JP6113982B2 - 接着剤層を有する画像表示装置用ユニット及び該ユニットを用いた画像表示装置 - Google Patents
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Description
・高粘度で低弾性率の半固体状物質であり、圧力を加えることによって被着体と結合する
・結合後においても被着体から剥離することが可能である
・粘着剤の状態は結合の過程で変化しない
こうした性質を有する粘着剤は、広義の接着剤の一種であり、2つの被着体の間に介在して圧力を加えられることによって接着力を発現するため、感圧型接着剤とも呼ばれる。本明細書において粘着剤というときは、こうした感圧型接着剤を意味する。
・当初は流動性のある低粘度の液体であり、被着体に塗布されたときに被着体に十分に濡れることによって接触面積を大きくし、光の照射や加熱によって硬化することにより被着体と結合する
・光の照射量や加熱量の増加によって粘着状態を経て硬化に至る
・結合後においては被着体や接着剤層の凝集破壊を生じることなく両者を剥離することが不可能である
・接着剤の状態は結合の過程で不可逆的に変化する(液体から固体に変化する)
こうした性質を有する接着剤は、光や熱などのエネルギーを与えることによって硬化することにより接着力を発現するエネルギー硬化型接着剤であり、与えられるエネルギーの種類に応じて、例えば紫外線硬化型接着剤、熱硬化型接着剤などと呼ばれる。
[光学フィルム積層体]
図1は、本発明の一実施形態に係る、光学フィルム積層体10を含む画像表示装置用ユニット1の断面を示す模式図である。画像表示装置用ユニット1は、例えば液晶表示パネル又は有機EL表示パネルとすることができる画像表示装置用パネル30の一方の面に、光学的に透明な接着剤層20を介して光学フィルム積層体10が積層されたものである。光学フィルム積層体10は、偏光子12と、偏光子12の一方の面側に積層された偏光子保護機能層14と、偏光子12の他方の面すなわち偏光子保護機能層14とは反対の面側に積層された表面保護層16とを含む。光学フィルム積層体10は、偏光子保護機能層14の偏光子12が接する面とは反対側の面が、接着剤層20を介して画像表示装置用パネル30に積層されている。本発明に係る画像表示装置用ユニット1における光学フィルム積層体10の厚みは、120μm以下であり、100μm以下であることがより好ましい。画像表示装置は、この画像表示装置用ユニット1に、必要に応じてさらに光学フィルム積層体、他の光学機能フィルム、保護用フィルム、バックライトユニットなどの各種構成部材を設けて形成することができる。
画像表示装置用ユニット1又は2における画像表示装置用パネル30又は80は、液晶表示パネル、有機EL表示パネル、又はプラズマ表示パネルなどの画像表示装置用パネルとすることができる。接着剤層を介して光学フィルム積層体1又は2が積層される面は、画像表示装置用パネルのガラス若しくはプラスチックの基板又は前面保護板である。これらの光学フィルム積層体は、画像表示装置において画像表示、反射防止、色相調整などの機能を発揮させるために用いられる。
本発明に係る画像表示装置ユニット1又は2において、光学フィルム積層体1又は2と画像表示装置用パネル30又は80とを貼り合わせるための接着剤層20又は70は、アクリル系化合物、エポキシ系化合物、又はウレタン系化合物を含むエネルギー硬化型接着剤組成物を、可視光線、紫外線、X線、若しくは電子線などのエネルギー線の照射、又は加熱などによって硬化させたものであることが好ましいが、これらに限定されるものではない。硬化後の弾性率が所定の範囲内に入るものであれば、いずれの接着剤組成物を用いてもよい。
接着剤層20又は70は、弾性率が所定の範囲内にあるものが用いられる。弾性率の所定の範囲の下限は、光学フィルム積層体10又は50に含まれる層の各々、すなわち、偏光子、偏光子保護機能層、及び表面保護層のうち、弾性率が最も低い層の弾性率の1/50であることが好ましく、1/20であることがより好ましく、1/10であることが最も好ましい。弾性率の所定の範囲の上限は、1×1010Paであることが好ましく、光学フィルム積層体10又は50に含まれる層の各々、すなわち、偏光子、偏光子保護機能層、及び表面保護層のうち、弾性率が最も高い層の弾性率と同等であることがより好ましい。
以上のように、本発明に係る画像表示装置用ユニット1又は2に用いられる接着剤層20又は70は、弾性率が所定の範囲にあるものである。以下に、こうした接着剤層20又は70を得るための接着剤組成物について説明する。本発明においては、接着剤層20又は70は、アクリル系化合物、エポキシ系化合物、又はウレタン系化合物を含むエネルギー硬化型接着剤組成物に可視光線、紫外線、X線、若しくは電子線などのエネルギー線を照射して硬化させるか、又は接着剤組成物を加熱して硬化させることによって、得られるものであることが好ましい。
接着剤組成物に含まれるアクリル系化合物として、重合性(メタ)アクリル系モノマーを用いることができる。重合性(メタ)アクリル系モノマーは、偏光子との接着性、及び、画像表示装置用パネルのガラス若しくはプラスチックの基板又は前面保護板ガラスとの接着性を付与するために、ヒドロキシル基、カルボキシル基、シアノ基、アミノ基、アミド基、複素環基、ラクトン環基、イソシアネート環基のうちの少なくとも1つを含んでいることが好ましい。重合性(メタ)アクリル系モノマーは、1つのアクリロイル基のみを含む単官能アクリロイル基含有モノマーを主成分とするものであることが好ましく、多官能のビニル基又はアクリロイル基を含むモノマーを副成分として含んでもよい。
接着剤組成物に含まれるエポキシ系化合物として、公知の化合物を用いることができ、例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールS型及びこれらの水添加物等のビスフェノール型;フェノールノボラック型やクレゾールノボラック型等のノボラック型;トリグリシジルイソシアヌレート型やヒダントイン型等の含窒素環型;脂環式型;脂肪族型;ナフタレン型;グリシジルエーテル型やビフェニル型等の低吸水率型;ジシクロペンタジエン型等のジシクロ型;エステル型;エーテルエステル型;及びこれらの変性型等が挙げられる。さらに、これらにオキセタン系化合物を添加してもよい。オキセタン系化合物を添加することにより、接着剤組成物の粘度を低減させたり、硬化速度を高めたりすることができる。
接着剤組成物に含まれるウレタン系化合物として、活性水素を有する化合物やイソシアネート化合物といった従来から用いられている化合物を利用することができる。活性水素を有する化合物としては、ポリオール化合物が挙げられる。ポリオール化合物としては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリアクリルポリオール及びポリカーボネートポリオールなどの高分子ポリオール化合物が挙げられる。また、高分子ポリオール化合物としては、末端を水酸基としたウレタンプレポリマーを用いることができる。また、活性水素を有する化合物として、カルボン酸を有するものやアミノ基を有する化合物を挙げることもできる。イソシアネート化合物としては、2,4−/2,6−トリレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、へキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、テトラキシリレンジイソシアネートなどが挙げられる。高分子イソシアネート化合物として、分子末端にイソシアネート基を持ったポリマー化合物が挙げられる。また、必要に応じて鎖延長剤として短鎖のポリオールやポリアミンを用いることができる。さらには、シリカ、炭酸カルシウム、アルミナ、酸化チタン、クレーなどに代表される無機充填剤や、スズ系化合物、アミン化合物に代表される反応触媒、またレベリング剤、可塑剤などの添加剤を加えることもできる。
接着剤組成物に含まれる化合物がアクリル系化合物又はエポキシ系化合物の場合には、重合開始剤として、公知の重合開始剤を用いることができる。本発明においては、重合開始剤として光重合開始剤を用いることがより好ましい。光重合開始剤を用いることにより、光によって重合反応を生じさせることができるため、本発明において用いられる接着剤組成物の接着力及び状態の制御が容易になるとともに、貼り合わされる光学フィルム積層体及び画像表示装置用パネルの劣化や破壊を生じさせることがない。光重合開始剤として、例えば、アルキルフェノン系光重合開始剤、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤、チタノセン系光重合開始剤、カチオン系光重合開始剤を挙げることができる。紫外線を用いる光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、アントラキノン系光重合開始剤、キサントン系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤、ケタール系光重合開始剤といった各種の光重合開始剤を挙げることができる。
接着剤組成物におけるアクリル系化合物又はエポキシ系化合物と重合開始剤との混合割合は、特に限定されるものではない。ただし、重合開始剤の割合が多すぎると、重合反応の進行が速すぎて反応の制御が難しくなる、接着剤組成物が着色する、重合開始剤の分散性が悪くなるといった問題が生じることがある。重合開始剤の割合が少なすぎると、重合反応に時間がかかり、接着剤組成物を用いて貼り合わせるプロセスの生産性が低下するため好ましくない。例えば、アクリル系化合物としてヒドロキシエチルアクリルアミド(HEAA)を用い、重合開始剤としてアシルホスフォンオキサイド系光重合開始剤を用いた場合には、接着剤組成物は、接着剤組成物中におけるHEAA100部に対して、重合開始剤0.3〜3部を含有することが好ましい。
接着剤組成物には、アクリル系化合物、エポキシ系化合物、又はウレタン系化合物、及び、重合開始剤の他に、以下に示されるように添加剤が含まれてもよい。例えば、接着剤組成物には、画像表示装置用パネルの基板と光学フィルム積層体との接着性を高めるために、各種のSiカップリング剤又は架橋剤を添加することができる。また、接着剤組成物には、暗反応を防止したり、可使時間を増大させたりするといった観点から、重合禁止剤を添加することもできる。さらに、接着剤組成物に、光学フィルム積層体の透過波長に合わせた光増感剤を添加することによって、光学フィルム積層体の透過波長と異なる光吸収波長の重合開始剤を用いた場合でも本発明の効果を達成することもできる。さらにまた、接着剤組成物には、導電性を付与するための導電性材料を添加したり、位相差を付与するための複屈折を有する微粒子を添加したり、表面のレベリング性を上げるための界面活性剤を添加したりすることもできる。さらにまた、接着剤組成物には、各種の硬化剤を添加することもできる。硬化剤としては、フェノール樹脂、各種イミダゾール系化合物及びその誘導体、ヒドラジド化合物、ジシアンジアミド、イソシアネート系化合物及びこれらをマイクロカプセル化したもの等が挙げられ、例えば、硬化剤としてフェノール樹脂が添加された場合は、さらに硬化促進剤としてトリフェニルフォスフィン等のリン系化合物等を併用することもできる。
接着剤層20又は70の厚みは、20μm以下であることが好ましく、10μm以下であることがより好ましい。接着剤層の厚みが20μmより厚い場合には、接着剤層の硬化による収縮力が大きくなることによって、特に大型の画像表示装置用ユニットの場合にはパネルに反りの力が加わるため、表示不良になる可能性がある。
本発明に係る画像表示装置用ユニットの製造方法は、以下の工程を含むものとすることができる。まず、PVA系樹脂からなる偏光子12又は52と偏光子保護機能層14又は54とを積層して、偏光子の片面又は両面に偏光子保護機能層が積層された光学フィルム積層体を準備する。片面のみに偏光子保護機能層14が積層された光学フィルム積層体には、偏光子保護機能層14とは反対側の面に、仮保護用フィルムを積層しておくことが好ましい。
本発明を具体的に説明するために、厚みの異なる以下の6種類の光学フィルム積層体を準備した。
光学フィルム積層体1は、偏光子保護機能層であるトリアセチルセルロースフィルム(TACフィルム)、偏光子、TACフィルム、及び表面保護層であるハードコート層(HC層)が、この順に積層されたものである。全体の厚みは188μmであり、偏光子が22μm、TACフィルムが80μm、HC層が3μmである。この光学フィルム積層体のHC層表面における硬度は、鉛筆硬度で3Hであった。
光学フィルム積層体2は、アクリル系フィルム、偏光子、TACフィルム、及びHC層が、この順に積層されたものである。全体の厚みは137μmであり、アクリル系フィルムが40μm、偏光子が25μm、TACフィルムが60μm、HC層が12μmである。この光学フィルム積層体のHC層表面における硬度は、鉛筆硬度で2Hであった。
光学フィルム積層体3は、アクリル系フィルム、偏光子、TACフィルム、及びHC層が、この順に積層されたものである。全体の厚みは88μmであり、アクリル系フィルムが20μm、偏光子が22μm、TACフィルムが40μm、HC層が6μmである。この光学フィルム積層体のHC層表面における硬度は、鉛筆硬度で3Hであった。
<偏光子の作成>
重合度2400、ケン化度99.9%、厚み75μmのポリビニルアルコールフィルム(クラレ製、VF−PS−N#7500)の片面を30℃の温水に60秒間浸漬して膨潤(膨潤浴)させ、2倍に延伸した。次いで、ヨウ素/ヨウ化カリウム(重量比=1/7)の濃度3.2%の水溶液に浸漬し、3.5倍まで延伸させながらフィルムを染色した(染色浴)。次いで、ホウ酸3%、ヨウ化カリウム3%の水溶液中に20秒間浸漬し、3.6倍まで延伸させた(架橋浴)。次いで、60℃のホウ酸4%、ヨウ化カリウム5%の水溶液中で6.0倍まで延伸し(延伸浴)、ヨウ化カリウム3%の溶液中でヨウ素イオン含浸処理をした。最後に、60℃のオーブンで4分間乾燥を行い、偏光子を得た。
次に、得られた偏光子の一方の面に偏光子保護機能層となるトリアセチルセルロース(TAC)フィルム(富士フィルム製、TD80UL)を貼り合わせて、光学フィルム積層体を得た。なお、この時点では、偏光子の他方の面に、剥離可能な仮保護用フィルムとしてPETフィルムを重ねた。偏光子とTACフィルムとを貼り合わせるための接着剤として、アセトアセチル基を有するポリビニルアルコール系樹脂(平均重合度:1200、ケン化度98.5モル%、アセトアセチル化度:5モル%)100部に対し、メチロールメラニン20部を30℃の条件下に純水に溶解し、固形分濃度3.2%に調整した水溶液を調製したものを用いた。偏光子とTACフィルムとは、この接着剤を用い、30℃の温度条件下でロール機を用いて貼り合わせた後、60℃で5分間乾燥させることによって行った。接着剤は、偏光子とTACの間にのみ使用した。光学フィルム積層体から仮保護用PETフィルムを剥離し、剥離面に市販のハードコート剤を厚み8μmになるように塗布し、UV照射して硬化させた。得られた光学フィルム積層体4は、TACフィルム、偏光子、HC層が、この順で積層されたものである。全体の厚みは113μmであり、偏光子が25μm、TACフィルムが80μm、HC層が8μmである。この光学フィルム積層体のHC層表面における硬度は、鉛筆硬度で3Hであった。
光学フィルム積層体5は、TACフィルム、偏光子、HC層が、この順で積層されたものである。全体の厚みは50μmであり、偏光子が5μm、TACフィルムが40μm、HC層が5μmである。光学フィルム積層体5の偏光子は、特許第4691205号公報に記載の方法を用いて作成した。この光学フィルム積層体のHC層表面における硬度は、鉛筆硬度で3Hであった。
光学フィルム積層体4の偏光子と同じ方法で作成された偏光子の一方の面に偏光子保護機能層となる厚み50μmのフィルム状ガラスを貼り合わせて、光学フィルム積層体を得た。なお、この時点では、偏光子の他方の面に、剥離可能な仮保護用フィルムとしてPETフィルムを重ねた。偏光子とフィルム状ガラスとを貼り合わせるための接着剤として、2−ヒドロキシエチルアクリルアミドモノマー(HEAA)(興人製)100部に光重合開始剤(BASF製、イルガキュア819)0.5部を添加し、溶解速度を速めるために50℃で加熱しながら超音波をかけて溶解して、接着剤を調整した。接着剤には、さらに、ガラスとの密着性を上げるために、シランカップリング剤(信越シリコーン製、KBM5103)を、混合モノマー100部に対して0.5部添加した。フィルム状ガラスにスポイトで上記接着剤を滴下し、偏光子とフィルム状ガラスをラミネータを用いてロール間で貼り合わせた。偏光子のフィルム状ガラスとは反対側の面には、仮保護用のPETフィルムを接着剤を使用せずに重ねた。この積層体に対して、紫外線照射装置(アイグラフィックス製 UBX0801−01 出力8kW(高圧水銀ランプ))によって紫外線をガラス側から照射し、接着剤組成物を硬化させた。照射条件は、波長365nm、照射強度30mW/cm2、照射時間30秒間とした。接着剤は、偏光子とフィルム状ガラスの間にのみ使用した。得られた光学フィルム積層体6全体の厚みは75μmであり、偏光子の厚みが25μm、フィルム状ガラスの厚みが50μmである。この光学フィルム積層体6のフィルム状ガラス表面における硬度は、鉛筆硬度で9H以上であった。
アクリル系化合物を含むエネルギー硬化型接着剤組成物のモノマーとして、以下の材料を表1に示される割合(重量比)で混合した混合モノマーを用いた。各々の混合割合は、硬化後の25℃における弾性率がそれぞれ異なるように決定した。
HEAA;2−ヒドロキシエチルアクリルアミド(興人製)
4−HBA:4−ヒドロキシブチルアクリレート(大阪有機化学工業製)
ACMO:アクリロイルモルホリン(興人製)
THFA:アクリル酸テトラヒドロフルフリル(東京化成工業製)
変形モード 引っ張り
周波数 1Hz
初期ひずみ 0.1%
温度 −40℃〜200℃
昇温速度10℃/min
エポキシ系化合物を含むエネルギー硬化型接着剤組成物の主成分として、以下の材料を用いた。
エポライト80MF(共栄社化学製)
エポライト100MF(共栄社化学製)
エポライト40E(共栄社化学製)
これらの材料の各々90部に対して、オキセタン化合物10部を添加し、3種類の混合物を得た。オキセタン化合物は、東亞合成製のOXT221を用いた。さらに、これらの混合物100部の各々に、以下の光酸発生剤3部及び増感剤0.5部を混合して、接着剤組成物9〜接着剤組成物11を調製した。
ウレタン系化合物を含むエネルギー硬化型接着剤組成物として、以下のものを用い、接着剤組成物12〜接着剤組成物14とした。
W−6020(三井化学製)
W−405(三井化学製)
W−6061(三井化学製)
接着剤組成物12〜接着剤組成物14を、上述の光学フィルム積層体1〜6の各々に種々の厚みとなるように塗布し、110℃の熱で1時間加熱した。次に、これらの光学フィルム積層体をガラスと貼り合わせた。接着剤組成物12〜接着剤組成物14の硬化後の25℃における弾性率は、表3に示すとおりである。弾性率は、接着剤組成物1〜接着剤組成物8と同様に測定した。
アクリル系粘着剤は、以下のとおり調製した。まず、ブチルアクリレート95重量部、アクリル酸3.0重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート0.10重量部、2,2−アゾビスイソブチロニトリル0.050重量部、及び酢酸エチル200重量部を、窒素導入管及び冷却管を備えた4つ口フラスコに投入し、充分に窒素置換した後、窒素気流下で撹拌しながら55℃で20時間重合反応を行い、重量平均分子量157万の高分子量のアクリル系ポリマーAの溶液を得た。次に上記アクリル系ポリマーAの溶液(固形分)100重量部に対して、ジベンゾイルパーオキシド(1分間半減期:130.0℃)0.15重量部、シランカップリング剤として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.080重量部、架橋剤としてトリメチロールプロパンのトリレンジイソシアネート付加物からなるイソシアネート系架橋剤(コロネートL、日本ポリウレタン製)0.60重量部を均一に混合して、粘着剤組成物を調製した。上記粘着剤組成物を、シリコーン剥離処理した厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱ポリエステル社製、MRF38(付加反応型シリコーン))に塗布し、150℃で2分間乾燥および過酸化物分解処理を行った。弾性率は、TAインスツルメンツ製固体粘弾性装置RSAIIIを用いて測定し、3.41×105Paであった。なお、粘着剤は弾性率が低く、短冊状のサンプルに引っ張り応力をかけて弾性率を測定することができないため、ねじりせん断応力をかけて弾性率を測定した。
光学フィルム積層体1〜5を構成する各層の弾性率をテンシロンで測定した。弾性率は、試料が変形する直前における最大弾性(SSカーブの最大傾斜の接線の一次式)から求めた。偏光子保護機能層であるTACフィルムは、フジフィルム製TD80ULである。アクリル系フィルムは、下記一般式(1)中、R1は水素原子、R2及びR3はメチル基であるラクトン環構造を有する(メタ)アクリル系樹脂[共重合モノマーの重量比:メタクリル酸メチル/2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル=8/2;ラクトン環化率約100%]を押出成膜した後、二軸延伸した透明保護フィルム(厚さ40μm)である。
光学フィルム積層体1〜6の各々とガラスとを、種々の厚みの接着組成物1〜14又は粘着剤を用いて貼り合せて、積層体ユニットを作成した。接着剤組成物1〜14とガラスとの貼り合わせ方法は、上述のとおりである。光学フィルム積層体1〜6とガラスとの積層体ユニットの各々について、積層体の最外面(すなわち、HC層又はフィルム状ガラス)の表面硬度を測定した。表面硬度は、JIS K5600−5−4(引っかき硬度(鉛筆法))に準じて、積層体の表面を引っかき、表面に塑性変形(押し傷)が生じない鉛筆硬度の上限として評価した。測定結果をプロットしたグラフを図3〜図7に示す。図3〜図7はそれぞれ、光学フィルム積層体1〜5を用いた積層体ユニットについての測定結果である。各々の図において、横軸は接着剤層の弾性率を示し、縦軸は接着剤層の厚みを示す。各々の図における各点は、接着剤層の種類及び厚みが異なる積層体ユニットについての測定点である。図における凡例のF、H、2H、及び3Hは、鉛筆硬度を示す。
10、50 光学フィルム積層体
12、52 偏光子
14、54 偏光子保護機能層
16、56 表面保護層
20、70 接着剤層
30、80 画像表示装置用パネル
Claims (5)
- 偏光子、該偏光子の一方の面側に積層された偏光子保護機能層、及び該偏光子の前記偏光子保護機能層が接する面とは反対側の面側に積層されたエネルギー線硬化性樹脂を硬化させた表面保護層を含む、光学フィルム積層体と、前記偏光子保護機能層の前記偏光子が接する面とは反対側の面側に積層された接着剤層と、該接着剤層の前記偏光子保護機能層が接する面とは反対側の面側に積層された画像表示装置用パネルとを含み、
前記光学フィルム積層体の厚みが100μm以下で、かつ前記表面保護層の厚みが20μm以下であり、
硬化後の前記接着剤層の25℃における引っ張り弾性率が、前記光学フィルム積層体に含まれる各層のうち引っ張り弾性率が最も小さい層の引っ張り弾性率の50分の1以上であり、
前記光学フィルム積層体の前記表面保護層の露出面における鉛筆硬度が、前記光学フィルム積層体単体で測定したときの前記表面保護層の露出面における鉛筆硬度と同じであるか、又は、前記光学フィルム積層体単体で測定したときの前記表面保護層の露出面における鉛筆硬度より1ランク低い
ことを特徴とする、画像表示装置用ユニット。 - 偏光子、該偏光子の両面に積層された偏光子保護機能層、及び該偏光子保護機能層の一方の前記偏光子が接する面とは反対側の面側に積層されたエネルギー線硬化性樹脂を硬化させた表面保護層を含む、光学フィルム積層体と、前記偏光子保護機能層の他方の前記偏光子が接する面とは反対側の面側に積層された接着剤層と、該接着剤層の前記偏光子保護機能層が接する面とは反対側の面側に積層された画像表示装置用パネルとを含み、
前記光学フィルム積層体の厚みが100μm以下で、かつ前記表面保護層の厚みが20μm以下であり、
硬化後の前記接着剤層の25℃における引っ張り弾性率が、前記光学フィルム積層体に含まれる各層のうち引っ張り弾性率が最も小さい層の引っ張り弾性率の50分の1以上であり、
前記光学フィルム積層体の前記表面保護層の露出面における鉛筆硬度が、前記光学フィルム積層体単体で測定したときの前記表面保護層の露出面における鉛筆硬度と同じであるか、又は、前記光学フィルム積層体単体で測定したときの前記表面保護層の露出面における鉛筆硬度より1ランク低い
ことを特徴とする、画像表示装置用ユニット。 - 硬化後の前記接着剤層の25℃における引っ張り弾性率が、前記光学フィルム積層体に含まれる各層のうち引っ張り弾性率が最も小さい層の引っ張り弾性率の10分の1以上であることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の画像表示装置用ユニット。
- 硬化後の前記接着剤層の25℃における引っ張り弾性率が、1×108Pa〜1×1010Paであることを特徴とする、請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の画像表示装置用ユニット。
- 請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載の画像表示装置用ユニットを用いたことを特徴とする画像表示装置。
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