JP6148880B2 - 冷凍下混練性組み合わせ冷菓 - Google Patents

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本発明は、−18℃以下の低い温度帯に冷凍保管された状態で、スプーンなどによって人手で容易に混練することが出来る冷凍下混練性を有する物性でありながら、複数の異なる硬化前冷菓生地を容器に充填する際には、冷菓生地の互いの境界線が滲んだり、歪んだり、隙間が空いたりすることなく明瞭となる物性を有する冷凍下混練性組み合わせ冷菓に関し、さらに詳しくは、冷菓生地を複数組み合わせて容器に収容した状態で、−18℃以下の冷凍下で人手で混練することにより、元の冷菓生地の風味と異なる、予め設計された所定の最終設計風味に変化させることができる冷凍下混練性組み合わせ冷菓に関する。
従来、複数の香料成分を喫食者が混ぜて異なる風味に変化させる菓子としては、例えば、実公平3―56233号公報のブロック状チューインガムが知られている。
このチューインガムは、相互に異なる香料構成成分のチューインガム分割片をブロック状に接合し、分割片を切り離して別個の風味として楽しんだり、分割片を切り離さずに纏めて咀嚼して別種の香りを味わうことが出来るというものである。
例えば、各分割片を、ソーダの香り、シンナモンの香り、オレンジの香り、レモンの香りで構成し、一度に咀嚼するとコーラ味になるというように、最終設計のコーラ風味を分割して含有させることにより、全体を咀嚼するまでは、最終設計のコーラ風味が分からないという謎解きのような楽しさが味わえるものである。
上記のチューインガムの手法を冷菓に応用する際には、例えば、上記分割片に相当する複数の分割冷菓生地を準備し、1つの容器に同時に充填して、喫食者が混ぜ合わせることにより、最終設計の風味を味わうようにすることが考えられる。
しかし、通常、冷菓は−18℃以下の冷凍下で保管されており、この状態で人手で攪拌しようとしても固くて混ぜにくいという課題がある。
特に、手の力が弱い幼児が−18℃以下で保管されている冷菓をスプーンなどを使って混練することは非常に困難であり、ある程度柔らかくなるまで室温に放置して混練せざるを得ないが、その場合は、容器の外周に接する部分から冷菓の溶解が始まり、スプーンで混練すると、溶解していない中心付近の冷菓全体が容器の中で空回りして、生地全体が混練しにくくなったり部分的に溶けすぎた冷菓生地が残り、アイスクリーム本来の食感が悪くなるという欠点がある。
そこで、冷凍下でもアイスクリームを混練し易くする方法としては、例えば、特許第3420529号公報に記載の組合せ菓子がある。
この組合せ菓子は、冷菓生地、pHによって色変わりする色素、酸成分、アルカリ成分を組み合わせ、喫食者がこれらと共に水を加えて混合することにより、発泡、色変わりするシェイク状のドリンクに変化させるものである。
しかし、この方法では、冷菓生地を混練しやすくするために水を添加する必要があり、シェイク状ドリンクとしては好適なものの、アイスクリーム本来の食感を味わうことは出来なかった。
また、他の方法としては、例えば、特許第3604373号公報記載のアイスクリーム類及び冷菓が挙げられる。この冷菓は、低融点油脂と、中・高融点油脂と、糖アルコール等の糖類とを添加することにより冷凍下でも柔らかいアイスクリームを得るものである。
しかし、この方法では、中・高融点油脂とともに、低融点油脂(常温で液体の油)を組み合わせることが必要であり、冷菓生地ミックスをアイスクリームフリーザーでフリージングしたときの硬化前冷菓生地が非常に柔らかく、複数の異なる硬化前冷菓生地を容器に同時充填するときに、本発明が目的とする、冷菓生地同士の境界線を明瞭に維持することが困難で、境界面で冷菓生地同士が互いに混ざったり、歪んだりして不鮮明な境界線になるという欠点がある。
また、この方法で得られる冷菓は、喫食すると、低融点油脂に由来する油っぽい食感(常温で液体の油のため、口の中に油の膜が張るような口触り)と油臭風味がいつまでも口に残るという欠点があった。
さらに他の方法としては、例えば、特許第2725774号公報に記載のアイスクリーム類が挙げられる。
このアイスクリーム類は、ヤシ油などの一般的な油脂、タピオカ澱粉、天然ゲル化剤を用いることにより、プリン様食感の冷菓を得るものである。しかし、このアイスクリーム類は、棒付きのバーアイスにおける変形防止、プリン食感を目的としたものであり、複数の異なる生地を容器に充填するときに、その境界線を明瞭にすることや、冷凍下で冷菓を人手で混練するという思想についてはまったく記載がない。
また、特許第3397110号公報には、パーム低融点画分などの、上昇融点15℃以下の油脂を用いる冷菓が記載されているが、この冷菓は水々しい食感と冷感が強調される冷菓を得るためのものであって、複数の異なる生地を容器に充填するときに、その境界線を明瞭にすることや、冷凍下で冷菓を人手で混練するという思想についてはまったく記載がない。
実公平3−56233号公報 特許第3420529号公報 特許第3604373号公報 特許第2725774号公報 特許第3397110号公報
本発明は、以上のような事情に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、複数の異なる硬化前冷菓生地を容器に充填する際に冷菓生地同士の境界線が明瞭となるような物性を有しつつ、−18℃以下の低い温度帯に冷凍硬化された状態で、スプーンなどによって人手で容易に混練することが出来る軟粘性を有する冷凍下混練性組み合わせ冷菓を提供することにあり、さらに詳しくは、冷菓生地を複数組み合わせて容器に収容した状態で、−18℃以下の冷凍下で人手で混練することにより、元の冷菓生地の風味と異なる、予め設計された所定の設計風味に変化させることができる冷凍下混練性組み合わせ冷菓を提供することにある。
本発明は、複数の異なる硬化前冷菓生地を、該冷菓生地同士の境界線が明瞭となるよう容器に充填し冷凍硬化後、−18℃以下の冷凍下で混練性を有する冷凍下混練性組み合わせ冷菓であって、該冷凍下混練性組み合わせ冷菓全体重量中、下記(1)(2)(3)を含有してなる冷凍下混練性組み合わせ冷菓により前記目的を達成する。
(1)上昇融点5℃〜25℃の油脂0.5〜5.0重量%
(2)二糖類もしくは単糖類20.0〜35.0重量%
(3)糖アルコール1.0〜10.0重量%
好ましくは、冷凍下混練性組み合わせ冷菓の設計風味成分が、複数の冷菓生地に分割した状態で含有構成されており、該冷凍下混練性組み合わせ冷菓を−18℃以下の冷凍下で混練することにより、設計風味に変化させる。
すなわち、本発明者らは、油脂を複雑に組み合わせたりすることなく、複数の異なる硬化前冷菓生地を容器に充填する際に、充填した後の冷菓生地表面の境界線が明瞭となるような物性を有しつつ、−18℃以下の低い温度帯に冷凍保管された状態で、スプーンなどによって人手で容易に混練することが出来る軟粘性を有する組成について検討を行なった。
その結果、特定の融点の油脂と糖質甘味料組成を用いると、本発明の目的を達成できることを見出し、本発明に到達した。
本発明の冷凍下混練性冷菓は、家庭用の冷凍庫で−18℃以下の低い温度帯に冷凍保管された冷菓を、取り出してすぐにスプーンなどを用いて、幼児などの握力の小さい人手であっても容易に混練することが出来る軟粘性を有する冷菓である。
また、冷凍下混練性成分として、特定の油脂、糖質甘味料を用いているので、冷凍下で混練性のある柔らかさを有しつつ、容器に充填するときには、複数の異なる硬化前冷菓生地同士の境界線が交じり合うことなく、明瞭に表出でき、鮮明な図柄、模様とすることができる。
また、風味設計の汎用性が高く、アイスクリーム本来のクリーミーな食感を有し、冷菓ミックスをアイスクリームフリーザーでフリージングする際にもオーバーランを自由に設計できる。
また、最終設計の風味の構成成分を分割した複数の冷菓生地を組み合わせて容器に収容した状態で、−18℃以下の冷凍下で人手で混練することにより、元の冷菓生地の風味と異なる、予め予測できない最終設計の風味に変化させることができ、冷菓を混ぜながら、喫食者自身が味を変化させ、最終の設計風味を確認するという謎解きのような楽しさが味わえる冷菓である。
次に、本発明を詳しく説明する。
本発明の冷凍下混練性組み合わせ冷菓は、−18℃以下の冷凍下で、混練性を有しながら、複数の硬化前冷菓生地を容器に同時充填する際にはその境界線が混じり合うことなく明瞭に現れる軟粘性、充填適性を有するものである。
すなわち、後述する冷菓原料、水分などを混合殺菌調製して得られる冷菓ミックスをアイスクリームフリーザーによってフリージングし、適宜空気を含有させた状態でフリーザーから吐出させて得られる硬化前の冷菓生地を、容器に収容して凍結し、−18℃以下の低い温度で冷凍硬化した状態で、人手で混練可能な物性を有する冷菓である。
本発明では、上記冷凍下混練性、冷菓生地境界線明瞭性を得るために、上昇融点5〜25℃、さらに好ましくは10〜23℃、さらに好ましくは、25℃で完全に液状に溶解する油脂を用いることが望ましい。
そのような油脂としては、例えば、パーム油、ヤシ油などが挙げられ、これらを原料として上記の範囲の上昇融点となるよう、適宜脂肪酸を抽出して構成された油脂を用いてもよい。
油脂の融点が上記範囲よりも低い場合、冷凍下混練性は得られるものの、硬化前の冷菓生地の充填時の硬度が軟らかく、充填終了時の冷菓生地の先端の切れが悪くなり、テーリングという現象によって冷菓生地の先端が模様の上に垂れてしまい、冷菓生地同士の境界線が鮮明に出にくくなる傾向にある。また、喫食すると、低融点油脂に由来する油っぽい食感(口の中に油の膜が張るような口触り)と油臭風味がいつまでも口に残りやすい。
逆に、油脂の上昇融点が上記範囲よりも高いと、冷凍下混練性が悪く、幼児の手では混練しにくくなる。また、硬化前の冷菓生地の充填時の硬度が硬く、細かい模様を表出しにくくなったり、複数の隣り合う冷菓生地の境界面に隙間が出来やすくなる傾向にある。
また、油脂の含有量は、冷凍下混練性組み合わせ冷菓全体重量中、0.5〜5.0重量%である。
この範囲を外れると、本発明が目的とする硬化前生地の充填硬度適性が悪くなり、複数の隣り合う冷菓生地の境界面が明瞭に表出しにくくなったり、冷凍下混練性が悪くなる。なお、油脂として、他の油脂を併用しても良いが、本発明の目的の冷菓を得るためには、上記の上昇融点の油脂を油脂全体重量中、80重量%以上とすることが望ましい。
次に、本発明の冷凍下混練性組み合わせ冷菓は、二糖類もしくは単糖類を含有する。
糖類もしくは単糖類としては、例えば、グルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトースなどの単糖類、蔗糖、麦芽糖、乳糖、トレハロース、イソマルツロース(パラチノース)などの二糖類、二糖類以下を主体とする異性化液糖などが挙げられ、これらは単独でも組み合わせて用いても良い。
また、含有量は、冷凍下混練性組み合わせ冷菓全体重量中、20.0〜35.0重量%である。
すなわち、この範囲より少ないと硬化後の冷菓を−18℃以下で手で混練する物性、すなわち冷凍下混練性が硬く、特に幼児などの握力のない喫食者の場合には混練しにくくなる。
逆にこの範囲よりも多いと、混練はし易くなるが、硬化前の冷菓生地の充填時の硬度が軟らかく、充填終了時の冷菓生地の先端の切れが悪くなり、テーリングという現象によって冷菓生地の先端が模様の上に垂れてしまい、冷菓生地同士の境界線が鮮明に出にくくなる。
また、二糖類よりも長鎖の糖類を主体とする糖類、例えば、水あめや、ラフィノース、パノース、マルトトリオース、メレジトース、ゲンチアノースなどの三糖類、スタキオースなどの四糖類などを用いると、生地が硬くなって冷凍下混練性が悪くなる。
なお、これらの糖質甘味料全体重量中、60重量%以上が二糖類もしくは単糖類であることが、さらに二糖類もしくは単糖類の効果を発揮する点で好適である。
また、上記の二糖類もしくは単糖類の他に、冷菓生地の充填適性と冷凍下混練性を付与するために、糖アルコールを含有する。
糖アルコールとしては、例えば、キシリトール、エリスリトール、マルチトール、還元パラチノース、ラクチトール、マンニトール、ソルビトールなどが挙げられ、これらは単独でも組み合わせて用いても良い。
この中でも、マルチトールは甘味の質が穏やかである、甘味強度の設計がし易い、幼児が喫食しても緩下性が低い、などの点で好適である。
また、含有量は、冷凍下混練性組み合わせ冷菓全体重量中の1.0〜10.0重量%である。
この範囲よりも少ないと、硬化後の冷菓の冷凍下混練性が硬く、混練しにくくなる。
逆にこの範囲よりも多いと、冷凍下混練性はよくなるものの、硬化前の冷菓生地が柔らかすぎて模様を鮮明に表出しにくくなる。また、硬化後の冷菓製品は冷凍保存中にヒートショックによる劣化を生じ易く、初期品質の維持が難しくなる。
本発明の冷凍下混練性組み合わせ冷菓には、その他の原料として、乳製品、安定剤、澱粉、乳化剤、色素、香料、果肉果汁、酸味料、卵、カカオ由来原料(チョコレート、ココア、ココアバター、カカオマス、ココアバター代替脂等)、嗜好品(コーヒー、茶類、
酒類)、調味料、ナッツ類、ゼリー類、乾燥果実、ベーカリー食品などの中から、適宜組み合わせて用いればよい。
また、上記安定剤としては、カラギナン、グアーガム、プルラン、ペクチンなどが挙げられ、これらは単独でも組み合わせて用いても良い。
特に、グアーガムは、冷凍下で混練したときの軟粘性を付与し、喫食者が練り上げているかのような物性を示す点で好適である。
また、本発明では、苦味を呈するプルランを用いなくても、特有の軟粘性を付与できるが、少量であれば、苦味を呈することなく冷菓生地を混練したときの伸張性を付与し、喫食者がスプーンなどで練り上げながら長く引っ張り上げることが出来る物性を付与する点で好適である。
又、上記澱粉としては、化工澱粉、加工澱粉が挙げられ、特にタピオカ化工澱粉は、冷凍下で混練したときの軟粘性を付与し、喫食者が引っ張りながら練り上げているかのような物性を示す点で好適である。
また、上記香料については、後述の通り最終設計の風味の構成成分となる香料を分割した複数の硬化前冷菓生地を組み合わせて容器に収容した状態で、−18℃以下の冷凍下で人手で混練すると、元の冷菓生地の風味と異なる、予め予測できない最終設計の風味に変化させることができる点で好適である。
例えば、混練後の最終の設計風味をコーラ味とする場合、グレープ味冷菓生地、レモン味冷菓生地、ソーダ味冷菓生地を各々準備して、一つの容器に収容して冷凍すれば、−18℃以下で混練したときにコーラ味に変化させることができる。
その他の風味の設計としては、例えば最終の設計風味がグレープ味の場合、分割する冷菓生地は、りんご味、いちご味、ソーダ味の冷菓生地で構成するとよい。
あるいは、最終の設計風味がヨーグルト味の場合は、バニラ味、レモン味、オレンジ味の冷菓生地で構成すると良い。
また、最終設計がチョコレート味の場合は、バニラ味、キャラメル味、いちご味の冷菓生地で構成すると良い。
尚、上記の例では、香料を用いた最終風味設計方法を例示したが、果汁、嗜好成分などの風味原料を用いて、あるいは香料と風味原料を併用して分割する冷菓生地の風味を調整するようにしても良い。
上記の原料を用いて、本発明の冷凍下混練性組み合わせ冷菓は、例えば次のようにして製造される。
すなわち、まず、冷凍下混練性成分となる油脂、二糖類もしくは単糖類、糖アルコールとともに、その他原料に、必要に応じて水などの水分を添加し、適宜殺菌、均質化して冷菓ミックスを調製する。
冷菓ミックスの固形分は特に限定されるものではないが、例えば、クリーミーな食感を得るためには30%前後となるように設計することが好ましい。
次に、上記冷菓ミックスをアイスクリームフリーザーでフリージングし、硬化前冷菓生地を得る。
このとき、オーバーランは、特に限定されるものではないが、本発明によれば、10%を超えるオーバーランでも設計可能であり、例えばクリーミーな食感を付与するのであれば、オーバーランは10〜100%程度に設計することが好ましい。
次に上記硬化前冷菓生地を容器に収容し、冷凍硬化する。
冷凍条件は、好ましくは−35℃以下、3時間以上であることが、均一な氷結晶、組
織とする点で好適である。
上記のようにして調製された冷菓は、販売店舗の冷凍庫、家庭用冷凍庫に保管され、−18℃以下の品温となっている。
そして、上記冷菓は、冷凍庫から取り出してすぐにスプーンなどで混練すれば、ソフトクリーム状の軟粘性の状態となる。
また、上述したように、最終の設計風味の構成成分を予め分割する場合には、分割した風味の冷菓生地用の冷菓ミックスを各々用意し、各々フリージングしてから、例えば、複数の冷菓生地を同時充填できるノズルから吐出させて容器に充填することにより調製することができる。
なお、上記の容器は、紙、プラスチック製などの冷菓用カップを用いても良く、あるいは、モナカ、セミシュガーコーン、シュガーコーン、ワッフルなどの生地を、冷菓を使用可能な形に成形したものなどの可食容器を用いても良い。
以下に、本発明を実施例及び比較例を挙げて具体的に説明する。
<実施例1〜3>
最終設計風味がコーラ味となる冷菓用の組み合わせ冷菓生地として、表1に示す組成で、グレープ味、レモン味、ソーダ味の3種類の冷菓ミックスを調製し、各々常法によってアイスクリームフリーザーでフリージングして硬化前冷菓生地3種類を調製した。
<比較例1〜3>
油脂、糖質甘味料を代える他は、実施例と同様にして調製した。
140cc容量のプラスチック製円形カップに、上記の硬化前冷菓生地3種を各々40ccずつ、容器の中心点から広がる均等な扇形となるように同時充填し、−35℃で3時間冷凍硬化後、家庭用冷凍庫に1昼夜保管し、品温−18℃の冷菓を得た。
これを冷凍庫から取り出した直後に専門パネラー5名によってスプーンで混練し、風味、食感、混練性、冷菓生地境界線の明瞭度を評価した。その結果を表2に示す。
<実施例4>
油脂を、上昇融点13℃のヤシ油に代える他は実施例1と同様にした。
その結果を表2に示す。
評価の結果、実施例は、風味、食感、混練性、境界線明瞭度がおおむね良好であった。特に実施例1は、混練前の冷菓は、淡桃色、淡黄色、水色の冷菓生地がおのおの3等分に均一に扇形に充填され、充填後の冷菓表面において、それぞれの冷菓生地が接する境界線が明瞭で、シャープな直線状であった。また、混練がしやすく、43秒でソフトクリーム状に練り上げることができた。また混練後の冷菓は均一なコーラ味となったソフトクリーム状のクリーミーな物性と油っぽさのない食感・風味であった。
また、実施例2は、水あめを使用していないので、軟らかく、混練性は良好であったが、硬化前冷菓生地を充填したときに、それぞれの冷菓生地が接する境界線は明瞭であったが、シャープな直線状とならず、ややカーブしていた。またソフトクリームの食感としてはややコシが弱く、やや甘さが強かった。
また、実施例3は、糖アルコールの量が少なめなので、やや硬く、硬化前冷菓生地を充填したときの冷菓生地境界線の明瞭度は良好であったが、混練性はやや劣っていた。またソフトクリームの食感としてはややコシが硬く、やや甘さが強かった。
また、実施例4は、油脂の上昇融点がやや低く、生地が軟らかめで混練性、冷菓生地境界線の明瞭度は良好であったが、喫食したときに舌の上に油の膜が張るような食感がやや感じられ、油臭風味が若干感じられた。
これに対し、比較例品は、風味、食感、混練性、境界線明瞭度のいずれかが悪かった。
比較例1では上昇融点が範囲外の油を使用しているため、生地が軟らかく、混練性は良好であるが、冷菓生地境界線の明瞭度は劣り、シャープな直線状とならず、ややカーブしていた。またソフトクリームの食感としてはコシが弱く、舌の上に油の膜が張ったような食感が残り、また後口に油臭の残る風味であった。
また、比較例2は単糖類と二糖類の含有量が低いので、生地が硬く、冷菓生地境界線の明瞭度は良好であったが、混練性が劣っていた。また、風味はよいが、ソフトクリームとしての食感が劣り、やや硬かった。
また、比較例3は、糖アルコールを使用していないので、生地が硬く、冷菓生地境界線の明瞭度は良好であったが、混練性が悪かった。また、風味はよいが、ソフトクリームとしての食感が劣り、やや硬かった。

Claims (2)

  1. 複数の異なる硬化前冷菓生地を、該冷菓生地同士の境界線が明瞭となるよう同一容器に充填し冷凍硬化後、−18℃以下の冷凍下で混練性を有する冷凍下混練性組み合わせ冷菓であって、該冷凍下混練性組み合わせ冷菓全体重量中、下記(1)、(2)、及び(3)を含有してなり、かつ上昇融点が5℃より低い低融点油脂及び25℃より高い油脂を含有しないことを特徴とする冷凍下混練性組み合わせ冷菓。
    (1)上昇融点5℃〜25℃の油脂0.5〜5.0重量%、
    (2)二糖類もしくは単糖類20.0〜35.0重量%、及び
    (3)糖アルコール1.0〜10.0重量%
  2. 冷凍下混練性組み合わせ冷菓の設計風味成分が、複数の冷菓生地に分割した状態で含有構成されており、該冷凍下混練性組み合わせ冷菓を−18℃以下の冷凍下で混練することにより、設計風味に変化させることを特徴とする請求項1記載の冷凍下混練性組み合わせ冷菓。
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