以下、発明を実施するための形態について、図面を用いて詳細に説明する。
[1.第1の実施の形態]
[1−1.紙幣整理装置の構成]
まず第1の実施の形態について説明する。図1及び図2に、紙幣整理装置1の構成を示す。この紙幣整理装置1は、紙幣を計数し、所定枚数毎に結束して整理するものである。
因みに、この紙幣整理装置1は、例えば金融機関の現金センタ等に設置され、金融機関の職員等(以下作業者と呼ぶ)の操作に従い、紙幣の整理を実行するようになっている。
紙幣整理装置1は、筐体2の内部に種々の機構が組み込まれており、これらを制御部3により統括制御するようになされている。制御部3は、図示しないCPU(Central Processing Unit)を中心に構成されており、図示しないフラッシュメモリやハードディスク等の記憶部から所定のプログラムを読み出して実行することにより、紙幣の計数処理や結束処理等を行うようになされている。
筐体2の上部後方には、各種画面を表示するLCD(Liquid Crystal Display)と、作業者の入力操作を受け付けるタッチパネルとが一体化された操作表示部4が取り付けられている。操作表示部4は、所定の操作画面を表示しながら、動作モードの指定や、計数すべき紙幣の金種、集積順序等の設定作業を作業者に行わせ、その設定内容を制御部3へ通知するようになされている。
因みに、以下では、作業者が対峙する正面へ向かう方向を前方向と定義し、その反対を後方向と定義して、さらに当該紙幣整理装置1の前側に対峙して見たときの左右方向及び上下方向をそれぞれ定義して説明する。
筐体2の前面上方には、紙幣を取り込む紙幣取込部5が設けられている。この紙幣取込部5は、作業者により紙幣が載置されて操作ボタン6が操作されると、載置された紙幣を1枚ずつ分離して内部へ取り込み、搬送部7に受け渡すようになっている。
搬送部7は、搬送ベルト、ローラ及び紙幣ガイド等の組み合わせにより各部の間を結ぶ搬送路を形成しており、制御部3の制御に基づき、この搬送路に沿って紙幣を各部へ搬送するようになっている。
搬送部7は、紙幣取込部5から紙幣を受け渡されると、これを鑑別部8へ搬送する。鑑別部8は、その内部で紙幣を搬送しながら当該紙幣の金種、真偽、表裏及び損傷の程度等を鑑別し、その鑑別結果を制御部3へ通知する。
これに応じて制御部3は、取得した鑑別結果に基づいて当該紙幣の搬送先を決定すると共に、当該紙幣を計数する。このとき制御部3は、金種を特定できなかった紙幣や搬送異常を検出したことにより異常と判別した紙幣を搬送部7によりリジェクトポケット9へ搬送させる。
リジェクトポケット9は、筐体2における紙幣取込部5の上方に一部を露出させるように配置されており、搬送部7により搬送されてきた紙幣を集積し、作業者に取り出させるようになっている。
また制御部3は、正常と判別した紙幣を搬送部7により表裏反転部10へ搬送させる。表裏反転部10は、鑑別部8における判別結果が「表」又は「裏」のいずれか一方であった紙幣の表裏を反転させることにより、全ての紙幣の表裏を統一して再度搬送部7に受け渡す。
続いて制御部3は、正常と判別されたものの結束処理(後述する)の対象外となる紙幣を外部集積部11へ搬送させる。外部集積部11は、筐体2の上部における操作表示部4とリジェクトポケット9との間に一部を露出させるように前後方向に並んで2個配置されている。
この外部集積部11も、リジェクトポケット9と同様、搬送部7により搬送されてきた紙幣を集積し、作業者に取り出させるようになっている。
因みに、結束処理の対象とする紙幣の種類等については、操作表示部4を介して設定できるようになっている。
また、制御部3は、正常と判別され、且つ結束処理の対象となる紙幣を集積部12へ搬送する。集積部12は、上下方向に並べて配置された4個の一時集積部12A〜12Dを有していて、搬送部7から受け渡された紙幣を上下方向に搬送して当該一時集積部12A〜12Dのいずれかに受け渡し、集積するようになっている。
実際上、集積部12は、制御部3の制御に基づき、鑑別部8における鑑別結果に応じて紙幣を一時集積部12A〜12Dのいずれかに集積する。この結果、集積部12の一時集積部12A〜12Dには、金種等の予め設定された条件ごとに分類された紙幣がそれぞれ集積されることになる。
一方、制御部3は、集積部12の一時集積部12A〜12Dそれぞれについて、集積された紙幣の枚数を計数しており、この枚数が予め設定された結束単位、例えば100枚に到達すると、移送部13に紙幣の移送を指示する。
移送部13は、集積部12の後方に配置されており、一時集積部12A〜12Dに集積された紙幣を後方へ取り出し、さらに下方へ移動させることにより、当該集積部12の下方に配置された紙幣結束部14に受け渡す。
紙幣結束部14は、移送部13により移送されてきた紙幣束を帯状の結束部材(例えばテープ)によって結束して、これを放出口15へ送り出す。
放出口15は、筐体2の前面下部に設けられており、結束された紙幣束を作業者に取り出させるようになっている。
このように紙幣整理装置1は、紙幣取込部5に載置された紙幣を1枚ずつ取り込み、金種等に応じて分類した上で100枚等の結束単位ごとに結束して紙幣束を順次生成するようになっている。
[1−2.紙幣結束部の構成]
次に、図3を用いて、紙幣結束部14の構成について説明する。尚、この図3では、紙幣整理装置1の向きを基準として、図中右側から左側への方向を前方向、図中左側から右側への方向を後方向、図中手前側から奥側への方向を左方向、図中奥側から手前側への方向を右方向と定義する。
紙幣結束部14は、その下部に、テープ20が巻回されたロール21が配置されている。このロール21は、直径方向が水平(厳密に水平でなくても良い)となるように寝かせた状態で配置されている。
このロール21から前方に引き出されたテープ20は、図示しないガイドにより上方に導かれた後、ロール21の前方ななめ上に位置するテープ供給ローラ22Aへと供給されて、このテープ供給ローラ22Aにより後方に折り返され、テープ供給ローラ22Aの後方に位置するテープ供給ローラ22Bへと供給される。
さらにテープ20は、テープ供給ローラ22Bにより後方ななめ上に折り曲げられ、テープ供給ローラ22Bの後方ななめ上に位置するテープ供給ローラ22Cを経由して、このテープ供給ローラ22Cの後方ななめ上に位置するガイドローラ22Dに供給される。
そしてテープ20は、このガイドローラ22Dにより前方ななめ上に折り曲げられ、ガイドローラ22Dの前方ななめ上に位置する巻付部23へと供給され、巻付部23に、その先端を挟持されるようになっている。この巻付部23について詳しくは後述する。
尚、テープ供給ローラ22A〜22C、ガイドローラ22Dは、図示しないアクチュエータにより、一方向及び他方向に回動できるようになっている。
また、テープ20のテープ供給ローラ22Aと22Bとの間に位置する部分の上側に印字部24が設けられていて、この印字部24により、テープ供給ローラ22Aと22Bとの間で、テープ20の上面に印字を行うようになっている。
さらに、テープ供給ローラ22Cとガイドローラ22Dとの間に、ガイドローラ22Dの近傍でテープ20を切断するためのカッター25が設けられている。さらに、巻付部23の下方に、テープ20に塗布されている糊を溶着させるためのヒータ26が設けられている。
さらに、この紙幣結束部14には、ガイドローラ22Dの上方に、前後方向に延在する搬送路27が設けられている。
この紙幣結束部14は、後方の移送部13から供給される紙幣束を、搬送路27の所定位置まで搬送し、巻付部23により紙幣束にテープ20を巻き付けることで紙幣束を結束するようになっている。
尚、紙幣束は、短手方向に搬送され、長手方向の中央にテープ20が巻き付けられることで、結束されるようになっている。
搬送路27は、搬送路27の上側に位置する上側搬送路形成部27Aと、搬送路27の下側に位置する下側搬送路形成部27Bとで形成されている。
上側搬送路形成部27Aは、搬送路27に沿って前後方向に延在する環状の上側搬送ベルト28と、上側搬送ベルト28を内側から支持する複数のローラ29とを有している。
この上側搬送ベルト28は、図中矢印Aで示す搬送方向(前方向)と直交する左右方向に複数本設けられている。同様に、上側搬送ベルト28を支持するローラ29も、左右方向に複数設けられている。
そして、複数の上側搬送ベルト28は、それぞれ一番前のローラ29を中心に、残りのローラ29と共に上下方向に回動できるようになっている。
一方、下側搬送路形成部27Bは、搬送路27に沿って前後方向に延在する環状の下側搬送ベルト30と、下側搬送ベルト30を内側から支持する複数のローラ31とで構成される。
下側搬送ベルト30も、矢印Aで示す搬送方向と直交する左右方向に複数本設けられている。同様に、下側搬送ベルト30を支持するローラ31も、左右方向に複数設けられている。
巻付部23は、この搬送路27の上流側に設けられていて、この巻付部23の下方に、ヒータ26が、所定方向に移動可能に設けられている。
巻付部23は、図4に示すように、2つの回動部40及び41により構成される。回動部40は、円板状の支持部材40Aと、この支持部材40Aの側面から延びる、角棒をL字に折り曲げたような形状でなる挟持部材40Bとでなる。
回動部40の支持部材40Aは、その中央に厚さ方向に貫通する孔40Ahが設けられていて、この孔40Ahに、筒状の外軸42の先端が挿入され、この外軸42に固定されている。
外軸42は、搬送路27の横(例えば左側)のフレーム(図示せず)から、搬送路27と直交する右方向に延びていて、先端が搬送路27近傍に位置している。ゆえに、この外軸42の先端に固定される回動部40の支持部材40Aも、搬送路27の近傍に位置していることになる。
また、この外軸42は、図示しない駆動部により回動自在であり、支持部材40Aを回動自在に支持するようになっている。
さらに、この外軸42には、その内側に、先端が外軸42の先端から突出するようにして棒状の内軸43が設けられている。この内軸43は、外軸42とは独立して回動可能となっている。
回動部40の挟持部材40Bは、一端部40Baと、一端部40Baと直交する他端部40Bbとで全体としてL字型をなしていて、支持部材40Aの側面から、支持部材40Aと平行に一端部40Baが延び、この一端部40Baの他端から、支持部材40Aと直交して他端部40Bbが延びている。
具体的には、支持部材40Aの側面の下端から、一端部40Baが下方に延び、さらに、この一端部40Baの他端から、他端部40Bbが、搬送路27の真下を通るようにして、右方向に延びている。
一方、回動部41も、回動部40とほぼ同形状となっている。回動部41は、支持部材41Aの孔41Ahに内軸43の先端が挿入され、この内軸43に固定されている。
このとき、回動部41の支持部材41Aは、回動部40の支持部材40Aと平行で、回動部40の支持部材40Aよりも右側(すなわち搬送路27に近い側)に位置するようになっている。
さらに、この回動部41の支持部材41Aの側面の下端から、挟持部材41Bの一端部41Baが下方に延び、さらに、この一端部41Baの他端から、他端部41Bbが、搬送路27の真下を通るようにして、回動部40の他端部40Bbと平行に右方向に延びている。
巻付部23は、このような構成でなり、外軸42の回動にともなって回動部40が矢印Bで示す方向に回動することにより、回動部40の挟持部材40Bと回動部41の挟持部材41Bとの間隔を広げて、挟持部材40B、41Bを開く。
また、巻付部23は、回動部40が矢印Bとは逆方向(矢印Cで示す方向)に回動することにより、回動部40の挟持部材40Bと回動部41の挟持部材41Bとの間隔を狭めて、挟持部材40B、41Bを閉じる。
このような開閉動作により、巻付部23は、挟持部材40Bと挟持部材41Bとの間に、テープ20の先端を挟んで保持したり、挟んでいるテープ20の先端を離したりすることができるようになっている。
また、巻付部23は、挟持部材40Bと挟持部材41Bとが接している状態で、回動部40が矢印Cで示す方向に回動すると、回動部40の挟持部材40Bが回動部41の挟持部材41Bを押して、回動部40と回動部41とがともに矢印Cで示す方向に回動する。
そして、巻付部23は、挟持部材40Bと挟持部材41Bとの間にテープ20を挟んだ状態で、回動部40と回動部41とがともに矢印Cで示す方向に回転することにより、紙幣束にテープ20を巻き付けることができるようになっている。
尚、巻付部23は、図5に示すように、挟持部材40Bと41Bが上側搬送ベルト28と下側搬送ベルト30に干渉しないように配置されていて、挟持部材40B、41Bのそれぞれの他端部40Bb、41Bbが紙幣束Bpの下側となるように回動した位置を初期位置としている。
また、巻付部23は、図示しない機構により、外軸42及び内軸43と共に、搬送路27から遠ざかる方向(例えば図3の手前側から奥側)に退避できるようにもなっている。
[1−3.紙幣結束部による紙幣束の結束]
ここで、実際に、紙幣束にテープ20を巻き付けて結束するときの、紙幣結束部14の動作について詳しく説明する。
尚、紙幣結束部14の動作は、制御プログラム(ソフトウェア)に基づいて、制御部3により制御されるものである。ゆえに、以下に説明する動作の主体は、制御部3である。
まず、紙幣結束部14は、初期状態として、図3に示すようにロール21から引き出されたテープ20がテープ供給ローラ22A〜22Cにより挟持され、且つテープ20の先端がカッター25による切断位置に停止している。
この状態から、テープ供給ローラ22A〜22Cを回転させてテープ20を送り出すとともに、このとき、テープ供給ローラ22A、22B間で印字部24によりテープ20に日付や紙幣整理装置1が設置されている支店名等を印字する。
また、テープ20を送り出すことにより、テープ20の先端部が、図示しないテープ供給ガイドにガイドされてガイドローラ22Dに挟持され、さらに図6に示すように、このガイドローラ22Dの回転により巻付部23へと送られる。
このとき、巻付部23は、図7(A)に示すように、挟持部材40B、41Bが開いた状態で初期位置に待機している。またこのとき、上側搬送ベルト28は、図6に示すように、一番前のローラ29を中心して所定角度上方に回動して待機している。
この状態でテープ20の先端部が巻付部23の挟持部材40B、41B間に進入すると、図7(B)に示すように、挟持部材40B、41Bが閉じてテープ20の先端部を挟持する。
次に、テープ供給ローラ22A〜22Cによりテープ20を供給しながら、挟持部材40B、41Bでテープ20の先端部を挟持したまま、図8に示すように、挟持部材40B、41Bを時計回り方向(矢印Cで示す方向)に約半回転(約180度回転)させる。
これにより、図9に示すように、巻付部23は、挟持部材40B、41Bを、搬送路27をまたぐようにして搬送路27の下側から上側へと移動させ、テープ20を搬送路27を上下に遮るように引き出す。
ここで、紙幣束Bpが、上側搬送ベルト28と下側搬送ベルト30との間に送り込まれてくると、上側搬送ベルト28は、下方に回動して下側搬送ベルト30との間で紙幣束Bpを挟持する。
その後、上側搬送ベルト28と下側搬送ベルト30を走行させて、紙幣束Bpを搬送路27に沿って矢印Aで示す搬送方向に搬送する。
ここで、搬送路27を遮っているテープ20は、図10に示すように、搬送路27内を搬送されてくる紙幣束Bpの前端面で押し込まれる。
すると、テープ20が紙幣束Bpに押し込まれることにともなって、テープ供給ローラ22A〜22Cが回転してテープ20が引き出されることにより、テープ20は、紙幣束Bpの上下を覆う。
さらに、上側搬送ベルト28と下側搬送ベルト30を、紙幣束Bpを所定位置まで搬送した後停止させる。尚、このときの紙幣束Bpの停止は、停止位置付近に設けられた位置確認センサ(図示せず)が紙幣束Bpの例えば前端を検知したときの信号に基づいて行われる。
このように紙幣束Bpを停止させた後、テープ供給ローラ22A〜22Cを回転させてテープ20を引き出しながら、巻付部23の挟持部材40B、41Bを、時計回り方向にさらに約半回転(約180度回転)させる。
これにより、図11に示すように、巻付部23は、挟持部材40B、41Bを、搬送路27をまたぐようにして紙幣束Bpの後端上方から後端下方に回り込むように移動させ、初期位置に戻る。この結果、紙幣束Bpの後端がテープ20で囲われる。
ここで、さらに、テープ供給ローラ22A〜22Cを回転させてテープ20を引き出しながら、上側搬送ベルト28と下側搬送ベルト30を先ほどとは逆方向に走行させることにより、紙幣束Bpを矢印Aで示す搬送方向とは逆方向に搬送する。
これにより、図12に示すように、テープ20が紙幣束Bpを一周するように巻き付けられる。
ここで、紙幣束Bpをより強く結束するために、紙幣束Bpに巻き付けられたテープ20を、送り出す方向とは逆方向(矢印Dに示す方向)に一定の力で引っ張ることにより、紙幣束Bpをテープ20で締め付ける締付動作を行う。
尚、このとき、紙幣結束部14では、テープ供給ローラ22A〜22Cを、テープ20を送り出す方向(これをテープ供給方向と呼ぶ)とは逆方向(これを締付方向とも呼ぶ)に回転させることにより、テープ20を一定の力で引っ張るようになっている。
このような締付動作を行った後、カッター25により、テープ20の両端部が重なり合う長さで、テープ20をガイドローラ22Dの近傍で切断する。
さらに、図13に示すように、ヒータ26をテープ20の重なり合った部分の下方に移動させ、ヒータ26によりこの部分を下方から押圧しながら、テープ20に塗布されている糊を熱溶着させることにより、テープ20の両端部を接着する。
このとき、切断されたテープ20の末端部は、ヒータ26がテープ20の重なり合った部分を下方から押圧することにともなって、ガイドローラ22Dから離れ、テープ20の先端部と重なり合って接着される。
かくして、テープ20は、末端部が余るようなことなく、適切な長さで紙幣束Bpに巻き付けられて紙幣束Bpを結束する。
このようにして紙幣束Bpをテープ20で結束した後、巻付部23は、挟持部材40B、41Bを開いてテープ20を離す。その後、巻付部23を移動させて退避させ、上側搬送ベルト28と下側搬送ベルト30を再び走行させて、結束された紙幣束Bpを矢印Aで示す搬送方向に搬送して、放出口15へ送り出す。
このようにして、紙幣結束部14は、紙幣束Bpにテープ20を巻き付けて結束するようになっている。
ところで、上述の締付動作を1回行うだけでは、紙幣束Bpとなる紙幣の状態、紙幣の種類、テープ20の種類等の違いにより、紙幣束Bpを結束する締付力にばらつきが生じる恐れがある。
そこで、紙幣結束部14では、締付動作を、予め指定されている回数(2回以上)分繰り返し行うようになっている。
すなわち、制御部3は、締付動作の繰り返し回数を、予め指定されている回数に設定する。そして、制御部3は、紙幣束Bpにテープ20を巻き付けた後、テープ供給ローラ22A〜22Cをテープ20を送り出すときとは逆方向(締付方向)に回転させてテープ20を一定の力で引っ張ることにより1回目の締付動作を行う。
そして、制御部3は、一旦、テープ供給ローラ22A〜22Cの回転を停止させることにより1回目の締付動作を終了させ、その後、再び、テープ供給ローラ22A〜22Cをテープ20を締付方向に回転させてテープ20を一定の力で引っ張ることにより2回目の締付動作を行う。
このようにして、制御部3は、締付動作を繰り返し行う。
そして、制御部3は、この締付動作を、設定した回数分繰り返し行うと、カッター25によりテープ20を切断して、ヒータ26によりテープ20の重なり合った部分を熱して接着することにより紙幣束Bpを結束する。
ここで、上述した紙幣結束部14による紙幣束Bpにテープ20を巻き付けて結束する結束処理の手順について、図14に示すフローチャートを用いて説明する。
制御部3は、結束処理を開始すると、まずステップSP1において、テープ20を送り出して、その先端部を巻付部23の挟持部材40B、41Bに挟持させ、次のステップSP2に移る。
ステップSP2において、制御部3は、巻付部23の挟持部材40B、41Bを時計回り方向に約半回転(約180度回転)させることにより、テープ20で搬送路27を上下に遮り、次のステップSP3に移る。
ステップSP3において、制御部3は、紙幣束Bpを搬送路27に沿って搬送方向に搬送させながら、巻付部23の挟持部材40B、41Bを時計回り方向にさらに約半回転(約180度回転)させた後、紙幣束Bpを逆方向に搬送させることにより、紙幣束Bpにテープ20を巻き付けて、次のステップSP4に移る。
ステップSP4において、制御部3は、上述の締付動作を予め指定されている回数(2回以上)分繰り返し行った後、次のステップSP5に移る。
ステップSP5において、制御部3は、カッター25により、テープ20の両端部が重なり合う長さで、テープ20をガイドローラ22Dの近傍で切断して、次のステップSP6に移る。
ステップSP6において、制御部3は、ヒータ26により、テープ20に塗布されている糊を熱溶着させて、テープ20の両端部を接着することにより紙幣束Bpを結束して、次のステップSP7に移る。
ステップSP7において、制御部3は、巻付部23の挟持部材40B、41Bを開いてテープ20を離した後、巻付部23を退避させて、この結束処理を終了する。
このように、紙幣結束部14では、紙幣束Bpをテープ20で締め付ける締付動作を複数回繰り返し行うようにした。
こうすることで、例えば、締付動作を1回しか行わない場合と比較して、締付力のばらつきを低減できる。
また、この場合、例えば、テープ20を引っ張る力を無駄に強くすることなく、テープ20を引っ張る力を一定としながらも、締付力のばらつきを低減できる。
ここまで説明したように、紙幣結束部14では、テープ20を引っ張る力を強くすることなく、紙幣束Bpに対する締付力のばらつきを一段と低減でき、かくして、紙幣束Bpを一段と確実に結束することができる。
[2.第2の実施の形態]
次に第2の実施の形態について説明する。この第2の実施の形態は、締付動作の繰り返し回数を任意に設定できる点が、第1の実施の形態とは異なる点である。ゆえに、紙幣整理装置1の構成や、紙幣結束部14の構成については第1の実施の形態のものと同様であり、その部分についての説明は省略する。
この第2の実施の形態の紙幣整理装置1では、操作表示部4に、所定の操作画面を表示しながら、締付動作の繰り返し回数の指定を作業者に行わせる。
操作表示部4を介して指定された繰り返し回数は、制御部3へ通知され、制御部3により、変数aに代入されて、図示しない記憶部に記憶される。これにより、繰り返し回数が、作業者に指定された回数に設定されたことになる。
その後、制御部3は、紙幣束を結束するときに、変数aが示す繰り返し回数に基づいて、締付動作を繰り返し行う。
[2−1.締付動作処理の手順]
ここで、図15に示すフローチャートを用いて、第2の実施の形態の紙幣結束部14で行う締付動作の処理(これを締付動作処理とも呼ぶ)の手順について説明する。
尚、この締付動作処理を開始する前の時点で、作業者により繰り返し回数が指定され、この繰り返し回数が変数aに代入されているものとする。
また、この締付動作処理は、紙幣束を結束する結束処理の中で行われる部分的な処理である。
制御部3は、図12に示したように、紙幣束Bpを一周するように紙幣束Bpにテープ20を巻き付けた後、図15に示す締付動作処理を開始する。
制御部3は、締付動作処理を開始すると、まずステップSP10において、テープ供給ローラ22A〜22Cを回転させるアクチュエータを起動させ、テープ供給ローラ22A〜22Cを締付方向に回転させてテープ20を一定の力で引っ張ることにより、1回目の締付動作を開始して、次のステップSP11に移る。
ステップSP11において、制御部3は、アクチュエータを停止させることにより、1回目の締付動作を終了させ、次のステップSP12に移る。
ステップSP12において、制御部3は、繰り返し回数のカウント値を示す変数nに0を代入することにより、変数nを初期化(締付動作をまだ1回も繰り返していない状態)して、次のステップSP13に移る。
ステップSP13において、制御部3は、繰り返し回数のカウント値を示す変数nが、作業者により指定された繰り返し回数を示す変数a以上であるか否かを判別する。
ここで、例えば、作業者により指定された繰り返し回数が2回(すなわちa=2)であり、且つ締付動作をまだ1回も繰り返していない場合、繰り返し回数は0回(すなわちn=0)であり、このステップSP13で否定結果を得て、ステップSP14に移る。
ステップSP14において、制御部3は、再び、テープ供給ローラ22A〜22Cを回転させるアクチュエータを起動させ、テープ供給ローラ22A〜22Cを締付方向に回転させてテープ20を一定の力で引っ張ることにより、2回目の締付動作を開始して、次のステップSP15に移る。
ステップSP15において、制御部3は、アクチュエータを停止させることにより、2回目の締付動作を終了させ、次のステップSP16に移る。この時点で、締付動作を1回繰り返したことになる。
ステップSP16において、制御部3は、締付動作を1回繰り返したことにより、繰り返し回数のカウント値を示す変数nに、n+1を代入する。つまり、繰り返し回数のカウント値をインクリメントする。
その後、制御部3は、再びステップSP13に戻る。そして、制御部3は、このステップSP13で肯定結果を得るまで、すなわち、繰り返し回数のカウント値が、作業者により指定された繰り返し回数に達するまで、ステップSP14〜SP16の処理を繰り返し行う。
そして、繰り返し回数のカウント値が、作業者により指定された繰り返し回数に達すると、制御部3は、ステップSP13で肯定結果を得て、ステップSP17に移る。
ステップSP17において、制御部3は、カッター25を動作させて、テープ20の両端部が重なり合う長さでテープ20を切断して、次のステップSP18に移る。
ステップSP18において、制御部3は、ヒータ26を動作させて、テープ20の重なり合った部分を熱して接着することにより紙幣束Bpを結束し、この締付動作処理を終了する。
このように、第2の実施の形態の紙幣結束部14では、締付動作を繰り返す回数を任意の回数に指定できるようにした。
こうすることで、例えば、作業者が、紙幣整理装置1で扱う紙幣の種類や、テープ20の種類に応じて、締付動作の繰り返し回数を自由に指定することができ、紙幣束Bpの締付具合を任意の締付具合に設定することができる。
また、例えば、作業者が、繰り返し回数を変えながら、実際に紙幣整理装置1から放出される紙幣束Bpの結束具合を確認することにより、最適な締付具合となる繰り返し回数を容易に見つけ出すこともでき、紙幣整理装置1の使い勝手を向上させることもできる。
[3.第3の実施の形態]
次に第3の実施の形態について説明する。この第3の実施の形態は、締付動作の後、テープ20を一旦緩める緩め動作を行う点と、新たにローラを追加した点が、第1の実施の形態とは異なる点である。ゆえに、これら2点以外の部分については第1の実施の形態のものと同様であり、その部分についての説明は省略する。
この第3の実施の形態の紙幣結束部14では、図16に示すように、巻付部23によりテープ20が紙幣束Bpを一周するように巻き付けられたときに、紙幣束Bpの下面との間で、紙幣束Bpに巻き付けられているテープ20を挟み込むローラ100が新たに追加されている。
このローラ100は、図示しない機構により、巻付部23によりテープ20が紙幣束Bpを一周するように巻き付けられるまでは、例えば、搬送路27の下方に退避させられていて、テープ20が巻き付けられると、紙幣束Bpの下面前端に近づく方向に移動して、紙幣束Bpの下面前端との間でテープ20を挟み込むようになっている。
また、このローラ100は、紙幣束Bpに巻き付けられたテープ20がローラ100と巻付部23の挟持部材40B、41Bとの間で緩まないように、図示しないワンウェイクラッチ機構により、テープ供給方向とは逆方向(すなわち締付方向)の矢印Eに示す方向にのみ回転可能となっている。
そして、この第3の実施の形態の紙幣結束部14では、テープ20を紙幣束Bpに巻き付けた後、ローラ100と紙幣束Bpとの間で紙幣束Bpに巻き付けられたテープ20を挟み込んだ状態で、締付動作と緩め動作を交互に繰り返し行う。
[3−1.締付動作処理の手順]
ここで、図17に示すフローチャートを用いて、第3の実施の形態の紙幣結束部14で行う締付動作処理の手順について説明する。
尚、この締付動作処理を開始する前の時点で、作業者により繰り返し回数が指定され、この繰り返し回数が変数aに代入されているものとする。
また、この締付動作処理は、紙幣束Bpを結束する結束処理の中で行われる部分的な処理である。
制御部3は、図12に示したように、紙幣束Bpを一周するように紙幣束Bpにテープ20を巻き付けた後、ローラ100と紙幣束Bpとの間で紙幣束Bpに巻き付けられたテープ20を挟み込んだ状態で、図17に示す締付動作処理を開始する。
制御部3は、締付動作処理を開始すると、まずステップSP20において、テープ供給ローラ22A〜22Cを回転させるアクチュエータを起動させ、テープ供給ローラ22A〜22Cを締付方向に回転させてテープ20を一定の力で引っ張ることにより、1回目の締付動作を開始して、次のステップSP21に移る。
ステップSP21において、制御部3は、アクチュエータを停止させることにより、1回目の締付動作を終了させ、次のステップSP22に移る。尚、緩め動作は、2回目以降の締付動作の前に行われるものであり、この時点では、まだ行われない。
ステップSP22において、制御部3は、繰り返し回数のカウント値を示す変数nに0を代入することにより、変数nを初期化(締付動作をまだ1回も繰り返していない状態)して、次のステップSP23に移る。
ステップSP23において、制御部3は、繰り返し回数のカウント値を示す変数nが、作業者により指定された繰り返し回数を示す変数a以上であるか否かを判別する。
ここで、例えば、作業者により指定された繰り返し回数が2回(すなわちa=2)であり、且つ締付動作をまだ1回も繰り返していない場合、繰り返し回数は0回(すなわちn=0)であり、このステップSP23で否定結果を得て、ステップSP24に移る。
ステップSP24において、制御部3は、テープ供給ローラ22A〜22Cを回転させるアクチュエータを起動させ、テープ供給ローラ22A〜22Cをテープ供給方向に回転させてテープ20を緩めることにより、緩め動作を開始して、次のステップSP25に移る。
ステップSP25において、制御部3は、テープ供給ローラ22A〜22Cがテープ供給方向に規定量だけ回転した時点(すなわちテープ20を規定量だけ戻した時点)で、アクチュエータを停止させ、緩め動作を終了させる。このように、制御部3は、締付動作と締付動作の間に緩め動作を行うことで、紙幣束Bpを締め付けていたテープ20を一旦緩ませる。
尚、このとき、テープ20は、ローラ100と巻付部23の挟持部材40B、41Bとの間の部分、すなわち紙幣束Bpに直接巻き付けられている部分は緩まず、ローラ100よりロール21側の部分のみが緩むことになる。すなわち、緩め動作を行っても、紙幣束Bpへのテープ20の巻き付けは緩まないようになっている。
このような緩め動作を行った後、制御部3は、次のステップSP26に移る。ステップSP26において、制御部3は、再び、テープ供給ローラ22A〜22Cを回転させるアクチュエータを起動させ、テープ供給ローラ22A〜22Cを締付方向に回転させてテープ20を一定の力で引っ張ることにより、2回目の締付動作を開始して、次のステップSP27に移る。
このとき、緩め動作によってローラ100とロール21との間でテープ20が緩んでいることにより、緩め動作を行わない場合と比較して、テープ20が緩んでいる分、勢いを付けてテープ20を引っ張ることができる。
ステップSP27において、制御部3は、アクチュエータを停止させることにより、2回目の締付動作を終了させ、次のステップSP28に移る。この時点で、締付動作を1回繰り返したことになる。
ステップSP28において、制御部3は、締付動作を1回繰り返したことにより、繰り返し回数のカウント値を示す変数nに、n+1を代入する。つまり、繰り返し回数のカウント値をインクリメントする。
その後、制御部3は、再びステップSP23に戻る。そして、制御部3は、このステップSP23で肯定結果を得るまで、すなわち、繰り返し回数のカウント値が、作業者により指定された繰り返し回数に達するまで、ステップSP24〜SP28の処理を繰り返し行う。
そして、繰り返し回数のカウント値が、作業者により指定された繰り返し回数に達すると、制御部3は、ステップSP23で肯定結果を得て、ステップSP29に移る。
尚、最後の締付動作の後には緩め動作を行わないので、この時点で、紙幣束Bpはテープ20により締め付けられた状態となっている。
ステップSP29において、制御部3は、カッター25を動作させて、テープ20の両端部が重なり合う長さでテープ20を切断して、次のステップSP30に移る。
ステップSP30において、制御部3は、ヒータ26を動作させて、テープ20の重なり合った部分を熱して接着することにより紙幣束Bpを結束し、この締付動作処理を終了する。
このように、第3の実施の形態の紙幣結束部14では、締付動作と締付動作との間に、テープ20を一旦緩める緩め動作を行うようにした。
こうすることで、締付動作を行うときに、緩め動作を行わない場合と比較して、テープ20が緩んでいる分、勢いを付けてテープ20を引っ張ることができる。
これにより、例えば、第1の実施の形態と比較して、テープ20を引っ張る力は変わらずとも、紙幣束Bpに対するテープ20の締め付け力をより強くすることができる。
また、この第3の実施の形態の紙幣結束部14では、紙幣束Bpの下面前端との間でテープ20を挟み込むローラ100を設け、緩め動作時にローラ100と巻付部23との間でテープ20が緩まないように、ローラ100を、テープ供給方向とは逆方向(すなわち締付方向)の矢印Eに示す方向にのみ回転可能とした。
こうすることで、紙幣結束部14では、緩め動作を行ったときに、ローラ100と巻付部23との間でテープ20が緩むことを防ぎ、ローラ100とロール21との間でのみテープ20を緩ませることができる。
かくして、紙幣結束部14は、紙幣束Bpに対するテープ20の締め付けは保持したまま緩め動作を行うことができ、例えば、ローラ100を設けない場合と比較して、紙幣束Bpに対するテープ20の締め付け力をより強くすることができる。
尚、ローラ100を締付方向には回転可能としたことにより、ローラ100が締付動作時のテープ20の引っ張りを妨げることはない。
[4.第4の実施の形態]
次に第4の実施の形態について説明する。この第4の実施の形態は、紙幣束Bpを所定形状に折り曲げて変形させた状態で締付動作を行う点が、第3の実施の形態とは異なる点である。よって、この第4の実施の形態の紙幣結束部14には、紙幣束Bpを所定形状に折り曲げる機構が追加されている。尚、この機構以外の部分については第3の実施の形態のものと同様であり、その部分についての説明は省略する。
この第4の実施の形態の紙幣結束部14では、図18(A)に示すように、紙幣束Bpを、搬送路27内の所定位置まで搬送した後、この所定位置の上側に配置されている上側ガイド200を下方に移動させる。
そして、上側ガイド200と、所定位置の下側に配置されている下側ガイド201との間に、紙幣束Bpを挟み込み、さらに図18(B)に示すように、上側ガイド200で紙幣束Bpを上から押圧することにより、紙幣束Bpを変形させるようになっている。
具体的に、上側ガイド200のガイド面(下面)は、後部(搬送路27の上流側)よりも前部(搬送路27の下流側)の方が下方に凸する段差状となっている。
一方、この上側ガイド200と対向する下側ガイド201のガイド面は、上側ガイド200のガイド面の形状に合わせて、後部より前部の方が下方に凹んだ段差状となっている。
ゆえに、上側ガイド200と下側ガイド201との間には、側面視で略Z字の段差状となる隙間が形成されている。
また、これら上側ガイド200と下側ガイド201は、巻付部23の回動に干渉しない位置に設けられている。
そして、紙幣結束部14では、搬送路27の途中に設けられたこの隙間に入るまで紙幣束Bpを搬送して停止させる。その後、この隙間に入った紙幣束Bpを、上側ガイド200で上から押圧することにより、側面視で略Z字の段差状に折り曲げて変形させる。
さらに、紙幣結束部14は、この折り曲げて変形させた状態の紙幣束Bpにテープ20を巻き付けた後、第3の実施の形態と同様にして、締付動作と緩め動作を交互に繰り返し行う。
その後、紙幣結束部14は、カッター25を動作させて、テープ20の両端部が重なり合う長さでテープ20を切断した後、ヒータ26を動作させて、テープ20の重なり合った部分を熱して接着することにより紙幣束Bpを結束する。
そして最後に、紙幣結束部14は、上側ガイド200を上方に移動させて、紙幣束Bpへの押圧を解除することにより、紙幣束Bpを変形する前の元の形状に戻し、放出口15へ送り出す。
このように、第4の実施の形態の紙幣結束部14では、折り曲げて変形させた状態の紙幣束Bpにテープ20を巻き付けた状態で、締付動作と緩め動作を交互に繰り返し行い、さらに紙幣束Bpを結束した後、紙幣束Bpを元の形状に戻すようにした。
ここで、紙幣束Bpを折り曲げて変形させた状態で、テープ20を巻き付けると、巻き付けるテープの長さが、変形していない紙幣束Bpの周長より短くなる。
これにより、紙幣束Bpを元の形状に戻したときに、テープ20による結束がより強固なものとなる。
よって、この第4の実施の形態の紙幣結束部14によれば、第3の実施の形態と比較して、紙幣束Bpに対するテープ20の締め付け力をより強くすることができると言える。
尚、この第4の実施の形態の紙幣結束部14では、紙幣束Bpの位置を固定した状態で、紙幣束Bpにテープ20を巻き付けるようになっている。
ゆえに、第1乃至第3の実施の形態のように、紙幣束Bpを移動させながらテープ20を巻き付ける場合と比して、紙幣束Bpを固定して巻き付ける分、巻付部23の挟持部材40B、41Bの回転範囲が大きくなっている。
[5.他の実施の形態]
[5−1.他の実施の形態1]
尚、上述した第1乃至第4の実施の形態では、紙幣束Bpにテープ20を巻き付けた後、テープ20を一定の力で締付方向に引っ張る締付動作を繰り返し行うようにした。
これに限らず、テープ20を引っ張る力を一定ではなく、締付動作を繰り返すときに、徐々に変化させていくようにしてもよい。
この場合、例えば、制御部3が、テープ供給ローラ22A〜22Cを回転させるアクチュエータのトルクを制御することにより、テープ20を引っ張る力を変化させればよい。
そして、実際、1回目の締付動作より2回目の締付動作の方がテープ20を引っ張る力を強くするようにして、テープ20を引っ張る力を締付動作を行うごとに徐々に強くしていってもよい。
このようにすれば、紙幣束Bpを最初から強い力で引っ張る場合と比較して、紙幣束Bpを傷付けてしまう確率を低減することができる。
[5−2.他の実施の形態2]
また、上述した第1、第3、第4の実施の形態では、予め設定された回数(繰り返し回数)だけ締付動作を繰り返し行うようにした。
これに限らず、紙幣結束部14が、締付動作の繰り返し回数を、種々の情報に基づいて、その都度、自動で設定するようにしてもよい。
例えば、予め、紙幣束Bpとなる紙幣や紙幣束Bpを結束するテープ20の種類と、紙幣やテープ20の種類に応じた最適な繰り返し回数とを対応付けた設定用情報を、紙幣整理装置1の図示しない記憶部に記憶させておく。
そして、紙幣整理装置1では、操作表示部4に、所定の操作画面を表示しながら、紙幣やテープ20の種類の選択を作業者に行わせる。
操作表示部4を介して選択された紙幣やテープの種類は、制御部3へ通知される。制御部3は、選択された紙幣やテープの種類に対応する最適な繰り返し回数を、記憶部に記憶された設定用情報から取得し、これを繰り返し回数を示す変数aに代入する。
このようにすれば、紙幣結束部14で扱う紙幣やテープ20の種類に応じた最適な繰り返し回数で、締付動作を繰り返すことができ、紙幣束Bpを一段と適切な締付具合で結束することができる。
また、紙幣の種類については、作業者に選択させるばかりでなく、鑑別部8による鑑別結果を利用して、制御部3が、自動で認識するようにしてもよい。
さらに、これに限らず、紙幣束Bpとなる紙幣の状態に応じて、繰り返し回数を変えるようにしてもよい。紙幣の状態は、鑑別部8による鑑別結果を利用して、制御部3が、自動で認識すればよい。
具体的には、例えば、状態の悪い紙幣の割合が所定値以上の紙幣束Bpについては、状態の悪い紙幣の割合が所定値未満の紙幣束Bpよりも、締付動作により紙幣束が傷付きやすいと考えられるので、繰り返し回数を少なくする。
また、紙幣束Bpが、未使用の紙幣の束であるか、使用済みの紙幣の束であるかに応じて、繰り返し回数を変えるようにしてもよい。
この場合、例えば、紙幣結束部14に、紙幣束Bpの厚さを測定するセンサ(図示せず)を設け、このセンサで紙幣束Bpの厚さを測定するようにする。
ここで、制御部3は、厚さが所定の閾値を超えている紙幣束Bpについては、使用済みの紙幣の束、それ以外の紙幣束Bpについては、未使用の紙幣の束と判別するようにする。
そして、未使用の紙幣の束については、使用済みの紙幣の束よりも、例えば、繰り返し回数を多くする。このようにすれば、紙幣束Bpを一段と適切な締付具合で結束することができる。
[5−3.他の実施の形態3]
さらに、上述した第3、第4の実施の形態では、紙幣束Bpに巻き付けられたテープ20が緩まないようにテープ20を紙幣束Bpとの間で挟み込む緩み防止手段としてのローラ100を設けるようにした。
これに限らず、第3、第4の実施の形態の紙幣結束部14から、このローラ100を取り除いてもよい。
また一方で、このローラ100を、第1、第2の実施の形態の紙幣結束部14に追加してもよい。
くわえて、このローラ100と同様に機能するものを、このローラ100の代わりに、紙幣結束部14に設けるようにしてもよい。尚、ローラ100と同様に機能するものとは、紙幣束Bpに巻き付けられたテープ20が緩まないようにテープ20を紙幣束Bpとの間で挟み込むことができるものである。
[5−4.他の実施の形態4]
さらに、上述した第4の実施の形態では、紙幣束Bpを、側面視で略Z字の段差状に折り曲げて変形させるようにした。
これに限らず、略Z字の段差状以外の形状に折り曲げて変形させるようにしてもよい。例えば、側面視で略V字状に折り曲げて変形させるなどしてもよい。
[5−5.他の実施の形態5]
さらに、上述した第1乃至第4の実施の形態では、帯状の結束部材の具体例としてテープ20を用いるようにした。
これに限らず、帯状の結束部材であれば、テープ20以外のものをテープ20の代わりに用いるようにしてもよい。
さらに、上述した第1乃至第4の実施の形態では、紙幣束Bpを結束する結束手段の具体例として、巻付部23、カッター25、ヒータ26を用いるようにした。
これに限らず、これらと同様に結束手段として機能するものであれば、これら巻付部23、カッター25、ヒータ26とは異なる構成の結束手段を用いるようにしてもよい。
さらに、上述した第1乃至第4の実施の形態では、締付動作の繰り返し回数を設定する設定手段の具体例として制御部3を用いるようにした。
これに限らず、制御部3と同様に設定手段として機能するものであれば、制御部3とは異なる構成の設定手段を用いるようにしてもよい。
さらに、上述した第1乃至第4の実施の形態では、結束部材が巻回されている巻回手段の具体例として、ロール21を用いるようにした。
これに限らず、ロール21と同様に巻回手段として機能するものであれば、ロール21とは異なる構成の巻回手段を用いるようにしてもよい。
さらに、上述した第4の実施の形態では、紙幣束Bpを折り曲げて変形させる変形手段の具体例として、上側ガイド200と下側ガイド201を用いるようにした。
これに限らず、これらと同様に変形手段として機能するものであれば、上側ガイド200、下側ガイド201とは異なる構成の変形手段を用いるようにしてもよい。
さらに、上述した第1の実施の形態では、紙幣束を移送する移送手段の具体例として、移送部13を用いるようにした。
これに限らず、移送部13と同様に移送手段として機能するものであれば、移送部13とは異なる構成の移送手段を用いるようにしてもよい。
[5−6.他の実施の形態6]
さらに、上述した第1乃至第4の実施の形態では、本発明を、紙幣束を結束する紙幣結束装置としての媒体結束部14及び紙幣整理装置1に適用したが、本発明は、これに限らず、紙、切符など、紙幣以外の紙葉類を媒体として結束する装置であっても、媒体結束部14及び紙幣整理装置1と同様に媒体を結束する装置であれば適用できる。
[5−7.他の実施の形態7]
さらに、本発明は、上述した第1乃至第4の実施の形態と、上述した他の実施の形態とに限定されるものではない。すなわち本発明は、上述した第1乃至第4の実施の形態と上述した他の実施の形態の一部または全部を任意に組み合わせた実施の形態や、一部を抽出した実施の形態にもその適用範囲が及ぶものである。