JP2007055012A - インク補正係数取得装置、インク補正係数取得方法、インク補正係数取得プログラム、色補正装置、色補正方法および色補正プログラム - Google Patents

インク補正係数取得装置、インク補正係数取得方法、インク補正係数取得プログラム、色補正装置、色補正方法および色補正プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】各駆動信号生成回路における駆動誤差によって色ずれが生じていた。
【解決手段】吐出するドットのインク量とドットの基準インク量とのずれを示すIDを所定の記録領域に記録した印刷ヘッドと、駆動パルスを含む駆動信号をそれぞれに生成して印刷ヘッドに供給可能な複数の駆動信号生成回路とを備え、駆動信号生成回路から所定波形の駆動信号を印刷ヘッドに供給させることにより印刷ヘッドに所定サイズのドットを吐出させて上記IDが示すインク量のずれを補償した状態のパッチを印刷するパッチ出力手段と、パッチを測色するとともに当該測色にて取得した測色値と所定の標準値とを比較することにより、駆動信号生成回路の駆動誤差に起因するインク量のずれに対応した補正係数を各駆動信号生成回路毎に算出する補正係数算出手段とを備えた。
【選択図】図5

Description

本発明は、インク補正係数取得装置、インク補正係数取得方法、インク補正係数取得プログラム、色補正装置、色補正方法および色補正プログラムに関する。
従来より、カラー印刷装置にて用いるインク種類(例えば、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロ(Y)、ブラック(K))に対応した印刷ヘッド毎に、吐出するインク重量のずれに対応したIDを取得し、印刷時にはこのIDを用いて印刷用色画像データを修正する技術が知られている(例えば、特許文献1)。
特開平10‐278360号公報
上記の従来技術等においては、印刷ヘッドの記録領域に書き込むIDは、印刷ヘッド単体でのインク吐出性能に基づいて決定されていた。しかし、実際に印刷を行うに際しては、印刷ヘッドは、デジタル・アナログ・コンバータ(DAC)回路と呼ばれる駆動信号生成回路から駆動信号の供給を受け、かかる駆動信号に応じて駆動し所定サイズのドットを吐出させる。また、上記駆動信号生成回路においても、各製品毎に細かい駆動誤差が存在し、発生させる駆動信号の波形にばらつきが生じている。
つまり、従来のように印刷ヘッド単体でのインク吐出性能を反映した上記IDだけを考慮して画像データの修正を行っても、かかる修正には駆動信号生成回路のばらつきが反映されておらず、結果として正確な色補正ができているとは言い難かった。
また、駆動信号生成回路を複数備え、各駆動信号生成回路が発する駆動パルスの組合わせによって複数種類のサイズのドットを吐出可能とした印刷装置が存在する。
かかる印刷装置では、駆動信号生成回路が複数であるが故に、各駆動信号生成回路における駆動誤差の特性もそれぞれ異なり、各駆動信号生成回路毎のばらつきを考慮しないまま印刷処理を実行すると、正確な色再現は非常に困難となる。
本発明は上記課題に鑑みてなされたもので、特に、駆動信号生成回路を複数備える場合に、印刷画像を表現するデータを色補正するために必要な情報を正確に取得し、印刷画像における良好な色再現性を実現することが可能なインク補正係数取得装置、インク補正係数取得方法、インク補正係数取得プログラム、色補正装置、色補正方法および色補正プログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明にかかるインク補正係数取得装置においては、パッチ出力手段は、吐出するドットのインク量とドットの基準インク量とのずれを示すIDを所定の記録領域に記録した印刷ヘッドと、駆動パルスを含む駆動信号をそれぞれに生成して印刷ヘッドに供給可能な複数の駆動信号生成回路とを備えている。そして、駆動信号生成回路から所定波形の駆動信号を印刷ヘッドに供給させることにより、印刷ヘッドに所定サイズのドットを吐出させ、パッチを印刷する。このとき印刷するパッチは、上記IDが示すインク量のずれを補償した状態である。具体的には、パッチの印刷に際して、パッチ画像を表現するパッチ画像データの濃度を上記IDに応じて補正し、この補正後のパッチ画像データに基づいて上記駆動信号生成回路を駆動させる。
ここで、上記パッチは、印刷ヘッド単体でのインク吐出量のずれを補償した濃度にて印刷されてはいるが、駆動信号生成回路が潜在的に有している駆動誤差に起因するインク量のずれまでを補償した濃度とはなっていない。そこで、補正係数算出手段は、上記印刷したパッチを測色するとともに、当該測色にて取得した測色値と所定の標準値とを比較することにより、駆動信号生成回路の駆動誤差に起因するインク量のずれに対応した補正係数を各駆動信号生成回路毎に算出する。
このように本発明によれば、複数の駆動信号生成回路毎に、その駆動誤差に起因するインク量のずれを表す補正係数を取得できる。そのため、かかる補正係数を用いることで、複数の駆動信号生成回路を用いて印刷ヘッドを駆動する場合に、印刷画像において良好な色再現性を実現することが可能となる。
本発明の具体的構成として、上記パッチは、各駆動信号生成回路に対応して印刷され、各パッチはそれぞれに単独の駆動信号生成回路が生成した駆動信号のみを印刷ヘッドに供給することにより印刷されたものとしてもよい。
複数の駆動信号生成回路を有する場合、各回路にて所定のタイミングでそれぞれ駆動パルスを発生させることで印刷ヘッドからあるサイズのドットを吐出させることが可能である。しかし、測色の対象となる上記パッチを印刷する場合には、一つのパッチについて一つの駆動信号生成回路を用いてを印刷する。その結果、パッチの測色結果に基づいて、当該パッチの印刷に用いた駆動信号生成回路における駆動誤差に起因するインク量のずれに対応した補正係数を確実に算出することができる。
ここで、上記IDおよび補正係数を具体的に利用する場合、次のような発明を把握することが可能である。
すなわち、上記したインク補正係数取得装置を利用する色補正装置であって、上記IDおよび補正係数を用いることにより画像を印刷するためのインク記録量を規定したインクデータを補正するインクデータ補正手段を備える構成とすることができる。印刷ヘッドのIDのみならず、印刷ヘッドに駆動信号を供給する駆動信号生成回路毎のばらつきを示す補正係数をも用いてインクデータを補正することで、印刷結果において、インクデータが本来意図する色を確実に再現することが可能となる。
より具体的には、上記インクデータ補正手段は、インクデータをその濃度に応じてドットサイズの異なる複数のドット種類毎のインクデータに振り分けるドット振分テーブルにおける振り分け規則を、上記IDおよび補正係数を用いて変更することにより上記インクデータの補正を実現するとしてもよい。各駆動信号生成回路は、ドット振分テーブルによる振り分け処理後のインクデータに基づいて、各サイズのドットを吐出させる駆動信号を生成するため、上記変更を行うことにより、駆動信号生成回路および印刷ヘッドにおけるばらつきを補償した印刷結果を得ることができる。
さらに、上記パッチ出力手段は、インク種類に対応した複数の印刷ヘッドのうち一つの印刷ヘッドのみを用いて上記パッチを印刷するとしても良い。これは、印刷ヘッドが複数ある場合でも、各駆動信号生成回路はそれぞれに各印刷ヘッドに対して駆動信号を供給することが可能だからである。つまり、いずれか一つの印刷ヘッドを用いて印刷したパッチの測色結果と標準値との比較によって、駆動信号生成回路の駆動誤差に起因するインク量のずれに対応した補正係数を算出でき、このように算出した補正係数は、各インク種類毎(各印刷ヘッド毎)に対応するインクデータの補正に適用できる。
そこで、上記インクデータ補正手段は、インク種類毎のインクデータを補正する際、パッチの印刷に用いた印刷ヘッドに対応するインクデータについては、上記補正係数およびパッチの印刷に用いた印刷ヘッドのIDを用いて補正することになる。また、パッチの印刷に用いた印刷ヘッド以外の印刷ヘッドに対応するインクデータについて補正する場合は、上記補正係数およびパッチの印刷に用いた印刷ヘッド以外の印刷ヘッドのIDを用いることとなる。
上述したインク補正係数取得装置にかかる技術的思想は、その方法の発明としても把握でき、請求項6にかかる発明は、上記インク補正係数取得装置と同様の作用及び効果を発揮する。同様に、インク補正係数取得装置にかかる技術的思想は、その手順をコンピュータに実行させるインク補正係数取得プログラムの発明として把握することもでき、請求項7にかかる発明も、上記インク補正係数取得装置と同様の作用、効果を有する。
むろん、上述の色補正装置にかかる技術的思想についても、それぞれ方法の発明、プログラムの発明として把握することができ、請求項8,9にかかる発明も、上記色補正装置と同様の作用、効果を有する。
下記の順序に従って本発明の実施形態を説明する。
(1)本発明の概略構成
(2)補正係数の算出処理
(3)インクデータ補正処理
(4)まとめ
(1)本発明の概略構成
図1は、本発明にかかるインク補正係数取得装置および色補正装置に対応するコンピュータ10とプリンタ20とを示している。
コンピュータ10では、演算処理の中枢をなすCPU11がシステムバス10aを介してコンピュータ10全体を制御する。同バス10aには、書き換え不可能な半導体メモリであるROM12、書き換え可能な半導体メモリであるRAM13、CD−ROMドライブ15、フレキシブルディスク(FD)ドライブ16、各種インターフェイス(I/F)17a〜17e等が接続され、ハードディスクドライブを介して磁気ディスクであるハードディスク(HD)14も接続されている。
HD14にはオペレーティングシステム(OS)やアプリケーションプログラム(APL)等が記憶されており、これらはCPU11によって適宜RAM13に転送され、実行される。本実施形態では、HD14は、本発明のインク補正係数取得プログラム、色補正プログラム、プリンタ20から取得したカラー調整ID(以下、単にIDと言う。)14a、複数の色修正データ14b、色変換ルックアップテーブル(LUT)、ドット振分テーブル14d、色成分変換テーブルTB等を記憶した所定の記憶領域とされている。
I/F17a(例えばUSB I/F)には、測色機40を接続する。測色機40は、測色する対象に色検出部40aを向けることにより、国際照明委員会(CIE)で規定されたL***表色系に基づく複数の色成分L*,a*,b*を色成分量(色彩値)として取得可能であり、取得した色成分量をコンピュータ10に出力可能である。ここで、L***色空間はデバイスに依存しない均等色空間である。むろん、測色する色空間は、CIE規定のL***色空間、CIE規定のXYZ色空間、RGB色空間等であってもよい。以下、「*」は省略して説明する。
I/F17bにはカラー画像データに基づいて当該データに対応する画像を表示するディスプレイ18aが接続され、入力I/F17cにはキーボード18bやマウス18cが操作用入力機器として接続され、プリンタI/F17eには例えばシリアルI/Fケーブルを介してプリンタ20が接続されている。
プリンタ20は量産対象となるプリンタであり、本実施形態ではC,M,Y,Kの各色に対応してそれぞれ設けられた4個のインクカートリッジ28に充填された4種類のインクを印刷ヘッド29a〜29dから吐出して、印刷用紙(印刷媒体)にインクを付着させてドットを形成することにより印刷データに対応する印刷画像を印刷する。むろん、ライトシアン、ライトマゼンタ、ライトブラック、ダークイエロー、レッド、バイオレット、無着色インク等を使用するプリンタを採用してもよいし、インク種類数も限られない。また、インク通路内に泡を発生させてインクを吐出するバブル方式のプリンタや、トナーインクを使用して印刷用紙上に印刷画像を印刷するレーザープリンタ等、種々の印刷装置を採用可能である。印刷装置が使用するインクは、液体でも固体でもよい。プリンタ20では、CPU21、ROM22、RAM23、通信I/O24、コントロールIC25、ASIC26、I/F27、等がバス20aを介して接続され、CPU21がROM22に書き込まれたプログラムに従って各部を制御する。
キャリッジ機構27aにて主走査方向に往復動するキャリッジには、各インクカートリッジ28が装着されているとともに、印刷ヘッドユニット(印刷ヘッドの集合体)29が搭載されている。当該ユニット29は、インク種類毎に設けられた印刷ヘッド29a〜29dと不揮発性半導体メモリ31を備えている。このメモリ31は、EEPROM等とすることができ、コンピュータ10の側でインクデータを修正するために用いられるID等が記録される。各カートリッジ28には、例えばRAMからなるメモリチップ28aがそれぞれ設けられており、各メモリチップ28aは電気的にコントロールIC25と接続されている。
通信I/O24はコンピュータ10のプリンタI/F17eと接続され、プリンタ20は通信I/O24を介してコンピュータ10から送信される色別のラスタデータを受信する。ASIC26は、CPU21と所定の信号を送受信しつつ上記ラスタデータに対応する印加電圧データ(デジタルデータ)を生成し、当該印加電圧データをヘッド駆動部26aに出力する。印加電圧データは、各画素毎に吐出すべきドットの大きさ(ドット種類)を規定したデータであり、ヘッド駆動部26aは、印加電圧データに基づいて印刷ヘッド29a〜29dに内蔵されたピエゾ素子への印加電圧パターン(駆動信号)を生成するとともに、この生成した駆動信号を印刷ヘッド29a〜29dにそれぞれ供給することにより各色のインクをドット単位で吐出させる。I/F27に接続されたキャリッジ機構27aや紙送り機構27bは、印刷ヘッドユニット29を主走査させたり、適宜改ページ動作を行いながら印刷用紙を順次送り出して副走査を行ったりする。
印刷ヘッド29a〜29dには、夫々に複数個のインクジェットノズルが設けられるとともに、同ノズルのそれぞれに対応してピエゾ素子が配置されている。
図2に示すように、ピエゾ素子PEは、ノズルNzまでインクを導くインク通路25bに接する位置に設置され、ピエゾ素子PEの両端に設けられた電極間にパルス波形の駆動信号が印加されると、同図の下段に示すように同信号の印加時間だけ伸張し、インク通路25bの一側壁を変形させる。この結果、インク通路25bの体積はピエゾ素子PEの伸張に応じて収縮し、この収縮分に相当するインクがインク滴IpとなってノズルNzの先端から高速に吐出され、印刷用紙に染み込むことによりドットが形成されて印刷が行われる。
ここで、ヘッド駆動部26aは、第1駆動信号COM1を生成可能な第1駆動信号生成回路(DAC回路)26a1と、第2駆動信号COM2を生成可能な第2駆動信号生成回路(DAC回路)26a2とを備える。DAC回路26a1、DAC回路26a2は、いずれも各印刷ヘッド29a〜29dに対してそれぞれ駆動信号を供給することが可能である。各印刷ヘッド29a〜29dが吐出するドット種類は、ヘッド駆動部26aから供給される駆動信号の波形によって様々であり、本実施形態では、1ドットあたりのインク量が少ない順から、小1ドット、小2ドット、中1ドット、中2ドット、大ドット、という5種類のドットを吐出可能となっている。
図3は、第1駆動信号COM1、第2駆動信号COM2の波形とドット種類との関係を示している。
同図に示すように、第1駆動信号COM1は基本的に、第1スモールドット駆動パルスPS11と第1ミドルドット駆動パルスPS12と、第1ラージドット駆動パルスPS13とから構成される。また、第2駆動信号COM2は基本的に、第2スモールドット駆動パルスPS21と、第2ミドルドット駆動パルスPS22と、第2ラージドット駆動パルスPS23とから構成される。第1駆動信号COM1および第2駆動信号COM2の発生周期TPは、印刷ヘッドから一滴のドットを吐出させる駆動信号を生成するための期間であり、この発生周期TPは3つの期間T1〜T3に区分けされる。
DAC回路26a1は、期間T1において駆動パルスPS11を、期間T2において駆動パルスPS12を、期間T3において駆動パルスPS13をそれぞれ発生させることが可能である。一方、DAC回路26a2は、期間T1において駆動パルスPS21を、期間T2において駆動パルスPS22を、と期間T3において駆動パルスPS23をそれぞれ発生させることができる。各駆動パルスの振幅の大きさは、吐出させるインク量に対応している。
つまり、DAC回路26a1およびDAC回路26a2は、上記印加電圧データが示すドット種類に応じて発生させるべき駆動パルスを決定し、同決定した駆動パルスを含んだ状態の駆動信号をそれぞれ供給先の印刷ヘッドに送出する。ただし、期間T1〜T3のそれぞれにおいてDAC回路26a1およびDAC回路26a2の両方が同時に駆動パルスを発生させることは無い。従って、各期間T1〜T3において、DAC回路26a1による駆動パルスの発生、DAC回路26a2による駆動パルスの発生、いずれの駆動パルスも無し、と言う3つの状態が存在し得、ヘッド駆動部26aが各印刷ヘッド29a〜29dに対して供給可能な駆動信号のパターン数は理論的には3の3乗、すなわち27パターンとなる。
本実施形態では上述したように、小1ドット、小2ドット、中1ドット、中2ドット、大ドットの5種類のドットを吐出可能としているため、ドットを吐出しない非記録状態を含めた6状態を上記27パターンのうち適当な6パターンを用いて実現するようにしている。
同図下段の表は、上記6状態をそれぞれ実現するための、各駆動パルスの発生態様の一例を示している。同表では、「0」は駆動パルス無しを、「1」は駆動パルス有りを示している。例えば、小1ドットに対応する駆動信号は、駆動パルスPS11のみを発生させた第1駆動信号COM1といずれの駆動パルスも発生させていない第2駆動信号COM2とからなり、かかる波形がDAC回路26a1、DAC回路26a2から印刷ヘッドに供給されることによりその印刷ヘッドから一滴の小1ドットが吐出される。また同図の例では、一つの中1ドットを印刷ヘッドから吐出させるための駆動信号は、駆動パルスPS11のみを発生させた第1駆動信号COM1と駆動パルス22のみを発生させた第2駆動信号COM2の組み合わせとなり、一つの中2ドットを印刷ヘッドから吐出させるための駆動信号は、駆動パルスPS11のみを発生させた第1駆動信号COM1と駆動パルス23のみを発生させた第2駆動信号COM2の組み合わせとなる。
一方、コンピュータ10ではOSにプリンタI/F17eを制御するプリンタドライバ14e等が組み込まれ、各種の制御を実行する。APLは、OSを介してハードウェアとデータ等のやりとりを行う。プリンタドライバ14eは、APLの印刷機能の実行時に稼働され、プリンタI/F17eを介してプリンタ20と双方向の通信を行うことが可能であり、OSを介してAPLから、印刷対象画像を表現する印刷データを受け取ってラスタデータに変換し、プリンタ20に送出する。
プリンタドライバ14eによる処理を説明する。
プリンタドライバ14eは、印刷制御処理として、上記印刷データを取得した後、色変換処理と、ハーフトーン処理と、ラスタライズ処理とを実行する。印刷データはRGBの各要素色を多階調表現して各画素の色を規定したドットマトリクス状のデータであり、sRGB規格に従った表色系を採用している。むろん、YCbCr表色系を採用したJPEG画像データやCMYK表色系を採用した画像データ等、種々のデータも採用可能である。
色変換処理では、HD14に記録した色変換LUTを適宜参照して、印刷データ(RGBデータ)を、各画素毎にプリンタ20が使用するCMYK毎の階調値で表現されるインクデータに色変換する。ここで、インクデータの階調値は、対応するインク色のインク記録量(例えば、印刷媒体上の所定面積における全画素数に対する形成ドット数の比を示すインク記録率。)に対応しており、例えば、階調値0〜255がインク記録率0〜100%に対して線形に対応している。
上述したようにプリンタ20は、各印刷ヘッド29a〜29dから夫々に5種類のドットを吐出可能である。そのため、色変換処理においてはHD14に記録されたドット振分テーブル14dを参照して、上記のように変換されたインクデータについてインク種類毎にドット種類別のインクデータに振り分ける処理を行う。かかる振り分け処理によって基本的には各インク色毎に、小1ドットのインク記録量を示す小1ドット用インクデータと、小2ドットのインク記録量を示す小2ドット用インクデータと、中1ドットのインク記録量を示す中1ドット用インクデータと、中2ドットのインク記録量を示す中2ドット用インクデータと、大ドットのインク記録量を示す大ドット用インクデータとが生成される。
ハーフトーン処理では、上記振り分け処理後のインクデータを、各画素におけるCMYK毎かつドット種類毎のインクの吐出/非吐出を特定したハーフトーンデータに変換する。ハーフトーン処理は、いわゆる誤差拡散法やディザ法等を採用できる。
ラスタライズ処理では、上記ハーフトーンデータを受け取って、プリンタ20で使用される順番に並べ替え、CMYK別のラスタデータを生成し、プリンタ20に対して出力する。以降、プリンタ20においては上述したようなラスタデータに基づいた印刷処理が実行される。
また上述したように、プリンタ20の印刷ヘッドユニット29が備えるメモリ31にはIDが記録されている。IDは、印刷ヘッドユニット29の製造時において工場で印刷ヘッド29a〜29d毎に取得、記録されたものであり、各印刷ヘッド29a〜29dにおけるインク吐出量の基準とのずれを示す。当該IDの取得方法について説明すると以下のようになる。まず、所定の検査用治具にIDの取得対象とした印刷ヘッドを組み付けるとともに、特定サイズのドットを所定ショット数吐出させてインク重量を計測し、この計測結果をショット数で除算することで1ドットあたりのインク重量を求める。そして、求めた1ドットあたりのインク重量(測定重量)と、上記特定サイズのドットの理想的なインク重量(基準重量)との比較に応じてその印刷ヘッドについてのIDを決定する。
図4は、上記比較の結果と決定されるIDとの関係を一例にて示している。IDは、例えば1〜21の整数で表現することができ、測定重量が基準重量と略一致する場合には、中間値としての11を印刷ヘッドのIDとする。また、測定重量が基準重量よりも少ない場合にはその値に応じて中間値11よりも大きい数値をIDとし、逆に測定重量が基準重量よりも多い場合にはその値に応じて中間値11よりも小さい数値をIDとする。このようにして各印刷ヘッド29a〜29dについてのIDを決定したら、同決定したIDを上記メモリ31に記録する。
(2)補正係数の算出処理
上述構成では、印刷ヘッドユニット29のメモリ31に各印刷ヘッド29a〜29d毎のIDが記録されているため、コンピュータ10は、印刷制御時においてプリンタI/F17eを介してプリンタ20から上記IDを取得することができる。そして、当該IDの値に応じて、各インク色毎のインクデータを補正することで、各印刷ヘッド29a〜29dにおけるインク吐出性能のばらつきを補償した印刷画像を出力することができる。
しかし、インクの吐出量を左右する要素としては、各印刷ヘッド29a〜29dのインク吐出性能だけではなく、各印刷ヘッド29a〜29dに駆動信号を供給するDAC回路26a1およびDAC回路26a2の駆動誤差がある。ここでいう駆動誤差とは、例えば、生成する駆動パルスの波形に誤差を生じさせることを言う。
そこで本実施形態では、以下に示すようにDAC回路26a1、DAC回路26a2それぞれの駆動誤差を把握し、この誤差をも含めてインクデータを補正することとした。
図5は、コンピュータ10が実行する補正係数算出処理の内容をフローチャートにより示している。当該処理は、コンピュータ10にプリンタ20が接続されている状態で実行される。
コンピュータ10は、ステップS(以下、ステップの記載を省略する。)110において、印刷ヘッド29a〜29dのIDをプリンタ20から取得する。具体的には、コンピュータ10はIDの入手要求を作成してプリンタ20に送信する。すると、プリンタ20は同入手要求を受信し、印刷ヘッドユニット29のメモリ31からIDを読み出してコンピュータ10に対して送信する。コンピュータ10はIDを取得し、HD14にID14aとして記憶する。
S120では、コンピュータ10は、HD14等からパッチ画像用データを取得する。パッチ画像用データは、一色による特定濃度のパッチを多数の画素で階調表現したデータであり、かかるパッチ画像用データに基づいて後述するように補正係数算出用パッチPを印刷する。ここでは一例として、パッチ画像用データはK一色のパッチを表しているものとする。むろん、パッチ画像用データが表すパッチの色はKに限られず、CMYのいずれかとしてもよい。
S130では、パッチ画像用データをそのパッチの色に対応したID14a、この場合ではKに対応したID14aに応じて補正する。本実施形態では、各IDに対応付けられた色修正データ14bがHD14に格納されている。
図6は、HD14に記録された複数の色修正データ14bの構造を模式的に示す図である。同図に示すように、各色修正データ14bは、所定のIDの値と対応付けられてHD14に格納されている。同図の下段にも示すように、色修正データ14bは、入力階調値i(iは0〜255の整数)と出力階調値との対応関係を入力階調値iの全階調について規定した情報テーブルとされている。入力階調値iに対する出力階調値Ciが図の上段の実線のように規定されている。
コンピュータ10は、Kに対応したID14a、すなわち印刷ヘッド29dのID14aをHD14から読み出し、HD14に記憶された複数の色修正データ14bの中から当該ID14aに対応する色修正データ14bを特定し、当該特定した色修正データ14bによって上記パッチ画像用データを補正する。
IDが11よりも大きい値である場合、印刷ヘッドが吐出するインク量は設計基準よりも少ないということであるから、図6に示すように、印刷画像の発色の度合を大きくさせるよう、色修正データ14bは全体の傾向として入力階調値よりも出力階調値が大きくされている。このような色修正データ14bを参照することによって、IDが11より大きい印刷ヘッドに対応する色のインクデータは、全体の傾向として階調値が大きくなるように補正される。
一方、IDが11よりも小さい値である場合、印刷ヘッドが吐出するインク量は設計基準よりも多いということであるから、同図に示すように、印刷画像の発色の度合を小さくさせるよう、色修正データ14bは全体の傾向として入力階調値よりも出力階調値が小さくされている。このような色修正データ14bを参照することによって、IDが11より小さい印刷ヘッドに対応する色のインクデータは、全体の傾向として階調値が小さくなるように補正される。なお、入力階調値よりも出力階調値をどの程度大きく或いは小さくするかという色修正データによる補正の程度は、IDの値の大きさに応じて予め設定しておけばよい。
S140においては、コンピュータ10は、上記補正後のパッチ画像用データに基づいて、DAC回路26a1が生成する駆動信号のみによって吐出可能な一つのドット種類によって補正係数算出用パッチP1を印刷用紙上に印刷させる制御を実行する。
さらにS150においては、コンピュータ10は、上記補正後のパッチ画像用データに基づいて、DAC回路26a2が生成する駆動信号のみによって吐出可能な一つのドット種類によって補正係数算出用パッチP2を印刷用紙上に印刷させる制御を実行する。
図7は、印刷用紙Bに印刷された補正係数算出用パッチP1と補正係数算出用パッチP2とを示している。
パッチP1,P2は、いずれもK一色のパッチであり、Kに対応する印刷ヘッド29dだけを用いて印刷されている。また、パッチP1は、DAC回路26a1が生成する駆動信号だけで吐出されたドット(例えば、小1ドットとする。)のみによって記録されており、パッチP2は、DAC回路26a2が生成する駆動信号だけで吐出されたドット(例えば、小2ドットとする。)のみによって記録されている。
つまり、S110〜150までの処理によって、DAC回路26a1とDAC回路26a2とをそれぞれ単独で駆動させた際に一つの印刷ヘッドから吐出されるドットによって記録されるパッチP1,P2を取得する。かかるパッチP1,P2は、印刷に用いた印刷ヘッド単体の吐出性能のばらつきを示したIDに応じて補正されたインクデータに基づいて印刷されている。
S160では、上記印刷した各パッチP1,P2を測色機40を用いて測色するとともに、コンピュータ10は各パッチP1,P2の色成分量Labを取得する。ここでは、パッチP1の色成分量をL1a1b1、パッチP2の色成分量をL2a2b2と表す。
S170では、コンピュータ10は、各パッチP1,P2の色成分量を、それぞれ対応する標準色成分量と対比し、この対比結果をインクの重量比に換算する処理を行う。ここで、パッチP1の色成分量L1a1b1の比較対象となる標準色成分量L01a01b01は、プリンタ20と同型の設計標準機体としてのプリンタ(標準プリンタ)において、上記パッチ画像用データに基づいて、上記DAC回路26a1に対応するDAC回路が生成する駆動信号だけで吐出したドット(小1ドット)のみによって記録した、K一色のパッチの測色結果である。また、パッチP2の色成分量L2a2b2の比較対象となる標準色成分量L02a02b02は、上記標準プリンタにおいて、上記パッチ画像用データに基づいて、上記DAC回路26a2に対応するDAC回路が生成する駆動信号だけで吐出したドット(小2ドット)のみによって記録した、K一色のパッチの測色結果である。
標準色成分量L01a01b01および標準色成分量L02a02b02は、HD14に予め記録された情報である。ここで、標準色成分量L01a01b01と色成分量L1a1b1との差、標準色成分量L02a02b02と色成分量L2a2b2との差がそれぞれ存在しない場合には、プリンタ20は、上記IDを用いたインクデータの補正のみで理想的な色再現性を実現できていると言え、逆に、差が存在する場合にはIDを用いた補正だけでは不充分であり、DAC回路26a1,26a2における駆動誤差をも考慮した補正を行う必要がある。
図8は、色成分変換テーブルTBを示している。
色成分変換テーブルTBは、標準プリンタおよび、吐出するドットのインク重量が同標準プリンタと比較してばらついている複数のプリンタによって、上記パッチ画像用データに基づいてそれぞれ印刷したKパッチの測色結果と、各プリンタが吐出する共通のドット種類のインク重量qとの対応関係を定義している。なお、同変換テーブルTBは、色成分量Labのうち、色成分量Lをインク重量に変換するものとする。同図に示すように、同じパッチ画像用データにてKパッチを印刷した場合でも、吐出するドットのインク重量が少ない傾向にある機体では測色結果としての色成分量Lは大きくなり、一方、吐出するドットのインク重量が多い傾向にある機体では測色結果としての色成分量Lは小さくなる。
ここで、パッチP1の色成分量L1の変換結果をインク重量q1、パッチP2の色成分量L2の変換結果をインク重量q2、標準色成分量L01の変換結果をインク重量q01、標準色成分量L02の変換結果をインク重量q02とすると、それぞれインク重量比q1/q01、インク重量比q2/q02が得られる。
インク重量比q1/q01は、プリンタ20におけるDAC回路26a1の設計標準に対する駆動誤差の程度を示していると言え、インク重量比q2/q02は、DAC回路26a2の設計標準に対する駆動誤差の程度を示していると言える。
S180では、コンピュータ10は、上記インク重量比に応じて、DAC回路26a1の補正係数α、DAC回路26a2の補正係数βをそれぞれ決定する。
補正係数α、βは、例えば1を中心値として、最小値0.9〜最大値1.1であって0.01刻みで表される数値とする。上記インク重量比q1/q01,q2/q02が1である場合には、プリンタ20のDAC回路26a1,26a2は設計標準に対して駆動誤差がないと言えるため、補正係数α、βも1となる。一方、インク重量比が1より大きい場合には、対応するDAC回路は、設計標準よりもインク量の多いドットを吐出させると言えるため、そのようなインク重量比に対しては、インク重量比が1より大きいほど低い補正係数を与えるという原則の下、0.9以上1未満の適当な数値を補正係数として与える。また、インク重量比が1より小さい場合には、対応するDAC回路は、設計基準よりもインク量の少ないドットを吐出させると言えるため、そのようなインク重量比に対しては、インク重量比が1より小さいほど高い補正係数を与えるという原則の下、1より高く1.1までの適当な数値を補正係数として与える。
S190では、コンピュータ10は、上記のようにして決定した補正係数α、βをHD14に記録する。
このように本実施形態では、パッチの印刷に用いる印刷ヘッドのIDに応じた補正を施した後のインクデータに基づいて、DAC回路26a1,26a2のうちDAC回路26a1のみを駆動させてパッチP1を印刷し、同様に、パッチの印刷に用いる印刷ヘッドのIDに応じた補正を施した後のインクデータに基づいて、DAC回路26a1,26a2のうちDAC回路26a2のみを駆動させてパッチP2を印刷した。その結果、各パッチP1,P2の測色結果を所定の標準値(標準色成分量)と比較することにより、DAC回路26a1、DAC回路26a2がそれぞれ単独で持つ駆動誤差を補償するための補正係数α、βを取得することができる。
(3)インクデータ補正処理
上記のようにDAC回路26a1の補正係数αとDAC回路26a2の補正係数βとを算出したら、コンピュータ10は、補正係数α、βおよび上記ID14aを用いてインクデータの補正を行なう。本実施形態では、ドット振分テーブル14dにおける階調値の変換関係を補正することによりインクデータの補正を実現する。
図9の上段に示すように、ドット振分テーブル14dは、色変換後のCYMK毎のインクデータ(入力階調値i)と、ドットの種類別にドット形成量を表す出力階調値Di(ドット振分後のインクデータ)との対応関係を規定した情報テーブルである。同テーブル14dは、インク色毎に設けられている。
図10は、コンピュータ10が実行するドット振分テーブル補正処理の内容をフローチャートにより示している。
S210では、コンピュータ10は、HD14から各インク色に対応した上記IDを読み出すとともに、S220では、同じくHD14から補正係数α、βを読み出す。
次に、コンピュータ10は、あるインク色にかかるドット振分テーブル14dを、IDおよび補正係数α、βによって補正する(S230)。ここではまず、補正係数α、βの算出に際して実際にパッチの印刷を行ったKに対応するドット振分テーブル14dを補正する場合について説明する。
図11は、ドット振分テーブル14dに対する補正処理の詳細をフローチャートにより示している。本実施形態に言うドット振分テーブル14dの補正とは、同テーブルに規定されている出力側の階調値自体を補正することを意味する。
S310では、まず、補正対象とするドット種類を一つ特定する。つまり、小1ドット、小2ドット、中1ドット、中2ドット、大ドットのうちいずれかを補正対象のドット種類とする。
S320では、補正対象としたドットを吐出させるために印刷ヘッドに供給する駆動信号に含まれる駆動パルスを特定する。図3を参照して説明すると、補正対象が小1ドットである場合、駆動信号に含まれる駆動パルスは、DAC回路26a1が発生させる駆動パルスPS11のみである。また、補正対象が中1ドットの場合、駆動信号に含まれる駆動パルスは、DAC回路26a1が発生させる駆動パルスPS11とDAC回路26a2が発生させる駆動パルスPS22であり、大ドットの場合、駆動信号に含まれる駆動パルスは、DAC回路26a1が発生させる駆動パルスPS11とDAC回路26a2が発生させる駆動パルスPS22および駆動パルスPS23となる。
S330では、補正対象としたドットを吐出させるための駆動信号に、DAC回路26a1が発生させる駆動パルスとDAC回路26a2が発生させる駆動パルスとのいずれもが含まれているか判断する。
両DAC回路による駆動パルスが含まれている状態ではない場合、図3の例で言うと補正対象としたドット種類が、小1ドットまたは小2ドットである場合には、S370にて、IDおよび補正係数を用いてドット振分テーブル14dを補正する。具体的には、テーブル14dにドット種類別に格納された出力階調値のうち、補正対象となっているドット種類にかかる出力階調値を、IDに対応する上記色修正データ14bによって補正し、さらに同補正後の出力階調値に対して、補正対象となっているドット種類の吐出に用いるDAC回路にかかる補正係数(αまたはβのいずれか一方)を乗算する。
すなわち、小1ドットや小2ドットの吐出には一つのDAC回路しか作動させないため、そのインク吐出量のばらつきの補正においては、印刷に用いる印刷ヘッドの吐出性能のばらつき以外に、同作動させる一つのDAC回路の駆動誤差だけを考慮すればよい。出力階調値の補正に用いるIDは、むろん、補正対象としているドット振分テーブル14dにかかるインク色に対応したIDであり、この例で言うと、Kインクに対応した印刷ヘッド29dのIDとなる。
一方、S330において、補正対象としたドットを吐出させるための駆動信号に、DAC回路26a1が発生させる駆動パルスとDAC回路26a2が発生させる駆動パルスとのいずれもが含まれていると判断した場合には、S340の処理に進む。
S340においては、DAC回路26a1による駆動パルスに対応するインク量と、DAC回路26a2による駆動パルスに対応するインク量とを特定する。例えば、中1ドットを補正対象としている場合、DAC回路26a1が発生させる駆動パルスPS11に対応するインク量と、DAC回路26a2が発生させる駆動パルスPS22に対応するインク量とを特定する。印刷ヘッドに供給される駆動パルスが複数ある場合でも印刷ヘッドのノズルから吐出されるドットは発生周期TPにつき一滴であるが、この一滴は、各駆動パルスが押出した微量のインクが一つにまとまったものであり、その意味で各駆動パルスに対応したインク量というものが存在する。
S350では、S340にて特定したDAC回路26a1による駆動パルスに対応するインク量と、DAC回路26a2による駆動パルスに対応するインク量との比によって、補正係数α、βを重み付けし、同重み付け積算後の新補正係数を算出する。ここで、DAC回路26a1が発生させる駆動パルスに対応するインク量をs1、DAC回路26a2が発生させる駆動パルスに対応するインク量をs2、s1とs2との和をSとした場合、新補正係数Aは、次式によって表される。
A=α(s1/S)+β(s2/S)
S360では、上記のように算出した新補正係数AおよびIDを用いてドット振分テーブル14dを補正する。具体的には、テーブル14dにドット種類別に格納された出力階調値のうち、補正対象となっているドット種類にかかる出力階調値を、IDに対応する上記色修正データ14bによって補正し、さらに同補正後の出力階調値に対して、新補正係数Aを乗算する。つまり、DAC回路26a1とDAC回路26a2との両方を作動させて吐出されるドット種類に対応する出力階調値については、両DAC回路の補正係数を用いて補正する必要がある。そこで、本実施形態では、ドットの形成に両DAC回路がそれぞれどの程度影響を及ぼしているかを、両DAC回路が生成する駆動パルスに対応するインク量の比によって特定し、この比に応じて補正係数α、βによる補正の度合いを変化させている。
S380では、全てのドット種類について出力階調値の補正を行なったか判断し、補正を行っていないドット種類が残っている場合には、S310に戻り、補正対象のドット種類を変更した上で上記処理を繰り返す。一方、全てのドット種類について出力階調値の補正を終えた場合には、図11のフローを終了し、図10のS240の判断に進む。
S240では、全インク色に対応するドット振分テーブル14dを補正したか判断し、補正を行っていないインク色にかかるドット振分テーブル14dが残っている場合には、補正対象とするドット振分テーブル14dを変更した上で、上記処理を繰り返す。ここで、ドット振分テーブル14dの補正に用いるIDは、新たに補正対象としたドット振分テーブル14dにかかるインク色に対応したIDとするが、補正係数については、Kインクに対応する印刷ヘッド29dを用いて印刷したパッチP1,P2の測色結果から取得した上記補正係数α、βを用いる。
一方、全てのインク色にかかるドット振分テーブル14dを補正した場合には、ドット振分テーブル補正処理を終了する。
なお、各ドット種類を吐出させる際にDAC回路26a1、DAC回路26a2の各々がいずれの駆動パルスを発生させるかを規定した情報や、各駆動パルスに対応するインク量を規定した情報は、コンピュータ10が、HD14などの記録領域に予め有しているものとする。
図9の下段には、各ドット種類に対応した出力側の階調値を、ID(実際には、IDに対応した色修正データ14b)および補正係数(または新補正係数)によって補正した後の出力階調値Eiによって書き換えた状態のドット振分テーブルを示している。
(4)まとめ
このように本発明によれば、各インク色に対応した印刷ヘッド29a〜29dにそれぞれ駆動信号を供給可能なDAC回路26a1とDAC回路26a2が存在する状況にて、DAC回路26a1の駆動誤差に起因するインク吐出量の誤差を補正するための補正係数αと、DAC回路26a2の駆動誤差に起因するインク吐出量の誤差を補正するための補正係数βとをそれぞれ算出することができる。そして、かかる補正係数および印刷ヘッド単体でのインク吐出量のばらつきを表したIDを用いて、ドット振分テーブル14dにおける変換関係を補正することにより、印刷ヘッドにおけるインク吐出性能の誤差および各DAC回路が持つ駆動誤差によるインク吐出量のばらつきを補償した、極めて色再現性の高い印刷画像を出力することができる。
また、DAC回路26a1に対応する補正係数αおよびDAC回路26a2に対応する補正係数βを求めるに際しては、一つのDAC回路のみを駆動させて吐出することのできるドットからなるパッチPをDAC回路の数分だけ印刷すればよいため、パッチの印刷および測色にかかる手間が非常に少ない。そして、このようにして求めた補正係数は、上記パッチPを印刷した際のドット種類に対応する、ドット振分テーブル14dにおける出力階調値の補正だけでなく、パッチPの印刷には用いなかった他のドット種類に対応する、ドット振分テーブル14dにおける出力階調値の補正にも適用することができる。
さらに、各DAC回路26a1,26a2は、各インク色に対応する印刷ヘッド29a〜29dのそれぞれに対して駆動電圧を供給する構成となっており、各DAC回路26a1,26a2における駆動誤差の影響は各印刷ヘッド29a〜29dに対してほぼ同じように及ぶ。そのため、複数の印刷ヘッドのうち一つの印刷ヘッドを用いて印刷した上記パッチP1,P2の測色結果から得られた補正係数を、各印刷ヘッドにそれぞれ対応するドット振分テーブル14dの補正に際して適用することで、以後の印刷結果において、各色とも高い色再現性を実現することができる。
コンピュータとプリンタとを示すブロック図。 ノズルおよびその内部構造を拡大して示す図。 第1駆動信号および第2駆動信号の波形とドット種類との関係を示す図。 インク重量とIDとの関係を示す図。 補正係数算出処理の内容を示すフローチャート。 色修正データの構造を模式的に示す図。 補正係数算出用パッチを示す図。 色成分変換テーブルを示す図 ドット振分テーブルの構造を模式的に示す図。 ドット振分テーブル補正処理の内容を示したフローチャート。 ドット振分テーブルに対する補正処理の詳細を示したフローチャート。
符号の説明
10…コンピュータ、11…CPU、12…ROM、13…RAM、14…ハードディスク(HD)、14a…カラー調整ID、14b…色修正データ、14d…ドット振分テーブル、14e…プリンタドライバ、20…プリンタ、26a…ヘッド駆動部、26a1,26a2…DAC回路、29…印刷ヘッドユニット、29a〜29d…印刷ヘッド、31…不揮発性半導体メモリ、40…測色機、TB…色成分変換テーブル

Claims (9)

  1. 吐出するドットのインク量とドットの基準インク量とのずれを示すIDを所定の記録領域に記録した印刷ヘッドと、駆動パルスを含む駆動信号をそれぞれに生成して印刷ヘッドに供給可能な複数の駆動信号生成回路とを備え、駆動信号生成回路から所定波形の駆動信号を印刷ヘッドに供給させることにより印刷ヘッドに所定サイズのドットを吐出させて上記IDが示すインク量のずれを補償した状態のパッチを印刷するパッチ出力手段と、
    上記パッチを測色するとともに当該測色にて取得した測色値と所定の標準値とを比較することにより、駆動信号生成回路の駆動誤差に起因するインク量のずれに対応した補正係数を各駆動信号生成回路毎に算出する補正係数算出手段と、
    を備えることを特徴とするインク補正係数取得装置。
  2. 上記パッチは、各駆動信号生成回路に対応して印刷され、各パッチはそれぞれに単独の駆動信号生成回路が生成した駆動信号のみを印刷ヘッドに供給することにより印刷されたものであることを特徴とする請求項1に記載のインク補正係数取得装置。
  3. 上記請求項1または請求項2のいずれかに記載のインク補正係数取得装置を利用する色補正装置であって、
    上記IDおよび補正係数を用いることにより画像を印刷するためのインク記録量を規定したインクデータを補正するインクデータ補正手段を備えることを特徴とする色補正装置。
  4. 上記インクデータ補正手段は、インクデータをその濃度に応じてドットサイズの異なる複数のドット種類毎のインクデータに振り分けるドット振分テーブルにおける振り分け規則を、上記IDおよび補正係数を用いて変更することにより上記インクデータの補正を実現することを特徴とする請求項3に記載の色補正装置。
  5. 上記パッチ出力手段は、インク種類に対応した複数の印刷ヘッドのうち一つの印刷ヘッドのみを用いて上記パッチを印刷し、上記インクデータ補正手段は、インク種類毎のインクデータのうち、パッチの印刷に用いた印刷ヘッド以外の印刷ヘッドに対応するインクデータについては、上記補正係数および上記パッチの印刷に用いた印刷ヘッド以外の印刷ヘッドのIDを用いて補正を行なうことを特徴とする請求項3または請求項4のいずれかに記載の色補正装置。
  6. 吐出するドットのインク量とドットの基準インク量とのずれを示すIDを所定の記録領域に記録した印刷ヘッドと、駆動パルスを含む駆動信号をそれぞれに生成して印刷ヘッドに供給可能な複数の駆動信号生成回路とを利用し、駆動信号生成回路から所定波形の駆動信号を印刷ヘッドに供給させることにより印刷ヘッドに所定サイズのドットを吐出させて上記IDが示すインク量のずれを補償した状態のパッチを印刷するパッチ出力工程と、上記パッチを測色するとともに当該測色にて取得した測色値と所定の標準値とを比較することにより、駆動信号生成回路の駆動誤差に起因するインク量のずれに対応した補正係数を各駆動信号生成回路毎に算出する補正係数算出工程とを備えることを特徴とするインク補正係数取得方法。
  7. 吐出するドットのインク量とドットの基準インク量とのずれを示すIDを所定の記録領域に記録した印刷ヘッドと、駆動パルスを含む駆動信号をそれぞれに生成して印刷ヘッドに供給可能な複数の駆動信号生成回路とを利用し、駆動信号生成回路から所定波形の駆動信号を印刷ヘッドに供給させることにより印刷ヘッドに所定サイズのドットを吐出させて上記IDが示すインク量のずれを補償した状態のパッチを印刷するパッチ出力機能と、上記パッチを測色するとともに当該測色にて取得した測色値と所定の標準値とを比較することにより、駆動信号生成回路の駆動誤差に起因するインク量のずれに対応した補正係数を各駆動信号生成回路毎に算出する補正係数算出機能とをコンピュータに実行させることを特徴とするインク補正係数取得プログラム。
  8. 上記請求項6に記載のインク補正係数取得方法を利用する色補正方法であって、上記IDおよび補正係数を用いることにより画像を印刷するためのインク記録量を規定したインクデータを補正するインクデータ補正工程を備えることを特徴とする色補正方法。
  9. 上記請求項7に記載のインク補正係数取得プログラムを利用する色補正プログラムであって、上記IDおよび補正係数を用いることにより画像を印刷するためのインク記録量を規定したインクデータを補正するインクデータ補正機能をコンピュータに実行させることを特徴とする色補正プログラム。
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