JP6135045B2 - 印刷装置、補正値取得方法、及び、印刷装置の製造方法 - Google Patents

印刷装置、補正値取得方法、及び、印刷装置の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、印刷装置、補正値取得方法、及び、印刷装置の製造方法に関する。
複数の色を表現可能なプリンター(印刷装置)が多く使用されている。このようなカラープリンターでは、色の再現性を向上させるために、濃度キャリブレーション処理が行われる。濃度キャリブレーション処理とは、プリンターが用紙にテストパターンを印刷し、そのテストパターンの濃度測定結果と目標濃度とのずれに基づいて、プリンターに目標濃度の画像を印刷させるように補正する処理である。
また、複数サイズのドットを形成するプリンターでは、ドットサイズごとに、インク吐出量の誤差が異なる場合がある。そこで、ドットサイズごとに誤差情報を記憶し、ドットサイズごとにインク吐出量を補正することで、更に色の再現性を向上させたプリンターが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2003−182120号公報
プリンターが画像を印刷するための印刷データは、媒体上の画素の濃度を表す入力階調値とドット生成率とを対応付けた「ドット生成率テーブル」に基づいて作成される。複数種類の媒体に画像を印刷するプリンターでは、各媒体の特性に応じて、媒体の種類毎にドット生成率テーブルを記憶している。そのため、濃度キャリブレーション処理の際に、各媒体に応じたドット生成率テーブルに基づいて作成した印刷データによりテストパターンを印刷する方法を実施してしまうと、媒体毎にテストパターンを印刷しなければならなくなってしまう。そうすると、媒体の種類が増える程に処理が煩雑になってしまう。
そこで、本発明では、濃度キャリブレーション処理を簡略化することを目的とする。
前記課題を解決する為の主たる発明は、媒体に形成されるドットのドットサイズ毎のドット生成率と、ドットサイズ毎のドット生成率に対応付けられた入力階調値とを特定するテーブルに基づいて、印刷データの印刷を媒体へ行う印刷装置であって、前記媒体に向けてインクを吐出し、前記媒体に複数サイズの前記ドットを形成するヘッドと、前記ヘッドからインクを吐出させて印刷を行うための制御部であって、ドットサイズ毎のテストパターンを第1の媒体へ印刷し、前記第1の媒体への印刷に用いる前記テーブルと、前記テストパターンの読取結果に基づいて補正された前記入力階調値とに基づいて、前記印刷データの印刷を前記第1の媒体へ行い、前記第1の媒体とは異なる第2の媒体への印刷に用いる前記テーブルと、前記テストパターンの読取結果に基づいて補正された前記入力階調値とに基づいて、前記印刷データの印刷を前記第2の媒体へ行う制御部と、を備えることを特徴とする印刷装置である。
本発明の他の特徴は、本明細書、及び添付図面の記載により、明らかにする。
印刷システムの全体構成を示すブロック図である。 図2Aはプリンターの概略斜視図であり、図2Bは光学センサーを説明する図である。 図3Aは印刷データの作成処理を示すフローであり、図3Bは入力階調値に補正値を対応付けた補正値テーブルを説明する図である。 図4Aはドット生成率テーブルを説明する図であり、図4Bは大ドットのオンオフ判定を説明する図である。 図5A及び図5Bは比較例の濃度キャリブレーション処理を説明する図である。 実施例1における濃度キャリブレーション処理のフローである。 図7Aから図7Cは、テストパターンを説明する図である。 図8Aは読取結果を正規化した濃度値と目標の濃度値との関係を示すグラフであり、図8Bは補正階調値テーブルと補正ドット数テーブルを説明する図である。 入力階調値に対する補正値を取得する様子を説明する図である。 実施例2における濃度キャリブレーション処理を説明する図である。 図11A及び図11Bは実施例3における濃度キャリブレーション処理を説明する図である。
===開示の概要===
本明細書の記載、及び添付図面の記載により、少なくとも次のことが明らかとなる。
即ち、媒体に形成されるドットのドットサイズ毎のドット生成率と、ドットサイズ毎のドット生成率に対応付けられた入力階調値とを特定するテーブルに基づいて、印刷データの印刷を媒体へ行う印刷装置であって、前記媒体に向けてインクを吐出し、前記媒体に複数サイズの前記ドットを形成するヘッドと、前記ヘッドからインクを吐出させて印刷を行うための制御部であって、ドットサイズ毎のテストパターンを第1の媒体へ印刷し、前記第1の媒体への印刷に用いる前記テーブルと、前記テストパターンの読取結果に基づいて補正された前記入力階調値とに基づいて、前記印刷データの印刷を前記第1の媒体へ行い、前記第1の媒体とは異なる第2の媒体への印刷に用いる前記テーブルと、前記テストパターンの読取結果に基づいて補正された前記入力階調値とに基づいて、前記印刷データの印刷を前記第2の媒体へ行う制御部と、を備えることを特徴とする印刷装置である。
このような印刷装置によれば、媒体の種類毎にテストパターンを印刷しなくても、各媒体のテーブルに対応させて入力階調値を補正することができ、補正処理を簡略化することができる。
かかる印刷装置であって、補正された前記テーブルは、前記テストパターンの読取結果に基づいて、前記入力階調値と補正階調値とを対応付けた対応関係をドットサイズ毎に特定し、前記制御部は、前記対応関係に基づいて前記入力階調値に対応する前記補正階調値を取得し、前記テーブルに基づいて前記補正階調値から特定される前記ドット生成率を前記ドットサイズ毎に取得し、そのドットサイズ毎の前記ドット生成率に基づいて前記媒体への印刷を行うこと。
このような印刷装置によれば、媒体の種類毎にテストパターンを印刷しなくても、各媒体のテーブルに対応させて入力階調値を補正することができる。
かかる印刷装置であって、前記制御部は、前記対応関係に基づいて、ドットサイズ毎に、前記テーブルにおけるドット生成率と補正ドット生成率とを対応付けた第1の対応関係を取得し、印刷が行われる媒体用の前記テーブルに基づいて、前記入力階調値と、当該入力階調値における各サイズのドット生成率を所定サイズのドット生成率に変換した値と、を対応付けた第2の対応関係を取得し、前記印刷が行われる媒体用の前記テーブルと前記第1の対応関係とに基づいて、或る入力階調値における各サイズのドット生成率を前記補正ドット生成率に補正した後に、各サイズの前記補正ドット生成率を前記所定サイズのドット生成率に変換し、当該変換したドット生成率に最も近い前記所定サイズのドット生成率を前記第2の対応関係から選択し、選択した前記所定サイズのドット生成率に対応する前記入力階調値を、前記或る入力階調値の補正値とすること。
このような印刷装置によれば、入力階調値に対するドットサイズ毎の補正階調値から、各媒体のテーブルに対応させて入力階調値を補正することができる。
かかる印刷装置であって、前記制御部は、印刷が行われる媒体用の前記テーブルと前記対応関係とに基づいて、或る入力階調値における各ドットサイズの前記補正階調値を、前記或る入力階調値における総ドット生成率と各サイズのドット生成率との比で加重平均した値を求め、前記加重平均した値を前記或る入力階調値の補正値とすること。
このような印刷装置によれば、入力階調値に対するドットサイズ毎の補正階調値から、各媒体のテーブルに対応させて入力階調値を補正することができる。
かかる印刷装置であって、前記第1の媒体は、前記媒体への印刷に用いる複数のテーブルのうち、単位面積当たりに吐出可能なインク量が最大のテーブルを印刷に用いる媒体であること。
このような印刷装置によれば、インクの滲みや媒体の波打ちを抑制することができ、テストパターンを適性に読み取ることができる。
かかる印刷装置であって、前記制御部は、前記第1の媒体への印刷に用いるテーブルが第1のテーブルである第1のモードと、第2のテーブルである第2のモードとのそれぞれにおいて、前記ヘッドからインクを吐出させて印刷を行い、前記テストパターンは、前記第1のモードが設定されているのか、前記第2のモードが設定されているのかに応じて、ドットサイズ毎の前記入力階調値の上限値と、ドットサイズ毎の前記入力階調値の間隔とのうちの少なくともいずれかが異なること。
このような印刷装置によれば、媒体やインクの無駄な消費を抑えることができる。
また、媒体に向けてインクを吐出することで前記媒体に複数サイズのドットを形成するヘッドを備える印刷装置の印刷に用いるテーブルであって、前記媒体に形成されるドットのドットサイズ毎のドット生成率と、ドットサイズ毎のドット生成率に対応付けられた入力階調値とを特定するテーブルを補正するための補正値取得方法であって、前記ヘッドがドットサイズ毎のテストパターンを第1の媒体へ印刷することと、前記テストパターンの読取結果に基づいて、前記第1の媒体への印刷に用いる前記テーブルの補正値を取得することと、前記テストパターンの読取結果に基づいて、第2の媒体への印刷に用いる前記テーブルの補正値を取得することと、を備えることを特徴とする補正値取得方法である。
このような補正値取得方法によれば、媒体の種類毎にテストパターンを印刷しなくても、各媒体のテーブルに対応させて入力階調値の補正値を取得することができ、処理を簡略化することができる。
また、媒体に向けてインクを吐出することで前記媒体に複数サイズのドットを形成するヘッドを備える印刷装置であって、前記媒体に形成されるドットのドットサイズ毎のドット生成率と、ドットサイズ毎のドット生成率に対応付けられた入力階調値とを特定するテーブルを用いて、印刷データの印刷を前記媒体へ行う印刷装置の製造方法であって、第1の媒体への印刷に用いるテーブルが第1のテーブルである第1の印刷装置により、ドットサイズ毎のテストパターンを前記第1の媒体へ印刷することと、前記第1の印刷装置により印刷された前記テストパターンの読取結果に基づいて、前記第1の印刷装置の印刷に用いられる複数のテーブルであって、印刷が行われる媒体ごとのテーブルを補正することと、前記第1の媒体への印刷に用いるテーブルが第2のテーブルである第2の印刷装置により、ドットサイズ毎のテストパターンを前記第1の媒体へ印刷することと、前記第2の印刷装置により印刷された前記テストパターンの読取結果に基づいて、前記第2の印刷装置の印刷に用いられる複数のテーブルであって、印刷が行われる媒体ごとのテーブルを補正することと、を備え、前記テストパターンは、前記第1の印刷装置により印刷されたのか、前記第2の印刷装置により印刷されたのかに応じて、ドットサイズ毎の前記入力階調値の上限値と、ドットサイズ毎の前記入力階調値の間隔とのうちの少なくともいずれかが異なる印刷装置の製造方法である。
このような印刷装置の製造方法によれば、媒体の種類毎にテストパターンを印刷しなくても、各媒体のテーブルに対応させて入力階調値の補正値を取得することができ、製造方法を簡略化することができる。また、媒体やインクの無駄な消費を抑えることができる。
===印刷システム===
インクジェットプリンター(以下、プリンターと呼ぶ)とコンピューターが接続された印刷システムを例に挙げて、実施形態を説明する。
図1は、印刷システムの全体構成を示すブロック図である。図2Aは、プリンター1の概略斜視図であり、図2Bは、光学センサー51を説明する図である。プリンター1は、コントローラー10と、搬送ユニット20と、キャリッジユニット30と、ヘッドユニット40と、検出器群50と、を有する。プリンター1はコンピューター60と通信可能に接続されており、コンピューター60内にインストールされているプリンタードライバーによって、プリンター1に画像を印刷させるための印刷データが作成され、プリンター1に送信される。なお、プリンタードライバーは、CD−ROM等に記憶されていたり、インターネットを介してダウンロード可能であったりする。
プリンター1内のコントローラー10は、プリンター1における全体的な制御を行うためのものである。インターフェース部11は、外部装置であるコンピューター60との間でデータの送受信を行う。CPU12は、プリンター1の全体的な制御を行うための演算処理装置であり、ユニット制御回路14を介して各ユニットを制御する。メモリー13(記憶部)は、CPU12のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものである。
搬送ユニット20は、用紙S(媒体に相当)を印刷可能な位置に給紙し、用紙を搬送方向に搬送するためのものである。なお、プリンター1が画像を印刷する媒体は、用紙に限らず、例えば布やフィルム等でもよい。
キャリッジユニット30は、キャリッジ31に搭載されたヘッド41を、用紙Sの搬送方向と交差する方向である移動方向に移動するためのものである。なお、交差する方向とは一般的には直交する方向である。
ヘッドユニット40は、用紙Sに向けてインクを吐出して画像を印刷するためのものであり、ヘッド41を有する。ヘッド41の下面(不図示)には、インクを吐出するノズルが多数設けられ、吐出するインクの色ごとにノズル列が形成されている。例えば、ブラックインクKを吐出するブラックノズル列や、シアンインクCを吐出するシアンノズル列、マゼンタインクMを吐出するマゼンタノズル列、イエローインクYを吐出するイエローノズル列等がヘッド41の下面に形成されている。各ノズル列では、多数のノズルが搬送方向に所定の間隔おきに並んでいる。なお、ノズルからのインク吐出方式は、駆動素子(ピエゾ素子)に電圧をかけてノズルと連通するインク室を膨張・収縮させることによりノズルからインクを吐出させるピエゾ方式でもよいし、発熱素子を用いてノズル内に気泡を発生させ、その気泡によってノズルからインクを吐出させるサーマル方式でもよい。
ヘッド41に設けられた各ノズルは複数サイズのドットを形成することができる。即ち、各ノズルは、複数サイズのドットに応じた種々の量のインクを吐出することができる。本実施形態では、各ノズルが3種類のサイズのドット(大ドット,中ドット,小ドット)を形成可能とする。
検出器群50は、プリンター1内の状況を監視し、その検出結果をコントローラー10に出力するためのものである。例えば、検出器群50は、図2Bに示すような光学センサー51を有する。光学センサー51は、ヘッド41のノズル面から用紙Sまでの距離や用紙Sの幅を検出したりする。
光学センサー51は、発光部511と受光部512を有する。発光部511は、用紙Sに向けて光を照射するためのものであり、例えば、発光ダイオード(LED)、レーザーダイオード、白熱電球等が挙げられる。なお、発光部511からの照射光の焦点が用紙Sの表面に合わせられたときの照射領域をスポットといい、スポットの直径をスポット径という。受光部512は、発光部511から用紙Sに向けて照射された光のうち用紙Sで反射された光を受光し、受光した光量に応じて電流を生成する光電変換素子である。受光部512として、例えば、フォトダイオード、フォトトランジスタ等が挙げられる。また、光学センサー51は、後述の図7Aに示すように、キャリッジ31に取り付けられているため移動方向に移動可能であり、また、ヘッド41よりも搬送方向下流側に取り付けられているためヘッド41により印刷された画像の上を移動することができる。
そして、光学センサー51の受光部512が受光する反射光の量(反射光の強度)は、用紙Sの反射位置における色の濃度によって変動する。従って、用紙Sに印刷された画像に向けて発光部511が光を照射し、その画像からの反射光を受光部512が受光した結果に基づいて、画像の濃度を検出することができる。つまり、光学センサー51を画像の濃度検出器として機能させることができる。
このような構成のプリンター1において、コントローラー10は、キャリッジ31によりヘッド41を移動方向に移動させつつノズルからインクを吐出させる吐出動作と、搬送ユニット20により用紙Sを搬送方向の下流側に搬送する搬送動作と、を交互に繰り返す。その結果、先の吐出動作で形成されたドットの位置とは異なる位置に、後の吐出動作でドットが形成されるため、用紙S上に2次元の画像が印刷される。
===印刷データの作成処理===
図3Aは、印刷データの作成処理を示すフローであり、図3Bは、入力階調値に補正値を対応付けた補正値テーブルを説明する図である。以下、プリンター1に接続されたコンピューター60内のプリンタードライバーに従って、コンピューター60(ハードウェア資源)が印刷データを作成する処理について説明する。
まず、コンピューター60内のコントローラー(不図示)は、各種アプリケーションプログラムからプリンター1に印刷させる画像データを取得し、ユーザーから画像を印刷する用紙のデータを取得する(S001)。ここでは画像を印刷する用紙の種類を「第1用紙S1」とする。次に、コントローラーは解像度変換処理を実施する(S002)。解像度変換処理とは、取得した画像データの解像度をプリンター1が画像を印刷する際の解像度に変換する処理である。次に、コントローラーは色変換処理を実施する(S003)。色変換処理とは、RGBで表される画像データを、プリンター1が吐出可能なインクの色のデータ(KCMYデータ)に変換する処理である。
なお、色変換処理後の画像データは、インクの色毎に、複数の画素データから構成される。画素データは、印刷される画像の画素に関するデータである。ここで、画素とは画像を構成する単位要素であり、この画素が2次元的に並ぶことにより画像が構成される。画像データにおける画素データは、用紙S上に形成されるドットに関するデータ(例えば、階調値)である。ここでは、画素データの示す階調値(以下では、入力階調値という)が256階調の値(0〜255)であるとし、入力階調値が大きい程(255に近い程)対応する画素の濃度が濃く、入力階調値が小さい程(0に近い程)対応する画素の濃度が淡いとする。
次に、コントローラーは、入力階調値補正処理を実施する(S004)。ところで、ヘッド41からのインク吐出量の誤差などにより、プリンター1の個体間で色の出力特性が異なってしまう。また、同一のプリンターであっても、経時変化により色の出力特性が変わってしまうこともある。この色の出力特性差を補正するために、コントローラーは、入力階調値補正処理において、各画素データの示す入力階調値を補正する。その際に、コントローラーは、プリンター1内のメモリー13に記憶された「補正値テーブル(図3B)」を参照する。補正値テーブルでは、画像データの印刷に用いられ得る各入力階調値(0〜255)に対して、その入力階調値の補正値が予め対応付けられている。
なお、補正値テーブルは、後述の濃度キャリブレーション処理(補正値取得処理)において、インクの色毎、及び、用紙Sの種類毎に作成される。濃度キャリブレーション処理では、プリンター1が実際にテストパターンを印刷し、そのテストパターンの読取結果と目標濃度との差に基づいて、入力階調値に対する補正値が求められる。例えば、目標濃度よりも淡い濃度のテストパターンが印刷された場合、ヘッド41からのインク吐出量が増えるように、入力階調値よりも高い階調値が補正値として求められ、目標濃度よりも濃い濃度のテストパターンが印刷された場合、ヘッド41からのインク吐出量が減るように、入力階調値よりも低い階調値が補正値として求められる。
例えば、ブラックの画像データに対して入力階調値補正処理を実施する場合、コントローラーは、印刷に使用する第1用紙S1及びブラックに対応する補正値テーブル(図3B)を参照し、対象となる画素データの示す入力階調値(例:160)を補正値(例:151)に変換する。このように、コントローラーは各色(KCMY)の画像データに属する全画素データに対して、入力階調値を補正する。
次に、コントローラーは、ハーフトーン処理を実施する(S005)。ハーフトーン処理とは、画素データの示す高階調の入力階調値(補正後の値)を、プリンター1で表現可能な低階調の値に変換する処理である。本実施形態のプリンター1は3種類のサイズのドットを形成可能とするため、1画素を4階調で表現することができる。具体的には、「大ドット形成」、「中ドット形成」、「小ドット形成」、「ドットなし」の何れかで1画素を表現することができる。よって、ハーフトーン処理により、画素データの示す256階調の入力階調値が4階調の値に変換される。以下、ハーフトーン処理について具体的に説明する。
図4Aは、ドット生成率テーブルを説明する図であり、図4Bは、大ドットのオンオフ判定を説明する図である。図4Aは、後述の図9に示すドット生成率テーブルをグラフ化した図であり、グラフの横軸は画素データの示す入力階調値(0〜255)を表し、左側の縦軸はドット生成率(0〜100%)を表し、右側の縦軸はドット生成数(0〜4080個)を表す。或る入力階調値iにおけるドット生成率は、用紙S上の単位領域に対応する全画素データがその入力階調値iを示す場合に、その単位領域に属する画素(例:4080個)の中でドットが形成される画素(例:n個)の割合を意味する(例:(n/4080)×100)。同様に、或る入力階調値iに対するドット生成数は、用紙S上の単位領域に対応する全画素データがその入力階調値iを示す場合に、その単位領域に形成されるドットの数を意味する。グラフ内の細い実線SDが小ドットのドット生成率を示し、太い実線MDが中ドットのドット生成率を示し、点線LDが大ドットのドット生成率を示す。なお、ドット生成率テーブルは、媒体に形成されるドットのドットサイズ毎のドット生成率と、ドットサイズ毎のドット生成率に対応付けられた入力階調値とを特定するテーブルに相当し、インクの色毎、及び、用紙Sの種類毎に、プリンター1内のメモリー13(記憶部)に記憶されている。なお、コンピューター60内のメモリーがドット生成率テーブルを記憶してもよい。
図4Bの左側の図は、各画素データの入力階調値に対応する大ドットの生成数を示し、図4Bの中央図は、大ドット用のディザマトリクスの閾値を示し、図4Bの右側の図は、大ドット形成の有無を示す。以下では、ブラックの画像データを例に挙げてハーフトーン処理を説明する。
まず、コントローラーは、印刷に使用する第1用紙S1及びブラックに対応するドット生成率テーブル(図4A)を参照し、処理対象となるブラックの画素データの示す入力階調値(例:127)における大ドットのドット生成数(例:2d)を読み取る。その後、コントローラーは、図4Bに示すように、大ドット用のディザマトリクスにおいて対象の画素データに対応する閾値と、読み取った大ドットのドット生成数とを比較する。大ドットのドット生成数(例:180)の方が閾値(例:1)よりも大きい場合、対象の画素データは「大ドット形成」を示すデータに変換される。
一方、大ドットのドット生成数が閾値以下の場合、コントローラーは、対象の画素データの示す入力階調値(例:127)における中ドットのドット生成数(例:3d)を読み取り、中ドット用のディザマトリクスの閾値と比較する。中ドットのドット生成数の方が閾値よりも大きい場合、対象の画素データは「中ドット形成」を示すデータに変換される。以下同様に、中ドットのドット生成数が閾値以下の場合、コントローラーは、対象の画素データの示す入力階調値(例:127)における小ドットのドット生成数(例:1d)と閾値とを比較する。そして、小ドットのドット生成数が閾値よりも大きい場合、対象の画素データは「小ドット形成」を示すデータに変換され、小ドットのドット生成数が閾値以下の場合、対象の画素データは「ドットなし」を示すデータに変換される。以上のように、コントローラーは各色の画像データに属する全画素データを4階調のデータに変換する。
最後に、コントローラーはラスタライズ処理を実施する(S006)。ラスタライズ処理とは、画像データに属する各画素データをプリンター1に転送すべき順に並べ替える処理である。並べ替えられた画素データは、その他のデータ(例:用紙Sの搬送量データなど)と共に、印刷データとしてプリンター1に送信される。
印刷データを受信したプリンター1は、その印刷データに基づいて第1用紙S1に画像を印刷する。この印刷データでは、濃度キャリブレーション処理で取得された補正値により入力階調値が補正されているため、プリンター1が印刷する画像の濃度を目標濃度に近付けることができ、プリンター1の色再現性を向上させることができる。
===濃度キャリブレーション処理:比較例===
図5A及び図5Bは、比較例の濃度キャリブレーション処理を説明する図である。プリンター1は複数種類の用紙Sに画像を印刷する。また、用紙Sの特性(例えばインク吸収性や発色性)に応じて、ハーフトーン処理で使用するドット生成率テーブルを異ならせている。例えば、図5Aの第1用紙S1用のドット生成率テーブルでは、大ドットのドット生成率LDが比較的に大きいのに対して、図5Bの第2用紙S2用のドット生成率テーブルでは、小ドット及び中ドットのドット生成率SD,MDが比較的に大きい。
比較例の濃度キャリブレーション処理では、各用紙Sに応じたドット生成率テーブルに基づいて、テストパターンの印刷データを作成し、用紙Sの種類毎にテストパターンを印刷する。そのため、比較例のテストパターンでは、3種類のサイズのドット(大ドット,中ドット,小ドット)が混在する。また、同じ入力階調値で印刷されたテストパターンであっても、用紙Sの種類によってドットの構成が異なる。
例えば、第1用紙S1用のドット生成率テーブルで作成された印刷データによるテストパターンP1(図5A)のうち、入力階調値128で印刷された部位p(128)では、3種類のサイズのドットが混在し、大ドットのドット生成率が2D%、中ドットのドット生成率が3D%、小ドットのドット生成率が1D%になる。一方、第2用紙S2用のドット生成率テーブルで作成された印刷データによるテストパターンP2(図5B)のうち、入力階調値128で印刷された部位p(128)では、大ドットが形成されず、中ドットのドット生成率が4D%、小ドットのドット生成率が5D%になる。
このように、用紙Sの種類毎にテストパターンを印刷することで、即ち、各用紙Sのドット生成率テーブルで作成された印刷データによりテストパターンを印刷することで、各用紙Sのドット生成率テーブルに対応した入力階調値の補正値を取得することができる。しかし、プリンター1で使用する用紙Sの種類が増えるに従って、テストパターンの印刷回数や読み取り回数が増えて、濃度キャリブレーション処理が煩雑になってしまう。また、テストパターンを印刷するインクや用紙Sの消費量も増加してしまう。
そこで、本実施形態では、濃度キャリブレーション処理を簡略化することを目的とする。
===濃度キャリブレーション処理:実施例1===
図6は、実施例1における濃度キャリブレーション処理(補正値取得方法)のフローを示す図である。図7Aから図7Cは、テストパターンを説明する図である。濃度キャリブレーション処理では、処理対象となるプリンター1に接続されたコンピューターにインストールされた補正値取得プログラムが、プリンター1及びコンピューター(ハードウェア資源)に、以下で説明する各処理を実施させることによって、補正値テーブル(図3B)が作成される。なお、補正値取得プログラムは、コンピューターが読取可能な記録媒体(例:CD−ROMなど)に記録されていたり、インターネットを介してダウンロード可能であったりする。以下、図6のフローに従って、濃度キャリブレーション処理について説明する。
まず、プリンター1内のコントローラー10(制御部に相当)は、補正値取得プログラムに従って、ヘッド41にテストパターンを印刷させる(S101)。本実施例では、比較例のように用紙Sの種類毎にテストパターンを印刷するのではなく、即ち、各用紙Sのドット生成率テーブルで作成した印刷データによりテストパターンを印刷するのではなく、全ての用紙Sに共通したテストパターンを印刷する。そのために、コントローラー10は、プリンター1に、ドットサイズ毎のテストパターンを印刷させる。具体的には、図7Aに示すように、プリンター1は、各色のインク(KCMY)を吐出するノズル列毎に、小ドットのみから構成される4個のテストパターンK(S),C(S),M(S),Y(S)と、中ドットのみから構成される4個のテストパターンK(M),C(M),M(M),Y(M)と、大ドットのみから構成される4個のテストパターンK(L),C(L),M(L),Y(L)を第1用紙S1に印刷する。
各テストパターンK(S)〜Y(L)は、連続的に入力階調値が変化するグラデーション形式のパターンであり、入力階調値が0から1段階ずつ255まで上がった256個のパッチp(0)〜p(255)が移動方向に並ぶことにより形成されている。従って、各テストパターンK(S)〜Y(L)では、単位面積当たりに吐出されるインク量が徐々に増え、徐々に濃度が濃くなっている。
なお、パッチの搬送方向の幅を光学センサー51のスポット径よりも大きくする。また、余白の影響を受けないように、移動方向の両端に位置するパッチp(0),p(255)では、移動方向の幅も光学センサー51のスポット径よりも大きくする。一方、中間のパッチp(1)〜p(254)では、テストパターンの移動方向における全体の幅が短くなるように、光学センサー51のスポット径よりも移動方向の幅を小さくする。
そして、補正値取得プログラムは、全ての用紙Sに共通したドットサイズ毎のテストパターンを印刷させるために、図7Cに示すドット生成率テーブルを使用して、テストパターンの印刷データをコンピューターに作成させる。図7Cに示すドット生成率テーブルは、3種類のドットに共通したテーブルであり、入力階調値(0〜255)が高くなるにつれて、ドット生成率も線形に比例して大きくなっている。このドット生成率テーブルでは、例えば、入力階調値127におけるドット生成率が50%であるため、小ドットのみから構成されるテストパターンの中の入力階調値127のパッチp(127)では半分の画素に小ドットが形成されている。同様に、中ドットのみから構成されるテストパターンの中の入力階調値127のパッチp(127)では半分の画素に中ドットが形成され、大ドットのみから構成されるテストパターンの中の入力階調値127のパッチp(127)では半分の画素に大ドットが形成されている。
このように本実施例では、用紙Sの種類に関係なく、単位面積当たりに吐出されるインク量が多いパッチ(即ち、大ドットの生成率が100%であるパッチ)まで印刷される。そのため、仮に、単位面積当たりに吐出可能なインク量が小さい用紙S(即ち、インク吸収性の悪い用紙S)にテストパターンK(S)〜Y(L)を印刷してしまうと、インクが滲んだり、用紙Sが波打ったりして、テストパターンK(S)〜Y(L)の濃度を適正に読み取れない虞がある。
そこで、本実施例では、プリンター1が用紙S(媒体)への印刷に用いる複数のドット生成率テーブルのうち(即ち、メモリー13が記憶しているドット生成率テーブルのうち)、単位面積当たりに吐出可能なインク量が最大のドット生成率テーブルを印刷に用いる用紙(ここでは第1用紙S1)に、テストパターンK(S)〜Y(L)を印刷させる。そうすることで、単位面積当たりのインク吐出量が多いパッチを印刷したとしても、インクの滲みや用紙Sの波打ちを抑制することができ、テストパターンの濃度を適正に読み取ることができる。その結果、より精度の良い補正値を求めることができる。
次に、コントローラー10は、第1用紙S1に印刷された12個のテストパターンK(S)〜Y(L)の読取結果を取得する(S102)。本実施例では、キャリッジ31に設けられた光学センサー51(図2B)に、テストパターンK(S)〜Y(L)を読み取らせる。そのため、コントローラー10は、まず、図7Aに示すように、光学センサー51とブラックのテストパターンK(S)〜K(L)の各搬送方向の位置を揃える。そして、コントローラー10は、光学センサー51がブラックのテストパターンK(S)〜K(L)の上を移動するように、キャリッジ31により光学センサー51を移動方向に移動させて、光学センサー51によるブラックのテストパターンK(S)〜K(L)の読取結果を取得する。その後、コントローラー10は、第1用紙S1を搬送方向の下流側に搬送し、光学センサー51による他の色(CMY)のテストパターンの読取結果も取得する。
なお、各テストパターンK(S)〜Y(L)では、移動方向に濃度が変化している。そのため、光学センサー51が各テストパターンの上を移動する間に、光学センサー51内の受光部512が受光する光量が変化する。つまり、コントローラー10は、テストパターン毎に、各テストパターンを構成する256個のパッチp(0)〜p(255)の読取結果、即ち、各パッチp(0)〜p(255)からの反射光量を取得する。
本実施例では、その後、プリンター1内のコントローラー10が各テストパターンK(S)〜Y(L)の読取結果(反射光量)をコンピューターに送信し、コンピューターが各テストパターンの読取結果に基づいて、入力階調値に対する補正値を求める。
コンピューター内のコントローラー(不図示,制御部に相当)は、プリンター1から各テストパターンK(S)〜Y(L)の読取結果を取得すると、まず、取得した読取結果を正規化する(S103)。以下では、説明の簡略のために、ブラックの補正値取得方法を例に挙げて説明する。また、説明のために、小ドットのみで作成されたブラックのテストパターンK(S)を構成する256個のパッチp(0)〜p(255)の読取結果(反射光量)を「AD(0)〜AD(255)」とする。そして、コントローラーは、各入力階調値のパッチp(0)〜p(255)の読取結果AD(0)〜AD(255)を、下記の式(1)により正規化する。式(1)において、「R(j)」が正規化された値、即ち、入力階調値jの濃度を表す濃度値であり、「AD(j)」が処理対象の入力階調値jのパッチp(j)の読取結果であり、「AD(0)」が入力階調値0のパッチp(0)の読取結果であり、「AD(255)」が入力階調値255のパッチp(255)の読取結果である。
なお、最も淡い入力階調値0に対応する濃度値R(0)が「1」となり、最も濃い入力階調値255に対応する濃度値R(255)が「0」となる。また、本実施例では、パッチの濃度が濃いほど、光学センサー51が出力する反射光量AD(j)が小さくなるとする。よって、濃度値R(j)の値が小さいほど濃度が濃いということになる。このように、コントローラーは、ドットサイズ毎、及び、色毎のテストパターンの読取結果を、式(1)により正規化する。
図8Aは、小ドットのみから構成されるブラックのテストパターンK(S)の読取結果を正規化した濃度値Rと目標の濃度値Tとの関係を示すグラフであり、図8Bは、補正階調値テーブルと補正ドット数テーブルを説明する図である。図8Aのグラフの横軸は入力階調値0〜255を表し、縦軸は式(1)から求められた濃度値R(j)を表す。グラフ内の実線RがテストパターンK(S)の読取結果に基づき式(1)から求められた濃度値R(0)〜R(255)を表し、グラフ内の点線Tが各入力階調値の目標の濃度値T(0)〜T(255)を表す。
次に、コントローラーは、濃度値Rと目標の濃度値Tとの関係(図8A)から、ドットサイズ毎に、各入力階調値0〜255に対する補正階調値を取得し、「補正階調値テーブル(図8Bの左図,対応関係に相当)」を作成する(S104)。図示するように、補正階調値テーブルでは、各入力階調値(例:255)に対して、小ドットの補正階調値(例:Hs(255))と、中ドットの補正階調値(例:Hm(255))と、大ドットの補正階調値(例:Hl(255))とが、対応付けられている。
補正階調値テーブルを作成するために、コントローラーは、まず、図8Aのグラフから、処理対象の入力階調値(例:127)における実際の濃度値(例:R(127))が目標の濃度値(例:T(127))と一致しているか否かを確認し、一致している場合には入力階調値が補正階調値となる。一方、実際の濃度値と目標の濃度値が一致していない場合、コントローラーは、目標の濃度値(例:T(127))に一致する実際の濃度値(例:R(122))を図8Aのグラフから読み取り、その実際の濃度値(例:R(122))に対応する入力階調値(例:122)を、処理対象の入力階調値(例:127)の補正階調値に決定する。
そうすることで、例えば、目標の濃度値(例:T(127))よりも濃い濃度(例:R(127))で小ドットのテストパターンを印刷してしまうプリンター1でも、淡く補正された補正階調値(例:122)で小ドットのテストパターンを印刷することで、目標の濃度値(例:T(127))のテストパターンを印刷することができる。
次に、コントローラーは、補正階調値テーブル(図8Bの左図)に基づいて、ドットサイズ毎に、ドット生成率テーブルにおけるドット生成数(ドット生成率)に対する補正ドット数(補正ドット生成率)を取得し、「補正ドット数テーブル(図8Bの右図,第1の対応関係に相当)」を作成する(S105)。つまり、入力階調値0〜255と補正階調値との関係を、ドット生成数(0〜4080個)と補正ドット数との関係に置き換える。図示するように、補正ドット数テーブルでは、各ドット生成数(例:4080)に対して、小ドットの補正ドット数(例:ss(4080))と、中ドットの補正ドット数(例:ms(4080)と、大ドットの補正ドット数(例:ls(4080))とが、対応付けられている。
補正ドット数テーブルを作成するために、コントローラーは、図7Cに示す入力階調値とドット生成率(ドット生成数)との関係、及び、補正階調値テーブルにおける入力階調値と補正階調値との比率から、各入力階調値0〜255に対応するドット生成数の補正ドット数を取得する。なお、入力階調値0〜255に対応しないドット生成数の補正ドット数は線形補間により求める。
図9は、第1用紙S1及びブラックのドット生成率テーブルに基づいて入力階調値に対する補正値を取得する様子を説明する図である。次に、コントローラーは、補正ドット数テーブル(図8Bの右図)に基づいて、各用紙Sのドット生成率テーブルを補正し、大ドット換算値も補正する(S106)。ここでは、第1用紙S1及びブラックのドット生成率テーブルを例に挙げて説明する。なお、図9に示すドット生成率テーブルでは、用紙S上の単位領域(4080画素)に生成される各サイズのドット生成数が各入力階調値に対応付けられている。
また、ドット生成率テーブルでは、各入力階調値0〜255に「大ドット換算値L(0)〜L(255)」が対応付けられている(第2の対応関係に相当)。大ドット換算値Lとは、或る入力階調値において用紙S上の単位領域(4080画素)に生成される3種類のサイズのドットを大ドットに置き換えた数であり、用紙S上の単位領域に吐出されるインク量で形成可能な大ドットの数である。大ドット換算値Lは、下記の式(2)で算出することができる。式(2)おいて、「ss」は小ドットのドット生成数、「ms」は中ドットのドット生成数、「ls」は大ドットのドット生成数、「IS」は小ドットを形成するインク量、「IM」は中ドットを形成するインク量、「IL」は大ドットを形成するインク量を表す。
例えば、小ドットを形成するインク量ISが4pl、中ドットを形成するインク量IMが9pl、大ドットを形成するインク量ILが15.5plであるとし、入力階調値160における小ドット及び中ドットのドット生成数ss,msが1632個であり、大ドットのドット生成数lsが209個であるとする。この場合、入力階調値160における大ドット換算値L(160)は1577.8(=1632×(4/15.5)+1632×(9/15.5)+209)となる。なお、メモリー13がドット生成率と共に大ドット換算値Lを常に記憶するに限らず、濃度キャリブレーション処理の際にコントローラーが大ドット換算値Lを算出するようにしてもよい。
そして、コントローラーは、この第1用紙S1及びブラック用のドット生成率テーブル(図9の上図)におけるドット生成数(ドット生成率)を、補正ドット数テーブル(図8Bの右図)に基づいて補正し、補正ドット生成率テーブル(図9の下図)を作成する。例えば、入力階調値160における小ドットのドット生成数ss1(160)を1632個とすると、コントローラーは、補正ドット数テーブルを参照し、ドット生成数1632個に対応する小ドットの補正ドット数1487個を取得する。そして、図9の下図に示すように、補正ドット生成率テーブルにおいて、入力階調値160に対応する小ドットの補正ドット生成数ss1’(160)を1487個にする。
このように、コントローラーは、各入力階調値に対応する各サイズのドット生成数(ドット生成率)を補正し、補正ドット生成率テーブルを作成する。なお、印刷データが或る入力階調値jを示すときに、その入力階調値jに対応する補正ドット生成数(補正ドット生成率)でプリンター1に画像を印刷させることで、プリンター1が印刷する画像の濃度を目標濃度に近付けることができる。
その後、コントローラーは、各入力階調値に対応する各サイズの補正ドット生成数(図9の下図)に基づいて、式(2)により大ドット換算値の補正値L’(0)〜L’(255)を算出する。例えば、入力階調値160における小ドットの補正ドット生成数が1487個であり、中ドットの補正ドット生成数が1451個であり、大ドットの補正ドット生成数が203個であるとする。この場合、入力階調値160に対する大ドット換算値の補正値L’(160)は、1429.3(=1487×(4/15.5)+1451×(9/15.5)+203)となる。そして、印刷データが入力階調値160を示すときに、この大ドット換算値の補正値L’(160)の数の大ドットが単位領域に形成されるようなドット生成率で、プリンター1に画像を印刷させることで、プリンター1が印刷する画像の濃度を目標濃度に近付けることができる。
そこで、コントローラーは、大ドット換算値の補正値L’に最も近い大ドット換算値Lを、ドット生成率テーブル(図9の上図)から読み取り、その読み取った大ドット換算値Lに対応する入力階調値を補正値に決定する(S107)。例えば、入力階調値160における大ドット換算値の補正値L’(160)(=1429.3)は、入力階調値151における大ドット換算値L(151)(=1426.8)に最も近い。この場合、入力階調値160の補正値は151に決定される。そして、印刷データが入力階調値160を示すときに、この補正値151でプリンター1に画像を印刷させることで、大ドット換算値の補正値L’(160)の数の大ドットが単位領域に形成されるようなドット生成率でプリンター1に画像を印刷させることができ、プリンター1が印刷する画像の濃度を目標濃度に近付けることができる。
以上のように、コントローラーは、各入力階調値0〜255に対応する大ドット換算値の補正値L’(0)〜L’(160)、及び、ドット生成率テーブルに基づいて、各入力階調値0〜255に対応する補正値を決定する。そうして、図3Bに示すように、第1用紙S1及びブラックに対応する補正値テーブルを作成する。コントローラーは、他の用紙Sに関しても、各用紙Sに対応したドット生成率テーブル(図9の上図)、及び、全ての用紙Sに共通した補正ドット数テーブル(図8Bの右図)に基づいて、補正値テーブルを作成する。また、コントローラーは他の色に関しても補正値テーブルを作成する。
最後に、コンピューター側のコントローラーは、作成した補正値テーブル(図3B)をプリンター1に送信する。そして、補正値テーブルを受信したプリンター1側のコントローラー10は、メモリー13に補正値テーブルを記憶させる(S108)。こうして濃度キャリブレーション処理が終了する。
以上、本実施例の濃度キャリブレーション処理をまとめると、まず、プリンター1が、各用紙Sに共通したテストパターンK(S)〜Y(L)をドットサイズ毎に第1用紙S1(第1の媒体)に印刷する。そして、コンピューター側のコントローラーが、そのテストパターンの読取結果に基づいて、ドットサイズ毎に、各入力階調値0〜255と補正階調値とを対応付けた補正階調値テーブル(図8Bの左図,対応関係に相当)を取得する。そして、コントローラーは、その補正階調値テーブルと第1用紙S1のドット生成率テーブルに基づいて、第1用紙S1に画像を印刷するための入力階調値の補正値を取得し、また、その補正階調値テーブルと他の用紙(第2の媒体)のドット生成率テーブルに基づいて、他の用紙に画像を印刷するための入力階調値の補正値も取得する。
つまり、本実施例のプリンター1は、第1用紙S1への印刷に用いるドット生成率テーブルと、テストパターンの読取結果に基づいて補正された入力階調値とに基づいて、印刷データの印刷を第1用紙S1へ行い、第1用紙S1とは異なる第2用紙S2への印刷に用いるドット生成率テーブルと、テストパターンの読取結果に基づいて補正された入力階調値とに基づいて、印刷データの印刷を第2用紙S2へ行う。具体的には、プリンター1は、補正階調値テーブルに基づいて入力階調値に対応する補正階調値を取得し、ドット生成率テーブルに基づいて補正階調値から特定されるドット生成率をドットサイズ毎に取得し、そのドットサイズ毎のドット生成率に基づいて印刷を行う。
そのため、本実施例では、比較例のように用紙Sの種類毎にテストパターンを印刷しなくても、即ち、各用紙Sのドット生成率テーブルで作成した印刷データによりテストパターンを印刷しなくても、各用紙Sのドット生成率テーブルに対応した入力階調値の補正値を求めることができる。従って、用紙Sの種類毎にテストパターンを印刷する必要がなくなり、テストパターンの印刷回数や読み取り回数を減らすことができるため、濃度キャリブレーション処理を簡略化することができる。また、テストパターンを印刷するインクや用紙Sの消費量を削減することができる。
また、本実施例では、コンピューター側のコントローラーが、補正階調値テーブル(図8Bの左図)に基づいて、ドットサイズ毎に、ドット生成率テーブルにおけるドット生成数(ドット生成率)と補正ドット数(補正ドット生成率)とを対応付けた補正ドット数テーブル(図8Bの右図,第1の対応関係に相当)を取得する。また、コントローラーは、各用紙Sのドット生成率テーブル(図9の上図)に基づいて、各入力階調値と、大ドット換算値L(各入力階調値における各サイズのドット生成率を大ドットのドット生成率に変換した値)と、を対応付けた関係(第2の対応関係に相当)を取得する。そして、コントローラーは、各用紙Sのドット生成率テーブルと補正ドット数テーブルに基づいて、或る入力階調値jにおける各サイズのドット生成数(ドット生成率)を補正ドット生成数(補正ドット生成率)に補正した後に、大ドット換算値の補正値L’(各サイズの補正ドット生成率を大ドットのドット生成率に変換した値)を取得し、大ドット換算値の補正値L’に最も近い大ドット換算値Lをドット生成率テーブル(第2の対応関係)から選択し、選択した大ドット換算値Lに対応する入力階調値を、その入力階調値jの補正値とする。
そうすることで、各入力階調値に対するドットサイズ毎の補正階調値から(即ち、補正階調値テーブルから)、各用紙Sのドット生成率テーブルに対応した入力階調値の補正値を求めることができる。
===濃度キャリブレーション処理:実施例2===
図10は、実施例2における濃度キャリブレーション処理を説明する図である。実施例2でも、実施例1と同様に、各用紙Sに共通したテストパターンをドットサイズ毎に印刷し、そのテストパターンの読取結果に基づいて、ドットサイズ毎に、入力階調値と補正階調値を対応付けた「補正階調値テーブル(図10の左図)」を取得する。その後、実施例2では、コンピューター側のコントローラーが、補正階調値テーブルと各用紙Sのドット生成率テーブルに基づいて、ある入力階調値jにおける各ドットサイズの補正階調値を、その入力階調値jにおける総ドット生成数(総ドット生成率)と各サイズのドット生成数(ドット生成率)との比で加重平均した値を求め、その加重平均した値を入力階調値jの補正値とする。
具体的には、コントローラーは、下記の式(3)により、各入力階調値の補正値Gを算出する。式(3)おいて、「ss」は小ドットのドット生成数、「ms」は中ドットのドット生成数、「ls」は大ドットのドット生成数、「Hs」は小ドットの補正階調値、「Hm」は中ドットの補正階調値、「Hl」は大ドットの補正階調値を表す。
例えば、補正階調値テーブルにおいて、入力階調値100における小ドットの補正階調値が107であり、中ドットの補正階調値が108であり、大ドットの補正階調値が109であったとする。また、第1用紙S1のドット生成率テーブルにおいて、入力階調値100における小ドットのドット生成数が55であり、中ドットのドット生成数が120であり、大ドットのドット生成数が549であったとする。この場合、コントローラーは、入力階調値100の補正値Gを109(=(55×107+120×108+549×109)/(55+120+549)=108.68…)に決定する。
この場合にも、各入力階調値に対するドットサイズ毎の補正階調値から(即ち、補正階調値テーブルから)、各用紙Sのドット生成率テーブルに対応した入力階調値の補正値Gを求めることができる。
なお、各入力階調値の補正値Gの求め方は上記の方法に限らない。例えば、下記の式(4)のように、各サイズのドット生成数(ドット生成率)に加えて、各サイズのドットを形成するインク量も考慮して、加重平均してもよい。式(4)において、「IS」は小ドットを形成するインク量、「IM」は中ドットを形成するインク量、「IL」は大ドットを形成するインク量を表す。
例えば、小ドットを形成するインク量が4pl、中ドットを形成するインク量が9pl、大ドットを形成するインク量が15.5plであるとする。この場合、コントローラーは、入力階調値100の補正値Gを109(=(55×4×107+120×9×108+549×15.5×109)/(55×4+120×9+549×15.5)=108.84)に決定する。
また、各入力階調値に対するドットサイズ毎の補正階調値を単純平均した値を、各入力階調値の補正値Gとしてもよい。この場合、例えば、入力階調値100の補正値Gは、108(=(107+108+109)/3)に決定される。
===濃度キャリブレーション処理:実施例3===
図11A及び図11Bは、実施例3における濃度キャリブレーション処理を説明する図である。同じ用紙S1に画像を印刷する印刷データを作成するときであっても、プリンター1で設定されている印刷モードに応じて、異なるドット生成率テーブルを使用する場合がある。例えば、写真等の画像を印刷する写真モード(第1のモードに相当)が設定されている場合、3種類のサイズのドットが生成され、高い入力階調値では小ドットが生成されないドット生成率テーブル(第1のテーブルに相当)が使用されるとする。一方、設計図を印刷する設計図モード(第2のモードに相当)が設定されている場合、大ドットが生成されず、その代わりに高い入力階調値でも小ドットが生成されるドット生成率テーブル(第2のテーブルに相当)が使用されるとする。
この場合、写真モード用のドット生成率テーブルに対応した補正値を取得するためには、3種類のドットサイズのテストパターンを印刷する必要があるが、小ドットのテストパターンでは高い入力階調値のパッチまで印刷する必要がない。一方、設計図モード用のドット生成率テーブルに対応した補正値を取得するためには、小ドットと中ドットのテストパターンだけを印刷すればよいが、小ドットのテストパターンでも高い入力階調値のパッチまで印刷する必要がある。それにも拘らず、仮に、印刷モードに関係なく、テストパターンの構成を共通にしてしまうと、高い入力階調値のパッチが不要に印刷されたり、大ドットのテストパターンが不要に印刷されたりしてしまう。その結果、テストパターンを印刷する用紙やインクが無駄に消費されてしまう。
そこで、実施例3では、プリンター1の製造工程やユーザーの元で濃度キャリブレーション処理を実施する際に、コンピューター側(又はプリンター1側)のコントローラーが、処理対象のプリンター1において、写真モードが設定されているのか、それとも設計図モードが設定されているのかを判断する。そして、設定されているモードに応じて、テストパターンの構成を異ならせる。具体的には、テストパターンを印刷するための入力階調値の上限値や間隔(刻み)を異ならせる。なお、前述の実施例1(図7)では全入力階調値のパッチp(0)〜p(255)から構成されるテストパターンを例に挙げているが、実施例3では、所定数おきの入力階調値のパッチから構成されるテストパターンを例に挙げる。
例えば、写真モードが設定されている場合(図11A)、コントローラーは、3種類のドットサイズのテストパターンを印刷する。そして、中ドット及び大ドットのテストパターン(例:K(M),K(L))では、入力階調値の間隔を16とし、入力階調値の上限値を255とする。具体的には、入力階調値0のパッチp(0)、入力階調値16のパッチp(16)、入力階調値32のパッチp(32)等が順に並び、入力階調値255のパッチp(255)まで印刷される。一方、小ドットのテストパターン(例:K(S))では、高い入力階調値のパッチを印刷する必要がないため、入力階調値の間隔を12とし、入力階調値の上限値を192とする。具体的には、入力階調値0のパッチp(0)、入力階調値12のパッチp(12)、入力階調値24のパッチp(24)等が順に並び、入力階調値192のパッチp(192)まで印刷される。
これに対して、設計図モードが設定されている場合(図11B)、コントローラーは、小ドットと中ドットのテストパターンだけを印刷する。そのため、写真モードの時と同じサイズの用紙S1にテストパターンを印刷するのであれば、各テストパターンの移動方向の長さを長くすることができる。また、設計図モードでは、小ドットのテストパターンでも、高い入力階調値のパッチまで印刷する必要がある。そのため、小ドット及び中ドットの各テストパターンにおいて、入力階調値の間隔を9とし、入力階調値の上限値を255とする。具体的には、入力階調値0のパッチp(0)、入力階調値9のパッチp(9)、入力階調値18のパッチp(18)等が順に並び、入力階調値255のパッチp(255)まで印刷される。
このように、テストパターンを印刷するためのドットサイズごとの入力階調値の上限値と、ドットサイズ毎の入力階調値の間隔とのうちの少なくともいずれかを異ならせる。そうして、印刷モードに応じてテストパターンの構成を異ならせることで、不要なドットサイズのテストパターンや不要な入力階調値のパッチを印刷することがなくなる。そのため、用紙やインクの無駄な消費を抑えることができる。また、不要なテストパターンやパッチを印刷しない代わりに、入力階調値の間隔を小さくすることができる。即ち、より多くの入力階調値に対する読取結果を取得することができるため、より精度のよい補正値を求めることができる。
そのため、プリンター1の製造時には、例えば、第1用紙S1への印刷に写真モード用のドット生成率テーブルを用いる第1のプリンターを製造する場合、第1のプリンターによりドットサイズ毎のテストパターンを第1用紙S1へ印刷し、第1のプリンターにより印刷されたテストパターンの読取結果に基づいて、第1のプリンターで用いられる媒体ごとのドット生成率テーブルを補正する。一方、第1用紙S1への印刷に設計図モード用のドット生成率テーブルを用いる第2のプリンターを製造する場合、第2のプリンターによりドットサイズ毎のテストパターンを第1用紙S1へ印刷し、第2のプリンターにより印刷されたテストパターンの読取結果に基づいて、第2のプリンター1で用いられる媒体ごとのドット生成率テーブルを補正する。このときに、第1のプリンターに印刷させるテストパターンと、第2のプリンターに印刷させるテストパターンとでは、ドットサイズ毎の入力階調値の上限値と間隔のうちの少なくともいずれかを異ならせる。
===変形例===
<変形例1>
上記の実施形態では、キャリッジ31に設けられた光学センサー51がテストパターンに光を照射し、その反射光量によりテストパターンの濃度を検出しているが、これに限らない。例えば、プリンター1と光学センサーを別体のものにしてもよい。また、例えば、測色器によりテストパターンの色彩値を取得し、取得した色彩値と目標の色彩値との差に基づいて、入力階調値の補正値を求めてもよい。
<変形例2>
上記の実施形態では、連続的に入力階調値が変化するグラデーション形式のテストパターンを印刷しているが(即ち、全入力階調値のパッチp(0)〜p(255)から構成されるテストパターンを印刷しているが)、これに限らない。例えば、入力階調値0〜255の中の一部の入力階調値のパッチから構成されるテストパターンでもよい。また、各パッチが移動方向に離れていてもよい。
<変形例3>
上記の実施形態では、プリンター1側のコントローラー10とコンピューター側のコントローラーが制御部に相当し、プリンター1とコンピューターが接続された印刷システムが印刷装置に相当する。ただし、これに限らず、コンピューター側の処理をプリンター1側のコントローラー10が実施してもよく、この場合、プリンター1単体が印刷装置に相当する。
<変形例4>
上記の実施形態では、ヘッド41が移動方向に移動しながらインクを吐出する動作と、用紙Sが搬送方向に搬送される動作とが繰り返されるプリンター1を例に挙げているが、これに限らない。例えば、用紙Sの幅方向にノズルが並んだ固定されたヘッドの下を、幅方向と交差する方向に用紙Sが通過する際に、ヘッドから用紙Sに向けてインクを吐出するプリンターでもよい。このようなプリンターにおいて光学センサー51もヘッドと同様に用紙と対向する位置に設けられている場合、テストパターンの入力階調値を搬送方向に沿って変化させるとよい。また、例えば、印刷領域に搬送された用紙Sに対して、ヘッドをX方向に移動しながら画像を印刷する動作と、ヘッドをY方向に移動する動作と、を繰り返して画像を印刷し、その後、未だ画像が印刷されていない用紙Sの部位を印刷領域に搬送するプリンターでもよい。
<変形例5>
上記の実施形態(実施例3)では、テストパターンを印刷するためのドットサイズごとの入力階調値の上限値とドットサイズ毎の入力階調値の間隔とのうちの少なくともいずれかを、同一のプリンターにて異ならせたが、プリンター毎に異ならせてもよい。具体的には、同一の用紙Sに対して異なるドット生成率テーブルを用いるプリンター間(例えば、第1のテーブルを用いる第1の印刷装置と第2のテーブルを用いる第2の印刷装置間)において、テストパターンのこれらの構成を異ならせてもよい。この場合であっても、それぞれのプリンターにおいて、第1用紙S1に印刷したテストパターンにより取得した補正階調値テーブルと、第1用紙S1のドット生成率テーブルに基づいて、第1用紙S1に画像を印刷するための入力階調値の補正値を取得し、また、その補正階調値テーブルと他の用紙(第2の媒体に相当)のドット生成率テーブルに基づいて、他の用紙に画像を印刷するための入力階調値の補正値も取得する。
<変形例6>
上記の実施形態では、プリンター1に接続されたコンピューターが、図3Aに示す印刷データの作成処理を実施しているが、これに限らず、プリンター1が印刷データの作成処理を実施してもよく、プリンター1が、例えば、色変換処理や入力階調値補正処理やハーフトーン処理を実施してもよい。また、プリンター1が図6等に示す補正値算出処理を実施するに限らず、コンピューターが補正値算出処理を実施してもよい。また、図3Bに示す補正値テーブルを、プリンター1内のメモリー13が記憶するに限らず、コンピューター側のメモリーが記憶してもよいし、プリンタードライバーと共に記憶媒体に記憶されていたり、インターネットを介してダウンロード可能なようにしたりしてもよい。また、各媒体への印刷に用いるドット生成率テーブルと、ドットサイズ毎のテストパターンの読取結果に基づいて補正された入力階調値と、に基づいて、印刷データの印刷を行うのは、プリンター1に限らず、コンピューターでもよい。
以上、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。
1 プリンター、10 コントローラー、11 インターフェース部、
12 CPU、13 メモリー、14 ユニット制御回路、
20 搬送ユニット、30 キャリッジユニット、31 キャリッジ、
40 ヘッドユニット、41 ヘッド、
50 検出器群、51 光学センサー、511 発光部、512 受光部、
60 コンピューター

Claims (7)

  1. 媒体に形成されるドットのドットサイズ毎のドット生成率と、ドットサイズ毎のドット生成率に対応付けられた入力階調値とを特定するドット生成率テーブルに基づいて、印刷データの印刷を媒体へ行う印刷装置であって、
    媒体に向けてインクを吐出し、前記媒体に複数サイズの前記ドットを形成するヘッドと、
    前記ヘッドからインクを吐出させて印刷を行うための制御部とを備え、
    前記制御部は、
    ドットサイズ毎のテストパターンを第1の媒体へ印刷し、
    第1の媒体への印刷データの印刷に際しては、第1の媒体に印刷した前記テストパターンの読取結果に基づいて補正された入力階調値(G)、第1の媒体への印刷に用いる第1のドット生成率テーブルとに基づいて、印刷を実行し、
    第1の媒体とは異なる第2の媒体への印刷に際しては、第1の媒体に印刷した前記テストパターンの読取結果に基づいて補正された入力階調値(G)第2の媒体への印刷に用いる第2のドット生成率テーブルとに基づいて、印刷を実行する
    とを特徴とする印刷装置。
  2. 請求項1に記載の印刷装置であって、
    前記制御部は、
    第1の媒体に印刷された前記テストパターンの読取結果に基づいて、補正前の入力階調値と、第1の媒体におけるドットサイズ毎の補正階調値とを対応づけた補正階調値テーブルを格納し
    第1の媒体における前記補正階調値テーブルを用いて、補正前の入力階調値に対応する、補正された入力階調値(G)を取得し、
    印刷を行おうとする媒体用のドット生成率テーブルに基づいて、前記補正された入力階調値(G)から特定されるドット生成率をドットサイズ毎に取得し、
    取得した前記ドットサイズ毎のット生成率に基づいて、前記媒体への印刷を行う、
    ことを特徴とする印刷装置。
  3. 請求項2に記載の印刷装置であって、
    前記制御部は、
    前記補正階調値テーブルに基づいて、前記第1のドット生成率テーブルにおけるドットサイズ毎のドット生成率を、ドットサイズ毎の補正ドット生成率に補正するとともに、上記補正されたドットサイズ毎の補正ドット生成率を特定のドットサイズのドット生成率に変換して、第1の対応関係を取得し、
    第2の媒体用の第2のドット生成率テーブルにおいて、ドットサイズ毎のドット生成率を特定のドットサイズのドット生成率に変換して、第2の対応関係を取得し、
    上記第1の対応関係は、各入力階調値と、第1の媒体における特定のドットサイズのドット生成率との対応を示すものであり、
    上記第2の対応関係は、各入力階調値と、第2の媒体における特定のドットサイズのドット生成率との対応を示すものであり、
    第2の媒体への印刷における補正された入力階調値(G)の決定は、前記制御部が下記(ア)〜(ウ)の手順により行うことを特徴とする、印刷装置
    (ア)第1の対応関係を用いて、補正前の入力階調値に対応する、第1の媒体における特定のドットサイズのドット生成率を取得する。
    (イ)上記取得された第1の媒体における特定のドットサイズのドット生成率に対して、第2の対応関係において、最も近い第2の媒体における特定のドットサイズのドット生成率を選択する。
    (ウ)上記選択された第2の媒体における特定のドットサイズのドット生成率に対して、第2の対応関係において対応する入力階調値を、補正された入力階調値(G)として選択する。
  4. 請求項2に記載の印刷装置であって、
    前記制御部は、
    各入力階調値に対して、前記補正階調値テーブルにおける各ドットサイズの補正階調値を、前記第1の媒体に対する前記第1のドット生成率テーブルにおける各サイズのドット生成率比で加重平均した値を求め、補正された入力階調値(G)とする、
    ことを特徴とする印刷装置。
  5. 請求項1から請求項4の何れか1項に記載の印刷装置であって、
    前記第1の媒体は、媒体への印刷に用いるドット生成率テーブルとして、単位面積当たりに吐出可能なインク量が最大のドット生成率テーブルを印刷に用いる媒体である、
    ことを特徴とする印刷装置。
  6. 請求項1から請求項5の何れか1項に記載の印刷装置であって、
    前記制御部は、前記第1の媒体への印刷に用いる第1のドット生成率テーブルが第1のテーブルである第1のモードと、第2のテーブルである第2のモードとのそれぞれにおいて、前記ヘッドからインクを吐出させて印刷が可能であり
    前記テストパターンは、前記第1のモードが設定されているのか、前記第2のモードが設定されているのかに応じて、ドットサイズ毎の前記入力階調値の上限値と、ドットサイズ毎の前記入力階調値の間隔とのうちの少なくともいずれかを異ならせて印刷される、
    ことを特徴とする印刷装置。
  7. 媒体に形成されるドットのドットサイズ毎のドット生成率と、ドットサイズ毎のドット生成率に対応付けられた入力階調値とを特定するドット生成率テーブルに基づいて、印刷データの印刷を媒体へ行う印刷方法であって、
    ヘッドから媒体に向けてインクを吐出し、前記媒体に複数サイズの前記ドットを形成して印刷を行う際に、
    ドットサイズ毎のテストパターンを第1の媒体へ印刷し、
    第1の媒体への印刷データの印刷に際しては、第1の媒体に印刷した前記テストパターンの読取結果に基づいて補正された入力階調値(G)、第1の媒体への印刷に用いる第1のドット生成率テーブルとに基づいて、印刷を実行し、
    第1の媒体とは異なる第2の媒体への印刷に際しては、第1の媒体に印刷した前記テストパターンの読取結果に基づいて補正された入力階調値(G)第2の媒体への印刷に用いる第2のドット生成率テーブルとに基づいて、印刷を実行する
    とを特徴とする印刷方法。
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