JP6178276B2 - 冷却器 - Google Patents

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本発明は、冷却器に関する。特に、冷却器筐体の側板に半導体チップなどの冷却対象を取り付け、その側板の裏面(筐体内側の面)に冷媒を衝突させる衝突噴流型の冷却器に関する。
半導体チップや電子部品の冷却用に、筐体の側板に半導体チップなどの冷却対象を取り付け、その側板の裏面(筐体内側を向く面)に向けて冷媒を噴出させるタイプの冷却器が知られている。そのようなタイプの冷却器は、噴出させた冷媒を、冷却対象を取り付けた側板の裏面に衝突させることから、衝突噴流型と呼ばれる。本明細書では、説明の便宜上、冷却器の一つの側板であって、半導体チップなどの冷却対象を取り付ける側板を「ベースプレート」と称する。そして、冷却対象を取り付ける面を、ベースプレートの「おもて面」と称し、反対側の面(筐体内側を向く面)を「裏面」と称する。
衝突噴流型の冷却器の例が特許文献1に記載されている。その冷却器は次の構造を備えている。その冷却器は、内部を冷媒が通る筐体と、上記したベースプレートと、ベースプレートの裏面に立設されている複数のフィンと、仕切板と、ノズルを備えている。仕切板は、ベースプレートに平行に設けられており、筐体内の空間をベースプレートから遠い第1流路とベースプレートに近い第2流路に二分する。ノズルは、仕切板からベースプレートに向けて伸びており、冷媒をベースプレートの裏面に向けて噴出する。また、筐体には、第1流路に冷媒を供給する供給口が設けられているとともに、第2流路から冷媒を排出する排出口が設けられている。
特許文献1に開示された冷却器は、ベースプレートの裏面に複数のフィンを備えている。ノズルから噴出した冷媒は、ベースプレートの裏面に衝突し、フィンに沿って流れ、その後、排出口に向かって流れる。冷却対象の熱は、ベースプレートの裏面だけでなく、フィンからも冷媒へ移動する。
フィンの性能も冷却性能に大きく貢献する。フィンの性能を高める技術が例えば特許文献2に開示されている。特許文献2には、放熱シートを金属板で挟んだフィンが開示されている。放熱シートには、金属板よりも熱容量が小さい材料が採用される。熱容量が小さいので、熱がフィンに籠らず放熱性が向上する。また、特許文献3には、フィンの製造コストを下げる技術として、一枚の金属板をくし歯状に折り曲げて複数の平行なフィンを形成する技術が開示されている。なお、特許文献2、3に開示された技術は、衝突噴流型に制限されない。
特開2011−166113号公報 特開2012−129379号公報 特開平06−260571号公報
本明細書が開示する技術は、フィンの構造を改良し、衝突噴流型の冷却器の効率を高める。そのフィンは、衝突噴流型の冷却器の特徴を利用した特殊な構造を有する。
衝突噴流型の冷却器において、フィンは、ノズルの冷媒噴き出し方向に位置する範囲が最も放熱性能が高い。ここで、放熱性能とは、フィンから冷媒への熱伝達率で表される。ノズルの冷媒噴き出し方向から離れる程に冷媒は熱を吸収してその温度が上昇し、フィンの放熱性能が低下する。特に、ノズルの冷媒噴き出し方向から遠く、さらにフィンの先端(ベースプレートから最も遠い端)が最も放熱性能が低くなる。フィンの放熱性能への寄与を考慮すると、フィンの高さ(ベースプレートからフィン先端までの長さ)はあまり高くしない方がよい。しかし、一方、フィンの高さを低くしてノズルの先端との間に隙間が生じると、フィンの間を通らずにノズル先端とフィン先端の間の隙間へ逃げてしまう冷媒の量が増える。これでは冷媒の利用効率が下がる。フィンを低くするとともに、ノズルを長くしてノズル先端とフィン先端との接触を保つと、ノズル先端とベースプレートの間の距離が縮まり、ノズルから噴き出した冷媒の圧力損失が大きくなってしまう。従ってフィンの高さは低くても不都合があり、冷媒の流れの観点からは、フィンの高さはあまり低くできない。その結果、従来の衝突噴流型の冷却器では、フィンの一部は放熱性能に有効に寄与していなかった。
そこで発明者らは、フィンの熱伝導率を場所に応じて異ならしめ、ノズルの冷媒噴き出し方向から離れたフィンの範囲へ熱を積極的に輸送し、そこで冷媒へ拡散させる、という着想を得た。具体的には、フィンの熱伝導率を、ノズルの冷媒噴き出し方向の領域(第1領域)で低く、噴き出し方向と交差する方向で第1領域に隣接する第2領域で高くする。別言すると、フィンは第1領域と第2領域に分けられ、ノズルの冷媒噴き出し方向に位置する第1領域の熱伝導率が、冷媒噴き出し方向から外れている第2領域の熱伝導率よりも低くなっているフィンを採用する。そのようなフィンを用いることによって、ベースプレートの熱は、従来の熱伝導率が均一なフィンの場合と比較して、第2領域へ移動する熱量が増加する。ベースプレートからフィンへ拡散する熱の分布を第2領域(即ち、ノズルの冷媒噴き出し方向から遠い領域)で高める。第2領域では冷媒の温度が噴き出し方向の領域よりも高くなっているが、上記のフィンを用いると、第2領域へ多量の熱が移動してフィンの温度が高くなるのでフィンと冷媒の温度差が大きくなり、フィンから冷媒への熱伝達率(即ち放熱性能)が向上する。フィン全体で冷媒への熱伝達率が均一化し、その結果、衝突噴流型の冷却器としての冷却性能が向上する。
別言すれば、従来の衝突噴流型の冷却器では、ノズルの冷媒噴き出し方向の領域(上記の第1領域)で熱を集中的に冷媒へ放出していたのに対して本明細書が開示する冷却器はフィン全体でベースプレートの熱を冷媒に放出する。フィン全体を有効に使うことができ、冷却性能の向上が期待できる。特に、熱伝導率が均一なフィンを採用した場合に第1領域での熱伝達率が飽和している場合には、第2領域の放熱性能を高めることによって、冷却性能の顕著な改善が期待できる。
また、別の観点からみると、一般に熱伝導率の高い材料は高価であるが、本明細書が開示する冷却器は、フィン全体を高熱伝導率材料で作る必要がないのでコスト的にも有利である。
ベースプレートの熱をノズルの冷媒噴き出し方向の領域(第1領域)から離れた領域(第2領域)へ積極的に移動させるためには、フィンの平面に垂直な方向から見たときに第2領域が、ベースプレートに近い側で広くフィン先端で狭い先細り形状をなしているとよい。第2領域のベースプレートに近い側を広くすることによって、ベースプレートの熱が第2領域へと移動し易くなる。
また、上記フィンは、熱伝導率の低い材料で第1領域の部位を作り、熱伝導率の高い材料で第2領域の部位を作って接合してもよいが、次の構造で廉価に製造することができる。即ち、高熱伝導シートを金属板で挟んでフィンを構成する。高熱伝導シートには、その熱伝導率が金属板の熱伝導率よりも高く、第1領域に対応する箇所が切り欠かれているものを採用する。この構造によれば、切り欠いた高熱伝導シートを金属板で挟むことで部位に応じて熱伝導率の異なるフィンを容易に実現できる。さらに、二枚の金属板で高熱伝導シートを挟み込み、その積層体を櫛歯状に折り曲げて複数のフィンを構成することもコストの点で好適である。そのようなフィンは、具体的には、金属板にアルミニウム(熱伝導率:236W/mK)を用い、高熱伝導シートにグラファイトシート(熱伝導率:1500W/mK)を用いればよい。
本明細書は、冷却対象物が取り付けられるベースプレートの裏面に複数のフィンが設けられているとともに、その裏面に向けて冷媒を噴出する衝突噴流型の冷却器に関し、フィンを工夫して放熱性能を高める技術を提供する。本明細書が開示する技術の詳細とさらなる改良は以下の「発明を実施するための形態」にて説明する。
実施例の冷却器の斜視図である(筐体の一部をカット)。 図2(A)は、実施例の冷却器の平面図である(筐体の天板をカット)。図2(B)は、図2(A)のB−B線に沿った断面図である。図2(C)は、図2(A)のC−C線に沿った断面図である。 図2(C)を拡大した断面図である。 一例のフィンの斜視図である。 一例のフィンを構成するグラファイトシートの展開図である。
図面を参照して実施例の冷却器を説明する。図1は、冷却器2の斜視図である。但し、図1では、冷却器2の内部構造が理解できるように、部品の一部はカットして描いてある。ハッチングが、カットした面を表している。図2(A)は、筐体7の天板7aを除いた平面図を示している。図2(B)は、図2(A)のB−B線に沿った断面(側面断面図)を示している。図2(C)は、図2(A)のC−C線に沿った断面(横断面図)を示している。
冷却器2は、半導体チップなどの冷却対象92を冷却するデバイスである。冷却対象92は、ヒートスプレッダを兼ねる絶縁板91を介して、ベースプレート3のおもて面3aに取り付けられる。ベースプレート3は、冷却器2の筐体7の一つの側板を構成する。ここで、「おもて面」とは、ベースプレート3の二つの平面を区別するための便宜上の表現であることに留意されたい。本明細書では、ベースプレート3において、冷却器2の外側を向く面を「おもて面3a」と称し、冷却器2の内側を向く面を「裏面3b」と称する。冷却器2は、筐体内部、特に、ベースプレート3の裏面側に冷媒を通し、冷却対象を冷却する。冷媒は、典型的には水あるいはLLC(Long Life Coolant)である。
ベースプレート3の裏面3bには、複数のフィン4が取り付けられている。複数のフィン4は、その平面を相互に対向させ、平行に配列されている。各フィン4は、2つの領域で構成されており、それらの領域は熱伝導率が異なる。符号41が示す領域(第1領域41)の熱伝導率は、符号42が示す領域(第2領域42)の熱伝導率よりも低い。図1、図2(C)において、フィン4に付した破線が第1領域41と第2領域42の境界を示している。フィン4の構造については後述する。
冷却器2の筐体7は直方体であり、内部空間が冷媒の流路となっている。筐体7の内部には、内部空間をベースプレート3の裏面3bに面する空間と、ベースプレート3から遠い空間に区画する仕切板5が設けられている。前者の空間を第1流路12と称し、後者の空間を第2流路14と称する。
図2(B)に示されているように、筐体7の一端には、第1流路12(仕切板5よりもベースプレート3から遠い空間)に通じる冷媒供給口8が設けられている。筐体7の他端には、第2流路14(仕切板5よりもベースプレート3に近い空間)に通じる冷媒排出口9が設けられている。以下、冷媒供給口8を単純に供給口8と称し、冷媒排出口9を単純に排出口9と称する。
供給口8と排出口9は、ベースプレート3と交差する筐体7の側板のうち、対向する二つの側板の夫々に設けられている。図2(B)では、図の左側の側板に供給口8が設けられており、図の右側の側板に排出口9が設けられている。すなわち、冷媒は図中の左から右に流れる。別言すれば、図1、図2(A)、図2(B)に示した座標系において、冷媒はX軸の正方向へと流れる。すなわち、X軸が冷媒流の方向に相当し、X軸の正方向が、冷媒流の下流側に相当する。
仕切板5からは、3個のノズル6がベースプレート3に向かって伸びている。図2(A)によく示されているように、ノズル6は、冷媒の流れに沿って長尺な開口(流路)を有している。3個のノズルは、流れの方向に沿って平行に伸びている。供給口8から供給された冷媒は、第1流路12を通り、次いでノズル6を通って第2流路14に移動する。このとき、ノズル6から噴出した冷媒は、ベースプレート3の裏面に衝突する。第2流路14を流れる冷媒は、最後に、排出口9から排出される。
図1、図2(B)の矢印太線が冷媒の流れを表している。それらの図を参照して冷媒の流れを説明する。図2(B)の記号「Fin」は、冷却器2へ流入する冷媒を表している。図2(B)の記号「Fout」は、冷却器2から排出される冷媒を表している。供給口8から供給された冷媒は、第1流路12を下流へと流れる。冷媒は、第1流路12を流れる間にノズル6の長尺な開口を通じ、ベースプレート3へ向かって流れの方向を変える。冷媒は、ノズル6からベースプレート3の裏面3bに向かって勢いよく噴出する。ベースプレート3の裏面3bに衝突した冷媒は跳ね返り、平行なフィン4の間を通り、第2流路14へと移動する。図2(B)において、冷媒流を示す矢印太線が一部で破線となっているのは、ノズル6の内側を冷媒が流れていることを表している。
上述したように、冷却器2は、冷却対象を取り付けたベースプレート3の裏面3bに冷媒を勢いよく噴き付けることにより冷却能力を向上させている。また、ベースプレート3から跳ね返った冷媒は、複数の平行なフィン4の間を通る間にフィン4から熱を奪い、ベースプレート3(即ち冷却対象)を冷却する。このような構造の冷却器は、衝突噴流型の冷却器と呼ばれる。
図2(C)によく示されているように、第2流路14は、断面がコの字状(U字状)の溝に相当し、コの字の開口側はフィン4に面している。すなわち、第2流路14は、フィンの間の空間と通じている。また、ノズル6は、その先端6aが、フィン4の上端4aに接している。
フィン4について説明する。図3は、図2(C)の向きを変えるとともに拡大した図である。矢印太線が冷媒の流れを示している。図3において、符号P1は、フィン上の箇所であって、ノズル6の冷媒噴き出し方向に位置し、ベースプレート3に最も近い箇所を示している。符号P1が示す箇所をポイントP1と称する。また、符号P2は、フィン上の箇所であってポイントP1及びベースプレート3から最も遠い箇所を示している。符号P2が示す箇所を以下ではポイントP2と称する。
図3に矢印太線で示すように、ノズル6から噴出した冷媒は、フィン4の間を通りベースプレート3の裏面に衝突する。その後、ノズル6の先端とベースプレート3の間を通り、フィン4の平面に沿って流れ、第2流路14に達する。衝突噴流型の冷却器では、冷却対象を取り付けたベースプレート3の裏面3bに高流速の冷媒を衝突させ、ベースプレート3から熱を吸収する。ベースプレート3の熱は、一部が冷媒に吸収されるとともに残りはフィン4に拡散する。ベースプレート3に衝突後、冷媒はフィン4に沿って流れるうちにフィンからも熱を吸収する。こうして、衝突噴流型の冷却器は高い冷却効率を達成する。
上記の理由により、フィン4は、ポイントP1で最も熱伝達率が高くなり、ポイントP2で熱伝達率が低くなる。なお、熱伝達率Eは、E=Q/A(Tw−Ta)で表される。Qは、面積Aのフィン表面から冷媒へ移動した熱量である。Twはフィン4の表面温度であり、Taは冷媒温度である。熱伝達率は、冷媒とフィンの温度差1度当たりどれだけの熱量がフィンから冷媒へ移動したかを表す指標である。
ポイントP1における放熱性能(即ち熱伝達率)が最も高くなるが、冷媒の性質や冷媒の流速等の要件から放熱性能にも限界がある。一方、ポイントP2がベースプレート3から遠いほど、ポイントP2にて冷媒へ移動する熱量は小さくなる。フィンの高さが高いと、ポイントP2ではフィン4の放熱性能への寄与度が小さくなる。そこで、空間を無駄なく使うため、フィン4の高さを低くすると、フィン先端4aとノズル先端6aとの間に隙間が生じ、ノズル6から噴出した冷媒の一部はこの隙間へ逃げてしまう。隙間が生じないように、フィン4の高さを低くすると同時にノズル6を延長し、フィン4の先端4aとノズル6の先端6aの接触を維持すると、ベースプレート3とノズル先端6aの間の流路幅が狭まり、冷媒流の圧力損失が大きくなってしまう。このように冷媒の流れの観点から、フィン4の高さはあまり低くはできない。
実施例の冷却器2では、フィン4に熱伝導率の異なる2つの領域を設けることで、ポイントP2の放熱性能への寄与を高め、フィンの局所的な放熱性能の偏りを是正し、冷却器としての冷却性能の向上を図る。具体的には、フィン4は、ノズル6の冷媒噴き出し方向に相当する第1領域41と、冷媒噴き出し方向と交差する方向で第1領域に隣接する第2領域42で構成される。なお、図中の座標系のZ軸方向が、冷媒噴出方向に相当する。図1、図2(C)、図3においてフィン4に記されている破線が第1領域41と第2領域42の境界を示している。
冷却器2では、第2領域42の熱伝導率が、第1領域41の熱伝導率よりも高くなっている。ポイントP1は、第1領域の中でも冷媒噴出方向でベースプレート3に最も近い箇所に相当する、ポイントP2は、第2領域の中でもベースプレート3とポイントP1の双方から最も遠い箇所に相当する。ポイントP2は熱伝導率の高い第2領域に含まれるため、従来よりもベースプレート3から熱が移動し易くなっている。それゆえ、従来よりもポイントP2の熱伝達率が高まる。逆に、ポイントP1では従来よりも熱が集中し難くなるため、熱伝達率は低くなる。結果、フィン全体で放熱性能への寄与度が分散され、冷却器の性能向上が期待できる。なお、「従来より」とは、「熱伝導率がフィン全体で一様な冷却器と比較して」という意味である。
実施例の冷却器2は、衝突噴流型の冷却器の特徴を巧みに利用してフィン4の構造を改良して放熱性能を高めている。その観点は、衝突噴流型ではベースプレート裏面のフィンの高さをある程度確保しなければならず、それゆえ、ノズルの冷媒噴出方向とベースプレートの双方から離れた箇所ではフィンの放熱性能に対する寄与が小さい、というものである。実施例の冷却器2では、そのような箇所(ポイントP2)を含みベースプレート3に接する領域2の熱伝導率を、ノズルの冷媒噴出方向に位置する領域1の熱伝導率よりも高くする。そのような構成を採用することでポイントP2へ移動する熱量を高め、ポイントP2における熱伝達率を高める。その結果として最も放熱が大きいポイントP1の熱伝達率が下がるが、従来では放熱性能を充分に発揮出来ていなかったポイントP2での放熱量を増大させる。そうすることでフィン全体の放熱性能を高め、もって冷却器の冷却性能を向上させる。とくに、熱伝導率が均一なフィンを用いた場合にポイントP1の熱伝達率が飽和している場合、ポイントP2の熱伝達率を高めることでポイントP1での飽和状態が緩和され、フィン全体の放熱性能が向上する。
さらに、図3によく示されているように、第2領域42は、フィンの平面に垂直な方向からみて、ベースプレート3に近い側で幅広であり、ベースプレート3から遠ざかるにつれて先細りである。第2領域42のそのような形状により、ベースプレート3の熱がポイントP2にさらに集中し易くなっている。
なお、熱伝導率の単位は[W/mK]であり、単位長さの物質の両端の温度差が1度のときに一端から他端へ移送される熱量の大きさで表される。一方、熱伝導率の単位は[W/mK]であり、物質表面温度と冷媒との温度差1度当たり、物質の表面単位面積から冷媒に移動する熱量の大きさで表される。
熱伝導率の異なるフィン4を作るには、例えば、熱伝導率の異なる2つの材料で第1領域41と第2領域42を夫々製造し、後に接合するのが一つの方法である。別の方法として、高熱伝導シートを金属板で挟んで製造する方法がある。図4は、そのような方法で作られたフィン4の斜視図である。フィン4は、グラファイトシート19を2枚のアルミニウム板18a、18bで挟み、その積層体を櫛歯状(アコーディオン状)に折り曲げたものである。破線が第1領域41と第2領域42の境界を示している。グラファイトシート19の展開図を図5に示す。グラファイトシート19は、冷却器2に組み込まれたときに第1領域に相当する領域に切欠19aが設けられている。図5において破線L1を山折りし、一点鎖線L2を谷折したものが、アルミニウム板に挟まれて櫛歯状に折り込まれたグラファイトシートに相当する。
アルミニウムの熱伝導率は236[W/mK]である。グラファイトシートの熱伝導率は[1500W/mK]であり、アルミニウムよりも高い。従って、図5の展開図のグラファイトシート19を挟んで折り込まれたフィン4は、第2領域42の熱伝導率が第1領域41の熱伝導率よりも高くなる。図4に示したフィンは、製造が容易である。
実施例で説明した技術に関する留意点を述べる。実施例で示したように、熱伝導率が高い第2領域42はベースプレートに近い側で幅が広くベースプレート3から離れるに従って幅が狭くなるテーパ状に形成するのが好ましい。しかし、本明細書が開示する技術はそのような形状に限定されないことに留意されたい。本明細書が開示する技術は、フィン4において、ノズルの冷媒噴き出し方向に位置する第1領域の熱伝導率が、第1領域に隣接する第2領域の熱伝導率よりも低ければよい。
また、冷却器2は平行な複数のフィン4を有し、全てのフィンが同様の構造(異なる熱伝導率を有する構造)を有している。本明細書が開示する技術は、必ずしも全てのフィンが同じ構造を有していなくともよい。例えば、複数のフィンの一部が上記したフィン4の構造を有しており、残りのフィンは熱伝導率が一様であってもよい。グラファイトシート19が高熱伝導シートの一例に相当する。高熱伝導シートは、グラファイトシートに限られない。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
2:冷却器
3:ベースプレート
3a:おもて面
3b:裏面
4:フィン
41:フィンの第1領域
42:フィンの第2領域
4a:フィン先端
5:仕切板
6:ノズル
6a:ノズル先端
7:筐体
8:冷媒供給口
9:冷媒排出口
12:第1流路
14:第2:流路
18a:アルミニウム板
19:グラファイトシート(高熱伝導シート)
19a:切欠

Claims (4)

  1. 衝突噴流型の冷却器であって、
    内部を冷媒が通る筐体と、
    前記筐体の一つの側板であって、おもて面に冷却対象物が取り付けられるベースプレートと、
    ベースプレートの裏面に立設されている複数のフィンと、
    前記筐体内の空間をベースプレートから遠い第1流路とベースプレートに近い第2流路に区画する仕切板と、
    前記仕切板から前記ベースプレートに向けて伸びているとともに先端が前記フィンの上端に接しており、冷媒を前記ベースプレートの裏面に向けて噴出するノズルと、
    を備えており、
    前記フィンは、ノズルの冷媒噴き出し方向に位置する第1領域の熱伝導率が、前記第1領域に隣接する第2領域の熱伝導率よりも低い、
    ことを特徴とする冷却器。
  2. 前記フィンの平面に垂直な方向から見たときに前記第2領域は、ベースプレートに近い側が広くフィン先端が狭い先細り形状をなしていることを特徴とする請求項1に記載の冷却器。
  3. 前記フィンは、高熱伝導シートを金属板で挟んで構成されており、
    前記高熱伝導シートは、その熱伝導率が前記金属板の熱伝導率よりも高く、前記第1領域に対応する箇所が切り欠かれている、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の冷却器。
  4. 二枚の前記金属板で前記高熱伝導シートを挟み込み、その積層体をくし歯状に折り曲げて複数の前記フィンが形成されていることを特徴とする請求項3に記載の冷却器。
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