JP6127669B2 - ホットスタンプ成形品の製造方法及びブランク材の製造方法 - Google Patents

ホットスタンプ成形品の製造方法及びブランク材の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ホットスタンプ成形品の製造方法に関し、さらに詳しくは、複数の金属板が積層されたブランク材を用いてホットスタンプ成形を実施して、ホットスタンプ成形品を製造するホットスタンプ成形品の製造方法に関する。
自動車の車体は、国際公開第2012/36261号(特許文献1)に開示されるように、軽量かつ高剛性なモノコックボディ(ユニットコンストラクションボディ)を備える。
図1を参照して、モノコックボディ1は、複数の構成部材2〜12を備える。構成部材はたとえば、フロントサイドメンバー2、バンパーリインフォースメント3、フロントクラッシュボックス4、フロントアッパーレール5、サイドシル6、フロアークロスメンバー7、フロアーパネル8、センターピラー9、ルーフレールサイド10、リアーサイドメンバー11、及びリアークラッシュボックス12等である。
これらの構成部材のうち、高い強度が要求される構成部材は、鋼板を複数枚重ねた部材を含む。たとえば、フロントサイドメンバーやセンターピラー等の構成部材は、図2に示すように、ハット型部材13と、平板であるクロージングプレート14とを備える。ハット型部材13とクロージングプレート14とは、スポット溶接等の溶接により接合されている。
ハット型部材13は、ハット側の横断形状を有する。ハット型部材13は、メイン部材131と、補強部材132とを備える。補強部材132は、メイン部材の凸部分と稜線部分とを覆うように、メイン部材131の裏面に接合されている。
このような部材13の製造方法としては、各鋼板を加工してメイン部材131及び補強部材132を形成し、これらを重ね合わせて製造する方法と、予め鋼板を重ね合わせたブランク材を作製し、ブランク材をプレスにより一体成形して所定の形状の部材(メイン部材131及び補強部材132)を製造する方法とがある。
ブランク材を用いた一体成形による製造方法の場合、重ね合わせた鋼板同士を固定した方が好ましい。重ね合わせた鋼板の固定方法として、スポット溶接により鋼板同士を固定する方法が提案及び利用されている。しかしながら、スポット溶接による固定を行った場合、プレス成形後の構成部材の強度が低い場合がある。
ブランク材の鋼板同士の他の固定方法が、特開2002−178069号公報(特許文献2)、特開2004−141913号公報(特許文献3)、及び、特開2011−88484号公報(特許文献4)に提案されている。
特許文献2では、重ね合わせた鋼板(板組)の間にろう材(硬質はんだ)を配置する。ろう材を挟んだ板組を成形温度まで加熱し、熱間プレス成形する。熱間プレス後、金型内で板組を冷却してろう材を凝固させる。なお、ろう材を挟んだ板組は、溶接により仮止めされる。
特許文献3では、複数のアルミニウムめっき鋼板からなるブランク材の鋼板間に、液相線温度が700℃以上のろう材を挟んで加熱する。そして、加熱されたブランク材をろう材の液相線温度以下の温度で熱間プレス成形する。
特許文献4では、ブランク材用の1枚の鋼板上にろう材を塗布した後、鋼板を加熱してろう材を溶融させる。その後、ろう材上に他の鋼板を配置して、ろう材を冷却する。以上の工程により、ブランク材を製造する。
国際公開第2012/36261号 特開2002−178069号公報 特開2004−141913号公報 特開2011−88484号公報
上記特許文献2〜4のブランク材は、熱間でプレスするとともに金型内で焼入れを実施するホットスタンプ成形にも利用可能である。しかしながら、上記特許文献2〜4の方法によりホットスタンプ成形を実施した場合、重ね合わせた鋼板間に部分的にろう材が充填されていない隙間が残り、製造されたホットスタンプ成形品の強度及び剛性が低い場合がある。
本発明の目的は、高い強度が得られるホットスタンプ成形品の製造方法を提供することである。
本実施の形態によるホットスタンプ成形品の製造方法は、複数枚の金属板が積層され、隣り合う金属板の間にろう材が配置された板組を準備する工程と、板組をろう材の融点以上の温度で加熱する工程と、ろう材の融点以上の温度で、板組を金属板の板厚方向に加圧して、ブランク材を製造する工程と、ブランク材に対してホットスタンプ成形を実施する工程とを備える。
本実施の形態による製造方法は、強度の高いホットスタンプ成形品を製造することができる。
図1は、自動車のモノコックボディの斜視図である。 図2は、図1中の構造部材の一例の斜視図である。 図3は、本実施形態によるホットスタンプ成形品の製造方法に利用される板組の断面図である。 図4Aは、支持部材上に板組を支持しながら加熱する場合の加熱初期の工程図である。 図4Bは、図4Aに続く加熱後期の工程図である。 図5Aは、平坦な面上に配置された板組を加熱する場合の加熱初期の工程図である。 図5Bは、図5Aに続く加熱後期の工程図である。 図6Aは、板組に対する加圧工程を説明するための模式図である。 図6Bは、図6Aに示す板組の加熱工程を説明するための模式図である。 図7は、三点曲げ試験方法を説明するための模式図である。 図8は、三点曲げ試験により得られた、インパクタのストローク量(mm)と、各マークのホットスタンプ成形品に掛かる荷重(kN)との関係を示す図である。 図9は、実施例中のマーク1の三点曲げ試験後の横断面写真である。 図10は、実施例中のマーク3の三点曲げ試験後の横断面写真である。
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳しく説明する。図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
本実施形態によるホットスタンプ成形品の製造方法は、複数枚の金属板が積層され、隣り合う金属板の間にろう材が配置された板組を準備する工程と、板組をろう材の融点以上の温度で加熱する工程と、ろう材の融点以上の温度で、板組を金属板の板厚方向に加圧して、ブランク材を製造する工程と、ブランク材に対してホットスタンプ成形を実施する工程とを備える。
特許文献2〜4に記載の方法で、鋼板の間にろう材を塗布してブランク材を形成した場合、ろう材と鋼板との間に隙間が形成され得る。つまり、鋼板と鋼板との間にろう材が充填されない領域が形成され得る。このようなブランク材をホットスタンプ成形しても、上記隙間の影響により、高い強度を有するホットスタンプ成形品を製造しにくい。このような隙間が形成されるのは、ブランク材を加熱するとき、加熱によりろう材を挟む鋼板が変形し、鋼板とろう材との間に隙間が生じるためである。
そこで、本実施形態の製造方法では、加熱中又は加熱後の板組を、ろう材の融点以上の温度で金属板の板厚方向に加圧してブランク材を製造する。この場合、ろう材と金属板とは密着しやすく、上述のような隙間が生じにくい。そのため、ホットスタンプ成形品の強度が高まる。
好ましくは、ホットスタンプ加工を実施する工程では、ろう材の凝固点未満の温度で、ホットスタンプ成形を開始する。
この場合、ホットスタンプ成形中において、液相のろう材を抑制できる。そのため、ホットスタンプ成形により金属板同士がずれるのを抑制できる。さらに、液体金属脆化割れの発生を抑制できる。
好ましくは、加圧する工程は、板組の加熱中に実施され、加圧する工程ではさらに、昇温中の板組を加圧する。
板組の金属板は、昇温中に変形しやすい。昇温中の板組を加圧することにより、金属板の変形を抑制できる。
本実施の形態によるブランク材は、上記工程により製造される。
以下、本実施の形態によるホットスタンプ成形品の製造方法を詳述する。本実施の形態では、金属板を2枚重ねた板組を用いて、自動車のフロントサイドメンバーやセンターピラー等に利用される構造部材(ホットスタンプ成形品)を製造する場合を想定して説明する。しかしながら、本実施の形態による製造方法は、3枚以上の金属板を積層した板組を用いてもよいし、ホットスタンプ成形品の形状は特に限定されない。
[製造工程の概要]
上述のとおり、本実施の形態によるホットスタンプ成形品の製造方法は、板組を準備する工程(準備工程)と、板組を加熱する工程(加熱工程)と、板組を加圧してブランク材を製造する工程(加圧工程)と、ホットスタンプ成形を実施する工程(ホットスタンプ成形工程)とを備える。以下、各工程について詳述する。
[準備工程]
初めに、図3に示す板組100を準備する。図3を参照して、板組100は、複数の金属板101と、ろう材102とを備える。複数の金属板101は互いに積層され、隣り合う金属板101の間にろう材102が配置される。図3では、2枚の金属板101のうちの一方が、メイン部材用の金属板であり、他方が補強部材用の金属板である。
[金属板101]
金属板101の材質及び板厚は特に限定されない。本実施形態で製造されるホットスタンプ成形品では、高強度が要求される。したがって、金属板101はたとえば、高強度鋼板であり、ホットスタンプ成形後に、要求される高強度が得られるよう化学組成及びその他の設計がなされる方が好ましい。ホットスタンプ成形では、成形中に(金型内で)焼入れを実施する。したがって、金属板101の焼入れ性は高い方が好ましい。つまり、金属板101には、強度及び焼入れ性を高める元素が含有されている方が好ましい。
金属板101は、めっき鋼板であってもよい。めっき鋼板はたとえば、公知の亜鉛系めっき鋼板や、アルミニウム系めっき鋼板である。
[ろう材102]
ろう材102は公知のろう材である。ろう材102はたとえば、Cu−Sn系、Cu−Zn系、Ag−Cu系、Ni−P系、及び、Ni−Cr−P系、Al−Si系のろう材等である。
ろう材102は、ホットスタンプ成形を開始する時点において、凝固している方が好ましい。ホットスタンプ成形時に液相のろう材が残存すれば、液体金属脆化割れが発生する場合があるためである。ホットスタンプ成形では、成形中に金属板101を焼入れするため、ホットスタンプ成形の成形開始温度は、通常、金属板101のMs点以上である。したがって、ろう材102の好ましい凝固点は700℃以上であり、さらに好ましくは750℃以上である。
一方、加熱工程における加熱温度は通常800〜1000℃であり、最も高い場合は1200℃となることも想定される。このような加熱温度において、ろう材102は溶融し、かつ、蒸発しにくい方が好ましい。
以上の条件を満たすろう材102はたとえば、Cu−Sn系、Cu−Zn系、Ag−Cu系、Ni−P系、及び、Ni−Cr−P系のろう材である。
[板組の製造工程]
板組100は、次の方法で製造する。複数の金属板101を、ろう材102を挟んで重ね合わせる。このとき、液状のろう材102をスプレー等を用いて金属板101の表面上に塗布してもよいし、固体のろう材102を金属板101の表面上に配置してもよい。
ろう材102を挟んで金属板101を重ね合わせた後、金属板101に対して溶接を実施してもよい。溶接は、代表的にはスポット溶接であり、レーザ溶接、TIG溶接、シーム溶接等であってもよい。この場合、金属板101同士の位置が固定し、かつ、金属板101同士の密着度が高まる。
各金属板101は、同じ化学組成及び板厚を有してもよいし、化学組成及び/又は板厚が異なっていてもよい。各金属板101の形状は同じでなくてもよい。たとえば、ホットスタンプ成形品がセンターピラーである場合、メイン部材となる金属板101が軟鋼であり、補強部材となる金属板101がメイン部材と厚さが異なる高強度鋼板であってもよい。この場合、メイン部材となる金属板101の表面の一部に、補強部材となる金属板101が重なる。要するに、板組100内の複数の金属板101の組み合わせは、要求される用途及び性能により選定すればよい。
板組100内のろう材102の厚さは特に限定されない。ろう材102の好ましい厚さは、0.03〜0.15mmである。
[加熱工程]
準備された板組100を、ろう材102の融点以上の温度に加熱する。加熱工程では、ろう材102を溶融し、さらに、板組100を、ホットスタンプ成形をするために十分な温度に加熱する。好ましい加熱温度の下限は、金属板101のA点又は800℃であり、好ましい加熱温度の上限は、1000℃である。
加熱方法は特に限定されない。加熱炉を用いて板組100を加熱してもよいし、通電加熱や誘導加熱により板組100を加熱してもよい。加熱炉の種類は特に限定されず、電気炉であってもよいし、ガス炉であってもよい。
[加圧工程]
上記加熱工程において、板組100の金属板101は、加熱により部分的に変形する。たとえば、ウォーキングビーム式やバッチ式の加熱炉を利用して、図4Aに示すように、支持部材160(たとえばウォーキングビーム)上に板組100を配置して加熱した場合、図4Bに示すように、支持部材160の間の金属板101部分が変形し、下方に曲がる。このとき、金属板101とろう材102との間に隙間140が形成される。
同様に、図5Aを参照して、コンベア式の加熱炉のように、平坦な面上に板組100を配置して加熱する場合、図5Bに示すように、加熱後期において、金属板101の端部が変形して反る。その結果、板組100の端部において、金属板101とろう材102との間に隙間140が形成される。
このような隙間140を残したままの板組100をホットスタンプ成形すれば、ホットスタンプ成形品にも隙間が残り、高い強度が得られにくい。
そこで、本実施形態では、加熱中又は加熱後の板組に対して、金属板101の厚板方向に加圧を行う。加圧することにより、金属板101とろう材102との間の隙間140を抑制でき、金属板101の間にろう材102が充填される。
加圧方法としては種々の方法がある。たとえば、図6Aに示すように、板組100の下方に支持板200を配置し、板組100の上方に押さえ板300を配置する。そして、図6Bに示すように、押さえ板300及び支持板200に挟まれた板組100を、加熱炉400で加熱する。このとき、押さえ板300の自重により、板組100が圧力Pで加圧される。この加圧により、板組100内の金属板101の変形は拘束される。そのため、加熱後の板組100において、金属板101とろう材102との間に隙間140が形成されにくく、金属板101同士がろう材102と密着する。
本例では、押さえ板300及び支持板200により、昇温中の組板100が加圧される。組板100の金属板101は、昇温中に変形しやすい。昇温中の組板100を加圧すれば、金属板101の変形が抑えられ、その結果、隙間140が生じにくい。
支持板200及び押さえ板300は、加熱中の金属板101の変形を抑制するのに十分は強度及び/又は厚さを有すれば、材質等は特に限定されない。加圧時の金属板101に対する好ましい平均荷重は1.0×10−3〜1.0MPaである。したがって、押さえ板300は、上記平均荷重を金属板101に付与できる程度の重量を有する方が好ましい。
支持板200及び押さえ板300を利用して加熱炉400にて板組100を加熱する場合、支持板200及び押さえ板300が熱を遮蔽するため、板組100の温度が上がりにくくなる場合がある。したがって、支持板200及び押さえ板300は、加熱中に変形しない程度の強度を確保できる範囲で、板厚を薄くしたり、格子状又は網状の構造としてもよい。
押さえ板300及び支持板200に挟まれた板組100を加熱炉から抽出する。以上の工程により、ブランク材150が製造される。
[ホットスタンプ成形工程]
加熱炉から抽出されたブランク材150は、ホットスタンプ成形装置まで搬送される。ブランク材150の搬送時、支持板200を外すものの、押さえ板300はブランク材150上にかぶせたまま搬送してもよい。この場合、ブランク材150のさらなる温度低下を抑制できる。
好ましくは、板組100の温度がろう材102の凝固点未満となった後、押さえ板300及び支持板200を外す。この場合、ろう材102が固相となるため、金属板101とろう材102との間に隙間140が形成されにくい。
生産性を考慮すれば、加熱工程後、ブランク材150をホットスタンプ形成装置に配置するまでの間のうち、可能な限り遅い時点で押さえ板300を外すのが好ましく、ホットスタンプ形成装置にブランク材150を配置する直前に、押さえ板300をブランク材150から外すのがさらに好ましい。
搬送後、押さえ板300を外してブランク材150をホットスタンプ成形装置内の金型上に配置する。そして、ブランク材150に対してホットスタンプ成形を実施して、ホットスタンプ成形品を製造する。この場合、高い強度を有するホットスタンプ成形品を製造できる。
ホットスタンプ成形開始時におけるブランク材150の温度(以下、成形開始温度という)は、金属板101のMs点以上である。この場合、ホットスタンプ成形中に金属板101が有効に焼入れされる。一方、成形開始温度の好ましい上限は、ろう材102の凝固点未満である。この場合、ホットスタンプ成形中、ろう材102は固相である。そのため、液体金属脆化割れが発生しにくい。
[その他の実施の形態]
上述の実施の形態では、押さえ板300及び支持板200を用いて、加熱工程中において、加圧工程を実施した。しかしながら、他の方法により加圧工程を実施してもよい。
たとえば、加熱炉内において、抽出口近傍にプレス装置を備えてもよい。この場合、押さえ板300及び支持板200を使用せずに、板組100を加熱する。そして、加熱工程終了直前の加熱炉の抽出口近傍で、プレス装置により板組100を板厚方向にプレス加工する。加熱により金属板101は変形している場合もあるが、プレス装置によるプレス加工により、金属板101とろう材102とが密着し、隙間140が抑制される。
さらに、加熱炉とは別に、プレス装置を備えてもよい。この場合、押さえ板300及び支持板200を用いずに板組100を加熱する。そして、加熱炉から抽出した板組100に対して、プレス装置を用いて板厚方向にプレス加工してブランク材150を製造する。この場合、プレス加工後のブランク材150の温度が過剰に低くなる場合もあり得る。そこで、プレス加工後のブランク材150を通電加熱又は誘導加熱等により短時間加熱して、ブランク材150の温度を金属板101のMs点以上に上昇させた後、ホットスタンプ成形を実施してもよい。
以上のとおり、加圧工程は、加熱工程中に実施してもよいし、加熱工程後であってホットスタンプ成形工程前に実施してもよい。
上記の製造方法により製造されるブランク材150は、ホットスタンプ成形以外の他のプレス加工にも利用できる。ブランク材150を他のプレス加工に利用した場合であっても、加工後の金属板101同士は剥離しにくい。そのため、加工後の製品は、高い強度が得られる。
表1に示すマーク1〜マーク5の板組を準備した。
いずれのマークについても同じ鋼種の2枚の冷間圧延鋼板(HS用鋼板)を使用した。を使用した。メイン部材用の鋼板(以下、メイン鋼板という)は、長さ595mm×幅225mm×厚さ1.2mmであった。補強部材用の鋼板(以下、補強鋼板という)は、長さ595mm×幅170mm×厚さ1.4mmであった。メイン鋼板及び補助鋼板ともに、ホットスタンプ成形前の引張強度は600〜700MPa程度であり、ホットスタンプ成形後の引張強度が1500MPa級となるものを使用した。
ろう材は青銅ろうであり、Sn含有量が20質量%であり、残部はCu及び不純物であった。ろう材の液相線温度(融点)は925℃であり、凝固温度は770℃であった。ろう材はシート状であり、厚さは30μmであった。
[マーク1について]
マーク1の板組は、上記メイン鋼板及び補強鋼板を備え、さらに、メイン鋼板と補強鋼板との間に配置されたろう材とを備えた。表1に示すとおり、マーク1の板組では、メイン鋼板及び補強鋼板の表面においてスポット溶接を実施し、2箇所仮止めした。
マーク1の板組を、図6Aに示すように支持板と抑え板とで挟んで加熱炉に装入した。支持板及び押さえ板の化学組成はいずれも、SUS304に相当し、支持板の厚さは6mm、押さえ板の厚さは9mmであった。
加熱炉の炉内雰囲気は還元雰囲気であり、炉内温度は1000℃であった。マーク1では、支持板と押さえ板とを利用して板組を加圧したため、在炉時間を15分とした。加熱中に板組に掛かる荷重は、7×10−4MPaであった。支持板と押さえ板とに挟まれた板組を加熱炉から抽出し、770℃未満に冷却(放冷)してブランク材とした。
続いて、ブランク材に対してホットスタンプ成形を実施して、図7に示すハット型の構成部材であるホットスタンプ成形品500を製造した。ホットスタンプ成形時の成形開始温度は700℃であった。
[マーク2〜マーク5について]
マーク2の板組では、表1に示すとおり、板組表面の60箇所でスポット溶接を実施した。その他の構成はマーク1の板組と同じであった。
マーク2の板組を、マーク1と同じ条件で加熱及び加圧し、ホットスタンプ成形を実施した。
マーク3では、マーク1と同じ板組を使用した。しかしながら、マーク3では板組に対して加圧工程を実施しなかった。つまり、支持板と押さえ板とで板組を挟むことなく、板組を加熱炉に装入して加熱した。在炉時間は10分とした。その他の加熱条件及びホットスタンプ成形条件は、マーク1と同じであった。
マーク4では、ろう材を挟んだ板組を準備したが、板組に対してスポット溶接を実施しなかった。その他の製造条件はマーク3と同じであった。
マーク5の板組は、ろう材を含まず、板組表面の60箇所でスポット溶接を実施した。その他の製造条件はマーク3と同じであった。また、スポット溶接条件および位置はマーク2と同じであった。
[三点曲げ試験]
図7に示すように、各マークのホットスタンプ成形品500をクロージングプレート503と溶接して、構成部材を製造した。クロージングプレート503は、引張強度が780MPa級である冷間圧延鋼板であり、板厚が1.8mm、長さが595mm、幅が150mmであった。
各マークの構成部材に対して、図7に示す三点曲げ試験を実施した。インパクタ600と一対の支持部材(支持点)601との間に、各マークの構成部材を配置した。このとき、ホットスタンプ成形品500の凸部501がインパクタ600と接触し、フランジ部502と接合されたクロージングプレート503が一対の支持部材601と接触した。
インパクタ600の曲率半径R1は150mmであった。支持点間距離(支持部材601の中央部間の距離)D0は500mmであり、支持部材601の支持点の曲率半径R0は30mmであった。圧壊速度0.25mm/secでインパクタ600を下降して、ホットスタンプ成形品500に掛かる荷重(kN)を測定した。インパクタ600の最大ストローク量は50mmとした。
[三点曲げ試験後の横断面観察試験]
三点曲げ試験後の各マークのハット型部材の横断面を目視観察し、メイン鋼板と補強鋼板とが接合を維持しているか否かを判断した。
[試験結果]
図8は、三点曲げ試験により得られた、各マークにおけるインパクタ600のストローク量(mm)と、ホットスタンプ成形品500に掛かる荷重(kN)との関係を示す図である。図9は、三点曲げ試験後のマーク1のハット型部材の横断面写真であり、図10は、三点曲げ試験後のマーク3のハット型部材の横断面写真である。
図8中の曲線M1は、マーク1の試験結果を示す。同様に、曲線M2〜M5は、マーク2〜5の試験結果をそれぞれ示す。図8を参照して、本発明例であるマーク1及びマーク2では、最大荷重が高く、60kNを超えた。一方、比較例であるマーク3〜マーク5では、いずれも最大荷重が60kN未満であった。
また、三点曲げ試験のストローク量が0〜5mmの範囲(つまり弾性変形時)における荷重の増加(この領域における曲線M1〜M5の傾き)は、各マークのホットスタンプ成形品の曲げ剛性を指標する。図8中のマーク1及びマーク2のこの領域での傾きは、他のマーク3〜5の傾きよりも大きく、マーク1及びマーク2のハット型部材は優れた剛性を示した。
三点曲げ試験後のマーク1の横断面(図9)とマーク3の横断面(図10)とを参照して、マーク1では、三点曲げ試験後も、メイン鋼板と補強鋼板とが密着しており、マーク2についても同様であった。一方、マーク3では、メイン鋼板と補強鋼板とがコーナ部で離れており、マーク4及びマーク5についても同様であった。マーク3〜マーク5では、ブランク材において隙間が残存したため、三点曲げ試験後に鋼板同士が剥離したと考えられる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
100 板組
101 金属板
102 ろう材

Claims (4)

  1. 複数枚のホットスタンプ用鋼板が積層され、隣り合う前記板の間にろう材が配置された板組を準備する工程と、
    前記板組を前記ろう材の融点以上の温度で加熱する工程と、
    前記ろう材の融点以上の温度で、加熱により昇温中の前記板組を前記板の板厚方向に加圧して、ブランク材を製造する工程と、
    前記ブランク材に対してホットスタンプ成形を実施する工程とを備える、ホットスタンプ成形品の製造方法。
  2. 請求項1に記載の製造方法であって、
    前記ホットスタンプ成形を実施する工程では、前記ろう材の凝固点未満の温度で、前記ホットスタンプ成形を開始する、製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の製造方法であって、
    前記加圧する工程は、前記板組を加熱中に実施され、前記加圧時に前記板組に掛かる荷重は1.0×10−3〜1.0MPaである、製造方法。
  4. 複数枚のホットスタンプ用鋼板が積層され、隣り合う前記板の間にろう材が配置された板組を準備する工程と、
    前記板組を前記ろう材の融点以上の温度で加熱する工程と、
    前記ろう材の融点以上の温度で、加熱により昇温中の前記板組を前記板の板厚方向に加圧する工程とを備える、ホットスタンプ用のブランク材の製造方法。
JP2013082003A 2013-04-10 2013-04-10 ホットスタンプ成形品の製造方法及びブランク材の製造方法 Active JP6127669B2 (ja)

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