JP6144119B2 - 人形の関節構造 - Google Patents

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Description

本発明は、人形の所要箇所(例えば、首、肩、肘、手首、手指、膝、股、足首、足指など)を可動自在に構成するための関節構造に関する。
「人形」の一般的概念としては、狭義には人間の姿を、広義には人間以外の動物や架空の生物をも考慮しつつ、それらの姿に似せて作られたものが想定とされるところ、本願明細書における「人形」の概念には、胴体、上肢(腕)、下肢(脚)とともに頭部を備えたものに限られず、頭部を備えていない所謂「人形用素体」と称されるものも含まれる。
従来から人形の技術分野においては、例えばフィギュアと称される人間の身体(裸体)形態を忠実に模写した構成を有する人形が知られており、かかるフィギュアなる人形は、一般に女児等が手に持って遊んだり、単に着せ替えをして遊んだりするものとして普及されているところ、昨今のフィギュア愛好者の拡大により、老若男女を問わず幅広い需要者層に愛好されるに至っている。
さらに、上記した「人形用素体」については、これに、フィギュア愛好者の嗜好に沿った頭部を装着するとともに、種々の衣装を着せることで、いわゆる「カスタムドール」と称されるオリジナル人形を作成した上で、様々なポーズ(姿勢)をとらせて写真撮影した画像を一般に公開(公表)するといった遊び方が認知されつつある。
ここで、かかる遊び方について考察すると、フィギュア愛好者にとっての関心事としては、例えば「カスタムドール」としてのオリジナル人形の上肢(腕)や下肢(脚)の関節構造を人間のようにリアルに可動させることで、自分の好きなポーズ(姿勢)をとらせることにある。
この場合、「カスタムドール」としてのオリジナル人形の上肢(腕)や下肢(脚)の関節構造を人間のようにリアルに可動させるためには、当該関節構造の可動範囲に自由度を持たせる必要があるが、そのためには、当該人形の上肢(腕)や下肢(脚)における関節を鋭角に(深い屈曲角度に)屈曲させることを可能にする構造を実現することが求められている。
そこで、このような要求に応えるために、人形の上肢(腕)や下肢(脚)の関節構造として球状関節を用いた技術思想が知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。このような球状関節(関節構造)は、1つの回転軸を中心に相対回転可能に組み合わされ、その組み合わされた状態で球状を成す第1及び第2の半球状関節部と、第1及び第2の半球状関節部にそれぞれ1つずつ設けられ、回転軸に直交する方向に沿って延出した第1及び第2の可動部とを有している。
また、第1の半球状関節部には、回転軸に沿って同心状に突出させた嵌合凸部が設けられているとともに、第2の半球状関節部には、嵌合凸部が嵌合可能な嵌合凹部が設けられている。この場合、嵌合凸部を嵌合凹部に嵌合させることで、第1の半球状関節部と第2の半球状関節部とが球状に組み合わされた状態となり、この状態において、回転軸を中心に第1及び第2の半球状関節部を相対回転させることで、第1及び第2の可動部を所望の回転角度に位置付けることができる。
特許第4586984号公報(特に、図1〜図6参照) 特許第4636410号公報 特開2005−52427号公報(特に、図3参照)
ところで、従来の球状関節(関節構造)では、嵌合凸部を嵌合凹部に嵌合させる際に、嵌合凹部に対する嵌合凸部の嵌合量に応じて当該嵌合凹部内に加圧されて蓄積される圧縮空気を外部に排気するための空気抜き構造として、嵌合凹部を貫通孔状に構成した技術が提案されている(例えば、特許文献1,2)。
しかしながら、嵌合凹部を貫通孔状に構成すると、第1の半球状関節部と第2の半球状関節部とを球状に組み合わせた状態において、かかる球状の表面の一部に嵌合凹部の貫通孔が露出することとなり、外観の見映えが悪くなるため、球状関節(関節構造)全体の美観をより優れたもの(良好)にすることができなかった。
ここで、特許文献3には、第1及び第2の半球状関節部の表面に貫通孔を露出させることなく、嵌合凸部を嵌合凹部に嵌合させる技術が提案されている。かかる技術において、嵌合凹部は、これが設けられた第2の半球状関節部全体を中空状にすることで構成されている。
しかしながら、このような構成によれば、嵌合凸部を嵌合凹部に嵌合させる際の空気抜きとしての機能を発揮させることはできるものの、嵌合凹部の肉厚をかせぐことができないため、嵌合凹部は弾性変形しやすい不安定な状態となり、その結果、嵌合凸部を嵌合凹部に対して堅牢に嵌合させることができない。そうなると、嵌合凹部から嵌合凸部が容易に脱落(離脱)してしまう虞があるため、第1の半球状関節部と第2の半球状関節部とを球状に組み合わせた状態に維持することが困難になってしまう。
そこで、従来の球状関節(関節構造)では、第1の半球状関節部と第2の半球状関節部とを球状に組み合わせた状態に維持すべく、嵌合凸部が嵌合凹部から脱落(離脱)するのを防止するための構造として、貫通孔状の嵌合凹部の一部を狭めた(縮径させた)技術が提案されている(例えば、特許文献1,2)。
しかしながら、貫通孔状の嵌合凹部の一部を狭めた(縮径させた)だけでは、嵌合凹部からの嵌合凸部の脱落(離脱)を確実に防止することができないため、貫通孔状を成す嵌合凹部に挿入させた嵌合凸部の先端を潰して広げるように変形させる処理が別途必要となる(例えば、特許文献1の段落「0035」、特許文献2の段落「0049」参照)。そうすると、当該球状関節(関節構造)の製造(組立)に要する手間や時間がかかって煩雑化し、これにより、製造効率が低下するだけでなく、製造コストが上昇してしまう。
本発明は、このような課題を解決するためになされており、その目的は、外観の見映え(美観)を良好としつつ、ワンタッチで嵌合凸部を嵌合凹部に対して堅牢に嵌合させることを可能とし、これにより、嵌合凹部からの嵌合凸部の脱落(離脱)を確実に防止することで、半球状関節部相互を球状に組み合わせた状態に維持可能な製造効率に優れた低コストな人形の関節構造を提供することにある。
このような目的を達成するために、本発明は、人形の所要箇所を可動自在に構成するための関節構造であって、1つの回転軸を中心に相対回転可能に組み合わされ、その組み合わされた状態で球状を成す第1及び第2の半球状関節部と、第1及び第2の半球状関節部にそれぞれ1つずつ設けられ、回転軸に直交する方向に沿って延出した第1及び第2の可動部とを具備し、第1の半球状関節部には、回転軸に沿って同心状かつ末広がり状に突出させた円錐台形状を成す嵌合凸部が設けられ、第2の半球状関節部には、嵌合凸部が嵌合可能で、回転軸に沿って同心状かつ末広がり状に窪ませた円錐台形状を成す嵌合凹部が設けられており、嵌合凹部は、第2の半球状関節部を貫通させることなく嵌合凸部の外形輪郭に一致した内形輪郭を成し、嵌合凸部を嵌合させるための開口が形成された開口端と、当該開口端に対向する閉塞端とを有して形成されているとともに、嵌合凹部には、回転軸周りの側周面に沿って所定間隔で複数の肉盛部が増設され、それぞれの肉盛部は、開口端から閉塞端に亘って連続して延在し、かつ、その肉厚は、開口端から閉塞端に向うに従って連続して薄肉化されている。
本発明では、嵌合凹部に、回転軸周りの側周面に沿って等間隔で偶数の肉盛部が増設されている場合において、嵌合凸部の突出端の外径をR1、嵌合凸部の基端の外径をR2とし、嵌合凹部の開口端における肉盛部相互間の内径をR3、嵌合凹部の開口端における側周面相互間の内径をR4、嵌合凹部の閉塞端における側周面相互間の内径をR5とし、外径および内径が回転軸を通って規定される径寸法とすると、R2=R3<R4<R1=R5なる関係を満足する。
本発明では、嵌合凹部に、回転軸周りの側周面に沿って等間隔で奇数の肉盛部が増設されている場合において、嵌合凸部の突出端の外径をR1、嵌合凸部の基端の外径をR2とし、嵌合凹部の開口端における側周面と肉盛部との間の内径をR6、嵌合凹部の開口端における側周面相互間の内径をR4、嵌合凹部の閉塞端における側周面相互間の内径をR5とし、外径および内径が回転軸を通って規定される径寸法とすると、R2=R6<R4<R1=R5なる関係を満足する。
本発明において、嵌合凹部には、回転軸に沿って同心状に立ち上げられた円筒形状を成すシャフトが設けられているとともに、嵌合凸部には、シャフトが挿入可能で、回転軸に沿って同心状に窪ませた円筒形状を成すシャフト受け部が設けられており、シャフトの外径は、シャフト受け部の内径と同径、或いは、それよりも小径に設定されている。
本発明では、嵌合凹部における複数の肉盛部において、回転軸周りの側周面に沿って隣り合う肉盛部相互間の領域は、第1の半球状関節部と第2の半球状関節部とを組み合わせる場合、嵌合凸部を嵌合凹部の開口端から嵌合させる際に、嵌合凹部に対する嵌合凸部の嵌合量に応じて当該嵌合凹部内に加圧されて蓄積される圧縮空気を、外部に排気するための空気抜き部として機能する。
本発明によれば、外観の見映え(美観)を良好としつつ、ワンタッチで嵌合凸部を嵌合凹部に対して堅牢に嵌合させることを可能とし、これにより、嵌合凹部からの嵌合凸部の脱落(離脱)を確実に防止することで、半球状関節部相互を球状に組み合わせた状態に維持可能な製造効率に優れた低コストな人形の関節構造を実現することができる。
(a)は、本発明の第1実施形態に係る人形の関節構造の外観構成を示す側面図、(b)は、同図(a)に示された人形の関節構造の内部構成を示す分解斜視図、(c)は、同図(a)に示された人形の関節構造の内部構成を示す分解側面図。 (a)〜(c)は、本発明の第1実施形態に係る人形の関節構造の可動状態を示す図。 (a)は、本発明の第2実施形態に係る人形の関節構造の内部構成を示す分解斜視図、(b)は、同図(a)に示された人形の関節構造の内部構成を示す分解側面図。 (a)は、本発明の第1実施形態に係る人形の関節構造の内部構成を一部拡大して示す平面図、(b)は、本発明の第2実施形態に係る人形の関節構造の内部構成を一部拡大して示す平面図。 本発明の変形例に係る人形の関節構造の内部構成を示す分解斜視図。 (a)は、本発明に係る人形の関節構造が適用された「人形用素体」の構成を概略的に示す展開図、(b)は、人形の関節構造を可動させて「人形用素体」にポーズをとらせた状態を示す図。
以下、本発明の第1実施形態に係る人形の関節構造について、添付図面を参照して説明する。なお、本実施形態において、「人形」とは、例えば図6(a),(b)に示すように、胴体2、上肢(腕)4、下肢(脚)6とともに頭部8を備えたものに限られず、頭部8を備えていないものを含めた総称としての所謂「人形用素体」を想定する。
ここで、「人形用素体」に適用する人形の関節構造10は、例えば上肢(腕)4において、胴体2の胸部2aと上腕4aとの間、上腕4aと下腕(前腕)4bとの間、下腕(前腕)4bと手部4cとの間に介在させるとともに、例えば下肢(脚)6において、胴体2の腰部2bと上脚(大腿)6aとの間、上脚(大腿)6aと下脚(下腿)6bとの間、下脚(下腿)6bと足部6cとの間に介在させることができる。
これにより、人形の所要箇所(例えば、肩、肘、手首、膝、股、足首など)を可動自在に構成することができる。なお、人形の関節構造10を「人形用素体」の所要箇所に設ける方法としては、後述する第1及び第2の可動部16,18を、上記した相手部材(例えば、胴体2、上腕4a、下腕(前腕)4b、手部4c、上脚(大腿)6a、下脚(下腿)6b、足部6cなど)に予め形成した孔部(図示しない)に圧入(嵌合、係合)させて固定させるようにすればよい。
図1(a)〜(c)および図4(a)に示すように、本実施形態に係る人形の関節構造10は、1つの回転軸Axを中心に相対回転可能に組み合わされ、その組み合わされた状態で球状を成す第1及び第2の半球状関節部12,14と、第1及び第2の半球状関節部12,14にそれぞれ1つずつ設けられ、回転軸Axに直交する方向に沿って延出した第1及び第2の可動部16,18とを具備している。
なお、第1及び第2の可動部16,18の形状については、図面には一例として、円柱形状を成すものが示されているが、使用目的や用途に応じて、例えば三角柱形状、四角柱形状、楕円柱形状など任意の形状を適用することができる。また、第1及び第2の可動部16,18の長さや太さについては、本実施形態の「人形の関節構造」が用いられる「人形用素体:胴体2、上肢(腕)4、下肢(脚)6」の大きさや形状などに応じて個別に設定されるため、ここでは特に限定しない。
また、本実施形態において、第1の半球状関節部12には、回転軸Axに沿って同心状かつ末広がり状に突出させた円錐台形状を成す嵌合凸部20が設けられており、一方、第2の半球状関節部14には、嵌合凸部20が嵌合可能で、回転軸Axに沿って同心状かつ末広がり状に窪ませた円錐台形状を成す嵌合凹部22が設けられている。なお、図面には一例として、中空の嵌合凸部20が示されているが、これに代えて、中実の嵌合凸部(図示しない)を適用してもよい。
嵌合凹部22は、第2の半球状関節部14を貫通させることなく嵌合凸部20の外形輪郭に一致した内形輪郭を成し、嵌合凸部20を嵌合させるための開口が形成された開口端22aと、当該開口端22aに対向する閉塞端22bとを有して形成されている。この場合、嵌合凹部22の大きさ(広さ、深さ)については、第2の半球状関節部14の大きさや形状に応じて設定されるため、ここでは特に限定しない。要するに、嵌合凹部22の大きさとしては、第2の半球状関節部14自体の強度(剛性)を低下させない程度の大きさに設定すればよい。
また、嵌合凹部22には、回転軸Ax周りの側周面22sに沿って所定間隔で複数の肉盛部24が増設されており、それぞれの肉盛部24は、開口端22aから閉塞端22bに亘って連続して延在し、かつ、その肉厚は、開口端22aから閉塞端22bに向うに従って連続して薄肉化されている。
なお、図面には一例として、ストレート(直線上)に薄肉化させた各肉盛部24が示されているが、これに代えて、湾曲させて薄肉化させるようにしてもよい。要するに、各肉盛部24は、嵌合凹部22に嵌合凸部20を嵌合させる際に、障害とならないように薄肉化させればよい。また、図面には一例として、開口端22aから閉塞端22bに従って先細り三角形状を成す各肉盛部24が示されているが、これに代えて、開口端22aから閉塞端22bに亘って矩形状を成すように構成してもよい。
さらに、第1の半球状関節部12には、嵌合凸部20の基端周りに沿って、回転軸Axを中心として同心状に連続した円環状の第1の摺動面12sが形成されており、一方、第2の半球状関節部14には、嵌合凹部22の開口端22a周りに沿って、回転軸Axを中心として同心状に連続した円環状の第2の摺動面14sが形成されている。そして、第1及び第2の摺動面12s,14sは、回転軸Axに直交する中空円形面を成し、かつ、当該回転軸Ax方向に沿って互いに平行な位置関係となるように設定されている。
ここで、嵌合凹部22に増設される複数の肉盛部24としては、それが偶数の場合と奇数の場合とがあるが、本実施形態では一例として、嵌合凹部22に、回転軸Ax周りの側周面22sに沿って等間隔で「偶数」の肉盛部24が増設されている場合を想定する。この場合、嵌合凸部20および嵌合凹部22相互の輪郭と、各肉盛部24の肉厚との関係について着目すると、下記の関係を満足するように設定することが好ましい。
嵌合凸部20の突出端の外径をR1、嵌合凸部20の基端の外径をR2とし、
嵌合凹部22の開口端22aにおける肉盛部24相互間の内径をR3、嵌合凹部22の開口端22aにおける側周面22s相互間の内径をR4、嵌合凹部22の閉塞端22bにおける側周面22s相互間の内径をR5とすると、
R2=R3<R4<R1=R5
なる関係を満足する。
なお、かかる関係における「外径」および「内径」は、回転軸Axを通って規定される径寸法として設定される。
このような構成において、嵌合凸部20を嵌合凹部22に嵌合させる場合、嵌合凸部20の突出端を嵌合凹部22の開口端22aから挿入する(嵌め込む、圧入する)と、当該嵌合凸部20の突出端の周縁が、嵌合凹部22の開口端22aに延在する肉盛部24を乗り越えるように入り込み、その後は、円錐台形状を成す嵌合凸部20が、円錐台形状を成す嵌合凹部22の側周面22sに沿ってガイドされることで、嵌合凸部20を嵌合凹部22に対して簡単かつ確実に嵌合させることができる。
ここで、嵌合凹部22における複数の肉盛部24において、回転軸Ax周りの側周面22sに沿って隣り合う肉盛部24相互間の領域は、第1の半球状関節部12と第2の半球状関節部14とを組み合わせる場合、嵌合凸部20を嵌合凹部22の開口端22aから嵌合させる際に、嵌合凹部22に対する嵌合凸部20の嵌合量に応じて当該嵌合凹部22内に加圧されて蓄積される圧縮空気(エア)を、外部に排気するための空気抜き部として機能する。
これによれば、嵌合凸部20を嵌合凹部22に対して簡単かつ確実に、かつ、軽い力だけで極めてスムーズに嵌合させることができる。そして、その嵌合状態において、互いに一致した輪郭(同一輪郭)を成す嵌合凸部20と嵌合凹部22とは、相対的な回転を可能としつつ、互いに隙間無く密接し、ガタ付くこと無く、相互に抜け止めされた状態(脱落(離脱)防止状態)に維持される。
このとき、上記した第1の摺動面12sが第2の摺動面14sに対向して摺接することで、第1の半球状関節部12と第2の半球状関節部14とは、1つの回転軸Axを中心として矢印L1,L2方向に相対回転可能に組み合わされる(図2(a)参照)。これにより、第1及び第2の半球状関節部12,14を相対回転させることで、図2(b),(c)に示すように、第1及び第2の可動部16,18を回転軸Ax周りに(矢印L1,L2方向に)、ガタ付くこと無く安定してかつスムーズに旋回(回転)させることができる。
そうすると、人形の関節構造10を可動させることで(具体的には、第1及び第2の半球状関節部12,14を相対回転させて、第1及び第2の可動部16,18を旋回(回転)させることで)、当該関節構造10が適用された「人形用素体」に、例えば図6(b)に示すようなポーズ(姿勢)をとらせることができる。
この場合、嵌合凸部20と嵌合凹部22とは、互いに隙間無く密接した状態に維持されており、かつ、その状態で、嵌合凸部20と嵌合凹部22との間に各肉盛部24が介在することで、嵌合凸部20と嵌合凹部22との相対的な摩擦抵抗(摩擦力)が高められているため、旋回(回転)させた第1及び第2の可動部16,18を、その位置で安定的に位置決めさせることができる。このため、「人形用素体」に対して、例えば図6(b)に示すようなポーズ(姿勢)を長期に亘って安定的に維持させることができる。
また、本実施形態によれば、第1の半球状関節部12と第2の半球状関節部14とを組み合わせる際、ワンタッチで嵌合凸部20を嵌合凹部22に対して堅牢に嵌合させることができるため、人形の関節構造10を完成させるまでの製造(組立)に要する時間を短縮化させることが可能となり、その結果、製造(組立)効率を飛躍的に向上させることができる。このとき、製造(組立)には、従来技術のような別途の加工処理は一切不要であるため、関節構造10の完成に要するコストを大幅に低減させることができる。
さらに、本実施形態によれば、嵌合凹部22の側周面22sに沿って複数の肉盛部24を増設したことで、側周面22sに沿って隣り合う肉盛部24相互間の領域を空気抜き部として機能させることができる。これにより、第1の半球状関節部12と第2の半球状関節部14とを組み合わせる場合、嵌合凸部20を嵌合凹部22の開口端22aから嵌合させる際に、嵌合凹部22に対する嵌合凸部20の嵌合量に応じて当該嵌合凹部22内に加圧されて蓄積される圧縮空気(エア)をスムーズに外部に排気することができる。これによれば、嵌合凸部20を嵌合凹部22に対して簡単かつ確実であって、かつ、軽い力だけで極めてスムーズに嵌合させることができる。
このように、嵌合凹部22の内部(側周面22s)に空気抜き部を構成するようにしたことで、第2の半球状関節部14を貫通させることなく嵌合凹部22を形成することができるため、当該第2の半球状関節部14の表面を例えば穴(孔)や凹凸などの一切存在しない滑らかな球状に構成することができる。これにより、第1の半球状関節部12と第2の半球状関節部14とを組み合わせて、人形の関節構造10を完成させた状態において、外観の見映え(美観)を良好(より優れたもの)とすることができる。
さらに、本実施形態によれば、嵌合凹部22の内形輪郭を嵌合凸部20の外形輪郭に一致させるとともに、嵌合凹部22の側周面22sに沿って複数の肉盛部24を増設したことで、嵌合凹部22からの嵌合凸部20の脱落(離脱)を確実に防止することが可能となる。
すなわち、嵌合凸部20と嵌合凹部22の嵌合構造には、「回転軸Ax周りのモーメント荷重」のみならず、「回転軸Axから逸脱(偏心)したモーメント荷重」など、あらゆる方向への外力が作用することになる。
ここで、複数の肉盛部24が無い場合、「回転軸Ax周りのモーメント荷重」に対しては、円錐台形状を成す嵌合凹部22に円錐台形状を成す嵌合凸部20が隙間無く嵌り込むことで、嵌合凹部22からの嵌合凸部20の脱落(離脱)を防止しつつ相対回転させることができるものの、「回転軸Axから逸脱(偏心)したモーメント荷重」に対しては、これに耐え得ることができず、嵌合凸部20が嵌合凹部22から容易に脱落(離脱)してしまうこととなる。
これに対して、嵌合凹部22の側周面22sに沿って複数の肉盛部24を増設すると、「回転軸Ax周りのモーメント荷重」のみならず、「回転軸Axから逸脱(偏心)したモーメント荷重」が作用して、嵌合凸部20が嵌合凹部22に対して傾斜(偏心)する方向に挙動(変位)した場合でも、その挙動(変位)が各肉盛部24によって支持されて打ち消されるため、互いに嵌合された嵌合凸部20と嵌合凹部22とは、容易に脱落(離脱)することなく、常に回転軸Axを中心に同心状に相対回転可能に維持される。
これにより、第1及び第2の半球状関節部12,14を、球状に組み合わされた状態を維持しつつ、かつ、1つの回転軸Axを中心に相対回転可能に維持させることができるため、第1及び第2の可動部16,18を精度よく旋回(回転)させることが可能となり、その結果、当該関節構造10が適用された「人形用素体」に、例えば図6(b)に示すようなポーズ(姿勢)をはじめ、ニーズに応じた様々なポーズ(姿勢)をとらせることができる。
次に、本発明の第2実施形態に係る人形の関節構造について、添付図面を参照して説明する。なお、本実施形態は、上記した第1の実施形態の改良であるため、以下、改良部分の説明にとどめる。この場合、第1の実施形態(図1(a)〜(c)および図4(a))と同一の構成については、その構成に付された参照符号と同一の符号を本実施形態に用いた図面上に付すことで、その説明を省略する。
図3(a),(b)および図4(b)に示すように、本実施形態に係る人形の関節構造10において、嵌合凹部22に増設される複数の肉盛部24としては、回転軸Ax周りの側周面22sに沿って等間隔で「奇数」の肉盛部24が増設されている場合を想定する。この場合、嵌合凸部20および嵌合凹部22相互の輪郭と、各肉盛部24の肉厚との関係について着目すると、下記の関係を満足するように設定することが好ましい。
嵌合凸部20の突出端の外径をR1、嵌合凸部20の基端の外径をR2とし、
嵌合凹部22の開口端22aにおける側周面22sと肉盛部24との間の内径をR6、嵌合凹部22の開口端22aにおける側周面22s相互間の内径をR4、嵌合凹部22の閉塞端22bにおける側周面22s相互間の内径をR5とすると、
R2=R6<R4<R1=R5
なる関係を満足する。
なお、かかる関係における「外径」および「内径」は、回転軸Axを通って規定される径寸法として設定される。
この場合、肉盛部24を奇数にしたこと以外の他の構成は、上記した第1実施形態と同様であるため、その説明は省略する。これにより、当該第1実施形態と同様の作用・効果を実現することができる。かかる作用・効果については、既に上述したので、その説明は省略する。
また、本発明は、上記した第1および第2実施形態に限定されることはなく、例えば図5に示すような変形例に係る構成としてもよい。
図5に示すように、本変形例の人形の関節構造10において、嵌合凹部22(第2の半球状関節部14)には、回転軸Axに沿って同心状に立ち上げられた円筒形状を成すシャフト26が設けられているとともに、嵌合凸部20(第1の半球状関節部12)には、シャフト26が挿入可能で、回転軸Axに沿って同心状に窪ませた円筒形状を成すシャフト受け部28が設けられている。
この場合、シャフト26の外径は、シャフト受け部28の内径と同径、或いは、それよりも小径に設定することが好ましい。これによれば、第1の半球状関節部12と第2の半球状関節部14とを組み合わせる際、シャフト26をシャフト受け部28に挿入すると、シャフト26とシャフト受け部28とが互いにガイド(案内)し合うことで、嵌合凸部20を嵌合凹部22の開口端22aから簡単かつ正確に嵌合させることができる。
そして、嵌合凸部20を嵌合凹部22に嵌合させた状態(すなわち、第1の半球状関節部12と第2の半球状関節部14とを相対回転可能に組み合わせた状態)において、「回転軸Ax周りのモーメント荷重」のみならず、「回転軸Axから逸脱(偏心)したモーメント荷重」など、あらゆる方向への外力が作用した場合でも、シャフト26とシャフト受け部28とが互いに係り合う(換言すると、接触し合う、支持し合う)ことで、互いに嵌合された嵌合凸部20と嵌合凹部22とは、容易に脱落(離脱)することなく、常に回転軸Axを中心に同心状に相対回転可能に維持される。
なお、その他の構成は、上記した第1および第2実施形態と同様であるため、その説明は省略する。これにより、第1および第2実施形態と同様の作用・効果を実現することができる。かかる作用・効果については、既に上述したので、その説明は省略する。
12 第1の半球状関節部
14 第2の半球状関節部
16 第1の可動部
18 第2の可動部
20 嵌合凸部
22 嵌合凹部
22a 嵌合凹部の開口端
22b 嵌合凹部の閉塞端
22s 嵌合凹部の側周面
24 肉盛部
Ax 回転軸

Claims (5)

  1. 人形の所要箇所を可動自在に構成するための関節構造であって、
    1つの回転軸を中心に相対回転可能に組み合わされ、その組み合わされた状態で球状を成す第1及び第2の半球状関節部と、
    第1及び第2の半球状関節部にそれぞれ1つずつ設けられ、回転軸に直交する方向に沿って延出した第1及び第2の可動部とを具備し、
    第1の半球状関節部には、回転軸に沿って同心状かつ末広がり状に突出させた円錐台形状を成す嵌合凸部が設けられ、
    第2の半球状関節部には、嵌合凸部が嵌合可能で、回転軸に沿って同心状かつ末広がり状に窪ませた円錐台形状を成す嵌合凹部が設けられており、
    嵌合凹部は、第2の半球状関節部を貫通させることなく嵌合凸部の外形輪郭に一致した内形輪郭を成し、嵌合凸部を嵌合させるための開口が形成された開口端と、当該開口端に対向する閉塞端とを有して形成されているとともに、
    嵌合凹部には、回転軸周りの側周面に沿って所定間隔で複数の肉盛部が増設され、
    それぞれの肉盛部は、開口端から閉塞端に亘って連続して延在し、かつ、その肉厚は、開口端から閉塞端に向うに従って連続して薄肉化されていることを特徴とする人形の関節構造。
  2. 嵌合凹部に、回転軸周りの側周面に沿って等間隔で偶数の肉盛部が増設されている場合において、
    嵌合凸部の突出端の外径をR1、嵌合凸部の基端の外径をR2とし、
    嵌合凹部の開口端における肉盛部相互間の内径をR3、嵌合凹部の開口端における側周面相互間の内径をR4、嵌合凹部の閉塞端における側周面相互間の内径をR5とし、
    外径および内径が回転軸を通って規定される径寸法とすると、
    R2=R3<R4<R1=R5
    なる関係を満足することを特徴とする請求項1に記載の人形の関節構造。
  3. 嵌合凹部に、回転軸周りの側周面に沿って等間隔で奇数の肉盛部が増設されている場合において、
    嵌合凸部の突出端の外径をR1、嵌合凸部の基端の外径をR2とし、
    嵌合凹部の開口端における側周面と肉盛部との間の内径をR6、嵌合凹部の開口端における側周面相互間の内径をR4、嵌合凹部の閉塞端における側周面相互間の内径をR5とし、
    外径および内径が回転軸を通って規定される径寸法とすると、
    R2=R6<R4<R1=R5
    なる関係を満足することを特徴とする請求項1に記載の人形の関節構造。
  4. 嵌合凹部には、回転軸に沿って同心状に立ち上げられた円筒形状を成すシャフトが設けられているとともに、
    嵌合凸部には、シャフトが挿入可能で、回転軸に沿って同心状に窪ませた円筒形状を成すシャフト受け部が設けられており、
    シャフトの外径は、シャフト受け部の内径と同径、或いは、それよりも小径に設定されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の人形の関節構造。
  5. 嵌合凹部における複数の肉盛部において、回転軸周りの側周面に沿って隣り合う肉盛部相互間の領域は、第1の半球状関節部と第2の半球状関節部とを組み合わせる場合、嵌合凸部を嵌合凹部の開口端から嵌合させる際に、嵌合凹部に対する嵌合凸部の嵌合量に応じて当該嵌合凹部内に加圧されて蓄積される圧縮空気を、外部に排気するための空気抜き部として機能することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の人形の関節構造。
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