JP6136554B2 - ガラス母材の延伸装置およびガラス母材の製造方法 - Google Patents

ガラス母材の延伸装置およびガラス母材の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ガラス母材を下方向に延伸してガラス母材を製造するガラス母材の延伸装置およびガラス母材の製造方法に関する。
従来、ガラス母材の下方端をチャック等の把持部材により把持し、チャックを下方向に移動させることによりガラス母材を延伸するガラス母材の延伸方法が知られている。(特許文献1参照)。
特開2006−327898号公報
ガラス母材を垂直延伸する際には、延伸されたガラス母材の曲がりを極力抑えるという課題がある。ガラス母材の曲がりには様々な要因が存在するが、延伸装置が傾いていたり延伸装置に設けられた上下のチャック同士の位置がずれていることにより、延伸中のガラス母材の中心軸が延伸装置のヒータの中心軸からずれ、ガラス母材の中心軸に対して垂直方向に無理な力が加わり、屈曲部が発生して曲がりが生じる場合がある。そのため、ガラス母材を垂直延伸する際にはガラス母材の中心軸をヒータの中心軸に一致させながらガラス母材を延伸することが好ましい。
特許文献1においては、ガラス母材を継続延伸する際に、ガラス母材の延伸方向に垂直な面内における面内位置を検出してガラス母材を把持する把持具の位置を調整することで屈曲部の発生を防止しているものの、ガラス母材を把持してから次にそのガラス母材を把持するまでの間に軸ずれが生じる可能性があり、さらに改良の余地がある。
そこで、本発明は、ガラス母材の曲がりの発生を抑えながら延伸可能なガラス母材の延伸装置およびガラス母材の製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明のガラス母材の延伸装置は、
ガラス母材を加熱部で加熱し、前記ガラス母材の上下端に接続された支持ロッドを把持している上チャックと下チャックとに速度差を設けて垂直延伸するガラス母材の延伸装置であって、
前記加熱部の下流側に、その中心軸が前記加熱部の中心軸と略一致し、前記ガラス母材の軸方向に垂直な面内での前記ガラス母材の位置を固定する固定治具を備えている。
本発明によれば、ガラス母材を屈曲させることなく延伸することができるので、ガラス母材の曲がりの発生を抑えながら延伸することができる。
本発明の実施形態に係るガラス母材の延伸装置の一例を示す構成図である。 図1の延伸装置に備わる固定治具の一例を示す平面図である。 図1の延伸装置によりガラス母材が延伸された状態を示す図である。 ガラス母材の曲がり量の定義を説明する図である。 実施例1の結果を示すグラフである。 実施例2の結果を示すグラフである。 比較例の結果を示すグラフである。
[本願発明の実施形態の説明]
最初に本願発明の実施形態の内容を列記して説明する。
本願発明の実施形態に係るガラス母材の延伸装置は、
(1)ガラス母材を加熱部で加熱し、前記ガラス母材の上下端に接続された支持ロッドを把持している上チャックと下チャックとに速度差を設けて垂直延伸するガラス母材の延伸装置であって、
前記加熱部の下流側に、その中心軸が前記加熱部の中心軸と略一致し、前記ガラス母材の軸方向に垂直な面内での前記ガラス母材の位置を固定する固定治具を備えている。
固定治具によりガラス母材の中心軸が加熱部の中心軸と略一致するようにガラス母材の軸方向に垂直な面内でのガラス母材の位置を固定しながら延伸しているため、ガラス母材を屈曲させることなく延伸することができる。これにより、ガラス母材の曲がりの発生を抑えながら延伸することができる。
(2)前記固定治具近傍に設けられ、前記軸方向に垂直な面内での前記ガラス母材の位置を測定する測定器と、
前記上チャックおよび前記下チャックの少なくともいずれか一方に設けられ、前記ガラス母材の前記位置を調節可能な位置調節器と、
をさらに備えていることが好ましい。
ガラス母材の延伸開始前および延伸中にガラス母材の位置を適宜調整し、ガラス母材の屈曲部の発生をより確実に抑制することができるためである。
(3)前記固定治具が、カーボンから構成されていることが好ましい。
カーボンは耐熱性が高く、また柔らかいため、ガラス母材を固定する際にガラス母材に傷がつくことを防止することができるためである。
(4)前記固定治具は、延伸中の前記ガラス母材の外径に応じて前記ガラス母材への接触位置が前記軸方向に垂直な面内方向において調節可能であることが好ましい。
延伸中のガラス母材の外径変動に影響されることなくガラス母材の位置ずれに起因する屈曲部の発生を確実に防止することができるためである。
(5)前記固定治具は、バネ機構により前記接触位置が調節可能であることが好ましい。
過剰な把持力をガラス母材に加えることなく適切な力でガラス母材を把持することができ、また、延伸中の母材の外径が変化しても、バネ機構によりガラス母材の外径変動に追従して接触位置を調節することができるので、常にガラス母材を確実に把持した状態で延伸することができるためである。
さらに、本願発明の実施形態に係るガラス母材の製造方法は、
(6)ガラス母材を加熱部で加熱し、前記ガラス母材の上下端に接続された支持ロッドを把持している上チャックと下チャックとに速度差を設けて垂直延伸するガラス母材の製造方法であって、
前記上チャックで前記ガラス母材の上端に接続された支持ロッドを把持する上端把持工程と、
前記下チャックで前記ガラス母材の下端に接続された支持ロッドを把持する下端把持工程と、
前記ガラス母材の延伸を開始する初期延伸工程と、
その中心軸が前記加熱部の中心軸に略一致する固定治具が設けられた箇所を前記ガラス母材の下端に接続された前記支持ロッドが通過した後に、前記固定治具により前記ガラス母材の軸方向に垂直な面内での前記ガラス母材の位置を固定する固定工程と、
前記固定治具で前記ガラス母材の前記位置を固定しながら、さらに前記ガラス母材を延伸する本延伸工程と、
を備えている。
上記(1)と同様に、ガラス母材の中心軸が加熱部の中心軸と略一致するようにガラス母材の軸方向に垂直な面内でのガラス母材の位置を固定治具により固定しながら延伸しているため、ガラス母材を屈曲させることなく延伸することができる。これにより、ガラス母材の曲がりの発生を抑えながら延伸することができる。
本願発明の実施形態に係るガラス母材の製造方法は、
(7)前記初期延伸工程開始前に、前記固定治具近傍に設けられた測定器により前記軸方向に垂直な面内での延伸前の前記ガラス母材の位置を測定する測定工程と、測定された前記ガラス母材の前記位置に基づいて前記上チャックおよび前記下チャックの少なくともいずれか一方の位置を調整する調整工程と、を備えていることが好ましい。
ガラス母材の延伸開始前にガラス母材の位置を適宜調整し、ガラス母材の屈曲部の発生をより確実に抑制することができるためである。
[本願発明の実施形態の詳細]
以下、本発明の実施形態に係るガラス母材の延伸装置の具体例を、図面を参照しつつ説明する。
図1に示すように、ガラス母材Gの延伸装置10は、予め所定の太径に形成された延伸前のガラス母材G1を、例えば次工程での処理に適合する所定径の延伸ガラス母材G2(図3参照)に延伸するために用いられる。
ガラス母材Gは、例えば光ファイバ用のガラス母材の場合、コア及びクラッドの一部を有するガラスロッドの両端に、石英製の種棒あるいはダミーロッドを加熱溶融することにより接続して出発コアロッドを得る。この出発コアロッドの外周に、生成されたガラス微粒子を堆積させて多孔質ガラス体を形成して複合母材を得る。そして、この複合母材を加熱、透明ガラス化することで、所定径のガラス母材G1を得ることで、所定の太径に形成されている。
ガラス母材Gの延伸装置10は、ガラス母材G1を加熱する加熱炉12を備えている。この加熱炉12は、円筒状の炉心管13と、この炉心管13の外周を囲むように配置された円筒状のヒータ14(加熱部の一例)と、を備えている。このヒータ14を発熱させることで、ガラス母材G1が加熱されて軟化する。
さらに、ガラス母材Gの延伸装置10は、ガラス母材G1の上端に連結されている支持ロッドR1を把持して上下移動可能な上チャック21と、ガラス母材G1の下端に連結されている支持ロッドR2を把持して上下移動可能な下チャック22とを備えている。上チャック21および下チャック22は、ガラス母材Gの外径が適正に維持されるように、それぞれ不図示の上下移動機構によって個別に昇降可能に設けられている。
また、上チャック21には、ガラス母材Gの軸方向と垂直な面内で水平方向(図1における左右方向)に移動可能な位置調節器が設けられている。この位置調節器により、上チャック21は、ガラス母材Gを把持した状態でガラス母材Gの中心軸C(図2参照)をヒータ14の中心軸と略一致させるように、ガラス母材Gの軸方向と垂直な面内でのガラス母材Gの位置を移動させることができる。一方、下チャック22は、ガラス母材Gの軸方向と垂直な面内での位置が固定されている。
加熱炉12の下流側には、加熱炉12により加熱されて加熱炉12よりも下方に繰り出される延伸ガラス母材G2の径方向への移動を規制する固定治具23が設けられている。固定治具23は、耐熱性の高いカーボン、アルミナなどのセラミックス、ポリイミドなどの耐熱性樹脂、などから構成されていることが好ましい。特に、カーボンは柔らかいので、ガラス母材Gに接触しても傷つける心配が少なく、より好ましい。
図2に、固定治具23の構成の一例を示す。図2に示すように、固定治具23は、第1の把持部材24と第2の把持部材25とを有している。第1の把持部材24は第1のアーム部材24aの先端に取り付けられており、第1のアーム部材24aは、延伸ガラス母材G2の径方向に沿って移動自在に設けられている。また、第2の把持部材25は第2のアーム部材25aの先端に取り付けられており、第2のアーム部材25aは、延伸ガラス母材G2の径方向に沿って移動自在に設けられている。これにより、第1の把持部材24と第2の把持部材25とは、互いに接近離反自在に設けられている。なお、第1の把持部材24と第2の把持部材25とは、ラック・ピニオン機構などを用いて、双方の把持部材24,25が連動して動くようにしておけば、中心軸が固定された状態で双方の把持部材24,25の位置を調整してガラス母材Gを把持することができるので、好ましい。
第1および第2の把持部材24,25により構成された固定治具23は、その中心軸がヒータ14の中心軸と略一致するように調整されている。そのため、上記したラック・ピニオン機構などを使用して、第1の把持部材24と第2の把持部材25とを接近させて延伸ガラス母材G2を把持することにより、固定治具23は、ガラス母材Gの中心軸Cをヒータ14の中心軸に略一致させるようにガラス母材Gの軸方向に垂直な面内における延伸ガラス母材G2の位置を固定することができる。
第1の把持部材24は、不図示のバネ機構などを介して第1のアーム部材24aに取り付けられている。同様に、第2の把持部材25は、不図示のバネ機構などを介して第2のアーム部材25aに取り付けられている。これにより、固定治具23は、延伸中のガラス母材G2の外径が変化しても、バネ機構により延伸ガラス母材G2の外径変動に追従して延伸ガラス母材G2との接触位置を調節することができる。そのため、延伸ガラス母材G2を把持する際の固定治具23の中心軸がヒータ14の中心軸と略一致する状態を保ちながら、延伸ガラス母材G2との接触位置を調整することが可能である。
図1に示すように、ヒータ14と固定治具23との間には、ガラス母材Gの軸方向と垂直な面内におけるガラス母材Gの位置を測定するための位置センサ(測定器の一例)30が設けられている。この位置センサ30としては、測定時にガラス母材Gに対して力が作用しない非接触式のものが好ましく、例えばレーザー光線を利用した反射光計測器を用いることができる。
次に、上述した延伸装置10を用いた延伸ガラス母材G2の製造方法を図1および図3に基づいて説明する。
まず、上チャック21および下チャック22をそれぞれ初期位置に配置し、ガラス母材G1を加熱炉12内にセットし、支持ロッドR1を上チャック21により把持する(上端把持工程)。
次に、上チャック21で支持ロッドR1を把持した状態で、位置センサ30によりガラス母材Gの軸方向と垂直な面内におけるガラス母材G1の位置を測定する(測定工程)。ガラス母材G1の位置を測定したら、上チャック21に設けられた位置調節器を用いて、ガラス母材Gの中心軸Cが固定治具23の把持中心、すなわちヒータ14の中心軸に略一致するように調節する(調整工程)。なお、上チャック21により支持ロッドR1が把持された後、位置センサ30によるガラス母材G1の位置測定及び位置調節器によるガラス母材G1の位置調節を行わずに、下チャック22により支持ロッドR2を把持する構成としてもよい。
その後、ガラス母材G1の下端に連結された支持ロッドR2を加熱炉12の下流側に配置された下チャック22により把持する(下端把持工程)。このとき、固定治具23はガラス母材G1の下端に連結された支持ロッドR2から離反した初期位置に配置されている。
下チャック22により支持ロッドR2を把持した後、上チャック21よりも速く下チャック22を降下させ、ヒータ14により加熱しながら、ガラス母材G1の延伸を開始する(初期延伸工程)。このとき、ガラス母材Gの軸方向に垂直な面内における上チャック21および下チャック22の位置は固定されている。
ガラス母材G1の延伸開始後、支持ロッドR2が固定治具23の位置を通過した後に、図3に示すように、固定治具23の第1の把持部材24と第2の把持部材25とを接近させる。この際、ラック・ピニオン機構などを用いて、双方の把持部材24,25が連動して動くようにすることが好ましい。これにより、延伸ガラス母材G2の中心軸がヒータ14の中心軸と略一致するように、固定治具23によりガラス母材Gの軸方向に垂直な面内での延伸ガラス母材G2の位置を固定する(固定工程)。
最後に、固定治具23で延伸ガラス母材G2を固定した状態で、下チャック22をさらに降下させて延伸を継続し(本延伸工程)、所定径および所定長の延伸ガラス母材G2を形成する。
なお、延伸ガラス母材G2の延伸継続中に、位置センサ30によりガラス母材Gの軸方向に垂直な面内での延伸ガラス母材G2の位置を再度測定してもよい。延伸ガラス母材G2の位置が固定治具23の中心軸とずれていた場合には、上チャック21の位置調節器を再度制御することにより延伸ガラス母材G2を図1における左右方向に移動させて、延伸ガラス母材G2の中心軸を常にヒータ14の中心軸と略一致させることができる。
以上、前述したガラス母材Gの延伸装置10によれば、ヒータ14の下流側に、その中心軸がヒータ14の中心軸と略一致し、ガラス母材Gの軸方向に垂直な面内でのガラス母材G(延伸ガラス母材G2)の位置を固定する固定治具を備えている。そのため、延伸装置10により延伸されたガラス母材G2に屈曲部が発生するのを防止して、曲がりの小さい延伸ガラス母材G2を製造することができる。
また、延伸装置10は、ガラス母材Gの軸方向に垂直な面内でのガラス母材Gの位置を測定する位置センサ30と、上チャック21に設けられてガラス母材Gの位置を調節可能な位置調節器とを備えている。これらを用いて、ガラス母材Gの延伸開始前および延伸中にガラス母材Gの位置を適宜調整することにより、延伸ガラス母材G2の屈曲部の発生を、より確実に抑制することができる。
また、延伸装置10によれば、固定治具23はカーボンまたはセラミックスから構成されている。そのため、耐熱性が高く、特にカーボンを用いた場合は、延伸ガラス母材G2を固定する際に延伸ガラス母材G2に傷がつくことを防止することができる。
また、固定治具23は、延伸ガラス母材G2を把持後に一旦位置が固定されるが、バネ機構などにより、把持部材24,25の延伸ガラス母材G2への接触位置が調節可能である。そのため、例えば延伸中にガラス母材G2の外径が細くなった場合でも、その外径変動に影響されることなく、バネ機構により延伸ガラス母材G2の外径変動に追従して延伸ガラス母材G2への接触位置を調節することができるので、延伸ガラス母材G2の位置ずれを確実に防止することができる。さらに、把持部材24,25の過剰な把持力を延伸ガラス母材G2に加えることなく、適切な力で延伸ガラス母材G2を把持することができる。
(実施例1)
外径80mmのガラス母材の両端に支持ロッドを接続して上下チャックで把持した後、ヒータで加熱して外径40mmのガラス母材に延伸する作業を行った。延伸装置のヒータ下流側に、把持中心がヒータの中心軸になるような固定治具を設け、延伸開始後に、ガラス母材の下部に接続された支持ロッドが固定治具の位置を通過したら、固定治具を用いて延伸中のガラス母材を把持しながら延伸を継続した。延伸後のガラス母材について、図4に示すような、長さ1mあたりの曲がり量d/Lを測定した。この延伸作業を連続して20本行った。
その結果、図5に示されるように、実施例1において、延伸ガラス母材の曲がり量は最大で0.8mm、全サンプルの平均曲がり量は0.5mmであった。
(実施例2)
外径80mmのガラス母材の両端に支持ロッドを接続して上下チャックで把持した後、ヒータで加熱して外径40mmのガラス母材に延伸する作業を行った。延伸装置のヒータ下流側に、把持中心がヒータの中心軸と略一致する固定治具を設け、さらに、ヒータと固定治具との間に位置センサとしてレーザセンサを設置した。ガラス母材を上チャックに把持した後、ガラス母材の下端部の位置をレーザセンサで測定し、上チャックに設けた位置調節器を用いてガラス母材下端部の位置が固定治具の把持中心に略一致するように調節した。その後、ガラス母材を加熱して延伸を開始した。ガラス母材の下部に接続された支持ロッドが固定治具の位置を通過したら、固定治具を用いて延伸中のガラス母材を把持しながら延伸を継続した。延伸後のガラス母材について、長さ1mあたりの曲がり量d/Lを測定した。この延伸作業を連続して20本行った。
その結果、図6に示されるように、実施例2において、延伸ガラス母材の曲がり量は最大で0.5mm、全サンプルの平均曲がり量は0.3mmであった。
(比較例)
外径80mmのガラス母材の両端に支持ロッドを接続して上下チャックで把持した後、ヒータで加熱して外径40mmのガラス母材に延伸する作業を行った。このとき、実施例1および実施例2とは異なり、ガラス母材の軸方向に垂直な面内での延伸ガラス母材の位置を調整するための固定治具や位置調節器を使用しなかった。延伸後のガラス母材について、長さ1mあたりの曲がり量d/Lを測定した。この延伸作業を連続して20本行った。
その結果、図7に示されるように、比較例において、延伸ガラス母材の曲がり量は最大で1.8mm、全サンプルの平均曲がり量は1.0mmであった。
以上より、固定治具を使用した実施例1では、固定治具を使用しない比較例に比べて、延伸ガラス母材の曲がり量が少なくなることが分かった。また、固定治具、測定器および位置調節器を使用した実施例2では、延伸ガラス母材の曲がり量をさらに抑制できることがわかった。
以上、本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。また、上記説明した構成部材の数、位置、形状等は上記実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等に変更することができる。
上記の実施形態においては、位置調節器が上チャック21に設けられた場合について説明したが、この例に限られない。例えば、位置調節器を下チャック22に設け、下チャック22を水平移動させることによりガラス母材Gの中心軸Cを固定治具23の中心軸と略一致させることも可能である。
10:ガラス母材の延伸装置
12:加熱炉
13:炉心管
14:ヒータ(加熱部の一例)
21:上チャック
22:下チャック
23:固定治具
24:第1の把持部材
24a:第1のアーム部材
25:第2の把持部材
25a:第2のアーム部材
30:位置センサ(測定器の一例)
G:ガラス母材
G1:延伸前のガラス母材
G2:延伸ガラス母材
R1,R2:支持ロッド

Claims (5)

  1. ガラス母材を加熱部で加熱し、前記ガラス母材の上下端に接続された支持ロッドを把持している上チャックと下チャックとに速度差を設けて垂直延伸するガラス母材の延伸装置であって、
    前記加熱部の下流側に、その中心軸が前記加熱部の中心軸と略一致し、前記ガラス母材の軸方向に垂直な面内での前記ガラス母材の位置を固定する固定治具を備えており、
    前記固定治具近傍に設けられ、前記軸方向に垂直な面内での前記ガラス母材の位置を測定する測定器と、
    前記上チャックおよび前記下チャックの少なくともいずれか一方に設けられ、前記ガラス母材の前記位置を調節可能な位置調節器と、
    をさらに備えており
    前記固定治具は、第1の把持部材と、第2の把持部材とを有し、前記第1の把持部材と前記第2の把持部材は互いに接近離反自在に設けられており、前記第1の把持部材と前記第2の把持部材とが連動して動くことで、前記中心軸が固定された状態で前記第1の把持部材と前記第2の把持部材との位置を調整して前記ガラス母材を把持する、ガラス母材の延伸装置。
  2. 前記固定治具が、カーボンから構成されている、請求項1に記載のガラス母材の延伸装置。
  3. 前記固定治具は、延伸中の前記ガラス母材の外径に応じて前記ガラス母材への接触位置が前記軸方向に垂直な面内方向において調節可能である、請求項1または2に記載のガラス母材の延伸装置。
  4. 前記固定治具は、バネ機構により前記接触位置が調節可能である、請求項に記載のガラス母材の延伸装置。
  5. ガラス母材を加熱部で加熱し、前記ガラス母材の上下端に接続された支持ロッドを把持している上チャックと下チャックとに速度差を設けて垂直延伸するガラス母材の製造方法であって、
    前記上チャックで前記ガラス母材の上端に接続された支持ロッドを把持する上端把持工程と、
    前記下チャックで前記ガラス母材の下端に接続された支持ロッドを把持する下端把持工程と、
    前記ガラス母材の延伸を開始する初期延伸工程と、
    その中心軸が前記加熱部の中心軸に略一致する固定治具が設けられた箇所を前記ガラス母材の下端に接続された前記支持ロッドが通過した後に、前記固定治具により前記ガラス母材の軸方向に垂直な面内での前記ガラス母材の位置を固定する固定工程と、
    前記固定治具で前記ガラス母材の前記位置を固定しながら、さらに前記ガラス母材を延伸する本延伸工程と、
    を備えており、
    前記初期延伸工程開始前に、前記固定治具近傍に設けられた測定器により前記軸方向に垂直な面内での延伸前の前記ガラス母材の位置を測定する測定工程と、測定された前記ガラス母材の前記位置に基づいて前記上チャックおよび前記下チャックの少なくともいずれか一方の位置を調整する調整工程と、をさらに備えており、
    前記固定治具は、第1の把持部材と、第2の把持部材とを有し、前記第1の把持部材と前記第2の把持部材は互いに接近離反自在に設けられており、
    前記固定工程において、前記第1の把持部材と前記第2の把持部材とが連動して動くことで、前記中心軸が固定された状態で前記第1の把持部材と前記第2の把持部材との位置を調整して前記ガラス母材を把持する、ガラス母材の製造方法。
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