JP6164239B2 - 帯電部材、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
特許文献2には、「導電性支持体上に少なくとも最表面層を有する帯電部材であって、
該最表面層は、少なくともバインダーと複合粒子とを含有し、最表面層中の複合粒子の全数を基準として80%以上の複合粒子が0.9以上の円形度を有する帯電部材」が開示されている。
特許文献3には、「多孔質充填剤と樹脂とを含有し、ゲル分率が50%以上、表面粗度Rzが2μm以上20μm以下の範囲である最外層を有する帯電部材」が開示されている。
特許文献5には、「導電性基体、及びバインダー樹脂と導電剤とを含み、導電剤により導電性を付与されている表面層を有する接触帯電用の帯電部材であって、表面層は、バインダー樹脂中に分散している複合粒子を含み、全複合粒子数を基準として80%以上の複合粒子が円形度0.9以上であり、複合粒子は、平均粒子径が0.5μm以上30μm以下であり、かつシリカ粒子を含有した高分子材料で形成されている帯電部材。」が開示されている。
特許文献6には、「電性支持体と最外層とを有する接触帯電用の帯電部材であって、最外層はバインダー樹脂及びバインダー樹脂中に分散している導電性炭素粒子を含み、最外層中の該導電性炭素粒子の平均粒径の値が1μm以上30μm以下の範囲にあり、かつ最外層中の導電性炭素粒子の80個数%以上が円形度0.9以上である帯電部材。」が開示されている。
特許文献7には、「導電性支持体と、その上に形成される1層以上の被覆層と、を有し、少なくとも最表面に位置する被覆層が表面粗し剤としての微粒子を含有し、微粒子が球状粒子と異形粒子からなり、かつ微粒子中に占める異形粒子の体積比率が3〜30vol%であり、異形粒子の円形度が0.85以下である帯電部材」が開示されている。
導電性基材と、
導電性基材上に設けられ、十点平均表面粗さRzが2μm以上20μm以下の導電性最外層であって、樹脂と粒子とを含み、且つ、前記粒子のうち、粒径が5.0μm以上であり、円形度が0.8以下の粒子を粒径5.0μm以上の全粒子に対して30個数%以下で含み、粒径が5.0μm未満であり、円形度が0.8以下の粒子を粒径5.0μm未満の全粒子に対して20個数%以上80個数%以下で含む導電性最外層と、
を備える帯電部材。
前記粒子全体の個数平均粒径が、2μm以上20μm以下である請求項1に記載の帯電部材。
前記粒子が、ポリアミド樹脂粒子である請求項1又は請求項2に記載の帯電部材。
前記樹脂が、ポリアミド樹脂である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の帯電部材。
前記導電性最外層の厚さが、前記粒子全体の個数平均粒径の1.7倍以下である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の帯電部材。
請求項1〜5のいずれか1項に記載の帯電部材を備える帯電装置。
像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電し、請求項1〜5のいずれか1項に記載の帯電部材を有する帯電装置であって、前記帯電部材が前記像保持体の表面に接触又は近接して配置されている帯電装置と、
を備え、
画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電し、請求項1〜5のいずれか1項に記載の帯電部材を有する帯電装置であって、前記帯電部材が前記像保持体の表面に接触又は近接して配置されている帯電装置と、
帯電した前記像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成装置と、
前記像保持体の表面に形成された潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置と、
前記像保持体の表面に形成された前記トナー像を記録媒体に転写する転写装置と、
を備える画像形成装置。
前記帯電部材に直流電圧を印加することで前記像保持体の表面を帯電する請求項8記載の画像形成装置。
請求項5に係る発明によれば、最外層の厚さが、粒子全体の個数平均粒径の1.7超えである場合に比べ、初期から繰り返し使用した後までも、筋状の画像欠陥の発生を抑制する帯電部材が提供される。
本発明の帯電部材は、導電性基材と、導電性基材上に設けられ、十点平均表面粗さRzが2μm以上20μm以下の導電性最外層と、を備える。そして、最外層は、樹脂と粒子(以下、便宜上「凹凸付与粒子」とも称する)とを含み、且つ、凹凸付与粒子のうち、粒径が5.0μm以上であり、円形度が0.8以下の粒子を粒径5.0μm以上の全粒子に対して30個数%以下で含み、粒径が5.0μm未満であり、円形度が0.8以下の粒子を粒径5.0μm未満の全粒子に対して20個数%以上80個数%以下で含む。
本実施形態に係る帯電部材は、例えば、被帯電体(例えば像保持体)に接触又は近接して配置され、電圧が印加されることで、被帯電体を帯電する帯電部材である。
なお、本明細書において導電性とは、20℃における体積抵抗率が1×1014Ωcm以下であることを意味する。
特に、帯電部材に直流電圧のみを印加する帯電方式を採用した場合、この帯電方式は、交流電圧を印加する帯電方式に比べ、均一帯電性が低いため、筋状の画像欠陥が顕著に生じ易い。しかし、本実施形態に係る帯電部材では、帯電部材に直流電圧のみを印加する帯電方式を採用した場合でも、初期から繰り返し使用した後までも、筋状の画像欠陥の発生が抑制される。
図1は、本実施形態に係る帯電部材を示す概略斜視図である。図2は、本実施形態に係る帯電部材の概略断面図である。なお、図2は、図1のA−A断面図である。
導電性基材30について説明する。
導電性基材30としては、例えば、アルミニウム、銅合金、ステンレス鋼等の金属または合金;クロム、ニッケル等で鍍金処理を施した鉄;導電性の樹脂などの導電性の材質で構成されたものが用いられる。
導電性弾性層31について説明する。
導電性弾性層31は、例えば、弾性材料と、導電剤と、を含む。導電性弾性層31は、必要に応じて、その他添加剤を含んでもよい。
これらの導電剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これら導電剤の平均粒径としては、1nm以上200nm以下であることが望ましい。
なお、平均粒子径は、導電性弾性層31を切り出した試料を用い、電子顕微鏡により観察し、導電剤の100個の直径(最大径)を測定し、それを平均することにより算出する。また、平均粒径は、例えば、シスメックス社製ゼータサイザーナノZSを用いて測定してもよい。
そして、導電性弾性層31の体積抵抗率は103Ωcm以上1014Ωcm以下が好ましい。
導電性弾性層31からシート状の測定試料を採取し、その測定試料に対し、JIS K 6911(1995)に従って、測定治具(R12702A/Bレジスティビティ・チェンバ:アドバンテスト社製)と高抵抗測定器(R8340Aデジタル高抵抗/微小電流計:アドバンテスト社製)とを用い、電場(印加電圧/組成物シート厚)が1000V/cmになるよう調節した電圧を30秒印加した後、その流れる電流値より、下記式を用いて算出する。
体積抵抗率(Ωcm)=(19.63×印加電圧(V))/(電流値(A)×測定試料厚(cm))
導電性最外層32は、樹脂と、凹凸付与粒子と、を含む。導電性最外層32は、必要に応じて、導電剤、その他添加剤等を含んでもよい。
導電性最外層32の十点平均表面粗さRzを2μm以上にすると、導電性最外層32の汚染を抑え、筋状の画像欠陥の発生が抑制される。導電性最外層32の十点平均表面粗さRzを20μm以下にすると、導電性最外層32の表面の凹凸部分にトナーの外添剤、紙粉、放電生成物等が溜まり難くなり、局所的な異常放電を抑え、白抜け等の画像欠陥の発生が抑制され易くなる。
樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、フッ素変性アクリル樹脂、シリコーン変性アクリル樹脂、セルロース樹脂、ポリアミド樹脂、共重合ナイロン、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、セルロース樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、エチレンテトラフルオロエチレン樹脂、メラミン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリビニル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリチオフェン樹脂。ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、フッ素樹脂(ポリフッ化ビニリデン樹脂、4フッ化エチレン樹脂、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)等)が挙げられる。また、樹脂は、硬化性樹脂を硬化剤若しくは触媒により硬化又は架橋したものも挙げられる。また、樹脂は、弾性材料であってもよい。
ここで、共重合ナイロンは、610ナイロン、11ナイロン、12ナイロン、の内のいずれか1種又は複数種を重合単位として含む共重合体である。なお、共重合ナイロンには、6ナイロン、66ナイロン等の他の重合単位を含んでいてもよい。
凹凸付与粒子は、粒径が5.0μm以上であり、円形度が0.8以下の粒子を粒径5.0μm以上の全粒子に対して30個数%以下で有し、粒径が5.0μm未満であり、円形度が0.8以下の粒子を粒径5.0μm未満の全粒子に対して20個数%以上80個数%以下で有する。
なお、以下、粒径が5.0μm以上であり、円形度が0.8以下の粒子を「大径側異形粒子」、粒径が5.0μm以上であり、円形度が0.8超え1.0以下の粒子を「大径側球状粒子」、粒径が5.0μm未満であり、円形度が0.8以下の粒子を「小径側異形粒子」、粒径が5.0μm未満であり、円形度が0.8超え1.0以下の粒子を「小径側球状粒子」とも称する。
一方、全大径側粒子に占める大径側球状粒子の割合は、筋状の画像欠陥の発生抑制の点から、80個数%以上が好ましい。大径球状粒子の割合の上限値は、100個数%が好ましく、95個数%であってもよい。
一方、全小径側粒子に占める小径側球状粒子の割合は、筋状の画像欠陥の発生抑制の点から、30個数%以上70個数%以下が好ましい。
帯電部材の導電性最外層32から、測定試料を切り出す。そして、測定試料の断面をSEM(Scanning Electron Microscope:走査型電子顕微鏡画像)により観察し、画像解析を行う。画像解析によって得られる凹凸付与粒子の一次粒子の最長径、最短径を測定し、この中間値から球相当径を測定する。この球相当径の測定を凹凸付与粒子の一次粒子100個について行う。
一方、画像解析によって得られる凹凸付与粒子の一次粒子の円形度を、式により算出する。この円形度の算出を凹凸付与粒子の一次粒子100個について行う。
・式:円形度(100/SF2)=4π×(A/I2)
〔式中、Iは画像上における凹凸付与粒子の一次粒子の周囲長を示し、Aは凹凸付与粒子の一次粒子の投影面積を表す。SF2は形状係数を表す。〕
そして、これにより、凹凸付与粒子の粒径および円形度の分布を得る。この分布から、粒径5.0μm以上の全大径側粒子に占める大径側異形粒子の割合、粒径5.0μm未満の全小径側粒子に占める小径側異形粒子の割合等を求める。
なお、凹凸付与粒子を採取し、直接、粒子観察をして、凹凸付与粒子の各粒子の割合を求めてもよい。
まず、帯電部材の導電性最外層32から、測定試料を切り出す。そして、測定試料の断面をSEM(Scanning Electron Microscope:走査型電子顕微鏡画像)により観察し、画像解析を行う。画像解析によって得られる凹凸付与粒子の一次粒子の最長径、最短径を測定し、この中間値から球相当径を測定する。この球相当径の測定を凹凸付与粒子の一次粒子100個について行う。得られた凹凸付与粒子の一次粒子の球相当径の個数基準での累積頻度における50%径(D50n)を凹凸付与粒子の個数平均粒径として求める。
また、凹凸付与粒子の個数基準の粒径の標準偏差は、凹凸付与粒子の一次粒子の球相当径から得られる個数基準の粒度分布に基づいて算出される。
そして、凹凸付与粒子のCV値は、得られる凹凸付与粒子の個数平均粒径および個数基準の粒径の標準偏差から、下記式により算出する。
・式: CV値[%]=(σ/D)×100(σ:個数基準の粒径の標準偏差(μm)、D:個数平均粒径(nm))
なお、凹凸付与粒子を採取し、直接、粒子観察をして、凹凸付与粒子の個数平均粒径、個数基準の粒径の標準偏差、おおびCV値を求めてもよい。
樹脂粒子としては、例えば、ポリアミド樹脂粒子、ポリイミド樹脂粒子、ポリアクリル酸樹脂粒子、ポリメタクリル樹脂粒子、ポリスチレン樹脂粒子、フッ素樹脂粒子、シリコーン樹脂粒子等が挙げられる。
無機粒子としては、例えば、カーボンブラック、グラファイト、フェノール樹脂を焼結して得られる炭素粒子、金属粒子、金属酸化物粒子等が挙げられる。
ポリアミド樹脂粒子としては、ポリアミド樹脂ハンドブック,福本修,8400,(日刊工業新聞社)に記述のポリアミド樹脂の粒子が挙げられる。これらの中でも、特に、ポリアミド樹脂としては、筋状の画像欠陥の発生抑制の点から、アルコール可溶性ポリアミド粒子が好ましく、アルコキシメチル化ポリアミド粒子(アルコキシメチル化ナイロン粒子)がより好ましく、メトキシメチル化ポリアミド粒子(メトキシメチル化ナイロン粒子)が更に好ましい。
導電剤としては、導電性弾性層31に配合する導電剤と同様なものが挙げられる。導電剤の個数平均粒径は、凹凸付与粒子の個数平均粒径よりも小さいことがよい。
また、その他添加剤としては、例えば、導電剤、軟化剤、可塑剤、硬化剤、加硫剤、加硫促進剤、酸化防止剤、界面活性剤、カップリング剤等の周知の添加剤が挙げられる。
導電性最外層32において、樹脂の含有量は、20質量%以上99質量%以下(好ましくは10質量%以上95%以下)であり、凹凸付与粒子は1質量%以上50質量%以下(好ましくは3質量%以上45質量%以下)であることがよい。
また、導電剤を含む場合、樹脂の含有量は20質量%以上98質量%以下(好ましくは10質量%以上95%以下)であり、凹凸付与粒子は1質量%以上50質量%以下(好ましくは3質量%以上45質量%以下)であり、導電剤の含有量は1質量%以上50質量%以下(好ましくは1質量%以上30質量%以下)であることがよい。
導電性最外層32は、例えば、溶媒に上記各成分を溶解又は分散させた塗布液を、導電性基材30(導電性弾性層31の外周面)上に、浸漬法、スプレー法、真空蒸着法、プラズマコーティング法等で塗布し、形成した塗膜を乾燥して形成する。
乾燥条件は、樹脂又は触媒の種類、量に応じて決定されるが、乾燥温度としては40℃以上200℃以下であることが好ましく、50℃以上180℃以下であることがより好ましい。
乾燥時間は、5分以上5時間以下であることが好ましく、10分以上3時間以下であることがより好ましい。
乾燥手段としては、熱風乾燥などが挙げられる。
酸系の触媒としては、例えば、酢酸、クロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、乳酸などの脂肪族カルボン酸、安息香酸、フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸等の芳香族カルボン酸;メタンスルホン酸、ドデシルスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸等の脂肪族又は芳香族スルホン酸類等が挙げられる。
導電性最外層32の厚さは、例えば、0.01μm以上1000μm以下が好ましく、2μm以上25μm以下がより好ましい。
導電性最外層32の厚さは、粒子全体の個数平均粒径の1.7倍以下であることがより好ましい。なお、導電性最外層32の厚さは、粒子全体の個数平均粒径の0.5倍以上であることが好ましい。
導電性最外層32の厚さが、凹凸付与粒子全体の個数平均粒径の1.7倍以下であることで、初期から繰り返し使用した後までも、筋状の画像欠陥の発生が抑制やすくなる。これは、導電性最外層32の厚さが、凹凸付与粒子全体の個数平均粒径の1.7倍以下であることで、導電性最外層32の内部の凹凸付与粒子の重なりが少ない状態となり、導電性最外層32の凹凸形態に凹凸付与粒子の形状が反映されやすく、良好な凹凸形態になるために、筋状の画質欠陥が抑制されやすくなるものと推定している。また、導電性最外層32の厚さが、凹凸付与粒子全体の個数平均粒径の0.5倍以上であることで良好な凹凸形態の塗膜形成が容易となる。
なお、導電性最外層32の体積抵抗率は、導電性弾性層31の体積抵抗率と同じ方法により測定された値である。
以下、本実施形態に係る帯電装置について説明する。
図3は、本実施形態に係る帯電装置の概略斜視図である。
具体的には、本実施形態に係る帯電装置12は、図3に示すように、例えば、帯電部材121と、クリーニング部材122と、が特定の食い込み量で接触して配置されている。そして、帯電部材121の導電性基材30およびクリーニング部材122の基材122Aの軸方向両端は、各部材が回転自在となるように導電性軸受け123(導電性ベアリング)で保持されている。導電性軸受け123の一方には電源124が接続されている。
なお、本実施形態に係る帯電装置12は、上記構成に限られず、例えば、クリーニング部材122を備えない形態であってもよい。
なお、本実施形態に係る帯電装置12は、帯電部材121に、交流電圧、又は交流電圧に直流電圧を重畳した電圧を印加して、被帯電体(例えば像保持体)の表面を帯電する接触又は近接帯電方式の帯電装置であってもよい。
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、像保持体の表面を帯電する帯電装置と、帯電した像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成装置と、像保持体の表面に形成された潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置と、像保持体の表面に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写装置と、を備える。そして、帯電装置として、上記本実施形態に係る帯電装置を適用する。
なお、帯電部材を近接して配置するとは(近接帯電方式とは)、例えば、帯電部材を像保持体の表面から1μm以上200μm以下の範囲で離間して配置することを示す。
<凹凸付与粒子(1)〜(6)>
次に示す操作によりナイロン12粒子(ポリアミド樹脂粒子)を得た。
プロピレングリコールにナイロン12のペレット状樹脂を5重量%混ぜて得た混合物を、二酸化炭素で置換した撹拌機がついた混合槽内で、190℃にてナイロン12が完全に溶解するまで約30分間撹拌した。得られた溶液を5℃/分の速度で冷却した。この冷却過程で全体の約80%が単球状のナイロン12として造粒したが、残りの約20%が塊状となって析出していた。この混合物中の塊状の析出物を取り除き、遠心分離によって溶媒を粗分離後、乾燥してナイロン12粒子を得た。得られたナイロン12粒子を顕微鏡にて観察したところ10μm以下の粒子が大半を占め、他に30μm以上40μm以下の範囲の球状粒子が確認された。また、得られたナイロン12粒子の粒径とその分布を粒度分布測定器により確認した結果、このナイロン12粒子の個数平均粒径は20μmであった。さらに、得られたナイロン12粒子をボールミルで30分処理することにより、個数平均粒子径10μmのナイロン12粒子を得た
次に、得られたナイロン12粒子(ポリアミド樹脂粒子)を分級し、粒径および円形度が異なる複数のナイロン12粒子の分級品を得た。そして、複数のナイロン12粒子の分級品を組み合わせて配合し、表1に示す特性を持つ凹凸付与粒子(1)〜(6)を得た。
次に示す操作によりポリメタクリル酸樹脂粒子を得た。
ポリメタクリル酸粒子(テクノポリマーMBX−20:日本触媒)をボールミルに入れ、30分処理した。個数平均粒子径10μmだった。
次に、得られたポリメタクリル酸樹脂粒子を分級し、粒径および円形度が異なる複数のポリメタクリル酸樹脂粒子の分級品を得た。そして、複数のポリメタクリル酸樹脂粒子の分級品を組み合わせて配合し、表1に示す特性を持つ凹凸付与粒子(7)を得た。
シリカ粒子として、サンスフェアH−51「AGCエスアイテック社製」と、VX−S2「龍森社製」とを任意の割合で混合し、表1に示す特性を持つ凹凸付与粒子(8)を得た。
凹凸付与粒子(1)〜(6)の作製で得た複数のポリアミド樹脂粒子の分級品を組み合わせて配合し、表1に示す特性を持つ比較凹凸付与粒子(C1)〜(C5)を得た。
−基材の準備−
SUM23Lから成る基材に5μmの厚さの無電解ニッケルメッキ後、6価クロム酸を施し直径8mmの導電性基材を得た。
次いで、下記混合物をボールミルで1時間混合後、刷毛塗りにより前記基材表面に膜厚20μmの接着層を形成した。
・塩素化ポリプロピレン樹脂(無水マレイン酸塩素化ポリプロピレン樹脂:スーパークロン930 日本製紙ケミカル社製) 100部
・エポキシ樹脂(EP4000、ADEKA製) 10部
・導電剤(カーボンブラック ケッチェンブラックEC:ケッチェン・ブラック・インターナショナル社製) 2.5部
なお、粘度調整にはトルエンまたはキシレンを用いた。
下記組成の混合物をオープンロールで混練りし、前記接着層を形成した基材表面に押出し成形機を用いて弾性層を形成し、且つ加硫した。このときの基材(シャフト)搬送経路の外形寸法は8mmφであり、且つ前記基材としては外径が8mmφ、長さ350mmのものを使用した。またクロスヘッド押出装置として、三葉製作所製の40mm押出機と、ダイノズル内径が13mmφであるクロスヘッドダイとを用いた。
・導電剤(カーボンブラック アサヒサーマル:旭カーボン社製) 15部
・導電剤(ケッチェンブラックEC:ケッチェン・ブラック・インターナショナル社製) 5部
・イオン導電剤(過塩素酸リチウム) 1部
・加硫剤(硫黄 200メッシュ:鶴見化学工業社製) 1部
・加硫促進剤(ノクセラーDM:大内新興化学工業社製) 2.0部
・加硫促進剤(ノクセラーTT:大内新興化学工業社製) 0.5部
・加硫促進助剤(酸化亜鉛 酸化亜鉛1種:正同化学工業社製) 3部
・ステアリン酸 1.5部
・樹脂(N−メトキシメチル化ナイロン:F30K、ナガセケムテックス社製): 100部
・凹凸付与粒子(1): 30部
・導電剤(カーボンブラック MONAHRCH1000、キャボット社製、体積平均粒子径:43nm): 17部
・触媒(「Nacure4167、King Industries社製): 4.4部
上記組成の混合物をメタノールで希釈し、ビーズミルにて分散し得られた分散液を、導電性弾性層の表面に浸漬塗布した後、180℃で30分間加熱乾燥し、厚さ7μmの表面層を形成し、帯電部材(帯電ロール)を得た。
表1に従って、導電性最外層の組成において、樹脂の種類と、凹凸付与粒子の種類および量とを変更した以外は、実施例1と同様にして、帯電部材(帯電ロール)を得た。
実施例1において、導電性最外層の組成の樹脂を下記組成のアクリル樹脂配合物に変更した以外は同様にして、帯電部材(帯電ロール)を得た。
−アクリル樹脂配合物−
・樹脂(デスモフェンA450BA、住化バイエルウレタン社製) 80部
・樹脂(スミジュールBL3175、住化バイエルウレタン社製) 20部
表1に従って、樹脂の種類および量と、凹凸付与粒子の種類および量とを変更した以外は、実施例1と同様にして、比較帯電部材(帯電ロール)を得た。
各例で得られた帯電部材(帯電ロール)について、次の評価を行った。
各例で得られた帯電部材(帯電ロール)を装着した富士ゼロックス社製DocuCentre SC2021 CPSのプロセスカートリッジに装着した。そして、このプロセスカートリッジを富士ゼロックス社製DocuCentre SC2021 CPSに装着し、画質評価試験を行った。なお、本機は、電子写真感光体への帯電方式が、帯電部材に直流電圧のみを印加して、電子写真感光体の表面を帯電する直流接触帯電方式である。
A:色筋が見られない
B:色筋が1本以上2本以下発生
C:色筋が3本以上10本以下発生
D:色筋が11本以上20本以下発生
E:色筋が21本以上29本以下発生(実用上問題があるレベル)
F:色筋が30本以上発生(実用上問題があるレベル)
・大径側異形粒子の割合: 粒径5.0μm以上の全大径側粒子に占める大径側異形粒子(粒径が5.0μm以上であり、円形度が0.8以下の粒子)の割合
・大径側球状粒子の割合: 粒径5.0μm以上の全大径側粒子に占める大径側球状粒子(粒径が5.0μm以上であり、円形度が0.8超え1.0以下の粒子)の割合
・小径側異形粒子の割合: 粒径5.0μm未満の全小径側粒子に占める小径側異形粒子(粒径が5.0μm未満であり、円形度が0.8以下の粒子)の割合
・小径側球状粒子の割合: 粒径5.0μm未満の全小径側粒子に占める小径側球状粒子(粒径が5.0μm未満であり、円形度が0.8超え1.0以下の粒子)の割合
・D50n: 個数平均粒径
・σ値: 個数基準の粒径の標準偏差
・CV値: CV(Coefficient of Variation)値
・Rz: 十点平均表面粗さRz
・AC: アクリル樹脂混合物(組成は上記)
Claims (9)
- 導電性基材と、
導電性基材上に設けられ、十点平均表面粗さRzが2μm以上20μm以下の導電性最外層であって、樹脂と粒子とを含み、且つ、前記粒子のうち、粒径が5.0μm以上であり、円形度が0.8以下の粒子を粒径5.0μm以上の全粒子に対して30個数%以下で含み、粒径が5.0μm未満であり、円形度が0.8以下の粒子を粒径5.0μm未満の全粒子に対して20個数%以上80個数%以下で含む導電性最外層と、
を備える帯電部材。 - 前記粒子全体の個数平均粒径が、2μm以上20μm以下である請求項1に記載の帯電部材。
- 前記粒子が、ポリアミド樹脂粒子である請求項1又は請求項2に記載の帯電部材。
- 前記樹脂が、ポリアミド樹脂である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の帯電部材。
- 前記導電性最外層の厚さが、前記粒子全体の個数平均粒径の1.7倍以下である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の帯電部材。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の帯電部材を備える帯電装置。
- 像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電し、請求項1〜5のいずれか1項に記載の帯電部材を有する帯電装置であって、前記帯電部材が前記像保持体の表面に接触又は近接して配置されている帯電装置と、
を備え、
画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。 - 像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電し、請求項1〜5のいずれか1項に記載の帯電部材を有する帯電装置であって、前記帯電部材が前記像保持体の表面に接触又は近接して配置されている帯電装置と、
帯電した前記像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成装置と、
前記像保持体の表面に形成された潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置と、
前記像保持体の表面に形成された前記トナー像を記録媒体に転写する転写装置と、
を備える画像形成装置。 - 前記帯電部材に直流電圧を印加することで前記像保持体の表面を帯電する請求項8記載の画像形成装置。
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