JP6150061B2 - 酸化物セラミックスの製造方法、酸化物セラミックス、及びセラミック電子部品 - Google Patents

酸化物セラミックスの製造方法、酸化物セラミックス、及びセラミック電子部品 Download PDF

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Description

本発明は、酸化物セラミックスの製造方法、酸化物セラミックス、及びセラミック電子部品に関し、より詳しくは電気磁気効果を示す強磁性誘電体材料で形成された酸化物セラミックスの製造方法と酸化物セラミックス、及びこの酸化物セラミックスを使用した可変インダクタ等のセラミック電子部品に関する。
近年、強磁性と強誘電性とが共存して複合的な作用を奏する強磁性誘電体(マルチフェロイックス(Multiferroics))材料が注目され、盛んに研究・開発されている。
この強磁性誘電体材料は、磁界を作用させると螺旋型の磁気秩序を誘起させて強誘電性を発現し、電気分極を生じさせたり、電気分極や誘電率が変化し、電界を作用させると磁化が生じたり、磁化が変化するいわゆる電気磁気効果を示すことが知られている。
強磁性誘電体材料は、上述した電気磁気効果により、電界による磁化の変化や磁界による電気分極の変化を生じさせることができることから、例えば、電界の印加によって磁化が変化する可変インダクタや記憶媒体の書き込みヘッド用の可変磁化デバイス、或いは磁気を検出する磁気センサ、更には不揮発性メモリ等の各種セラミック電子部品への応用が期待されている。
そして、例えば、特許文献1には、強誘電性と、スピンの向きが円錐(円錐の頂点の開き角度αは0度<α≦90度の範囲)の外側を沿うように回転しているスピン構造を有する強磁性を合わせ持つマルチフェロイック固体材料に、外部磁場(外部磁界)を印加することにより、前記外部磁場とほぼ直交した電気分極の向きを制御するようにしたマルチフェロイック素子が提案されている。
この特許文献1では、強磁性誘電体材料(マルチフェロイック材料)としてCoCr(M=Mn,Fe,Co,Ni)を使用し、26K付近の極低温領域で磁界の作用により電気分極が生じ、5K付近で2μC/mの電気分極を得ている。
また、特許文献2には、酸化鉄を主原料として含む強誘電性と強磁性を併せもつマルチフェロイック固体材料で、300ガウス以下の弱い外部磁場により電流を誘起させるようにしたマルチフェロイック素子が提案されている。
この特許文献2では、強磁性誘電体材料(マルチフェロイック材料)として、BaMgFe1222のフェライト化合物を使用しており、300G(0.03T)の低磁界を印加した場合に、−268℃(5K)で交流磁界の印加に相応して電流が流れ、電気分極は正負が交互に発生している。
国際公開2007/135817(請求項1、3、段落番号〔0031〕、図7等) 特開2009−224563号(請求項1、3、段落番号〔0032〕、図7等)
ところで、強磁性誘電体材料を可変インダクタや不揮発性メモリ等の各種電子部品に応用するためには、室温で電気磁気効果を発現させる必要がある。
しかしながら、上記特許文献1及び2では、室温よりも遥かに低い低温域でのみ電気磁気効果が発現されており、室温では発現できていないため、電気磁気効果を利用した実用的な各種セラミック電子部品を実現するのは困難な状況にある。
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであって、室温で所望の電気磁気効果の発現可能な酸化物セラミックスの製造方法と酸化物セラミックス、及びこの酸化物セラミックスを使用したセラミック電子部品を提供することを目的とする。
一般式AFe1222(AはBa、Sr、MはCo、Zn等)で表される六方晶Y型結晶構造の酸化物セラミックスは、低磁界での電気分極の生成及び制御が可能であり、また、強誘電性の発現が可能な螺旋型の磁気秩序が比較的高温まで安定性を有することから、改良を加えることによって室温での電気磁気効果の発現が可能であると考えられる。
本発明者らは、斯かる観点から六方晶Y型結晶構造を有する酸化物セラミックスについて試行錯誤を繰り返し、鋭意研究を行ったところ、前記酸化物セラミックスにAlを含有させ、かつ0.2MPa以上の酸素雰囲気で焼成後に熱処理を施すことにより、絶縁性を大幅に改善することができ、室温での電界分極が可能であることを見出した。
そして、本発明者らは、更に鋭意研究を重ねたところ、Sr、Ba、Co、Zn、及びFeを含有した酸化物セラミックスにおいて、Baの含有量をSrとBaの総量に対してのモル比換算(Ba/(Sr+Ba))でx/2としたときに、xが0.6〜1.0となるようにSrの一部をBaで置換し、かつAlの含有量をAlとFeの総量に対してのモル比換算(Al/(Al+Fe))でy/12としたときに、yが0.8〜1.2の範囲でFeの一部と置換させた組成とし、焼成後に0.2MPa以上の酸素雰囲気で熱処理することにより、絶縁性を大幅に改善でき、室温かつ低磁界で所望の電気磁気効果の発現が容易に可能な強磁性誘電体を得ることができるという知見を得た。
本発明はこのような知見に基づきなされたものであって、本発明に係る酸化物セラミックスの製造方法は、少なくともSr、Ba、Co、Zn、及びFeを含有した六方晶Y型結晶構造を有する酸化物セラミックスの製造方法であって、焼成後の組成が、前記Baの含有量をモル比換算でx/2としたときに、xが0.6〜1.0となり、Alの含有量をモル比換算でy/12としたときに、yが0.8〜1.2となるようにBa化合物及びAl化合物をSr化合物、Co化合物、Zn化合物、Fe化合物と共に秤量する工程と、前記秤量物を混合し、仮焼した後、成形加工を施してセラミック成形体を得る工程と、前記セラミック成形体に焼成処理を施し、前記Srの一部を前記Baで置換し、前記Feの一部を前記Alで置換したセラミック焼結体を得る工程と、前記セラミック焼結体を0.2MPa以上の酸素雰囲気中で熱処理し、酸化物セラミックスを作製する工程とを含むことを特徴としている。
また、本発明の酸化物セラミックスの製造方法は、一般式[Sr2-xBaCoZnFe12-yAl22](ただし、0.6≦x≦1.0、0.8≦y≦1.2)で表されるのが好ましい。
さらに、本発明の酸化物セラミックスの製造方法は、前記酸素雰囲気が、1MPa以下であるのが好ましい。
また、上記酸化物セラミックスは、上記発明特定事項を具備することにより、室温かつ低磁界で所望の電気磁気効果を発現することができるが、0.2MPa以上の高酸素雰囲気下で熱処理を行っていることから、通常の焼成炉とは別に専用の設備等を設ける必要があり、製造コストの高騰化を招くおそれがある。
そこで、本発明者らは、更に鋭意研究を重ねたところ、Baの含有量を調整しつつ、Alに加え、Mgの含有量をAlとFe、Mgの総量に対してのモル比換算(Mg/(Mg+Al+Fe))でz/12としたときに、zが0.1〜0.5の範囲でFeの一部と置換させることにより、焼成後の熱処理を大気雰囲気で行っても、実用的に十分な絶縁性を確保でき、室温かつ低磁界で所望の大きな電気分極を得ることができるという知見を得た。
すなわち、本発明に係る酸化物セラミックスは、少なくともSr、Ba、Co、Zn、及びFeを含有した六方晶Y型結晶構造を有し、前記Baは、前記Srの一部を置換した形態で含有されると共に、前記Baの含有量をモル比換算でx/2としたときに、xは0.7〜1.0であり、かつ、Al及びMgが、前記Feの一部を置換した形態で含有されると共に、前記Alの含有量をモル比換算でy/12としたときに、yは0.8〜1.2であり、前記Mgの含有量をモル比換算でz/12としたときに、zは0.1〜0.5であることを特徴としている。
また、本発明の酸化物セラミックスは、一般式[Sr2-xBaCoZnFe12-y-zAlMg22](ただし、0.7≦x≦1.0、0.8≦y≦1.2、0.1≦z≦0.5)で表されるのが好ましい。
さらに、本発明の酸化物セラミックスは、大気雰囲気中で熱処理されてなるのが好ましい。
また、本発明に係るセラミック電子部品は、部品素体の表面に外部電極が形成されたセラミック電子部品であって、前記部品素体が、上記酸化物セラミックスで形成されていることを特徴としている。
また、本発明のセラミック電子部品は、コイルが、前記部品素体の透磁率に応じたインダクタンスを有するように配されているのが好ましい。
これにより強磁性誘電特性を活用した可変インダクタ等の各種セラミック電子部品を容易に得ることができる。
さらに、本発明のセラミック電子部品は、内部電極が、前記部品素体に埋設されているのも好ましい。
本発明の酸化物セラミックスの製造方法によれば、焼成後の組成が、前記Baの含有量をモル比換算でx/2としたときに、xが0.6〜1.0となり、Alの含有量をモル比換算でy/12としたときに、yが0.8〜1.2となるようにBa化合物及びAl化合物をSr化合物、Co化合物、Zn化合物、Fe化合物と共に秤量する工程と、前記秤量物を混合し、仮焼した後、成形加工を施してセラミック成形体を得る工程と、前記セラミック成形体に焼成処理を施し、前記Srの一部を前記Baで置換し、前記Feの一部を前記Alで置換したセラミック焼結体を得る工程と、前記セラミック焼結体を0.2MPa以上の酸素雰囲気中で熱処理し、酸化物セラミックスを作製する工程とを含むので、絶縁性を大幅に改善することができる上に室温かつ低磁界で大きな電気磁気効果を発現でき、所望の電気分極が生成可能な実用性に優れた強磁性誘電体を得ることができる。
また、本発明の酸化物セラミックスによれば、少なくともSr、Ba、Co、Zn、及びFeを含有した六方晶Y型結晶構造を有し、前記Baは、前記Srの一部を置換した形態で含有されると共に、前記Baの含有量をモル比換算でx/2としたときに、xは0.7〜1.0であり、かつ、Al及びMgが、前記Feの一部を置換した形態で含有されると共に、前記Alの含有量をモル比換算でy/12としたときに、yは0.8〜1.2であり、前記Mgの含有量をモル比換算でz/12としたときに、zは0.1〜0.5であるので、焼成後の熱処理を大気雰囲気で行っても、実用的に十分な絶縁性を確保でき、上述と同様、大きな電気磁気効果を発現でき、所望の電気分極が生成可能な実用性に優れた強磁性誘電体を低コストで得ることができる。
また、本発明のセラミック電子部品によれば、部品素体の表面に外部電極が形成されたセラミック電子部品であって、前記部品素体が、上記いずれかに記載の酸化物セラミックスで形成されるので、良好な絶縁性を有し、室温かつ低磁界で大きな電気磁気効果を発現できる可変インダクタ等の各種セラミック電子部品を実現することが可能となる。
本発明に係る酸化物セラミックスを使用して形成されたセラミック電子部品の一実施の形態を示す正面図である。 図1の断面図である。 焼成後熱処理における酸素雰囲気の圧力と比抵抗ρとの関係を示す図である。 実施例で使用した物理特性評価装置の一構成例を模式的に示した斜視図である。 実施例で使用した特理特性評価装置の他の構成例を模式的に示した斜視図である。 試料番号12における電流密度特性を示す図である。 試料番号12における電気分極特性を示す図である。 試料番号13における電流密度特性を示す図である。 試料番号13における電気分極特性を示す図である。 試料番号32における電流密度及び磁界の経時変化を示す図である。 試料番号32における電流密度及び電気分極Prの経時変化を示す図である。
次に、本発明の実施の形態を詳説する。
本発明に係る酸化物セラミックスは、少なくともSr、Ba、Co、Zn、及びFeを含有した六方晶Y型結晶構造を有している。
そして、本酸化物セラミックスに係る第1の実施の形態は、Baが、Srの一部を置換した形態で含有されると共に、Baの含有量をモル比換算でx/2としたときに、xは0.6〜1.0であり、Alが、Feの一部を置換した形態で含有されると共に、Alの含有量をモル比換算でy/12としたときに、yは0.8〜1.2であり、かつ、0.2MPa以上の酸素雰囲気中で熱処理されている。
具体的には、上記酸化物セラミックスは、六方晶Y型結晶構造を有するSrBaCoZnFe1222{(SrO)(BaO)(CoO)(ZnO)(Fe}系化合物を主成分とし、下記一般式(A)で表すことができる。
Sr2-xBaCoZnFe12-yAl22 …(A)
ここで、Sr及びBaの総量に対するBaの含有モル比(以下、「Baの置換モル比」という。)x/2のx、及びFe及びAlの総量に対するAlの含有モル比(以下、「Alの置換モル比」という。)y/12のyは数式(1)、(2)を満足するように配合されている。
0.6≦x≦1.0 …(1)
0.8≦y≦1.2 …(2)
このように本酸化物セラミックスは、一般式(A)が数式(1)〜(2)を満足し、かつ焼成後に0.2MPa以上の酸素雰囲気中で熱処理することにより、良好な絶縁性を有し、室温かつ低磁界で大きな電気磁気効果を発現でき、所望の電気分極を得ることが可能となる。
六方晶Y型結晶構造を有する強磁性誘電体材料は、ペロブスカイト型結晶構造等の他の強磁性誘電体材料に比べ、低磁界で電気分極を生じさせたり制御することが可能であるが、特許文献2からも明らかなように、従来は、室温に比べ遥かに低い極低温域でしか電気磁気効果を発現させることができなかった。
そこで、本発明者らが試行錯誤を繰り返し、鋭意研究を行ったところ、上記一般式(A)が数式(1)及び(2)を満足し、かつ0.2MPa以上の酸素雰囲気で熱処理することにより、絶縁性を飛躍的に向上させることができ、室温かつ低磁界で大きな電気磁気効果を発現でき、所望の電気分極を得ることができることが分かった。
すなわち、この種の強磁性誘電性を発現できる酸化物セラミックスでは、比抵抗ρを向上させる観点から、セラミック原料粉末を焼成して作製されたセラミック焼結体に焼成後、大気雰囲気で熱処理を施すのが一般的である。
しかしながら、上記一般式(A)で表される六方晶Y方結晶構造を有する酸化物セラミックの場合、Baの置換モル比x/2やAlの置換モル比y/12を異ならせたセラミック焼結体を各種作製し、その後大気雰囲気で熱処理を行っても、絶縁性を改善することができず、室温で電気磁気電流を測定できず電気分極を生成できないことが判明した。
そこで、本発明者らは更に鋭意研究を重ねたところ、上記一般式(A)において、Baの置換モル比x/2のx及びAlの置換モル比y/12のyが数式(1)及び(2)を満足するように調製し、かつ焼成後の熱処理を0.2MPa(2気圧)以上の酸素雰囲気で行うことにより、絶縁性を大幅に改善させることができ、これにより室温(300K)であっても0.1T程度の低磁界の印加で、大きな電気磁気効果を発現でき、室温でも実用性に適した電気分極が得られることが分かった。
そしてこれにより室温かつ低磁界で強磁性誘電性を発現できることから、電気磁気効果を利用した可変インダクタ、可変磁化デバイス、磁気センサ、不揮発性メモリ等の各種セラミック電子部品を得ることが可能となる。
尚、熱処理時の酸素雰囲気は、上述したように0.2MPa以上であればよく、その上限は特に限定されるものではないが、製造コスト等、生産性を考慮すると実用的には1MPa(10気圧)以下が好ましい。
また、Baの置換モル比x/2のxを、上記数式(1)に示すように0.6〜1.0の範囲としたのは、Baの置換モル比x/2のxが0.6未満又は1.0超になると、0.2MPa以上の酸素雰囲気で熱処理することにより絶縁性は十分に確保できるものの、室温で螺旋型の磁気秩序を誘起するのが困難となり、電気分極を生成できなくなるおそれがあるからである。
尚、上述したようにSrとBaの総計に対するBaのモル比x/2のxを0.6〜1.0とすることにより、室温でも低磁界で電気分極を誘起させることが可能であるが、後述する実施例から明らかなように、Baのモル比x/2のxが0.6〜1.0の範囲でSrとBaとの比率を調整することにより、印加磁界の極性が反転した場合に電気分極の極性も反転するような電気磁気特性が得られる場合と、印加磁界の極性が反転しても電気分極の極性が反転しないような電気磁気特性が得られる場合がある。
また、Alの置換モル比y/12のyを、上記数式(2)に示すように0.8〜1.2の範囲としたのは以下の理由による。
すなわち、Alの置換モル比y/12のyが0.8未満になると、上記Baの置換比x/2の場合と同様、0.2MPa以上の酸素雰囲気で熱処理することにより絶縁性は十分に確保できるものの、室温で螺旋型の磁気秩序を誘起するのが困難となり、電気分極を生成できなくなるおそれがある。
一方、Alの置換モル比yが1.2を超えると、上述と同様、絶縁性は十分に確保できるものの、六方晶Y型結晶以外の異相が生成されやすくなり、この異相が電気磁気特性の発現を阻害することから、電気分極を得るのが困難になる。
次に、本酸化物セラミックスの製造方法について詳述する。
まず、セラミック素原料としてFe等のFe化合物、SrCO等のSr化合物、BaCO等のBa化合物、ZnO等のZn化合物、Co等のCo化合物、及びAl等のAl化合物を用意する。
そして、焼成後の組成において、上記一般式(A)が数式(1)、(2)を満足するように、各セラミック素原料を秤量する。
次に、これら秤量されたセラミック素原料を部分安定化ジルコニウム(以下、「PSZ」という。)ボール等の粉砕媒体、分散剤及び純水等の溶媒と共にポットミル等の粉砕機に投入し、十分に混合粉砕し、混合物を得る。
次に、上記混合物を乾燥させ、整粒した後、1000〜1100℃の温度で大気雰囲気下、所定時間仮焼し、仮焼物を得る。
次いで、この仮焼物を整粒した後、粉砕媒体、分散剤、及びエタノールやトルエン等の有機溶媒と共に、再度粉砕機に投入し、十分に混合粉砕を行い、その後、バインダ溶液を添加し、十分に混合し、これによりセラミックスラリーを得る。
尚、バインダ溶液は、特に限定されるものではなく、例えばポリビニルブチラール樹脂等の有機バインダをエタノールやトルエン等の有機溶媒に溶解させ、必要に応じて可塑剤等の添加物を添加したものを使用することができる。
次いで、このように形成されたセラミックスラリーをドクターブレード法等の成形加工法を使用してシート状に成形し、所定寸法に切断し、セラミックグリーンシートを得る。そして、このセラミックグリーンシートを所定枚数積層して圧着した後、所定寸法に切断し、セラミック成形体を得る。
次に、このセラミック成形体を、大気雰囲気下、300〜500℃で脱バインダ処理し、その後1150〜1250℃で大気雰囲気下、焼成処理を行ない、セラミック焼結体を得る。
そしてその後、0.2MPa以上、好ましくは1MPa以下の酸素濃度雰囲気下、十分に熱処理を行い、これにより酸化物セラミックスが作製される。
このように本酸化物セラミックスによれば、少なくともSr、Ba、Co、Zn、及びFeを含有した六方晶Y型結晶構造を有し、一般式(A)が数式(1)及び(2)を満足し、かつ、0.2MPa以上、好ましくは1MPa以下の酸素雰囲気で焼成後に熱処理されてなるので、絶縁性が大幅に改善され、室温でも低磁界の印加で電気分極を生じさせることができ、強磁性誘電特性を有する酸化物セラミックスを得ることができる。
次に、本発明に係る酸化物セラミックの第2の実施の形態を詳述する。
本第2の実施の形態も、第1の実施の形態と同様、少なくともSr、Ba、Co、Zn、及びFeを含有した六方晶Y型結晶構造を有している。
そして、この第2の実施の形態では、Srの一部を置換した形態で含有されるBaの含有量xが、0.7〜1.0とされると共に、Alに加えMgが、Feの一部を置換した形態で、Mgの含有量zが0.1〜0.5の範囲で含有されている。
すなわち、本第2の実施の形態は、下記一般式(B)で表すことができる。
Sr2-xBaCoZnFe12-y-zAlMg22 …(B)
ここで、Baの置換モル比x/2のx、Fe、Al及びMgの総量に対するAlの含有モル比(以下、「Alの置換モル比」という。)y/12のy及びMgの含有モル比(以下、「Mgの置換モル比」という。)z/12のzは、数式(3)〜(5)を満足するように調製されている。
0.7≦x≦1.0…(3)
0.8≦y≦1.2…(4)
0.1≦z≦0.5…(5)
このように本酸化物セラミックスは、一般式(B)が数式(3)〜(5)を満足することにより、焼成後の熱処理を大気雰囲気で行っても、実用的に十分な絶縁性を確保することができ、室温かつ低磁界でも大きな電気磁気効果を発現でき、良好な電気分極を得ることができる。
そして、この第2の実施の形態では、焼成後の熱処理を大気雰囲気で行っていることから、第1の実施の形態に比べ、製造コストも安価で済み、量産性に適したものとなる。
ここで、Mgの置換モル比z/12のzを、上記数式(5)に示すように0.1〜0.5としたのは以下の理由による。
Mgは酸化物セラミックスの絶縁性改善に寄与する物質であるが、そのためには少なくともMgの置換モル比z/12のzが0.1以上は必要である。しかしながら、Mgの置換モル比z/12のzが0.5を超えると、絶縁性は良好であるが、室温で螺旋型の磁気秩序相を誘起するのが困難となり、電気分極を生成できなくなるおそれがあるからである。
尚、Baの置換モル比x/2のxを、上記数式(3)に示すように0.7〜1.0の範囲としたのは、一般式(B)で表される組成系では、Baの置換モル比x/2のxが0.7未満又は1.0超になると、焼成後の熱処理を大気雰囲気下で行うことにより絶縁性は十分に確保できるものの、室温で螺旋型の磁気秩序を誘起するのが困難となり、電気分極を生成できなくなるおそれがあるからである。
また、Alの置換モル比y/12のyを、上記数式(4)に示すように0.8〜1.2の範囲としたのは、第1の実施の形態と同様、Alの置換モル比y/12のyが0.8未満になると、電気分極を生成できなくなるおそれがあるからであり、Alの置換モル比y/12のyが1.2を超えると、異相が生成されやすくなり、この異相が電気磁気特性の発現を阻害することから、電気分極を得るのが困難になるからである。
上記第2の実施の形態も、上記第1の実施の形態と同様の方法・手順により容易に製造することができる。
すなわち、上記第1の実施の形態で用意したセラミック素原料に加え、MgCO等のMg化合物を所定量秤量する。そしてその後は、焼成後の熱処理を大気雰囲気で行った以外は、第1の実施の形態と同様の方法・手順で製造することができる。
次に、本酸化物セラミックスを使用したセラミック電子部品を詳述する。
図1は、本発明に係るセラミック電子部品としての可変インダクタの一実施の形態を示す正面図であり、図2は、その断面図である。
この可変インダクタは、上記酸化物セラミックスで形成された部品素体1と、該部品素体1の両端部に形成された外部電極2a、2bとを有している。
また、この可変インダクタは、高周波信号が流れた際に部品素体1内を磁束が通過するようにコイルが配されている。具体的には、この実施の形態では、Cu等の導電性材料で形成されたコイル4が、外部電極2aと外部電極2bとを懸架するように巻回されている。
さらに、部品素体1には、内部電極3a〜3cが並列状に埋設されている。そして、これら内部電極3a〜3cのうち、内部電極3a、3cは一方の外部電極2aに電気的に接続され、内部電極3bは他方の外部電極2bに接続されている。このセラミック電子部品は、内部電極3aと内部電極3b、及び内部電極3bと内部電極3cとの間で静電容量の取得が可能とされている。
尚、外部電極2a、2b及び内部電極3a〜3cを形成する電極材料としては、良導電性を有するものであれば、特に限定されるものではなく、Pd、Pt、Ag、Ni、Cu等各種金属材料を使用することができる。
このように構成された可変インダクタでは、部品素体1が、上述した強磁性誘電体からなる酸化物セラミックスで形成され、かつコイル4が外部電極2aと外部電極2bとを懸架するように巻回されているので、コイル4に高周波信号が入力されると、矢印A方向に生じた磁束が部品素体1内を通過し、コイルの巻き数や素子形状、及び部品素体1の透磁率に応じたインダクタンスが得られる。また、外部電極2a、2bに電圧(電界)が印加されると、電気磁気効果により磁化の変化が生じ、コイルのインダクタンスLを変化させることが可能となる。そして、電圧を変化させることにより、インダクタンスLの変化率ΔLを制御することが可能となる。
そして、部品素体1が、上述した本発明の酸化物セラミックスで形成されているので、絶縁性が良好で、室温かつ低磁界で電気分極を得ることができる。
上記可変インダクタは、以下のようにして製造することができる。
まず、上記酸化物セラミックスの製造方法と同様の方法・手順で、セラミックグリーンシートを作製する。
次いで、Pd等の導電性材料を主成分とする内部電極用導電性ペーストを用意する。そして、内部電極用導電性ペーストをセラミックグリーンシートに塗布し、該セラミックグリーンシートの表面に所定パターンの導電層を形成する。
この後、導電層の形成されたセラミックグリーンシートと導電膜の形成されていないセラミックグリーンシートとを所定順序で積層し、その後、所定寸法に切断し、セラミック成形体を得る。
次に、このセラミック成形体を、大気雰囲気下、300〜500℃で脱バインダ処理し、その後1150〜1250℃で大気雰囲気下、焼成処理を行ない、セラミック焼結体を得る。
その後、所定の酸素雰囲気中で熱処理を行い、部品素体1を作製する。すなわち、セラミック焼結体が第1の実施の形態の組成物で形成されている場合は、0.2MPa以上の酸素雰囲気で熱処理を行い、セラミック焼結体が第2の実施の形態の組成物で形成されている場合は、大気雰囲気で熱処理を行い、これにより部品素体1を作製する。
次いで、この部品素体1の両端部にAg等を主成分とする外部電極用導電性ペーストを塗布し、焼付処理を行い、その後、分極処理を行う。
すなわち、まず、室温で所定の磁界を印加して磁界分極を行い、次いで、磁界の方向と直交する方向に所定の電界を印加し、電界分極を行い、これにより可変インダクタが作製される。このように磁界中で分極処理を行うことにより、より大きな電気磁気効果を得ることができる。
尚、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。上記実施の形態では、可変インダクタについて説明したが、本発明の酸化物セラミックスは、室温かつ低磁界で大きな電気磁気効果を発現して所望の強磁性誘電特性を有することから、可変インダクタ以外の各種セラミック電子部品にも適用可能である。例えば、磁界の大きさに応じて電流を出力する磁気センサ、コイルに流れた電流が形成する磁界の大きさに応じて電流を出力する電流センサ、電界で磁化を制御する不揮発性メモリ、可変容量デバイス等にも応用可能である。
また、上記実施の形態では、磁界中で磁界方向と直交する方向に電界分極を行なっているが、結晶粒子が多結晶体の場合は、磁界の方向と電界分極の方向は同一方向であっても大きな電気磁気効果を得ることができる。
また、磁界分極後に、磁界を非印加状態とし、電界分極を行なっても大きな電気磁気効果を得ることができ、使用形態や環境等に応じて適宜選択することができる。
また、上記実施の形態では、本酸化物セラミックスの一例として、一般式(A)、(B)を挙げたが、少なくともSr、Ba、Zn、Co、Feを含む組成系で上記数式(1)〜(5)を満足すればよく、例えばZr等の添加物を含有していても良い。また、O(酸素)の含有モル比についても、特性に影響を及ぼさない範囲で理論化学量論比からの若干のズレは許容される。
次に、本発明の実施例を具体的に説明する。
セラミック素原料としてFe、SrCO、BaCO、Co、ZnO、及びAlを用意した。
次いで、下記組成式(A′)において、焼成後のBaの置換モル比x/2のxが0.6(試料番号1)、0.8(試料番号2)、1.0(試料番号3)、1.2(試料番号4)、1.5(試料番号5)となるように、それぞれセラミック素原料を秤量した。
Sr2-xBaCoZnFe11AlO22 …(A′)
次に、このようにして秤量されたセラミック素原料をPSZボール、水系高分子分散剤(花王社製、カオーセラ2210)及び純水と共にポリエチレン製のポットミルに投入し、16時間混合粉砕し、混合物を得た。
次に、上記混合物を乾燥させ、整粒した後、大気雰囲気下、1100℃の温度で4時間仮焼し、仮焼物を得た。
一方、別途、ポリビニルブチラール系バインダ樹脂(積水化学工業社製、エスレックB「BM−2」)をエタノールとトルエンの混合溶媒に溶解させ、可塑剤を添加してバインダ溶液を作製した。
次いで、上記仮焼物を整粒した後、PSZボール、溶剤系分散剤(花王社製、カオーセラ8000)、及びエタノールとトルエンの混合溶媒をポットミルに投入し、24時間混合粉砕し、その後、上記バインダ溶液を添加し、再度12時間混合し、これによりセラミックスラリーを得た。
次いで、このように作製されたセラミックスラリーをドクターブレード法を使用し、厚みが約50μmのシート状に成形し、金型を使用して所定寸法に切断し、セラミックグリーンシートを得た。そして、このセラミックグリーンシートを所定枚数積層し、196MPaの圧力で圧着し、切断して長さ:12mm、幅:12mm、厚み:0.6mmの試料番号1〜5のセラミック成形体を作製した。
次に、これら試料番号1〜5のセラミック成形体を、大気雰囲気下、500℃で脱バインダ処理を行った後、1200℃で大気雰囲気下、18時間焼成処理を行ない、試料番号1〜5のセラミック焼結体を作製した。
次いで、試料番号1〜5のセラミック焼結体各4個について、それぞれ0.1MPa(1気圧)、0.2MPa(2気圧)、0.4MPa(4気圧)、及び1.0MPa(10気圧)の酸素雰囲気中、1090℃の温度で10時間熱処理を行ない、これにより試料番号1〜5の各部品素体を作製した。
部品素体の寸法は、長さ:10mm、幅:10mm、厚み:0.5mmであった。
次に、試料番号1〜5の各部品素体については、両主面にPtをターゲット物質にしてDCスパッタリングを行い、厚みが約300nmの表面電極を作製し、試料番号1〜5の各試料を得た。尚、DCスパッタリングは、5mmTに調整された真空容器中にArガスを供給し、150Wの電力を供給して行った。
そして、試料番号1〜5の各試料について、誘導結合プラズマ発光分光(ICP)法及び蛍光X線分析(XRF)法を使用して組成分析したところ、各試料は上記組成式(A′)で表される組成を有することが確認された。また、各試料について、X線回折(XRD)法で結晶構造を調べたところ、六方晶Y型結晶構造を有していることが確認された。
次に、これら試料番号1〜5のそれぞれの酸素雰囲気で熱処理した各試料について、高抵抗測定計(米国ケースレー・インスツルメント社製、6487)を使用し、比抵抗ρを求めた。
図3は、焼成後熱処理における酸素雰囲気の気圧と比抵抗ρとの関係を示す図であり、横軸は気圧(MPa)、縦軸は比抵抗ρを示している。図中、●印が試料番号1(x=0.6)、□印が試料番号2(x=0.8)、〇印が試料番号3(x=1.0)、×印は試料番号4(x=0.2)、◆印は試料番号5(x=1.4)である。
この図3から明らかなように、焼成後の熱処理を0.1MPa(大気圧)で行った場合は、比抵抗ρは7〜20MΩ・cmと非常に低く、絶縁性に劣ることが分かった。
これに対し焼成後の熱処理を0.2MPa以上で行った場合は、試料番号1〜5のいずれの試料においても、比抵抗ρが100MΩ・cm以上の良好な絶縁性が得られることが分かった。
以上よりFeの一部をAlで置換した六方晶Y型結晶構造を有する酸化物セラミックスは、焼成後の熱処理を0.2MPa以上の酸素雰囲気で行うことにより、Baの置換モル比x/2のxに依存することなく、絶縁性を飛躍的に改善できることが確認された。
実施例1と同様のセラミック素原料を用意し、焼成後のBaの置換モル比x/2のx及びAlの置換モル比y/12のyが、表1に示す組成となるようにセラミック素原料を秤量した。
そしてその後は、実施例1と同様の方法・手順で、部品素体の両主面に表面電極が形成された試料番号11〜27の各試料を作製した。
ただし、焼成後の熱処理は、試料番号11〜26については、0.2MPa、0.4MPa、1.0MPaの各酸素雰囲気で行い、試料番号27については0.1MPaで行った。
そして、試料番号11〜27の各試料の組成分析を、実施例1と同様、ICP法及びXRF法を使用して行い、結晶構造はXRD法で確認したところ、各試料は表1に示す組成を有し、六方晶Y型結晶構造を有していることを確認した。
次いで、試料番号11〜27の各試料について、実施例1と同様の方法・手順で、比抵抗ρを測定した。
次に、試料番号11〜27の各試料について、物理特性測定装置(カンタム・デザイン社製、PPMS)を使用して分極処理を行った後、電気磁気電流を測定し、該電気磁気電流から電気分極Prを求めた。
図4は、物理特性測定装置の構成例を模式的に示した斜視図である。
すなわち、この物理特性測定装置は、部品素体21の両主面に表面電極22a、22bが形成された測定試料23に信号線24a、24bが接続され、該信号線24aと信号線24bとの間には直流電源25が介装されている。
そして、まず、超電導磁石(図示せず。)を使用し、300Kの温度で−5Tの直流磁界を1分間印加し、矢印B方向に磁界分極を行った。次いで、この状態で表面電極22a、22b間に4〜8kV/cmの電界を印加しつつ、−18mT/sの速度で−5Tから−0.5Tまで変化させ、測定試料を単分域化した後、電界及び磁界を非印加状態とした。
次に、図5に示すように、図4の直流電源25に代えてエレクトロメータ(米国ケースレー・インスツルメント社製、6517A)26を信号線24aと信号線24bとの間に介装し、約1T/minの速度で磁界を掃引しながら、その時に試料から吐き出される電荷、すなわち電気磁気電流をエレクトロメータ26で計測した。
次いで、この電気磁気電流の電流密度Jを時間で積分し、強誘電体の指標となる電気分極Prを求めた。
すなわち、電気磁気電流の電流密度Jは、数式(6)で表わすことができる。
J=dPr/dt …(6)
したがって、電気磁気電流の電流密度Jを時間tで積分することにより、電気分極Pを求めることができる。
ここで、電気分極Prが強磁性誘電体特性の指標となる理由を説明する。
強磁性誘電特性の指標として数式(7)で定義される電気磁気結合係数αが知られている。
α=μ(dPr/dB)…(7)
μは真空の透磁率(=4π×10-7H/m)である。
したがって、磁界B(T)の変化に対する電気分極Pの変化は、数式(8)で表わされる。
dP/dB=(dPr/dt)/(dB/dt)=J/(dB/dt)…(8)
dB/dtは磁界の掃引速度を示している。
そして、数式(8)に上記数式(7)を代入すると電気磁気結合係数αは数式(9)で表わすことができる。
α=(μ・J)/(dB/dt)…(9)
したがって、電気磁気結合係数αは、真空の透磁率μと電流密度Jとの積を磁界の掃引速度(dB/dt)で除算することにより求めることができる。
そして、数式(9)から明らかなように、電気磁気結合係数αは、電気磁気電流の電流密度Jが大きい試料ほど大きくなり、したがって電気分極Prが大きいほど大きな電気磁気効果を得ることができ、強磁性誘電体となる。
表1は、試料番号11〜27の各試料について、その組成、焼成後熱処理の酸素雰囲気、比抵抗ρ及び電気分極Prを示している。
ここで、表1中の焼成後熱処理の酸素雰囲気、比抵抗ρ及び電気分極Prの各値は、電気分極Prが最大値を示したときの気圧及び比抵抗ρを示し、電気分極Prが得られなかった試料については1.0MPaで熱処理した場合の比抵抗ρを示している。
尚、表1中、1.0MPaの酸素雰囲気で電気分極Prが最大となった試料では、0.2MPaの酸素雰囲気でいずれも0.1μC/cm以上の電気分極Prが得られたことを確認している。
Figure 0006150061
この表1から明らかなように、試料番号11、20、21は、0.2MPaの酸素雰囲気で熱処理した場合に電気分極Prは最大となり、試料番号12〜15、24、及び25は、1.0MPaの酸素雰囲気で熱処理した場合に電気分極Prは最大となった。
また、試料番号27は、実施例1の試料番号3で焼成後熱処理を0.1MPa(大気圧)で行った試料に相当し、比抵抗ρが15MΩ・cmと極端に低く、電界分極を行うことができなかった。
試料番号16は、絶縁性は十分であるが、室温で電気磁気電流を測定できず、したがって電気分極Prを生成できず、強誘電性を発現することができなかった。これはBaの置換モル比x/2のxが0.5であり、Baに対するSrのモル比が相対的に多いことから、室温では電気分極Prを生じる螺旋型の磁気構造が誘起されなかったためと考えられる。
試料番号17は、この場合も絶縁性は十分であるが、室温で電気磁気電流を測定できず、したがって電気分極Prを生成できず、強誘電性を発現することができなかった。これはBaの置換モル比x/2のxが1.2であり、Baに対するSrのモル比が相対的に少ないことから、この場合も室温では電気分極Prを生じる螺旋型の磁気構造が誘起されず、よりフェリ強磁性的になったためと考えられる。
また 試料番号19及び23は、比抵抗ρは477MΩ・cm及び845MΩ・cmであり、良好な絶縁性が得られたが、室温では電気分極Prを生成できず、強誘電性が発現しなかった。これはAlの置換モル比y/12のyが0.5と少なすぎるため、室温では電気分極Prを生じる螺旋型の磁気構造が誘起されなかったためと考えられる。
また、試料番号22及び26も、比抵抗ρは568MΩ・cm及び352MΩ・cmであり、良好な絶縁性は得られるものの、異相が生成し、室温では電気分極Prが得られず、強誘電性が発現しなかった。これはAlの置換モル比y/12のyが1.5と多すぎるため、上述したように異相が生成されてしまい、その結果、この異相によって電気磁気特性の発現が阻害されたものと考えられる。
これに対し試料番号11〜15、20、21、24及び25は、Baの置換モル比x/2のxが0.6〜1.0であり、かつAlの置換モル比y/12のyが0.8〜1.2であり、かつ0.2MPa以上の酸素雰囲気で焼成後熱処理しているので、比抵抗ρは100MΩ・cm以上であり、かつ電気分極Prも室温で0.8〜2.0μC/cmの良好な値が得られることが分かった。
すなわち、本実施例2の組成系(第1の実施の形態に相当)では、0.2MPa以上の酸素雰囲気で焼成後熱処理をすることにより、絶縁性は大幅に改善される。しかしながら、所望の電気分極Prを得るためには磁気秩序を螺旋型の磁気構造に転移させる必要があり、したがって室温かつ低磁界で強誘電性を発現するためには、絶縁性を大幅に改善しても絶縁性の改善だけでは不十分である。そしてそのためにはBaの置換モル比x/2のxを0.6〜1.0とし、かつAlの置換モル比y/12のyを0.8〜1.2とする必要があることが分かった。
図6及び図7は試料番号12の電気磁気特性を示している。
図6は、試料番号12の電流密度特性を示し、横軸は磁界(T)、縦軸は電流密度J(μA/m)である。
また、図7は試料番号12の磁界と電気分極Prとの関係を示し、横軸は磁界(T)、縦軸は電気分極Pr(μA/m)である。
この図6に示すように、磁界を−0.5Tから0.1T/sの速度で掃引すると、磁界が負の領域からゼロ磁界までは、ほぼ正の電気磁気電流が流れ、ゼロ磁界から磁界の極性が反転して正の磁界が印加されると、電気磁気電流の極性も反転している。
この電気磁気電流の電流密度Jを積分すると電気分極Prが求まり、図7のような電気分極特性が得られる。
そして、この電気分極Prは、磁界が−0.5Tからゼロ磁界の範囲で正の電気分極Prが得られ、磁界の極性が反転しても正の方向に電気分極Prが発生し、約3Tの磁界で電気分極Prはほぼゼロになっている。
すなわち、試料番号12ではゼロ磁界から約3Tの範囲で強誘電性が誘起され、さらに磁界の極性が反転しても電気分極Prの極性は反転しないことが分かる。
一方、図8及び図9は試料番号13の電気磁気特性を示している。
すなわち、図8は、試料番号13の電流密度特性を示し、横軸は磁界(T)、縦軸は電流密度J(μA/m)である。
また、図9は試料番号13の電気分極特性を示し、横軸は磁界(T)、縦軸は電気分極Pr(μA/m)である。
この図9に示すように、磁界を−0.5Tから0.1T/sの速度で掃引すると、試料番号12と同様、磁界が負の領域からゼロ磁界までは、ほぼ正の電気磁気電流が流れ、ゼロ磁界から磁界の極性が反転して正の磁界が印加されても、電気磁気電流は負側には殆ど流れないことが分かる。
この電気磁気電流の電流密度Jを積分すると、電気分極Prが求まり、図9のような電気分極特性が得られる。
そして、この電気分極Prは、磁界が−0.5Tからゼロ磁界の範囲で正の電気分極Prが得られるが、印加磁界の極性が反転すると、電気分極Prも反転して負の方向に発生し、約3Tの磁界で電気分極Prはほぼゼロになっている。
すなわち、試料番号13ではゼロ磁界から約3Tの範囲で強誘電性が誘起され、さらに印加磁界の極性が反転すると電気分極Prの極性も反転することが分かる。
このようにBaの置換モル比x/2のxが異なると、磁気構造が変化し、磁界の極性が反転すると電気分極Prの極性も反転する場合と、磁界の極性が反転しても電気分極Prの極性は反転しない場合が生じると考えられる。
しかしながら、図6〜9に示すように、いずれの場合においても300Kの室温で0.1Tの低磁界で1μC/m以上の電気分極Prが得られており、室温かつ低磁界で電気磁気効果を示す強磁性誘電体が得られることが確認された。
セラミック素原料としてFe、SrCO、BaCO、ZnO、Co、Al、及びMgCOを用意した。
そして、焼成後のBaの置換モル比x/2のx、Alの置換モル比y/12のy、及びMgの置換モル比z/12のzが、表2に示す組成となるようにセラミック素原料を秤量し、その後は、実施例1と同様の方法・手順で、試料番号31〜57の試料を作製した。
ただし、焼成後熱処理は、0.1MPaの酸素雰囲気(大気圧)下、1090℃で10時間行った。
そして、試料番号31〜57の各試料の組成分析は、実施例1と同様、ICP法及びXRF法を使用して行い、結晶構造はXRD法で確認したところ、各試料は表2に示す組成を有し、六方晶Y型結晶構造を有していることを確認した。
次に、試料番号31〜57の各試料について、実施例1と同様の方法・手順で、比抵抗ρを測定した。
次いで、試料番号31〜57の各試料について、実施例2と同様、物理特性測定装置を使用し(図4及び図5参照)、分極処理を行った後、電気磁気電流を測定し、該電気磁気電流から電気分極Prを求めた。
ただし、分極処理及び電気磁気電流の測定は以下の方法で行った。
すなわち、まず、電磁石(図示せず。)を使用し、300Kの温度で1.5Tの直流磁界を1分間印加し、図4の矢印B方向に磁界分極を行った。次いで、表面電極22a、22b間に800V/mmの電界を印加しつつ、磁界の大きさを1.5Tから0.5Tまで徐々に低下させ、0.5Tの磁界中で3分間、図4の矢印C方向に電界分極を行った。このように磁界中で分極処理を行うことにより、より大きな電気磁気効果を得ることが可能となる。
次に、電界及び磁界を非印加状態とし、評価試料を1時間程度放置した。このように分極処理を行った後、所定時間放置することにより、更に大きな電気磁気効果を得ることが可能となる。
次に、図4の直流電源25に代えてピアコンメータ(米国ケースレー・インスツルメント社製、6487)を設け、低温クライオスタット(東陽テクニカ製社製、LN−Z型)で300Kの温度に制御しながら、電磁石を使用し、−0.21〜+0.21Tの磁界範囲で、1.7T/minの速度で複数回往復掃引し、その時に試料から吐き出される電荷、すなわち電気磁気電流をピアコンメータで計測した。
表2は、試料番号31〜57の各試料について、その組成、焼成後熱処理の酸素雰囲気、比抵抗ρ及び電気分極Prを示している。
尚、比較のため実施例2の試料番号27を再掲している。
Figure 0006150061
試料番号27は、実施例2でも述べたように0.1MPaで焼成後熱処理を行っているが、Mgが含有されていないため、比抵抗ρが15MΩ・cmと極端に低く、電界分極を行うことができなかった。
また、試料番号43も、試料番号27と同様、Mgが含有されていないため、0.1MPaの大気雰囲気で焼成後熱処理を行っても、比抵抗ρは5.9MΩ・cmと極端に低く、絶縁性に劣り、電界分極を行うことができなかった。
試料番号34、47は、Mgの置換モル比z/12のzが0.6と多すぎるため、絶縁性は良好であるものの、電気磁気電流は計測できず、電気分極Prを得ることはできなかった。これは、Mgは絶縁性の改善には寄与するものの、過度に含有されると、室温では電気分極Prを生じる螺旋型の磁気構造が誘起されず、電気磁気電流を測定することができなかったものと思われる。
試料番号35、39は、比抵抗ρも34MΩ・cm、25MΩ・cmと低く、絶縁性に劣り、電界分極を行えても電気磁気電流は測定できず、電気分極Prを生成することはできなかった。
試料番号48、52は、Alの置換モル比y/12のyが0.7と少なく、実施例2の試料番号19及び23と同様、室温では電気分極Prを生じる螺旋型の磁気構造が誘起されず、電気磁気電流を測定することができなかった。
試料番号38、51、及び55は、Alの置換モル比y/12のyが1.3と多く、実施例1の試料番号22及び26と同様、絶縁性は良好であるが、異相が生成し、該異相の生成によって電気磁気特性の発現が阻害され、室温では電気磁気電流を測定できず、電気分極Prが得られなかった。
試料番号56は、Baの置換モル比x/2のxが1.2であり、Baに対するSrのモル比が相対的に少なくなり、絶縁性は十分であるが、室温では電気磁気電流を測定することができず、電気分極Prが得られなかった。
試料番号57は、Baの置換モル比x/2のxが0.6であり、Baに対するSrのモル比が相対的に多くなり、この場合も絶縁性は十分であるが、室温では電気磁気電流を測定することができず、電気分極Prが得られなかった。
これに対し試料番号31〜33、36、37、40、41、44〜46、49、50、53、及び55は、Baの置換モル比x/2のxが0.7〜1.0であり、Alの置換モル比y/12のyが0.8〜1.2、かつMgの置換モル比z/12のzが0.1〜0.5であるので、0.2MPa以上の酸素雰囲気で焼成後熱処理しなくても、比抵抗ρは50MΩ・cm以上となって実用的には十分な絶縁性を確保でき、電気分極Prも室温で0.5〜3.5μC/cmの良好な値が得られることが確認された。
すなわち、本実施例3の組成系(第2の実施の形態に相当)では、Feの一部をMgで置換することにより、焼成後熱処理を大気雰囲気で行っても、絶縁性は大幅に改善される。しかしながら、所望の電気分極Prを得るためには磁気秩序を螺旋型の磁気構造に転移させる必要があり、したがって室温かつ低磁界で強誘電性を発現するためには、絶縁性を大幅に改善しても絶縁性の改善だけでは不十分であり、Baの置換モル比x/2のxを0.6〜1.0とし、Alの置換モル比y/12のyを0.8〜1.2とし、かつMgの置換モル比z/12のzが0.1〜0.5とする必要があることが確認された。
図10及び図11は試料番号32の電気磁気特性を示している。
図10は、試料番号32の磁界及び電流密度Jの経時変化を示す図であり、横軸は時間(s)、右縦軸は磁界(T)、左縦軸は電流密度J(μA/m)である。
また、図11は、試料番号32の電気分極Pr及び電流密度Jの経時変化を示す図であり、横軸は時間(s)、右縦軸は電気分極Pr(μA/m)、左縦軸は電流密度J(μA/m)である。
この図10に示すように、磁界を−0.21T〜+0.21Tの範囲で一定の速度で複数回往復掃引すると、ゼロ磁界近傍で試料から電気磁気電流が流れ、電流密度Jが得られる。
そして、この電気磁気電流の電流密度Jを積分すると、電気分極Prが求まり、図11のような電気分極特性が得られる。
この図11に示すように、試料番号32は磁界の極性が反転しても電気分極Prの極性は反転しない電気磁気特性を示している。
そして、この試料番号32では、300Kの室温で0.1Tの低磁界で3.5μC/mの電気分極Prが得られており、室温かつ低磁界で電気磁気効果を示す強磁性誘電体が得られることが分かる。
以上、各実施例で明らかにしたように、絶縁性が大幅に改善され、かつ室温・低磁界で強磁性誘電特性を有する酸化物セラミックスが得られることが確認された。
絶縁性が良好で300K程度の室温でも低磁界で強磁性誘電特性を発現できる酸化物セラミックスを得ることができ、この酸化物セラミックスを使用して可変インダクタや磁気センサ、不揮発性メモリ等の各種セラミック電子部品の実現が可能となる。
1 部品素体
2a、2b 外部電極
3a〜3c 内部電極

Claims (9)

  1. 少なくともSr、Ba、Co、Zn、及びFeを含有した六方晶Y型結晶構造を有する酸化物セラミックスの製造方法であって、
    焼成後の組成が、前記Baの含有量をモル比換算でx/2としたときに、xが0.6〜1.0となり、Alの含有量をモル比換算でy/12としたときに、yが0.8〜1.2となるようにBa化合物及びAl化合物をSr化合物、Co化合物、Zn化合物、Fe化合物と共に秤量する工程と、
    前記秤量物を混合し、仮焼した後、成形加工を施してセラミック成形体を得る工程と、
    前記セラミック成形体に焼成処理を施し、前記Srの一部を前記Baで置換し、前記Feの一部を前記Alで置換したセラミック焼結体を得る工程と、
    前記セラミック焼結体を0.2MPa以上の酸素雰囲気中で熱処理し、酸化物セラミックスを作製する工程とを含むことを特徴とする酸化物セラミックスの製造方法。
  2. 前記酸化物セラミックスは、一般式[Sr2-xBaCoZnFe12-yAl22](ただし、0.6≦x≦1.0、0.8≦y≦1.2)で表されることを特徴とする請求項1記載の酸化物セラミックスの製造方法
  3. 前記酸素雰囲気は、1MPa以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の酸化物セラミックスの製造方法。
  4. 少なくともSr、Ba、Co、Zn、及びFeを含有した六方晶Y型結晶構造を有し、
    前記Baは、前記Srの一部を置換した形態で含有されると共に、前記Baの含有量をモル比換算でx/2としたときに、xは0.7〜1.0であり、
    かつ、Al及びMgが、前記Feの一部を置換した形態で含有されると共に、前記Alの含有量をモル比換算でy/12としたときに、yは0.8〜1.2であり、前記Mgの含有量をモル比換算でz/12としたときに、zは0.1〜0.5であることを特徴とする酸化物セラミックス。
  5. 一般式[Sr2-xBaCoZnFe12-y-zAlMg22](ただし、0.7≦x≦1.0、0.8≦y≦1.2、0.1≦z≦0.5)で表されることを特徴とする請求項4記載の酸化物セラミックス。
  6. 大気雰囲気中で熱処理されてなることを特徴とする請求項4又は請求項5記載の酸化物セラミックス。
  7. 部品素体の表面に外部電極が形成されたセラミック電子部品であって、
    前記部品素体が、請求項乃至請求項6のいずれかに記載の酸化物セラミックスで形成されていることを特徴とするセラミック電子部品。
  8. コイルが、前記部品素体の透磁率に応じたインダクタンスを有するように配されていることを特徴とする請求項7記載のセラミック電子部品。
  9. 内部電極が、前記部品素体に埋設されていることを特徴とする請求項7又は請求項8記載のセラミック電子部品。
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