上述の通り、上記荷役装置は、荷役アームが回動することによりコンテナの積み込みおよび降ろしを行う。積み込みおよび降ろしの際に、コンテナの前端部は、荷役アームのフックアームにより持ち上げられることになる。ところで、コンテナ荷役車両では、積み込みおよび降ろしのときに、コンテナの地上からの高さ(以下、コンテナ脱着時の地上高という)をできるだけ低くしたいという課題がある。コンテナは荷役アームのフックの高さまで持ち上げられるので、荷役アーム回動時のフックの地上高を低くすることが望まれる。前述の通り、荷役アームは、いったんフックアームが後方にスライドした後に、回動する。そこで、コンテナ脱着時の地上高を低くするために、フックアームの後方へのスライド量を多くし、荷役アームのフックの回動半径を小さくすることが考えられる。
しかし、通常、コンテナの底部には第2係合部材だけでなく、第2係合部材よりも前方にて、下方に突出する他の突状部材が形成されていることが多い。従来は、フックアームの後方へのスライド量が比較的少なかったので、コンテナが後方に移動するときに、他の突状部材が第1係合部材に干渉することはなかった。しかし、コンテナ脱着時の地上高を低くするためにフックアームの後方へのスライド量を多くすると、他の突状部材が第1係合部材に干渉するおそれがある。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、コンテナを固縛するための専用のアクチュエータが不要であり、コンテナを固縛する係合部材とコンテナの底部との干渉を避けつつ、コンテナ脱着時の地上高を低く抑えることが可能なコンテナ荷役車両を提供することである。
本発明に係るコンテナ荷役車両は、後部が車台に傾動可能に支持されたダンプフレームと、前記ダンプフレームの前部に設けられた車幅方向に延びる第1回動軸と、前記第1回動軸に回動可能に支持された回動アームと、コンテナに係合可能なフックを有し、前記回動アームに前後移動可能に取り付けられたフックアームと、を備えた荷役アームと、一端が前記フックアームに取り付けられ、他端が前記回動アームに取り付けられた伸縮自在な伸縮アクチュエータと、一端が前記車台の前部に取り付けられ、他端が前記回動アームにおける前記第1回動軸よりも前方の部分に取り付けられた伸縮自在なリフトアクチュエータと、前記ダンプフレームに傾動可能に支持され、前記ダンプフレームから上方に突出し、前記コンテナの底部に設けられた被係合部材と係合可能な係合部材と、前記ダンプフレームに取り付けられた前後方向に移動可能なリンク部材であって、後方に移動すると前記係合部材を後方に傾倒させ、前方に移動すると前記係合部材を起立させるように、前記係合部材に連結されたリンク部材と、前記回動アームに取り付けられ、前記フックアームの前後移動に伴って前後に移動自在であり、後方への移動の際に前記リンク部材を後方に移動させるように前記リンク部材と係合可能なスライド部材と、前記ダンプフレームに取り付けられ、前記回動アームが水平から傾斜した状態にあるときに前記リンク部材を後方に移動した状態に保持するロック部材と、を備えている。
前記コンテナ荷役車両によれば、コンテナの降ろしの際、伸縮アクチュエータが収縮すると、フックアームが回動アームに対して後方に移動する。これにより、フックアームに係合しているコンテナは、後方に移動する。その結果、コンテナの被係合部材とダンプフレームに支持された係合部材との係合が解除され、コンテナの固縛が解除される。コンテナの積み込みの際には、上述の動作と逆の動作が行われ、コンテナが固縛される。このように前記コンテナ荷役車両によれば、コンテナの固縛およびその解除を行うための専用のアクチュエータは不要である。
また、前記コンテナ荷役車両によれば、フックアームが後方に移動すると、スライド部材が後方に移動し、このスライド部材がリンク部材を後方に移動させる。リンク部材が後方に移動すると、このリンク部材により係合部材が後方に傾倒する。そのため、コンテナの底部の被係合部材の前方に突状部材が設けられ、その突状部材が後方に移動してきたとしても、その突状部材が係合部材と干渉することを避けることができる。したがって、上記突状部材と係合部材との干渉を避けつつ、フックアームのスライド量を多くすることができる。よって、コンテナ脱着時の地上高を低く抑えることが可能となる。
ところで、係合部材は、フックアームの後方への移動に伴ってスライド部材が後方に移動し、そのスライド部材がリンク部材を介して係合部材に力を付与することにより傾倒する。しかし、スライド部材は回動アームに取り付けられている。そのため、回動アームが回動するとスライド部材も回動し、スライド部材とリンク部材との係合が解かれ、係合部材の傾倒状態を維持できなくなる。しかし、前記コンテナ荷役車両によれば、回動アームが傾斜状態にあるときにリンク部材を後方に移動した状態に保持するロック部材を備えている。そのため、回動アームが回動するときにも係合部材の傾倒状態を維持することができ、コンテナの上記突状部材と係合部材との干渉を引き続き避けることができる。
本発明の好ましい一態様によれば、前記ロック部材は、前記ダンプフレームに固定された車幅方向に延びる支持軸と、前記支持軸に回動自在に支持され、前記リンク部材と係合可能なフックと、前記フックに前記リンク部材と係合する方向の力を付与するばねと、前記回動アームが傾斜した状態から水平な状態に回動するときに前記フックの一部と接触するように前記回動アームに固定され、前記回動アームが水平な状態に回動したときに前記フックの一部を押すことによって、前記フックを前記リンク部材と係合する方向と逆方向に回動させるフック回動部材と、を備えている。
前記態様によれば、回動アームが水平な状態から回動して傾斜した状態になると、フック回動部材はフックから離反する。その結果、ばねの力を受けたフックは、リンク部材と係合する方向に回転し、リンク部材と係合する。それにより、リンク部材はフックにより、後方に移動した状態に保持される。一方、回動アームが傾斜した状態から回動して水平な状態になると、フック回動部材がフックの一部と接触し、フックの一部を押す。その結果、フックはリンク部材と係合する方向と逆方向に回動する。それにより、フックによるリンク部材の保持が解除され、リンク部材の前後移動が可能となる。前記態様によれば、安価かつ簡単な構成により、回動アームの回動に伴ってリンク部材の保持およびその解除を実現できるロック部材を得ることができる。
本発明の好ましい他の一態様によれば、前記ダンプフレームには、前記係合部材の傾動に伴って回動する車幅方向に延びる第2回動軸が設けられている。前記リンク部材は、前記係合部材が起立する方向に前記第2回動軸を回動させる力を付与するばねと、前記第2回動軸と共に回動するように前記第2回動軸に設けられた第1アーム部材と、前記第1アーム部材が回動可能に取り付けられた第2アーム部材と、前記第2アーム部材に設けられ、前記スライド部材と当接可能な当接具と、を備えている。
前記態様によれば、スライド部材が後方に移動すると、スライド部材が当接具と当接し、当接具を後方に押す。すると、当接具および第2アーム部材は後方に移動し、第1アーム部材は回動する。そして、第1アーム部材の回動に伴って第2回動軸が回動し、係合部材は傾倒する。一方、スライド部材が前方に移動すると、スライド部材が当接具を後方に押す力が消失するので、第2アーム部材を回動させる力がなくなり、第2回動軸はばねの力により回動する。そして、第2回動軸の回動に伴い、係合部材は起立する。前記態様によれば、安価かつ簡単な構成により、スライド部材の前後移動に伴って係合部材を傾倒および起立させることができるリンク部材を得ることができる。
本発明の好ましい他の一態様によれば、前記回動アームは管状に形成され、前記フックアームは、前記回動アームの内部にスライド自在に挿入され、前記回動アームには、前後方向に延びる孔が形成されている。前記スライド部材は、前記回動アームの前記孔を貫通する第1ロッドと、前記回動アームの内部にて前記第1ロッドに連結され、前記フックアームと当接可能な当接部を有する第2ロッドと、前記回動アームの外部にて前記第1ロッドに連結され、前記リンク部材と当接可能な当接具と、前記第1ロッド、前記第2ロッド、および前記当接具を前方に移動させる力を付与するばねと、を備えている。
前記態様によれば、フックアームが後方にスライドすると、フックアームが第2ロッドの当接部と当接し、第2ロッドが後方に押される。すると、第2ロッドと共に第1ロッドおよび当接具が後方に移動し、当接具がリンク部材を後方に押し、リンク部材を後方に移動させる。一方、フックアームが前方にスライドすると、フックアームが第2ロッドを後方に押す力が消失するので、第1ロッド、第2ロッド、および当接具は、ばねの力によって前方に移動する。これにより、当接具がリンク部材を後方に押す力がなくなり、リンク部材は前方に移動可能となる。前記態様によれば、安価かつ簡単な構成により、フックアームの後方への移動に伴ってリンク部材を後方に移動させることができるスライド部材を得ることができる。
本発明の好ましい他の一態様によれば、前記フックアームが所定位置よりも前方にあると、前記リフトアクチュエータが伸長したときに前記荷役アームと前記ダンプフレームとが一体となって傾動するように、前記回動アームを前記ダンプフレームに固定し、前記フックアームが所定位置よりも後方にあると、前記リフトアクチュエータが伸長したときに前記荷役アームが前記第1回動軸回りに回動するように、前記ダンプフレームに対する前記回動アームの固定を解除するように構成された荷役アーム固縛装置を備えている。
前記態様によれば、フックアームが所定位置よりも前方にあるときにリフトアクチュエータを伸長させると、回動アームはダンプフレームに固定されているので、荷役アームとダンプフレームとは一体となって傾動する。よって、コンテナを車台上で傾動させることができる。一方、コンテナの降ろしの際には、フックアームが後方に移動し、ダンプフレームに対する回動アームの固定が解除される。そのため、リフトアクチュエータを伸長させると、荷役アームが回動する。よって、コンテナを車台から降ろすことができる。
本発明の好ましい他の一態様によれば、前記荷役アーム固縛装置は、前記ダンプフレームに固定された被固縛部材と、前記回動アームに回動自在に支持され、前記被固縛部材と係合可能な固縛部材と、前記固縛部材に前記被固縛部材と係合する方向の力を付与するばねと、前記固縛部材の一部と連結され、前記フックアームの後方への移動に伴って後方に移動することにより、前記被固縛部材と係合する方向と逆方向に前記固縛部材を回動させるように前記固縛部材の一部を後方に引っ張るリンク部材と、を備えている。
前記態様によれば、フックアームが所定位置よりも後方に移動すると、リンク部材が後方に移動し、固縛部材の一部が後方に引っ張られる。その結果、固縛部材が回動し、固縛部材と被固縛部材との係合が解除される。これにより、荷役アームがダンプフレームに対して回動可能となる。一方、フックアームが所定位置よりも前方に移動すると、固縛部材の一部を後方に引っ張る力が消失するので、固縛部材はばねの力により、被固縛部材と係合する方向に回動する。その結果、固縛部材と被固縛部材とが係合する。これにより、荷役アームはダンプフレームに対して回動不能となる。前記態様によれば、安価かつ簡単な構成により、フックアームの前後の位置に応じて、ダンプフレームに対する荷役アームの固縛およびその解除を実現できる荷役アーム固縛装置を得ることができる。
本発明によれば、コンテナを固縛するための専用のアクチュエータを不要とし、コンテナを固縛する係合部材とコンテナの底部との干渉を避けつつ、コンテナ脱着時の地上高を低く抑えることが可能となる。
以下、図面を参照しながら本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係るコンテナ荷役車両1を示している。コンテナ荷役車両1は、コンテナ2の傾動、積み込み、および降ろしを行う荷役装置3を備えている。図1の仮想線は、積み込み中または降ろし中のコンテナ2および荷役装置3を表している。図2は荷役装置3の平面図である。
(コンテナ荷役車両の構成)
コンテナ荷役車両1は、それぞれ前後方向に延びる左右一対の車体フレーム11と、車体フレーム11の前端部の上に配置されたキャブ12とを備えている。以下の説明では特に断らない限り、前、後、左、右、上、下とは、キャブ12内の乗員から見た前、後、左、右、上、下を言うものとする。図2の左側、右側は、それぞれ前側、後側となる。左右の車体フレーム11の上には、それぞれ左右のサブシャーシ13が配置されている。各サブシャーシ13は前後方向に延びている。図2に示すように、左右のサブシャーシ13の前端部は、前クロスメンバ15にて連結されている。左右のサブシャーシ13の後端部は、後クロスメンバ17にて連結されている。車体フレーム11、サブシャーシ13、前クロスメンバ15、および後クロスメンバ17は、車台を構成している。
コンテナ2は、左右のサブシャーシ13上に搭載される。図1に示すように、コンテナ2は、前後に長い直方体形状に形成されている。コンテナ2の底壁2aの前端部には、左右一対の脚20が設けられている。コンテナ2の底壁2aの後端部には、左右一対の車輪21が設けられている。コンテナ2の前壁2fの上部には、後述する荷役アーム34のフック38cに係合可能な係合ピン22が設けられている。コンテナ2の後壁2bの上端部は、車幅方向に延びる軸23に回動可能に支持されている。コンテナ2は、後壁2bが回動することにより開閉可能に構成されている。
(荷役装置)
図2に示すように、荷役装置3は、左右一対のダンプフレーム30と、荷役アーム34と、左右一対のリフトシリンダ35と、伸縮シリンダ39とを備えている。
サブシャーシ13の後端部には、車幅方向に延びる回動軸31が設けられている。なお、車幅方向は左右方向と同義である。ダンプフレーム30の後端部は、回動軸31に回動自在に取り付けられている。よって、ダンプフレーム30の後端部は、回動軸31を介してサブシャーシ13に傾動可能に支持されている。ダンプフレーム30は、サブシャーシ13に対して傾動可能となっている。ダンプフレーム30の前部には、車幅方向に延びる回動軸(第1回動軸)32が設けられている。なお、本明細書において、部材の前部とは、当該部材の前後方向の中間位置よりも前方の部分をいい、部材の後部とは、当該部材の前後方向の中間位置よりも後方の部分をいう。したがって、ダンプフレーム30の前部とは、ダンプフレーム30の前後方向の中間位置よりも前方の部分のことである。
荷役アーム34は、回動アーム37と、回動アーム37にスライド自在に連結されたフックアーム38とを備えている。
回動アーム37は管状に形成されている。ここでは、回動アーム37は矩形管状に形成されている。ただし、回動アーム37の断面形状は特に限定されない。回動アーム37は円管状に形成されていてもよい。回動アーム37の後部は、回動軸32を介してダンプフレーム30の前部に連結されている。回動アーム37は、回動軸32に回動可能に支持されている。回動アーム37は、ダンプフレーム30に対して回動可能となっている。
図3に示すように、フックアーム38は、側方から見てL型に形成されている。フックアーム38は、インナーアーム部38aと、インナーアーム部38aに対して垂直な垂直アーム部38bと、垂直アーム部38bの先端に設けられたフック38cとを備えている。インナーアーム部38aは管状に形成されており、インナーアーム部38aの後部は回動アーム37の内部に挿入されている。インナーアーム部38aは回動アーム37に対してスライド自在であり、インナーアーム部38aがスライドすることにより、回動アーム37に対するインナーアーム部38aの挿入長さが変化する。インナーアーム部38aがスライドすることにより、荷役アーム34は伸縮する。垂直アーム部38bは、インナーアーム部38aの前端部から上方に延びている。垂直アーム部38bはインナーアーム部38aと一体形成されている。ただし、それらは必ずしも一体形成されている必要はなく、別体であってもよい。
図2に示すように、回動アーム37およびインナーアーム部38aの内部には、前後方向に延びる伸縮シリンダ39が配置されている。伸縮シリンダ39の前端部は、インナーアーム部38aに形成されたピン38pに回動自在に支持されている。伸縮シリンダ39の後端部は、回動アーム37に形成されたピン37pに回動自在に支持されている。伸縮シリンダ39は、荷役アーム34を伸縮させる伸縮アクチュエータの一例であり、本実施形態では油圧シリンダにより構成されている。ただし、伸縮シリンダ39は油圧シリンダに限らず、例えばエアシリンダにより構成されていてもよい。伸縮シリンダ39の代わりに、電動式の伸縮アクチュエータを用いることも可能である。伸縮シリンダ39が収縮すると、インナーアーム部38aが回動アーム37に対し後方にスライドし、荷役アーム34は収縮する。伸縮シリンダ39が伸長すると、インナーアーム部38aが回動アーム37に対し前方にスライドし、荷役アーム34は伸長する。
リフトシリンダ35は、荷役アーム34の左側および右側にそれぞれ設けられている。詳しくは、リフトシリンダ35は、フックアーム38のインナーアーム部38aおよび回動アーム37の左側および右側にそれぞれ配置されている。リフトシリンダ35は伸縮自在なリフトアクチュエータの一例であり、本実施形態では油圧シリンダにより構成されている。しかし、リフトシリンダ35も伸縮シリンダ39と同様、油圧シリンダに限らず、エアシリンダ、電動式のアクチュエータ等により構成されていてもよい。前クロスメンバ15上にはピン15pが設けられている。リフトシリンダ35の前端部は、前クロスメンバ15のピン15pに回動自在に支持されている。リフトシリンダ35の後端部は、回動アーム37のブラケット37bに設けられたピン33に回動自在に支持されている。リフトシリンダ35の後端部は、ピン33を介して回動アーム37に回動自在に支持されている。なお、ピン33は回動軸32よりも前方に配置されている。
サブシャーシ13の後端部には、案内ローラ16が設けられている。案内ローラ16は、コンテナ2の積み込みおよび降ろしの際に、コンテナ2を前後方向へ案内するローラである。
(荷役アーム固縛装置)
荷役装置3は、荷役アーム34をダンプフレーム30に対して回動不能に固縛する荷役アーム固縛装置40を備えている。次に、図4を参照しながら、荷役アーム固縛装置40について説明する。
荷役アーム固縛装置40は、フックアーム38が所定位置よりも前方にあるときには、荷役アーム34をダンプフレーム30に対し回動不能に固縛し、フックアーム38が所定位置よりも後方にあるときには、その固縛を解除するように構成されている。ここでは、荷役アーム固縛装置40は、伸縮シリンダ39が伸びているときには荷役アーム34を固縛し、伸縮シリンダ39が最も縮んだときに荷役アーム34の固縛を解除するように構成されている。荷役アーム固縛装置40は左右に一対設けられているが、以下では左側の荷役アーム固縛装置40のみについて説明する。
図4に示すように(なお、図1〜3では荷役アーム固縛装置40の図示は省略している。)、荷役アーム固縛装置40は、ダンプフレーム30に固定された被固縛部材42と、被固縛部材42に係合可能な固縛部材41と、固縛部材41に対し、固縛部材41が被固縛部材42と係合する方向に回転する力を付与するばね43とを備えている。
回動アーム37の左側面には、取付軸44が設けられている。固縛部材41は取付軸44に取り付けられている。固縛部材41は、取付軸44を介して回動アーム37に回動可能に取り付けられている。左右のダンプフレーム30の前部には、左右方向に延びるクロスメンバ45が架け渡されている。被固縛部材42はクロスメンバ45に固定されている。このように、被固縛部材42は、クロスメンバ45を介してダンプフレーム30に間接的に固定されている。ただし、被固縛部材42はダンプフレーム30に直接固定されていてもよい。
固縛部材41における取付軸44よりも後方の部分には、ばね43の一端が係止されている。ばね43の他端は、回動アーム37に形成されたブラケット48に係止されている。ばね43の他端は、ブラケット48を介して回動アーム37に間接的に係止されている。ばね43は、いわゆる引っ張りばねである。図4において、固縛部材41はばね43から、取付軸44を中心として反時計回り方向の力を受けている。
固縛部材41における取付軸44よりも上方の部分には、ピン47aを介してアーム47の前端部が回動可能に連結されている。アーム47の後端部には、車幅方向の内側に向けてピン46が突設されている。回動アーム37には前後方向に延びる孔37aが形成されており、ピン46は孔37aを貫通している。前述したように、回動アーム37には、フックアーム38のインナーアーム部38aがスライド自在に挿入されている(図3参照)。ピン46は、インナーアーム部38aの後端部と当接可能に構成されている。
フックアーム38が後方へスライドすると、インナーアーム部38aの後端部がピン46に当接し、ピン46を後方に押す。すると、アーム47が後方に引っ張られ、固縛部材41は、ばね43の付勢力に抗して、取付軸44を中心として時計回り方向に回転する。その結果、固縛部材41と被固縛部材42との係合が解除される。これにより、ダンプフレーム30に対する荷役アーム34の固縛が解除され、荷役アーム34はダンプフレーム30に対して回動可能となる。一方、フックアーム38が前方へスライドすると、ピン46を後方に押す力がなくなり、アーム47は後方に引っ張られなくなる。すると、固縛部材41はばね43の付勢力により、取付軸44を中心として反時計回り方向に回転する。その結果、固縛部材41は被固縛部材42と係合する。これにより、荷役アーム34はダンプフレーム30に固縛され、ダンプフレーム30と一体となって傾動可能であるが、ダンプフレーム30に対して回動不能となる。
(コンテナ固縛装置)
荷役装置3は、走行時にコンテナ2が跳ね上がること等を防止するコンテナ固縛装置50(図3参照)を備えている。次に、コンテナ固縛装置50について説明する。
図3に示すように、コンテナ2の底壁2aには、左右一対の被係合部材5が設けられている。なお、図3では左側の被係合部材5のみが図示されている。被係合部材5は、底壁2aからいったん下方に延びてから前方に突出する形状に形成されている。本実施形態では、被係合部材5は、前方に突出する爪状の部材によって形成されている。ただし、被係合部材5は、後述する係合部材51と係合可能であれば足り、爪状の部材に限定される訳ではない。被係合部材5の形状として、係合部材51と係合可能な任意の形状を採用することができる。コンテナ固縛装置50は、コンテナ2の被係合部材5と係合することにより、コンテナ2の跳ね上がり等を防止するように構成されている。
コンテナ固縛装置50は、コンテナ2の被係合部材5と係合可能な左右一対の係合部材51を備えている。係合部材51は門型に形成されており、図5に示すように、垂直に延びる左板51aおよび右板51bと、左板51aと右板51bとに架け渡された天板51cとを有している。係合部材51の内側、すなわち、左板51aの右側かつ右板51bの左側かつ天板51cの下側には、コンテナ2の被係合部材5が挿入可能な空間が形成されている。コンテナ2の被係合部材5が係合部材51の内側に挿入されることにより、コンテナ2の被係合部材5と係合部材51とが係合する。これにより、係合部材51がコンテナ2の跳ね上がりを防止し、コンテナ2は固縛される。
コンテナ2の固縛およびその解除は、荷役アーム34がコンテナ2を前後にスライドさせることによって行われる。詳しくは、コンテナ2を積み出すときには、荷役アーム34が収縮し、コンテナ2は後方に押される。これにより、被係合部材5は後方にスライドし、係合部材51から離反する。その結果、被係合部材5と係合部材51との係合が解除され、コンテナ2の固縛が解除される。一方、コンテナ2を積み込むときには、荷役アーム34が伸長し、コンテナ2は前方に引っ張られる。これにより、被係合部材5は前方にスライドし、係合部材51に係合する。その結果、コンテナ2は、係合部材51およびダンプフレーム30を介して、サブシャーシ13に固縛される。すなわち、コンテナ2は車台に固縛される。
ところで、図3に示すように、コンテナ2の底壁2aには、被係合部材5以外に、被係合部材5の前方において下方に突出する突状部材2gが設けられていることがある。例えば、このような突状部材2gとして、コンテナ2の底壁2aに設けられたコンテナ底壁補強用のクロスメンバ等が挙げられる。ここで、荷役アーム34の伸縮量が少ない場合、突状部材2gは係合部材51の近傍にまで移動しないので、突状部材2gと係合部材51との干渉は問題にはならない。しかし、荷役アーム34の伸縮量が多い場合、荷役アーム34が収縮した際に突状部材2gが係合部材51と干渉してしまうおそれがある。
そこで、本実施形態では、突状部材2gと係合部材51との干渉を避けるために、荷役アーム34の収縮に応じて、言い換えるとコンテナ2の後方へのスライドに応じて係合部材51を傾動させる傾動装置95が設けられている。傾動装置95により、係合部材51は後方に傾動可能に構成されている。図5および図6は傾動装置95を表す図であり、図5は図6のV−V線に相当する水平断面図、図6は図5のVI−VI線から見た側面図である。
図6に示すように、ダンプフレーム30には、車幅方向に延びる回動軸(第2回動軸)30aが取り付けられている。係合部材51の左板51aおよび右板51bの下部は、回動軸30aに回動可能に支持されている。係合部材51は、ダンプフレーム30に対し、回動軸30aを中心として回動可能に支持されている。後述するように、コンテナ2が後方にスライドし、突状部材2gが係合部材51に接近すると、係合部材51は後方に倒れるように回動する(図8参照)。
回動軸30aの後斜め下部分には、回動軸30aと一体となって回転する係止片53が形成されている。なお、係止片53は回動軸30aと一体的に形成されていてもよく、別体であってもよい。係止片53には、ばね52の一端が係止されている。ばね52の他端は、ダンプフレーム30に形成された係止片54に係止されている。ばね52は引っ張りばねであり、回動軸30aを図6の反時計回り方向に常時付勢している。
回動軸30aの前斜め上部分には、回動軸30aと一体となって回転する第1アーム部材55が設けられている。第1アーム部材55は回動軸30aと一体的に形成されていてもよく、本実施形態のように別体であってもよい。本実施形態では、第1アーム部材55は板状に形成されているが、その形状は特に限定される訳ではない。第1アーム部材55は、連結ピン56を介してリンクロッド57に連結されている。第1アーム部材55はリンクロッド57に対して、回動可能に接続されている。リンクロッド57は前後方向に延びている。図5に示すように、リンクロッド57には、L型のロッド58が固定されている。ロッド58はリンクロッド57から前方に延びている。ロッド58は、前後方向に延びる縦ロッド部58aと、縦ロッド部58aの前端から車幅方向に延びる横ロッド部58bとを有している。ダンプフレーム30にはブラケット60が形成され、ブラケット60にはロッド支持部材59が固定されている。縦ロッド部58aは、ロッド支持部材59に前後方向にスライド自在に支持されている。これらリンクロッド57およびL型のロッド58は、連結ピン56を介して第1アーム部材55に取り付けられた前後方向に延びる第2アーム部材76を構成している。第2アーム部材76の横ロッド部58bの先端には、円盤状の当接具58cが固定されている。ばね52、第1アーム部材55、第2アーム部材76、および当接具58cは、リンク部材91を構成している。
図6に示すように、当接具58cの前方には、当接具63が配置されている。回動アーム37における当接具63の側方には、前後方向に延びる孔64が形成されている。図5に示すように当接具63には、車幅方向に延びる第1ロッド61が固定されている。第1ロッド61は孔64を貫通している。回動アーム37の内部において、第1ロッド61は第2ロッド62に接続されている。なお、第1ロッド61と第2ロッド62とは一体化されていてもよい。第2ロッド62は前後方向に延びており、第2ロッド62の前端部62aは、フックアーム38のインナーアーム部38aの後端部38abと当接可能に構成されている。第2ロッド62の前端部62aは、フックアーム38と当接可能な当接部を形成している。図6に示すように、当接具63の上部には係止片63aが設けられている。回動アーム37のうち当接具63よりも前方の部分には、係止片66が形成されている。係止片63aと係止片66とには、ばね67が係止されている。ばね67は引っ張りばねであり、当接具63を常に前方に付勢している。よって、ばね67は、第1ロッド61、第2ロッド62、および当接具63を前方に移動させる力を付与している。なお、本実施形態では、ばね67は当接具63の係止片63aに係止されているが、ばね67が第1ロッド61または第2ロッド62に係止されていてもよい。この場合であって、ばね67は第1ロッド61、第2ロッド62、および当接具63を前方に移動させる力を付与することができる。第1ロッド61、第2ロッド62、当接具63、およびばね67は、回動アーム37の孔64に沿って前後に移動可能なスライド部材65を構成している。
図5に示すように、ダンプフレーム30に形成されたブラケット60には、車幅方向に延びる支持軸68が設けられている。図7は、図5のVII−VII線から見た側面断面図である。図7に示すように、支持軸68には、フック69が回動自在に支持されている。支持軸68は、フック69の後端部を回動自在に支持している。フック69の前側の底部には、上方に凹んだ凹部69aが形成されている。凹部69aは、ロッド58の横ロッド部58bと係合可能に形成されている。フック69のうち支持軸68よりも前方の部分には、ばね70の一端が係止されている。ばね70の他端は、ダンプフレーム30に形成された係止片71に係止されている。ばね70は引っ張りばねであり、フック69を常に下向きに付勢している。フック69はばね70により、支持軸68を中心として図7の反時計回り方向に常時付勢されている。
フック69の上縁69bの後側には、上縁69bから傾斜した傾斜部69cが形成されている。回動アーム37には、車幅方向に延びる棒からなるフック回動部材72が固定されている。フック回動部材72は、フック69の傾斜部69cと接触しており、傾斜部69cを上方から押さえつけている。フック69は支持軸68を中心として回動自在であるので、フック回動部材72がフック69の傾斜部69cを下方に押さえつけることにより、フック69は水平から傾斜した状態に保持される。すなわち、フック69の凹部69aがロッド58の横ロッド部58bよりも高い位置になるように、フック69の姿勢が保持される。
(コンテナ荷役車両の動作)
次に、コンテナ荷役車両1の動作について説明する。まず、コンテナ2を傾動させるダンプ動作について説明する。ダンプ動作では、伸縮シリンダ39を伸長させた状態のまま、リフトシリンダ35を伸長させる。伸縮シリンダ39は伸長したままであるので、荷役アーム34は収縮せず、フックアーム38は後方にスライドしない。そのため、荷役アーム固縛装置40(図4参照)の固縛部材41と被固縛部材42との係合は解除されず、荷役アーム34はダンプフレーム30に対して回動不能である。よって、リフトシリンダ35が伸長すると、荷役アーム34とダンプフレーム30とは一体となって傾動し、その結果、コンテナ2は傾動する。
次に、コンテナ2の降ろし動作について説明する。コンテナ2の降ろし動作では、まず、伸縮シリンダ39を収縮させる。すると、伸縮シリンダ39の収縮に伴って荷役アーム34が収縮し、フックアーム38は後方にスライドする。フックアーム38が後方へスライドすると、コンテナ2は後方に押され、後方にスライドする。コンテナの後方へのスライドに伴って、コンテナ2の被係合部材5は後方に移動し、係合部材51から外れる。これにより、コンテナ2の固縛が解除される。
伸縮シリンダ39を更に収縮させると、やがて、フックアーム38のインナーアーム部38aの後端部38ab(図5参照)が、荷役アーム固縛装置40のピン46(図4参照)およびスライド部材65の第2ロッド62の前端部62a(図5参照)と当接し、ピン46およびスライド部材65はフックアーム38によって後方に押される。
ピン46が後方に押されると、ピン46は後方に移動し、図4に示すように、荷役アーム固縛装置40の固縛部材41は、取付軸44を中心として図4の時計回り方向に回動する。これにより、固縛部材41と被固縛部材42との係合が解除され、荷役アーム34はダンプフレーム30に対して回動可能となる。
また、スライド部材65が後方に移動すると、スライド部材65の当接具63が、リンク部材91の当接具58cを後方に押す。リンク部材91の当接具58cは、第2アーム部材76、連結ピン56、および第1アーム部材55を介して回動軸30aに連結されている。そのため、図8に示すように、当接具58cがスライド部材65の当接具63に押されて後方に移動すると、回動軸30aは図8の時計回り方向に回動し、それに伴って係合部材51は後方に傾倒する。係合部材51は傾倒するので、コンテナ2の突状部材2gが係合部材51の近傍にまで移動してきても、突状部材2gと係合部材51との干渉は避けられる。なお、図8は、回動アーム37が水平な状態であって、かつ伸縮シリンダ39が最も収縮した状態を表している。この際、スライド部材65の第1ロッド61は、孔64の後端に位置付けられる。
伸縮シリンダ39が最収縮状態となった後、次に、リフトシリンダ35を伸長させる。上述の通り、固縛部材41と被固縛部材42との係合が解除されているので、リフトシリンダ35の伸長に伴い、荷役アーム34はダンプフレーム30に対して回動する。図9に示すように、荷役アーム34の回動アーム37が回動すると、回動アーム37に設けられたフック回動部材72はフック69の傾斜部69cから離反する。すると、フック回動部材72が傾斜部69cを下方に押さえつける力が消失するので、フック69はばね70により引っ張られ、支持軸68を中心として図9の反時計回り方向に回転する。これにより、フック69の凹部69aがロッド58の横ロッド部58bと係合し、ロッド58の前方への移動がフック69により規制される。その結果、係合部材51は傾倒した状態に保持される。
その後、リフトシリンダ35が更に伸長するのに伴い、荷役アーム34は更に回動し、図1に示すように、コンテナ2は車台上から地面に降ろされる。以上がコンテナ2の降ろし動作である。
コンテナ2の積み込みは、上記降ろし動作と逆の手順で行われる。すなわち、まず、荷役アーム34のフック38cをコンテナ2の係合ピン22に引っ掛け、リフトシリンダ35を収縮させる。すると、コンテナ2が荷役アーム34によって吊り上げられながら、前方に引っ張られる。これにより、コンテナ2が地面から車台上に積み込まれる。荷役アーム34の回動が終了する際には、回動アーム37に固定されたフック回動部材72がフック69の傾斜部69cと接触し、フック69の傾斜部69cを上方から押さえる。すると、フック69は、ばね70の付勢力に抗して、支持軸68回りに回動する(図8参照)。これにより、フック69とロッド58との係合が解除される。
次に、伸縮シリンダ39を伸長させ、荷役アーム34のフックアーム38を回動アーム37に対し前方にスライドさせる。スライド部材65はばね67の付勢力を受けているので、前方に移動する。また、リンク部材91はばね52の付勢力を受けているので、ロッド58は前方に移動し、回動軸30aは図6の反時計回り方向に回動する。これにより、係合部材51は傾倒した状態から起立状態となる。また、荷役アーム固縛装置40の固縛部材41はばね43の付勢力を受けているので(図4参照)、取付軸44を中心として図4の反時計回り方向に回転し、固縛部材41と被固縛部材42とが係合する。
伸縮シリンダ39が更に伸長すると、図3に示すように、コンテナ2は最前端の位置に移動し、コンテナ2の被係合部材5は係合部材51に係合する。以上がコンテナ2の積み込み動作である。
(実施形態の効果)
以上のように、本実施形態に係るコンテナ荷役車両1によれば、伸縮シリンダ39の伸縮に伴ってコンテナ2が前後方向にスライドし、それに伴って、ダンプフレーム30に設けられた係合部材51とコンテナ2の被係合部材5との係合およびその解除が行われる。したがって、コンテナ2の固縛およびその解除を行うための専用のアクチュエータは不要であり、部品点数の削減およびコスト低減を図ることができる。
しかし、本実施形態のように、フックアーム38が後方にスライドすることによってコンテナ2の固縛が解除されるコンテナ荷役車両1では、フックアーム38の後方へのスライド量が多いと、コンテナ2のスライド量は多くなる。そのため、コンテナ2の被係合部材5の前方に設けられた突状部材2gが係合部材51の近傍にまで移動し、突状部材2gと係合部材51とが干渉してしまうことが懸念される。ところが、本実施形態に係るコンテナ荷役車両1によれば、フックアーム38が後方にスライドすると、図8に示すように係合部材51が後方に傾倒するので、突状部材2gと係合部材51との干渉を避けることができる。よって、フックアーム38の後方へのスライド量を多くすることができる。
図1に示すように、コンテナ2の降ろしおよび積み込みの際には、荷役アーム34を収縮させた状態で荷役アーム34を回動させる。本実施形態によれば、フックアーム38の後方へのスライド量を多くすることができるので、荷役アーム34のフック38cの回動半径を小さくすることができる。したがって、コンテナ脱着時の地上高を低く抑えることが可能となる。
ところで、係合部材51は、スライド部材65およびリンク部材91を介してフックアーム38から力を受けることによって傾倒する。しかし、スライド部材65は荷役アーム34の回動アーム37に取り付けられているので、荷役アーム34が回動するとスライド部材65も回動し、スライド部材65とリンク部材91との係合が解除されてしまう。そのため、そのままでは荷役アーム34の回動時に、係合部材51の傾倒状態を維持できなくなる。ところが、本実施形態に係るコンテナ荷役車両1によれば、図9に示すように、荷役アーム34が回動すると、回動アーム37に固定されているフック回動部材72がフック69の傾斜部69cから離反する。その結果、フック69はばね70に引っ張られて回動し、リンク部材91のロッド58と係合する。リンク部材91はフック69により後端位置に保持される。したがって、荷役アーム34が回動しているときにも、係合部材51は傾倒状態に維持され、係合部材51とコンテナ2の突状部材2gとの干渉を引き続き避けることができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、上記実施形態は一つの例示に過ぎない。本発明は上記実施形態に限定されず、他に種々の形態にて実施することができる。
図7に示すように、上記実施形態では、ロック部材92のばね70は、フック69がリンク部材91と係合する方向にフック69を引っ張るばねであり、フック回動部材72は、回動アーム37が水平な状態に回動する際にフック69の一部を押し下げるように構成されていた。しかし、ばね70およびフック回動部材72の構成は特に限定されない。ばね70は、リンク部材91と係合する方向にフック69を押し出す圧縮ばねからなり、フック回動部材72は、回動アーム37が水平な状態に回動する際にフック69の一部(例えば、フック69の前部)を押し下げるように構成されていてもよい。
リンク部材91のばね52(図6参照)、スライド部材65のばね67(図6参照)、および荷役アーム固縛装置40のばね43(図4参照)も、引っ張りばねに限定されず、圧縮ばねであってもよい。
なお、本明細書で言うところの「ばね」には、コイルばねに限らず、各種のばねが含まれる。また、本発明に係るばねは、ピストンとシリンダとを備えたいわゆる空気ばねであってもよい。