JP6124679B2 - 走査荷電粒子顕微鏡および画像取得方法 - Google Patents

走査荷電粒子顕微鏡および画像取得方法 Download PDF

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Description

本発明は、走査荷電粒子顕微鏡、画像取得方法、および電子検出方法に関する。
走査荷電粒子顕微鏡として、例えば、走査電子顕微鏡(SEM)が知られている。
走査電子顕微鏡では、電子銃から得られた電子線は、対物レンズで細く絞られ、偏向コイルによって偏向されて試料に入射する。試料に入射した電子線は、試料内で散乱される。この散乱によって、試料から電子が放出される。放出される電子は、試料組成や形状によって、エネルギー、放出角、放出量が異なる。そのため、電子線を走査しながら、放出された電子を電子検出器で検出することによって、試料組成や形状を反映した走査電子像が得られる。
このような走査電子顕微鏡において、電子を検出する電子検出器として、例えば、ET検出器(Everhart−Thornley detector)や半導体検出器が知られている。
ET検出器は、シンチレーターに高電圧を印加し、試料から放出された電子をその電位で引き寄せながら加速させてシンチレーターに入射させ、光を発生させる。発生した光は、光電子増倍管で電子に変換されて増幅され、電気信号として検出される。
また、半導体検出器は、PN接合の半導体に試料から放出された電子を直接入射させる。入射した電子によってPN接合部ではキャリアが発生し、該キャリアを電流信号として検出する。
また、例えば、特許文献1には、反射電子や二次電子等の信号電子のエネルギー分布を検出することができる検出器が開示されている。
特開2005−4995号公報
ここで、走査電子顕微鏡において、同一試料を観察した場合でも個々の装置によって得られる走査電子像が異なるという問題がある。これは、装置ごとに半導体検出器の設置位置が異なり、検出する電子のエネルギーや放出角が異なってしまうことが原因の1つである。そのため、検出電子のエネルギーや放出角等の条件を選択して画像を取得することができる走査荷電粒子顕微鏡が望まれている。例えば、上述した特許文献1の走査電子顕微鏡では、試料から放出された電子のエネルギーは選択することができても、放出された電子の放出角までは選択できない。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、電子を選択して検出し、画像を取得することができる走査荷電粒子顕微鏡、画像取得方法、および電子検出方法を提供することにある。
(1)本発明に係る走査荷電粒子顕微鏡は、
荷電粒子線を発生させる荷電粒子線源と、
前記荷電粒子線源から放出された前記荷電粒子線を集束して、試料に照射させるための対物レンズと、
前記対物レンズにより集束された前記荷電粒子線を、前記試料上で走査するための走査偏向器と、
前記荷電粒子線が照射されることにより前記試料から放出された電子のうち、所与の放出角で放出された電子を選別する選別部と、
偏向場を発生させて、前記選別部により選別された電子を、該電子のエネルギーに応じて偏向させる偏向部と、
前記偏向部で偏向された電子を検出する検出部と、
前記検出部の検出結果に基づいて、画像を生成する画像生成部と、
を含み、
前記検出部は、前記偏向場で偏向される電子の偏向方向に配列された複数の半導体検出器を有し、
前記半導体検出器には、二次電子を検出するための二次電子検出電圧が印加され、
前記半導体検出器における電子のエネルギーごとの増幅率に基づいて、前記半導体検出器の検出結果から電子量を算出する演算部を含み、
前記画像生成部は、前記電子量に基づいて画像を生成する
このような走査荷電粒子顕微鏡によれば、試料から放出される電子の放出角、および電子のエネルギーを選択して検出し、選択された放出角およびエネルギーの電子の検出量に基づいて、画像を生成することができる。
(2)本発明に係る走査荷電粒子顕微鏡において、
前記選別部は、前記荷電粒子線を通過させるための貫通孔と、前記所与の放出角で放出された電子を通過させるためのスリットと、を有する板状部材であってもよい。
(3)本発明に係る走査荷電粒子顕微鏡において、
前記偏向部は、前記選別部により選別された電子の経路に静電場を発生させる電極を有し、
前記静電場より前記偏向場が形成されてもよい。
)本発明に係る画像取得方法は、
試料上で荷電粒子線を走査し、該試料から放出された電子を検出して、画像を取得する画像取得方法であって、
前記試料から放出された電子のうち、所与の放出角で放出された電子を選別し、
偏向場を発生させて、上記により選別された電子を、電子のエネルギーに応じて偏向させ、
上記により偏向された電子を検出し、検出結果に基づいて画像を生成し、
偏向された電子を検出する際には、前記偏向場で偏向される電子の偏向方向に配列された複数の半導体検出器を用い、
前記半導体検出器には、二次電子を検出するための二次電子検出電圧が印加され、
検出結果に基づいて画像を生成する際には、前記半導体検出器における電子のエネルギーごとの増幅率に基づいて、前記半導体検出器の検出結果から電子量を算出し、前記電子量に基づいて画像を生成する
このような画像取得方法によれば、試料から放出される電子の放出角、および電子のエネルギーを選択して検出し、選択された放出角およびエネルギーの電子の検出量に基づいて、画像を生成することができる。
)本発明に係る画像取得方法において、
前記所与の放出角で放出された電子を選別する際には、前記荷電粒子線を通過させるための貫通孔と、前記所与の放出角で放出された電子を通過させるためのスリットと、を有する板状部材を用いて行われてもよい。
)本発明に係る画像取得方法において、
電子を該電子のエネルギーに応じて偏向させる際には、前記所与の放出角で選別された電子の経路に静電場を発生させることにより行われてもよい。
第1実施形態に係る走査荷電粒子顕微鏡の構成を示す図。 第1実施形態の電子角度選別部を模式的に示す図。 放出角θを説明するための図。 第1実施形態の電子角度選別部(低角用スリット)、電子偏向部、電子検出部を模式的に示す図。 第1実施形態の電子角度選別部(高角用スリット)、電子偏向部、電子検出部を模式的に示す図。 第1実施形態の電子角度選別部(中角用スリット)、電子偏向部、電子検出部を模式的に示す図。 第1実施形態の電子検出部を模式的に示す図。 第1実施形態の走査荷電粒子顕微鏡で取得できる走査電子像の一例を示す図。 第1実施形態の走査荷電粒子顕微鏡で取得できる走査電子像の一例を示す図。 第1実施形態の第1変形例に係る電子角度選別部を模式的に示す図。 第1実施形態の第1変形例に係る電子角度選別部を模式的に示す図。 第1実施形態の第2変形例に係る電子角度選別部を模式的に示す図。 第1実施形態の第2変形例に係る電子角度選別部を模式的に示す図。 第1実施形態の第3変形例に係る電子検出部を模式的に示す図。 第1実施形態の第4変形例に係る電子検出部を模式的に示す図。 第1実施形態の第5変形例に係る電子検出部を模式的に示す図。 第2実施形態に係る走査荷電粒子顕微鏡の構成を示す図。 第2実施形態に係る走査荷電粒子顕微鏡の電子検出部を示す回路図。 アイソレーションアンプに入力される信号S1を示すグラフ。 アイソレーションアンプから出力される信号S2を示すグラフ。 第2実施形態の第1変形例に係る走査荷電粒子顕微鏡の構成を示す図。 第2実施形態の第1変形例に係る走査荷電粒子顕微鏡の電子検出部を模式的に示す図。 シリコンフォトダイオードの増幅率と電子エネルギーとの関係を示すグラフ。 第2実施形態の第2変形例に係る走査荷電粒子顕微鏡の電子検出部を模式的に示す断面図。 第2実施形態の第3変形例に係る走査荷電粒子顕微鏡の電子検出部を模式的に示す断面図。 パッケージ内に半導体検出器を配置しなかった場合の電子の軌道を示す図。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.第1実施形態
1.1. 走査荷電粒子顕微鏡の構成
まず、第1実施形態に係る走査荷電粒子顕微鏡の構成について、図面を参照しながら説明する。図1は、第1実施形態に係る走査荷電粒子顕微鏡100の構成を示す図である。
走査荷電粒子顕微鏡100は、図1に示すように、電子線源(荷電粒子線源)1と、集束レンズ2と、走査偏向器4と、対物レンズ6と、試料ステージ8と、センターパイプ9と、電子角度選別部(選別部)10と、電子偏向部(偏向部)20と、電子検出部(検出部)30と、処理部40と、表示部50と、操作部52と、記憶部54と、を含んで構成されている。
走査荷電粒子顕微鏡100は、試料S上で荷電粒子線E1を走査し、荷電粒子線E1が試料S内で散乱されることによって試料Sから放出される電子E2を検出して、画像(走
査電子像)を取得する。ここでは、走査荷電粒子顕微鏡100が、走査電子顕微鏡(SEM)である場合について説明する。
電子線源1は、電子線(一次電子線)E1を発生させる。電子線源1は、例えば、公知の電子銃であり、陰極から放出された電子を陽極で加速して電子線E1を放出する。電子線源1として用いられる電子銃は、特に限定されず、例えば、熱電子放出型や、熱電界放出型、冷陰極電界放出型などの電子銃を用いることができる。電子線源1には、駆動部1aから、陰極から放出された電子を加速するための加速電圧が供給される。加速電圧は、例えば、1〜3kVである。電子線源1から放出された電子線E1は、走査荷電粒子顕微鏡100の光軸Zに沿って進行する。
集束レンズ2は、電子線源1の後段(電子線E1の下流側)に配置されている。集束レンズ2は、電子線E1を集束させるためのレンズである。
走査偏向器(走査コイル)4は、集束レンズ2の後段に配置されている。走査偏向器4は、集束レンズ2および対物レンズ6で集束された電子線E1を試料S上で走査するための電磁コイルである。走査偏向器4は、電子線E1を偏向させることで、電子線E1を試料S上で走査することができる。走査偏向器4は、走査信号生成部41で生成された走査信号に基づいて、電子線E1の走査を行う。
対物レンズ6は、走査偏向器4の後段に配置されている。対物レンズ6は、電子線E1を集束して、試料Sに照射するためのレンズである。
試料ステージ8は、試料Sを保持し、試料Sを移動させることができる。試料ステージ8は、例えば、試料Sの水平移動、上下移動、回転、傾斜などの動作を行うことができる。
電子線源1、集束レンズ2、走査偏向器4、対物レンズ6、試料ステージ8は、それぞれ対応する駆動部1a,2a,4a,6a,8aによって、駆動制御される。各駆動部1a,2a,4a,6a,8aは、バスライン70に接続されており、バスライン70を介して、制御部45から駆動信号が供給される。各駆動部1a,2a,4a,6a,8aは、供給された駆動信号に基づいて、電子線源1、集束レンズ2、走査偏向器4、対物レンズ6、試料ステージ8の駆動を行う。
電子角度選別部10は、電子線E1が試料Sに照射されることにより試料Sから放出された電子(例えば二次電子や反射電子)E2のうち、所与の放出角で放出された電子を選別する。
図2は、電子角度選別部10を模式的に示す図である。なお、図2は、電子角度選別部10を電子線E1の進行方向から見た図である。電子角度選別部10は、電子線E1を通過させるための貫通孔12と、所与の放出角で放出された電子E2を通過させるためのスリット14と、を有する板状部材16で構成されている。板状部材16の材質は、例えば、金属である。板状部材16の平面形状は、図示の例では、長方形である。
スリット14は、貫通孔12を囲むように設けられた帯状の貫通孔である。図示の例では、板状部材16には、高角度で放出された電子E2を選別するための高角用スリット101と、中角度で放出された電子E2を選別するための中角用スリット102と、低角度で放出された電子E2を選別するための低角用スリット103と、が設けられている。図示の例では、板状部材16の長辺に沿って、スリット101,102,103が配置されている。
ここで、放出角について説明する。図3は、放出角θを説明するための図である。図3に示すように、放出角θは、試料面Sfに対する電子E2の放出する角度である。なお、試料面Sfは、走査荷電粒子顕微鏡100の光軸Zに直交する面である。
高角用スリット101は、例えば、放出角θ=60〜75°の角度で放出される電子E2を選別するためのスリット14を有している。高角用スリット101では、放出角θ=60〜75°で放出された電子E2は、スリット14を通過し、その他の放出角θで放出された電子E2は、板状部材16によって遮られる。図2に示す高角用スリット101では、貫通孔12とスリット14とが一体になっている。
中角用スリット102は、例えば、放出角θ=40〜50°の角度で放出される電子E2を選別するためのスリット14を有している。中角用スリット102では、放出角θ=40〜50°で放出された電子E2は、スリット14を通過し、その他の放出角θで放出された電子E2は、板状部材16によって遮られる。中角用スリット102では、貫通孔12を中心とする仮想円(図示せず)に沿ってスリット14が設けられている。
低角用スリット103は、例えば、放出角θ=15〜25°の角度で放出される電子E2を選別するためのスリット14を有している。低角用スリット103では、放出角θ=15〜25°で放出された電子E2は、スリット14を通過し、その他の放出角θで放出された電子E2は、板状部材16によって遮られる。低角用スリット103では、貫通孔12を中心とし、中角用スリット102の仮想円よりも半径の大きい仮想円(図示せず)に沿ってスリット14が設けられている。
これらのスリット101,102,103は、切替可能に構成されており、スリット101,102,103を切り替えることで、所望の放出角の電子E2を選別することができる。例えば、板状部材16を長手方向に移動させることにより、スリット101,102,103を切り替えることができる。スリット101,102,103を切り替えるための板状部材16の移動は、手動であってもよいし、駆動部(図示せず)によって行われてもよい。
ここで、電子角度選別部10では、対物レンズ6等の磁場で、電子E2の放出角が影響を受ける前に、電子E2の選別を行うことが望ましい。したがって、電子角度選別部10は、試料Sの近傍に配置されることが望ましい。
電子偏向部20は、偏向場を発生させて、電子角度選別部10により選別された電子E2を、電子E2のエネルギーに応じて偏向させる。図4、図5、および図6は、電子角度選別部10、電子偏向部20、電子検出部30を模式的に示す図である。なお、図4は、低角用スリット103を用いている場合を示し、図5は、高角用スリット101を用いている場合を示し、図6は、中角用スリット102を用いている場合を示している。なお、図4〜図6では、エネルギーの高い電子E2(例えば反射電子)の軌道を実線で示し、エネルギーの低い電子E2(例えば二次電子)の軌道を点線で示し、中間のエネルギーの電子E2の軌道を破線で示している。
電子偏向部20は、偏向場を発生させて、電子角度選別部10で選別された電子E2を、該電子E2のエネルギーに応じて偏向させる。電子偏向部20は、図示の例では、内電極21と、外電極22と、を含んで構成されている。内電極21は、走査荷電粒子顕微鏡100の光軸Zを中心軸とする円筒状の電極である。外電極22は、光軸Zを中心軸とし、内電極21よりも径の大きい円筒状の電極である。
電子偏向部20では、駆動部20a(図1参照)によって、内電極21と外電極22との間に電圧を印加することにより、電子E2の経路に静電場を発生させる。この電極21,22間の静電場によって偏向場を形成し、電子E2を偏向させることができる。ここで、図4〜図6に示すように、静電場(偏向場)によって、エネルギーの低い電子E2は大きく偏向するが、エネルギーの高い電子E2はあまり偏向しない。すなわち、電子E2は、電子E2の持つエネルギーが小さいほど、電極21,22間の静電場によって、大きく偏向する。なお、ここでは、電極21,22による静電場によって電子E2を偏向させているが、電子E2を偏向させる手法はこれに限定されない。
図4に示すように、低角用スリット103を用いた場合、電子偏向部20では、内電極21にプラス、外電極22にマイナスが印加される。具体的には、電子検出部30(検出器)に+500Vの電圧を印加した場合に、低角用スリット103を用いた場合、例えば、内電極21に+500±50V、外電極22に−1300±50Vが印加される。なお、電子検出部30(検出器)に印加される電圧(+500V)は、後述するように、低エネルギーの電子E2を加速させて検出するために印加される電圧である。内電極21にプラス、外電極22にマイナスが印加されることにより、エネルギーの低い電子E2ほど内電極21側に偏向される。そのため、エネルギーが低い電子E2ほど、電子検出部30の内電極21側(電子検出部30の内縁側)の検出領域39に入射する。
また、図5に示すように、高角用スリット101を用いた場合、電子偏向部20では、内電極21にマイナス、外電極22にプラスが印加される。具体的には、電子検出部30(検出器)に+500Vの電圧を印加した場合に、高角用スリット101を用いた場合、例えば、内電極21に−200±50V、外電極22に+500±50Vが印加される。内電極21にマイナス、外電極22にプラスが印加されることにより、エネルギーの低い電子E2ほど外電極22側に偏向される。そのため、エネルギーの低い電子E2ほど、電子検出部30の外電極22側(電子検出部30の外縁側)の検出領域39に入射する。
このように、低角用スリット103を用いる場合に、図4に示すように、内電極21にプラス、外電極22にマイナスを印加し、高角用スリット101を用いた場合に、図5に示すように、内電極21にマイナス、外電極22にプラスを印加することにより、電子検出部30の小型化を図ることができる。以下に、その理由について説明する。
例えば、低角用スリット103、および高角用スリット101を用いる場合のいずれも、内電極21にマイナス、外電極22にプラスを印加すると、低角用スリット103を用いた場合、図示はしないが、図4に示すエネルギーの高い電子E2の軌道よりも外側(外電極22側)を、中間のエネルギーの電子E2、およびエネルギーの低い電子E2が進行する。高角用スリット101を用いた場合は、図5に示す通りである。
また、例えば、低角用スリット103、および高角用スリット101を用いる場合のいずれも、内電極21にプラス、外電極22にマイナスを印加すると、高角用スリット101を用いた場合、図示はしないが、図5に示すエネルギーの高い電子E2の軌道よりも内側(内電極21側)を、中間のエネルギーの電子E2、およびエネルギーの低い電子E2が進行する。低角用スリット103を用いた場合は、図4に示す通りである。
このように、低角用スリット103を用いる場合と高角用スリット101を用いる場合とで、内電極21に印加する極性、外電極22に印加する極性を同じにすると、電子検出部30を大きくする必要があり、電子検出部30が大型化してしまう。これに対して、本実施形態の電子検出部30では、このような問題が起こらない。
図6に示すように、中角用スリット102を用いた場合、電子偏向部20では、内電極
21にプラス、外電極22にマイナスが印加される。具体的には、電子検出部30(検出器)に+500Vの電圧を印加した場合に、中角用スリット102を用いた場合、例えば、内電極21に+300±50V、外電極22に−500±50Vが印加される。内電極21にプラス、外電極22にマイナスが印加されることにより、エネルギーの低い電子E2ほど内電極21側に偏向される。そのため、エネルギーが低い電子E2ほど、電子検出部30の内電極21側(電子検出部30の内縁側)の検出領域39に入射する。
なお、中角用スリット102を用いた場合、内電極21にマイナス、外電極22にプラスが印加されてもよい。
電子偏向部20は、制御部45によって制御される。制御部45は、電子偏向部20を制御するための制御信号を生成する。制御信号は、バスライン70を介して、駆動部20aに送られる。駆動部20aは、制御信号に基づいて、電極21,22に電圧を印加する。
内電極21の内側には、電極21,22間の静電場(偏向場)で電子線E1が集束・偏向等の影響を受けないように、センターパイプ9が設けられている。センターパイプ9は、導電性を有し、かつ、非磁性である。
電子検出部30は、電子偏向部20で偏向された電子E2を検出する。図7は、電子検出部30を模式的に示す図である。
電子検出部30は、図7に示すように、光軸Zを中心とする円板状である。電子検出部30の中央には、電子線E1を通過させるための孔が設けられている。電子検出部30は、位置分解能を持った検出器である。具体的には、電子検出部30は、光軸Zに直交する面内の位置分解能を持った二次元検出器である。図示の例では、電子検出部30は、内電極21と外電極22との間の領域を通過して、電子検出部30に入射する電子E2の位置を、二次元的に検出することができる。すなわち、電子検出部30は、電子E2の検出位置を特定することができる。図示の例では、電子検出部30は、マトリックス状に配列された複数の検出領域39を有しており、この検出領域39ごとに電子E2を検出している。これにより、電子E2の位置およびその位置における電子E2の量を検出することができる。図示の例では、検出領域39は、マトリックス状に配列されているが、検出領域39の配列は、特に限定されない。また、検出領域39の数も特に限定されない。
電子検出部30は、マイクロチャネルプレート(MCP)と、該MCPで増幅された電子によって光る蛍光板と、蛍光板を撮影するためのCCDイメージセンサーとで構成された検出器であってもよい。また、電子検出部30は、MCPと、マルチアノードと、を組み合わせた検出器であってもよい。
なお、電子検出部30に用いられる検出器が、低エネルギーの電子に対して感度が低い場合、検出器にプラスの高電圧を印加してもよい。これにより、電子E2が加速されて検出器に入射するため、試料Sから放出した時点では低エネルギーであっても検出が可能となる。電子検出部30には、例えば、+500V程度の電圧が印加される。
電子検出部30に入射する電子E2は、上述したように、エネルギーに応じて電子偏向部20で偏向される。ここで、電子偏向部20で偏向される電子E2の偏向方向は、電子検出部30の半径方向Rである。そのため、電子検出部30において、半径方向Rにおける電子E2の検出位置(入射位置)が、検出される電子E2のエネルギーに対応する。すなわち、図示の例では、電子検出部30の中心(光軸Z)と電子検出部30に入射する電子E2の検出位置との間の距離が、検出される電子E2のエネルギーに対応する。
電子検出部30によって検出された電子E2の検出信号(位置情報およびその位置における検出量情報)は、図1に示すように、A/D変換部30aでデジタル信号に変換され、バスライン70に出力される。
表示部50は、バスライン70を介して処理部40から入力される表示信号に基づいて、処理部40の処理結果等を文字やグラフその他の情報として表示するものである。表示部50は、例えば、走査電子像生成部44で生成された走査電子像を表示する。表示部50は、例えば、CRT、LCD、タッチパネル型ディスプレイなどである。
操作部52は、ユーザーによる操作に応じた操作信号を取得し、バスライン70を介して処理部40に送る処理を行う。操作部52は、例えば、ボタン、キー、タッチパネル型ディスプレイ、マイクなどである。
記憶部54は、処理部40が各種の計算処理や制御処理を行うためのプログラムやデータ等を記憶している。また、記憶部54は、処理部40の作業領域として用いられ、操作部52から入力された操作信号、処理部40が各種プログラムに従って実行した算出結果等を一時的に記憶するためにも使用される。記憶部54は、バスライン70に接続されている。
処理部40は、記憶部54に記憶されているプログラムに従って、各種の計算処理を行う。処理部40の機能は、各種プロセッサ(CPU、DSP等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。処理部40は、バスライン70に接続されている。
本実施形態では、処理部40は、記憶部54に記憶されているプログラムを実行することで、以下に説明する、走査信号生成部41、検出分布配列取得部42、配列演算部43、走査電子像生成部44、制御部45として機能する。ただし、処理部40の少なくとも一部をハードウェア(専用回路)で実現してもよい。
走査信号生成部41は、走査信号を生成する。生成された走査信号は、バスライン70を介して、駆動部4aに送られる。この走査信号に基づいて、走査偏向器4は、電子線E1を偏向させて、試料S上で電子線E1を走査する。
検出分布配列取得部42は、電子検出部30で検出された電子E2の検出位置情報およびその位置における検出量情報を取得する。検出分布配列取得部42は、電子検出部30の検出信号から、これらの情報を取得する。検出分布配列取得部42は、電子E2の検出位置情報および検出量情報に基づいて、検出分布配列Idijを作成する。
ここで、検出分布配列Idijは、電子E2の検出位置と、その検出位置における検出量を対応付けた配列である。具体的には、検出分布配列Idijは、電子E2が検出された検出領域39の位置と、該検出領域39における検出量とを対応付けた配列である。ijは、要素の場所を表す。すなわち、ijは、電子E2の検出領域39の位置を表す。
配列演算部43は、指定された検出領域39での合計の検出量sdを算出する。具体的には、配列演算部43は、領域指定配列Iaijで検出領域39を指定し、検出分布配列Idijから、領域指定配列Iaijで指定された検出領域39での合計の検出量sdを求める。
ここで、領域指定配列Iaijは、検出分布配列Idijから、検出量の情報を得る検
出領域39を指定するための配列である。領域指定配列Iaijのサイズは、検出分布配列Idijと同じであり、要素の値は0と1で構成される。検出量の情報を得る検出領域39は「1」、除外する検出領域39は「0」の値が入力される。領域指定配列Iaijを用いることで、検出分布配列Idijの要素(検出量)から、所定の検出領域39で検出された要素(検出量)を抽出することができる。
領域指定配列Iaijは、記憶部54にあらかじめ複数記憶されており、例えば、電子E2のエネルギー範囲に応じて、ユーザーが選択可能となっている。また、より細かい領域を指定する場合には、検出分布配列Idijを、ユーザーがわかりやすい形式(例えば画像やグラフ)で表示部50に表示し、ユーザーは、それを確認しながら、領域指定配列Iaijを設定してもよい。
配列演算部43は、下記式(1)の計算を行うことで、検出分布配列Idijから、領域指定配列Iaijで指定された検出領域39での合計の検出量sdを算出する。
Figure 0006124679
これにより、領域指定配列Iaijで指定された検出領域39での合計の検出量sdを求めることができる。すなわち、同じエネルギー範囲の電子E2の合計の検出量sdを求めることができる。
なお、例えば、複数の領域指定配列Iaijを指定することにより、配列演算部43は、同時に、複数の領域指定配列Iaijで指定された検出領域39の各々について、すなわち、複数のエネルギー範囲の各々について、検出量sdを求めることができる。
走査電子像生成部44は、検出量sdと走査信号(走査量)に基づいて、走査電子像を生成する。これにより、所定のエネルギー範囲の電子E2の検出量に基づいて生成された走査電子像が得られる。
制御部45は、電子線源1、集束レンズ2、走査偏向器4、対物レンズ6、試料ステージ8、および電子偏向部20を制御するための制御信号を生成する処理を行う。
1.2. 走査荷電粒子顕微鏡の動作
次に、走査荷電粒子顕微鏡の動作について説明しつつ、本実施形態の画像取得方法について説明する。
走査荷電粒子顕微鏡100では、電子線源1から電子線(一次電子線)E1が所定の加速電圧で加速されて放出されると、放出された電子線E1は、集束レンズ2、および対物レンズ6によるレンズ作用によって、細く集束される。これにより、試料S上には、集束された電子線E1(電子プローブ)が照射される。ここで、走査偏向器4には、駆動部4aを介して走査信号生成部41で生成された走査信号が入力される。走査偏向器4は、走査信号に基づいて、電子線E1を偏向させ、電子線E1(電子プローブ)で試料S上を走査する。
電子線E1は、走査偏向器4によって偏向され、試料S上において指定された位置に入射する。試料Sに入射した電子線E1は、試料S内で散乱される。この散乱によって、試
料Sから電子(例えば二次電子や反射電子)E2が放出される。ここで、試料Sから放出される電子E2は、試料組成や形状等によって、放出角θ(図3参照)やエネルギー、放出量が異なる。
そのため、走査荷電粒子顕微鏡100では、まず、電子角度選別部10によって、試料Sから放出された電子E2のうち、所与の放出角θで放出された電子E2を選別する。具体的には、図2に示す高角用スリット101、中角用スリット102、低角用スリット103のなかから、1つを選択して、電子E2の経路に配置する。これにより、試料Sから放出された電子E2のうち、所定の放出角θで放出された電子E2はスリット14(図4〜図6参照)を通過し、その他の放出角θの電子E2は板状部材16によって遮られる。これにより、所与の放出角θで放出された電子E2を選別することができる。以下、図4に示す低角用スリット103を選択した場合について説明する。
次に、電子偏向部20によって偏向場を発生させて、電子角度選別部10によって選別された電子E2を、電子E2のエネルギーに応じて偏向させる。スリット14を通過した電子E2は、電子E2の持つエネルギーが小さいほど、電極21,22間の偏向場によって、大きく偏向する。
次に、電子検出部30は、電子偏向部20によって偏向された電子E2を検出する。電子検出部30は、二次元検出器である。
電子検出部30の出力信号は、A/D変換部30aでデジタル信号に変換されバスライン70に入力される。電子検出部30の出力信号には、電子E2を検出した検出領域39の位置情報、および該検出領域39の検出量の情報が含まれる。
検出分布配列取得部42は、電子検出部30の出力信号から、検出領域39の位置情報および検出量情報を取得する。そして、検出分布配列取得部42は、位置情報および検出量情報から、検出分布配列Idijを作成する。
ここで、検出分布配列Idijは、電子検出部30の検出領域39の位置座標を(i,j)で表す。一例として、iを、電子検出部30の検出領域39の円周方向の座標とし、jを、電子検出部30の検出領域39の半径方向Rの座標とする。例えば、図4に示す電子検出部30が、円周方向にn個の検出領域39を有し、半径方向Rに5個の検出領域39を有している場合、例えば、i=1,2,3,・・・,nであり、j=1,2,3,4,5である。なお、jの数が大きくなるほど、電子検出部30の中心(光軸Z)からの距離が離れているものとする。図4の例では、エネルギーの高い電子E2は、位置(i,5)で検出され、エネルギーの低い電子E2は、位置(i,1)で検出され、中間のエネルギーの電子E2は、位置(i,3)で検出される。
配列演算部43は、上記式(1)の計算を行い、検出分布配列Idijから、領域指定配列Iaijで指定された検出領域39での合計の検出量sdを算出する。
ここで、領域指定配列Iaijは、電子検出部30の中心(光軸Z)と電子E2の検出位置との間の距離が等しい検出領域39ごと、すなわち、同じエネルギー範囲の電子E2を検出する検出領域39ごとに設定されている。
図4に示す例では、領域指定配列Iaijは、例えば、エネルギーの高い電子E2を検出する検出領域39を指定する場合(第1領域指定配列)、エネルギーの低い電子E2を検出する検出領域39を指定する場合(第2領域指定配列)、中間のエネルギーの電子E2を検出する検出領域39を指定する場合(第3領域指定配列)の3種類が用意さ
れている。ユーザーは、操作部52を介して、検出したい電子E2のエネルギー範囲に応じて、領域指定配列Iaijを選択する。
具体的には、エネルギーの高い電子E2の検出領域39を指定する第1領域指定配列Iaijは、j=5の場合に「1」となり、j≠5の場合に「0」となる。
したがって、第1領域指定配列Iaijが選択されると、上記(1)式は下記式(2)のように表される。
Figure 0006124679
このように、第1領域指定配列Iaijを選択することで、検出分布配列Idijから、エネルギーの高い電子E2を検出する検出領域39を指定することができる。第1領域指定配列Iaijが選択された場合、配列演算部43は、上記(2)式の計算を行い、検出分布配列Idijから、第1領域指定配列Iaijで指定された検出領域39での合計の検出量sdを算出する。
また、エネルギーの低い電子E2の検出領域39を指定する第2領域指定配列Iaijは、j=1の場合に「1」となり、j≠1の場合に「0」となる。
したがって、第2領域指定配列Iaijが選択されると、上記(1)式は下記式(3)のように表される。
Figure 0006124679
このように、第2領域指定配列Iaijを選択することで、検出分布配列Idijから、エネルギーの低い電子E2を検出する検出領域39を指定することができる。第2領域指定配列Iaijが選択された場合、配列演算部43は、上記(3)式の計算を行い、検出分布配列Idijから、第2領域指定配列Iaijで指定された検出領域39での合計の検出量sdを算出する。
また、中間のエネルギーの電子E2の検出領域を指定する第3領域指定配列Iaijは、j=3の場合に「1」となり、j≠3の場合に「0」となる。
したがって、第3領域指定配列Iaijが選択されると、上記(1)式は下記式(4)のように表される。
Figure 0006124679
このように、第3領域指定配列Iaijを選択することで、検出分布配列Idijから、中間のエネルギーの電子E2を検出する検出領域39を指定することができる。第3領域指定配列Iaijが選択された場合、配列演算部43は、上記(4)式の計算を行い、検出分布配列Idijから、第3領域指定配列Iaijで指定された検出領域39での合計の検出量sdを算出する。
走査電子像生成部44は、検出量sdと走査信号(走査量)に基づいて、走査電子像を生成する。具体的には、図4に示す例では、第1領域指定配列Iaijが選択された場合、走査電子像生成部44は、電子E2(反射電子)の検出量sdを用いた走査電子像(反射電子像)を生成する。また、第2領域指定配列Iaijが選択された場合、走査電子像生成部44は、電子E2(二次電子)の検出量sdを用いた走査電子像(二次電子像)を生成する。また、第3領域指定配列Iaijが選択された場合、走査電子像生成部44は、電子E2の検出量sdを用いた走査電子像を生成する。
なお、走査電子像生成部44では、複数の領域指定配列Iaijが選択されている場合、1回のスキャン(走査)で、選択された複数の領域指定配列Iaijに対応する複数の走査電子像を生成する。すなわち、1回のスキャン(走査)で、複数の走査電子像を生成する。
なお、上述した例では、図4に示す低角用スリット103を選択した場合について説明したが、走査荷電粒子顕微鏡100では、電子角度選別部10におけるスリット101,102,103の選択、および電子検出部30における検出領域39(領域指定配列Iaij)の選択により、電子E2の放出角θおよびエネルギー範囲の条件の異なる種々の走査電子像を得ることができる。
図8は、走査荷電粒子顕微鏡100で取得できる走査電子像の一例を示す図である。なお、図8では、横軸が放出角θ、縦軸が電子検出部30の検出領域39の半径方向Rにおける位置を示している。また、図8では、電子検出部30の検出領域39が半径方向Rに5つに分かれているものとする。また、図8において、1つの四角が1つの走査電子像を表し、四角のなかに記載された検出量sdは、その走査電子像を生成するために用いた検出量sdを表す。
走査荷電粒子顕微鏡100では、図8に示すように、電子角度選別部10におけるスリット101,102,103の選択、および電子検出部30における検出領域39(領域指定配列Iaij)の選択により、図8に示すように、電子E2の放出角θおよびエネルギー範囲の条件の異なる種々の走査電子像(図示の例では13種類の走査電子像)を得ることができる。
また、図9は、走査荷電粒子顕微鏡100で取得できる走査電子像の一例を示す図である。なお、図9では、横軸が放出角θ、縦軸が試料Sから放出された電子E2のエネルギ
ーを示している。また、図9において、1つの四角が1つの走査電子像を表し、四角のなかに記載された検出量sdは、その走査電子像を生成するために用いた検出量sdを表す。
走査荷電粒子顕微鏡100では、図9に示すように、半径方向Rの距離が異なる検出領域39で検出された検出量sdを足し合わせて、放出角θおよびエネルギー範囲の条件の異なる種々の走査電子像を取得することができる。また、半径方向Rの距離が異なる検出領域39で検出された検出量sdの足し合わせにより、例えば、異なる放出角θ間で、エネルギー範囲を揃えることができる。これにより、検出された電子E2のエネルギー範囲が同じで、放出角θが互いに異なる走査電子像間の比較を行うことができる。
このように走査荷電粒子顕微鏡100によれば、例えば、電子E2のエネルギー範囲が同じで、放出角θが異なる走査電子像を比較したり、放出角θが同じで、電子E2のエネルギー範囲が異なる走査電子像を比較したりすることができる。
走査荷電粒子顕微鏡100は、例えば、以下の特徴を有する。
走査荷電粒子顕微鏡100では、電子角度選別部10が、所与の放出角で放出された電子E2を選別し、電子偏向部20が、偏向場を発生させて、電子角度選別部10で選別された電子E2を、電子E2のエネルギーに応じて偏向させる。そのため、試料Sから放出される電子E2の放出角、および電子E2のエネルギーを選択して検出し、選択された放出角およびエネルギーの電子の検出量に基づいて、画像を生成することができる。これにより、ユーザーは、目的に応じて、検出する電子E2のエネルギーおよび放出角を選択することができるため、試料の組成を強調したコントラストの像、形状を強調したコントラストの像など、ユーザーが観察したい走査電子像を得ることができる。
さらに、走査荷電粒子顕微鏡100によれば、電子線E1の照射によって発生する電子E2のエネルギーや放出角が、試料の材料や状態などの情報にどのように関与するかを調査することができる。
また、走査荷電粒子顕微鏡100によれば、複数の領域指定配列Iaijが指定されている場合、1回のスキャン(走査)で、エネルギー範囲の異なる複数の走査電子像を生成することができるため、複数条件で走査電子像を取得したい場合に、試料Sに対する電子線E1の照射量を抑えることができる。
走査荷電粒子顕微鏡100では、電子角度選別部10は、電子線E1を通過させるための貫通孔12と、所与の放出角θで放出された電子E2を通過させるためのスリット14と、を有する板状部材16である。これにより、所与の放出角θで放出された電子を選別することができる。
走査荷電粒子顕微鏡100では、電子偏向部20は、電子角度選別部10によって選別された電子E2の経路に静電場を発生させる電極21,22を有しているため、電極21,22間の静電場によって、電子E2をエネルギーに応じて偏向させることができる。
本実施形態に係る画像取得方法によれば、試料Sから放出された電子E2のうち、所与の放出角で放出された電子E2を選別し、偏向場を発生させて、上記により選別された電子E2を、電子E2のエネルギーに応じて偏向させ、上記により偏向された電子E2を検出し、検出結果に基づいて画像を生成する。これにより、ユーザーは、目的に応じて、検出する電子E2のエネルギーおよび放出角を選択することができるため、試料の組成を強調したコントラストの像、形状を強調したコントラストの像など、ユーザーが観察したい
走査電子像を得ることができる。
1.3.変形例
次に、第1実施形態に係る走査荷電粒子顕微鏡100の変形例について説明する。なお、以下では、上述した走査荷電粒子顕微鏡100と異なる点について説明し、同様の点については説明を省略する。
(1)第1変形例
まず、第1変形例について説明する。図10および図11は、第1変形例に係る電子角度選別部10を模式的に示す図である。なお、図10は、電子角度選別部10を光軸Zの方向から見た図(平面図)であり、図11は、電子角度選別部10を、光軸Zと直交する方向から見た図(側面図)である。
上述した実施形態の電子角度選別部10は、図2に示すように、平板状の板状部材16に、貫通孔12およびスリット14が設けられていた。
これに対して、電子角度選別部10は、図10および図11に示すように、板状部材16の一部が、半球形(ドーム状)の形状を有しており、その半球形の形状を有する部分に貫通孔12およびスリット14が設けられている。このように、電子角度選別部10の形状は、所与の放出角θで放出された電子E2を選別することができれば、特に限定されない。
なお、図示の例では、試料Sは、試料ステージ8上に設けられた載置台8d上に載置されている。これは、電子角度選別部10を試料Sの近傍に配置するためである。すなわち、試料Sとスリット14との間の距離を小さくするためである。
(2)第2変形例
次に、第2変形例について説明する。図12および図13は、第2変形例に係る電子角度選別部10を模式的に示す図である。なお、図12は、電子角度選別部10を光軸Zの方向から見た図(平面図)であり、図13は、電子角度選別部10を、光軸Zと直交する方向から見た図(断面図)である。
上述した実施形態の電子角度選別部10では、図2に示すように、板状部材16の平面形状は、長方形状であり、板状部材16の長辺に沿って、スリット101,102,103が設けられていた。
これに対して、本変形例の電子角度選別部10では、図12に示すように、板状部材16の平面形状は、円板状であり、板状部材16の円周に沿って、スリット101,102,103が設けられている。
本変形例では、電子角度選別部10は、図13に示すように、回転駆動部10aおよび直線駆動部10bによって、スリット101,102,103の切り替えを行う。回転駆動部10aは、板状部材16の中心を回転軸として、板状部材16を回転させることができる。また、回転駆動部10aは、直線駆動部10b上に設けられている。直線駆動部10bは、回転駆動部10aを直線的に移動させることで、スリット101,102,103を直線的に移動させることができる。この回転駆動部10aおよび直線駆動部10bの動作により、スリット101,102,103を切り替えることができる。駆動部10a,10bは、制御部45によって、制御される。
図12に示すように、板状部材16には、切欠き部104が設けられている。切欠き部
104は、放出角θの選別を行わない場合に使用される。
(3)第3変形例
次に、第3変形例について説明する。図14は、第3変形例に係る電子検出部30を模式的に示す図である。なお、図14は、電子検出部30を光軸Zの方向から見た図(平面図)である。
上述した実施形態の電子検出部30は、図7に示すように、光軸Zに直交する面内の位置分解能を持った二次元検出器であった。
これに対して本変形例では、電子検出部30は、図14に示すように、偏向場で偏向される電子E2の偏向方向(半径方向R)に配列された複数(図示の例では5つ)の検出領域39a,39b,39c,39d,39eを有している。電子検出部30では、この検出領域39a,39b,39c,39d,39eごとに、電子E2を検出することができる。
各検出領域39a,39b,39c,39d,39eは、電子線E1の光軸、すなわち、走査荷電粒子顕微鏡100の光軸Zを中心とするリング状である。これにより、光軸Zを中心とする回転方向のすべてにおいて、電子E2を検出できるため、多くの電子E2を検出することができる。したがって、SNの高い走査電子像を得ることができる。
なお、本変形例では、上述した領域指定配列Iaijは、領域指定配列Ia(jは、電子検出部30の検出領域39の半径方向Rの座標)で表される。
(4)第4変形例
次に、第4変形例について説明する。図15は、第4変形例に係る電子検出部30を模式的に示す図である。なお、図15は、電子検出部30を光軸Zの方向から見た図(平面図)である。
上述した実施形態の電子検出部30は、図7に示すように、二次元検出器であった。
これに対して、本変形例の電子検出部30は、図15に示すように、電子線E1の光軸(光軸Z)を中心として半径方向Rに延出する第1の一次元検出器31と、電子線E1の光軸(光軸Z)に対して、第1の一次元検出器31と対称に配置された第2の一次元検出器32とを有している。ここで、半径方向Rは、偏向場で偏向される電子E2の偏向方向である。
一次元検出器31,32は、例えば、直線的に配列された複数の検出領域を有している。この配列方向は、一次元検出器31,32の延出方向である。そのため、一次元検出器31,32は、半径方向Rの位置分解能を有している。
さらに、電子検出部30は、電子線E1の光軸(光軸Z)を中心として半径方向Rに延出する第3の一次元検出器33と、電子線E1の光軸(光軸Z)に対して、第3の一次元検出器33と対称に配置された第4の一次元検出器34とを有している。図示の例では、これらの一次元検出器31,32,33,34が、光軸Zのまわりに、90°間隔で配置されている。
このように、一次元検出器31,32,33,34を対称性よく配置することで、例えば、試料Sから放出される電子E2を対称性よく検出することができる。さらに、例えば、試料Sの凹凸の情報等を得ることができる。また、本変形例によれば、各一次元検出器
31,32,33,34間に、例えば、EDS装置(エネルギー分散形X線分光器)や、ET検出器等を配置する空間を確保することができる。
(5)第5変形例
次に、第5変形例について説明する。図16は、第5変形例に係る電子検出部30の構成を示す図である。なお、図16は、電子検出部30を光軸Zの方向から見た図(平面図)である。
上述した実施形態の電子検出部30は、図7に示すように、光軸Zの方向からみて、内電極21と外電極22との間の領域の全体に設けられている。すなわち、電子検出部30は、光軸Zの円周方向の全体にわたって設けられている。
これに対して、本変形例の電子検出部30では、図16に示すように、光軸Zの方向からみて、内電極21と外電極22との間の領域の一部に設けられている。すなわち、本変形例の電子検出部30は、光軸Zの一方側にだけ設けられている。これにより、例えば、EDS装置(エネルギー分散形X線分光器)や、ET検出器等を配置する空間を確保することができる。
2. 第2実施形態
2.1. 走査荷電粒子顕微鏡の構成
次に、第2実施形態に係る走査荷電粒子顕微鏡の構成について、図面を参照しながら説明する。図17は、第2実施形態に係る走査荷電粒子顕微鏡200の構成を示す図である。図18は、走査荷電粒子顕微鏡200の電子検出部30の回路構成を示す回路図である。
以下、第2実施形態に係る走査荷電粒子顕微鏡200において、上述した第1実施形態に係る走査荷電粒子顕微鏡100の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その説明を省略する。
走査荷電粒子顕微鏡200は、図17に示すように、電子線源(荷電粒子線源)1と、集束レンズ2と、走査偏向器4と、対物レンズ6と、試料ステージ8と、電子検出部(検出部)30と、処理部40と、表示部50と、操作部52と、記憶部54と、を含んで構成されている。
走査荷電粒子顕微鏡200では、図17および図18に示すように、電子検出部30の半導体検出器310に二次電子検出電圧+HVを印加して、電子E2を検出している。
電子検出部30は、図17および図18に示すように、半導体検出器310と、IVアンプ320と、アイソレーションアンプ330と、を含んで構成されている。
半導体検出器310は、電子E2を検出する。具体的には、半導体検出器310は、入射した電子E2の量に応じた電流値や電圧値を出力する素子である。半導体検出器310は、例えばPN接合のシリコンフォトダイオードである。なお、半導体検出器310はフォトダイオードに限定されず、入射した電子E2の量を電流や電圧の信号として出力する検出器であればよい。シリコンフォトダイオードでは、電子E2が入射するとキャリアが発生し、該キャリアが電極に移動することによって電流として取り出すことができる。
半導体検出器310には、二次電子を検出するための二次電子検出電圧+HVが印加される。半導体検出器310に二次電子検出電圧+HVを印加することで、半導体検出器310全体をプラスの高い電位にすることができる。これにより、電子が加速されて半導体
検出器310に入射するため、二次電子等のエネルギーの低い電子E2を検出することができる。二次電子検出電圧+HVは、例えば0.5kV以上3kV以下である。
半導体検出器310の出力は、IVアンプ320に接続されている。これにより、半導体検出器310の出力電流は電圧信号に変換され増幅して出力される。IVアンプ320としては、公知のIVアンプを用いることができる。
IVアンプ320の出力は、アイソレーションアンプ330に接続されている。アイソレーションアンプ330は、入力部330aと出力部330bが電気的に絶縁されており、信号のみを通過させるように構成されている。アイソレーションアンプ330は、例えば入力部330aと出力部330bとの間にフォトカプラを用いることにより、入力部330aと出力部330bとを電気的に絶縁しつつ、信号のみを通過させることができる。
図19は、アイソレーションアンプ330に入力される信号S1を示すグラフであり、図20は、アイソレーションアンプ330から出力される信号S2を示すグラフである。なお、図19および図20に示すグラフでは、横軸は時間であり、縦軸は電圧である。図19および図20に示すように、アイソレーションアンプ330を用いることで、半導体検出器310に二次電子検出電圧+HVを印加しても、出力信号はGNDレベル(グランドレベル、例えば0V)の信号として取り出すことができる。このように、電子検出部30では、信号が入力される入力部330aの基準電位は、該信号を出力する出力部330bの基準電位よりも高い。
アイソレーションアンプ330の入力側の高電圧部301のコモンcomに二次電子検出電圧+HVを印加すると、高電圧部301全体が高電位になるため、半導体検出器310も高電位になる。この場合、半導体検出器310の両端子(フォトダイオードのアノード、カソード)が高電位になる。そのため、半導体検出器310の端子間に高電圧がかかることはなく、半導体検出器310が高電位差で破壊されることがない。
IVアンプ320の動作電源は、例えばアイソレーションアンプ330から供給される。IVアンプ320の出力電圧は、アイソレーションアンプ330の入力側のコモンcomの電位に対して−Vampと+Vampを出力するため、IVアンプ320を高電位中で動作させることができる。
二次電子検出電圧+HVは、駆動部30b(図17参照)から印加される。駆動部30bは、制御部45からの制御信号に基づいて、二次電子検出電圧+HVを印加する。制御信号は、二次電子検出電圧+HVの大きさの情報を含む。
二次電子検出電圧+HVは、例えば半導体検出器310が検出可能な電子のエネルギーまで電子E2を加速するような電圧に設定される。例えば半導体検出器310が2keV以上の電子を検出可能な場合、二次電子検出電圧+HVは例えば2kV以上である。半導体検出器310に印加される二次電子検出電圧+HVの大きさを変えることで、検出可能な電子のエネルギーの範囲(下限)を変えることができる。二次電子検出電圧+HVの大きさは、例えば半導体検出器310の性能や、アンプの増幅率、応答速度等によって適宜設定される。二次電子検出電圧+HVの大きさは、予め設定されていてもよいし、ユーザーによって設定されてもよい。
なお、二次電子検出電圧+HVは、例えば半導体検出器の仕様で示される検出可能なエネルギーまで電子E2を加速するような電圧(例えば2keV以上の電子を検出できるのであれば2kVの電圧)に設定される。
ここで、走査電子顕微鏡の電子を検出するためのフォトダイオードは、一般的に反射電子を検出する目的で使用されるため、フォトダイオードの仕様は、反射電子で検出可能なエネルギーで示される。このようなフォトダイオードでは、入射した電子のエネルギーがこの仕様よりも低いと、キャリアの発生量が少なく信号として十分な電流が出力されないので検出できない。しかしながら、このようなフォトダイオードに二次電子加速電圧+HVを印加して二次電子を検出する場合、例えば、加速された二次電子のエネルギーが仕様よりも低いエネルギーであっても、信号として十分な出力電流が得られる場合がある。これは、一般的に、試料に電子線を照射して発生する二次電子の発生量が、反射電子の発生量に比べて、極めて多いためである。すなわち、フォトダイオードにおいて、1電子あたりのキャリアの発生量は少なくても、入射する二次電子の電子量が多いため、信号として十分な出力が得られるためである。例えば2keV以上の反射電子を検出できるフォトダイオードに1kVの電圧を印加した場合、二次電子は約1keVに加速され仕様よりも低いエネルギーであるが二次電子が検出される。
走査荷電粒子顕微鏡200では、半導体検出器310には、二次電子を検出するための二次電子検出電圧+HVが印加される。これにより、半導体検出器310に印加される二次電子検出電圧+HVよって、電子E2が加速して半導体検出器310に入射するため、エネルギーの低い二次電子であっても、半導体検出器310で検出することができる。さらに、走査荷電粒子顕微鏡200では、二次電子検出電圧+HVの大きさを変えることで検出可能な電子E2のエネルギーの範囲(下限)を変えることができる。これにより、電子E2を選択して検出し、画像を取得することができる。
また、電子検出部30では、アイソレーションアンプ330を用いることで、出力信号を、GNDレベルの信号(図20参照)として取り出すことができる。なお、アイソレーションアンプ330の出力時点で信号の強度が弱い場合には、さらにアンプ(図示せず)を追加して信号を増幅してもよい。
本実施形態に係る画像取得方法では、偏向された電子E2を検出する際には、偏向場で偏向される電子E2の偏向方向に配列された複数の半導体検出器310を用いて行われ、半導体検出器310には、二次電子を検出するための二次電子検出電圧+HVが印加される。これにより、半導体検出器310に印加される二次電子検出電圧+HVよって、電子E2が加速して半導体検出器310に入射するため、エネルギーの低い二次電子を半導体検出器310で検出して、画像を取得することができる。
本実施形態に係る電子検出方法では、試料Sから放出された電子E2を、二次電子を検出するための二次電子検出電圧+HVが印加された半導体検出器310で検出する。これにより、半導体検出器310に印加される二次電子検出電圧+HVよって、電子E2が加速して半導体検出器310に入射するため、エネルギーの低い二次電子を半導体検出器310で検出することができる。また、本実施形態に係る電子検出方法では、試料Sから電子E2を放出させる方法として、荷電粒子線(電子線E1)を試料S上に照射する。
2.2. 変形例
次に、第2実施形態に係る走査荷電粒子顕微鏡200の変形例について説明する。なお、以下では、上述した走査荷電粒子顕微鏡200と異なる点について説明し、同様の点については説明を省略する。
(1)第1変形例
まず、第1変形例について説明する。図21は、第2実施形態の第1変形例に係る走査荷電粒子顕微鏡300の構成を示す図である。図22は、第1変形例に係る走査荷電粒子顕微鏡300の電子検出部30を模式的に示す図である。なお、図22は、電子検出部3
0を光軸Zの方向から見た図(平面図)である。
走査荷電粒子顕微鏡300は、図21に示すように、電子角度選別部10と、電子偏向部20と、を含んで構成されている。また、電子検出部30は、偏向場で偏向される電子E2の偏向方向に配列された複数の半導体検出器310を有している。半導体検出器310には、二次電子を検出するための二次電子検出電圧+HVが印加される。
走査荷電粒子顕微鏡300は、図22に示すように、複数(図示の例では5つ)の半導体検出器310を有している。複数の半導体検出器310は、偏向場で偏向される電子E2の偏向方向(半径方向R)に配列されている。この複数の半導体検出器310によって、複数(図示の例では5つ)の検出領域39a、39b、39c,39d,39eが形成されている。走査荷電粒子顕微鏡300では、検出領域39a、39b、39c,39d,39eごとに電子E2を検出する。
複数の半導体検出器310の各々に印加される二次電子検出電圧+HVの大きさは、互いに等しい。なお、複数の半導体検出器310の各々に印加される二次電子検出電圧+HVの大きさは、互いに異なっていてもよい。
なお、半導体検出器310をマトリックス状に配列して、検出領域39をマトリックス状にしてもよい(図7参照)。
ここで、半導体検出器310がシリコンフォトダイオードである場合、同じ量の電子E2が入射しても、該電子E2のエネルギーによって増幅率が異なる。したがって、出力電流を補正しなければ、各半導体検出器310に入射する電子E2の電子量を求めることができない。以下、その補正方法について説明する。
図23は、シリコンフォトダイオードの増幅率と電子エネルギーとの関係を示すグラフである。シリコンフォトダイオードにおいて、例えば3keVの電子と5keVの電子を検出した場合を比べると、図23に示すように、3keVの場合の増幅率は600であり、5keVの場合の増幅率は1000である。そのため、同じ1nAがシリコンフォトダイオードに入射したとしても、3keVの電子が入射したときの出力電流は600nAであり、5keVの電子が入射したときの出力電流は1μAである。このように、半導体検出器310として、シリコンフォトダイオードを用いた場合、半導体検出器310の出力電流値を比べても正確な電子量の比較はできない。したがって、走査荷電粒子顕微鏡300では、配列演算部(演算部)43が、半導体検出器310における電子E2のエネルギーごとの増幅率に基づいて、半導体検出器310の検出結果(出力電流、検出量)から電子量を算出する。そして、走査電子像生成部44が、該電子量に基づいて走査電子像を生成する。
以下、走査荷電粒子顕微鏡300の動作を説明する。ここでは、電子線E1の加速電圧を2kV(試料Sに入射する電子エネルギーは2keV)とする。試料Sで散乱し放出された電子E2は、電子角度選別部10によって所定の角度範囲が選別される。そして、角度範囲が選別された電子E2は、電子偏向部20がつくる偏向場によってエネルギーごとに分散する。分散した電子E2は、半導体検出器310に印加された二次電子検出電圧+HVによって加速されて、エネルギー帯ごとに、検出領域39a,39b,39c,39d,39e(各半導体検出器310)に入射する。
ここでは、電子偏向部20は、検出領域39aを構成する半導体検出器310には、二次電子E2(例えば試料Sから放出されたときのエネルギーが50eV以下)が入射し、検出領域39eを構成する半導体検出器310には、反射電子E2(例えば試料Sか
ら放出されたときのエネルギーが2keV)が入射するような偏向場をつくるように設定されている。
半導体検出器310には、二次電子検出電圧+HVで加速された電子E2が入射するため、電子量を求めるためには、加速された分のエネルギーを考慮する必要がある。例えば半導体検出器310に、二次電子検出電圧+HVとして+3kVが印加されている場合、検出領域39aには、二次電子E2が、約3keVまで加速されて入射する。また、検出領域39eには、反射電子E2が、5keVまで加速されて入射する。そのため、配列演算部43は、図23に示す半導体検出器310における電子E2のエネルギーごとの増幅率の関係から、各検出領域39a,39b,39c,39d,39eごとに、各検出領域39a,39b,39c,39d,39eに入射する電子E2のエネルギーに対応する増幅率を求め、得られた出力電流量を該増幅率で除算することによって、電子量を求める。
具体的には、例えば検出領域39aの半導体検出器310の出力電流が600pAの場合、検出領域39aに入射する二次電子E2に対する半導体検出器310の増幅率は600であるため、配列演算部43は、600pAを600で除算して、電子量を求める。すなわち、検出領域39aでの電子量は1pAである。また、例えば検出領域39eの半導体検出器310の出力電流が1μAの場合、検出領域39eに入射する反射電子E2に対する半導体検出器310の増幅率は1000であるため、配列演算部43は、1μAを1000で除算して、電子量を求める。すなわち、検出領域39eでの電子量は1pAである。
走査電子像生成部44は、配列演算部43で算出された各検出領域39a,39b,39c,39d,39eごとの電子量に基づいて、検出領域39a,39b,39c,39d,39eごとに(電子E2のエネルギーごとに)、走査電子像を生成する。以上の工程により、電子E2のエネルギーごとの走査電子像が得られる。
走査荷電粒子顕微鏡300では、電子検出部30は、偏向場で偏向される電子E2の偏向方向に配列された複数の半導体検出器310を有し、該半導体検出器310には、二次電子を検出するための二次電子検出電圧+HVが印加される。これにより、半導体検出器310に印加される二次電子検出電圧+HVよって、電子E2が加速して半導体検出器310に入射する。したがって、エネルギーの低い二次電子であっても、半導体検出器310で検出することができる。
走査荷電粒子顕微鏡300では、半導体検出器310における電子のエネルギーごとの増幅率に基づいて、半導体検出器310の検出結果から電子量を算出する配列演算部43を含み、走査電子像生成部44は、前記電子量に基づいて画像を生成する。これにより、半導体検出器310における電子E2のエネルギーによる増幅率の違いを補正することができる。
なお、半導体検出器310における電子のエネルギーごとの増幅率に基づいて、半導体検出器310の検出結果から電子量を算出する手法は、半導体検出器310に入射する電子E2のエネルギー範囲が狭い場合に有効である(より正確な値を求めることができるため)。そのため、例えば電子角度選別部10のスリット14(図2参照)の幅を狭めることによって、電子偏向部20によるエネルギー分解能を高めて用いることが望ましい。
(2)第2変形例
次に、第2変形例について説明する。図24は、第2変形例に係る走査荷電粒子顕微鏡の電子検出部30を模式的に示す断面図である。
第2変形例では、半導体検出器310は、該半導体検出器310と同電位の金属板340で覆われている。これにより、走査荷電粒子顕微鏡の半導体検出器310の周囲に配置される部材(例えば対物レンズ6)と半導体検出器310との間で放電が起こることを防ぐことができる。
半導体検出器310は、上述のように二次電子検出電圧+HVが印加されるため、例えば対物レンズ6等のグランド電位の部材と半導体検出器310との間に高電位差が生じる。したがって、金属板340を配置しなかった場合、グランド電位の部材と半導体検出器310との間で放電が起こる可能性がある。しかしながら、本変形例では、半導体検出器310は、金属板340で覆われているため、例えば対物レンズ6と半導体検出器310との間に高電位差が生じても、対物レンズ6と金属板340との間で放電が起こる。したがって、対物レンズ6と半導体検出器310との間で放電が発生することを防ぐことができる。
(3)第3変形例
次に、第3変形例について説明する。図25は、第3変形例に係る走査荷電粒子顕微鏡の電子検出部30を模式的に示す断面図である。
第3変形例では、半導体検出器310は、金属板350とメッシュ360とで構成されるパッケージ370内に配置されている。金属板350およびメッシュ360は、グランド電位の電圧が印加されている。これにより、試料Sから放出された電子E2が、半導体検出器310に印加される二次電子検出電圧+HVによって、放出角度が変わることを防ぐことができる。
図26は、パッケージ370内に半導体検出器310を配置しなかった場合の電子E2の軌道を示す図である。図26に示すように、半導体検出器310をパッケージ370内に配置せずに、半導体検出器310に二次電子検出電圧+HVを印加した場合、試料Sから放出された電子E2は、起動を変えながら半導体検出器310に向かうため、様々な放出角度の電子E2が検出されてしまうという問題がある。
これに対して、第3変形例では、パッケージ370内に半導体検出器310が収容されているため、このような問題が生じない。したがって、第3変形例に係る半導体検出器310では、低エネルギーの電子E2を検出することができ、かつ所望の放出角度の電子E2を検出することができる。
なお、上述した実施形態および各変形例は、一例であってこれらに限定されるわけではない。例えば、実施形態および各変形例を適宜組み合わせることも可能である。
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
1…電子線源、1a…駆動部、2…集束レンズ、2a…駆動部、4…走査偏向器、4a…駆動部、6…対物レンズ、6a…駆動部、8…試料ステージ、8a…駆動部、8d…載置台、9…センターパイプ、10…電子角度選別部、10a…回転駆動部、10b…直線駆
動部、12…貫通孔、14…スリット、16…板状部材、20…電子偏向部、20a…駆動部、21…内電極、22…外電極、30…電子検出部、30a…A/D変換部、31…第1の一次元検出器、32…第2の一次元検出器、33…第3の一次元検出器、34…第4の一次元検出器、39…検出領域、40…処理部、41…走査信号生成部、42…検出分布配列取得部、43…配列演算部、44…走査電子像生成部、45…制御部、50…表示部、52…操作部、54…記憶部、70…バスライン、100…走査荷電粒子顕微鏡、101…高角用スリット、101…スリット、102…中角用スリット、103…低角用スリット、104…切欠き部、200,300…走査荷電粒子顕微鏡、301…高電圧部310…半導体検出器、320…IVアンプ、330…アイソレーションアンプ、330a…入力部、330b…出力部、340,350…金属板、360…メッシュ、370…パッケージ

Claims (6)

  1. 荷電粒子線を発生させる荷電粒子線源と、
    前記荷電粒子線源から放出された前記荷電粒子線を集束して、試料に照射させるための対物レンズと、
    前記対物レンズにより集束された前記荷電粒子線を、前記試料上で走査するための走査偏向器と、
    前記荷電粒子線が照射されることにより前記試料から放出された電子のうち、所与の放出角で放出された電子を選別する選別部と、
    偏向場を発生させて、前記選別部により選別された電子を、該電子のエネルギーに応じて偏向させる偏向部と、
    前記偏向部で偏向された電子を検出する検出部と、
    前記検出部の検出結果に基づいて、画像を生成する画像生成部と、
    を含み、
    前記検出部は、前記偏向場で偏向される電子の偏向方向に配列された複数の半導体検出器を有し、
    前記半導体検出器には、二次電子を検出するための二次電子検出電圧が印加され、
    前記半導体検出器における電子のエネルギーごとの増幅率に基づいて、前記半導体検出器の検出結果から電子量を算出する演算部を含み、
    前記画像生成部は、前記電子量に基づいて画像を生成する、走査荷電粒子顕微鏡。
  2. 請求項1において、
    前記選別部は、前記荷電粒子線を通過させるための貫通孔と、前記所与の放出角で放出された電子を通過させるためのスリットと、を有する板状部材である、走査荷電粒子顕微鏡。
  3. 請求項1または2において、
    前記偏向部は、前記選別部により選別された電子の経路に静電場を発生させる電極を有し、
    前記静電場より前記偏向場が形成される、走査荷電粒子顕微鏡。
  4. 試料上で荷電粒子線を走査し、該試料から放出された電子を検出して、画像を取得する画像取得方法であって、
    前記試料から放出された電子のうち、所与の放出角で放出された電子を選別し、
    偏向場を発生させて、上記により選別された電子を、電子のエネルギーに応じて偏向させ、
    上記により偏向された電子を検出し、検出結果に基づいて画像を生成し、
    偏向された電子を検出する際には、前記偏向場で偏向される電子の偏向方向に配列された複数の半導体検出器を用い、
    前記半導体検出器には、二次電子を検出するための二次電子検出電圧が印加され、
    検出結果に基づいて画像を生成する際には、前記半導体検出器における電子のエネルギーごとの増幅率に基づいて、前記半導体検出器の検出結果から電子量を算出し、前記電子量に基づいて画像を生成する、画像取得方法。
  5. 請求項において、
    前記所与の放出角で放出された電子を選別する際には、前記荷電粒子線を通過させるための貫通孔と、前記所与の放出角で放出された電子を通過させるためのスリットと、を有する板状部材を用いて行われる、画像取得方法。
  6. 請求項4または5において、
    電子を該電子のエネルギーに応じて偏向させる際には、前記所与の放出角で選別された電子の経路に静電場を発生させることにより行われる、画像取得方法。
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