JP6156215B2 - 空気調和機、および空気調和機の制御方法 - Google Patents

空気調和機、および空気調和機の制御方法 Download PDF

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Description

この発明は、電力会社等からのデマンド要求に応じたデマンド管理制御を行う空気調和機に関するものである。
近年、地球温暖化対策への取り組みが世界的に進められており、その一環として各家電製品の省エネルギー化が求められている。その中で空気調和機に対しては最大需要電力の増大に伴い、電力需要に応じた使用電力のデマンド管理への需要が高まりつつあり、ビル等で使用されるような業務用の空気調和機に対してだけでなく、家庭用の空気調和機に対してもデマンド管理が求められている。なかでも、オーストラリアではオーストラリア規格[AS4755]に基づいたデマンド管理が施行されている。
オーストラリア規格[AS4755]では、DRED(DEMAND RESPONSE ENABLING DEVICE)と呼ばれる装置と空気調和機を接続することが定められている。装置の動作としては、まず、電力供給者側の遠隔操作装置からDREDに使用電力の制限要求すなわちデマンド要求が入ると、DREDは空気調和機に使用電力の制限およびその制限要求レベルの信号すなわちデマンド信号を送信する。空気調和機は、デマンド信号を受信すると、その制限要求レベルに応じて、空気調和機の電力使用量を制限する。これにより、電力需要が集中することを緩和することができる。
デマンド信号の制限要求レベルを判別するには、例えば、DREDからデジタル信号にて出力されるデマンド信号を分圧抵抗回路にてアナログ電圧に変換し、そのアナログ電圧値を空気調和機に搭載した制御基板上のマイコンのA/D変換回路で検出することで使用電力の制限要求レベルを判別している(特許文献1)。
一方、空気調和機では、デマンド管理以外でも、省エネルギー化のため、空気調和機の冷媒を循環させる冷媒回路各部の温度および室内外の空気温度の検出、モータや電磁弁などのアクチュエータに供給する電流・電圧の検出および複数のアクチュエータの同時駆動などを行っている。そのため、制御基板上のマイコンは、多数のセンサやアクチュエータとコネクタを介して接続され、それらを制御しており、多数のコネクタと多数のA/D変換回路を使用している。また、制御基板上には、マイコンなどのデータを読み書きする機能も備えており、ユーザーが製品を使用するときには使用しないが、マイコンなどのデータを読み書きするときのみ、そのマイコンのデータを送受信する機材とそのマイコンとを接続し使用する専用の通信用のコネクタも備えている。
特開2013−79772号公報
従来の特許文献1のようなデマンド管理機能を搭載した空気調和機では、DREDから出力される制限要求レベルをマイコンのA/D変換回路を使って取り込むため、マイコンのA/D変換回路を必要とする。マイコンに搭載されるA/D変換回路の数は8回路程度と数に限りがあるが、そのほとんどは、空気調和機の制御のため、各種センサに接続され、各部の温度や電流・電圧を検出している。すなわち、8回路程度は、空気調和機のため制御に用いられるのが、一般的である。よって、デマンド信号の制限要求レベルの判断にマイコンのA/D変換回路を使用する構成では、数に限りのあるA/D変換回路を使用するために空気調和機の制御に必要な各種センサの数を減らす必要があり、課題がある。
また、デマンド管理機能を搭載した空気調和機には、デマンド管理を使用する、しないに関わらず、空気調和機を制御する制御基板上にDREDから送信される信号を受信するコネクタや受信回路の搭載が必要となる。したがって、従来の制御基板より、コネクタ数が増加し、基板の面積も大きくなり、コストが高くなることは課題であるが、さらに、空気調和機の制御基板上には、各種センサやアクチュエータを接続するコネクタが多数搭載されているので、コネクタ数が多くなると、間違ったコネクタへセンサやアクチュエータを接続する誤接続が発生しやすくなることも課題である。誤接続を防止するため、コネクタの色の違うものや形状の異なるものを使用して区別を付けることが一般的であるが、種類に限界があり、他の対策が必要である。
一方、空気調和機の制御基板上のコネクタの中には、ユーザーの使用条件や設置条件によって使用することはない、空コネクタも多数ある。例えば、マイコンなどのデータを読み書きするための機材を接続する通信用のコネクタは、ユーザーが製品を使用している場合には空きコネクタとなっている。DREDを接続するコネクタも、デマンド管理機能を使用せず、DREDを接続しないときには空きコネクタとなる。空きコネクタは、いつでも使用できる状態となっているため、空きコネクタのコネクタ端子に伝搬あるいは直接、外来の電波ノイズや、誘導ノイズ、伝搬ノイズが侵入し、マイコンが信号の誤認をして空気調和機の誤動作の原因となったり、コネクタ内のコネクタ端子が電極として露出しているので、塵埃などで短絡を起こし、空気調和機の故障の原因となったりする。よって、空きコネクタであっても、不要な信号の侵入防止や塵埃対策などの多くの対策を行っており、コネクタの増加はこれらの対策の増加となり、課題がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、空気調和機の制御基板は、デマンド信号送信機と接続するコネクタとマイコンの入力端子を専用に設けることなく、デマンド信号送信機からデマンド信号を受信しデマンド管理制御することができる空気調和機を得ることが目的である。
空気調和機は、室外制御基板に備えたコネクタに、マイコンの制御プログラムあるいは記憶媒体の制御パラメータを送信するデータ送受信機が接続された場合には、マイコンは、コネクタにシリアル送受信回路を接続し、制御プログラムを受信してマイコンに書き込みあるいは制御パラメータを受信して記憶媒体に書き込み、コネクタにデマンド信号を送信するデマンド信号送信機が接続された場合には、マイコンは、コネクタに入力回路を接続し、デマンド信号を受信して空気調和機の消費電力を制御するようにしたものである。
空気調和機は、室外制御基板に備えたコネクタに、マイコンの制御プログラムあるいは記憶媒体の制御パラメータを送受信するデータ送受信機が接続された場合には、マイコンは、コネクタにシリアル送受信回路を接続し、制御プログラムを受信してマイコンに書き込みあるいは制御パラメータを受信して記憶媒体に書き込み、コネクタにデマンド信号を送信するデマンド信号送信機が接続された場合には、マイコンは、コネクタに入力回路を接続し、デマンド信号を受信して空気調和機の消費電力を制御するようにしたので、デマンド信号送信機と接続するコネクタとマイコンの入力端子を専用に設けることなく、デマンド信号送信機からデマンド信号を受信しデマンド管理制御することができる空気調和機を得ることができる。
この発明の実施の形態1における空気調和機の全体図である。 この発明の実施の形態1における冷凍サイクル回路の概略の説明図である。 この発明の実施の形態1における空気調和機の室外機制御基板の機能ブロック図である。 この発明の実施の形態1におけるデマンド管理システムの概念図である。 この発明の実施の形態1におけるDREDの説明図である。 この発明の実施の形態1におけるDREDを使ったデマンド管理運転の一例を説明する図である。 この発明の実施の形態1におけるDREDを使ったデマンド管理運転の別例を説明する図である。 この発明の実施の形態1における室外機制御基板とデータ送受信機およびデマンド信号送信機との接続方法の説明図である。 この発明の実施の形態1における室外機制御基板とDREDを接続したときの全体図である。 この発明の実施の形態1における論理回路の補足説明図である。 この発明の実施の形態1における室外機制御基板とデータ送受信機を接続したときの全体図である。 この発明の実施の形態1におけるマイコンの補足説明図である。 この発明の実施の形態2における室外機制御基板とDREDを接続したときの全体図である。 この発明の実施の形態2における制御フローチャート図である。 この発明の実施の形態3における室外機制御基板とDREDを接続したときの全体図である。 この発明の実施の形態3における制御フローチャート図である。 この発明の実施の形態4における室外機制御基板とDREDを接続したときの全体図である。 この発明の実施の形態4における制御フローチャート図である。
実施の形態1.
図1は、空気調和機の全体構成図である。空気調和機10は、部屋の中に設置される室内機100と戸外に設置される室外機200にて構成されている。室内機100には、室内の空気と冷媒との熱交換を行う室内熱交換器101と、その室内熱交換器101に室内の空気を送風する室内ファン102と、その室内ファン102を制御する室内機制御基板103と、を搭載している。室外機200には、室外の外気と冷媒との熱交換を行う室外熱交換器201と、その室外熱交換器201に室内の空気を送風する室外ファン202と、を搭載している。さらに、室外機200には、室内機100と室外機200との間を循環する冷媒を圧縮する圧縮機204と、冷媒を減圧する膨張弁205と、それら室外ファン202、圧縮機204、膨張弁205を制御する室外機制御基板203と、を搭載している。
一方、室内機100と室外機200とは、内外接続配管104で接続されている。これにより、室内機100と室外機200との間を冷媒が循環する冷凍サイクル回路が構成される。冷媒は、R410A冷媒、R407C冷媒、R32冷媒などのHFC冷媒が使用される。空気調和機では、これらの冷媒を用いて、室外から熱エネルギーを吸収して、室内に運び、室内に熱エネルギーを放出して、暖房を行ったり、室内から熱エネルギーを吸収して、室外に運び、室外に熱エネルギーを排出して、冷房を行ったりする。
図2は、空気調和機10の冷凍サイクル回路の概略図である。符号は、図1と同じである。図1では省略したが、内外接続配管104を接続するために、室内機100には接続口105、106と、室外機200には接続口206、207が備えられている。また、室外機200には、冷媒の循環方向を変えるための四方弁208も備えられている。室外機200の接続口206と四方弁208、四方弁208と圧縮機204、圧縮機204と室外熱交換器201、室外熱交換器201と膨張弁205、膨張弁205と室外機200の接続口207、は、それぞれ室外機200内で冷媒配管にて接続されている。室内熱交換器101の出入口も室内機100の接続口105、106と接続されている。空気調和機10は、室内機100の接続口105、106と、室外機200の接続口206、207を内外接続配管104にて接続することで、冷媒を循環させることができる冷凍サイクル回路が構成することができる。
冷凍サイクル回路中の冷媒の流れを概略説明する。例えば、冷房の場合、室外機200の接続口206から流入する冷媒は、まず、圧縮機204で圧縮され、室外熱交換器201へ送られる。室外熱交換器201に送られた冷媒は、室外ファン202から送られる外気と熱交換を行い、外気に熱エネルギーを放出して凝縮する。凝縮した冷媒は、室外熱交換器201から膨張弁205に送られる。膨張弁205では、冷媒を減圧、膨張させ、室外機200の接続口207、内外接続配管104、室内機100の接続口105を介して、室内熱交換器101に送られる。室内熱交換器101に送られた冷媒は、室内ファン102から送られる室内の空気と熱交換を行い、室内の空気から熱エネルギーを吸収して蒸発する。蒸発した冷媒は、室内熱交換器101から、室内機100の接続口106、内外接続配管104、室外機200の接続口206を介して、再び、圧縮機204に流入する。このように、冷媒が圧縮、蒸発、膨張、凝縮を繰り返し、室内機100と室外機200と間を循環することにより、外気から室内の空気に熱エネルギーを運び、室内の暖房が行われる。
暖房の場合は、冷媒は、冷房の逆方向に循環する。すなわち、圧縮機204から接続口206、内外接続配管104、接続口106を経て、室内熱交換器101に送られ、そして、室内熱交換器101から接続口105、内外接続配管104、接続口207、膨張弁205を経て、室外熱交換器201を通って、圧縮機204に戻る。このとき、外気から熱エネルギー吸収して、室内の空気へ熱エネルギーを放出することで、室内の冷房が行われる。この循環の切り替えは、四方弁208にて行う。
以上のように、冷凍サイクル回路では、冷媒の圧縮、蒸発、膨張、凝縮により、熱エネルギーの移動を行っており、冷媒の圧縮にて使用するエネルギーが最も大きい。必然的に、圧縮機204の消費電力は大きく、空気調和機10にて消費される大部分の消費電力は、圧縮機204によって消費される。よって、オーストラリア規格[AS4755]のデマンド管理方法では、圧縮機204の消費電力量の抑制によって、空気調和機10全体の消費電力を抑制する。
図3に室外機200の室外機制御基板203の機能の一例を示すブロック図を示す。301は、室外機制御基板203に搭載されたマイコンである。マイコン301は、マイコン301内の回路とマイコン301の外の回路とをつなぐ端子を備えており、マイコン301内の各回路は、予め決められた端子に配線されている。マイコン301を使用した回路を設計するユーザーは、外部に構成した回路とマイコン301の端子を接続することで、マイコン301内の回路が出力する信号をマイコン301の外の回路に伝達したり、マイコン301の外の回路から入力される信号をマイコン301内の回路に取り込んだりすることができる。
マイコン301は、内部のメモリに書き込まれたプログラム、例えば、検出回路にて温度や電流、電圧を検出し、圧縮機や室外ファン、膨張弁などを制御したり、室内と通信したりする制御プログラムなどに従い、演算を行う演算回路と、その演算回路に接続され、演算回路が出力する信号、あるいは、演算回路に入力される信号を予め決められた処理をする、PWM信号生成回路、A/D変換回路、シリアル送受信回路、入力回路、出力回路とから構成されている。各回路の機能は、後述するが、マイコン301は、演算回路が出力する信号を各回路が処理しマイコン301の端子を介して外部に出力したり、マイコン301の端子を介して入力された信号を各回路が処理し演算回路に伝達したりしている。
圧縮機204は、圧縮機駆動回路302とコネクタ303を介して、マイコン301の端子であるPWM出力端子と接続されている。PWM出力端子は、マイコン301内のPWM(PULSE WIDTH MODULATION)信号生成回路と接続された端子で、PWM信号生成回路はマイコン301内の演算回路にて制御プログラムに従い計算されたデータによってPWM信号を出力する回路である。マイコン301から出力されるPWM信号はマイコン301の端子を介して圧縮機駆動回路302に伝達される。
圧縮機駆動回路302は、駆動電力を圧縮機204に伝達する回路で、例えば、商用電源を基に高電圧・高電流の電力を圧縮機204に供給する。そのとき、圧縮機駆動回路302では、PWM信号によって変換された、商用電源の交流とは異なる電圧および周波数の交流を圧縮機204に供給する。一般的に、圧縮機駆動回路302と、それを制御するマイコン301および各種検出器を合わせて、インバータ回路と称している。
圧縮機駆動回路302は、高電圧・高電流を伝達するので、発熱が大きく、自己発熱にて破損しないように、冷却装置、例えば放熱フィンが取り付けられている。放熱フィンは、アルミニウムや銅でできた、表面積が広くなるような形状、例えば板や棒の生えた剣山状の形状あるいは蛇腹状の形状の部品で、周囲の空気に圧縮機駆動回路302から伝達されてくる熱を逃がし、圧縮機駆動回路302を冷却する。
圧縮機204は、密閉容器に内に電動機構部と圧縮機構部と備え、シャフトにて電動機構部と圧縮機構部とが接続されたものである。
電動機構部は、誘導モータあるいはDCモータで構成されている。モータの種類に関わらず、回転して駆動力を発生させる回転子と、外部から電圧を印加し磁極に磁束を発生させ、その磁束を回転子に作用させることによって回転子を回転させる固定子と、で構成されている。近年では、省エネ化のため回転子に磁石が搭載され磁束損失を小さくしたDCモータが主流である。DCモータの場合、回転子の磁石の位置によって固定子に印加する電圧の方向を切り替える必要があり、モータに流れる電流から回転子の磁石の位置を計算する方法が一般的である。そのため、圧縮機204と圧縮機駆動回路302と接続する結線上にモータの電流検出器304を備え、電流検出器304の出力端子とマイコン301のアナログ端子とが接続されている。圧縮機では、三相モータが使われることが多く、電流検出器304も三相分の電流が検出できる分だけ備えられている。
マイコン301のアナログ端子は、マイコン301内のA/D変換回路と接続された端子であり、A/D変換回路は端子を介して入力される電圧値をデジタルデータに変換して、マイコン301内の演算回路にデータを取り込むものである。電流検出器304は、電流検出器304を通過する電流量に対応した電圧を出力端子から出力する部品であり、電流検出器304が出力する電圧値をマイコン301内のA/D変換回路を介して演算回路に取り込む。マイコン301内の演算回路は、電流検出器304を通過する電流量すなわち圧縮機駆動回路302から圧縮機204に流れる電流値を得て、この電流値に基づき回転子の磁石の位置を計算する。
また、圧縮機駆動回路302から圧縮機204のモータに印加される電圧がマイコン301にて計算された通りの電圧となるように、電圧を検出している場合もある。電圧は、商用電源から圧縮機駆動回路302に電力供給する結線上の予め定められた箇所に電圧検出器305を備え、電圧検出器305の出力端子とマイコン301のアナログ端子とが接続されている。電圧検出器305の出力は、マイコン301内のA/D変換回路を介して演算回路に取り込まれ、圧縮機204のモータに印加される電圧の調整に使われる。
圧縮機構は、モータによって駆動され、圧縮機構に吸入した冷媒を圧縮し、圧縮機204から吐出する。モータの回転速度によって、単位時間あたりの冷媒の圧縮量すなわち冷凍サイクル回路内を循環させる冷媒量を可変することができる。したがって、マイコン301では、インバータ回路を通して、固定子に印加する交流の電圧の極性を、回転子の磁石の位置に対応した電圧極性に切り替えつつ、その交流の電圧および周波数を可変することで、モータの回転速度を増減して、冷凍サイクル回路内を循環させる冷媒量を制御する。
圧縮機204の消費電力量は、時間当たりの圧縮回数すなわち冷媒の循環量によって増減することから、オーストラリア規格[AS4755]のデマンド管理方法では、圧縮機204のモータの回転速度を低下させることによって、圧縮機204の消費電力を抑制している。
同様に、室外ファン202は、室外ファン駆動回路306とコネクタ307を介して、マイコン301の第2のPWM出力端子と接続されている。室外ファン202は、風を起こすファンとファンを回転させるモータにて構成され、圧縮機204同様、マイコン301によって室外ファン202の回転数を変えることができる。室外ファン202は回転数を変えることによって、室外熱交換器201に送る風量を変え、冷媒の蒸発量あるいは凝縮量を変える。近年では、室外ファン202のモータもDC化され、圧縮機204同様、マイコン301によって、三相のモータ電流を検出し、固定子に印加する電圧の極性を、回転子の磁石の位置に対応した電圧極性に切り替える制御を行っている。よって、室外ファン202についても、圧縮機204同様、室外ファン202と室外ファン駆動回路306と接続する結線上に室外ファン202のモータの電流検出器308を備え、電流検出器308の出力とマイコン301のアナログ端子とを接続し、室外ファン202のモータに流れる電流を検出している。一般的には、室外ファン202のモータも三相モータであり、電流検出器308も三相分の電流が検出できる分だけ備えられている。
膨張弁205は、膨張弁駆動回路309とコネクタ310を介して、マイコン301の端子と接続されている。膨張弁205は、循環する冷媒を減圧するもので、膨張弁205の開度によって、通過する冷媒の流量を可変するものである。マイコン301は、膨張弁205の開度を制御している。
四方弁208は、四方弁駆動回路311とコネクタ312を介して、マイコン301の端子と接続されている。四方弁駆動回路311は、例えばリレーなどのスイッチ類で構成された回路である。マイコン301は、リレーをオン、オフして、四方弁208内の回路を切り替え、冷媒の循環する方向を切り替えている。
吐出温度センサ209は、コネクタ313を介してマイコン301のアナログ端子と接続されている。一般的に、吐出温度センサ209などの温度センサはサーミスタが使用されており、サーミスタはサーミスタの温度検出部の温度によって、抵抗値が変化する抵抗体である。マイコン301は、サーミスタに印加した電圧からサーミスタ両端の電位差をA/D変換回路を介して演算回路に取り込む。演算回路では、サーミスタの抵抗の変化を算出して温度に換算している。なお、吐出温度センサ209は、圧縮機204の吐出側の配管あるいはその近傍の圧縮機204の密閉容器の温度を検出している。
同様に、霜取温度センサ210は、コネクタ314を介して、マイコン301のアナログ端子と接続され、室外熱交換器201の温度を検出している。
フィン温度センサ211は、コネクタ315を介して、マイコン301のアナログ端子と接続され、圧縮機駆動回路302を冷却する放熱フィンの温度を検出している。
室内機100の室内機制御基板103では、室内ファン102の回転数を制御して、送風量を増減させる一方、室内の空気温度や室内熱交換器101の温度や、リモコンから入力されるユーザーの要求情報などを、取り込んでいる。室内機100が保持している情報を、空調制御に使用するため、室内機制御基板103と室外機制御基板203とは、内外通信線212にて接続され、相互に情報通信を行っている。
室外機制御基板203では、内外通信線212はコネクタ316を介してマイコン301に接続されている。室内機制御基板103が取り込んだ、ユーザーの要求情報あるいは室内の空気温度情報などが、内外通信線212を通して室外機制御基板203のマイコン301に取り込まれる。マイコン301では、室内機制御基板103からの情報と室外機制御基板203に接続された各温度センサや電流センサなどから情報を取り込み、圧縮機204の回転数、室外ファン202の回転数、膨張弁205の開度を可変して、冷媒の循環量および蒸発・凝縮量を制御している。これにより、空気調和機全体として、ユーザーの要求に合った空調環境となるように空調制御を行っている。
室外機制御基板203には、これ以外に記憶媒体317例えばEEPROM(ELECTRICALLY ERASABLE PROGRAMMABLE READ-ONLY MEMORY)が搭載されており、マイコン301と記憶媒体317とはそれぞれの端子を介して接続されている。記憶媒体317には、この空気調和機の固有な情報、例えば、圧縮機204の上限回転数などの制御パラメータがデータとして書き込まれている。記憶媒体317の内容を編集することで、室外機制御基板203上の回路構成とマイコン301のプログラムを変えることなく、空気調和機の機能を変更できる。
また、室外機制御基板203には、コネクタ318にデータ送受信機を接続することにより、データ送受信機と室外機制御基板203のデータ送受信回路とがデータ通信を行い、マイコン301の制御プログラムあるいは記憶媒体317の制御パラメータを読み出したり、新たな制御プログラムあるいは新たな制御パラメータを書き込んだりできる機能が設けられている。データ送受信機は、マイコン301の制御プログラムあるいは記憶媒体317の制御パラメータの一方または両方を記憶した記憶部と記憶部のマイコン301の制御プログラムあるいは記憶媒体317の制御パラメータを送受信する通信部で構成される。また、データ送受信回路は、コネクタ318と、マイコン301の通信端子と、マイコンに内蔵されたシリアル送受信回路と、で構成されている。データ送受信機はコネクタ318に接続されることにより、データ送受信機の通信部とマイコン301の通信端子とが接続される。通信端子は、マイコンに内蔵されたシリアル送受信回路、例えばUART(UNIVERSAL ASYNCHRONOUS RECEIVER-TRANSMITTER)の規格の回路と接続されており、一般的に送信端子1本と受信端子1本で構成されている。マイコンに内蔵されたシリアル送受信回路を使用しないときには、マイコン301は、入出力端子の機能に切替え、使用することができる。送信端子と受信端子を入出力端子として使用しているときには、シリアル送受信回路は使用できない。
マイコン301の制御プログラムや記憶媒体317の制御パラメータは数Kbyteと、通信データとしてはデータ量が多いので、マイコン301の演算回路に通信データの復元処理や誤り訂正処理などの演算の負担をかけずに、正確なデータ送受信が行えるシリアル送受信回路を使用することが、一般的である。シリアル送受信回路では、データ送信側にてデータ送信時に冗長符号を加え通信データの誤り訂正機能を持たせるとともに、通信データを一括、連続送信を行い、データ受信側でデータ受信時に通信データの誤り訂正の自動判別を行う。その間、マイコン301の演算回路は、別の処理ができ、通信に対して処理を行う負担が軽減されている。
また、シリアル送受信回路を使用した場合、シリアル送受信回路が通信データを受信完了すると、受信完了の返信を送信側に行う。受信完了の返信が行われるまでは、送信側は次の通信データを送信しないことにより、マイコン301の処理の負担を、シリアル送受信回路の通信にのみ集中させることなく、別の処理ができるように、負担を分散させることができる。
さらに、受信完了の返信を行うとき、誤り訂正処理の結果を送信することで、効率的なデータ送受信もできる。例えば、データ送受信機はマイコン301の制御プログラムあるいは記憶媒体317の制御パラメータを小さなブロックに分けて、マイコン301のシリアル送受信回路に送る。シリアル送受信回路では、送信されてきたブロックごとに、受信完了と、誤り訂正処理の結果の、通信データの誤りの有無を返信する。データ送受信機では、マイコン301が受信した通信データに誤りがあった場合、最初から通信データを送信し直すのではなく、誤ったブロックのみ再送する。このように、受信完了の返信と誤り訂正処理の結果を利用することで、データ量が多い通信を効率良く行うことができる。
したがって、データ量が多い通信を行うほど、シリアル送受信回路を用いることが一般的である。
したがって、データ送受信機から送信されたマイコン301の新たな制御プログラムあるいは記憶媒体317の新たな制御パラメータをマイコン301のシリアル送受信回路が受信し、受信をかんりょうさせた場合、データ送受信機へ受信完了の返信を行う。
なお、データ送受信から送信される通信データが、マイコン301の制御プログラムか、記憶媒体317の制御パラメータか、という区別は、それらを送信する前に、これから送られる通信データが、マイコン301の制御プログラムであるか、記憶媒体317の制御パラメータであるか、を識別するデータを送信して、マイコン301に識別させる方法などがある。
以上のような機能を利用して、データ送受信機から送信されたマイコン301の新たな制御プログラムあるいは記憶媒体317の新たな制御パラメータは、マイコン301のシリアル送受信回路で受信し、マイコン301内のメモリ、あるいは、マイコン301に接続された記憶媒体317にマイコン301は書き込む。
なお、データ送受信機は、製品に常設されるものではなく、製品出荷前にマイコン301の制御プログラムあるいは記憶媒体317の制御パラメータを書き込むときに使用され、マイコン301の制御プログラムあるいは記憶媒体317の制御パラメータを書き込んだ後、取り外される。製品出荷後に使用される機会としては、サービスマンがメンテナンスを行うときのみであり、ユーザーが製品を使用しているときには、コネクタ318は、接続されるものが無く、空きコネクタとなっている。
なお、マイコン301のシリアル送受信回路を使用しないときは、誤信号の入力により、誤動作しないように閉鎖していることが、一般的である。マイコン301の通信端子をシリアル送受信回路に切り替え、コネクタ318を空きコネクタとしていると、コネクタ318のコネクタ端子からマイコン301の通信端子に、伝搬あるいは直接、外来の電波ノイズや、誘導ノイズ、伝搬ノイズが侵入し、シリアル送受信回路が信号を誤認して、誤動作する可能性があるためである。シリアル送受信回路の閉鎖方法としては、例えば、通信端子を入出力端子に切り替える、という処置を行っている。
以上のように構成された室外機制御基板203は、搭載したマイコン301によって、室外機200に搭載した各種センサの値を検出し、圧縮機204、室外ファン202、膨張弁205を駆動し、これらを制御する。
図4は空気調和機10にオーストラリア規格[AS4755]に基づいたデマンド管理を行うため、DREDを接続したときの概念図である。20はDRED、30は電力供給者側あるいは電力網を管理する側、例えば、電力会社に設けられたデマンド要求を発信する遠隔操作装置(REMOTE AGENT)である。したがって、遠隔操作装置30は、電力供給者の設備の中に設置され、DRED20は各家庭に設置されている。遠隔操作装置30とDRED20とは、遠隔操作装置30からのデマンド要求をDRED20が受信可能なように接続されており、電力供給者が電力供給量の不足を予想すると、電力供給者は遠隔操作装置30から各家庭のDRED20にデマンド要求を送る。
DRED20は、遠隔操作装置30から送られてきたデマンド要求に対し、空気調和機10にデマンド信号を送信するデマンド信号送信機である。DRED20と空気調和機10とは、通信線で接続されており、DRED20が遠隔操作装置30からデマンド要求を受け取ると、空気調和機10が使用する電力すなわち消費電力を制限する要求とその制限レベルとをデマンド信号として空気調和機10に送信する。オーストラリア規格[AS4755]では、DRED20から空気調和機10へ、圧縮機停止(0%運転)、50%運転、75%運転のデマンド信号が送られる。各信号は、それぞれ、圧縮機停止(0%運転)は圧縮機停止、定格電力の50%で運転、75%運転は空気調和機10の定格電力の75%で運転、を要求する指令であり、具体的な運転動作については後述する。
図5は、DRED20の内部を表した構成図である。21〜23は、リレーなどのスイッチ手段であり、スイッチ手段21の一方の端子は、DRED20の出力端子25へ、スイッチ手段22の一方の端子は、DRED20の出力端子26へ、スイッチ手段23の一方の端子は、DRED20の出力端子27へ、それぞれ接続されている。スイッチ手段21の他方の端子、スイッチ手段22の他方の端子、スイッチ手段23の他方の端子、の3つの端子は、端子同士で接続され、さらに、DRED20の共通端子24へ、接続されている。DRED20の共通端子24および出力端子25〜27には、通信線28が接続され、通信線28を経由して、空気調和機10の室外機200の中に取り込まれる。通信線28は、室外機200の中で、室外機制御基板203に接続されるが、その接続経路は、後述する。
このように構成されたDRED20は、遠隔操作装置30からデマンド要求を受信すると、スイッチ手段21〜23を開閉して、出力端子25〜27にデマンド信号を出力する。なお、DRED20では、遠隔操作装置30からのデマンド要求に対して、スイッチ手段21〜23のうち、いずれか1つが閉じ、残りの2つは開かれた状態になる。スイッチ手段21〜23が同時に2つ以上、閉じることはない。
具体的なDRED20の動作を説明すると、例えば、DRED20から、圧縮機停止(0%運転)、のデマンド信号を送る場合には、DRED20は、スイッチ手段21を閉じ、スイッチ手段22、23を開ける。
空気調和機10において、DRED20の出力端子からデマンド信号を検出するためには、例えば、DRED20の共通端子24を室外機制御基板203上の論理回路やマイコンの電源と同じ直流電源の正極につなぐと、出力端子25からは、スイッチ手段21を介して、直流電源の正極の電位、例えば5V電位が検出でき、出力端子26、27からは、直流電源の正極の電位が検出できない。マイコン301はこの信号状態を取り込み、デマンド要求が、圧縮機停止(0%運転)、であることを認識する。
DRED20から、50%運転、のデマンド信号を送る場合には、DRED20は、スイッチ手段22を閉じ、スイッチ手段21、23を開ける。共通端子24が直流電源の正極につながれている場合は、出力端子26からは、スイッチ手段22を介して、直流電源の正極の電位が検出でき、出力端子25、27からは、直流電源の正極の電位が検出できない。マイコン301はこの信号状態を取り込み、デマンド要求が、50%運転、であることを認識する。
DRED20から、75%運転、のデマンド信号が送られてきた場合には、DRED20は、スイッチ手段23を閉じ、スイッチ手段21、22を開ける。共通端子24が直流電源の正極につながれている場合は、出力端子27からは、スイッチ手段23を介して、直流電源の正極の電位が検出でき、出力端子25、26からは、直流電源の正極の電位が検出できない。マイコン301はこの信号状態を取り込み、デマンド要求が、75%運転、であることを認識する。
DRED20から、デマンド信号を送らない場合、すなわち、デマンド要求なし、の場合には、DRED20は、スイッチ手段21、22、23を開ける。共通端子24が直流電源の正極につながれていても、出力端子25、26、27からは、直流電源の正極の電位が検出できない。マイコン301はこの信号状態を取り込み、デマンド要求が無いことを認識する。
なお、共通端子24は、直流電源のグランド(接地)すなわち0Vにつないでも構わない。その場合は、出力端子25は、スイッチ手段21を介して、0Vの電位が検出でき、出力端子26、27からは、0Vの電位が検出できず、圧縮機停止(0%運転)、であることをマイコン301に認識させることもできる。
以上のような構成にて、空気調和機10の消費電力をデマンド要求に基づき、消費電力の制限制御を行っていく。オーストラリア規格[AS4755]では、30分単位に管理されているので、空気調和機10は、例えば、デマンド指令を受けた直後からの30分単位で、一律に消費電力量を制限した運転を行う、という方法がある。デマンド要求なし、と、圧縮機停止(0%運転)、の場合の運転方法の説明は省くが、定格電力の50%での運転、および、定格電力の75%での運転、の方法について説明する。
まず、記憶媒体317には、空気調和機10の定格電力の50%での運転、および、定格電力の75%での運転、となる圧縮機204の回転数、電流値、膨張弁205の開度などの制御パラメータを予め記憶しておく。マイコン301が、50%運転、あるいは、75%運転、のデマンド信号を受信した場合、マイコン301は空気調和機10の定格電力の50%での運転、あるいは、定格電力の75%での運転、となる制御パラメータを記憶媒体317から読み出し、デマンド信号を受信した直後から、マイコン301は、定格電力の50%運転条件、あるいは、定格電力の75%運転条件となるように、制御パラメータを設定、あるいは、消費電力の大きな圧縮機204は、その回転数の上昇要求があっても、制御パラメータの設定値以上に上昇させない、などの制限制御を行う。
図6は、その一例を表したタイムチャートである。横軸は時間、縦軸は空気調和機10の消費電力である。空気調和機10の運転中にAのポイントで、75%運転、のデマンド信号を受信して、デマンド制御に入ったときの空気調和機10の消費電力の変化を表している。デマンド制御は、Aのポイントで受信されてから、30分間有効である。
圧縮機204の回転数上昇によって、消費電力が上昇している状態でも、デマンド制御に入ると、マイコン301は、記憶媒体317から定格電力の75%での運転となる制御パラメータを読み出し、制御パラメータの設定値以上にならないように、マイコン301の演算回路にて、制御パラメータを演算し、それに従って、圧縮機204の回転数上昇を停止あるいは減少させる。これにより、消費電力が定格電力の75%となるBポイントまで到達しても、マイコン301は消費電力が定格電力の75%を超えないように圧縮機204の回転数を制限する。また、デマンド制御期間に、Cの期間のように、圧縮機204の回転数上昇の要求が入っても、マイコン301は、消費電力を定格電力の75%を超えないように圧縮機204の回転数を制御パラメータの設定値以上に上昇させないように制限する。75%運転、のデマンド制御が終了、すなわち、デマンド要求なし、の信号を受信するDポイント以降では、マイコン301は、制御パラメータを通常の制御に戻し、圧縮機の回転数上昇の要求があれば、回転数を上昇させ、通常どおりの空調能力が発揮できるように制御を切り替える。
このように、空気調和機10では、電力供給者側のデマンド要求に基づき、消費電力量を制限した運転を行い、オーストラリア規格[AS4755]のデマンド要求を満足させる。
また、オーストラリア規格[AS4755]では、デマンド指令後、区切られた30分間で要求された電力量の範囲を超えなければよい、ということなので、30分以下の時間区切りで消費電力量を可変させて、部屋の空調・快適性を保ちつつ、30分間の総電力量の平均が、定格電力の50%あるいは定格電力の75%を超えないという運転も実施できる。
例えば、現在の室内温度とユーザーが要求する設定温度との差が大きいときには、圧縮機を高速回転させ、冷媒の循環量を増やし、室内温度と設定温度との差を早く縮めたいが、デマンド要求によって制限される。そのような場合に、有効な運転方法である。
図7は、消費電力が定格電力程度で動作しているときに、Aのポイントで、75%運転、のデマンド要求が有った場合の例である。
AのポイントからEのポイントまでの時間は、消費電力を制限しない運転を行い、Eのポイント以降の残りの時間は、AのポイントからEのポイントまでの間に定格電力の75%以上消費した電力量すなわちFの斜線部分の電力量を、定格電力の75%から減じた運転を行う。すなわち、マイコン301では、Fの斜線部分の電力量を算出し、定格電力の75%からFの斜線部分の電力量と同じGの斜線部分の電力量を減じた電力の制限値とそれに応じた制御パラメータを、マイコン301の演算回路が算出する。その制限値に基づき、EポイントからHポイントまでの間、圧縮機204の回転数を制御パラメータの制限値を超えないように、マイコン301の演算回路が制御パラメータを演算して、運転を行う。これにより、デマンド要求の有った区切られた30分間の平均として、消費電力が定格電力の75%以下とする。
このような制御にて、オーストラリア規格[AS4755]のデマンド要求を満足させることもできる。
以上のように空気調和機10がデマンド管理制御を行っていくためには、室外機制御基板203に、DRED20と接続するためのデマンド信号受信回路として、DRED20の共通端子24と出力端子25〜27を接続するためのコネクタと、DRED20の信号をマイコン301が受信するための回路と、DRED20の信号をマイコン301が受信するマイコン301の端子3本必要である。すなわち、デマンド管理制御のための特別な設計と準備が必要である。
室外機制御基板203には、各種センサやアクチュエータと接続するコネクタが多数搭載されており、さらに、DRED20と接続するコネクタを搭載するには、間違ったコネクタへセンサやアクチュエータを接続する誤接続を防止する対策が必要となり、設計の難易度が増す。例えば、誤接続防止のため、コネクタの色や形状を変えたり、接続しても、マイコン301にて、誤接続であることを検知するシステムを搭載したりする必要がある。
また、デマンド管理を行わない場合、DRED20と接続するコネクタは空きコネクタとなるため、DRED20と接続するコネクタのコネクタ端子からマイコン301の端子に、伝搬あるいは直接、外来の電波ノイズや、誘導ノイズ、伝搬ノイズが侵入し、マイコン301が信号を誤認し、空気調和機10の誤動作を引き起こす原因となる。また、コネクタに塵埃が付着し、短絡が起きないように対策も必要となる。
また、空気調和機10を制御する上で、各種センサの情報を得るためには、マイコン301のA/D変換器が必要であり、デマンド管理制御のため、A/D変換器を用いると、必要なセンサを省かなければならず、本来の空気調和機の機能が実現できない場合もある。また、デマンド信号を、電圧の段階で区切って読み取るため、デマンド要求が切り替わった直後には、変化中の信号電圧を読み取り、誤認識、誤動作をする可能性がある。誤認識、誤動作からの制御ロスを防止するため、待ち時間を設けたりするので、デマンド要求に対する空気調和機側の応答スポンスが悪く、区切られた30分間の開始から、微妙な総消費電力量の調整を行っていく制御には不向きである。
そこで、本願では、4種類のデマンド信号をアナログ端子からマイコン301に取り込むのではなく、通常の入力端子から取り込むデマンド信号受信回路にて実現する。ただし、マイコン301の通常の入力端子にも、数に限りがあるので、製品に、必要な機能であるが、ユーザーが製品を使用するときには使用しない、マイコン301の制御プログラムあるいは記憶媒体317の制御パラメータの読み書きを行うための、マイコン301の端子およびコネクタをデマンド信号受信回路に用いて、DRED20の信号をマイコン301に認識させるようにする。
すなわち、図8のように、マイコン301の制御プログラムあるいは記憶媒体317の制御パラメータの読み書きを行う場合、データ送受信機213をコネクタ318に接続し、マイコン301は、シリアル回路301cに切替え、制御プログラムあるいは制御パラメータを受信する。デマンド管理制御を行う場合、デマンド信号送信機であるDRED20をコネクタ318に接続し、マイコン301は、デマンド信号受信回路である入力回路301bに切替え、デマンド信号を受信する。このようにして、同じコネクタを利用して、目的の異なるデータ通信を行うことにより、マイコン301は、マイコン301の制御プログラムあるいは記憶媒体317の制御パラメータの読み書き、あるいは、デマンド管理制御を行うことができる。具体的な構成と、動作を図9にて説明する。
図9は、DRED20を室外機制御基板203のコネクタ318に接続させるための構成図である。400は、中継基板であって、DRED20のデマンド信号を室外機制御基板203のマイコン301が受信できる信号に変換する。DRED20は、出力端子25〜27の3本の信号であるが、マイコン301の制御プログラムあるいは記憶媒体317の制御パラメータの読み書きを行うためのマイコン301の端子は、送信と受信の2本の端子であるので、中継基板400では、DRED20のデマンド信号を2本の端子で受信できるように変換する。
DRED20の共通端子24および出力端子25、26、27は、中継基板400のコネクタ401と接続されている。共通端子24はコネクタ401を経由して、中継基板400の論理回路402に供給されている直流電源の正極403に接続されている。その直流電源は、例えば、5V電源であり、正極は5V電位である。出力端子25、26、27は、コネクタ401を介して論理回路402の端子404、405、406、および、論理回路402に供給されている直流電源のグランド407すなわち0V電位に接続されている。論理回路402の端子408、409は、それぞれ、フォトカプラ410、411のフォトダイオードを介して、論理回路402に供給されている直流電源の正極403と接続されている。フォトカプラ410、411の信号出力側のフォトトランジスタは、そのコレクタがコネクタ412に接続される。コネクタ412と室外機制御基板203のコネクタ318は通信線413にて接続されており、フォトカプラ410、411のフォトトランジスタのコレクタは、コネクタ412、コネクタ318を介して、マイコン301の端子320、321、および、マイコン301に供給されている直流電源の正極325に抵抗323、324を介して接続されている。フォトカプラ410、411のフォトトランジスタのエミッタもコネクタ412に接続されており、コネクタ412、コネクタ318を介して、マイコン301に供給されている直流電源のグランド326すなわち0V電位に接続されている。
なお、中継基板400は、室外制御基板203のコネクタ318に接続されることにより、デマンド信号受信回路と接続されることになり、図9において、デマンド信号受信回路は、抵抗323、324と、マイコン301の端子320、321と、マイコン301に内蔵され端子320、321に接続される図示しない入力回路と、で構成されている。
論理回路402の信号処理について説明する。なお、信号の電位が5VのときをHi、0VのときをLoの信号とする。DRED20の出力端子25が接続されているコネクタ401の端子をDR1、出力端子26が接続されているコネクタ401の端子をDR2、出力端子27が接続されているコネクタ401の端子をDR3と称する。フォトカプラ410のフォトトランジスタのコレクタが接続されているコネクタ412の端子をDRA、フォトカプラ411のフォトトランジスタのコレクタが接続されているコネクタ412の端子をDRBと称する。また、DRED20のスイッチ手段21をSW21、スイッチ手段22をSW22、スイッチ手段23をSW23とし、デマンド要求に対するスイッチ手段の状態と中継基板400の入力信号および出力信号の論理を表1に示す。
例えば、圧縮機停止(0%運転)の場合には、DRED20のスイッチ手段21のSW1が閉となり、スイッチ手段22、23のSW22、SW23が開となる。SW21が閉じると、直流電源の正極403とコネクタ401のDR1が接続されるので、出力端子25に直流電源の正極403の電位が出力され、DR1はHiの信号となる。SW22、SW23が開くと、コネクタ401のDR2、DR3は直流電源のグランド407に接続され、出力端子26、27に直流電源のグランド407の電位が出力され、DR2とDR3はLoの信号となる。そして、DR1、DR2,DR3の信号が、論理回路402の端子404、405、406に入力される。
論理回路402の内部は、図10のように、NOR回路402a、402bにて構成されている。NOR回路402aの入力は、端子405、406に接続され、出力は、端子408に接続されている。NOR回路402bの入力は、端子404、406に接続され、出力は、端子409に接続されている。端子404とDR1、端子405とDR2、端子406とDR3が接続されているので、NOR回路402aは、DR2とDR3の信号のNORを取り、端子408にHiの信号を出力し、NOR回路402bは、DR1とDR3の信号のNORを取り、端子409にLoの信号を出力する。
論理回路402の端子408がHiの場合、フォトカプラ410のフォトダイオードの両端は同電位となり、消灯する。フォトカプラ410のフォトダイオードが消灯すると、出力側のフォトトランジスタはオフ状態となる。よって、DRAは、抵抗323を介して、直流電源の正極325にのみ、つながり、Hiの信号となる。マイコン301の端子320には、DRAのHi信号が伝達される。
同様に、論理回路402の端子409がLoの場合、フォトカプラ411のフォトダイオードの両端に電位が発生し、点灯する。フォトカプラ410のフォトダイオードが点灯すると、出力側のフォトトランジスタはオン状態となる。DRBは、フォトカプラ411のフォトトランジスタにより直流電源のグランド326につながり、Lo信号となる。マイコン301の端子321には、DRBのLo信号が伝達される。
デマンド要求なし、50%運転、75%運転、のデマンド要求も、同様の仕組みで、マイコン301の端子320、321に表1の信号が伝達される。
以上のような仕組みによって、マイコン301では、4種類のデマンド要求を識別する。
なお、直流電源は、DC5Vで説明したが、3Vであっても、12Vであっても構わない。また、Hi、Loの信号も、表1の論理とは全て逆に定義されていても構わない。フォトカプラ410、411は、中継基板400の直流電源と室外機制御基板203の直流電源を絶縁するもので、その電源の絶縁の必要がなければ、不要である。
一方、図11は、室外機制御基板203にデータ送受信機213を接続したときの状態である。データ送受信機213の通信線214の送信線は、コネクタ318の端子Aに接続され、マイコン301の端子320につながる。データ送受信機213の通信線214の受信線は、コネクタ318の端子Bに接続され、マイコン301の端子321につながる。これにより、データ送受信機213がマイコン301の制御プログラムあるいは記憶媒体317の制御パラメータを送信すると、端子320を介して、マイコン301が受信し、マイコン301がマイコン301の制御プログラムあるいは記憶媒体317の制御パラメータの受信を完了したとき、完了したサインを、端子321を介して、送信する。このような構成にて、データ送受信機213とマイコン301間でのマイコン301の制御プログラムおよび記憶媒体317の制御パラメータの送受信が可能となる。
なお、データ送受信機213の電源のグランドと室外機制御基板203の直流電源のグランドは、コネクタ318のGNDを介して、接続されている。
マイコン301の端子320、321は、デマンド信号を受信する場合と、マイコン301の制御プログラムあるいは記憶媒体317の制御パラメータの読み書きを行うデータ送受信を行う場合の2通りがあり、どちらかの通信機能に切り替える必要がある。すなわち、マイコン301の端子320、321は、デマンド信号を受けるときには、マイコン301の内部でHiあるいはLoの信号を取り込む通常の入力回路に接続し、マイコン301の制御プログラムあるいは記憶媒体317の制御パラメータの読み書きを行うときには、マイコン301の内部でシリアル通信回路に接続するように、マイコン301の切替え回路によって切り替えさせる。その仕組みについて、説明する。
図12は、マイコン301の内部の構成図である。301a〜301eはマイコンに内蔵された回路であり、301aは、マイコン301に記憶されたプログラムを演算する演算回路である。301bは、入力される信号のHi・Loの判別を行い、判別結果を演算回路301aに伝達する入力回路である。301cは、シリアル送受信を行うシリアル送受信回路である。301dは、端子320、321と入力回路301bおよびシリアル送受信回路301cの間に設けられ、端子320、321を、入力回路301b、または、シリアル送受信回路301cのいずれかに接続させるように切り替えるデマルチプレクサ回路である。マイコン301の切替え回路は、デマルチプレクサ回路301dにて構成され、その切り替え操作は、演算回路301aの信号によって行われる。
なお、切替え回路を、マイコン301に内蔵されたデマルチプレクサ回路301dとして、説明したが、デマルチプレクサ回路301dは、マイコン301の外にあっても、構わない。その場合、デマルチプレクサ回路以外にも、リレーやリードスイッチなどで構成されたスイッチ回路やセレクタ回路であっても構わない。
また、301eは、入力される信号のHi・Loの判別を行い、判別結果を演算回路301aに伝達する入力回路であり、マイコン301の端子322に接続されている。図9のジャンパー線327および抵抗328にてジャンパー線回路を構成し、ジャンパー線回路から出力される切替え信号を、端子322を介し入力回路301eで検出し、演算回路301aに伝達する。
ジャンパー線回路は、ジャンパー線取り付け部にジャンパー線327を取り付けたり、取り外したりすることで、マイコン301の端子322への入力信号のHi・Loを切り替える。端子322には、抵抗328を介して、室外機制御基板203の直流電源の正極325に接続されている。さらに、端子322には、ジャンパー線327を介して、室外機制御基板203の直流電源のグランド326に接続されている。
ジャンパー線取り付け部にジャンパー線327がない場合は、マイコン301の端子322は直流電源の正極325にのみ接続されるので、端子322はHiの信号を受信する。ジャンパー線取り付け部にジャンパー線327がある場合は、端子322は直流電源のグランド326に接続されるので、端子322はLoの信号を受信する。
そして、端子322に入力される信号によって、端子320、321を、入力回路301bとつなぐか、シリアル送受信回路301cとつなぐか、を、演算回路301aに行わせる。
例えば、端子322に入力される信号が、Loの場合、演算回路301aは、デマルチプレクサ回路301dを、端子320、321とシリアル送受信回路301cとが接続されるように切り替える。端子322に入力される信号が、Hiの場合、演算回路301aは、デマルチプレクサ回路301dを、端子320、321と入力回路301bとが接続されるように切り替える。
これにより、ジャンパー線取り付け部にジャンパー線327を取り付けると、端子322の信号はLoとなり、端子320、321はシリアル送受信回路301cに接続され、マイコン301は、端子320、321からマイコン301の制御プログラムあるいは記憶媒体317の制御パラメータを読み込むことができるようになる。ジャンパー線取り付け部からジャンパー線327を取り外すと、端子322の信号はHiとなり、端子320、321は入力回路301bに接続され、マイコン301は、端子320、321からデマンド信号を読み込むことができるようになる。
以上により、空気調和機10は、生産工程のとき、ジャンパー線取り付け部にジャンパー線327を取り付けて、マイコン301の制御プログラムあるいは記憶媒体317の制御パラメータを書き込み、その後、ジャンパー線取り付け部からジャンパー線327をはずして、出荷することで、オーストラリア規格[AS4755]のデマンド管理制御の機能に対応できる。
また、マイコン301の演算回路301aは、端子322の信号がHiのとき、端子320、321をシリアル送受信回路301cに接続し、端子322の信号がLoのときは、端子320、321を通常の入力回路301bに接続する、という論理でも構わない。このようにすると、生産工程のとき、ジャンパー線取り付け部からジャンパー線327はずして、マイコン301の制御プログラムあるいは記憶媒体317の制御パラメータを書き込み、その後、ジャンパー線取り付け部にジャンパー線327を取り付け、出荷することで、空気調和機10はデマンド管理制御の機能に対応できる。
以上により、マイコンは、検出回路にて検出される切替え信号のHi、Loに基づき、データ送受信機あるいはデマンド信号送信機が接続されるコネクタと接続する回路を、マイコンの入力回路にて構成されたオーストラリア規格[AS4755]のデマンド管理制御を行うためのデマンド信号を受信するデマンド信号受信回路、あるいは、マイコンのシリアル送受信回路にて構成された空気調和機の室外機制御基板のマイコンの制御プログラムあるいは記憶媒体の制御パラメータの読み書きのためにマイコンの制御プログラムあるいは記憶媒体の制御パラメータを送受信するデータ送受信回路、のいずれかに切り替えるようにしたので、デマンド信号を受信するコネクタとそのコネクタに接続されるマイコンの端子を専用に設けることなく、オーストラリア規格[AS4755]のデマンド管理制御、および、マイコンの制御プログラムあるいは記憶媒体の制御パラメータの読み書き制御の両方に対応することができる。
また、専用のコネクタを設けたり、マイコンの入力端子を確保したりする必要が無くなったので、既存の回路と中継基板とデマンド管理制御に対応したマイコンのプログラムにて、オーストラリア規格[AS4755]のデマンド管理制御に対応できる。そのため、室外機制御基板を新たに設計し直したり、新しいコネクタを配置するため基板を大型化させたりする必要が無くなる。
また、マイコンのプログラムがデマンド信号に対応したプログラムでなかったとしても、マイコンのプログラムの更新と中継基板の追加で、オーストラリア規格[AS4755]のデマンド管理制御に対応可能である。
また、コネクタ数も増加することなく、オーストラリア規格[AS4755]のデマンド管理制御に対応できるので、誤接続の対策も、従来と同じ規模の設計対策で、同じ程度の組み立て作業の信頼性が得られる。すなわち、対策の変更を考慮する必要もなくなる。
また、オーストラリア規格[AS4755]のデマンド管理制御に対応しない場合でも、無駄に空きコネクタが増えることもなく、塵埃などによる誤動作の対策も、従来通りの規模で済む。
また、デマンド信号を受信する機能と、マイコンの制御プログラムあるいは記憶媒体の制御パラメータの読み書きの機能の端子を兼用としたので、現在、どちらの機能で動作しているかわからず、作業者の作業ミスが増加する懸念もあるが、それらの機能をジャンパー線の有無によって切り替えるようにしたので、作業者は、目視にて、現在、どちらの機能となっているかを確認でき、作業も容易であるので、作業の信頼性と確実性が高く、作業効率も高く維持できる。すなわち、誤った作業による、プログラム書き込みなどのミスも少なくて済む。
また、デマンド管理制御を行わないときには、中継基板を取り外しておくだけで、デマンド信号を入力する端子には、抵抗を介して、Hiの信号が入力され、デマンド要求なし、の信号をマイコンは認識するので、新たな設計を加えることなく、通常の空調制御が可能となる。
また、A/D変換回路を使用することなく、デマンド管理制御が行えるようにしたので、空気調和機に必要な各種センサの数を減らすことなく、デマンド信号の受信が行えるので、空気調和機を使用するユーザーに対して、快適性などを損なうことなく、デマンド管理制御が行うことができる。さらに、現在のオーストラリア規格[AS4755]のデマンド管理制御は、4種類の信号にて3段階のデマンド制御を区切られた時間で実施する制御であるが、将来、デマンド制御の制限レベルを3段階からさらに細分化させたり、区切り時間を30分以下に短く細分化させたりした場合、A/D変換回路を用いた場合は、その信号受信とマイコンの認識処理のレスポンスや、制限レベルの誤認による誤動作などの課題がある。しかし、本願の方式であれば、デマンド制御の制限レベルの細分化や、区切り時間の短時間化、細分化が実施されても、デマンド信号の段階の誤認や、デマンド要求に対するレスポンスの遅れを小さくでき、電力供給者側の要求に対しても、迅速で、適切な制御を行うことができる。
実施の形態2.
実施の形態1では、ジャンパー線回路を使い、デマンド信号受信状態とマイコンの制御プログラムあるいは記憶媒体の制御パラメータを送受信できる状態を切り替えている。しかし、マイコンの制御プログラムあるいは記憶媒体の制御パラメータを書き込んだ後に、ジャンパー線取り付け部からジャンパー線を切断などしてはずすことは、ジャンパー線を廃棄するので経済性が悪い。また、機能切り替えのHi・Loの信号を逆転し、マイコンの制御プログラムあるいは記憶媒体の制御パラメータを書き込み、工程の最後に、ジャンパー線だけをはんだ付けする作業工程を設けたとしても、マイコンの制御プログラムあるいは記憶媒体の制御パラメータの書き込み前のはんだ付け作業と、マイコンの制御プログラムあるいは記憶媒体の制御パラメータの書き込み後のはんだ付け作業と、作業が分断されるので作業効率が悪い。そこで、ジャンパー線回路をスイッチ回路に変えて、作業効率を改善する方法を説明する。
図13は、図9のジャンパー線327をスイッチ329に変えたものであり、スイッチ329と抵抗328とでスイッチ回路を構成している。それ以外の同一部品は同符号にて表す。デマンド管理制御を実施するか、否かについては、記憶媒体317に書き込まれた制御データに、デマンドフラグを設け、マイコン301のプログラムスタート時にマイコン301がデマンドフラグを判断して、デマンド管理制御の実施の有無を行う。例えば、デマンドフラグが有効、の場合、端子320、321を入力回路301bにつなぎ、デマンド信号の受信を行い、デマンドフラグが無効、の場合、端子320、321をシリアル送受信回路301cにつなぎ、マイコンの制御プログラムあるいは記憶媒体の制御パラメータの読み書きのデータ送受信を行うようにする。ただし、デマンド管理制御がスタートした場合、端子320、321から、マイコンの制御プログラムあるいは記憶媒体の制御パラメータの読み書きのデータ送受信ができなくなるので、スイッチ329を押したときのみ、マイコンの制御プログラムあるいは記憶媒体の制御パラメータの読み書きのデータ送受信ができるようにする。仕組みを、図14のフローチャートにて、説明する。
まず、マイコン301のプログラムスタート直後、S101において、マイコン301は、記憶媒体317から制御パラメータを読み出す。S102では、制御パラメータの内、デマンドフラグが有効となっていた場合、S103に進み、デマンドフラグが無効となっていた場合、S109に進む。
S103では、マイコン301は、端子320、321に入力回路301bが接続されるように切り替え、デマンド信号が受信できるようにセットする。
S104では、マイコン301は、端子322に入力される信号のHi、Loを検出する。すなわち、スイッチ329のON・OFF状態を検出する。スイッチ329がOFFであった場合、スイッチ329の電極間が開放され、端子322は抵抗328を介して直流電源の正極325のみ接続され、Hiの信号が入力される。スイッチ329がONであった場合、スイッチ329の電極間が閉鎖され、端子322は直流電源のGNDに接続され、Loの信号が入力される。
S105にて、マイコン301は、端子322に入力された信号がHiだった場合は、S106にて、端子320、321からデマンド信号の受信を開始し、S107にて、受信したデマンド信号に基づく、デマンド処理を行う。その後、S108にて、室外機200に関するデマンド処理以外の処理、例えば、膨張弁205の開度や室外ファン202の回転数の制御、などを行い、S104へ戻る。
S105にて、端子322に入力された信号がLoだった場合は、S109に進む。
S109では、マイコン301は、端子320、321にシリアル送受信回路301cが接続されるように切り替え、マイコンの制御プログラムあるいは記憶媒体の制御パラメータの読み書きのデータ送受信ができるようにセットする。次に、S110にて、マイコンの制御プログラムあるいは記憶媒体の制御パラメータを受信し、S111で、受信したデータに基づき、書き込みなどの処理を行う。処理が終了した後は、S101に戻る。
以上のような処理により、マイコンは、予め記憶媒体に記憶させた制御データのデマンドフラグに基づき、データ送受信機あるいはデマンド信号送信機が接続されるコネクタと接続する回路を、マイコンの入力回路にて構成されたオーストラリア規格[AS4755]のデマンド管理制御を行うためのデマンド信号を受信するデマンド信号受信回路、あるいは、マイコンのシリアル送受信回路にて構成された空気調和機の室外機制御基板のマイコンの制御プログラムあるいは記憶媒体の制御パラメータの読み書きのためにマイコンの制御プログラムあるいは記憶媒体の制御パラメータを送受信するデータ送受信回路、のいずれかに切り替えるようにしたので、デマンド信号を受信するコネクタとそのコネクタに接続されるマイコンの端子を専用に設けることなく、オーストラリア規格[AS4755]のデマンド管理制御、および、マイコンの制御プログラムあるいは記憶媒体の制御パラメータの読み書き機能の両方に対応することができる。
コネクタとデマンド信号受信回路とが接続されている場合に、マイコンの制御プログラムあるいは記憶媒体の制御パラメータの読み書きを行うときは、室外機制御基板に設けられたスイッチ回路からの切替え信号により、コネクタに接続される回路を、デマンド信号受信回路からデータ送受信回路に切り替えるようにしたので、不要な操作やノイズの侵入による誤動作を防止できる。
また、生産工程でのジャンパー線の切断、ジャンパー線の破棄や、データ書き込み後のジャンパー線の取り付け、などの作業工程が必要無くなり、作業性も改善される。
また、ジャンパー線を破棄する必要もないので、経済性でも、改善できる。
また、室外機制御基板を新たに設計し直したり、新しいコネクタを配置するため基板を大型化させたりする必要が無い点、マイコンのプログラムがデマンド信号に対応したプログラムでなかったとしても、マイコンのプログラムの更新と中継基板の追加で、オーストラリア規格[AS4755]のデマンド管理制御に対応可能である点、コネクタの誤接続防止や、空きコネクタの増加による塵埃などの誤動作対策など、は、実施の形態1と同様の機能を発揮できる。
また、デマンド管理制御を行わないときも、実施の形態1と同様に中継基板を取り外しておくだけで、デマンド要求なし、の信号をマイコンは受信し認識するので、新たな設計を加えることなく、空気調和機は通常の空調制御が可能となる。
また、スイッチは、マイコンの制御プログラムあるいは記憶媒体の制御パラメータの読み書きを行うときにONとし、読み書きが始まった後には、ONにしておく必要はない。したがって、データ送受信機をコネクタに接続し、マイコンの制御プログラムあるいは記憶媒体の制御パラメータを送受信して、制御パラメータの読み書きを行い、それが終了すると、スイッチのON・OFF状態を検出しデマンド信号を受信する状態になる。このとき、データ送受信機をコネクタに接続されていても、マイコンの制御プログラムあるいは記憶媒体の制御パラメータが送信されていない場合は、デマンド信号を受信する端子にはHiの信号が入力される。よって、デマンド信号受信回路は、デマンド要求なし、の信号を受け取った状態となり、マイコンの制御プログラムあるいは記憶媒体の制御パラメータの読み書き後、データ送受信機をコネクタに接続されていても、空気調和機は通常の空調制御が可能となる。サービスマンが、マイコンの制御プログラムあるいは記憶媒体の制御パラメータの読み書きの作業を行いながら、他の作業を行っている場合、マイコンの制御プログラムあるいは記憶媒体の制御パラメータの読み書きが終了次第、空気調和機は自動的に通常の空調制御に移行され、試運転の確認とすることができる。そのため、サービスマンは、作業時間を節約することができる。
実施の形態3.
実施の形態1、2では、ジャンパー線あるいはスイッチを使う方法を述べた。しかし、マイコンの入力端子を、切り替え専用に準備する必要があり、空気調和機の制御に割り振るマイコン機能を阻害する。そこで、マイコンに専用の切り替え信号を検出するための端子を持たせずに、行う方法を説明する。
図15は、図9において、ジャンパー線327と抵抗328を省き、端子322の機能を省いたものである。マイコン301の動作を、図16のフローチャートにて説明する。
まず、マイコン301のプログラムスタート直後、S201にて、マイコン301は、端子320、321にシリアル送受信回路301cが接続されるように切り替え、マイコンの制御プログラムあるいは記憶媒体の制御パラメータの読み書きのデータ送受信ができるようにセットする。S202では、マイコン内に設けた時間カウンタt0を0にリセットし、時間カウンタt0のカウントアップを開始する。S203では、端子320に対するマイコンの制御プログラムあるいは記憶媒体の制御パラメータのデータ送信の有無を検出する。S204にて、端子320に対するデータ送信があった場合、S205に進み、端子320に対するデータ送信がなかった場合、S207に進む。
S205では、マイコン301は、マイコンの制御プログラムあるいは記憶媒体の制御パラメータを受信する。次に、S206では、受信したマイコンの制御プログラムあるいは記憶媒体の制御パラメータに基づき、書き込みなどの処理を行う。処理が終了した後は、S202に戻る。
S207では、マイコン301は、時間カウンタt0が予め定められた時間以上となったか否かを判定する。予め定められた時間は、室外制御基板203に電源供給を開始してから、室内機と室外機との内外通信が開始されるまでの時間より長く、圧縮機が起動するまでの時間より短い、時間であれば、どの程度の時間であっても構わない。室外制御基板203に電源供給開始してから、室内機と室外機との内外通信が開始されるまでの時間は、一般的には、3〜10秒程度である。また、室外制御基板203に電源供給開始してから、圧縮機が起動するまでの時間は、3〜5分程度ある。例えば、予め定められた時間を5分とすると、5分以下の場合は、S203に戻り、5分以上となった場合に、S208に進む。
S208では、マイコン301は、端子320、321に入力回路301bが接続されるように切り替え、デマンド信号が受信できるようにセットする。次に、S209にて、端子320、321からデマンド信号の受信を開始し、S210にて、受信したデマンド信号に基づく、デマンド処理を行う。その後、S211にて、室外機200に関するデマンド処理以外の処理を行い、S209へ戻る。
以上のような処理により、マイコンは、マイコンのプログラムスタート直後は、データ送受信機あるいはデマンド信号送信機が接続されるコネクタに接続されるマイコンの端子をシリアル送受信回路に切り替え、マイコンの制御プログラムあるいは記憶媒体の制御パラメータのデータ待ちをし、予め定められた時間が経過した後、シリアル送受信回路がマイコンの制御プログラムあるいは記憶媒体の制御パラメータが受信できない場合には、コネクタに接続されるマイコンの端子を入力回路に切り替えることで、コネクタと接続する回路を、マイコンの入力回路にて構成されたオーストラリア規格[AS4755]のデマンド管理制御を行うためのデマンド信号を受信するデマンド信号受信回路、あるいは、マイコンのシリアル回路にて構成された空気調和機の室外機制御基板のマイコンの制御プログラムあるいは記憶媒体の制御パラメータの読み書きのためにマイコンの制御プログラムあるいは記憶媒体の制御パラメータを送受信するデータ送受信回路、のいずれかに切り替えるようにしたので、デマンド信号を受信するコネクタとそのコネクタに接続されるマイコンの端子を専用に設けることなく、オーストラリア規格[AS4755]のデマンド管理制御、および、マイコンの制御プログラムあるいは記憶媒体の制御パラメータの読み書き機能の両方に対応することができる。
さらに、ジャンパー線やスイッチが不要であり、ジャンパー線回路やスイッチ回路の信号を検出するマイコン端子も不要となり、室外機制御基板上の部品点数が減るとともに、マイコンのプログラムも簡略化できる。
また、ジャンパー線を取り付ける、取り外すという作業や、スイッチによる切り替えが不要となり、生産工程での作業も簡略化でき、作業者の作業ミスも抑制できる。また、生産工程でのジャンパー線の切断、ジャンパー線の破棄も不要になる。
また、室外機制御基板を新たに設計し直したり、新しいコネクタを配置するため基板を大型化させたりする必要が無い点、マイコンのプログラムがデマンド信号に対応したプログラムでなかったとしても、マイコンのプログラムの更新と中継基板の追加で、オーストラリア規格[AS4755]のデマンド管理制御に対応可能である点、コネクタの誤接続防止や、空きコネクタの増加による塵埃などの誤動作対策など、は、実施の形態1と同様の機能を発揮できる。
また、デマンド管理制御を行わないときも、実施の形態1と同様に中継基板を取り外しておくだけで、デマンド要求なし、の信号をマイコンは認識するので、新たな設計を加えることなく、通常の空調制御が可能となる。
また、データ送受信機をコネクタに接続し、マイコンの制御プログラムあるいは記憶媒体の制御パラメータを送受信して、制御パラメータの読み書きを行い、それが終了した場合、再び、マイコンの制御プログラムあるいは記憶媒体の制御パラメータを送受信する処理にとなる。しかし、データ送受信機が、マイコンの制御プログラムあるいは記憶媒体の制御パラメータを送信してこなければ、デマンド信号の受信状態となる。このとき、データ送受信機をコネクタに接続されていても、マイコンの制御プログラムあるいは記憶媒体の制御パラメータが送信されていない場合は、デマンド信号を受信する端子にはHiの信号が入力される。よって、デマンド信号受信回路は、デマンド要求なし、の信号を受け取った状態となり、マイコンの制御プログラムあるいは記憶媒体の制御パラメータの読み書き後、データ送受信機をコネクタに接続されていても、空気調和機は通常の空調制御が可能となる。実施の形態2同様、サービスマンが、マイコンの制御プログラムあるいは記憶媒体の制御パラメータの読み書きの作業を行いながら、他の作業を行っている場合、マイコンの制御プログラムあるいは記憶媒体の制御パラメータの読み書きが終了次第、空気調和機は自動的に通常の空調制御に移行され、試運転の確認とすることができる。そのため、サービスマンは、作業時間を節約することもできる、という効果が奏でられる。
実施の形態4.
実施の形態3の方法とは異なる、マイコンに専用の切り替え信号を検出するための端子を持たせずに、行う方法を説明する。
図17は、図15において、中継基板400の論理回路402をマイコン414に置き換えたものである。マイコン414の端子415、416、417には、コネクタ401のDR1、DR2、DR3が接続され、DRED20の信号が入力される。
マイコン414では、端子415、416、417から入力されるデマンド信号から、
圧縮機停止(0%運転)、50%運転、75%運転、デマンド要求なし、を判別し、マイコン301への送信データを作成する。
マイコン414の端子418、419は、マイコン414のシリアル送受信回路に接続された端子であり、通信回路420、421を介してコネクタ422の端子A、Bに接続されている。コネクタ422は、通信線423を介して、室外機制御基板のコネクタ318に接続されており、コネクタ422の端子A、Bもコネクタ318の端子A、Bに接続されている。コネクタ318の端子A、Bは、マイコン301の端子320、321に接続されており、マイコン414が送信するデータをマイコン301が受信し、マイコン301が送信するデータをマイコン414が受信できるように構成されている。なお、通信回路420、421は、中継基板400と室外機制御基板203の電位差を無くする、絶縁回路あるいはレベルシフト回路である。
次に、マイコン301が、デマンド信号と、マイコンの制御プログラムあるいは記憶媒体の制御パラメータの読み書きのデータ送受信とを判別し、正しい機能に切り替える動作を、図18のフローチャートにて説明する。
S301では、マイコン301の端子320、321にシリアル送受信回路301cが接続されるように切り替え、マイコン同士がデータ送受信できるようにセットする。次に、S302にて、シリアル送受信回路301cのボーレートを高速通信側にセットする。
ボーレートとは、デジタルの通信データを1秒間に何回だけ変復調できるかを示す値のことであり、単位はbpsである。デマンド通信の場合、4種類のデータが識別できる量に対し、マイコンの制御プログラムあるいは記憶媒体の制御パラメータの読み書きのためのデータ通信では、送受信するデータ量が数Kbyteと、極めて大きい。通信データ量が多くなると、通信に対するマイコン301のレスポンスの遅れが、マイコン301が行っている全体の制御に影響を及ぼすので、通信速度を上げ、短時間で通信を完了させたい。一方、データ量が少なければ、通信に対するマイコン301のレスポンスの遅れは小さく、通信速度が遅くても、マイコン301が行っている全体の制御に影響はない。
よって、デマンド通信は、低速通信側、例えば、300bpsにセットし、マイコンの制御プログラムあるいは記憶媒体の制御パラメータのデータ送受信は、高速通信側、例えば、38400bpsにセットすると、S302では、ボーレートを高速通信側の38400bpsにセットする。そして、S303にて、マイコンの端子320に送信される通信データをチェックし、S304にて、38400bpsで識別できる通信データが送信されてきたかを判別する。通信データがあった場合は、S309へ進み、通信データがなかった場合は、S305へ進む。
次にS305では、ボーレートを低速通信側の300bpsにセットする。そして、S306にて、マイコンの端子320に送信される通信データをチェックし、S307にて、300bpsで識別できる通信データが送信されてきたかを判別する。通信データがあった場合は、S311へ進み、通信データがなかった場合は、S308進む。
S308では、室外機200に関するデマンド処理以外の処理を行い、S302へ戻る。これを繰り返すことにより、マイコン301の端子320、321に、デマンド信号が入ってきても、マイコンの制御プログラムあるいは記憶媒体の制御パラメータのデータ送受信が入ってきても、適正な処理に切り替えることができる。
なお、S309では、マイコン301は、マイコンの制御プログラムあるいは記憶媒体の制御パラメータを受信し、S310では、受信したデータに基づき、書き込みなどの処理を行う。処理が終了した後は、S302に戻る。
S311では、マイコン301は、デマンド信号を受信し、S312では、受信したデマンド信号に基づく、デマンド処理を行い、S302に進む。
なお、ボーレートを高速通信側、低速通信側と分けているが、高速通信側は、低速通信側の2倍以上の速度があれば良い。高速通信側が、低速通信側の2倍以上の速度あれば、データの受信チェックで、ボーレートの誤認識は起きず、正しく、判別ができる。
なお、S304とS307では、予め定められた時間の間、通信が検出できるまで受信待機した後、決められた通信が無かった場合、次のステップに進む方式であっても構わない。予め定められた時間は、実施の形態3.と同様に、室外制御基板203に電源供給を開始してから、室内機と室外機との内外通信が開始されるまでの時間より長く、圧縮機が起動するまでの時間より短い、時間であれば、どの程度の時間であっても構わない。室外制御基板203に電源供給開始してから、室内機と室外機との内外通信が開始されるまでの時間は、一般的には、3〜10秒程度である。したがって、例えば、S304とS307では、10秒間、通信が検出できるまで待機した後、定められた通信が受信できなかった場合、次のステップに進む方式であっても構わない。
また、デマンド信号、および、マイコンの制御プログラムあるいは記憶媒体の制御パラメータの通信データのどちらも受信できない状態の場合は、S304とS307を繰り返すことであっても構わない。また、繰り返す回数を予め定めておき、予め定められた繰り返し回数を超えた場合、シリアル送受信回路301cを停止して、端子を入出力回路に切替え、雑音の侵入などに備える状態としても構わない。
なお、マイコン301は、デマンド信号、および、マイコンの制御プログラムあるいは記憶媒体の制御パラメータの通信データのどちらも受信できず、S304とS307を繰り返す状態であっても、S308の処理を行うので、空気調和機は、ユーザーの命令を受ければ、通常の空調制御運転を行うことができる。
また、ここでは、通信速度を変えて、マイコンの制御プログラムあるいは記憶媒体の制御パラメータの通信データと、デマンド信号を判別した例を示したが、それぞれの通信データ毎に、通信フォーマットを変更して構わない。
なお、シリアル送受信回路を利用した通信であることから、マイコンの制御プログラムあるいは記憶媒体の制御パラメータの通信データを受信しても、デマンド信号を受信しても、受信完了した場合、データ送受信機あるいはデマンド信号送信機へ受信完了の返信は行われる。
以上のような処理により、マイコンは、データ送受信機あるいはデマンド信号送信機から送信される信号のボーレートに基づき、オーストラリア規格[AS4755]のデマンド管理制御を行うためのデマンド信号を受信した場合、デマンド信号を処理し、空気調和機の室外機制御基板のマイコンの制御プログラムあるいは記憶媒体の制御パラメータの読み書きのためにマイコンの制御プログラムあるいは記憶媒体の制御パラメータを受信した場合、マイコンの制御プログラムあるいは記憶媒体の制御パラメータを処理するように、切り替えるようにしたので、デマンド信号を受信するコネクタとそのコネクタに接続されるマイコンの端子を専用に設けることなく、簡単に、オーストラリア規格[AS4755]のデマンド管理制御、および、マイコンの制御プログラムあるいは記憶媒体の制御パラメータの読み書き機能の両方に対応することができる。
また、実施の形態3同様、ジャンパー線やスイッチが不要であり、ジャンパー線回路やスイッチ回路の信号を検出するマイコン端子も不要となり、室外機制御基板上の部品点数が減るとともに、マイコンのプログラムも簡略化できる。
また、ジャンパー線を取り付ける、取り外すという作業や、スイッチによる切り替えが不要となり、生産工程での作業も簡略化でき、作業者の作業ミスも抑制できる。また、生産工程でのジャンパー線の切断、ジャンパー線の破棄も不要になる。
また、室外機制御基板を新たに設計し直したり、新しいコネクタを配置するため基板を大型化させたりする必要が無い点、マイコンのプログラムがデマンド信号に対応したプログラムでなかったとしても、マイコンのプログラムの更新と中継基板の追加で、オーストラリア規格[AS4755]のデマンド管理制御に対応可能である点、コネクタの誤接続防止や、空きコネクタの増加による塵埃などの誤動作対策など、は、実施の形態1と同様の機能を発揮できる。
また、デマンド管理制御を行わないときも、実施の形態1と同様に中継基板を取り外しておくだけで、デマンド要求なし、の信号をマイコンは認識するので、新たな設計を加えることなく、通常の空調制御が可能となる。
また、将来、オーストラリア規格[AS4755]のデマンド管理制御の制限レベルが3段階から、さらに、細分化されたり、デマンド管理制御を行う区切り時間が細分化され、30分以下となったりしても、室外機制御基板と中継基板とはシリアル送受信回路にて接続されているので、室外機制御基板と中継基板との間の通信は柔軟に対応でき、例えば、室外機制御基板のマイコンのプログラムの変更と、中継基板の変更で、規格の変更にも対応できる。そのため、規格が変更される度に、新しい空気調和機をユーザーに準備させたり、ユーザーが使用中の空気調和機を大規模な改修を行ったりする必要はなくなる。
10 空気調和機、20 DRED(DEMAND RESPONSE ENABLING DEVICE)、21,22,23 スイッチ手段、24 共通端子、25,26,27 出力端子、28 通信線、30 遠隔操作装置(REMOTE AGENT)、100 室内機、101 室内熱交換器、102 室内ファン、103 室内機制御基板、104 内外接続配管、105,106 接続口、200 室外機、201 室外熱交換器、202 室外ファン、203 室外機制御基板、204 圧縮機、205 膨張弁、206,207 接続口、208 四方弁、209 吐出温度センサ、210 霜取温度センサ、211 フィン温度センサ、212 内外通信線、213 データ送受信機、214 通信線、301 マイコン、301a 演算回路、301b 入力回路、301c シリアル送受信回路、301d デマルチプレクサ回路、301e 入力回路、302 圧縮機駆動回路、303 コネクタ、304 電流検出器、305 電圧検出器、306 室外ファン駆動回路、307 コネクタ、308 電流検出器、309 膨張弁駆動回路、310 コネクタ、311 四方弁駆動回路、312,313,314,315,316 コネクタ、317 記憶媒体、318 コネクタ、320,321,322 マイコンの端子、323,324 抵抗、325 直流電源の正極、326 直流電源のグランド、327 ジャンパー線、328 抵抗、329 スイッチ、400 中継基板、401 コネクタ、402 論理回路、402a,402b NOR回路、403 直流電源の正極、404,405,406 論理回路の端子、407 直流電源のグランド、408,409 論理回路の端子,410,411 フォトカプラ、412 コネクタ、413 通信線、414 マイコン、415,416,417,418,419 マイコンの端子、420,421 通信回路、422 コネクタ、423 通信線。

Claims (11)

  1. 室内機と、圧縮機を搭載した室外機と、前記室外機に搭載された室外機制御基板と、を備え、
    前記室外機制御基板は、前記圧縮機を制御する制御プログラムを備えたマイコンと、前記圧縮機を制御する制御パラメータを記憶した記憶媒体と、前記マイコンに接続されたコネクタと、を備え、
    前記マイコンは、前記制御プログラムが書き込まれたメモリと、前記メモリに書き込まれる新たな制御プログラムあるいは前記記憶媒体に書き込まれる新たな制御パラメータを受信するシリアル送受信回路と、前記室内機および前記室外機の消費電力を制御するデマンド信号を受信する入力回路と、前記シリアル送受信回路あるいは前記入力回路のいずれかを前記コネクタに接続する切替え回路と、を備え、
    前記コネクタに、前記新たな制御プログラムあるいは前記新たな制御パラメータを送信するデータ送受信機が接続された場合には、前記マイコンは、前記コネクタに前記シリアル送受信回路を接続し、前記新たな制御プログラムあるいは前記新たな制御パラメータを受信して前記メモリあるいは前記記憶媒体に書き込み、
    前記コネクタに、前記デマンド信号を送信するデマンド信号送信機が接続された場合には、前記マイコンは、前記コネクタに前記入力回路を接続し、前記デマンド信号を受信して前記室内機および前記室外機の消費電力を制御することを特徴とする空気調和機。
  2. 前記室外機制御基板は、HiまたはLoの信号を出力するジャンパー線回路あるいはスイッチ回路を備え、
    前記マイコンは、前記ジャンパー線回路あるいは前記スイッチ回路から出力される信号を検出する検出回路を有し、前記検出回路が検出した信号に基づき、前記コネクタに接続する前記シリアル送受信回路と前記入力回路とを切替えることを特徴とする請求項1に記載の空気調和機。
  3. 前記マイコンは、前記室外機制御基板に電源供給が開始された後、前記コネクタに前記シリアル送受信回路を接続し、前記新たな制御プログラムあるいは前記新たな制御パラメータが受信されずに予め定められた経過時間が経過した場合、前記シリアル送受信回路を前記入力回路に切替え、前記デマンド信号が受信できるようにすることを特徴とする請求項1に記載の空気調和機。
  4. 前記経過時間は、前記室外機制御基板に電源供給を開始し前記室内機と通信を開始するまでの時間より長く、前記室外機制御基板に電源供給を開始し前記圧縮機が起動するまでの時間より短い時間であることを特徴とする請求項3に記載の空気調和機。
  5. 前記シリアル送受信回路は、前記新たな制御プログラムあるいは前記新たな制御パラメータを受信完了した場合、前記データ送受信機に受信完了したことを返信することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の空気調和機。
  6. 室内機と、
    圧縮機を搭載した室外機と、前記室外機に搭載された室外機制御基板と、を備え、
    前記室外機制御基板は、前記圧縮機を制御する制御プログラムを備えたマイコンと、前記圧縮機を制御する制御パラメータを記憶した記憶媒体と、前記マイコンに接続されたコネクタと、を備え、
    前記マイコンは、
    前記制御プログラムが書き込まれたメモリと、
    前記メモリに書き込まれる新たな制御プログラム、あるいは、前記記憶媒体に書き込まれる新たな制御パラメータ、あるいは、前記室内機および前記室外機の消費電力を制御するデマンド信号を受信するシリアル送受信回路と、を備え、
    前記コネクタに、前記新たな制御プログラムあるいは前記新たな制御パラメータを送信するデータ送受信機が接続された場合には、前記マイコンは、前記新たな制御プログラムあるいは前記新たな制御パラメータを受信して前記メモリあるいは前記記憶媒体に書き込み、
    前記コネクタに、前記デマンド信号を送信するデマンド信号送信機が接続された場合には、前記マイコンは、前記シリアル送受信回路の通信速度を前記新たな制御プログラムおよび前記新たな制御パラメータを受信する場合より下げ、前記デマンド信号を受信して前記室内機および前記室外機の消費電力を制御することを特徴とする空気調和機。
  7. 前記デマンド信号の通信速度は、前記新たな制御プログラムおよび前記新たな制御パラメータの通信速度より遅く設定されていることを特徴とする請求項6に記載の空気調和機。
  8. 前記マイコンは、前記制御プログラムあるいは前記制御パラメータが受信されずに予め定められた経過時間が経過した場合、前記シリアル送受信回路の通信速度を変更して前記デマンド信号を受信できるようにし、前記デマンド信号が受信されずに予め定められた経過時間が経過した場合には、前記シリアル送受信回路の通信速度を変更して前記制御プログラムあるいは前記制御パラメータを受信できるようにすることを特徴とする請求項に記載の空気調和機。
  9. 前記経過時間は、前記室外機制御基板に電源供給を開始し前記室内機と通信を開始するまでの時間より長く、前記室外機制御基板に電源供給を開始し前記圧縮機が起動するまでの時間より短い時間であることを特徴とする請求項に記載の空気調和機。
  10. 前記シリアル送受信回路は、前記新たな制御プログラムあるいは前記新たな制御パラメータあるいは前記デマンド信号を受信完了した場合、前記データ送受信機あるいは前記デマンド信号送信機に受信完了したことを返信することを特徴とする請求項からのいずれかに記載の空気調和機。
  11. 室内機と、圧縮機を搭載した室外機と、前記室外機に搭載された室外機制御基板と、前記室外機制御基板に搭載され前記圧縮機を制御する制御プログラムを備えたマイコンと、前記室外機制御基板に搭載され前記圧縮機を制御する制御パラメータを記憶した記憶媒体と、前記マイコンに接続されたコネクタと、を備え、
    前記マイコンは、前記マイコンに書き込まれる新たな制御プログラムあるいは前記記憶媒体に書き込まれる新たな制御パラメータを受信し、前記マイコンに前記新たな制御プログラムを書き込むあるいは前記記憶媒体に前記新たな制御パラメータを書き込む第一のステップと、前記室内機および前記室外機の消費電力を制御するデマンド信号を受信し、前記室内機および前記室外機の消費電力を制御する第二のステップと、前記コネクタに前記新たな制御プログラムあるいは前記新たな制御パラメータを送受信するデータ送受信機が接続された場合、前記第一のステップを実行し、前記コネクタに前記デマンド信号を送信するデマンド信号送信機が接続された場合、前記第二のステップを実行する第三のステップ、を備えたことを特徴とする空気調和機の制御方法。
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