JP6160190B2 - 異種金属材の抵抗スポット溶接方法 - Google Patents

異種金属材の抵抗スポット溶接方法 Download PDF

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Description

本発明は、異種金属材の抵抗スポット溶接方法に関する。
従来より、異種金属材を接合する一つの方法として、これらを重ね合わせて一対の電極により挟持し、前記電極に電流を供給することでこれらを溶接する抵抗スポット溶接の開発が進められている。
上記抵抗スポット溶接にて接合する異種金属としてよく用いられるのは、アルミニウム系材と鋼板である。アルミニウム系材を抵抗スポット溶接する際、大きい電流を1ステップで長時間通電すると、アルミニウム系材が過剰に加熱されてチリとなって滅失してしまうという問題がある。
アルミニウム系材が過剰に加熱されてチリが発生すると、材料がチリとして揮散する。チリの揮散により、接合部のナゲットの減少や欠陥が生じるため、強度にバラツキが大きくなる。
そこで、特許文献1には、アルミニウム系材とアルミニウムめっき鋼板材とを抵抗スポット溶接する技術において、電極に、予め設定された規定の電流をそれぞれ所定時間ずつ断続的に供給して、電流が長時間にわたって連続して供給されないようにすることで、アルミニウム系材の過剰な加熱ひいてはチリの発生を抑制するようにした方法が開示されている。上記の効果は、断続的に電流を供給することで、電流を断っている期間にアルミニウム系材の抵抗や温度が適度に低下し、過剰な加熱が抑制されるため得られるものと考えられる。
特許第4425159号公報
上記特許文献1では、チリの発生による肉厚の減少なしに接合するための溶接方法であり、チリの減少により接合強度を上げる一定の効果が期待できる。しかし、例えば自動車等の材料として使用する場合は、さらに強度の高い、接合強度にバラツキのない接合材料が必要とされている。
接合強度を高めるには、ナゲットを増加させるという方法が挙げられる。ナゲットを増加させるには、通電量を多くし発熱を促す必要があるが、ナゲットが成長するとともに発熱し辛くなり、通電量を増やさなければならない。また、接合強度のバラツキを抑えるには、接合時のナゲットの量・大きさのバラツキを減らさなければならない。
本発明は、前記のような事情に鑑みてなされたものであり、更なる接合強度の向上と、バラツキのない接合強度をもつ生産性の良い異種金属材の抵抗スポット溶接方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための本発明の形態は、電気抵抗が異なる異種金属材を互いに重ね合わせた状態で一対の電極により加圧するとともに、当該電極への通電により溶接するスポット溶接方法であって、一点の溶接において前記電極に複数のステップに分けて断続的に電流を供給する通電方法であり、少なくとも一方の材料が軟化状態となるまで通電する「ステップA」により加熱した後、スポット電極による加圧によって材料同士の接触面を密着させるための通電である「ステップB」を行い、その後、更に通電加熱して、ナゲットを成長させるための通電である「ステップC」を行うようにしたものである。
すなわち、本発明の請求項1に記載の発明は、電気抵抗が異なる異種金属材を互いに重ね合わせた状態で一対の電極により加圧するとともに、当該電極への通電により溶接する溶接方法であって、一点の溶接において前記電極に複数回のステップに分けて断続的に電流を供給する通電工程を有し、上記通電工程はステップA、ステップB、ステップCの順に構成され、 上記ステップAが、金属材の少なくとも一方の金属が軟化に要する通電量以上となるように通電する通電ステップであり、上記ステップBが、少なくとも通電していて、かつ上記ステップAの通電量未満である通電ステップであり、上記ステップCが、上記ステップAの通電量以上となるように通電する通電ステップであり、上記各ステップに通電時間と通電停止時間を少なくとも一度ずつ含み、上記通電時間が一定であることを特徴とする、異種金属材の抵抗スポット溶接方法である。
上記発明は、本発明のステップAの通電により、電極a、b間に位置する板材1,2は発熱し、板材1、板材2の温度が上昇し、図1に示す板材1側に小さいナゲット3が形成される。次にステップBにより、小さいナゲット3がナゲットが増加しない程度の通電と、電極a、bの圧力により、Rを拡大する方向に流動するため、板材1,2の接合面積を更に広くすることができ、さらに金属の境界面に存在する微小な凹凸に入り込み板材1、2を密着させることができる。
また、ステップBの通電量が小さいので、ステップA又はBで生成されるナゲットは小さい。ナゲットが小さい時点で通電すると、良く発熱しナゲットが大きく生成するので、ステップCの通電にてステップA又はステップBで生成したナゲットを、効率よく増加させることができる。加えて、ステップCで効率よくナゲットを増加させるには、少なくともステップA以上の電流量を通電し、小さいナゲット3の発熱をステップA以上にする方が好ましい。
上記ステップにより、板材1、2の接合強度を更に向上させることができる。なお、上記ナゲットの増加の形態として、例えばナゲットの質量の増加・径の増加・表面積の増加が挙げられる。
また、本発明によれば、電極に複数のステップに分けて断続的に電流を供給しているので、各材料が過剰に加熱されるのを防ぎ、チリの発生を抑制することができる。通電工程において通電が断続的であれば、通電時間や通電量を0とせずに増減を繰り返すよりも制御が簡易であり生産性が高まる。また、ここで言う通電量とは、各ステップ中に通電した単位時間当たりの通電量を含む。
さらに、本発明によれば各ステップに通電時間と通電停止時間を少なくとも一度ずつ含み、通電時間が一定であるため、通電又は通電停止時間の制御が簡易にでき、生産性のよい溶接を行うことができる。
本発明の請求項は、請求項おいて、上記各ステップに通電時間と通電停止時間を少なくとも一度ずつ含み、上記通電停止時間が一定であることを特徴とする、 異種金属材の抵抗スポット溶接である。
上記発明であれば、通電又は通電停止時間の制御が簡易にできるため、生産性のよい溶接を行うことができる。
本発明の請求項3は、請求項1又は2のいずれか一において、上記異種金属材が二種の板材からなり、上記金属材の少なくとも一が軽合金であり、少なくとも一つがめっき鋼板であることを特徴とする、異種金属材の抵抗スポット溶接方法である
本発明の請求項4は、請求項1又は2のいずれか一において、上記異種金属材が三種の板材からなり、上記金属材の少なくとも一が軽合金であり、少なくとも一つがめっき鋼板であり、少なくとも一つが非めっき鋼板であることを特徴とする、異種金属材の抵抗スポット溶接方法である。
上記発明であれば、鋼板に比べてチリが発生し易い軽金属を用いるためスポット溶接が難しい軽金属と鋼板の接合において、接合強度の高いスポット溶接が可能となるため、軽量で強度が高い接合材料を得ることができ自動車の車体のように軽量でかつ強度が必要で、更に生産効率向上が必要とされる金属材の溶接に最適な方法を提供することができる。また、抵抗値の異なる異種金属が複数枚の場合であっても、同様に強度の高い溶接をすることができる。
本発明の請求項5は、請求項1乃至4において、上記の通電工程に、ステップCより後の通電ステップの通電量はステップCの通電量よりも大きく設定することを特徴とする溶接方法である
この方法によれば、連続する2つのステップ(ステップCとステップCより後の通電ステップ)にて、徐々に通電量を増加させるので、ナゲットを円滑に拡大させることが可能となる。
本発明の請求項6は、電気抵抗が異なる異種金属材を互いに重ね合わせた状態で一対の電極により加圧するとともに、当該電極への通電により溶接する溶接方法であって、一点の溶接において前記電極に複数回のステップに分けて断続的に電流を供給する通電工程を有し、上記通電工程はステップA、ステップB、ステップCの順に構成され、 上記ステップAが、金属材の少なくとも一方の金属が軟化に要する通電量以上となるように通電する通電ステップであり、上記ステップBが、少なくとも通電していて、かつ上記ステップAの通電量未満である通電ステップであり、上記ステップCが、上記ステップAの通電量以上となるように通電する通電ステップであり、上記各ステップに通電時間と通電停止時間を少なくとも一度ずつ含み、上記通電停止時間が一定であることを特徴とする、 異種金属材の抵抗スポット溶接方法である。
この発明によれば、本発明のステップAの通電により、電極a、b間に位置する板材1,2は発熱し、板材1、板材2の温度が上昇し、図1に示す板材1側に小さいナゲット3が形成される。次にステップBにより、小さいナゲット3がナゲットが増加しない程度の通電と、電極a、bの圧力により、Rを拡大する方向に流動するため、板材1,2の接合面積を更に広くすることができ、さらに金属の境界面に存在する微小な凹凸に入り込み板材1、2を密着させることができる。また、ステップBの通電量が小さいので、ステップA又はBで生成されるナゲットは小さい。ナゲットが小さい時点で通電すると、良く発熱しナゲットが大きく生成するので、ステップCの通電にてステップA又はステップBで生成したナゲットを、効率よく増加させることができる。加えて、ステップCで効率よくナゲットを増加させるには、少なくともステップA以上の電流量を通電し、小さいナゲット3の発熱をステップA以上にする方が好ましい。上記ステップにより、板材1、2の接合強度を更に向上させることができる。さらに、本発明によれば各ステップに通電時間と通電停止時間を少なくとも一度ずつ含み、通電時間が一定であるため、通電又は通電停止時間の制御が簡易にでき、生産性のよい溶接を行うことができる。
本発明の請求項7は、電気抵抗が異なる異種金属材を互いに重ね合わせた状態で一対の電極により加圧するとともに、当該電極への通電により溶接する溶接方法であって、一点の溶接において前記電極に複数回のステップに分けて断続的に電流を供給する通電工程を有し、上記通電工程はステップA、ステップB、ステップCの順に構成され、 上記ステップAが、金属材の少なくとも一方の金属が軟化に要する通電量以上となるように通電する通電ステップであり、上記ステップBが、少なくとも通電していて、かつ上記ステップAの通電量未満である通電ステップであり、上記ステップCが、上記ステップAの通電量以上となるように通電する通電ステップであり、上記の通電工程に、ステップCより後の通電ステップの通電量はステップCの通電量よりも大きく設定することを特徴とする溶接方法である。
この発明によれば、本発明のステップAの通電により、電極a、b間に位置する板材1,2は発熱し、板材1、板材2の温度が上昇し、図1に示す板材1側に小さいナゲット3が形成される。次にステップBにより、小さいナゲット3がナゲットが増加しない程度の通電と、電極a、bの圧力により、Rを拡大する方向に流動するため、板材1,2の接合面積を更に広くすることができ、さらに金属の境界面に存在する微小な凹凸に入り込み板材1、2を密着させることができる。また、ステップBの通電量が小さいので、ステップA又はBで生成されるナゲットは小さい。ナゲットが小さい時点で通電すると、良く発熱しナゲットが大きく生成するので、ステップCの通電にてステップA又はステップBで生成したナゲットを、効率よく増加させることができる。加えて、ステップCで効率よくナゲットを増加させるには、少なくともステップA以上の電流量を通電し、小さいナゲット3の発熱をステップA以上にする方が好ましい。上記ステップにより、板材1、2の接合強度を更に向上させることができる。さらに、連続する2つのステップ(ステップCとステップCより後の通電ステップ)にて、徐々に通電量を増加させるので、ナゲットを円滑に拡大させることが可能となる。
以上のように、本発明によれば、電気抵抗が異なる異種金属材との抵抗スポット溶接にお
いてこれらの接合強度を確保することができる。また、密着した個所を中心にナゲットを
円滑に生成・拡大させることができるため、接合具合にバラツキが少なくなり生産性も向
上する。
スポット溶接方法を説明するための図である。 従来の抵抗スポット溶接方法における通電電流量のタイムチャートである。 実施例1の通電電流量を示したタイムチャートである。 実施例2の通電電流量を示したタイムチャートである。 実施例5の通電電流量を示したタイムチャートである。 実施例6の通電電流量を示したタイムチャートである。 比較例1の通電電流量を示したタイムチャートである。
以下、本発明の、異種金属材を抵抗スポット溶接するスポット溶接方法の好ましい実施形
態について説明する。
図1は、本実施例に用いた抵抗スポット溶接の概略図であり、以下に抵抗スポット溶接に
おいて、電気抵抗が異なる異種金属材のうち、電気抵抗の低い方の材料でできた低抵抗の
板材1と、電気抵抗の高い方の材料でできた高抵抗の板材2とを溶接する場合について説
明する。
まず、板材1と板材2を互いに重ね合わせて配置する。次に、これら板材1,2を一対の
電極a,bにより挟持する。このとき、電極a,bを互いに近づく方向に押圧し、電極a
,bを介して板材1,2を互いに近づく方向に加圧する。そして、板材1,2への加圧を
維持した状態で、電極a,bに電流を供給する。電極a,bへの電流の供給に伴い、板材
1,2は加熱される。加熱されることで、板材1は溶融して板材2にはりつき、これら各
板材1,2間にナゲット3が形成されて、板材1,2が接合される。
<実施例>以下に、本発明の実施形態として実施例1〜6を示す。実施例1、2、3、6
および比較例1、では、低抵抗の板材1として、板厚0.9mmの板状のJIS6000
系(Al−Mg−Si系合金)材を用い、板材2として、板厚0.8mmの亜鉛メッキが
施された板状の鋼材(GA)を用いた。また、実施例4,5と比較例2には、板材1とし
て、板厚0.9mmの板状のJIS6000系(Al−Mg−Si系合金)材を用い、板
材2として、合金化溶融亜鉛めっき鋼板板厚0.8mmの板状の鋼材(GA)と、板厚1
.4mmの板状の非めっきの鋼板を用いた。
以下に示す実施例1〜6と比較例1、2では、電流供給ステップを4回実施しており、ス
テップの通電時間、通電電流量と通電停止時間を制御する。
また、前記電極a,bが、いわゆるR型であって先端面が曲面を呈するものでは、大電流
を必要とし装置負荷が高くなる上、チリが発生しやすくなる。そこで、この実施形態では
、前記電極a,bとして、先端面が平面を呈し各材と面接触するものを用いる。例えば、
その先端面が直径5〜6mm(電極の直径は13〜16mm)のものを用いる。溶接加圧
力は、500kgf(4.90kN)とした。
なお、後述する実施例は、インバータ式電源を用いて電極a,bを通電した場合を示して
いるが、電源の種類はこれに限らない。例えば、単相交流式電源を用い、1/2サイクル
の交流波の一部を通電停止状態とさせてもよい。
実施例1の通電電流量を示したタイムチャートを図3に示す。図3のt1の通電時間内に
I1の電流を通電するS1は上記ステップAに該当し、t2の通電停止時間とI2の電流
をt1の時間通電するS2は上記ステップBに該当し、t2の通電停止時間とI3の電流
をt1の時間通電するS3はステップCに該当する。本実施例1では、通電時間t1と通
電停止時間t2を一定とし通電電流量I1〜I4を制御した。S2に示す通電がS1の通
電量よりも少なく通電させるように、電極に電流を供給した。つまり、各ステップS1〜
S4に供給した通電電流量I1〜I4は、I4>I3>I1>I2である。
実施例2の通電電流量を示したタイムチャートを図4に示す。図4のt11の通電時間内
にI11の電流を通電するS11とt1
1の通電時間内にI12の電流を通電するS12は、それぞれ上記ステップAに該当し、
t12の通電停止時間とI13の電流をt11の時間通電するS13は上記ステップBに
該当し、t12の通電停止時間とI14の電流をt1の時間通電するS14はステップC
に該当する。本実施例2では、通電時間t11、通電停止時間t12を一定とし、S11
〜S14の通電電流量I11〜I14を制御した。実施例2は、S13の通電がS12の
通電量よりも少なく通電させるように、電極に電流を供給したほかは、実施例1と同様で
ある。つまり、各ステップS11〜S14に供給した通電電流量I11〜I14は、I1
4>I12>I11>I13である。
実施例3は、異種金属材のうち、板材1,2と板厚1.4mmの板状の非めっきの鋼板を
接合したことと、板材に合わせて通電電流量の絶対値を制御した以外は、実施例1と同様
である。
実施例4は、異種金属材のうち、板材1,2と板厚1.4mmの板状の非めっきの鋼板を
接合したことと、板材に合わせて通電電流量の絶対値を制御した以外は、実施例2と同様
である。
実施例5の通電電流量を示したタイムチャートを図5に示す。図5のI21の電流をt2
1の時間通電するS21は上記ステップAに該当し、t20の通電停止時間とI21の電
流をt22の時間通電するS22は上記ステップBに該当し、t20の通電停止時間とI
21の電流をt23の時間通電するS23はステップCに該当する。本実施例では、通電
停止時間t22と通電電流量I21を一定とし、S21〜S24の通電時間t21〜24
を制御した。S22の積算電流量がS21の通電量よりも少なくなるように、通電時間を
短くしたものである。つまり、各ステップS21〜S24に通電電流量I21を供給した
通電時間は、t21〜t24は、t22<t21<t23<t24である。
実施例6の通電電流量を示したタイムチャートを図6に示す。図6のI31の電流をt3
0の時間通電するS31と、I30の電流をt30の時間通電するS32は、それぞれ上
記ステップAに該当し、t32の通電停止時間とI30の電流をt30の時間通電するS
33は上記ステップBに該当し、t33の通電停止時間とI30の電流をt30の時間通
電するS34はステップCに該当する。S33の積算電流量とS32の通電量が等しくな
るように通電し、S33の通電の前の通電停止時間t32を長くした。停止時間t32を
長くすることで、S33の通電が始まるまでにS32以前の通電による熱エネルギーが逃
げて板材1が冷却し抵抗値が下がる。抵抗値が下がると発熱し難くなるため、S33通電
時の板材1の実際の発熱がS32より低くなり、上記ステップBとなる。つまり、S31
に通電電流量I31を、S32〜S34に通電電流量I30を供給した。通電停止時間は
、t33<t31<t32である。
このように電流量を制御すれば、通電開始時の板材1,2の急減な温度上昇を抑制しなが
らトータル的な発熱量を増加させることができる。そのため、板材1の変形を抑制しなが
らナゲット形成を促進させることができ、結果的に、板材1,2の接合強度を高めること
ができる。
比較例1の通電電流量を示したタイムチャートを図7に示す。本比較例は、通電時間t4
1、通電停止時間t40を一定とし、上記ステップBを設けず、徐々に通電電流量を上昇
させたものである。つまり、各ステップS41〜S44に供給した通電電流量I41〜I
44は、I41<I42<I43<I44である。
比較例2は、異種金属材のうち、板材1,2と板厚1.4mmの板状の非めっきの鋼板を
接合したことと、板材に合わせて通電電流量の絶対値を制御した以外は、実施例1と同様
である。
次に、本発明の抵抗スポット溶接方法を用いて板材1,2を抵抗スポット溶接した実施例
1〜6と、電極a,bに徐々に通電電流量を上げて板材1,2を抵抗スポット溶接した比
較例1、2の、引張強度を表1に示す。なお、表1において引張強度におけるn1、n2
、n3は、それぞれ異なる試験片における値である。また、表1には、各実施例1〜6に
ついて、それぞれこれら電流量と通電時間と通電停止時間の具体的値を示している。
表1に示されるように、ステップBを有する実施例1〜6において、Al/GA板組では
2.70〜2.85kN、Al/GA/非めっき鋼板板組では3.24〜3.28kN程度
の引張強度を示している。これに対してステップBを有さない比較例1、2では、両比較
例とも板材1のチリが生じ、Al/GA板組では2.3kN、Al/GA/非めっき鋼板板
組では2.9kN程度と低い引張強度しか得ることができなかった。
このように実施例1〜6では、いずれの例においても比較例1、2より高い引っ張り強度
が実現されており、これは上記実施例の通電工程中にステップBを有しているためである
と考察できる。
上記のように、本発明に係るスポット溶接方法によれば、高い引張強度すなわち接合強度
を得ることができる。特に、通電工程において、ステップAの後にステップBを有するこ
とにより、板材1,2の急減な温度上昇を抑制しながら板材1と板材2の軟化したナゲッ
ト部をより密着させることができ、結果的に、板材1,2の接合強度を高めていると考え
られる。
ここで、上記実施例では通電を断続的に行った制御を示したが、上記通電停止時間には通
電を完全に停止するのではなく、わずかな通電を行うような制御にしても良い。また、通
電時間、通電停止時間、溶接電流値、電流供給ステップ数は前記に限らない。また、例え
ば板材1には、マグネシウム合金、チタン合金などが考えられ、板材2については、亜鉛
めっき銅板等が考えられる。
板材1が本実施例のようなアルミニウム系材の場合、過剰な加熱を確実に抑制するために
は、通電停止時間を長くするのが好ましい。過剰な加熱に伴うアルミニウム系材の変形、
厚みの減少、電極a,bへの凝着、チリの発生といった事態を回避して高い生産性を確保
することができることが分かっている。また、アルミニウム系材の過剰な加熱を確実に抑
制するためには、通電電流量をある程度低く抑えるのが好ましい。具体的には、通電電流
量を20kA以下、より好ましくは17.5kA以下に抑えれば、板材1の過剰な加熱に
伴うアルミニウム系材の変形等を確実に抑えることができることが分かっている。
また、接合強度を確保するためには、断続的に電流を供給する通電工程の電流供給ステッ
プ数を3以上とすることが好ましい。
また本発明は、少なくとも一方の金属を軟化状態とするステップAと、電極の加圧で金属
の接触面をなじませるステップBと、その後のナゲット増加を目的とするステップCとを
上記順序で有していれば良く、その具体的な通電方法は前記に限らない。例えば、前述の
各実施形態に係る通電方法を組み合わせてもよい。
また、上記ステップA、ステップB、ステップCの通電回数は複数回でも良く、ステップ
全体として上記効果を得られれば良い。
1 板材1 2 板材2 a,b 電極 3 ナゲット R ナゲット径

Claims (7)

  1. 電気抵抗が異なる異種金属材を互いに重ね合わせた状態で一対の電極により加圧するとともに、当該電極への通電により溶接する溶接方法であって、一点の溶接において前記電極に複数回のステップに分けて断続的に電流を供給する通電工程を有し、上記通電工程はステップA、ステップB、ステップCの順に構成され、 上記ステップAが、金属材の少なくとも一方の金属が軟化に要する通電量以上となるように通電する通電ステップであり、上記ステップBが、少なくとも通電していて、かつ上記ステップAの通電量未満である通電ステップであり、上記ステップCが、上記ステップAの通電量以上となるように通電する通電ステップであり、上記各ステップに通電時間と通電停止時間を少なくとも一度ずつ含み、上記通電時間が一定であることを特徴とする、異種金属材の抵抗スポット溶接方法。
  2. 請求項1において、上記通電停止時間が一定であることを特徴とする、 異種金属材の抵抗スポット溶接方法。
  3. 請求項1又は2において、上記異種金属材が二種の板材からなり、上記金属材の少なくとも一が軽合金であり、少なくとも一つがめっき鋼板であることを特徴とする、異種金属材の抵抗スポット溶接方法。
  4. 請求項1又は2において、上記異種金属材が三種の板材からなり、上記金属材の少なくとも一が軽合金であり、少なくとも一つがめっき鋼板であり、少なくとも一つが非めっき鋼板であることを特徴とする、異種金属材の抵抗スポット溶接方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一において、 上記の通電工程に、ステップCより後の通電ステップの通電量はステップCの通電量よりも大きく設定することを特徴とする溶接方法。
  6. 電気抵抗が異なる異種金属材を互いに重ね合わせた状態で一対の電極により加圧するとともに、当該電極への通電により溶接する溶接方法であって、一点の溶接において前記電極に複数回のステップに分けて断続的に電流を供給する通電工程を有し、上記通電工程はステップA、ステップB、ステップCの順に構成され、 上記ステップAが、金属材の少なくとも一方の金属が軟化に要する通電量以上となるように通電する通電ステップであり、上記ステップBが、少なくとも通電していて、かつ上記ステップAの通電量未満である通電ステップであり、上記ステップCが、上記ステップAの通電量以上となるように通電する通電ステップであり、上記各ステップに通電時間と通電停止時間を少なくとも一度ずつ含み、上記通電停止時間が一定であることを特徴とする、 異種金属材の抵抗スポット溶接方法。
  7. 電気抵抗が異なる異種金属材を互いに重ね合わせた状態で一対の電極により加圧するとともに、当該電極への通電により溶接する溶接方法であって、一点の溶接において前記電極に複数回のステップに分けて断続的に電流を供給する通電工程を有し、上記通電工程はステップA、ステップB、ステップCの順に構成され、 上記ステップAが、金属材の少なくとも一方の金属が軟化に要する通電量以上となるように通電する通電ステップであり、上記ステップBが、少なくとも通電していて、かつ上記ステップAの通電量未満である通電ステップであり、上記ステップCが、上記ステップAの通電量以上となるように通電する通電ステップであり、上記の通電工程に、ステップCより後の通電ステップの通電量はステップCの通電量よりも大きく設定することを特徴とする溶接方法。
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