11 (m, 1H), 1.78 - 2.00 (m, 3H), 1.62 - 1.77 (m, 1H).
(実施例111)
5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−{4−[(5−フルオロピリジン−2−イル)オキシ]フェニル}−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
5−アミノ−3−{4−[(5−クロロピリジン−2−イル)オキシ]フェニル}−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例108)と同様にして、2,5−ジフルオロピリジンを用いて調製した。
1H NMR (500MHz, DMSO-d
6) δ ppm: 8.16 (d, J=3.21Hz, 1H), 7.82 (td, J=8.48, 3.21Hz, 1H), 7.51
(d, J=8.71Hz, 2H), 7.10 - 7.21 (m, 3H), 6.44 (s, 1H), 4.28 - 4.44 (m, 1H), 3.49
(dd, J=11.91, 4.12Hz, 1H), 3.28 - 3.41 (m, 2H), 3.05 (td, J=12.49, 2.52Hz, 1H),
1.80 - 2.03 (m, 3H), 1.61 - 1.77 (m, 1H).
(実施例112)
5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−(4−((5−メチルピリジン−2−イル)オキシ)フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
5−アミノ−3−{4−[(5−クロロピリジン−2−イル)オキシ]フェニル}−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例108)と同様にして、4−メチル−2−フルオロピリジンを用いて調製した。
1H NMR (500MHz, DMSO-d
6) δ ppm 8.00 (s, 1 H), 7.65 - 7.77 (m, 1H), 7.49 (d, J=8.25Hz, 2H),
7.14 (d, J=8.71Hz, 2H), 6.98 (d, J=8.25Hz, 1H), 6.45 (s, 2H), 4.30 - 4.42 (m,
1H), 3.48 (d, J=4.12Hz, 1H), 3.29 - 3.39 (m, 2H), 3.06 (td, J=12.49, 2.52Hz,
1H), 2.25 (s, 3H), 1.78 - 2.01 (m, 3H), 1.64 - 1.77 (m, 1H).
(実施例113)
(S)−5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−(4−((5−メチルピリジン−2−イル)オキシ)フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
rac−5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−{4−[(5−メチルピリジン−2−イル)オキシ]フェニル}−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例112で記述されている通りに調製したもの)を、超臨界流体クロマトグラフィー(キラルパックOD−H 46×250mmカラム、45%メタノール、1%イソプロピルアミン、4mL/分)によってキラル分離した。第一の溶離異性体の単離により、表題化合物を得た。
1H NMR (500MHz, DMSO-d
6) δ ppm 8.00 (s, 1 H), 7.65 - 7.77 (m, 1H), 7.49 (d, J=8.25Hz, 2H),
7.14 (d, J=8.71Hz, 2H), 6.98 (d, J=8.25Hz, 1H), 6.45 (s, 2H), 4.30 - 4.42 (m,
1H), 3.48 (d, J=4.12Hz, 1H), 3.29 - 3.39 (m, 2H), 3.06 (td, J=12.49, 2.52Hz,
1H), 2.25 (s, 3H), 1.78 - 2.01 (m, 3H), 1.64 - 1.77 (m, 1H).
(実施例114)
(R)−5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−(4−((5−メチルピリジン−2−イル)オキシ)フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
rac−5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−{4−[(5−メチルピリジン−2−イル)オキシ]フェニル}−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例112で記述されている通りに調製したもの)を、超臨界流体クロマトグラフィー(キラルパックOD−H 46×250mmカラム、45%メタノール、1%イソプロピルアミン、4mL/分)によってキラル分離した。第二の溶離異性体の単離により、表題化合物を得た。
1H NMR (500MHz, DMSO-d
6) δ ppm 8.00 (s, 1 H), 7.65 - 7.77 (m, 1H), 7.49 (d, J=8.25Hz, 2H),
7.14 (d, J=8.71Hz, 2H), 6.98 (d, J=8.25Hz, 1H), 6.45 (s, 2H), 4.30 - 4.42 (m,
1H), 3.48 (d, J=4.12Hz, 1H), 3.29 - 3.39 (m, 2H), 3.06 (td, J=12.49, 2.52Hz,
1H), 2.25 (s, 3H), 1.78 - 2.01 (m, 3H), 1.64 - 1.77 (m, 1H).
(実施例115)
5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−{4−[(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)オキシ]フェニル}−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
5−アミノ−3−{4−[(5−クロロピリジン−2−イル)オキシ]フェニル}−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例108)と同様にして、2,3,5−トリフルオロピリジンを用いて調製した。
1H NMR (500MHz, DMSO-d
6) δ ppm 8.15 (ddd, J=10.3, 8.0, 2.7Hz, 1 H), 8.09 (d, J=2.7Hz, 1 H),
7.54 (d, J=8.7Hz, 2 H), 7.24 (d, J=8.7Hz, 2 H), 6.45 (s, 2 H), 4.34 - 4.42 (m,
1 H), 3.51 (dd, J=12.4, 4.1Hz, 1 H), 3.31 - 3.39 (m, 2 H), 3.07 (td, J=12.5,
2.5Hz, 1 H), 1.81 - 2.00 (m, 3 H), 1.67 - 1.76 (m, 1 H).
(実施例116)
(R)−5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−(4−((6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)オキシ)フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
ステップ1:(R)−ベンジル3−(5−アセトアミド−4−シアノ−3−(4−ヒドロキシフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレートの調製。(rac)−ベンジル3−(5−アセトアミド−4−シアノ−3−(4−ヒドロキシフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(実施例108で記述されている通りに調製したもの)を、超臨界流体クロマトグラフィー(キラルパックAS−H 50×250mmカラム、25%メタノール、250mL/分)によってキラル分離した。第一の溶離異性体の単離により、表題化合物を得た。MS (M+H) m/z 460.
1H NMR (400MHz, CDCl
3):
10.48 (s, 1 H), 9.83 (s, 1 H), 7.67 (d, J = 8.48Hz, 2 H), 7.33 (m, 5 H),
6.87 (d, J = 8.48Hz, 2 H), 5.06 (s, 2 H), 4.23 (bs, 1 H), 4.05 (m, 1 H), 3.90
(m, 1 H), 3.00 (t, J = 11.0Hz, 1 H), 2.17 (s, 3 H), 2.0 (m, 1 H), 1.87 (m, 1
H), 1.51 (m, 1 H).
ステップ2:(R)−5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−(4−((6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)オキシ)フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの調製。5−アミノ−3−{4−[(5−クロロピリジン−2−イル)オキシ]フェニル}−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例108)と同様にして、(R)−ベンジル3−(5−アセトアミド−4−シアノ−3−(4−ヒドロキシフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレートおよび2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ピリジンを用いて調製した。MS (M+H) m/z 472. 1H NMR (500MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.09 (t, J=7.90Hz, 1 H), 7.61 (d, J=7.33Hz, 1 H), 7.52 (d,
J=8.48Hz, 2 H), 7.32 (d, J=8.25Hz, 1 H), 7.23 (d, J=8.48Hz, 2 H), 6.41 (s, 2
H), 4.30 - 4.39 (m, 1 H), 3.46 (dd, J=12.03, 3.78Hz, 1 H), 3.28 - 3.37 (m, 2
H), 3.03 (td, J=12.50, 2.50Hz, 1 H), 1.60 - 1.98 (m, 4 H).
(実施例117)
(S)−5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−(4−((6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)オキシ)フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
ステップ1:(S)−ベンジル3−(5−アセトアミド−4−シアノ−3−(4−ヒドロキシフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレートの調製。(rac)−ベンジル3−(5−アセトアミド−4−シアノ−3−(4−ヒドロキシフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(実施例108で記述されている通りに調製したもの)を、超臨界流体クロマトグラフィー(キラルパックAS−H 50×250mmカラム、25%メタノール、250mL/分)によってキラル分離した。第二の溶離異性体の単離により、表題化合物を得た。MS (M+H) m/z 460.
1H NMR (400MHz, CDCl
3):
10.48 (s, 1 H), 9.83 (s, 1 H), 7.67 (d, J = 8.48Hz, 2 H), 7.33 (m, 5 H),
6.87 (d, J = 8.48Hz, 2 H), 5.06 (s, 2 H), 4.23 (bs, 1 H), 4.05 (m, 1 H), 3.90
(m, 1 H), 3.00 (t, J = 11.0Hz, 1 H), 2.17 (s, 3 H), 2.0 (m, 1 H), 1.87 (m, 1
H), 1.51 (m, 1 H).
ステップ2:(S)−5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−(4−((6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)オキシ)フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの調製。5−アミノ−3−{4−[(5−クロロピリジン−2−イル)オキシ]フェニル}−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例108)と同様にして、(S)−ベンジル3−(5−アセトアミド−4−シアノ−3−(4−ヒドロキシフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレートおよび2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ピリジンを用いて調製した。MS (M+H) m/z 472. 1H NMR (500MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.09 (t, J=7.90Hz, 1 H), 7.61 (d, J=7.33Hz, 1 H), 7.52 (d,
J=8.48Hz, 2 H), 7.32 (d, J=8.25Hz, 1 H), 7.23 (d, J=8.48Hz, 2 H), 6.41 (s, 2
H), 4.30 - 4.39 (m, 1 H), 3.46 (dd, J=12.03, 3.78Hz, 1 H), 3.28 - 3.37 (m, 2
H), 3.03 (td, J=12.50, 2.50Hz, 1 H), 1.60 - 1.98 (m, 4 H).
(実施例118)
(R)−5−アミノ−3−(4−((5−クロロ−3−フルオロピリジン−2−イル)オキシ)フェニル)−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
(R)−5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−(4−((6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)オキシ)フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例116)と同様にして、5−クロロ−2,3−ジフルオロピリジンを用いて調製した。MS (M+H) m/z 456.
1H NMR (400MHz, DMSO-d
6) δ ppm 8.24 (dd, J=9.76, 1.76Hz, 1 H), 8.08 (d, J=1.76Hz, 1 H), 7.54
(d, J=8.39Hz, 2 H), 7.27 (d, J=8.39Hz, 2 H), 6.44 (s, 2 H), 4.32 - 4.44 (m, 1
H), 3.50 (dd, J=11.81, 3.41Hz, 1 H), 3.34 - 3.39 (m, 2 H), 3.07 (t, J=11.51Hz,
1 H), 1.67 - 2.02 (m, 4 H).
(実施例119)
(S)−5−アミノ−3−(4−((5−クロロ−3−フルオロピリジン−2−イル)オキシ)フェニル)−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
(S)−5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−(4−((6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)オキシ)フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例117)と同様にして、5−クロロ−2,3−ジフルオロピリジンを用いて調製した。MS (M+H) m/z 456.
1H NMR (400MHz, DMSO-d
6) δ ppm 8.24 (dd, J=9.76, 1.76Hz, 1 H), 8.08 (d, J=1.76Hz, 1 H), 7.54
(d, J=8.39Hz, 2 H), 7.27 (d, J=8.39Hz, 2 H), 6.44 (s, 2 H), 4.32 - 4.44 (m, 1
H), 3.50 (dd, J=11.81, 3.41Hz, 1 H), 3.34 - 3.39 (m, 2 H), 3.07 (t, J=11.51Hz,
1 H), 1.67 - 2.02 (m, 4 H).
(実施例120)
5−アミノ−3−[2−クロロ−4−(4−フルオロフェノキシ)フェニル]−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
ステップ1:1−ブロモ−2−クロロ−4−(4−フルオロフェノキシ)ベンゼンの調製。0℃の無水ジクロロメタン(80mL)中の、4−ブロモ−3−クロロフェノール(1.2g、5.8mmol)、酸化銅(II)(1.79g、9.83mmol)、トリエチルアミン(4.82mL、34.7mmol)および1.5gの活性化4Å分子ふるいの混合物に、(4−フルオロフェニル)ボロン酸(2.43g、17.4mmol、3.0当量)を30分間かけて小分けにして添加した。反応混合物を、周囲温度に16時間かけて加温させ、その後、これを濾過した。濾液を真空で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を薄黄色油(0.60g、35%)として得た。MS (M+H) m/z 302.
ステップ2:2−[2−クロロ−4−(4−フルオロフェノキシ)フェニル]−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランの調製。無水1,4ジオキサン(30mL)中の、1−ブロモ−2−クロロ−4−(4−フルオロフェノキシ)ベンゼン(600mg、1.99mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(664mg、2.59mmol)、酢酸カリウム(684mg、6.96)および1,1’−ビス−(ジフェニルホシノ(diphenylphosino))−フェロセン)パラジウムジクロリド(107mg、0.139mmol)の混合物を、窒素下、80℃で16時間かけて撹拌させ、その後、これを周囲温度に冷却し、濾過した。次いで、濾液を真空で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を薄黄色固体(0.18g、26%)として得た。MS (M+H) m/z 349. 1H NMR (400MHz, CDCl3) δ ppm: 7.67 (d, J=8.34Hz, 1H) 6.96 - 7.10 (m, 4H) 6.92 (d, J=2.53Hz,
1H) 6.81 (dd, J=8.34, 2.27Hz, 1H) 1.36 (s, 12H).
ステップ3:エチル5−アセトアミド−1H−ピラゾール−4−カルボキシレートの調製。0℃のエチル5−アミノ−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート(100g、0.65mol)および塩化アセチル(441.2g、5.62mol)の混合物を、4時間還流まで加熱した。反応物を真空で濃縮して、過剰な塩化アセチルを除去した。水(1.0L)を添加し、混合物を16時間撹拌し、その後、これを濾過して、表題化合物をオフホワイトの固体(120g、94%)として得た。MS (M+H) m/z 198. 1H NMR (400MHz, CDCl3) δ ppm: 9.57(1H, s), 7.75 (1H, s), 4.33-4.28 (2H, q, J = 7.08), 2.27
(3H, s), 1.37-1.34 (3H, s).
ステップ4:エチル5−アセトアミド−3−ブロモ−1H−ピラゾール−4−カルボキシレートの調製。エタノール(2.5L)中のエチル5−アセトアミド−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート(120g、0.61mol)の溶液に、4.0Lの酢酸ナトリウム水溶液(484g、5.91mol)を添加し、続いて臭素(565g、3.53mol)を滴下添加した。反応物を周囲温度で3時間撹拌させ、その後、TLCによって完了したと判断された。反応物を水(6.8L)に注ぎ入れ、所望生成物を酢酸エチル(3×5.0L)中に抽出した。合わせた有機層を飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(2×1.5L)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空で濃縮した。得られた粗固体をヘキサン(500mL)で洗浄して、表題化合物をオフホワイトの固体(105g、62.5%)として得た。MS (M+H) m/z 278. 1H NMR (400MHz, CDCl3) δ ppm: 11.8 (s, 1H), 9.75 (s, 1H), 4.38-4.32 (q, J = 7.04, 2H), 2.27
(s, 3H), 1.42-1.38 (t, J = 7.04, 3H).
ステップ5:tert−ブチル3−[5−アセトアミド−3−ブロモ−4−(エトキシカルボニル)−1H−ピラゾール−1−イル]ピペリジン−1−カルボキシレートの調製。ジエチルエーテル(5mL)中の、エチル5−アセトアミド−3−ブロモ−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート(500mg、1.81mmol)、トリフェニルホスフィン(582mg、2.17mmol)およびtert−ブチル3−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシレート(547mg、2.72mmol、1.5当量)の溶液に、ジイソプロピルジアゼン−1,2−ジカルボキシレート(476mg、2.17mmol)を添加した。次いで、反応物を80℃に4時間加熱し、その後、これを周囲温度に冷却させ、飽和塩化アンモニウム水溶液で処理した。有機層を分離し、水、ブラインで洗浄し、次いで硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空で濃縮した。得られた粗製油を逆相HPLCによって精製して、表題化合物を薄黄色固体(0.12g、15%)として得た。MS (M+H) m/z 459.
ステップ6:tert−ブチル3−{5−アセトアミド−3−[2−クロロ−4−(4−フルオロフェノキシ)フェニル]−4−(エトキシカルボニル)−1H−ピラゾール−1−イル}ピペリジン−1−カルボキシレートの調製。N,N−ジメチルホルムアミド(8mL)/水(2mL)/ジオキサン(16mL)中の、tert−ブチル3−[5−アセトアミド−3−ブロモ−4−(エトキシカルボニル)−1H−ピラゾール−1−イル]ピペリジン−1−カルボキシレート(130mg、2.48mmol)、2−[2−クロロ−4−(4−フルオロフェノキシ)フェニル]−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(98.7mg、0.283mmol)、炭酸ナトリウム(60mg、0.566mmol)および(1,1’−ビス−(ジフェニルホスフィノ)−フェロセン)パラジウムジクロリド(15.4mg、0.02mmol)の溶液を、80℃にマイクロ波条件下で1時間加熱し、その後、これを酢酸エチルに注ぎ入れ、飽和塩化アンモニウム水溶液で処理した。有機層を分離し、水およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空で濃縮した。得られた粗製油をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を薄黄色固体(0.16g、53%)として得た。MS (M+H) m/z 601.
ステップ7:5−アセトアミド−1−(1−(tert−ブトキシカルボニル)ピペリジン−3−イル)−3−(2−クロロ−4−(4−フルオロフェノキシ)フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボン酸の調製。50%メタノール性テトラヒドロフラン(8mL)中のtert−ブチル3−{5−アセトアミド−3−[2−クロロ−4−(4−フルオロフェノキシ)フェニル]−4−(エトキシカルボニル)−1H−ピラゾール−1−イル}ピペリジン−1−カルボキシレート(110mg、0.18mmol)および水酸化リチウム(268mg、11.0mmol)の溶液を、95℃で16時間かけて撹拌させ、その後、これを真空で濃縮して、0.1mLの体積とした。水(3mL)を添加し、混合物を0℃に冷却し、1N塩酸でpH=3に酸性化した。得られた白色沈殿物を真空濾過によって収集して、表題化合物(97mg、99%超)を得た。MS (M+H) m/z 531.
ステップ8:tert−ブチル3−{5−アミノ−4−カルバモイル−3−[2−クロロ−4−(4−フルオロフェノキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−1−イル}ピペリジン−1−カルボキシレートの調製。5−アセトアミド−1−(1−(tert−ブトキシカルボニル)ピペリジン−3−イル)−3−(2−クロロ−4−(4−フルオロフェノキシ)フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボン酸(100mg、0.18mmol)、1−ヒドロキシルベンゾトリアゾール(38.5mg、0.282mmol)、3−(ジメチルアミノ)プロピルカルボジイミド塩酸塩(54.6mg、0.282mmol)、N,N−ジメチルホルムアミド(5mL)の溶液に、1,4−ジオキサン中アンモニアの0.5N溶液(3.76mL、1.88mmol)を添加した。反応物を周囲温度で16時間かけて撹拌させ、その後、これを真空で濃縮した。水(10mL)を添加し、得られた白色沈殿物を真空濾過によって収集して、表題化合物(100mg、99%超)を得た。MS (M+H) m/z 530.
ステップ9:5−アミノ−3−[2−クロロ−4−(4−フルオロフェノキシ)フェニル]−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの調製。ジクロロメタン(3mL)中のtert−ブチル3−{5−アミノ−4−カルバモイル−3−[2−クロロ−4−(4−フルオロフェノキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−1−イル}ピペリジン−1−カルボキシレート(100mg、0.18mmol)の溶液に、トリフルオロ酢酸(1mL)を添加した。反応物を周囲温度で2時間撹拌させ、その後、これを真空で濃縮して、表題化合物(78mg、99%超)を得た。MS (M+H) m/z 430.
ステップ10:5−アミノ−3−[2−クロロ−4−(4−フルオロフェノキシ)フェニル]−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの調製。5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−(4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾールカルボキサミドについて記述した手順(実施例1、ステップ12)と同様にして、周囲温度で調製し、逆相HPLCによって精製して、表題化合物を薄黄色固体(64mg、57%)として得た。MS (M+H) m/z 455. 1H NMR (400MHz, CDCl3) δ ppm 7.36 (d, J=8.59Hz, 1H), 6.99 - 7.14 (m, 5H), 6.94 (dd, J=8.46,
2.40Hz, 1H), 5.56 (s, 2H), 5.02 (s, 2H), 4.11-4.12 (m, 1H), 3.58 (d, J=4.55Hz,
1H), 3.39 - 3.54 (m, 2H), 3.04-3.05 (m, 1 H), 2.06 - 2.21 (m, 2H), 1.92-1.93
(m, 2H).
(実施例121)
5−アミノ−1−[(3R*,6S*)−1−シアノ−6−メチルピペリジン−3−イル]−3−[4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
ステップ1:6−メチルピペリジン−3−オールの調製。酢酸(100mL)中の6−メチルピリジン−3−オール(8.54g、77mmol)の溶液に、酸化白金(1.68g、7.4mmol)を添加した。混合物を、水素圧(50psi)下、Parr装置に入れ、16時間振とうした。溶媒を真空で除去して、表題化合物を得た。
ステップ2:ベンジル5−ヒドロキシ−2−メチルピペリジン−1−カルボキシレートの調製。ジクロロメタン(100mL)中の6−メチルピペリジン−3−オール(9.0g、78.1mmol)の溶液に、トリエチルアミン(101mL、703mmol)、続いてクロロギ酸ベンジル(14mL、93.8mmol)を滴下添加した。反応物を16時間かけて撹拌させ、その後、これを真空で濃縮し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を無色油(8.1g 42%)として得た。
ステップ3:ベンジル2−メチル−5−オキソピペリジン−1−カルボキシレートの調製。0℃のジクロロメタン(10mL)中のベンジル5−ヒドロキシ−2−メチルピペリジン−1−カルボキシレート(0.986g、3.96mmol)の溶液に、デス・マーチン試薬(3.96mmol)を添加した。反応混合物を0℃で30分間撹拌させ、次いで周囲温度に加温し、追加で3時間撹拌させた。次いで、反応混合物を飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液で慎重にクエンチし、水およびジクロロメタンの両方で希釈した。有機層を分離し、ブライン、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空で濃縮して、表題化合物を得、これを精製することなく次のステップに持ち込んだ。
ステップ4:ベンジル5−[(tert−ブトキシカルボニル)ヒドラゾノ]−2−メチルピペリジン−1−カルボキシレートの調製。テトラヒドロフラン(10mL)中のベンジル2−メチル−5−オキソピペリジン−1−カルボキシレート(2.00g、8.09mmol)の溶液に、tert−ブチルヒドラジンカルボキシレート(1.25g、9.71mmol)を添加した。反応混合物を2.5時間還流まで加熱し、その後、これを周囲温度に冷却し、真空で濃縮して、表題化合物を白色固体として得た。MS (M+H) m/z 418.
ステップ5:ベンジル5−[2−(tert−ブトキシカルボニル)ヒドラジノ]−2−メチルピペリジン−1−カルボキシレートの調製。テトラヒドロフラン(10mL)中の溶液ベンジル5−[(tert−ブトキシカルボニル)ヒドラゾノ]−2−メチルピペリジン−1−カルボキシレート(1.53g、4.23mmol)に、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(0.27g、4.23mmol)を添加し、テトラヒドロフラン(2mL)中のパラ−トルエンスルホン酸一水和物(0.80g、4.23mmol)の溶液を滴下添加した。反応物を周囲温度で16時間かけて撹拌させ、その後、これを真空で濃縮した。得られた残留物を酢酸エチルに溶解し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液、1N水酸化ナトリウム、ブラインおよび水で洗浄し、次いで硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空で濃縮して、表題化合物を得た。
ステップ6:ベンジル5−ヒドラジノ−2−メチルピペリジン−1−カルボキシレートの調製。ジクロロメタン(10mL)中のベンジル5−[2−(tert−ブトキシカルボニル)ヒドラジノ]−2−メチルピペリジン−1−カルボキシレート(1.78g、4.9mmol)の溶液に、トリフルオロ酢酸(5mL)を滴下添加した。反応物を周囲温度で5時間撹拌させ、その後、これを真空で濃縮して、表題化合物を淡黄色固体として得た。
ステップ7:(2S*,5R*)−ベンジル5−(5−アミノ−4−シアノ−3−(4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)フェニル)−1H−ピラゾール−1−イル)−2−メチルピペリジン−1−カルボキシレートの調製。無水エタノール(30mL)中のベンジル5−ヒドラジノ−2−メチルピペリジン−1−カルボキシレート(1.71g、6.5mmol)の溶液に、2−((4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)フェニル)(メトキシ)−メチレン)マロノニトリル(実施例25、ステップ4)(2.03g、6.5mmol)およびトリエチルアミン(4.66mL、32.4mmol)を添加した。溶液を周囲温度で16時間かけて撹拌した。溶媒を真空で除去し、粗生成物を分取HPLCによって精製して、表題化合物(2.12g、60%)を白色生成物として得た。MS (M+H) m/z 544. 1H NMR (400MHz, CDCl3) δ ppm 7.83 - 7.89 (m, 2 H), 7.30 - 7.41 (m, 5 H), 7.09 (td, J=9.0,
5.4Hz, 1 H), 6.93 - 7.01 (m, 3 H), 6.83 - 6.91 (m, 1 H), 5.11 - 5.20 (m, 2 H),
4.50 - 4.61 (m, 1 H), 4.39 (br. s., 2 H), 4.13 - 4.25 (m, 1 H), 3.82 (br. s., 1
H), 3.35 (t, J=11.7Hz, 1 H), 2.36 - 2.49 (m, 1 H), 1.70 - 1.95 (m, 4 H), 1.29
(d, J=7.1Hz, 3 H)
ステップ8:5−アミノ−3−(4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)フェニル)−1−((3S*,6R*)−6−メチルピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの調製。0℃の濃硫酸の撹拌溶液(3mL)に、(2S*,5R*)−ベンジル5−(5−アミノ−4−シアノ−3−(4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)フェニル)−1H−ピラゾール−1−イル)−2−メチルピペリジン−1−カルボキシレート(450mg、0.77mmol)を10分間かけて小分けにして添加した。次いで、反応混合物を30℃で16時間かけて撹拌させ、その後、これを0℃に冷却した。濃水酸化アンモニウムを、温度が5℃を超えないことを確実にしながら、pH=7まで慎重に添加した。次いで、混合物を酢酸エチル(3×10mL)で抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空で濃縮して、表題化合物を得た。
ステップ9:5−アミノ−1−[(3R*,6S*)−1−シアノ−6−メチルピペリジン−3−イル]−3−[4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの調製。N,N−ジメチルホルムアミド(8mL)中の5−アミノ−3−(4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)フェニル)−1−((3S*,6R*)−6−メチルピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(398mg、0.93mmol)の溶液に、炭酸セシウム(911mg、2.77mmol)および臭化シアン(586mg、5.54mmol)を添加した。反応物を周囲温度で6時間撹拌させ、その後、水を添加し、所望生成物を酢酸エチル中に抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空で濃縮し、順相SiO2カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)を介して精製して、表題化合物を白色固体として得た。MS (M+H) m/z 453. 1H NMR (500MHz, DMSO-d6) δ ppm: 1.25 (d, J=6.9Hz, 8 H), 1.77 - 1.87 (m, 7 H), 2.04 - 2.14 (m,
2 H), 2.51 (s, 1 H), 3.36 (d, J=4.6Hz, 2 H), 3.39 (d, J=4.6Hz, 2 H), 3.47 -
3.57 (m, 5 H), 4.35 (ddd, J=8.4, 4.4, 4.2Hz, 2 H), 6.43 (s, 5 H), 7.03 (d,
J=8.71Hz, 5 H), 7.11 - 7.21 (m, 2 H), 7.36 (td, J=9.2, 5.5Hz, 2 H), 7.46 - 7.56
(m, 3 H), 7.52 (d, J=8.7Hz, 5 H).
(実施例122)
5−アミノ−1−[(3R,6S)−1−シアノ−6−メチルピペリジン−3−イル]−3−[4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
rac−5−アミノ−1−[(3R
*,6S
*)−1−シアノ−6−メチルピペリジン−3−イル]−3−[4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例121で記述されている通りに調製したもの)を、超臨界流体クロマトグラフィー(RegisPack 30×250mmカラム、23%EtOH、80mL/分)によってキラル分離した。第一の溶離異性体の単離により、表題化合物を得た。MS (M+H) m/z 453.
1H NMR (500MHz, DMSO-d
6) δ ppm: 1.25 (d, J=6.9Hz, 8 H), 1.77 - 1.87 (m, 7 H), 2.04 - 2.14 (m,
2 H), 2.51 (s, 1 H), 3.36 (d, J=4.6Hz, 2 H), 3.39 (d, J=4.6Hz, 2 H), 3.47 -
3.57 (m, 5 H), 4.35 (ddd, J=8.4, 4.4, 4.2Hz, 2 H), 6.43 (s, 5 H), 7.03 (d,
J=8.7Hz, 5 H), 7.11 - 7.21 (m, 2 H), 7.36 (td, J=9.2, 5.5Hz, 2 H), 7.46 - 7.56
(m, 3 H), 7.52 (d, J=8.7Hz, 5 H).
(実施例123)
5−アミノ−1−[(3S,6R)−1−シアノ−6−メチルピペリジン−3−イル]−3−[4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
rac−5−アミノ−1−[(3R
*,6S
*)−1−シアノ−6−メチルピペリジン−3−イル]−3−[4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例121で記述されている通りに調製したもの)を、超臨界流体クロマトグラフィー(RegisPack 30×250mmカラム、23%EtOH、80mL/分)によってキラル分離した。第二の溶離異性体の単離により、表題化合物を得た。MS (M+H) m/z 453.
1H NMR (500MHz, DMSO-d
6) δ ppm: 1.25 (d, J=6.9Hz, 8 H), 1.77 - 1.87 (m, 7 H), 2.04 - 2.14 (m,
2 H), 2.51 (s, 1 H), 3.36 (d, J=4.6Hz, 2 H), 3.39 (d, J=4.6Hz, 2 H), 3.47 -
3.57 (m, 5 H), 4.35 (ddd, J=8.4, 4.4, 4.2Hz, 2 H), 6.43 (s, 5 H), 7.03 (d,
J=8.7Hz, 5 H), 7.11 - 7.21 (m, 2 H), 7.36 (td, J=9.2, 5.5Hz, 2 H), 7.46 - 7.56
(m, 3 H), 7.52 (d, J=8.7Hz, 5 H).
(実施例124)
5−アミノ−3−{4−[(4−クロロフェニル)チオ]フェニル}−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
ステップ1:ベンジル3−(5−アセトアミド−3−(4−((4−クロロフェニル)チオ)フェニル)−4−シアノ−1H−ピラゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレートの調製。ガラス管に炭酸カリウム(267mg、1.93mmol、1.1当量)を投入し、続いて、3−[5−アセチルアミノ−4−シアノ−3−(4−ヨードフェニル)−ピラゾール−1−イル]−ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(100mg、1.76mmol、1.0当量)(実施例86、ステップ1)、4−クロロチオフェノール(330mg、2.28mmol、1.3当量)、ヨウ化銅(191mg、1mmol、0.57当量)およびN−メチルピロリジン(0.4ml)を添加した。ガラス管を閉じ、予熱した100℃の油浴中に撹拌しながら6〜8時間置いた。反応混合物を水で希釈し、次いで酢酸エチル(5mL×3)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、次いで濾過した。濾液を真空で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘプタン/酢酸エチル)によって精製して、表題化合物を得た。
ステップ2:5−アミノ−3−(4−((4−クロロフェニル)チオ)フェニル)−1−(ピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボニトリルの調製。ベンジル3−(5−アセトアミド−3−(4−((4−クロロフェニル)チオ)フェニル)−4−シアノ−1H−ピラゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(96mg)を、濃硫酸の撹拌溶液に、温度を0℃に維持しながら10分間かけて小分けにして添加し、次いで、30℃で18時間撹拌した。反応混合物を0℃に冷却し、温度を20℃未満に維持しながら、水酸化アンモニウム溶液の添加によって中和した。混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空で濃縮して、表題化合物を得た。
ステップ3:5−アミノ−3−{4−[(4−クロロフェニル)チオ]フェニル}−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの調製。表題化合物は、5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−(4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾールカルボキサミド(実施例1、ステップ12)と同様にして、5−アミノ−3−(4−((4−クロロフェニル)チオ)フェニル)−1−(ピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボニトリルを用いて調製した。MS (M+H) m/z 453.
(実施例125)
5−アミノ−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−3−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
表題化合物は、5−アミノ−3−{4−[(4−クロロフェニル)チオ]フェニル}−1−(1−シアノピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例124)と同様にして、チオフェノールを用いて調製した。MS (M+H) m/z 419.
(実施例126)
1−[(3S)−1−アクリロイルピペリジン−3−イル]−5−アミノ−3−(4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
ステップ1:4−フェノキシベンゾイルクロリドの調製。塩化チオニル(1.2L)中の4−フェノキシ安息香酸(500g、2.33mol)の溶液を、16時間還流させ、その後、揮発物を真空で除去して、表題化合物を褐色ガム状物として得、これを精製することなく次のステップに持ち込んだ。
ステップ2:2−[ヒドロキシ−(4−フェノキシ−フェニル)−メチレン]−マロノニトリルの調製。無水テトラヒドロフラン(500mL)中のマロノニトリル(154mL、2.55mol)の溶液を、窒素下、テトラヒドロフラン(2L)中の水素化ナトリウム(205g、5.12mol)の懸濁液に、1.5時間かけて0℃で滴下添加した。反応混合物を追加で30分間撹拌させ、その後、テトラヒドロフラン(750mL)中の4−フェノキシベンゾイルクロリド(540g、2.32mol)の溶液の添加を添加した。次いで、反応物を周囲温度で16時間撹拌させ、0℃に冷却し、1N塩酸(1L)でクエンチした。生成物を酢酸エチル中に抽出し、合わせた有機層を、水、次いでブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空で濃縮して、表題化合物をオフホワイトの固体として得、これを精製することなく次のステップに持ち越した。MS (M-H) m/z 261. 1H NMR (CDCl3) δ 7.74 (d, J = 8.8Hz, 2 H), 7.39 (t, J = 7.6Hz, 2 H), 7.21 (t, J =
7.2Hz, 1 H), 7.06 (d, J = 8Hz, 2 H), 7.00 (d, J = 8.8Hz, 2 H).
ステップ3:2−[(4−フェノキシ−フェニル)−メトキシ−メチレン]−マロノニトリルの調製
0℃のジオキサン/水(4/1、5L)の混合物中の2−[ヒドロキシ−(4−フェノキシ−フェニル)−メチレン]−マロノニトリル(600g、2.29mol)の溶液に、重炭酸ナトリウム(1.34kg、16mol)を小分けにして添加した。硫酸ジメチル(1.2L、13.74mol)を2時間かけて滴下添加し、その後、反応物を80℃に加温し、追加で12時間撹拌させた。反応物を周囲温度に冷却し、水で希釈し、酢酸エチル中に抽出した。合わせた有機層を、水、次いでブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空で濃縮した。粗残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物をオフホワイトの固体(300g、48%)として得た。MS (M+H) m/z 277. 1H NMR (CDCl3) δ 7.47 (d, J = 8.8Hz, 2 H), 7.42 (t, J = 7.6Hz, 2 H), 7.23 (t, J =
7.6Hz, 1 H), 7.07 (t, J = 8.8Hz, 4 H), 3.97 (s, 3 H).
ステップ4:3−ヒドロキシ−ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルエステルの調製。0℃のジクロロメタン(2L)中のピペリジン−3−オール塩酸塩(134g、0.974mol)およびトリエチルアミン(276mL、1.98mol)の懸濁液に、ジクロロメタン(100mL)中のクロロギ酸ベンジル(140mL、0.981mol)の溶液を、2.5時間かけて滴下添加した。反応物を0℃で追加で30分間撹拌させ、次いで周囲温度に16時間かけて加温させ、その後、これを1N塩酸(3L)でクエンチし、30分間撹拌させた。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空で濃縮して、表題化合物(218g、95%)を得た。1H-NMR (CDCl3) δ 7.29-7.41 (m, 5 H), 5.14 (s, 2 H), 3.59-3.85 (m, 3 H), 3.13-3.27
(m, 2 H), 2.18 (bs, 1 H), 1.74-1.94 (m, 2 H), 1.38-1.61 (m, 2 H).
ステップ5:3−オキソ−ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルエステルの調製。0℃のジクロロメタン(1.25L)中のピリジン三酸化硫黄錯体(135.6g、0.85mol)の懸濁液に、トリエチルアミン(148mL、1.07mol)、続いてDMSO(151mL、2.13mol)を添加した。次いで、ジクロロメタン(415mL)中の3−ヒドロキシ−ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(50.0g、0.21mol)の溶液を、温度が0℃を超えないことを確実にしながら、1時間かけて滴下添加した。次いで、反応物を周囲温度に16時間かけて加温させ、その後、これを15℃に冷却し、飽和塩化アンモニウム水溶液(1L)でゆっくりクエンチした(発熱)。次いで、混合物を追加で30分間撹拌させ、その後、有機層を分離し、水性層をジクロロメタンで抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空で濃縮した。残留物をヘプタン/酢酸エチルの50%溶液(300mL)に溶解し、0.5N塩酸(600mL)、次いでブラインで洗浄した。有機層を真空で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製した。1H-NMR δ (CDCl3):
7.32-7.41 (m, 5 H), 5.17 (s, 2 H), 4.10 (s, 2 H), 3.69 (t, 2 H), 2.50 (t, 2 H),
1.97-2.08 (m, 2 H).
ステップ6:3−(tert−ブトキシカルボニル−ヒドラゾノ)−ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルエステルの調製。テトラヒドロフラン(1.5L)中の3−オキソ−ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(150g、0.64mol)の溶液に、tert−ブチルヒドラジンカルボキシレート(85g、0.64mol)を添加した。溶液を2時間還流まで加熱し、その後、これを周囲温度に冷却し、真空で濃縮して、表題化合物を得た。MS (M+H) m/z 348. 1H-NMR (CDCl3) δ 7.56 (s, 1 H), 7.28-7.41 (m, 5 H), 5.14-5.16 (d, 2 H), 4.13-4.25
(d, 2 H), 3.73-3.78 (m, 0.6 H), 3.53-3.61 (m, 1.4 H), 2.51-2.56 (t, 0.7H),
2.33-2.37 (t, 1.3 H), 1.82-1.91 (m, 2 H), 1.52 (s, 9H)
ステップ7:ベンジル3−(2−(tert−ブトキシカルボニル)ヒドラジニル)ピペリジン−1−カルボキシレートの調製。テトラヒドロフラン(1.5L)中の3−(tert−ブトキシカルボニル−ヒドラゾノ)−ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(230g、0.66mol)の溶液に、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(41.6g、0.66mol)を添加した。次いで、テトラヒドロフラン(590mL)中のパラ−トルエンスルホン酸一水和物(126g、0.66mol)の溶液を、温度が21℃を超えないことを確実にしながら、1.5時間かけて滴下添加した。次いで、反応物を16時間かけて撹拌させた。揮発物を真空で除去し、得られた残留物を酢酸エチル(2.0L)に溶解し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(1L)で洗浄し、次いで、1N水酸化ナトリウム(1.5L)に添加し、1時間撹拌させた。有機層を分離し、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空で濃縮した。粗残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(0〜3%ジクロロメタン/メタノール溶媒勾配)によって精製して、表題化合物を無色油(169g、73%)として得た。1H-NMR (CDCl3): δ 7.29-7.36 (m, 5 H), 6.33 (bs, 1 H), 5.88 (bs, 1 H), 5.12 (bs, 2 H),
3.42-3.64 (m, 5 H), 3.02-3.17 (m, 1 H), 1.74-1.80 (m, 2 H).
ステップ8:3−ヒドラジノ−ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル塩酸塩の調製。メタノール(180mL)中のベンジル3−(2−(tert−ブトキシカルボニル)ヒドラジニル)ピペリジン−1−カルボキシレート(50g、0.143mol)の溶液に、ジオキサン中4N塩酸の溶液(180mL)を、温度が10℃を超えないことを確実にしながら、滴下添加した。反応物を周囲温度で16時間かけて撹拌させ、その後、白色沈殿物が形成された。沈殿物を濾過し、次いで、酢酸エチル(700mL)中、周囲温度で、追加で16時間撹拌させ、濾過し、次いで真空下で乾燥させて、表題化合物を白色粉末として得た。MS (M+H) m/z 250.2. 1H-NMR (DMSO-d6) δ 7.28-7.41 (m, 5 H), 5.08 (s, 2 H), 4.10 (d, 1 H), 3.72 (d, 1 H),
2.95 (bs, 3 H), 1.98 (m, 1 H), 1.70 (m, 1 H), 1.29-1.37 (m, 2 H).
ステップ9:ベンジル3−[5−アミノ−4−シアノ−3−(4−フェノキシ−フェニル)−ピラゾール−1−イル]−ピペリジン−1−カルボキシレートの調製。エタノール(500mL)中の2−[(4−フェノキシ−フェニル)−メトキシ−メチレン]−マロノニトリル(ステップ3;146g、0.53mol)の溶液に、ベンジル3−ヒドラジノ−ピペリジン−1−カルボキシレート(ステップ8;150.6g、0.53mol)およびトリエチルアミン(107g、1.05mol)を添加して、溶液の温度を55℃に到達させた。次いで、反応物を周囲温度に16時間かけて冷却させ、その後、沈殿物が形成された。沈殿物を濾過除去し、2−メチルテトラヒドロフラン(3.5L)に添加し、これにより、所望生成物を、トリエチルアミン塩酸を残して溶解し、次いでこれを真空濾過によって除去した。次いで、濾液をブライン(1L)で洗浄し、真空で濃縮して、表題化合物を白色固体として得た。MS (M+H) m/z 494.
ステップ10:5−アミノ−3−(4−フェノキシ−フェニル)−1−ピペリジン−3−イル−1H−ピラゾール−4−カルボニトリルの調製。2−メチルテトラヒドロフラン(5L)中のベンジル3−[5−アミノ−4−シアノ−3−(4−フェノキシ−フェニル)−ピラゾール−1−イル]−ピペリジン−1−カルボキシレート(260g、527mmol)の溶液を、65℃、7mL/分、全水素下で、10%Pd/Cカートリッジを使用し、16時間にわたって、ミディ装置に通過させた。溶媒を真空で除去して、表題化合物を黄褐色固体として得た。MS (M+H) m/z 360.
ステップ11:5−アミノ−3−(4−フェノキシフェニル)−1−ピペリジン−3−イル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸アミドの調製。2LのSS Parrオートクレーブに、5−アミノ−3−(4−フェノキシ−フェニル)−1−ピペリジン−3−イル−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(189g、527mmol)およびエタノール(550mL)の溶液を添加した。次いで、2N水酸化ナトリウム溶液(880mL)を添加し、オートクレーブを密閉し、150℃で30分間加熱し、その後、反応は完了したと判断された。溶液を周囲温度に冷却し、酢酸エチル(500mL)に添加した。有機層を分離し、ブラインで洗浄し、真空で濃縮して、ガム状固体を得、これをアセトニトリル(500mL)で粉砕し、次いでシリカゲルカラムクロマトグラフィー(15〜40%メタノール/ジクロロメタン溶媒勾配)によってさらに精製して、表題化合物を白色固体(135g、70%)として得た。MS (M+H) m/z 360.
ステップ12:(S)−5−アミノ−3−(4−フェノキシフェニル)−1−ピペリジン−3−イル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸アミドの調製。rac−5−アミノ−3−(4−フェノキシフェニル)−1−ピペリジン−3−イル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸アミドを、超臨界流体クロマトグラフィー(キラルパックIC、30×250mmカラム、50/50、CO2/エタノール中1%トリエチルアミン、100mL/分)によってキラル分離した。第一の溶離異性体の単離により、表題化合物を得た。
ステップ13:1−[(3S)−1−アクリロイルピペリジン−3−イル]−5−アミノ−3−(4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの調製。N,N−ジメチルホルムアミド(4.00mL)中の(S)−5−アミノ−3−(4−フェノキシフェニル)−1−ピペリジン−3−イル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸アミド(377mg、1.0mmol)の溶液に、2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(486mg、1.1mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(323mg、2.5mmol)を添加した。反応混合物を0℃に冷却し、N,N−ジメチルホルムアミド(1.0mL)中のアクリル酸(79.3mg、1.1mmol)の溶液を、数分間かけて滴下添加した。反応物を室温まで徐々に加温し、10分間撹拌し、その後、水を添加し、酢酸エチル中に抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/10%メタノール)によって精製して、表題化合物を得た。MS (M+H) m/z 432.3. 1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ ppm 7.55 - 7.47 (m, 4 H), 7.27 (m, 1 H), 7.2 - 7.0 (m, 4 H), 6.91 -
6.77 (m, 1 H), 6.41 (br. s., 2 H), 6.19 - 6.04 (m, 1 H), 5.77 - 5.61 (m, 1 H),
4.53 - 4.03 (m, 3 H), 3.53-3.43 (m, 1 H), 3.13 - 2.97 (m, 1 H), 2.85-2.65 (m, 1
H), 2.08 - 1.92 (m, 1 H), 1.90-1.78 (m, 1 H), 1.55-1.45 (m, 1 H).
(実施例127)
1−[(3R)−1−アクリロイルピペリジン−3−イル]−5−アミノ−3−(4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
ステップ1:(R)−5−アミノ−3−(4−フェノキシフェニル)−1−ピペリジン−3−イル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸アミドの調製。rac−5−アミノ−3−(4−フェノキシフェニル)−1−ピペリジン−3−イル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸アミドを、超臨界流体クロマトグラフィー(キラルパックIC、30×250mmカラム、50/50、CO
2/エタノール中1%トリエチルアミン、100mL/分)によってキラル分離した。第二の溶離異性体の単離により、表題化合物を得た。
ステップ2:1−[(3R)−1−アクリロイルピペリジン−3−イル]−5−アミノ−3−(4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの調製。N,N−ジメチルホルムアミド(4.00mL)中の(R)−5−アミノ−3−(4−フェノキシフェニル)−1−ピペリジン−3−イル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸アミド(377mg、1.0mmol)の溶液に、2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(486mg、1.1mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(323mg、2.5mmol)を添加した。反応混合物を0℃に冷却し、N,N−ジメチルホルムアミド(1.0mL)中のアクリル酸(79.3mg、1.1mmol)の溶液を、数分間かけて滴下添加した。反応物を室温まで徐々に加温し、10分間撹拌し、その後、水を添加し、酢酸エチル中に抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/10%メタノール)によって精製して、表題化合物を得た。MS (M+H) m/z 432.3. 1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ ppm 7.55 - 7.47 (m, 4 H), 7.27 (m, 1 H), 7.2 - 7.0 (m, 4 H), 6.91 -
6.77 (m, 1 H), 6.41 (br. s., 2 H), 6.19 - 6.04 (m, 1 H), 5.77 - 5.61 (m, 1 H),
4.53 - 4.03 (m, 3 H), 3.53-3.43 (m, 1 H), 3.13 - 2.97 (m, 1 H), 2.85 - 2.65 (m,
1 H), 2.08 - 1.92 (m, 1 H), 1.90-1.78 (m, 1 H), 1.55-1.45 (m, 1 H).
(実施例128)
5−アミノ−1−{1−[(2E)−ブタ−2−エノイル]ピペリジン−3−イル}−3−(4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
テトラヒドロフラン(20mL)中の、rac−5−アミノ−3−(4−フェノキシフェニル)−1−ピペリジン−3−イル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸アミド(実施例1で記述されている通りに調製したもの)(200mg、0.53mmol)、クロトン酸(50mg、0.58mmol)、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(221mg、0.58mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.37mL、2.1mmol)の混合物を、室温で24時間撹拌した。懸濁液を、水と酢酸エチルとに分配し、水性層を酢酸エチル(25mL)でさらに抽出した。合わせた有機層を乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、濃縮した。粗生成物を逆相HPLCによって精製して、表題化合物を提供した。MS (M+H) m/z 446.
1H NMR (400MHz, DMSO-d
6) δ ppm 7.48 (d, J=8.79Hz, 2 H), 7.38 - 7.44 (m, 2 H), 7.16 (s, 1 H),
7.06 (t, J=8.42Hz, 4 H), 6.59 - 6.77 (m, 1 H), 6.50 - 6.58 (m, 1 H), 6.34 -
6.47 (m, 2 H), 4.27 - 4.52 (m, 1 H), 4.02 - 4.24 (m, 2 H), 3.40 - 3.52 (m, 1
H), 3.00 (m, 1 H), 2.60 - 2.73 (m, 1 H), 1.89 - 2.02 (m, 2 H), 1.82 (d,
J=9.52Hz, 4 H), 1.37 - 1.51 (m, 1 H).
(実施例129)
5−アミノ−1−{(3R)−1−[(2E)−4−ヒドロキシブタ−2−エノイル]ピペリジン−3−イル}−3−(4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
N,N−ジメチルホルムアミド(6mL)中の、(R)−5−アミノ−3−(4−フェノキシフェニル)−1−ピペリジン−3−イル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸アミド(実施例2、ステップ1で記述されている通りに調製したもの)(500mg、1.3mmol)、(E)−4−ヒドロキシブタ−2−エン酸(149mg、1.5mmol)、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(554mg、1.5mmol)およびトリエチルアミン(335mg、3.3mmol)の混合物を、室温で1時間撹拌した。懸濁液を、水と酢酸エチルとに分配した。有機層を、水、1N塩酸溶液およびブラインで洗浄した。合わせた有機層を乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(メタノール/酢酸エチル)によって精製して、234mgの表題化合物を提供した。MS (M+H) m/z 462.
1H NMR (400MHz, DMSO-d
6) δ ppm 7.50 (d, J=8.6Hz, 2 H), 7.44 - 7.40 (m, 2 H), 7.19 - 7.15 (m, 1
H), 7.09 - 7.05 (m, 4 H), 6.80 - 6.55 (m, 2 H), 6.41 (d, J=8.3Hz, 2 H), 5.07 -
4.95 (m, 2 H), 4.55 - 4.47 (m, 1 H), 4.44 - 4.27 (m, 1 H), 4.02 - 4.24 (m, 2
H), 3.40 - 3.52 (m, 1 H), 3.05 (m, 1 H), 2.60 - 2.73 (m, 1 H), 2.00 - 1.80 (m,
4 H), 1.37 - 1.51 (m, 1 H).
(実施例130)
1−[(3R)−1−アクリロイルピペリジン−3−イル]−5−アミノ−3−[4−(4−クロロフェノキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
ステップ1:メチル4−(4−クロロフェノキシ)ベンゾエートの調製。(4−クロロフェニル)ボロン酸(25.4g、162.82mmol)、4Å分子ふるい粉末(16g)、4−ジメチルアミノピリジン(39.5g、325.65mmol)および無水酸化銅(II)(39.0g、217.11mmol)を、乾燥ジクロロメタン(1000mL)中の4−ヒドロキシ安息香酸メチル(16.5g、108.55mmol)の溶液に室温で添加し、得られた混合物を48時間撹拌した。次いで、反応混合物をセライトパッドに通して濾過した。濾液を濃縮し、残留物をシリカ上でのカラムクロマトグラフィー(石油エーテル中8%EtOAc)によって精製して、表題化合物(14g、48%収率)をオフホワイトの固体として得た。MS (M+H) m/z 263.
1H NMR (CDCl
3, 400MHz) δ 8.02 (d, 2 H), 7.35 (d, 2 H), 7.02 (d, 2 H), 6.97 (d, 2 H), 3.88
(s, 3 H).
ステップ2:4−(4−クロロフェノキシ)安息香酸の調製。メタノール−水(5:1、360mL)中のメチル4−(4−クロロフェノキシ)ベンゾエート(14.0g、53.43mmol)の懸濁液に、NaOH(10.68g、267.11mmol)を0℃で添加し、次いで冷却バッチを除去し、反応混合物を60℃で3時間撹拌した。メタノールを留去し、水(500mL)を残留物に添加し、ジエチルエーテル(3×100mL)で洗浄した。水性層を2N HClで酸性化し、次いで、酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、表題化合物(10.5g、79%収率)をオフホワイトの固体として得た。MS (M+H) m/z 247. 1H NMR (DMSO-d6, 300MHz) δ 12.83 (bs, 1 H), 7.95 (d, 2 H), 7.51 (d, 2 H), 7.17 (d, 2 H), 7.07
(d, 2 H).
ステップ3:4−(4−クロロフェノキシ)ベンゾイルクロリドの調製。塩化チオニル(110mL)中の4−(4−クロロフェノキシ)安息香酸(10.5g、42.33mmol)を、4時間還流させた。揮発物を蒸発させ、粗表題化合物を次のステップに持ち込んだ。
ステップ4:2−((4−(4−クロロフェノキシ)フェニル)(メトキシ)メチレン)−マロノニトリルの調製。テトラヒドロフラン(25mL)中のマロノニトリル(3.54g、53.66mmol)の溶液を、テトラヒドロフラン(50mL)中の水素化ナトリウム(3.96g、鉱物油中60%、158.4mmol)の撹拌懸濁液に、窒素雰囲気下、0℃で滴下添加した。30分間撹拌した後、テトラヒドロフラン(35mL)中の4−(4−クロロフェノキシ)ベンゾイルクロリド(11.0g、41.35mmol)を滴下添加した。冷却浴を除去し、反応混合物を室温で3時間撹拌した。反応混合物を還流まで加熱し、硫酸ジメチル(28mL、288.89mmol)を滴下添加し、得られた混合物を18時間還流させた。室温に冷却した後、水(100mL)を添加し、酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。合わせた有機層を酢酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮し、シリカ上でのフラッシュクロマトグラフィー(石油エーテル中5〜8%EtOAc)によって精製して、表題化合物(6.0g、47%収率)を淡黄色油として得た。1H NMR (DMSO-d6, 400MHz) δ 7.73 (d, 2 H), 7.52 (d, 2 H), 7.2 (d, 2 H), 7.18 (d, 2 H), 3.92 (s,
3 H).
ステップ5:ベンジル3−(5−アミノ−3−(4−(4−クロロフェノキシ)フェニル)−4−シアノ−1H−ピラゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレートの調製。トリエチルアミン(8.6mL 19.35mmol)を、エタノール(60mL)中の2−((4−(4−クロロフェノキシ)フェニル)(メトキシ)メチレン)マロノニトリル(6.0g、19.35mmol)および3−ヒドラジノ−ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル塩酸塩(実施例1、ステップ8)(5.5g、57.89mmol)の撹拌混合物に室温で添加した。3時間撹拌した後、沈殿した固体を濾過除去した。固体をエタノールで洗浄し、真空下で乾燥させて、表題化合物(7.2g、70%収率)を得た。MS (M+H) m/z 526. 1H NMR (DMSO-d6, 400MHz) δ 8.0 (d, 2 H), 7.45 (d, 2 H), 7.37 (m, 5 H), 7.12 (d, 2 H), 7.08 (d,
2 H), 6.77 (s, 2 H), 5.06 (bs, 2 H), 4.23 (m, 1 H), 4.0 (m, 2 H), 2.97 (m, 2
H), 1.87 (m, 3 H), 1.50 (m, 1 H).
ステップ6:5−アミノ−3−(4−(4−クロロフェノキシ)フェニル)−1−(ピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの調製。冷たい2.5M NaOH水溶液(70mL)を、250mLの密封管内、エタノール(70mL)中のベンジル3−(5−アミノ−3−(4−(4−クロロフェノキシ)フェニル)−4−シアノ−1H−ピラゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(7.2g、13.66mmol)の溶液に添加し、得られた混合物を140℃で48時間撹拌しながら加熱した。室温に冷却した後、水を反応混合物に添加し、酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、表題化合物(2.6g)を得た。1H NMR (DMSO-d6, 400MHz) δ 8.21 (s, 1 H), 7.49 (m, 4 H), 7.45 (d, 2 H), 7.10 (m, 4 H), 6.36
(s, 2 H), 4.20 (m, 1 H), 3.11 (m, 1 H), 2.97 (m, 2 H), 2.50 (m, 1 H), 1.93 (m,
2 H), 1.76 (m, 1 H), 1.60 (m, 1 H).
ステップ7:(R)−5−アミノ−3−(4−(4−クロロフェノキシ)フェニル)−1−(ピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの調製。rac−5−アミノ−3−(4−(4−クロロフェノキシ)フェニル)−1−(ピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドを、超臨界流体クロマトグラフィー(キラルパックOJ−H、30×250mmカラム、50/50、CO2/エタノール中1%トリエチルアミン、70mL/分)によってキラル分離した。第二の溶離異性体の単離により、表題化合物を得た。
ステップ8:1−[(3R)−1−アクリロイルピペリジン−3−イル]−5−アミノ−3−[4−(4−クロロフェノキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの調製。N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.72mL、4.1mmol)およびアクリル酸(131mg、1.8mmol)を、N,N−ジメチルホルムアミド(5mL)中の(R)−5−アミノ−3−(4−(4−クロロフェノキシ)フェニル)−1−(ピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(675mg、1.6mmol)および(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリス(ジメチルアミノ)−ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(740mg、1.6mmol)の混合物に添加した。混合物を室温で撹拌し、次いで逆相HPLCによって精製して、250mgの表題化合物を提供した。MS (M+H) m/z 466. 1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ ppm 7.51 (d, J=5.77Hz, 2 H), 7.48 - 7.40 (m, 2 H), 7.15 - 7.04 (m,
4 H), 6.93 - 6.74 (m, 1 H), 6.41 (br. s., 2 H), 6.19 - 6.01 (m, 1 H), 5.74 -
5.55 (m, 1 H), 4.59 - 4.01 (m, 3 H), 3.54 - 3.39 (m, 0.5 H), 3.12 - 2.97 (m, 1
H), 2.76 - 2.71 (m, 0.5 H), 2.05 -1.90 (m, 2 H), 1.89 - 1.77 (m, 1 H), 1.56 -
1.37 (m, 1 H).
(実施例131)
5−アミノ−3−[4−(4−クロロフェノキシ)フェニル]−1−{(3R)−1−[(2E)−4−ヒドロキシブタ−2−エノイル]ピペリジン−3−イル}−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
N,N−ジメチルホルムアミド(10mL)中の、5−アミノ−3−(4−(4−クロロフェノキシ)フェニル)−1−(ピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例13、ステップ6で記述されている通りに調製したもの)(844mg、2.05mmol)、(E)−4−ヒドロキシブタ−2−エン酸(251mg、2.46mmol)およびO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(1.07g、2.66mmol)の溶液に、トリエチルアミン(0.71mL、5.12mmol)を添加した。2.5時間後、反応物を酢酸エチル(100mL)中に希釈し、1N HCl(15mL)で3回、10%Na
2CO
3(15mL)で3回洗浄した。MgSO
4での乾燥、濾過および揮発物の除去の後、粗生成物を逆相HPLCによって精製した。得られた固体を、分取HPLC(3.0×25.0cm キラルパックOD−H、45/55、CO
2/1%イソプロピルアミンを加えたイソプロパノール、70mL/分の流速で)によってキラル分離した。第二の溶離異性体の単離により、表題化合物を得た。MS (M+H) m/z 496.
1H NMR (DMSO-d6, 400MHz) δ 7.52 (m, 2 H), 7.46 (m, 2 H), 7.10 (m, 4 H), 6.74 (m, 1 H), 6.60
(m, 1 H), 6.41 (m, 1 H), 4.44 (m, 1 H), 4.12 (m, 4 H), 3.06 (m, 1 H).
(実施例132)
5−アミノ−3−[4−(4−クロロフェノキシ)フェニル]−1−{(3R)−1−[(2E)−4−フルオロブタ−2−エノイル]ピペリジン−3−イル}−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
ステップ1:(E)−エチル4−フルオロブタ−2−エノエートの調製。MeCN(70mL)中のAgF(19.71g、155.40mmol)の懸濁液に、MeCN(50ml)中の(E)−エチル4−ブロモブタ−2−エノエート(10g、51.80mmol)の溶液を、窒素雰囲気下、暗所で添加した。反応混合物を室温で24時間撹拌した。反応混合物をセライトのショートパッドに通して濾過し、ジクロロメタンで洗浄した。濾液を減圧および低温下で濃縮して、表題化合物(6.83g、100%)を褐色液体として得た。
1H NMR (400MHz, CDCl
3) δ 1.29 (t, 3H, J = 7.1Hz), 4.21 (q, 2H, J = 4.1Hz), 5.04 (d, 2H, J =
46.1Hz), 6.10 (d,1H, J = 15.8Hz), 6.90-7.00 (m,1 H).
ステップ2:(E)−4−フルオロブタ−2−エン酸の調製。テトラヒドロフラン(30ml)中の(E)−エチル4−フルオロブタ−2−エノエート(4.4g、33.33mmol)の撹拌溶液に、水(30ml)中のLiOH・H2O(4.2g、99.99mmol)の溶液を添加し、室温で2.5時間撹拌した。反応混合物をHCl(2N、水溶液、10ml)で酸性化し、10%MeOH−ジクロロメタンで抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮して、表題化合物(1.7g、49%)を黄色固体として提供した。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ 5.13 (d, J = 46.3Hz, 2 H), 5.96 (d, J = 15.9Hz, 1 H), 6.82-6.94 (m,
1 H), 12.54 (br s, 1 H).
ステップ3:5−アミノ−3−[4−(4−クロロフェノキシ)フェニル]−1−{(3R)−1−[(2E)−4−フルオロブタ−2−エノイル]ピペリジン−3−イル}−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの調製。N,N−ジメチルホルムアミド(2.00mL)中の(R)−5−アミノ−3−(4−(4−クロロフェノキシ)フェニル)−1−(ピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例13、ステップ7で記述されている通りに調製したもの)(150mg、0.36mmol)の溶液を、0℃に冷却した。2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(177mg、0.40mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.16mL、0.91mmol)および(E)−4−フルオロブタ−2−エン酸(41.69mg、0.4mmol)を、0℃で添加した。反応混合物を0℃で15分間撹拌し、氷水(10mL)でクエンチした。得られた混合物を、酢酸エチルを使用して抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(10%メタノール/酢酸エチル)によって精製し、続いてジクロロメタン:ヘキサン(1:5、12mL)で粉砕して、表題化合物を得た。MS (M+H) m/z 498. 1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ ppm 7.50 (b,s, 2 H), 7.45 (d, 2 H), 7.15-7.05 (d, 4 H), 6.8-6.70
(m, 2 H), 6.40 (d, 2 H), 5.15 (d, 1 H), 5.02 (d, 1 H), 4.55-3.95 (m, 3 H), 3.49
(t, 0.5 H), 3.12 (q, 1 H), 2.76 (t, 0.5 H), 1.99 (bs, 2 H), 1.80-1.90 (m, 1 H),
1.47 (bs, 1 H).
(実施例133)
5−アミノ−3−[4−(4−クロロフェノキシ)フェニル]−1−{(3R)−1−[(2E)−4,4−ジフルオロブタ−2−エノイル]ピペリジン−3−イル}−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
ステップ1:エチル4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシブタノエートの調製。トルエン(300mL)中のエチル4,4−ジフルオロ−3−オキソブタノエート(10g、60.19mmol)の撹拌溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(2.4g、63.2mmol)を0℃で小分けにして添加した。得られた混合物を室温で4時間撹拌した。反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相を、水、続いてブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮して、表題化合物を無色液体(9g、89%)として提供した。
1H NMR (400MHz, DMSO-d
6) δ 5.89 (dt, J = 3.6Hz, 55.7Hz, 1 H), 5.81 (br s, 1 H), 4.11-4.02 (m,
3 H), 2.57 (dd, J = 3.9Hz, 16Hz, 1 H), 2.39 (dd, J = 9Hz, 15.6Hz, 1 H), 1.19
(t, J = 7Hz, 3 H).
ステップ2:(E)−エチル4,4−ジフルオロブタ−2−エノエートの調製。五酸化リン(1.68g、11.89mmol)を、エチル4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシブタノエート(4g、23.78mmol)に、窒素雰囲気下で添加した。混合物を60℃で1時間撹拌し、次いで蒸留(120℃、0.05mm−Hg圧下で)して、表題化合物(1.4g、39%)を得た。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ 6.84-6.37 (m, 3 H), 4.19 (q, 2 H), 1.24 (t, 3 H).
ステップ3:(E)−4,4−ジフルオロブタ−2−エン酸の調製。10%水酸化ナトリウム水溶液(13ml)中の(E)−エチル4,4−ジフルオロブタ−2−エノエート(1.3g、8.66mmol)の溶液を、50℃に1時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、水で希釈した。水性画分を酢酸エチルで抽出し、有機抽出物を廃棄した。水性画分を1N HCl溶液でpH約4に酸性化し、次いで酢酸エチルで抽出した。合わせた有機抽出物を、水、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、表題化合物をオフホワイトの固体(650mg、62%)として濃縮した。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ 12.82 (br s, 1 H), 6.76-6.67 (m, 1 H), 6.56 (dd, 1H, J = 4.96Hz,
54.7Hz), 6.37-6.33 (m, 1 H). MS (M-H) m/z 121.
ステップ4:5−アミノ−3−[4−(4−クロロフェノキシ)フェニル]−1−{(3R)−1−[(2E)−4,4−ジフルオロブタ−2−エノイル]ピペリジン−3−イル}−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの調製。N,N−ジメチルホルムアミド(2.00mL)中の(R)−5−アミノ−3−(4−(4−クロロフェノキシ)フェニル)−1−(ピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例13、ステップ7で記述されている通りに調製したもの)(150mg、0.36mmol)の溶液を、0℃に冷却した。2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(177mg、0.40mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.16mL、0.91mmol)および(E)−4,4−ジフルオロブタ−2−エン酸(41.69mg、0.4mmol)を、0℃で添加した。反応混合物を0℃で15分間撹拌し、氷水(10mL)でクエンチした。得られた混合物を、酢酸エチルを使用して抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(10%メタノール/酢酸エチル)によって精製し、続いてジクロロメタン:ヘキサン(1:5、12mL)で粉砕して、表題化合物を得た。MS (M+H) m/z 516. 1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ ppm 7.55-7.45 (m, 4 H), 7.25-7.05 (m, 5 H), 6.7-6.35 (m, 4 H),
4.5-3.95 (m, 3 H), 3.53 (t, 0.5 H), 3.15 (q, 1 H), 2.82 (t, 0.5 H), 1.98 (b,s,
2 H), 1.95-1.80 (m, 1 H), 1.47 (bs, 1 H).
(実施例134)
5−アミノ−3−[4−(4−クロロフェノキシ)フェニル]−1−[(3R)−1−(2−フルオロアクリロイル)ピペリジン−3−イル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
N,N−ジメチルホルムアミド(2.00mL)中の(R)−5−アミノ−3−(4−(4−クロロフェノキシ)フェニル)−1−(ピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例13、ステップ7で記述されている通りに調製したもの)(79.1mg、0.192mmol)の溶液を、0℃に冷却した。2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(106mg、0.24mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(65.3mg、0.48mmol)および2−フルオロアクリル酸(21.69mg、0.24mmol)を、0℃で添加した。反応混合物を0℃で15分間撹拌し、次いで、氷水上に注ぐことによってクエンチした。固体を濾過し、逆相HPLCによって精製して、表題化合物を得た。MS (M+H) m/z 484.1.
(実施例135)
5−アミノ−3−[4−(4−クロロフェノキシ)フェニル]−1−{(3R)−1−[(2E)−3−シアノプロパ−2−エノイル]ピペリジン−3−イル}−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
ステップ1:(E)−エチル3−シアノアクリレートの調製。アセトニトリル(16ml)中の(Z)−エチル3−シアノアクリレート(2g、16mmol)の撹拌溶液に、トリフェニルホスフィン(4.2g、16mmol)を添加し、5日間還流まで加熱した。反応混合物を室温に冷却し、揮発物を減圧下で除去した。残留物を、ヘキサン中でのシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を無色液体(370mg、19%)として得た。
1H NMR (400MHz, CDCl
3) δ 6.69 (d,1 H), 6.48 (d, 1 H), 4.28 (q, 2 H), 1.32 (t, 3 H).
GCMS: Rt = 6.71分; m/z 125
ステップ2:(E)−3−シアノアクリル酸の調製。塩酸(6N、水溶液、20ml)中の(E)−エチル3−シアノアクリレート(1.3g、10.38mmol)の溶液を、100℃に4時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、蒸発乾固した。残留物をエーテルで粉砕して、表題化合物を白色固体(900mg、89%)として得た。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 7.99 (br s, 1 H), 6.72 (d, 1 H), 6.57 (d, 1 H). MS (M+H) m/z 98.
ステップ3:5−アミノ−3−[4−(4−クロロフェノキシ)フェニル]−1−{(3R)−1−[(2E)−3−シアノプロパ−2−エノイル]ピペリジン−3−イル}−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの調製。表題化合物は、1−[(3R)−1−アクリロイルピペリジン−3−イル]−5−アミノ−3−[4−(4−クロロフェノキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例13)と同様にして、(E)−3−シアノアクリル酸を用いて調製した。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ 1.50 (m, 1 H), 1.85-2.07 (m, 3 H), 2.91 (t, 0.5 H), 3.14 (t, 1 H),
3.55 (dd, 0.5 H), 4.07-4.45 (m, 3 H), 6.38-6.42 (m, 2 H), 6.52 (dd, 1 H),
7.08-7.12 (m, 4 H), 7.44-7.52 (m, 4 H), 7.83 (dd, 1 H). MS (M+H) m/z 491.
(実施例136)
1−[(3S)−1−アクリロイルピペリジン−3−イル]−5−アミノ−3−[4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
ステップ1:メチル4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)ベンゾエートの調製。4Å分子ふるい粉末(17g)、(4−(メトキシカルボニル)フェニル)ボロン酸(17.34g、133.33mmol)、4−ジメチルアミノピリジン(27.13g、222.22mmol)および無水酸化銅(II)(30.3g、166.7mmol)を、乾燥ジクロロメタン(800mL)中の2,4−ジフルオロフェノール(20.0g、111.11mmol)の溶液に室温で添加し、得られた混合物を48時間撹拌した。次いで、反応混合物をセライトパッドに通して濾過し、濾液を濃縮し、石油エーテル中8%EtOAcで溶離するシリカ上でのカラムクロマトグラフィー(100〜200メッシュ)によって精製して、compd−2X10(15g、51.2%)を固体として得た。MS (M+H) m/z 265.
1H NMR (DMSO-d
6, 300MHz) δ 7.97 (d, 2 H), 7.56 (m, 1 H), 7.45 (m, 1 H), 7.20 (t, 1 H), 7.05
(d, 2 H), 3.83 (s, 3 H).
ステップ2:4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)安息香酸の調製。メタノール(525mL)中のメチル4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)ベンゾエート(15.0g、56.82mmol)の懸濁液に、水(63mL)およびNaOHペレット(12.22g、284.11mmol)を0℃で添加し、次いで冷却バッチを除去し、反応混合物を50℃で3時間撹拌した。メタノールを留去し、水を添加した。残留物を1N HClで酸性化し、次いでEtOAcで抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、表題化合物(12.0g、91.5%)を白色固体として得た。MS (M+H) m/z 249. 1H NMR (DMSO-d6,
300MHz) δ 12.85 (bs, 1 H), 7.92 (d, 2 H), 7.52 (m, 1
H), 7.40 (m, 1 H), 7.20 (t, 1 H), 7.00 (d, 2 H).
ステップ3:4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)ベンゾイルクロリドの調製。塩化チオニル(80mL)中の4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)安息香酸(3.0g、30mmol)を、終夜還流させた。揮発物を蒸発させて、表題化合物を得た。
ステップ4:2−((4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)フェニル)(メトキシ)メチレン)−マロノニトリルの調製。テトラヒドロフラン(10mL)中のマロノニトリル(1.0g、15.52mmol)の溶液を、テトラヒドロフラン(50mL)中のNaH(574mg、23.9mmol)の撹拌懸濁液に、N2雰囲気中、0℃で滴下添加した。30分間撹拌した後、テトラヒドロフラン(15mL)中の4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)ベンゾイルクロリド(3.2g、11.94mmol)を滴下添加した。反応混合物を室温にし、撹拌した(約3時間)。次いで、反応混合物を還流まで加熱し、硫酸ジメチル(7.7mL、83.6mmol)を滴下添加した。混合物を18時間還流させた。室温に冷却した後、混合物を氷水(100mL)でクエンチし、EtOAc(2×)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮し、石油エーテル中12%EtOAcで溶離するシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(100〜200メッシュ)によって精製して、表題化合物(1.8g)を液体として得た。MS (M+H) m/z 297. 1H NMR (DMSO-d6,
400MHz) δ 7.71 (d, 2 H), 7.52 (m, 1 H), 7.43 (m, 1 H),
7.20 (t, 1 H), 7.16 (d, 2 H), 3.93 (s, 3 H).
ステップ5:ベンジル3−(5−アミノ−4−シアノ−3−(4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)フェニル)−1H−ピラゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレートの調製。トリエチルアミン(2.2mL 14.4mmol)を、エタノール(30mL)中の2−((4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)フェニル)(メトキシ)メチレン)マロノニトリル(1.5g、4.8mmol)および3−ヒドラジノ−ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル塩酸塩(実施例1、ステップ8)(1.4g、4.8mmol)の撹拌混合物に室温で添加した。3時間撹拌した後、沈殿物を濾過した。得られた固体をエタノールで洗浄し、真空下で乾燥させて、表題化合物(1.8g、40%)を得た。MS (M+H) m/z 530. 1H NMR (DMSO-d6, 300MHz) δ 7.78 (d, 2 H), 7.50 (m, 1 H), 7.33 (m, 6 H), 7.18 (m, 1 H), 7.05
(d, 2 H), 6.78 (s, 2 H), 5.06 (bs, 2 H), 4.26 (m, 1 H), 3.99 (m, 2 H), 3.30 (m,
1 H), 2.97 (t, 1 H), 2.21 (s, 3 H), 1.90 (m, 3 H), 1.48 (m, 1 H).
ステップ6:5−アミノ−3−(4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)フェニル)−1−(ピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの調製。冷たい2.5M NaOH水溶液(20mL)を、100mLの密封管に投入したエタノール(20mL)中のベンジル3−(5−アミノ−4−シアノ−3−(4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)フェニル)−1H−ピラゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(1.8g、3.39mmol)の混合物に添加した。混合物を140℃で24時間撹拌しながら加熱した。室温に冷却した後、反応混合物を水で希釈し、EtOAc(2×)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、表題化合物(1.4g)を得た。MS (M+H) m/z 414. 1H NMR (DMSO-d6,
300MHz) δ 7.45 (d, 2 H), 7.32 (m, 1 H), 7.23 (m, 1 H),
7.18 (m, 1 H), 7.01 (d, 2 H), 6.30 (s, 2 H), 5.17 (t, 1 H), 4.07 (m, 1 H), 3.0
(d, 1 H), 2.7-2.90 (m, 3 H), 1.90 (m, 2 H), 1.70 (m, 1 H), 1.48 (m, 1 H).
ステップ7:(S)−5−アミノ−3−(4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)フェニル)−1−(ピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの調製。rac−5−アミノ−3−(4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)フェニル)−1−(ピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドを、超臨界流体クロマトグラフィー(キラルパックOJ−H、4.6×250mm、15/85、CO2/0.2%イソプロピルアミンを加えたエタノール、2.5mL/分流速)によってキラル分離した。第二の溶離異性体の単離により、表題化合物を得た。
ステップ8:1−[(3S)−1−アクリロイルピペリジン−3−イル]−5−アミノ−3−[4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)−フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの調製。トリエチルアミン(1.69mL、12.1mmol)およびN−[(ジメチルアミノ)−1H−1,2,3−トリアゾロ−[4,5−b]ピリジン−1−イルメチレン]−N−メチルメタンアミニウムヘキサフルオロホスフェートN−オキシド(2.02g(5.3mmol)を、N,N−ジメチルホルムアミド(20mL)中の(S)−5−アミノ−3−(4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)フェニル)−1−(ピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(2.0g、4.8mmol)およびアクリル酸(0.38g、5.3mmol)の溶液に添加した。室温で3時間撹拌した後、混合物を水に注ぎ入れ、酢酸エチルで抽出した。有機層を、水、1N塩酸溶液およびブラインで洗浄し、次いで乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(メタノール/酢酸エチル)によって精製して、表題化合物を得た。MS (M+H) m/z 468. 1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ ppm 7.42 - 7.59 (m, 3 H), 7.30 - 7.41 (m, 1 H), 7.11 - 7.21 (m, 1
H), 7.02 (d, J=8.20Hz, 2 H), 6.74 - 6.92 (m, 1 H), 6.40 (br. s., 2 H), 6.10 (t,
J=18.70Hz, 1 H), 5.67 (dd, J=25.37, 10.54Hz, 1 H), 4.01 - 4.55 (m, 2 H), 3.39 -
3.52 (m, 1 H), 2.96 - 3.11 (m, 1 H), 2.73 (t, J=11.51Hz, 1 H), 1.78 - 2.07 (m,
3 H), 1.47 (br. s., 1 H)
(実施例137)
1−[(3R)−1−アクリロイルピペリジン−3−イル]−5−アミノ−3−[4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
ステップ1:(R)−5−アミノ−3−(4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)フェニル)−1−(ピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの調製。rac−5−アミノ−3−(4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)フェニル)−1−(ピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例25、ステップ6で記述されている通りに調製したもの)を、超臨界流体クロマトグラフィー(キラルパックOJ−H、4.6×250mm、15/85、CO
2/0.2%イソプロピルアミンを加えたエタノール、2.5mL/分流速)によってキラル分離した。第一の溶離異性体の単離により、表題化合物を得た。
ステップ2:1−[(3R)−1−アクリロイルピペリジン−3−イル]−5−アミノ−3−[4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)−フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの調製。表題化合物は、1−[(3S)−1−アクリロイルピペリジン−3−イル]−5−アミノ−3−[4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)−フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例25、ステップ8)と同様にして調製した。MS (M+H) m/z 468. 1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ ppm 7.42 - 7.59 (m, 3 H), 7.30 - 7.41 (m, 1 H), 7.11 - 7.21 (m, 1
H), 7.02 (d, J=8.20Hz, 2 H), 6.74 - 6.92 (m, 1 H), 6.40 (br. s., 2 H), 6.10 (t,
J=18.70Hz, 1 H), 5.67 (dd, J=25.37, 10.54Hz, 1 H), 4.01 - 4.55 (m, 2 H), 3.39 -
3.52 (m, 1 H), 2.96 - 3.11 (m, 1 H), 2.73 (t, J=11.51Hz, 1 H), 1.78 - 2.07 (m,
3 H), 1.47 (br. s., 1 H)
(実施例138)
5−アミノ−3−[4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)フェニル]−1−{(3R)−1−[(2E)−4−メトキシブタ−2−エノイル]ピペリジン−3−イル}−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
N,N−ジメチルホルムアミド(1mL)中の、(R)−5−アミノ−3−(4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)フェニル)−1−(ピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例26、ステップ1で記述されている通りに調製したもの)(50mg、0.12mmol)、(E)−4−メトキシブタ−2−エン酸(15mg、0.13mmol、J.Org.Chem.1981、46、940〜948に従って調製したもの)およびO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(53mg、0.13mmol)の溶液に、トリエチルアミン(25mg、0.24mmol)を添加した。3時間後、反応物を酢酸エチル(10mL)中に希釈し、1N塩酸水溶液(2mL)で3回、10%Na
2CO
3(2mL)で3回洗浄した。硫酸マグネシウムでの乾燥、濾過および濃縮の後、粗生成物を逆相HPLCによって精製して、表題化合物を得た。MS (M+H) m/z 512.
1H NMR (DMSO-d
6, 400MHz) δ 7.49 (m, 3 H), 7.36 (m, 1 H), 7.16 (m, 1 H), 7.03 (m, 2 H), 6.65
(m, 2 H), 4.40 (m, 1 H), 4.20 (m, 1 H), 4.04 (m, 3 H), 3.28 (m, 3 H), 3.06 (m,
1 H), 1.92 (m, 3 H), 1.47 (m, 1 H).
(実施例139)
5−アミノ−3−[4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)フェニル]−1−[(3R)−1−(2−メチルアクリロイル)ピペリジン−3−イル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
N,N−ジメチルホルムアミド(2mL)中の、(R)−5−アミノ−3−(4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)フェニル)−1−(ピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例26、ステップ1で記述されている通りに調製したもの)(69mg、0.17mmol)、メタクリル酸(15mg、0.17mmol)およびO−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(67mg、0.17mmol)の溶液に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.1mL)を添加した。18時間後、粗反応混合物を逆相HPLCによって精製して、表題化合物を得た。MS (M+H) m/z 482.
1H NMR (DMSO-d
6, 400MHz) δ 7.54 - 7.46 (m, 3 H), 7.35 (td, J=9.1, 5.6Hz, 1 H), 7.16 (t,
J=8.5Hz, 1 H), 7.03 (d, J=8.5Hz, 2 H), 6.4 (br s,2 H), 5.17 (br s, 1 H), 5.01
(s, 1 H), 4.40 (m,1 H), 4.23 (m, 1 H), 3.90 (m, 1 H), 3.3 (m, 1 H), 3.10 (m, 1
H), 2.05 - 1.80 (m, 6 H), 1.49 (m, 1 H).
(実施例140)
5−アミノ−3−[4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)フェニル]−1−{(3R)−1−[(2E)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エノイル]ピペリジン−3−イル}−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
表題化合物は、5−アミノ−3−[4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)フェニル]−1−[(3R)−1−(2−メチルアクリロイル)ピペリジン−3−イル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例)と同様にして、(E)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エン酸を用いて調製した。MS (M+H) m/z 526.
1H NMR (400MHz, メタノール-d
4) δ ppm 7.47 - 7.53 (m, 2 H),
7.24 (td, J=9.1, 5.4Hz, 1 H), 7.16 (ddd, J=11.0, 8.4, 3.0Hz, 1 H), 6.97 - 7.07
(m, 3 H), 6.55 - 6.83 (m, 2 H), 4.63 (d, J=12.0Hz, 1 H), 4.34 (d, J=13.0Hz, 1
H), 4.09 - 4.27 (m, 4 H), 3.65 (dd, J=13.1, 10.0Hz, 1 H), 2.27 (s, 3 H), 2.24
(s, 2 H), 1.93 - 2.18 (m, 3 H), 1.56 - 1.70 (m, 1 H).
(実施例141)
5−アミノ−3−[4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)フェニル]−1−{(3R)−1−[(2E)−5−ヒドロキシペンタ−2−エノイル]ピペリジン−3−イル}−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
ステップ1:(E)−エチル5−ヒドロキシペンタ−2−エノエートの調製。ジクロロメタン(1.2L)中のプロパン−1,3−ジオール(9.0g、118.42mmol)の溶液に、エチル2−(トリフェニルホスホラニリデン)アセテート(99.03g、284.21mmol)および二酸化マンガン(206.5g、2368.42mmol)を室温で添加した。得られた混合物を室温で48時間撹拌した。反応の完了(TLCによってモニターした)後、混合物をセライトベッドのショートパッドに通して濾過し、ジクロロメタンで洗浄した。濾液を減圧下で濃縮した。粗材料をカラムクロマトグラフィー(13%酢酸エチル/ヘキサン)によって精製して、表題化合物(12g、70.5)を無色液体として得た。
1H NMR (400MHz, CDCl
3) δ 6.97-6.87 (m, 1 H), 5.90 (d, J = 15.6Hz, 1 H), 4.16 (q, J = 7.1Hz,
2 H), 3.75 (m, 2 H) 2.45 (q, J = 6.2Hz, 2 H), 1.89 (br s, 1 H), 1.26 (t, J =
7.2Hz, 3 H).
ステップ2:(E)−エチル5−ヒドロキシペンタ−2−エン酸の調製。テトラヒドロフラン(6mL)中の(E)−エチル5−ヒドロキシペンタ−2−エノエート(1.5g、10.41mmol)の溶液に、水(6mL)中の水酸化リチウム−水和物(1.31g、31.24mmol)の溶液を室温で添加した。得られた反応混合物を室温で2時間撹拌した。混合物を1N−HCl(15mL)で酸性化し、酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。合わせた有機部分を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、表題化合物(0.6g、50%)を無色液体として得た。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 12.1 (br s, 1 H), 6.97-6.87 (m, 1 H), 5.79 (d, J = 15.6Hz, 1 H),
3.50 (t, J = 6.2Hz, 2 H) 2.31 (q, J = 6.2Hz, 2 H),
ステップ3:5−アミノ−3−[4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)フェニル]−1−{(3R)−1−[(2E)−5−ヒドロキシペンタ−2−エノイル]ピペリジン−3−イル}−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの調製。N,N−ジメチルホルムアミド(0.5mL)中の(R)−5−アミノ−3−(4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)フェニル)−1−(ピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例26、ステップ1で記述されている通りに調製したもの)(100mg、0.24mmol)の溶液を、0℃に冷却した。(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリス−(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(118mg、0.27mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.1mL、0.61mmol)、続いて(E)−5−ヒドロキシペンタ−2−エン酸(30.89mg、0.27mmol)を添加した。混合物を同じ温度で15分間撹拌した。反応混合物を氷水(10mL)でクエンチし、酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。合わせた有機層を、水(2×10mL)、ブライン(2×10mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下で濃縮した。粗残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc中1%MeOH)によって精製し、続いて(1:5 ジクロロメタン:ヘキサン、12mL)で粉砕して、表題化合物をオフホワイトの固体として得た。MS (M+H) m/z 512. 1H NMR (400MHz, DMSO- d6) δ 7.55-7.45 (m, 3 H), 7.40-7.30 (m, 1 H), 7.15 (t, 1 H), 7.01 (d, 2
H), 6.75-6.60 (m, 1 H), 6.60-6.50 (m, 1 H), 6.39 (bs, 2 H), 4.70-4.00 (m, 5 H),
3.49 (bs, 2 H), 3.10-2.95 (m, 1 H), 2.32 (bs, 2 H), 2.01 (bs, 2 H), 1.90-1.75
(m, 1 H), 1.45 (bs, 1 H).
(実施例142)
5−アミノ−1−{(3R)−1−[(2E)−ブタ−2−エノイル]ピペリジン−3−イル}−3−[4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
表題化合物は、5−アミノ−3−[4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)フェニル]−1−{(3R)−1−[(2E)−5−ヒドロキシペンタ−2−エノイル]ピペリジン−3−イル}−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例)と同様にして、(E)−ブタ−2−エン酸を用いて調製した。MS (M+H) m/z 482.
1H NMR (400MHz, DMSO-d
6) δ ppm 7.55-7.45 (m, 3 H), 7.40-7.30 (m, 1 H), 7.15 (t, 1 H), 7.02 (d,
2 H), 6.75-6.60 (m, 1 H), 6.60-6.50 (m, 1 H), 6.39 (bs, 2 H), 4.50-4.00 (m, 3
H), 3.55-3.35 (m, 1 H), 3.10-2.90 (m, 1 H), 1.97 (bs, 2 H), 1.82 (bs, 4 H),
1.45 (bs, 1 H).
(実施例143)
5−アミノ−3−[4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)フェニル]−1−{(3R)−1−[(2E)−ペンタ−2−エノイル]ピペリジン−3−イル}−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
表題化合物は、5−アミノ−3−[4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)フェニル]−1−{(3R)−1−[(2E)−5−ヒドロキシペンタ−2−エノイル]ピペリジン−3−イル}−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例)と同様にして、(E)−ペンタ−2−エン酸を用いて調製した。MS (M+H) m/z 496.
1H NMR (400MHz, DMSO-d
6) δ ppm 7.55-7.45 (m, 3 H), 7.40-7.30 (m, 1 H), 7.15 (t, 1 H), 7.02 (d,
2 H), 6.75-6.60 (m, 1 H), 6.60-6.50 (m, 1 H), 6.39 (bs, 2 H), 4.50-4.05 (m, 3
H), 3.55-3.40 (m, 0.5 H), 3.10-2.95 (m, 1 H), 2.80-2.65 (m, 0.5 H), 2.55-2.10
(m, 2 H), 1.97 (bs, 2 H), 1.90-1.80 (m, 1 H), 1.45 (bs, 1 H), 0.99 (bs, 3 H).
(実施例144)
5−アミノ−1−{(3R)−1−[(2E)−4,4−ジフルオロブタ−2−エノイル]ピペリジン−3−イル}−3−[4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
表題化合物は、5−アミノ−3−[4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)フェニル]−1−{(3R)−1−[(2E)−5−ヒドロキシペンタ−2−エノイル]ピペリジン−3−イル}−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例)と同様にして、(E)−4,4−ジフルオロブタ−2−エン酸(実施例133、ステップ3で記述されている通りに調製したもの)を用いて調製した。MS (M+H) m/z 518.
1H NMR (400MHz, DMSO-d
6) δ 7.55-7.45 (m, 3 H), 7.40-7.30 (m, 1 H), 7.23-7.11 (m, 2 H), 7.02
(d, 2 H), 6.70-6.35 (m, 4 H), 4.50-3.95 (m, 3 H), 3.53 (t, 0.5 H), 3.12 (q, 1
H), 2.81 (t, 0.5 H), 1.98 (bs, 2 H), 1.95-1.80 (m, 1 H), 1.48 (bs, 1 H).
(実施例145)
5−アミノ−3−[4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)フェニル]−1−{(3R)−1−[(2E)−4−フルオロブタ−2−エノイル]ピペリジン−3−イル}−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
表題化合物は、5−アミノ−3−[4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)フェニル]−1−{(3R)−1−[(2E)−5−ヒドロキシペンタ−2−エノイル]ピペリジン−3−イル}−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例)と同様にして、(E)−4−フルオロブタ−2−エン酸(実施例、ステップ2)を用いて調製した。MS (M+H) m/z 500.
1H NMR (400MHz, DMSO- d
6) δ 7.55-7.45 (m, 3 H), 7.40-7.30 (m, 1 H), 7.15 (t, 1 H), 7.02 (d, 2
H), 6.80-6.70 (m, 2 H), 6.39 (d, 2 H), 5.15 (d, 1 H), 5.02 (d, 1 H), 4.60-4.00
(m, 3 H), 3.48 (t, 0.5 H), 3.07 (q, 1 H), 2.76 (t, 0.5 H), 1.98 (bs, 2 H),
1.80-1.90 (m, 1 H), 1.47 (bs, 1 H).
(実施例146)
5−アミノ−3−[4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)フェニル]−1−{(3R)−1−[(2Z)−2−フルオロ−4−ヒドロキシブタ−2−エノイル]ピペリジン−3−イル}−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
ステップ1:(Z)−エチル2−フルオロブタ−2−エノエートの調製。テトラヒドロフラン(125mL)中の水素化ナトリウム(鉱物油中50%、11.3g、235.6mmol)の撹拌懸濁液に、シュウ酸ジエチル(35.4mL、259.2mmol)およびエチル2−フルオロアセテート(5g、47.1mmol)を添加した。反応が開始したら(反応混合物が還流しているのが観察されたら)、エチル2−フルオロアセテートの残余(20g、188.5mmol)をゆっくり添加し(40〜45℃を維持するため)、全反応混合物を60℃で3時間加熱した。反応混合物を室温に到達させ、0℃に冷却した。アセトアルデヒド(13.6mL、240.35mmol)を添加し、得られた混合物をゆっくり沸点(80℃)にし、追加で1時間続けた。冷却した後、これを水に注ぎ入れ、ジクロロメタンで抽出した。合わせた有機層を、5%炭酸ナトリウム水溶液、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して、表題化合物(21g、68%)を褐色液体として得た。GCMS m/z 132.
1H NMR (400MHz, CDCl
3):
6.23-6.09 (m, 1 H). 4.35 (q, 2 H), 1.79 (dd, 3 H), 1.37 (t, 3 H).
ステップ2:(Z)−エチル4−ブロモ−2−フルオロブタ−2−エノエートの調製。四塩化炭素(20mL)中の(Z)−エチル2−フルオロブタ−2−エノエート(2g、15.15mmol)の撹拌溶液に、N−ブロモコハク酸イミド(2.98g、16.66mmol)および過酸化ベンゾイル(2.5mg)を添加した。混合物を還流まで加熱し、6時間続けた。反応混合物を濾過し、濾液を濃縮した。このようにして取得された粗材料をカラムクロマトグラフィー(1%酢酸エチル/ヘキサン)によって精製して、表題化合物(0.4g、13%)を黄色液体として得た。1H NMR (400MHz, CDCl3):
6.41-6.30 (m, 1 H). 4.30 (q, 2 H), 4.05 (dd, 2 H), 1.34 (t, 3 H).
ステップ3:(Z)−エチル4−アセトキシ−2−フルオロブタ−2−エノエートの調製。N,N−ジメチルホルムアミド(25mL)中の(Z)−エチル4−ブロモ−2−フルオロブタ−2−エノエート(2.5g、11.84mmol)の撹拌溶液に、酢酸ナトリウム(1.94g、23.69mmol)を添加し、得られた溶液を70℃で6時間加熱した。反応混合物を室温に到達させ、水で希釈し、ジエチルエーテルで抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(2.5%酢酸エチル/ヘキサン)によって精製して、表題化合物(0.75g、33%)を黄色液体として得た。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 6.26-6.14 (m, 1 H). 4.79 (dd, 2 H), 4.29 (q, 2 H), 2.07 (s, 3 H),
1.34 (t, 3 H).
ステップ4:(Z)−2−フルオロ−4−ヒドロキシブタ−2−エン酸の調製。水(12mL)中の水酸化リチウム−水和物(0.99g、23.68mmol)の溶液に、テトラヒドロフラン(12mL)中の(Z)−エチル4−アセトキシ−2−フルオロブタ−2−エノエート(1.5g、7.89mmol)の溶液を添加し、室温で2.5時間撹拌した。反応混合物を2N−HClで酸性化し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して、表題化合物(0.45g、48%)を黄色固体として得た。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 13.45 (b,s, 1 H), 6.18-6.06 (m, 1 H), 5.06 (bs,1 H), 4.15 (m, 2 H).
ステップ5:5−アミノ−3−[4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)フェニル]−1−{(3R)−1−[(2Z)−2−フルオロ−4−ヒドロキシブタ−2−エノイル]ピペリジン−3−イル}−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの調製。表題化合物は、5−アミノ−3−[4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)フェニル]−1−{(3R)−1−[(2E)−5−ヒドロキシペンタ−2−エノイル]ピペリジン−3−イル}−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例)と同様にして、(Z)−2−フルオロ−4−ヒドロキシブタ−2−エン酸を用いて調製した。MS (M+H) m/z 516. 1H NMR (400MHz, DMSO- d6) δ 7.55-7.45 (m, 3 H), 7.40-7.34 (m, 1 H), 7.15 (t, 1 H), 7.01 (d, 2
H), 6.40 (bs, 2 H), 5.66-5.50 (m, 1 H), 4.97 (t, 1 H), 4.27 (bs, 1 H), 4.10 (bs,
2 H), 4.00 (br, 1 H), 3.55 (br, 1 H), 3.00 (br, 1 H), 1.98 (bs, 2 H), 1.95-1.80
(m, 1 H), 1.52 (bs, 1 H).
(実施例147)
5−アミノ−3−[4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)フェニル]−1−{(3R)−1−[(2E)−4−ヒドロキシ−4−メチルペンタ−2−エノイル]ピペリジン−3−イル}−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
ステップ1:1,1,1−トリクロロ−4−メチルペンタ−3−エン−2−オールの調製。無水N,N−ジメチルホルムアミド(80mL)中の3−メチルブタ−2−エナール(4g、47.55mmol)の撹拌溶液に、トリクロロ酢酸(11.65g、71.32mmol)およびトリクロロ酢酸ナトリウム(13.22g、71.32mmol)を室温で添加した。室温で撹拌して3時間後、反応混合物をジエチルエーテル(200mL)で希釈し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(50mL)で洗浄した。沈殿した固体を濾過し、ジエチルエーテル(3×50mL)で洗浄した。合わせた有機物を、再度飽和重炭酸ナトリウム水溶液(2×50mL)、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。溶媒を蒸発させて、表題化合物を薄黄色固体として得た。
1H NMR (400MHz, CDCl
3) δ 5.45-5.35 (m, 1 H), 4.11 (bs, 2 H), 1.73 (s, 3 H), 1.67 (s, 3 H).
ステップ2:(E)−4−ヒドロキシ−4−メチルペンタ−2−エン酸の調製。ジメトキシエタン:水(4:3、140mL)中の化合物1,1,1−トリクロロ−4−メチルペンタ−3−エン−2−オール(7g、34.39mmol)の撹拌溶液に、粉末状NaOH(8.25g、206.38mmol)を添加し、得られた混合物を室温で5分間撹拌し、次いで55℃で12時間加熱した。混合物を室温に到達させ、過剰なジメトキシエタンを減圧下で蒸発させた。残りの水性相を、2N HCl水溶液をゆっくり添加することによってpH=1に酸性化し、酢酸エチル(2×200mL)で抽出した。溶媒の蒸発、続いてシリカゲルカラムクロマトグラフィー(15%EtOAc−ヘキサン)による精製により、表題化合物を薄黄色固体として得た。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 7.12 (d, 1 H), 6.03 (d, 1 H), 1.38 (s, 6 H).
ステップ3:5−アミノ−3−[4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)フェニル]−1−{(3R)−1−[(2E)−4−ヒドロキシ−4−メチルペンタ−2−エノイル]ピペリジン−3−イル}−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの調製。表題化合物は、5−アミノ−3−[4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)フェニル]−1−{(3R)−1−[(2E)−5−ヒドロキシペンタ−2−エノイル]ピペリジン−3−イル}−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例)と同様にして、(E)−4−ヒドロキシ−4−メチルペンタ−2−エン酸を用いて調製した。MS (M+H) m/z 526. 1H NMR (400MHz, DMSO- d6) δ 7.55-7.45 (m, 3 H), 7.40-7.30 (m, 1 H), 7.15 (t, 1 H), 7.02 (d, 2
H), 6.80-6.65 (m, 1 H), 6.55-6.37 (m, 3 H), 4.83 (d, 1 H), 4.55-4.00 (m, 3 H),
3.42 (t, 0.5 H), 3.15-2.95 (m, 1 H), 2.75-2.65 (m, 0.5 H), 2.05-1.80 (m, 3 H),
1.47 (bs, 1 H), 1.20 (d, 6 H).
(実施例148)
5−アミノ−3−[4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)フェニル]−1−{(3R)−1−[(2E,4S)−4−ヒドロキシペンタ−2−エノイル]ピペリジン−3−イル}−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
ステップ1:(E)−4−オキソペンタ−2−エン酸の調製。2−オキソ酢酸(11.17g、121.45mmol)およびすりつぶしたモルホリニウム塩酸塩(15g、121.45mmol)の混合物を、アセトン(120mL)中、室温で1時間撹拌し、次いで、もう16時間加熱還流した。反応混合物を冷却し、真空下で濃縮して、過剰なアセトンを除去した。このようにして取得された粗残留物を水(100mL)に溶解し、水性相をジクロロメタン中10%IPA(5×100mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。溶媒の蒸発により、表題をオフホワイトの固体として得た。この材料をさらに精製することなく次のステップに使用した。
1H NMR (400MHz, DMSO-d
6) δ ppm 13.06 (bs, 1 H), 6.79 (d, 1 H), 6.67 (d, 1 H), 2.33 (s, 3 H).
ステップ2:(E)−4−ヒドロキシペンタ−2−エン酸の調製。10%炭酸水素カリウム水溶液(133mL)中の(E)−4−オキソペンタ−2−エン酸(7.6g、66.61mmol)の撹拌溶液に、水素化ホウ素カリウム(4.02g、74.60mmol)を4〜5℃で小分けにして添加し、得られた反応混合物を室温で4時間撹拌させた。反応混合物を0℃に冷却し、6N HCl水溶液でpH=5〜6に酸性化した。水性相をジクロロメタン中10%IPA(8×100mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。溶媒の蒸発、続いてカラムクロマトグラフィー(1.5%メタノール−ジクロロメタン)を使用する精製により、表題化合物(5g、65%)を薄黄色固体として得た。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ ppm 12.20 (bs, 1 H), 6.80 (dd, 1 H), 5.84 (dd, 1 H), 5.04 (bs, 1
H), 4.25-4.35 (m, 1 H), 1.15 (d, 3 H).
ステップ3:rac−5−アミノ−3−[4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)フェニル]−1−{(3R)−1−[(2E,4S)−4−ヒドロキシペンタ−2−エノイル]ピペリジン−3−イル}−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの調製。表題化合物は、5−アミノ−3−[4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)フェニル]−1−{(3R)−1−[(2E)−5−ヒドロキシペンタ−2−エノイル]ピペリジン−3−イル}−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例)と同様にして、(E)−4−ヒドロキシペンタ−2−エン酸を用いて調製した。MS (M+H) m/z 512. 1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ ppm 7.55-7.45 (m, 3 H), 7.40-7.30 (m, 1 H), 7.15 (t, 1 H), 7.02 (d,
2 H), 6.70-6.60 (m, 1 H), 6.60-6.50 (m, 1 H), 6.39 (bs, 2 H), 4.96 (d, 1 H),
4.55-4.00 (m, 4 H), 3.43 (t, 0.5 H), 3.10-3.05 (m, 1 H), 2.75-2.60 (m, 0.5 H),
2.00-1.75 (m, 3 H), 1.47 (bs, 1 H), 1.15 (bs, 3 H).
ステップ4:5−アミノ−3−[4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)フェニル]−1−{(3R)−1−[(2E,4S)−4−ヒドロキシペンタ−2−エノイル]ピペリジン−3−イル}−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの調製。rac−5−アミノ−3−(4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)フェニル)−1−((3R)−1−((E)−4−ヒドロキシペンタ−2−エノイル)ピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドを、超臨界流体クロマトグラフィー(キラルセルOD−H、20×250mm、5 、ヘキサン、エタノール、メタノール、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(70:20:10:0.1)、18mL/分)によってキラル分離した。第一の溶離異性体の単離により、表題化合物を得た。MS (M+H) m/z 512. 1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ ppm 7.55-7.45 (m, 3 H), 7.40-7.30 (m, 1 H), 7.15 (t, 1 H), 7.02 (d,
2 H), 6.70-6.60 (m, 1 H), 6.60-6.50 (m, 1 H), 6.39 (d, 2 H), 4.96 (d, 1 H),
4.55-4.00 (m, 4 H), 3.43 (t, 0.5 H), 3.10-3.05 (m, 1 H), 2.75-2.60 (m, 0.5 H),
2.00-1.75 (m, 3 H), 1.47 (bs, 1 H), 1.15 (bs, 3 H).
(実施例149)
5−アミノ−3−(4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)フェニル)−1−((R)−1−((R,E)−4−ヒドロキシペンタ−2−エノイル)ピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
rac−5−アミノ−3−(4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)フェニル)−1−((3R)−1−((E)−4−ヒドロキシペンタ−2−エノイル)ピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例、ステップ3で記述されている通りに調製したもの)を、超臨界流体クロマトグラフィー(キラルセルOD−H、20×250mm、5 、ヘキサン、エタノール、メタノール、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(70:20:10:0.1)、18mL/分)によってキラル分離した。第二の溶離異性体の単離により、表題化合物を得た。MS (M+H) m/z 512.
1H NMR (400MHz, DMSO-d
6) δ 7.55-7.45 (m, 3 H), 7.40-7.30 (m, 1 H), 7.15 (t, 1 H), 7.02 (d, 2
H), 6.70-6.60 (m, 1 H), 6.60-6.50 (m, 1 H), 6.39 (bs, 2 H), 4.96 (d, 1 H),
4.55-4.00 (m, 4 H), 3.43 (t, 0.5 H), 3.10-3.05 (m, 1 H), 2.75-2.60 (m, 0.5 H),
2.00-1.75 (m, 3 H), 1.47 (bs, 1 H), 1.15 (bs, 3 H).
(実施例150)
5−アミノ−3−[4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)フェニル]−1−[(3R)−1−(2−フルオロアクリロイル)ピペリジン−3−イル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
0℃のN,N−ジメチルホルムアニド(dimethylformanide)(3mL)中の(R)−5−アミノ−3−(4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)フェニル)−1−(ピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例26、ステップ1で記述されている通りに調製したもの)(200mg、0.48mmol)の溶液に、(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(235mg、0.53mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.22mL、1.21mmol)および2−フルオロアクリル酸(43.6mg、0.48mmol)を添加した。30分後、混合物を水/酢酸エチルに注ぎ入れ、層を分離した。有機層を乾燥させ(Na
2SO
4)、濃縮した。粗生成物を逆相HPLCによって精製して、表題化合物を得た。
1H NMR (600MHz, DMSO-d
6) δ ppm 1.57 (m, 1 H), 1.89 - 2.09 (m, 3 H), 2.97 (m, 0.5 H), 3.22 (m,
1 H), 3.61 (m, 0.5 H), 3.97 (m, 1 H), 4.13 - 4.42 (m, 2 H), 5.11 - 5.38 (m, 2
H), 6.45 (br. s., 2 H), 7.00 - 7.09 (m, 2 H), 7.15 - 7.24 (m, 1 H), 7.42-7.38
(m, 1 H), 7.51 - 7.59 (m, 3 H). MS (M+H) m/z 486.1.
(実施例151)
5−アミノ−3−[4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)フェニル]−1−{(3R)−1−[(2E)−4−ヒドロキシブタ−2−エノイル]ピペリジン−3−イル}−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
2mLのN,N−ジメチルホルムアミド中の、(R)−5−アミノ−3−(4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)フェニル)−1−(ピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例26、ステップ1で記述されている通りに調製したもの)(100mg、0.24mmol)、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(112mg、0.29mmol)、(E)−4−ヒドロキシブタ−2−エン酸(98mg、0.97mmol)の溶液に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.13mL、0.73mmol)を滴下添加した。溶液を室温で終夜撹拌した。反応混合物を水/酢酸エチルに注ぎ入れ、層を分離した。有機抽出物を乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、濃縮した。粗生成物を逆相HPLCによって精製して、表題化合物を得た。
1H NMR (400MHz, メタノール-d
4) δ ppm 1.64 (d, J=12.88Hz, 1
H) 1.97 (dt, J=13.64, 3.03Hz, 1 H) 2.06 - 2.25 (m, 2 H) 2.76 - 2.95 (m, 0.5 H)
3.07 - 3.24 (m, 1 H) 3.52 - 3.71 (m, 0.5 H) 4.05 - 4.30 (m, 4 H) 4.37 - 4.72
(m, 1 H) 6.56 - 6.72 (m, 1 H) 6.75 - 6.93 (m, 1 H) 6.96 - 7.08 (m, 3 H) 7.10 -
7.32 (m, 2 H) 7.50 (d, J=8.34Hz, 2 H). MS (M+H) m/z 498.2.
(実施例152)
5−アミノ−1−{(3R)−1−[(2E)−3−シアノプロパ−2−エノイル]ピペリジン−3−イル}−3−[4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
N,N−ジメチルホルムアミド(4mL)中の(R)−5−アミノ−3−(4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)フェニル)−1−(ピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例26、ステップ1で記述されている通りに調製したもの)(0.19g、0.468mmol)の溶液を、−10℃に冷却した(氷塩)。ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(228mg、0.515mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.2mL、1.17mmol)、続いて(E)−3−シアノアクリル酸(実施例、ステップ2で記述されている通りに調製したもの)(50mg、0.515mmol)を添加し、混合物を−10℃で追加で30分間撹拌した。反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。粗生成物を分取TLC(5%MeOH−ジクロロメタン)によって精製して、表題化合物(80mg、35%)をオフホワイトの固体として得た。MS (M+H) m/z 493.4.
1H NMR (400MHz, DMSO-d
6) δ 1.46 (m, 1 H), 1.82 (m, 1 H), 1.96 (m, 2 H), 2.86 (m, 0.5 H),
3.07-3.13 (m, 1 H), 3.48-3.53 (m, 0.5 H), 3.98-4.42 (m, 3 H), 6.37 (m, 2 H),
6.49 (dd, 1 H), 6.98-7.00 (m, 2 H), 7.12 (t, 1 H), 7.29-7.34 (m, 1 H),
7.42-7.48 (m, 3 H), 7.75-7.84 (m, 1 H).
(実施例153)
1−[(3R)−1−アクリロイルピペリジン−3−イル]−5−アミノ−3−{4−[(5−クロロ−3−フルオロピリジン−2−イル)オキシ]フェニル}−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
ステップ1:4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)安息香酸の調製。N,N−ジメチルホルムアミド(3.25L)中の4−ヒドロキシ安息香酸(200g、1.45mol)の撹拌溶液に、イミダゾール(595g、8.67mol)を添加し、続いてtert−ブチルジメチルシリルクロリド(327g、2.17mol)を0℃で添加した。得られた反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物をクラッシュアイス上に注ぎ、酢酸エチル(2×2L)で抽出した。合わせた有機層を、水(2×1L)、続いてブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗生成物をヘキサン中でのカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物(170g、47%)を白色固体として得た。
1H NMR (400MHz, CDCl
3):
7.96-7.98 (d, J = 8.68Hz, 2 H), 6.86-6.88 (d, J = 8.68Hz, 2 H), 0.98 (s, 9 H),
0.23 (s, 6 H).
ステップ2:2−((4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)フェニル)(メトキシ)メチレン)マロノニトリルの調製。600mLのテトラヒドロフラン中の水素化ナトリウム(60%、22.8g、0.95mol)の撹拌懸濁液に、マロノニトリル(31.4g、0.47mol、600mLのテトラヒドロフランに溶解したもの)を0℃で添加した。得られた懸濁液を0℃で1時間撹拌した。別の三口丸底フラスコに、4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)安息香酸(120g、0.47mol、1200mLのテトラヒドロフランに溶解したもの)、続いてN−メチルモルホリン(52.9mL、0.47mol)およびイソブチル−クロロホルメート(61.94mL、0.47mol、600mLのテトラヒドロフランに溶解したもの)を−30℃で投入した。得られた白色懸濁液を−30℃で1時間撹拌した。この酸塩化物懸濁液を、0℃でNaHの撹拌懸濁液にゆっくり添加した(カニューレを経由して)。得られた懸濁液を室温で3時間撹拌した。硫酸ジメチル(135.9mL、1.4mol)を懸濁液に室温で添加し、得られた反応混合物を16時間加熱還流した。反応混合物をクラッシュアイス上に注ぎ、酢酸エチル(2×2L)で抽出した。合わせた有機層を、水(2×1L)、続いてブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物(76g、61%)を薄黄色固体として得た。MS (M+H) m/z 315.6. 1H NMR (400MHz, CDCl3)
δ 7.43 (d, J =8.68Hz, 2 H), 6.95 (d, J =11.4Hz, 2 H),
3.95 (s, 3 H), 0.98 (s, 9 H), 0.24 (s, 6 H).
ステップ3:ベンジル3−(5−アミノ−3−(4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)フェニル)−4−シアノ−1H−ピラゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレートの調製。エタノール(760mL)中の2−((4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)フェニル)(メトキシ)メチレン)マロノニトリル(76g、0.24mol)の撹拌溶液に、ベンジル3−ヒドラジニルピペリジン−1−カルボキシレート(実施例1、ステップ8)(68.9g、0.24mol)を添加し、続いてトリエチルアミン(37mL、0.26mol)を室温で添加した。得られた反応混合物を16時間還流まで加熱し、次いで減圧下で濃縮した。残留物を水(500mL)で希釈し、酢酸エチル(2×500mL)で抽出した。合わせた有機層を、水(500mL)、続いてブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、表題化合物(102g、89%)をオフホワイトの固体として得た。MS (M+H) m/z 532. 1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 7.76 (d, J = 8.48Hz, 2 H), 7.31-7.38 (m, 5 H), 6.86 (d, J = 8.48Hz,
2 H), 5.10-5.18 (m, 2 H), 4.44 (m, 1 H), 4.28 (m, 1 H), 4.16 (m, 1 H), 3.82 (m,
1 H), 3.2 (m, 1 H), 2.83-2.90 (t, J = 12Hz, 1 H), 2.25 (m, 1 H), 2.09-2.12 (m,
1 H), 1.88 (m, 1 H), 0.97 (s, 9 H), 0.20 (s, 6 H).
ステップ4:ベンジル3−(5−アセトアミド−3−(4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)フェニル)−4−シアノ−1H−ピラゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレートの調製。ジクロロメタン(1.2L)中のベンジル3−(5−アミノ−3−(4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)フェニル)−4−シアノ−1H−ピラゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(120g、0.19mol)の撹拌溶液に、トリエチルアミン(133mL、0.96mol)を添加し、続いて塩化アセチル(78.5mL、1.9mol)を0℃で滴下添加した。得られた反応混合物を0℃で30分間、次いで室温で16時間撹拌した。反応混合物を冷水(500mL)で希釈した。得られた水性層をジクロロメタン(2×500mL)で抽出した。合わせた有機層を、水(500mL)、続いてブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(30%酢酸エチル/ヘキサン)によって精製して、表題化合物(100g)を得た。MS (M+H) m/z 574. 1H NMR (400MHz, CDCl3)
δ 7.79 (d, J = 8.48Hz, 2 H), 7.33 (m, 5 H), 6.88 (d, J
= 8.48Hz, 2 H), 5.11 (s, 2 H), 4.03-4.24 (m, 3 H), 3.31-3.32 (m, 2 H), 2.90 (t,
J = 12Hz, 1 H), 2.21 (m, 5 H), 1.88 (m, 1 H), 0.97 (s, 9 H), 0.20 (s, 6 H).
ステップ5:ベンジル3−(5−アセトアミド−4−シアノ−3−(4−ヒドロキシフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレートの調製。メタノール:水(4:1、2.8L)中のベンジル3−(5−アセトアミド−3−(4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)フェニル)−4−シアノ−1H−ピラゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(165g、0.35mol)の撹拌溶液に、LiOH・H2O(43.8g、1.04mol)を0℃で添加した。得られた反応混合物を0℃で2時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、残留物を水(1L)に溶解し、1N HCl(1.8L)でpH6.5に中和した。沈殿した固体を濾過し、水(500mL×2)、続いてヘキサンで洗浄し、真空下で乾燥させた。固体を酢酸エチル(1L)に溶解し、水(2×500mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、表題化合物(104g)をオフホワイトの固体として得た。MS (M+H) m/z 460. 1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 10.48 (s, 1 H), 9.83 (s, 1 H), 7.67 (d, J = 8.48Hz, 2 H),
7.33 (m, 5 H), 6.87 (d, J = 8.48Hz, 2 H), 5.06 (s, 2 H), 4.23 (bs, 1 H), 4.05
(m, 1 H), 3.90 (m, 1 H), 3.00 (t, J = 11.0Hz, 1 H), 2.17 (s, 3 H), 2.0 (m, 1
H), 1.87 (m, 1 H), 1.51 (m, 1 H).
ステップ6:(R)−ベンジル3−(5−アセトアミド−4−シアノ−3−(4−ヒドロキシフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレートの調製。rac−ベンジル3−(5−アセトアミド−4−シアノ−3−(4−ヒドロキシフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレートを、超臨界流体クロマトグラフィー(キラルパックAS−H、50×250mm、86/14、CO2/メタノール、23mL/分流速)によってキラル分離した。第一の溶離異性体の単離により、表題化合物を得た。
ステップ7:(R)−ベンジル3−(5−アセトアミド−3−(4−((5−クロロ−3−フルオロピリジン−2−イル)オキシ)フェニル)−4−シアノ−1H−ピラゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレートの調製。DMSO(7.25mL)中の、(R)−ベンジル3−(5−アセトアミド−4−シアノ−3−(4−ヒドロキシフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(1g、2.2mmol)、炭酸セシウム(1.06g、3.3.mol)、5−クロロ−2,3−ジフルオロピリジン(369mg、2.4mmol)の溶液を、80℃に3時間加熱した。反応混合物を、水と酢酸エチルとに分配した。有機層を乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ジクロロメタン)によって精製して、0.86gの表題化合物を得た。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ ppm 10.57 (br. s., 1 H), 8.26 (dd, J=9.85, 2.20Hz, 1 H), 8.10 (d,
J=2.26Hz, 1 H), 7.84 - 7.91 (m, 2 H), 7.25 - 7.42 (m, 7 H), 5.07 (br. s., 2 H),
4.30 (br. s., 1 H), 4.04 - 4.15 (m, 1 H), 3.90 (br. s., 1 H), 3.04 (t,
J=11.04Hz, 1 H), 2.15 (br. s., 3 H), 2.04 (d, J=5.02Hz, 2 H), 1.89 (br. s., 1
H), 1.46 - 1.61 (m, 1 H)
ステップ8:(R)−5−アミノ−3−(4−((5−クロロ−3−フルオロピリジン−2−イル)オキシ)フェニル)−1−(ピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの調製。(R)−ベンジル3−(5−アセトアミド−3−(4−((5−クロロ−3−フルオロピリジン−2−イル)オキシ)フェニル)−4−シアノ−1H−ピラゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(860mg、1.46mmol)を80%硫酸(20mL)に溶解し、室温で18時間撹拌した。反応混合物を氷に注ぎ入れ、濃水酸化アンモニウムを、pHが10に到達するまでゆっくり添加した。混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、濃縮して、表題化合物を得た。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.25 (dd, J=9.9, 2.1Hz, 1 H), 8.08 (d, J=2.3Hz, 1 H), 7.51 -
7.56 (m, 2 H), 7.24 - 7.29 (m, 2 H), 7.06 (m, 2 H), 6.31 (s, 2 H), 4.03 - 4.13
(m, 2 H), 3.00 (dd, J=11.7, 3.5Hz, 1 H), 2.87 (d, J=12.1Hz, 1 H), 2.74 - 2.83
(m, 1 H), 2.36 - 2.47 (m, 1 H), 1.85 - 1.95 (m, 2 H), 1.70 (m, 1 H), 1.43 -
1.57 (m, 1 H)
ステップ9:1−[(3R)−1−アクリロイルピペリジン−3−イル]−5−アミノ−3−{4−[(5−クロロ−3−フルオロピリジン−2−イル)オキシ]フェニル}−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの調製。ジイソプロピルアミン(0.61mL、3.5mmol)を、N,N−ジメチルホルムアミド(10mL)中の、(R)−5−アミノ−3−(4−((5−クロロ−3−フルオロピリジン−2−イル)オキシ)フェニル)−1−(ピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(600mg、1.4mmol)、(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(691mg、1.5mmol)およびアクリル酸(0.11mL、1.5mmol)の溶液に添加した。反応混合物を室温で30分間撹拌し、次いで逆相HPLCによって精製して、表題化合物を得た。MS (M+H) m/z 485. 1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.25 (dd, J=9.91, 2.26Hz, 1 H), 8.09 (d, J=2.26Hz, 1 H), 7.55
(d, J=6.27Hz, 2 H), 7.24 - 7.29 (m, 2 H), 6.77 - 6.91 (m, 1 H), 6.40 (br. s., 2
H), 6.05 - 6.18 (m, 1 H), 5.61 - 5.74 (m, 1 H), 4.52 (d, J=10.04Hz, 1 H), 4.01
- 4.38 (m, 2 H), 3.43 - 3.53 (m, 1 H), 3.01 - 3.13 (m, 1 H), 2.72 - 2.79 (m, 1
H), 1.81 - 2.05 (m, 3 H), 1.47 (br. s., 1 H).
(実施例154)
5−アミノ−3−{4−[(5−クロロ−3−フルオロピリジン−2−イル)オキシ]フェニル}−1−{(3R)−1−[(2E)−4−ヒドロキシブタ−2−エノイル]ピペリジン−3−イル}−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
N,N−ジメチルホルムアミド(2mL)中の(R)−5−アミノ−3−(4−((5−クロロ−3−フルオロピリジン−2−イル)オキシ)フェニル)−1−(ピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの溶液を0℃に冷却し、(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(265mg、0.6mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.21mL、1.2mmol)および(E)−4−ヒドロキシブタ−2−エン酸(61.3mg、0.6mmol)を添加した。30分後、反応物を水/酢酸エチルに注ぎ入れ、層を分離した。有機層を乾燥させ(Na
2SO
4)、溶媒を除去した。粗生成物を逆相HPLCによって精製して、表題化合物(50mg)を得た。MS (M+H) m/z 515.
(実施例155)
5−アミノ−3−{4−[(5−クロロ−3−フルオロピリジン−2−イル)オキシ]フェニル}−1−{(3R)−1−[(2E)−4,4−ジフルオロブタ−2−エノイル]ピペリジン−3−イル}−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(274mg、0.62mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.24mL、1.4mmol)および(E)−4,4−ジフルオロブタ−2−エノイック(enoic)(実施例133、ステップ3で記述されている通りに調製したもの)(100mg、0.82mmol)を、N,N−ジメチルホルムアミド(4mL)中の(R)−5−アミノ−3−(4−((5−クロロ−3−フルオロピリジン−2−イル)オキシ)フェニル)−1−(ピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(0.32g、0.745mmol)の溶液に−10℃で添加した。15分後、反応物を水/酢酸エチルで希釈した。層を分離し、有機抽出物をブラインで洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(3.5%MeOH/ジクロロメタン)によって精製して、表題化合物(120mg、30%)を得た。
1H NMR (400MHz, DMSO-d
6) δ 1.49 (m, 1 H), 1.87-2.32 (m, 3 H), 2.83 (t, 0.5 H), 3.09-3.17 (m, 1
H), 3.52-3.58 (m, 0.5 H), 3.99-4.49 (m, 3 H), 6.39 6.68 (m, 4 H), 7.13-7.21 (m,
1 H), 7.27 (d, 2 H), 7.53-7.56 (m, 2 H), 8.08 (d, 1 H), 8.25 (dd, 1 H).
MS (M+H) m/z 535.
(実施例156)
5−アミノ−3−{4−[(5−クロロ−3−フルオロピリジン−2−イル)オキシ]フェニル}−1−{(3R)−1−[(2E)−4−フルオロブタ−2−エノイル]ピペリジン−3−イル}−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
表題化合物は、5−アミノ−3−{4−[(5−クロロ−3−フルオロピリジン−2−イル)オキシ]フェニル}−1−{(3R)−1−[(2E)−4,4−ジフルオロブタ−2−エノイル]ピペリジン−3−イル}−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例)と同様にして、(E)−4−フルオロブタ−2−エン酸(実施例、ステップ2で記述されている通りに調製したもの)を用いて調製した。
1H NMR (400MHz, DMSO-d
6) δ 8.24 (dd, 1 H), 8.08 (d, 1 H), 7.55 (d, 2 H), 7.27 (d, 2 H),
6.67-6.77 (m, 2 H), 6.38 (br s, 2 H), 5.10 (dd, 2 H), 4.18-4.52 (m, 2 H), 4.05
(m, 1 H), 3.52 (t, 0.5 H), 3.04-3.12 (m, 1 H), 2.79 (t, 0.5 H), 1.84-1.99 (m, 2
H), 1.48 (m, 1 H). MS (M+H) m/z 517.
(実施例157)
1−[(3R)−1−アクリロイルピペリジン−3−イル]−5−アミノ−3−{4−[(5−クロロピリジン−2−イル)オキシ]フェニル}−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
ステップ1:(R)−ベンジル3−(5−アセトアミド−3−(4−((5−クロロピリジン−2−イル)オキシ)フェニル)−4−シアノ−1H−ピラゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレートの調製。5−クロロ−2−フルオロピリジン(237mg、1.80mmol)およびCs
2CO
3(1.95g、5.99mmol)を、N,N−ジメチルホルムアミド(1mL)中の(R)−ベンジル3−(5−アセトアミド−4−シアノ−3−(4−ヒドロキシフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(実施例、ステップ6で記述されている通りに調製したもの)(500mg、1.20mmol)の溶液に添加した。次いで、反応混合物を、マイクロ波条件下、100℃に30分間加熱し、その後、これを水で希釈し、酢酸エチル(3×5mL)中に抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物(300mg、44%)を得た。
1H NMR (400MHz, CDCl
3) δ ppm 8.10 - 8.18 (m, 1 H), 7.93 (d, J=8.78Hz, 2 H), 7.66 (dd,
J=8.66, 2.64Hz, 1 H), 7.33 (s, 5 H), 7.11 - 7.20 (m, 2 H), 6.90 (d, J=8.78Hz, 1
H), 5.12 (s, 2 H), 4.27 (d, J=11.04Hz, 1 H), 4.08 - 4.20 (m, 2 H), 3.18 - 3.43
(m, 1 H), 2.91 (t, J=11.92Hz, 1 H), 2.21 (s, 2 H), 1.83 - 1.95 (m, 1 H), 1.48 -
1.68 (m, 1 H).
ステップ2:(R)−5−アミノ−3−(4−((5−クロロピリジン−2−イル)オキシ)フェニル)−1−(ピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの調製。(R)−ベンジル3−(5−アセトアミド−3−(4−((5−クロロピリジン−2−イル)オキシ)フェニル)−4−シアノ−1H−ピラゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(300mg、0.53mmol)を、濃硫酸の撹拌溶液(6mL)に0℃で10分間かけて小分けにして添加した。次いで、反応混合物を30℃で16時間かけて撹拌させ、その後、これを0℃に冷却した。濃水酸化アンモニウムを、温度が5℃を超えないことを確実にしながら、pH=7になるまで慎重に添加した。次いで、混合物を酢酸エチル(3×5mL)で抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空で濃縮して、表題化合物を得た。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ ppm: 8.19 - 8.27 (m, 1 H), 7.91 - 8.02 (m, 1 H), 7.48 - 7.56 (m, 2
H), 7.19 - 7.22 (m, 2 H), 7.16 (s, 1 H), 6.32 (s, 2 H), 4.03 - 4.16 (m, 1 H),
3.31 (br. s., 1 H), 3.01 (dd, J=11.8, 3.5Hz, 1 H), 2.87 (d, J=12.3Hz, 1 H),
2.79 (dd, J=11.5, 10.3Hz, 1 H), 2.38 - 2.48 (m, 1 H), 1.81 - 1.96 (m, 2 H),
1.71 (d, J=13.1Hz, 1 H), 1.42 - 1.57 (m, 1 H).
ステップ3:1−[(3R)−1−アクリロイルピペリジン−3−イル]−5−アミノ−3−{4−[(5−クロロピリジン−2−イル)オキシ]フェニル}−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの調製。表題化合物は、1−[(3R)−1−アクリロイルピペリジン−3−イル]−5−アミノ−3−{4−[(5−クロロ−3−フルオロピリジン−2−イル)オキシ]フェニル}−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例)と同様にして、(R)−5−アミノ−3−(4−((5−クロロピリジン−2−イル)オキシ)フェニル)−1−(ピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドを用いて調製して、表題化合物を得た。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.30 (d, J=2.34Hz, 1 H), 8.04 (dd, J=8.59, 2.73Hz, 1 H), 7.53 -
7.65 (m, 2 H), 7.28 (d, J=8.20Hz, 2 H), 7.21 (d, J=8.59Hz, 1 H), 6.79 - 6.98
(m, 1 H), 6.41 - 6.49 (m, 2 H), 6.06 - 6.26 (m, 1 H), 5.60 - 5.80 (m, 1 H),
4.05 - 4.61 (m, 3 H), 3.47 - 3.60 (m, 0.5 H), 3.05 - 3.20 (m, 1 H), 2.71 - 2.87
(m, 0.5 H), 1.83 - 2.12 (m, 3 H), 1.54 (br. s., 1 H). MS (M+H) m/z 467.
(実施例158)
5−アミノ−3−{4−[(5−クロロピリジン−2−イル)オキシ]フェニル}−1−{(3R)−1−[(2E)−4−ヒドロキシブタ−2−エノイル]ピペリジン−3−イル}−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
表題化合物は、5−アミノ−3−{4−[(5−クロロ−3−フルオロピリジン−2−イル)オキシ]フェニル}−1−{(3R)−1−[(2E)−4−ヒドロキシブタ−2−エノイル]ピペリジン−3−イル}−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例)と同様にして、(R)−5−アミノ−3−(4−((5−クロロピリジン−2−イル)オキシ)フェニル)−1−(ピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例、ステップ2で記述されている通りに調製したもの)を用いて調製して、表題化合物を得た。
1H NMR (400MHz, DMSO-d
6) δ ppm 8.30 (d, J=2.34Hz, 1 H), 8.04 (dd, J=8.59, 2.73Hz, 1 H), 7.53 -
7.65 (m, 2 H), 7.28 (d, J=8.20Hz, 2 H), 7.21 (d, J=8.59Hz, 1 H), 6.79 - 6.98
(m, 1 H), 6.41 - 6.49 (m, 2 H), 6.06 - 6.26 (m, 1 H), 5.60 - 5.80 (m, 1 H),
4.05 - 4.61 (m, 3 H), 3.47 - 3.60 (m, 0.5 H), 3.05 - 3.20 (m, 1 H), 2.71 - 2.87
(m, 0.5 H), 1.83 - 2.12 (m, 3 H), 1.54 (br. s., 1 H). MS (M+H) m/z 467.
(実施例159)
5−アミノ−3−{4−[(5−クロロピリジン−2−イル)オキシ]フェニル}−1−{(3R)−1−[(2E)−4,4−ジフルオロブタ−2−エノイル]ピペリジン−3−イル}−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
表題化合物は、5−アミノ−3−{4−[(5−クロロ−3−フルオロピリジン−2−イル)オキシ]フェニル}−1−{(3R)−1−[(2E)−4,4−ジフルオロブタ−2−エノイル]ピペリジン−3−イル}−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例)と同様にして、(R)−5−アミノ−3−(4−((5−クロロピリジン−2−イル)オキシ)フェニル)−1−(ピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例、ステップ2で記述されている通りに調製したもの)を用いて調製して、表題化合物を得た。
1H NMR (400MHz, DMSO-d
6) δ 8.23 (d, 1 H), 7.99 (dd, 1 H), 7.53 (t, 2 H), 7.21 (d, 2 H), 7.18
(m, 1 H), 7.15 (d, 1 H), 6.52-6.60 (m, 2 H), 6.37-6.42 (m, 2 H), 4.19-4.49 (m,
2 H), 3.99-4.08 (m, 1 H), 3.55 (dd, 0.5 H), 3.05-3.17 (m, 1 H), 2.86 (m, 0.5
H), 1.99 (m, 2 H), 1.86-1.90 (m, 1 H), 1.50 (m, 1 H). MS (M+H) m/z 517.
(実施例160)
5−アミノ−3−{4−[(5−クロロピリジン−2−イル)オキシ]フェニル}−1−{(3R)−1−[(2E)−4,4−ジフルオロブタ−2−エノイル]ピペリジン−3−イル}−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
表題化合物は、5−アミノ−3−{4−[(5−クロロ−3−フルオロピリジン−2−イル)オキシ]フェニル}−1−{(3R)−1−[(2E)−4−フルオロブタ−2−エノイル]ピペリジン−3−イル}−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例)と同様にして、(R)−5−アミノ−3−(4−((5−クロロピリジン−2−イル)オキシ)フェニル)−1−(ピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例、ステップ2で記述されている通りに調製したもの)を用いて調製して、表題化合物を得た。
1H NMR (400MHz, DMSO-d
6) δ 8.23 (d, 1 H), 7.98 (dd, 1 H), 7.54 (d, 2 H), 7.21 (d, 2 H), 7.15
(d, 1 H), 6.74 (d, 2 H), 6.40 (d, 2 H), 5.10 (dd, 2 H), 4.18-4.52 (m, 2 H),
4.06 (m, 1 H), 3.51 (t, 0.5 H), 3.08 (q, 1 H), 2.79 (t, 0.5 H), 1.99 (m, 2 H),
1.86 (d, 1 H), 1.48 (m, 1 H). MS (M+H) m/z 499.
(実施例161)
1−[(3R)−1−アクリロイルピペリジン−3−イル]−5−アミノ−3−(4−{[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
ステップ1:(R)−ベンジル3−(5−アセトアミド−4−シアノ−3−(4−((6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)オキシ)フェニル)−1H−ピラゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレートの調製。2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ピリジン(11.4g、62.6mmol)およびCs
2CO
3(55.6g、171mmol)を、DMSO(60mL)中の(R)−ベンジル3−(5−アセトアミド−4−シアノ−3−(4−ヒドロキシフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(実施例、ステップ6で記述されている通りに調製したもの)(26.2g、56.9mmol)の溶液に添加した。反応混合物を110℃に3時間加熱し、次いで室温に冷却させた。混合物を水/酢酸エチルに注ぎ入れ、層を分離した。有機層を乾燥させ(Na
2SO
4)、溶媒を蒸発させて、表題化合物を得た。
1H NMR (400MHz, DMSO-d
6) δ ppm 8.16 (t, J=7.91Hz, 1 H), 7.85 - 7.95 (m, 2 H), 7.68 (d,
J=7.28Hz, 1 H), 7.23 - 7.44 (m, 8 H), 5.07 (br. s., 2 H), 4.30 (br. s., 1 H),
4.09 (d, J=12.05Hz, 1 H), 3.91 (br. s., 1 H), 3.41 (s, 1 H), 3.04 (t,
J=10.67Hz, 1 H), 1.82 - 2.19 (m, 7 H), 1.54 (br. s., 1 H). MS (M+H) m/z
605.4.
ステップ2:(R)−5−アミノ−1−(ピペリジン−3−イル)−3−(4−((6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)オキシ)フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの調製。(R)−ベンジル3−(5−アセトアミド−4−シアノ−3−(4−((6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)オキシ)フェニル)−1H−ピラゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(26g、43mmol)を含有する丸底フラスコに、80%硫酸(160mL)を室温でゆっくり滴下添加した。添加が完了した後、反応物を40℃に3時間加温した。次いで、混合物を0℃に冷却し、氷を混合物に添加した。次いで、溶液を、濃水酸化アンモニウムをゆっくり添加することによって中和した。得られた懸濁液を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮して、表題化合物を得た。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.15 (t, J=8.00Hz, 1 H), 7.68 (d, J=7.41Hz, 1 H), 7.54 - 7.61
(m, 2 H), 7.34 - 7.40 (m, 1 H), 7.25 - 7.31 (m, 2 H), 7.03 - 7.20 (m, 2 H),
6.35 (s, 2 H), 4.09 - 4.18 (m, 1 H), 3.72 - 3.90 (m, 1 H), 3.03 (dd, J=11.71,
3.90Hz, 1 H), 2.77 - 2.93 (m, 2 H), 2.37 - 2.50 (m, 1 H), 1.88 - 1.98 (m, 2 H),
1.68 - 1.77 (m, 1 H), 1.45 - 1.58 (m, 1 H). MS (M+H) m/z 447.3.
ステップ3:1−[(3R)−1−アクリロイルピペリジン−3−イル]−5−アミノ−3−(4−{[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの調製。(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(5.45g、12.3mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(5.10mL、28.0mmol)、次いでアクリル酸(0.85mL、12.3mmol)を、N,N−ジメチルホルムアミド(35mL)中の(R)−5−アミノ−1−(ピペリジン−3−イル)−3−(4−((6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)オキシ)フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(5.0g、11.2mmol)の溶液に0℃で添加した。15分後、反応混合物を水/酢酸エチルに注ぎ入れ、層を分離した。有機層を乾燥させ(Na2SO4)、濃縮した。粗生成物を逆相HPLCによって精製して、表題化合物を得た。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.15 (t, J=8.00Hz, 1 H), 7.49 - 7.77 (m, 3 H), 7.19 - 7.44 (m,
3 H), 6.73 - 7.02 (m, 1 H), 6.42 (br. s., 2 H), 6.13 (t, J=19.51Hz, 1 H), 5.55
- 5.80 (m, 1 H), 3.90 - 4.69 (m, 3 H), 3.50 (d, J=11.32Hz, 1 H), 2.98 - 3.21
(m, 1 H), 2.76 (br. s., 1 H), 2.02 (br. s., 1 H), 1.87 (d, J=12.10Hz, 1 H),
1.23 - 1.60 (m, 1 H). MS (M+H) m/z 501.3.
(実施例162)
5−アミノ−1−{(3R)−1−[(2E)−4−ヒドロキシブタ−2−エノイル]ピペリジン−3−イル}−3−(4−{[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.13mL、0.72mmol)を、DMF(2mL)中の、(R)−5−アミノ−1−(ピペリジン−3−イル)−3−(4−((6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)オキシ)フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例、ステップ2で記述されている通りに調製したもの)(108mg、0.24mmol)、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(112mg、0.29mmol)および(E)−4−ヒドロキシブタ−2−エン酸(98.7mg、0.96mmol)の溶液に滴下添加した。14時間後、反応物を水/酢酸エチルに注ぎ入れ、層を分離した。有機層を乾燥させ(Na
2SO
4)、濃縮した。粗生成物を逆相HPLCによって精製して、表題化合物を得た。
1H NMR (600MHz, DMSO-d
6) δ ppm 7.71 (d, J=7.47Hz, 1 H), 7.63 (d, J=8.35Hz, 2 H), 7.41 (d,
J=8.35Hz, 1 H), 7.28 - 7.35 (m, 2 H), 6.71 - 6.85 (m, 2 H), 6.65 (t, J=13.62Hz,
1 H), 6.46 (d, J=14.50Hz, 2 H), 4.97 - 5.10 (m, 1 H), 4.59 (br. s., 1 H), 4.44
(br. s., 1 H), 4.04 - 4.32 (m, 4 H), 3.56 (br. s., 1 H), 3.12 (d, J=12.74Hz, 1
H), 2.73 (br. s., 1 H), 1.96 - 2.11 (m, 1 H), 1.90 (br. s., 1 H), 1.53 (br. s.,
1 H). MS (M+H) m/z 531.1.
(実施例163)
5−アミノ−1−{(3R)−1−[(2E)−4,4−ジフルオロブタ−2−エノイル]ピペリジン−3−イル}−3−(4−{[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(163.4mg、0.37mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.15mL、0.85mmol)および(E)−4,4−ジフルオロブタ−2−エン酸(実施例133、ステップ3で記述されている通りに調製したもの)(45mg、0.37mmol)を、N,N−ジメチルホルムアミド(3mL)中の(R)−5−アミノ−1−(ピペリジン−3−イル)−3−(4−((6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)オキシ)フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例、ステップ2で記述されている通りに調製したもの)(150mg、0.34mmol)の溶液に添加した。30分後、反応物を水/酢酸エチルに注ぎ入れた。層を分離し、有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(3%MeOH/ジクロロメタン)によって精製して、表題化合物(70mg、38%)を得た。
1H NMR (400MHz, DMSO-d
6) δ ppm 8.13 (t, 1 H), 7.66 (d, 1 H), 7.56 (t, 2 H), 7.36 (d, 1 H),
7.27 (d, 2 H), 7.13-7.25 (m, 1 H), 6.30-6.80 (m, 4 H), 3.95-4.55 (m, 3 H), 3.57
(dd, 0.5 H), 3.14 (t, 1 H), 2.78 (m, 0.5 H), 2.07 (bs, 2 H), 1.75-1.95 (m, 1
H), 1.49 (bs, 1 H). MS (M+H) m/z 551.
(実施例164)
5−アミノ−1−{(3R)−1−[(2E)−4−フルオロブタ−2−エノイル]ピペリジン−3−イル}−3−(4−{[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
表題化合物を、5−アミノ−1−{(3R)−1−[(2E)−4,4−ジフルオロブタ−2−エノイル]ピペリジン−3−イル}−3−(4−{[6−(トリフルオロメチル)−ピリジン−2−イル]オキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例)と同様にして、(E)−4−フルオロブタ−2−エン酸(実施例、ステップ2で記述されている通りに調製したもの)を用いて調製して、表題化合物を得た。
1H NMR (400MHz, DMSO-d
6) δ ppm 1.48 (bs, 1 H), 1.80-1.90 (m, 1 H), 1.99 (bs, 2 H), 2.76 (t,
0.5 H), 3.08 (t, 1 H), 3.52 (t, 0.5 H), 4.00-4.60 (m, 3 H), 5.04 (d, 1 H), 5.15
(d, 1 H), 6.40 (bs, 2 H), 6.65-6.80 (m, 2 H), 7.27 (d, 2 H), 7.36 (d, 1 H),
7.57 (d, 2 H), 7.66 (d, 1 H), 8.13 (t, 1 H). MS (M+H) m/z 533.
(実施例165)
5−アミノ−1−[(3R)−1−(2−フルオロアクリロイル)ピペリジン−3−イル]−3−(4−{[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(218mg、0.49mmol)、ジイソプロピルアミン(0.2mL、1.12mmol)および2−フルオロアクリル酸(40.3mg、0.45mmol)を、N,N−ジメチルホルムアミド(3mL)中の(R)−5−アミノ−1−(ピペリジン−3−イル)−3−(4−((6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)オキシ)フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例、ステップ2で記述されている通りに調製したもの)(200mg、0.45mmol)の溶液に0℃で添加した。30分後、混合物を水/酢酸エチルに注ぎ入れ、層を分離した。有機層を乾燥させ(Na
2SO
4)、濃縮した。粗生成物を逆相HPLCによって精製して、表題化合物を得た。
1H NMR (600MHz, DMSO-d
6) δ ppm 8.18 (t, J=7.69Hz, 1 H), 7.70 (d, J=7.47Hz, 1 H), 7.62 (d,
J=8.35Hz, 2 H), 7.41 (d, J=8.35Hz, 1 H), 7.27 - 7.34 (m, 2 H), 6.45 (s, 2 H),
5.31 (br. s., 1 H), 5.11 - 5.26 (m, 2 H), 4.10 - 4.44 (m, 3 H), 3.79 - 4.06 (m,
1 H), 3.66 (m, 1 H), 3.26 (m, 1 H), 2.96 (m., 1 H), 2.07 (m, 1 H), 1.95 (d,
J=12.30Hz, 1 H), 1.58 (m, 1 H). MS (M+H) m/z 519.1.
(実施例166)
5−アミノ−1−{(3R)−1−[(2E)−3−シアノプロパ−2−エノイル]ピペリジン−3−イル}−3−(4−{[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
表題化合物は、5−アミノ−1−{(3R)−1−[(2E)−4,4−ジフルオロブタ−2−エノイル]ピペリジン−3−イル}−3−(4−{[6−(トリフルオロメチル)−ピリジン−2−イル]オキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(実施例)と同様にして、(E)−3−シアノアクリル酸(実施例、ステップ2で記述されている通りに調製したもの)を用いて調製して、表題化合物を得た。
1H NMR (400MHz, DMSO-d
6) δ ppm 8.14 (t, 1 H), 7.83 (t, 1 H), 7.66 (d, 1 H), 7.55-7.58 (m, 2
H), 7.36 (d, 1 H), 7.26-7.29 (m, 2 H), 6.52 (dd, 1 H), 6.37-6.41 (m, 2 H),
4.07-4.48 (m, 3 H), 3.58 (dd, 0.5 H), 3.14-3.20 (m, 1 H), 2.90 (t, 0.5 H), 2.01
(m, 2 H), 1.85 (m, 1 H), 1.49 (m, 1 H). MS (M+H) m/z 526.4.
(実施例167)
インビトロ薬理学
ヒトBTKランタスクリーンアッセイ
TR−FRETランタスクリーンアッセイは、阻害剤濃度の希釈系列を、50μMのATP、100nMのFAM−Srctideペプチド基質(5FAM−GEEPLYWSFPAKKK−NH2、配列番号:1、分子素子、RP7595)および70pMのヒト完全長BTKキナーゼ(Sf9昆虫細胞において発現され、社内で精製したもの)とともにインキュベートすることによって実施した。阻害剤を酵素とともに60分間プレインキュベートしておよびせずにアッセイを実施した後、ATPおよびペプチド基質を添加することによってキナーゼ反応を開始した。最大反応程度を決定するために、酵素を含有するが阻害剤を含有しない試料を含めた。酵素を含有しない試料は、陰性対照として役立てた。キナーゼ反応混合物を室温で60分間インキュベートした後、15mMのEDTAの添加によってキナーゼ活性を停止した。BTKによるペプチドリン酸化の程度は、テルビウムコンジュゲートしている抗ホスホ−チロシン抗体(Tb−PT66抗体、Invitrogen PV3557番)を使用して検出した。ペプチド基質のリン酸化は、520/495nmの比をEnvisionマルチラベルリーダー(Perkin Elmer)で決定することによって測定し、IC50値は、XLFit4(IDBS)を使用する4パラメーター方程式にデータを当てはめることによって算出した。
ヒト初代B細胞増殖アッセイ
ヒトB細胞を、ヒトB細胞RosetteSepキットをメーカーの指示に従って使用して、軟膜から精製した。精製した細胞を、RPMI−10%HIFCS、2mMのL−グルタミン、100U/mLのペニシリン、100μg/mlのストレプトマイシンに再懸濁し、化合物とともに37℃で1時間インキュベートし、次いで、50μg/mLの抗ヒトIgM F(ab’)2で72時間刺激した。最後の8〜16時間、3H−チミジンを培養培地中に含めた。細胞を収穫し、3H−チミジン組み込みを測定した。阻害は、DMSO+50μg/mlの抗ヒトIgM F(ab’)2刺激B細胞を0%阻害対照として、DMSO+アッセイ緩衝液刺激B細胞を100%阻害対照として使用して算出した。
ヒト初代T細胞増殖アッセイ
ヒトCD4+T細胞を、ヒト細胞RosetteSep CD4+T細胞キットをメーカーの指示に従って使用して、軟膜から精製した。精製した細胞を、RPMI−10%HIFCS、2mMのL−グルタミン、100U/mLのペニシリン、100μg/mlのストレプトマイシンに再懸濁し、96ウェル丸底プレート中、200,000細胞/ウェルでプレーティングし、化合物とともに37℃で1時間インキュベートし、次いで、同数の抗CD3/抗CD28コーティングビーズ(Invitrogen)で72時間刺激した。最後の8〜16時間、3H−チミジンを培養培地中に含めた。細胞を収穫し、3H−チミジン組み込みを測定した。阻害は、DMSO+ビーズ刺激CD4+T細胞を0%阻害対照として、DMSO+アッセイ緩衝液刺激CD4+T細胞を100%阻害対照として使用して算出した。
ヒトB細胞増殖アッセイ
ヒトB細胞を、ヒトB細胞RosetteSepキットをメーカーの指示に従って使用して、軟膜から精製した。精製した細胞を、RPMI−10%HIFCS、2mMのL−グルタミン、100U/mLのペニシリン、100μg/mlのストレプトマイシンに再懸濁し、化合物とともに37℃で1時間インキュベートし、次いで、50μg/mLの抗ヒトIgM F(ab’)2で72時間刺激した。最後の8〜16時間、3H−チミジンを培養培地中に含めた。細胞を収穫し、3H−チミジン組み込みを測定した。阻害は、DMSO+50μg/mlの抗ヒトIgM F(ab’)2刺激B細胞を0%阻害対照として、DMSO+アッセイ緩衝液刺激B細胞を100%阻害対照として使用して算出した。
ヒト全血ヒスタミンアッセイ
ヘパリン化ヒト全血(200μl)を、96ウェルV底アッセイプレート(VWR)中でプレーティングした。100%DMSO(1μl)中で希釈した化合物を添加し、37℃で120分間インキュベートした。抗ヒトIgE抗体(KPL)を2μg/mlの最終濃度まで添加し、アッセイプレートを37℃で30分間インキュベートした。プレートを2000rpmで8分間回転させ、ELISAキット(Beckman Coulter)によってヒスタミン放出について分析した。試験した各阻害剤について、ヒスタミン放出の阻害を、式:対照の%=100×(A−B)/(C−B)[式中、Aは、阻害剤および抗IgE抗体を含有するウェルからのヒスタミンであり、Bは、抗IgE抗体のないウェルからのヒスタミン(最小ヒスタミン)であり、Cは、抗IgE抗体を含有するが阻害剤を含有しないウェルからのヒスタミン(最大)である]に基づき、対照ヒスタミンのパーセンテージとして正規化する。阻害曲線およびIC50値は、エクセルフィッティングを使用して決定する。
ヒトEGFRランタスクリーン選択性アッセイ
TR−FRETランタスクリーンアッセイは、阻害剤濃度の希釈系列を、20μMのATP、100nMのペプチド基質(FITC−C6−KKAEEEEYFELVAKK−NH2(配列番号:2、American Peptide、333778番)および600pMのヒトEGFRキナーゼドメイン(Invitrogen)とともにインキュベートすることによって実施した。阻害剤を酵素とともに60分間プレインキュベートしておよびせずにアッセイを実施した後、ATPおよびペプチド基質を添加することによってキナーゼ反応を開始した。最大反応程度を決定するために、酵素を含有するが阻害剤を含有しない試料を含めた。酵素を含有しない試料は、陰性対照として役立てた。キナーゼ反応混合物を室温で60分間インキュベートした後、15mMのEDTAの添加によってキナーゼ活性を停止した。EGFRによるペプチドリン酸化の程度は、テルビウムコンジュゲートしている抗ホスホ−チロシン抗体(Tb−PT66抗体、Invitrogen PV3557番)を使用して検出した。ペプチド基質のリン酸化は、520/495nmの比をEnvisionマルチラベルリーダー(Perkin Elmer)で決定することによって測定し、IC50値は、XLFit4(IDBS)を使用する4パラメーター方程式にデータを当てはめることによって算出した。
(実施例168)
インビボ薬理学
NPフィコールモデル
2型T細胞非依存性抗体応答は、8から10週齢のC57Bl/6雌マウスに、100μgのPBS中NP−フィコールを腹腔内接種することによって誘発した(0日目)。BTK阻害剤をメチルセルロースツイン中で調製し、マウスに、−1日目に開始して化合物を1日1回投薬した。マウスを安楽死させ、NP−フィコール免疫化6日後に血清を収集した。次いで、免疫化したマウス由来の血清をELISAで試験して、NP特異的IgMおよびIgG3力価を測定した。簡潔に述べると、NP特異的抗体力価を評価するために、Nuncマキシソーププレート(VWR International)に、室温で終夜、20μg/mLのBSA:NP(Biosearch Technologies)をコーティングした。プレートをPBSツイン0.05%緩衝液(PBS−T)で洗浄し、0.5%ゼラチンを含有するPBSで2時間ブロックした。次いで、血清試料をPBS−T中で希釈し、1時間インキュベートした。結合抗体は、PBS−T中で希釈したヤギ抗マウスIgM−HRPまたはIgG3−HRP抗体(Southern Biotech)を使用して検出した。TMBシュアブルー試薬(Kirkegaard&Perry Labs)を使用してELISAプレートを展開し、1.0M硫酸を試料ウェルに添加することによって反応を停止させ、吸光度を450nmにおいてスペクトラマックスプラス384マイクロプレートリーダー(Molecular Devices)で評価した。
関節炎のマウスコラーゲン(Collage)誘発性関節炎(CIA)モデル
完全フロイントアジュバント中で乳化したウシII型コラーゲン(CII)をDBA/1マウスに接種し、21日後に、不完全フロイントアジュバント中で乳化したCIIをブーストすることによって、関節炎を誘発した。効能を準治療的(semi−therapeutic)投薬レジメンで評価し、これは、マウスの10%が病状を示した場合の治療群への割り当てを伴うものであった。マウスには、1日1回経口的に投薬した。疾患重症度は、最大可能スコアを16とし、下記の分類に従って、各動物について四肢すべてをスコア付けすることにより、評価した:0、関節炎なし;1、1または2本の腫れた指;2、3本もしくはそれ以上の腫れた指または肢全体の軽度から中等度の腫れ;3、肢全体の広範囲にわたる腫れ;4、腫れの消散、肢の関節強直。研究の終わりに、各動物由来の四肢すべてを顕微分析のために収集した。組織試料を脱灰し、パラフィンに包埋し、6μmの切片にし、ヘマトキシリンおよびエオシン(H&E)で染色し、顕微鏡で検査した。各肢由来の各切片を、関節炎の存在について検査し、存在する場合、関節炎の重症度を、下記の基準に従って主観的にスコア付けした:グレード0、正常な滑膜(厚さ1〜3個の滑膜細胞)および炎症細胞の非存在;グレード1、滑膜細胞肥大、わずかな滑膜線維症、ならびに滑膜/関節包および/または滑液への軽微から軽度の炎症細胞浸潤;グレード2、グレード1プラス軽度から中等度の炎症細胞浸潤、非存在または最小パンヌス形成、および表面の軟骨侵食;グレード3:グレード2プラス著しい炎症細胞浸潤、線維症、および軟骨下骨に及ぶ軟骨の軽度から重度の侵食;グレード4、骨の再形成、線維症および関節強直を伴う侵食または破壊による関節完全性の喪失。
関節炎のK/BxN血清伝達モデル
K/BxN血清伝達モデルにおいて、Jackson Laboratoryからの6週齢の雄BTKxid、CBA/CaJおよびC57BL/6マウスに、8週齢の関節炎K/BxNマウス由来のプール血清を注射した(0および2日目に150μLの血清を腹腔内に)。後ろ足首の幅をポケット厚さ計で測定し、両足首における足首の厚さの平均変化を各動物について算出した。動物は、月曜日から金曜日まで14日間測定した。研究の終わりに、各動物由来の四肢すべてを顕微分析のために収集した。
治療研究のために、Jackson Laboratoryからの6週齢の雄C57BL/6マウスに、8週齢の関節炎K/BxNマウス由来のプール血清を注射した(0および2日目に150μLの血清を腹腔内に)。マウスには、0日目に開始し、1日1回経口的に投薬した。後ろ足首の幅をポケット厚さ計で測定し、両足首における足首の厚さの平均変化を各動物について算出した。動物は、月曜日から金曜日まで14日間測定した。上述した通り、研究の終わりに、各動物由来の四肢すべてを顕微分析のために収集した。
参照による組み込み
本明細書において言及されているすべての刊行物および特許出願は、各個別の刊行物または特許出願が、具体的にかつ個々に参照により組み込まれることが指示されているかのような程度まで、参照により本明細書に組み込まれる。