JP6150075B2 - エピタキシャルウェーハの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、エピタキシャルウェーハの製造方法に関する。
気相成長法により、シリコン単結晶基板の表面上にエピタキシャル層を形成したシリコンエピタキシャルウェーハは電子デバイスに広く使用されている。近年、電子デバイスの微細化によって、エピタキシャルウェーハの表面品質(表面欠陥、粗さ)の改善が重要な課題となっている。
エピタキシャル層には、成長条件(成膜条件)によって積層欠陥をはじめとする結晶欠陥が発生することがある。このエピタキシャル層成膜により発生した欠陥を総じてエピ欠陥と呼んでいる。このエピ欠陥の発生は、成長温度(成膜の温度)及び成長速度と深く関係している。具体的には、より低温で成長速度が高いとエピ欠陥が発生しやすく、成長条件を変更した際にエピ欠陥レベルが悪化する要因の一つとなっている。
このエピ欠陥に関連して、特許文献1では、成長条件の異なるエピタキシャル層を2層成長させ、2層目を1層目と比較して低温かつ成長速度が高い成長条件で成長させる方法を提案している。この方法によれば、1層目により半導体基板からの結晶欠陥が2層目に伝搬するのを防止できるとしている。
特表2003−505317号公報
ところで、エピタキシャル層の表面粗さを示した指標の一つにヘイズレベルがある。ヘイズとは、エピタキシャルウェーハの表面に発生した微小な凹凸であり、暗室内で集光ランプ等を用いてエピタキシャル層の表面を観察すると、光が乱反射して白く曇って見えるものである。ヘイズレベルの評価は、例えばKLA Tencor社のパーティクルカウンタSP2(光散乱測定装置)を用いて、ヘイズの散乱光測定により検出することができる。
そして、ヘイズレベルに関しても成長条件、特に成長温度と成長速度に深く関係している。具体的には、ヘイズレベルは、低温で成長速度が高いと低減する傾向となり、エピ欠陥とは逆の関係となっている。そのため、ヘイズレベルを低減しようとするとエピ欠陥レベルが悪化してしまい、反対に、エピ欠陥レベルを低減しようとするとヘイズレベルが悪化してしまうという問題があった。この点、特許文献1では、2層目を低温かつ成長速度が高い条件で成長させており、この条件はエピ欠陥が発生しやすい条件である。したがって、1層目の成長条件の単層エピタキシャルウェーハと比較するとエピ欠陥レベルは悪化する。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、エピ欠陥レベルの悪化を抑えつつ、ヘイズレベルを低減したエピタキシャルウェーハを得ることができる方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明のエピタキシャルウェーハの製造方法は、半導体基板を提供する提供ステップと、
その提供ステップで提供された半導体基板の表面上に半導体材料の第1のエピタキシャル層を第1の成長温度と第1の成長速度とで成長させる第1の成長ステップと、
前記第1のエピタキシャル層上に半導体材料の第2のエピタキシャル層を、前記第1の成長温度よりも低い第2の成長温度と前記第1の成長速度よりも低い第2の成長速度とで、又は前記第1の成長温度よりも高い第2の成長温度と前記第1の成長速度よりも高い第2の成長速度とで、又は前記第1の成長温度と等しい第2の成長温度と前記第1の成長速度よりも高い第2の成長速度とで、又は前記第1の成長温度よりも低い第2の成長温度と前記第1の成長速度と等しい第2の成長速度とで成長させる第2の成長ステップと、
を含むことを特徴とする。
本発明では、第1の成長温度と第1の成長速度とで第1のエピタキシャル層を成長させた後に、成長条件を、エピ欠陥の悪化をある程度抑えつつヘイズレベルを改善できる成長条件に切り替えてエピタキシャル層(第2のエピタキシャル層)を成長させる。すなわち、第2のエピタキシャル層の成長条件を、第1の成長温度よりも低い第2の成長温度と第1の成長速度よりも低い第2の成長速度、又は第1の成長温度よりも高い第2の成長温度と第1の成長速度よりも高い第2の成長速度、又は第1の成長温度と等しい第2の成長温度と第1の成長速度よりも高い第2の成長速度、又は第1の成長温度よりも低い第2の成長温度と第1の成長速度と等しい第2の成長速度としている。これによって、第1のエピタキシャル層の成長条件で単層エピタキシャル層を成長させた場合に比べて、エピ欠陥レベルの悪化を抑えつつ、ヘイズレベルを低減できる。
また、本発明において、前記第2のエピタキシャル層の膜厚を2μm以下とするのが好ましい。第2のエピタキシャル層の成長条件は、エピ欠陥が発生しやすい低温かつ成長速度が高い条件と一部重複しているので、第2のエピタキシャル層の膜厚を厚くしすぎると、エピ欠陥レベルが悪化してしまう。本発明では、第2のエピタキシャル層の膜厚を2μm以下としているので、エピ欠陥レベルの悪化を抑えることができる。
また、第2のエピタキシャル層の膜厚を1μm以下とするとさらに好ましい。これによって、より一層、エピ欠陥レベルの悪化を抑えることができる。
また、第2のエピタキシャル層は、第1のエピタキシャル層のみを成長させた場合を基準としてエピタキシャル層の結晶欠陥の増加率を50%以下に抑えつつ、ヘイズレベルを低減できる。
また、第2の成長ステップでは、第1のエピタキシャル層の成長後、エピタキシャル層の成長を停止した期間を経て、第2のエピタキシャル層を成長させるとしても良いし、第1のエピタキシャル層の成長から第2のエピタキシャル層の成長への切り替えの間もエピタキシャル層の成長が継続するように、第1のエピタキシャル層の成長条件から第2のエピタキシャル層の成長条件へ連続的に成長温度と成長速度の少なくとも一方を変化させるとしても良い。
また、第1の成長ステップは、エピタキシャル層の成長を1回行うステップ(1層のエピタキシャル層を成長させるステップ)であるとしても良いし、各回互いに異なる成長条件で複数回のエピタキシャル層の成長を行うステップ(複数層のエピタキシャル層を成長させるステップ)であるとしても良い。
第1実施形態、第3実施形態に係るシリコンエピタキシャルウェーハを製造するまでの各工程におけるウェーハの断面図である。 第1実施形態に係るウェーハ温度の時間変化の第1例を示した図である。 第1実施形態に係るウェーハ温度の時間変化の第2例を示した図である。 第1実施形態に係るウェーハ温度の時間変化の第3例を示した図である。 第1実施形態に係るウェーハ温度の時間変化の第4例を示した図である。 第2実施形態に係るシリコンエピタキシャルウェーハを製造するまでの各工程におけるウェーハの断面図である。 第2実施形態に係るウェーハ温度の時間変化を示した図である。 第3実施形態に係るウェーハ温度の時間変化を示した図である。 比較例として単層のエピタキシャル層を成長させた場合のウェーハ温度の時間変化を示した図である。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態を図面を参照しながら説明する。図1、図2は、化学気相成長(CVD:Chemical Vapor Deposition)により、シリコンエピタキシャルウェーハを製造する方法の第1実施形態を説明する図である。具体的には、図1は、第1実施形態、後述の第3実施形態に係るシリコンエピタキシャルウェーハを製造するまでの各工程におけるウェーハの断面図を示している。また、図2〜図5はそれぞれウェーハの温度の時間変化(温度プロファイル)を示しており、図2は第1例を、図3は第2例を、図4は第3例を、図5は第4例を示している。なお、図2〜図5において、Depo1(第1の成長ステップ)までの温度変化は図2〜図5間で同じである。
図1〜図5を参照して、本発明の第1実施形態を説明すると、先ず、図1の上段に示すように、半導体基板としてシリコン単結晶ウェーハ1(以下、単にウェーハという場合がある)を準備する(提供ステップ)。ウェーハ1の特性(導電型、抵抗率、結晶方位、直径など)は、製造しようとするシリコンエピタキシャルウェーハの使用目的に応じて適宜に設定すれば良い。
次に、図1の中段に示すように、準備したウェーハ1の表面上にシリコン単結晶膜2(以下、第1のエピタキシャル層という)を気相成長させる。具体的には、ウェーハ1を例えば枚葉式の気相成長装置の反応室に投入する。その後、気相成長装置に備えられたヒータにより、図2〜図5の「Ramp」の部分で示すように、ウェーハ1を所定の熱処理温度T1まで昇温させる。図2〜図5では、熱処理温度T1は、後述する成長温度(図2の「Depo1」での温度)と同じである例を示しているが、成長温度と異なっていたとしても良い。この熱処理温度T1は、例えば、1100℃付近の温度、具体的には例えば1100℃±50℃とすることができる。そして、図2の「Bake」の部分で示すように、ウェーハ1の温度を熱処理温度T1に所定時間維持しつつ、反応室に水素を導入して、水素雰囲気下でウェーハ1の表面に形成された自然酸化膜を除去するための熱処理(Bake)を行う。
その後、図2〜図5の「Depo1」の部分で示すようにウェーハ1の温度を所定の成長温度T1(熱処理温度と同じ)としたうえで、反応室内に、シリコン単結晶膜の原料となる反応ガス(具体的にはトリクロロシラン(TCS)等のシラン系ガス)、反応ガスを希釈するためのキャリアガス(例えば水素)及びシリコン単結晶膜に導電型を付与するドーパントガス(例えばボロンやリンを含むガス)を含む気相成長用ガスを流す。そして、この気相成長用ガスにより、ウェーハ1の表面上に半導体材料の第1のエピタキシャル層2(シリコン単結晶膜)を成長させる(第1の成長ステップ)。
この第1のエピタキシャル層2の特性(膜厚、抵抗率、導電型など)は、製造しようとするシリコンエピタキシャルウェーハの使用目的に応じて適宜に設定すれば良い。そして、所望の特性を有した第1のエピタキシャル層2が得られるように、第1のエピタキシャル層2の成長条件(成長温度T1、成長速度GR1、成長時間等)を設定する。具体的には、成長時間は、所望の膜厚が得られるように設定すれば良い。また、成長温度T1や成長速度GR1は、例えば第1のエピタキシャル層2でのエピ欠陥の発生を抑えることができる成長温度、成長速度とするのが好ましい。エピ欠陥はより低温で成長速度が高いと発生しやすいので、成長温度T1は、低温領域(1000℃付近)を外した領域、例えば1100℃付近(1100℃±50℃の範囲)とすることができる。
また、成長速度GR1は、例えば、成長速度が高い領域(3μm/min以上の領域)を外した領域(例えば、2μm/min付近(2±1μm/minの範囲))とすることができる。なお、「2μm/min」とは、1分間に2μmのエピタキシャル層が成長する速度を意味する。成長速度は、反応室に導入する反応ガスの流量や濃度によって調整すれば良い。
第1のエピタキシャル層2を成長させた後、反応室への気相成長用ガスの導入を停止させて、エピタキシャル層の成長を一旦停止させる。その停止期間で、次に成長させるエピタキシャル層の成長温度となるように、ウェーハ1の温度を予め調整しておく。その停止期間を経た後、次に、エピタキシャル層のヘイズレベル(表面凹凸)を低減するために、エピタキシャル層の成長条件を、第1のエピタキシャル層2の成長条件(以下、第1の成長条件という)から、予め定めた成長条件(以下、第2の成長条件という)に切り替えたうえで、図1の下段に示すように第1のエピタキシャル層2の上にシリコン単結晶膜3(以下、第2のエピタキシャル層という)を気相成長させる(第2の成長ステップ)。
第2の成長条件は、第1の成長条件で単層のエピタキシャル層を成長させた場合(第1のエピタキシャル層のみを成長させた場合)に比べて、ヘイズレベルを低減できる成長条件である。また、第2の成長条件は、エピ欠陥の発生をある程度は抑えることができる成長条件であり、具体的には、第1の成長条件で単層のエピタキシャル層を成長させたとき(図9参照)のエピ欠陥の発生数からの増加率が50%以下となる成長条件である。なお、図9は、第1の成長条件で単層のエピタキシャル層を成長させた場合のウェーハの温度プロファイルを示している。第2の成長条件は、以下に示す第1例〜第4例のいずれかとする。
(第2の成長条件の第1例)
第2の成長条件の第1例は、第1の成長条件における成長温度T1(第1の成長温度)よりも低い成長温度T2(第2の成長温度)を含み、かつ、第1の成長条件における成長速度GR1(第1の成長速度)よりも低い成長速度GR2(第2の成長速度)を含む(図2参照)。すなわち、第1例では、第1のエピタキシャル層2の成長時に比べて、低温かつ低成長速度の領域で第2のエピタキシャル層3を成長させる。
第1の成長温度T1を1100℃付近に設定した場合には、第2の成長温度T2は1100℃以下の温度(例えば1050℃、1000℃など)に設定する。第1の成長速度GR1を2μm/min付近に設定した場合には、第2の成長速度GR2は2μm/min以下の成長速度(例えば1.5μm/min、1μm/min、0.5μm/minなど)に設定する。
ヘイズは一般的に低温で成長速度が高いと低減する傾向にあるが、図2の第2の成長温度T2は第1の成長温度T1に比べて低温となっているので、第1の成長条件(T1、GR1)で単層のエピタキシャル層を成長させた場合に比べて、ヘイズレベルを低減できる。一方で、低温の領域ではエピ欠陥が発生しやすいが、第2の成長速度GR2はエピ欠陥が発生しにくい低成長速度となっているので、エピ欠陥の発生をある程度、具体的には増加率を50%以下に抑えることができる。
ただし、第2のエピタキシャル層3の膜厚を大きくしすぎると、エピ欠陥レベルが悪化するおそれがある。そのため、第2のエピタキシャル層3の膜厚は小さいほど好ましい。具体的には、第2のエピタキシャル層3の膜厚は2μm以下とするのが好ましく、1μm以下とするとより好ましい。膜厚を2μm以下とすることで、エピ欠陥の増加率が50%以下になるという実験結果を本発明者は得ている。また、所望の膜厚が得られるように、第2のエピタキシャル層3の成長時間を設定する。
(第2の成長条件の第2例)
第2の成長条件の第2例は、第1の成長温度T1よりも高い成長温度T2(第2の成長温度)を含み、かつ、第1の成長速度GR1よりも高い成長速度GR2(第2の成長温度)を含む(図3参照)。すなわち、第2例では、第1のエピタキシャル層2の成長時に比べて、高温かつ高成長速度の領域で第2のエピタキシャル層3を成長させる。
第1の成長温度T1を1100℃付近に設定した場合には、第2の成長温度T2は1100℃以上の温度(例えば1150℃など)に設定する。第1の成長速度GR1を2μm/min付近に設定した場合には、第2の成長速度GR2は2μm/min以上の成長速度(例えば2.5μm/min、3μm/min、3.5μm/minなど)に設定する。
第2例に係る第2の成長速度GR2は、ヘイズが低減する傾向の領域である高成長速度となっているので、第1の成長条件(T1、GR1)で単層のエピタキシャル層を成長させた場合に比べて、ヘイズレベルを低減できる。一方で、成長速度が高いとエピ欠陥が発生しやすいが、第2の成長温度T2はエピ欠陥が発生しにくい高温となっているので、エピ欠陥の発生をある程度(増加率が50%以下)抑えることができる。ただし、第1例と同様に、第2のエピタキシャル層3の膜厚を大きくしすぎると、エピ欠陥レベルが悪化するおそれがあるので、第2のエピタキシャル層3の膜厚は2μ以下、より好ましくは1μm以下とするのが好ましい。
(第2の成長条件の第3例)
第2の成長条件の第3例は、第1の成長温度T1と等しい成長温度T2(第2の成長温度)を含み、かつ、第1の成長速度GR1よりも高い成長速度GR2(第2の成長速度)を含む(図4参照)。すなわち、第3例では、第1のエピタキシャル層2の成長時に比べて、等しい温度かつ高成長速度の領域で第2のエピタキシャル層3を成長させる。
第1の成長温度T1を1100℃付近に設定した場合には、第2の成長温度T2は、その1100℃付近の温度のままとする。第1の成長速度GR1を2μm/min付近に設定した場合には、第2の成長速度GR2は2μm/minより高い成長速度(例えば2.5μm/min、3μm/min、3.5μm/minなど)に設定する。
第3例に係る第2の成長速度GR2は、ヘイズが低減する傾向の領域である高成長速度となっているので、第1の成長条件(T1、GR1)で単層のエピタキシャル層を成長させた場合に比べて、ヘイズレベルを低減できる。一方で、成長速度が高いとエピ欠陥が発生しやすいが、第2の成長温度T2はエピ欠陥が発生しにくい第1の成長温度T1と等しい温度(通常温度)となっているので、エピ欠陥の発生をある程度(増加率が50%以下)抑えることができる。ただし、第1例、第2例と同様に、第2のエピタキシャル層3の膜厚を大きくしすぎると、エピ欠陥レベルが悪化するおそれがあるので、第2のエピタキシャル層3の膜厚は2μ以下、より好ましくは1μm以下とするのが好ましい。
(第2の成長条件の第4例)
第2の成長条件の第4例は、第1の成長温度T1よりも低い成長温度T2(第2の成長温度)を含み、かつ、第1の成長速度GR1と等しい成長速度GR2(第2の成長速度)を含む(図5参照)。すなわち、第4例では、第1のエピタキシャル層2の成長時に比べて、低温かつ等しい成長速度の領域で第2のエピタキシャル層3を成長させる。
第1の成長温度T1を1100℃付近に設定した場合には、第2の成長温度T2は1100℃以下の温度(例えば1050℃、1000℃など)に設定する。第1の成長速度GR1を2μm/min付近に設定した場合には、第2の成長速度GR2は、第1の成長速度GR1と等しい2μm/min付近の成長速度に設定する。
第4例に係る第2の成長温度T2は、ヘイズが低減する傾向の領域である低温となっているので、第1の成長条件(T1、GR1)で単層のエピタキシャル層を成長させた場合に比べて、ヘイズレベルを低減できる。一方で、成長温度が低いとエピ欠陥が発生しやすいが、第2の成長速度GR2はエピ欠陥が発生しにくい第1の成長速度GR1と等しい成長速度(通常の成長速度)となっているので、エピ欠陥の発生をある程度(増加率が50%以下)抑えることができる。ただし、第1例、第2例、第3例と同様に、第2のエピタキシャル層3の膜厚を大きくしすぎると、エピ欠陥レベルが悪化するおそれがあるので、第2のエピタキシャル層3の膜厚は2μ以下、より好ましくは1μm以下とするのが好ましい。
第1例〜第4例のいずれかの成長条件で第2のエピタキシャル層3を成長させた後、反応室内の温度(ウェーハの温度)を取り出し温度まで降温させる。その後、シリコンエピタキシャルウェーハを反応室から搬出する。これにより、本発明に係るシリコンエピタキシャルウェーハを得ることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態を上記実施形態と異なる部分を中心にして説明する。図6は、本実施形態に係るシリコンエピタキシャルウェーハを製造するまでの各工程におけるウェーハの断面図を示している。図7は、本実施形態に係るウェーハの温度の時間変化を示している。第1実施形態では、全部で2層のエピタキシャル層を成長させた例を示したが、本実施形態は、全部で3層のエピタキシャル層を成長させる実施形態である。
図6、図7を参照して本発明の第2実施形態を説明すると、先ず、図6の1段目に示すように、第1実施形態と同様のシリコン単結晶ウェーハ1を準備する(提供ステップ)。その後、準備したウェーハ1を反応室に投入して、ウェーハ1の熱処理を行う(図7の「Ramp」、「Bake」)。熱処理の条件は第1実施形態と同じである。次に、図6の2段目に示すように、ウェーハ1の表面上に1層目のエピタキシャル層21(シリコン単結晶膜)を成長させる。この1層目のエピタキシャル層21の成長条件の考え方は、第1実施形態における第1のエピタキシャル2(図1参照)の成長条件の考え方と同じである。すなわち、1層目のエピタキシャル層21の成長条件(成長温度T1、成長速度GR1、膜厚等)は、図1のエピタキシャル層2の成長と同様に、シリコンエピタキシャルウェーハの使用目的に応じて適宜に設定すれば良いが、エピ欠陥の発生を抑えることができる成長条件に設定する。図7の例では、1層目のエピタキシャル層21の成長温度T1は1100℃、成長速度GR1は2.0μm/minとしている。
1層目のエピタキシャル層21を成長させた後、一旦、エピタキシャル層の成長を停止させる。その停止期間においてウェーハ1の温度を次の成長温度に調整した後、1層目のエピタキシャル層21の成長条件と異なる成長条件(成長温度T2、成長速度GR2)に切り替えて、1層目のエピタキシャル層21の上に2層目のエピタキシャル層22(シリコン単結晶膜)を成長させる(図6の3段目参照)。この2層目のエピタキシャル層22の成長条件は、1層目のエピタキシャル層21の成長条件と同様に、シリコンエピタキシャルウェーハの使用目的に応じて適宜に設定すれば良いが、エピ欠陥の発生を抑えることができる成長条件に設定する。具体的には、エピ欠陥が発生しやすい領域(低温かつ高成長速度の領域)を外すようにする。図7の例では、2層目のエピタキシャル層22の成長温度T1は1050℃、成長速度GR2は1.5μm/minとしている。
なお、図7の例では、2層目のエピタキシャル層22の成長条件(T2、GR2)と、1層目のエピタキシャル層21の成長条件(T1、GR1)の高低関係は、T1>T2かつGR1>GR2となっているが、これに限られず、T1=T2かつGR1>GR2、又はT1=T2かつGR1<GR2、又はT1>T2かつGR1<GR2、又はT1<T2かつGR1>GR2、又はT1<T2かつGR1<GR2、又はT1>T2かつGR1=GR2、又はT1<T2かつGR1=GR2のいずれであっても良い。
1層目のエピタキシャル21及び2層目のエピタキシャル層22は本発明の「第1のエピタキシャル層」に相当する。また、これらエピタキシャル層21、22を成長させる工程が本発明の「第1の成長ステップ」に相当する。このように、本実施形態では、後述する最終のエピタキシャル層を成長させるまでに、異なる成長条件で2回のエピタキシャル成長工程を実施している。なお、最終のエピタキシャル層を成長させるまでに、3回以上のエピタキシャル成長工程を実施して3層以上のエピタキシャル層を成長させても良い。
2層目のエピタキシャル層22を成長させた後、一旦、エピタキシャル層の成長を停止させる。その停止期間で、次に成長させるエピタキシャル層の成長温度となるように、ウェーハ1の温度を予め調整しておく。その停止期間を経た後、次に、エピタキシャル層のヘイズレベルを低減できる成長条件に切り替えたうえで、2層目のエピタキシャル層22の上に3層目(最終の)エピタキシャル層31を成長させる(図6の4段目参照)。このエピタキシャル層31の成長条件の考え方は、第1実施形態の第2のエピタキシャル層3の成長条件の考え方(上記第1例〜第4例)と同じである。具体的には、3層目のエピタキシャル層31の成長条件(T3、GR3)と、それ以前に成長させたエピタキシャル層21、22の成長条件(T1、GR1)(T2、GR2)との関係を説明すると、成長温度T3は、それ以前の成長温度T1、T2のいずれよりも低く、かつ、成長速度GR3は、それ以前の成長速度GR1、GR2のいずれよりも低い(図2の第1例に相当)。又は、成長温度T3は、それ以前の成長温度T1、T2のいずれよりも高く、かつ、成長速度GR3は、それ以前の成長速度GR1、GR2のいずれよりも高い(図3の第2例に相当)。
又は、成長温度T3は、一つ前の回の成長温度T2と等しく、かつ、成長速度GR3は、それ以前の成長速度GR1、GR2のいずれよりも高い(図4の第3例に相当)。又は、成長温度T3は、それ以前の成長温度T1、T2のいずれよりも低く、かつ、成長速度GR3は、一つ前の回の成長速度GR2と等しい(図5の第4例に相当)。図7の例では、成長温度T3が1000℃、成長速度GR3が1.5μm/minとなっており、第4例に相当する。
また、3層目のエピタキシャル層31の膜厚は、第1実施形態と同様に、2μm以下、より好ましくは1μm以下が好ましい。なお、図6のエピタキシャル層31が本発明の「第2のエピタキシャル層」に相当する。また、エピタキシャル層31を成長させる工程が本発明の「第2の成長ステップ」に相当する。
3層目のエピタキシャル層31を成長させた後、反応室内の温度(ウェーハの温度)を取り出し温度まで降温させる。その後、シリコンエピタキシャルウェーハを反応室から搬出する。これにより、本発明に係るシリコンエピタキシャルウェーハを得ることができる。
このように、本実施形態では、最終のエピタキシャル層31の成長条件を、それ以前の成長条件に比べて、エピ欠陥の発生をある程度抑えることができ、かつヘイズレベルを低減できる成長条件としている。これにより、1層目、2層目のエピタキシャル層21、22のいずれかの成長条件で単層のエピタキシャル層を成長させたときのエピ欠陥の発生数を基準として、エピ欠陥の発生数の増加率を50%以下に抑えつつ、ヘイズレベルを改善したシリコンエピタキシャルウェーハを得ることができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態を上記実施形態と異なる部分を中心にして説明する。図8は、本実施形態に係るウェーハの温度の時間変化を示している。図1、図8を参照して本発明の第3実施形態を説明すると、先ず、図1の上段に示すように、第1実施形態と同様のシリコン単結晶ウェーハ1を準備する(提供ステップ)。その後、準備したウェーハ1を反応室に投入して、ウェーハ1の熱処理を行う(図8の「Ramp」、「Bake」)。熱処理の条件は第1、第2実施形態と同じである。
次に、図1の中段に示すように、ウェーハ1の表面上に、第1実施形態と同様の成長条件(T1、GR1)で第1のエピタキシャル層2(シリコン単結晶膜)を成長させる(第1の成長ステップ)。なお、第1のエピタキシャル層2は、第1実施形態と同様に1層から構成されたとしても良いし、第2実施形態と同様に複数層から構成されたとしても良い。
第1のエピタキシャル層2を成長させた後、次に、図1の下段に示すように、第1実施形態と同様の成長条件(T2、GR2)で第2のエピタキシャル層3を成長させる(第2の成長ステップ)。この際、第1のエピタキシャル層2の成長から第2のエピタキシャル層3の成長への切り替えの間もエピタキシャル層の成長を継続させる。つまり、第1のエピタキシャル層2の成長後も気相成長用ガスの導入を継続したまま、図8に示すように、第1の成長条件(T1、GR1)から第2の成長条件(T2、GR2)へ連続的に成長温度と成長速度の少なくとも一方を変化させる。つまり、第2の成長条件への切り替えの間は、第1の成長温度T1と第2の成長温度T2の間の温度と、第1の成長速度GR1と第2の成長速度GR2の間の成長速度とで、エピタキシャル層の成長が継続される。
具体的には、上記第1例(T1>T2、GR1>GR2)で第2のエピタキシャル層3を成長させる場合には、第1のエピタキシャル層2の成長後、第1の成長温度T1から第2の成長温度T2まで連続的に成長温度を減少させていき、かつ、第1の成長速度GR1から第2の成長速度GR2まで連続的に成長速度を減少させていく。また、上記第2例(T1<T2、GR1<GR2)で第2のエピタキシャル層3を成長させる場合には、第1のエピタキシャル層2の成長後、第1の成長温度T1から第2の成長温度T2まで連続的に成長温度を上昇させていき、かつ、第1の成長速度GR1から第2の成長速度GR2まで連続的に成長速度を上昇させていく。
また、上記第3例(T1=T2、GR1<GR2)で第2のエピタキシャル層3を成長させる場合には、第1のエピタキシャル層2の成長後、成長温度を第1の成長温度T1に維持させたまま、第1の成長速度G1から第2の成長速度GR2まで連続的に成長速度を上昇させていく。また、上記第4例(T1>T2、GR1=GR2)で第2のエピタキシャル層3を成長させる場合には、第1のエピタキシャル層の成長後、成長速度を第1の成長速度GR1に維持させたまま、第1の成長温度T1から第2の成長温度T2まで連続的に成長温度を減少させていく。
これによって、第2の成長条件(T2、GR2)への切り替えの間もエピタキシャル層の成長を継続させることができる。この切り替えの間に成長したエピタキシャル層も本発明の「第2のエピタキシャル層」に相当する。
第2のエピタキシャル層3の膜厚は、小さい膜厚ほど好ましい。具体的には、上記実施形態と同様に、第2のエピタキシャル層3(成長温度、成長速度を連続的に変化させている間に成長したエピタキシャル層を含む)は、2μm以下、より好ましくは1μm以下が好ましい。なお、第1の成長条件から第2の成長条件への切り替えの間もエピタキシャル層は成長するので、その切り替え完了後のエピタキシャル層の膜厚は0μmとしても良い。つまり、第2の成長条件(T2、GR2)への切り替えが完了したと同時に、エピタキシャル層の成長を停止させても良い。
このように、本実施形態では、第1のエピタキシャル層2と第2のエピタキシャル層3とを同一回のエピタキシャル成長工程で成長させている。この意味で、第1のエピタキシャル層2と第2のエピタキシャル層3とを合わせて1つのエピタキシャル層(単層)と考えることができる。ただし、本明細書では、異なる成長条件で成長させた場合には、別々のエピタキシャル層として記載している。
本実施形態によっても、上記実施形態と同様の効果、つまり、エピ欠陥の増加率を50%以下に抑えつつ、ヘイズレベルを改善したシリコンエピタキシャルウェーハを得ることができる。なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、これらは本発明を限定するものではない。
(実施例1)
枚葉式の気相成長装置において、直径300mm、主表面の面方位(100)のP型シリコン単結晶ウェーハを多数準備して、各シリコン単結晶ウェーハの表面上に異なる成長条件で2層のシリコン単結晶膜の成膜を行った。具体的には、1層目の成膜条件を温度1100℃、成長速度2.0μm/min、膜厚3μmとした。2層目の成膜条件の温度、成長速度を次にように変更した際のエピ欠陥レベルとヘイズレベルを評価した。具体的には、2層目の成長温度を1150、1100、1050、1000℃の間で変更し、成長速度を3.5、3.0、2.5、2.0、1.5、1.0、0.5μm/minの間で変更した。また、2層目の膜厚は0.5μmとした。
エピ欠陥は、KLA Tencor社製のパーティクルカウンタSP2のDCO(Darkfield Composite Oblique)モード42nmupで評価(42nm以上のサイズのエピ欠陥で評価)した。また、ヘイズレベルは、上記パーティクルカウンタSP2のDW(Darkfield Wide)モードにて評価した。
また、比較例として、実施例と同様のシリコン単結晶ウェーハを準備して、実施例の1層目の成膜条件(温度1100℃、成長速度2.0μm/min、膜厚3μm)で単層のエピタキシャル層を成長させた場合におけるエピ欠陥レベルとヘイズレベルとを評価した。なお、比較例の温度プロファイルを図9に示す。比較例のエピ欠陥レベルは3.1個/wf(一つのウェーハ当たりに3.1個のエピ欠陥がある)となった。また、比較例のヘイズレベルは0.55ppmとなった。なお、これらエピ欠陥レベルの値(3.1個/wf)、ヘイズレベルの値(0.55ppm)は、同一条件で複数のエピタキシャルウェーハを製造して、それら複数のエピタキシャルウェーハのエピ欠陥レベル、ヘイズレベルの平均値である。
この比較例の結果とともに、実施例のエピ欠陥レベル、ヘイズレベルを表1に示す。表1において、成長温度1100℃、成長速度2μm/minの欄に、比較例の結果を示している。また、表1に示す悪化率(%)は、比較例のエピ欠陥レベルである3.1個/wfを基準とした実施例のエピ欠陥レベルの悪化率を示している。また、表1において、ハッチングを結果は、ヘイズレベルが比較例のヘイズレベルよりも低減し、かつ、エピ欠陥レベルの悪化率が150%以下(増加率が50%以下)の結果を示している。なお、表1の各エピ欠陥レベル、ヘイズレベルは、複数のエピタキシャルウェーハのエピ欠陥レベル、ヘイズレベルの平均値である。
Figure 0006150075
表1のハッチングの部分で示すように、ヘイズレベルが比較例のヘイズレベルよりも低減し、かつ、エピ欠陥レベルの悪化率が150%以下(増加率が50%以下)となる2層目の成長条件の領域は、1層目の成長温度より低温かつ1層目の成長速度より低い成長速度の領域、又は1層目の成長温度より高温かつ1層目の成長速度より高い成長速度の領域、又は1層目の成長温度と等しい成長温度かつ1層目の成長速度より高い成長速度の領域、又は1層目の成長温度より低温かつ1層目の成長速度と等しい成長速度の領域であった。それ以外の領域(ハッチングを付していない領域)では、ヘイズレベルが比較例よりも悪化するか、エピ欠陥レベルの悪化率が150%を超えてしまう結果となった。
(実施例2)
実施例1と同様のシリコン単結晶ウェーハを多数準備して、各シリコン単結晶ウェーハ上に、成長温度1100℃、成長速度2.0μm/min、膜厚3.0μmの成長条件で1層目のエピタキシャル層(シリコン単結晶膜)を成膜し、成長温度1000℃、成長速度1.5μm/minの成長条件(低温、低成長速度)で2層目のエピタキシャル層(シリコン単結晶膜)を成膜した。この際、2層目の膜厚を0.5、1.0、1.5、2.0、3.0μmの間で変化させた。そして、得られた各エピタキシャルウェーハのエピ欠陥レベルとヘイズレベルを実施例1と同様にして評価した。その評価結果を表2に示す。なお、表2において、上記比較例の結果も示している。
Figure 0006150075
表2に示すように、いずれの膜厚であっても、ヘイズレベルは比較例より改善している一方で、2層目の膜厚が小さいほどエピ欠陥レベルは改善していく。具体的には、2層目の膜厚が2μm以下となると、エピ欠陥レベルの悪化率は150%以下(増加率が50%以下)となる。また、2層目の膜厚が1μm、0.5μmの結果では、エピ欠陥レベルの悪化率は110%(増加率は10%)程度となり、2層目の膜厚を1μm以下にすると、より一層、エピ欠陥レベルの悪化を抑えることができることが分かった。
(実施例3)
実施例1と同様のシリコン単結晶ウェーハを準備して、そのシリコン単結晶ウェーハ上に、成長温度1100℃、成長速度2.0μm/min、膜厚3.0μmの成長条件で1層目のエピタキシャル層(シリコン単結晶膜)を成膜し、成長温度1050℃、成長速度2.0μm/min、膜厚0.5μmの成長条件で2層目のエピタキシャル層(シリコン単結晶膜)を成膜し、成長温度1000℃、成長速度1.5μm/min、膜厚0.5μmの成長条件(低温、低成長速度)で3層目のエピタキシャル層(シリコン単結晶膜)を成膜した。そして、得られたエピタキシャルウェーハのエピ欠陥レベルとヘイズレベルを実施例1と同様にして評価した。その結果を表3に示す。なお、表3には、上記比較例の結果と、実施例1において2層目の成長条件を成長温度1000℃、成長速度1.5μm/min、膜厚0.5μmとしたときの結果も示している。
Figure 0006150075
表3に示すように、3層のエピタキシャル層を成長させた実施例3の結果は、2層のエピタキシャル層を成長させた実施例1と同様の結果となり、具体的には、エピ欠陥レベルは3.6個/wf、悪化率は116%、ヘイズレベルは0.33となった。つまり、比較例に対してエピ欠陥レベルの悪化率を抑えつつ、ヘイズレベルが改善した。
(実施例4)
実施例1と同様のシリコン単結晶ウェーハを準備して、そのシリコン単結晶ウェーハ上に、成長温度1100℃、成長速度2.0μm/minの条件で膜厚3μmの成膜(シリコン単結晶膜の成膜)を行った後、エピタキシャル層の成長を継続させたまま、成長温度1000℃、成長速度1.5μmまで連続的に成長温度、成長速度を変化させた。つまり、図8のように成膜を行った。そして、成長温度1000℃、成長速度1.5μmの成長条件(第2条件)にて膜厚0.0、0.5、1.0μmの成膜を行った。そして、得られたエピタキシャルウェーハのエピ欠陥レベルとヘイズレベルを実施例1と同様にして評価した。その結果を表4に示す。なお、表4には上記比較例の結果も示している。
Figure 0006150075
表4に示すように、実施例4のいずれの結果においても、比較例に対してエピ欠陥レベルの悪化率を110%〜123%に抑えることができ、かつヘイズレベルが改善した。このことから、1層目と2層目を連続的に成膜する場合も本発明の効果が得られることが示せた。また、第2条件に切り替えている間もエピタキシャル層の成長が継続することで、第2条件でのエピタキシャル層の膜厚を0.0μmとしたとしても、本発明の効果が得られることが示せた。
1 シリコン単結晶ウェーハ(半導体基板)
2 第1のエピタキシャル層
21 1層目のエピタキシャル層(第1のエピタキシャル層)
22 2層目のエピタキシャル層(第1のエピタキシャル層)
3 第2のエピタキシャル層
31 3層目のエピタキシャル層(第2のエピタキシャル層)

Claims (9)

  1. トレンチ構造を有しないエピタキシャルウェーハを製造する方法であって、
    半導体基板を提供する提供ステップと、
    その提供ステップで提供された半導体基板の表面上に半導体材料の第1のエピタキシャル層を第1の成長温度と第1の成長速度とで成長させる第1の成長ステップと、
    前記第1のエピタキシャル層上に半導体材料の第2のエピタキシャル層を、前記第1の成長温度と等しい第2の成長温度と前記第1の成長速度よりも高い第2の成長速度とで、又は前記第1の成長温度よりも低い第2の成長温度と前記第1の成長速度と等しい第2の成長速度とで成長させる第2の成長ステップと、
    を含み、
    前記第2のエピタキシャル層の膜厚は2μm以下であることを特徴とするエピタキシャルウェーハの製造方法。
  2. トレンチ構造を有しないエピタキシャルウェーハを製造する方法であって、
    半導体基板を提供する提供ステップと、
    その提供ステップで提供された半導体基板の表面上に半導体材料の第1のエピタキシャル層を第1の成長温度と第1の成長速度とで成長させる第1の成長ステップと、
    前記第1のエピタキシャル層上に半導体材料の第2のエピタキシャル層を、前記第1の成長温度よりも低い第2の成長温度と前記第1の成長速度よりも低い第2の成長速度とで成長させる第2の成長ステップと、
    を含み、
    前記第2のエピタキシャル層の膜厚は2μm以下であり、
    前記半導体基板はシリコン基板であり、
    前記第1のエピタキシャル層及び前記第2のエピタキシャル層はシリコンエピタキシャル層であり、
    前記第1の成長温度は、1050℃以上1150℃以下であり、
    前記第1の成長速度は、1.5μm/min以上2.5μm/min以下であり、
    前記第2の成長速度は、前記第1の成長速度よりも低く、かつ、1.0μm/min以上であることを特徴とするエピタキシャルウェーハの製造方法。
  3. トレンチ構造を有しないエピタキシャルウェーハを製造する方法であって、
    半導体基板を提供する提供ステップと、
    その提供ステップで提供された半導体基板の表面上に半導体材料の第1のエピタキシャル層を第1の成長温度と第1の成長速度とで成長させる第1の成長ステップと、
    前記第1のエピタキシャル層上に半導体材料の第2のエピタキシャル層を、前記第1の成長温度よりも高い第2の成長温度と前記第1の成長速度よりも高い第2の成長速度とで成長させる第2の成長ステップと、
    を含み、
    前記第2のエピタキシャル層の膜厚は2μm以下であり、
    前記半導体基板はシリコン基板であり、
    前記第1のエピタキシャル層及び前記第2のエピタキシャル層はシリコンエピタキシャル層であり、
    前記第1の成長温度は、1050℃以上1150℃以下であり、
    前記第1の成長速度は、1.5μm/min以上2.5μm/min以下であり、
    前記第2の成長速度は、前記第1の成長速度よりも高く、かつ、3.0μm/min以上であることを特徴とするエピタキシャルウェーハの製造方法。
  4. 前記第2のエピタキシャル層の膜厚は1μm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のエピタキシャルウェーハの製造方法。
  5. 前記第2のエピタキシャル層は、前記第1のエピタキシャル層のみを成長させた場合を基準としてエピタキシャル層の結晶欠陥の増加率が50%以下となり、かつヘイズレベルが低減することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のエピタキシャルウェーハの製造方法。
  6. 前記第2の成長ステップでは、前記第1のエピタキシャル層の成長後、エピタキシャル層の成長を停止した期間を経て、前記第2のエピタキシャル層を成長させることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のエピタキシャルウェーハの製造方法。
  7. 前記第2の成長ステップでは、前記第1のエピタキシャル層の成長から前記第2のエピタキシャル層の成長への切り替えの間もエピタキシャル層の成長が継続するように、前記第1のエピタキシャル層の成長条件から前記第2のエピタキシャル層の成長条件へ連続的に成長温度と成長速度の少なくとも一方を変化させることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のエピタキシャルウェーハの製造方法。
  8. 前記第1の成長ステップは、エピタキシャル層の成長を1回行うステップであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のエピタキシャルウェーハの製造方法。
  9. 前記第1の成長ステップは、各回互いに異なる成長条件で複数回のエピタキシャル層の成長を行うステップであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のエピタキシャルウェーハの製造方法。
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