以下に、本発明にかかる自動応答装置、自動応答中継装置、自動応答通信システム、自動応答方法、および、プログラムの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。特に、以下の実施の形態の説明においては、公共交通機関として電車を例にした形態について説明することがあるが、これに限られず、公共交通機関は、船や飛行機等であってもよい。また、通信として電話を例にした形態について説明することがあるが、これに限られず、通信は電子メールの送受信等であってもよい。なお、通信は1つの通信方法を用いる場合に限られず、受信と発信とで異なる通信方法を用いてもよい。例えば、発信者から電話で着信を受けた場合に、メールによって応答してもよい。
以下、本発明の構成および処理について、第1の実施形態(自動応答装置)、および、第2の実施形態(自動応答中継装置)の順にて詳細に説明する。
[第1の実施形態]
最初に、本発明の第1の実施形態(自動応答装置)について、図1から図15を参照して以下に説明する。但し、以下に示す第1の実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための自動応答装置を例示するものであって、本発明をこの自動応答装置に特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態の自動応答装置にも等しく適用し得るものである。例えば、第1の実施形態で例示する自動応答通信システムにおけるにおける通信端末側と中継装置側の機能分散の形態は以下に限られず、同様の効果や機能を奏し得る範囲において、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
[自動応答装置100の構成]
まず、第1の実施形態における自動応答装置100の構成の一例について、図1を参照して以下に説明する。ここで、図1は、第1の実施形態における自動応答装置100の構成の一例を示すブロック図であり、該構成のうち本発明に関係する部分のみを概念的に示している。
図1に示すように、本実施形態の自動応答装置100は、概略的に、通信制御インターフェース部104等の通信手段と、制御部102と、入力部116とを備える。なお、図1に示すように、本実施形態の自動応答装置100は、更に、位置取得部112と、出力部114と、入出力制御インターフェース部108とを備える。ここで、自動応答装置100は、経路案内アプリケーションおよび乗換案内アプリケーション等を搭載した小型端末装置等であってもよい。
図1に示すように、通信には、一例として、ネットワーク300を介した有線・無線通信等の遠隔通信等を含む。また、これら自動応答装置100の各部は任意の通信路を介して通信可能に接続されている。なお、図1に示すように、第1の実施形態の通信システムにおいて、自動応答装置100は、通信制御インターフェース部104等の通信手段を介して、通信端末200と通信可能に接続される。ネットワーク300は、自動応答装置100および通信端末200と、外部の地図提供サーバ等の外部機器600とを相互に接続する機能を有し、例えば、インターネット、電話回線網(携帯端末回線網および一般電話回線網等)、イントラネット、または、電力線通信(PLC)等であってもよい。ここで、通信端末200は、通信手段を備えた携帯端末装置等の端末装置であって、一例として、自動応答装置100の構成と同様の構成を有してもよい。
[自動応答装置100の構成]
ここで、図1において、自動応答装置100は、公共交通機関を利用中であることを検出し、公共交通機関を利用中に通信手段を介して着信があった場合に、公共交通機関の停留地点の中から、利用者が公共交通機関の利用を停止して通信を行うのに適当な地点である通信可能地点を、入力部116を介して利用者に選択させ、通信手段を介して、通信可能地点への到達時刻または所要時間を含む応答メッセージを、着信に対して応答する等の機能を有する。自動応答装置100は、例えば、一般に市販されるデスクトップ型またはノート型のパーソナルコンピュータ等の情報処理装置、携帯電話、スマートフォン、PHS、およびPDA等の携帯端末装置、および、走行経路案内等を行うナビゲーション端末(例えば、カー自動応答装置など)等である。ここで、自動応答装置100は、インターネットブラウザ等を搭載していてもよく、経路案内アプリケーション、乗換案内アプリケーション、および情報検索アプリケーション等を搭載していてもよい。また、自動応答装置100は、リアルタイムに現在位置測位が行えるよう、GPS機能やIMES機能等を有する位置取得部112を備えていてもよい。また、自動応答装置100の出力部114は、表示手段としての表示出力用の出力部のほか、音声出力手段等の音声出力用の出力部を含んでもよい。また、自動応答装置100は、データ入力等を行う入力部116を備えてもよい。
ここで、出力部114は、アプリケーション等の表示画面を表示する表示手段(例えば、液晶または有機EL等から構成されるディスプレイおよびモニタ等)であってもよい。また、出力部114は、音声情報等を音声として出力または警告音等の音声を出力する音声出力手段(例えば、スピーカ等)であってもよい。また、入力部116は、例えば、キー入力部、タッチパネル、キーボード、およびマイク等であってもよい。また、入出力制御インターフェース部108は、位置取得部112、出力部114、および、入力部116等の制御を行う。
ここで、位置取得部112は、例えば、位置発信装置500から発信される位置情報信号を受信する信号受信手段であってもよい。ここで、位置発信装置500は、位置情報信号(GPS信号)を発信するGPS装置であってもよい。また、位置発信装置500は、自動応答装置100との間で無線通信を行うための装置等である基地局(例えば、携帯電話、自動車電話、および、PHSの基地局等)であってもよい。また、位置発信装置500は、GPS信号と類似した特徴を持つ位置情報信号を用いて屋内測位を可能とするIMES(Indoor Message System)技術を実現するIMES装置であってもよい。なお、IMES技術は測位衛星システムである準天頂衛星の枠組みから発案されたシステムである。
また、位置発信装置500は、屋外で受信したGPS信号を屋内で発信するGPSリピータであってもよい。また、位置発信装置500は、建物(例えば、立体駐車場等)内の各フロアや地下構造物(例えば、地下鉄駅、地下街、地下連絡通路、および地下駐車場等)の各所に任意に設置される小型発信装置であってもよい。なお、この小型発信装置には、設置場所に応じた自己位置情報(位置ID等)が割り振られている。そして、自動応答装置100が通信可能範囲に入ると、自動応答装置100は、小型発信装置から送信される自己位置情報を位置情報信号として受信する。この際の通信方式は、例えば、RFID(Radio Frequency Identification)タグシステムやBluetooth(登録商標)等の各種近距離無線方式や、赤外線通信方式等であってもよい。また、位置発信装置500は、無線LANのアクセスポイントであってもよい。本実施形態において、位置取得部112は、無線LAN信号等を受信して、アクセスポイントの識別情報を取得してもよい。そして、制御部102は、位置取得部112にて取得したアクセスポイント固有の識別情報からアクセスポイントの位置を特定して位置情報を取得してもよい。また、本実施形態において、制御部102は、位置取得部112にて取得された位置情報信号から、緯度、経度、および、高さ情報を含む位置情報を算出してもよい。ここで、位置情報は、緯度および経度により特定される絶対位置の他、基準となる位置からの相対位置を示すものであってもよい。
ここで、位置取得部112は、自動応答装置100の変化量(例えば、ベクトル量等)を検出する速度センサ、加速度センサ、方位センサ、および、距離センサ等を備えていてもよい。ここで、位置取得部112は、速度センサにて速度を検出してもよい。また、位置取得部112は、加速度センサにて加速度を検出してもよい。また、位置取得部112は、方位センサにて方位(例えば、東・西・南・北・天・地等)および傾きを検出してもよい。また、位置取得部112は、距離センサにて移動距離(変位)を検出してもよい。ここで、速度センサは、レーザドップラ振動計等であってもよく、検出したドップラー効果によって生じた周波数の差等から自動応答装置100の速度を検出してもよい。また、加速度センサは、機械式加速度センサ、FBG光ファイバ式等の光学式加速度センサ、および、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)加速度センサ等の半導体式加速度センサなどであってもよい。また、方位センサには、絶対走行方位を検出する地磁気センサ、および、相対走行方位を検出する光ジャイロ等が使用されてもよい。また、方位センサは、地磁気センサと加速度センサを組み合わせることで方位および傾きに関する情報を取得できる電子コンパス等であってもよい。また、距離センサは、自動応答装置100が自転車等の車両用の情報処理端末である場合、車軸の回転数に比例してパルス信号を発生させ、パルス信号の数量に比例した移動距離を検出してもよい。また、位置取得部112は、更に、通信装置を備えていてもよく、自動応答装置100が自転車等の車両用の情報処理端末である場合、各車両に搭載された当該通信装置の車車間通信から自車位置を示す位置情報を取得してもよい。また、位置取得部112は、地図情報に基づいて自動応答装置100の利用者の現在位置を示す位置情報を取得してもよい。
また、通信制御インターフェース部104は、通信回線や電話回線等に接続されるアンテナやルータ等の通信装置(図示せず)に接続されるインターフェースであり、自動応答装置100とネットワーク300との間における通信制御を行う機能を有する。すなわち、通信制御インターフェース部104は、通信端末200や外部機器600等と通信回線を介してデータを通信する機能を有している。
また、記憶部106は、HDD(Hard Disk Drive)等の固定ディスク装置およびSSD(Solid State Drive)等のストレージ手段、および/または、SRAM(Static Random Access Memory)等を用いて構成される小容量高速メモリ(例えば、キャッシュメモリ)等のストレージ手段であり、各種のデータベースやファイルやテーブル(ネットワークデータベース106a、時刻表データベース106b、路線図データベース106c、交通情報データベース106d等)を格納してもよい。ここで、記憶部106は各種のファイル等を一時的に記憶するものであってもよい。
これら記憶部106の各構成要素のうち、ネットワークデータベース106aは、公共交通機関等に関する交通網を規定するネットワークデータを記憶するネットワークデータ記憶手段である。ここで、ネットワークデータは、交通網表現上の結節点であるノードと、当該ノード間を接続するリンクと、の組み合わせによって表現されるネットワークに関する情報であってもよい。また、ネットワークデータは、道路ネットワークデータ、路線網ネットワークデータ、および、施設内ネットワークデータを含んでいてもよい。これらネットワークデータは、ネットワークデータベース106aに予め記憶されており、自動応答装置100の制御部102は、定期的に、および/または、制御部102による処理に応じて(例えば、制御部102においてデータが必要となる契機等)、ネットワーク300を介して最新のデータを外部機器600(例えば、ネットワークデータを提供する地図提供サーバなど)等からダウンロードしてネットワークデータベース106aに記憶されたネットワークデータをアップデートしてもよい。
ここで、ネットワークデータに含まれる路線網ネットワークデータは、鉄道、飛行機、バス、および、船等の各交通機関(例えば、公共交通機関等)の路線網を規定するネットワークデータであり、例えば、路線網表現上の結節点であるノード(例えば、交通機関の停留地点である駅、停留場、停車場、停留所、空港、港、および、ターミナル等)のノードデータと、ノード間を接続する鉄道路線、航空路線、航路、および、バス路線等のリンクのリンクデータとの組み合わせによって表現されるネットワークデータである。ここで、路線とは、交通機関が通過する出発地と目的地とを結ぶ線であってもよい。また、鉄道とは、ルート上に設置された固定式案内路(レール、および案内軌条など)等に誘導されて走行し、旅客や貨物等を輸送する交通機関であり、例えば、電車、路面電車、ロープウェイ、モノレール、ケーブルカー、および、リニアモーターカー等であってもよい。また、ノードデータには、ノード番号(例えば、ノードID等)、ノードの名称(例えば、交通機関の停留地点の名称である駅名、停留場名、停車場名、停留所名、空港名、港名、および、ターミナルの名称等)、および、緯度経度高度などの位置座標等の情報を含んでいてもよい。また、リンクデータには、リンク番号(例えば、リンクID等)、開始ノードID、終了ノードID、種別、リンク長(例えば、距離等)、高架、トンネルおよび橋等のリンク内属性、ならびに、名称(例えば、路線名など)等の情報を含んでいてもよい。また、路線網ネットワークデータは、更に、交通機関の種別(例えば、特急、急行、準急、快速、快速急行、通勤特急、通勤快速、通勤急行、区間急行、区間準急、区間快速、各駅停車、および、普通など)に対応したノード(例えば、急行停車駅、準急停車駅、および、快速停車駅等)のノードデータと、当該ノード間を接続する鉄道路線、および、バス路線等のリンクのリンクデータとの組み合わせによって表現されるネットワークデータを当該種別に対応付けて含んでいてもよい。
また、路線網ネットワークデータは、交通機関の乗降場所(例えば、駅のプラットホーム等)の位置情報(例えば、緯度経度高度等)、形状情報、配置情報(例えば、島式ホームおよび相対式ホーム等)、および、属性情報(例えば、プラットホーム番号などの乗降場所の名称および識別番号等)などを含む乗降場所情報を含んでいてもよい。また、路線網ネットワークデータは、交通機関の利用運賃料金データを含んでいてもよい。ここで、利用運賃料金データは、例えば、鉄道、飛行機、バス、および、船等の各交通機関を利用した場合に生じる利用運賃料金等を表す情報等であってもよい。また、路線網ネットワークデータは、乗車位置データを含んでいてもよい。ここで、乗車位置データは、例えば、電車、路面電車、モノレール、ケーブルカー、および、リニアモーターカー等の複数の車両が連結した交通機関の乗車位置(一例として、改札口に近い車両、乗換に便利な位置の車両、混雑率の低い車両、および、女性専用車両等)を表す情報等であってもよい。
また、時刻表データベース106bは、交通機関の時刻表情報を記憶する時刻表情報記憶手段である。ここで、時刻表データベース106bに記憶される時刻表情報は、例えば、電車、飛行機、バス、市電、ロープウェイ、モノレール、ケーブルカー、リニアモーターカー、および、船等の各公共交通機関の各駅の時刻表を表す情報等であってもよい。ここで、本実施形態において交通機関の駅は、電車、飛行機、バス、市電、ロープウェイ、モノレール、ケーブルカー、リニアモーターカー、および、船等の交通機関の停留地点(列車駅、バス駅、停車場、停車所、空港や停機場等)などの停止位置を含む。また、時刻表情報は、駅名に対応付けて、交通機関の出発時刻のほか、通過時刻や到着時刻を定義づけたデータであってもよく、交通機関の便名や行き先や、普通や快速等の種別等を更に定義づけたデータであってもよい。時刻表情報は、時刻表データベース106bに予め記憶されており、自動応答装置100の制御部102は、定期的にネットワーク300を介して最新のデータを外部機器(例えば、時刻表情報を提供する時刻表サーバなど)等からダウンロードして時刻表データベース106bに記憶された時刻表情報をアップデートしてもよい。
また、路線図データベース106cは、公共交通機関の路線を図式化したデータを記憶する路線図記憶手段である。路線図データベース106cに記憶される路線図データは、路線図に含まれる駅名の文字データとの組み合わせてもよく、現在地がどの路線のどの駅であるか等が特定可能なパターンデータ等であってもよい。すなわち、路線図データベース106cは、路線図を表すための、文字列配置情報、配色情報、記号情報、および、ホーム情報等を適宜組み合わせた、路線、駅名、進行方向、および、交通機関の運行種別等を特定可能なパターンデータであってもよい。
また、交通情報データベース106dは、交通情報を記憶する交通情報記憶手段である。ここで、交通情報は、交通機関の運行情報(例えば、渋滞情報や遅延情報等)を含んでいてもよく、例えば、運行情報は、鉄道運行情報、航空運行情報、船舶運行情報、および、バス運行情報等を含んでいてもよい。また、運行情報は、交通機関の時刻表データ(運行時刻情報)を含んでいてもよい。また、交通情報は、バスや電車等の交通機関の混雑度データであってもよい。例えば、混雑度データは、Felica(登録商標)等の技術を用いた乗車ICカード等によって収集されるデータであってもよい。また、交通情報は、道路交通情報を含んでいてもよい。ここで、道路交通情報は、渋滞発生地点や渋滞距離や道路上の二地点間の通過時間(すなわち、旅行時間など)等の渋滞情報を含んでいてもよい。また、道路交通情報は、交通障害情報や交通規制情報等を含んでいてもよい。ここで、交通規制情報は、各種の交通規制を定義するデータであり、例えば、降水量規制、積雪・凍結規制、超波規制、風速規制、および視程規制等の異常気象時通行規制、高さ規制および重量規制等の車両通行規制、道路工事や作業、道路周辺の工事に伴う工事時規制、時間帯や車種により通行できる通行帯を規制している通行帯規制および道路の損壊等による車両通行止、交通の安全を確保するために設置されるコミュニティ・ゾーン等による一般車の進入禁止、ならびに、私有地への接続路であることによる一般車の進入禁止等の情報などを含んでもよい。また、交通規制情報は、工事、事故、または、車両故障等により車両通行帯等が走行不能または走行困難となる通行規制情報であってもよい。また、これら交通情報は、交通情報データベース106dに予め記憶されており、自動応答装置100の制御部102は、定期的(例えば、5分毎等)に、および/または、制御部102による処理に応じて(例えば、制御部102においてデータが必要となる契機等)、ネットワーク300を介して最新のデータを外部機器600(例えば、警察庁、VICS(Vehicle Information and Communication System)(登録商標)、および、ATiS(Advanced Traffic Information Service)(登録商標)、日本道路交通情報センター(JARTIC)(登録商標)、鉄道会社、および、交通情報配信サーバ(サービス)など)等からダウンロードして交通情報データベース106dに記憶された交通情報をアップデートしてもよい。あるいは、自動応答装置100は、当該外部機器600等が能動的に送信した交通情報を受信して、交通情報データベース106dに格納してもよい。
なお、上記以外にも記憶部106は、応答メッセージに関する音声データ等の情報を記憶してもよい。なお、応答メッセージは、通信可能地点での通信要否について発信者の回答を求める回答要求を含んでもよい。また、自動応答装置100の制御部102は、定期的に、および/または、制御部102による処理に応じて(例えば、制御部102においてデータが必要となる契機等)、最新の交通情報を外部機器600(交通情報を提供する案内情報提供サーバなど)等からダウンロードしてもよい。
また、図1に示すように、制御部102は、OS等の制御プログラムや、各種の処理手順等を規定したプログラム、および、所要データを格納するための内部メモリを有する。そして、制御部102は、これらのプログラム等により、種々の処理を実行するための情報処理を行う。制御部102は、機能概念的に、現在位置情報取得部102a、利用路線判定部102b、通信可能地点選択部102c、通信応答部102h、通信予想時間取得部102j、および、通信予想時間変更部102kを備える。
このうち、現在位置情報取得部102aは、自動応答装置100の利用者の現在位置情報を取得する現在位置情報取得手段である。ここで、現在位置情報取得部102aは、自動応答装置100の利用者の現在位置情報を所定時間(所定周期)ごと(例えば、1秒ごと、または、3分ごと等)に取得してもよい。また、現在位置情報取得部102aは、位置取得部112にて位置発信装置500から受信した位置情報信号から算出した位置情報を自動応答装置100の利用者の現在位置情報として取得してもよい。
また、現在位置情報取得部102aは、利用者により入力部116を介して入力された現在位置についての位置座標等の位置情報を自動応答装置100の利用者の現在位置情報として取得してもよい。ここで、利用者により入力部116を介して入力された現在位置情報に基づく現在位置は、利用者が現実に存在する位置であってもよく、利用者により任意に選択された仮想の現在位置(一例として、東京にいる利用者により選択された大阪の駅や空港等の任意の地点)であってもよい。例えば、現在位置情報取得部102aは、入力部116を介して利用者に出力部114に表示された地図情報に基づく表示画面上で指定(例えば、タッチパネル式の出力部114での指定操作等)させた座標を自動応答装置100の利用者の現在位置情報として取得してもよい。
また、利用路線判定部102bは、公共交通機関を利用中であることを検出する利用検出手段である。例えば、利用路線判定部102bは、現在位置情報取得部102aにより取得された現在位置情報に基づいて、公共交通機関を利用中であることを検出してもよい。一例として、利用路線判定部102bは、現在位置情報、および、ネットワークデータベース106aに記憶された路線ネットワークデータに基づいて、利用路線を判定してもよい。また、利用路線判定部102bは、現在位置情報取得部102aにより取得された現在位置情報に基づいて、移動速度や加速度等のパターンが、その公共交通機関に特有の場合(加速と減速の繰り返し頻度が所定値以下の場合や、加速度や減速度が所定値以下の場合、移動速度が所定値以上の場合など)に、公共交通機関を利用中であることを検出してもよい。
また、利用路線判定部102bは、入力部116を介して利用者の入力操作を受け付けて、公共交通機関を利用中であることを検出してもよい。例えば、公共交通機関に乗車中であることを示す乗車中ボタンの入力操作を、入力部116を介して受け付けることで、公共交通機関の利用を検出してもよい。利用者は、公共交通機関に乗車した際に乗車中ボタンを入力操作してもよく、乗車中に着信を受けたときに乗車中ボタンを操作入力してもよい。
また、通信可能地点選択部102cは、利用路線判定部102bによる検出により公共交通機関を利用中に通信手段を介して着信があった場合に、公共交通機関の利用を停止することが可能な停留地点の中から、利用者が公共交通機関の利用を停止して通信を行うのに適当な地点である通信可能地点を、入力部116を介して利用者に選択させる通信可能地点選択手段である。ここで、停留地点の具体例としては、駅や空港やバス停やフェリー乗り場等が挙げられる。一例として、通信可能地点選択部102cは、現在利用中の公共交通機関における停留地点を出力部114に提示して、当該停留地点の中から通信可能地点を利用者に選択させてもよい。その際、通信可能地点選択部102cは、現在利用中の公共交通機関において、各停留地点への到着時刻または所要時間を出力部114に提示してもよい。一例として、通信可能地点選択部102cは、利用路線判定部102bにより判定された現在利用中の公共交通機関について、時刻表データベース106bから対応する時刻表データを参照して、各停留地点への到着時刻を取得してもよく、当該到着時刻と現在時刻の差分を算出することにより所要時間を取得してもよい。
また、通信可能地点選択部102cは、現在利用中の公共交通機関から、各停留地点で後続の公共交通機関に乗り換えた場合における、他の停留地点への到着時刻、所要時間、および経路情報のうち少なくとも一つを出力部114に提示してもよい。また、通信可能地点選択部102cは、各停留地点について、現在利用中の公共交通機関を利用し続けた場合と、後続の公共交通機関に乗り換えた場合における、他の停留地点への到着時刻、所要時間、および経路情報のうち少なくとも一つを比較した比較結果を示す経路比較情報を出力部114に提示してもよい。なお、バス等の公共交通機関のように一度降車すると目的地までの料金が増減することを考慮して、通信可能地点選択部102cは、現在利用中の公共交通機関を利用し続けた場合と、停留地点で利用を停止して後続の公共交通機関に乗り換えた場合における、運賃情報をネットワークデータベース106aから取得して、出力部114に提示してもよい。
また、通信可能地点選択部102cは、現在利用中の公共交通機関および/または後続の公共交通機関の運行情報を交通情報データベース106dから取得して出力部114に提示してもよい。例えば、公共交通機関が電車であり、後続の電車で事故や遅延が発生した場合には、現在利用中の電車にも遅れが生じることが予想される。経験則上、このようなときには、前を走る電車の遅れの度合いと比べて後続の電車での遅れの度合いはより大きくなることや、前を走る電車を利用する乗客が増えて現在利用中の電車が混雑する一方で後続の電車が空いていることもある。別の例として、公共交通機関がバスであり、現在利用中のバスに渋滞による遅れが見込まれる場合には、現在利用中のバスと後続のバスの到着時刻に差がないことがある。そのため、利用者は提示された運行情報に自身の経験則を照らし合わせることで、通信のために乗換を行うか否かについてより慎重に判断したり、後続の公共交通機関への積極的な乗換を判断したりするなど、より適切に乗換の要否を判断することができる。
ここで、図1に示すように、本実施形態において、通信可能地点選択部102cは、降車可能地点抽出部102dと、経路探索部102fと、地点候補取得部102gとを備える。
ここで、降車可能地点抽出部102dは、ネットワークデータベース106aに記憶された路線網ネットワークデータに基づいて、電車等の公共交通機関における停留地点を降車可能地点として抽出する停留地点抽出手段である。ここで、降車可能地点抽出部102dは、路線網ネットワークデータの時刻表データに基づいて、各停留地点への到達時間または所要時間を取得してもよい。
また、経路探索部102fは、ネットワークデータベース106aに記憶されたネットワークデータに基づいて、経路探索を行う経路探索手段である。例えば、経路探索部102fは、少なくとも目的地を含む経路探索条件を満たす経路を、ネットワークデータベース106aに記憶された路線ネットワークデータ等を用いて探索し、探索した経路に関する経路情報を生成してもよい。ここで、経路探索条件に出発地や経由地が更に含まれている場合、経路探索部102fは、出発地から経由地を経由した経路を探索してもよい。ここで、出発地は、現在位置情報取得部102aにより取得された現在位置情報に基づいて決定してもよい。なお、経路探索条件は、更に、移動手段、出発時刻、経由時刻、到着時刻、および/または、日付等を含んでいてもよい。ここで、出発時刻は、現在時刻であってもよい。また、経路探索条件は、自動応答装置100の利用者により自動応答装置100の入力部116を介して入力されたものであってもよい。ここで、経路探索部102fは、交通情報データベース106dに記憶された交通情報を考慮して探索してもよく、例えば、経路探索部102fは、渋滞情報や遅延情報等の交通情報を加味して、リンクコスト(所要時間等)を計算しながら、経路探索を行ってもよい。なお、経路情報は、探索した経路を示すリンクデータの組み合わせであってもよく、経路の位置情報や、当該経路を示す画像データ(例えば、ポリライン等)などを含んでいてもよい。
また、地点候補取得部102gは、降車可能地点抽出部102dにより抽出された停留地点の中から、通信可能地点候補を取得する地点候補取得手段である。例えば、地点候補取得部102gは、停留地点の中から、通信予想時間に基づいて、利用を停止して通信するために適切な通信可能地点候補を取得し、通信可能地点選択部102cは、通信可能地点候補を出力部114に提示して、通信可能地点を利用者に選択させてもよい。ここで、通信予想時間は、後述する通信予想時間取得部102jの制御により、発信者との過去の平均通話時間から算出してもよく、電車の発車間隔(次の電車が発車するまでの待ち時間)から設定してもよく、利用者が直接入力して設定してもよい。より具体的には、地点候補取得部102gは、経路探索部102fにより探索された目的地までの経路に基づいて、通信予想時間が乗換待ち時間以内となる停留地点を、通信可能地点候補として取得してもよい。なお、通信可能地点選択部102cは、入力部116を介して通信予想時間が利用者に再設定された場合に、当該通信予想時間に基づいて、通信可能地点候補を出力部114に再提示してもよい。
また、経路探索部102fが、設定された目的地までの経路として、現在利用中の公共交通機関による現在経路を探索し、各停留地点を出発地とし、かつ、当該停留地点への到着時刻に通信予想時間を加えた時刻を出発時刻とした後続経路を探索した場合に、地点候補取得部102gは、両者の比較結果に基づいて通信可能地点候補を取得してもよい。すなわち、地点候補取得部102gは、現在経路による目的地への到着時刻と、後続経路による目的地への到着時刻との差が、所定時間以内である後続経路を抽出し、当該後続経路の出発地である停留地点を通信可能地点候補として取得してもよい。なお、通信可能地点選択部102cは、後続経路と現在経路の経由地点および利用する公共交通機関の種別が、同一の場合と異なる場合との間で、通信可能地点候補を区別して出力部114に提示してもよい。また、地点候補取得部102gは、現在経路と同一の後続経路の出発地である停留地点を通信可能地点候補として取得してもよい。また、地点候補取得部102gは、同一の公共交通機関を利用する複数の後続経路がある場合に、当該複数の後続経路の出発地である停留地点のうち、直近の停留地点を通信可能地点候補として取得してもよい。
また、通信応答部102hは、通信制御インターフェース部104等の通信手段を介して、通信可能地点選択部102cにより選択された通信可能地点への到達時刻または所要時間を含む応答メッセージを、着信に対して応答する通信応答手段である。例えば、通信応答部102hは、通信可能地点選択部102cにより選択された通信可能地点への所要時間が10分であった場合に、「現在、移動中のため電話に出ることができません。10分後に折り返しお電話いたします。」との応答メッセージを再生してもよい。なお、通信応答部102hは、通信手段を介して、応答メッセージに含まれる回答要求への返答を受信してもよい。例えば、通信応答部102hは、「10分後に折り返しお電話を差し上げてよろしければ「1」を、ご都合が悪いようでしたら「2」を押してください。」との応答メッセージを再生したのち、「1」または「2」に対応するプッシュ音を受信して、受信した番号に対応する表示を出力部114に出力してもよい。このように、応答メッセージは、通信可能地点での通信要否について発信者の回答を求める回答要求を含んでもよい。なお、通信応答部102hは、着信に対して応答メッセージを直接応答することに限らず、交換機等を介して間接的に応答メッセージを発信元の通信端末200に送信してもよい。例えば、通信応答部102hは、応答メッセージの内容を識別する識別信号にて送信し、通信を中継する交換機が、送信された識別信号に対応する応答メッセージに変換して発信元の通信端末200に送信してもよい。
また、通信予想時間取得部102jは、発信者との通信時間として予想される通信予想時間を取得する通信予想時間取得手段である。例えば、通信予想時間取得部102jは、記憶部106に予め設定された通信予想時間を取得してもよく、通信履歴から平均通話時間を算出して通信予想時間を取得してもよい。
また、通信予想時間変更部102kは、通信予想時間の変更を受け付ける通信予想時間変更手段である。例えば、通信予想時間変更部102kは、利用者に入力部116を介して通信予想時間を入力させるように制御し、入力された通信予想時間に変更してもよい。
以上で、第1の実施形態における通信システムの構成の一例の説明を終える。
[自動応答装置100の処理]
次に、このように構成された第1の実施形態における自動応答装置100の処理の一例について、図2から図14を参照して詳細に説明する。図2は、第1の実施形態における自動応答装置100の処理の一例を示すフローチャートである。なお、本実施形態の処理は、本処理に限定されず、その一部のみの処理を行ってもよいものである。
図2に示すように、まず、自動応答装置100の利用路線判定部102bは、電車に乗車中である場合等のように公共交通機関を利用中であることを検出する(ステップSA−1)。例えば、利用路線判定部102bは、現在位置情報取得部102aにより取得された現在位置情報に基づいて、公共交通機関を利用中か否かを検出してもよい。一例として、利用路線判定部102bは、現在位置情報取得部402aにより取得される現在位置情報、および、ネットワークデータベース106aに記憶された路線ネットワークデータに基づいて、利用路線を判定してもよい。また、利用路線判定部102bは、現在位置情報取得部102aにより取得された現在位置情報に基づいて、移動速度や加速度等のパターンが、その公共交通機関に特有の場合(加速と減速の繰り返し頻度が所定値以下の場合や、加速度や減速度が所定値以下の場合、移動速度が所定値以上の場合など)に、公共交通機関を利用中であることを検出してもよい。なお、公共交通機関を利用中であっても、例えば新幹線のように所定の場所であれば通信が可能な場合もある。そこで、自動応答装置100の利用路線判定部102bは、利用中の公共交通機関で通信が可能か否かを判定してもよい。自動応答装置100は、利用中の公共交通機関が通信可能であるときには、以降の処理に代えて、「少々お待ちください」といった応答メッセージを出力してもよく、通信可能な場所に移動するまでの目安所要時間を応答してもよく、あるいは、以降の自動応答処理を行わないようにしてもよい。また、公共交通機関を利用中でない場合は、通常通り受信が可能であるので、自動応答装置100は、以降の処理を行う必要はない。
そして、通信可能地点選択部102cの降車可能地点抽出部102dは、利用路線判定部102bによって特定された利用中の公共交通機関について、ネットワークデータベース106aに記憶された路線網ネットワークデータに基づいて、停車駅等の停留地点を取得し、時刻表データに基づいて、各停留地点への所要時間を取得する(ステップSA−2)。例えば、降車可能地点抽出部102dは、利用路線判定部102bにより判定された現在利用中の公共交通機関について、時刻表データベース106bから対応する時刻表データを参照して、各停留地点への到着時刻を取得し、当該到着時刻と現在時刻の差分を算出することにより所要時間を取得してもよい。なお、これに限られず、降車可能地点抽出部102dは、出発駅の発車時刻から、停車駅の到着時刻までの所要時間を予め取得しておき、乗車後の経過時間を当該所要時間から減算してもよい。なお、降車可能地点抽出部102dは、着信前に予め所要時間を取得することに限られず、着信後に計算してもよい。また、所要時間の取得対象とする停留地点は、現在利用中の公共交通機関のすべての停留地点であってもよく、あるいは、現在位置から所定範囲内の停留地点、案内経路上の乗換地点、あるいは、利用者が通信しやすい地点として抽出された停留地点など、一部の特定の停留地点であってもよい。
そして、通信可能地点選択部102cは、公共交通機関を利用中に通信手段を介して着信があった場合に、公共交通機関の停留地点の中から、利用者が公共交通機関の利用を停止して通信を行うのに適当な地点である通信可能地点を、入力部116を介して利用者に選択させる(ステップSA−3)。例えば、通信可能地点選択部102cは、通信可能地点となる駅名等を、入力部116を介して利用者に直接入力させてもよい。また、通信可能地点選択部102cは、路線図データベース106cに記憶された路線図データに基づいて、現在位置情報取得部102aにより取得された現在位置情報に基づく現在位置周辺の路線図、または、利用路線判定部102bによって判定された利用中の路線の路線図を出力部114に表示して、利用者にタッチパネル等の入力部116を介して駅表示をタッチさせることにより通信可能地点を選択させてもよい。
そして、通信応答部102hは、通信制御インターフェース部104等の通信手段を介して、通信可能地点選択部102cにより選択された通信可能地点への所要時間を含む応答メッセージを、着信に対して応答する(ステップSA−4)。例えば、通信応答部102hは、通信可能地点選択部102cにより選択された通信可能地点への所要時間が10分であった場合に、「現在、移動中のため電話に出ることができません。10分後に折り返しお電話いたします。」との応答メッセージを再生してもよい。なお、通信応答部102hは、通信手段を介して、応答メッセージに含まれる回答要求への返答を受信してもよい。例えば、通信応答部102hは、「10分後に折り返しお電話を差し上げてよろしければ「1」を、ご都合が悪いようでしたら「2」を押してください。」との応答メッセージを再生したのち、「1」または「2」に対応するプッシュ音を受信して、受信した番号に対応する表示を出力部114に出力してもよい。すなわち、通信応答部102hは、発信者が「1」を押した場合は、「相手も了承しました。」とのメッセージを出力部114に表示し、発信者が「2」を押した場合は、「電話は不要だそうです。」とのメッセージを出力部114に表示する。このように、応答メッセージは、通信可能地点での通信要否について発信者の回答を求める回答要求を含んでもよい。また、通信可能地点に到達するタイミングで、発信者の側から再度電話するように求めてもよい。そのため、自動応答装置100の利用者は、発信者と通話するために途中で降車する必要があるか否かを判断できる。
以上が、第1の実施形態における自動応答装置100の処理の一例である。なお、上述したステップSA−1、ステップSA−2、および、ステップSA−3の各処理は、上述した順序で実行される必要はなく、これら処理の順序を任意に入れ替えて実行してもよい。例えば、着信があった後に、所要時間の取得や、乗車検出を行ってもよい。また、利用者が通話可能地点を直接入力したときや、タッチパネルから駅表示を選択して通信可能地点を選択したときには、通話可能地点の入力を受け付けた後に、当該通信可能地点までの到着時刻や所要時間を算出して自動応答を行ってもよい。ここで、上述のステップSA−3において、地点候補取得部102gは、通信可能地点候補を取得して出力部114に提示してもよい。図3は、通信可能地点候補取得処理の一例を示すフローチャートである。
図3に示すように、通信可能地点選択部102cの地点候補取得部102gは、降車可能地点抽出部102dにより抽出された停留地点の中から、通信可能地点候補を算出する(ステップSA−31)。
そして、通信可能地点選択部102cは、算出した通信可能地点候補を出力部114に提示して、利用者に入力部116を介して通信可能地点を選択させるよう制御する(ステップSA−32)。
以上が、通信可能地点候補取得処理の一例である。ここで、図4は、通信可能地点候補取得処理のステップSA−31の詳細な処理の一例を示すフローチャートである。
図4に示すように、まず、現在位置情報取得部102aは、位置取得部112を介して、自動応答装置100の現在位置情報を取得する(ステップSA−311)。より具体的には、現在位置情報取得部102aは、位置取得部112にて位置発信装置500から受信した位置情報信号から算出した位置情報を自動応答装置100の利用者の現在位置情報として取得してもよい。
そして、通信可能地点選択部102cの降車可能地点抽出部102dは、ネットワークデータベース106aに記憶された路線網ネットワークデータに基づいて、電車等の公共交通機関における降車可能地点を停留地点として特定する(ステップSA−312)。
そして、通信可能地点選択部102cの経路探索部102fは、ネットワークデータベース106aに記憶された路線ネットワークデータに基づいて、経路探索条件として設定された目的地までの経路として、現在利用中の公共交通機関による現在経路を探索する(ステップSA−313)。ここで、図5は、現在利用中の公共交通機関としての電車を模式的に示した路線図である。
図5に示すように、経路探索部102fは、現在位置情報取得部102aにより取得された現在位置情報、および/または、利用路線判定部102bにより判定された現在利用中の路線に基づいて、A駅を出発地とし、G駅を目的地とした経路探索条件を設定する。なお、目的地は、必ずしも最終目的地である必要はなく、各停留地点(降車可能地点等)であってもよい。ここで、経路探索部102fは、利用者に入力部116を介して出発地や目的地等の経路探索条件を設定させてもよい。また、経路探索部102fは、経路探索条件の出発地を現在位置であるA駅とB駅の間に設定し、現在時刻を出発時刻に設定してもよい。
再び図4に戻り、通信可能地点選択部102cは、通信予想時間取得部102jの制御により、利用者が通信(通話等)にかかると予想される時間である通信予想時間を取得する(ステップSA−314)。なお、通信予想時間は、予め記憶部106に登録されていてもよく、利用者に入力部116を介して設定させてもよい。ここで、図6は、通信予想時間取得部102jの制御により出力部114に出力される着信時の画面例を示す図である。
図6に示すように、通信予想時間取得部102jは、発信元の情報を表示する発信元表示画面MA−1と、通話予想時間切替タブMA−2と、ステップSA−313にて経路探索部102fにより探索された降車可能な駅までの所要時間等を示す降車可能地点一覧MA−3を含む表示画面を出力部114に表示させる。そして、利用者がタッチパネル等の入力部116を介して通話予想時間切替タブMA−2をタップ等の入力操作を行うと、通信予想時間変更部102kは、選択された通話予想時間に再設定する。
再び図4に戻り、通信可能地点選択部102cの経路探索部102fは、ネットワークデータベース106aに記憶された路線ネットワークデータに基づいて、降車して通話が可能な各降車可能地点(降車可能な駅等)を出発地とし、かつ、当該降車可能地点への到着時刻に通信予想時間を加えた時刻を出発時刻とした後続経路を探索する(ステップSA−315)。なお、目的地は、利用者が設定した目的地であってもよく、各降車可能地点であってもよい。ここで、図7は、目的地が設定されている場合に表示される表示画面の一例を示す図である。
図7に示すように、経路探索部102fにより後続経路が探索されると、通信可能地点選択部102cは、発信元表示画面MA−1および通話予想時間切替タブMA−2に加えて、ステップSA−315にて経路探索部102fにより探索された目的地(G駅)への到着時刻が降車可能地点毎に示す降車可能地点一覧MA−4を含む表示画面を出力部114に表示させる。このように、利用者は、降車可能地点で降車して通話予想時間内で通話すると、目的地(G駅)に何時に到着するかを把握することができる。なお、利用者は、通話予想時間切替タブMA−2を切り替えて通話予想時間を再設定することができ、その場合、自動応答装置100は、上述したステップSA−314〜SA−315の処理を繰り返してもよく、切り替え前に予め通話予想時間毎に経路探索を行っていてもよい。ここで、図8は、目的地が設定されていない場合に表示される表示画面の一例を示す図である。
図8に示すように、目的地が設定されていない場合、通信可能地点選択部102cは、発信元表示画面MA−1および通話予想時間切替タブMA−2に加えて、ステップSA−315にて降車可能地点毎に経路探索部102fにより探索された仮の目的地(通話予定の降車可能地点とは異なるE駅やP駅等)への到着時刻を示す降車可能地点一覧MA−4´を含む表示画面を出力部114に表示させる。ここで、仮の目的地(E駅やP駅)は、例えば特急電車や快速電車に乗車可能な駅であってもよく、他の路線と乗換可能な駅や、ターミナル等の主要駅であってもよい。このように、利用者は、目的地を設定していない場合であっても、降車可能地点で降車して通話予想時間内で通話すると、仮の目的地(E駅やP駅)に何時に到着するかを把握することができる。なお、利用者は、タッチパネル等の入力部116を介して、降車可能地点一覧MA−4´から通信可能地点を選択することができる。図9は、図8の表示画面においてD駅を選択した場合に表示される表示画面の一例である。
図9に示すように、利用者が降車可能地点一覧MA−4´から通信可能地点を選択すると、自動応答装置100は、E駅やP駅以外の多数の仮の目的地への到着時刻を示す降車可能地点一覧MA−4を含む表示画面を表示する。なお、自動応答装置100は、通信可能地点の選択前に予め目的地毎に経路探索を行っていてもよく、上述したステップSA−315の処理を繰り返してもよい。
再び図4に戻り、通信可能地点選択部102cの地点候補取得部102gは、ステップSA−313にて経路探索部102fにより探索された現在経路、および、ステップSA−315にて経路探索部102fにより探索された後続経路に基づいて、通信可能地点候補を算出する(ステップSA−316)。例えば、地点候補取得部102gは、現在経路による目的地への到着時刻と、後続経路による目的地への到着時刻との差が、所定時間以内である後続経路を抽出し、当該後続経路の出発地である停留地点(後続経路の出発地である停留地点等)を通信可能地点候補として取得してもよい。なお、現在経路から変更がない方が適切と考えられるので、地点候補取得部102gは、現在経路の経由地点および利用する公共交通機関の種別が同一の後続経路の出発地である停留地点を通信可能地点候補として取得してもよい。また、重複を避けるため、地点候補取得部102gは、同一の公共交通機関を利用する複数の後続経路がある場合に、当該複数の後続経路の出発地である停留地点のうち、直近の停留地点を通信可能地点候補として取得してもよい。ここで、図10は、目的地が設定されている場合に表示される表示画面の一例を示す図である。
図10に示すように、通信可能地点選択部102cは、発信元表示画面MA−1および通話予想時間切替タブMA−2に加えて、現在地から近い順に通信可能地点候補を表示する通信可能地点候補一覧MA−5を含む表示画面を出力部114に表示させる。なお、表示順は、現在地から近い順に限られず、到着時刻の差によってソートしてもよい。このように、利用者は、降車可能地点で降車して通話予想時間内で通話すると、当初予定していた現在経路に比べて目的地(G駅)に何分遅れで到着するかを把握することができる。なお、上述したように、利用者は、通話予想時間切替タブMA−2を切り替えて通話予想時間を再設定することができる。ここで、図11は、目的地が設定されていない場合に表示される表示画面の一例を示す図である。
図11に示すように、目的地が設定されていない場合、通信可能地点選択部102cは、発信元表示画面MA−1および通話予想時間切替タブMA−2に加えて、現在経路による仮の目的地(E駅やP駅等)への到着時刻と、後続経路による仮の目的地(E駅やP駅等)への到着時刻との差(タイムロス)を示す通信可能地点候補一覧MA−5´を含む表示画面を出力部114に表示させる。なお、通信可能地点選択部102cは、一つの仮の目的地(例えばE駅)についてタイムロスを昇順にソートして通信可能地点候補一覧MA−5´を表示させてもよい。このように、利用者は、目的地を設定していない場合であっても、各降車可能地点で降車して通話予想時間内で通話すると、仮の目的地(E駅やP駅)に当初予定していたよりも何分遅れで到着することになるかを把握することができる。なお、利用者は、タッチパネル等の入力部116を介して、通話可能地点候補一覧MA−5´から通信可能地点を選択することができる。図12は、図11の表示画面においてD駅を選択した場合に表示される表示画面の一例である。
図11に示すように、利用者が通話可能地点候補一覧MA−5´から通信可能地点を選択すると、自動応答装置100は、E駅やP駅以外の多数の仮の目的地への到着時刻を示す通信可能地点候補一覧MA−5を含む表示画面を表示する。なお、自動応答装置100は、通信可能地点の選択前に予め仮の目的地毎に経路探索を行っていてもよく、上述したステップSA−315の処理を繰り返してもよい。
再び図4に戻り、通信可能地点選択部102cは、地点候補取得部102gにより算出された通信可能地点候補を、出力部114を介して表示出力や音声出力等により提示する(ステップSA−317)。なお、通信可能地点選択部102cは、後続経路と現在経路の経由地点および利用する公共交通機関の種別が、同一の場合と異なる場合との間で、通信可能地点候補を色等により区別して出力部114に提示してもよい。また、図10から図12を参照して上述したように、通信可能地点候補を一覧表示することに限られず、通信可能地点選択部102cは、路線図データベース106cを参照して、路線図に対応付けて通信可能地点候補を提示してもよい。ここで、図13は、路線図に対応付けて提示される通信可能地点候補の表示例を示す図である。
図13に示すように、通信可能地点選択部102cは、路線図データベース106cに記憶される路線図データに基づいて、路線図上に通信可能地点候補を提示する。その際、通信可能地点選択部102cは、図13に示すように、各通信可能地点の駅への到着時刻と、その駅で降車して通話した後に後続の電車に乗り換えた場合の目的地への到着時刻を、対応付けて表示させてもよい。なお、通信可能地点選択部102cは、目的地(G駅)には、現在経路の到着時刻、すなわち降車せずに乗り続けた場合の到着時刻を表示させてもよい。これにより、利用者は、到着時刻を比較して、途中で降車して電話するか否か、その場合どの駅で降りるべきか、それとも目的駅まで行ってから電話するべきか等を判断することができる。なお、通信可能地点選択部102cは、目的駅(G駅)への到着時刻の差(タイムロス)が小さい駅を、斜線等の強調表示等により区別して提示してもよい。なお、この図13の例では、降車したときも到着時刻が変わらない駅としてB駅が強調表示され、乗換待ち時間以内に通話ができる駅としてE駅が強調表示され、目的駅に現在時刻(着信時刻)から所定時間以内に到着できる駅としてG駅が強調表示されている。ここで、通信可能地点選択部102cは、利用者に入力部112を介して、現状5分で設定されている通話予想時間を再設定させてもよい。ここで、図14は、通話予想時間が10分に再設定された場合に表示される画面例である。
図14に示すように、通信可能地点選択部102cは、通話予想時間が再設定されると、再設定された通話予想時間に基づいて、後続経路を再探索して、表示画面を更新してもよい。ここで、現在経路の途中で降車しない場合の最短経路は、A駅(出発駅)〜E駅(乗り換え駅)〜G(到着駅)だったが、B駅やD駅で降車すると、最適経路はA駅(出発駅)〜D駅(乗り換え駅)〜G(到着駅)となる。そのため、図14に示すように、現在経路とは経路が異なる後続経路にかかるB駅およびD駅を強調表示することで、利用者に注意喚起してもよい。
また、地点候補取得部102gは、通信予想時間に基づいて、後続の公共交通機関への乗り換えが容易である停留地点を通信可能地点候補として取得してもよい。後続の公共交通機関への乗り換えが容易である停留地点としては、例えば、各停留地点の時刻表から次の公共交通機関が出発するまでの発車時間間隔を算出し、通信予想時間が当該発車時間間隔内である停留地点であってもよい。あるいは、各停留地点への到着時刻に通信予想時間を加算した通信終了予想時刻を算出するとともに、通信終了予想時刻以降で最初に出発する公共交通機関の出発時刻を抽出し、出発時刻が通信終了予想時刻から所定時間内である停留地点であってもよい。
これにて、第1の実施形態におけるナビゲーションシステムの処理の説明を終える。
[第2の実施形態]
続いて、本発明の第2の実施形態(自動応答中継装置400(サーバ主導型))について、図15および図16を参照して説明する。ここで、図15は、第2の実施形態における自動応答中継装置400の構成の一例を示すブロック図であり、該構成のうち本発明に関係する部分のみを概念的に示している。
なお、第2の実施形態においては、通信端末200への発信を中継した場合に、自動応答中継装置400は、当該通信端末200から発信される、公共交通機関の停留地点の中から、入力部を介して利用者に選択された、利用者が公共交通機関の利用を停止して通信を行うのに適当な地点である通信可能地点にかかる情報を受信し、通信手段を介して、通信可能地点への到達時刻または所要時間を含む応答メッセージを、発信元の通信端末200に対して応答する。このように、第2の実施形態は、自動応答中継装置400にてサーバ主導で処理を行う点がその他の実施形態と異なる。
[自動応答中継装置400の構成]
まず、第2の実施形態における自動応答中継装置400(サーバ主導型)の構成の一例について、図15を参照して説明する。
図15に示すように、第2の実施形態の自動応答中継装置400は、入力部を少なくとも備えた通信端末間200の通信を中継する通信制御インターフェース部404等の通信手段と、制御部402と、記憶部406とを少なくとも備える。通信には、一例として、ネットワーク300を介した有線・無線通信等の遠隔通信等を含む。また、これら自動応答中継装置400および通信端末200の各部は任意の通信路を介して通信可能に接続されている。なお、通信端末200の構成は、第1の実施形態における構成と同様であり、一例として自動応答装置100の一部構成を有してもよい。
図15において、自動応答中継装置400は、一方の通信端末200の利用者が公共交通機関を利用中であることを検出し、一方の通信端末200の利用者が公共交通機関を利用中に通信手段を介して他方の通信端末200から一方の通信端末200に対して発信があった場合に、当該一方の通信端末200から発信される、公共交通機関の停留地点の中から、入力部を介して利用者に選択された、利用者が公共交通機関の利用を停止して通信を行うのに適当な地点である通信可能地点にかかる情報を受信し、通信手段を介して、通信可能地点への到達時刻または所要時間を含む応答メッセージを、他方の通信端末200に対して応答する等の機能を有する。
なお、自動応答中継装置400における通信制御インターフェース部404および記憶部406(具体的には、ネットワークデータベース406a、時刻表データベース406b、路線図データベース406c、交通情報データベース406d等)の機能は、第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。
また、図15において、制御部402は、OS等の制御プログラムや、各種の処理手順等を規定したプログラム、および、所要データを格納するための内部メモリを有する。そして、制御部402は、これらのプログラム等により、種々の処理を実行するための情報処理を行う。制御部402は、機能概念的に、現在位置情報取得部402a、利用路線判定部402b、通信可能地点選択部402c、通信応答部402h、通信予想時間取得部402j、および、通信予想時間変更部402kを備える。
このうち、現在位置情報取得部402aは、自動応答装置100の利用者の現在位置情報を取得する現在位置情報取得手段である。例えば、現在位置情報取得部402aは、通信端末200の位置取得部にて位置発信装置から受信した位置情報信号を通信端末200から受信し、当該位置情報信号から算出した位置情報を通信端末200の利用者の現在位置情報として取得してもよい。また、現在位置情報取得部402aは、利用者により通信端末200の入力部を介して入力された現在位置についての位置座標等の位置情報を受信し、当該位置情報を通信端末200の利用者の現在位置情報として取得してもよい。ここで、現在位置情報取得部402aは、自動応答装置100の利用者の現在位置情報を所定時間(所定周期)ごと(例えば、1秒ごと、または、3分ごと等)に取得してもよい。
また、利用路線判定部402bは、通信端末200の利用者が公共交通機関を利用中であることを検出する利用検出手段である。例えば、利用路線判定部402bは、現在位置情報取得部402aにより取得された現在位置情報に基づいて、公共交通機関を利用中であることを検出してもよい。一例として、利用路線判定部402bは、現在位置情報、および、ネットワークデータベース406aに記憶された路線ネットワークデータに基づいて、利用路線を判定してもよい。また、利用路線判定部402bは、現在位置情報取得部402aにより取得された現在位置情報に基づいて、移動速度や加速度等のパターンが、その公共交通機関に特有の場合(加速と減速の繰り返し頻度が所定値以下の場合や、加速度や減速度が所定値以下の場合、移動速度が所定値以上の場合など)に、公共交通機関を利用中であることを検出してもよい。
また、通信可能地点選択部402cは、一方の通信端末200の利用者が公共交通機関を利用中に通信手段を介して他方の通信端末200から一方の通信端末200に対して発信があった場合に、当該一方の通信端末200から発信される、公共交通機関の停留地点の中から、入力部を介して利用者に選択された、利用者が公共交通機関の利用を停止して通信を行うのに適当な地点である通信可能地点にかかる情報を受信する通信可能地点選択手段である。一例として、通信可能地点選択部402cは、現在利用中の公共交通機関における停留地点にかかる情報を一方の通信端末200に送信して当該通信端末200の出力部に提示して、当該停留地点の中から通信可能地点を利用者に選択させてもよい。その際、現在利用中の公共交通機関において、各停留地点への到着時刻または所要時間を出力部に提示させてもよい。一例として、通信可能地点選択部402cは、利用路線判定部402bにより判定された現在利用中の公共交通機関について、時刻表データベース406bから対応する時刻表データを参照して、各停留地点への到着時刻を取得してもよく、当該到着時刻と現在時刻の差分を算出することにより所要時間を取得してもよい。
また、通信可能地点選択部402cは、現在利用中の公共交通機関から、各停留地点で後続の公共交通機関に乗り換えた場合における、他の停留地点への到着時刻、所要時間、および経路情報のうち少なくとも一つを出力部に提示させてもよい。また、通信可能地点選択部402cは、各停留地点について、現在利用中の公共交通機関を利用し続けた場合と、後続の公共交通機関に乗り換えた場合における、他の停留地点への到着時刻、所要時間、および経路情報のうち少なくとも一つを比較した比較結果を示す経路比較情報を出力部に提示させてもよい。なお、バス等の公共交通機関のように一度降車すると目的地までの料金が増減することを考慮して、通信可能地点選択部402cは、現在利用中の公共交通機関を利用し続けた場合と、停留地点で利用を停止して後続の公共交通機関に乗り換えた場合における、運賃情報をネットワークデータベース406aから取得して、出力部に提示させてもよい。また、通信可能地点選択部402cは、現在利用中の公共交通機関および/または後続の公共交通機関の運行情報を交通情報データベース406dから取得して出力部に提示してもよい。ここで、図15に示すように、本実施形態において、通信可能地点選択部402cは、降車可能地点抽出部402dと、経路探索部402fと、地点候補取得部402gとを備える。これらの機能は、第1の実施形態と同様であるので説明を省略する。
また、通信応答部402hは、通信制御インターフェース部404等の通信手段を介して、通信可能地点選択部402cにより選択された通信可能地点への到達時刻または所要時間を含む応答メッセージを、発信元の通信端末200に対して応答する通信応答手段である。例えば、通信応答部402hは、通信可能地点選択部102cにより選択された通信可能地点への所要時間が10分であった場合に、「現在、移動中のため電話に出ることができません。10分後に折り返しお電話いたします。」との応答メッセージを再生してもよい。なお、通信応答部402hは、通信手段を介して、応答メッセージ含まれる回答要求への返答を受信してもよい。例えば、通信応答部402hは、「10分後に折り返しお電話を差し上げてよろしければ「1」を、ご都合が悪いようでしたら「2」を押してください。」との応答メッセージを再生したのち、「1」または「2」に対応するプッシュ音を受信して、受信した番号に対応するメッセージを発信先の通信端末200に出力させもよい。このように、応答メッセージは、通信可能地点での通信要否について発信者の回答を求める回答要求を含んでもよい。
また、通信予想時間取得部102jは、発信者との通信時間として予想される通信予想時間を取得する通信予想時間取得手段である。例えば、通信予想時間取得部102jは、記憶部106に予め設定された通信予想時間を取得してもよく、通信履歴から平均通話時間を算出して通信予想時間を取得してもよい。
また、通信予想時間変更部102kは、通信予想時間の変更を受け付ける通信予想時間変更手段である。例えば、通信予想時間変更部102kは、利用者に入力部116を介して通信予想時間を入力させるように制御し、入力された通信予想時間に変更してもよい。
以上で、第2の実施形態における自動応答中継装置400の構成の一例の説明を終える。
[自動応答中継装置400の処理]
次に、このように構成された第2の実施形態における自動応答中継装置400の処理の一例について、図16を参照して詳細に説明する。図16は、第2の実施形態における自動応答中継装置400の処理の一例を示すフローチャートである。
図16に示すように、まず、自動応答中継装置400の利用路線判定部402bは、通信端末200の利用者が公共交通機関に乗車中であることを検出する(ステップSB−1)。例えば、利用路線判定部402bは、現在位置情報取得部402aにより取得された現在位置情報に基づいて、公共交通機関を利用中か否かを検出してもよい。一例として、利用路線判定部402bは、現在位置情報取得部402aにより取得される現在位置情報、および、ネットワークデータベース406aに記憶された路線ネットワークデータに基づいて、利用路線を判定してもよい。また、利用路線判定部402bは、現在位置情報取得部402aにより取得された現在位置情報に基づいて、移動速度や加速度等のパターンが、その公共交通機関に特有の場合(加速と減速の繰り返し頻度が所定値以下の場合や、加速度や減速度が所定値以下の場合、移動速度が所定値以上の場合など)に、公共交通機関を利用中であることを検出してもよい。なお、公共交通機関を利用中でない場合は、通常通り受信が可能であるので、自動応答中継装置400は、通信の中継のみを行い、以降の処理を行う必要はない。
そして、通信可能地点選択部402cの降車可能地点抽出部402dは、利用路線判定部402bによって特定された利用中の公共交通機関について、ネットワークデータベース406aに記憶された路線網ネットワークデータに基づいて、停車駅等の停留地点を取得し、時刻表データに基づいて、各停留地点への所要時間を取得する(ステップSB−2)。例えば、降車可能地点抽出部402dは、利用路線判定部402bにより判定された現在利用中の公共交通機関について、時刻表データベース406bから対応する時刻表データを参照して、各停留地点への到着時刻を取得し、当該到着時刻と現在時刻の差分を算出することにより所要時間を取得してもよい。なお、これに限られず、降車可能地点抽出部402dは、出発駅の発車時刻から、停車駅の到着時刻までの所要時間を予め取得しておき、乗車後の経過時間を当該所要時間から減算してもよい。なお、降車可能地点抽出部402dは、着信前に予め所要時間を取得することに限られず、着信後に計算してもよい。
そして、通信手段を介して、ある通信端末200−1が他の通信端末200−2に向けて発信を行うと(ステップSB−3)、自動応答中継装置400は、通信を中継し(ステップSB−4)、発信先の通信端末200−2にて着信する(ステップSB−5)。
そして、通信可能地点選択部402cは、発信先の通信端末200−2が公共交通機関を利用中と判定された場合、当該通信端末200から発信される、公共交通機関の停留地点の中から、ステップSB−7として入力部を介して利用者に入力された入力操作データ(利用者が公共交通機関の利用を停止して通信を行うのに適当な地点である通信可能地点にかかる情報等)を受信する(ステップSB−7)。一例として、通信可能地点選択部402cは、停留地点にかかる情報を発信先の通信端末200−2に送信して当該通信端末200−2の出力部に提示して、当該停留地点の中から通信可能地点を利用者に選択させてもよい。その際、現在利用中の公共交通機関において、各停留地点への到着時刻または所要時間を出力部に提示させてもよい。一例として、通信可能地点選択部402cは、利用路線判定部402bにより判定された現在利用中の公共交通機関について、時刻表データベース406bから対応する時刻表データを参照して、各停留地点への到着時刻を取得してもよく、当該到着時刻と現在時刻の差分を算出することにより所要時間を取得してもよい。また、通信可能地点選択部402cは、現在利用中の公共交通機関から、各停留地点で後続の公共交通機関に乗り換えた場合における、他の停留地点への到着時刻、所要時間、および経路情報のうち少なくとも一つを出力部に提示させてもよい。また、通信可能地点選択部402cは、各停留地点について、現在利用中の公共交通機関を利用し続けた場合と、後続の公共交通機関に乗り換えた場合における、他の停留地点への到着時刻、所要時間、および経路情報のうち少なくとも一つを比較した比較結果を示す経路比較情報を出力部に提示させてもよい。なお、バス等の公共交通機関のように一度降車すると目的地までの料金が増減することを考慮して、通信可能地点選択部402cは、現在利用中の公共交通機関を利用し続けた場合と、停留地点で利用を停止して後続の公共交通機関に乗り換えた場合における、運賃情報をネットワークデータベース406aから取得して、出力部に提示させてもよい。また、通信可能地点選択部402cは、現在利用中の公共交通機関および/または後続の公共交通機関の運行情報を交通情報データベース406dから取得して出力部に提示してもよい。また、通信可能地点選択部402cは、路線図データベース406cに記憶された路線図データに基づいて、現在位置情報取得部402aにより取得された現在位置情報に基づく現在位置周辺の路線図、または、利用路線判定部402bによって判定された利用中の路線の路線図を出力部に表示して、利用者にタッチパネル等の入力部を介して駅表示をタッチさせることにより通信可能地点を選択させてもよい。
そして、通信応答部402hは、通信制御インターフェース部404等の通信手段を介して、通信可能地点選択部402cにより選択された通信可能地点への所要時間を含む応答メッセージを、発信元の通信端末200−1に対して応答して(ステップSB−8)、通信端末200−1は応答を受信する(ステップSB−9)。例えば、通信応答部402hは、通信可能地点選択部402cにより選択された通信可能地点への所要時間が10分であった場合に、「現在、移動中のため電話に出ることができません。10分後に折り返しお電話いたします。」との応答メッセージを再生してもよい。なお、通信応答部402hは、通信手段を介して、応答メッセージ含まれる回答要求への返答を受信してもよい。例えば、通信応答部402hは、「10分後に折り返しお電話を差し上げてよろしければ「1」を、ご都合が悪いようでしたら「2」を押してください。」との応答メッセージを再生したのち、「1」または「2」に対応するプッシュ音を受信して、受信した番号に対応する表示を出力部114に出力してもよい。すなわち、通信応答部402hは、発信者が「1」を押した場合は、「相手も了承しました。」とのメッセージを発信先の通信端末200−2に表示させ、発信者が「2」を押した場合は、「電話は不要だそうです。」とのメッセージを発信先の出力部に表示させる。このように、応答メッセージは、通信可能地点での通信要否について発信者の回答を求める回答要求を含んでもよい。また、通信可能地点に到達するタイミングで、発信者の側から再度電話するように求めてもよい。そのため、通信端末200の利用者は、発信者と通話するために途中で降車する必要があるか否かを判断できる。
以上が、第2の実施形態における自動応答中継装置200の処理の一例である。なお、詳細な処理について、第1の実施形態と同様の処理を適用してもよい。
なお、自動応答中継装置400は、通信を中継するごとに、上述した処理を繰り返してもよく、例えば、通信端末200から送信される通信を中継するごとに、通信可能地点または通話可能地点候補にかかる情報を生成して発信先の通信端末200に送信してもよい。
以上で、第2の実施形態の説明を終える。
[他の実施の形態]
さて、これまで本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上述した実施の形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施の形態にて実施されてよいものである。
例えば、自動応答中継装置400がスタンドアローンの形態で処理を行う場合を一例に説明したが、自動応答中継装置400は、クライアント端末からの要求に応じて処理を行い、その処理結果を当該クライアント端末に返却するようにしてもよい。なお、第1の実施形態においては、通信型のナビゲーションを提供するナビゲーションシステムを具体例として説明したが、本発明はこれに限ることなく、スタンドアローンタイプのナビゲーションシステムなどにも適用可能である。
また、実施の形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
このほか、上記文献中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメタを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
また、自動応答装置100、通信端末200、および、自動応答中継装置400に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
例えば、自動応答装置100、通信端末200、および、自動応答中継装置400の各装置が備える処理機能、特に制御部102,402にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPU(Central Processing Unit)および当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、後述する、コンピュータに本発明に係る方法を実行させるためのプログラム化された命令を含む、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて自動応答装置100、通信端末200、および、自動応答中継装置400に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDDなどの記憶部106,406などには、OS(Operating System)と協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
また、このコンピュータプログラムは、自動応答装置100、通信端末200、および、自動応答中継装置400に対して任意のネットワーク300を介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
また、本発明に係るプログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USBメモリ、SDカード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM、EEPROM、CD−ROM、MO、DVD、および、Blu−ray Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
また、「プログラム」とは、任意の言語や記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードやバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OS(Operating System)に代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施の形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成、読み取り手順、あるいは、読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
記憶部106,406に格納される各種のデータベース等(ネットワークデータベース106a,406a〜交通情報データベース106d,406d)は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
また、自動応答中継装置400は、既知のパーソナルコンピュータ、ワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、該情報処理装置に任意の周辺装置を接続して構成してもよい。また、自動応答中継装置400は、該情報処理装置に本発明の方法を実現させるソフトウェア(プログラム、データ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じて、または、機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。