JP2015189720A - プロピレンの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】触媒の劣化を抑制した上で、目的生成物であるプロピレンの収率を向上させることができる工業的に有利なプロピレンの製造方法を提供する。
【解決手段】オレフィンとメタノール及び/又はジメチルエーテルとを触媒の存在下に反応させて得られた反応生成物を、炭素数2以下の炭化水素、炭素数3の炭化水素、炭素数4〜6の炭化水素、炭素数7以上の炭化水素に富んだ流れにそれぞれ分離する。分離された炭素数4〜6の炭化水素に富んだ流れを反応工程に循環させるに当たり、反応工程に流入するトータルの流れにおける、炭素数7以上の炭化水素に対する炭素数4以上6以下の不飽和炭化水素のモル流量比が5〜5000となるように、炭素数4以上6以下の炭化水素に富んだ流れと共に炭素数7以上の炭化水素に富んだ流れを反応工程に循環させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、オレフィンとメタノール及び/又はジメチルエーテルを含む原料ガスからプロピレンを製造する方法に関し、詳しくは、前記原料ガスを触媒の存在下、増炭反応及び/又はクラッキング反応により、主成分としてプロピレンを含む生成ガスを得る、プロピレンの製造方法に関するものである。
プロピレンを製造する方法としては、ナフサやエタンのクラッキング、減圧軽油の流動接触分解などのほかにも、プロピレンを選択的に製造する有効な方法として、オレフィンとメタノール及び/又はジメチルエーテルを反応させてプロピレンを製造する方法がある。この方法において、触媒の劣化を抑制した上で原料の利用効率を高めるために、反応器出口から流出するガス(反応器出口ガス)中に含まれる芳香族化合物の少なくとも一部を除去し、芳香族化合物が低減された反応器出口ガス中に含まれる炭素数4以上のオレフィンの少なくとも一部を反応器にリサイクルするプロセスが開示されている(特許文献1)。
特開2008−100994号公報
特許文献1に記載の方法であれば、触媒の劣化を抑えながら、高い収率でプロピレンを製造することができるが、触媒コストの低減、生産性の向上を目的として、更なる改良が望まれている。
本発明の課題は、触媒の劣化を十分に抑制した上で、目的生成物であるプロピレンの収率を向上させることができる工業的に有利なプロピレンの製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、触媒が充填された反応器にオレフィンとメタノール及び/又はジメチルエーテルを供給して反応を行う際に、反応器に流入するトータルの流れにおける、炭素数4以上6以下の不飽和炭化水素に対する炭素数7以上の炭化水素のモル流量比が特定の範囲となるように、精製工程で分離された炭素数4以上6以下の炭化水素に富んだ流れと炭素数7以上の炭化水素に富んだ流れとを反応器に循環させることにより、或いは、精製工程において、炭素数7以上の炭化水素を含む炭素数4以上の炭化水素に富んだ流れを分離することにより、目的生成物であるプロピレンの収率を向上させると共に、触媒の劣化を十分に抑制することができることを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明の要旨は、以下の[1]〜[7]に存する。
[1] オレフィンとメタノール及び/又はジメチルエーテルとを触媒の存在下に反応させる反応工程、前記反応工程で製造された反応生成物を、炭素数2以下の炭化水素に富んだ流れと、炭素数3の炭化水素に富んだ流れと、炭素数4以上6以下の炭化水素に富んだ流れと、炭素数7以上の炭化水素に富んだ流れとに分離する精製工程、並びに前記精製工程で分離された炭素数4以上6以下の炭化水素に富んだ流れを前記反応工程に循環させるリサイクル工程を有するプロピレンの製造方法であって、前記反応工程に流入するトータルの流れにおける、炭素数7以上の炭化水素に対する炭素数4以上6以下の不飽和炭化水素のモル流量比が5〜5000となるように、前記リサイクル工程において、前記炭素数4以上6以下の炭化水素に富んだ流れと共に前記炭素数7以上の炭化水素に富んだ流れを前記反応工程に循環させる、プロピレンの製造方法。
[2] オレフィンとメタノール及び/又はジメチルエーテルとを触媒の存在下に反応させる反応工程、前記反応工程で製造された反応生成物を、炭素数2以下の炭化水素に富んだ流れと、炭素数3の炭化水素に富んだ流れと、炭素数4以上の炭化水素に富んだ流れとに分離する精製工程、並びに前記精製工程で分離された炭素数4以上の炭化水素に富んだ流れを前記反応工程に循環させるリサイクル工程を有するプロピレンの製造方法であって、前記反応工程に流入するトータルの流れにおける、炭素数7以上の炭化水素に対する炭素数4以上6以下の不飽和炭化水素のモル流量比が5〜5000となるように、前記精製工程において炭素数4以上の炭化水素に富んだ流れを分離する、プロピレンの製造方法。
[3] 前記反応工程に流入するトータルの流れにおける炭素数7以上の炭化水素に対する炭素数4以上6以下の不飽和炭化水素のモル流量比が5〜3000である、[1]又は[2]に記載のプロピレンの製造方法。
[4] 前記炭素数7以上の炭化水素が、炭素数7以上のオレフィンを含有する、[1]から[3]のいずれかに記載のプロピレンの製造方法。
[5] 前記触媒が結晶性アルミノシリケートを含有する、[1]から[4]のいずれかに記載のプロピレンの製造方法。
[6] 前記反応工程に、オレフィンを含む原料を追加的に供給する、[1]から[5]のいずれかに記載のプロピレンの製造方法。
[7] 前記オレフィンが炭素数4のオレフィン及び/又は炭素数5のオレフィンである、[6]に記載のプロピレンの製造方法。
本発明のプロピレンの製造方法によれば、触媒の劣化を十分に抑制した上で、目的生成物であるプロピレンの収率を向上させることができる。
本発明のプロピレンの製造方法の実施形態の一例を示す系統図である。 実施例で用いた反応装置を示す系統図である。
本発明を実施するための形態を以下のように詳細に説明するが、以下に記載する説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を超えない限り、以下の態様に限定されるものではない。
本発明のプロピレンの製造方法は、オレフィンとメタノール及び/又はジメチルエーテルとを触媒の存在下反応させる反応工程、前記反応工程で製造された反応生成物を、以下のように複数の流れに分離する精製工程、並びに前記精製工程で分離された所定の炭素数の炭化水素を含む循環流れを前記反応工程に循環させるリサイクル工程を有するプロピレンの製造方法であって、前記循環流れに、炭素数4以上6以下の炭化水素と共に、炭素数7以上の炭化水素を所定の割合で存在させることを特徴とする。
即ち、本発明の第1態様では、精製工程において、反応工程で製造された反応生成物を、炭素数2以下の炭化水素に富んだ流れと、炭素数3の炭化水素に富んだ流れと、炭素数4以上6以下の炭化水素に富んだ流れと、炭素数7以上の炭化水素に富んだ流れとに分離し、リサイクル工程において、分離された炭素数4以上6以下の炭化水素に富んだ流れを含む循環流れを反応工程に循環させるが、その際に、反応工程に流入するトータルの流れにおける、炭素数7以上の炭化水素に対する炭素数4以上6以下の不飽和炭化水素のモル流量比が5〜5000となるように、リサイクル工程において炭素数4以上6以下の炭化水素に富んだ流れと共に炭素数7以上の炭化水素に富んだ流れを反応工程に循環させる。
また、本発明の第2態様では、精製工程において、反応工程で製造された反応生成物を、炭素数2以下の炭化水素に富んだ流れと、炭素数3の炭化水素に富んだ流れと、炭素数4以上の炭化水素に富んだ流れとに分離し、リサイクル工程において、分離された炭素数4以上の炭化水素に富んだ流れを含む循環流れを反応工程に循環させるが、その際に、反応工程に流入するトータルの流れにおける、炭素数7以上の炭化水素に対する炭素数4以上6以下の不飽和炭化水素のモル流量比が5〜5000となるように、精製工程において、炭素数7の炭化水素を含む炭素数4以上の炭化水素に富んだ流れを分離する。
なお、以下において、反応工程に流入するトータルの流れにおける、炭素数7以上の炭化水素に対する炭素数4以上6以下の不飽和炭化水素のモル流量比を「流入(C〜C)/Cモル比」と称す場合がある。
本発明は、このように、流入(C〜C)/Cモル比が5〜5000となるように、精製工程で分離された炭素数7以上の炭化水素に富んだ流れを炭素数4以上6以下の炭化水素に富んだ流れと共に反応工程に循環する(第1の態様)か、或いは、精製工程において、炭素数4以上6以下の炭化水素に富んだ流れとして、炭素数4以上6以下の炭化水素と共に炭素数7以上の炭化水素を含む流れを分離することにより、触媒の劣化速度を小さくし、触媒の劣化を十分に抑制しつつ目的生成物であるプロピレンの収率を向上させるものである。
本発明は、より具体的には、後述の各工程を含む実施態様が挙げられるが、本発明の課題を解決するという目的に従う限り、本発明は、後述の工程以外の工程の存在を排除するものではなく、後述の各工程の間に他の工程が存在しても良い。
なお、本発明において「富んだ」とは、主体とする成分の含有量が50モル%以上、好ましくは70モル%以上、より好ましくは90モル%以上、さらに好ましくは95モル%以上であることを意味する。例えば、「炭素数4以上の炭化水素に富んだ流れ」とは、「炭素数4以上の炭化水素」を50モル%以上、好ましくは70モル%以上、より好ましくは90モル%以上、さらに好ましくは95モル%以上含む流れである。
[触媒]
まず、本発明で用いる触媒について説明する。
本発明に係る反応に用いられる触媒としては、メタノール及びジメチルエーテルの一方又は両方とオレフィン、好ましくは炭素原子数4以上6以下のオレフィンとからプロピレンを生じさせることができる触媒が用いられる。触媒は一種のみを用いても二種以上を用いてもよい。
このような触媒としては、ブレンステッド酸点を有する固体状の触媒(固体酸触媒)が挙げられ、例えば、カオリン等の粘土鉱物;粘土鉱物等の担体に硫酸、燐酸等の酸を含浸・担持させてなる触媒;酸性型イオン交換樹脂;ゼオライト類;燐酸アルミニウム類;及び、Al−MCM41等のメソポーラスシリカアルミナなどが挙げられる。
固体酸触媒は、分子篩効果を有することが好ましく、また、酸強度があまり高くないことが好ましい。
分子篩効果を有する固体酸触媒としては、例えば、International Zeolite Association(IZA)が規定するコードにおけるAEI、AET、AEL、AFI、AFO、AFS、AST、ATN、BEA、CAN、CHA、EMT、ERI、EUO、FAU、FER、LEV、LTL、MAZ、MEL、MFI、MOR、MTT、MTW、MWW、OFF、PAU、RHO、STT、TON等の構造を有するゼオライト類や燐酸アルミニウム類が挙げられる。
その中でも触媒のフレームワーク密度が18.0T/nm以下である触媒が好ましく、このようなものとしては、好ましくは、MFI、MEL、MOR、MWW、FAU、BEA、CHA、より好ましくは、MFI、MEL、MOR、MWW、CHA、特に好ましくはMFI、MEL、MWW、CHAが挙げられる。ここで、フレームワーク密度(単位:T/nm)とは、ゼオライトの単位体積(1nm)当たりに存在するT原子(ゼオライトの骨格を構成する原子のうち、酸素以外の原子)の個数を意味し、この値はゼオライトの構造により決めることができる。
本発明で用いる触媒は、細孔径が0.3〜0.9nmのミクロ細孔を有し、BET比表面積が200〜700m/g、細孔容積が0.1〜0.5cc/gである結晶性アルミノシリケート類、メタロシリケート類、又は結晶性燐酸アルミニウム類であることが好ましい。なお、ここで言う細孔径とは、International Zeolite Association(IZA)が定める結晶学的なチャネル直径(Crystallographic free diameter of the channels)を意味し、細孔(チャネル)の形状が真円形の場合は、その直径を意味し、細孔の形状が楕円形の場合は、短径を意味する。
また、アルミノシリケートの中では、SiO/Alのモル比が10以上であることが、触媒の耐久性の観点から好ましい。SiO/Alのモル比の上限は、触媒における十分な活性を得る観点から、通常、10,000である。上記モル比は、蛍光X線や化学分析法等の常法により求めることができる。触媒中のアルミニウム含量は触媒調製の際の原料仕込み量でコントロールすることができ、また、調製後にスチーミング等によりアルミニウムを減らすこともできる。また、アルミニウムの一部をホウ素やガリウム等の他の元素に置き換えてもよく、特にホウ素で置換することが好ましい。
触媒の粒径は、プロピレンの生成反応の条件により異なるが、触媒の活性を示す表面積の十分な確保と触媒の取り扱い性との観点から、通常、平均粒径として0.01〜500μmである。触媒の平均粒径は、SEMによる観察により求めることができる。
触媒は、一般的に水熱合成と呼ばれる公知の方法により調製することができ、また、水熱合成後にイオン交換、脱アルミニウム処理、含浸や担持等の修飾により組成を変えることができる。
本発明に好適な固体酸触媒としては、例えばSiO/Alのモル比が100以上のMFI型ゼオライトとアルミナとの混合物を焼成してなる触媒が挙げられる。
本発明のプロピレンの製造方法は、好ましくは、このような触媒を充填した固定床を形成した反応器に反応原料をガス状で通気することにより行われる。ここで、触媒の固定床は、触媒以外の成分を含んでいてもよい。このような成分として、例えば不活性粒子が挙げられる。不活性粒子には、反応に不活性な物質やバインダーによる造粒品を用いることができる。反応に不活性な物質やバインダーとしては、例えばアルミナ又はアルミナゾル、シリカ、シリカゲル、石英、及びそれらの混合物が挙げられる。
触媒の固定床において、反応器全体の固定床の触媒濃度は同一であってもよいし、固定床毎又は固定床群毎においてそれぞれ触媒濃度が異なっていてもよい。また、固定床の前記通気方向における触媒濃度についても、一定であってもよいし、段階的に異なっていてもよいし、傾斜があってもよい。固定床における触媒濃度は、不活性粒子と触媒との混合割合によって調整することができ、実験機による実験やコンピュータシミュレーションによる計算によって決めることができる。
[反応原料]
本発明で反応原料とするオレフィン、メタノール、ジメチルエーテルについて説明する。
<オレフィン原料>
オレフィンとしては炭素数4以上のオレフィンが好ましく、炭素数4〜10のオレフィンがより好ましい。
このようなオレフィン原料の製造由来は特に限定されず、例えば、石油供給原料から接触分解法又はスチームクラッキング等により製造されるもの(BB留分、C4ラフィネート−1、C4ラフィネート−2等)、石炭のガス化により得られる水素/CO混合ガスを原料としてFT(フィッシャートロプシュ)合成を行うことにより得られるもの、エチレンの二量化反応を含むオリゴマー化反応により得られるもの、炭素数4以上のパラフィンの脱水素法又は酸化脱水素法により得られるもの、MTO反応によって得られるもの、アルコールの脱水反応によって得られるもの、炭素数4以上のジエン化合物の水素化反応により得られるもの等の、公知の各種方法により得ることができ、各製法に起因するオレフィンを任意に混合したものでもよく、精製したものでもよい。
オレフィン原料には例えばノルマルブタン及び/又はイソブタン等のパラフィン類を含んでいてもよく、このようなオレフィンとしては、例えばBB留分、C4ラフィネート−1やC4ラフィネート−2が好ましい。
<メタノール、ジメチルエーテル>
メタノール及び/又はジメチルエーテルの製造由来は特に限定されず、例えば、石炭及び天然ガス、ならびに製鉄業における副生物由来の水素/COの混合ガスの水素化反応により得られるもの、植物由来のアルコール類の改質反応により得られるもの、発酵法により得られるもの、再循環プラスチックや都市廃棄物等の有機物質から得られるもの等が挙げられる。また、後述するMTD反応装置により製造されるものでもよい。このとき各製造方法に起因するメタノール及びジメチルエーテル以外の化合物が任意に混合した状態のものをそのまま用いてもよく、精製したものを用いてもよい。
[プロピレンの製造プロセス]
本発明のプロピレンの製造方法で採用されるプロセスの一実施形態について、図1を参照して以下のように説明する。図1は、本発明のプロピレンの製造方法の実施の形態の一例に係る系統図を示し、図1における各工程は以下の通りである。
<反応工程>
メタノールを含む原料(1)は、通常、80%以上のメタノールがジメチルエーテルに転換されるMTD反応装置(2)を経てメタノール及び/又はジメチルエーテルを含む流れ(3)を形成し、前記流れ(3)と、系内でリサイクルされる成分である炭素数2以下の炭化水素に富んだ流れ(28)及び炭素数4以上6以下の炭化水素に富んだ流れ(30)とが合流した流れ(反応器(6)に流入するトータルの流れ)(5)が、上記触媒が充填された反応器(6)に入り、反応生成物(反応器出口ガス)として、生成物であるプロピレン、未反応原料、副生成物及び希釈剤を含む混合流れ(7)が得られる。
このとき、オレフィンを含む原料、好ましくは炭素数4のオレフィン及び/又は炭素数5のオレフィンを含む原料(4)を外部より追加的に供給してトータルの流れ(5)を形成してもよい。オレフィンを含む原料(4)としては、例えばスチームクラッカーによって製造されるC4留分、C5留分やFCC(流動接触分解)によって製造されるC4留分、C5留分やそれらの混合物などが挙げられるが、それらに限らずオレフィンを含む炭化水素化合物であれば特に限定しない。
本発明においては、反応器(6)に流入するトータルの流れ(5)中における炭素数7以上の炭化水素に対する炭素数4以上6以下の不飽和炭化水素のモル流量比が5〜5000となるように、後述のように、カラム(24)における蒸留分離条件を調整するか、或いは、炭素数7以上の炭化水素に富んだ流れ(26)の一部を反応器(6)に循環する。
なお、本発明の反応は気相反応であり、反応器(6)の形態としては特に制限はないが、通常、連続式の固定床反応器や流動床反応器が用いられ、好ましくは固定床反応器である。
反応温度は、未反応原料の発生を防止する観点、及びプロピレンの収率の低下を抑制する観点から、反応器(6)の入口での原料ガスの温度で、通常300〜700℃であることが好ましく、400〜600℃であることがより好ましい。また、反応器(6)の出口ガス温度は通常300〜700℃であることが好ましく、400〜600℃であることがより好ましい。
反応圧力は、通常2MPa(絶対圧)以下であり、副生成物の生成を抑制する観点、及びプロピレンの生成反応の反応速度の低下を抑制する観点から、1kPa〜1MPa(絶対圧)であることが好ましく、50kPa〜0.7MPa(絶対圧)であることがより好ましい。
空間速度は、原料の転化率の低減を抑制する観点、プロピレンの十分な選択率を得る観点、触媒の使用量を抑える観点、及び副生成物の生成を抑制する観点から、0.1〜500hr−1であることが好ましく、1.0〜100hr−1であることがより好ましい。なお、空間速度とは、触媒の重量当たりの原料ガス中の炭素原子数4〜6のオレフィンの流量とメタノール及びジメチルエーテルの流量を足し合わせた流量(重量/時間)である。
反応器(6)内には、炭素数4以上のオレフィンとメタノール及び/又はジメチルエーテルの他に、パラフィン類、芳香族類、水(水蒸気)、二酸化炭素、一酸化炭素、窒素、アルゴン、ヘリウム、及び、それらの混合物といった、反応に不活性な気体を希釈剤として存在させることができる。なお、これらのうち、パラフィン類や芳香族類は、反応条件によっては若干反応することがあるが、反応量が少ないことから、希釈剤として定義する。
このような希釈剤としては、反応原料に含まれている不純物をそのまま使用しても良いし、別途調製した希釈ガスを反応原料と混合して用いても良い。
また、希釈剤は反応器に入れる前に反応原料と混合しても良いし、反応原料とは別に反応器に供給しても良い。
本発明に好ましい希釈剤は、炭素数4以上のパラフィン類であり、より好ましくはノルマルブタン及び/又はイソブタンである。これらのパラフィン類は、オレフィン原料に含まれるものを利用することができると共に、熱容量が比較的大きい化合物であることから、反応温度の制御が容易になる点において有利である。
反応器(6)で得られる反応生成物である混合流れ(7)中のプロピレン濃度は通常5〜95質量%である。また、混合流れ(7)に含まれる未反応原料は、通常炭素数4以上のオレフィンである。混合流れ(7)には、反応条件によってはメタノール及び/又はジメチルエーテルが含まれるが、メタノール及び/又はジメチルエーテルが残らないような反応条件で反応を行うのが好ましい。それにより、反応生成物と未反応原料との分離が容易になる。
本発明は、反応工程、即ち、反応器(6)に流入するトータルの流れにおける炭素数7以上の炭化水素に対する炭素数4以上6以下の不飽和炭化水素のモル流量比を5〜5000とするプロピレンの製造方法であり、好ましくはこの流入(C〜C)/Cモル比は5〜3000、より好ましくは5〜1000、さらに好ましくは5〜200である。流入(C〜C)/Cモル比をこの範囲とすることにより、触媒寿命を許容範囲に維持しつつプロピレン収率の向上を図ることができる。
ここで、炭素数7以上の炭化水素のうち、炭素数7の炭化水素としては、例えばノルマルヘプタン等のパラフィン類;1−ヘプテン、3−メチル−トランス−2−ヘキセン等のオレフィン類;トルエン等の芳香族類等が挙げられる。これらの中でもオレフィン類である1−ヘプテン、3−メチル−トランス−2−ヘキセン等が好ましい。
炭素数8の炭化水素としては例えば、ノルマルオクタン等のパラフィン類;1−オクテン等のオレフィン類;キシレン等の芳香族類等が挙げられる。これらの中でも1−オテクン等のオレフィン類が好ましい。
炭素数9以上の炭化水素としては、例えばノルマルノナン等のパラフィン類;1−ノネン等のオレフィン類;1−メチル−2−エチルベンゼン等のといった芳香族類等が挙げられる。これらの中でも1−ノネン等のオレフィン類等が好ましい。
炭素数7以上の炭化水素には、これらの炭素数7以上の炭化水素の1種のみが含まれていてもよく、2種以上が含まれていてもよいが、反応工程に循環される炭素数7以上の炭化水素のうち、炭素数7の炭化水素が30〜100モル%、炭素数8の炭化水素が0〜40モル%、炭素数9以上の炭化水素が0〜30モル%であることが好ましい。
なお、本発明では、カラム(24)における蒸留分離条件を調整すると共に、系外から更に1−ヘプテンやトランス−3−ヘプテン等の炭素数7のオレフィンを1〜50モル%含有するガソリン等を導入することにより、反応工程に流入するトータルの流れにおける流入(C〜C)/Cモル比が前記の範囲となるように調整してもよい。
<精製工程>
反応工程からの反応生成物は、冷却、圧縮及び蒸留等の一般的な分離、精製工程を経て、炭素数2以下の炭化水素に富んだ流れ、炭素数3以上の炭化水素に富んだ流れ、炭素数3の炭化水素に富んだ流れ、プロピレンに富んだ流れ、プロパンに富んだ流れ、炭素数3以下の炭化水素に富んだ流れ、炭素数4以上の炭化水素に富んだ流れ、炭素数4以上6以下の炭化水素に富んだ流れ、炭素数7以上の炭化水素に富んだ流れ、及び水に富んだ流れ等に分離される。これらの流れはプロセスの態様によって選択される。
炭素数2以下の炭化水素に富んだ流れとは、分離装置に供給される流れに比して当該分離装置から排出される流れにおいて炭素数2以下の炭化水素の含有率が増加している流れのことであり、好ましくは、当該流れに炭素数2以下の炭化水素が最も多く含まれることであり、より好ましくは当該流れに炭素数2以下の炭化水素が60質量%以上含まれることである。同様に、他の流れも定義することができる。
精製工程の一例について図1を例に説明するが、分離の順序としては特に限定されず、図1の態様のほか、例えば、炭素数3以下の炭化水素に富んだ流れと炭素数4以上の炭化水素に富んだ流れに分離した後、炭素数3以下の炭化水素に富んだ流れを炭素数2以下の炭化水素に富んだ流れと炭素数3の炭化水素に富んだ流れに分離し、炭素数4以上の炭化水素に富んだ流れを炭素数4以上6以下の炭化水素に富んだ流れと炭素数7以上の炭化水素に富んだ流れに分離してもよい。
また、必要に応じクエンチ、アルカリ洗浄、脱水等の処理を行うことができる。
反応生成物である反応器(6)の出口ガス中に、メタノール等の含酸素化合物が含まれる場合には、例えば図1のクエンチ工程(8)により、含酸素化合物の少なくとも一部が除去される。反応器(6)出口ガスに二酸化炭素などの酸性ガスが含まれる場合には、アルカリ洗浄により、酸性ガスの少なくとも一部が除去される。また、クエンチ工程(8)により、反応器(6)出口ガスに含まれる水分の少なくとも一部を分離してもよく、その分離された水分は水に富んだ流れ(9)として系外へ排出してもよい。また、クエンチ工程(8)により、反応器(6)出口ガスに含まれる水分の少なくとも一部を分離すると同時に反応器出口ガスの冷却を行ってもよい。
水の分離は主に冷却及び/又は圧縮により凝縮することによって行うことができる。水の分離は例えば図1の圧縮工程(11)で行ってもよい。圧縮された流れ(12)中に残留する水分はモレキュラーシーブ等の吸着剤を充填した水分除去工程(13)で除去するのが好ましい。凝縮及び/又は吸着により除去した水は活性汚泥等の廃水処理工程に供しても良いが、プロセス水等に使用することも可能である。
水分が除去された流れ(14)は、例えば蒸留塔(以下において、「カラム」と称す。)などの分離工程により、それぞれの流れに分離することができる。
流れ(14)は、まずカラム(15)により炭素数2以下の炭化水素に富んだ流れ(16)と炭素数3以上の炭化水素に富んだ流れ(17)に分離される。
流れ(16)は反応器(6)へリサイクルすることが好ましい。その際、反応工程にメタンやエタンが蓄積することを防ぐために、流れ(16)の少なくとも一部をパージ(27)してもよい。
炭素数2以下の炭化水素に富んだパージ流れ(27)は本プロセス及び/又は他プロセスの燃料として利用することが好ましい。また、本プロセスの水分除去工程(13)に充填されているモレキュラーシーブ等の吸着剤により吸着された水を除去する再生ガスとして用いても良い。また、炭素数2以下の炭化水素に富んだパージ流れ(27)をさらに分離し、製品や他プロセスの原料としてもよい。
前述の態様の他、流れ(14)を炭素数3以下の炭化水素に富んだ流れと炭素数4以上の炭化水素に富んだ流れに分離した後に炭素数3以下の炭化水素に富んだ流れを炭素数2以下の炭化水素に富んだ流れと炭素数3の炭化水素に富んだ流れに分離してもよい。
炭素数3以上の炭化水素に富んだ流れ(17)は、カラム(18)により炭素数3の炭化水素に富んだ流れ(19)と炭素数4以上の炭化水素に富んだ流れ(20)に分離される。
炭素数3の炭化水素に富んだ流れ(19)は、カラム(21)によりプロピレンに富んだ流れ(22)とプロパンに富んだ流れ(23)に分離される。
炭素数4以上の炭化水素に富んだ流れ(20)は、カラム(24)により炭素数4以上6以下の炭化水素に富んだ流れ(25)と炭素数7以上の炭化水素に富んだ流れ(26)に分離される。
炭素数4以上6以下の炭化水素に富んだ流れ(25)は、リサイクル流れ(30)として反応器(6)にリサイクルされるが、この時、反応工程にヘプタンやペンタンが蓄積することを防止するために、流れ(25)の一部をパージ(29)してもよい。パージ流れ(29)は例えば、本プロセス及び/又は他プロセスの燃料として利用してもよく、スチームクラッカーの原料としてスチームクラッキングし、エチレンやプロピレンなどのオレフィンを製造してもよい。
炭素数7以上の炭化水素に富んだ流れ(26)は本プロセス及び/又は他プロセスの燃料として利用してもよく、精製を行い又は行わず、ガソリンとして使用してもよく、本プロセス及び/又は他プロセスの原料としてもよい。
本発明の第1態様では、カラム(24)で、炭素数4以上6以下の炭化水素に富んだ流れ(25)と炭素数7以上の炭化水素に富んだ流れ(26)とを得、流れ(26)の少なくとも一部をリサイクル流れ(30)に供給することにより、反応工程(反応器(6))に流入するトータルの流れ(5)における流入(C〜C)/Cモル比が前述の範囲を満たすようにする。
この第1態様の場合、カラム(24)に流入する炭素数4以上の炭化水素に富んだ流れ(20)の80〜99質量%を炭素数4以上6以下の炭化水素に富んだ流れ(25)とし、1〜20質量%を炭素数7以上の炭化水素に富んだ流れ(26)としてそれぞれ分離し、流れ(25)の90質量%以上、例えば95〜100質量%と、流れ(26)の0.02〜100質量%程度を反応器(6)にリサイクルすることが望ましい。
また、この第1態様の場合、カラム(24)の蒸留条件は、塔底温度140〜230℃、特に160〜210℃が好ましく、塔内圧力は0.2〜0.7MPa(絶対圧)、特に0.3〜0.6MPa(絶対圧)が好ましい。
本発明の第2態様では、カラム(24)の運転条件を調整し、炭素数4以上6以下の炭化水素に富んだ流れ(25)に炭素数7以上の炭化水素を所定量混入させ、炭素数7以上の炭化水素を含む炭素数4以上6以下の炭化水素に富んだ流れ(25)の少なくとも一部をリサイクル流れ(30)とすることにより、反応工程(反応器(6))に流入するトータルの流れ(5)における流入(C〜C)/Cモル比が前述の範囲を満たすようにする。
この第2態様の場合、カラム(24)に流入する炭素数4以上の炭化水素に富んだ流れ(20)の80〜99質量%を炭素数7以上の炭化水素を含む炭素数4以上6以下の炭化水素に富んだ流れ(25)とし、1〜20質量%を炭素数7以上の炭化水素に富んだ流れ(26)としてそれぞれ分離し、流れ(25)の90質量%以上、例えば95〜100質量%程度を反応器(6)にリサイクルすることが望ましい。
また、この第2態様の場合、カラム(24)の蒸留条件は、塔底温度140〜230℃、特に160〜210℃が好ましく、塔内圧力は0.2〜0.7MPa(絶対圧)、特に0.3〜0.6MPa(絶対圧)が好ましい。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に何ら限定されるものではない。
[触媒の調製]
以下の実施例及び比較例で用いた触媒は、ゼオライト80質量%とアルミナバインダー20質量%からなるものであり、以下のようにして調製した。
用いたゼオライトはSiO/Al(モル比)が200で、その構造は、International Zeolite Association(IZA)が規定するコードで表すところのMFI型である。
このゼオライトとアルミナバインダーとの混合物を、押出し成型にて成型し、乾燥させた後、1辺が約1mmの三ツ葉型、長さ約4mmにそろえた。その後、ロータリーキルンを用いて、温度600℃、滞留時間1時間で焼成した。焼成後、水分圧0.08MPaの窒素気流中に24時間さらして触媒を得た。
[原料]
以下の実施例及び比較例において使用した反応原料等は次の通りである。
オレフィン原料:濃度99体積%以上の1−ブテン液化ガスとエチレンガスを使用した。
炭素数7以上の炭化水素に富んだ流れ:各実施例及び比較例毎に、後掲の表2に示す組成に調整したガソリン成分(液体)をガス化させて使用した。表2に示すガソリン成分の組成は、図1における流れ(26)に近い組成である。
ジメチルエーテル原料:濃度99.9体積%以上のジメチルエーテル液化ガスを使用した。
希釈ガス:窒素と水(ヤマト科学株式会社製超純水製造装置「オートピュアWD501UV」で得られた超純水)を使用した。
[反応装置]
以下の実施例及び比較例において、反応装置としては、図2に示す固定床管型流通反応装置を用いた。この反応装置は、反応気流の流路となるように一又は複数の反応管を収容する反応器(108)と、反応器(108)に原料ガスを供給するための供給管(101)〜(106)と、供給管(101)〜(106)のガスを合体させたガスを供給する供給管(107)と、反応器(108)からガスを排出するための排出管(109)とを備える。反応器(108)は、内径28mmのSUS316製反応管よりなり、この反応器(108)に、上記の触媒60gを高さ155mm充填した。
1−ブテン液化ガスは供給管(101)より、ジメチルエーテル液化ガスは供給管(102)より、エチレンガスは供給管(103)より、水(水蒸気)は供給管(104)より、窒素ガスは供給管(105)より、ガソリン成分は供給管(106)よりそれぞれ供給し、合体した流れを供給管(107)を経て反応器(108)に供給する。
反応器(108)出口から得られたガスの分析には、ガスクロマトグラフィーを用いた。ガスクロマトグラフィーとしては、株式会社島津製作所製「GC−2014」を使用し、「GC−2014」内に取り付けたパックドカラムにより分離したガスをFID検出器及びTCD検出器で検出し、得られたクロマトグラフのピークから、オレフィン、パラフィン、芳香族化合物、及び無機化合物の濃度を測定した。
[プロピレンの製造]
実施例及び比較例においては、以下の共通条件を採用した。
触媒寿命の定義として、原料の1つであるジメチルエーテルの反応器出口における反応転化率が99.5モル%以下になった時点を触媒寿命の終点とした。
プロピレン収率の算出の際には、プロセスシミュレーターであるAspen Technology,Inc製「Aspen Plus」を用いて、図1に示す実際のプロセスに近いフローをプロセスシミュレーター上で構築し、本シミュレーターによりシミュレーションを実施した。なお、「Aspen Plus」は、通常の化学薬品、電解質、固体やポリマーに関する物性推算モデルや純物質パラメータの大規模なデータベースを含むプロセスモデリングソフトであり、実プラントの蒸留や溶媒抽出の設計条件や運転状態を入力して、化学工学的手法に基づき計算により実プラントと同等のデータを再現できるソフトである。
実施例1、実施例2、及び比較例1の全てにおいて、ガソリン成分を供給しない条件下でのプロピレン収率が70%となる条件で実験を行った。
<実施例1>
前記の反応装置を用いてプロピレンの製造を行った。
前記の反応装置に、本発明における反応器入口ガス組成に相当するガスとして、供給管(107)での組成が1−ブテン(18.6体積%)、ジメチルエーテル(9.2体積%)、エチレン(7.6体積%)、水(9.2体積%)、窒素(53.4体積%)、及び表2に示す組成のガソリン成分(2.0体積%)を反応器(108)へ供給した。反応器(108)への供給流量は6.2L/分、空間速度4hr−1とした。反応温度は、反応器入口ガス温度400〜540℃、反応器出口ガス温度540℃とし、反応圧力(反応器内圧力)は0.14MPaG(絶対圧)とした。なお、このときの炭素数7以上の炭化水素のモル流量に対する炭素数4以上6以下の不飽和炭化水素のモル流量の比、即ち流入(C〜C)/Cモル比は12.1である。
反応開始後、定期的に反応器(108)から排出管(109)を経て排出される出口ガスについて、ガスクロマトグラフィーで生成物の分析を行った。
反応開始当初は、出口ガスにはジメチルエーテル、メタノール共に検出されなかった(0.01モル%以下)が、反応開始後166時間後にはジメチルエーテルの反応転化率が99.5モル%まで低下したので、触媒寿命の終点とした。算出されたプロピレン収率は72.8%であった。
なお、ガソリン成分を供給しない条件で反応した場合、反応開始後202時間後に触媒寿命の終点を迎えることから、実施例1の条件において、プロピレン収率は従来に比べて2.8%(=72.8−70)増加する一方で、触媒寿命の低下の程度は82%(=(166/202)×100)にとどまった。
実施例1の主要条件と結果を表1にまとめる。
<実施例2>
前記の反応装置を用いてプロピレンの製造を行った。
前記の反応装置に、本発明における反応器入口ガス組成に相当するガスとして、供給管(107)での組成が1−ブテン(17.7体積%)、ジメチルエーテル(9.2体積%)、エチレン(7.6体積%)、水(9.2体積%)、窒素(52.3体積%)、及び表2に示す組成のガソリン成分(4.0体積%)を反応器(108)へ供給した。反応器(108)への供給流量、空間速度、反応温度、反応圧力は実施例1におけると同一条件とした。なお、このときの炭素数7以上の炭化水素のモル流量に対する炭素数4以上6以下の不飽和炭化水素のモル流量の比、即ち、流入(C〜C)/Cモル比は5.8である。
反応開始後、定期的に反応器(108)から排出管(109)を経て排出されるガスについて、ガスクロマトグラフィーで生成物の分析を行った。
反応開始当初は、出口ガスにはジメチルエーテル、メタノール共に検出されなかった(0.01モル%以下)が、反応開始後152時間後にはジメチルエーテルの反応転化率が99.5モル%まで低下したので、触媒寿命の終点とした。算出されたプロピレン収率は75.5%であった。
なお、ガソリン成分を供給しない条件で反応を開始した場合、反応開始後202時間後に触媒寿命の終点を迎えることから、実施例2の条件において、プロピレン収率は従来に比べて5.5%(=75.5−70)増加する一方で、触媒寿命の低下の程度は75%(=(152/202)×100)にとどまった。
実施例2の主要条件と結果を表1にまとめる。
<比較例1>
前記の反応装置を用いてプロピレンの製造を行った。
前記の反応装置に、従来法における反応器入口ガス組成に相当するガスとして、供給管(107)での組成が1−ブテン(17.6体積%)、ジメチルエーテル(9.2体積%)、エチレン(7.6体積%)、水(9.2体積%)、窒素(48.4体積%)、及び表2に示す組成のガソリン成分(8.0体積%)を反応器(108)へ供給した。反応器(108)への供給流量、空間速度、反応温度、反応圧力は実施例1におけると同一条件とした。なお、このときの炭素数7以上の炭化水素のモル流量に対する炭素数4以上6以下の不飽和炭化水素のモル流量の比、即ち流入(C〜C)/Cモル比は2.9である。
反応開始後、定期的に反応器(108)から排出管(109)を経て排出されるガスについて、ガスクロマトグラフィーで生成物の分析を行った。
反応開始当初は、出口ガス分析にはジメチルエーテル、メタノール共に検出されなかった(0.01モル%以下)が、反応開始後134時間後にはジメチルエーテルの反応転化率が99.5モル%まで低下したので、触媒寿命の終点とした。算出されたプロピレン収率は83.2%であった。
なお、ガソリン成分を供給しない条件で反応を開始した場合、反応開始後202時間後に触媒寿命の終点を迎えることから、比較例1の条件において、プロピレン収率は従来に比べて13.2%(=83.2−70)増加する一方で、触媒寿命は66%(=(134/202)×100)にまで低下した。
比較例1の主要条件と結果を表1にまとめる。
Figure 2015189720
Figure 2015189720
表1より、本発明によれば、触媒寿命の低下を抑制した上で、プロピレン収率を高めることができることが分かる。なお、比較例1に対して、実施例1,2は、触媒寿命の低下を抑制できる反面、プロピレン収率は低下しているが、触媒寿命は、触媒コスト、連続生産時間、操業性に大きな影響を及ぼすものであり、総合的な生産効率の面では、実施例1,2の方が優れている。
2 MTD反応装置
5 反応器に流入するトータルの流れ
6 反応器
8 クエンチ工程
11 圧縮工程
13 水分除去工程
15,18,21,24 カラム(蒸留塔)
16,28 炭素数2以下の炭化水素に富んだ流れ
17 炭素数3以上の炭化水素に富んだ流れ
19 炭素数3の炭化水素に富んだ流れ
20 炭素数4以上の炭化水素に富んだ流れ
22 プロピレンに富んだ流れ
23 プロパンに富んだ流れ
25,30 炭素数4以上6以下の炭化水素に富んだ流れ
26 炭素数7以上の炭化水素に富んだ流れ
101,102,103,104,105,106,107 供給管
108 反応器
109 排出管

Claims (7)

  1. オレフィンとメタノール及び/又はジメチルエーテルとを触媒の存在下に反応させる反応工程、前記反応工程で製造された反応生成物を、炭素数2以下の炭化水素に富んだ流れと、炭素数3の炭化水素に富んだ流れと、炭素数4以上6以下の炭化水素に富んだ流れと、炭素数7以上の炭化水素に富んだ流れとに分離する精製工程、並びに前記精製工程で分離された炭素数4以上6以下の炭化水素に富んだ流れを前記反応工程に循環させるリサイクル工程を有するプロピレンの製造方法であって、
    前記反応工程に流入するトータルの流れにおける、炭素数7以上の炭化水素に対する炭素数4以上6以下の不飽和炭化水素のモル流量比が5〜5000となるように、前記リサイクル工程において、前記炭素数4以上6以下の炭化水素に富んだ流れと共に前記炭素数7以上の炭化水素に富んだ流れを前記反応工程に循環させる、プロピレンの製造方法。
  2. オレフィンとメタノール及び/又はジメチルエーテルとを触媒の存在下に反応させる反応工程、前記反応工程で製造された反応生成物を、炭素数2以下の炭化水素に富んだ流れと、炭素数3の炭化水素に富んだ流れと、炭素数4以上の炭化水素に富んだ流れとに分離する精製工程、並びに前記精製工程で分離された炭素数4以上の炭化水素に富んだ流れを前記反応工程に循環させるリサイクル工程を有するプロピレンの製造方法であって、
    前記反応工程に流入するトータルの流れにおける、炭素数7以上の炭化水素に対する炭素数4以上6以下の不飽和炭化水素のモル流量比が5〜5000となるように、前記精製工程において炭素数4以上の炭化水素に富んだ流れを分離する、プロピレンの製造方法。
  3. 前記反応工程に流入するトータルの流れにおける炭素数7以上の炭化水素に対する炭素数4以上6以下の不飽和炭化水素のモル流量比が5〜3000である、請求項1又は2に記載のプロピレンの製造方法。
  4. 前記炭素数7以上の炭化水素が、炭素数7以上のオレフィンを含有する、請求項1から3のいずれか1項に記載のプロピレンの製造方法。
  5. 前記触媒が結晶性アルミノシリケートを含有する、請求項1から4のいずれか1項に記載のプロピレンの製造方法。
  6. 前記反応工程に、オレフィンを含む原料を追加的に供給する、請求項1から5のいずれか1項に記載のプロピレンの製造方法。
  7. 前記オレフィンが炭素数4のオレフィン及び/又は炭素数5のオレフィンである、請求項6に記載のプロピレンの製造方法。
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