JP5997299B2 - 薄膜トランジスタ - Google Patents

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Description

本発明は、透明性、耐薬品性に優れる硬化性組成物を用いたプライマー層を設けたおよび平坦化されたフィルム上に形成された薄膜トランジスタを提供すること。
近年フレキシブルディスプレイ用の透明基板材料としてPEN、PESやPETなどの耐熱透明フィルム材料の適用検討が盛んに行われており特許文献1〜3等に示されている。しかしディスプレイ駆動の為にTFT回路を透明樹脂フィルム上に形成する際、フィルム表面の凹凸やフィルムの耐熱性、エッチングやスパッタ等のプロセス耐性に欠けることから、製法が限定され、さらには良好なトランジスタ特性が発現しない問題がある。
特にフィルムの平坦性はその上に形成されるはトランジスタの電気特性や不良率に大きく影響し、優れたデバイス形成の為に必須である。しかし現状、良好なプロセス耐性を有する平坦膜を形成するには200℃以上のような高温での加熱が必要であり、フィルム基材を使用する場合には寸法安定性の観点より不向きであるため、150℃以下のような温和な条件で満足する特性が得られるプライマー材料の開発が必須である。
特開2001−221987号公報 特開2008−147410号公報 特開平7−64038号公報
上記事情から、本発明の目的は平坦化性、耐熱性、耐薬品性に優れた硬化性組成物をフィルムのプライマー層として用いた透明フィルム上に形成した薄膜トランジスタを提供することである。
上記事情に鑑み、本発明者らが鋭意検討した結果、下記特長を有する樹脂組成物を用いることにより上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、以下の構成を有するものである。
1). 硬化性組成物を塗布したプライマー層を設けた樹脂フィルム上に形成されたことを特徴とする薄膜トランジスタ。
2). プライマー層を設けた樹脂フィルムにおいて500nmでの光線透過率が80%以上であることを特徴とする1)に記載の薄膜トランジスタ。
3). 硬化性組成物がポリシロキサン系化合物であることを特徴とする1)または2)に記載の薄膜トランジスタ。
4). 硬化性組成物がヒドロシリル化反応により硬化することを特徴とする1)〜3)のいずれかに記載の薄膜トランジスタ。
5). 硬化性組成物が下記一般式(I)
(式中Rは水素原子または炭素数1〜50の一価の有機基を表し、それぞれのRは異なっていても同一であってもよい)で表される構造を含有する化合物であることを特徴とする1)〜4)のいずれかに記載の薄膜トランジスタ。
6). 硬化性組成物が光重合官能基を有することを特徴とする1)〜5)のいずれかに記載の薄膜トランジスタ。
7). 光重合官能基がエポキシ基、架橋性ケイ素基および(メタ)アクリロイル基からなる群から選択される少なくとも一種であることを特徴とする6)に記載の薄膜トランジスタ。
8). 光重合官能基が、脂環式エポキシ基であることを特徴とする6)に記載の薄膜トランジスタ。
9). 光重合官能基が、アルコキシリル基であることを特徴とする6)に記載の薄膜トランジスタ。
10). 樹脂フィルムがポリエステル系材料であることを特徴とする1)〜9)のいずれかに記載の薄膜トランジスタ。
11). 半導体層として有機半導体を用いて形成されることを特長とする1)〜10)のいずれかに記載の薄膜トランジスタ。
12). 1)〜9)のいずれかに記載の硬化性組成物をゲート絶縁膜としてさらに塗布することを特徴とする1)〜11)のいずれかに記載の薄膜トランジスタ。
本発明によれば、平坦化性、耐熱性、耐薬品性に優れた硬化性組成物をフィルムのプライマー層として用い透明フィルム上に良好な特性を示す薄膜トランジスタを与え得る。
本発明に係る薄膜トランジスタの一態様における断面図である。
発明の詳細を説明する。
本発明では、平坦化性、耐熱性、耐薬品性に優れた硬化性組成物を用いたプライマー層を設けた透明フィルム上に形成した薄膜トランジスタを与え得る。
(トランジスタの構成)
本発明で得られる薄膜トランジスタとは、電界効果トランジスタ(FET)を示し、ソース、ドレイン、ゲート電極から形成されている3端子型、およびバックゲートを含む4端子型のトランジスタのことであり、ゲート電極に電圧印加することで発生するチャネルの電界によりソース/ドレイン間の電流を制御する薄膜型のトランジスタを示す。
薄膜トランジスタ構造としては、ゲート電極の配置に関してボトムゲート型、トップゲート型、さらにはソース/ドレイン電極の配置に関し、ボトムコンタクト型、トップコンタクト型など適用する表示デバイス構造に応じて様々な組み合わせ、配置で設計可能である。
薄膜トランジスタの半導体層種として様々な形態のもの、例えば、アモルファスシリコン(aSi)、ポリシリコン(pSi)、微結晶シリコン(μ−cSi)等のシリコン系半導体、ZnO、InGaZnOなどの酸化物系半導体やペンタセン、オリゴチオフェン、フタロシアニンなどの化合物を用いる有機半導体、カーボンナノチューブ、グラフェン、フラーレン等を用いる炭素系半導体などが代表的なものとして挙げられる。その中でも低温プロセスでありプラスチックフィルム上で形成しやすいという観点から、有機半導体を用いるものが好ましい。
半導体層の形成方法に関しては、CVD法、スパッタリング、蒸着、塗布など様々な工法を用いることができる。低温プロセスでプラスチックフィルム上での形成がしやすいという観点よりスパッタ、蒸着、塗布法で形成できることが好ましく、印刷プロセスのような簡便なプロセスを用いて量産できることよりコストメリットの観点から塗布法で形成できるものが好ましい。
電極材料に関しては、特に限定せず使用することができるが、簡便に入手できるAu、Al、Pt、Mo、Ti、Cr、Ni、Cu、ITO、PEDOT/PSS等の導電性高分子、導電ペースト、メタルインクなどが好適に用いられる。抵抗が低く、高い導電性を得られることよりAl、Mo、Ti、Cr、Ni、Cuなどが好ましく、また透明性が必要な箇所に適用できる観点からは、ITO、PEDOT/PSSが好ましく、電極表面が酸化されにくくの安定性に優れるという観点からは、Au、Ptが好ましく、印刷プロセスにより形成できることよりPEDOT/PSS等の導電性高分子、導電ペースト、メタルインクが好ましく用いられる。
さらに絶縁膜材料、例えばゲート絶縁膜やパッシベーション膜に関しても、SiO、TiO等の金属酸化物、SiN膜、樹脂組成物など様々な材料が適用でき、形成方法に関しても、CVD法、スパッタリング、蒸着、塗布など様々な工法が提案されている。ただし印刷プロセスによるフレキシブルディスプレイなどへの展開のためには半導体材料同様、塗布・印刷により簡便に形成できるものが好ましく、下記に記す硬化性組成物も好適に用いることができる。
(トランジスタの特性)
薄膜トランジスタは、アクティブマトリクス型のフラットパネルディスプレイにおける画素トランジスタとして広く用いられている。ディスプレイを安定的に駆動させるためトランジスタの特性として、閾値電圧、ヒステリシス、ON/OFF比が重要特性として挙げられる。
ここで言う閾値電圧とは、トランジスタがON状態となり半導体層に電流が流れ始める電圧値を示し、トランジスタの電流伝達特性においてソース/ドレイン間に流れる電流Id、ゲート印加電圧Vgとした際の(Id)1/2とVg間のグラフにおいて線形部分の延長線とVg軸との交点より算出される。トランジスタの駆動にかかる消費電力が小さくなるという観点より、閾値で電圧は−5〜5Vであることが好ましく、さらに−3〜3Vであることが好ましく、−1.5〜1.5Vが特に好ましい。
ヒステリシスとは、トランジスタ反復動作に対し電流伝達特性の再現動作性を示し、反復動作時の閾値電圧の差で表される。ディスプレイとした際の安定した駆動のためには、ヒステリシスが5V以下であることが好ましく、3V以下であることがさらに好ましく、1.5V以下が特に好ましい。
ON/OFF電流比とは、トランジスタの電流伝達特性におけるソース/ドレイン間に流れる電流Idの最大電流値と最小電流値の比(Ion/Ioff)で表され、大きければ大きいほどスイッチとしての機能に優れることを示し、駆動に大電流を要する方式の駆動も可能となることより10以上であることが好ましく、10以上であることがさらに好ましい。
ソース/ドレイン電極Vd間およびゲート電極に印加する電圧Vgは、特に限定はされないが、−50〜50Vの範囲で使用する半導体材料、および駆動方式に応じ適宜選択して印加してもよい。トランジスタとしての消費電力が抑制できるという観点より、−50〜50Vであることが好ましく、0〜20Vの範囲で駆動するトランジスタがさらに好ましい。
(樹脂フィルムについて)
フレキシブルディスプレイなどへの展開のためには薄膜トランジスタは屈曲性を有する基材上に設ける必要がある。屈曲性を有する材料としては金属薄膜、樹脂フィルムを挙げることができる。基材の加工性、取り扱い性、透明性を有する面からは樹脂フィルムが優れている。用いることができる樹脂フィルムとしては特に限定はないが、例えばポリエステル系、ポリスルホン系、ポリオレフィン系、シクロオレフィン系、ポリアクリル系、ポリカーボネート系、ポリアリレート系、ポリスチレン系、ポリイミド系、ポリアラミド系などが挙げられる。
これらの中でも耐熱性に優れるという観点よりポリエステル系、ポリイミド系、ポリアラミド系、シクロオレフィン系、ポリアリレート系のものが好ましく、透明性に優れるという観点からは、ポリエステル系、シクロオレフィン系がさらに好ましく、酸素や水蒸気などのガス透過性が低いという観点よりポリエステル系が好ましい。
ポリエステル系としてはPET、PENが、ポリスルホン系としてはPES、PSF、PPSが、ポリオレフィン系としてはPP、PEが、シクロオレフィン系としてはゼオネックス(日本ゼオン製)、アートン(JSR製)が、ポリアクリル系としてはPMMAが、挙げられる。
樹脂フィルム上に薄膜トランジスタを形成する際、電極層、半導体層、絶縁膜層を薄膜で積層していくが、場合によってはトランジスタが満足のいく特性発現がなされない場合があった。本願発明は硬化性組成物を用いたプライマー層を樹脂フィルム上に設けることで、トランジスタの特性発現が成されることを見いだしたものである。
プライマー層の平坦性Raは、30nm以下であることが好ましく、さらに10nm以下、特には5nm以下であることが好ましい。本発明のプライマー層を設けることにより耐薬品性、耐熱性、透明性などを損なうことなく、その上に形成したトランジスタは良好な特性を示すことが可能となる。平坦化性Raは小さい程好ましいが、実用的には0.05以上、さらには0.1以上、特には1以上であることが好ましい。
また液晶などバックライトからの光を利用して表示するディスプレイに適用するためには、省電力消費の観点から基板フィルムは透明性が高いものが好ましく、本願発明の硬化性組成物を用いたプライマー層を設けたフィルムの500nmの光線透過率が80%以上であることが好ましく、より好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上である。色彩再現性の観点からは基板フィルムは着色が少ないこと(無色)であることが好ましい。
(プライマー層の形成方法)
本発明のプライマー層の厚みに関しては、フィルムの表面平坦化性が確保できる厚みであれば特に限定されないが、プライマー層を形成したフィルムを屈曲させた場合に追随性を有しクラックが発生しにくいという観点よりできる限り薄膜である事が好ましく、10μm以下である事が好ましく、5μm以下である事が好ましい。
硬化性組成物を用いて層状となす方法は特に限定されるものではなく、スピンコーティング、ディップコーティング、ロールコーティング、スクリーンコーティング、スプレーコーティング、スピンキャスティング、フローコーティング、スクリーン印刷、インクジェットまたはドロップキャスティングなどの方法で成膜することができる。また成膜する基材の状態に合わせ適宜、溶剤による粘度調整、界面活性剤による表面張力調整を行っても良い。
このプライマー層は硬化性組成物を用いて層状となした後硬化させて用いることが好ましい。硬化方法は熱硬化、光硬化、湿気硬化等特に限定されるものではない。熱硬化の際、加熱温度は特に限定されるものではないが、トランジスタ周辺の耐熱性の低い部材、例えば基板材料などへの影響が小さいという観点より180℃以下が好ましく、樹脂基板の寸法安定性、耐熱性などを考慮すると150℃以下であることが好ましい。また光硬化性を有するものは低温で形成できかつ短時間で製造することができるという観点より好ましい。
(硬化性組成物について)
本発明の硬化性組成物について説明する。
硬化性組成物は溶液状態で層状となすことが可能で、高い平坦性、耐薬品性、耐熱性、透明性を発現するものであれば特に限定されるものではなく、エポキシ系化合物、アクリル系化合物、フェノール系化合物、ベンゾオキサゾール系化合物、イミド系化合物、シアネート系化合物、フッ素系化合物、ポリシロキサン系化合物などが挙げられる。
形成される薄膜において、耐熱性が高く、絶縁耐圧性に優れるという観点より、ポリシロキサン系化合物であることが好ましい。またこの硬化性組成物に含まれるポリシロキサン系化合物としては、シロキサン単位(Si−O−Si)を含有する化合物、重合体であり、構造上特に限定されるものではない。
これら化合物中のシロキサン単位のうち、構成成分中T単位(XSiO3/2)、またはQ単位(SiO4/2)の含有率が高いものほど得られる硬化物は硬度が高くより耐熱信頼性に優れ、またM単位(XSiO1/2)、またはD単位(XSiO2/2)の含有率が高いものほど硬化物はより柔軟で低応力なものが得られる。
また、樹脂構造中に下記一般式(I)
(式中Rは水素原子または炭素数1〜50の一価の有機基を表し、それぞれのRは異なっていても同一であってもよい)で表される構造を含むことにより、構造上緻密となり耐薬品性、耐熱性に優れるプライマー層となりうる観点より好ましい。
一般式(I)の構造を硬化性組成物に導入する手法としては特に限定されないが、汎用のイソシアヌル環含有化合物を添加する手法が挙げられる。イソシアヌル環含有化合物としては、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルイソシアヌレート、モノアリルイソシアヌレート、トリグリシジルイソシアヌレート、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート、モノアリルジグリシジルイソシアヌレート、トリス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリ(3−メルカプトプロピオニロオキシエチル)イソシアヌレートなどが挙げられ、樹脂組成物の架橋反応に応じて適宜選択して使用することができる。
ヒドロシリル化反応を硬化反応とする硬化性組成物では、アルケニル基を有するトリアリルイソシアヌレート、ジアリルイソシアヌレート、モノアリルイソシアヌレート、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート、モノアリルジグリシジルイソシアヌレート、トリス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレートが好適であり、カチオン重合反応を硬化反応とする硬化性組成物では、トリグリシジルイソシアヌレート、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート、モノアリルジグリシジルイソシアヌレート、トリス(トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレートが好ましく、ラジカル重合反応を硬化反応とする硬化性組成物では、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルイソシアヌレート、モノアリルイソシアヌレート、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート、モノアリルジグリシジルイソシアヌレート、トリス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリ(3−メルカプトプロピオニロオキシエチル)イソシアヌレートが好適である。
またさらに上記汎用イソシアヌル環含有化合物とその他化合物とをあらかじめ一部反応させた化合物も適用することができる。ポリシロキサン系化合物に導入する場合には、SiH基を有するポリシロキサン化合物と上記アルケニル基を有するイソシアヌル環化合物とをあらかじめヒドロシリル化反応させた化合物や上記アルコキシシリル基を有するイソシアヌル環含有化合物やエポキシ基を有するイソシアヌル環含有化合物とアルコキシシリル基を有するポリシロキサン系化合物とを加水分解縮合によりあらかじめ反応させた化合物を用いることができ、相溶性の観点より好ましく、得られる硬化物の耐薬品性、耐熱性に優れるという観点よりあらかじめヒドロシリル化反応させた化合物を用いるものが好ましい。
なお、本願発明に用いる硬化性組成物は、樹脂フィルムの表面を平坦化するプライマー層として用いるものであるが、プライマー層を設けてさらにゲート電極等を設けた上に本願発明に用いる硬化性組成物を塗布してゲート絶縁膜としても用いて薄膜トランジスタと成すことが出来る。
(硬化反応について)
硬化性組成物を層状に設けて後硬化させる場合、熱もしくは光エネルギーを外部より加えて架橋させ高い耐薬品性、耐熱性を発現させてもよい。硬化反応としては特に限定されるものではないが、カチオン重合反応、ラジカル重合反応、ヒドロシリル化反応、重縮合反応などが挙げることができ、小さなエネルギーで効率的に硬化反応が進めることができるという観点より、カチオン重合反応、ラジカル重合反応、ヒドロシリル化反応が好ましく、未反応部位が生成しにくいという観点より、ヒドロシリル化反応を用いるものが好ましい。
ヒドロシリル化反応可能な硬化性組成物としては、アルケニル基とSiH基およびヒドロシリル化触媒を含有している組成物であれば特に限定はされない。アルケニル基を有する化合物については、ポリシロキサン化合物、有機化合物にかかわらず特に限定なく使用することができる。
アルケニル基を有する直鎖状のポリシロキサンの具体例としては、ジメチルビニルシリル基で末端が封鎖されたポリもしくはオリゴシロキサン、側鎖にビニル基を有するポリもしくはオリゴシロキサン、テトラメチルジビニルジシロキサン、ヘキサメチルトリビニルトリシロキサン、上記SiH基を含有する環状シロキサンの例示でSiH基をビニル基、アリル基等のアルケニル基に置換したものなどが例示される。
アルケニル基含有有機化合物の例としては、ポリシロキサン−有機ブロックコポリマーやポリシロキサン−有機グラフトコポリマーのようなシロキサン単位(Si−O−Si)を含むものではなく、構成元素としてC、H、N、O、Sおよびハロゲンからなる群から選ばれる原子より構成される化合物であって、1分子中にSiH基との反応性を有する炭素−炭素二重結合を1個以上有する有機化合物であれば特に限定されない。またSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合の結合位置は特に限定されず、分子内のどこに存在してもよい。
上記有機化合物は、有機重合体系の化合物と有機単量体系化合物に分類でき、有機重合体系化合物としては例えば、ポリエーテル系、ポリエステル系、ポリアリレート系、ポリカーボネート系、飽和炭化水素系、不飽和炭化水素系、ポリアクリル酸エステル系、ポリアミド系、フェノール−ホルムアルデヒド系(フェノール樹脂系)、ポリイミド系の化合物を用いることができる。また有機単量体系化合物としては例えば、フェノール系、ビスフェノール系、ベンゼン、ナフタレン等の芳香族炭化水素系:直鎖系、脂環系等の脂肪族炭化水素系:複素環系の化合物およびこれらの混合物等が挙げられる。
有機単量体系化合物の具体的な例としては、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、トリメチロールプロパントリアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、ペンタエリスリトールテトラアリルエーテル、1,1,2,2−テトラアリロキシエタン、ジアリリデンペンタエリスリット、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルモノベンジルイソシアヌレート、1,2,4−トリビニルシクロヘキサン、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、ノナンジオールジビニルエーテル、1,4−シクロへキサンジメタノールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ビスフェノールSのジアリルエーテル、ジビニルベンゼン、ジビニルビフェニル、1,3−ジイソプロペニルベンゼン、1,4−ジイソプロペニルベンゼン、1,3−ビス(アリルオキシ)アダマンタン、1,3−ビス(ビニルオキシ)アダマンタン、1,3,5−トリス(アリルオキシ)アダマンタン、1,3,5−トリス(ビニルオキシ)アダマンタン、ジシクロペンタジエン、ビニルシクロへキセン、1,5−ヘキサジエン、1,9−デカジエン、ジアリルエーテル、ビスフェノールAジアリルエーテル、2,5−ジアリルフェノールアリルエーテル、およびそれらのオリゴマー、1,2−ポリブタジエン(1、2比率10〜100%のもの、好ましくは1、2比率50〜100%のもの)、ノボラックフェノールのアリルエーテル、アリル化ポリフェニレンオキサイドなどが挙げられる。
またSiH基を有する化合物として、ジメチルヒドロシリル基で末端が封鎖されたポリもしくはオリゴシロキサン、側鎖にSiH基を有する環状、鎖状のポリもしくはオリゴシロキサン等が挙げられる。
中でもプロセス耐性に優れる薄膜が得られるという観点より環状シロキサンが好ましく、具体例としては、1,3,5,7−テトラハイドロジェン−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1−メチルー3,5,7−トリハイドロジェン−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3−ジメチルー5,7−ジハイドロジェン−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1−プロピル−3,5,7−トリハイドロジェン−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3−ジプロピル−5,7−ジハイドロジェン−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5−トリハイドロジェン−7−ヘキシル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,5−ジハイドロジェン−3,7−ジヘキシル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5−トリハイドロジェン−トリメチルシクロシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタハイドロジェン−1,3,5,7,9−ペンタメチルシクロシロキサン、1,3,5,7,9,11−ヘキサハイドロジェン−1,3,5,7,9,11−ヘキサメチルシクロシロキサン等が例示される。
特に入手性の観点より、1,3,5,7−テトラハイドロジェン−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンが好ましい。
また強靭な薄膜が得られるという観点より、あらかじめポリシロキサン化合物同士または有機化合物とポリシロキサン化合物とを部分的に架橋反応させているオリゴマーも用いることが好ましい。この一部架橋させる反応としては特には限定されるものではないが、加水分解縮合と比較して反応後に電気的および熱的に安定なC−Si結合を形成し、また反応制御が容易で未架橋基が残りにくいという観点より、ヒドロシリル化反応を適用することが好ましい。
部分架橋させるモノマーとしては特に限定されるものではなく、上記SiH基を有するシロキサン化合物とアルケニル基を有するシロキサン化合物または有機化合物を適宜組み合わせて用いることができる。
ヒドロシリル化反応には触媒を用いるのが好ましく、その触媒としては、公知のヒドロシリル化触媒を用いればよい。触媒活性の点から塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−ビニルシロキサン錯体等が好ましい。また、これらの触媒は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
カチオン重合可能な硬化性組成物としては、特にカチオン重合性官能基を有する化合物を含有する硬化性組成物を示す。カチオン重合性官能基としては、例えばエポキシ基、オキセタニル基、加水分解性ケイ素基、ビニルエーテル基などが挙げられ、カチオン重合性が高い観点より、脂環式エポキシ基、オキセタニル基、アルコキシシリル基、SiH基等が好ましく、入手性の観点より、エポキシ基がさらに好ましく、反応性に優れるという観点より脂環式エポキシ基が好ましい。
またラジカル重合可能な硬化性組成物としては、特にラジカル重合性官能基を有する化合物を含有する硬化性組成物を示す。ラジカル重合性官能基としては、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、アリル基等が挙げられ、反応性の観点より、アクリロイル基、メタクリロイル基が好ましい。
特に耐熱性が高く、絶縁耐圧性に優れるという観点より、上記に例示するカチオン重合性官能基およびラジカル重合性官能基が導入されているポリシロキサン系化合物が好ましい。導入する方法は特には限定されないが、反応後に電気的および熱的に安定なC−Si結合を形成し、また反応制御が容易で未架橋基が残りにくいという観点より、ヒドロシリル化反応を用いて導入する方法が好ましい。
官能基導入に用いる化合物としては特に限定されるものではなく、上記のSiH基を有するポリシロキサン化合物とヒドロシリル化反応性を有するアルケニル基とカチオン重合性官能基またはラジカル重合性官能基を同一分子上に有する化合物を適宜組み合わせて用いることができる。
(溶剤)
硬化性組成物を層状に均一に設ける場合、溶剤を使用してもよい。使用できる溶剤は特に限定されるものではなく具体的に例示すれば、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素系溶剤、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ジエチルエーテル等のエーテル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート(PGMEA)、エチレングリコールジエチルエーテル等のグリコール系溶剤、クロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶剤を好適に用いることができる。
特に厚みムラの少ない層膜が形成しやすい観点より、トルエン、テトラヒドロフラン、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート、メチルイソブチルケトン、クロロホルム、等が好ましい。
使用する溶剤量は適宜設定できるが、硬化性組成物の100重量部あたり1〜1000重量部、さらには10〜1000重量部、特には50〜500重量部を用いて硬化性組成物と成すことが可能である。
使用量が少ないと、低粘度化等の溶剤を用いることの効果が得られにくく、また、使用量が多いと、材料に溶剤が残留して熱クラック等の問題となり易く、またコスト的にも不利になり工業的利用価値が低下する。これらの、溶剤は単独で使用してもよく、2種類以上の混合溶剤として用いることもできる。
(光重合開始剤)
本発明の硬化性組成物において、光硬化性を有する場合、適宜光ラジカル重合開始剤、光カチオン重合開始剤を特に限定せず使用できる。
光カチオン重合開始剤としては、金属フルオロ硼素錯塩及び三弗化硼素錯化合物、ビス(ペルフルオルアルキルスルホニル)メタン金属塩、ビス(ペルフルオルアルキルスルホニル)メタン金属塩、アリールジアゾニウム化合物、VIa族元素の芳香族オニウム塩、Va族元素の芳香族オニウム塩、IIIa〜Va族元素のジカルボニルキレート、チオピリリウム塩、MF6陰イオンの形のVIa元素、アリールスルホニウム錯塩、芳香族ヨードニウム錯塩及び芳香族スルホニウム錯塩、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド−ビスヘキサフルオロ金属塩(例えば燐酸塩、砒酸塩、アンチモン酸塩等)、陰イオンがB(C である芳香族ヨードニウム錯塩及び芳香族スルホニウム錯塩の一種以上が包含される。
好ましい陽イオン系活性エネルギー線カチオン重合開始剤には、アリールスルホニウム錯塩、ハロゲン含有錯イオンの芳香族スルホニウム又はヨードニウム塩並びにII族、V族及びVI族元素の芳香族オニウム塩が包含される。これらの塩のいくつかは、FX−512(3M社)、UVR−6990及びUVR−6974(ユニオン・カーバイド社)、UVE−1014及びUVE−1016(ジェネラル・エレクトリック社)、KI−85(デグッサ社)、SP−152及びSP−172(旭電化社)並びにサンエイドSI−60L、SI−80L及びSI−100L(三新化学工業社)、WPI113及びWPI116(和光純薬工業社)、RHODORSIL PI2074(ローディア社)として商品として入手できる。
また光ラジカル開始剤の場合には、アセトフェノン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、アシルフォスフィンオキサイド系化合物、オキシムエステル系化合物、ベンゾイン系化合物、ビイミダゾール系化合物、α−ジケトン系化合物、チタノセン系化合物、多核キノン系化合物、キサントン系化合物、チオキサントン系化合物、トリアジン系化合物、ケタール系化合物、アゾ系化合物、過酸化物、2,3−ジアルキルジオン系化合物、ジスルフィド系化合物、チウラム化合物類、フルオロアミン系化合物等が用いることができる。
アセトフェノン系化合物の具体例としては、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4'−i−プロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2'−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2,2−ジメトキシアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2−メチル−1−(4'−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4'−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−〔4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチループロピオニル)−ベンジル]フェニル〕−2−メチル−プロパン−1−オン等が挙げられる。
アシルフォスフィンオキサイド系化合物の具体例としては、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。
オキシムエステル系化合物の具体例としては、1,2−オクタンジオン1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)等が挙げられる。
ベンゾイン系化合物の具体例としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2−ベンゾイル安息香酸メチル等が挙げられる。
ベンゾフェノン系化合物の具体例としては、ベンジルジメチルケトン、ベンゾフェノン、4,4'−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等が挙げられる。
α−ジケトン系化合物の具体例としては、ジアセチル、ジベンゾイル、メチルベンゾイルホルメート等が挙げられる。
ビイミダゾール系化合物の具体例としては、2,2'−ビス(2−クロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2'−ビイミダゾール、2,2'−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2'−ビイミダゾール、2,2'−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2'−ビイミダゾール、2,2'−ビス(2−ブロモフェニル)−4,4',5,5'−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2'−ビイミダゾール、2,2'−ビス(2,4−ジブロモフェニル)−4,4',5,5'−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2'−ビイミダゾール、2,2'−ビス(2,4,6−トリブロモフェニル)−4,4',5,5'−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2'−ビイミダゾール、2,2'−ビス(2−クロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニル−1,2'−ビイミダゾール、2,2'−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニル−1,2'−ビイミダゾール、2,2'−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニル−1,2'−ビイミダゾール、2,2'−ビス(2−ブロモフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニル−1,2'−ビイミダゾール、2,2'−ビス(2,4−ジブロモフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニル−1,2'−ビイミダゾール、2,2'−ビス(2,4,6−トリブロモフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニル−1,2'−ビイミダゾール等が挙げられる。
多核キノン系化合物の具体例としては、アントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン等が挙げられる。
キサントン系化合物の具体例としては、キサントン、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,5−ジエチルジオキサントン等が挙げられる。
トリアジン系化合物の具体例としては、1,3,5−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、1,3−ビス(トリクロロメチル)−5−(2'−クロロフェニル)−s−トリアジン、1,3−ビス(トリクロロメチル)−5−(4'−クロロフェニル)−s−トリアジン、1,3−ビス(トリクロロメチル)−5−(2'−メトキシフェニル)−s−トリアジン、1,3−ビス(トリクロロメチル)−5−(4'−メトキシフェニル)−s−トリアジン、2−(2'−フリルエチリデン)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4'−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3',4'−ジメトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4'−メトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2'−ブロモ−4'−メチルフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2'−チオフェニルエチリデン)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等が挙げられる。
特に薄膜硬化性に優れるという観点より、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2−ヒドロキシ−1−〔4−[4−(2−ヒドロキシー2−メチループロピオニル)−ベンジル]フェニル〕−2−メチループロパンー1−オン、1,2−オクタンジオン1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)が好ましい。
特に硬化物が透明性に優れるという観点より、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4'−i−プロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2'−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2,2−ジメトキシアセトフェノンが好ましい。
またこれらの重合開始剤は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
光重合開始剤の使用量は、硬化性組成物100重量部に対して、好ましくは0.1〜10重量部、より好ましくは0.5〜5重量部の量である。光重合開始剤量が少ないと硬化が不十分であり好ましくなく、開始剤量が多いと液状時の保存安定性に欠けるために好ましくない。
(増感剤)
本発明の硬化性組成物には、光エネルギーで硬化させる場合には、光の感度向上のおよびg線(436nm)、h線(405nm)、i線(365nm)と言われるような高波長の光に感度を持たせるために、適宜、増感剤を添加する事ができる。これら増感剤は、上記カチオン重合開始剤及び/またはラジカル重合開始剤等と併用して使用し、硬化性の調整を行うことができる。添加する化合物には、アントラセン系化合物、チオキサントン系化合物などが挙げることができる。
アントラセン系化合物の具体例としては、アントラセン、2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン、9,10−ジメチルアントラセン、9,10−ジブトキシアントラセン、9,10−ジプロポキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン、1,4−ジメトキシアントラセン、9−メチルアントラセン、2−エチルアントラセン、2−tert−ブチルアントラセン、2,6−ジ−tert−ブチルアントラセン、9,10−ジフェニル−2,6−ジ−tert−ブチルアントラセン等が挙げられ、特に入手しやすい観点より、アントラセン、9,10−ジメチルアントラセン、9,10−ジブトキシアントラセン、9,10 −ジプロポキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン等が好ましい。
また硬化物の透明性に優れる観点からはアントラセンが好ましく、硬化性組成物との相溶性に優れる観点からは9,10−ジブトキシアントラセン、9,10−ジプロポキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン等が好ましい。チオキサントン系の具体例としては、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,5−ジエチルジオキサントン等が挙げられる。またこれらの増感剤は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
(反応性希釈剤)
本発明の硬化性組成物には、作業性、反応性、接着性、硬化物強度の調整のために適宜、反応性希釈剤を添加する事ができる。添加する化合物には、硬化反応形式によって選択して特に限定無く使用することが可能であり、エポキシ化合物、オキセタン化合物、アルコキシシラン化合物、(メタ)アクリレート化合物など重合基を有する化合物を使用する。
エポキシ化合物およびオキセタン化合物の具体例としては、ノボラックフェノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、シクロヘキシルエポキシ基含有ポリオルガノシロキサン(環状、鎖状)、グリシジル基含有ポリオルガノシロキサン(環状、鎖状)、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、2,2’−ビス(4−グリシジルオキシシクロヘキシル)プロパン、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカーボキシレート、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−5,5−スピロ−(3,4−エポキシシクロヘキサン)−1,3−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、1,2−シクロプロパンジカルボン酸ビスグリシジルエステル、トリグリシジルイソシアヌレート、モノアリルジグリシジルイソシアヌレート、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート、1,4−ビス{(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ}メチル}ベンゼン、ビス{1−エチル(3−オキセタニル)}メチルエーテル、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−(2−エチルへキシロキシメチル)オキセタン等を挙げることができる。
アルコキシシラン化合物の具体例としては、テトラメトキシ(エトキシ)シランおよびその縮合物、メチルトリメトキシ(エトキシ)シランおよびその縮合物、ジメチルジメトキシ(エトキシ)シランおよびその縮合物等が挙げることができる。
(メタ)アクリレート化合物の具体的な例としては、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸ビニル、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸変性アリルグリシジルエーテル(ナガセケムテックス製、商品名:デナコールアクリレートDA111)、ウレタン(メタ)アクリレート類、エポキシ(メタ)アクリレート類、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパン(メタ)テトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール系(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、 (メタ)アクリレート基含有ポリオルガノシロキサン等が挙げられる。
反応性希釈剤の添加量としては種々設定できるが、硬化性組成物100重量部に対して、好ましい添加量は1〜50重量部、より好ましくは3〜25重量部である。添加量が少ないと添加効果が表れず、添加量が多いと硬化物の物性に悪影響を及ぼす場合がある。またこれら反応性希釈剤の光架橋反応を進めるため、それぞれエポキシ、アルコキシラン化合物を添加する場合には、オニウム塩で代表されるような光カチオン重合開始剤を、アクリレート化合物を添加する場合には、アセトフェノン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、アシルフォスフィンオキサイド系化合物のような光ラジカル重合開始剤を添加することもできる。
(接着性改良剤)
本発明の硬化性組成物には、接着性改良剤を添加することもできる。接着性改良剤としては一般に用いられている接着剤の他、例えば種々のカップリング剤、エポキシ化合物、オキセタン化合物、フェノール樹脂、クマロン−インデン樹脂、ロジンエステル樹脂、テルペン−フェノール樹脂、α−メチルスチレン−ビニルトルエン共重合体、ポリエチルメチルスチレン、芳香族ポリイソシアネート等を挙げることができる。
カップリング剤としては例えばシランカップリング剤が挙げられる。シランカップリング剤としては、分子中に有機基と反応性のある官能基と加水分解性のケイ素基を各々少なくとも1個有する化合物であれば特に限定されない。有機基と反応性のある基としては、取扱い性の点からエポキシ基、メタクリル基、アクリル基、イソシアネート基、イソシアヌレート基、ビニル基、カルバメート基から選ばれる少なくとも1個の官能基が好ましく、硬化性及び接着性の点から、エポキシ基、メタクリル基、アクリル基が特に好ましい。加水分解性のケイ素基としては取扱い性の点からアルコキシシリル基が好ましく、反応性の点からメトキシシリル基、エトキシシリル基が特に好ましい。
好ましいシランカップリング剤としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン等のエポキシ官能基を有するアルコキシシラン類:3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシメチルトリメトキシシラン、メタクリロキシメチルトリエトキシシラン、アクリロキシメチルトリメトキシシラン、アクリロキシメチルトリエトキシシラン等のメタクリル基あるいはアクリル基を有するアルコキシシラン類が例示できる。
シランカップリング剤の添加量としては種々設定できるが、硬化性組成物100重量部に対して、好ましくは0.1〜20重量部、より好ましくは0.3〜10重量部、さらに好ましくは0.5〜5重量部である。添加量が少ないと接着性改良効果が表れず、添加量が多いと硬化性や硬化物の物性に悪影響を及ぼす場合がある。また、これらの接着性改良剤は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
(熱可塑性樹脂)
硬化性組成物には特性を改質する等の目的で、種々の熱可塑性樹脂を添加することも可能である。熱可塑性樹脂としては種々のものを用いることができるが、例えば、メチルメタクリレートの単独重合体あるいはメチルメタクリレートと他モノマーとのランダム、ブロック、あるいはグラフト重合体等のポリメチルメタクリレート系樹脂(例えば日立化成社製オプトレッツ等)、ブチルアクリレートの単独重合体あるいはブチルアクリレートと他モノマーとのランダム、ブロック、あるいはグラフト重合体等のポリブチルアクリレート系樹脂等に代表されるアクリル系樹脂、ビスフェノールA、3,3,5−トリメチルシクロヘキシリデンビスフェノール等をモノマー構造として含有するポリカーボネート樹脂等のポリカーボネート系樹脂(例えば帝人社製APEC等)、ノルボルネン誘導体、ビニルモノマー等を単独あるいは共重合した樹脂、ノルボルネン誘導体を開環メタセシス重合させた樹脂、あるいはその水素添加物等のシクロオレフィン系樹脂(例えば、三井化学社製APEL、日本ゼオン社製ZEONOR、ZEONEX、JSR社製ARTON等)、エチレンとマレイミドの共重合体等のオレフィン−マレイミド系樹脂(例えば東ソー社製TI−PAS等)、ビスフェノールA、ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン等のビスフェノール類やジエチレングリコール等のジオール類とテレフタル酸、イソフタル酸、等のフタル酸類や脂肪族ジカルボン酸類を重縮合させたポリエステル等のポリエステル系樹脂(例えば鐘紡社製O−PET等)、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等の他、天然ゴム、EPDMといったゴム状樹脂が例示されるがこれに限定されるものではない。
熱可塑性樹脂としては架橋性基を有していてもよい。この場合の架橋性基としては、エポキシ基、アミノ基、ラジカル重合性不飽和基、カルボキシル基、イソシアネート基、ヒドロキシル基、アルコキシシリル基等が挙げられる。得られる硬化物の耐熱性が高くなりやすいという点においては、架橋性基を平均して1分子中に1個以上有していることが好ましい。
熱可塑性樹脂の配合量としては特に限定はないが、好ましい使用量の範囲は硬化性組成物全体の5〜50重量%、より好ましくは10〜30重量%である。添加量が少ないと得られる硬化物が脆くなり易い。添加量が多いと耐熱性(高温での弾性率)が低くなり易い。熱可塑性樹脂としては単一のものを用いてもよいし、複数のものを組み合わせて用いてもよい。
(老化防止剤)
本発明の硬化性組成物には老化防止剤を添加してもよい。老化防止剤としては、ヒンダートフェノール系等一般に用いられている老化防止剤の他、クエン酸やリン酸、硫黄系老化防止剤等が挙げられる。ヒンダートフェノール系老化防止剤としては、チバスペシャリティーケミカルズ社から入手できるイルガノックス1010をはじめとして、各種のものが用いられる。硫黄系老化防止剤としては、メルカプタン類、メルカプタンの塩類、スルフィドカルボン酸エステル類や、ヒンダードフェノール系スルフィド類を含むスルフィド類、ポリスルフィド類、ジチオカルボン酸塩類、チオウレア類、チオホスフェイト類、スルホニウム化合物、チオアルデヒド類、チオケトン類、メルカプタール類、メルカプトール類、モノチオ酸類、ポリチオ酸類、チオアミド類、スルホキシド類等が挙げられる。また、これらの老化防止剤は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
(紫外線吸収剤)
本発明の硬化性組成物には紫外線吸収剤を添加してもよい。紫外線吸収剤としては、例えば2(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)セバケート等が挙げられる。また、これらの紫外線吸収剤は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
(その他添加剤)
本発明の硬化性組成物には、その他、難燃剤、難燃助剤、界面活性剤、消泡剤、乳化剤、レベリング剤、はじき防止剤、アンチモン−ビスマス等のイオントラップ剤、チクソ性付与剤、保存安定改良剤、オゾン劣化防止剤、光安定剤、増粘剤、可塑剤、反応性希釈剤、酸化防止剤、熱安定化剤、帯電防止剤、放射線遮断剤、核剤、リン系過酸化物分解剤、滑剤、金属不活性化剤、熱伝導性付与剤、物性調整剤等を本発明の目的および効果を損なわない範囲において添加することができる。
当該発明の手法を用いて下記実施例および比較例で作成した薄膜トランジスタについて、半導体パラメーターアナライザー(Agilent4156)を用い電流伝達特性を測定し得られた電流伝達特性の曲線から電気的特性を下記の方法によって算出した結果を表1に示す。
この結果からもわかるように、本発明により平坦化された樹脂フィルム上で良好な特性を有する薄膜トランジスタが得られている事がわかる。
(平坦化性)
薄膜トランジスタを設ける際使用したフィルム表面の平均表面粗さ(Ra)をレーザー干渉計(Canon製、商品名:Zygo)用いて測定し評価した。
(透明性)
実施例および比較例で得られた樹脂フィルムについて分光光度計(日本分光製)を用い500nmにおける光線透過率(T%)を測定し、透明性の指標とした。
(電流伝達特性)
作製したトランジスタにおいてソース/ドレイン間に−40Vの電圧を印加した状態で、ゲート電極に20〜−40Vで印加した際のソース/ドレイン間電流量(Id)をプロットし伝達特性とした。
(閾値電圧)
電流伝達特性の曲線においてソース/ドレイン間に流れる電流Id、ゲート印加電圧Vgとした際の(Id)1/2とVg間の曲線より線形領域の延長線とVg軸との交点より算出した。
(ヒステリシス)
トランジスタ反復動作時において、閾値電圧の差をヒステリシスとして算出した。
(ON/OFF電流比)
オン時の電流Ionは、電流伝達特性の曲線において飽和領域での最大電流値とし、オフ時の電流Ioffは、オフ状態の最小電流から求めた。ON/OFF電流比Ion/Ioffは、オン状態の最大電流値とオフ状態の最小電流値との比から算出した。
(製造参考例1)
300mL四つ口フラスコにトルエン72.4g、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン72.4gを入れて気相部を窒素置換した後、内温105℃とし、トリアリルイソシアヌレート10g、トルエン10g及び白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)0.0063gの混合液を滴下した。H−NMRでアリル基が消失したことを確認し、冷却により反応を終了した。溶剤のトルエンを減圧留去し、ポリシロキサン系化合物Aを得た。H−NMR測定により、得られたポリシロキサン系化合物AよりSiH基由来のピークが確認されており、SiH基を有するポリシロキサン化合物であることがわかる。
得られたポリシロキサン系化合物A1g、トリアリルイソシアヌレート0.73g、白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)0.0017g、1−エチニルシクロヘキサノール0.0017g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(溶剤、PGMEA)4.0gを混合し、硬化性組成物1とした。
(製造実施例2)
200mL四つ口フラスコに製造参考例1で得られたポリシロキサン化合物A10g、トルエン20gを入れ、気相部を窒素置換した後、内温105℃とし、トルエン3.81g、ビニルシクロヘキセンオキシド3.81gの混合液を滴下した。H−NMRでビニル基が消失したことを確認し、冷却により反応を終了した。溶剤のトルエンを減圧留去し、ポリシロキサン系化合物Bを得た。H−NMR測定により、得られたポリシロキサン系化合物Bよりエポキシ基由来のピークが確認されており、エポキシ基を有するポリシロキサン化合物であることがわかる。
得られたポリシロキサン系化合物B1g、ヨードニウム塩系カチオン重合開始剤(BBI−102、みどり化学製)0.04g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(溶剤、PGMEA)4.0gを混合し、硬化性組成物2とした。
(参考例1)
50μmPENフィルム基板1(テオネックス、帝人製)に製造参考例1の硬化性組成物1を2000rpm、20secの条件でスピンコートにより塗布し、150℃、1hでポストベイクしプライマー層2を形成した。真空蒸着製膜装置により厚さ500Åアルミ(Al)のゲート電極3を形成し、その上に製造参考例1の硬化性組成物1を2000rpm、20secの条件でスピンコートにより塗布し、150℃、1hでポストベイクしゲート絶縁膜4を形成した。さらに蒸着により500Åの厚さにペンタセンの有機半導体層5を形成させ、その上にチャネル長さ100μm、チャネル幅5mmのマスクを用いて蒸着によって厚さ300Åのソース/ドレインAu電極6、7を形成し薄膜トランジスタを製作した。
(実施例2)
用いた硬化性組成物を製造実施例2の硬化性組成物2に変えたこと、塗布後ポストベイク前にUV光を150mJ/cm露光させる工程を加える以外は参考例1と同様にして薄膜トランジスタを作製した。
(比較例1)
プライマー層2を設けない以外は参考例1と同様にして薄膜トランジスタを作製した。
1 PENフィルム基板
2 プライマー層
3 ゲート電極
4 ゲート絶縁膜
5 有機半導体層
6 ソース電極
7 ドレイン電極

Claims (8)

  1. 樹脂フィルム、樹脂フィルム上に形成された光重合官能基を有する硬化性組成物からなるプライマー層、および、プライマー層上に形成された光重合官能基を有する硬化性組成物からなるゲート絶縁膜を有する薄膜トランジスタであって、
    プライマー層の平坦性Raは30nm以下であり、
    プライマー層を設けた樹脂フィルムにおいて、500nmでの光線透過率が80%以上であり、閾値電圧が−5〜5Vである薄トランジスタ。
  2. 硬化性組成物がポリシロキサン系化合物であることを特徴とする請求項1に記載の薄膜トランジスタ。
  3. 硬化性組成物が下記一般式(I)
    (式中Rは水素原子または炭素数1〜50の一価の有機基を表し、それぞれのRは異なっていても同一であってもよい)で表される構造を含有する化合物であることを特徴とする請求項1または2に記載の薄膜トランジスタ。
  4. 光重合官能基がエポキシ基、架橋性ケイ素基および(メタ)アクリロイル基からなる群から選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の薄膜トランジスタ。
  5. 光重合官能基が、脂環式エポキシ基であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の薄膜トランジスタ。
  6. 光重合官能基が、アルコキシリル基であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の薄膜トランジスタ。
  7. 樹脂フィルムがポリエステル系材料であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の薄膜トランジスタ。
  8. 半導体層として有機半導体を用いて形成されることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の薄膜トランジスタ。
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