JP6161263B2 - 硬化性組成物および薄膜、それを用いた薄膜トランジスタ - Google Patents

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Description

本発明は絶縁性に優れ、有機TFT用ゲート絶縁膜とした際に良好な特性を与える薄膜および硬化性組成物に関するものである。
次世代ディスプレイとして注目を浴びる電子ペーパーなどをはじめとしたフレキシブルディスプレイ開発のため、プラスチックフィルムを基板として低温かつ印刷法等の簡便に形成できる有機薄膜トランジスタが盛んに研究開発されており、半導体材料としてペンタセン、ポリチオフェン化合物を用いるTFT(例えば特許文献1)が提案されており、中には液晶ディスプレイで用いられているaSiTFT並みの特性を有する半導体材料も見出されている。
一方半導体材料のみならず、ゲート絶縁膜、パッシベーション膜等の絶縁膜についても様々な有機材料が検討開発されており、ポリビニルアルコール(例えば特許文献1)やポリイミド系ポリマー(例えば特許文献2)、シリコン系ポリマー(例えば特許文献3)などの有機材料を絶縁膜として用いたトランジスタが提案されているが、これらの素材を絶縁膜として用いただけでは良好な半導体特性を得ることが困難であった。そのため、これらの膜をシランカップリング剤などで表面処理を施してから用いなければならない等煩雑なプロセスを必要としていた。
特開2007−027524号公報 特開2004−349319号公報 特開2007−43055号公報
上記事情から本発明の目的は、絶縁性に優れた薄膜を与える硬化性組成物およびそれをゲート絶縁膜として用いた有機薄膜トランジスタを提供することである。
上記事情に鑑み、本発明者らが鋭意検討した結果、下記特長を有する樹脂組成物を用いることにより上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、以下の構成を有するものである。
1). 一般式(I)で表されるポリシロキサンを含有し、硬化後の硬化物表面における水接触角が95度以上となる硬化性組成物。
(式中xは1〜150、yは1〜150の任意の整数で表され、Aは炭素数1〜30のアルキル基を示し、それぞれ異なっていても同一であってもよい)。
2). エポキシ基含有化合物、(メタ)アクリロイル基含有化合物、フェノール基含有化合物、ヒドロシリル化反応性組成物のいずれかを含有することを特徴とする1)に記載の硬化性組成物。
3). エポキシ基含有化合物がエポキシ基含有ポリシロキサンであることを特徴とする2)に記載の硬化性樹脂組成物。
4). (メタ)アクリロイル基含有化合物が(メタ)アクリロイル基含有ポリシロキサンであることを特徴とする2)に記載の硬化性樹脂組成物。
5). フェノール基含有化合物がフェノール基含有ポリシロキサンであることを特徴とする2)に記載の硬化性樹脂組成物。
6). ヒドロシリル化反応性組成物が、アルケニル基含有化合物、SiH基含有環状シロキサンを分子内に有する化合物、ヒドロシリル化反応触媒である事を特徴とする2)に記載の硬化性組成物。
7). 一般式(II)
で表される構造を有する化合物を含有することを特徴とする1)〜6)のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
8). 1)〜7)のいずれか一項に記載の硬化性組成物を硬化して得られる薄膜。
9). 8)に記載の薄膜をゲート絶縁膜とする有機薄膜トランジスタ。
本発明の硬化性組成物より得られる薄膜は絶縁性に優れ、有機薄膜トランジスタ用ゲート絶縁膜として用いた場合、絶縁膜の表面処理を行わなくても良好なトランジスタ特性を有する有機薄膜トランジスタを与え得る。
有機TFTの断面参考図1 有機TFTの断面参考図2
発明の詳細を説明する。
本発明の硬化性組成物は、絶縁性に優れた有機TFT用ゲート絶縁膜を与え得る。
一般に多官能エポキシ化合物、多官能アクリレート化合物、ノボラック樹脂等からなるエポキシ樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂等は代表的な硬化性樹脂として様々用途に適用されており、硬化後には絶縁性、耐薬品性に優れる薄膜を形成する事が可能であることから厳しい絶縁性が必要となる部材、例えば、有機TFT用ゲート絶縁膜等の部材に好適である。しかし、これらの樹脂をTFTのゲート絶縁膜に用いた際には半導体の電子・キャリアのトラップの影響が大きく、トランジスタ特性としては良好な素子が得られないのが現状である。本発明の硬化性組成物は、良好なトランジスタ特性を有する有機TFT用のゲート絶縁膜として機能する。
(有機TFT用ゲート絶縁膜について)
本発明において適用する有機薄膜トランジスタ(有機TFT)とは、半導体層を有機化合物で形成されている電界効果トランジスタ(FET)を示し、ソース、ドレイン、ゲート電極から形成されている3端子型、およびバックゲートを含む4端子型のトランジスタのことであり、ゲート電極に電圧印加することで発生するチャネルの電界によりソース/ドレイン間の電流を制御する薄膜型のトランジスタを示す。トランジスタ構造としては、ゲート電極の配置に関してボトムゲート型、トップゲート型、さらにはソース/ドレイン電極の配置に関し、ボトムコンタクト型、トップコンタクト型など適用する表示デバイス構造に応じて様々な組み合わせ、配置で設計可能であり、特にはその構造は限定されない。
用いられる有機半導体層としても様々な素材のものが提案されており、ペンタセン系、オリゴチオフェン系、フタロシアニン系等の化合物が挙げられ、特に限定されず適用できる。また半導体層の形成方法に関しては、蒸着、塗布など様々な工法が提案されており特に限定されない。
電極材料に関しても特に限定せず使用することができるが、簡便に入手できるAu、Al、Pt、Mo、Ti、Cr、Ni、Cu、ITO、PEDOT/PSS等の導電性高分子、導電ペースト、メタルインクなどが好適に用いられる。抵抗が低く、高い導電性を得られることよりAl、Mo、Ti、Cr、Ni、Cuなどが好ましく、また透明性が必要な箇所に適用できる観点からは、ITO、PEDOT/PSSが好ましく、電極表面が酸化されにくく安定性に優れるという観点からは、Au、Ptが好ましく、印刷プロセスにより形成できることよりPEDOT/PSS等の導電性高分子、導電ペースト、メタルインクが好ましく用いられる。
本発明でいう有機TFTにおけるゲート絶縁膜とは、ゲート電極と半導体層との間に形成される絶縁膜であり、微小な電流リークでも動作不良に影響することから極めて高い絶縁信頼性が必要となる部材である。
形成方法に関しても、CVD法、スパッタリング、蒸着、塗布など様々な工法が提案されているが、有機TFTの場合、印刷プロセスによる低コストプロセス、フレキシブルディスプレイなどへの展開のために塗布により形成できるものが好ましい。さらに塗布方法に関しても特に限定されるものではなく、スピンコーティング、ディップコーティング、ロールコーティング、スクリーンコーティング、スプレーコーティング、スピンキャスティング、フローコーティング、スクリーン印刷、インクジェットまたはドロップキャスティングなどの方法で成膜することができる。また成膜する基材の状態、絶縁膜の形成方法に合わせ適宜、溶剤による粘度調整を行っても良い。
一般的にトランジスタとして、アクティブマトリクス型のフラットパネルディスプレイを安定的に駆動し鮮明な画像を得る為の重要特性としては、キャリア移動度、閾値電圧、ヒステリシス、ON/OFF電流比が重要特性とされている。
閾値電圧(Vth)とは、電流伝達特性における飽和線形領域のX切片を示し、0Vに近ければ近いほど優れたトランジスタであると言える。ヒステリシスは、トランジスタ反復動作に対し電流伝達特性の再現動作性を示し、反復動作時の閾値電圧の差で表される。ディスプレイとした際の安定した駆動のためには、ヒステリシスが5V以下であることが好ましく、3V以下であることがさらに好ましい。
またON/OFF電流比とは、トランジスタの電流伝達特性におけるソース/ドレイン間に流れる電流Idの最大電流値と最小電流値の比(Ion/Ioff)で表され、大きいほどスイッチとしての機能に優れることを示し、駆動に大電流を要する方式の駆動も可能となることより104以上、さらには105以上であることが好ましい。
キャリア移動度についてもTFTデバイスの良し悪しを示す重要な指標であり、値が大きいほどTFT素子として優れている事を示すが、良好な画像の表示デバイスとする観点からは0.1以上、さらには0.18以上であることが好ましい。また、さらには0.21以上、特には0.45以上であることが好ましい。特に本発明で得られる薄膜をゲート絶縁膜として用いることにより、ON/OFF電流比、キャリア移動度の大きい優れた有機TFTを得ることができる。
(TFT用パッシベーション膜について)
また本発明の硬化性組成物は、TFT用のパッシベーション膜としても好適に用いることができる。TFT用のパッシベーション膜とは、TFT素子を上から覆い保護する役目の絶縁膜である。それぞれゲート絶縁膜、パッシベーション膜として単独で用いることもできるが、特にゲート絶縁膜とパッシベーション膜の両層を本発明の硬化性組成物を用いて形成したトランジスタでは、互いの層の密着性に優れる事から、大面積化した場合にもゲート絶縁膜/パッシベーション膜間の剥離等の不良が少ないため好適である。
特に薄膜状の基板を用いたフレキシブルな基板に設けるTFTに適用することで折り曲げ等の際に生じやすい膜間の剥離等の不良が軽減されて好ましい。
薄膜状の基板としては、金属、有機樹脂をあげることができるが、透明性を有することが好ましく、絶縁性をも有することから有機樹脂で構成される基板が好ましい。
有機樹脂で構成される絶縁支持基板とは、特に限定されるものではないが、ポリイミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂、PMMA等のアクリル系樹脂、ゼオネックス、アートン等で代表されるシクロオレフィン系樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂などが挙げられる。
中でも透明性を有することからポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレートが好ましく、さらに安価で入手しやすいという観点よりポリエチレンテレフタレートがさらに好ましい。
(表面撥水性について)
硬化性樹脂として一般によく用いられるエポキシ樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂は、絶縁性・絶縁耐圧性に優れる薄膜が得られ、様々な電子部品の絶縁膜として用いられている。しかし、有機TFT用ゲート絶縁膜として適用すると良好なトランジスタ特性が発現されにくいという問題があった。
この問題を解決するため、本発明者は、特定構造を有するポリシロキサンを必須成分とする硬化性組成物を用いることにより、良好なトランジスタ特性が発現できることを見いだした。さらに硬化後の膜表面の水との接触角がある値以上であることが必要であることも見いだした。その接触角とは95°以上であるが、好ましくは99°以上である。特には100°以上、さらには101°以上が好ましい。上限としては110°、さらには104°を示すことができる。
一般的には、表面撥水性の高い塗膜が得られる樹脂は多く知られており、特にフッ素系樹脂(例えば商品名:サイトップ、旭硝子製)や環状オレフィン系炭化水素樹脂(例えば商品名:ゼオネックス、ゼオノア、日本ゼオン製、商品名:アートン、JSR製)、エポキシ基やアクリル基やヒドロシリル化反応性基を有しないシリコン樹脂などが挙げられる。しかし、これら材料では基材上に製膜する際にムラ、ハジキが発生しやすく均一な膜が得られにくく、またTFT製造プロセスで用いられるエッチング液などに対する薬液耐性や基材密着性に乏しいためTFT用絶縁膜として適用しにくいものであった。
本発明の硬化性組成物は、一般式(I)で表されるポリシロキサンを用いことが特徴であるが、硬化性組成物には例えばエポキシ基、(メタ)アクリロイル基、フェノール基、あるいはヒドロシリル化反応性基等の硬化性基、を有した化合物を主成分とする硬化性組成物を用いることが出来る。
これら硬化性基を有する化合物と一般式(I)で表されるポリシロキサンと共に用いることにより優れた絶縁膜と成すことが出来る。本発明の組成物は製膜性に優れ、得られる膜は基材との密着性に優れかつ高い表面接触角を有するものとなり、有機TFT用絶縁膜として好適と言える。
(ポリシロキサンについて)
本発明では、以下一般式(I)で示される特定構造を有するポリシロキサンを含有する硬化性組成物であって、硬化後の硬化物表面における水接触角が95度以上となる薄膜を有機TFT用ゲート絶縁膜として用いた場合、優れたトランジスタ特性を有する有機TFTが得られることを見出した。
(式中xは1〜150、yは1〜150の任意の整数で表され、Aは炭素数1〜30のアルキル基を示し、それぞれ異なっていても同一であってもよい) 化合物中におけるx、yの数は、それぞれのユニットが少なすぎたり多すぎたりすると硬化膜の表面における撥水性が発現しにくくなることより、1〜90の任意の整数が好ましく、さらにはx、yは3〜50であることが好ましい。
加えて、硬化性樹脂との相溶性の観点より、2≦x+y≦200の範囲にあることが好ま
しく、さらに好ましくは2≦x+y≦150である。
また、x、yの比率については、0.01≦x/y≦100の範囲で設定されることが好ましく、アルキル基Aが分子中に少なすぎる場合、絶縁膜表面における撥水効果が小さくなり、またSiH基が少なすぎると架橋に組み込まれず不純物としてTFT特性に悪影響を及ぼすことから、0.1≦x/y≦10であることがさらに好ましく、特に好ましくは0.2≦x/y≦5である。
また、ポリシロキサン中のアルキル基Aの構造は、硬化膜表面への撥水性が発現しやすいという観点より、炭素原子と水素原子のみより構成されているものが好ましく、硬化性基を有する化合物との相溶性が良い観点より、炭素数が1〜25であることが好ましく、さらには3〜20であることが好ましく、よりTFT特性が優れる観点より5〜15であることが好ましい。
またアルキル基Aの構造としては、鎖状、分岐状、環状のいずれの構造でも特に限定はされないが、特に、膜上に積層される半導体の結晶状態が良くなりやすくTFT特性が向上しやすい観点から、鎖状であることが好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−テトラデシル基、n−ヘキサデシル基、n−オクタデシル基などが挙げられる。
また、硬化性基を有する化合物との相溶性が良好である観点より、分岐状、環状であることが好ましく、イソプロピル基、イソブチル基、イソペンチル基、イソヘキシル基、イソヘプチル基、イソオクチル基、イソノニル基、イソデシル基、イソドデシル基、イソテトラデシル基、イソヘキサデシル基、イソオクタデシル基、tert−ブチル基、tert−ペンチル基、tert−ヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロドデシル基、ノルボルニル基、ジシクロペンチル基、イソボルニル基などが挙げられる。
Aが複数ある場合、それぞれ異なっていても同一であってもよい。絶縁膜の必要特性にあわせて鎖状、分岐状、環状の構造を有するアルキル基から1種あるいは2種以上を選択して用いることが出来る。
本発明のポリシロキサンを得る方法としては、特に限定されないが、もっとも簡便な方法としては、例えば下記一般式(III)で表されるSiH基含有ポリシロキサンと、導入したい炭素数のオレフィン化合物とをヒドロシリル化することにより得ることができる。
(式中mは1〜300、nは0〜150の任意の整数で表される)
入手性の観点より、官能基としてはSiH基のみを有するものが好ましく、具体的には、TSF484(モメンティブ製)、KF−99(信越化学製)、SH1107(東レ・ダウコーニング製)などが挙げられる。
また、相溶性を調整する観点より、ジメチルシロキサンとの共重合体を用いても良い。具体的な化合物としては、HMS−301、HMS−501(Gelest製)等が挙げられる。
また、ヒドロシリル化の際に用いる、オレフィン化合物については、導入したい炭素数のオレフィン化合物であれば特に限定せず使用することが可能であり、具体的には、1−ペンテン、4−メチル1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、その他リニアレン124、リニアレン148、リニアレン168、リニアレンダイマーA−20、リニアレン2024(出光興産製)などが好適である。さらに相溶性の観点より、4−メチル1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ドデセンが好ましい。
一般式(I)で示される特定構造を有するポリシロキサンの硬化性組成物における含有量としては、硬化性基を有する化合物の重量を越えない範囲(重量)で用いることが好ましい。具体的には、主成分である後述する硬化性基を有する化合物100重量部あたり0.05〜50重量部,さらには0.1〜10重量部で用いることが好ましい。
添加量が少ないと硬化して得られる薄膜表面の撥水性が安定し難く、添加量が多いと相溶せず分離する、コーティング時にはじきにより製膜不良を起こす等問題があるため好ましくない。
本発明で用いることが出来る硬化性基としては、エポキシ基、(メタ)アクリロイル基、フェノーツ基、アルケニル基とSiH基との組み合わせを挙げることができる。そして、硬化性基を有する化合物とは、それぞれの硬化性基を有する、エポキシ基含有化合物、(メタ)アクリロイル基含有化合物、フェノール基含有化合物、アルケニル基含有化合物とSiH基含有化合物との組成物を挙げることができる。
(エポキシ基含有化合物)
本発明で用いることが出来るエポキシ基含有化合物のエポキシ基とは、脂環式エポキシ基、グリシジル基から選ぶことができる。加熱もしくは光エネルギーにより架橋することで絶縁性に優れる膜として機能し、代表的なものとしては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、ビキシレノール型エポキシ樹脂などのビスフェノール型エポキシ樹脂類、1,2−ジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂、1,3−ジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂、1,4−ジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂、1,5−ジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂、1,6−ジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂、1,7−ジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂、1,8−ジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂、2,3−ジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂、2,6−ジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂、2,7−ジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂などのジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂類、トリグリシジルイソシアヌレート、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリエチレングリコールジグリシジルエーテル、テトラエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、テトラプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルなどの直鎖脂肪族エポキシ化合物、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビフェニル型エポキシ樹脂、1,4−シクロへキサンジオール型エポキシ樹脂、1,4−シクロヘキサンジメタノール型エポキシ樹脂などの脂環式エポキシ化合物などが挙げられる。
さらにこれらの硬化性を高めたり、耐薬品性、絶縁性を増す為に、架橋剤として後述のカチオン重合開始剤や酸無水物化合物、アミン化合物、リン化合物なども添加しても良い。
またこれらの中でも耐薬品性に優れる薄膜が得やすいという観点よりエポキシ基含有ポリシロキサンを含有するエポキシ樹脂であることが好ましい。エポキシ基含有ポリシロキサンを得る方法として、特には限定されないが、エポキシ基を有するアルコキシシランを縮合させる方法、エポキシ基とアルケニル基とを同一分子内中に有する化合物とSiH基を有するポリシロキサンとをヒドロシリル化反応させて得る方法などが挙げられるが、未反応部位が残りにくく絶縁性に優れる薄膜となりやすい観点より、後者の方法が好適である。
この製法の際使用することができるエポキシ基とアルケニル基とを同一分子内中に有する化合物としては、ビニルシクロヘキセンオキシド、アリルグリシジルエーテル、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート、モノアリルジグリシジルイソシアヌレート、グリシジルメタクリレート、ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル、アリルオキセタニルエーテル、ビニルオキセタニルエーテル等が挙げられ、光重合反応性に優れている観点より、脂環式エポキシ基を有する化合物であるビニルシクロヘキセンオキシドが特に好ましい。オキセタニル基を有する化合物を用いる場合、硬化物強度が向上するという観点より好ましい。
またSiH基を有するポリシロキサンとしては、ジメチルヒドロシリル基で末端が封鎖されたポリシロキサン、SiH基含有環状シロキサン、主鎖にSiH基含有直鎖状ポリシロキサン(例えば、TSF484、モメンティブ製)などが挙げられる。
中でもSiH基含有環状シロキサンを適用する事で強度、耐溶剤性に優れる膜が得られやすいという観点より好ましく、具体例としては、1,3,5,7−テトラハイドロジェン−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1−メチルー3,5,7−トリハイドロジェン−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3−ジメチルー5,7−ジハイドロジェン−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1−プロピル−3,5,7−トリハイドロジェン−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3−ジプロピル−5,7−ジハイドロジェン−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5−トリハイドロジェン−7−ヘキシル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,5−ジハイドロジェン−3,7−ジヘキシル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5−トリハイドロジェン−1,3,5−トリメチルシクロシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタハイドロジェン−1,3,5,7,9−ペンタメチルシクロシロキサン、1,3,5,7,9,11−ヘキサハイドロジェン−1,3,5,7,9,11−ヘキサメチルシクロシロキサン等が例示される。特に入手性の観点より、1,3,5,7−テトラハイドロジェン−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンが好ましい。
また膜の強度向上のために、後述の一分子中にアルケニル基を2個以上有する化合物とSiH基含有ポリシロキサンとをあらかじめヒドロシリル化させた部分反応物もSiH基を有するポリシロキサンとして使用することもできる。
ここで言うアルケニル基を2個以上有する化合物としては特に限定せず使用することができ、具体的な例としては、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、トリメチロールプロパントリアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、ペンタエリスリトールテトラアリルエーテル、1,1,2,2−テトラアリロキシエタン、ジアリリデンペンタエリスリット、トリアリルシアヌレート、1,2,4−トリビニルシクロヘキサン、1,4−ブタンジオールジアリルエーテル、ノナンジオールジアリルエーテル、1,4−シクロへキサンジメタノールジアリルエーテル、トリエチレングリコールジアリルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ビスフェノールSのジアリルエーテル、ジビニルベンゼン、ジビニルビフェニル、1,3−ジイソプロペニルベンゼン、1,4−ジイソプロペニルベンゼン、1,3−ビス(アリルオキシ)アダマンタン、1,3−ビス(ビニルオキシ)アダマンタン、1,3,5−トリス(アリルオキシ)アダマンタン、1,3,5−トリス(ビニルオキシ)アダマンタン、ジシクロペンタジエン、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、シクロオクタジエン、トリシクロペンタジエン、ノルボルナジエン、ビニルノルボルネン、ビニルシクロへキセン、ビニルシクロペンテン、ブタジエン、イソプレン、オクタジエン、1,5−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、1,9−デカジエン、ジアリルエーテル、ビスフェノールAジアリルエーテル、ビスフェノールSジアリルエーテル、2,5−ジアリルフェノールアリルエーテル等が挙げられる。
特に、透明性および耐熱性、耐光性、絶縁性が高い硬化物・薄膜を形成しやすいという観点から下記一般式(II)で表される構造を有するアルケニル化合物を用いる事が特に好ましい。
これら化合物の具体例としては、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルイソシアヌレート、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート、ジアリルモノベンジルイソシアヌレート、ジアリルモノプロピルイソシアヌレート、モノアリルジベンジルイソシアヌレート、ジアリルモノメチルイソシアヌレート、モノアリルジメチルイソシアヌレートが挙げられ、特に入手性の観点よりトリアリルイソシアヌレートが挙げられる。
特に硬化物の透明性および硬化性の観点より、アルケニル基を有するポリシロキサンが好ましく適用できる。またその中でも化合物入手性の観点より、ケイ素基に結合したビニル基(Si−CH=CH2基)を有するポリシロキサン化合物であることが好ましい。
具体的には、1,3,5,7−テトラビニル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1−プロピル−3,5,7−トリビニル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,5−ジビニル−3,7−ジヘキシル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5−トリビニル−トリメチルシクロシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタビニル−1,3,5,7,9−ペンタメチルシクロシロキサン、1,3,5,7,9,11−ヘキサビニル−1,3,5,7,9,11−ヘキサメチルシクロシロキサン等の化合物が挙げられる。
((メタ)アクリロイル基含有化合物)
本発明で用いることが出来る(メタ)アクリロイル基含有化合物としては、エポキシ基含有化合物と同様、加熱もしくは光エネルギーにより架橋することで膜と成すことが出来る化合物を用いることが出来る。
用いることが出来る(メタ)アクリロイル基含有化合物としては具体的には、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸ビニル、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸変性アリルグリシジルエーテル(ナガセケムテックス製、商品名:デナコールアクリレートDA111)、ウレタン(メタ)アクリレート類、エポキシ(メタ)アクリレート類、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパン(メタ)テトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール系(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、 (メタ)アクリレート基含有ポリシロキサン等が挙げられる。
また耐薬品性に優れる薄膜が得られる観点より(メタ)アクリロイル基を有するポリシロキサンであることが好ましい。(メタ)アクリロイル基を有するポリシロキサンを得る方法として、特には限定されないが、(メタ)アクリロイル基を有するアルコキシシランを縮合させる方法、(メタ)アクリロイル基を有する化合物とSiH基を有するポリシロキサンとをヒドロシリル化反応させて得る方法などが挙げられるが、未反応部位が残りにくく絶縁性に優れる薄膜となりやすい観点より、後者の方法が好適である。
この製法の際使用できる(メタ)アクリロイル基を有する化合物としては、上述の(メタ)アクリロイル基含有化合物を用いることが出来る。
またSiH基を有するポリシロキサンとしては、前記エポキシ基含有化合物で用いることができる化合物を用いることが出来る。
(フェノール基含有化合物)
本発明で用いることが出来るフェノール基含有化合物としては、ポリビニルフェノール樹脂やノボラック樹脂、レゾール樹脂、フェノール基を有するポリシロキサン樹脂などが挙げられる。またさらに絶縁性・耐薬品性を増す為に、架橋剤としてメラミン化合物を添加しても良い。
また耐薬品性に優れる薄膜が得られる観点よりフェノール基を有するポリシロキサンであることが好ましい。フェノール基を有するポリシロキサンを得る方法として、特には限定されないが、フェノール基を有するアルコキシシランを縮合させる方法、フェノール基を有するアリル基含有化合物とSiH基を有するポリシロキサンとをヒドロシリル化反応させて得る方法などが挙げられるが、未反応部位が残りにくく絶縁性に優れる薄膜となりやすい観点より、後者の方法が好適である。
この製法の際使用できるフェノール基を有するアリル基含有化合物としては、アリルフェノール等のフェノール基含有化合物を用いることが出来る。
またSiH基を有するポリシロキサンとしては、前記エポキシ基含有化合物で用いることができる化合物を用いることが出来る。さらに得られる膜の強度向上、密着性向上を目的に、(メタ)アクリル化合物やエポキシ化合物、さらにはヒドロシリル化反応性化合物(SiH基含有化合物およびアルケニル化合物)などの架橋性化合物を添加することもできる。
(ヒドロシリル化反応性組成物)
本発明の硬化性組成物として、アルケニル基を有する化合物とSiH基含有化合物とヒドロシリル化触媒を必須成分とするヒドロシリル化反応性組成物も適用することもできる。この組成物は、反応性に優れ低温条件下においても絶縁性に優れる薄膜を得やすく、薄膜トランジスタ用絶縁膜としても好適である。
ここでいうアルケニル基を有する化合物、SiH基含有化合物としては、上述のエポキシ基含有ポリシロキサンを得る際に使用できる化合物であれば、特に限定せず使用する事ができる。アルケニル基を有する化合物としては特に、硬化して得られる膜の架橋密度が高く、絶縁性に優れるものが得られやすいという観点より、一分子中に1つ以上20個以下、さらには3つ以上15個以下のアルケニル基を有しているものが好ましい。実用的にはアルケニル基を2個以上有する化合物を用いることが好ましい。
具体的には、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラビニルシクロシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタビニル−1,3,5,7,9−ペンタメチルシクロシロキサン、1,3,5,7,9,11−ヘキサビニル−1,3,5,7,9,11−ヘキサメチルシクロシロキサン等が挙げられる。SiH基含有化合物としては、絶縁性に優れる硬化物・薄膜となりやすいという観点よりSiH基含有環状シロキサンを分子内に有する化合物が好ましい。
また好適に用いられるヒドロシリル化触媒としても、公知のヒドロシリル化触媒を用いればよい。触媒活性の点から塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−ビニルシロキサン錯体等が好ましい。また、これらの触媒は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
また、上記触媒には助触媒を併用することが可能であり、例としてトリフェニルホスフィン等のリン系化合物、ジメチルマレート等の1、2−ジエステル系化合物、2−メチル−1−ブチンー2−オール、1−エチニル−1−シクロヘキサノール等のアセチレンアルコール系化合物、単体の硫黄等の硫黄系化合物等が挙げられる。助触媒の添加量は特に限定されないが、ヒドロシリル化触媒1モルに対しての好ましい添加量の下限は、10-2モル、より好ましくは10-1モルであり、好ましい添加量の上限は102モル、より好ましくは10モルである。
(カチオン重合開始剤)
本発明の硬化性組成物において、以下、カチオン重合開始剤を適宜使用する事ができる。
カチオン重合開始剤としては、活性エネルギー線によりカチオン種又はルイス酸を発生する、活性エネルギー線カチオン重合開始剤、又は熱によりカチオン種又はルイス酸を発生する熱カチオン重合開始剤であれば、特に限定されず使用できる。
活性エネルギー線カチオン重合開始剤としては、金属フルオロ硼素錯塩及び三弗化硼素錯化合物、ビス(ペルフルオルアルキルスルホニル)メタン金属塩、アリールジアゾニウム化合物、VIa族元素の芳香族オニウム塩、Va族元素の芳香族オニウム塩、IIIa〜Va族元素のジカルボニルキレートチオピリリウム塩、MF6-陰イオン(ここでMは燐、アンチモン及び砒素から選択される)の形のVIa元素、アリールスルホニウム錯塩、芳香族ヨードニウム錯塩及び芳香族スルホニウム錯塩、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド−ビスヘキサフルオロ金属塩(例えば燐酸塩、砒酸塩、アンチモン酸塩等);陰イオンがB(C654 -である芳香族ヨードニウム錯塩及び芳香族スルホニウム錯塩の一種以上が包含される。
好ましい活性エネルギー線カチオン重合開始剤には、アリールスルホニウム錯塩、ハロゲン含有錯イオンの芳香族スルホニウム又はヨードニウム塩並びにII族、V族及びVI族元素の芳香族オニウム塩が包含される。これらの塩のいくつかは、FX−512(3M社)、UVR−6990及びUVR−6974(ユニオン・カーバイド社)、UVE−1014及びUVE−1016(ジェネラル・エレクトリック社)、KI−85(デグッサ社)、SP−152及びSP−172(旭電化社)並びにサンエイドSI−60L、SI−80L及びSI−100L(三新化学工業社)、WPI113及びWPI116(和光純薬工業社)、RHODORSIL PI2074(ローディア社)、BBI−102、BBI−103、BBI−105(みどり化学)として商品として入手できる。
(ラジカル重合開始剤)
活性エネルギー線によりラジカル種を発生する、活性エネルギー線ラジカル開始剤であれば特に限定されず使用できる。
活性エネルギー線ラジカル重合開始剤としては、アセトフェノン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、アシルフォスフィンオキサイド系化合物、オキシムエステル系化合物、ベンゾイン系化合物、ビイミダゾール系化合物、α−ジケトン系化合物、チタノセン系化合物、多核キノン系化合物、キサントン系化合物、チオキサントン系化合物、トリアジン系化合物、ケタール系化合物、アゾ系化合物、過酸化物、2,3−ジアルキルジオン系化合物、ジスルフィド系化合物、チウラム化合物類、フルオロアミン系化合物等が用いることができる。
アセトフェノン系化合物の具体例としては、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4'−i−プロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2'−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2,2−ジメトキシアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2−メチル−1−(4'−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4'−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−ヒドロキシー1−〔4−[4−(2−ヒドロキシー2−メチループロピオニル)−ベンジル]フェニル〕−2−メチループロパンー1−オン等が挙げられる。
アシルフォスフィンオキサイド系化合物の具体例としては、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。
オキシムエステル系化合物の具体例としては、1,2−オクタンジオン1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)等が挙げられる。
ベンゾイン系化合物の具体例としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2−ベンゾイル安息香酸メチル等が挙げられる。
ベンゾフェノン系化合物の具体例としては、ベンジルジメチルケトン、ベンゾフェノン、4,4'−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等が挙げられる。
α−ジケトン系化合物の具体例としては、ジアセチル、ジベンゾイル、メチルベンゾイルホルメート等が挙げられる。
ビイミダゾール系化合物の具体例としては、2,2'−ビス(2−クロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2'−ビイミダゾール、2,2'−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2'−ビイミダゾール、2,2'−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2'−ビイミダゾール、2,2'−ビス(2−ブロモフェニル)−4,4',5,5'−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2'−ビイミダゾール、2,2'−ビス(2,4−ジブロモフェニル)−4,4',5,5'−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2'−ビイミダゾール、2,2'−ビス(2,4,6−トリブロモフェニル)−4,4',5,5'−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2'−ビイミダゾール、2,2'−ビス(2−クロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニル−1,2'−ビイミダゾール、2,2'−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニル−1,2'−ビイミダゾール、2,2'−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニル−1,2'−ビイミダゾール、2,2'−ビス(2−ブロモフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニル−1,2'−ビイミダゾール、2,2'−ビス(2,4−ジブロモフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニル−1,2'−ビイミダゾール、2,2'−ビス(2,4,6−トリブロモフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニル−1,2'−ビイミダゾール等が挙げられる。
多核キノン系化合物の具体例としては、アントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン等が挙げられ、
キサントン系化合物の具体例としては、キサントン、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,5−ジエチルジオキサントン等が挙げられる。
トリアジン系化合物の具体例としては、1,3,5−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、1,3−ビス(トリクロロメチル)−5−(2'−クロロフェニル)−s−トリアジン、1,3−ビス(トリクロロメチル)−5−(4'−クロロフェニル)−s−トリアジン、1,3−ビス(トリクロロメチル)−5−(2'−メトキシフェニル)−s−トリアジン、1,3−ビス(トリクロロメチル)−5−(4'−メトキシフェニル)−s−トリアジン、2−(2'−フリルエチリデン)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4'−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3',4'−ジメトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4'−メトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2'−ブロモ−4'−メチルフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2'−チオフェニルエチリデン)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等が挙げられる。
特に薄膜硬化性に優れるという観点より、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2−ヒドロキシー1−〔4−[4−(2−ヒドロキシー2−メチループロピオニル)−ベンジル]フェニル〕−2−メチループロパンー1−オン、1,2−オクタンジオン1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)が好ましい。
特に硬化物が透明性に優れるという観点より、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4'−i−プロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2'−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2,2−ジメトキシアセトフェノンが好ましい。
また、これらの光重合開始剤は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。その使用量は、エポキシ基含有化合物、(メタ)アクリロイル基含有化合物、フェノール基含有化合物から選ばれる化合物の総重量100重量部に対して、好ましくは0.1〜15重量部、より好ましくは0.1〜10重量部の量である。光重合開始剤量が少ないと、硬化が不十分でアルカリ現像時にコントラストが得られない傾向がある。開始剤量が多いと、硬化膜自体が着色するために好ましくない。
(硬化性組成物の調整方法および硬化方法)
硬化性組成物の調製方法は特に限定されず、種々の方法で調製可能である。各種成分を硬化直前に混合調製しても良く、全成分を予め混合調製した一液の状態で低温貯蔵しておいても良い。硬化方法としては熱による硬化、光による硬化、あるいは熱と光の硬化法の併用を用いることができる。
本発明の硬化性組成物の使用方法は、特に限定されるものではなくスピンコートやスリットコートによるコーティング、ディスペンスによるポッティング等を用いて使用することができる。また基材の状態に合わせ適宜、溶剤による粘度調整、界面活性剤による表面張力調整を行っても良い。
本発明の硬化性組成物は、光照射により架橋反応を進行させて硬化物とすることができるが、光照射による硬化法を採用することで、硬化時間の短縮あるいは、所望の箇所に本発明の組成物からなる膜を作成することが出来る(パターニング)ので好ましい。光照射による硬化の際用いることができる光源としては、使用する重合開始剤や増感剤の吸収波長を発光する光源を使用すればよく、200〜450nmの範囲の波長を含む光源が好ましい。具体的には例えば、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、ハイパワーメタルハライドランプ、キセノンランプ、カーボンアークランプ、発光ダイオードなどを使用できる。
露光量は特に制限されないが、好ましい露光量の範囲は1〜5000mJ/cm2、より好ましくは1〜1000mJ/cm2である。露光量が少ないと硬化しない。露光量が多いと急硬化のために変色することがある。好ましい硬化時間の範囲は1〜120秒、より好ましくは1〜60秒である。硬化時間が長いと、光硬化の速硬化の特徴が生かしにくくなる。
硬化性組成物に含まれる溶剤の除去、硬化物の物性向上の目的で、光硬化後に熱を加えて熱硬化(ポストベイク)を行い、硬化を充分に進行させることが好ましい。また、光硬化操作の前に熱硬化の操作を行い、硬化性組成物の一部を硬化させておくこともできる。
成膜後の加熱温度は特に限定されるものではないが、周辺の耐熱性の低い部材への影響が小さいという観点より250℃以下であることが好ましく、200℃以下が好ましい。
樹脂基板などを用いる場合には、寸法安定性等を考慮すると160℃以下であることが好ましい。
(フォトリソグラフィーについて)
また本発明の硬化性組成物についてアルカリ現像性を有するものの場合、現像により微細パターニングすることも可能である。そのパターニング形成について特に限定される方法はなく、一般的に行われる浸漬法やスプレー法等の現像方法により未露光部を溶解・除去し所望のパターン形成させることができる。
アルカリ現像が可能となる事で、一般の半導体製造、ディスプレイ製造で使用するフォトリソグラフィー設備を活用した大面積でのパターン形成、パターン精度の均一性向上が可能となり、特殊現像液を使用するプロセスと比較してコスト的に有利となるため好ましい。
現像に用いる現像液については、一般に使用するものであれば特に限定なく使用することができ、具体例としては、一般の安価に入手可能な有機溶剤、例えばアセトン、MEK、MIBK等のケトン系溶剤やメタノール、エタノール等のアルコール系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶剤などが挙げられる。
またアルカリ現像の場合には、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液やコリン水溶液等の有機アルカリ水溶液や、水酸化カリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、炭酸カリウム水溶液、炭酸ナトリウム水溶液、炭酸リチウム水溶液などの無機アルカリ水溶液やこれら水溶液に溶解速度等の調整のためにアルコールや界面活性剤などを添加したもの等を挙げることができる。
また水溶液濃度に関しては、露光部と未露光部のコントラストがつきやすいという観点より、25重量%以下であることが好ましく、より好ましくは10重量%以下、更に好ましくは5重量%以下であることが好ましい。
(増感剤)
本発明の硬化性組成物には、光エネルギーで硬化させる場合には、光の感度向上のおよびg線(436nm)、h線(405nm)、i線(365nm)と言われるような高波長の光に感度を持たせるために、適宜、増感剤を添加する事ができる。これら増感剤は、上記カチオン重合開始剤及び/またはラジカル重合開始剤等と併用して使用し、硬化性の調整を行うことができる。
添加することができる化合物には、アントラセン系化合物、チオキサントン系化合物などが挙げることができる。
アントラセン系化合物の具体例としては、アントラセン、2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン、9,10−ジメチルアントラセン、9,10−ジブトキシアントラセン、9,10−ジプロポキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン、1,4−ジメトキシアントラセン、9−メチルアントラセン、2−エチルアントラセン、2−tert−ブチルアントラセン、2,6−ジ−tert−ブチルアントラセン、9,10−ジフェニル−2,6−ジ−tert−ブチルアントラセン等が挙げられる。
特に入手しやすい観点より、アントラセン、9,10−ジメチルアントラセン、9,10−ジブトキシアントラセン、9,10−ジプロポキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン等が好ましい。
また硬化物の透明性に優れる観点からはアントラセンが好ましく、硬化性組成物との相溶性に優れる観点からは9,10−ジブトキシアントラセン、9,10−ジプロポキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン等が好ましい。
チオキサントン系の具体例としては、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,5−ジエチルジオキサントン等が挙げられる。
またこれらの増感剤は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
(接着性改良剤)
本発明の硬化性組成物には、接着性改良剤を添加することもできる。接着性改良剤としては一般に用いられている接着剤の他、例えば種々のカップリング剤、エポキシ化合物、オキセタン化合物、フェノール樹脂、クマロン−インデン樹脂、ロジンエステル樹脂、テルペン−フェノール樹脂、α−メチルスチレン−ビニルトルエン共重合体、ポリエチルメチルスチレン、芳香族ポリイソシアネート等を挙げることができる。
カップリング剤としては例えばシランカップリング剤が挙げられる。シランカップリング剤としては、分子中に有機基と反応性のある官能基と加水分解性のケイ素基を各々少なくとも1個有する化合物であれば特に限定されない。有機基と反応性のある基としては、取扱い性の点からエポキシ基、メタクリル基、アクリル基、イソシアネート基、イソシアヌレート基、ビニル基、カルバメート基から選ばれる少なくとも1個の官能基が好ましく、硬化性及び接着性の点から、エポキシ基、メタクリル基、アクリル基が特に好ましい。
加水分解性のケイ素基としては取扱い性の点からアルコキシシリル基が好ましく、反応性の点からメトキシシリル基、エトキシシリル基が特に好ましい。
好ましいシランカップリング剤としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン等のエポキシ官能基を有するアルコキシシラン類:3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシメチルトリメトキシシラン、メタクリロキシメチルトリエトキシシラン、アクリロキシメチルトリメトキシシラン、アクリロキシメチルトリエトキシシラン等のメタクリル基あるいはアクリル基を有するアルコキシシラン類が例示できる。
シランカップリング剤の添加量としては種々設定できるが、硬化性組成物100重量部に対して、好ましくは0.1〜20重量部、より好ましくは0.3〜10重量部、さらに好ましくは0.5〜5重量部である。添加量が少ないと接着性改良効果が表れず、添加量が多いと硬化性や硬化物の物性に悪影響を及ぼす場合がある。また、これらのカップリング剤、シランカップリング剤、エポキシ化合物等は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
(熱可塑性樹脂)
本発明の硬化性組成物には特性を改質する等の目的で、種々の熱可塑性樹脂を添加することも可能である。熱可塑性樹脂としては種々のものを用いることができる。
具体的には、例えば、メチルメタクリレートの単独重合体あるいはメチルメタクリレートと他モノマーとのランダム、ブロック、あるいはグラフト重合体等のポリメチルメタクリレート系樹脂(例えば日立化成社製オプトレッツ等)、ブチルアクリレートの単独重合体あるいはブチルアクリレートと他モノマーとのランダム、ブロック、あるいはグラフト重合体等のポリブチルアクリレート系樹脂等に代表されるアクリル系樹脂、ビスフェノールA、3,3,5−トリメチルシクロヘキシリデンビスフェノール等をモノマー構造として含有するポリカーボネート樹脂等のポリカーボネート系樹脂(例えば帝人社製APEC等)、ノルボルネン誘導体、ビニルモノマー等を単独あるいは共重合した樹脂、ノルボルネン誘導体を開環メタセシス重合させた樹脂、あるいはその水素添加物等のシクロオレフィン系樹脂(例えば、三井化学社製APEL、日本ゼオン社製ZEONOR、ZEONEX、JSR社製ARTON等)、エチレンとマレイミドの共重合体等のオレフィン−マレイミド系樹脂(例えば東ソー社製TI−PAS等)、ビスフェノールA、ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン等のビスフェノール類やジエチレングリコール等のジオール類とテレフタル酸、イソフタル酸、等のフタル酸類や脂肪族ジカルボン酸類を重縮合させたポリエステル等のポリエステル系樹脂(例えば鐘紡社製O−PET等)、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等の他、天然ゴム、EPDMといったゴム状樹脂が例示されるが、これらに限定されるものではない。
熱可塑性樹脂としては架橋性基を有していてもよい。この場合の架橋性基としては、エポキシ基、アミノ基、ラジカル重合性不飽和基、カルボキシル基、イソシアネート基、ヒドロキシル基、アルコキシシリル基等が挙げられる。得られる硬化物の耐熱性が高くなりやすいという点においては、架橋性基を平均して1分子中に1個以上有していることが好ましい。
熱可塑製樹脂の分子量としては、特に限定はないが、ポリシロキサンとの相溶性が良好となりやすいという点においては、数平均分子量が10000以下であることが好ましく、5000以下であることがより好ましい。逆に、得られる硬化物が強靭となりやすいという点においては、数平均分子量が10000以上であることが好ましく、100000以上であることがより好ましい。分子量分布についても特に限定はないが、混合物の粘度が低くなり成形性が良好となりやすいという点においては、分子量分布が3以下であることが好ましく、2以下であることがより好ましく、1.5以下であることがさらに好ましい。
熱可塑性樹脂の配合量としては特に限定はないが、好ましい使用量の範囲は硬化性組成物全体の5〜50重量%、より好ましくは5〜20重量%である。添加量が少ないと得られる硬化物が脆くなり易い。添加量が多いと耐熱性(高温での弾性率)が低くなり易い。熱可塑性樹脂としては単一のものを用いてもよいし、複数のものを組み合わせて用いてもよい。
(老化防止剤)
本発明の硬化性組成物には老化防止剤を添加してもよい。老化防止剤としては、ヒンダードフェノール系等一般に用いられている老化防止剤の他、クエン酸やリン酸、硫黄系老化防止剤等が挙げられる。ヒンダードフェノール系老化防止剤としては、チバスペシャリティーケミカルズ社から入手できるイルガノックス1010をはじめとして、各種のものが用いられる。
硫黄系老化防止剤としては、メルカプタン類、メルカプタンの塩類、スルフィドカルボン酸エステル類や、ヒンダードフェノール系スルフィド類を含むスルフィド類、ポリスルフィド類、ジチオカルボン酸塩類、チオウレア類、チオホスフェイト類、スルホニウム化合物、チオアルデヒド類、チオケトン類、メルカプタール類、メルカプトール類、モノチオ酸類、ポリチオ酸類、チオアミド類、スルホキシド類等が挙げられる。また、これらの老化防止剤は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
(紫外線吸収剤)
本発明の硬化性組成物には紫外線吸収剤を添加してもよい。紫外線吸収剤としては、例えば2(2'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)セバケート等が挙げられる。
また、これらの紫外線吸収剤は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
(溶剤)
本発明の硬化性組成物に使用される、ポリシロキサンが高粘度である場合、溶剤に溶解して用いることも可能である。使用できる溶剤は特に限定されるものではなく、具体的に例示すれば、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酪酸ブチル、イソ酪酸イソブチル等のエステル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート(PGMEA)、エチレングリコールジエチルエーテル等のグリコール系溶剤、クロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒を好適に用いることができる。
特に、製膜時にムラになりにくく均一な膜になりやすい観点より、エチレングリコールジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート、酪酸イソブチル、イソ酪酸イソブチル、酢酸ブチルが好ましい。
使用する溶媒量は適宜設定できるが、硬化性組成物1gに対しての好ましい使用量の下限は0.1mlであり、好ましい使用量の上限は10mlである。使用量が少ないと、低粘度化等の溶媒を用いることの効果が得られにくく、また、使用量が多いと、材料に溶剤が残留して熱クラック等の問題となり易く、またコスト的にも不利になり工業的利用価値が低下する。これらの、溶媒は単独で使用してもよく、2種類以上の混合溶媒として用いることもできる。
(その他添加剤)
本発明の硬化性組成物には、その他、着色剤、離型剤、難燃剤、難燃助剤、界面活性剤、消泡剤、乳化剤、レベリング剤、はじき防止剤、アンチモン−ビスマス等のイオントラップ剤、チクソ性付与剤、粘着性付与剤、保存安定改良剤、オゾン劣化防止剤、光安定剤、増粘剤、可塑剤、反応性希釈剤、酸化防止剤、熱安定化剤、導電性付与剤、帯電防止剤、放射線遮断剤、核剤、リン系過酸化物分解剤、滑剤、顔料、金属不活性化剤、熱伝導性付与剤、物性調整剤等を本発明の目的および効果を損なわない範囲において添加することができる。
以下に、本発明の実施例および比較例を示すが、本発明は以下によって限定されるものではない。
(実施例1〜9、比較例1〜3)
実施例および比較例で得た硬化性組成物に対し、下記方法を用いて評価を行った。その結果を表1に示す。
本発明の硬化性組成物より形成した薄膜は、比較例の組成物と比較して高い表面撥水性を示し、この薄膜をゲート絶縁膜とする有機TFT素子は優れた特性を示すトランジスタ素子として機能する。
(接触角評価方法)
ガラス基板30×30mm上に実施例および比較例で得られた硬化性組成物をスピンコートにより1.5μm厚で製膜し、ホットプレートにて100℃、2min乾燥、露光機にて100mJ/cm2UV照射後150℃、30min加熱して薄膜サンプルを得た。接触角計(協和界面化学製、DM−301)を用い、膜表面の水接触角を測定した。
(トランジスタ作成方法)
ガラス基板1にアルミ(Al)を用いて厚さ500Åのゲート電極2を形成し、その上に実施例および比較例で得られた硬化性組成物を1000rpm、30secの条件でスピンコートにより塗布し、ホットプレートにて100℃、2min乾燥、露光機にて100mJ/cm2UV照射後、150℃、30minでポストベイクしゲート絶縁膜3を形成した。さらに蒸着により500Åの厚さにペンタセンの有機半導体層4を50nm形成させ、その上にチャネル長さ100μm、チャネル幅5mmのマスクを用いて蒸着によって厚さ300Åのソース/ ドレインAu電極5,6を形成し薄膜トランジスタを製作した。
(トランジスタ特性評価)
当該発明の手法を用いて実施例および比較例のゲート絶縁膜を用いて作成した有機薄膜トランジスタについて、半導体特性評価システム4200(ケースレー製)を用いて以下駆動条件での電流伝達特性の曲線よりON/OFF比を評価した。
・駆動条件
作製したトランジスタにおいてソース/ドレイン間に−40Vの電圧を印加した状態で、ゲート電極に20〜−40Vで印加した際のソース/ドレイン間電流量(Id)をプロットし伝達特性とした。
・ON/OFF電流比
オン時の電流Ionは、電流伝達特性の曲線において飽和領域での最大電流値とし、オフ時の電流Ioffは、オフ状態の最小電流から求めた。ON/OFF電流比Ion/Ioffは、オン状態の最大電流値とオフ状態の最小電流値との比から算出した。
・キャリア移動度
キャリア移動度μは以下計算式より算出した。
μ=2(L*Id)/(W*(ε/d)*(Vg−Vth2
L:チャネル長(80μm)
W:チャネル幅(2mm)
ε:誘電率(2.57E−11)
d:膜厚
g:ゲート電圧
th:閾値電圧
d:ソースドレイン間電流
電流伝達特性における飽和領域間(ゲート電圧Vg=30〜40V)における最大値を採用した。
(合成実施例1:エポキシ基含有化合物の合成)
500mL四つ口フラスコにトルエン100g、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン20gを入れ、気相部を窒素置換した後、内温90℃で加熱、攪拌した。ビニルシクロヘキセンオキシド20.67g及び白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)0.0078g、トルエン20.67gの混合液を滴下した。滴下後1H−NMRでビニル基由来のピーク消失を確認し、反応を終了した。
トルエンを減圧留去し、無色透明の液体「反応物A」を得た。1H−NMRの測定により、標準物質をジブロモエタンとした時の当量換算でエポキシ基5.0mmol/g、SiH基4.0mmol/gを有するエポキシ基含有ポリシロキサンであることを確認した。
(合成実施例2:エポキシ基含有化合物の合成)
500mL四つ口フラスコにトルエン100g、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン20gを入れ、気相部を窒素置換した後、内温90℃で加熱、攪拌した。トリアリルイソシアヌレート7.90g、ビニルシクロヘキセンオキシド10.33g及び白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)0.0078g、トルエン10.33gの混合液を滴下した。滴下後1H−NMRでビニル基およびアリル基由来のピーク消失を確認し、反応を終了した。
トルエンを減圧留去し、無色透明の液体「反応物B」を得た。1H−NMRの測定により、標準物質をジブロモエタンとした時の当量換算でエポキシ基4.3mmol/g、SiH基4.0mmol/gを有するエポキシ基含有ポリシロキサンであることを確認した。
(合成実施例3:エポキシ基含有化合物の合成)
500mL四つ口フラスコにトルエン100g、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン20gを入れ、気相部を窒素置換した後、内温90℃で加熱、攪拌した。ジアリルイソシアヌレート7.90g、ビニルシクロヘキセンオキシド10.33g及び白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)0.0078g、トルエン10.33gの混合液を滴下した。滴下後1H−NMRでビニル基およびアリル基由来のピーク消失を確認し、反応を終了した。
トルエンを減圧留去し、無色透明の液体「反応物C」を得た。1H−NMRの測定により、標準物質をジブロモエタンとした時の当量換算でエポキシ基3.5mmol/g、SiH基4.5mmol/gを有するエポキシ基含有ポリシロキサンであることを確認した。
(合成実施例4:メタクリロイル基含有化合物の合成)
500mL四つ口フラスコにトルエン100g、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン20gを入れ、気相部を窒素置換した後、内温80℃で加熱、攪拌した。メタクリル酸アリル50g及び白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)0.0078g、トルエン20.67gの混合液を滴下した。滴下後1H−NMRでSiH基由来のピーク消失を確認し、反応を終了した。
トルエンを減圧留去し、無色透明の液体「反応物D」を得た。1H−NMRの測定により、標準物質をジブロモエタンとした時の当量換算でメタクリロイル基7.0mmol/gを有するメタクリロイル基含有ポリシロキサンであることを確認した。
(合成実施例5:フェノール基含有化合物の合成)
500mL四つ口フラスコにトルエン100g、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン20gを入れ、気相部を窒素置換した後、内温80℃で加熱、攪拌した。o−アリルフェノール20g、ビニルシクロヘキセンオキシド10g及び白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)0.0078g、トルエン20.67gの混合液を滴下した。滴下後1H−NMRでSiH基由来のピーク消失を確認し、反応を終了した。
トルエンを減圧留去し、無色透明の液体「反応物E」を得た。1H−NMRの測定により、標準物質をジブロモエタンとした時の当量換算でフェノール基2.0mmol/g、エポキシ基1.8mmol/g、SiH基6.0mmol/gを有するフェノール基含有ポリシロキサンであることを確認した。
(合成実施例6:SiH基含有化合物の合成)
500mL四つ口フラスコにトルエン100g、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン20gを入れ、気相部を窒素置換した後、内温105℃で加熱、攪拌した。トリアリルイソシアヌレート2.76g及び白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)0.0017g、トルエン2.76gの混合液を滴下した。滴下後1H−NMRでアリル基由来のピーク消失を確認し、反応を終了した。
トルエンを減圧留去し、無色透明の液体「反応物F」を得た。1H−NMRの測定により、標準物質をジブロモエタンとした時の当量換算で、SiH基9.2mmol/gを有するポリシロキサン系化合物であることを確認した。
(合成実施例7:ポリシロキサンの合成)
200mL四つ口フラスコにトルエン30g、SiH基含有ポリシロキサン(TSF484、モメンティブ製、分子量6600、一般式(III)で示されるm、nの比率:m=110、n=0)5gを入れて気相部を窒素置換した後、内温105℃とし、1−ヘキセン4.4g、トルエン4.4g及び白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)0.0017gの混合液を滴下した。1H−NMRでアルケニル基が消失したことを確認し、冷却により反応を終了した。溶剤のトルエンを減圧留去し、ポリシロキサン1(一般式(I)で示されるxyの比率:x=17、y=33、Aがn−ヘキシル基である化合物)を得た。
(合成実施例8:ポリシロキサンの合成)
200mL四つ口フラスコにトルエン30g、SiH基含有ポリシロキサン(HMS−501、Gelest製、分子量1000、一般式(III)で示されるm、nの比率:m=8、n=8)5gを入れて気相部を窒素置換した後、内温105℃とし、1−ドデセン3.1g、トルエン6.1g及び白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)0.0017gの混合液を滴下した。1H−NMRでアルケニル基が消失したことを確認し、冷却により反応を終了した。溶剤のトルエンを減圧留去し、ポリシロキサン2(一般式(I)で示されるxyの比率:x=3、y=5、Aがn−ドデシル基である化合物)を得た。
(実施例1〜9、比較例1〜3で用いる硬化性組成物の調整)
合成実施例1〜8で得られた反応物A〜F、およびポリシロキサン1、2と光重合開始剤1(光酸発生剤、みどり化学製、商品名:BBI−103)、光重合開始剤2(光ラジカル発生剤、チバスペシャリティーケミカルズ製、商品名:Irgacure184)、ヒドロシリル化触媒(NEケムキャット、商品名:PT−VTS3.0X)、D4V(1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラビニルシクロシロキサン)、TSF484(SiH基含有ポリシロキサン、モメンティブ製)、溶剤(イソ酪酸イソブチル)を表1に記載の割合(重量部)で調合し硬化性組成物を調整した。
(実施例10〜15、16〜20)
実施例1〜6で得た薄膜トランジスタの上に、実施例1〜6で得られた硬化性組成物をそれぞれ2000rpm、20secの条件でスピンコートにより塗布し、65℃に加熱したホットプレート上で5分加熱し、露光装置を用い、50μm角のパターンマスクを通して、100mJ/cm2UV照射後65℃に加熱したホットプレート上で2分加熱し、さらに150℃、30minでポストベイクして厚さ2.0μmのパッシベーション膜7を形成し、薄膜トランジスタを製作した(実施例10〜15)。
さらに実施例1で得た薄膜トランジスタの上に、実施例2〜6で得られた硬化性組成物を用いてそれぞれ実施例10〜15と同様にしてパッシベーション膜7を形成し、薄膜トランジスタを製作した(実施例16〜20)。
これら薄膜トランジスタは実施例1〜6で得られたトランジスタと同様、良好なキャリア移動度、ON/OFF比を示した。
(実施例21)
(合成実施例9:ポリシロキサンの合成)
300mL四つ口フラスコにトルエン72.4g、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン72.4gを入れて気相部を窒素置換した後、内温105℃とし、トリアリルイソシアヌレート10g、トルエン10g及び白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)0.0063gの混合液を滴下した。1H−NMRでアリル基が消失したことを確認し、冷却により反応を終了した。
トルエンを減圧留去し、「反応物G」を得た。1H−NMR測定により、標準物質をジブロモエタンとした時の当量換算で、9.2mmol/gのSiH基を有するポリシロキサン化合物であることを確認した。
この様にして得られた反応物G1.5g、トリアリルイソシアヌレート1g、白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)0.0025g、2−メチル−3−ブチン−2−オール0.0050g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(溶剤、PGMEA)7.5gを混合し、硬化性組成物を調整した。
フレキシブルなポリエチレンテレフタレート基板1にアルミ(Al)を用いて厚さ500Åのゲート電極2を形成し、その上に得られた硬化性組成物を1000rpm、30secの条件でスピンコートにより塗布し、120℃、1hでポストベイクしゲート絶縁膜3を形成した。さらに蒸着により500Åの厚さにペンタセンの有機半導体層4を形成させ、その上にチャネル長さ100μm、チャネル幅5mmのマスクを用いて蒸着によって厚さ300Åのソース/ ドレインAu電極5,6を形成し薄膜トランジスタを製作した。さらに硬化性組成物を用いてパッシベーション膜7を形成し、フレキシブルな薄膜トランジスタを製作した。
この薄膜トランジスタはフレキシブル性を有し、良好なキャリア移動度、ON/OFF比を示した。
なお、本硬化性組成物からなる膜表面の水接触角は100度以上を示した。
1 基板
2 ゲート電極
3 ゲート絶縁膜
4 有機半導体層
5 ソース電極
6 ドレイン電極
7 パッシベーション膜

Claims (5)

  1. 一般式(III)で表されるSiH基含有ポリシロキサンとオレフィン化合物とのヒドロシリル化物である一般式(I)で表されるポリシロキサンと、
    エポキシ基含有ポリシロキサンおよびカチオン重合開始剤、または、
    (メタ)アクリロイル基含有ポリシロキサンおよびラジカル重合開始剤
    を含有し、硬化後の硬化物表面における水接触角が95度以上となる硬化性組成物。
    (式中mは1〜300、nは0〜150の任意の整数で表される)
    (式中xは1〜150、yは1〜150の任意の整数で表され、Aは炭素数5〜15のアルキル基を示し、それぞれ異なっていても同一であってもよい)。
  2. オレフィン化合物が、1−ペンテン、4−メチル1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、または、1−オクタデセンである請求項1に記載の硬化性組成物。
  3. 一般式(II)
    で表される構造を有する化合物を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の硬化性組成物。
  4. 請求項1〜のいずれか一項に記載の硬化性組成物を硬化して得られる薄膜。
  5. 請求項に記載の薄膜をゲート絶縁膜とする有機薄膜トランジスタ。
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