JP6172024B2 - プロピレンの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、オレフィンとメタノール及び/又はジメチルエーテルを含む原料ガスからプロピレンを製造する方法に関し、詳しくは、前記原料ガスを触媒の存在下、増炭反応及び/又はクラッキング反応により、主成分としてプロピレンを含む生成ガスを得る、プロピレンの製造方法に関するものである。
プロピレンを製造する方法としては、ナフサやエタンのクラッキング、減圧軽油の流動接触分解などのほかにも、プロピレンを選択的に製造する有効な方法として、オレフィンとメタノール及び/又はジメチルエーテルを反応させてプロピレンを製造する方法がある。この方法において、触媒の劣化を抑制した上で原料の利用効率を高めるために、反応器出口から流出するガス(反応器出口ガス)中に含まれる芳香族化合物の少なくとも一部を除去し、芳香族化合物が低減された反応器出口ガス中に含まれる炭素数4以上のオレフィンの少なくとも一部を反応器にリサイクルするプロセスが開示されている(特許文献1)。
特許文献1に記載の方法の一態様では、反応器出口ガスを、冷却及び圧縮により水分を凝縮除去した後に、蒸留塔(以下、この蒸留塔を「脱C2塔」と称す場合がある。)で炭素数2以下の炭化水素に富んだ流れと炭素数3以上の炭化水素に富んだ流れとに分離し、炭素数3以上の炭化水素に富んだ流れを蒸留塔(以下、この蒸留塔を「脱C3塔」と称す場合がある。)で炭素数3の炭化水素に富んだ流れと炭素数4以上の炭化水素に富んだ流れとに分離し、炭素数4以上の炭化水素に富んだ流れを更に蒸留塔(以下、この蒸留塔を「脱C6塔」と称す場合がある。)で、炭素数4〜6の炭化水素に富んだ流れと炭素数7以上の炭化水素に富んだ流れとに分離し、炭素数4〜6の炭化水素に富んだ流れの少なくとも一部を反応器にリサイクルする。
特開2008−100994号公報
特許文献1の方法であれば、触媒の劣化を抑制した上で、プロピレンの収率を高めることができるが、反応生成物の分離、精製工程における消費エネルギーを削減して生産コストを低減することが望まれる。
本発明の課題は、プロピレン収率を維持しつつ、精製系にかかる消費エネルギーを削減させる工業的に有利なプロピレンの製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、触媒が充填された反応器にオレフィンとメタノール及び/又はジメチルエーテルとを供給して得られる反応器出口ガス(反応生成物)を冷却した後、多段に設けた圧縮装置で順次圧縮し、前段の圧縮装置で圧縮により生じた液体成分を蒸留装置(ストリッパー)で蒸留分離し、分離された気体成分を後段の圧縮装置に供給することにより、脱C2塔及び脱C3塔のサイズ及び負荷を削減することができ、また脱C6塔を不要とすることが可能となる結果、プロピレン収率を維持しつつ、精製系にかかる消費エネルギーを大幅に削減することができることを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明の要旨は、以下の[1]〜[4]に存する。
[1] オレフィンとメタノール及び/又はジメチルエーテルとを反応させて得られた反応生成物を冷却後、多段に設けられた2以上の圧縮装置に、前段の圧縮装置における圧縮により生じた気体成分を次段の圧縮装置に供給するようにして順次供給し、最後段の圧縮装置における圧縮により生じた成分からプロピレンを得るプロピレンの製造方法において、
少なくとも第1段目の圧縮装置における圧縮により生じた液体成分を蒸留装置へ供給し、該蒸留装置から排出される気体成分を、圧縮により生じた液体成分が該蒸留装置に送給される圧縮装置より後段の圧縮装置に供給することを特徴とするプロピレンの製造方法。
[2] オレフィンとメタノール及び/又はジメチルエーテルとを、アルミノシリケート触媒の存在下に反応させることを特徴とする、[1]に記載のプロピレンの製造方法。
[3] 前記蒸留装置に送給される液体成分が、炭素数4以上のオレフィンを10モル%以上含有することを特徴とする、[1]又は[2]に記載のプロピレンの製造方法。
[4] 前記圧縮装置は3段に設けられており、第1段目の圧縮装置と第2段目の圧縮装置における圧縮により生じた液体成分を前記蒸留装置に送給し、該蒸留装置から排出される気体成分を最後段の圧縮装置に送給することを特徴とする、[1]〜[3]のいずれかに記載のプロピレンの製造方法。
本発明のプロピレンの製造方法によれば、オレフィンとメタノール及び/又はジメチルエーテルとを反応させるプロピレンを製造する方法において、プロピレン収率を維持した上で、精製系にかかる消費エネルギーを削減することができる。
本発明のプロピレンの製造方法の実施形態の一例を示す系統図である。 参考例1のプロピレンの製造方法を示す系統図である。
本発明を実施するための形態を以下のように詳細に説明するが、以下に記載する説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を超えない限り、以下の態様に限定されるものではない。
本発明のプロピレンの製造方法は、オレフィンとメタノール及び/又はジメチルエーテルとを反応させて得られた反応生成物を冷却後、多段に設けられた2以上の圧縮装置に、前段の圧縮装置における圧縮により生じた気体成分を次段の圧縮装置に供給するようにして順次供給し、最後段の圧縮装置における圧縮により生じた成分からプロピレンを得るプロピレンの製造方法において、少なくとも第1段目の圧縮装置における圧縮により生じた液体成分を蒸留装置へ供給し、該蒸留装置から排出される気体成分を、圧縮により生じた液体成分が該蒸留装置に送給される圧縮装置より後段の圧縮装置に供給することを特徴とする。
本発明は、より具体的には、後述の各工程を含む実施態様が挙げられるが、本発明の課題を解決するという目的に従う限り、本発明は、後述の工程以外の工程の存在を排除するものではなく、後述の各工程の間に他の工程が存在しても良い。
なお、本発明において「富んだ」とは、主体とする成分の含有量が50モル%以上、好ましくは70モル%以上、より好ましくは90モル%以上、さらに好ましくは95モル%以上であることを意味する。例えば、「炭素数4以上の炭化水素に富んだ流れ」とは、「炭素数4以上の炭化水素」を50モル%以上、好ましくは70モル%以上、より好ましくは90モル%以上、さらに好ましくは95モル%以上含む流れである。
[触媒]
まず、本発明で用いる触媒について説明する。
本発明に係る反応に用いられる触媒としては、メタノール及びジメチルエーテルの一方又は両方とオレフィン、好ましくは炭素原子数4以上6以下のオレフィンとからプロピレンを生じさせることができる触媒が用いられる。触媒は一種のみを用いても二種以上を用いてもよい。
このような触媒としては、ブレンステッド酸点を有する固体状の触媒(固体酸触媒)が挙げられ、例えば、カオリン等の粘土鉱物;粘土鉱物等の担体に硫酸、燐酸等の酸を含浸・担持させてなる触媒;酸性型イオン交換樹脂;ゼオライト類;燐酸アルミニウム類;及び、Al−MCM41等のメソポーラスシリカアルミナなどが挙げられる。
固体酸触媒は、分子篩効果を有することが好ましく、また、酸強度があまり高くないことが好ましい。
分子篩効果を有する固体酸触媒としては、例えば、International Zeolite Association(IZA)が規定するコードにおけるAEI、AET、AEL、AFI、AFO、AFS、AST、ATN、BEA、CAN、CHA、EMT、ERI、EUO、FAU、FER、LEV、LTL、MAZ、MEL、MFI、MOR、MTT、MTW、MWW、OFF、PAU、RHO、STT、TON等の構造を有するゼオライト類や燐酸アルミニウム類が挙げられる。
その中でも触媒のフレームワーク密度が18.0T/nm以下である触媒が好ましく、このようなものとしては、好ましくは、MFI、MEL、MOR、MWW、FAU、BEA、CHA、より好ましくは、MFI、MEL、MOR、MWW、CHA、特に好ましくはMFI、MEL、MWW、CHAが挙げられる。ここで、フレームワーク密度(単位:T/nm)とは、ゼオライトの単位体積(1nm)当たりに存在するT原子(ゼオライトの骨格を構成する原子のうち、酸素以外の原子)の個数を意味し、この値はゼオライトの構造により決めることができる。
本発明で用いる触媒は、細孔径が0.3〜0.9nmのミクロ細孔を有し、BET比表面積が200〜700m/g、細孔容積が0.1〜0.5cc/gである結晶性アルミノシリケート類、メタロシリケート類、又は結晶性燐酸アルミニウム類であることが好ましい。なお、ここで言う細孔径とは、International Zeolite Association(IZA)が定める結晶学的なチャネル直径(Crystallographic free diameter of the channels)を意味し、細孔(チャネル)の形状が真円形の場合は、その直径を意味し、細孔の形状が楕円形の場合は、短径を意味する。
また、アルミノシリケートの中では、SiO/Alのモル比が10以上であることが、触媒の耐久性の観点から好ましい。SiO/Alのモル比の上限は、触媒における十分な活性を得る観点から、通常、10,000である。上記モル比は、蛍光X線や化学分析法等の常法により求めることができる。触媒中のアルミニウム含量は触媒調製の際の原料仕込み量でコントロールすることができ、また、調製後にスチーミング等によりアルミニウムを減らすこともできる。また、アルミニウムの一部をホウ素やガリウム等の他の元素に置き換えてもよく、特にホウ素で置換することが好ましい。
触媒の粒径は、プロピレンの生成反応の条件により異なるが、触媒の活性を示す表面積の十分な確保と触媒の取り扱い性との観点から、通常、平均粒径として0.01〜500μmである。触媒の平均粒径は、SEMによる観察により求めることができる。
触媒は、一般的に水熱合成と呼ばれる公知の方法により調製することができ、また、水熱合成後にイオン交換、脱アルミニウム処理、含浸や担持等の修飾により組成を変えることができる。
本発明に好適な固体酸触媒としては、例えばSiO/Alのモル比が100以上のMFI型ゼオライトとアルミナとの混合物を焼成してなる触媒が挙げられる。
本発明のプロピレンの製造方法は、好ましくは、このような触媒を充填した固定床を形成した反応器に反応原料をガス状で通気することにより行われる。ここで、触媒の固定床は、触媒以外の成分を含んでいてもよい。このような成分として、例えば不活性粒子が挙げられる。不活性粒子には、反応に不活性な物質やバインダーによる造粒品を用いることができる。反応に不活性な物質やバインダーとしては、例えばアルミナ又はアルミナゾル、シリカ、シリカゲル、石英、及びそれらの混合物が挙げられる。
触媒の固定床において、反応器全体の固定床の触媒濃度は同一であってもよいし、固定床毎又は固定床群毎においてそれぞれ触媒濃度が異なっていてもよい。また、固定床の前記通気方向における触媒濃度についても、一定であってもよいし、段階的に異なっていてもよいし、傾斜があってもよい。固定床における触媒濃度は、不活性粒子と触媒との混合割合によって調整することができ、実験機による実験やコンピュータシミュレーションによる計算によって決めることができる。
[反応原料]
本発明で反応原料とするオレフィン、メタノール、ジメチルエーテルについて説明する。
<オレフィン原料>
オレフィンとしては炭素数4以上のオレフィンが好ましく、炭素数4〜10のオレフィンがより好ましい。
このようなオレフィン原料の製造由来は特に限定されず、例えば、石油供給原料から接触分解法又はスチームクラッキング等により製造されるもの(BB留分、C4ラフィネート−1、C4ラフィネート−2等)、石炭のガス化により得られる水素/CO混合ガスを原料としてFT(フィッシャートロプシュ)合成を行うことにより得られるもの、エチレンの二量化反応を含むオリゴマー化反応により得られるもの、炭素数4以上のパラフィンの脱水素法又は酸化脱水素法により得られるもの、MTO反応によって得られるもの、アルコールの脱水反応によって得られるもの、炭素数4以上のジエン化合物の水素化反応により得られるもの等の、公知の各種方法により得ることができ、各製法に起因するオレフィンを任意に混合したものでもよく、精製したものでもよい。
オレフィン原料には例えばノルマルブタン及び/又はイソブタン等のパラフィン類を含んでいてもよく、このようなオレフィンとしては、例えばBB留分、C4ラフィネート−1やC4ラフィネート−2が好ましい。
<メタノール、ジメチルエーテル>
メタノール及び/又はジメチルエーテルの製造由来は特に限定されず、例えば、石炭及び天然ガス、ならびに製鉄業における副生物由来の水素/COの混合ガスの水素化反応により得られるもの、植物由来のアルコール類の改質反応により得られるもの、発酵法により得られるもの、再循環プラスチックや都市廃棄物等の有機物質から得られるもの等が挙げられる。また、後述するMTD反応装置により製造されるものでもよい。このとき各製造方法に起因するメタノール及びジメチルエーテル以外の化合物が任意に混合した状態のものをそのまま用いてもよく、精製したものを用いてもよい。
[プロピレンの製造プロセス]
本発明のプロピレンの製造方法で採用されるプロセスの一実施形態について、図1を参照して以下のように説明する。図1は、本発明のプロピレンの製造方法の実施の形態の一例に係る系統図を示し、図1における各工程は以下の通りである。
<反応工程>
メタノールを含む原料(1)は、通常、80%以上のメタノールがジメチルエーテルに転換されるMTD反応装置(2)を経てメタノール及び/又はジメチルエーテルを含む流れ(3)を形成し、前記流れ(3)と、系内でリサイクルされる成分である炭素数2以下の炭化水素に富んだ流れ(35)及び炭素数4以上6以下の炭化水素に富んだ流れ(45)が合流した流れ(5)が、上記触媒が充填された反応器(6)に入り、反応生成物(反応器流出物、反応器出口ガス)として、生成物であるプロピレン、未反応原料、副生成物及び希釈剤を含む混合流れ(7)が得られる。
このとき、炭素数4以上6以下の炭化水素に富んだ流れ(45)にオレフィンを含む原料(4)を外部より追加的に供給し、流れ(49)を形成し、合流することによって流れ(5)としてもよい。オレフィンを含む原料(4)は、例えばスチームクラッカーによって製造されるC4留分やC5留分、FCC(流動接触分解)によって製造されるC4留分やC5留分、もしくはそれらの混合物などが挙げられるが、それらに限らずオレフィンを含む炭化水素化合物であれば特に限定しない。
本発明の反応は気相反応であり、反応器(6)の形態としては特に制限はないが、通常、連続式の固定床反応器や流動床反応器が用いられ、好ましくは固定床反応器である。
このとき、混合流れ(7)中のプロピレン濃度は通常5〜95重量%である。
混合流れ(7)に含まれる未反応原料は、通常炭素数4以上のオレフィンである。混合流れ(7)には、反応条件によってはメタノール及び/又はジメチルエーテルが含まれるが、メタノール及び/又はジメチルエーテルが残らないような反応条件で反応を行うのが好ましい。それにより、反応生成物と未反応原料との分離が容易になる。
反応温度は、未反応原料の発生を防止する観点、及びプロピレンの収率の低下を抑制する観点から、反応器(6)の入口での原料ガスの温度で、通常300〜700℃であることが好ましく、400〜600℃であることがより好ましい。
反応圧力は、通常、2MPa(絶対圧)以下であり、副生成物の生成を抑制する観点、及びプロピレンの生成反応の反応速度の低下を抑制する観点から、1kPa〜1MPa(絶対圧)であることが好ましく、50kPa〜0.7MPa(絶対圧)であることがより好ましい。
空間速度は、原料の転化率の低減を抑制する観点、プロピレンの十分な選択率を得る観点、触媒の使用量を抑える観点、及び副生成物の生成を抑制する観点から、0.1〜500hr−1であることが好ましく、1.0〜100hr−1であることがより好ましい。なお、空間速度とは、触媒の重量当たりの原料ガス中の炭素原子数4〜6のオレフィンの流量とメタノール及びジメチルエーテルの流量を足し合わせた流量(重量/時間)である。
反応器(6)内には、炭素数4以上のオレフィンとメタノール及び/又はジメチルエーテルの他に、パラフィン類、芳香族類、水(水蒸気)、二酸化炭素、一酸化炭素、窒素、アルゴン、ヘリウム、及び、それらの混合物といった、反応に不活性な気体を希釈剤として存在させることができる。なお、これらのうち、パラフィン類や芳香族類は、反応条件によっては若干反応することがあるが、反応量が少ないことから、希釈剤として定義する。
このような希釈剤としては、反応原料に含まれている不純物をそのまま使用しても良いし、別途調製した希釈ガスを反応原料と混合して用いても良い。
また、希釈剤は反応器に入れる前に反応原料と混合しても良いし、反応原料とは別に反応器に供給しても良い。
本発明に好ましい希釈剤は、炭素数4以上のパラフィン類であり、より好ましくはノルマルブタン及び/又はイソブタンである。これらのパラフィン類は、オレフィン原料に含まれるものを利用することができると共に、熱容量が比較的大きい化合物であることから、反応温度の制御が容易になる点において有利である。
<精製工程>
反応生成物は、冷却、圧縮及び蒸留等の一般的な分離、精製工程により、炭素数2以下の炭化水素に富んだ流れ、炭素数3以上の炭化水素に富んだ流れ、炭素数3の炭化水素に富んだ流れ、プロピレンに富んだ流れ、プロパンに富んだ流れ、炭素数3以下の炭化水素に富んだ流れ、炭素数4以上の炭化水素に富んだ流れ、炭素数4以上6以下の炭化水素に富んだ流れ、炭素数7以上の炭化水素に富んだ流れ及び水に富んだ流れ等に分離される。これらの流れはプロセスの態様によって選択される。また、必要に応じクエンチ、アルカリ洗浄、脱水等の処理を行うことができる。
炭素数2以下の炭化水素に富んだ流れとは、分離装置に供給される流れに比して当該分離装置から排出される流れにおいて炭素数2以下の炭化水素の含有率が増加している流れのことであり、好ましくは、当該流れに炭素数2以下の炭化水素が最も多く含まれることであり、より好ましくは当該流れに炭素数2以下の炭化水素が60重量%以上含まれることである。同様に、他の流れも定義することができる。
精製工程の一例について図1を例に説明する。
なお、図1においては、圧縮装置として、第1の圧縮機(13)、第2の圧縮機(17)、第3の圧縮機(22)の3機を直列に槽(15),(20)を介して連結した例を示すが、圧縮装置は、3段に設けるものに限られず、2段以上に設けられていればよく、2段でも4段以上であってもよい。
圧縮機としては、例えば、遠心式圧縮機、軸流式圧縮機、往復圧縮機などがあるが、圧縮機の種類は特に定められていない。
多段に設けられた圧縮機(圧縮装置)は、後段側ほど圧力を高め、圧縮の程度を大きくするように設計される。
反応生成物中に、メタノール又はジメチルエーテル等の含酸素化合物が含まれる場合には、例えば図1のクエンチ工程(8)により、含酸素化合物の少なくとも一部が除去される。反応器(6)から出る混合流れ(7)に二酸化炭素などの酸性ガスが含まれる場合には、アルカリ洗浄により、酸性ガスの少なくとも一部が除去される。また、クエンチ工程(8)により、反応器(6)から出る混合流れ(7)に含まれる水分の少なくとも一部を分離してもよく、その分離された水分は水に富んだ流れ(10)として系外へ排出してもよい。また、クエンチ工程(8)により、反応器(6)の出口ガスに含まれる水分の少なくとも一部を分離すると同時に反応器出口ガスの冷却を行ってもよい。例えば、クエンチ工程(8)の温度は30℃〜130℃が好ましく、圧力は0.01〜0.20MPa(絶対圧)が好ましい。
クエンチ工程(8)によって冷却されたガスは流れ(9)として槽(11)へ送られ、流れ(12)として第1の圧縮機(13)へ供給される。
流れ(12)は第1の圧縮機(13)によって圧縮され、圧縮により昇圧された流れ(14)となり、槽(15)に一時的に溜められる。このとき、流れ(12)の圧力は好ましくは0〜0.25MPa(絶対圧)であり、第1の圧縮機(13)によって好ましくは0.25〜0.50MPa(絶対圧)に昇圧された流れ(14)となり、昇圧された流れ(14)の温度は好ましくは20〜60℃である。槽(15)の気体成分は流れ(16)として次段の第2の圧縮機(17)へ供給され、槽(15)の液体成分は流れ(19)としてストリッパー(蒸留装置)(37)へ供給される。このとき、流れ(16)と流れ(19)の流量比は80〜99重量%:1〜20重量%であることが好ましい(ただし、流れ(16)と流れ(19)との合計で100重量%)。
流れ(16)は第2の圧縮機(17)によって圧縮され、圧縮により昇圧された流れ(18)となり、槽(20)に一時的に溜められる。このとき、流れ(16)の圧力は好ましくは0.25〜0.50MPa(絶対圧)であり、第2の圧縮機(17)によって好ましくは0.50〜0.90MPa(絶対圧)に昇圧された流れ(18)となる。昇圧された流れ(18)の温度は好ましくは20〜60℃である。槽(20)の気体成分は流れ(21)として最後段の第3の圧縮機(22)へ供給され、槽(20)の液体成分は流れ(24)としてストリッパー(37)へ供給される。このとき、流れ(21)と流れ(24)の流量比は50〜90重量%:10〜50重量%であることが好ましい(ただし、流れ(21)と流れ(24)との合計で100重量%)。
流れ(21)は第3の圧縮機(22)によって圧縮され、圧縮により昇圧された流れ(23)となり、槽(25)に一時的に溜められる。このとき、流れ(21)の圧力は好ましくは0.50〜0.90MPa(絶対圧)であり、第3の圧縮機(22)によって好ましくは0.90〜4.00MPa(絶対圧)に昇圧された流れ(23)となる。昇圧された流れ(23)の温度は好ましくは20〜60℃である。
槽(25)内の気体成分は流れ(26)として水分除去設備(27)へ供給され、この気体成分(メタン、エチレン、プロピレンを主体とする)中の水分が除去される。また、槽(25)内の液体成分は流れ(29)として水分除去設備(30)へ供給され、この液体成分(炭素数3以上の炭化水素を主体とする)中の水分が除去される。このときの温度、圧力はほぼ同等であるが、液体成分の方が気体成分よりも多く、通常約10倍であり、流れ(26)と流れ(29)の流量比は1〜20重量%:99〜80重量%であることが好ましい(ただし、流れ(26)と流れ(29)との合計で100重量%)。
水の分離は主に冷却及び/又は圧縮により水蒸気を凝縮させることによって行うことができる。水の分離は例えば図1の圧縮機(13)又は圧縮機(17)で行ってもよい。圧縮された流れ(14)又は(18)に残っている水分はモレキュラーシーブ等の吸着剤を充填した水分除去設備で除去してもよく、クエンチ工程(8)に再循環することによってクエンチ工程(8)で水分除去を行ってもよい。凝縮及び/又は吸着により除去した水は活性汚泥等の廃水処理工程に供しても良いが、プロセス水等に使用することも可能である。
ストリッパー(37)は、後述の好適なプロピレン含有量の流れ(38)を気体成分として分離と共に、炭素数4以上6以下の炭化水素に富んだ流れ(39)と、炭素数7以上の炭化水素に富んだ流れ(49)とを分離するために、温度30〜200℃で運転するのが好ましく、特に50〜150℃で運転するのが好ましい。また、圧力は0.25〜2.00MPa(絶対圧)で運転するのが好ましく、特に0.50〜1.50MPa(絶対圧)で運転するのが好ましい。より詳細には、ストリッパー(37)の塔頂圧力は0.50〜1.00MPa(絶対圧)、塔頂温度は30〜100℃、入口圧力は0.60〜1.20MPa(絶対圧)、入口温度は30〜100℃、塔底圧力は0.50〜1.20MPa(絶対圧)、塔底温度は80〜200℃で運転するのが好ましい。
本発明では、ストリッパー(37)によって分離された気体成分の流れ(38)は、製品であるプロピレンを通常1〜50重量%、好ましくは1〜40重量%含むことから、本プロセスのプロピレン収率の低下を防ぐために槽(20)に戻し、槽(20)を経て第3の圧縮機(22)に送給する。
この流れ(38)を分留して最後段の圧縮機(22)に戻す運転を行わず、流れ(39)のみを分離すると、流れ(19)及び(24)に含まれて、ストリッパー(37)に供給されたプロピレンの一部が、プロピレンを分離するプロピレン精製塔(46)に送給されることなく、流れ(39),(43)に含まれて反応器(6)にリサイクルされるか、一部が流れ(44)に含まれて系外へ排出されてしまうため、プロピレンの収率が低下する。
流れ(39)は炭素数4以上6以下の炭化水素を含むため、反応原料となることから、反応器(6)へ再循環してもよい。流れ(49)は触媒寿命を低下させる成分であるトルエンやキシレンなどの芳香族類を含むため系外へ排出してもよい。また、流れ(49)は反応器(6)へ再循環してもよく、本プロセス及び/又は他プロセスの燃料として利用してもよく、精製を行い又は行わず、ガソリンとして使用してもよく、本プロセス及び/又は他プロセスの原料としてもよい。
流れ(28)及び流れ(31)は、脱C2塔(32)にて炭素数2以下の炭化水素に富んだ流れ(33)と炭素数3以上の炭化水素に富んだ流れ(36)に分離される。炭素数2以下の炭化水素に富んだ流れ(33)は反応器(6)へ再循環させることが好ましく、この時流れ(33)の少なくとも一部を、系内にメタンやエタンなどのパラフィン類が蓄積することを防ぐために、パージ流れ(34)として系外へパージし、流れ(35)を反応器(6)へ再循環してもよい。
炭素数2以下の炭化水素に富んだパージ流れ(34)は本プロセス及び/又は他プロセスの燃料として利用することが好ましい。また、本プロセスの水分除去工程(27)及び/又は(30)に充填されているモレキュラーシーブ等の吸着剤により吸着された水を除去する再生ガスとして用いても良い。また、炭素数2以下の炭化水素に富んだパージ流れ(34)をさらに分離し、製品や他プロセスの原料としてもよい。
脱C2塔(32)の蒸留分離条件は、下記式1で算出される、脱C2塔(32)の塔底から抜き出される炭素数3以上の炭化水素に富んだ流れ(36)中のエチレン及びエタンの重量割合が0〜0.03となるように条件設定することが好ましい。
流れ(36)中のエチレンとエタンの合計重量/流れ(36)の全重量 …(式1)
また、下記式2で算出される、脱C2塔(32)に供給されるガス及び液(即ち、流れ(28)と流れ(31)の合計)中のプロピレン及びプロパンの合計の重量に対する脱C2塔(32)の塔頂から抜き出される炭素数2以下の炭化水素に富んだ流れ(33)中のプロピレン及びプロパンの合計の重量割合が、0〜0.01となるように条件設定することが好ましい。
流れ(33)中のプロピレン及びプロパンの合計重量/流れ(28)と流れ(31)の合計に含まれるプロピレン及びプロパンの合計重量 …(式2)
前述の態様の他、流れ(28)及び(31)を炭素数3以下の炭化水素に富んだ流れと炭素数4以上の炭化水素に富んだ流れに分離した後に炭素数3以下の炭化水素に富んだ流れを炭素数2以下の炭化水素に富んだ流れと炭素数3の炭化水素に富んだ流れに分離してもよい。
炭素数3以上の炭化水素に富んだ流れ(36)は脱C3塔(40)にて炭素数3の炭化水素に富んだ流れ(41)と炭素数4以上の炭化水素に富んだ流れ(42)に分離される。
脱C3塔(40)の蒸留分離条件は、下記式3で算出される、脱C3塔(40)の塔頂から抜き出される炭素数3の炭化水素に富んだ流れ(41)中の、ブテン、ブタン、ブタジエンなどの炭素数4の炭化水素のモル割合が0〜0.03となるように条件設定することが好ましい。
流れ(41)中の炭素数4の炭化水素のモル数/流れ(41)の全モル数…(式3)
また、下記式4で算出される、脱C3塔(40)の塔底から抜き出される炭素数4以上の炭化水素に富んだ流れ(42)中の、プロピレン及びプロパンの合計のモル割合が0〜0.03となるように条件設定することが好ましい。
流れ(42)中のプロピレン及びプロパンの合計モル数/流れ(42)の全モル数
…(式4)
炭素数3の炭化水素に富んだ流れ(41)はプロピレン精製塔(46)にて、プロピレンに富んだ流れ(47)とプロパンに富んだ流れ(48)に分離される。
プロピレン精製塔(46)の蒸留分離条件は、下記式5で算出される、プロピレン精製塔(46)の塔頂から抜き出されるプロピレンに富んだ流れ(47)中のプロピレンのモル割合が0.9〜1.0となるように条件設定することが好ましい。
流れ(47)中のプロピレンのモル数/流れ(47)の全モル数 …(式5)
また、下記式(6)で算出される、プロピレン精製塔(46)に供給される炭素数3の炭化水素に富んだ流れ(41)中のプロピレンに対するプロピレン精製塔(46)の塔頂から抜き出されるプロピレンに富んだ流れ(47)中のプロピレンのモル割合が0.9〜1.0となるように条件設定することが好ましい。
流れ(47)中のプロピレンのモル数/流れ(41)中のプロピレンのモル数
…(式6)
炭素数4以上の炭化水素に富んだ流れ(42)は流れ(39)と合体させ、流れ(43)として反応器(6)へ再循環することが望ましく、このとき、流れ(43)の一部を、系内にブタンやペンタンなどのパラフィン類が蓄積することを防ぐために、パージ流れ(44)として系外へパージし、流れ(45)として反応器(6)へ再循環してもよい。また、パージ流れ(44)は例えば、本プロセス及び/又は他プロセスの燃料として利用してもよく、スチームクラッカーの原料としてスチームクラッキングし、エチレンやプロピレンなどのオレフィンを製造してもよい。
前述の通り、本発明において、圧縮機は、2段以上に多段に設けられていればよく、図1のように、3段に設ける場合に何ら限定されない。圧縮機が2段に設けられる場合は、前段の圧縮機の圧縮により生じた液体成分をストリッパー(37)に送給し、ストリッパー(37)で分離された気体成分を後段の圧縮機に送給すればよい。また、図1のように圧縮機を3段に設けた場合、1段目の圧縮機(13)の圧縮により生じた液体成分のみをストリッパー(37)に送給することもできるが、好ましくは、1段目の圧縮機(13)と2段目の圧縮機(17)の圧縮により生じた液体成分をストリッパー(37)に送給し、ストリッパー(37)で分離された気体成分を最後段の1段目の圧縮機(22)に送給するのが、プロピレン収率維持の点において有利である。
更に圧縮機を4段以上に多段に設ける場合であっても、最後段の圧縮機以外のストリッパーの圧縮により生じた液体成分をストリッパーに送給し、ストリッパーで分離された気体成分を最後段の圧縮機に送給するのが好ましい。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
以下の実施例1及び参考例1は、それぞれ、図1,2に示すプロセスについて、プロセスシミュレーターである「Aspen Plus」(Aspen Technology,Inc製)を用いて実際のプロセスに沿って計算機上で構築したものをシミュレーションしたものである。なお、Aspen Plusは、通常の化学薬品、電解質、固体やポリマーに関する物性推算モデルや純物質パラメータの大規模なデータベースを含むプロセスモデリングソフトであり、実プラントの蒸留や溶媒抽出の設計条件や運転状態を入力して、化学工学的手法に基づき計算により実プラントと同等のデータを再現できるソフトである。
[実施例1]
図1に示すプロセスフローで実施した。
図1中の脱C2塔(32)は40段の理論段を有し、塔頂圧力3.0MPaA(「MPaA」は「絶対圧」を示す。以下、同様。)で運転される。
脱C2塔には、水分除去設備(27),(30)からの流れ(28)と流れ(31)が、それぞれ塔頂から6段目と9段目に供給され、エチレン及びエタンなどの炭素数2以下の炭化水素に富んだ流れ(33)が塔頂から抜き出され、プロピレンなどの炭素数3以上の炭化水素に富んだ流れ(36)が塔底から抜き出される。このとき、前記式1で算出される値が0.0001、前記式2で算出される値が0.0008となるように条件設定する。このときの脱C2塔(32)の塔径及びリボイラーの熱負荷量を表1に示す。
脱C3塔(40)は39段の理論段を有し、塔頂圧力2.0MPaAで運転される。脱C3塔(40)には、下記組成の、脱C2塔(32)からの炭素数3以上の炭化水素に富んだ流れ(36)が塔頂から20段目の理論段から供給され、プロピレン及びプロパンの炭素数3の炭化水素に富んだ流れ(41)が塔頂から抜き出され、ブテンやブタンなどの炭素数4以上の炭化水素に富んだ流れ(42)が塔底から抜き出される。このとき、前記式3で算出される値が0.001、前記式4で算出される値が0.001となるように条件設定する。このときの脱C3塔(40)の塔径及びリボイラーの熱負荷量を表2に示す。
(流れ(36)の組成:重量%)
プロピレン:21.6
プロパン:1.8
ブテン類:11.0
ブタン類:49.1
C5類:15.8
C6以上:0.7
ストリッパー(37)は17段の理論段を有し、塔頂圧力0.75MPaAで運転される。
ストリッパー(37)には、下記組成の、第1圧縮機(13)及び第2圧縮機(17)からの液体成分の流れ(19),(24)がそれぞれ槽(15),(20)を介して塔頂から1段目の理論段から供給され、プロピレンやプロパンなどの炭素数3以下の炭化水素に富んだ流れ(38)が塔頂から抜き出され、槽(20)を経て第3圧縮機(22)に送給される。また、炭素数4以上6以下の炭化水素に富む流れ(39)が塔頂から14段の理論段から抜き出され、炭素数7以上のオレフィン類及びパラフィン類などの高沸点成分の流れ(49)が塔底から抜き出される。このときのストリッパー(37)の塔径及びリボイラーの熱負荷量を表4に示す。なお、流れ(38)中のプロピレン含有量は19重量%である。
(流れ(19)の組成:重量%)
C2以下:0.2
プロピレン:1.6
プロパン:0.2
ブテン類:4.1
ブタン類:14.3
C5類:24.7
C6以上:54.7
水:0.2
(流れ(24)の組成:重量%)
C2以下:1.4
プロピレン:6.0
プロパン:0.6
ブテン類:9.8
ブタン類:38.7
C5類:36.0
C6以上:7.2
水:0.3
このときの第1〜第3圧縮機(13),(17),(22)の圧縮条件は以下の通りである。
流れ(12):圧力約0.1MPaA,温度約50℃
流れ(14):圧力約0.3MPaA,温度約100℃
流れ(16):圧力約0.3MPaA,温度約40℃
流れ(18):圧力約0.9MPaA,温度約90℃
流れ(19):圧力約0.3MPaA,温度約40℃
流れ(21):圧力約0.7MPaA,温度約40℃
流れ(23):圧力約2.7MPaA,温度約100℃
流れ(24):圧力約0.73MPaA,温度約40℃
また、流れ(16)と流れ(19)の流量比は、流れ(16)97重量%、流れ(19)3重量%であり、流れ(21)と流れ(24)の流量比は、流れ(21)66重量%、流れ(24)34重量%である。
ストリッパー(37)の入口圧力は約1.00MPaA、温度は約40℃であり、ストリッパー(37)の塔底の圧力は約0.76MPaA、温度は110〜120℃であり、ストリッパー(37)の塔頂の圧力は約0.75MPaA、温度は約50〜60℃である。
プロピレン精製塔(46)は200段の理論段を有し、塔頂圧力1.9MPaAで運転される。プロピレン精製塔(46)では、脱C3塔(40)からの炭素数3の炭化水素に富んだ流れ(41)が塔頂から117段目の理論段から供給され、プロピレンに富んだ流れ(47)を塔頂から抜き出し、プロパンに富んだ流れ(48)を塔底から抜き出す。このとき、前記式5で算出される値が0.96、前記式6で算出される値が0.97となるように条件設定する。このときのプロピレン精製塔(46)の塔径及びリボイラーの熱負荷量を表5に示す。
[参考例1]
図2に示すプロセスフローで実施した。
図2において、図1に示す部材と同一機能を奏する部材には同一符号を付してある。このプロセスフローは、槽(15),(20)からの流れ(19),(24)を水分除去装置30に送給したこと、ストリッパー(37)の代りに脱C3塔(40)からの炭素数4以上の炭化水素に富んだ流れ(42)を更に炭素数4以上6以下の炭化水素に富んだ流れ(39)と炭素数7以上の炭化水素に富んだ流れ(49)とに分離する脱C6塔(50)を設けた点が図1に示すプロセスフローと異なり、その他は同様の構成とされている。
脱C2塔(32)は、43段の理論段を有し、実施例1と同様に、塔頂圧力3.0MPaAで運転され、前記式1で算出される値が0.0001、前記式2で算出される値が0.0008となるように条件設定される。このときの脱C2塔の塔径及びリボイラーの熱負荷量を表1に示す。
脱C3塔(40)は、68段の理論段を有し、実施例1と同様に塔頂圧力2.0MPaAで運転され、前記式3で算出される値が0.001、前記式4で算出される値が0.001となるように条件設定する。このときの脱C3塔(40)の塔径及びリボイラーの熱負荷量を表2に示す。
脱C6塔(50)は16段の理論段を有し、塔頂圧力0.40MPaAで運転される。脱C6塔(50)では、炭素数4以上6以下の炭化水素に富んだ流れ(39)を塔頂から抜き出し、炭素数7以上の炭化水素に富んだ流れ(49)を塔底から抜き出す。このときの脱C6塔(50)の塔径及びリボイラーの熱負荷量を表4に示す。
プロピレン精製塔(46)は98段の理論段を有し、実施例1と同様に、塔頂圧力1.9MPaAで運転され、前記式5で算出される値が0.96、前記式6で算出される値が0.97となるように条件設定する。このときのプロピレン精製塔(46)の塔径及びリボイラーの熱負荷量を表5に示す。
Figure 0006172024
Figure 0006172024
Figure 0006172024
Figure 0006172024
Figure 0006172024
以上の通り、実施例1におけるリボイラー負荷の合計は33.0MWであり、一方、参考例1におけるリボイラー負荷の合計は82.4MWであった。
従って、本発明によれば、プロピレンの収率を維持した上で、精製系にかかるエネルギーを削減することができることが分かる。
2 MTD反応装置
6 反応器
8 クエンチ工程
11,15,20,25 槽
13,17,22 圧縮機
27,30 水分除去設備
32 脱C2塔
33 炭素数2以下の炭化水素に富んだ流れ
36 炭素数3以上の炭化水素に富んだ流れ
37 ストリッパー(蒸留装置)
39 炭素数4以上6以下の炭化水素に富んだ流れ
40 脱C3塔
41 炭素数3の炭化水素に富んだ流れ
42 炭素数4以上の炭化水素に富んだ流れ
46 プロピレン精製塔
47 プロピレンに富んだ流れ
48 プロパンに富んだ流れ
49 炭素数7以上の炭化水素に富んだ流れ
50 脱C6塔

Claims (4)

  1. オレフィンとメタノール及び/又はジメチルエーテルとを反応させて得られた反応生成物を冷却後、多段に設けられた2以上の圧縮装置に、前段の圧縮装置における圧縮により生じた気体成分を次段の圧縮装置に供給するようにして順次供給し、最後段の圧縮装置における圧縮により生じた成分からプロピレンを得るプロピレンの製造方法において、
    少なくとも第1段目の圧縮装置における圧縮により生じた液体成分を蒸留装置へ供給し、該蒸留装置から排出される気体成分を、圧縮により生じた液体成分が該蒸留装置に送給される圧縮装置より後段の圧縮装置に供給することを特徴とするプロピレンの製造方法。
  2. オレフィンとメタノール及び/又はジメチルエーテルとを、アルミノシリケート触媒の存在下に反応させることを特徴とする、請求項1に記載のプロピレンの製造方法。
  3. 前記蒸留装置に送給される液体成分が、炭素数4以上のオレフィンを10モル%以上含有することを特徴とする、請求項1又は2に記載のプロピレンの製造方法。
  4. 前記圧縮装置は3段に設けられており、第1段目の圧縮装置と第2段目の圧縮装置における圧縮により生じた液体成分を前記蒸留装置に送給し、該蒸留装置から排出される気体成分を最後段の圧縮装置に送給することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のプロピレンの製造方法。
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