JP6167044B2 - 建物の構造 - Google Patents

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Description

本発明は、桁行方向にラーメン構造の架構面を配置し、梁間方向に耐震壁を配置した建物であって、特に中高層の集合住宅に適した建物の構造に関する。
従来、桁行方向に連続配置された複数の住戸と、該複数の住戸に沿うように該複数の住戸の一側に配置された共用廊下と、該複数の住戸に沿うように該複数の住戸の他側に配置されたバルコニーとを備えた、中高層の集合住宅は広く知られている。
このような集合住宅の建物の構造としては、共用廊下側とバルコニー側夫々の桁行方向の架構面をラーメン構造で構成し、梁間方向を連層耐震壁で構成したものが知られているが、ラーメン架構面を構成する柱と梁によって柱型や梁型が住戸内に突出する。柱型や梁型が住戸内に突出すると開放感が損なわれ、窓などの開口部の高さ及び左右方向の位置が制約を受け、採光性や眺望が低下するといった問題がある。
特許文献1には、上記のような集合住宅において、住戸内の梁型をなくすことを目的として、「桁行方向の主架構をラーメン構造で構成し、梁間方向の主架構を耐震壁で構成し、桁行方向の耐震補強架構を、前記住戸内を通過するメガブレース構造で構成したことを特徴とする集合住宅建物。」が記載されている(請求項1)。
しかし、特許文献1に記載の集合住宅建物は、住戸内を通過するメガブレース構造を備えるため、メガブレースが通過する住戸の間取りプランの自由度が制約を受けざるを得ない。
また、特許文献2には、開口部に天井や床からの出っ張りとなる大きな断面の構造部材を設けることなく構造物としての必要強度が得られるようにすることを目的として、「住戸を横方向に連接した集合住宅において、戸境が耐力壁であり、戸境の中央部に補強構造体を設け、スラブが戸境の耐力壁と補強構造体によって支持されている建築物。」が記載されている。
しかし、特許文献2に記載の建築物は、住戸内に、戸境壁1に対して直角に壁柱25等の補強構造体が設けられるといった構成であるため、特許文献1と同様に住戸の間取りプランの自由度が制約を受けざるを得ない。
特開2011−117189号公報 特開2006−45962号公報
本発明は、上記のような従来技術を考慮してなされたものであり、桁行方向にラーメン構造の架構面を配置し、梁間方向に耐震壁を配置した建物の構造に関し、間取りプランの自由度を低下させずに柱型及び梁型の室内への突出を防ぎ、開口部の広さ、位置などの自由度を向上させることができ、開放的で使い勝手が良く、良好な採光や眺望が得られるようにすることを課題とする。
(1)本発明は、桁行方向に延びる、柱と梁からなるラーメン構造の架構面と、梁間方向に延びる、複数層にわたって連層的に配置された耐震壁と、複数層の各層を形成する床スラブとを備えた建物の構造において、
梁間方向の一方の側の桁行方向に前記柱と梁からなるラーメン構造の架構面を配置するとともに、
梁間方向の一方の側において前記ラーメン構造の架構面をなす前記柱に接続する耐震壁を桁行方向に列設し、
前記耐震壁を、前記柱に接続する、比較的厚さ及び剛性が小さい耐震壁薄肉部と、梁間方向の他方の側に位置する、比較的厚さ及び剛性が大きい耐震壁厚肉部とによって形成するとともに、
対向する前記耐震壁の間に挟まれた床スラブを、前記耐震壁薄肉部に対応する位置に設けた、比較的厚さ及び剛性が小さい床スラブ薄肉部と、前記耐震壁厚肉部に対応する位置に設けた比較的厚さ及び剛性が大きい床スラブ厚肉部とによって形成し、かつ
前記建物全体を免震装置で支持したことを特徴とする、建物の構造である。
「比較的厚さ及び剛性が小さい耐震壁薄肉部」とは、耐震壁薄肉部が耐震壁厚肉部との相対関係においてその厚さ及び剛性が小さいものであることを意味し、「比較的厚さ及び剛性が大きい耐震壁厚肉部」とは、耐震壁厚肉部が耐震壁薄肉部との相対関係においてその厚さ及び剛性が大きいものであることを意味する。
また、「比較的厚さ及び剛性が小さい床スラブ薄肉部」とは、床スラブ薄肉部が床スラブ厚肉部との相対関係においてその厚さ及び剛性が小さいものであることことを意味し、「比較的厚さ及び剛性が大きい床スラブ厚肉部」とは、床スラブ厚肉部が床スラブ薄肉部との相対関係においてその厚さ及び剛性が大きいものであることを意味する。
(2)桁行方向に連続配置された複数の住戸と、該複数の住戸に沿ってその一方の側に配置された共用廊下と、該複数の住戸に沿ってその他方の側に配置されたバルコニーとを備えた集合住宅における建物の構造であって、
前記耐震壁は前記複数の住戸を仕切る戸境壁として形成され、
前記柱と梁からなるラーメン構造の架構面は前記バルコニーの側に配置され、
前記耐震壁厚肉部と前記床スラブ厚肉部とによって形成される構造部が前記共用廊下の側に配置され、
前記共用廊下の側に配置された前記構造部に、柱型及び梁型が突出しない、屋外に面する住空間が形成されているものである。
なお、「住空間」とは一の屋内空間全体の内の一部を形成する空間をいうものとする。例えば、集合住宅においては一の住戸の内部空間全体の内の一部を形成する空間である。
(3)桁行方向に連続配置された複数の住戸と、該複数の住戸に沿ってその一方の側に配置された共用廊下と、該複数の住戸に沿ってその他方の側に配置されたバルコニーとを備えた集合住宅における建物の構造であって、
前記耐震壁は前記複数の住戸を仕切る戸境壁として形成され、
前記柱と梁からなるラーメン構造の架構面は前記共用廊下の側に配置され、
前記耐震壁厚肉部と前記床スラブ厚肉部とによって形成される構造部が前記バルコニーの側に配置され、
前記バルコニーの側に配置された前記構造部に、柱型及び梁型が突出しない、屋外に面する住空間が形成されているものである。
本発明においては、梁間方向の一方の側の桁行方向には、柱と梁からなるラーメン構造の架構面が配置される一方、このラーメン構造の架構面と対向する側(梁間方向の他方の側の桁行方向)には、そのような桁行方向に線状に延びるラーメン構造の架構面は存在していない。耐震壁は、梁間方向の一方の側において、該梁間方向の一方の側に位置する柱に接続するが、梁間方向の他方の側には接続すべき柱がないため、該梁間方向の他方の側では柱に接続しない。
耐震壁薄肉部と耐震壁厚肉部とは連続して一体化されており、耐震壁厚肉部と耐震壁薄肉部とによって一枚の板状の耐震壁を形成している。また、床スラブ厚肉部と床スラブ薄肉部とは連続して一体化されている。
そして、前記耐震壁厚肉部と前記床スラブ厚肉部との剛接合によって形成される構造部において耐震壁厚肉部は梁間方向に延びる壁状の扁平な柱として機能し、床スラブ厚肉部はスラブ状の扁平な梁として機能している。この構造部は、通常のラーメン構造よりも薄肉の部材で構成され、平面視、帯状に延びるラーメン構造を形成しており、該構造部によって梁間方向の他方の側の強度が確保されている。したがって、本発明では、前記ラーメン構造の架構面と壁式構造に近似した外形の前記構造部との複合的な形態(組合せ)を伴って建物全体の桁行方向の水平剛性、耐力が確保されている。
また、梁間方向では、耐震壁(連層耐震壁)の一方の側を前記ラーメン構造の架構面の柱に接合一体化し、該耐震壁を桁行方向に列設することにより、梁間方向の水平剛性及び耐力を確保している。
さらに、建物全体を免震装置により支持することによって地震力を低減している。
本発明において、前記柱と梁からなるラーメン構造の架構面の構造種別は、鉄骨造、鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)、鉄筋コンクリート造(RC造)、鉄骨コンクリート造(SC造)等、特に限定されない。
また、複数層にわたって連層的に配置された耐震壁の各層の耐震壁は一枚の板状の耐震壁で構成されたものであり、通常、鉄筋コンクリート造とされる。
耐震壁厚肉部には、柱様に主筋及びせん断補強筋(フープ)が施され、剛性、耐力を担う。耐震壁薄肉部は、遮音性能の確保をメインとして剛性、耐力の一部を負担する。
通常、耐震壁厚肉部は250〜400mm程度の厚さを有し、耐震壁薄肉部は180〜230mm程度の厚さを有し、耐震壁厚肉部の厚さは、耐震壁薄肉部の厚さの1.1〜2.2倍程度である。
また、耐震壁は、梁間方向において、耐震壁薄肉部の長さD1、耐震壁厚肉部の長さD2、耐震壁の全長をD3とした場合、通常、D3が12〜13mの標準的な建物で、D1:D2=1:0.3〜1:0.45の範囲が好ましい。遮音性や耐振動性を確保し、耐震壁厚肉部の壁厚の増大を避けるとともに前記構造部の強度を確保するためである。
床スラブ厚肉部には、梁様に主筋及びせん断補強筋(スターラップ)が施され、剛性、耐力を担う。床スラブ薄肉部は、遮音性能の確保をメインとする。
通常、床スラブ厚肉部は250〜300mm程度の厚さを有し、床スラブ薄肉部は200〜240mm程度の厚さを有し、床スラブ厚肉部の厚さは、床スラブ薄肉部の厚さの1.05〜1.5倍程度である。
耐震壁厚肉部と床スラブ厚肉部との接合部には、必要とする耐力に応じてブロック状の構造体(ハンチ)を設けてもよい。
(1)本発明では、梁間方向の一方の側の桁行方向に柱と梁からなるラーメン構造の架構面を配置するとともに、梁間方向の一方の側において前記ラーメン構造の架構面をなす柱に接続する耐震壁を桁行方向に列設し、この耐震壁について、梁間方向の他方の側に位置する、比較的厚さ及び剛性が大きい耐震壁厚肉部を設けるとともに、この耐震壁厚肉部に対応する位置に、比較的厚さ及び剛性が大きい床スラブ厚肉部を設けることによって梁間方向の他方の側の強度が確保されており、梁間方向の他方の側には柱及び梁からなるラーメン構造の架構面はない。このため、住戸内を通過するメガブレースや補強部材を設ける必要がなく、間取りプランの自由度を低下させずに柱型及び梁型の室内への突出を防ぐことができ、開口部の広さ、位置などの自由度を向上させることができ、開放的で使い勝手が良く、良好な採光や眺望を得ることができる。
また、耐震壁厚肉部と床スラブ厚肉部は耐震壁の梁間方向の全長にわたるものではなくその一部に設けられるものであるため、耐震壁及び床スラブに使用するコンクリート量等の材料コストを抑制するとともに、建物の重量の増大を抑制することができる。また、建物のバランスも良好である。
また、従来の壁式構造の建物では高層の建物の構築は容易ではなかったが、上記の構成と免震装置を備えているため、壁式構造に近似した良さを発揮しつつ20階程度の高さまで構築することができる。
(2)前記耐震壁は前記複数の住戸を仕切る戸境壁として形成され、前記柱と梁からなるラーメン構造の架構面は前記バルコニーの側に配置され、前記耐震壁厚肉部と前記床スラブ厚肉部とによって形成される構造部が前記共用廊下の側に配置され、前記共用廊下の側に配置された前記構造部に、柱型及び梁型が突出しない、屋外に面する住空間が形成されている構成により、従来軽視されがちであった共用廊下に面する居室に柱型及び梁型が突出しない開放的な住空間が形成され、廊下側の居室のグレード向上に寄与する。開口部の高さ、広さ、位置などの自由度を向上させた効率の良いプランが可能となり、良好な採光が得られる。例えば、共用廊下側に梁型の突出がないため開口部をプライバシーに配慮した高い位置に配設する等ができる。
(3)前記耐震壁は前記複数の住戸を仕切る戸境壁として形成され、前記柱と梁からなるラーメン構造の架構面は前記共用廊下の側に配置され、前記耐震壁厚肉部と前記床スラブ厚肉部とによって形成される構造部が前記バルコニーの側に配置され、前記バルコニーの側に配置された前記構造部に、柱型及び梁型が突出しない、屋外に面する住空間が形成されている構成により、バルコニーに面する居室に柱型及び梁型が突出しない開放的な住空間が形成され、開口部の高さ、広さ、位置などの自由度を向上させることができ、良好な採光や眺望が得られる。
実施例1の建物1の基準階の平面図である。 実施例1の建物1の下層階の梁間方向の断面図である。 実施例1の建物1の骨組を示す側面図である。 実施例1の建物1の基準階の平面図(説明図)である。 実施例2の建物1の基準階の平面図である。 実施例3の建物1の基準階の平面図である。 実施例4の建物1の基準階の平面図である。 実施例4の建物1の下層階の梁間方向の断面図である。 実施例4の建物1の骨組を示す側面図である。 実施例4の建物1の基準階の平面図(説明図)である。
梁間方向の一方の側の桁行方向に前記柱と梁からなるラーメン構造の架構面を配置するとともに、梁間方向の一方の側において前記ラーメン構造の架構面をなす前記柱に接続する耐震壁を桁行方向に列設し、この耐震壁を、前記ラーメン構面の柱に接続する、比較的厚さ及び剛性が小さい耐震壁薄肉部と、梁間方向の他方の側に位置する、比較的厚さ及び剛性が大きい耐震壁厚肉部とによって形成するとともに、対向する耐震壁の間に挟まれた床スラブを、耐震壁薄肉部に対応する位置に設けた、比較的厚さ及び剛性が小さい床スラブ薄肉部と、耐震壁厚肉部に対応する位置に設けた比較的厚さ及び剛性が大きい床スラブ厚肉部とによって形成することにより、耐震壁厚肉部と床スラブ厚肉部とによって形成される構造部に、柱型及び梁型が突出しない住空間を形成した。
以下、高層の板状集合住宅として構成した建物1の実施例を図面に基いて説明する。
実施例1〜3は、柱と梁からなるラーメン構造の架構面がバルコニーの側の桁行方向に配置され、耐震壁厚肉部と床スラブ厚肉部とによって形成される構造部は共用廊下の側に配置されているものであり、実施例4は、柱と梁からなるラーメン構造の架構面が共用廊下側の桁行方向に配置され、耐震壁厚肉部と床スラブ厚肉部とによって形成される構造部がバルコニーの側に配置されているものである。
各実施例における建物1全体は、免震装置30により支持されている。
〔実施例1〕
図1〜図4に示す実施例1の建物1は、桁行方向(X方向:長手方向)に連続配置された複数の住戸2,2,・・・と、該複数の住戸2,2,・・・に沿うように該複数の住戸2,2,・・・の一側に配置された共用廊下3と、該複数の住戸2,2,・・・に沿うように該複数の住戸2,2,・・・の他側に配置されたバルコニー4とを備えている。各住戸2の平面形は、間口が短辺、奥行きが長辺となる矩形である。
バルコニー4側の桁行方向には、柱5と梁6によってラーメン構造の架構面7が形成されている。このラーメン構造の架構面7は、バルコニー4の外側(バルコニー4の外側端部)に配置されている。梁6は逆梁形状であり、手摺の一部として使用されるようになっており、採光を妨げない。また、ラーメン構造の架構面7は、両妻面からの各二住戸を除いた中央部分に設けられている。この各二住戸のバルコニー4の内側(バルコニー4の内側端部)かつ室内空間の外側には梁間方向に扁平な柱5aが設けられているが、梁は設けられていない。よって、各住戸2,2,・・・のバルコニー4側の室内空間に柱型及び梁型が突出しない構成となっている。
建物1の梁間方向(Y方向:短手方向)では、耐震壁(連層耐震壁)10が梁間方向の一方の側においてラーメン構造の架構面7の柱5(又は柱5a)に接合一体化されおり、梁間方向の水平剛性及び耐力を確保している。この耐震壁10は、複数の住戸2,2,・・・を仕切る戸境壁となっている。耐震壁10の上辺には耐震壁10の壁厚内に梁が内蔵され、壁面から梁型は突出しない。
耐震壁10は、バルコニー4側のラーメン構造の架構面7の柱5(又は5a)に接続している耐震壁薄肉部10aと、この耐震壁薄肉部10aよりもその厚さ及び剛性を夫々大きくした、共用廊下3側に位置する耐震壁厚肉部10bを備えている。耐震壁厚肉部10bは柱に接続しない。
耐震壁厚肉部10bの共用廊下3側の端部(端面)は、住戸2と共用廊下3の境界部分あるいは住戸2と共用廊下3の境界部分から共用廊下3へ該共用廊下3の幅の1/3程度までの間に突出するように設けられる。
また、建物1の床構造を形成する床スラブ20は、バルコニー4側のラーメン構造の架構面7の柱5(又は5a)に接続している床スラブ薄肉部20aと、この床スラブ薄肉部20aよりもその厚さ及び剛性を夫々大きくした、共用廊下3側に位置する床スラブ厚肉部20bを備えている。
床スラブ厚肉部20bは、その下面は床スラブ薄肉部20aの下面と一致しており、その上面が床スラブ薄肉部20aよりも高く形成されている。床スラブ薄肉部20aの上面は配管スペースとして利用できる。
床スラブ厚肉部20bの共用廊下3側の端部は、住戸2と共用廊下3の境界部分あるいは住戸2と共用廊下3の境界部分から共用廊下3へ該共用廊下3の幅の1/3程度までの間に突出するように設けられており、その位置は耐震壁厚肉部10bの端部位置とほぼ一致している。
しかして、耐震壁厚肉部10bと床スラブ厚肉部20bとによって形成される構造部において、耐震壁厚肉部10bは壁状の柱として機能し、床スラブ厚肉部20bはスラブ状の梁として機能し、これにより共用廊下3側の強度が確保されるようになっている。図4に耐震壁厚肉部10bと床スラブ厚肉部20bとが形成されている領域を散点ハッチングで示す。
そして、上記の構造部は柱型及び梁型の出ない構造であるから、この構造部に住空間を形成することにより、柱型及び梁型が突出しない住空間が形成される。すなわち、共用廊下3側に面する室内空間に柱型及び梁型が突出しない。このため、従来軽視されがちであった共用廊下に面する居室に柱型及び梁型が突出しない開放的な住空間が形成され、廊下側の居室のグレードを上げることができる。開口部の高さ、広さ、位置などの自由度を向上させた効率の良いプランが可能となる。
以下、他の実施例について説明するが、実施例1と共通する構成要素については、同一の符号を用いる。また、主に実施例1との相違点について説明し、基本的な構成及び構成要素において実施例1と共通する点についてはその説明を適宜省略する。
〔実施例2〕
図5に示す実施例2の建物では、バルコニー4側のラーメン構造の架構面7は、バルコニー4の内側かつ室内空間の外側に配置され、この架構面7は桁行方向の全スパンにわたって配置されている。柱5に接合する梁6は扁平梁であり、十分な開口部の高さが確保されるとともに、室内に梁型は突出しないようになっている。
梁間方向の一方の側においてラーメン構造の架構面7の柱5に接合一体化される耐震壁10は、バルコニー4側のラーメン構造の架構面7の柱5に接続している耐震壁薄肉部10aと、この耐震壁薄肉部10aよりもその厚さ及び剛性を夫々大きくした、共用廊下3側に位置する耐震壁厚肉部10bを備えている。
また、床スラブ20は、床スラブ薄肉部20aと、この床スラブ20aよりもその厚さ及び剛性を夫々大きくした床スラブ厚肉部20bを備えている。床スラブ厚肉部20bの領域を散点ハッチングで示している。
しかして、耐震壁厚肉部10bと床スラブ厚肉部20bとによって形成される構造部において、耐震壁厚肉部10bは壁状の柱として機能し、床スラブ厚肉部20bはスラブ状の梁として機能し、これにより共用廊下3側の強度が確保されるようになっている。
そして、上記の構造部は柱型及び梁型の出ない構造であるから、この構造部に住空間を形成することにより、柱型及び梁型が突出しない住空間が形成される。すなわち、共用廊下3側に面する室内空間に柱型及び梁型が突出しない。
〔実施例3〕
図6に示す実施例3の建物では、バルコニー4側のラーメン構造の架構面7は、バルコニー4の外側に配置され、この架構面7は桁行方向の全スパンにわたって配置されている。梁6は逆梁形状である。このため、各住戸のバルコニー4側の室内空間に柱型及び梁型が突出しない構成となっている。
梁間方向の一方の側においてラーメン構造の架構面7の柱5に接合一体化される耐震壁10は、バルコニー4側のラーメン構造の架構面7の柱5に接続している耐震壁薄肉部10aと、この耐震壁薄肉部10aよりもその厚さ及び剛性を夫々大きくした、共用廊下3側に位置する耐震壁厚肉部10bを備えている。
また、床スラブ20は、床スラブ薄肉部20aと、この床スラブ20aよりもその厚さ及び剛性を夫々大きくした床スラブ厚肉部20bを備えている。床スラブ厚肉部20bの領域を散点ハッチングで示している。
しかして、耐震壁厚肉部10bと床スラブ厚肉部20bとによって形成される構造部において、耐震壁厚肉部10bは壁状の柱として機能し、床スラブ厚肉部20bはスラブ状の梁として機能し、これにより共用廊下3側の強度が確保されるようになっている。
そして、上記の構造部は柱型及び梁型の出ない構造であるから、この構造部に住空間を形成することにより、柱型及び梁型が突出しない住空間が形成される。すなわち、共用廊下3側に面する室内空間に柱型及び梁型が突出しない。
〔実施例4〕
図7〜図9に示す実施例4の建物1は、柱5と梁6からなるラーメン構造の架構面7が共用廊下3側の桁行方向に配置され、耐震壁厚肉部10bと床スラブ厚肉部20bとによって形成される構造部はバルコニー4の側に配置されているものである。ラーメン構造の架構面7は、住戸2と共用廊下3との境に配置されている。
建物1の梁間方向(Y方向:短手方向)では、耐震壁(連層耐震壁)10が梁間方向の一方の側においてラーメン構造の架構面7の柱5に接合一体化されおり、梁間方向の水平剛性及び耐力を確保している。この耐震壁10は、複数の住戸2,2,・・・を仕切る戸境壁となっている。耐震壁10の上辺には耐震壁10の壁厚内に梁が内蔵され、壁面から梁型は突出しない。
耐震壁10は、共用廊下3側のラーメン構造の架構面7の柱5に接続している耐震壁薄肉部10aと、この耐震壁薄肉部10aよりもその厚さ及び剛性を夫々大きくした、バルコニー4側に位置する耐震壁厚肉部10bを備えている。耐震壁厚肉部10bは柱に接続しない。
耐震壁厚肉部10bのバルコニー4側の端部(端面)は、住戸2とバルコニー4の境界部分あるいは住戸2とバルコニー4の境界部分からバルコニー4へ該バルコニー4の幅の1/2程度までの間に突出するように設けられる。
また、建物1の床構造を形成する床スラブ20は、共用廊下3側のラーメン構造の架構面7の柱5に接続している床スラブ薄肉部20aと、この床スラブ薄肉部20aよりもその厚さ及び剛性を夫々大きくした、バルコニー4側に位置する床スラブ厚肉部20bを備えている。
床スラブ厚肉部20bは、その下面は床スラブ薄肉部20aの下面と一致しており、その上面が床スラブ薄肉部20aよりも高く形成されている。床スラブ薄肉部20aの上面は配管スペースとして利用できる。
床スラブ厚肉部20bのバルコニー4側の端部は、住戸2とバルコニー4の境界部分あるいは住戸2とバルコニー4の境界部分からバルコニー4へ該バルコニー4の幅の1/2程度までの間に突出するように設けられ、その位置は耐震壁厚肉部10bの端部位置とほぼ一致している。
しかして、耐震壁厚肉部10bと床スラブ厚肉部20bとによって形成される構造部において、耐震壁厚肉部10bは壁状の柱として機能し、床スラブ厚肉部20bはスラブ状の梁として機能し、これによりバルコニー4側の強度が確保されるようになっている。図10に耐震壁厚肉部10bと床スラブ厚肉部20bとが形成されている領域(前記構造部の領域)を散点ハッチングで示す。
そして、上記の構造部は柱型及び梁型の出ない構造であるから、この構造部に住空間を形成することにより、柱型及び梁型が突出しない住空間が形成される。すなわち、バルコニー4側に面する室内空間に柱型及び梁型が突出しない。
このため、バルコニーに面する居室に柱型及び梁型が突出しない開放的な住空間が形成され、開口部の高さ、広さ、位置などの自由度を向上させることができ、良好な採光や眺望が得られる。
以上、発明を実施するための形態を説明したが、本発明は上記したものに限定されず、本発明の要旨の範囲で適宜、付加、変更等なし得るものである。建物の一部に上述した構造部を備えていない部分があってもよい。また、上述した板状の集合住宅に限定されるものではなく、平面形がL字形の建物等にも適用することができる。また、集合住宅のほか、事務所、ホテル等の用途の建物にも適用することができる。
1 建物
2 住戸
3 共用廊下
4 バルコニー
5 柱
6 梁
7 ラーメン構造の架構面
10 耐震壁
10a 耐震壁薄肉部
10b 耐震壁厚肉部
20 床スラブ
20a 床スラブ薄肉部
20b 床スラブ厚肉部
30 免震装置

Claims (3)

  1. 桁行方向に延びる、柱と梁からなるラーメン構造の架構面と、梁間方向に延びる、複数層にわたって連層的に配置された耐震壁と、複数層の各層を形成する床スラブとを備えた建物の構造において、
    梁間方向の一方の側の桁行方向に前記柱と梁からなるラーメン構造の架構面を配置するとともに、
    梁間方向の一方の側において前記ラーメン構造の架構面をなす前記柱に接続する耐震壁を桁行方向に列設し、
    前記耐震壁を、前記柱に接続する、比較的厚さ及び剛性が小さい耐震壁薄肉部と、梁間方向の他方の側に位置する、比較的厚さ及び剛性が大きい耐震壁厚肉部とによって形成するとともに、
    対向する前記耐震壁の間に挟まれた床スラブを、前記耐震壁薄肉部に対応する位置に設けた、比較的厚さ及び剛性が小さい床スラブ薄肉部と、前記耐震壁厚肉部に対応する位置に設けた比較的厚さ及び剛性が大きい床スラブ厚肉部とによって形成し、かつ
    前記建物全体を免震装置で支持したことを特徴とする、
    建物の構造。
  2. 桁行方向に連続配置された複数の住戸と、該複数の住戸に沿ってその一方の側に配置された共用廊下と、該複数の住戸に沿ってその他方の側に配置されたバルコニーとを備えた集合住宅における建物の構造であって、
    前記耐震壁は前記複数の住戸を仕切る戸境壁として形成され、
    前記柱と梁からなるラーメン構造の架構面は前記バルコニーの側に配置され、
    前記耐震壁厚肉部と前記床スラブ厚肉部とによって形成される構造部が前記共用廊下の側に配置され、
    前記共用廊下の側に配置された前記構造部に、柱型及び梁型が突出しない、屋外に面する住空間が形成されている、請求項1に記載の建物の構造。
  3. 桁行方向に連続配置された複数の住戸と、該複数の住戸に沿ってその一方の側に配置された共用廊下と、該複数の住戸に沿ってその他方の側に配置されたバルコニーとを備えた集合住宅における建物の構造であって、
    前記耐震壁は前記複数の住戸を仕切る戸境壁として形成され、
    前記柱と梁からなるラーメン構造の架構面は前記共用廊下の側に配置され、
    前記耐震壁厚肉部と前記床スラブ厚肉部とによって形成される構造部が前記バルコニーの側に配置され、
    前記バルコニーの側に配置された前記構造部に、柱型及び梁型が突出しない、屋外に面する住空間が形成されている、請求項1に記載の建物の構造。
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