JP6116820B2 - 建物の柱設置構造 - Google Patents

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Description

本発明は、建物の柱設置構造に関する。
ユニット式建物は、基礎上に複数の建物ユニットが並べられ、それら建物ユニット同士が互いに連結されることにより構築されている(例えば特許文献1参照)。建物ユニットは、梁及び柱を有して直方体状に形成され、例えば各柱がそれぞれ基礎上に載置されることで設置されている。
建物ユニットの柱は基礎上にセッティングプレートを介して設置される場合がある。セッティングプレートは、柱を基礎上において所定の位置に設置する等の目的で用いられるものであり、例えば矩形平板状の鋼板よりなる。セッティングプレートは、基礎上において各柱の設置箇所にそれぞれ配設され、その配設された各セッティングプレート上にそれぞれ柱が設置される。
特開平6−42052号公報
ところで、地震や強風等により建物に外力が加わる場合には、基礎上において建物ユニットの各柱が左右に傾きながら横揺れすることが考えられる。ここで、基礎上に建物ユニットの柱がセッティングプレートを介して設置される上述の構成において、柱が基礎上すなわちセッティングプレート上で基礎の厚み方向(以下、基礎厚み方向という)に横揺れする場合には、セッティングプレートが基礎上で柱の揺れに追従しながら左右に傾く(ばたつく)ことが考えられる。その場合、セッティングプレートが基礎の天端に対して斜めに傾いたときに、セッティングプレートの端部が基礎の天端に線接触して基礎天端に局所的に過大な荷重が加わるおそれがある。そのため、基礎の天端側において亀裂や剥落等の破損が生じることが懸念される。特に、セッティングプレートが上記のように傾く際にはその端部が基礎天端において耐荷重性の面で劣る基礎厚み方向の端縁側に線接触することとなるため、このような破損が生じることは十分想定されうる。
そこで、セッティングプレートを基礎の厚みよりも大きい幅で形成して、同プレートを基礎上においてその端部側を基礎天端から基礎厚み方向にはみ出させて設けることが考えられる。そうすれば、セッティングプレートが傾いたときに、プレート端部が基礎天端に線接触するのを回避することができる。しかしながら、この場合にもセッティングプレートが傾いたときに、同プレートが基礎天端における側面との隅角部上に載って基礎天端に対し線接触の状態になることが想定される。このため、かかる場合にも、基礎天端に局所的な荷重が加わって基礎に破損が生じるおそれがある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、地震等により基礎上で柱が横揺れする場合において基礎に破損が生じるのを抑制することができる建物の柱設置構造を提供することを主たる目的とするものである。
上記課題を解決すべく、第1の発明の建物の柱設置構造は、基礎上に建物の柱が柱設置プレートを介して設置されている建物の柱設置構造であって、前記柱設置プレートは、下面が前記基礎の天端上に載置され、上面に前記柱の下端部が載置された載置板部と、前記載置板部から下方に延び、前記基礎の側面側に当接することで当該柱設置プレートが前記基礎の天端に対して傾くのを規制する傾き規制部と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、柱設置プレートに設けられた傾き規制部が基礎の側面側に当接することで、同プレートが基礎の天端に対して斜めに傾くことが規制されている。したがって、地震等により建物に外力が加わることで、基礎上に柱設置プレートを介して設置された柱が基礎の側面と直交する方向(以下、側面直交方向という)に左右に横揺れする場合には、柱設置プレートにおいて傾き規制部による傾き規制作用が生じて、同プレートが基礎上で柱の揺れに追従して左右に傾く(ばたつく)ことが抑制される。これにより、柱設置プレートが基礎天端に線接触するのを抑制することができ、ひいては基礎天端に局所的に過大な荷重が加わるのを抑制することができる。よって、基礎上で柱が横揺れする場合において基礎に破損が生じるのを抑制することができる。
また、傾き規制部が基礎の側面(以下、規制側面という)側に当接することで柱設置プレートが基礎天端に対して傾くことが規制される上記の構成では、柱設置プレート(載置板部)が基礎天端に対して側面直交方向において規制側面側に下方傾斜する向きに傾くことが規制される。そのため、柱の横揺れ時に基礎天端における規制側面側の端縁部に柱設置プレートが線接触するのを顕著に抑制することができ、ひいては当該端縁部に局所的に過大な荷重が加わるのを顕著に抑制することができる。したがって、基礎天端において特に規制側面側の端縁部で破損が生じるのを確実に抑制することができる。
ここで、柱設置プレートには、基礎(詳しくは布基礎)の両側面側にそれぞれ当接する一対の傾き規制部を設けるのが望ましい。そうすれば、柱設置プレートが基礎天端に対して側面直交方向(換言すると布基礎の厚み方向)においていずれの側に傾くことも規制されるため、柱の横揺れ時に柱設置プレートが基礎上で柱の揺れに追従して傾くのを抑制する効果を高めることができる。これにより、基礎の破損をより一層抑制することができる。
第2の発明の建物の柱設置構造は、第1の発明において、平面視において互いに直交する方向に延びる2つの前記基礎がL字状に交差する交差部上に前記柱が前記柱設置プレートを介して設置されており、前記柱設置プレートは、前記傾き規制部として、前記交差する各基礎において出隅を形成するコーナ外側の各側面側にそれぞれ当接する一対の外側傾き規制部を有していることを特徴とする。
本発明によれば、2つの基礎がL字状に交差する交差部上に柱が柱設置プレートを介して設置されており、同設置プレートには、各基礎におけるコーナ外側の各側面側にそれぞれ当接する一対の外側傾き規制部が設けられている。この場合、柱が各基礎の側面直交方向のうちいずれの方向に横揺れする場合でも、柱設置プレートには傾き規制部による傾き規制作用が生じる。したがって、基礎の交差部上で柱が上記いずれの方向に横揺れする場合でも基礎の破損を抑制することができる。
また、傾き規制部が基礎におけるコーナ外側の側面側に当接することで基礎天端に対する柱設置プレートの傾きを規制する上記の構成では、柱設置プレート(載置板部)が基礎天端に対してコーナ外側に向けて下方傾斜する向きに傾くことが規制される。この場合、柱の横揺れ時に柱設置プレートが基礎天端においてコーナ外側の端縁部に線接触するのを顕著に抑制することができ、ひいては同端縁部に局所的に過大な荷重が加わるのを顕著に抑制することができる。そのため、基礎天端におけるコーナ外側(端縁部)の角部となる出隅部分に過大な荷重が加わるのを顕著に抑制することができる。その結果、基礎天端部分の中でも耐荷重性の点で劣る出隅部分の破損を好適に抑制することができる。
第3の発明の建物の柱設置構造は、第2の発明において、前記交差する各基礎において互いに交差していない直線状の部分は直線部であり、前記載置板部は、前記交差部上に配置され前記柱が載置された柱載置部と、その柱載置部から前記各基礎の前記直線部上に延出した一対の延出部とを有しており、前記柱設置プレートは、前記傾き規制部として、前記各延出部からそれぞれ下方に延びるとともに、前記交差する各基礎において入隅を形成するコーナ内側の各側面側にそれぞれ当接する一対の内側傾き規制部をさらに有していることを特徴とする。
本発明によれば、柱設置プレートに、交差する各基礎におけるコーナ内側の各側面側にそれぞれ当接する一対の内側傾き規制部がさらに設けられている。この場合、柱設置プレートが、基礎天端に対して各基礎の側面直交方向(互いに直交する二方向)のそれぞれの方向においていずれの側に傾くことも規制されるため、柱が上記二方向のうちいずれの方向に横揺れした場合でも、柱設置プレートが基礎上で柱の揺れに追従して傾くのを抑制する効果を高めることができる。
第4の発明の建物の柱設置構造は、第1乃至第3のいずれかの発明において、前記基礎の上方には、前記柱から当該基礎に沿って延びる床梁が設けられ、前記床梁は、少なくとも前記柱付近において、前記基礎の内部に下部が埋設されたアンカーボルトにより当該基礎に固定され、前記柱付近のアンカーボルトに前記基礎からの引き抜き力が生じることで当該基礎におけるアンカーボルト周りに円錐状の破壊が生じる際、その破壊が生じる円錐状部分をコーン状破壊部と定義した場合、前記載置板部は、そのコーン状破壊部を上方から覆うように形成されており、かつ当該アンカーボルトを挿通させるボルト挿通部を有していることを特徴とする。
一般に基礎上で柱から当該基礎に沿って設けられる床梁はアンカーボルトにより基礎に固定される。ここでこのような構成にあって、地震等により建物に外力が加わることで基礎上において建物(ひいては床梁)が横揺れする場合には、アンカーボルトに基礎からの引き抜き力が発生し、その引き抜き力によって基礎の一部に破壊が生じるおそれがある。より具体的には、基礎におけるアンカーボルト周りに円錐状の破壊が生じるおそれがある。そこで本発明ではこの点に鑑みて、柱付近に設けられたアンカーボルトの引き抜きに伴って、基礎において上記円錐状の破壊が生じうる円錐状部分(コーン状破壊部)を柱設置プレートの載置板部により上方から覆うようにしている。この場合、コーン状破壊部を載置板部により柱(ひいては建物)の荷重で上方から押さえ付けることができるため、アンカーボルトの引き抜きに対する抵抗力を付与することができる。これにより、アンカーボルトの引き抜きに伴う基礎の破損を抑制することができる。
また、アンカーボルトは載置板部のボルト挿通部に挿通されているため、載置板部がアンカーボルトと干渉するのを回避しつつ、当該載置板部によりコーン状破壊部の大部分(例えば全体)を覆うことができる。これにより、コーン状破壊部の大部分を載置板部により上方から押さえ付けることができるため、アンカーボルトの引き抜きに対して十分な抵抗力を付与することができる。
第5の発明の建物の柱設置構造は、第1乃至第4のいずれかの発明において、前記基礎は前記建物の外周部に沿って設けられた外周基礎であり、その外周基礎上に前記柱が前記柱設置プレートを介して設置されており、前記柱設置プレートは、前記傾き規制部として、前記外周基礎における屋外側の側面側に当接する屋外側傾き規制部を有しており、その屋外側傾き規制部を屋外側から覆うようにプレート断熱材が設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、柱設置プレートの屋外側傾き規制部がプレート断熱材によって屋外側から覆われているため、傾き規制部が外周基礎よりも屋外側に配置される構成にあって柱設置プレートが屋外の熱の影響を受けるのを抑制することができる。その結果、同プレートが熱橋(ヒートブリッジ)となるのを抑制することができる。
第6の発明の建物の柱設置構造は、第5の発明において、前記外周基礎の屋外側側面と前記屋外側傾き規制部との間の隙間に前記プレート断熱材の端部が入り込んでいることを特徴とする。
本発明によれば、柱設置プレートの屋外側傾き規制部と外周基礎の屋外側側面との隙間にプレート断熱材の端部が入り込んでいるため、屋外側傾き規制部による柱設置プレートの傾き規制がなされる際、当該傾き規制部が外周基礎の屋外側側面に直に当接することがなく、外周基礎又は屋外側傾き規制部に破損が生じるのを抑制することができる。
第7の発明の建物の柱設置構造は、第5又は第6の発明において、前記プレート断熱材は、その屋外側で建物外周部に沿って設けられる水切部材に取り付けられていることを特徴とする。
本発明によれば、製造工場で予め水切部材の裏面(屋内側面)にプレート断熱材を取り付けておくことにより、施工の際、水切部材を建物側に取り付けると同時にプレート断熱材を設置することができる。これにより、プレート断熱材の設置作業を容易とすることができる。
第1の実施形態において基礎上にセッティングプレートが設置された構成を示しており、(a)が同構成を示す平面図、(b)が(a)のA−A線断面図である。 基礎上に柱がセッティングプレートを介して設置される設置構成を示す斜視図。 基礎上に柱がセッティングプレートを介して設置された設置構成を示す断面図。 建物ユニットを示す斜視図。 基礎上に建物ユニットが設置された状態を示す斜視図。 第2の実施形態において基礎上に柱がセッティングプレートを介して設置された設置構成を示す断面図。
〔第1の実施形態〕
以下に、本発明を具体化した一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、建物としてユニット式建物について具体化している。ユニット式建物は複数の建物ユニットを互いに連結することにより構成される建物である。そこでまず、建物ユニットの構成を図4を用いながら説明する。図4は建物ユニットを示す斜視図である。
図4に示すように、建物ユニット20は、その四隅に配設される4本の柱21と、各柱21の上端部及び下端部をそれぞれ連結する各4本の天井大梁22及び床大梁23とを備えている。そして、それら柱21、天井大梁22及び床大梁23により直方体状の骨格(フレーム)が形成されている。柱21は四角筒状の角形鋼よりなる。天井大梁22及び床大梁23は断面コ字状の溝形鋼よりなり、その開口部が向き合うようにして設置されている。
建物ユニット20の長辺部の相対する天井大梁22の間には、所定間隔で複数の天井小梁25が架け渡されている。同じく建物ユニット20の長辺部の相対する床大梁23の間には、所定間隔で複数の床小梁26が架け渡されている。天井小梁25と床小梁26とはそれぞれ同間隔でかつ各々上下に対応する位置に設けられている。例えば、天井小梁25はリップ溝形鋼よりなり、床小梁26は角形鋼よりなる。天井小梁25によって天井面材27が支持され、床小梁26によって床面材28が支持されている。また、建物ユニット20の側面には、外壁パネル55(図3及び図5参照)や内壁パネル(図示略)が設けられている。
次に、ユニット式建物としての建物10について、図5を用いながら説明する。図5は、基礎11,12上に建物ユニット20が設置された状態を示す斜視図である。なお図5では便宜上、紙面手前側の建物ユニット20の図示を省略している。
図5に示すように、基礎11,12上には複数の建物ユニット20が並べて設置されており、それら各建物ユニット20が互いに連結されることによりユニット式の建物10が構築されている。基礎11,12には、建物10の外周部に沿って設けられた外周基礎11と、外周基礎11により囲まれた内側空間(以下、この内側空間を床下空間15という)に設けられた柱受け基礎12とがある。外周基礎11は鉄筋コンクリート造の布基礎よりなり、床下地盤の内部に埋設されたフーチング部(図示略)と、そのフーチング部から上方に立ち上がる立ち上がり部11aとを有する。
柱受け基礎12は、鉄筋コンクリート造の独立基礎よりなり、床下地盤の内部に埋設されたフーチング部(図示略)と、そのフーチング部から上方に立ち上がる四角柱状の立ち上がり部12aとを有する。柱受け基礎12は、建物ユニット20の柱21の設置位置に対応して複数箇所に配置されている。
建物ユニット20は、各柱21をそれぞれ基礎11,12上に載置した状態で設置されている。具体的には、建物ユニット20の各柱21のうち建物外周部に配置される柱21は外周基礎11上に設置され、屋内側に配置される柱21は柱受け基礎12上に設置されている。
建物ユニット20の各柱21はそれぞれセッティングプレート30,31を介して基礎11,12上に設置されている。ここで、セッティングプレート30,31が柱設置プレートに相当する。セッティングプレート30,31は全体として平板状をなす鋼板よりなる。セッティングプレート30,31は基礎11,12上において各柱21の設置箇所にそれぞれ載置されており、それら載置された各セッティングプレート30,31上にそれぞれ建物ユニット20の柱21が立設されている。
なお、セッティングプレート30,31は基礎11,12に対してボルト等の締結具や固定金具を用いて固定されておらず、柱21に対してもボルト等の締結具や固定金具を用いて固定されてはいない。また、柱21は、基礎11,12上にセッティングプレート30,31を介して載置されているだけで、アンカーボルト等を用いて基礎11,12に固定されてはいない。
ところで、本実施形態では、各セッティングプレート30,31のうち、建物10の出隅部に対応する位置に立設された柱21のセッティングプレート30に関して特徴的な構成を有している。以下、かかるセッティングプレート30の特徴的構成について図1乃至図3に基づいて説明する。なお、図1において(a)が基礎11上にセッティングプレート30が設置された構成を示す平面図であり、(b)が(a)のA−A線断面図である。図2は基礎11上に柱21がセッティングプレート30を介して設置される設置構成を示す斜視図であり、図3は同構成を示す断面図である。また、図2では基礎11上から建物ユニット20を離間させた状態を示している。
図1乃至図3に示すように、建物10の出隅部では平面視で互いに直交する方向に延びる2つの外周基礎11がL字状に交差しており、それら各外周基礎11が交差する交差部17上に建物ユニット20の柱21がセッティングプレート30を介して設置されている。以下の説明では、交差部17で交差しあう各外周基礎11の符号にそれぞれA及びBを付す。また、これら各外周基礎11A,11Bにおいて交差部17とは異なる部分、すなわち外周基礎11A,11B同士が交差していない直線状の部分を直線部18(換言すると非交差部)という。外周基礎11Aの直線部18の符号にはAを付し、外周基礎11Bの直線部18の符号にはBを付す。
セッティングプレート30は、各外周基礎11A,11Bの天端11b上に跨がって載置された載置板部33と、その載置板部33から各外周基礎11A,11B(詳しくは立ち上がり部11a)の側面に沿って下方に突出する複数の爪部34,35とを備える。載置板部33と各爪部34,35とはそれぞれ鋼板よりなり、載置板部33に各爪部34,35が溶接により接合されることでセッティングプレート30が形成されている。
載置板部33は、各外周基礎11A,11Bの交差部17上に配置された柱載置部36と、柱載置部36から各外周基礎11A,11Bの直線部18A,18B上にそれぞれ延出した一対の延出部37とを有する。柱載置部36は、交差部17と略同じ大きさ(平面視縦横寸法)を有する矩形形状(詳しくは正方形状)をなしており、その柱載置部36上に柱21の下端部が載置されている。より詳しくは、柱21の下端部には平板状のエンドプレート47が固定されており、そのエンドプレート47が柱載置部36上に載置されている。
各延出部37はそれぞれ柱載置部36における隣り合う二辺からそれぞれ延出しており、延出部37aが外周基礎11Aの直線部18A上に配置され、延出部37bが外周基礎11Bの直線部18B上に配置されている。詳しくは、各延出部37a,37bはそれぞれ柱載置部36の上記隣り合う各辺の長さ方向全域から延出している。このため、載置板部33は、平面視において各外周基礎11A,11Bに沿ったL字状をなしている。また、延出部37aは直線部18A上において当該直線部18Aの厚み方向全域に跨がるように設けられ、延出部37bは直線部18B上において当該直線部18Bの厚み方向全域に跨がるように設けられている。
爪部34,35としては、載置板部33から各外周基礎11A,11Bの屋外側側面39に沿ってそれぞれ下方に延びる一対の外側爪部34と、載置板部33から各外周基礎11A,11Bの屋内側側面40(床下空間15側の側面)に沿ってそれぞれ下方に延びる一対の内側爪部35とを有している。この場合、外側爪部34が外側傾き規制部及び屋外側傾き規制部に相当し、内側爪部35が内側傾き規制部に相当する。
なお、以下の説明では便宜上、外周基礎11Aの屋外側側面39(以下、外側面39という)及び屋内側側面40(以下、内側面40という)の符号にそれぞれAを付し、外周基礎11Bの外側面39及び内側面40の符号にそれぞれBを付す。また、各外側面39A,39Bがそれぞれ「出隅を形成するコーナ外側の各側面」に相当し、各内側面40A,40Bがそれぞれ「入隅を形成するコーナ内側の各側面」に相当する。なお図1中、符号45が各外側面39A,39Bの間に形成された出隅であり、符号46が各内側面40A,40Bの間に形成された入隅である。
各外側爪部34は、載置板部33において屋外側(L字コーナ外側)で直角をなして隣り合う2つの端辺部からそれぞれ下方に延びている。各外側爪部34のうち一方の外側爪部34aは外周基礎11Aの外側面39Aに対向配置され、当該外側面39Aに当接している。他方の外側爪部34bは外周基礎11Bの外側面39Bに対向配置され、当該外側面39Bに当接している。また、各外側爪部34a,34bはそれぞれ上記端辺部の長さ方向全域に亘って形成されており、互いの端部同士が溶接により接合されている。
一方、各内側爪部35は、載置板部33において屋内側(L字コーナ内側)で直角をなして隣り合う2つの端辺部からそれぞれ下方に延びている。各内側爪部35のうち一方の内側爪部35aは外周基礎11A(詳しくは直線部18A)の内側面40Aに対向配置され、当該内側面40Aに当接している。他方の内側爪部35bは外周基礎11B(詳しくは直線部18A)の内側面40Bに対向配置され、当該内側面40Bに当接している。また、各内側爪部35a,35bはそれぞれ上記端辺部の長さ方向全域に亘って形成され、互いの端部同士が溶接により接合されている。
以上のように、本セッティングプレート30は、載置板部33が外周基礎11A,11B上に載置された状態において、外側爪部34aと内側爪部35aとが外周基礎11Aの厚み方向において当該基礎11Aを挟んだ両側に配置され、外側爪部34bと内側爪部35bとが外周基礎11Bの厚み方向において当該基礎11Bを挟んだ両側に配置されている。
外周基礎11A,11B上(詳しくは交差部17上)にセッティングプレート30を介して設置された柱21には互いに直交する方向へ延びる2つの床大梁23が固定されている。これら各床大梁23のうち一方は外周基礎11A上において当該基礎11Aに沿って設けられ、他方は外周基礎11B上において当該基礎11Bに沿って設けられている。
各床大梁23はそれぞれ外周基礎11A,11Bに対してアンカーボルト41を介して固定されている。本実施形態では、各床大梁23が少なくとも柱21付近(換言すると当該床大梁23における柱21側の端部側)でアンカーボルト41により固定されている。図2及び図3にはかかる柱21付近のアンカーボルト41が示されている。
図2及び図3に示すように、アンカーボルト41は、床大梁23に対して当該床大梁23から下方に突出した状態で固定されている。アンカーボルト41は、その突出した下部が外周基礎11の立ち上がり部11aに埋設されたアンカーホール(図示略)内に挿入されている。アンカーホールは、外周基礎11の天端11bにて上方に開口されたシース管よりなる。アンカーボルト41は、アンカーホールに挿入された状態で同ホール内にモルタル等の充填剤が充填され固化されることにより外周基礎11に固定されている。
上記のような構成において、地震等により建物10に外力が加わることで外周基礎11上の建物ユニット20(ひいては床大梁23)が横揺れした場合には、それに伴い床大梁23を外周基礎11に固定しているアンカーボルト41に外周基礎11からの引き抜き力が発生することが考えられる。その場合、その引き抜き力によって外周基礎11の一部に破壊が生じるおそれがあり、詳しくは外周基礎11においてアンカーボルト41周りに円錐状の破壊が生じるおそれがある。
図3には、柱21付近のアンカーボルト41に引き抜き力が生じて外周基礎11に円錐状の破壊が生じる場合の、その破壊が生じる円錐状の部分(以下、コーン状破壊部50という)が示されている。同図ではコーン状破壊部50の外周面(以下、コーン状破壊面51という)が二点鎖線で示されている。コーン状破壊部50は、外周基礎11においてアンカーボルト41の下端部を頂点として、上方に向かって拡がる円錐形状をなしている。コーン状破壊部50の側面であるコーン状破壊面51は水平方向(換言すると鉛直方向)に対して45°で傾斜する曲面とされている。
図1には、コーン状破壊面51を外周基礎11A,11Bの天端11bに投影させた投影領域(以下、コーン投影領域52という)が二点鎖線で示されている。コーン投影領域52は、平面視においてアンカーボルト41(換言するとアンカーホール)を中心とした円形状をなしている。同図では、柱21に連結された各床大梁23のアンカーボルト41に対応する2つのコーン投影領域52が図示されており、これら各コーン投影領域52はそれぞれ各外周基礎11A,11Bにおいて交差部17と直線部18A,18Bとに跨がって拡がっている。なお、コーン投影領域52の面積は有効水平投影面積に相当する。
ここで、本セッティングプレート30では、上記各コーン投影領域52をそれぞれ上方から覆うように載置板部33を形成しており、これによって載置板部33により各コーン状破壊部50を当該板部33の上に設置された柱21(ひいては建物ユニット20)の荷重で上方から押さえ付けるようにしている。以下、かかる載置板部33の構成について説明する。
載置板部33は、各コーン投影領域52の全体をそれぞれ覆うように形成されている。各コーン投影領域52はそれぞれ当該領域52の一部が柱載置部36により覆われ、残りの部分が延出部37a,37bにより覆われている。つまり、この場合、柱載置部36から延出した各延出部37a,37bの延出長さは載置板部33によりコーン投影領域52全体を覆うことを可能とする長さ寸法に設定されている。
載置板部33には、アンカーボルト41を挿通させる一対の挿通孔部43が形成されている。ここで、挿通孔部43がボルト挿通部に相当する。挿通孔部43は、アンカーボルト41の外径よりも大きい孔径を有する円形状の貫通孔である。アンカーボルト41はこの挿通孔部43に挿通されており、その挿通状態において載置板部33における挿通孔部43の内周面に非接触の状態とされている。
なお、アンカーボルト41を挿通させるボルト挿通部は必ずしも孔形状(挿通孔部43)とする必要はなく、載置板部33を厚み方向に貫通する切り欠き状としてもよい。
図3に示されたその他の構成について説明すると、床大梁23の屋外側面には外壁パネル55が固定されている。外壁パネル55は、外壁面を形成する外壁面材56と、その裏面側に固定された外壁フレーム57とを備える。外壁面材56は窯業系サイディングにより構成され、外壁フレーム57は断面コ字状の軽量鉄骨材からなる複数のフレーム材が矩形枠状に連結されることで構成されている。
外壁フレーム57を構成する各フレーム材のうち、外壁面材56の下端部に沿って設けられた横フレーム材57aは床大梁23のウェブ23aの屋外側面にボルト等で固定されている。また、図示は省略するが、外壁面材56の上端部に沿って設けられた横フレーム材も、これと同様に天井大梁22のウェブに固定されている。これにより、外壁パネル55が各大梁22,23に固定され、ひいては建物ユニット20に固定されている。
外壁面材56の下方には水切部材58が設けられている。水切部材58は、外壁面材56の表面(外壁面)に沿って流下する水を外周基礎11よりも屋外側に導くものであり、外壁面材56の横幅方向に沿った長尺状をなしている。水切部材58は、横フレーム材57aにおいて外壁面材56よりも下方にはみ出したはみ出し部59にビスにより取り付けられている。水切部材58は、上下に延びる水切板部58aを有しており、その水切板部58aによってセッティングプレート30,31が屋外側から覆い隠されている。
次に、セッティングプレート30の作用について説明する。
上述したようにセッティングプレート30は、載置板部33が外周基礎11A,11B上に載置された状態において、外側爪部34aが外周基礎11Aの外側面39Aに当接され、かつ内側爪部35aが外周基礎11Aの内側面40Aに当接されているため、基礎11A,11Bの天端11bに対して外周基礎11Aの厚み方向(以下、これをX方向という)においていずれの側に傾くことも規制されている。また、セッティングプレート30は、載置板部33が外周基礎11A,11B上に載置された状態において、外側爪部34bが外周基礎11Bの外側面39Bに当接され、かつ内側爪部35bが外周基礎11Bの内側面40Bに当接されているため、基礎11A,11Bの天端11bに対して外周基礎11Bの厚み方向(以下、これをY方向という)においていずれの側に傾くことも規制されている。
ここで、地震等により建物10に外力が加わることにより、外周基礎11A,11Bの交差部17上(セッティングプレート30上)で柱21が横揺れする場合には、セッティングプレート30において爪部34,35による上記傾き規制が作用する。例えば柱21が交差部17上でX方向に横揺れする場合には、セッティングプレート30において爪部34a,35aによる傾き規制が作用し、同プレート30が外周基礎11A,11B上で柱21の揺れに追従して左右に傾く(ばたつく)ことが抑制される。詳しくは、同プレート30(載置板部33)がX方向において基礎天端11bに対して左右に傾くことが抑制される。
また、柱21が交差部17上でY方向に横揺れする場合には、セッティングプレート30において爪部34b,35bによる傾き規制が作用し、同プレート30が外周基礎11A,11B上で柱21の揺れに追従して左右に傾く(ばたつく)ことが抑制される。詳しくは、同プレート30(載置板部33)がY方向において基礎天端11bに対して左右に傾くことが抑制される。したがって、柱21が交差部17上でX方向及びY方向のいずれの方向に横揺れした場合でも、セッティングプレート30(載置板部33)が基礎天端11bに対して線接触するのを抑制することができ、ひいては基礎天端11bに対して局所的に過大な荷重が加わるのを抑制することができる。これにより、柱21が交差部17上でX方向及びY方向のいずれの方向に横揺れする場合でも、外周基礎11A,11Bに破損が生じるのを抑制することができる。
以上、詳述した本実施形態の構成によれば、以下の優れた効果が得られる。
セッティングプレート30に、外周基礎11A,11Bの各外側面39A,39Bにそれぞれ当接することで同プレート30が基礎天端11bに対して傾くのを規制する一対の爪部34a,34bを設けた。この場合、セッティングプレート30がX方向及びY方向の各方向において基礎天端11bに対してコーナ外側(屋外側)に向けて下方傾斜する向きに傾くことが規制される。したがって、柱21の横揺れ時にセッティングプレート30が各外周基礎11A,11Bの基礎天端11bにおいてコーナ外側(外側面39A,39B側)の端縁部に線接触するのを顕著に抑制することができ、ひいては同端縁部に局所的に過大な荷重が加わるのを顕著に抑制することができる。そのため、基礎天端11bにおけるコーナ外側の角部、すなわち基礎天端11bの出隅部分に過大な荷重が加わるのを顕著に抑制することができ、その結果基礎天端11b部分の中でも耐荷重性の点で劣る出隅部分の破損を好適に抑制することができる。
また、セッティングプレート30に、外周基礎11A,11Bの各内側面40A,40Bにそれぞれ当接することで同プレート30が基礎天端11bに対して傾くのを規制する一対の爪部35a,35bをさらに設けたため、同プレート30が基礎天端11bに対してX方向及びY方向の各方向においていずれの側に傾くことも規制される。そのため、柱21が上記各方向のうちいずれの方向に横揺れした場合でも、セッティングプレート30が外周基礎11A,11B上で柱21の揺れに追従して傾くのを抑制する効果を高めることができ、その結果外周基礎11A,11Bの破損をより一層抑制することができる。
セッティングプレート30に、外周基礎11A,11Bの側面39,40に当接する爪部34,35を設けたことで、外周基礎11A,11B上で柱21が横揺れした際にセッティングプレート30が基礎11A,11B上で位置ずれしたり基礎11A,11B上から脱落したりするのを抑制することができる。
また、セッティングプレート30に爪部34,35を設けたことで、従来の平板状のセッティングプレートと比べてセッティングプレート30の剛性を高めることができる。これにより、柱21が横揺れしてセッティングプレート30に柱21から荷重が加わった場合に同プレート30が変形するのを抑制することができる。
セッティングプレート30に外周基礎11A,11Bの側面39,40に当接する爪部34,35を設けたため、セッティングプレート30を外周基礎11A,11B上に設置する際には爪部34,35を側面39,40に当接させて同プレート30を位置決めすることができる。これにより、セッティングプレート30を外周基礎11A,11B上に設置する作業を容易とすることができる。
載置板部33を、コーン状破壊部50を上方から覆うように形成したため、コーン状破壊部50を載置板部33により柱21(ひいては建物ユニット20)の荷重で上方から押さえ付けることができる。この場合、柱21付近のアンカーボルト41の引き抜きに対する抵抗力を付与することができ、その結果当該アンカーボルト41の引き抜きに伴う外周基礎11A,11B(コーン状破壊部50)の破損を抑制することができる。
より具体的には、載置板部33を、コーン状破壊部50全体を上方から覆うように形成したため、コーン状破壊部50全体を載置板部33により上方から押さえ付けることができる。そのため、アンカーボルト41の引き抜きに対して十分な抵抗力を付与することができる。また、アンカーボルト41を、載置板部33に形成された挿通孔部43に挿通させたため、アンカーボルト41が載置板部33に干渉するのを回避しつつ、かかる効果を得ることができる。
〔第2の実施形態〕
本実施形態では、セッティングプレート30が熱橋(ヒートブリッジ)となるのを抑制すべく、同プレート30の外側爪部34を屋外側から覆うプレート断熱材を設けている。以下、かかる本実施形態の構成について第1の実施形態との相違点を中心に説明する。なお、図6は外周基礎11上に柱21がセッティングプレート30を介して設置された設置構成を示す断面図である。
図6に示す水切部材70は、第1の実施形態における水切部材58とはその構成が相違しており、横フレーム材57aのはみ出し部59の屋外側面にビスにより取り付けられた取付板部70aと、取付板部70aの下端部から屋外側に向けて延びる上側横板部70bと、上側横板部70bの屋外側端部から下方に向けて延びる縦板部70cと、縦板部70cの下端部から屋内側(換言すると外周基礎11Aの外側面39A)に向けて延びる下側横板部70dとを有する。縦板部70cはセッティングプレート30の外側爪部34aに対して屋外側に配置され、下側横板部70dは外側爪部34aに対して下方に配置されている。
上側横板部70bと縦板部70cと下側横板部70dとによりコ字状に囲まれた内側空間71にはプレート断熱材73が配設されている。プレート断熱材73は、繊維系断熱材としてのグラスウールよりなり、水切部材70(例えば縦板部70c)の裏面に接着材により固定されている。プレート断熱材73は、セッティングプレート30の設置箇所に対応して配置されており、同プレート30の外側爪部34a全体を屋外側から覆うように設けられている。
プレート断熱材73は、内側空間71において上下方向全域に亘って設けられており、その上端部が外壁面材56の下端部付近に到達している。また、本実施形態では、セッティングプレート30の外側爪部34aが外周基礎11Aの外側面39Aと若干の隙間を隔てて配置され、プレート断熱材73の下端側が外側爪部34aの下端部と下側横板部70dとの間を通じて外側爪部34aと外側面39Aとの間の隙間に入り込んでいる。
なお、図示は省略するが、セッティングプレート30の外側爪部34bにもこれと同様に、当該爪部34bを屋外側から覆うようにプレート断熱材73が設けられ、同断熱材73が水切部材70の裏面に接着材により固定されている。
以上、詳述した本実施形態の構成によれば、以下の優れた効果が得られる。
セッティングプレート30の外側爪部34a,34bを屋外側から覆うようにしてプレート断熱材73を設けたため、外側爪部34a,34bが外周基礎11よりも屋外側に配置される構成にあってセッティングプレート30が屋外の熱の影響を受けることを抑制することができる。その結果、同プレート30が熱橋となるのを抑制することができる。
外周基礎11Aの外側面39Aと外側爪部34aとの隙間にプレート断熱材73の端部を入り込ませたため、外側爪部34aによるセッティングプレート30の傾き規制が行われる際に外側爪部34が外周基礎11Aの外側面39Aに直に当接することがなく、外周基礎11A又は外側爪部34aに破損が生じるのを抑制することができる。
プレート断熱材73を建物10の外周部に沿って設けられる水切部材70の裏面に取り付けた。この場合、製造工場で予め水切部材70の裏面にプレート断熱材73を取り付けておくことで、施工の際、水切部材70を横フレーム材57aに取り付けると同時にプレート断熱材73を設置することができる。これにより、プレート断熱材73の設置作業を容易とすることができる。
〔他の実施形態〕
本発明は上記実施形態に限らず、例えば次のように実施されてもよい。
(1)セッティングプレート30に、外側爪部34及び内側爪部35のうちいずれか一方だけを設けるようにしてもよい。この場合においても、柱21が外周基礎11A,11B上でX方向(外周基礎11Aの厚み方向)又はY方向(外周基礎11Bの厚み方向)に横揺れする場合には、セッティングプレート30において外側爪部34又は内側爪部35による傾き規制作用が生じるため、同プレート30が外周基礎11A,11B上で柱21の揺れに追従して傾くのを抑制することができる。そのため、外周基礎11A,11Bの破損を抑制することができる。また、セッティングプレート30に、爪部として外側爪部34だけを設けるようにした場合には、上記実施形態と同様、基礎天端11bにおける出隅部分の破損を好適に抑制することができる。
また、セッティングプレート30に、各外側爪部34a,34bのうちいずれか一方だけを設けるようにしてもよいし、各内側爪部35a,35bのうちいずれか一方だけを設けるようにしてもよい。この場合にも、柱21がX方向及びY方向のうちいずれかの方向に横揺れした場合には、セッティングプレート30において当該一方の爪部34a,34b,35a,35bによる傾き規制が作用するため、外周基礎11A,11Bの破損を抑制することができる。
(2)上記実施形態では、セッティングプレート30の載置板部33に一対の延出部37a,37bを設けたが、これを変更して、載置板部33にこれら各延出部37a,37bのうちいずれか一方又は両方を設けないようにしてもよい。例えば載置板部33に両延出部37a,37bを設けないようにする場合には、載置板部33が交差部17上にのみ配置される。そして載置板部33には、爪部として外側爪部34だけが設けられ、その外側爪部34によりセッティングプレート30の傾き規制が作用する。この場合、セッティングプレート30の小型化を図りながら、外周基礎11A,11Bの破損を抑制することができる。
(3)上記実施形態では、外周基礎11A,11Bにおいて交差部17上に設置される柱21のセッティングプレート30に爪部34,35を設けたが、これに代えて又は加えて、外周基礎11の直線部18上に設置される柱21のセッティングプレート31や、柱受け基礎12上に設置される柱21のセッティングプレート31に爪部(傾き規制部)を設けてもよい。例えば、直線部18上に設置される柱21のセッティングプレート31に爪部を設ける場合には、セッティングプレート31を、直線部18(天端11b)上に載置される載置板部と、載置板部の両端部から直線部18の両側面に沿ってそれぞれ下方に延びる一対の爪部とを有して構成することが考えられる。この場合、載置板部上に柱21が載置され、各爪部がそれぞれ直線部18の各側面に当接することでセッティングプレート31の傾き規制が行われる。したがって、セッティングプレート31上で柱21が直線部18の厚み方向に横揺れした場合には、セッティングプレート31において各爪部による傾き規制作用が生じ、同プレート31が直線部18上で柱21の揺れに追従して傾くことが抑制される。そのため、外周基礎11(直線部18)の破損を抑制することができる。
また、柱受け基礎12上の柱21のセッティングプレート31に爪部を設ける場合には、同プレート31を、柱受け基礎12上に載置される載置板部と、載置板部から柱受け基礎12(立ち上がり部12a)の側面に沿って下方に延びる爪部とを有して構成することが考えられる。この場合、載置板部上に柱21が載置され、爪部が柱受け基礎12の側面に当接することでセッティングプレート31の傾きが規制される。したがって、この場合にも、柱受け基礎12の破損を抑制することができる。
(4)上記実施形態では、セッティングプレート30の載置板部33を、各コーン投影領域52のそれぞれを覆うように形成したが、各コーン投影領域52のうちいずれか一方だけを覆うように形成してもよい。この場合、載置板部33が各延出部37a,37bのうちいずれか一方だけを有する構成となる。また、上記実施形態では、載置板部33を、コーン投影領域52全体を覆うように形成したが、コーン投影領域52の一部だけを覆うように形成してもよい。その場合でも、載置板部33によりコーン状破壊部50の一部が柱21の荷重で上方から押さえ付けられるため、アンカーボルト41の外周基礎11A,11Bからの引き抜き力に対して抵抗力を付与することができる。
(5)上記実施形態では、外周基礎11A,11B上でのセッティングプレート30の設置状態において、爪部34,35を外周基礎11A,11Bの側面39,40に当接させて配置したが、これを変更して、爪部34,35を側面39,40に近接させて配置してもよい。つまり、爪部34,35と側面39,40との間に若干の隙間を設けるようにしてもよい。この場合にも、爪部34,35が若干傾けば爪部34,35が側面39,40に当接して、セッティングプレート30の傾きが規制される。したがって、かかる場合にも外周基礎11A,11Bの破損を抑制することができる。
(6)上記実施形態では、ユニット式建物への適用例を説明したが、建物の柱が基礎上に柱設置プレートを介して設置される建物であれば、鉄骨軸組工法により構築される建物等、他の構造の建物にも本発明を適用できる。
10…建物、11…基礎としての外周基礎、12…基礎としての柱受け基礎、11b…天端、17…交差部、18…直線部、20…建物ユニット、21…柱、23…床梁としての床大梁、30…柱設置プレートとしてのセッティングプレート、33…載置板部、34a,34b…外側傾き規制部及び屋外側傾き規制部としての外側爪部、35a,35b…内側傾き規制部としての内側爪部、36…柱載置部、37a,37b…延出部、39…外側面、40…内側面、41…アンカーボルト、43…挿通部としての挿通孔部、50…コーン状破壊部、70…水切部材、73…プレート断熱材。

Claims (4)

  1. 基礎上に建物の柱が柱設置プレートを介して設置されている建物の柱設置構造であって、
    前記柱設置プレートは、
    下面が前記基礎の天端上に載置され、上面に前記柱の下端部が載置された載置板部と、
    前記載置板部から下方に延び、前記基礎の側面側に当接することで当該柱設置プレートが前記基礎の天端に対して傾くのを規制する傾き規制部と、
    を備え、
    前記基礎の上方には、前記柱から当該基礎に沿って延びる床梁が設けられ、
    前記床梁は、少なくとも前記柱付近において、前記基礎の内部に下部が埋設されたアンカーボルトにより当該基礎に固定され、
    前記柱付近のアンカーボルトに前記基礎からの引き抜き力が生じることで当該基礎におけるアンカーボルト周りに円錐状の破壊が生じる際、その破壊が生じる円錐状部分をコーン状破壊部と定義した場合、
    前記載置板部は、そのコーン状破壊部を上方から覆うように形成されており、かつ当該アンカーボルトを挿通させるボルト挿通部を有していることを特徴とする建物の柱設置構造。
  2. 建物の外周部に沿って設けられた外周基礎の上に前記建物の柱が柱設置プレートを介して設置されている建物の柱設置構造であって、
    前記柱設置プレートは、
    下面が前記外周基礎の天端上に載置され、上面に前記柱の下端部が載置された載置板部と、
    前記載置板部から下方に延び、前記外周基礎の側面側に当接することで当該柱設置プレートが前記外周基礎の天端に対して傾くのを規制する傾き規制部と、
    を備え、
    前記柱設置プレートは、前記傾き規制部として、前記外周基礎における屋外側の側面側に当接する屋外側傾き規制部を有しており、
    その屋外側傾き規制部を屋外側から覆うようにプレート断熱材が設けられていることを特徴とする建物の柱設置構造。
  3. 前記外周基礎の屋外側側面と前記屋外側傾き規制部との間の隙間には前記プレート断熱材の端部が入り込んでいることを特徴とする請求項に記載の建物の柱設置構造。
  4. 前記プレート断熱材は、その屋外側で建物外周部に沿って設けられる水切部材に取り付けられていることを特徴とする請求項又はに記載の建物の柱設置構造。
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