JP6137326B2 - 固体電解質形燃料電池とその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、一般的には固体電解質形燃料電池とその製造方法に関し、特にアノードガスとカソードガスの流通路を形成するためのガス流通路壁部(リブ)を有する固体電解質形燃料電池とその製造方法に関するものである。
一般的に、平板型の固体電解質形燃料電池(固体酸化物燃料電池(SOFC)ともいう)は、各々がアノード(負極)、固体電解質およびカソード(正極)からなる発電要素としての平板状の複数のセルと、複数のセルの間に配置されるセパレータ(インタコネクタともいう)とから構成される。セパレータは、複数のセルを相互に電気的に直列に接続し、かつ、複数のセルの各々に供給されるガスを分離するために、具体的にはアノードに供給されるアノードガスとしての燃料ガス(たとえば水素)と、カソードに供給されるカソードガスとしての酸化剤ガス(たとえば空気)とを分離するために複数のセルの間に配置される。
たとえば、国際公開第2008/044429号(以下、特許文献1という)には、固体電解質形燃料電池の構造が開示されている。
特許文献1に開示された固体電解質形燃料電池は、各々が燃料極層(アノード層)、固体電解質層および空気極層(カソード層)からなる複数のセル(発電素子部)の間に配置されるセル間分離部と、各セルに燃料ガスを供給するための燃料ガス通路、および、各セルに空気を供給するための空気通路を有するガス通路構造部とを備える。セル間分離部とガス通路構造部とセルとが一体的に形成されている。マニホールドの機能を果たすガス通路構造部の本体が、セパレータの機能を果たすセル間分離部を形成する電気絶縁体からなり、セル間分離部を形成する電気絶縁体に連続して形成されているので、セパレータとマニホールドの二つの機能を果たす部分が連続して形成されている。
国際公開第2008/044429号
特許文献1に開示された固体電解質形燃料電池では、明示されていないが、セル間分離部と燃料極層(アノード層)との間には燃料ガス(アノードガス)を燃料極層に供給するための複数のアノードガス流通路と、セル間分離部と空気極層(カソード層)との間には空気(カソードガス)を空気極層に供給するための複数のカソードガス流通路とが形成されている。複数のアノードガス流通路の各々を互いに分離するように間隔をあけて複数のアノードガス流通路壁部(リブ)が形成され、複数のカソードガス流通路の各々を互いに分離するように間隔をあけて複数のカソードガス流通路壁部(リブ)が形成されている。リブには、セルで発生した電力を取り出すために導電部が形成されている。
固体電解質形燃料電池は、燃料極層、固体電解質層および空気極層が積層されたセルと、セル間分離部とにより構成される。そして、それぞれの層を構成するグリーンシートが積層された成形体を一体焼成することにより、固体電解質形燃料電池が製造される。この成形体を焼成すると、各層の温度が上昇することにより、各層が熱膨張し、その後、焼結によって大きく収縮する。焼成が終了すると、常温まで温度が低くなるにつれて、得られた焼成体が冷却されることによって、さらに各層がそれぞれ収縮する。この一連の収縮の挙動において、セパレータとリブとが同一の材料で、セルとセパレータまたはリブとが異なる材料であるため、セルとセパレータまたはリブの収縮率が異なるので、室温に冷却された後に、セパレータがリブを引っ張るように作用し、あるいは、リブがセルまたはセパレータを引っ張るように作用する。その引っ張り応力の程度によっては、互いに密着されるべき上層と下層との間で剥離または分離が生じる、あるいは、セパレータにクラックが発生する。この場合、特にセパレータにクラックが発生すると、燃料ガスが漏れて、発電性能が低下するという問題がある。
そこで、本発明の目的は、セパレータにクラックが発生するのを防止することが可能な固体電解質形燃料電池とその製造方法を提供することである。
本発明に従った固体電解質形燃料電池は、セルと、アノードガス流通路層と、カソードガス流通路層と、アノード側分離層と、カソード側分離層と、多孔質層とを備える。セルは、アノード層、固体電解質層およびカソード層の積層体からなる。アノードガス流通路層は、セルのアノード層の外側に積層され、アノード層にアノードガスを供給する複数のアノードガス流通路の各々を互いに分離するように間隔をあけて形成される複数のアノードガス流通路壁部を有する。カソードガス流通路層は、セルのカソード層の外側に積層され、カソード層にカソードガスを供給する複数のカソードガス流通路の各々を互いに分離するように間隔をあけて形成される複数のカソードガス流通路壁部を有する。アノード側分離層は、アノードガス流通路層の外側に積層されている。カソード側分離層は、カソードガス流通路層の外側に積層されている。多孔質層は、複数のアノードガス流通路壁部とアノード側分離層との間、および、複数のカソードガス流通路壁部とカソード側分離層との間の少なくとも一方に配置されている。多孔質層の気孔率は、10%以上60%以下である。
本発明の固体電解質形燃料電池においては、複数のアノードガス流通路壁部(リブ)とアノード側分離層との間、および、複数のカソードガス流通路壁部(リブ)とカソード側分離層との間の少なくとも一方に多孔質層が配置されている。このように、アノード側およびカソード側の少なくとも一方の側においてリブとセパレータとの間に多孔質層が介在している。このため、焼成から冷却までの一連の収縮の挙動において、リブとセパレータとの間に介在する多孔質層が収縮変動することにより、セルとセパレータまたはリブとの収縮率が異なることによって生じる応力を緩和することができる。その結果、セパレータに生じる応力を緩和することができ、セパレータにクラックが発生するのを防止することができる。これにより、発電性能の低下を抑制することができる。また、多孔質層の気孔率が、10%以上60%以下であるため、セパレータにクラックが発生するのをより効果的に防止することができる。
本発明の固体電解質形燃料電池において、アノードガス流通路壁部またはカソードガス流通路壁部の厚みと多孔質層の厚みとの合計に対する多孔質層の厚みの比率は、0.09以上0.50以下であることが好ましい。
上記の比率を所定の範囲に限定することにより、セパレータにクラックが発生するのをより効果的に防止することができる。
さらに、本発明の固体電解質形燃料電池において、アノードガス流通路壁部(リブ)またはカソードガス流通路壁部(リブ)の厚みは、100μm以上600μm以下であることが好ましい。
リブの厚みが上記の範囲であれば、セパレータにクラックが発生するのをより効果的に防止することができる。
本発明の固体電解質形燃料電池において、多孔質層の積層方向に直交する断面積が、アノードガス流通路壁部またはカソードガス流通路壁部の積層方向に直交する断面積とほぼ同一であってもよく、あるいは、多孔質層の積層方向に直交する断面積が、アノード側分離層またはカソード側分離層の積層方向に直交する断面積とほぼ同一であってもよい。
本発明の固体電解質形燃料電池において、アノードガス流通路壁部(リブ)、カソードガス流通路壁部(リブ)、アノード側分離層、カソード側分離層、および、多孔質層は、同一の成分を含むことが好ましい。
本発明の固体電解質形燃料電池において、アノードガス流通路壁部、カソードガス流通路壁部、アノード側分離層、および、カソード側分離層は、同一の材料から形成されていることが好ましい。
本発明の固体電解質形燃料電池は、複数のセルを含む電池構造部と、複数のセルの間に配置されるセル間分離部と、複数のアノードガス流通路にアノードガスを供給するアノードガス供給流路と、複数のカソードガス流通路にカソードガスを供給するカソードガス供給流路とを有するガス供給流路構造部とを備える。セル間分離部が、アノードガス流通路層と、カソードガス流通路層と、アノード側分離層と、カソード側分離層と、多孔質層とを含む。電池構造部、セル間分離部、および、ガス供給流路構造部が一体的に形成されている。
このように構成することにより、セパレータとマニホールドの二つの機能を果たす部分を連続して形成することができる。
本発明に従った固体電解質形燃料電池の製造方法は、上述の固体電解質形燃料電池の製造方法であって、炭素または有機物からなる充填物を焼成により消失させることによって多孔質層の気孔を形成する。
以上のように本発明によれば、セパレータに生じる応力を緩和することができ、セパレータにクラックが発生するのを防止することができるので、発電性能の低下を抑制することができる。
図1は、本発明の一つの実施の形態として固体電解質形燃料電池の単位モジュールの概略的な構成を示す分解斜視図である。 図2は、本発明の一つの実施形態として、セルとカソード側分離層との間に配置されるリブと多孔質層を示す部分断面図である。 図3は、本発明のもう一つの実施形態として、セルとアノード側分離層との間に配置されるリブと多孔質層を示す部分断面図である。 図4は、本発明の別の実施形態として、セルとカソード側分離層との間に配置されるリブと多孔質層を示す部分断面図である。 図5は、本発明のさらに別の実施形態として、セルとアノード側分離層との間に配置されるリブと多孔質層を示す部分断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一つの実施の形態として固体電解質形燃料電池の単位モジュール1の概略的な構成を示す分解斜視図であり、焼成前の積層された成形体(グリーンシート)を分解して示す。
図1に示すように、下から順に、セル間分離部20、セル10、および、セル間分離部20が積層されることにより、固体電解質形燃料電池の単位モジュール1が構成されている。単一のセル10を挟むように二つのセル間分離部20が配置されている。図1の単位モジュールを複数備えることによって構成される固体電解質形燃料電池では、セル間分離部20が複数のセル10の間に配置される。
セル10は、アノード層としての燃料極層11、固体電解質層12、および、カソード層としての空気極層13の積層体からなる。セル10の空気極層13側に配置されるセル間分離部20は、カソード側分離層21aと、カソードガス流通路層としての空気流通路層23との積層体からなる。セル10の燃料極層11側に配置されるセル間分離部20は、アノード側分離層21bと、アノードガス流通路層としての燃料ガス流通路層22との積層体からなる。
セル間分離部20、セル10、および、セル間分離部20の積層体には、セル10にアノードガス(燃料ガス)とカソードガス(空気)を供給するためのガス供給流路構造部30が形成されている。ガス供給流路構造部30は、燃料極層11にアノードガス(燃料ガス)を供給するためのアノードガス供給流路としての燃料ガス供給流路31と、空気極層13にカソードガス(空気)を供給するためのカソードガス供給流路としての空気供給流路32とから構成される。
セル10の燃料極層11が配置される箇所では、燃料ガス供給流路31が、U字形平板状の電気絶縁体110に矩形平板状の燃料極層11を嵌めることによって電気絶縁体110と燃料極層11との間に形成される隙間に相当し、一方向に延在する開口、すなわち、一つの細長い矩形状の貫通孔で形成されている。電気絶縁体110には、空気供給流路32が、一方向に間隔をあけて配置された複数の開口、すなわち、複数の円形状の貫通孔で形成されている。
セル10の空気極層13が配置される箇所では、空気供給流路32が、U字形平板状の電気絶縁体130に矩形平板状の空気極層13を嵌めることによって電気絶縁体130と空気極層13との間に形成される隙間に相当し、一方向に延在する開口、すなわち、一つの細長い矩形状の貫通孔で形成されている。電気絶縁体130には、燃料ガス供給流路31が、一方向に間隔をあけて配置された複数の開口、すなわち、複数の円形状の貫通孔で形成されている。
固体電解質層12には、燃料ガス供給流路31と空気供給流路32のそれぞれが、一方向に間隔をあけて配置された複数の開口、すなわち、複数の円形状の貫通孔で形成されている。
カソード側分離層21aとアノード側分離層21bとには、燃料ガス供給流路31と空気供給流路32のそれぞれが、一方向に間隔をあけて配置された複数の開口、すなわち、複数の円形状の貫通孔で形成されている。
燃料ガス流通路層22の焼成前のグリーンシートは、互い違いに並んだ複数の燃料ガス流通路形成層(アノードガス流通路形成層)2210と燃料ガス流通路壁部(アノードガス流通路壁部;リブ)222とをU字形平板状の電気絶縁体220に嵌めることによって形成されている。燃料ガス供給流路31が、電気絶縁体220と、複数の燃料ガス流通路形成層2210および燃料ガス流通路壁部222との間に形成される隙間に相当し、一方向に延在する開口、すなわち、一つの細長い矩形状の貫通孔で形成されている。燃料ガス流通路形成層2210は、焼成後において消失することによって、燃料極層11に燃料ガスを供給する燃料ガス供給流路31に通じ、かつ、燃料極層11に燃料ガスを流通させる燃料ガス流通路(アノードガス流通路)になる。電気絶縁体220には、空気供給流路32が、一方向に間隔をあけて配置された複数の開口、すなわち、複数の円形状の貫通孔で形成されている。
空気流通路層23の焼成前のグリーンシートは、互い違いに並んだ複数の空気流通路形成層(カソードガス流通路形成層)2310と空気流通路壁部(カソードガス流通路壁部;リブ)232とをU字形平板状の電気絶縁体230に嵌めることによって形成されている。空気供給流路32が、電気絶縁体230と、複数の空気流通路形成層2310および空気流通路壁部232との間に形成される隙間に相当し、一方向に延在する開口、すなわち、一つの細長い矩形状の貫通孔で形成されている。空気流通路形成層2310は、焼成後において消失することによって、空気極層13に空気を供給する空気供給流路32に通じ、かつ、空気極層13に空気を流通させる空気流通路(カソードガス流通路)になる。電気絶縁体230には、燃料ガス供給流路31が、一方向に間隔をあけて配置された複数の開口、すなわち、複数の円形状の貫通孔で形成されている。
以上のように構成された固体電解質形燃料電池の一つの実施形態では、図2に示すように、カソード側において、セル10とカソード側分離層21aとの間には、ほぼ同一の横断面積を有する柱状の空気流通路壁部(カソードガス流通路壁部;リブ)232と多孔質層40とが互いに接するように配置されている。空気流通路壁部232は、セル10のカソード側に配置され、すなわち、空気極層13(図1)に接するように配置されている。多孔質層40は、カソード側分離層21aに接するように配置されている。
固体電解質形燃料電池のもう一つの実施形態では、図3に示すように、アノード側において、セル10とアノード側分離層21bとの間には、ほぼ同一の横断面積を有する柱状の燃料ガス流通路壁部(アノードガス流通路壁部;リブ)222と多孔質層40とが互いに接するように配置されている。燃料ガス流通路壁部222は、セル10のアノード側に配置され、すなわち、燃料極層11(図1)に接するように配置されている。多孔質層40は、アノード側分離層21bに接するように配置されている。
固体電解質形燃料電池の別の実施形態では、図4に示すように、カソード側では、セル10とカソード側分離層21aとの間には、柱状の空気流通路壁部(カソードガス流通路壁部;リブ)232と、柱状の空気流通路壁部232よりも横断面積が大きく、かつ、カソード側分離層21aとほぼ同一の横断面積を有する平板状の多孔質層40とが互いに接するように配置されている。空気流通路壁部232は、セル10のカソード側に配置され、すなわち、空気極層13(図1)に接するように配置されている。平板状の多孔質層40は、カソード側分離層21aに接するように配置されている。
固体電解質形燃料電池のさらに別の実施形態では、図5に示すように、アノード側では、セル10とアノード側分離層21bとの間には、柱状の燃料ガス流通路壁部(アノードガス流通路壁部;リブ)222と、柱状の燃料ガス流通路壁部222よりも横断面積が大きく、かつ、アノード側分離層21bとほぼ同一の横断面積を有する平板状の多孔質層40とが互いに接するように配置されている。燃料ガス流通路壁部222は、セル10のアノード側に配置され、すなわち、燃料極層11(図1)に接するように配置されている。多孔質層40は、アノード側分離層21bに接するように配置されている。
カソード側が図2に示されるように構成され、かつ、アノード側が図3に示されるように構成されてもよく、あるいは、カソード側が図4に示されるように構成され、かつ、アノード側が図5に示されるように構成されてもよい。カソード側のみが図2または図4に示されるように構成されてもよく、アノード側のみが図3または図5に示されるように構成されてもよい。
以上のように本発明の固体電解質形燃料電池においては、アノード側およびカソード側の少なくとも一方の側においてリブとセパレータとの間に多孔質層40が介在している。このため、焼成から冷却までの一連の収縮の挙動において、リブとセパレータとの間に介在する多孔質層40が収縮変動することにより、セルとセパレータまたはリブとの収縮率が異なることによって生じる応力を緩和することができる。その結果、セパレータに生じる応力を緩和することができ、セパレータにクラックが発生するのを防止することができる。これにより、発電性能の低下を抑制することができる。なお、固体電解質形燃料電池の積層体を一体焼成によって製造する場合、各材料の収縮率は20±5%である。
本発明の固体電解質形燃料電池において、図2〜図5に示すように、燃料ガス流通路壁部(リブ)222または空気流通路壁部(リブ)232の厚みTrと多孔質層40の厚みTpとの合計に対する多孔質層40の厚みTpの比率(Tp/(Tp+Tr))は、9%以上50%以下であることが好ましい。上記の比率を所定の範囲に限定することにより、セパレータにクラックが発生するのをより効果的に防止することができる。
また、本発明の固体電解質形燃料電池において、多孔質層40の気孔率は、10%以上60%以下であることが好ましい。多孔質層40の気孔率を上記の範囲に限定することにより、セパレータにクラックが発生するのをより効果的に防止することができる。
なお、多孔質層40の気孔は、多孔質層40を形成する後述の材料に炭素または有機物を混合して充填させ、その充填物を焼成により消失させることによって形成される。焼成後に得られる多孔質層40の気孔率は、材料に含まれる炭素成分または有機物成分の量を変化させることによって調整することができる。カソード側分離層21aおよびアノード側分離層21bの本体を形成する電気絶縁体210は、ガスが通過し得ない緻密体であり、多孔質体ではない。ここでいう緻密体は、気孔率が0%以上9%以下である。
さらに、本発明の固体電解質形燃料電池において、燃料ガス流通路壁部(リブ)222または空気流通路壁部(リブ)232の厚みTrは、100μm以上600μm以下であることが好ましい。リブの厚みTrが上記の範囲であれば、セパレータにクラックが発生するのをより効果的に防止することができる。
図1に示すように、セル10で発生した電力を取り出すために、かつ、複数のセル10を相互に電気的に接続するために導電体211、223、233が配置されている。導電体211は、アノード側分離層21bおよびカソード側分離層21aの本体を構成する電気絶縁体210内に形成された複数のビアホールに充填されている。導電体223は、燃料ガス流通路壁部(リブ)222内に形成された複数のビアホールに充填されている。導電体233は、空気流通路壁部(リブ)232内に形成された複数のビアホールに充填されている。上記の場合、燃料ガス流通路壁部(リブ)222、および、空気流通路壁部(リブ)232は、たとえば、電気絶縁性のセラミック材料から形成され、アノード側分離層21bおよびカソード側分離層21aの本体を構成する電気絶縁体210、燃料ガス流通路層22を構成する電気絶縁体220、および、空気流通路層23を構成する電気絶縁体230と同一の材料から形成されるのが好ましい。このように構成することによって、焼成によって一体的に連続して形成することができる。
なお、燃料ガス流通路壁部(リブ)222、および、空気流通路壁部(リブ)232は、機能的には導電性を有する必要があるため、導電体を充填するビアホールを形成しないで、導電性のセラミックスから形成されてもよい。
アノード側分離層21bおよびカソード側分離層21aの本体を構成する電気絶縁体210、燃料ガス流通路壁部(リブ)222、および、空気流通路壁部(リブ)232は、安定化ジルコニア、部分安定化ジルコニア、希土類元素がドープされたセリア、希土類元素がドープされたランタンガレート等の電解質材料; アルカリ土類金属元素がドープされたランタンクロマイト、希土類元素,ニオブまたはタンタルがドープされたチタン酸ストロンチウム、ランタンフェレート、アルミニウムで置換されたランタンフェレート等の導電性のセラミック材料; アルミナ、マグネシア、チタン酸ストロンチウム、これらの混合材料等の電気絶縁性のセラミック材料などによって形成することができる。
多孔質層40を形成する材料は、アノード側分離層21bおよびカソード側分離層21aの本体を構成する電気絶縁体210、燃料ガス流通路壁部(リブ)222、および、空気流通路壁部(リブ)232を形成する材料と同じであることが好ましく、その同じ材料と酸化ニッケルを含む材料であってもよい。アノード側分離層21bおよびカソード側分離層21aの本体を構成する電気絶縁体210の材料と、燃料ガス流通路壁部(リブ)222と空気流通路壁部(リブ)232を形成する材料とが異なる材料で、電気絶縁性のセラミック材料と導電性のセラミック材料との組み合わせであるとき、相互拡散により、燃料ガス流通路壁部(リブ)222、および、空気流通路壁部(リブ)232の導電性が損なわれる場合がある。希土類元素がドープされたセリアは化学的に安定であるので、多くの他の材料と組み合わせて用いることができる。
要約すれば、本発明の固体電解質形燃料電池において、燃料ガス流通路壁部(リブ)222、空気流通路壁部(リブ)232、アノード側分離層21b、カソード側分離層21a、および、多孔質層40は、同一の成分を含むことが好ましい。また、本発明の固体電解質形燃料電池において、燃料ガス流通路壁部(リブ)222、空気流通路壁部(リブ)232、アノード側分離層21b、および、カソード側分離層21aは、同一の材料から形成されていることが好ましい。
また、本発明の固体電解質形燃料電池は、複数のセル10を含む電池構造部と、複数のセル10の間に配置されるセル間分離部20と、複数の燃料ガス流通路に燃料ガスを供給する燃料ガス供給流路31と、複数の空気流通路に空気を供給する空気供給流路32とを有するガス供給流路構造部30とを備えている。この場合、セル間分離部20は、燃料ガス流通路層22と、空気流通路層23と、多孔質層40とを含み、複数のセル10を含む電池構造部、セル間分離部20、および、ガス供給流路構造部30が一体的に形成されている。
このように構成することにより、セパレータとマニホールドの二つの機能を果たす部分を一体的に連続して形成することができる。
なお、電気絶縁体110、130、210、220、230は、たとえば、添加量3モル%のイットリア(Y)で安定化されたジルコニア(ZrO)(イットリア安定化ジルコニア:YSZ)、添加量12モル%のセリア(CeO)で安定化されたジルコニア(ZrO)(セリア安定化ジルコニア:CeSZ)等を用いて形成される。導電体211、223、233は、たとえば、銀(Ag)‐白金(Pt)合金、銀(Ag)‐パラジウム(Pd)合金等を用いて形成される。固体電解質層12は、たとえば、添加量10モル%のスカンジア(Sc)と添加量1モル%のセリア(CeO)で安定化されたジルコニア(ZrO)(スカンジアセリア安定化ジルコニア:ScCeSZ)、添加量11モル%のスカンジア(Sc)で安定化されたジルコニア(ZrO)(スカンジア安定化ジルコニア:ScSZ)等を用いて形成される。燃料極層11は、たとえば、酸化ニッケル(NiO)と、添加量10モル%のスカンジア(Sc)と添加量1モル%のセリア(CeO)で安定化されたジルコニア(ZrO)(スカンジアセリア安定化ジルコニア:ScCeSZ)との混合物等を用いて形成される。空気極層13は、たとえば、La0.8Sr0.2MnOと、添加量10モル%のスカンジア(Sc)と添加量1モル%のセリア(CeO)で安定化されたジルコニア(ZrO)(スカンジアセリア安定化ジルコニア:ScCeSZ)との混合物等を用いて形成される。
(実施例)
以下、上述した実施形態に基づいて本発明の固体電解質形燃料電池を作製した実施例として、リブの厚みTrと多孔質層の厚みTpとの合計に対する多孔質層の厚みTpの比率(Tp/(Tp+Tr))が異なる実施例1〜15と、本発明の構造と比較するために多孔質層がない固体電解質形燃料電池を作製した比較例について説明する。
まず、図1〜図5に示す実施形態の固体電解質形燃料電池の単位モジュールを構成する部材(A)〜(E)の材料粉末を以下のとおり準備した。
(A)燃料極層11:酸化ニッケル(NiO)60重量%と、添加量10モル%のスカンジア(Sc)と添加量1モル%のセリア(CeO)で安定化されたジルコニア(ZrO)(スカンジアセリア安定化ジルコニア:ScCeSZ)40重量%との混合物
(B)固体電解質層12:添加量10モル%のスカンジア(Sc)と添加量1モル%のセリア(CeO)で安定化されたジルコニア(ZrO)(スカンジアセリア安定化ジルコニア:ScCeSZ)
(C)空気極層13:La0.8Sr0.2MnO60重量%と、添加量10モル%のスカンジア(Sc)と添加量1モル%のセリア(CeO)で安定化されたジルコニア(ZrO)(スカンジアセリア安定化ジルコニア:ScCeSZ)40重量%との混合物
(D)電気絶縁体110、電気絶縁体130、セパレータ21の電気絶縁体210、燃料ガス流通路層22の電気絶縁体220と燃料ガス流通路壁部(リブ)222、および、空気流通路層23の電気絶縁体230と空気流通路壁部(リブ)232:添加量3モル%のイットリア(Y)で安定化されたジルコニア(ZrO)(イットリア安定化ジルコニア:3YSZ)
(E)多孔質層40:添加量3モル%のイットリア(Y)で安定化されたジルコニア(ZrO)(イットリア安定化ジルコニア:3YSZ)、または、酸化ニッケル(NiO)70重量%と、添加量10モル%のスカンジア(Sc)と添加量1モル%のセリア(CeO)で安定化されたジルコニア(ZrO)(スカンジアセリア安定化ジルコニア:ScCeSZ)30重量%との混合物(NiO−ScCeSZ)
まず、図1に示すように、部材(D)を以下のように作製した。
カソード側分離層21aとアノード側分離層21bの電気絶縁体210、燃料ガス流通路層22の電気絶縁体220と燃料ガス流通路壁部(リブ)222、および、空気流通路層23の電気絶縁体230と空気流通路壁部(リブ)232については、上記の材料粉末と、ポリビニルブチラール系バインダーと、有機溶媒としてのエタノールとトルエンとの混合物(重量比率で混合比が1:4)とを混合した後、各部材のグリーンシートを作製した。
カソード側分離層21aとアノード側分離層21bの電気絶縁体210、燃料ガス流通路層22の燃料ガス流通路壁部(リブ)222、および、空気流通路層23の空気流通路壁部(リブ)232のグリーンシートでは、図1に示すように、電気絶縁体に複数の導電体211、223、233を形成するための貫通孔を形成した。これらの貫通孔に70重量%の銀と30重量%のパラジウムとからなるペーストを充填することにより、導電体211、223、233を形成するための導電性ペースト充填層を作製した。
また、図1に示すように、カソード側分離層21aとアノード側分離層21bの電気絶縁体210、燃料ガス流通路層22の電気絶縁体220、および、空気流通路層23の電気絶縁体230には、燃料ガス供給流路31と空気供給流路32を形成するために、円形の貫通孔を形成した。円形の貫通孔は、直径が4.5mmで12mmの間隔で均等に5個配置した。
燃料ガス流通路層22のグリーンシートでは、図1に示すように、燃料ガス供給流路31を形成するための矩形の貫通孔に接続するように、ポリエチレンテレフタレート(PET)からなる燃料ガス流通路形成層2210を形成した。この燃料ガス流通路形成層2210は、焼成後において消失することにより、燃料ガスを供給する燃料ガス供給流路31に通じ、かつ、燃料極層11に燃料ガスを流通させる燃料ガス流通路になる。なお、図1では3つの燃料ガス流通路が形成されるようになっているが、実際には幅が0.8mmで長さが61.5mmの燃料ガス流通路221を0.8mmの間隔(リブ)で多数配置した。なお、上記の矩形の貫通孔は、幅が4.5mmで長さが61.5mmであった。
空気流通路層23のグリーンシートでは、図1に示すように、空気供給流路32を形成するための矩形の貫通孔に接続するように、ポリエチレンテレフタレート(PET)からなる空気流通路形成層2310を形成した。この空気流通路形成層2310は、焼成後において消失することにより、空気を供給する空気供給流路32に通じ、かつ、空気極層13に空気を流通させる空気流通路になる。なお、図1では3つの空気流通路が形成されるようになっているが、実際には幅が0.8mmで長さが61.5mmの空気流通路231を0.8mmの間隔(リブ)で多数配置した。なお、上記の矩形の貫通孔は、幅が4.5mmで長さが61.5mmであった。
次に、電気絶縁体130については、電気絶縁材料粉末と、ポリビニルブチラール系バインダーと、有機溶媒としてのエタノールとトルエンとの混合物(重量比率で混合比が1:4)とを混合した後、ドクターブレード法により電気絶縁体130のグリーンシートを作製した。
電気絶縁体130のグリーンシートでは、空気供給流路32を形成するために幅が4.5mmで長さが61.5mmの矩形の隙間を存在させて空気極層13のグリーンシートを嵌め合わせすることができるように、図1に示すように、ほぼU字形状のシートを作製した。また、図1に示すように電気絶縁体130に燃料ガス供給流路31を形成するために上記と同様の大きさの円形の貫通孔を電気絶縁体130のグリーンシートに形成した。
そして、電気絶縁体110については、電気絶縁材料粉末と、ポリビニルブチラール系バインダーと、有機溶媒としてのエタノールとトルエンとの混合物(重量比率で混合比が1:4)とを混合した後、ドクターブレード法により電気絶縁体110のグリーンシートを作製した。
電気絶縁体110のグリーンシートでは、燃料ガス供給流路31を形成するために幅が4.5mmで長さが61.5mmの矩形の隙間を存在させて燃料極層11のグリーンシートを嵌め合わせすることができるように、図1に示すように、ほぼU字形状のシートを作製した。また、図1に示すように電気絶縁体110に空気供給流路32を形成するために上記と同様の大きさの円形の貫通孔を電気絶縁体110のグリーンシートに形成した。
次に、図1に示す空気極層13、燃料極層11、および、固体電解質層12のグリーンシートを以下のようにして作製した。
燃料極層11と空気極層13のそれぞれの材料粉末と、ポリビニルブチラール系バインダーと、有機溶媒としてのエタノールとトルエンとの混合物(重量比率で混合比が1:4)とを混合した後、ドクターブレード法により、燃料極層11と空気極層13のグリーンシートを作製した。
固体電解質層12の材料粉末と、ポリビニルブチラール系バインダーと、有機溶媒としてのエタノールとトルエンとの混合物(重量比率で混合比が1:4)とを混合した後、ドクターブレード法により固体電解質層12のグリーンシートを作製した。固体電解質層12のグリーンシートには、図1に示すように、燃料ガス供給流路31と空気供給流路32を形成するための上記と同様の大きさの円形の貫通孔を形成した。
さらに、図2〜図5に示す柱状または平板状の多孔質層40のグリーンシートについては、上記の材料粉末と、ポリビニルブチラール系バインダーと、有機溶媒としてのエタノールとトルエンとの混合物(重量比率で混合比が1:4)とを混合した後、柱状または平板状のグリーンシートを作製した。なお、上記のグリーンシートの材料に含まれる炭素成分または有機物成分の量を変化させることによって、焼成後に得られる多孔質層40の気孔率を調整した。
以上のようにして作製されたアノード側分離層21b、燃料ガス流通路層22、支持層40、燃料極層11が嵌め合わせられた電気絶縁体110、固体電解質層12、空気極層13が嵌め合わせられた電気絶縁体130、空気流通路層23、および、カソード側分離層21aのグリーンシートを図1に示すように下から順に積層した。
以下の表1に示すように、実施例1、2、5、8、10では、図4に示すように、カソード側分離層21aと空気流通路層23(空気流通路壁部(リブ)232)との間に平板状の多孔質層40を配置した。実施例3、4、6、7、9では、図2に示すように、カソード側分離層21aと空気流通路層23(空気流通路壁部(リブ)232)との間に柱状の多孔質層40を配置した。実施例10、13〜15では、図5に示すように、アノード側分離層21bと燃料ガス流通路層22(燃料ガス流通路壁部(リブ)222)との間に平板状の多孔質層40を配置した。実施例11・BR>A12では、図3に示すように、アノード側分離層21bと燃料ガス流通路層22(燃料ガス流通路壁部(リブ)222)との間に柱状の多孔質層40を配置した。
以下の表1に示すように、カソード側分離層21aと空気流通路層23(空気流通路壁部(リブ)232)との間に多孔質層40を配置する実施例1〜10では、多孔質層40の材料として3YSZを用いた。アノード側分離層21bと燃料ガス流通路層22(燃料ガス流通路壁部(リブ)222)との間に多孔質層40を配置する実施例10〜15では、多孔質層40の材料としてNiO−ScCeSZを用いた。
このようにして、カソード側分離層21a(焼成後の厚み:300μm)/空気流通路層23/空気極層13(焼成後の厚み:80μm)/固体電解質層12(焼成後の厚み:40μm)/燃料極層11(焼成後の厚み:80μm)/燃料ガス流通路層22/アノード側分離層21b(焼成後の厚み:300μm)からなる固体電解質形燃料電池の単位モジュール1を構成した。
なお、焼成後における、多孔質層40の厚みTp、多孔質層40を配置する箇所の空気流通路層23または燃料ガス流通路層22(リブ)の厚みTr、多孔質層40の気孔率、および、リブの厚みTrと多孔質層40の厚みTpとの合計に対する多孔質層の厚みTpの比率(Tp/(Tp+Tr))を以下の表1に示す。なお、多孔質層を配置しない箇所では、空気流通路層23(空気流通路壁部(リブ)232)または燃料ガス流通路層22(燃料ガス流通路壁部(リブ)222)の厚みは500μmとした。
次に、固体電解質形燃料電池の単位モジュール1を1000kgf/cmの圧力、80℃の温度にて2分間、冷間静水圧成形することにより圧着した。この圧着体を温度400〜500℃の範囲内で脱脂処理を施した後、温度1000℃〜1300℃の範囲内で2時間保持することにより、焼成した。このようにして実施例1〜15と比較例の固体電解質形燃料電池の試料(積層体において燃料極層11、固体電解質層12、および、空気極層13が重複する平面領域の面積(発電面積):65mm×65mm)を作製した。
(評価)
得られた実施例1〜15と比較例の各試料の燃料電池においてセパレータのガスリーク試験を行った。ガスリーク試験は、燃料電池に50kPaの圧力で窒素ガスを導入し、燃料電池のガス出口を封止した状態で内部圧力を測定することによって行った。ガスのリークが生じていなければ、内部圧力は50kPaを維持し、ガスのリークが生じていれば、内部圧力は50kPaより低下する。その測定結果を以下の表1に示す。
Figure 0006137326
以上の結果から、実施例1〜15では内部圧力は50kPaを維持することができ、比較例では内部圧力が低下したことがわかる。比較例の燃料電池では、多孔質層がないのでセパレータにクラックが生じたため、内部圧力が低下したものと考えられる。
今回開示された実施の形態と実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は以上の実施の形態と実施例ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正と変形を含むものであることが意図される。
1:固体電解質形燃料電池の単位モジュール
10:セル
11:燃料極層
12:固体電解質層
13:空気極層
20:セル間分離部
21a:カソード側分離層
21b:アノード側分離層
22:燃料ガス流通路層
23:空気流通路層
30:ガス供給流路構造部
31:燃料ガス供給流路
32:空気供給流路
40:多孔質層
211,223,233:導電体
222:燃料ガス流通路壁部(リブ)
232:空気流通路壁部(リブ)
Tp:多孔質層の厚み
Tr:リブの厚み

Claims (9)

  1. アノード層、固体電解質層およびカソード層の積層体からなるセルと、
    前記セルのアノード層の外側に積層され、前記アノード層にアノードガスを供給する複数のアノードガス流通路の各々を互いに分離するように間隔をあけて形成される複数のアノードガス流通路壁部を有するアノードガス流通路層と、
    前記セルのカソード層の外側に積層され、前記カソード層にカソードガスを供給する複数のカソードガス流通路の各々を互いに分離するように間隔をあけて形成される複数のカソードガス流通路壁部を有するカソードガス流通路層と、
    前記アノードガス流通路層の外側に積層されたアノード側分離層と、
    前記カソードガス流通路層の外側に積層されたカソード側分離層と、
    前記複数のアノードガス流通路壁部と前記アノード側分離層との間、および、前記複数のカソードガス流通路壁部と前記カソード側分離層との間の少なくとも一方に配置された多孔質層と、
    を備え、前記多孔質層の気孔率が、10%以上60%以下である、固体電解質形燃料電池。
  2. 前記アノードガス流通路壁部または前記カソードガス流通路壁部の厚みと前記多孔質層の厚みとの合計に対する前記多孔質層の厚みの比率が、0.09以上0.50以下である、請求項1に記載の固体電解質形燃料電池。
  3. 前記アノードガス流通路壁部または前記カソードガス流通路壁部の厚みが、100μm以上600μm以下である、請求項1または2に記載の固体電解質形燃料電池。
  4. 前記多孔質層の積層方向に直交する断面積が、前記アノードガス流通路壁部または前記カソードガス流通路壁部の積層方向に直交する断面積とほぼ同一である、請求項1から請求項までのいずれか1項に記載の固体電解質形燃料電池。
  5. 前記多孔質層の積層方向に直交する断面積が、前記アノード側分離層または前記カソード側分離層の積層方向に直交する断面積とほぼ同一である、請求項1から請求項までのいずれか1項に記載の固体電解質形燃料電池。
  6. 前記アノードガス流通路壁部、前記カソードガス流通路壁部、前記アノード側分離層、前記カソード側分離層、および、前記多孔質層が、同一の成分を含む、請求項1から請求項までのいずれか1項に記載の固体電解質形燃料電池。
  7. 前記アノードガス流通路壁部、前記カソードガス流通路壁部、前記アノード側分離層、および、前記カソード側分離層が、同一の材料から形成されている、請求項1から請求項までのいずれか1項に記載の固体電解質形燃料電池。
  8. 複数の前記セルを含む電池構造部と、
    前記複数のセルの間に配置されるセル間分離部と、
    前記複数のアノードガス流通路にアノードガスを供給するアノードガス供給流路と、前記複数のカソードガス流通路にカソードガスを供給するカソードガス供給流路とを有するガス供給流路構造部とを備え、
    前記セル間分離部が、前記アノードガス流通路層と、前記カソードガス流通路層と、前記アノード側分離層と、前記カソード側分離層と、前記多孔質層とを含み、
    前記電池構造部、前記セル間分離部、および、前記ガス供給流路構造部が一体的に形成されている、請求項1から請求項までのいずれか1項に記載の固体電解質形燃料電池。
  9. 請求項1から請求項までのいずれか1項に記載の固体電解質形燃料電池の製造方法であって、
    炭素または有機物からなる充填物を焼成により消失させることによって前記多孔質層の気孔を形成する、固体電解質形燃料電池の製造方法。
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