JP6132747B2 - 密閉形圧縮機及び密閉形圧縮機を有する機器 - Google Patents

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Description

本発明は、密閉形圧縮機及び密閉形圧縮機を有する機器に関するものである。
近年、冷蔵庫の省エネルギー化の要求が高まっている。冷蔵庫の庫内が設定温度に冷えると、圧縮機の運転は停止と起動を繰り返す断続運転となる。圧縮機が停止すると、冷凍サイクル内の冷媒の圧力差や温度差が均一化されるので、再び起動して同じ圧力差や温度差を作るには余計な電力が必要になる。そこで、冷蔵庫内が設定温度に達した場合には、圧縮機を停止せずに低速運転により稼働させて圧力差や温度差を維持すれば、圧縮機の運転が停止する回数が減少するため、前述した余計な電力を低減でき、冷蔵庫の消費電力量削減に繋がる。しかし圧縮機運転速度が低い時には、後述する圧縮機内の給油ポンプの特性上、摺動部への油の供給量が不足する傾向にある。
本技術分野の背景技術に関する密閉形圧縮機内の給油ポンプとして、クランク軸の回転により生じる遠心力を活かした遠心ポンプが知られている。遠心ポンプの給油量は、閾値以上の運転速度において、運転速度の2乗に比例するため、運転速度の低速化が進むと給油量が大きく減少する特徴を持つ。
一方、低速運転時においても給油量を確保できる給油ポンプとして粘性ポンプがある。粘性ポンプとは、圧縮機内に備えた静止部材と、回転運動をするクランク軸との速度差によって生じる潤滑油に働くせん断力を活かした給油機構である。図2は遠心ポンプと粘性ポンプにおける運転速度と給油量の関係を示す図である。粘性ポンプの給油量は、運転速度に比例して増加する特徴を持っており、運転速度の低速化が進んでも遠心ポンプのように給油量が大幅には減少しない。そのため同程度のクランク軸径で運転した場合、運転速度範囲の下限値は粘性ポンプの方が遠心ポンプより低くなる。このように粘性ポンプは遠心ポンプよりも低速運転時の給油量を十分に確保できるため、低速運転時にも十分に潤滑油を供給するために粘性ポンプによる油供量の増加が強く求められている。
粘性ポンプの構造は例えば特許文献1に示されている。特許文献1の密閉形圧縮機においては、クランク軸(円筒部材133)内の円筒空洞部内に、クランク軸の回転軸と同軸上に挿入された静止部材(スリーブ136)を有している。また、クランク軸内の円筒空洞部内には、クランク軸と共に回転運動をする回転部材(挿入部材138)が設けられている。静止部材の外周面と、クランク軸と共に回転運動をする回転部材の外周面にはらせん溝を備えている。
特開2005−337158号公報
圧縮機への必要油供量は圧縮機の動作速度に依存するが、図2に示すように中速域では遠心ポンプは機能し得る一方で、粘性ポンプの給油量が少ない。このため、特許文献1の様に粘性ポンプのみを有する構成では、圧縮機の運転速度が低下した場合に必要な油供量を確保できないおそれがある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、低速域でも十分な給油量を確保可能な密閉形圧縮機を提供する。
前述の目的を達成する態様の一例として、密閉容器の下方に潤滑油を貯留した潤滑油貯留部と、円筒空洞部を有する回転自在のクランク軸と、前記円筒空洞部に少なくとも一部が設けられ、前記クランク軸と同一の回転軸で回転可能な回転部材と、前記クランク軸と前記回転部材とに間隙を有して前記クランク軸と前記回転部材との間に設けた静止部材と、を有する給油手段を備える密閉形圧縮機であって、前記回転部材は内部が中空で、前記潤滑油を当該回転部材の内部に供給する下部連通部を下部に有し、前記給油手段は、第一給油経路らせん溝を前記静止部材と前記回転部材との間隙に含む第一給油経路と、第二給油経路らせん溝を前記静止部材と前記クランク軸との間隙に含む第二給油経路と、前記回転部材の前記下部連通部と前記回転部材の内部とを含む第三給油経路と、を有し、前記回転部材の前記内部と前記円筒空洞部とを連通する出口孔を前記回転部材に設けるとともに当該出口孔を前記静止部材の上端の高さ以上の高さに有する、又は前記回転部材の側面に、ガス抜き孔を有することを特徴とする。
本発明によれば、低速域でも十分な給油量を確保可能な密閉形圧縮機を提供することができる。
第1実施形態に係る密閉形圧縮機の縦断面図である。 遠心ポンプと粘性ポンプにおける運転速度と給油量の関係を示す図である。 第1実施形態の密閉形圧縮機の天頂部を透過した上面図である。 第1実施形態に係る給油手段を模式的に表す要部拡大図である。 第1実施形態に係るクランク軸及びクランク軸下部の断面図である。る。 第1実施形態に係る静止部材の正面図である。 第1実施形態に係る静止部材の断面図である。 第1実施形態に係る給油経路と回転する回転部材内の油面を示す断面図である。 第1実施形態の給油手段の第一給油経路、第二給油経路、第三給油経路各々の給油量および3つの給油経路の総和給油量と、運転速度との関係を示した概略図である。 第1実施形態の圧縮機稼動時に観察される油面形状を示す模式図である。 第2実施形態に係る給油手段を模式的に表す要部拡大断面図である。 第2実施形態に係る静止部材の断面図である。 第3実施形態に係る給油手段を模式的に表す要部拡大断面図である。 第4実施形態に係る給油手段を模式的に表す要部拡大断面図である。 第5実施形態に係る給油手段を模式的に表す要部拡大断面図である。 各実施形態に係る密閉形圧縮機のいずれかが搭載された冷蔵庫の縦断面図である。
以下、図面を参照しつつ本発明に係る実施形態について説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。また、本発明は各実施形態に必ずしも限られるものではなく、本発明の思想の範囲内で各実施形態に記載の構成以外の公知の構成を採用することもできる。
また、本発明の各種の構成要素は、必ずしも個々に独立した存在である必要はなく、複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、一つの構成要素が複数の部材で形成されていること、或る構成要素が他の構成要素の一部であること、或る構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等を許容する。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態を図1及び図3乃至図10を用いて詳細に説明する。まず、図1、図3にて密閉形圧縮機の全体構成を説明する。図1は本発明の第1の実施形態に係る密閉形圧縮機の縦断面図、図3は本実施形態の密閉形圧縮機の天頂部を透過した上面図である。本実施形態の密閉形圧縮機50は、密閉容器1内にステータ2aとロータ2bからなる電動要素2と、圧縮要素3を収納している。圧縮要素3はレシプロ圧縮機構であり、シリンダ5a内をコンロッド6によりクランク軸8の偏心軸8aに連結されたピストン7が往復運動する。シリンダブロック5のラジアル軸受5cにはクランク軸8が回転自在に嵌められている。圧縮要素3はフレーム部5bの下部に固定したステータ2aを介して、コイルスプリング23により密閉容器1の底部に弾性的に支持されている。ロータ2bが回転することによってクランク軸8が回転し、偏心軸8aが偏心回転する。偏心軸8aが偏心回転することで、ピストン7はシリンダ5a内を往復運動する。シリンダ5a内は、吸入弁及び吐出弁(図示せず)が組み込まれたシリンダヘッド10によって閉塞され、ピストン7との間に圧縮作動室12を構成している。内部に吐出室11aが形成されたヘッドカバー11は、締付ボルト13によってシリンダブロック5に固定されている。吸入サイレンサ15は、吸込経路における作動流体の圧力脈動を減衰させて騒音を低減するもので、シリンダブロック5のフレーム部5bの上部に位置している。
次に圧縮機内部の冷媒経路について説明する。密閉容器1に接続された吸込パイプ14を通って流入した冷媒は、吸入サイレンサ15内を通過し、シリンダヘッド10の吸込口からシリンダ5aの圧縮作動室12内に入る。圧縮作動室12内ではピストン7の往復運動によって冷媒が吸入、圧縮され、吐出口から吐き出される構造になっている。圧縮された冷媒は、シリンダヘッド10の吐出口からヘッドカバー11内の吐出室11aに入り、ここからシリンダブロック5に一体で成形された吐出サイレンサ16を通り、吐出管17を介して吐出パイプ22より外部の冷凍サイクルに流出する。
本実施形態の給油手段を、図4乃至図8を用いて詳細に説明する。図4は本実施形態に係る、給油手段を模式的に示す要部拡大図を示し、図5は本実施形態に係る、クランク軸8およびクランク軸8下部の断面図である。図6は本実施形態に係る静止部材20の正面図、図7は本実施形態に係る静止部材20の断面図である。図8は本実施形態に係る給油経路と回転する回転部材内の油面を示す断面図である。
本実施形態では、略円筒状のクランク軸8内部にはクランク軸8下端側に開口して、略円筒状の回転部材18を収容可能な、大径円筒空洞部30aと、その上方に設けられた小径円筒空洞部30bとを含む円筒空洞部30を設けている。円筒空洞部30内部には、中空の回転部材18がクランク軸8の回転軸と同軸上にかつクランク軸8の回転に従って回転するように装着されている。好ましくは、回転部材18はクランク軸8に相対回転不能に設けられており、クランク軸8と回転部材18とは同一の角速度で回転する。回転部材18の底は、密閉容器1の下方に設けられた潤滑油貯留部4aの潤滑油4に浸されており、潤滑油を回転部材18の内部に供給するよう、下部連通部として例えば円形の下部孔18aが設けてある。
円筒空洞部30は、クランク軸8に回転部材18を装着し得る小径円筒空洞部30bと、クランク軸8と回転部材18との半径方向に間隙を設けられるように大径円筒空洞部30aを有し、大径円筒空洞部30aには、クランク軸8と回転部材18のそれぞれに間隙を有して略円筒状の静止部材20を設けている。
静止部材20は例えばポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)などの樹脂等でできている。静止部材20は上端及び下端が開放した中空無底略円筒状であり、回転部材18の一部を間隙を備えて収容可能である。クランク軸8と静止部材20との半径方向の間隙は0.2〜0.3mmに設定されており、回転部材18と静止部材との半径方向の間隙も同様に0.2〜0.3mmに設定されている。
本実施形態では静止部材20の外周面および内周面に、第二給油経路らせん溝20b、第一給油経路らせん溝20cを有している。第二給油経路らせん溝20b、第一給油経路らせん溝20cの深さはそれぞれ0.6〜1.2mmに設定されている。また、静止部材20は、その底面に孔の開いた凸部20aを有している。凸部20aの孔には回転抑制手段としてのワイヤー21が通している。ワイヤー21はステータ2aに固定されている。これにより静止部材20の運動を抑制でき、例えばクランク軸8や回転部材18が回転した場合、静止部材20に回転力が伝達されて回転することが抑制される。即ち、クランク軸8及び回転部材18は、静止部材20に回転力を与えることが抑制され、静止部材20に対して効率よく回転する。
圧縮機が稼働すると、ロータ2bの回転に伴い、クランク軸8と回転部材18とが回転する。クランク軸8の回転によって、クランク軸8に固定された回転部材18と、静止部材20とに生じる速度差により、回転部材18と静止部材20との半径方向の間隙にある潤滑油にはせん断力が働き、潤滑油は静止部材20内周面の第一給油経路らせん溝20cに沿って、静止部材20と回転部材18との半径方向の間隙を通過し、回転部材18の内部を上昇する。これを第一給油経路と称する。
また、クランク軸8と静止部材20との速度差により、クランク軸8と静止部材20との半径方向の間隙にある潤滑油にはせん断力が働き、潤滑油は静止部材20外周面の第二給油経路らせん溝20bに沿って、クランク軸8と静止部材20との半径方向の間隙を通過し、クランク軸内部を上昇する。これを第二給油経路と称する。
さらに、潤滑油は回転部材18の底に設けた下部連通部である下部孔18aより、クランク軸8に固定された円筒形状の回転部材18内部に入る。回転部材18内部に入った潤滑油は、回転部材18の回転により遠心力が働き、回転部材18内部を上昇する。これを第三給油経路と称する。
第一、第二、及び第三給油経路によりクランク軸8内部を上昇した潤滑油は、クランク軸8の外表面と大径円筒空洞部30aとを連通する連通孔8bへ運ばれる。連通孔8bは、例えば第一給油経路等の給油手段によって上昇した潤滑油4をクランク外表面らせん溝8cに供給可能であれば、位置は特に制限されないが、好ましくは、静止部材20の上端部近傍の高さ、さらに好ましくは静止部材20の上端部を含む高さに設けられる。連通孔8bを介して、クランク軸8外表面とラジアル軸受5c(図1等参照。)との半径方向の間隙に到達した潤滑油には、クランク軸8外表面と、ラジアル軸受5cとに生じる速度差により、せん断力が働く。潤滑油に働くせん断力が駆動力となって、潤滑油はクランク軸8の外表面に設けられたクランク外表面らせん溝8c(図4、図5等参照。)に沿って、クランク軸8の上方へ導かれる。
その後、潤滑油は、クランク軸8外表面にある連通孔8dを通過し、再びクランク軸8内部に入る。クランク軸8内部に入った潤滑油は、偏心軸8a内を通過し、偏心軸8aに回転自在に嵌合されたコンロッド6を貫通した孔(図示せず)の内部を通過する。コンロッド6内部を通過した潤滑油は、コンロッド6とピストン7とを連結している、ボールジョイント19の潤滑を行う。さらに、偏心軸8aの上端に取り付けられたバランスウエイト9を一部貫通する形で設けられた孔(図示せず)から噴射され、最後に偏心軸8aの上端部から周囲に噴射される。主にこの噴射された潤滑油4により、ピストン7とシリンダ5aとの間の潤滑及びシールが行われる。
図9は本実施形態の給油手段の第一給油経路、第二給油経路、第三給油経路各々の給油量およびこれら3つの給油経路の総和給油量と、運転速度との関係を示した概略図である。低速運転時には、遠心ポンプを構成する回転部材18内部の油面は、回転部材18側面の出口孔18cに到達しない。そのため圧縮機内部の給油手段の給油は、粘性ポンプによる給油が支配的になる。つまり圧縮機内給油手段の給油量は、第一給油経路、第二給油経路を通過する油量の総和となる。遠心ポンプを構成する回転部材18内部の油面が、回転部材18側面の出口孔18cに達する運転速度になると、遠心ポンプと粘性ポンプの両方が給油することにより、圧縮機内給油手段の給油量は第一給油経路、第二給油経路、第三給油経路を通過する油量の総和となる。そして中速域での所定速度以上、および高速域になると粘性ポンプの給油能力は遠心ポンプよりも小さくなる。そのため圧縮機内の給油手段の給油は、遠心ポンプによる給油が支配的になる。
このように運転速度により、圧縮機内給油手段の支配的な給油経路が変わるため、本実施形態の給油手段による給油量は図9に示すような曲線となる。遠心ポンプ単体で給油ができない低速域では、粘性ポンプにより給油を行い、中速域においては遠心ポンプと粘性ポンプを併用することで、粘性ポンプ単体よりも多くの給油量を確保することができる。このため本実施形態ではいずれの運転速度においても十分な給油量を確保することが可能となる。
次に回転部材18に設け、第三給油経路を上昇した潤滑油4を大径円筒空洞部30aへと供給する出口孔18cの位置について説明する。回転部材18に設けた出口孔18cの下端は、大径円筒空洞部30a内の静止部材20の上端と同一高さ、或いは上端よりも上方(静止部材20の上端の高さ以上の高さ)に位置している。これにより、第一給油経路及び/又は第二給油経路を上昇した潤滑油が、回転部材18内部に落下することを防ぐことができ、十分な給油量を確保することができる。なお、出口孔18cの下端の高さの上限は特に制限されないが、第三給油経路によって潤滑油が上昇する高さを鑑みて設けることが好ましい。
出口孔18cの下端が、静止部材20の上端よりも下方に位置すると、第一給油経路及び/又は第二給油経路を上昇した潤滑油は出口孔18cに達し、潤滑油の重力により回転部材18の内部に落下する可能性が考えられる。なお、出口孔18cの個数は特に制限されず、一つ以上であれば良い。
図10は本実施例において、圧縮機稼動時に観察される油面形状を示す模式図である。クランク軸8内部に存在する潤滑油は、回転部材18の回転によりクランク軸8の外周方向に遠心力を受ける。そのためクランク軸8の外周寄りの油面はクランク軸8の回転軸である中心の油面よりも高くなる。第二給油経路の下端20dが、遠心ポンプの一部を構成する回転部材18の下端よりも下方にあると、クランク軸8下部にある潤滑油は第二給油経路に優先的に入る。その結果、回転部材18内部に入る潤滑油量が減少するため、遠心ポンプの給油量は減少する。しかし本実施形態によれば、第二給油経路の下端20dは回転部材18の下端よりも上方に位置している。そのため潤滑油は粘性ポンプと遠心ポンプの両方に十分に入るため、十分に潤滑油を供給することができる。
また圧縮機の稼動時にクランク軸8が回転すると、潤滑油中に溶解していた冷媒がガスとなって放出し、潤滑油経路を塞ぐ可能性が考えられる。冷媒ガスが潤滑油経路を塞ぐと、給油量は低下してしまう。しかし本実施形態によれば、回転部材18側面で大径円筒空洞部30aにガス抜き孔18bを設けている。ガス抜き孔18bの下端は、静止部材20上端より上方に位置し、好ましくは、出口孔18cの上端より上部に位置し、さらに好ましくは、大径円筒空洞部30aの上端近傍に位置している。この構造によりクランク軸8の回転に伴い、例えば粘性ポンプ内に発生した冷媒ガスは、クランク軸8内部を上昇しガス抜き孔18bを通り、クランク軸8内部のガス抜き経路8gから密閉空間へ逃げる。さらに、ガス抜き孔18bの下端が出口孔18cより上部に位置する場合は、第三給油経路から大径円筒空洞部30aに流れるガス冷媒を効率よくガス抜き経路8gへと送出できる。そのため冷媒ガスは潤滑油経路を塞ぎにくくなる。これにより安定した給油量を確保することができる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る密閉形圧縮機の構造について図11、図12を用いて説明する。図11は本実施形態にかかる給油手段を模式的に表す要部拡大断面図、図12は静止部材20の断面図である。
本実施形態は静止部材20内周面の第一給油経路らせん溝20cが静止部材20の上方の一部に設けられている点を除き第1実施形態と同様である。第一給油経路らせん溝20cが設けられていない下方の位置での内径bは、第一給油経路らせん溝20cが設けられている上方の位置での内径aよりも大きくなるよう設定している。そのため第1実施形態と比較すると、本実施形態の方が静止部材20と回転部材18との摺動面積を減らすことができ、摺動損失を低減できる。
本実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。また、静止部材20と回転部材18との間隙にある潤滑油は、静止部材20と回転部材18の速度差によりせん断力を受け、静止部材内周面の第一給油経路らせん溝20cを辿って上向き方向に上昇しようとする。これより静止部材20外周面とクランク軸8内周面との半径方向の間隙(第二給油経路)を上昇した潤滑油が、静止部材20内周面と回転部材18外周面との半径方向の間隙(第一給油経路)から、下方に落下することを防ぐことができる。そのため低速域でも十分な給油量を確保することができる。本実施形態においても粘性ポンプと遠心ポンプを並列に配置することで、インバータ搭載の圧縮機において、いずれの運転速度においても十分に給油することができ、圧縮機性能を向上することができる。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態に係る密閉形圧縮機の構造について図13を用いて説明する。本実施形態は、クランク軸8の下端が回転抑制手段であるワイヤー21の凸部20aの上端より上方に位置し、静止部材20の第二給油経路らせん溝20bの一部を露出している点を除き、第1又は第2実施形態と同様の構成である。これにより圧縮機の稼動時に振動によりワイヤー21とクランク軸8の下端が衝突することを防ぐことができ、騒音低減、信頼性向上に繋がる。本実施形態においても、第1又は第2実施形態と同様の効果を奏することができる。また、粘性ポンプと遠心ポンプを並列に配置することで、インバータ搭載の圧縮機において、いずれの運転速度においても十分に給油することができ、圧縮機性能を向上することができる。
[第4実施形態]
次に、第4実施形態に係る密閉型圧縮機の構造について図14を用いて説明する。本実施形態は、静止部材20内周面の第一給油経路らせん溝20cに代えて、回転部材18の外周面に第一給油経路らせん溝20c’を設けた点を除き、第1乃至第3実施形態と同様の構成である。これにより静止部材20の内周面にらせん溝を設置するよりも加工がしやすくコストが抑えられる。本実施形態においても、第1乃至第3実施形態と同様の効果を奏することができる。また、粘性ポンプと遠心ポンプを並列に配置することで、インバータ搭載の圧縮機において、いずれの運転速度においても十分に給油することができ、圧縮機性能を向上することができる。
[第5実施形態]
次に、第5実施形態に係る密閉型圧縮機の構造について図15を用いて説明する。本実施形態は、静止部材20外周面の第二給油経路らせん溝20bに代えて、回転部材18の内周面に第二給油経路らせん溝20b’を設けた点を除き、第1乃至第4実施形態と同様の構成である。本実施形態においても、第1乃至第3実施形態と同様の効果を奏することができる。また、粘性ポンプと遠心ポンプを並列に配置することで、インバータ搭載の圧縮機において、いずれの運転速度においても十分に給油することができ、圧縮機性能を向上することができる。
[冷蔵庫]
図16は第1乃至第5の実施形態に係る密閉形圧縮機のいずれかを搭載した冷蔵庫の縦断面図である。図16において、本実施形態の密閉形圧縮機50は、冷却器66を備え、温暖化係数の小さい自然冷媒R600aを用いた冷蔵庫60に搭載され、冷蔵室62、上段冷凍室63、下段冷凍室64、野菜室65からなる庫内空間は密閉形圧縮機50の駆動により冷凍サイクル(図示せず)を動作させることにより冷却される。
以上詳細に説明した上記各実施形態の圧縮機を用いれば、粘性ポンプと遠心ポンプを並列に配置することで、粘性ポンプの油供量が不足し得る運転速度においても十分に給油することができ、圧縮機性能を向上することができる。
また、低速運転時および高速運転時の両方において、潤滑油を効率よく安定して汲み上げ、摺動部に十分な給油を行い、圧縮機効率を向上することができる。また、本発明の密閉形圧縮機は、冷蔵庫に限らず冷凍空調用途ではルームエアコンや冷凍機等に適用することも可能であり、これらの機器の効率を大幅に改善することができる。
1…密閉容器、2…電動要素、2a…ステータ、2b…ロータ、3…圧縮要素、4…潤滑油、4a…潤滑油貯留部、5…シリンダブロック、5a…シリンダ、5b…フレーム部、5c…ラジアル軸受、6…コンロッド、7…ピストン、8…クランク軸、8a…偏心軸、8b…連通孔、8c…クランク外表面らせん溝、8d…ピン部への連通孔、8g…クランク軸内部のガス抜き経路、9…バランスウエイト、10…シリンダヘッド、11…ヘッドカバー、11a…吐出室、11b…吸入サイレンサ取り付け口、11c…ボルト孔、12…圧縮作動室、13…締付ボルト、14…吸込パイプ、15…吸入サイレンサ、16…吐出サイレンサ、17…吐出管、18…回転部材、18a…下部孔(下部連通部)、18b…ガス抜き孔、18c…出口孔、19…ボールジョイント、20…静止部材、20a…凸部、20b,20b’…第二給油経路らせん溝、20c,20c’…第一給油経路らせん溝、20d…静止部材下端、21…ワイヤー(回転抑制手段)、22…吐出パイプ、30…円筒空洞部、30a…大径円筒空洞部、30b…小径円筒空洞部、50…密閉形圧縮機、60…冷蔵庫、61…冷蔵庫本体、62…冷蔵室、63…上段冷凍室、64…下段冷凍室、65…野菜室、66…冷却器

Claims (5)

  1. 密閉容器の下方に潤滑油を貯留した潤滑油貯留部と、
    円筒空洞部を有する回転自在のクランク軸と、
    前記円筒空洞部に少なくとも一部が設けられ、前記クランク軸と同一の回転軸で回転可能な回転部材と、
    前記クランク軸と前記回転部材とに間隙を有して前記クランク軸と前記回転部材との間に設けた静止部材と、を有する給油手段を備える密閉形圧縮機であって、
    前記回転部材は内部が中空で、前記潤滑油を当該回転部材の内部に供給する下部連通部を下部に有し、
    前記給油手段は、
    第一給油経路らせん溝を前記静止部材と前記回転部材との間隙に含む第一給油経路と、
    第二給油経路らせん溝を前記静止部材と前記クランク軸との間隙に含む第二給油経路と、
    前記回転部材の前記下部連通部と前記回転部材の内部とを含む第三給油経路と、を有し、
    前記回転部材の前記内部と前記円筒空洞部とを連通する出口孔を前記回転部材に設けるとともに当該出口孔を前記静止部材の上端の高さ以上の高さに有する、又は
    前記回転部材の側面に、ガス抜き孔を有することを特徴とする密閉形圧縮機。
  2. 前記回転部材の前記内部と前記円筒空洞部とを連通する出口孔を前記回転部材に設け、
    当該出口孔の下端を前記静止部材の上端の高さ以上の高さに有することを特徴とする、請求項1に記載の密閉形圧縮機。
  3. 前記回転部材の前記内部と前記円筒空洞部とを連通する出口孔を前記回転部材に設けるとともに当該出口孔を前記静止部材の上端の高さ以上の高さに有する、かつ、
    前記回転部材の側面に、ガス抜き孔を設けたことを特徴とする、請求項1又は2に記載の密閉形圧縮機。
  4. 前記回転部材の前記内部と前記円筒空洞部とを連通する出口孔を前記回転部材に設け、
    前記円筒空洞部は、小径円筒空洞部と、前記静止部材を有する当該小径円筒空洞部の下方の大径円筒空洞部とを含み、
    前記ガス抜き孔の下端が前記出口孔の上端より上方かつ前記大径円筒空洞部の上端近傍に位置することを特徴とする、請求項に記載の密閉形圧縮機。
  5. 請求項1乃至4の何れか一項に記載の密閉形圧縮機を有することを特徴とする機器。
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