JP6155553B2 - 炭化珪素半導体装置の製造方法 - Google Patents

炭化珪素半導体装置の製造方法 Download PDF

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Description

この発明は、炭化珪素基板を使用した半導体装置の製造方法に関し、特にゲート絶縁膜形成後の熱処理工程に特徴を有する炭化珪素半導体装置の製造方法に関する。
従来、炭化珪素(SiC)基板を用いた次世代半導体装置の研究開発が進められている。炭化珪素は、シリコン(Si)と同様に熱酸化によって表面に絶縁膜を形成可能という特性がある。また、炭化珪素は、炭化珪素基板の結晶面や酸化方法によってMOS(金属−酸化膜−半導体からなる絶縁ゲート)構造を構成する炭化珪素基板とゲート絶縁膜との界面のチャネル移動度が異なるという特性がある。
炭化珪素基板の(000−1)面または(11−20)面は、ウェット雰囲気で酸化した場合、炭化珪素基板の(0001)面に比べ高いチャネル移動度を示すとされている。チャネル移動度を代替的に評価する指標として、界面準位密度がある。チャネル移動度は、一般的には、炭化珪素基板とゲート絶縁膜との界面の界面準位密度が低い方が大きくなる傾向があることが知られている。なお、本明細書では、ミラー指数の表記において、“−”はその直後の指数につくバーを意味しており、指数の前に“−”を付けることで負の指数をあらわしている。
このような炭化珪素基板を用いた半導体装置の製造方法として、炭化珪素基板とゲート絶縁膜との界面における界面準位密度を低下させるために、炭化珪素基板の(000−1)面をウェット雰囲気で熱酸化してゲート絶縁膜を形成することにより、高いチャネル移動度を得る方法が提案されている(例えば、下記特許文献1参照)。下記特許文献1では、ゲート絶縁膜形成後に水素雰囲気中または水蒸気雰囲気中でアニールを行っている。
また、炭化珪素基板を用いた半導体装置の製造工程では、ゲート絶縁膜形成後に、ポリシリコンからなるゲート導電膜の形成および低抵抗化のための熱処理、層間絶縁膜の形成および焼締めのための熱処理、またはコンタクトメタルの形成およびコンタクトメタルと炭化珪素との反応層の形成のための熱処理といった種々の熱処理工程が含まれる。
特許第4374437号公報
しかしながら、炭化珪素基板の(000−1)面または(11−20)面をウェット雰囲気で酸化することで得られた炭化珪素基板とゲート絶縁膜との界面の界面準位密度は、後工程での熱処理(例えばコンタクトメタルと炭化珪素との反応層を形成し、配線層と炭化珪素基板とのオーミックコンタクトを形成するための800℃〜1000℃程度の熱処理)で大きくなり、MOS界面特性が劣化することが知られている。
ウェット雰囲気で酸化することによって炭化珪素基板とゲート絶縁膜との界面の界面準位密度が低減されるのは、ウェット雰囲気に含まれる水素または水酸基が炭化珪素基板表面のシリコン原子の未結合手(ダングリングボンド)を終端するためであるといわれている。ゲート絶縁膜形成後の熱処理では、炭化珪素基板表面のシリコン原子の未結合手を終端している水素または水酸基が脱離されることにより、炭化珪素基板とゲート絶縁膜との界面の界面準位密度が大きくなり、MOS界面特性が劣化するものと推測されている。
このような熱処理によるMOS界面特性劣化は、炭化珪素基板の(0001)面上にMOS構造を形成する場合には発生しない。このため、炭化珪素基板の(000−1)面または(11−20)面上にMOS構造を形成する場合には、炭化珪素基板の(0001)面上にMOS構造を形成する場合と異なった処理が必要となる。
本発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、炭化珪素半導体の(000−1)面または(11−20)面をウェット雰囲気で酸化することにより得られたMOS界面特性が後工程の熱処理によって劣化しても、MOS界面特性を回復させることができる炭化珪素半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、本発明の目的を達成するため、この発明にかかる炭化珪素半導体装置の製造方法は、次の特徴を有する。少なくとも酸素と水蒸気とを含むガス中で熱酸化を行うことにより、炭化珪素半導体の(000−1)面または(11−20)面上に、前記炭化珪素半導体の(000−1)面または(11−20)面に接するようにゲート絶縁膜を形成する。次に、前記ゲート絶縁膜を形成した後に、ゲート導電膜の形成および低抵抗化、層間絶縁膜の形成および焼締め、または、コンタクトメタルの形成および前記コンタクトメタルと前記炭化珪素半導体との反応層の形成のための400℃以上の温度で行う熱処理のうち、少なくとも1つ以上の熱処理工程を行う。前記熱処理工程では、前記炭化珪素半導体の、前記ゲート絶縁膜との界面の珪素原子の未結合手を終端していた水素原子または水酸基が脱離する。そして、前記熱処理工程で水素原子または水酸基が脱離した前記炭化珪素半導体の前記未結合手を、前記熱処理工程の後に少なくとも水素または水蒸気を含んだ雰囲気での最終熱処理を実施して再度水素原子または水酸基で終端する。前記最終熱処理の温度が500℃〜900℃である。前記最終熱処理の雰囲気は、窒素、ヘリウムおよびアルゴンのいずれかの不活性ガスと水素との混合ガスである。前記混合ガス中の水素濃度は、1%以上4%以下である。
また、この発明にかかる炭化珪素半導体装置の製造方法は、上述した発明において、前記最終熱処理の雰囲気は、窒素、ヘリウムおよびアルゴンのいずれかの不活性ガスと水蒸気との混合ガスであることを特徴とする。
また、この発明にかかる炭化珪素半導体装置の製造方法は、上述した発明において、前記炭化珪素半導体の0度〜8度のオフ角を有する(000−1)面または(11−20)面上に、前記ゲート絶縁膜を形成することを特徴とする。
また、この発明にかかる炭化珪素半導体装置の製造方法は、上述した発明において、水蒸気を含まない乾燥酸素雰囲気中で前記炭化珪素半導体の熱酸化を行った後、水蒸気を含むガス中で前記炭化珪素半導体の熱酸化を行うことにより、前記ゲート絶縁膜を形成することを特徴とする。
また、この発明にかかる炭化珪素半導体装置の製造方法は、上述した発明において、前記炭化珪素半導体の(000−1)面または(11−20)面上に前記ゲート絶縁膜となる絶縁膜を堆積させた後、水蒸気を含むガス中で熱酸化を行うことにより、前記絶縁膜との界面における前記炭化珪素半導体を前記ゲート絶縁膜に変化させることを特徴とする。
上述した発明によれば、ウェット酸化によって炭化珪素半導体の(000−1)面または(11−20)面上にゲート酸化膜を形成した後にオーミックコンタクトを形成するためのアニールなど400℃以上の熱処理を行う場合、400℃以上の熱処理工程が全て終わった後に、水素または水蒸気を含んだ雰囲気での最終熱処理を実施することにより、ゲート酸化膜形成後の熱処理によって水素や水酸基が脱離した炭化珪素半導体表面のシリコン原子の未結合手を水素によって再度終端することができる。これにより、炭化珪素半導体とゲート絶縁膜との界面特性を回復し、高いチャネル移動度を実現することができる。
本発明にかかる炭化珪素半導体装置の製造方法によれば、後工程で加えられる熱処理により炭化珪素基板と絶縁膜との界面の界面準位密度が増加しMOS界面特性が劣化した場合であっても、MOS界面特性を回復させることができるという効果を奏する。
本発明の実施の形態にかかるMOSFETの製造途中の状態を示す断面図である。 本発明の実施の形態にかかるMOSFETの製造途中の状態を示す断面図である。 本発明の実施の形態にかかるMOSFETの製造途中の状態を示す断面図である。 本発明の実施の形態にかかるMOSFETの製造途中の状態を示す断面図である。 本発明の実施の形態にかかるMOSFETの製造途中の状態を示す断面図である。 本発明の実施の形態にかかるMOSFETの製造途中の状態を示す断面図である。 本発明の実施の形態にかかるMOSFETの製造途中の状態を示す断面図である。 本発明の実施の形態にかかるMOSFETの製造途中の状態を示す断面図である。 図8に続く工程後の本発明の実施の形態にかかるMOSFETの構成を示す断面図である。 本発明にかかる製造方法で作製されたMOSFETにおける電界効果チャネル移動度のゲート電圧依存性を示す特性図である。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる炭化珪素半導体装置の製造方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。本明細書および添付図面においては、nまたはpを冠記した層や領域では、それぞれ電子または正孔が多数キャリアであることを意味する。また、nやpに付す+および−は、それぞれそれが付されていない層や領域よりも高不純物濃度および低不純物濃度であることを意味する。なお、以下の実施の形態の説明および添付図面において、同様の構成には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
(実施の形態)
図1〜図8は、本発明の実施の形態にかかるMOSFETの製造途中の状態を示す断面図である。図9は、図8に続く工程後の本発明の実施の形態にかかるMOSFETの構成を示す断面図である。本発明の実施の形態にかかるMOSFET(絶縁ゲート型電界効果トランジスタ)の素子構造は、例えば、炭化珪素基板の(000−1)面上に形成される。まず、本発明の実施の形態にかかるMOSFETの断面構造について、図9を参照して説明する。
図9に示すように、本発明の実施の形態にかかるMOSFETにおいて、p+型の炭化珪素基板1の(000−1)面にはp型エピタキシャル膜2が堆積されている。炭化珪素基板1は、例えば炭化珪素の四層周期六方晶(4H−SiC)からなる炭化珪素単結晶基板である。具体的には、炭化珪素基板1は、主面が例えば<11−20>方向に0度〜8度のオフ角を有する(000−1)C面である。炭化珪素基板(以下、4H−SiC基板とする)1単体、または4H−SiC基板1とp型エピタキシャル膜2とを併せて炭化珪素半導体(4H−SiC半導体)と呼ぶ。
p型エピタキシャル膜2の4H−SiC基板1側に対して反対側の表面層(以下、単に表面層とする)には、n+型のドレイン領域7、n+型のソース領域8、およびp+型のグラウンド領域9が選択的に設けられている。ドレイン領域7およびソース領域8は、互いに離れている。グラウンド領域9は、ソース領域8のドレイン領域7側に対して反対側に接する。フィールド酸化膜10は、アクティブ領域を囲む耐圧構造領域において、p型エピタキシャル膜2の4H−SiC基板1側に対して反対側の表面を覆う。アクティブ領域とは、MOSFETのMOS構造が形成される領域である。耐圧構造領域とは、アクティブ領域の周辺部の電界を緩和し耐圧を保持する領域である。
アクティブ領域において、p型エピタキシャル膜2のドレイン領域7とソース領域8とに挟まれた部分の表面上には、ゲート絶縁膜12を介してゲート電極(ゲート導電膜)13が設けられている。また、アクティブ領域には、反応層15を介してドレイン領域7に接するパッド電極16と、反応層15を介してソース領域8およびグラウンド領域9に接するパッド電極16と、ゲート電極13に接するパッド電極16とがそれぞれ設けられている。反応層15は、p型エピタキシャル膜2とのオーミックコンタクトを形成する。4H−SiC基板1のp型エピタキシャル膜2側に対して反対側の表面には、裏面電極17が設けられている。
次に、本発明の実施形態にかかるMOSFETの製造方法について、図1〜図9を参照して説明する。まず、図1に示すように、p型の4H−SiC基板1の(000−1)面上に、例えばアクセプター密度1×1016cm-3のp型エピタキシャル膜2を成長させる。次に、図2に示すように、例えば減圧CVD(Chemical Vapor Deposition)法によって、p型エピタキシャル膜2の表面に厚さ1μmのシリコン酸化(SiO2)膜を堆積する。
次に、フォトリソグラフィによって、p型エピタキシャル膜2の上に堆積したシリコン酸化膜をパターニングし、ドレイン領域7およびソース領域8の形成領域が露出する開口部を有するマスク3を形成する。次に、マスク3をマスクとして、例えば、リン(P)イオン4を基板温度500℃、加速エネルギー40keV〜250keVの多段で、注入量2×1020cm-3でイオン注入する。これにより、マスク3の開口部に露出されたp型エピタキシャル膜2の表面層にn+型の不純物注入領域4aが形成される。そして、マスク3を除去する。
次に、図3に示すように、例えば減圧CVD法によって、p型エピタキシャル膜2の表面に厚さ1μmのSiO2膜を堆積する。次に、フォトリソグラフィによって、p型エピタキシャル膜2の上に堆積したシリコン酸化膜をパターニングし、グラウンド領域9の形成領域が露出する開口部を有するマスク5を形成する。次に、マスク5をマスクとして、例えば、アルミニウム(Al)イオン6を基板温度500℃、加速エネルギー40keV〜200keVの多段で、注入量2×1020cm-3でイオン注入する。これにより、マスク5の開口部に露出されたp型エピタキシャル膜2の表面層にp+型の不純物注入領域6aが形成される。そして、マスク5を除去する。
次に、図4に示すように、例えばアルゴン雰囲気中において1600℃の温度で5分間の活性化アニールを行い、不純物注入領域4a,6aを活性化し、p型エピタキシャル膜2の表面層にドレイン領域7、ソース領域8およびグラウンド領域9を形成する。次に、図5に示すように、例えば減圧CVD法によって、p型エピタキシャル膜2の表面に厚さ0.5μmのフィールド酸化膜10を堆積する。次に、フォトリソグラフィおよびウェットエッチングによってフィールド酸化膜10を選択的に除去し、アクティブ領域11のp型エピタキシャル膜2を露出する。アクティブ領域11には、ドレイン領域7からソース領域8およびグラウンド領域9にわたって4H−SiC半導体が露出される。
次に、図6に示すように、1000℃の温度で30分間のウェット酸化を行い、厚さ50nmのゲート絶縁膜12を形成する。ゲート絶縁膜12は、アクティブ領域11に露出された4H−SiC半導体を覆うように形成される。次に、例えば減圧CVD法によって、ゲート絶縁膜12上に、多結晶シリコンを0.3μmの厚さで堆積する。次に、フォトリソグラフィによって、ゲート絶縁膜12上に堆積した多結晶シリコンをパターニングし、ゲート電極13を形成する。ゲート電極13の形成後、必要に応じてゲート電極13の低抵抗化のための熱処理を、例えば800℃〜900℃の温度で10分間〜30分間程度行う。
次に、図7に示すように、フォトリソグラフィおよびエッチングによりゲート絶縁膜12を選択的に除去し、ドレイン領域7、ソース領域8およびグラウンド領域9上にコンタクトホールを形成する。このエッチングは、例えばフッ酸を用いて行ってもよい。次に、コンタクトホール内のドレイン領域7、ソース領域8およびグラウンド領域9上に堆積されるように、厚さ10nmのアルミニウム膜とさらに厚さ60nmのニッケル膜とを蒸着する。
次に、例えばリフトオフによって、アルミニウム膜およびニッケル膜からなる堆積膜をパターニングし、ドレイン領域7に接するコンタクトメタル14と、ソース領域8およびグラウンド領域9に接するコンタクトメタル14とをそれぞれ形成する。このとき、リフトオフに代えて、層間絶縁膜を形成することによりコンタクトメタル14とゲート電極13との絶縁分離を行ってもよい。ゲート電極13との絶縁分離を行う層間絶縁膜を形成した場合は、層間絶縁膜の平滑化や焼締めのための熱処理を、例えば800℃〜900℃の温度で10分間〜30分間程度行う。
次に、図8に示すように、オーミックコンタクトのためのアニールとして、例えば800℃〜1000℃の温度で2分間〜5分間程度の熱処理を行い、コンタクトメタル14と4H−SiC半導体との反応層15を形成する。これにより、ドレイン領域7に接する反応層15と、ソース領域8およびグラウンド領域9に接する反応層15とが形成される。
この時点で、これより後の工程に400℃以上の熱処理は含まれないため、これまでの熱処理で劣化したMOS界面特性を回復させるために、少なくとも水素(H)または水蒸気(H2O)を含んだ雰囲気で最終熱処理を実施する。最終熱処理の雰囲気は、例えば不活性ガスと水素あるいは水蒸気の混合ガスである。不活性ガスと水素あるいは水蒸気の混合ガスとは、例えば窒素(N)、ヘリウム(He)、アルゴン(Ar)のいずれかと水素あるいは水蒸気の混合ガスである。最終熱処理によって回復させるMOS界面特性とは、4H−SiC半導体とゲート絶縁膜12との界面の界面準位密度である。
不活性ガスと水素の混合ガス中の水素濃度は、1%以上4%以下であることが好ましい。特に好ましくは、不活性ガスと水素の混合ガス中の水素濃度は4%であることがよい。最終熱処理の温度は、例えば500℃〜900℃が好ましい。その理由は、低濃度の水素あるいは水蒸気中で900℃より高い温度での熱処理ではMOS界面特性の更なる悪化を招き、500℃より低い温度での熱処理では界面に水素あるいは水蒸気を導入することによって得られるMOS界面特性の効果が低いからである。また、パッド電極16にアルミニウム等の比較的低融点の金属を用いる場合、パッド電極16を形成する前に最終熱処理を実施するのが好ましい。
次に、図9に示すように、ゲート電極13および反応層15上に堆積されるように、アルミニウム膜を300nmの厚さで蒸着する。次に、フォトリソグラフィおよびエッチングによって、アルミニウム膜をパターニングし、ゲート電極13および反応層15上にパッド電極16を形成する。このエッチングは、リン酸を用いて行ってもよい。その後、4H−SiC基板1のp型エピタキシャル膜2側に対して反対側の表面にアルミニウム膜を100nmの厚さで蒸着し、裏面電極17を形成する。これにより、本発明の実施形態にかかるMOSFETが完成する。
次に、最終熱処理の有無によるMOS界面特性の違いについて検証した。まず、上述した本発明の実施の形態にかかるMOSFETの製造方法に従い、最終熱処理を実施した炭化珪素MOSFETを作製した(以下、最終熱処理有とする)。また、比較例として、オーミックコンタクトをとるための反応層を形成した後に最終熱処理を実施しない炭化珪素MOSFETを作製した(以下、最終熱処理無とする)。そして、これらの炭化珪素MOSFETのチャネル移動度を測定した。その結果を図10に示す。図10は、本発明にかかる製造方法で作製されたMOSFETにおける電界効果チャネル移動度のゲート電圧依存性を示す特性図である。
図10(a)に示すように、最終熱処理有の炭化珪素MOSFETのチャネル移動度は最大で約65cm2/Vsと高い値を示すことが確認された。一方、図10の(b)に示すように、最終熱処理無の炭化珪素MOSFETのチャネル移動度は、最大で約55cm2/Vsとなり、最終熱処理有の炭化珪素MOSFETよりも低い値であることが確認された。
最終熱処理無の炭化珪素MOSFETにおけるチャネル移動度の低下は、ゲート絶縁膜12形成後の400℃以上の熱処理によって、p型エピタキシャル膜2表面のシリコン原子の未結合手を終端していた水素や水酸基が脱離することで起こる。最終熱処理有の炭化珪素MOSFETにおいては、400℃以上の熱処理を行う工程が全て終了した後に水素または水蒸気を含んだ雰囲気で最終熱処理を実施することにより、水素や水酸基が脱離したp型エピタキシャル膜2表面のシリコン原子の未結合手を再度終端することができる。このため、p型エピタキシャル膜2とゲート絶縁膜12との界面の界面準位密度を低下させることができ、チャネル移動度を高くすることができる。したがって、本発明の実施の形態にかかるMOSFETの製造方法は、MOS界面特性を回復する効果があることがわかる。
以上、説明したように、実施の形態によれば、ウェット酸化によって炭化珪素半導体の(000−1)面上にゲート絶縁膜を形成した後にオーミックコンタクトを形成するためのアニールなど400℃以上の熱処理を行う場合、400℃以上の熱処理工程が全て終わった後に、水素または水蒸気を含んだ雰囲気で最終熱処理を実施することにより、ゲート絶縁膜形成後の熱処理によって水素や水酸基が脱離した炭化珪素半導体表面のシリコン原子の未結合手を水素によって再度終端することができる。これにより、炭化珪素半導体とゲート絶縁膜との界面特性を回復し、高いチャネル移動度を実現することができる。
以上において本発明では、炭化珪素MOSFETとして横型MOSFETの製造方法を例に説明したが、上述した実施の形態に限らず、縦型MOSFETなど高耐圧化構造を有する半導体装置にも本発明を適用可能である。また、本発明は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、水蒸気を含まない乾燥酸素雰囲気中で熱酸化した後、水蒸気を含むガス中で熱酸化を行うことを組み合わせてゲート絶縁膜を形成してもよいし、炭化珪素半導体上にゲート絶縁膜となる絶縁膜を堆積させた後に、水蒸気を含むガス中で熱酸化を行うことによりを絶縁膜との界面における炭化珪素半導体をゲート絶縁膜に変化させてもよい。
また、ゲート絶縁膜形成後の400℃以上の熱処理としてオーミックコンタクトを形成するためのアニールを挙げ、当該アニール後に最終熱処理を実施する場合を例に説明したが、上述した実施の形態に限らず、最終熱処理を実施するタイミングは半導体装置の構成に合わせて種々変更可能である。例えば、半導体装置の製造方法において、ゲート絶縁膜形成後の400℃以上の熱処理が全て終わった後に、水素または水蒸気を含んだ雰囲気で最終熱処理を実施することにより、実施の形態と同様の効果を奏する。
また、炭化珪素基板として、主面が例えば<11−20>方向に0度〜8度のオフ角を有する(000−1)C面である炭化珪素単結晶基板を例に説明したが、主面が(11−20)面の炭化珪素基板を用いた場合であっても、実施の形態と同様の効果を奏する。
以上のように、本発明にかかる炭化珪素半導体装置の製造方法は、ゲート絶縁膜形成後に熱処理工程を行うさまざまな半導体装置に有用である。
1 4H−SiC基板
2 p型エピタキシャル膜
3,5 マスク
4 リンイオン
6 アルミニウムイオン
7 ドレイン領域
8 ソース領域
9 グラウンド領域
10 フィールド酸化膜
11 アクティブ領域
12 ゲート絶縁膜
13 ゲート電極
14 コンタクトメタル
15 反応層
16 パッド電極
17 裏面電極

Claims (4)

  1. 少なくとも酸素と水蒸気とを含むガス中で熱酸化を行うことにより、炭化珪素半導体の(000−1)面または(11−20)面上に、前記炭化珪素半導体の(000−1)面または(11−20)面に接するようにゲート絶縁膜を形成する工程と、
    前記ゲート絶縁膜を形成した後に、ゲート導電膜の形成および低抵抗化、層間絶縁膜の形成および焼締め、または、コンタクトメタルの形成および前記コンタクトメタルと前記炭化珪素半導体との反応層の形成のための400℃以上の温度で行う熱処理のうち、少なくとも1つ以上の熱処理を行う熱処理工程と、
    を含み、
    前記熱処理工程では、前記炭化珪素半導体の、前記ゲート絶縁膜との界面の珪素原子の未結合手を終端していた水素原子または水酸基が脱離し、
    前記熱処理工程で水素原子または水酸基が脱離した前記炭化珪素半導体の前記未結合手を、前記熱処理工程の後に少なくとも水素または水蒸気を含んだ雰囲気での最終熱処理を実施して再度水素原子または水酸基で終端し、
    前記最終熱処理の温度が500℃〜900℃であり、
    前記最終熱処理の雰囲気は、窒素、ヘリウムおよびアルゴンのいずれかの不活性ガスと水素との混合ガスであり、
    前記混合ガス中の水素濃度は、1%以上4%以下であることを特徴とする炭化珪素半導体装置の製造方法。
  2. 前記炭化珪素半導体の0度〜8度のオフ角を有する(000−1)面または(11−20)面上に、前記ゲート絶縁膜を形成することを特徴とする請求項1に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  3. 水蒸気を含まない乾燥酸素雰囲気中で前記炭化珪素半導体の熱酸化を行った後、水蒸気を含むガス中で前記炭化珪素半導体の熱酸化を行うことにより、前記ゲート絶縁膜を形成することを特徴とする請求項1に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  4. 前記炭化珪素半導体の(000−1)面または(11−20)面上に前記ゲート絶縁膜となる絶縁膜を堆積させた後、水蒸気を含むガス中で熱酸化を行うことにより、前記絶縁膜との界面における前記炭化珪素半導体を前記ゲート絶縁膜に変化させることを特徴とする請求項1に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
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