JP6121711B2 - 渦電流探傷装置および渦電流探傷方法 - Google Patents

渦電流探傷装置および渦電流探傷方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6121711B2
JP6121711B2 JP2012286535A JP2012286535A JP6121711B2 JP 6121711 B2 JP6121711 B2 JP 6121711B2 JP 2012286535 A JP2012286535 A JP 2012286535A JP 2012286535 A JP2012286535 A JP 2012286535A JP 6121711 B2 JP6121711 B2 JP 6121711B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
eddy current
flaw detection
current flaw
detection probe
wall surface
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012286535A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014130021A (ja
Inventor
亮 西水
亮 西水
石原 篤
篤 石原
純 松本
純 松本
貴行 河中
貴行 河中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Power Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Hitachi Power Systems Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Hitachi Power Systems Ltd filed Critical Mitsubishi Hitachi Power Systems Ltd
Priority to JP2012286535A priority Critical patent/JP6121711B2/ja
Priority to US14/079,915 priority patent/US9170235B2/en
Publication of JP2014130021A publication Critical patent/JP2014130021A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6121711B2 publication Critical patent/JP6121711B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N27/00Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means
    • G01N27/72Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating magnetic variables
    • G01N27/82Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating magnetic variables for investigating the presence of flaws
    • G01N27/90Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating magnetic variables for investigating the presence of flaws using eddy currents
    • G01N27/9013Arrangements for scanning
    • G01N27/902Arrangements for scanning by moving the sensors

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Magnetic Means (AREA)

Description

本発明は、断面形状が同じで、奥行きの長い溝状部位(スロット部)の内壁面の欠陥検査に好適な渦電流探傷装置、渦電流探傷プローブおよび渦電流探傷方法に関する。
被検査体内部の欠陥を検出する方法として渦電流探傷法がある。渦電流探傷法では、コイル電流によって発生する交流磁場を導電性の被検査体に印加し、そのとき被検査体内部に誘起する渦電流の乱れをコイルインピーダンスの変化によって検出し、被検査体内部における欠陥の有無を評価する。
近年、タービンディスクの翼植込み部(ダブテール部ともいう)や発電機などの回転部のスロット部といった溝状部位の内壁面に発生する欠陥を検出する方法として、しばしば、渦電流探傷が利用されている。例えば、特許文献1には、ダブテール部などの溝状部位が奥行き方向(長さ方向)に沿って断面形状が同じである(変化しない)という特徴を利用して、その断面形状に合わせた部材にコイルを埋め込んで構成した渦電流探傷プローブの例が開示されている。また、特許文献2には、可撓性を有するプリント基板にコイル状の配線を形成して構成した渦電流探傷プローブの例が開示されている。この場合、可撓性を有するプリント基板を、溝状部位の断面形状に合わせて、その溝状部位の内壁面に接触させることができる。
特許4130539号公報 特許4464096号公報
しかしながら、特許文献1に開示された渦電流探傷プローブは、検査対象の溝状部位の形状に合わせた部材で構成されるため、検査対象の溝状部位の大きさや形状が異なれば、その都度、それぞれ別々に渦電流探傷プローブを製作することが必要であった。そのため、渦電流探傷プローブを製作するコストや時間が余計に発生していた。
また、特許文献2に開示された渦電流探傷プローブは、可撓性のある薄いプリント基板で構成されているため、検査対象の溝状部位の断面形状が丸みの多いものであれば、そのプリント基板で構成された渦電流探傷プローブを、検査対象の溝状部位の断面形状に合わせて自在に接触させるができる。しかしながら、検査対象の溝状部位の断面形状に角部があれば、その角部では、プリント基板の曲げの限界から、プリント基板で構成された渦電流探傷プローブを溝状部位の断面にぴったり接触させることはできない。従って、検査対象の溝状部位の角部付近では、渦電流探傷の検査精度が劣化することになる。
ところで、ダブテール部などの溝状部位部における欠陥は、その内壁面のあらゆる部分で一様に生じるのではなく、その使用状態において強い力がかかる部分に多く生じる。従って、その溝状部位の内壁面の探傷は、その欠陥が多く生じる部分に対して実施すればよい。すなわち、溝状部位の内壁面のすべての部分ではなく、特定の部位の内壁の渦電流探傷をするのであれば、その内壁の形状に合わせて渦電流探傷プローブを製作することも容易になり、また、角部付近にける渦電流探傷の検査精度の劣化の問題も解決し易くなると考えられる。
以上のような従来の技術課題に鑑み、本発明は、検査対象の溝状部位の断面形状の相違に対応し易く、かつ、断面形状の角部付近での検査精度の劣化を抑制することが可能な渦電流探傷プローブ、渦電流探傷装置および渦電流探傷方法を提供することにある
本発明に係る渦電流探傷装置は、容器内の底部に渦電流探傷コイルが配置されて構成された渦電流探傷プローブと、前記渦電流探傷プローブを押圧し、被検査体に形成されたスロット部の内壁面の一部に前記渦電流探傷プローブの底部を接触させる押圧機構と、前記押圧機構および前記渦電流探傷プローブを搭載して、前記スロット部の奥行き方向に沿って走行する台車と、前記渦電流探傷コイルから渦電流検出信号を取得して、前記スロット部の内壁面の欠陥を検出する制御を行う渦電流探傷制御装置と、を含んで構成されることを特徴とする。
また、本発明に係る渦電流探傷プローブは、容器内の底部に複数の渦電流探傷コイルが配置されて構成された第1のコイル保持部材と、前記容器の1の側面に着脱可能に、かつ、前記容器の1の側面に接するように取り付けられ、その両端部の底部にそれぞれに1つ以上の渦電流探傷コイルが配置されて構成された第2のコイル保持部材と、を備え、前記第2のコイル保持部材が、その両端部の離間距離を調整する長さ調整部材を有していることを特徴とする。
本発明によれば、検査対象の溝状部位の断面形状の相違に対応し易く、かつ、断面形状の角部付近での検査精度の劣化を抑制することが可能な渦電流探傷装置、渦電流探傷プローブおよび渦電流探傷方法を提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係る渦電流探傷プローブが被検査体のスロット部の内壁面に配置された様子を、模式的な断面図の形で示した図。 本発明の第1の実施形態に係る渦電流探傷プローブの構造の例を模式的に示した図で、(a)は、上面図、(b)は、側面図、(c)は、探傷幅調整部材の側面図。 本発明の第1の実施形態に係る渦電流探傷プローブの中央部探傷プローブの構造の例を模式的に示した図。 図1〜図3を用いて説明した渦電流探傷プローブが、図1に示したスロット部の内壁面を探傷する様子を模式的に示した図。 本発明の第1の実施形態の変形例1に係る中央部探傷プローブの構造の例を模式的に示した図で、(a)は、上面図、(b)は、正面図、(c)は、右側面図。 本発明の第1の実施形態の変形例2に係る中央部探傷プローブの構造の例を模式的に示した図で、(a)は、上面図、(b)は、正面図、(c)は、右側面図。 本発明の第1の実施形態の変形例3に係る中央部探傷プローブの構造の例を模式的に示した図で、(a)は、上面図、(b)は、正面図、(c)は、右側面図。 本発明の第1の実施形態の変形例4に係る中央部探傷プローブの構造の例を模式的に示した図で、(a)は、上面図、(b)は、正面図。 本発明の第2の実施形態に係る渦電流探傷装置の構成の例、および、その渦電流探傷装置が被検査体のスロット部の内壁面の探傷に適用される様子を模式的に示した図。 本発明の第2の実施形態に係る渦電流探傷制御装置の構成の例を示した図。 本発明の第2の実施形態に係る渦電流探傷装置を用いてスロット部の内壁面の渦電流探傷を行う場合に必要となる作業手順の例を示した図。 本発明の第2の実施形態に係る渦電流探傷制御装置における渦電流探傷制御の処理フローの例を示した図。 本発明の第2の実施形態に係る渦電流探傷制御装置によって表示装置に表示される渦電流探傷結果表示画面の例を示した図。 本発明の第3の実施形態に係る渦電流探傷装置の構成の例、および、その渦電流探傷装置が被検査体のスロット部の内壁面の探傷に適用される様子を模式的に示した図。 本発明の第3の実施形態に係る渦電流探傷装置において渦電流探傷プローブ200渦電流探傷プローブ保持部材に保持される構造の例を模式的に示した図。 本発明の第3の実施形態に係る渦電流探傷装置で用いられる渦電流探傷プローブの構造の例を模式的に示した図で、(a)は、上面図、(b)は、正面図。 本発明の第3の実施形態の変形例2において、渦電流探傷プローブが渦電流探傷プローブ保持部材に保持される構造の例を模式的に示した図で、(a)は、正面図、(b)は、左側面図。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る渦電流探傷プローブ1が被検査体のスロット部91の内壁面に配置された様子を、模式的な断面図の形で示した図である。図1に示すように、被検査体9には、奥行き方向(図面では紙面に垂直な方向)に長い溝状のスロット部91が形成されているものとする。すなわち、スロット部91は、複数の角部で区切られた奥行き方向に細長い複数の平坦な内壁面(内壁面A、内壁面B、内壁面Cなど)で囲まれた空間であり、その断面形状は、奥行き方向のいずれの位置でも同じであるとする。なお、ここでは、被検査体9としては、例えば、タービンディクスなどを想定しており、その場合、スロット部91は、ダブテール部に相当するが、同様の構造を有するものであれば、それに限定されない。
このとき、本実施形態に係る渦電流探傷プローブ1は、スロット部91内の平面状の内壁面のいずれかに接触するように配置され(図1の例では、内壁面Bに接触)、その内壁面(例えば、内壁面B)を奥行き方向に移動することにより、その内壁面(例えば、内壁面B)の被検査体9の表面またはその内部に存在する傷などの欠陥を探傷する。
また、図1に示すように、渦電流探傷プローブ1は、中央部探傷プローブ2と端部探傷プローブ3とにより構成されている。ここで、端部探傷プローブ3は、検査対象の内壁面(例えば、内壁面B)の両端部、すなわち、他の内壁面と接する角部の近傍部分の欠陥を探傷する役割を担い、中央部探傷プローブ2は、検査対象の内壁面(例えば、内壁面B)の両端部以外の部分の欠陥を探傷する役割を担う。
また、端部探傷プローブ3は、コイル保持部材4,5、角部位置合わせ部材6,7、探傷幅調整部材8などにより構成される。ここで、コイル保持部材5は、中央部探傷プローブ2に着脱可能に固定され、また、コイル保持部材4は、探傷幅調整部材8を介してコイル保持部材5に連結されている。さらに、コイル保持部材4,5には、それぞれの回転軸13,14を介して、角部位置合わせ部材6,7が回転自在に取り付けられている。
図2は、本発明の第1の実施形態に係る渦電流探傷プローブ1の構造の例を模式的に示した図で、(a)は、上面図、(b)は、側面図、(c)は、探傷幅調整部材8の側面図である。ここで、中央部探傷プローブ2は、直方体の形状の容器の底部に渦電流探傷用の複数のコイル(図示省略)が配置されて構成される。そして、端部探傷プローブ3を構成するコイル保持部材4,5、角部位置合わせ部材6,7、探傷幅調整部材8などが中央部探傷プローブ2の容器の3つの側面に接するように配設されている。なお、図2では、主に、端部探傷プローブ3の詳細な構造について説明し、中央部探傷プローブ2の詳細な構造については、別途、図3を参照して説明する。
図2(a)、(b)に示すように、コイル保持部材5は、上面から見てコの字型の形状をした部材であり、コの字の内側が中央部探傷プローブ2の容器の3つの側面に接するように配設される。このとき、コイル保持部材5が接する中央部探傷プローブ2の容器の少なくとも2つの側面には、上面から底面に到る直線状の凹部21が形成され、また、コイル保持部材5には、その凹部21に嵌合する凸部17が形成されている。なお、凹部21や凸部17は、平坦な面に一条の溝部や突起部として形成されたものをいう。
従って、コイル保持部材5は、その凸部17を中央部探傷プローブ2の容器の側面に形成された凹部21に嵌合させることにより、中央部探傷プローブ2の容器の側面に固定される。
その場合、コイル保持部材5は、凸部17を中央部探傷プローブ2の容器の凹部21に、例えば、中央部探傷プローブ2の上部から挿入され、さらに凹部21に沿って下方(図2(a)で、紙面を表から裏に貫く方向)にスライドされ、図2(b)に示すように、中央部探傷プローブ2の底面とコイル保持部材5の底面が揃った位置で固定される。よって、コイル保持部材5は、中央部探傷プローブ2に着脱可能に固定される。ここで、底面とは、渦電流探傷時に検査対象の面に向き合い接触する面をいう。
また、この例におけるコイル保持部材4は、同型の2つの部材からなり、それぞれ、探傷幅調整部材8を介してコの字形のコイル保持部材5の両端部に連結される。従って、コイル保持部材5に2つのコイル保持部材4が連結された形状は、横長のコの字型となり、コイル保持部材4も中央部探傷プローブ2の容器の2つの側面に接することになる。
探傷幅調整部材8は、図2(c)に示すように、円板状の回転部80と、回転部80の両側面に固定されたネジ足81,82と、によって構成される。このとき、ネジ足81,82のネジ山は逆回りに形成されている。また、この探傷幅調整部材8を介して連結されるコイル保持部材4,5の連結部分には、ネジ足81,82に螺合するネジ穴15,16が形成されている。従って、回転部80を適宜回転させることによって、コイル保持部材4,5の相互の離間距離を調整することができる。
さらに、図2(a)に示すように、少なくとも一方のコイル保持部材4の内部の、他方のコイル保持部材5が連結されていない側の端部の底部には、探傷用のコイル11が配設され、さらに、コイル保持部材5の内部の、コの字型の曲がり角部近傍の端部には、コイル11とは別の探傷用のコイル12が配設されている。従って、探傷幅調整部材8の回転部80を適宜回転させることによって、コイル11とコイル12との離間距離を調整することができる。なお、図2(a)では、コイル11,12は、それぞれ1つずつしか描かれていないが、それぞれ、複数個のコイル11,12であってもよい。
また、コイル保持部材4の、コイル保持部材5が連結される端部と反対側の端部の側面には、回転軸13が設けられ、その回転軸13には、逆コの字型の角部位置合わせ部材6が回転自在に取り付けられている。同様に、コイル保持部材5のコの字型の曲がり角近傍の側面には、回転軸14が設けられ、その回転軸14には、コの字型の角部位置合わせ部材7が回転自在に取り付けられている。
さらに、図2(b)に示すように、中央部探傷プローブ2の底面およびコイル保持部材4,5の底面は、同一平面に接する位置に揃えられる。そして、これらの揃えられた底面は、図1に示したように、被検査体9のスロット部91の検査対象の内壁面(図1の例では、内壁面B)に接するように配置される。なお、このとき、中央部探傷プローブ2の容器は、図示しない押圧機構(詳細後記)により、その上面側から押圧されるため、中央部探傷プローブ2の底面およびコイル保持部材4,5の底面は、スロット部91の検査対象の内壁面(例えば、内壁面B)に接触することになる。
また、角部位置合わせ部材6,7および探傷幅調整部材8は、コイル11とコイル12との離間距離を検査対象の内壁面(例えば、内壁面B)の幅に合わせる際に用いられる。すなわち、探傷幅調整部材8の回転部80を適宜回転させることにより、コイル保持部材4,5の離間距離を調整して、角部位置合わせ部材6,7の底面を、それぞれ、検査対象の内壁面(例えば、内壁面B)に隣接する内壁面(図1の例では、内壁面A,C)に接触させる。その結果、端部探傷用のコイル11,12は、検査対象の内壁面(例えば、内壁面B)の両端部に配置されることになる。
図3は、本発明の第1の実施形態に係る渦電流探傷プローブ1の中央部探傷プローブ2の構造の例を模式的に示した図で、(a)は、上面図、(b)は、正面図である。図3に示すように、中央部探傷プローブ2の容器内部の底部には、探傷用の複数のコイル22がアレー状に配置されている。また、前記したように、中央部探傷プローブ2の側面には、上面から底面に到る直線状の凹部21が形成されている。この凹部21には、コイル保持部材5に形成された凸部17が嵌め込まれる。
アレー状に配置された複数のコイル22は、端部探傷プローブ3のコイル11,12を含め、それぞれが励磁コイルまたは検出コイルとなるように、適宜、電子的に替えられ、これらのコイル22,11,12を用いて渦電流探傷が行われる。なお、アレー状に配置された複数のコイル22は、しばしば、アレーコイルとも呼ばれる。図3では、複数のコイル22は、1列のアレーコイルであるが、2列や3列など2次元配列のアレーコイルであってもよい。
図4は、図1〜図3を用いて説明した渦電流探傷プローブ1が、図1に示したスロット部91の内壁面を探傷する様子を模式的に示した図である。すなわち、図4では、渦電流探傷プローブ1は、図1に示したスロット部91の内壁面Bを探傷するものとしている。このとき、渦電流探傷プローブ1は、内壁面Bに接触させられた状態で、左から右へ移動させられ、内壁面Bの探傷が行われる。なお、以下の説明では、渦電流探傷プローブ1を検査対象の内壁面に接触させた状態で探傷することを、「走査する」ともいう。
図4において、内壁面Bのうち内壁面A,Cにそれぞれ接する角部93,94の探傷には、端部探傷プローブ3のコイル11,12が用いられ、内壁面Bの中央部92の探傷には、中央部探傷プローブ2の複数のコイル22(アレーコイル)が用いられる。従って、本実施形態では、検査対象のスロット部91の内壁面Bを探傷するには、渦電流探傷プローブ1を内壁面Bに接触させた状態で内壁面B上を1回走査させるだけでよい。
また、本実施形態では、前記したように、角部位置合わせ部材6,7および探傷幅調整部材8を用いれば、コイル保持部材4,5に保持されたコイル11,12の離間距離を検査対象の内壁面(例えば、内壁面B)の幅に合わせることができる。従って、本実施形態に係る渦電流探傷プローブ1は、検査対象の内壁面の幅が異なる様々な形状を有するスロット部91の内壁面の探傷に適用することができる。
ただし、本実施形態では、探傷可能な内壁面の最大幅は、中央部探傷プローブ2に搭載されているコイル22の数によって決定される。従って、検査対象の内壁面(例えば、内壁面B)の幅がその最大幅より小さい場合には、検査対象の内壁面(例えば、内壁面B)の中央部92から外れた場所に位置するコイル22から得られる探傷情報は、捨てられるものとする。
以上、本発明の第1の実施形態によれば、角部位置合わせ部材6,7および探傷幅調整部材8を設けたことにより、渦電流探傷プローブ1を適用可能なスロット部91の形状依存性を減ずることができる。また、端部探傷プローブ3のコイル保持部材4,5の両端部には、検査対象となる内壁面の端部、すなわち、角部93,94を探傷するためのコイル11,12が設けられている。従って、検査対象となる内壁面の角部93,94でもコイル保持部材4,5の端部を内壁面に確実に接触させることができるので、角部93,94近傍における検査精度の劣化を抑制することができる。
以上、本発明の第1の実施形態における中央部探傷プローブ2では、渦電流探傷のために、アレー状に配置された複数のコイル22(アレーコイル)が用いられるが、渦電流探傷のためのコイルは、アレーコイルに限定されない。以下、中央部探傷プローブ2における渦電流探傷用コイルの構造の変形例を示す。
(変形例1)
図5は、本発明の第1の実施形態の変形例1に係る中央部探傷プローブ2aの構造の例を模式的に示した図で、(a)は、上面図、(b)は、正面図、(c)は、右側面図である。図5に示すように、中央部探傷プローブ2aの容器内部の底部には、断面が横長の長方形状(つまり、横長のレーストラック状、以下、同様)の励磁コイル40および検出コイル41が配設されている。
ここで、これら長方形状の励磁コイル40および検出コイル41の横方向の長さは、検査対象となるスロット部91の内壁面(例えば、図1の内壁面B)の幅より長くなるように定められる。従って、この変形例に係る中央部探傷プローブ2aを用いた渦電流探傷プローブ1は、検査対象の内壁面(例えば、内壁面B)を1回の走査で探傷することができる。
なお、励磁コイル40および検出コイル41は、いずれも、図示しない磁性体の磁心を有するが、磁心はなくてもよい。また、中央部探傷プローブ2aの容器の外形の構造については、その側面に凹部21(コイル保持部材5の凸部17(図2参照)が嵌合される)が形成されていることを含め、第1の実施形態の中央部探傷プローブ2の構造と同じである。
(変形例2)
図6は、本発明の第1の実施形態の変形例2に係る中央部探傷プローブ2bの構造の例を模式的に示した図で、(a)は、上面図、(b)は、正面図、(c)は、右側面図である。図6に示すように、中央部探傷プローブ2bの容器の内部には、ギャップ49を有する磁性体の磁心45およびその磁心45に巻回された励磁コイル46が配設され、さらに、ギャップ49の位置には、検出コイル47が配設されている。なお、ここでは、上面図(a)は、中央部探傷プローブ2bを、側面図(b)のA−A’ラインおよびB−B’ラインでそれぞれ切断した断面構造を重ね合わせて描いたものとなっている。
本変形例では、励磁コイル46および検出コイル47は、横長の長方形状であり、その横方向の長さは、スロット部91の検査対象の内壁面(例えば、図1の内壁面B)の幅より長くなるように定められる。従って、この変形例に係る中央部探傷プローブ2bを用いた渦電流探傷プローブ1は、検査対象の内壁面(例えば、内壁面B)を1回の走査で探傷することができる。
また、中央部探傷プローブ2bの容器の外形の構造については、その側面に凹部21(コイル保持部材5の凸部17(図2参照)が嵌合される)が形成されていることを含め、第1の実施形態の中央部探傷プローブ2の構造と同じである。
(変形例3)
図7は、本発明の第1の実施形態の変形例3に係る中央部探傷プローブ2cの構造の例を模式的に示した図で、(a)は、上面図、(b)は、正面図、(c)は、右側面図である。図7に示すように、中央部探傷プローブ2cの内部には、ギャップ53を有する磁性体の磁心50およびその磁心50に巻回された励磁コイル51が配設され、さらに、ギャップ53の位置には、複数の検出コイル52がアレー状に配置されている。なお、ここでは、上面図(a)は、中央部探傷プローブ2cを、側面図(b)のA−A’ラインおよびB−B’ラインでそれぞれ切断した断面構造を重ね合わせて描いたものとなっている。
本変形例では、励磁コイル51は、横長の長方形状であり、その横方向の長さは、スロット部91の検査対象の内壁面(例えば、図1の内壁面B)の幅より長くなるように定められる。また、その長さに合わせて、検出コイル52の径および員数が定められる。従って、この変形例に係る中央部探傷プローブ2cを用いた渦電流探傷プローブ1は、検査対象の内壁面(例えば、内壁面B)を1回の走査で探傷することができる。
また、中央部探傷プローブ2cの容器の外形の構造については、その側面に凹部21(コイル保持部材5の凸部17(図2参照)が嵌合される)が形成されていることを含め、第1の実施形態の中央部探傷プローブ2の構造と同じである。
(変形例4)
図8は、本発明の第1の実施形態の変形例4に係る中央部探傷プローブ2dの構造の例を模式的に示した図で、(a)は、上面図、(b)は、正面図である。図8に示すように、中央部探傷プローブ2dの容器の内部には、磁性体の磁心55に巻回された励磁コイル56が等間隔に複数個配置され、さらに、互いに隣接する2つの励磁コイル56の間には、検出コイル57が配置されている。なお、ここでは、上面図(a)は、中央部探傷プローブ2dを、側面図(b)のA−A’ラインおよびB−B’ラインでそれぞれ切断した断面構造を重ね合わせて描いたものとなっている。また、上面図(a)では、励磁コイル56の図示が省略されている(磁心55のみ描かれている)。
ここで、励磁コイル56の形状は、長方形状であり、その長手の面が互いに対向するように配置される。このとき、互いに隣接する2つの励磁コイル56の間に配置される検出コイル57の並びの方向と、励磁コイル56の長方形状の長手方向とは、ほぼ直交するように配置される。また、図8において、複数の励磁コイル56および検出コイル57が配置された全体の長さは、スロット部91の検査対象の内壁面(例えば、図1の内壁面B)の幅より長くなるように定められる。従って、この変形例に係る中央部探傷プローブ2dを用いた渦電流探傷プローブ1は、検査対象の内壁面(例えば、内壁面B)を1回の走査で探傷することができる。
なお、中央部探傷プローブ2dの容器の外形の構造については、その側面に凹部21(コイル保持部材5の凸部17(図2参照)が嵌合される)が形成されていることを含め、第1の実施形態の中央部探傷プローブ2の構造と同じである。
なお、以上の変形例1〜4のいずれでも、端部探傷プローブ3は、第1の実施形態と同様に用いられる。従って、変形例1〜4のいずれでも、第1の実施形態度と同様の効果が得られることは明らかである。
(第2の実施形態)
図9は、本発明の第2の実施形態に係る渦電流探傷装置100の構成の例、および、その渦電流探傷装置100が被検査体9のスロット部91の内壁面の探傷に適用される様子を模式的に示した図である。図9に示すように、本発明の第2の実施形態に係る渦電流探傷装置100は、第1の実施形態で示した渦電流探傷プローブ1と、その渦電流探傷プローブ1の底部をスロット部91の検査対象の内壁面に押圧する機構を備えた押圧機構搭載台車60と、渦電流探傷時に渦電流探傷データの取得などの制御をする渦電流探傷制御装置70と、を含んで構成される。
なお、図9の例では、渦電流探傷装置100は、スロット部91の内壁面B,B’を探傷するために、それぞれ1つずつ、合わせて2つの渦電流探傷プローブ1が用いられる構成となっている。
押圧機構搭載台車60は、車輪61を備え、被検査体9のスロット部91内を走行する走行台車62と、走行台車62にバネ部材63を介して取り付けられ、渦電流探傷プローブ1を検査対象の内壁面に押圧する押圧プレート64を含んで構成される。この場合、バネ部材63および押圧プレート64が押圧機構に相当する。
なお、図9の例では、走行台車62には、その安定走行を確保するために、複数、好ましくは4つの車輪61が設けられている。また、2つの渦電流探傷プローブ1をそれぞれ異なる内壁面B,B’に押圧するために、2つの押圧プレート64が設けられている。
すなわち、走行台車62は、複数の車輪61を介してスロット部91の検査対象とは異なる内壁面で支持され、2つの押圧プレート64を介して、2つの渦電流探傷プローブ1を検査対象の内壁面B,B’に押圧する。従って、走行台車62がスロット部91の内部を奥行き方向に(例えば、紙面の前面側から裏側方向に)1回走行することにより、検査対象の2つの内壁面B,B’を同時に探傷することができる。
なお、走行台車62がスロット部91の内部を走行すると、内壁面B,B’に押圧された2つの渦電流探傷プローブ1は、内壁面B,B’を滑走する。従って、その滑走時の摩擦力は、押圧プレート64と渦電流探傷プローブ1との間の摩擦力よりも十分に小さいものであることが求められる。そのため、押圧プレート64の押圧面およびその押圧プレート64が接触する中央部探傷プローブ2上面の少なくとも一方は、ゴムなど粘着力のある部材で形成されているものとする。
また、図9では、押圧プレート64の押圧力は、スプリングなどのバネ部材63を用いて発生させているが、バネ部材63に代えて、エアーを注入したバルーンなどを用いて、押圧プレート64の押圧力を発生させるようにしてもよい。
渦電流探傷制御装置70は、入力装置75(キーボード、マウス、タッチパネルなど)、表示装置76(液晶表示装置など)、音声出力装置77(スピーカなど)などが付属するパーソナルコンピュータを用いて構成することができる。渦電流探傷制御装置70は、当然ながら、渦電流探傷プローブ1や押圧機構搭載台車60にも接続されるが、図9では、その接続配線の記載を省略している。
図10は、本発明の第2の実施形態に係る渦電流探傷制御装置70の構成の例を示した図である。図10に示すように、渦電流探傷制御装置70は、データ処理装置71、励磁コイル駆動回路72、渦電流信号検出回路73などを含んで構成され、渦電流探傷プローブ1や押圧機構搭載台車60に接続されるとともに、入力装置75、表示装置76などに接続される。
データ処理装置71は、一般的なパーソナルコンピュータと同様に、CPU(Central Processing Unit)711、主メモリ712、HD(Hard Disk)装置713、入出力インターフェース714などを含んで構成される。そして、データ処理装置71は、渦電流探傷に係る様々な制御機能を担うことになるが、その様々な制御機能は、CPU711が主メモリ712またはHD装置713にあらかじめ格納されているプログラムを実行することにより実現される。
励磁コイル駆動回路72は、データ処理装置71および渦電流探傷プローブ1内の励磁コイル221に接続され、データ処理装置71からの指示に基づき、励磁コイル221に所定の周波数(例えば、20kHz)の交流電流を供給する。また、渦電流信号検出回路73は、データ処理装置71および検出コイル222に接続され、検出コイル222のインピーダンスの値またはその電圧変換値などを検出する。
なお、前記したように、アレー状に配置されコイル22(図3参照)は、電子的に切り替えながら励磁コイル221または検出コイル222として用いられる場合があるが、その場合には、それぞれのコイル22は、図示しない切り替え電子回路を介して励磁コイル駆動回路72および渦電流信号検出回路73に接続されるものとする。
なお、図10では、励磁コイル駆動回路72および渦電流信号検出回路73は、データ処理装置71と同じ基板や筐体などに搭載されるように描かれているが、それに限定されず、渦電流探傷プローブ1の中に搭載されるとしてもよい。また、その場合、データ処理装置71と励磁コイル駆動回路72および渦電流信号検出回路73とは、無線で接続されていてもよい。
また、押圧機構搭載台車60(図9参照)の車輪61には、その車輪61が所定の角度回転するたびにパルスを発生するロータリエンコーダなどの回転パルス発生器65を備えており、そのパルス信号や回転角データは、データ処理装置71に入力される。従って、データ処理装置71のCPU711は、そのパルス信号の数、回転角、車輪61の径などに基づいて、走行台車62の走行距離、すなわち、走行台車62の位置を演算することができる。
なお、走行台車62は、データ処理装置71からの指示に基づき回転するモータを備えて、自動走行するものであってもよく、あるいは、モータを備えず、作業者が手や棒などで押したり、引いたりすることによって走行するものであってもよい。
図11は、本発明の第2の実施形態に係る渦電流探傷装置100を用いてスロット部91の内壁面の渦電流探傷を行う場合に必要となる作業手順の例を示した図である。なお、この作業開始時点で、その渦電流探傷に用いられる渦電流探傷プローブ1は、中央部探傷プローブ2と端部探傷プローブ3とに分離された状態にあるものとする。以下、図9なども参照しつつ、その作業手順について詳しく説明する。
図11に示すように、作業者は、まず、端部探傷プローブ3による探傷幅を検査対象のスロット部91の内壁面の形状に合わせて調整する(ステップS10)。すなわち、作業者は、手作業等で端部探傷プローブ3のコイル保持部材4,5の底面を、検査対象の内壁面(図9の例では、内壁面B,B’)に押し当て、さらに、角部位置合わせ部材6,7を隣接する内壁面(例えば、内壁面A,C)に押し当てる。
このとき、角部位置合わせ部材6,7の底面が隣接する内壁面にうまく当接しない場合には、作業者は、探傷幅調整部材8の回転部80を適宜回して、コイル保持部材4,5の離間距離を調整する。その結果、角部位置合わせ部材6,7の底面が隣接する内壁面にうまく当接するようになった場合には、そのときをもって、コイル保持部材4,5の離間距離すなわち探傷幅の調整が終了したものと判断する。なお、角部位置合わせ部材6,7が内壁面にうまく当接するとは、角部位置合わせ部材6,7の底面全体が内壁面に全面に渡り密着した状態になることをいう。
次に、作業者は、端部探傷プローブ3を中央部探傷プローブ2に合体させ、渦電流探傷プローブ1を構成する(ステップS11)。すなわち、作業者は、手作業等で端部探傷プローブ3のコイル保持部材5に形成された凸部17を中央部探傷プローブ2の側面に形成された凹部21に嵌合させることにより、中央部探傷プローブ2と端部探傷プローブ3とを一体化し、渦電流探傷プローブ1を構成する。なお、この作業では、作業者は、端部探傷プローブ3のコイル保持部材4,5の底面の位置と中央部探傷プローブ2の底面に位置とを揃えておくものとする。
ここで、コイル保持部材5に形成された凸部17が中央部探傷プローブ2の凹部21に嵌合されたときの摩擦力は、コイル保持部材5が中央部探傷プローブ2に固定されるのに必要な摩擦力よりも十分に大きいものとする。つまり、押圧機構搭載台車60の押圧プレート64は、中央部探傷プローブ2の容器の上部しか押圧しないが(図9参照)、コイル保持部材5の凸部17が中央部探傷プローブ2の凹部21に嵌合したときの摩擦力により、その押圧力は、コイル保持部材5にも十分に伝達されるものとする。よって、押圧プレート64が中央部探傷プローブ2の上部を押圧したときには、中央部探傷プローブ2の底面とともにコイル保持部材4,5の底面も同時に検査対象の内壁面(例えば、内壁面B,B’)に接触することになる。
次に、作業者は、以上のようにして構成した渦電流探傷プローブ1および別途準備しておいた押圧機構搭載台車60を検査対象のスロット部91に挿入して(ステップS12)、検査対象のスロット部91の内壁面(例えば、内壁面B,B’)の探傷走査を開始させる(ステップS13)。なお、この探傷走査を開始させる作業には、例えば、渦電流探傷制御装置70の電源を投入したり、渦電流探傷制御装置70や走行台車62などに設けられている走査開始ボタン(図10では図示省略)を押したりする作業が含まれる。ただし、走行台車62が自動走行機能を有していない場合には、作業者は、探傷走査を開始させた後も、走行台車62を走行させるなどの作業を継続する必要がある。
図12は、本発明の第2の実施形態に係る渦電流探傷制御装置70における渦電流探傷制御の処理フローの例を示した図である。図12に示すように、渦電流探傷装置100において探傷走査が開始されると、渦電流探傷制御装置70のデータ処理装置71(図10参照)は、探傷走査の開始を励磁コイル駆動回路72、渦電流信号検出回路73、回転パルス発生器65などに通知する(ステップS20)。
探傷走査の開始の通知を受けると、励磁コイル駆動回路72は、励磁コイル221に対し、励磁用の交流電流の供給を開始し、渦電流信号検出回路73は、検出コイル222による渦電流検出を開始する。また、回転パルス発生器65は、車輪61の回転の検知を開始する。さらに、走行台車62が自動走行用のモータなどを備えているような場合には、データ処理装置71は、そのモータにも始動を指示し、走行台車62の走行を開始させる。
次に、データ処理装置71は、渦電流信号検出回路73から渦電流検出信号を取得し、回転パルス発生器65から回転パルス信号を取得する(ステップS21)。なお、このとき、渦電流検出信号は、例えば、検出コイル222のインピーダンスを電圧変換した電圧信号として得られ、また、回転パルス信号は、例えば、車輪の回転数とその回転角のデータとして得られる。
次に、データ処理装置71は、渦電流検出信号を表示装置76に表示する(ステップS22)とともに、その取得した渦電流検出信号が正常であるか否かを判定する(ステップS23)。なお、渦電流検出信号が正常であるか否かは、例えば、渦電流検出信号として取得された電圧値が、所定のしきい値電圧以下の場合には、正常であると判定し、しきい値電圧を超えた場合には、異常であると判定する。
次に、ステップS23の判定で渦電流検出信号が正常でない(異常)と判定された場合には(ステップS23でNo)、データ処理装置71は、そのときの走行台車62の走査位置データを記憶装置(主メモリ712、HD装置713など)の記憶し、警報音を音声出力装置77から出力する(ステップS24)。ここで、走行台車62の走査位置データは、回転パルス発生器65から得られた回転パルス信号(例えば、車輪の回転数とその回転角度)と車輪61の径とを演算して求めることができる。
一方、ステップS23の判定で渦電流検出信号が正常であると判定された場合には(ステップS23でYes)、データ処理装置71は、ステップS24の処理をスキップし、次のステップS25の処理に移る。
次に、データ処理装置71は、探傷走査が終了したか否かを判定し(ステップS25)探傷走査が終了していない場合には(ステップS25でNo)、ステップS21に戻り、ステップS21以下の処理を繰り返して実行する。一方、探傷走査が終了していた場合には(ステップS25でYes)、データ処理装置71は、探傷の検査結果を表示装置76に表示した(ステップS26)後、渦電流探傷走査の制御処理を終了する。
なお、データ処理装置71は、例えば、渦電流探傷制御装置70や走行台車62などに設けられている走査終了ボタン(図10では図示省略)を作業者が押したことを検知することによって、探傷走査の終了を認識する。
また、以上の処理フローでは、データ処理装置71は、渦電流検出信号の異常を検出した場合でも探傷走査の制御を継続するが、それに限定されず、渦電流検出信号の異常を検出した場合、警報音を出力した(ステップS24)後、直ちに探傷走査の制御を終了するようにしてもよい。この場合、検査対象の内壁面で、探傷走査を停止した位置に何らかの欠陥があることになる。
図13は、本発明の第2の実施形態に係る渦電流探傷制御装置70によって表示装置76に表示される渦電流探傷結果表示画面の例を示した図である。図13に示すように、探傷の検査結果は、欠陥マップ761として表示してもよく、渦電流検出信号の走査位置依存波形762として表示してもよい。
欠陥マップ761は、渦電流検出信号の異常(欠陥)が検出された走査位置を、検査対象の内壁面の平面形状の中に表示したものである。図13の欠陥マップ761では、x方向を検査対象の内壁面の走査方向、y方向を幅方向として、検査対象の内壁面全体を長方形で表し、欠陥が検出された走査位置にx印が付されている。この欠陥マップ761により、欠陥の位置が一目で分かるようになる。
渦電流検出信号の走査位置依存波形762は、複数の検出コイル222のそれぞれから得られる渦電流検出信号値(例えば、インピーダンス値)を走査位置に対応付けて描いた波形である。図13において、C1〜C5は、検出コイル222を識別する名称であり、横軸xは、走査方向の位置を表している。また、各波形の縦軸は、渦電流検出信号値(例えば、インピーダンス値)である。このような渦電流検出信号の走査位置依存波形762により、欠陥の大きさなどの状況をより詳しく推定することができるようになる。
以上、本発明の第2の実施形態では、第1の実施形態に係る渦電流探傷プローブ1を検査対象のスロット部91の内壁面に押圧するとともに、渦電流探傷プローブ1を内壁面に押圧したまま、スロット部91内をその長さ方向に走行させるために、車輪61を有する押圧機構搭載台車60を導入した。また、押圧機構搭載台車60が検査対象のスロット部91を走行する、すなわち、渦電流探傷プローブ1が検査対象の内壁面を走査するとき取得される渦電流検出信号などを取得して処理する渦電流探傷制御装置70を導入した。よって、探傷作業者の作業負担が軽減され、さらに、作業者は、欠陥の位置や様子を容易に知ることができるようになる。
以上、本発明の第1および第2の実施形態によれば、被検査体9のスロット部91の形状依存性を小さくできることから、異なる形状を有するスロット部91にも、同じ渦電流探傷プローブ1を適用することができるようになる。従って、異なる形状を有するスロット部91ごとに渦電流探傷プローブ1を製作する必要がなくなるので、その製作費用や製作時間を削減することができ、経済的である。また、スロット部91の検査対象の内壁面の角部でも確実に接触することが可能な渦電流探傷プローブ1(端部探傷プローブ3)を提供できることから、欠陥検出性能を向上させることができる。
(第3の実施形態)
図14は、本発明の第3の実施形態に係る渦電流探傷装置1000の構成の例、および、その渦電流探傷装置1000が被検査体9のスロット部91の内壁面の探傷に適用される様子を模式的に示した図である。
ここで、被検査体9には、第1の実施形態(図1参照)や第2の実施形態(図9参照)の場合と同様に、奥行き方向(図面では紙面に垂直な方向)に長い溝状のスロット部91が形成されているものとする。そして、スロット部91は、複数の角部で区切られた奥行き方向に細長い複数の平坦な内壁面(内壁面A、内壁面B、内壁面Cなど)で囲まれた空間であり、その断面形状は、奥行き方向のいずれの位置でも同じであるとする。
図14に示すように、本発明の第3の実施形態に係る渦電流探傷装置1000は、渦電流探傷プローブ200と、その渦電流探傷プローブ200の底部をスロット部91の検査対象の内壁面に押圧する機構を備えた押圧機構搭載台車600と、渦電流探傷時に渦電流探傷データの取得などの制御をする渦電流探傷制御装置70と、を含んで構成される。
なお、この図の例では、渦電流探傷装置1000は、スロット部91の内壁面B,B’を探傷するために、それぞれ1つずつ、合わせて2つの渦電流探傷プローブ200が用いられる構成となっている。
押圧機構搭載台車600は、スロット部91が形成された被検査体9の上面を滑走する走行台車602と、走行台車602に搭載され、渦電流探傷プローブ200を検査対象の内壁面に押圧する押圧機構を含んで構成される。
ここで、押圧機構とは、バネ部材603と、バネ部材603を介して走行台車602に取り付けられた上部支持板材604と、上部支持板材604にボルト609を介して懸架され、スロット部91の内部へ下垂するように設けられた2つの渦電流探傷プローブ保持部材608と、その2つの渦電流探傷プローブ保持部材608を相互に連結するバネ部材607と、を含む部分をいう。
上部支持板材604は、走行台車602の走行面すなわち被検査体9の外側の上面に略平行になるように、バネ部材603を介して走行台車602の上面部に取り付けられる。ここで、上部支持板材604および走行台車602のそれぞれには、ボルト609の足を通すための開口部604a,602aが設けられている。ボルト609の足は、上部から開口部604a、バネ部材603、開口部602aを貫通し、渦電流探傷プローブ保持部材608の上部に達し、その先端部が渦電流探傷プローブ保持部材608の上面部にねじ込まれて(図14では、ねじ込まれる部分の図示を省略)固定される。
なお、上部支持板材604および走行台車602それぞれに形成される開口部604a,602aの上面形状は、スロット部91の内壁面方向に細長い形状をしており、その幅(短径)は、ボルト609の足の経よりもやや大きく、ボルト609の頭部の径よりも十分に小さい。従って、渦電流探傷プローブ保持部材608は、ボルト609を介することにより、スロット部91の内壁面方向の前後にスライド自在に、上部支持板材604に懸架される。
このとき、バネ部材603は、その圧縮反発力により、上部支持板材604を上部方向へ押圧する。そのため、渦電流探傷プローブ保持部材608は、上部に引き上げられる力を受ける。
また、2つの渦電流探傷プローブ保持部材608の互いに対向する面の同じ位置には、棒部材610を滑らかに挿抜可能な孔部608bが形成されている。そして、その2つの渦電流探傷プローブ保持部材608の互いに対応する位置の孔部608bのそれぞれには、圧縮されたバネ部材607を保持した棒部材610の一方の端部および他方の端部が挿入される。従って、バネ部材607は、その圧縮反発力により、2つの渦電流探傷プローブ保持部材608をそれぞれ横方向(スロット部91の内壁面側へ向かう方向、図面上では左方向または右方向)へ押圧する。
また、渦電流探傷プローブ保持部材608には、スロット部91の内壁面B,B’を探傷するための渦電流探傷プローブ200が保持されている。そして、内壁面B,B’に接触する渦電流探傷プローブ200の底部(図14では、その底部は、斜め上方を向いている)には、渦電流探傷用のコイル201が設けられている。
以上のように構成された押圧機構により、渦電流探傷プローブ保持部材608に保持された渦電流探傷プローブ200には、バネ部材603による上部方向の力を受けるとともに、バネ部材607による横方向(左方向または右方向)の力を受ける。従って、これら2つの渦電流探傷プローブ200は、それぞれ左斜め上方または右斜め上方の力を受けることになるので、そのそれぞれの底部が内壁面B,B’に圧着させられ、また、渦電流探傷プローブ保持部材608は、内壁面A,A’に圧着させられる。
さらに、図14を参照すると、上部支持板材604の中央部には、スロット部91の内部へ深く下垂する下垂支持板材605が固定して取り付けられている。なお、このとき、走行台車602の中央部には、下垂支持板材605を通すための開口部602bが設けられている。
そして、下垂支持板材605の下方部には、車輪601を保持する車輪保持部601aおよび車輪601をバネ部材などにより上方から下方へ押圧する車輪押圧部601bが設けられており、下垂支持板材605は、これらを上方から支持する。
車輪601は、下垂支持板材605を介して走行台車602をスロット部91の底面で支持する役割というより、走行台車602が走行した距離を計測する役割を果たす。そのため、車輪601には、ロータリエンコーダなどの回転パルス発生器65(図10参照)が付属している。
なお、本実施形態では、走行台車602には、台車支持用の車輪の代わりに、走行台車602がスロット部91を有する被検査体9の上面と接する部分に滑走部602cが設けられている。そのため、滑走部602cは、被検査体9の上面との摩擦抵抗が小さい、例えば、フッ化樹脂などの部材で構成されている。
また、この第3の実施形態でも、第2の実施形態(図9参照)の場合と同様に、入力装置75(キーボード、マウス、タッチパネルなど)、表示装置76(液晶表示装置など)、音声出力装置77(スピーカなど)などが付属する渦電流探傷制御装置70が用いられる。渦電流探傷制御装置70の構成は、図10を用いて説明した通りであるので、ここでは、その説明を省略する。
図15は、本発明の第3の実施形態に係る渦電流探傷装置1000において渦電流探傷プローブ保持部材608に渦電流探傷プローブ200が保持される構造の例を模式的に示した図で、(a)は、正面図、(b)は、左側面図である。
図15(a)、(b)に示すように、渦電流探傷プローブ保持部材608の中央部には、渦電流探傷プローブ保持部材608を貫通する開口部608aが形成されており、渦電流探傷プローブ200は、その開口部608aに嵌め合わされて固定される。
このとき、開口部608aの上面および下面は、渦電流探傷プローブ保持部材608の上下方向軸に垂直な平面に対し傾斜し、その傾斜角は、内壁面B,B’の傾斜角に等しくなるように定められる。すなわち、渦電流探傷プローブ200を渦電流探傷プローブ保持部材608の開口部608aに嵌め合わせたとき、渦電流探傷プローブ200の底面が渦電流探傷プローブ保持部材608の上下方向軸となす角度は、内壁面B,B’が内壁面A,A’となす角度に等しい。
また、図14で説明したように、内壁面B,B’に接する渦電流探傷プローブ200の底部には、渦電流探傷用のコイル201,202(ただし、図14および図15(a)では、コイル202の図示は省略)が設けられている。このコイル201,202が設けられている領域の幅L、すなわち、渦電流探傷プローブ保持部材608の開口部608aから突出している渦電流探傷プローブ200の底面側の長さLは、内壁面B,B’の幅に等しくなるように定められる。
従って、渦電流探傷プローブ保持部材608および渦電流探傷プローブ200は、ほとんどぴったり内壁面A,A’および内壁面B,B’に圧着される。
図15(a)、(b)では、バネ部材607を保持した棒部材610の端部が挿入される孔部608bの取り付け位置が破線で示されている。すなわち、図15および図14から分かるように、2つの渦電流探傷プローブ保持部材608は、それぞれバネ部材607を保持した4つの棒部材610を介して、互いに押圧されるようにして連結される。なお、図15(b)では、渦電流探傷プローブ保持部材608には、4つの孔部608bが設けられる、すなわち、2つの渦電流探傷プローブ保持部材608は、バネ部材607を保持した4つの棒部材610を介して連結されるとしているが、その数は、4つに限定されるものではない。
図16は、本発明の第3の実施形態に係る渦電流探傷装置1000で用いられる渦電流探傷プローブ200の構造の例を模式的に示した図で、(a)は、上面図、(b)は、正面図である。
図16(a)、(b)に示すように、渦電流探傷プローブ200の底部には、検査対象の内壁面B,B’を、その全幅に渡って探傷可能なアレー状に配列された複数のコイル201と、内壁面B,B’の両端部を精度よく探傷するためのコイル202を含んで構成される。なお、図16(b)では、コイル202の図示を省略している。
ここで、図16に示した渦電流探傷プローブ200に設けられたコイル201,202を、図2、図3に示した第1の実施形態における渦電流探傷プローブ1に設けられたコイル11,12,22に対応付けると、コイル201は、中央部探傷プローブ2に設けられたコイル22(図3参照)に対応し、コイル202は、端部探傷プローブ3に設けられたコイル11,12(図2参照)に対応する。
なお、渦電流探傷プローブ200の内部にアレー状に配置されたコイル201については、図5〜図8に示されている励磁コイル40,46,51,56および検出コイル41,47,52,57による構成に置き換えてもよい。また、内壁面B,B’の両端部を探傷するためのコイル202については、必ずしも設ける必要はない。
また、図14〜図16で説明した渦電流探傷装置1000を用いて、検査対象の内壁面B,B’を探傷する方法は、図11〜図13に示した方法とほとんど同じであるので、その説明を省略する。
以上、本発明の第3の実施形態によれば、押圧機構によってスロット部91の内壁面に押圧される渦電流探傷プローブ200は、渦電流探傷プローブ保持部材608へ取り付けられる位置や、取り付け角度が検査対象となる特定の内壁面(例えば、B,B’など)の形状にとくに適合するように構成されているため、渦電流探傷プローブ200による探傷の精度を向上させることができる。
また、本発明の第3の実施形態によれば、検査対象の内壁面(例えば、B,B’など)の幅や傾斜角が変わった場合には、渦電流探傷装置1000全体を新たに製作する必要はなく、簡単な構造部分である渦電流探傷プローブ保持部材608および渦電流探傷プローブ200だけを製作しなおせばよい。従って、本発明の第3の実施形態に係る渦電流探傷装置1000は、検査対象のスロット部91の内壁面の構造の相違に対応し易い構造を有しているといえる。
また、本発明の第3の実施形態では、走行台車602がスロット部91の外側に出されているため、渦電流探傷装置1000を用いてスロット部91内の特定の内壁面(例えば、内壁面B,B’など)の探傷をする場合、探傷を実施する作業者が走行台車602を直接手で押したり引いたりして、渦電流探傷装置1000を自在に走行させることが可能になる。これは、作業者にとっての渦電流探傷装置1000の操作性が向上することを意味する。
(第3の実施形態の変形例1)
図15の説明では、渦電流探傷プローブ200は、渦電流探傷プローブ保持部材608に設けられた開口部608aに嵌合して固定され、さらに、渦電流探傷プローブ200の底部でコイル201,202が設けられている領域の幅Lは、内壁面B,B’の幅に等しくなるように定められるものしている。この場合、その渦電流探傷装置1000は、内壁面B,B’の幅が異なるスロット部91を有する他の被検査体9の探傷には、適用することができないことを意味する。
そこで、この変形例1では、渦電流探傷プローブ200を渦電流探傷プローブ保持部材608に設けられた開口部608aに嵌合して固定する場合に、その固定を任意の位置で可能なようにする。
これを実現するためには、単に、渦電流探傷プローブ200を開口部608aにきつく嵌合させ、渦電流探傷プローブ保持部材608および渦電流探傷プローブ200がスロット部91の内壁面に押圧されたとき、その嵌合させた位置が移動しないようにしておくだけでもよい。あるいは、嵌合させた位置が変わらないようにするために、補助的なネジ部材を用いて、渦電流探傷プローブ200を開口部608aの任意の位置で固定できるようにしてもよい。
さらに、渦電流探傷プローブ200の内部では、コイル201,202が設けられている領域の幅Lを大きく設定しておく
以上のような手段を講じることによって、検査対象の内壁面B,B’の幅が互いに異なるスロット部91を有する複数の被検査体9のいずれに対しても、本変形例に係る渦電流探傷装置1000の適用が可能となる。すなわち、この変形例では、検査対象の内壁面B,B’の幅が変わった場合には、渦電流探傷プローブ200を渦電流探傷プローブ保持部材608の開口部608aから適宜出し入れして、渦電流探傷プローブ200の底面が開口部608aから突出している部分の長さLを、内壁面B,B’の幅に合うように調節すればよい。
よって、本変形例に係る渦電流探傷装置1000は、検査対象のスロット部91の断面形状の相違に対する適用性を向上させることができる。
なお、この変形例では、2つのコイル202は、その相互の距離が固定されていることを考慮すれば、検査対象の内壁面B,B’の両端部の探傷精度を向上させるという意味がなくなるので、省略してもよい。そして、検査対象の内壁面B,B’の両端部を含め、探傷精度の向上を図るなら、例えば、アレー状に配列されたコイル201を2列、渦電流探傷プローブ200内に配置するようにしてもよい。
(第3の実施形態の変形例2)
図17は、本発明の第3の実施形態の変形例2において、渦電流探傷プローブ200が渦電流探傷プローブ保持部材608に保持される構造の例を模式的に示した図で、(a)は、正面図、(b)は、左側面図である。
図15に示した第3の実施形態では、渦電流探傷プローブ200を渦電流探傷プローブ保持部材608に形成された開口部608aに嵌め合せるものであったので、渦電流探傷プローブ200の底面が渦電流探傷プローブ保持部材608の上下方向軸となす角度は、固定され変えることができなかった。この場合、その渦電流探傷装置1000は、内壁面B,B’の傾斜角が異なるスロット部91を有する他の被検査体9の探傷には、適用することができないことを意味する。
そこで、この変形例2では、図17(a)、(b)に示すように、渦電流探傷プローブ保持部材608に設ける開口部608cを広く大きめに形成し、ネジ部材608dで支持した渦電流探傷プローブ200が、その開口部608c中を、ある角度範囲内で自在に回転できるようにした。そして、ネジ部材608dをきつく締めることによって、渦電流探傷プローブ200の底面が渦電流探傷プローブ保持部材608の上下方向軸となす角度を自在に設定し、固定することができるようにした。
従って、この変形例2によれば、渦電流探傷プローブ200の底面と渦電流探傷プローブ保持部材608がスロット部91の内壁面に接する面との角度を、スロット部91の内壁面B,B’と内壁面A,Aとがなす角度に合わせて調節することが可能になる。’
よって、本変形例に係る渦電流探傷装置1000は、検査対象のスロット部91の断面形状の相違に対する適用性を向上させることができる。
なお、本発明は、以上に説明した実施形態に限定されるものでなく、さらに様々な変形例が含まれる。例えば、前記の実施形態は、本発明を分かりやすく説明するために、詳細に説明したものであり、必ずしも説明したすべての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成の一部で置き換えることが可能であり、さらに、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成の一部または全部を加えることも可能である。
1,200 渦電流探傷プローブ
2,2a,2b,2c,2d 中央部探傷プローブ(第1のコイル保持部材)
3 端部探傷プローブ
4,5 コイル保持部材(第2のコイル保持部材)
6,7 角部位置合わせ部材
8 探傷幅調整部材(長さ調整部材)
9 被検査体
11,12,22,201,202 コイル(渦電流探傷コイル)
13,14 回転軸
15,16 ネジ穴
17 凸部
21 凹部
40,46,51,56 励磁コイル
41,47,52,57 検出コイル
45,50,55 磁心
49,53 ギャップ
60,600 押圧機構搭載台車
61,601 車輪
62,602 走行台車
63,603,607 バネ部材
64 押圧プレート
65 回転パルス発生器
604 上部支持板材(支持板材)
605 下垂支持板材
608 渦電流探傷プローブ保持部材
609 ボルト
610 棒部材
70 渦電流探傷制御装置
71 データ処理装置
72 励磁コイル駆動回路
73 渦電流信号検出回路
75 入力装置
76 表示装置
77 音声出力装置
80 回転部
81,82 ネジ足
91 スロット部
100,1000 渦電流探傷装置
711 CPU
712 主メモリ
713 HD装置
714 入出力インターフェース
761 欠陥マップ
762 走査位置依存波形

Claims (4)

  1. 容器内の底部に渦電流探傷コイルが配置されて構成された渦電流探傷プローブと、
    前記渦電流探傷プローブを押圧し、被検査体に形成されたスロット部の内壁面の一部に前記渦電流探傷プローブの底部を接触させる押圧機構と、
    前記押圧機構および前記渦電流探傷プローブを搭載して、前記スロット部の奥行き方向に沿って走行する台車と、
    前記渦電流探傷コイルから渦電流検出信号を取得して、前記スロット部の内壁面の欠陥を検出する制御を行う渦電流探傷制御装置と、
    を備え、
    前記台車は、前記スロット部が形成された前記被検査体の外側上面によって支持されて、前記外側上面を前記スロット部に沿って走行し、
    前記台車に搭載された前記押圧機構は、
    第1のバネ部材と、
    第2のバネ部材と、
    前記第1のバネ部材を介して前記台車に取り付けられた支持板材と、
    前記支持板材に懸架され、前記支持板材から前記スロット部の内部へ下垂するとともに、前記第2のバネ部材により互いに連結され、それぞれが前記渦電流探傷プローブを保持した2つの渦電流探傷プローブ保持部材と、
    を含んで構成され、
    前記第1のバネ部材は、その圧縮反発力により前記支持板材および前記支持板材に懸架された前記2つの渦電流探傷プローブ保持部材を上部方向に押圧し、
    前記第2のバネ部材は、その圧縮反発力により前記2つの渦電流探傷プローブ保持部材をそれぞれ前記スロット部の互いに対向する内壁面側へ押圧し、
    前記2つの渦電流探傷プローブ保持部材は、それぞれが貫通した開口部を備え、
    前記渦電流探傷プローブは、前記開口部に嵌合され、前記開口部に対して任意の位置で固定可能であること
    を特徴とする渦電流探傷装置。
  2. 前記台車は、車輪と、その車輪の回転量に応じてパルスを発生する回転パルス発生器と、を備えること
    を特徴とする請求項1に記載の渦電流探傷装置。
  3. 容器内の底部に渦電流探傷コイルが配置されて構成された渦電流探傷プローブと、
    前記渦電流探傷プローブを押圧し、被検査体に形成されたスロット部の内壁面の一部に前記渦電流探傷プローブの底部を接触させる押圧機構と、
    前記押圧機構および前記渦電流探傷プローブを搭載して、前記スロット部の奥行き方向に沿って走行する台車と、
    前記渦電流探傷コイルから渦電流検出信号を取得して、前記スロット部の内壁面の欠陥を検出する制御を行う渦電流探傷制御装置と、
    を備えた渦電流探傷装置を用い、
    作業者が、前記スロット部の内壁面に接触する前記渦電流探傷プローブの底部の長さを、前記スロット部の内壁面の形状に合わせて調整し、
    前記渦電流探傷制御装置
    前記台車が前記スロット部の奥行き方向に沿って走行したとき、前記渦電流探傷プローブを介して前記内壁面から得られる渦電流検出信号を取得し、
    前記取得した渦電流検出信号に異常を検出したときには、警報音を出力すること
    を特徴とする渦電流探傷方法。
  4. 前記台車は、車輪と、その車輪の回転量に応じてパルスを発生する回転パルス発生器と、を備え、
    前記渦電流探傷制御装置
    前記渦電流検出信号に異常を検出したときには、前記回転パルス発生器から取得される車輪の回転数、回転角度および車輪の径に基づき、その時点までの前記台車の走行距離を算出し、その走行距離を欠陥の位置情報として記憶しておき、前記台車を走行させることによる渦電流探傷終了後に、前記欠陥の位置情報を表示装置にマップ表示すること
    を特徴とする請求項に記載の渦電流探傷方法。
JP2012286535A 2012-12-28 2012-12-28 渦電流探傷装置および渦電流探傷方法 Active JP6121711B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012286535A JP6121711B2 (ja) 2012-12-28 2012-12-28 渦電流探傷装置および渦電流探傷方法
US14/079,915 US9170235B2 (en) 2012-12-28 2013-11-14 Eddy current testing apparatus, eddy current testing probe, and eddy current testing method

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012286535A JP6121711B2 (ja) 2012-12-28 2012-12-28 渦電流探傷装置および渦電流探傷方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014130021A JP2014130021A (ja) 2014-07-10
JP6121711B2 true JP6121711B2 (ja) 2017-04-26

Family

ID=51016459

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012286535A Active JP6121711B2 (ja) 2012-12-28 2012-12-28 渦電流探傷装置および渦電流探傷方法

Country Status (2)

Country Link
US (1) US9170235B2 (ja)
JP (1) JP6121711B2 (ja)

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5829930B2 (ja) * 2012-01-27 2015-12-09 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 渦電流探傷システム及び渦電流探傷方法
WO2016199872A1 (ja) * 2015-06-12 2016-12-15 横河電機株式会社 腐食管理システムおよび腐食管理方法
JP6612692B2 (ja) * 2016-07-08 2019-11-27 株式会社日立製作所 渦電流探傷検査用プローブ
US20180328890A1 (en) * 2017-05-10 2018-11-15 Corestar International Corporation Non-Destructive Test System with Smart Glasses and Method of Use Thereof
KR102460365B1 (ko) * 2017-10-13 2022-11-01 한국전력공사 선로 부식 탐상장치
DE102018200927A1 (de) * 2018-01-22 2019-07-25 Siemens Aktiengesellschaft Verfahren zur zerstörungsfreien Prüfung einer Schaufelfußaufnahmenutoberfläche
CN109342555A (zh) * 2018-12-12 2019-02-15 爱德森(厦门)电子有限公司 一种在役道岔交联小间隙轨底边角裂涡流传感器
CN109342556B (zh) * 2018-12-12 2022-04-22 爱德森(厦门)电子有限公司 一种道岔轨底边角裂自适形涡流检测装置及方法
CN110882944B (zh) * 2019-12-04 2024-06-21 白海燕 一种汽车紧固件高效分选装置
CN111521931B (zh) * 2020-05-22 2024-05-31 福州大学 基于涡流斥力机构的触头材料模拟试验装置及其工作方法
JP7508415B2 (ja) 2021-06-22 2024-07-01 株式会社東芝 非破壊検査プローブ

Family Cites Families (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0033802B1 (en) * 1979-12-07 1984-08-08 Thorburn Technics (International) Limited Eddy current inspection apparatus and probe
JPS5788068U (ja) * 1980-11-19 1982-05-31
JPS57178156A (en) * 1981-04-27 1982-11-02 Toshiba Corp Eddy current test equipment
US4751657A (en) * 1985-07-08 1988-06-14 General Electric Company Method and apparatus for detecting axial cracks in rotors for rotating machinery
US5442286A (en) * 1993-09-22 1995-08-15 General Electric Company Eddy current array inspection device
US5442285A (en) * 1994-02-28 1995-08-15 Westinghouse Electric Corporation NDE eddy current sensor for very high scan rate applications in an operating combustion turbine
US6067844A (en) * 1997-08-15 2000-05-30 Shell Oil Company Nondestructive method for detection of defects and the condition of liners in polymer-lined pipes and equipment
US6563307B2 (en) * 2001-08-03 2003-05-13 General Electric Company Eddy current inspection probe
JP2003344360A (ja) * 2002-05-23 2003-12-03 Central Res Inst Of Electric Power Ind 3次元形状物検査装置
US6952094B1 (en) * 2004-12-22 2005-10-04 General Electric Company Nondestructive inspection method and system therefor
FR2915581B1 (fr) * 2007-04-27 2010-09-03 Snecma Dispositif de controle par courants de foucault d'une cavite rectiligne
FR2921158B1 (fr) * 2007-09-19 2011-05-06 Snecma Dispositif de controle des alveoles tangentielles d'un disque de rotor
US7888932B2 (en) * 2007-11-05 2011-02-15 General Electric Company Surface flaw detection system to facilitate nondestructive inspection of a component and methods of assembling the same
FR2931242B1 (fr) * 2008-05-14 2010-06-11 Snecma Sonde destinee au controle par courants de foucault de la surface d'une alveole circonferentielle d'un disque de turboreacteur
US20120043962A1 (en) * 2010-08-20 2012-02-23 Changting Wang Method and apparatus for eddy current inspection of case-hardended metal components
JP5138014B2 (ja) * 2010-09-21 2013-02-06 中国電力株式会社 非破壊検査装置、非破壊検査方法
US8661170B2 (en) * 2010-11-23 2014-02-25 Olympus Corporation Nondestructive testing system

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014130021A (ja) 2014-07-10
US20140184215A1 (en) 2014-07-03
US9170235B2 (en) 2015-10-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6121711B2 (ja) 渦電流探傷装置および渦電流探傷方法
JP2007315918A5 (ja)
JP2006226884A (ja) 渦電流探傷プローブ及び渦電流探傷装置
CN103196411B (zh) 扫描型探针显微镜的探针形状测定方法
KR20190024986A (ko) 정적 및 주기적인 테스트를 받는 대상물의 결함을 인시츄 3축 스캐닝 및 검출하기 위한 통합 시스템 및 방법
TW201522986A (zh) 電性檢測機台
JP4835995B2 (ja) 漏洩磁束探傷法及び漏洩磁束探傷装置
JP5268548B2 (ja) 帯状体の非接触加振装置、これを用いた張力測定装置、及び張力測定方法
CA2833655C (en) Eddy current testing apparatus, eddy current testing probe, and eddy current testing method
JP2016070662A (ja) 表面粗さ測定機
KR101019574B1 (ko) 발전기 공극감시장치
JP6309810B2 (ja) コンクリート振動付与時機判定装置、コンクリート振動付与時機判定方法、コンクリート振動付与装置およびコンクリート振動付与方法
JP6651352B2 (ja) 測定装置
JP5964642B2 (ja) 鉄筋端部測定装置及び鉄筋端部測定方法
JP2005201778A (ja) 渦流探傷装置及び渦流探傷装置のノイズ除去方法
TW201727255A (zh) 磁場分佈感測系統
JP5228833B2 (ja) 形状測定装置
JP6341693B2 (ja) 基板保持装置および基板検査装置
JP2010216965A (ja) 挙動測定装置及び挙動測定方法
US10605777B2 (en) Method for inspecting electroconductive composite material and device for inspecting electroconductive composite material
KR102635266B1 (ko) 모터용 자석 누락 검사장치
JP4084755B2 (ja) 渦流探傷装置用治具
JP2014052273A (ja) 端度器比較測定機及び端度器比較測定方法
JP2014021033A (ja) 密着力測定器及び密着力測定方法
WO2022190753A1 (ja) 検査装置及び検査方法

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20140828

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150710

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160705

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160901

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170307

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170330

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6121711

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250