JP2016132868A - 棒状金物 - Google Patents

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Abstract

【課題】木造建築などにおいて、部材の据え付けに用い、衝撃荷重を吸収する機能を備え、部材の割れを抑制可能な棒状金物を提供する。【解決手段】柱41などの主材と、柱脚金物51などの他材を連結する棒状金物11は、柱41(主材)の下穴47に埋め込む固着域31と、ボルト18を介し柱脚金物51(他材)と一体化する変形域21と、で構成し、固着域31と柱41を一体化するため、固着域31には、凸条37などの固着手段を設ける。また変形域21には、固着域31よりも縦弾性係数の小さい素材を用い、さらに変形域21と固着域31は、同軸線上に配置し且つ双方の端面同士を接合する。このような棒状金物11を用いることで、主材と他材との間に過大な引張荷重が作用した際、変形域21に弾塑性変形を生じ、衝撃を吸収し、主材(部材)の破損を防止する。【選択図】図1

Description

本発明は、木造建築などにおいて、部材の据え付けに用いる棒状金物に関する。
近年の木造建築は、耐震性の確保などを目的として、部材の連結に各種金物を用いることが多い。この金物の形状や用途や名称は多様で、小規模な住宅では、部材同士を引き寄せる羽子板ボルトが広く使用されている。また、大断面の部材を用いる木造建築では、部材にラグスクリューや異形ロッドを埋め込むことが多い。ラグスクリューや異形ロッドは、その側周面全体が部材と一体化するため、強度に優れるほか、時間の経過による緩みも生じにくい。
ラグスクリューは、高い強度を要求される箇所で普及しており、その具体例として後記特許文献1が挙げられる。この文献では、縦材と横材の二部材を連結するため、一対の基本金物と付属金物を使用しており、各金物を縦材や横材に取り付けるため、ラグスクリューを用いている。ラグスクリューは、縦材の側面や横材の端面に埋め込まれ、基本金物および付属金物の側面をラグスクリューの端面に接触させた後、両金物をボルトで固定する。ラグスクリューは、その全体が縦材や横材に埋め込まれ、緩みなく保持され、しかも引き抜きにも対抗する。そのため、二部材を強固に連結することができる。
次に異形ロッドは、部材に加工した穴に埋め込み、接着剤で部材と一体化するもので、その具体例として後記特許文献2が挙げられる。この文献では、接着剤の漏れ出しを防ぎ、美観に優れた木材接合体が開示されており、柱部材と梁部材のそれぞれの表面には、ガラスコート層を形成してある。また柱部材と梁部材を貫通するように棒状の補強材(異形ロッド)を埋め込み、その側周面に接着剤を注入し、両部材を接合する。さらにこの発明では、柱部材と梁部材との境界にシール材を貼り付け、接着剤の漏れ出しを防ぐことで、美観を向上させている。なおシール材は、ガラスコート層により、容易に引き剥がすことができる。
木材は、乾燥による収縮や過大な外力により、繊維方向に割れが生じることがある。その場合でも、限られた範囲であれば、強度に影響を与えることはない。しかしラグスクリューや異形ロッドなど、各種金物と接する箇所で割れが成長した場合、金物の脱落など、不測の不具合を招く恐れがある。このような事態を回避するため、後記特許文献3のような技術が提案されている。特許文献3では、二部材を引き寄せるボルトを意図的に長尺化し、その弾塑性変形を誘発させ、締結部に作用する衝撃荷重を吸収することを特徴としている。
特開2005−350983号公報 特開2008−95375号公報 特開2010−7428号公報
前記特許文献3のように、二部材を連結するボルトを意図的に長尺化した場合、必然的にそこで使用するラグスクリューも長尺化する。そのため、部品製造時や施工時のコスト上昇が避けられない。また部材の形状等の理由により、長尺のラグスクリューを使用できないこともある。さらにボルトを長尺化することで、締め付け後、ボルトの軸部の歪が大きくなり、締め付け時のトルクを厳密に管理しないと、後に緩みが生じる恐れもある。このように、特許文献3で開示された技術についても、後に課題が判明しており、衝撃荷重の吸収について、ボルトの長尺化以外の対策も検討すべきである。
さらに特許文献3のように、ボルトの弾塑性変形を利用して衝撃を吸収する構造は、ボルトが塑性変形した後、締結部に緩みが生じ、強度が大幅に低下する。これを回避するには、ボルトの頭部を何らかの手段で押圧し、ボルトの緩みを防止すれば良いが、スペースなどの都合で対策が難しい場合もあり、ボルトの弾塑性変形を利用することなく、衝撃を吸収できる技術も検討すべきである。
本発明はこうした実情を基に開発されたもので、木造建築などにおいて、部材の据え付けに用い、衝撃荷重を吸収する機能を備え、部材の割れを抑制可能な棒状金物の提供を目的としている。
前記の課題を解決するための請求項1記載の発明は、主材と他材を連結するための棒状金物であって、該主材に設けた下穴に埋め込み且つ固着手段によって該主材と一体化する固着域と、ボルトを介し前記他材と一体化する変形域と、からなり、該変形域は、前記固着域よりも縦弾性係数の小さい素材を用い、前記変形域と前記固着域は、同軸線上に配置し且つ双方の端面同士を接合してあることを特徴とする棒状金物である。
本発明は、住宅を始めとする各種木構造において、骨格となる部材の据え付けに使用され、従来のラグスクリューや異形ロッドやホゾシャフトを改良したもので、その形状は必然的に丸棒状となる。そのため、棒状金物と称することとする。また主材とは、柱や梁など、木構造を構築する棒状の木材を指し、この主材は棒状金物を介し、他の木材や柱脚金物などに取り付ける。当然ながら主材には、天然木のほか、各種集成材も含まれる。そして棒状金物は、あらかじめ主材に加工した下穴に埋め込む。
他材は、棒状金物を介し主材に接合される物全般を指す。そのため他材は、主材以外の木材のほか、柱脚金物を始めとする各種金物など、様々な形態が想定され、主材に対し極めて小さい金物となることもある。ただしいずれの他材についても、主材に埋め込まれた棒状金物と接触し、さらに他材は、ボルトによって棒状金物に押圧され、他材と棒状金物は強固に一体化する。
これまでに記載した棒状金物と主材と他材の具体例について、前記特許文献1で開示された構成要素に当てはめると、まず縦材および横材は、いずれも主材に相当する。また、縦材や横材に埋め込むラグスクリューは、棒状金物に相当する。さらに基本金物と付属金物(ラグスクリューとボルトを介し縦材や横材に取り付けられる)は、他材に相当する。なお特許文献1では、他材に相当する基本金物と付属金物を一体化することで、隣接する二本の主材(縦材と横材)を連結している。
棒状金物は、固着域と変形域から構成されるが、双方は同軸線上に隣接するように配置する。したがって同一横断面において、固着域と変形域が同心円状に並ぶことはない。また固着域は、棒状金物を主材に埋め込んだ際、下穴の奥に位置し、他材と接触することはない。対して変形域は、主材の表面近傍に位置し、必ず他材と接触する。なお変形域についても、下穴の入り口付近に入り込む場合がある。
固着手段は、下穴に埋め込まれた固着域を主材と一体化させるためのもので、従来技術をそのまま導入する。仮に、棒状金物がラグスクリューを流用したものであれば、その側周面を螺旋状に取り囲む凸条が固着手段となる。また、棒状金物が異形ロッドを流用したものであれば、異形ロッドと下穴との間に流し込む接着材が固着手段となる。なお、棒状金物となるラグスクリューや異形ロッドの詳細形状は、自在に決めて構わない。
変形域は、固着域と比較して縦弾性係数の小さい素材を使用する。そのため棒状金物に引張荷重が作用した際は、変形域に大きな弾塑性変形を生じる。そしてこの弾塑性変形により、衝撃荷重が吸収され主材の割れを抑制する。なお変形域を正常に機能させるため、固着手段は固着域に限定し、変形域を拘束しないようにする。また他材は、固着域と接触させることなく、変形域とだけ接触させる。
固着域と変形域は同軸線上に配置し、双方の端面同士を接触させた上、後に分離できない方法で接合する。したがって接合は、溶接や摩擦圧接法によるものとし、ボルト接合やピン接合など、各種部品を用いる方法は除外する。なお固着域と変形域の横断面(輪切り断面)の大きさは、同一に揃えることもできるが、諸事情により差があっても構わない。その場合でも、引張荷重が作用した際は、変形域を中心に弾塑性変形を生じるよう、諸条件を調整する。
他材は、前記のように、固着域と接触させることなく、変形域とだけ接触させる。また他材は、ボルトを用い、変形域と強固に一体化させる。そのため変形域の端部には、ボルトと螺合するメネジを形成する。なおメネジを形成することで内部がくり抜かれ、変形域の実断面積が小さくなり、必然的に応力が増大し、弾塑性変形量も大きくなる。
このように、主材に埋め込む棒状金物を固着域と変形域で構成し、双方を摩擦圧接法などで一体化することで、連結された二部材の間に衝撃荷重が加わった際、変形域に大きな弾塑性変形を生じ、主材に作用する衝撃が吸収される。そのため、固着域を起点とする主材の割れを抑制できる。なお本発明は、柱脚金物と柱との連結構造、柱と梁との連結構造など、様々な箇所に導入可能で、主材と対になる相手は、都度、自在に選択することができる。
請求項2記載の発明は、隣接する一方材と他方材を連結するための棒状金物であって、該一方材と該他方材との境界から対向するように伸びる下穴に埋め込み、固着手段によって前記一方材と一体化する第一固着域と、固着手段によって前記他方材と一体化する第二固着域と、該第一固着域と該第二固着域との間に挟み込む変形域と、からなり、該変形域は、前記両固着域よりも縦弾性係数の小さい素材を用い、前記変形域と前記両固着域は、同軸線上に配置し且つ双方の端面同士を接合してあることを特徴とする棒状金物である。
請求項2記載の発明による棒状金物は、土台と柱や、柱と梁など、隣接する二部材を連結するために用い、この二部材を跨ぐように埋め込む。なお二部材は便宜上、一方材および他方材と称するものとする。また棒状金物は、請求項1記載の発明と同様、固着域と変形域で構成されるが、変形域は中央に配置し、その両端に固着域を配置してあり、二箇所の固着域のうち、一方材の下穴に埋め込む方を第一固着域とし、他方材の下穴に埋め込む方を第二固着域とする。当然ながら、いずれも固着域とも、何らかの固着手段で一方材や他方材と一体化させるが、施工性などを考慮し、第一固着域と第二固着域で固着手段が異なることもある。
変形域の一端面には、第一固着域を接合してあり、変形域の他端面には、第二固着域を接合してある。そして一方材と他方材を引き離す荷重が作用した際は、請求項1記載の発明と同様、主に変形域に弾塑性変形を生じ、衝撃を吸収する。なお一方材と他方材は隣接しているため、変形域は、一方材または他方材の下穴に入り込むこともある。ただし変形域は、固着手段で拘束されることはなく、下穴の中で自在に弾塑性変形ができる。
請求項1記載の発明のように、主材と他材を連結する棒状金物は、固着域と変形域の二要素を接合した構成とし、変形域は、固着域よりも縦弾性係数の小さい素材を使用することで、主材と他材との間に過大な引張荷重が作用した際、変形域に弾塑性変形を生じ、衝撃を吸収し、主材の破損を防止する。しかも棒状金物は、個体差がほとんどなく、外力に対し一定の弾塑性変形を生じるため、連結構造の強度特性も一定となり、安定性に優れる。このような要因により、設計時の強度計算の条件が有利になり、主材の横断面の縮小などを実現できる場合もある。
さらに本発明による棒状金物は、変形域を有することで、ボルトを長尺化することなく衝撃を吸収できる。そのためボルトの長尺化による緩みの発生や、ラグスクリューなどの大形化といった問題も解消される。また本発明では、変形域が塑性変形し、主材と他材に隙間が生じた場合でも、主材と他材が棒状金物で拘束される点に変わりはなく、主材と他材の相対変位を規制し続ける。したがって過大な外力を受けた後も連結構造の強度低下を抑制でき、安全性にも優れる。
請求項2記載の発明のように、隣接する一方材と他方材を連結する棒状金物について、中央に位置する変形域を第一固着域と第二固着域で挟み込み、これらを接合し、さらに変形域に縦弾性係数の小さい素材を使用することで、一方材と他方材を引き離すような衝撃が加わった際、これを変形域で吸収し、一方材や他方材に過度な応力が作用することを防止できる。そのため一方材と他方材の連結構造の信頼性が向上するほか、請求項1記載の発明と同様、変形域の塑性変形後も、連結構造の強度低下を抑制できる。
本発明による棒状金物の形状例と使用例を示す斜視図である。 図1の柱を基礎コンクリートに据え付けた状態を示す斜視図と縦断面図である。 図1の柱を基礎コンクリートに据え付けた後、柱に過大な引張荷重が作用した状態を示す縦断面図で、上方の図は、棒状金物が引き伸ばされ、塑性変形を生じた状態で、下方の図は、塑性変形を生じた後、押し戻された状態である。 図1と同様、柱脚金物を介し、柱を基礎コンクリートに据え付ける構成を示す斜視図だが、固着域については、ラグスクリューではなく異形ロッドを用いている。 図4の柱を基礎コンクリートに据え付けた状態を示す斜視図と縦断面図である。 柱と梁をL字状に連結するため、棒状金物と受け金物と掛け金物を用いる構成を示す斜視図で、柱と梁が主材に相当し、受け金物と掛け金物が他材に相当する。 図6の柱と梁をL字状に連結した状態を示す斜視図と縦断面図である。 柱と梁をL字状に連結するため、梁の端面に棒状金物を埋め込み、柱の側面からボルトを差し込む構成を示す斜視図である。 図8の柱と梁をL字状に連結した状態を示す斜視図と縦断面図である。 固着域が二分された棒状金物の形状例と使用例を示す斜視図である。 図10の一方材と他方材をT字状に連結した状態を示す斜視図と縦断面図である。
図1は、本発明による棒状金物11の形状例と使用例を示す。この棒状金物11は、従来のラグスクリューを改良したもので、同軸線上に並ぶ固着域31と変形域21の二要素からなり、各種部材に埋め込む際は、固着域31を奥方とし、変形域21を入り口側とする。そして固着域31は、ラグスクリューをそのまま流用した部分で、円柱形を基調としており、その側周面には、螺旋状に伸びる凸条37を形成してある。対して変形域21は、円柱形を基調としており、各種部材に埋め込む際に工具を掛けるため、六角形の頭部27を形成してある。さらに頭部27の中心には、ボルト18を螺合するためのメネジ28を形成してある。
固着域31は、埋め込んだ部材と一体化させるため、弾塑性変形を生じにくいことが好ましい。対して変形域21は、衝撃荷重を吸収するため、柔軟性を持たせる必要がある。そこで固着域31には、引張荷重が作用した際も弾塑性変形を生じにくい冷間圧造用炭素鋼線(SWCH)を用いている。対して変形域21には、建築構造用圧延棒鋼(SNR)を用いている。建築構造用圧延棒鋼は、じん性に優れ衝撃荷重を吸収しやすく、過荷重に対し、破断することなく塑性変形を生じやすい。
図1の変形域21は、固着域31(凸条37を除く)よりも大径である。ただしメネジ28の分だけ実断面積が小さくなり、引張荷重を受けた際の応力は、固着域31と大きな差がない。そのため双方の縦弾性係数の違いにより、変形域21を中心に弾塑性変形を生じる。仮に変形域21を一段と小径化すると、変形が促進され、衝撃吸収の面では有利だが、剛性低下も懸念され、双方のバランスを考慮し、固着域31と変形域21の形状を決定する。
固着域31と変形域21は、製造段階において摩擦圧接法で一体化し、以降、分離してはならない。当然ながら、埋め込み時のトルクや、施工後の引張荷重で接合面から破壊することのないよう、事前に諸条件を検討する。なお固着域31と変形域21は、溶接で一体化することも可能だが、荷重が溶接ビードを中心に伝達され、応力集中を伴う恐れがあり、摩擦圧接法が最適である。
図1では、柱41を基礎コンクリート61に据え付けることを想定しており、双方の間に箱形の柱脚金物51を挟み込んでいる。また棒状金物11は、柱41と柱脚金物51を一体化するために使用する。なお本発明による棒状金物11は、主材と他材を連結するためのもので、図1において、主材に相当するのは柱41で、他材に相当するのは柱脚金物51である。
棒状金物11は、柱41の下面中心に加工された下穴47と大穴49に埋め込む。下穴47は、固着域31を埋め込むためのもので、固着手段である凸条37が下穴47の内周面に食い込む。また大穴49は、変形域21を余裕で収容できる内径としてある。施工時は、固着域31を先頭として大穴49に棒状金物11を差し込み、さらに頭部27に工具を掛けて回転を与え、凸条37を柱41に食い込ませる。
柱脚金物51は、基礎コンクリート61の上面から突出するアンカーボルト62と、これに螺合する基礎ナット65で固定される。そのため柱脚金物51の下部には、アンカーボルト62を差し込むため、アンカー孔67を設けてある。なお位置調整のためアンカー孔67はやや大径としてあり、これを塞ぐため、通常の小ワッシャ64と併せ大ワッシャ63も使用している。また柱脚金物51と棒状金物11は、ボルト18を介し一体化する。このボルト18の軸部を差し込むため、柱脚金物51の上部には、天孔68を設けてある。
図2は、図1の柱41を基礎コンクリート61に据え付けた状態を示す。柱脚金物51の下面は、基礎コンクリート61の上面と接触し、且つ柱脚金物51の上面は、柱41の下面と接触し、柱41が不動状態で据え付けられている。また棒状金物11は、柱41の中心に埋め込まれ、固着域31の凸条37が内部に食い込み、柱41と一体化している。ただし変形域21については、大穴49の内周と接触することなく配置され、その変形が規制されることはない。そのほか固着域31と変形域21は、摩擦圧接法で全面的に一体化しており、作用した荷重は接合面全体を介し伝達する。
柱脚金物51と棒状金物11を一体化するボルト18は、変形域21中心のメネジ28と螺合している。このメネジ28は、意図的に長さを伸ばし、変形域21の実断面積を小さくし、変形を促進させている。したがって柱41を引き抜くような荷重が作用した際、固着域31を介し変形域21が引き伸ばされるが、伸びが集中するのは、横断面にメネジ28が存在し、しかもボルト18と螺合していない領域である。
図3は、図1の柱41を基礎コンクリート61に据え付けた後、柱41に過大な引張荷重が作用した状態を示している。引張荷重を受けることで、棒状金物11の固着域31は、柱41と一体で上方に移動するが、変形域21の下面は、ボルト18で拘束され柱脚金物51との接触を維持する。その結果、図3上方の「引き伸ばされた状態」に描くように、主に変形域21が引き伸ばされ、その側周面中央にクビレが生じる。ただしボルト18に緩みは生じておらず、柱脚金物51と棒状金物11に緩みが生じることもない。そのため柱41は、棒状金物11を介し柱脚金物51に拘束されており、柱41の剛性低下も限定的である。
棒状金物11が引き伸ばされた後、建築物の自重などで下向きの荷重を受けると、図3下方の「押し戻された状態」に描くように、変形域21が押し戻され、当初のような円柱形状に復元し、これまでと同様の機能を発揮する。このように本発明では、弾塑性変形を変形域21に集中させることで、ボルト18の緩みを防止し、柱41などの主材を安定して据え付けることができる。
図4は、図1と同様、柱脚金物51を介し、柱41を基礎コンクリート61に据え付ける構成を示している。ただし棒状金物12の固着域32については、ラグスクリューではなく異形ロッドを用いている。そのため固着域32の側周面には、複数のリブ33を形成してあり、さらに固着域32の端面に変形域22を圧接してある。なお変形域22の外径は、リブ33の外径と同じである。また固着域32に対応し、固着手段として接着剤38を用いる。そして接着剤38の供給と空気の排出のため、柱41の側面には、二箇所に注入穴46を加工してある。
柱脚金物51を基礎コンクリート61に固定する点や、柱脚金物51と棒状金物12をボルト18で一体化する点は、先の図1と何ら変わりがない。また柱41を据え付けた後、柱41に過大な引張荷重が作用した際、変形域22の弾塑性変形で衝撃を吸収し、ボルト18の緩みや柱41の割れを防止する点も、先の図1と何ら変わりがない。
図5は、図4の柱41を基礎コンクリート61に据え付けた状態を示す。柱脚金物51の下面は、基礎コンクリート61の上面と接触し、且つ柱脚金物51の上面は、柱41の下面と接触し、柱41が不動状態で据え付けられている。また棒状金物12の固着域32は、接着剤38に取り囲まれ、柱41と一体化している。なお変形域22とリブ33の外径はほぼ同じであり、接着剤38が変形域22の側周面に流入することはなく、変形域22の変形を拘束することはない。
図6は、柱41と梁42をL字状に連結するため、棒状金物13と受け金物52と掛け金物53を用いる構成を示しており、柱41と梁42が主材に相当し、受け金物52と掛け金物53が他材に相当する。またここで使用する棒状金物13は、ラグスクリューを用いた固着域31と、メネジ28などが形成された変形域23を摩擦圧接したものだが、固着域31(凸条37のない円柱状の部分)と変形域23の外径を揃えてあり、埋め込みの際、図1のような大穴49は不要である。なお柱41と梁42は、受け金物52と掛け金物53を密着させることで連結する。
受け金物52は、柱41の側面に取り付けられ、その上方には先鋭なクサビ56を形成してあり、下方には帯状の受け帯58を接合してある。また掛け金物53は、受け金物52を上下反転させたもので、梁42の端部中央に加工した段差48の奥面に取り付ける。そして双方のクサビ56を相手方の受け帯58に差し込むことで、受け金物52と掛け金物53が自然に密着する。なお段差48は、梁42の端面を柱41の側面に密着させ、受け金物52や掛け金物53を覆い隠すために設けてある。
棒状金物13は、受け金物52や掛け金物53を取り付けるための基礎となり、柱41の側面および梁42の段差48の奥面に加工する下穴47に埋め込む。なお棒状金物13は、柱41側と梁42側のいずれも同一形状である。そして棒状金物13を埋め込んだ後、受け金物52や掛け金物53をボルト18で取り付ける。したがってこの図では、柱41と梁42のいずれも主材となり、受け金物52や掛け金物53が他材となる。施工の際は、受け金物52を柱41に取り付け、掛け金物53を梁42に取り付け、次に吊り上げた梁42を徐々に下降させ、クサビ56を受け帯58に差し込む。
図7は、図6の柱41と梁42をL字状に連結した状態を示す。クサビ56と受け帯58により、受け金物52と掛け金物53は密着し、柱41の側面と梁42の端面も密着する。また受け金物52と掛け金物53のいずれも、ボルト18を介し柱41や梁42に取り付けられている。そのため柱41と梁42を引き離すような荷重が作用すると、変形域23で弾塑性変形を生じて衝撃を吸収し、柱41や梁42の割れや固着域31の引き抜けを防止する。
図8は、柱43と梁42をL字状に連結するため、梁42の端面に棒状金物13を埋め込み、柱43の側面からボルト18を差し込む構成を示している。ここで使用する棒状金物13は、先の図6と同じ物だが、柱43と梁42の両方に埋め込む訳ではなく、梁42の端面だけに埋め込む。そのため柱43の側面には、棒状金物13と同心に揃う位置に中空ラグスクリュー54を埋め込む。この中空ラグスクリュー54は、棒状金物13の変形域23に密着する他材で、その中心には、ボルト18の軸部を差し込むため、貫通孔71を設けてあるほか、側周面には凸条70を形成してある。なお梁42の端面には、棒状金物13を埋め込むため、有底の下穴47を加工してあり、対する柱43の側面には、中空ラグスクリュー54を埋め込むため、両側を貫く横孔69を加工してある。
図9は、図8の柱43と梁42をL字状に連結した状態を示す。棒状金物13は、ボルト18で中空ラグスクリュー54に引き寄せられ、双方が密着することで柱43と梁42が連結されている。なお梁42に作用する下向き荷重を柱43に伝達するため、棒状金物13と中空ラグスクリュー54の埋め込み位置を調整し、変形域23の一部を柱43の横孔69に嵌め込んでいる。この場合でも、柱43と梁42を引き離すような荷重が作用した際、変形域23の弾塑性変形で衝撃を吸収する点は、これまでと何ら変わりがない。
図10は、固着域が二分された棒状金物15の形状例と使用例を示す。この棒状金物15は、従来のホゾシャフトを改良したもので、中央に変形域25を配置し、その両端に固着域を圧接した構成で、隣接する一方材45と他方材55の連結に使用する。なお二箇所の固着域のうち、一方材45に加工した下穴47に埋め込む方を第一固着域34とし、水平に伸びる他方材55の下穴57に埋め込む方を第二固着域35とする。
両固着域34、35を一方材45や他方材55と一体化する固着手段については、ドリフトピン39を用いている。ドリフトピン39を打ち込むため、一方材45および他方材55の側面には、下穴47、57と交差するピン孔72を加工してある。また両固着域34、35には、ピン孔72と同心に揃う側孔36を形成してある。そのほか棒状金物15の両固着域34、35は、弾塑性変形を生じにくいことが好ましく、対して変形域25は、衝撃荷重を吸収するため柔軟性を持たせる必要がある。そこで両固着域34、35には、冷間圧造用炭素鋼線(SWCH)を用い、変形域25には、建築構造用圧延棒鋼(SNR)を用い、これらの端面同士を摩擦圧接法で一体化している。
図11は、図10の一方材45と他方材55をT字状に連結した状態を示す。一方材45と他方材55は、棒状金物15とドリフトピン39を介して連結され、棒状金物15の変形域25は、一方材45と他方材55の境界付近に位置する。そのため一方材45と他方材55を引き離す過大な荷重が作用した際は、変形域25を中心に弾塑性変形を生じ、衝撃を吸収し、ドリフトピン39を起点とする一方材45や他方材55の割れを防止する。
これまでの各図に示すように、棒状金物の固着域および変形域の形態は様々で、実施可能な範囲において、これらを自由に組み合わせることができる。例として、図10の第一固着域34および第二固着域35として異形ロッドを用い、固着手段として接着剤38を用いることもできる。
11 棒状金物
12 棒状金物
13 棒状金物
15 棒状金物
18 ボルト
21 変形域
22 変形域
23 変形域
25 変形域
27 頭部
28 メネジ
31 固着域(ラグスクリュー)
32 固着域(異形ロッド)
33 リブ
34 第一固着域
35 第二固着域
36 側孔
37 凸条(固着手段)
38 接着剤(固着手段)
39 ドリフトピン(固着手段)
41 柱(主材)
42 梁(主材)
43 柱(主材ではない柱)
45 一方材
46 注入穴
47 下穴
48 段差
49 大穴
51 柱脚金物(他材)
52 受け金物(他材)
53 掛け金物(他材)
54 中空ラグスクリュー(他材)
55 他方材
56 クサビ
57 下穴
58 受け帯
59 丸孔
61 基礎コンクリート
62 アンカーボルト
63 大ワッシャ
64 小ワッシャ
65 基礎ナット
67 アンカー孔
68 天孔
69 横孔
70 凸条
71 貫通孔
72 ピン孔

Claims (2)

  1. 主材(41又は42)と他材(51乃至54)を連結するための棒状金物であって、
    該主材(41又は42)に設けた下穴(47)に埋め込み且つ固着手段(37又は38)によって該主材(41又は42)と一体化する固着域(31又は32)と、ボルト(18)を介し前記他材(51乃至54)と一体化する変形域(21乃至23)と、からなり、
    該変形域(21乃至23)は、前記固着域(31又は32)よりも縦弾性係数の小さい素材を用い、
    前記変形域(21乃至23)と前記固着域(31又は32)は、同軸線上に配置し且つ双方の端面同士を接合してあることを特徴とする棒状金物。
  2. 隣接する一方材(45)と他方材(55)を連結するための棒状金物であって、
    該一方材(45)と該他方材(55)との境界から対向するように伸びる下穴(47、57)に埋め込み、
    固着手段(39)によって前記一方材(45)と一体化する第一固着域(34)と、固着手段(39)によって前記他方材(55)と一体化する第二固着域(35)と、該第一固着域(34)と該第二固着域(35)との間に挟み込む変形域(25)と、からなり、
    該変形域(25)は、前記両固着域(34、35)よりも縦弾性係数の小さい素材を用い、
    前記変形域(25)と前記両固着域(34、35)は、同軸線上に配置し且つ双方の端面同士を接合してあることを特徴とする棒状金物。
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