以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る計量装置1の図解的な断面図である。
計量装置1は、成形機2に接続されて、複数種類の原料を計量および混合して得られる材料を成形機2に供給するための装置である。
計量装置1には、第1原料ホッパ3A、第2原料ホッパ3B、第3原料ホッパ3Cおよび第4原料ホッパ3D(以下、これらを総称するときには「原料ホッパ3」という。)が備えられている。
各原料ホッパ3には、原料供給ライン4の一端が接続されている。各原料供給ライン4の他端は、互いに異なる材料を貯留する原料タンク(図示せず)に接続されている。原料タンクには、たとえば、それぞれ樹脂ペレット(主材)、粉砕材、マスターバッチおよび添加剤が貯留されている。
また、各原料ホッパ3には、吸気分岐ライン5の一端が接続されている。吸気分岐ライン5の他端は、吸気バルブ6を介して、ブロワ7から延びる吸気集合ライン8に集合して接続されている。吸気バルブ6としては、たとえば、エアオペレートバルブが採用されている。
ブロワ7が作動している状態で、吸気バルブ6が開かれると、その吸気バルブ6に接続されている吸気分岐ライン5内が負圧となり、その吸気分岐ライン5に原料ホッパ3内の空気が吸い込まれる。これにより、原料ホッパ3に原料供給ライン4を介して接続されている原料タンクから原料が吸い出され、その原料が原料供給ライン4を通して原料ホッパ3に供給される。
また、各原料ホッパ3には、スクリューフィーダ9が設けられている。スクリューフィーダ9は、供給管10、スクリューオーガ11およびフィードモータ12を備えている。供給管10は、原料ホッパ3の下方でほぼ水平方向に延びている。供給管10の一端部は、原料ホッパ3の下端部に接続されている。供給管10の他端は、排出口13として開放されている。スクリューオーガ11は、供給管10内に配置されて、供給管10と平行に延びる回転軸14を中心に回転可能に設けられている。フィードモータ12は、スクリューオーガ11の回転軸14に結合されている。
原料ホッパ3内の原料は、自重により、供給管10に流入する。フィードモータ12が駆動されると、スクリューオーガ11が回転する。この回転するスクリューオーガ11により、供給管10内の原料は、供給管10内を排出口13に向けて送られ、排出口13から落下する。
供給管10から落下する原料は、計量ホッパ15に受け取られる。計量ホッパ15の下部は、先細り形状をなしている。計量ホッパ15の下端は、排出口16として開放されている。そして、計量ホッパ15には、排出口16を開閉するゲートシャッタ17が設けられている。また、計量ホッパ15には、計量ホッパ15内に貯留されている原料の質量を計測するためのロードセル18が設けられている。
ゲートシャッタ17が閉じられた状態で、供給管10から落下する原料が計量ホッパ15に受け取られることにより、計量ホッパ15内に原料が貯留される。そして、計量ホッパ15内に原料が貯留されている状態で、ゲートシャッタ17が開かれると、計量ホッパ15内の原料が排出口16を介して落下する。
計量ホッパ15の下方には、混合ユニット19が配置されている。混合ユニット19は、混合ケーシング20と、混合ケーシング20内に設けられた攪拌翼21と、攪拌翼21を回転させるための駆動源である攪拌モータ22と、混合ケーシング20の底面に形成された排出口23を開閉するためのシャッタバルブ24とを含む。
計量ホッパ15から落下する原料は、混合ケーシング20に受け取られる。シャッタバルブ24が閉じられた状態で、計量ホッパ15から落下する原料が混合ケーシング20に受け取られることにより、混合ケーシング20内に原料が貯留される。攪拌モータ22が駆動されて、攪拌翼21が回転することにより、混合ケーシング20内の原料が混ぜ合わされる。混合ケーシング20内の原料が十分に混ざり合うと、シャッタバルブ24が開かれる。シャッタバルブ24が開かれることにより、混合ケーシング20内の原料が排出口23から落下する。
混合ユニット19の下方には、供給ホッパ25が配置されている。供給ホッパ25の底面には、供給管26が接続されている。供給管26の途中部には、供給管26を開閉するためのゲート27が介装されている。
混合ユニット19から落下する原料は、供給ホッパ25に受け取られる。ゲート27が閉じられた状態で、混合ユニット19から落下する原料が供給ホッパ25に受け取られることにより、供給ホッパ25内に原料が貯留される。供給ホッパ25内に貯留された原料は、ゲート27が開かれることにより、供給管26を通して、成形機2に供給される。
図2は、計量装置1の電気的構成を示すブロック図である。
計量装置1は、マイクロコンピュータを含む構成の制御部31を備えている。
制御部31には、ロードセル18が接続されており、ロードセル18の検出信号が入力される。また、制御部31には、吸気バルブ6、ブロワ7、フィードモータ12、ゲートシャッタ17、攪拌モータ22、シャッタバルブ24およびゲート27が制御対象として接続されている。
制御部31は、ロードセル18から入力される検出信号に基づいて、計量ホッパ15内に貯留されている原料の質量(以下、「計量値W」という。)を取得する。そして、制御部31は、計量値Wなどに基づいて、吸気バルブ6、ブロワ7、フィードモータ12、ゲートシャッタ17、攪拌モータ22、シャッタバルブ24およびゲート27を制御する。
図3は、計量装置1における計量処理の概要を示す図である。
計量装置1では、制御部31により、1バッチごとに、計量処理が実行される。計量処理では、第1原料ホッパ3A、第2原料ホッパ3B、第3原料ホッパ3Cおよび第4原料ホッパ3Dから計量ホッパ15に各定量の原料が供給されて、計量ホッパ15内に所定の配合比で配合された原料が溜められる。計量処理に引き続いて、制御部31により、混合供給処理が実行される。混合供給処理では、ゲートシャッタ17が開かれることにより、計量ホッパ15内の原料は、混合ユニット19に供給され、混合ユニット19で混合される。そして、シャッタバルブ24が開かれることにより、その混合された原料が供給ホッパ25に供給され、所定のタイミングで、ゲート27が開かれることにより、供給ホッパ25から成形機2に原料が供給される。
計量装置1では、過去に実行した計量処理および混合供給処理の回数(バッチ数)が計数されている。バッチ数は、たとえば、原料ホッパ3に収容される原料が変更された場合、または原料の配合比が変更された場合に「0」にリセットされる。
1バッチ目の計量処理では、後述するロードセル計量処理が実行される。このロードセル計量処理のみ、後述する予備計量を含む。
2バッチ目、3バッチ目および4バッチ目の計量処理では、ロードセル計量処理が実行される。
5バッチ目、6バッチ目および7バッチ目の計量処理では、後述する時間計量処理が実行される。
8バッチ目の計量処理では、ロードセル計量処理が実行される。
9バッチ目、10バッチ目および11バッチ目の計量処理では、時間計量処理が実行される。
このようにして、5バッチ目以降は、3バッチにわたる時間計量処理とその後の1バッチにおけるロードセル計量処理とが繰り返される。
図4は、ロードセル計量処理の流れを示すフローチャートである。
2バッチ目以降のロードセル計量処理では、図4に示されるように、第1原料ホッパ3Aから計量ホッパ15に定量の原料を供給するための本計量(ステップS11:第1原料本計量)、第2原料ホッパ3Bから計量ホッパ15に定量の原料を供給するための本計量(ステップS12:第2原料本計量)、第3原料ホッパ3Cから計量ホッパ15に定量の原料を供給するための本計量(ステップS13:第3原料本計量)、および第4原料ホッパ3Dから計量ホッパ15に定量の原料を供給するための本計量(ステップS14:第4原料本計量)がこの順に実行される。
図5Aおよび図5Bは、予備計量の流れを示すフローチャートである。
1バッチ目のロードセル計量処理では、第1原料本計量に先立ち、第1原料ホッパ3Aに収容されている原料についての予備計量が行われ、第1原料本計量では、配合比に応じた目標量から予備計量での計量ホッパ15への原料の供給量を差し引いた量が定量とされる。同様に、第2原料本計量に先立ち、第2原料ホッパ3Bに収容されている原料についての予備計量が行われ、第2原料本計量では、配合比に応じた目標量から予備計量での計量ホッパ15への原料の供給量を差し引いた量が定量とされる。また、第3原料本計量に先立ち、第3原料ホッパ3Cに収容されている原料についての予備計量が行われ、第3原料本計量では、配合比に応じた目標量から予備計量での計量ホッパ15への原料の供給量を差し引いた量が定量とされる。さらに、第4原料本計量に先立ち、第4原料ホッパ3Dに収容されている原料についての予備計量が行われ、第4原料本計量では、配合比に応じた目標量から予備計量での計量ホッパ15への原料の供給量を差し引いた量が定量とされる。
予備計量では、まず、スクリューフィーダ9の大供給運転が開始される(ステップS21)。大供給運転では、フィードモータ12(スクリューオーガ11)が所定の第1回転速度で駆動される。
スクリューフィーダ9の大供給運転の開始後、ロードセル18による計量値Wが所定の第1停止量に達したか否かが判定される(ステップS22)。計量値Wが第1停止量に達するまで、スクリューフィーダ9の大供給運転による原料ホッパ3から計量ホッパ15への原料の供給が続けられる。
計量値Wが第1停止量に達すると(ステップS22のYES)、フィードモータ12が停止されて、スクリューフィーダ9の大供給運転が停止される(ステップS23)。
その後、所定時間が経過するまで待機される(ステップS24)。この間に、フィードモータ12の停止時点でスクリューフィーダ9の排出口13と計量ホッパ15との間の空中を落下していた原料が計量ホッパ15に載る。
所定時間が経過すると、現在の計量値Wからフィードモータ12の停止時点での計量値が差し引かれることにより、フィードモータ12の停止時点でスクリューフィーダ9の排出口13と計量ホッパ15との間の空中を落下していた原料の量である大供給落差量ΔW1が取得される(ステップS25)。
たとえば、第1停止量が100gに設定されており、フィードモータ12の停止から所定時間が経過した時点での計量値Wが240gであった場合、大供給落差量ΔW1は、240g−100g=140gとなる。
次に、スクリューフィーダ9の小供給運転が開始される(ステップS26)。小供給運転では、フィードモータ12(スクリューオーガ11)が第1回転速度よりも低い第2回転速度で駆動される。そのため、大供給運転では、スクリューフィーダ9による単位時間あたりの原料の供給量が相対的に大きく、小供給運転では、スクリューフィーダ9による単位時間あたりの原料の供給量が相対的に小さい。
スクリューフィーダ9の小供給運転の開始後、ロードセル18による計量値Wが所定の第2停止量に達したか否かが判定される(ステップS27)。計量値Wが第2停止量に達するまで、スクリューフィーダ9の小供給運転による原料ホッパ3から計量ホッパ15への原料の供給が続けられる。
計量値Wが第2停止量に達すると(ステップS27のYES)、フィードモータ12が停止されて、スクリューフィーダ9の小供給運転が停止される(ステップS28)。
その後、所定時間が経過するまで待機される(ステップS29)。この間に、フィードモータ12の停止時点でスクリューフィーダ9の排出口13と計量ホッパ15との間の空中を落下していた原料が計量ホッパ15に載る。
所定時間が経過すると、現在の計量値Wからフィードモータ12の停止時点での計量値が差し引かれることにより、フィードモータ12の停止時点でスクリューフィーダ9の排出口13と計量ホッパ15との間の空中を落下していた原料の量である小供給落差量ΔW2が取得されて(ステップS30)、予備計量が終了される。
たとえば、第2停止量が270gに設定されており、フィードモータ12の停止から所定時間が経過した時点での計量値Wが300gであった場合、小供給落差量ΔW2は、300g−240g=30gとなる。
図6Aおよび図6Bは、本計量の流れを示すフローチャートである。
本計量では、まず、スクリューフィーダ9の大供給運転が開始される(ステップS41)。この大供給運転では、予備計量での大供給運転と同じく、フィードモータ12(スクリューオーガ11)が第1回転速度で駆動される。
大供給運転の開始と同時に、その開始からの経過時間の計測(計時)が開始される(ステップS42)。
スクリューフィーダ9の大供給運転の開始後、ロードセル18による計量値Wが所定の大供給停止量WHに達したか否かが判定される(ステップS43)。大供給停止量WHは、原料ごとに設定された定量(配合比に応じた目標量)から大供給落差量ΔW1に所定の係数を乗じて得られる乗算値を減算することにより設定される。たとえば、定量が1000gであり、大供給落差量ΔW1が140gであり、係数が1.5である場合、大供給停止量WHは、1000g−140g×1.5=790gに設定される。計量値Wが大供給停止量WHに達するまで、スクリューフィーダ9の大供給運転による原料ホッパ3から計量ホッパ15への原料の供給が続けられる。
計量値Wが大供給停止量WHに達すると(ステップS43のYES)、フィードモータ12が停止されて、スクリューフィーダ9の大供給運転が停止される(ステップS44)。
大供給運転の停止と同時に、経過時間の計測(計時)が停止される(ステップS45)。
そして、大供給運転の開始から停止までの経過時間が求められ、その経過時間が大供給運転時間として取得される(ステップS46)。
その後、所定時間が経過するまで待機される(ステップS47)。この間に、フィードモータ12の停止時点でスクリューフィーダ9の排出口13と計量ホッパ15との間の空中を落下していた原料、つまり大供給落差量ΔW1の原料が計量ホッパ15に載る。
所定時間が経過すると(ステップS47のYES)、次に、スクリューフィーダ9の小供給運転が開始される(ステップS48)。この小供給運転では、予備計量での小供給運転と同じく、フィードモータ12(スクリューオーガ11)が第2回転速度で駆動される。
小供給運転の開始と同時に、その開始からの経過時間の計測(計時)が開始される(ステップS49)。
スクリューフィーダ9の小供給運転の開始後、ロードセル18による計量値Wが所定の小供給停止量WLに達したか否かが判定される(ステップS50)。小供給停止量WLは、原料ごとに設定された定量から小供給落差量ΔW2を減算することにより設定される。たとえば、定量が1000gであり、小供給落差量ΔW2が30gである場合、小供給停止量WLは、1000g−30g=970gに設定される。計量値Wが小供給停止量WLに達するまで、スクリューフィーダ9の小供給運転による原料ホッパ3から計量ホッパ15への原料の供給が続けられる。
計量値Wが小供給停止量WLに達すると(ステップS50のYES)、フィードモータ12が停止されて、スクリューフィーダ9の小供給運転が停止される(ステップS51)。
小供給運転の停止と同時に、経過時間の計測(計時)が停止される(ステップS52)。
そして、小供給運転の開始から停止までの経過時間が求められ、その経過時間が小供給運転時間として取得される(ステップS53)。
小供給運転の停止後、所定時間が経過するまで待機される(ステップS54)。この間に、フィードモータ12の停止時点でスクリューフィーダ9の排出口13と計量ホッパ15との間の空中を落下していた原料、つまり小供給落差量ΔW2の原料が計量ホッパ15に載る。その結果、計量ホッパ15内に貯留されている原料の量が定量(配合比に応じた目標量)に一致する。
その後、ロードセル18による計量値Wが定量と許容誤差範囲内で一致しているか否かが確認される(ステップS55)。計量値Wが定量と許容誤差範囲内で一致していれば、本計量が終了されて、次の処理(次の原料についての本計量または混合供給処理)が開始される。一方、計量値Wが定量と許容誤差範囲内で一致していない場合には、計量ホッパ15内の原料が排出されて、本計量が再び実行されるか、または、エラーが出力されて、計量装置1の動作が停止される。
2バッチ目のロードセル計量処理(本計量)が実行されることにより、第1原料ホッパ3A、第2原料ホッパ3B、第3原料ホッパ3Cおよび第4原料ホッパ3Dの個々について、大供給運転時間および小供給運転時間が取得される。また、3バッチ目のロードセル計量処理(本計量)が実行されることにより、第1原料ホッパ3A、第2原料ホッパ3B、第3原料ホッパ3Cおよび第4原料ホッパ3Dの個々について、大供給運転時間および小供給運転時間が取得される。さらに、4バッチ目のロードセル計量処理(本計量)が実行されることにより、第1原料ホッパ3A、第2原料ホッパ3B、第3原料ホッパ3Cおよび第4原料ホッパ3Dの個々について、大供給運転時間および小供給運転時間が取得される。これにより、4バッチ目のロードセル計量処理が終了した時点では、第1原料ホッパ3A、第2原料ホッパ3B、第3原料ホッパ3Cおよび第4原料ホッパ3Dの個々について、3つの大供給運転時間および3つの小供給運転時間が取得されることになる。
4バッチ目のロードセル計量処理が終了した時点で、制御部31により、図3に示されるように、第1原料ホッパ3A、第2原料ホッパ3B、第3原料ホッパ3Cおよび第4原料ホッパ3Dの個々について、3つの大供給運転時間の平均値および3つの小供給運転時間の平均値が求められて、その平均値がそれぞれ大供給切出時間THおよび小供給切出時間TLに設定される。すなわち、第1原料ホッパ3Aについての3つの大供給運転時間の平均値および3つの小供給運転時間の平均値は、それぞれ第1原料ホッパ3Aについての大供給切出時間THおよび小供給切出時間TLに設定される。同様に、第2原料ホッパ3Bについての3つの大供給運転時間の平均値および3つの小供給運転時間の平均値は、それぞれ第2原料ホッパ3Bについての大供給切出時間THおよび小供給切出時間TLに設定される。また、第3原料ホッパ3Cについての3つの大供給運転時間の平均値および3つの小供給運転時間の平均値は、それぞれ第3原料ホッパ3Cについての大供給切出時間THおよび小供給切出時間TLに設定される。さらに、第4原料ホッパ3Dについての3つの大供給運転時間の平均値および3つの小供給運転時間の平均値は、それぞれ第4原料ホッパ3Dについての大供給切出時間THおよび小供給切出時間TLに設定される。
図7は、時間計量処理の流れを示すフローチャートである。
時間計量処理では、第1原料ホッパ3Aから計量ホッパ15に定量の原料を供給するための時間計量(ステップS61A:第1原料時間計量)、第2原料ホッパ3Bから計量ホッパ15に定量の原料を供給するための時間計量(ステップS61B:第2原料時間計量)、第3原料ホッパ3Cから計量ホッパ15に定量の原料を供給するための時間計量(ステップS61C:第3原料時間計量)、および第4原料ホッパ3Dから計量ホッパ15に定量の原料を供給するための時間計量(ステップS61D:第4原料時間計量)が並列に実行される。これにより、第1原料ホッパ3A、第2原料ホッパ3B、第3原料ホッパ3Cおよび第4原料ホッパ3Dから計量ホッパ15に、各原料が並行して供給される。
第1原料時間計量、第2原料時間計量、第3原料時間計量および第4原料時間計量は、すべての時間計量が同時に開始されてもよい。また、第1原料時間計量、第2原料時間計量、第3原料時間計量および第4原料時間計量は、すべての時間計量が同時に終了するように、各時間計量の開始タイミングが設定されてもよいし、最も時間を要する時間計量の開始後に、その他の時間計量が開始され、最も時間を要する時間計量の終了前に、その他の時間計量が終了するように、各時間計量の開始タイミングが設定されてもよい。これらの場合、計量ホッパ15内で各原料が分散して収容されるので、混合供給処理において、混合ユニット19で各原料をむらなく混合させることができる。その結果、各原料がむらなく混合された材料を成形機2に供給することができ、成形機2で製造される樹脂成形品の色ずれの発生などを抑制することができる。
第1原料時間計量、第2原料時間計量、第3原料時間計量および第4原料時間計量の実行後、ロードセル18による計量値Wが定量と許容誤差範囲内で一致しているか否かが確認される(ステップS62)。計量値Wが定量と許容誤差範囲内で一致していれば、時間計量処理が終了されて、混合供給処理が開始される。一方、計量値Wが定量と許容誤差範囲内で一致していない場合には、計量ホッパ15内の原料が排出されて、ロードセル計量処理が実行されるか、または、エラーが出力されて、計量装置1の動作が停止される。ロードセル計量処理が実行される場合、第1原料ホッパ3A、第2原料ホッパ3B、第3原料ホッパ3Cおよび第4原料ホッパ3Dの個々について、大供給運転時間および小供給運転時間が取得される。そして、今回、前回および前々回に取得された大供給運転時間および小供給運転時間の各平均値が求められて、第1原料ホッパ3A、第2原料ホッパ3B、第3原料ホッパ3Cおよび第4原料ホッパ3Dの個々についての大供給切出時間THおよび小供給切出時間TLが更新される。次の時間計量処理では、更新後の大供給切出時間THおよび小供給切出時間TLが使用される。
図8Aおよび図8Bは、各時間計量の流れを示すフローチャートである。
時間計量では、まず、スクリューフィーダ9の大供給運転が開始される(ステップS71)。この大供給運転では、予備計量および本計量での大供給運転と同じく、フィードモータ12(スクリューオーガ11)が第1回転速度で駆動される。
スクリューフィーダ9の大供給運転の開始後、その開始から大供給切出時間THが経過したか否かが判定される(ステップS72)。大供給運転の開始から大供給切出時間THが経過するまで、スクリューフィーダ9の大供給運転による原料ホッパ3から計量ホッパ15への原料の供給が続けられる。
大供給運転の開始から大供給切出時間THが経過すると(ステップS72のYES)、フィードモータ12が停止されて、スクリューフィーダ9の大供給運転が停止される(ステップS73)。
その後、所定時間が経過するまで待機される(ステップS74)。この間に、フィードモータ12の停止時点でスクリューフィーダ9の排出口13と計量ホッパ15との間の空中を落下していた原料、つまり大供給落差量ΔW1の原料が計量ホッパ15に載る。
所定時間が経過すると(ステップS74のYES)、次に、スクリューフィーダ9の小供給運転が開始される(ステップS75)。この小供給運転では、予備計量および本計量での小供給運転と同じく、フィードモータ12(スクリューオーガ11)が第2回転速度で駆動される。
スクリューフィーダ9の小供給運転の開始後、その開始から小供給切出時間TLが経過したか否かが判定される(ステップS76)。小供給運転の開始から小供給切出時間TLが経過するまで、スクリューフィーダ9の小供給運転による原料ホッパ3から計量ホッパ15への原料の供給が続けられる。
小供給運転の開始から小供給切出時間TLが経過すると(ステップS76のYES)、フィードモータ12が停止されて、スクリューフィーダ9の小供給運転が停止される(ステップS77)。
その後、所定時間が経過するまで待機される(ステップS77)。この間に、フィードモータ12の停止時点でスクリューフィーダ9の排出口13と計量ホッパ15との間の空中を落下していた原料、つまり小供給落差量ΔW2の原料が計量ホッパ15に載る。その結果、当該原料について、計量ホッパ15に供給された量が定量(配合比に応じた目標量)に一致する。
8バッチ目の計量処理では、ロードセル計量処理が実行される。このロードセル計量処理が実行されることにより、第1原料ホッパ3A、第2原料ホッパ3B、第3原料ホッパ3Cおよび第4原料ホッパ3Dの個々について、大供給運転時間および小供給運転時間が新たに取得される。
8バッチ目のロードセル計量処理が終了すると、制御部31により、図3に示されるように、第1原料ホッパ3A、第2原料ホッパ3B、第3原料ホッパ3Cおよび第4原料ホッパ3Dの個々について、8バッチ目、4バッチ目および3バッチ目のロードセル計量処理で取得された大供給運転時間および小供給運転時間の各平均値が求められて、第1原料ホッパ3A、第2原料ホッパ3B、第3原料ホッパ3Cおよび第4原料ホッパ3Dの個々についての大供給切出時間THおよび小供給切出時間TLが更新される。以降、ロードセル計量処理が実行される度に、そのロードセル計量処理で新たに取得された大供給運転時間および小供給運転時間を用いて、第1原料ホッパ3A、第2原料ホッパ3B、第3原料ホッパ3Cおよび第4原料ホッパ3Dの個々についての大供給切出時間THおよび小供給切出時間TLが更新される。
以上のように、ロードセル計量処理では、第1原料ホッパ3Aから計量ホッパ15に定量の原料を供給するための第1原料本計量、第2原料ホッパ3Bから計量ホッパ15に定量の原料を供給するための第2原料本計量、第3原料ホッパ3Cから計量ホッパ15に定量の原料を供給するための第3原料本計量、および第4原料ホッパ3Dから計量ホッパ15に定量の原料を供給するための第4原料本計量が順次に実行される。
各本計量では、スクリューフィーダ9による単位時間あたりの原料の供給量が相対的に大きい大供給運転での原料の供給が開始され、ロードセル18による計量値Wが所定の大供給停止量WHに達すると、スクリューフィーダ9による原料の供給が停止される。その後、スクリューフィーダ9による単位時間あたりの原料の供給量が相対的に小さい小供給運転での原料の供給が開始され、ロードセル18による計量値Wが所定の小供給停止量WLに達すると、スクリューフィーダ9による原料の供給が停止される。また、大供給運転での原料の供給の開始から終了までのスクリューフィーダ9の大供給運転時間と、小供給運転での原料の供給の開始から終了までのスクリューフィーダ9の小供給運転時間とがそれぞれ計測される。その結果、ロードセル計量処理(本計量)が実行されることにより、第1原料ホッパ3A、第2原料ホッパ3B、第3原料ホッパ3Cおよび第4原料ホッパ3Dの個々について、大供給運転時間および小供給運転時間が取得される。
そして、1バッチごとのロードセル計量処理が複数のバッチ(この実施形態では、3バッチ)にわたって実行された後、第1原料ホッパ3A、第2原料ホッパ3B、第3原料ホッパ3Cおよび第4原料ホッパ3Dの個々について、各ロードセル計量処理で計測された大供給運転時間の平均値および小供給運転時間の平均値がそれぞれ大供給切出時間THおよび小供給切出時間TLとして取得される。
時間計量処理では、第1原料ホッパ3Aから計量ホッパ15に定量の原料を供給するための第1原料時間計量、第2原料ホッパ3Bから計量ホッパ15に定量の原料を供給するための第2原料時間計量、第3原料ホッパ3Cから計量ホッパ15に定量の原料を供給するための第3原料時間計量、および第4原料ホッパ3Dから計量ホッパ15に定量の原料を供給するための第4原料時間計量が並列に実行される。
各時間計量では、スクリューフィーダ9による大供給運転での原料の供給が開始され、その開始から大供給切出時間THが経過すると、スクリューフィーダ9による原料の供給が停止され、その後、スクリューフィーダ9による小供給運転での原料の供給が開始され、その開始から小供給切出時間TLが経過すると、スクリューフィーダ9による原料の供給が停止される。
時間計量処理では、第1原料時間計量、第2原料時間計量、第3原料時間計量および第4原料時間計量が並列に実行されることにより、第1原料本計量、第2原料本計量、第3原料本計量および第4原料本計量が直列に実行されるロードセル計量処理と比較して、原料の定量計量に要する時間を大幅に短縮することができる。
原料の定量計量に要する時間を短縮できるので、計量ホッパ15の容量を小さくして、1回の混合供給処理に対して複数回の計量処理が行われるようにしても、計量処理の開始から混合供給処理の終了までに要する時間が増加することを抑制できる。1回の混合供給処理に対して複数回の計量処理が行われることにより、混合ユニット19内に各原料が分散して収容されるので、混合供給処理において、混合ユニット19で各原料をむらなく混合させることができる。その結果、各原料がむらなく混合された材料を成形機2に供給することができ、成形機2で製造される樹脂成形品の色ずれの発生などを一層抑制することができる。
また、ロードセル計量処理および時間計量処理において、スクリューフィーダ9の大供給運転が行われることにより、原料を計量ホッパ15に迅速に供給することができるので、原料の定量計量に要する時間を短縮することができる。また、ロードセル計量処理および時間計量処理において、スクリューフィーダ9の小供給運転が行われることにより、計量ホッパ15内の原料の質量を目標である定量に精度よく近づけることができる。よって、ロードセル計量処理および時間計量処理において、原料の定量計量に要する時間を短縮することができながら、計量精度を向上させることができる。
また、複数のバッチにわたるロードセル計量処理で計測された大供給運転時間の平均値および小供給運転時間の平均値がそれぞれ大供給切出時間THおよび小供給切出時間TLとして取得されるので、時間計量処理でのスクリューフィーダ9の大供給運転での運転時間となる大供給切出時間THおよび小供給運転での運転時間となる小供給切出時間TLをそれぞれ正確に設定することができる。その結果、時間計量処理での計量精度を向上させることができる。
時間計量処理が複数のバッチ(この実施形態では、3バッチ)にわたって実行された後、ロードセル計量処理が再び実行され、ロードセル計量処理の再実行中に計測された大供給運転時間および小供給運転時間に基づいて、それぞれ大供給切出時間および小供給切出時間が更新される。これにより、大供給切出時間THおよび小供給切出時間TLをより正確に設定することができる。その結果、時間計量処理での計量精度を一層向上させることができる。
なお、制御部31による各処理のためのプログラムは、制御部31に含まれるマイクロコンピュータにプリインストールされていてもよいし、そのマイクロコンピュータに追加インストールすることも可能である。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、他の形態で実施することもできる。
たとえば、計量装置1には、4つの原料ホッパ3が備えられているとしたが、原料ホッパ3の数は、4つに限らない。計量装置1には、少なくとも1つの原料ホッパ3が備えられていればよい。
また、4つの原料ホッパ3にそれぞれ異なる種類の原料が貯留されている場合を例にとったが、計量装置1に複数の原料ホッパ3が備えられる場合、複数の原料ホッパ3に同種の原料が貯留されてもよい。
また、ロードセル計量処理および時間計量処理において、スクリューフィーダ9の大供給運転および小供給運転が行われるとしたが、フィードモータ12(スクリューオーガ11)の回転速度が一定に設定されて、スクリューフィーダ9の供給運転の態様が一定であってもよい。この場合、スクリューフィーダ9の供給運転の開始後、ロードセル18による計量値Wが所定の停止量に達すると、フィードモータ12が停止されて、スクリューフィーダ9の供給運転が停止され、その後、所定時間が経過すると、現在の計量値Wからフィードモータ12の停止時点での計量値が差し引かれることにより、フィードモータ12の停止時点でスクリューフィーダ9の排出口13と計量ホッパ15との間の空中を落下していた原料の量である落差量が取得されるとよい。そして、本計量では、スクリューフィーダ9の供給運転の開始後、ロードセル18による計量値Wが原料ごとに設定された定量(配合比に応じた目標量)から落差量を減算した値に達すると、フィードモータ12が停止されて、スクリューフィーダ9の供給運転が停止されるとよい。また、本計量におけるスクリューフィーダ9の運転時間に基づいて、切出時間が設定され、時間計量処理では、スクリューフィーダ9の供給運転の開始から切出時間が経過すると、フィードモータ12が停止されて、スクリューフィーダ9の供給運転が停止されるとよい。
その他、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。