JP4069284B2 - 磁性フェライト材料および積層型フェライト部品 - Google Patents

磁性フェライト材料および積層型フェライト部品 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は積層型チップビーズ、積層型インダクタなどの積層型チップフェライト部品、LC複合積層型部品を代表とする複合積層型部品に用いられる磁性フェライト材料および積層型フェライト部品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
積層型チップフェライト部品および複合積層型部品(本明細書中では積層型フェライト部品と総称する。)は、体積が小さいこと、信頼性が高いことなどから、各種電気機器に用いられている。この積層型フェライト部品は、通常、磁性フェライトからなる磁性層用のシートまたはペーストと内部電極用のペーストとを厚膜積層技術によって積層一体化した後、焼成し、得られた焼結体表面に外部電極用ペーストを印刷または転写した後に焼き付けて製造される。なお、積層一体化した後に焼成することを同時焼成と呼んでいる。内部電極用の材料としてはその低抵抗率からAgまたはAg合金が用いられているため、磁性層を構成する磁性フェライト材料としては、同時焼成が可能、換言すればAgまたはAg合金の融点以下の温度で焼成ができることが絶対条件となる。したがって、高密度、高特性の積層型フェライト部品を得るためには、AgまたはAg合金の融点以下の低温で磁性フェライトを焼成できるかが鍵となる。
AgまたはAg合金の融点以下の低温で焼成できる磁性フェライトとしてNiCuZnフェライトが知られている。つまり、微粉砕によって比表面積を6m2/g程度以上とした原料粉末を用いたNiCuZnフェライトは、Agの融点(961.93℃)以下で焼成できるため、積層型フェライト部品に広く用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、磁性フェライトをAgまたはAg合金の融点以下の低温で焼成するためには、主成分自体の検討のみならず、焼結助剤も重要である。CuOが低温焼成化に有効であることは以前から知られているが、CuOの他にも様々な焼結助剤が開発されている。なお、本願明細書において、「低温」とはAgまたはAg合金の融点以下の温度を意味する。特開平8−319155号公報では焼結助剤としてBi23およびMnO2を所定量添加すること、また特開平97814号公報では焼結助剤としてSiO2およびBi23を所定量添加すること、が提案されている。しかしながら、より高い収縮率が得られる焼結助剤が要求されている。
そこで、本発明は低温焼成に有効な焼結助剤を提案し、低温焼成可能な磁性フェライト材料およびこれを用いた積層型フェライト部品を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、主組成に対する添加物について様々な検討を行い、 およびSiO を含むBi23系ガラス(以下、B およびSiO を含むBi 2 3 系ガラスを単に「Bi 2 3 系ガラス」という)を添加することにより加熱した際の収縮率が向上すること、すなわちBi23系ガラスが低温焼成に有効に寄与することを知見した。ここで収縮率とは焼成のしやすさの目安となるもので、同一の温度において収縮率が高いほど焼成しやすいとみなすことができる。また本発明者は、Bi23系ガラスが低温焼成に有効であるのみならず、Bi23系ガラスを添加した場合には複素透磁率の虚数部分μ''(以下、適宜「μ''」という。)が高周波域側にシフトすることを知見した。よって、Bi23系ガラスによれば、高周波特性に優れかつ低温焼成可能な磁性フェライトを得ることができる。
したがって、本発明は、磁性フェライト材料に焼結助剤としてBi23系ガラスを添加したことを特徴とする磁性フェライト材料を提供する。Bi23系ガラスによれば、AgまたはAg合金の融点以下の低温で焼成した場合においても磁性フェライトの磁気特性は維持される。なお、本発明においてBi23系ガラスとは、ガラス成分中にBi23を20〜90wt%含むガラスをいう。Bi23系ガラスの望ましい添加量は0.5〜12wt%である。この範囲でBi23系ガラスを添加した場合には、焼成のしやすさの目安となる収縮率が向上するため、焼成温度の低減を図ることができる。
【0005】
本発明の磁性フェライト材料おいて、焼結助剤としてBi23系ガラスとCuOを複合添加した場合には、特に同時焼成に有効である。具体的には、Bi23系ガラスおよびCuOを合計で1〜20wt%添加すればよい。CuOの低温焼成効果は既知であるが、焼結助剤としてCuOを単独で添加した場合には磁気特性が下がる場合がある。ところが、Bi23系ガラスおよびCuOを複合添加することによって、所定の磁気特性を維持しつつ低温焼成可能な磁性フェライトを得ることができる。特に、Bi23系ガラスおよびCuOを合計で3〜15wt%添加した場合には、焼成のしやすさの目安となる収縮率が向上する。また、Bi23系ガラスを3〜7wt%およびCuOを3〜7wt%添加した場合には、μ''が高周波域側にシフトするため、高周波特性に優れた磁性フェライトを得ることができる。
【0006】
ところで、近年、クロック周波数の高周波化に伴い六方晶系フェライトが注目をあびている。六方晶系フェライトの中には、M型、U型、W型、X型、Y型およびZ型の6種類があり、これらはMn系やNi系などの立方晶系フェライトと異なった特徴を有している。すなわち、六方晶系フェライトは結晶方向により異なる異方性磁界をもつために、透磁率が高周波域側にシフトするという特徴を有している。上記特開平8−319155号公報では、Ni系の立方晶系フェライトにBi23およびMnO2を所定量添加することにより、また上記特開平97814号公報では、同じく立方晶系フェライトにSiO2およびBi23を所定量添加することにより、いずれも同時焼成を可能としている。ところが、特開平8−69713号公報および特開平97814号公報に記載の焼結助剤は、立方晶系フェライトを同時焼成する上では有効であるものの、立方晶系フェライトよりも焼成温度が高い六方晶系フェライトに適用した場合には十分な収縮率が得られず、助剤添加による焼成温度の低減が不十分であるという問題点があった。
【0007】
この六方晶系フェライトに対する焼結助剤として、特開平9−110432号公報はSiO2、CaOを所定量添加することを提案している。しかしながら、特開平9−110432号公報に開示された六方晶系フェライトは、1150〜1350℃で焼成がなされることを前提にしている。よって、同時焼成することができず、積層型フェライト部品への適用は困難である。
したがって本発明は、立方晶系フェライトのみならず、六方晶系フェライトに適用した場合においても良好な収縮率が得られる焼結助剤を提案し、低温焼成可能な磁性フェライト材料およびこれを用いた積層型フェライト部品を提供することを課題とする。すなわち本発明は、六方晶系フェライトを主相とする焼結体からなり、Bi23系ガラスを構成する成分が前記焼結体中に存在することを特徴とする磁性フェライト材料を提供する。本発明の磁性フェライト材料において、Bi23系ガラスの添加量を1〜20wt%とした場合、低温焼成に特に有効である。
【0008】
六方晶系フェライトの中でZ型はM3Me2Fe2441の一般式を有している。ここで、Mはアルカリ土類金属、Meは2価の金属イオンである。Z型の六方晶系フェライトの中でもコバルト金属イオンを含有したZ型の六方晶系フェライトは、異方性が大きいために立方晶系フェライトより高周波領域まで高透磁率を有することが可能である。このコバルト金属イオンを含有したZ型の六方晶系フェライトは、Co2Zと呼ばれている。
Z型の六方晶系フェライトが優れた高周波特性を有することは以前から知られていたが、いくつかの問題点を有するために実用化には未だ到っていない。つまり、Z相生成に到るまでにM、W、Y相が出現し、この異相の生成により透磁率が低下するのである。また、Z型の六方晶系フェライト焼結体は焼結体密度が低いことも指摘されている。焼結体密度が低いと、表面実装部品として用いられる場合の機械的強度が問題となる。また、焼結体密度と透磁率は密接な関係があり、焼結体密度が低いと透磁率自体も低くなり、本来の磁気特性を発揮することができない。しかも、ギガ帯域で使用できるZ型の六方晶系フェライトは1250〜1350℃の高温焼成を行わなければ磁気特性が得られないため、内部電極用材料であるAgの融点以下である960℃以下では焼成することができず、Agとの同時焼成が必要な積層型チップフェライト部品を得ることができなかった。
【0009】
上記特開平9−110432号公報には、焼結体密度を上げ、かつ高周波領域においても透磁率の減少が抑制された六方晶系フェライト材料が開示されている。ところが、特開平9−110432号公報に開示された六方晶系フェライト材料は、Z相を主相とするものではなく、上述の通り1150〜1350℃で焼成がなされることを前提にしており、同時焼成することができないため積層型フェライト部品への適用は困難である。
前記課題を解決すべく、本発明者は、主組成に対する添加物、仮焼き温度、焼成前の粉末の粒度分布、粉体比表面積について検討を行い、Z相を主相としかつ低温焼成が可能な六方晶系フェライト材料を得るに到った。すなわち、Z相を主相とするためには、粒度分布のピーク値を0.1〜3μmの範囲とし、粉体比表面積を5〜30m2/gとすること、仮焼き温度を1220〜1330℃とすること、低温焼成化のために添加物成分として硼珪酸ガラス、硼珪酸亜鉛ガラス、CuO、Bi23のうち1種類以上を0.5〜20wt%添加することが有効であることを提案している。そして本発明者は、さらなる鋭意研究の結果、Bi23系ガラスがZ型の六方晶系フェライトの低温焼成に極めて有効であることを知見した。
【0010】
したがって本発明は、六方晶系フェライトのZ相(M3Me2Fe2441:M=アルカリ土類金属の1種または2種以上、Me=Co,Ni,Mn,Zn,MgおよびCuのうち1種または2種以上)がX線回折において主相とする焼結体からなり、Bi23系ガラスを構成する成分が前記焼結体中に存在することを特徴とする磁性フェライト材料を提供する。本発明によれば、ギガ帯域でのノイズ吸収に優れた効果を発揮する磁性フェライト材料を得ることができる。また、本発明の磁性フェライト材料において、Z相のピーク強度比を30%以上とすることができる。さらにまた、本発明における磁性フェライト材料によれば、960℃以下での低温焼成が可能である。特に、Bi23系ガラスおよびCuOを複合添加することが同時焼成に有効である。また、誘電率が20〜30になるようにBi23系ガラスおよびCuOを添加することによって、六方晶系フェライトの高周波特性を一層のばすことができる。
【0011】
さらに本発明は、磁性フェライト層と内部電極とが交互に積層されるとともに、前記内部電極と電気的に接続された外部電極とを有する積層型フェライト部品であって、前記磁性フェライト層はBi23系ガラスを含む磁性フェライト焼結体から構成され、前記内部電極はAgまたはAg合金から構成されることを特徴とする積層型フェライト部品を提供する。本発明の積層型フェライト部品において、前記磁性フェライト層を、六方晶系フェライトを主相とする磁性フェライト焼結体から構成することができる。前記磁性フェライト焼結体において、副成分としてさらにCuOを含むことが同時焼成に有効である。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態について説明する。
主成分をなす磁性フェライト材料としては、Ni系やMg系などの立方晶系フェライト、もしくは六方晶系フェライト等、公知の磁性フェライト材料を選択できる。立方晶系フェライトは、一般にMe2Fe24の一般式を有している。ここで、MeはNi,Mg,Mn,Zn,Cuなどの2価の金属イオンである。本発明の磁性フェライト材料において、立方晶系フェライトを用いる場合には、原料粉末として、Fe23粉末、ならびにMeについては酸化物または炭酸塩粉末を用意する。組成は目的に応じ選択すればよいが、NiCuZnフェライトを用いる場合には、Fe23:40.0〜51.0mol%,CuO:5.0〜30.0mol%,ZnO:0.5〜35.0mol%およびNiO:5.0〜50.0mol%の範囲とすればよい。
【0013】
Fe23の量は透磁率に大きな影響を与える。Fe23が40.0mol%より少ないと透磁率が小さく、フェライトとしての化学量論組成に近づくにしたがって透磁率は上昇するが、化学量論組成をピークとして急激に低下する。したがって、上限を51.0mol%とする。望ましいFe23の量は45.0〜49.8mol%、さらに望ましいFe23の量は49.2〜49.8mol%である。CuOは、本発明において焼結温度低減に寄与する化合物であり、5.0mol%未満ではAgの融点以下の温度域における焼結が実現できなくなる。ただし、30.0mol%を超えるとフェライトの固有抵抗が低下して品質係数Qが劣化するので5.0〜30.0mol%とする。望ましいCuO量は7.0〜25.0mol%、さらに望ましいCuO量は10.0〜20.0mol%である。
NiOの減少あるいはZnOの増加により透磁率μを向上させることができるが、ZnOが多すぎるとキュリー温度が100℃以下となり、電子部品に要求される温度特性を満足することができなくなる。したがって、ZnO量は0.5〜35.0mol%とする。望ましいZnO量は15.0〜30.0mol%、さらに望ましいZnO量は18.0〜25.0mol%である。またNiO量は5.0〜50.0mol%とする。望ましいNiOの量は5.0〜45.0mol%、さらに望ましいNiOの量は7.0〜35.0mol%である。
【0014】
六方晶系フェライトの中には、M型、U型、W型、X型、Y型およびZ型の6種類がある。以下、六方晶系フェライトの代表として、Z型(M3Me2Fe2441:M=アルカリ土類金属の1種または2種以上、Me=2価の金属イオンの1種または2種以上)を中心として説明するが、本発明はこれに限定される物ではなく、他の構造の六方晶系フェライト、すなわちM型(MFe1219),U型(M4Me2Fe3660),W型(MMe2Fe1627),X型(M2Me2Fe2846),Y型(M2Me2Fe1222)の各型、あるいはこれらが混在した場合においても適用できる。
【0015】
本発明の磁性フェライト材料において、Z型の六方晶系フェライトを用いる場合には、原料粉末として、Fe23粉末、ならびにMおよびMeについては酸化物または炭酸塩粉末を用意する。MはBa,Sr等のアルカリ土類金属であり、特にBaが望ましい。また、MeはCo,Ni,Mn,Zn,MgおよびCuのうち1種または2種以上であり、特にCoが望ましい。本発明において、組成は目的に応じ選択すればよいが、特に高周波数特性に優れた透磁率を得るためには、Fe23が65〜75mol%、BaCO3が17〜27mol%(またはBaCO3とSrCO3の合計が17〜27mol%)、Co34,NiO,MnO,ZnO,MgOおよびCuOの1種または2種以上が5〜15mol%の配合組成とすることが望ましい。より望ましくは、Fe23が67〜70mol%、BaCO3(またはBaCO3とSrCO3の合計)が18〜20mol%、Co34,NiO,MnO,ZnO,MgOおよびCuOの1種または2種以上が7〜12mol%である。
【0016】
次に、本発明による磁性フェライト材料は副成分としてBi23系ガラスを含む。0.5wt%未満では十分な収縮率が得られず、Agの融点以下での焼成が困難である。ただし、12wt%を超えると透磁率の実数部分であるμ'が低下し、磁性材料の所定の磁気特性を維持できない。よって、Bi23系ガラスの望ましい添加量は、0.5〜12wt%、さらには2〜9wt%、より望ましくは3〜7wt%である。
Bi23系ガラスとCuOを複合添加した場合には、同時焼成に特に有効である。Bi23系ガラスとCuOを複合添加することが望ましいのは、それぞれ低温焼成に寄与する機構が異なるためであると考えられる。Bi23系ガラスとCuOを複合添加する場合にはBi23系ガラスおよびCuOを合計で1〜20wt%、さらには合計で3〜15wt%添加することが望ましい。特に、Bi23系ガラスを3〜7wt%およびCuOを3〜7wt%添加した場合には、2以上の高い透磁率μ'を得ることができるとともに、μ''のピーク値が高周波域側にシフトするという効果を奏する。
【0017】
以上の本発明による磁性フェライト材料は、原料粉末を混合する混合工程と、混合された前記原料粉末を仮焼きする仮焼き工程と、前記仮焼き工程により得られた仮焼き体を粉砕して粉砕粉末を得る粉砕工程と、焼結助剤であるBi23系ガラスを仮焼き後の粉砕粉末に添加する工程と、前記粉砕工程により得られた前記粉砕粉末を用いて成形体を得る成形工程と、前記成形工程で得られた成形体を焼結する焼結工程により得ることができる。以後、主成分をなす磁性フェライト材料としてZ型の六方晶系フェライトを選択した場合について説明する。
【0018】
原料粉末として、Fe23粉末、BaCO3粉末およびCo34粉末を用意する。これらの主成分をなす粉末に加えて、副成分であるBi23系ガラス粉末を用意する。Bi23系ガラスとCuOを複合添加する場合にはCuO粉末も用意する。
本発明の磁性フェライト材料においてZ相を主相とするためには、焼成前の粉末の平均粒度分布(本明細書中では、単に粒度分布という)のピーク値を0.1〜3μmの範囲とする。粒度分布が3μmを超えると、同時焼成が困難となるからである。しかし、0.1μm未満となると、本発明の積層型フェライト部品を得るために必要なペースト塗料やシート塗料化が困難になる。つまり、塗料がゲル化してしまうのである。また、用意された原料粉末は例えばボールミルを用いて湿式混合する。混合は、ボールミルの運転条件にも左右されるが、20時間程度行えば均一な混合状態を得ることができる。
【0019】
原料粉末を混合した後、仮焼きを行う。六方晶系フェライトにおいてZ相を主相とするためには、仮焼きは1200℃以上の高温で行う必要がある。しかしながら、高温での仮焼きを行うと粒子が固くなり後の粉砕工程が長時間かかり組成ずれ等がおこってくるため細心の注意が必要となる。また、1350℃を超える温度範囲で仮焼きをしてもZ相が生成しなくなり優れた透磁率の周波数特性を得ることができない。したがって、望ましい仮焼き温度は1250〜1330℃である。
仮焼きの時間は特に限定されず、組成、仮焼き温度に応じて適宜定めればよいが、0.1〜5時間程度で十分である。
【0020】
仮焼き後に仮焼き体は粉砕される。粉砕粉末の比表面積を5m2/g程度以上とすることがAgの融点以下の温度域での焼結にとって重要である。このような微細な粉末を得るためには粉砕条件を制御すればよいが、特に条件を制御することなく粉砕した粉末からこのような粒度分布の粉末を採集することもできる。ボールミルを用いた場合、粉砕は60〜80時間程度必要である。
以上で得られた粉砕粉末にBi23系ガラス粉末を添加し、さらにバインダ等を添加した後に所定の形状に成形し、しかる後に焼結に供される。なお、副成分としてさらにCuO粉末を添加する場合には、Bi23系ガラス粉末と同じタイミングで添加すればよい。
【0021】
図3は本発明の積層型チップフェライト部品の一実施形態である積層型チップビーズの一例を示す概略断面図であり、図4は平面部分断面図である。この積層型チップビーズは印刷積層工法を用いて製造されたものである。他の製造方法としてシート積層工法もある。図3および図4において、積層型チップビーズ1は、磁性フェライト層2と内部電極3とが交互に積層一体化された多層構造のチップ体4を有し、このチップ体4の端部には、内部電極3と電気的に導通する外部電極5,5が設けられている。
積層型チップビーズ1を構成する磁性フェライト層2は、本発明の六方晶系フェライト焼結体で構成される。すなわち、本発明の磁性フェライト粉末をエチルセルロース等のバインダとテルピネオール、ブチルカルビトール等の溶剤とともに混練して得た磁性フェライト層2用ペーストと内部電極3用ペーストと交互に印刷積層した後、焼成して形成することができる。なお、本実施の形態においては、磁性フェライト粉末としてコバルト金属イオンを含有したZ型の六方晶系フェライト、すなわちCo2Zに、Bi23系ガラス粉末およびCuO粉末を添加した粉末を用いている。
【0022】
この磁性フェライト層用ペースト中のバインダおよび溶剤の含有量には制限はなく、例えば、バインダの含有量は1〜10重量%、溶剤の含有量は10〜50重量%程度の範囲で設定することができる。また、ペースト中には、必要に応じて分散剤、可塑剤、誘電体、絶縁体等を10重量%以下の範囲で含有させることができる。
また、磁性フェライト層2は、磁性フェライト層用シートを用いて形成することもできる。すなわち、本発明の磁性フェライト粉末、すなわちCo2ZにBi23系ガラス粉末およびCuO粉末を添加した粉末を、ポリビニルブチラールやアクリルを主成分としたバインダとトルエン、キシレン、エチルアルコール等の溶媒とともにボールミル中で混練して得たスラリーを、ポリエステルフィルム等の上にドクターブレード法等で塗布、乾燥して磁性フェライト層用シートを得る。この磁性フェライト層用シートを、内部電極用ペーストと交互に積層した後、焼成する。なお、磁性フェライト層用シート中のバインダの含有量には制限はなく、例えば、1〜20重量%程度の範囲で設定することができる。また、磁性フェライト層用シート中には、必要に応じて分散剤、可塑剤、誘電体、絶縁体等を10重量%以下の範囲で含有させることができる。
【0023】
積層型チップビーズ1を構成する内部電極3は、インダクタとして実用的な品質係数Qを得るために抵抗率の小さいAgを主体とした導電材を用いて形成する。内部電極3は、各層が長円形状であり、隣接する内部電極3の各層は、スパイラル状に導通が確保されているので、内部電極3は閉磁路コイル(巻線パターン)を構成し、その両端に外部電極5,5が接続されている。
積層型チップビーズ1のチップ体4の外形や寸法には特に制限はなく、用途に応じて適宜設定することができ、通常、外形をほぼ直方体形状とし、寸法は1.0〜4.5mm×0.5〜3.2mm×0.6〜1.9mm程度とすることができる。また、磁性フェライト層2の電極間厚みおよびベース厚みには特に制限はなく、電極間厚み(内部電極3,3の間隔)は10〜100μm、ベース厚みは250〜500μm程度で設定することができる。さらに、内部電極3の厚みは、通常、5〜30μmの範囲で設定でき、巻線パターンのピッチは10〜100μm程度、巻数は1.5〜20.5ターン程度とすることができる。
磁性フェライト層用ペーストあるいはシートと内部電極用ペーストとを交互に印刷積層した後の焼成時の温度は、800〜960℃、好ましくは850〜930℃とする。焼成温度が800℃未満であると焼成不足となり、一方、960℃を超えると内部電極材料であるAgが磁性フェライト層2中に拡散して、電磁気特性を著しく低下させることがある。また、焼成時間は0.05〜5時間、好ましくは0.1〜3時間の範囲で設定することができる。本発明ではこのような低温で焼成されるため、磁性フェライト層2の結晶粒径は平均で1〜5μmと微細である。
【0024】
図5は、本発明の積層型LC複合部品の一実施形態であるLC複合部品の一例を示す概略断面図である。図5において、LC複合部品11は、チップコンデンサ部12とチップフェライト部13とを一体化したものであり、この端部には外部電極15が設けられている。チップコンデンサ部12は、セラミック誘電体層21と内部電極22とが交互に積層一体化された多層構造を有する。
セラミック誘電体層21としては特に制限はなく、種々の誘電体材料を用いることができ、焼成温度が低い酸化チタン系誘電体が好ましい。また、チタン酸系複合酸化物、ジルコン酸系複合酸化物、あるいは、これらの混合物を使用することもできる。さらに、焼成温度を下げるために、硼珪酸ガラス等の各種ガラスが含有されてもよい。
また内部電極22は、抵抗率の小さいAgを主体とした導電材を用いて形成されており、内部電極22の各層は、交互に別の外部電極に接続されている。
【0025】
チップフェライト部13は、積層型チップインダクタであり、フェライト磁性層32と内部電極33とが交互に積層一体化された多層構造のチップ体である。フェライト磁性層32は、本発明の磁性フェライトで構成されたものである。すなわち、本発明の磁性フェライト粉末、すなわちCo2ZにBi23系ガラス粉末およびCuO粉末を添加した粉末を、エチルセルロース等のバインダとテルピネオール、ブチルカルビトール等の溶剤とともに混練して得たフェライト磁性層用ペーストを、内部電極用ペーストと交互に印刷積層した後、焼成して形成することができる。あるいは、本発明の磁性フェライト粉末を、ポリビニルブチラールやアクリルを主成分としたバインダ中とトルエン、キシレン等の溶媒とともにボールミル中で混練してスラリーを作成し、このスラリーをポリエステルフィルム等の上にドクターブレード法等で塗布し乾燥して得たフェライト磁性層用シートを、内部電極用ペーストと交互に積層した後、焼成して形成することができる。
また、内部電極33はスパイラル状に導通が確保されて閉磁路コイル(巻線パターン)を構成し、その両端は外部電極15に接続されている。この内部電極33は、抵抗率の小さいAgを主体とした導電材を用いて形成される。
チップフェライト部13のフェライト磁性層32の電極間厚みおよびベース厚みには特に制限はなく、電極間厚み(内部電極33,33の間隔)は10〜100μm、ベース厚みは10〜500μm程度で設定することができる。さらに、内部電極33の厚みは、通常、5〜30μmの範囲で設定でき、巻線パターンのピッチは10〜400μm程度、巻数は1.5〜50.5ターン程度とすることができる。
本発明のLC複合部品11の外形や寸法には特に制限はなく、用途に応じて適宜設定することができ、通常、外形はほぼ直方体形状とし、寸法は1.6〜10.0mm×0.8〜15.0mm×1.0〜5.0mm程度とすることができる。
【0026】
【実施例】
次に、具体的な実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
(実施例1)
表1に示す組成になるように、主成分をなすFe23,BaCO3およびCo34の原料粉末を配合した後に、仮焼きおよび粉砕を行った。この仮焼粉にBi23系ガラスである助剤A〜Cまたは硼珪酸亜鉛ガラスを添加し、バインダと共に湿式混合、粉砕して試料No.1〜13を得た(以下、仮焼粉にBi23系ガラス等の助剤を添加して粉砕した粉末を、適宜「粉砕粉末」という。)。試料No.1〜13はいずれも六方晶系フェライトである。なお、原料粉末の平均粒度はFe23,:0.8μm、BaCO3:1.3μm、Co34:3.5μmである。助剤A〜Cおよび硼珪酸亜鉛ガラスの組成は表2に示している。配合、仮焼きおよび粉砕の条件は以下の通りである。また、各試料の粉砕粉末の平均粒度分布のピーク値は1.0μm、比表面積は9m2/gである。
配合及び粉砕用ポット:ステンレスボールミルポット使用(粉砕時ポリポット)
配合及び粉砕用メディア:スチールボール使用(粉砕時ZrO2ボール)
配合時間:16時間
仮焼成条件:試料No.1〜13=1300℃×2時間
粉砕時間:90時間
【0027】
【表1】
Figure 0004069284
【0028】
【表2】
Figure 0004069284
【0029】
試料No.1の粉砕粉末について、X線回折法により相の同定を行い、同定された相のX線ピーク強度比を求めた。その結果を図1に示す。なお、X線ピーク強度比は、同定された相についての回折線の最高ピーク強度の和に対する各相の最高ピーク強度の比として定義される。また、X線回折の条件は以下の通りである。
X線発生装置:3kW、管電圧:45kV、管電流:40mA
サンプリング幅:0.02deg、走査速度:4.00deg/min
発散スリット:1.00deg、散乱スリット:1.00deg
受光スリット:0.30mm
【0030】
図1に示すように、仮焼き温度が1200℃では、M相、Y相、Z相、Ba2Fe25相(Baフェライト相)及びBaCO3相が同定された。この仮焼き温度において、最もピーク強度比が高いのはM相である。仮焼き温度が1250℃では、やはり、M相、Y相、Z相、Baフェライト相及びBaCO3相の5つの相が同定されたが、Z相のピーク強度比が35%と最も高く、Z相が主相をなしていることがわかる。仮焼き温度1200〜1250℃の間の各相の挙動を見ると、Z相が主相、つまりZ相のピーク強度比が他の相のピーク強度比よりも大きくなるためには1220℃以上の温度で仮焼きする必要がある。また、Z相のピーク強度比を30%以上とするためには、1240℃以上の温度で仮焼きする必要がある。仮焼き温度が1300℃になると、同定された相はZ相、Baフェライト相及びBaCO3相の3相となり、Z相のピーク強度比は60%に達している。仮焼き温度が1330℃を超えるとZ相のピーク強度比が低下し、Baフェライト相のピーク強度比が最も高くなる。以上より、Z相を主相とするためには、仮焼き温度は望ましくは1220℃以上、さらに望ましくは1250℃以上であり、かつ1330℃以下、望ましくは1320℃以下とすべきである。
【0031】
試料No.1の粉砕粉末について、910℃で2時間焼成した後にX線回折パターンを測定した。その結果を図2に示す。図2において、Z相、Y相およびBaフェライト相が同定された。各相の最高の強度を示すピークは図2に示す通りであり、Z相の最高ピーク強度が最も大きく、Z相が主相をなしていることがわかる。また、各相の最高ピーク強度からZ相のピーク強度比を算出したところ41.93%であった。
次に、試料No.1〜13の粉砕粉末を用いて所定温度まで加熱した際の収縮率(△L/L)を測定した。この収縮率は、焼成のしやすさの目安となるもので、同一の温度において収縮率が大きいほど焼成しやすいとみなすことができる。結果を表3に示す。なお、試料No.1〜10については930℃焼成の際の収縮率、試料No.11〜13については950℃焼成の際の収縮率を示している。
【0032】
【表3】
Figure 0004069284
【0033】
表3において、助剤Aの添加量(以下、「助剤A量」という。)が増加するに伴い、収縮率が向上することが示されている。この傾向は助剤BおよびCについても同様であり、助剤Bの量(以下、「助剤B量」という。)、助剤Cの量(以下、「助剤C量」という。)が増加するに伴い、収縮率が向上する。
次に、Bi23系ガラスである助剤A〜Cを添加した場合(No.1〜10)と、助剤として硼珪酸亜鉛ガラスを添加した場合(No.11〜13)との比較を行う。助剤A〜Cを添加した場合(No.1〜10)の収縮率は11〜17%である。一方、硼珪酸亜鉛ガラスを添加した場合(No.1〜10)の収縮率は12.30〜14.12%である。ここで、助剤A〜Cは焼結助剤として実績のある硼珪酸亜鉛ガラスと同等の収縮率が得られているから、Bi23系ガラスが焼結助剤として有効であることがわかった。
【0034】
試料No.1〜10の粉砕粉末を930℃で2時間焼成し、焼結密度を測定した。また試料No.11〜13の粉砕粉末については950℃で2時間焼成し、焼結密度を測定した。その結果を表3に示す。
表3において、助剤A〜Cを添加した試料No.1〜10はいずれも4.0g/cm3以上の焼結密度を示している。また、上述の収縮率の場合と同様に、助剤A〜Cの量が増加するに伴って焼結密度も向上する。一方、硼珪酸亜鉛ガラスについては、硼珪酸亜鉛ガラスの量(以下、「硼珪酸亜鉛ガラス量」という。)が増加するに伴い、焼結密度が減少する傾向にある。
以上の結果より、助剤A〜C、すなわちBi23系ガラスを添加した場合には、添加量に伴い、収縮率および焼結密度が向上することがわかった。つまり、Bi23系ガラスが焼結助剤として有効であることが明らかとなった。なお、Bi23系ガラスの望ましい添加量は0.5〜12wt%程度と推測される。
【0035】
次に、粉砕後の試料No.1〜10を用いて、ディスク形状の試料を作製し、比抵抗の測定を行った。また、表1の組成を有する試料No.14〜19についても上述と同様の条件により配合、粉砕、仮焼きを行い、粉砕後の試料No.14〜19を用いてディスク形状の試料を作製し、比抵抗の測定を行った。なお、試料No.14〜19は比較例であり、CuO、Bi23はともに焼結助剤として実績がある。
測定された結果を表4に示す。
【0036】
[比抵抗]
ディスク形状に作製した試料の端面にIn-Gaの電極を施し、ヒューレットパッカード(株)製の抵抗測定器(HP4329A)を用い、25Vの電圧を1分15秒間印加して測定した後、試料の有効体積を測定し比抵抗を算出した。
【0037】
【表4】
Figure 0004069284
【0038】
表4に示すように、助剤A〜Cを添加した場合(試料No.1〜10)については、添加量の増加に伴い、比抵抗も増加する。特に、助剤Aを添加した試料No.1〜4については、いずれも300MΩ・cm以上の高い比抵抗を示している。
一方、CuO、Bi23をそれぞれ単独添加した場合(試料No.14〜18)には、CuOまたはBi23の添加量が増加すると比抵抗が減少した。つまり、助剤A〜Cを添加した場合(試料No.1〜10)と逆の傾向が確認された。以上の結果より、Bi23系ガラスを添加した場合には良好な比抵抗が得られること、またその添加量に伴って比抵抗が増加する傾向があることがわかった。
【0039】
(実施例2)
Bi23系ガラスおよびCuOを複合添加した場合の効果を確認するために、実施例2を行った。
表5に示す組成になるように主成分の原料粉末を配合した後に、仮焼きおよび粉砕を行った。この仮焼粉にBi23系ガラスおよびCuOを添加して試料No.20〜28を得た。なお、配合、仮焼き、粉砕の条件、各試料の原料粉末の平均粒度、粉砕粉末の平均粒度分布のピーク値および比表面積はすべて実施例1の場合と同様である。ここで、試料No.20〜22は試料No.1〜3にCuOを3.0〜7.0wt%添加したもの、試料No.23〜25は試料No.5〜7にCuOを3.0〜7.0wt%添加したもの、試料No.26〜28は試料No.8〜10にCuOを3.0〜7.0wt%添加したものである。
【0040】
試料No.20〜28の粉砕粉末を用いて、930℃まで加熱した際の収縮率(△L/L)を測定した。また、試料No.20〜28の粉砕粉末を930℃で2時間焼成し、焼結密度を測定した。試料No.20〜28の収縮率(△L/L)および焼結密度の測定条件は実施例1と同様である。その結果を表6に示す。なお、比較の便宜のため、実施例1で測定した試料No.1〜3、5〜10の収縮率(△L/L)および焼結密度についても表6に示してある。
【0041】
【表5】
Figure 0004069284
【0042】
【表6】
Figure 0004069284
【0043】
助剤A〜CとCuOを複合添加した場合(試料No.20〜28)の添加量による収縮率の変化を表6および図6に示す。なお、図6中の線図を加熱収縮曲線と呼ぶ。また比較のために、焼結助剤として硼珪酸亜鉛ガラスを3.0〜7.0wt%添加した場合(試料No.11〜13)の加熱収縮曲線を図6に合わせて示す。なお、試料No.11〜13の組成は表5、硼珪酸亜鉛ガラスの組成は表2に示す通りである。試料No.11〜13の配合、粉砕、仮焼きの条件、原料粉末の平均粒度、粉砕粉末の平均粒度分布のピーク値および比表面積については、試料No.20〜28と同様である。
図6において、助剤A+CuO、助剤B+CuO、助剤C+CuOの曲線の中で、収縮率は助剤A〜Cの順位となっている。ここで表2を見ると、助剤A〜Cの中でBi23の含有量が最も多いのは助剤A、次いでB、Cとなっている。よって、Bi23系ガラス中のBi23の含有量と収縮率は比例関係にあるといえる。
【0044】
次に、表5に示す試料No.1〜3,5〜10、20〜28の粉砕粉末を用いてトロイダル形状の焼結体試料を作製した。作製したトロイダルコアを同軸管サンプルホルダーに挿入し高周波数帯域(1MHz〜1.8GHz)における複素透磁率(μ'、μ")をインピーダンスアナライザー(ヒューレットパッカード(株)製のHP4291A)を用いて測定した。なお、いずれの試料についても930℃、2時間の焼成によりトロイダルコアを作成した。
【0045】
表6において、複素透磁率の実数部分μ'(以下、適宜「μ'」という。)の欄を見ると、助剤A〜Cを単独で添加した場合(試料No.1〜3,5〜10)のμ'は2.25〜3.81となっている。真空の透磁率μ'が1であることから、μ'が2以上であれば磁性材料として使用可能であるといえる。よって、助剤A〜C、すなわちBi23系ガラスを添加した場合においても、磁性フェライト材料の所定の磁気特性が維持されることがわかった。
次に、試料No.3と試料No.20とを比較すると、試料No.3のμ'は2.25であり、試料No.20のμ'は3.12である。ここで、試料No.3には助剤Aが7.0wt%添加されており、試料No.20には助剤AおよびCuOがそれぞれ3.0wt%ずつ、合計6.0wt%添加されている。添加物の合計量が7.0wt%である試料No.3のμ'よりも、添加物の合計量が6.0wt%である試料No.20の方が高いμ'を示していることから、助剤AとCuOを複合添加した場合には、より少ない添加量でμ'を増加させることができることがわかった。試料No.7と試料No.23、試料No.10と試料No.26についても、試料No.3と試料No.20と同様のことがいえる。
複素透磁率の虚数部分μ''(以下、適宜「μ''」という。)については、以下の傾向が見られた。すなわち、助剤A〜CとCuOを複合添加した試料No.20〜28はいずれも助剤A〜C単独の場合(試料No.1〜3,5〜10)よりも透磁率μ''が向上した。
以上の結果より、Bi23系ガラスとCuOを複合添加することにより、Bi23系ガラス単独の場合よりも透磁率μ'、μ''が向上することがわかった。良好な透磁率μ'、μ''を得るためには、Bi23系ガラスとCuOを合計で1〜20wt%、さらには3〜15wt%程度添加することが望ましい。
【0046】
(実施例3)
表5に示す試料No.20〜22(助剤A+CuO)、試料No.23〜25(助剤B+CuO)、試料No.26〜28(助剤C+CuO)の粉砕粉末を用いて、実施例2と同様の工程によりトロイダル形状のコアを作成した。また、各試料の平均粒度分布のピーク値は1.0μm、比表面積は9m2/gである。得られたコアについて実施例2と同様に透磁率を測定した。なお、この実施例3では、10GHzまでの周波数帯域まで測定を行った。その結果を試料No.19(Bi23およびCuOを5wt%ずつ添加)の測定結果と合わせて図7〜9に示す。図7は、試料No.19、20〜22のμ'およびμ"の周波数特性を示すグラフである。図8は、試料No.19、23〜25のμ'およびμ"の周波数特性を示すグラフである。図9は、試料No.19、26〜28のμ'およびμ"の周波数特性を示すグラフである。なお、図7〜9中、19−μ'との表示は試料No.19の複素透磁率の実数部分、19−μ"との表示は試料No.19の複素透磁率の虚数部分を意味し、他も同様である。
【0047】
図7において、試料No.20〜22によるトロイダルコアはμ'の平坦部が試料No.19よりも高周波帯域まで伸びており、より高周波帯域での使用が可能であることを示唆している。
また、Bi23系ガラスを添加していない試料No.19については周波数約1.5GHzでμ"のピーク値が得られた。これに対して、試料No.20(助剤AおよびCuOを3wt%ずつ添加)のμ"のピーク値は周波数約2.8GHzで、試料No.21(助剤AおよびCuOを5wt%ずつ添加)のμ"のピーク値は周波数約2.0GHzで、また試料No22(助剤AおよびCuOを7wt%ずつ添加)のμ"のピーク値は周波数7.0GHzで得られた。
ここで試料No.19(Bi23およびCuOを5wt%ずつ添加)と試料No.21(助剤AおよびCuOを5wt%ずつ添加)とを比較すると、両者は主成分が等しく、かつ助剤のCuO量が5wt%、助剤の合計量が10wt%である点で共通している。よって、試料No.21のμ"のピーク値が試料No.19のμ"のピーク値よりも高周波域側にシフトしたのは、助剤A、すなわちBi23系ガラスを添加したためであると考えられる。
【0048】
図8および9においても以上と同様な傾向がある。図8において、Bi23系ガラスを添加していない試料No.19については周波数約1.5GHzでμ"のピーク値が得られた。これに対して、試料No.23(助剤BおよびCuOを3wt%ずつ添加)のμ"のピーク値は周波数約4.0GHzで得られた。また、試料No.24(助剤BおよびCuOを5wt%ずつ添加)のμ"のピーク値は周波数約2.0GHz、試料No.25(助剤BおよびCuOを7wt%ずつ添加)のμ"のピーク値は周波数約3.0GHzで得られた。ここで試料No.19(Bi23およびCuOを5wt%ずつ添加)と試料No.24(助剤BおよびCuOを5wt%ずつ添加)とを比較すると、上述の場合と同様に試料No.24のμ"のピーク値が試料No.19のμ"のピーク値よりも高周波域側にシフトしている。
【0049】
また図9において、試料No.26(助剤CおよびCuOを3wt%ずつ添加)のμ"のピーク値は周波数約3.0GHz、試料No.27(助剤CおよびCuOを5wt%ずつ添加)のμ"のピーク値は周波数約2.0GHz、試料No.28(助剤CおよびCuOを7wt%ずつ添加)のμ"のピーク値は周波数約4.0GHzで得られた。つまり、助剤BおよびCにおいても、上述の助剤Aの場合と同様に、μ"のピーク値が高周波域側にシフトしている。特に、助剤BとCuOを5wt%ずつ添加した試料No.24、助剤CとCuOを5%ずつ添加した試料No.27においては、透磁率が高くかつ高周波域側にシフトしていることが注目される。
以上の結果から、Bi23系ガラスおよびCuOを3wt%ずつ、合計で6〜14wt%添加することにより、高周波特性に優れた磁性フェライト材料が得られることがわかった。Bi23系ガラスおよびCuOの複合添加量としては、1〜20wt%、さらには3〜15wt%、より望ましくは6〜14wt%程度添加すればよいと考えられる。また、Bi23系ガラスおよびCuOを合計で8〜12wt%添加した場合には、μ"のピーク値が高周波域側にシフトするという効果のみならず、3以上という高い透磁率μ'を得ることができる。
【0050】
次に、Bi23系ガラスおよびCuOの添加量とクロスポイントの関係について図10〜12を用いて説明する。ここで、クロスポイントとは、複素透磁率の実数部分μ'と複素透磁率の虚数部分μ"との交点をいう。なお、図10〜12における直線は、助剤A〜CおよびCuOを複合添加した場合の傾向を示している。
図10〜12において、試料No.20〜22(助剤A+CuO)、試料No.23〜25(助剤B+CuO)、試料No.26〜28(助剤C+CuO)のクロスポイントはいずれもBi23系ガラスを添加していない試料No.19(Bi23およびCuOを5wt%ずつ添加)よりも高くなっている。ここで表6に示すように、CuOを単独添加した場合(試料No.14〜16)の複素透磁率μ'およびμ"は、ともに低い値となっている。つまり、CuOはμ'およびμ"の増加にほとんど寄与してないといえる。よって、図10〜12においてクロスポイントが高周波側にシフトしたのはBi23系ガラスを添加したためであると考えられる。特に、図11の試料No.24(助剤BおよびCuOを5wt%ずつ添加)、および図12の試料No.26(助剤CおよびCuOを3wt%ずつ添加)、試料No.27(助剤CおよびCuOを5wt%ずつ添加)は、μが3.5以上と非常に高くしかも高周波域側にシフトしていることが注目される。
【0051】
また、図10の試料No.22(助剤AおよびCuOを7wt%ずつ添加)、図11の試料No.23(助剤BおよびCuOを3wt%ずつ添加)、試料No.25(助剤BおよびCuOを7wt%ずつ添加)、図12の試料No.28(助剤CおよびCuOを7wt%ずつ添加)については周波数約5.0GHz以上の地点でクロスポイントが得られていることから、これらの試料についてはかなりの高周波帯域でも使用可能であるといえる。
本実施例において、Bi23系ガラスを添加することにより、μ'とμ"との交点、すなわちクロスポイントが高周波域側にシフトすることがわかった。また、Bi23系ガラスの添加量を適宜設定することにより、μ'およびμ"のピークを所望する周波数帯域に位置するようにできる。
【0052】
表7にBi23系ガラスを添加した試料No.1〜3、5〜10、20〜28およびBi23系ガラスを添加していない試料No.19の誘電率εを示す。
【0053】
【表7】
Figure 0004069284
【0054】
表7において、試料No.19(Bi23およびCuOを5wt%ずつ添加)の誘電率εは40である。一方、Bi23系ガラスを添加した試料No.1〜3、5〜10、20〜28の誘電率εはおよそ20〜30の範囲で推移していることがわかった。
本実施例による焼結組織の概念を図13に示す。Bi23系ガラスは、図13(a)に示すように、焼結組織中の三重点(図中、黒丸で示す)に主に存在する。そして、例えば三重点▲1▼〜▲3▼において、Bi23系ガラスを構成する各物質の含有量はほぼ均一になる。つまり、三重点▲1▼〜▲3▼における、例えばBi23の含有量は図13(b)に示すようにほぼ一定となる。なお、図13(b)において、横軸が三重点の位置を、また縦軸は当該物質の濃度を示している。他の構成物質も同様である。
これに対して、例えば、Bi23系ガラスを構成する各物質を個別に添加した場合の焼結組織の概念図を図14に示す。Bi23系ガラスを構成する各物質が、図14(a)に示すように、焼結組織中の三重点(図中、黒丸で示す)に主に存在する点ではBi23系ガラスを添加した本実施例と同様である。ところが、各物質を個別に添加した場合には、各三重点ごとに各物質の含有量にばらつきが生じる。例えば、図14(b)に示すように、Bi23の含有量が、三重点▲4▼、三重点▲5▼および三重点▲6▼でそれぞれ異なることになろう。
したがって、Bi23系ガラスを添加したことは、例えばTEM−EDXを用いることにより、同定することができる。
【0055】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、低温焼成可能な磁性フェライト材料およびこれを用いた積層型フェライト部品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 相変化に及ぼす仮焼き温度の影響を示すグラフである。
【図2】 試料No.1のX線回折パターンである。
【図3】 本発明の積層型チップフェライト部品の一実施形態である積層型チップビーズの一例を示す概略断面図である。
【図4】 図3に示される積層型チップビーズの平面部分断面図である。
【図5】 本発明の複合積層型部品の一実施形態であるLC複合部品の一例を示す概略断面図である。
【図6】 試料No.11〜13、20〜28の加熱収縮曲線を示すグラフである。
【図7】 試料No.19、20〜22のμ'およびμ"の周波数特性を示すグラフである。
【図8】 試料No.19、23〜25のμ'およびμ"の周波数特性を示すグラフである。
【図9】 試料No.19、26〜28のμ'およびμ"の周波数特性を示すグラフである。
【図10】 試料No.19、20〜22のクロスポイントを示すグラフである。
【図11】 試料No.19、23〜25のクロスポイントを示すグラフである。
【図12】 試料No.19、26〜28のクロスポイントを示すグラフである。
【図13】 Bi23系ガラスを添加した場合の焼結組織の概念図である。
【図14】 Bi23系ガラスを構成する各物質を個別に添加した場合の焼結組織の概念図である。
【符号の説明】
1…積層型チップビーズ、2…磁性フェライト層、3…内部電極、4…チップ体、5…外部電極、11…LC複合部品、12…チップコンデンサ部、13…チップフェライト部、15…外部電極、21…セラミック誘電体層、22…内部電極、32…フェライト磁性層、33…内部電極

Claims (12)

  1. 六方晶系フェライトを主相とする焼結体からなり、B およびSiO を含むBi 2 3 系ガラスを構成する成分が前記焼結体中に存在し、
    前記焼結体は、前記六方晶系フェライトのZ相(M 3 Me 2 Fe 24 41 :M=アルカリ土類金属の1種または2種以上、Me=Co,Ni,Mn,Zn,MgおよびCuのうち1種または2種以上)がX線回折において前記主相をなすことを特徴とする磁性フェライト材料。
  2. 前記Bi23系ガラスを0.5〜12wt%添加したことを特徴とする請求項1に記載の磁性フェライト材料。
  3. 焼結助剤としてさらにCuOを添加したことを特徴とする請求項1に記載の磁性フェライト材料。
  4. 前記Bi23系ガラスおよびCuOを合計で1〜20wt%添加したことを特徴とする請求項3に記載の磁性フェライト材料。
  5. 前記Bi23系ガラスおよびCuOを合計で3〜15wt%添加したことを特徴とする請求項3に記載の磁性フェライト材料。
  6. 前記Bi23系ガラスを3〜7wt%およびCuOを3〜7wt%添加したことを特徴とする請求項3に記載の磁性フェライト材料。
  7. 前記Bi23系ガラスを1〜20wt%添加したことを特徴とする請求項1に記載の磁性フェライト材料。
  8. 前記Z相のピーク強度比が30%以上であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の磁性フェライト材料。
  9. 960℃以下の温度で焼成されることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の磁性フェライト材料。
  10. 誘電率が20〜30であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の磁性フェライト材料。
  11. 磁性フェライト層と内部電極とが交互に積層されるとともに、前記内部電極と電気的に接続された外部電極とを有する積層型フェライト部品であって、
    前記磁性フェライト層は、六方晶系フェライトを主相とする磁性フェライト焼結体から構成され、 およびSiO を含むBi 2 3 系ガラスを構成する成分が前記磁性フェライト焼結体中に存在し、
    前記磁性フェライト焼結体は、前記六方晶系フェライトのZ相(M 3 Me 2 Fe 24 41 :M=アルカリ土類金属の1種または2種以上、Me=Co,Ni,Mn,Zn,MgおよびCuのうち1種または2種以上)がX線回折において前記主相をなすとともに、
    前記内部電極はAgまたはAg合金から構成されることを特徴とする積層型フェライト部品。
  12. 前記磁性フェライト焼結体が、副成分としてCuOを含むことを特徴とする請求項11に記載の積層型フェライト部品。
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