JP6132673B2 - 連結構造とそれに用いる組金具 - Google Patents

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Description

本発明は、木造建築を始めとする各種木構造において、柱や梁などの部材同士をつなぐ連結構造とそれに用いる組金具に関する。
木造建築の骨格を構成する柱や梁などの部材は、様々な外力に耐えられるよう、それぞれを強固に組み上げる必要があり、ホゾをホゾ穴に嵌め込むといった対策が古くから講じられている。ただしホゾやホゾ穴は、断面欠損による強度低下といった課題があり、近年は各種金具を介在させて部材同士を連結することが多い。特に大断面の集成材を用いた大型の木造建築では、金具の使用が必要不可欠となっている。
部材同士の連結構造の例として、以下の特許文献が挙げられる。特許文献1では、大型木造建築物の骨格を構成する縦材と横材をつなぐ連結金物が開示されている。この連結金物は、縦材に取り付ける基本金物と、横材に取り付ける付属金物で構成され、それぞれの金物の一端にテーパ部を形成して、これを相手方の受部に嵌め込むことで両金物を密着させて、縦材と横材を連結する。さらに基本金物や付属金物は、ラグスクリューや連結棒やシャフトを介して縦材や横材に固定する。そのため基本金物や付属金物は、縦材や横材の経年変形などの影響を受けにくく、強度に優れている。
特許文献2では、補強軸を用いた部材の締結構造が開示されている。補強軸は、ネジ釘を大型化したもので、そのほぼ全域に凸条を形成してある。そのため、二部材の境界面を貫くように補強軸を差し込むと、その凸条は二部材を跨ぐように配置され、必然的に二部材の密着状態が維持され、しかも部材の経年変形による影響も受けにくく、さらに凸条を介して引張荷重を広く分散できる。ただし作業性やコストの観点から、補強軸の断面径を極端に太くすることはできず、せん断荷重に対する強度は限られる。その対策として、補強軸とは別に、二部材の境界面を跨ぐようにホゾパイプを埋め込んでいる。
特開2007−132168号公報 特開2011−32824号公報
特許文献1で開示される連結金物を実際に長期間使用したところ、連結部に作用するせん断荷重が大きい箇所では、基本金物などを固定するラグスクリューや連結棒やシャフトを基点として、部材に割れが生じる場合があった。せん断荷重は、建築物の自重などに由来するため極めて大きな値で、しかも継続して作用するため、当初の想定を超える影響を及ぼす恐れがあり、以降、ラグスクリューの本数を増やすなどの対策を講じている。ただしこのような対策は、部材の断面が小さい場合には適用が難しく、またコストアップの要因にもなる。
特許文献2では、せん断荷重の伝達をホゾパイプに依存している。そのため、より大きなせん断荷重に耐えるには、ホゾパイプの使用数を増やし、さらにホゾパイプの直径を大きくする必要がある。しかし、ホゾパイプを埋め込むパイプ穴を加工する際は、作業性や誤差を考慮して、内径に余裕を持たせることが多い。その結果、ホゾパイプとパイプ穴の接触箇所は、面状ではなく線状となり、限られた範囲に荷重が集中して、部材に割れが生じる恐れがある。
このように、二部材を連結する箇所において、シャフトやパイプなどを埋め込んでせん断荷重を伝達させる方法は、作業性や加工精度やコストなど、様々な制約があり、十分な効果を発揮できないことが多い。そのため、これらに依存しない新しい対策を検討すべきである。また、強度を十分に確保できることを前提として、できるだけ簡素な構成として、建築物のコストダウンといった要望にも応えるべきである。
本発明はこうした実情を基に開発されたもので、せん断荷重に対する強度に優れ、部材の割れを防止できるほか、簡素な構成とすることで、建築物のコストダウンといった要望に応えることのできる連結構造とそれに用いる組金具の提供を目的としている。
前記の課題を解決するための請求項1記載の発明は、いずれも棒状の一方材と他方材との連結構造であって、前記一方材と前記他方材を引き寄せるための引張軸と、前記一方材と前記他方材との境界面に配置する組金具と、を用い、前記引張軸は、前記一方材と前記他方材との境界面を貫通するように差し込み、前記組金具は、前記一方材側に取り付ける受け片と、前記他方材側に取り付ける載せ片とからなり、前記受け片の上面と前記載せ片の下面が接触することで、前記他方材が前記一方材で支持され、前記受け片および前記載せ片は、ネジ釘によって前記一方材または前記他方材に固定され、且つ該ネジ釘は、前記受け片側と前記載せ片側のいずれも前記境界面に対して斜方向に差し込むことを特徴とする連結構造である。
本発明は、木造建築を始めとする各種木構造において、引張軸と組金具を用いて二部材を連結するもので、二部材のうち、地盤などに固定されている方を一方材と称して、この一方材で架空に支持される方を他方材と称することとする。なお他方材は、ほぼ水平方向に配置される。さらに二部材は、集成材を含む木製の棒状で、仮に一方材の側面と他方材の端面を突き合わせると、T字状またはL字状の連結部となる。そのほか、一方材と他方材の端面同士を直線状に突き合わせることもできる。
境界面は、二部材の連結部において、一方材と他方材が対向する面を指す。仮に、一方材の側面と他方材の端面をT字状に連結する場合、対向する一方材の側面と他方材の端面が境界面となる。また、二部材の端面同士を連結する場合、それぞれの端面が境界面となる。ただし連結後、対向する境界面同士が全域で接触するとは限らず、この間に組金具が挟み込まれる場合もある。さらに組金具を埋め込むため、境界面に段差を設けることもある。
引張軸は、一方材と他方材を貫通するように差し込み、二部材を引き寄せて一体化するほか、二部材の間に作用する引張荷重や曲げモーメントの伝達も担う。そのため引張軸は、二組以上使用する。なお引張軸の具体例としては、頭付ボルトや、スタッドボルトのほか、長尺のネジ釘が挙げられ、その配置は従来の連結構造と同じである。さらに引張軸は、境界面に対してほぼ直角方向に差し込むものとする。また引張軸を差し込むため、部材には、大径のラグスクリューなどを埋め込む場合もある。このラグスクリューには、引張軸を差し込むための中孔や、引張軸と螺合するメネジを設ける。
組金具は、他方材を架空に支持するほか、二部材の間に作用するせん断荷重の伝達も担う。そして組金具は文字通り、受け片と載せ片の二要素で構成され、受け片は、一方材側の境界面の下方に取り付け、載せ片は、他方材側の境界面の上方に取り付ける。さらに二部材を連結した際は、受け片の上に載せ片が配置され、受け片の上面と載せ片の下面が密着して、せん断荷重が伝達される。なお受け片と載せ片の接触面(前記の下面と上面)は、単純な水平面とすることもできるが、二部材を引き寄せるため傾斜や段差などを設けることが好ましい。
受け片と載せ片は、バランスを考慮してほぼ同じ大きさとする。そのため受け片と載せ片を同一形状として、一方だけを上下反転させて連結部に組み込むこともできる。また組金具は、境界面の上下に飛び出さない大きさすることが好ましく、さらに耐火性や外観の向上のため、境界面の中央に収容溝を加工して、その中に埋め込むこともできる。ただし引張軸との干渉を防止する必要がある。
受け片および載せ片は、いずれもネジ釘を用いて一方材または他方材に取り付ける。このネジ釘は、受け片側と載せ片側のいずれも、境界面に対して単純に直角方向に差し込むものではなく、境界面に対して斜方向に差し込む。さらに、単に斜方向であれば良い訳ではなく、一方材と他方材の間に作用するせん断荷重(他方材に作用する下向きの荷重)により、ネジ釘に引張荷重が作用する方向に限定する。なおネジ釘は、強度や安全性の観点から、複数本の使用を前提とするが、具体的な配置は自在に決めて構わない。
このように、受け片や載せ片を取り付けるネジ釘を斜方向に差し込むことで、一方材と他方材の間に作用するせん断荷重により、ネジ釘に引張荷重が作用する。この引張荷重は、ネジ釘のネジ山により、一方材や他方材の広い範囲に分散するため、荷重の集中による部材の割れを抑制できる。さらにネジ釘の本数や長さを調整することで、より広い範囲に荷重を分散することができ、過酷な条件でも安全性を確保しやすい。なお施工時、受け片や載せ片の位置決めのため、ネジ釘とは別途で、境界面に対して直角方向に釘類を打ち込むこともある。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明を実現する組金具単体に関するもので、いずれも棒状の一方材と他方材を連結するため、該一方材と該他方材との境界面に配置する組金具であって、該組金具は、前記一方材側に取り付ける受け片と、前記他方材側に取り付ける載せ片とからなり、前記受け片の上面と前記載せ片の下面が接触することで、前記他方材が前記一方材で支持され、前記受け片および前記載せ片は、ネジ釘によって前記一方材または前記他方材に固定され、且つ該ネジ釘を差し込むため該受け片および該載せ片に形成するガイド孔は、前記境界面に対して斜方向に伸びていることを特徴とする組金具である。
組金具は前記のように、一方材側に取り付ける受け片と、他方材側に取り付ける載せ片と、で構成され、受け片の上に載せ片を配置することで、せん断荷重(他方材に作用する下向きの荷重)を伝達する。さらに、受け片や載せ片を取り付けるためのネジ釘は、境界面に対して斜方向に差し込む。そのため受け片や載せ片には、ネジ釘を差し込むためのガイド孔を斜方向に形成する。
請求項1記載の発明のように、一方材と他方材の二部材を引張軸と組金具で連結して、組金具を構成する受け片や載せ片を取り付けるためのネジ釘は、二部材の境界面に対して斜方向に差し込むことで、連結部に作用するせん断荷重により、ネジ釘に引張荷重が発生する。この引張荷重は、ネジ釘の側周面に形成されたネジ山を介して広い範囲に分散するため、境界面付近での荷重の集中が回避され、部材の割れを抑制できる。
また引張軸は、汎用のボルトなどを流用でき、専用の部品を使用しないため、施工時のコストを抑制できる。さらに組金具の製造に際しては、鋼材の切削工程だけで対応でき、溶接工程を必要としない。そのため組金具も、安価に供給できる。このように本発明は、引張軸と組金具を併用することで強度に優れ、しかも製造コストも抑制可能で、安全な建築物の普及に貢献する。
請求項2記載の発明のように、組金具を受け片と載せ片で構成して、受け片と載せ片のそれぞれについて、ネジ釘を差し込むためのガイド孔を斜方向に形成することで、連結部に作用するせん断荷重により、ネジ釘に引張荷重が発生する。この引張荷重は、ネジ釘の側周面に形成されたネジ山を介して広い範囲に分散するため、境界面付近での荷重の集中が回避され、部材の割れを抑制できる。
本発明による連結構造とそれに用いる組金具の具体例を示す斜視図である。 図1の一方材を反対側から見た斜視図である。 図1の一方材と他方材を連結する直前の状態の斜視図で、ラグスクリューが埋め込まれ、受け片と載せ片も取り付けられている。 図1の一方材と他方材を連結した状態の斜視図である。 図4の中央部の縦断面図である。 図1とは異なる連結構造を示す斜視図である。 図6の一方材と他方材を連結する直前の状態を示す斜視図である。 図6の一方材と他方材を連結した状態の斜視図と縦断面図である。 一方材と他方材の端面同士を突き合わせて、直線状に連結する場合を示す斜視図である。 図9の一方材と他方材を連結した状態の斜視図と縦断面図である。 これまでの図とは異なる連結構造を示す斜視図である。 図11の一方材や他方材にネジ釘を差し込む段階を示す斜視図である。
図1は、本発明による連結構造とそれに用いる組金具11の具体例を示している。この図では、木造建築の骨格を構成する一方材41と他方材51をL字状に連結することを想定しており、柱に相当する一方材41は垂直方向に伸び、梁に相当する他方材51は水平方向に伸びている。さらに一方材41と他方材51は、引張軸で引き寄せられ、密着状態を維持する。なお引張軸は、頭付きのボルト25である。そしてボルト25に作用する反力を受け止めるため、一方材41と他方材51にはラグスクリュー31、32を埋め込んである。
ラグスクリュー31、32は円柱状の金属棒で、側周面には、螺旋状に伸びる凸条35を形成してあるほか、埋め込みの際にスパナなどの工具を掛けるため、一端に六角形の頭部34を形成してある。さらに、一方材41に埋め込むラグスクリュー31には、ボルト25の軸部を差し込むため、中孔36を形成してある。対して、他方材51に埋め込むラグスクリュー32の頭部34中心には、ボルト25の先端と螺合するメネジ37を形成してある。なお中孔36は両端を貫通しているが、メネジ37は有底である。
ラグスクリュー31、32を埋め込むため、一方材41と他方材51には、丸穴44、54を加工してある。一方材41側の丸穴44と、他方材51側の丸穴54は同心で揃い、しかも丸穴44、54の内径は、ラグスクリュー31、32の外径(凸条35を除く)とほぼ等しく、凸条35だけが丸穴44、54の奥に食い込んでいく。埋め込みを終えると、凸条35全域で摩擦が発生して、ラグスクリュー31、32は強固に保持され、しかも、一方材41や他方材51の割れを防止する効果もある。
組金具11は、鋼材を所定の形状に仕上げた受け片15と載せ片17で構成される。なお、受け片15と載せ片17は同一形状で、一方だけを上下反転させて役割を区分している。また受け片15の上面16は、図の左下に向かう傾斜面となっており、同様に載せ片17の下面18も、図の左下に向かう傾斜面となっている。そのため、受け片15の上面16に載せ片17の下面18を接触させると、載せ片17は、自重で図の左側に移動して、他方材51を一方材41に引き寄せることができる。
組金具11は、上下のボルト25の間に収容できる高さとしてあり、組金具11とボルト25が接触することはない。また組金具11は、外観や耐火性の向上のほか、結露の防止といった観点から、できるだけ一方材41や他方材51の内部に埋め込むことが好ましい。そこで一方材41の側面には、組金具11を収容する収容溝42を加工してある。そのため収容溝42よりも外側では、一方材41と他方材51が直に接触して、組金具11を覆い隠す。そのほか収容溝42は、一方材41の上端を基点として加工してあり、上方の丸穴44の一端は、収容溝42の奥面に位置している。
一方材41と他方材51の連結部において、相手方の部材と向かい合う面を境界面43、53と規定する。この図では、一方材41の側面と他方材51の端面が対向しており、他方材51の端面全体が境界面53となるほか、一方材41の側面のうち、他方材51の端面と対向する範囲も境界面43となる。なお一方材41の境界面43には、実際に他方材51と接触する範囲のほか、収容溝42の奥面も含まれる。
受け片15や載せ片17は、ネジ釘24で一方材41や他方材51に取り付ける。ネジ釘24を差し込むため、受け片15や載せ片17の側面には、ガイド孔19を形成してある。ガイド孔19は、ネジ釘24の頭部を通過できない内径で、その一端には、ネジ釘24の頭部を収容するため、直径を広げたザグリ20を形成してある。さらにガイド孔19は、境界面43、53に対して斜方向に伸びている。そのため他方材51に下向きの荷重が作用すると、ネジ釘24にはせん断荷重のほか、引張荷重も作用する。この引張荷重は、ネジ釘24のネジ山を介して一方材41や他方材51に受け止められる。
ネジ釘24に作用する引張荷重を増大させるには、境界面43、53とガイド孔19の交角をできるだけ小さくすれば良い。ただし受け片15や載せ片17の厚さや施工時の作業性など、様々な制約が伴うため、交角は30度から60度の範囲となることが多い。また荷重を分散させる観点から、ネジ釘24はできるだけ多数使用するべきで、この図では、受け片15と載せ片17のいずれも、三本のネジ釘24で取り付けている。
図2は、図1の一方材41を反対側から見たものである。一方材41の側面には、受け片15などを埋め込むため、上下方向に伸びる収容溝42を加工してある。またラグスクリュー31を埋め込むため、上下二箇所に丸穴44を加工してある。なお上方の丸穴44の一端は、収容溝42の奥面に位置している。そしてラグスクリュー31を埋め込む際は、まず頭部34の反対側を丸穴44の入り口に差し込み、次に、スパナなどの工具を頭部34に掛けて回転を与えると、凸条35の作用で徐々に埋め込みが進んでいく。
ラグスクリュー31や受け片15を組み付けると、図2の右下に描くように、ラグスクリュー31の両端だけが外部に露出する。なお下方のラグスクリュー31の端面(頭部34側)は、一方材41の側面との段差がない。対して上方のラグスクリュー31の頭部34付近は、収容溝42の中に突出している。そのほか受け片15は、収容溝42の中に隙間なく嵌め込まれ、且つ収容溝42の下端面とも接触している。そして受け片15を取り付けるネジ釘24は、ガイド孔19やザグリ20の中に埋め込まれ、受け片15の表面から突出する部分はない。
図3は、図1の一方材41と他方材51を連結する直前の状態である。一方材41と他方材51のいずれにもラグスクリュー31、32が埋め込まれており、さらに一方材41の収容溝42の下方には、受け片15が取り付けられ、また他方材51の端面には、載せ片17が取り付けられている。そして他方材51を吊り上げ、載せ片17の下面18を受け片15の上面16に接触させ、引き続き他方材51を自由に移動できる状態にすると、上面16と下面18の傾斜により、載せ片17が収容溝42の奥に引き寄せられ、一方材41の側面と他方材51の端面が接触する。その後、ラグスクリュー31の中孔36にボルト25を差し込んで締め付けると、一方材41と他方材51の連結が完了する。
図4は、図1の一方材41と他方材51を連結した状態である。一方材41の側面に露出しているラグスクリュー31にボルト25を差し込んで締め付けると、一方材41と他方材51が密着してL字状の連結部が構成され、他方材51が架空に支持される。そして、収容溝42に嵌まり込んだ載せ片17は、受け片15の真上に位置しており、載せ片17から受け片15にせん断荷重(他方材51に作用する下向きの荷重)を伝達することができる。なお、組金具11やラグスクリュー31、32の大半は、一方材41や他方材51の中に埋め込まれ、外部に露出するのは、ボルト25の頭部や収容溝42の中のラグスクリュー31など、ごく一部である。そのため外観が向上するほか、耐火性や結露防止の面でも優れている。
図5は、図4の中央部の縦断面である。ラグスクリュー31、32は、上下に二組配置され、上下とも左右のラグスクリュー31、32の端面同士が接触している。そのため、一方材41と他方材51の間に作用する圧縮荷重は、ラグスクリュー31、32を介して伝達され、連結部の陥没を防止できる。また、一方材41と他方材51の間に作用する引張荷重は、ボルト25で受け止められる。そして、ボルト25で受け止められた荷重は、ラグスクリュー31、32の凸条35を介して一方材41や他方材51に伝達される。
受け片15は、ネジ釘24で一方材41に取り付けられ、また載せ片17は、ネジ釘24で他方材51に取り付けられ、受け片15と載せ片17の接触で、せん断荷重を伝達する。なおいずれのネジ釘24も、水平方向ではなく、図の右下と左上を結ぶ方向に伸びている。そのため、他方材51に下向きの荷重が作用すると、ネジ釘24には、せん断荷重のほか引張荷重も作用する。ネジ釘24の太さは限られるため、せん断荷重に対する強度も限られるが、引張荷重に対しては強度を発揮しやすい。しかもネジ釘24のネジ山は、広い範囲で一方材41や他方材51に食い込み、境界面43、53付近に荷重が集中することもなく、一方材41や他方材51の割れを抑制できる。
ネジ釘24に作用する引張荷重を増大させるには、ネジ釘24をできるだけ垂直方向に差し込むことが好ましい。しかし受け片15や載せ片17の厚さや、施工時の作業性を考慮する必要があり、境界面43、53とネジ釘24の交角は、30度から60度の範囲となることが多い。またネジ釘24の頭部は、ザグリ20の中に埋め込まれており、連結作業に影響を与えることはない。そのほか受け片15は、収容溝42の下端面に接触している。そのため、受け片15に作用した下向きの荷重は、直接的に一方材41に伝達され、強度面で有利である。
図6は、図1とは異なる連結構造を示している。ここでも一方材41と他方材51をL字状に連結することは同じである。しかし引張軸として長大ネジ27を使用しているほか、組金具12の形状も異なり、さらに他方材51の端面中央に収容溝52を加工してある。長大ネジ27は、一方材41と他方材51を引き寄せる役割を担い、汎用のネジ釘を大形化したもので、その頭部近傍を除くほぼ全域にネジ山26を形成してある。そのため差し込みを終えると、ネジ山26は一方材41と他方材51の両方に跨って配置される。なお長大ネジ27の差し込みに先立ち、一方材41と他方材51には下穴45、55を加工しておく。
組金具12は、受け片15と載せ片17で構成されるが、いずれも同一形状で、一方だけを上下反転させて役割を区分している。また受け片15の上面16および載せ片17の下面18は、段違いの水平面と、その間を結ぶ急斜面で構成され、他方材51を一方材41に引き寄せることができる。さらに上面16の中央部には、三角形状の山部21と谷部23を形成してある。そのため受け片15と載せ片17を接触させると、それぞれの山部21が相手方の谷部23に嵌り込み、幅方向の位置を自然に揃えることができる。
受け片15と載せ片17は、収容溝52の上下全域に達する大きさとしてある。そのため受け片15と載せ片17のいずれにも、長大ネジ27を通過させるための抜け孔22を形成してある。またネジ釘24を差し込むためのガイド孔19は、バランスなどを考慮して、中心から離れた左右二箇所に形成してある。施工時は、受け片15および載せ片17をネジ釘24で取り付け、次に受け片15と載せ片17で一方材41と他方材51を引き寄せ、最後に長大ネジ27で双方を一体化する。
図7は、図6の一方材41と他方材51を連結する直前の状態である。一方材41に受け片15を取り付け、他方材51の収容溝52に載せ片17を取り付ける。そして受け片15の上面16と載せ片17の下面18を接触させると、それぞれの山部21が相手方の谷部23に嵌まり込み、一方材41と他方材51が密着するほか、その側面同士が段差なく並ぶ。ただしこの段階では、他方材51の浮き上がりを拘束できず、また曲げモーメントにも対抗できない。そこで、一方材41の下穴45から長大ネジ27を差し込むと、一方材41と他方材51が完全に一体化する。
図8は、図6の一方材41と他方材51を連結した状態である。長大ネジ27は、受け片15や載せ片17の抜け孔22を貫き、一方材41から他方材51に差し込まれており、そのネジ山26は一方材41と他方材51に跨って配置されている。そのため、一方材41の経年変形により、長大ネジ27の頭部に緩みが生じた場合でも、一方材41と他方材51の連結に緩みが生じることはない。また、受け片15や載せ片17を取り付けるネジ釘24は、斜方向に差し込まれており、他方材51に作用する下向きの荷重により、引張方向の軸力が発生する。なお図8の縦断面では、ネジ釘24と長大ネジ27の両方を描いてあるが、実際には、これらは同一断面に並ぶ訳ではない。
図9は、一方材41と他方材51の端面同士を突き合わせて、直線状に連結する場合を示している。ここで使用する組金具13は、一方材41と他方材51の境界面43、53と同じ大きさで、また連結作業を考慮して、受け片15の上面16と載せ片17の下面18は、単純な水平面としている。さらに、一方材41と他方材51を引き寄せる引張軸には、スタッドボルト29を使用しており、境界面43、53を貫通するように差し込む。併せて、境界面43、53の陥没を防止するため、一方材41と他方材51のいずれにも同形状のラグスクリュー31を埋め込んでいる。このラグスクリュー31は、内部にスタッドボルト29を差し込めるよう、両端を貫通する中孔36を形成してある。
ラグスクリュー31を埋め込むため、一方材41と他方材51のいずれにも、境界面43、53を基点として丸穴44、54を加工してある。さらにスタッドボルト29の両端にナット28を螺合できるよう、一方材41と他方材51の上下面には、窓穴46、56を加工してある。窓穴46、56は必然的に、丸穴44、54の奥部と交差する。また、受け片15や載せ片17のガイド孔19は、上下に並べて配置することが難しく、左右に三個並べている。そのほか、一方材41側と他方材51側のラグスクリュー31の端面同士を接触させるため、受け片15と載せ片17のいずれにも、大径の抜け孔22を設けてある。
図10は、図9の一方材41と他方材51を連結した状態である。一方材41と他方材51は、スタッドボルト29で引き寄せられ、双方は完全に一体化している。また組金具13は、一方材41と他方材51に挟み込まれている。さらに、受け片15や載せ片17を取り付けているネジ釘24は、斜方向に差し込まれており、他方材51に作用する下向きの荷重により、引張方向の軸力が発生する。
図11は、これまでの図とは異なる連結構造を示している。引張軸や組金具の具体的な構成は自在で、これまでに開示したラグスクリュー31、32を使用することなく、この図のように、ボルト25とナット28を主体として、一方材41と他方材51を連結することもできる。ボルト25は、一方材41の側面に加工した下穴45から差し込み、その先端を他方材51に加工した窓穴56に到達させる。さらに、窓穴56からナット28を差し込み、ボルト25と螺合させて締め付けると、一方材41と他方材51が一体化する。なお、ボルト25頭部やナット28の陥没を防止するため、これらに隣接して大径のワッシャ38を組み込んでいる。
受け片15や載せ片17は、ネジ釘24のほか、係留ネジ64で一方材41や他方材51に取り付ける。係留ネジ64は、受け片15や載せ片17を正確な位置に固定する役割を担い、境界面43、53に対して直角に差し込む。なお係留ネジ64を差し込むため、受け片15や載せ片17には、先孔62を形成してあり、さらに係留ネジ64の頭部を収容するため、先孔62の入り口に丸溝63を形成してある。そして施工時は、まず受け片15や載せ片17を所定の位置に仮置きして、次に係留ネジ64を差し込み、受け片15や載せ片17を不動状態とした後、ネジ釘24を斜方向に差し込む。
図12は、図11の一方材41や他方材51にネジ釘24を差し込む段階を示している。この図のように、係留ネジ64を用いて、受け片15や載せ片17を一方材41や他方材51に取り付けた後、ネジ釘24を差し込むことで、ネジ釘24を差し込む際の作業性が向上するほか、受け片15や載せ片17の位置精度も向上する。
11 組金具
12 組金具
13 組金具
14 組金具
15 受け片
16 上面
17 載せ片
18 下面
19 ガイド孔
20 ザグリ
21 山部
22 抜け孔
23 谷部
24 ネジ釘
25 ボルト(引張軸)
26 ネジ山
27 長大ネジ(引張軸)
28 ナット
29 スタッドボルト(引張軸)
31 ラグスクリュー(中孔のあるもの)
32 ラグスクリュー(メネジのあるもの)
34 頭部
35 凸条
36 中孔
37 メネジ
38 ワッシャ
41 一方材
42 収容溝
43 境界面
44 丸穴
45 下穴
46 窓穴
51 他方材
52 収容溝
53 境界面
54 丸穴
55 下穴
56 窓穴
62 先孔
63 丸溝
64 係留ネジ

Claims (2)

  1. いずれも棒状の一方材(41)と他方材(51)との連結構造であって、
    前記一方材(41)と前記他方材(51)を引き寄せるための引張軸(25又は27又は29)と、
    前記一方材(41)と前記他方材(51)との境界面(43、53)に配置する組金具(11又は12又は13又は14)と、
    を用い、
    前記引張軸(25又は27又は29)は、前記一方材(41)と前記他方材(51)との境界面(43、53)を貫通するように差し込み、
    前記組金具(11又は12又は13又は14)は、前記一方材(41)側に取り付ける受け片(15)と、前記他方材(51)側に取り付ける載せ片(17)とからなり、
    前記受け片(15)の上面(16)と前記載せ片(17)の下面(18)が接触することで、前記他方材(51)が前記一方材(41)で支持され、
    前記受け片(15)および前記載せ片(17)は、ネジ釘(24)によって前記一方材(41)または前記他方材(51)に固定され、且つ該ネジ釘(24)は、前記受け片(15)側と前記載せ片(17)側のいずれも前記境界面(43、53)に対して斜方向に差し込むことを特徴とする連結構造。
  2. いずれも棒状の一方材(41)と他方材(51)を連結するため、該一方材(41)と該他方材(51)との境界面(43、53)に配置する組金具(11又は12又は13又は14)であって、
    該組金具(11又は12又は13又は14)は、前記一方材(41)側に取り付ける受け片(15)と、前記他方材(51)側に取り付ける載せ片(17)とからなり、
    前記受け片(15)の上面(16)と前記載せ片(17)の下面(18)が接触することで、前記他方材(51)が前記一方材(41)で支持され、
    前記受け片(15)および前記載せ片(17)は、ネジ釘(24)によって前記一方材(41)または前記他方材(51)に固定され、且つ該ネジ釘(24)を差し込むため該受け片(15)および該載せ片(17)に形成するガイド孔(19)は、前記境界面(43、53)に対して斜方向に伸びていることを特徴とする組金具。
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