JP6109598B2 - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、磁気共鳴イメージング(MRI: Magnetic Resonance Imaging)装置に関する。
MRI装置は、静磁場中に置かれた被検体の原子核スピンをラーモア周波数の高周波(RF: radio frequency)信号で磁気的に励起し、この励起に伴って発生する核磁気共鳴(NMR: nuclear magnetic resonance)信号から画像を再構成する画像診断装置である。
MRI装置による腹部等の撮像では、従来、息止め撮像又は呼吸同期撮像が行われている。息止め撮像は、患者が10秒程度息止めをしている間に行われる撮像である。一方、呼吸同期撮像は、ベローズ等の器具を患者に装着して呼吸状態をモニタし、呼吸と同期して行われる撮像である。これらの撮像法によれば、呼吸性の動きによる画像アーチファクトの低減を図ることができる。
しかしながら、息止め撮像には、息止め時間によって空間分解能が実質的に制限されるという欠点及び息止めの難しい患者には適用できないという欠点がある。一方、呼吸同期撮像には、患者に装着する器具の感度を安定して得ることが困難であるという欠点及びデータ収集が呼吸の安定したフェーズに限定されることから撮像時間が長くなるという欠点が指摘されている。
また、近年では、NMR信号を用いて横隔膜の呼吸状態をモニタすることによって呼吸同期撮影を行う手法が用いられている。この方法では、2次元(2D: two-dimensional)グラディエントエコーシーケンスを用いて腹部のコロナル画像が収集される。そして、収集された腹部のコロナル画像から横隔膜を含む領域のプロファイルが取得される。更に、このような横隔膜のプロファイルの収集が、典型的には150ms程度の間隔で連続的に繰り返される。その結果、横隔膜の動きを間欠的にモニタすることが可能である。
横隔膜の位置は、逐次収集される横隔膜のプロファイルの、リファレンスプロファイルに対する相対的なシフト量として算出される。横隔膜の位置が算出されると、横隔膜の位置に応じたトリガ信号が生成される。そして、トリガ信号に従ってイメージングシーケンスが実行される。
イメージングシーケンスは、横隔膜の動きが少ない呼吸フェーズに限定的に実施される。イメージングシーケンスが実行されると、数100msの空き時間を経て、呼吸モニタ用のシーケンスが再開される。従って、一連の呼吸モニタ用のシーケンスとイメージングシーケンスとが交互に実施されることになる。
尚、直近の横隔膜の動き量に基づいてイメージングシーケンスがプロスペクティブに補正される場合もある。また、上述した呼吸同期撮像用のシーケンス及びデータ処理は、息止め撮像においても利用することができる。
このように、NMR信号を用いた呼吸モニタリングによって、呼吸同期撮像又は息止め撮像を行うことができる。これにより、呼吸性のアーチファクトが低減した画像を安定して得ることが可能である。これは、呼吸が安定した期間にデータ収集を実行することによって、撮像対象の非剛体としての振る舞いが無視できるようになるためである。すなわち、イメージングシーケンスの開始時刻を含む条件のプロスペクティブな補正によって呼吸性のアーチファクトを抑制することが可能である。
特開2001−204712号公報
Journal of Magnetic Resonance、20巻、ページ443-450、2004年
しかしながら、従来の呼吸同期撮像及び息止め撮像では、イメージングシーケンスが実行される期間が撮像時間全体の一部となる。このため、撮像時間が長くなるという問題がある。撮像時間の増加は、患者の検査時間の増加及び検査のスループットの低下に繋がる。一方、従来の撮像法においてデータ収集時間を延長すると、横隔膜の非剛体としての動きの影響が無視できなくなる。この結果、正確な動き補正が困難となる。
また、呼吸が安定した期間を把握するために、呼吸モニタ用のシーケンスを高頻度で連続的に実施することが必要となる。この結果、呼吸モニタ用のシーケンスの実行時間が長くなり、イメージングシーケンスのスケジューリングにおけるバリエーションに制約が生じる。例えば、Time-SLIP (time- Spatial Labeling Inversion Pulse)法におけるタグパルスや非造影灌流イメージングにおける動脈のスピンラベリングパルス等のプリパルスの印加を伴う撮像が事実上実施困難となる。
更に、呼吸モニタ用のシーケンスをイメージングシーケンスの後に速やかに再開できないという問題がある。これは、イメージングシーケンスによる励起の影響がサチュレーション効果として残ることを回避するためである。仮に、呼吸モニタ用のシーケンスを速やかに再開すると、呼吸モニタ用の2D画像上にイメージングシーケンスの影響を受けた低信号領域が生じる。この結果、横隔膜の位置を正確に求めることが困難となる。従って、イメージングシーケンスの後には空き時間を設けることが必要となる。このため、撮像効率の低下を余儀なくされている。
そこで、本発明は、腹部等の呼吸性の動きを有する部位の撮像において、撮像時間の大幅な延長を回避しつつ呼吸性の動きに起因する画像のアーチファクトを低減することが可能な磁気共鳴イメージング装置を提供することを目的とする。
本発明の実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置は、動き検出手段とイメージング手段を備える。動き検出手段は、被検体第1の磁気共鳴信号を収集し、前記第1の磁気共鳴信号の信号強度を画像化した絶対値画像データの呼吸性の動きによる位置のシフト量及び前記第1の磁気共鳴信号の位相を画像化した位相画像データの前記呼吸性の動きによる位相のシフト量取得する。イメージング手段は、前記被検体からの第2の磁気共鳴信号の収集、前記位置のシフト量及び前記位相のシフト量に基づく動き補正及び前記第2の磁気共鳴信号に対する画像化処理を含む磁気共鳴イメージングによって磁気共鳴画像データを生成する。
本発明の実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置の構成図。 図1に示すコンピュータの機能ブロック図。 図2に示すスケジューリング部において設定されたナビゲータシーケンス及びイメージングシーケンスの各実行タイミングの一例を示す図。 図2に示すパルスシーケンス作成部において設定されたナビゲータシーケンス及びイメージングシーケンスの一例を示す図。 図4に示すナビゲータシーケンスにより収集されるナビゲータ信号に基づいて生成された2D絶対値画像の一例を示す図。 図5に示す2D絶対値画像上に設定された領域におけるナビゲータ信号のプロファイルの一例を模式的に示す図。 図4に示すナビゲータシーケンスにより収集されるナビゲータ信号に基づいて生成された2D位相画像の一例を示す図。 図7に示す2D位相画像上に設定された領域におけるナビゲータ信号のプロファイルの一例を模式的に示す図。 図6及び図8を参照して説明した方法で算出される位置シフト量と位相シフト量とを2次元的にプロットしたグラフの一例を示す図。 図1に示す磁気共鳴イメージング装置により呼吸性の動きをモニタリングしつつ被検体のMR画像を撮像する際の流れを示すフローチャート。 図1に示す磁気共鳴イメージング装置により呼吸性の動きをモニタリングしつつ被検体のMR画像を撮像する際の別の流れを示すフローチャート。 図1に示す磁気共鳴イメージング装置により被検体の呼吸周期データを取得する際の流れを示すフローチャート。
本発明の実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置について添付図面を参照して説明する。
図1は本発明の実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置の構成図である。
磁気共鳴イメージング装置20は、静磁場を形成する筒状の静磁場用磁石21、この静磁場用磁石21の内側に設けられたシムコイル22、傾斜磁場コイル23及びRFコイル24を備えている。
また、磁気共鳴イメージング装置20には、制御系25が備えられる。制御系25は、静磁場電源26、傾斜磁場電源27、シムコイル電源28、送信器29、受信器30、シーケンスコントローラ31及びコンピュータ32を具備している。制御系25の傾斜磁場電源27は、X軸傾斜磁場電源27x、Y軸傾斜磁場電源27y及びZ軸傾斜磁場電源27zで構成される。また、コンピュータ32には、入力装置33、表示装置34、演算装置35及び記憶装置36が備えられる。
静磁場用磁石21は静磁場電源26と接続され、静磁場電源26から供給された電流により撮像領域に静磁場を形成させる機能を有する。尚、静磁場用磁石21は超伝導コイルで構成される場合が多く、励磁の際に静磁場電源26と接続されて電流が供給されるが、一旦励磁された後は非接続状態とされるのが一般的である。また、静磁場用磁石21を永久磁石で構成し、静磁場電源26が設けられない場合もある。
また、静磁場用磁石21の内側には、同軸上に筒状のシムコイル22が設けられる。シムコイル22はシムコイル電源28と接続され、シムコイル電源28からシムコイル22に電流が供給されて静磁場が均一化されるように構成される。
傾斜磁場コイル23は、X軸傾斜磁場コイル23x、Y軸傾斜磁場コイル23y及びZ軸傾斜磁場コイル23zで構成され、静磁場用磁石21の内側において筒状に形成される。傾斜磁場コイル23の内側には寝台37が設けられて撮像領域とされ、寝台37には被検体Pがセットされる。RFコイル24にはガントリに内蔵されたRF信号の送受信用の全身用コイル(WBC: whole body coil)や寝台37や被検体P近傍に設けられるRF信号の受信用の局所コイルなどがある。
また、傾斜磁場コイル23は、傾斜磁場電源27と接続される。傾斜磁場コイル23のX軸傾斜磁場コイル23x、Y軸傾斜磁場コイル23y及びZ軸傾斜磁場コイル23zはそれぞれ、傾斜磁場電源27のX軸傾斜磁場電源27x、Y軸傾斜磁場電源27y及びZ軸傾斜磁場電源27zと接続される。
そして、X軸傾斜磁場電源27x、Y軸傾斜磁場電源27y及びZ軸傾斜磁場電源27zからそれぞれX軸傾斜磁場コイル23x、Y軸傾斜磁場コイル23y及びZ軸傾斜磁場コイル23zに供給された電流により、撮像領域にそれぞれX軸方向の傾斜磁場Gx、Y軸方向の傾斜磁場Gy、Z軸方向の傾斜磁場Gzを形成することができるように構成される。
RFコイル24は、送信器29及び受信器30の少なくとも一方と接続される。送信用のRFコイル24は、送信器29からRF信号を受けて被検体Pに送信する機能を有し、受信用のRFコイル24は、被検体P内部の原子核スピンのRF信号による励起に伴って発生したNMR信号を受信して受信器30に与える機能を有する。
一方、制御系25のシーケンスコントローラ31は、傾斜磁場電源27、送信器29及び受信器30と接続される。シーケンスコントローラ31は傾斜磁場電源27、送信器29及び受信器30を駆動させるために必要な制御情報、例えば傾斜磁場電源27に印加すべきパルス電流の強度や印加時間、印加タイミング等の動作制御情報を記述したシーケンス情報を記憶する機能と、記憶した所定のシーケンスに従って傾斜磁場電源27、送信器29及び受信器30を駆動させることによりX軸傾斜磁場Gx、Y軸傾斜磁場Gy,Z軸傾斜磁場Gz及びRF信号を発生させる機能を有する。
また、シーケンスコントローラ31は、受信器30におけるNMR信号の検波及びA/D (analog to digital)変換により得られた複素データである生データ(raw data)を受けてコンピュータ32に与えるように構成される。
このため、送信器29には、シーケンスコントローラ31から受けた制御情報に基づいてRF信号をRFコイル24に与える機能が備えられる一方、受信器30には、RFコイル24から受けたNMR信号を検波して所要の信号処理を実行するとともにA/D変換することにより、デジタル化された複素データである生データを生成する機能と生成した生データをシーケンスコントローラ31に与える機能とが備えられる。
また、コンピュータ32の記憶装置36に保存されたプログラムを演算装置35で実行することにより、コンピュータ32には各種機能が備えられる。ただし、プログラムの少なくとも一部に代えて、各種機能を有する特定の回路を磁気共鳴イメージング装置20に設けてもよい。
図2は、図1に示すコンピュータ32の機能ブロック図である。
コンピュータ32の演算装置35は、記憶装置36に保存されたプログラムを実行することにより撮像条件設定部40及びデータ処理部41として機能する。また、記憶装置36は、k空間データ記憶部42、画像データ記憶部43及び呼吸周期データ記憶部44として機能する。撮像条件設定部40は、スケジューリング部40A、パルスシーケンス作成部40B及び第1の動き補正部40Cを有する。データ処理部41は、呼吸性動き検出部41A、画像生成部41B及び第2の動き補正部41Cを有する。
撮像条件設定部40は、入力装置33からの指示情報に基づいてパルスシーケンスを含む撮像条件を設定し、設定した撮像条件をシーケンスコントローラ31に出力する機能を有する。特に、撮像条件設定部40は、被検体Pの呼吸性の動きを示す情報を取得するためのNMR信号の収集条件を設定する機能と、呼吸性の動きに応じたイメージングシーケンスが実行されるように撮像条件を設定する機能を有している。
ここでは、診断用の画像を収集するためのシーケンスをイメージングシーケンスと呼ぶのに対して、呼吸性の動きをモニタするためのパルスシーケンスをナビゲータシーケンスと称する。尚、ナビゲータシーケンスは、横隔膜の相対位置のみを取得する従来のナビゲータシーケンスとは異なり、呼吸性の動きを示す情報として、横隔膜の位置及び移動方向を含む情報を得ることが可能なNMR信号を収集するためのシーケンスである。
撮像条件設定部40のスケジューリング部40Aは、ナビゲータシーケンスとイメージングシーケンスの実行順序及び実行タイミングをスケジューリングする機能を有する。
図3は、図2に示すスケジューリング部40Aにおいて設定されたナビゲータシーケンス及びイメージングシーケンスの各実行タイミングの一例を示す図である。
図3の(A)及び(B)において横軸は時間を示し、図3(A)の縦軸は想定される呼吸レベル、つまり横隔膜の相対位置を示す。すなわち、図3(A)における点線及びプロットは想定される呼吸レベルの時間変化を示し、図3(B)はナビゲータシーケンス及びイメージングシーケンスの実行タイミングを示している。
図3に示すように、呼吸モニタ用のナビゲータシーケンスとイメージングシーケンスとが交互に繰返し実行されるようにスケジューリングすることができる。図3に示す例では、イメージングデータの収集期間として2つのイメージングシーケンスImaging sequence 1, Imaging sequence 2がスケジューリングされている。換言すれば、イメージングシーケンスが部分的な2つのイメージングシーケンスImaging sequence 1, Imaging sequence 2に分割されて設定されている。
更に、2つのイメージングシーケンスImaging sequence 1, Imaging sequence 2の間に、単一又は複数のナビゲータシーケンスが実行されるようにスケジューリングされている。ナビゲータシーケンスの実行タイミングは、呼吸レベルのプロット点として図3に例示されるように呼吸モニタ用のNMR信号の収集タイミングとして設定することができる。すなわち、ナビゲータシーケンスの実行タイミングにおいて収集されるNMR信号に基づくデータ処理によって、呼吸性の動きを表す情報を求めることができる。
撮像条件設定部40のパルスシーケンス作成部40Bは、所望のパルスシーケンスを用いてナビゲータシーケンス及びイメージングシーケンスを設定する機能を有する。
図4は、図2に示すパルスシーケンス作成部40Bにおいて設定されたナビゲータシーケンス及びイメージングシーケンスの一例を示す図である。
図4において横軸は時間を、RFはRF信号及びNMR信号を、Gyはy軸方向における傾斜磁場パルスを、Gzはz軸方向における傾斜磁場パルスを、Gxはx軸方向における傾斜磁場パルスを、それぞれ示す。
例えば図4に示すように、イメージングシーケンスを第1のイメージングシーケンスと第2のイメージングシーケンスで構成し、第1のイメージングシーケンスと第2のイメージングシーケンスとの間においてナビゲータシーケンスが実行されるようにパルスシーケンスを設定することができる。図4に示す例では、第1のイメージングシーケンスが実行された後、ナビゲータシーケンスがN回繰り返される。更に、N回のナビゲータシーケンスが実行された後、第2のイメージングシーケンスがM回繰り返される。
第1のイメージングシーケンスとしては、Time-SLIP法のタグパルス、動脈スピンラベリングパルス、反転回復(IR: inversion recovery)パルス、脂肪抑制(fat saturation)パルス等のプリパルスを印加するシーケンスを設定することができる。もちろん、プリパルスの印加以外を目的とする第1のイメージングシーケンスを設定することもできる。
ナビゲータシーケンスとしては、2Dグラディエントエコーシーケンスが適している。但し、公知のペンシルビーム励起シーケンスや交差したスライスを励起させるスピンエコー(SE: spin echo)シーケンスをナビゲータシーケンスとして用いてもよい。ナビゲータシーケンスのデータ収集断面は、横隔膜と肝臓の境界を横切る断面であれば、任意の断面とすることができる。従って、コロナル断面又はサジタル断面をデータ収集断面とすることが好適である。図示された例では、コロナル断面がデータ収集断面とされている。
ナビゲータシーケンスには、動き強調傾斜磁場パルスGa, Gbを付加することが好ましい。動き強調傾斜磁場パルスGa, Gbは、頭尾(SI: superior-inferior)方向における呼吸性の動きによってNMR信号に生じる位相シフトを強調するための傾斜磁場パルスである。
図4に示す例では、互いに異なる極性を有する2つの動き強調傾斜磁場パルスGa, Gbが設定されている。但し、動き強調傾斜磁場パルスは、SI方向における動きによってNMR信号に生じる位相シフトを強調することが可能であればよいため、単極性の傾斜磁場パルスとしてもよい。
また、上述のようにナビゲータシーケンスによってNMR信号を収集すると、横隔膜の位置のみならず、横隔膜の移動方向を含む情報を得ることができる。従って、ナビゲータシーケンスの実行回数は1回であってもよい。すなわち、図4においてN=1としてもよい。
第2のイメージングシーケンスは、任意のパルスシーケンスで構成することができる。図示された例では、高速スピンエコー(SE: spin echo)法による2Dマルチスライスシーケンスがイメージングデータを収集するための第2のイメージングシーケンスとして用いられている。もちろん、エコープラナーイメージング(EPI: echo planar imaging)法等の他のデータ収集法によるパルスシーケンスを第2のイメージングシーケンスとして用いることもできる。また、3次元(3D: three dimensional)シーケンスを用いることもできる。
尚、ナビゲータシーケンスを第1のイメージングシーケンスの前や第2のイメージングシーケンスの後に実行するようにしてもよい。その場合、第1のイメージングシーケンスと第2のイメージングシーケンスとの間においてナビゲータシーケンスが実行されないようにしてもよい。逆に、イメージングシーケンスを3つ以上の部分シーケンスで構成し、各部分シーケンスの前後において必要に応じてナビゲータシーケンスが実行されるようにしてもよい。
このように、撮像条件設定部40では、被検体Pの呼吸性の動きを表す情報を取得するためのナビゲータ信号として第1のNMR信号を収集するためのナビゲータシーケンスと、被検体Pからのイメージングデータとしての第2のNMR信号を収集するためのイメージングシーケンスとを設定することができる。
ナビゲータシーケンスは、少なくとも1フレームの絶対値画像データ及び位相画像データを生成するための第1のNMR信号を収集することが可能なシーケンスであればよい。従って、プリパルスの印加を伴ってイメージングデータとしての第2のNMR信号を収集するイメージングシーケンスを設定することができる。すなわち、プリパルスの印加タイミングとイメージングデータとしての第2のNMR信号の収集タイミングとの間において、第1のNMR信号を収集するナビゲータシーケンスを設定することができる。
但し、プリパルスの印加を伴うシーケンスに限らず、任意の第1のイメージングシーケンス及び第2のイメージングシーケンスに従ってイメージングデータとしての第2のNMR信号を収集し、第1のイメージングシーケンスの実行タイミングと第2のイメージングシーケンスの実行タイミングとの間において、少なくとも1フレームの絶対値画像データ及び位相画像データを生成するための第1のNMR信号を収集するナビゲータシーケンスを設定することができる。
また、上述のように、ナビゲータシーケンスとしては、被検体PのSI方向における動きによって第1のNMR信号に生じる位相シフトを強調するための動き強調傾斜磁場パルスの印加を伴って第1のNMR信号を収集するシーケンスを設定することができる。
データ処理部41は、シーケンスコントローラ31からNMR信号を取得して必要なデータ処理を行う機能、データ処理後のデータをk空間データ記憶部42又は画像データ記憶部43に書き込む機能、k空間データ記憶部42又は画像データ記憶部43から読み込んだデータに必要なデータ処理を実行する機能、データ処理によって生成された画像データを表示装置34に表示させる機能を有する。
具体的には、イメージングシーケンスの実行によって収集されたNMR信号に対する画像再構成処理を含むデータ処理によってMR画像データが生成される。また、ナビゲータシーケンスの実行によって収集されたNMR信号に対するデータ処理によって呼吸性の動きを表す情報が取得される。
データ処理部41の呼吸性動き検出部41Aは、ナビゲータシーケンスの実行によって収集されたNMR信号に基づいて呼吸性の動きを表す情報を取得する機能を有する。具体的には、ナビゲータシーケンスの実行によってナビゲータ信号として収集されたNMR信号をk空間データ記憶部42に形成されたk空間に配置し、ナビゲータ信号にフーリエ変換(FT: Fourier transform)を含む画像再構成処理を施すことによって呼吸性の動きを検出するためのMR画像データを生成することができる。
呼吸性の動きを検出するためのMR画像データとしては、ナビゲータ信号の信号強度を画像化した絶対値画像データ及びナビゲータ信号の位相を画像化した位相画像データの双方が生成される。
図5は、図4に示すナビゲータシーケンスにより収集されるナビゲータ信号に基づいて生成された2D絶対値画像の一例を示す図である。
被検体Pの肺、横隔膜及び肝臓等の腹部における臓器が含まれるようにナビゲータ信号の収集断面を設定することにより、図5に示すような2D絶対値画像を再構成することができる。2D絶対値画像には、横隔膜をSI方向に横断する領域Raを設定することができる。図示された例では、1次元(1D: one dimensional)の線状の領域Raが2D絶対値画像に設定されている。尚、図5において点線の枠はイメージング領域を示している。
図6は、図5に示す2D絶対値画像上に設定された領域におけるナビゲータ信号のプロファイルの一例を模式的に示す図である。
図6において横軸はSI方向における領域Raの1D位置を示し、縦軸はMR画像信号の絶対値を示す。図5に示す領域における画像信号の強度の絶対値を1D方向にプロットすると、図6の実線で示すようなプロファイルを得ることができる。一方、予め異なる時間に基準として収集された2D絶対値画像上において同様に設定された領域における画像信号をプロットすることにより、図6の点線で示すような基準プロファイルを得ることができる。
そうすると、基準プロファイルと、呼吸レベルの算出対象となるプロファイルとの間における相対的な位置シフト量δZを算出することが可能となる。具体例として、基準プロファイル及び呼吸レベルの算出対象となるプロファイルの少なくとも一方を平行移動させ、プロファイル間の相互相関係数が最大となるときの移動量を相対的な位置シフト量δZとして求めることができる。或いは、呼吸レベルの算出対象となるプロファイルと基準プロファイルとの間における乖離量を表す指標として相互相関係数の代わりに最小2乗誤差等の指標を用いることもできる。従って、指標によっては、指標が最小となるときの呼吸レベルの算出対象となるプロファイル及び基準プロファイルの移動量が相対的な位置シフト量δZとなる場合もある。
尚、図5に示すように、プロファイルを作成する対象となる領域Raを線状の領域にすれば、エッジが明瞭に現れるプロファイルを得ることができる。このため、プロファイルを取得する対象となる領域Raを線状の領域とすることにより、位置シフト量δZをより高精度に求めることが可能となる。
図7は、図4に示すナビゲータシーケンスにより収集されるナビゲータ信号に基づいて生成された2D位相画像の一例を示す図である。
被検体Pの肺、横隔膜及び肝臓等の腹部における臓器が含まれるようにナビゲータ信号の収集断面を設定することにより、図7に示すような2D位相画像を再構成することができる。2D位相画像にも、図示されるように横隔膜をSI方向に横断する領域Rpを設定することができる。図示された例では、矩形の領域Rpが2D位相画像に設定されている。尚、図7において点線の枠はイメージング領域を示している。
図8は、図7に示す2D位相画像上に設定された領域におけるナビゲータ信号のプロファイルの一例を模式的に示す図である。
図8において横軸はSI方向における領域Rpの1D位置を示し、縦軸はMR画像信号の位相値を示す。図7に示す領域における画像信号の位相値を1D方向にプロットすると、図8の実線で示すようなプロファイルを得ることができる。一方、予め異なる時間に基準として収集された2D位相画像上において同様に設定された領域における画像信号の位相値をプロットすることにより、図8の点線で示すような基準プロファイルを得ることができる。
尚、図7に示すように、プロファイルの取得対象となる領域Rpを数ピクセル程度の幅を有する2D領域とし、SI方向に垂直な方向における位相値の平均値等の代表値を用いてプロファイルを取得することが誤差低減の観点から望ましい。これは、横隔膜及び肝臓は、SI方向に平行移動するとみなすことができるためである。
従って、上述のように、2D絶対値画像のプロファイルを取得する場合には、エッジを明瞭に出現させるためにプロファイルの取得対象となる領域Raを線状領域とする一方、2D位相画像のプロファイルを取得する場合には、誤差を低減するためにプロファイルの取得対象となる領域Rpを矩形領域とすることが望ましいということになる。
位相プロファイルが求まると、位相の基準プロファイルに対する相対的な位相シフト量Δφを求めることができる。特に、ナビゲータシーケンスの実行によって図4に示すような動き強調傾斜磁場パルスGa, Gbを印加すれば、位相シフト量Δφを強調することができる。位相シフト量Δφは、位相シフト量Δφの算出対象となる位相プロファイルと位相の基準プロファイルとの間における任意のデータ処理によって算出することができる。
位相プロファイル及び位相の基準プロファイルにおいて、ナビゲータ信号の強度の絶対値が相対的に小さい肺等の部位では、図8に例示されるように位相のばらつきが大きくなる。そこで、例えば、位相プロファイルと位相の基準プロファイルとの間における差分値の最頻値を位相シフト量Δφとすることができる。或いは、閾値処理によって位相プロファイル及び位相の基準プロファイルのうち変動が大きい部分を除去した上で差分処理を実行し、平均値や中間値等の差分値の代表値を位相シフト量Δφとすることもできる。
閾値処理を行う場合に必要となる閾値は、肝臓等の臓器の解剖学的情報に基づいて経験的に、又はシミュレーションによって解析的に決定することができる。或いは。絶対値画像データからナビゲータ信号の信号値が安定した信号領域を閾値処理等によって検出し、検出された信号領域が差分処理の対象となるように閾値を決定することもできる。この場合、ナビゲータ信号の信号値に応じた適切な閾値を自動的に決定することができる。
もちろん、位置プロファイルから位置シフト量δZを算出する場合と同様な方法で位相プロファイルから位相シフト量Δφを算出することもできる。すなわち、相互相関係数や最小2乗誤差等の指標を用いた最適化演算によって位相シフト量Δφを計算することができる。その場合においても、最適化演算に先立って、閾値処理によって位相プロファイル及び位相の基準プロファイルのうち変動が大きい部分を除去することが現実的である。
このように、絶対値画像データに設定された所定の領域における画像信号強度のプロファイルであって、被検体PのSI方向における画像信号強度のプロファイルの、基準となるプロファイルからの位置方向のシフト量として位置のシフト量を求めることができる。一方、位相画像データに設定された所定の領域における位相のプロファイルであって、被検体PのSI方向における位相のプロファイルの、基準となるプロファイルからの位相方向のシフト量として位相のシフト量を求めることができる。
尚、1D位置プロファイル及び1D位相プロファイルを用いずに、2D絶対値画像データ及び2D位相画像データ自体の演算処理によって、位置シフト量及び位相シフト量を求めるようにしてもよい。その場合においても、肝臓及び横隔膜近傍を含む適切な領域を設定することが現実的である。従って、横隔膜を横切るように設定された所定の領域における2D位置プロファイル及び2D位相プロファイルに基づいて位置シフト量及び位相シフト量を求めることができるということもできる。
具体的には、絶対値画像データ及び絶対値参照画像データの少なくとも一方を平行移動させ、相互相関係数や最小2乗誤差等の乖離量の指標値が最適値となる時の平行移動量を相対的な位置シフト量とすることができる。同様に、位相画像データと位相参照画像データとの間における差分処理や最適化演算等の演算によって位相シフト量を求めることができる。また、位相画像データ及び位相参照画像データから位相変動量が大きい領域を除去するための閾値処理を行うことが好適である。
このように、ナビゲータ信号から生成される絶対値画像データと絶対値参照画像データとに基づいて横隔膜を横切る領域の相対的な位置のシフト量を求めることができる。一方、ナビゲータ信号から生成される位相画像データと位相参照画像データとに基づいて横隔膜を横切る領域の相対的な位相のシフト量を求めることができる。
図9は、図6及び図8を参照して説明した方法で算出される位置シフト量と位相シフト量とを2次元的にプロットしたグラフの一例を示す図である。
図9において横軸は位相画像上に設定された領域Rp内における信号の位相のシフト量Δφを示し、縦軸は絶対値画像上に設定された領域Raの位置のシフト量δZを示す。仮にナビゲータシーケンスを異なるタイミングで複数回実行することを想定すると、位相のシフト量Δφと位置のシフト量δZの組合せをパラメータとする呼吸位相データを、ナビゲータシーケンスの実行タイミングごとに収集することができる。すなわち、ナビゲータシーケンスが実行される度に位相のシフト量Δφと位置のシフト量δZのセットをパラメータとする呼吸位相データが取得される。
これは、ナビゲータ信号の収集によって呼吸周期内の各タイミングにおける呼吸位相データを収集できることを意味している。このような呼吸位相データをプロットすると、図9に示すような周期性を有するグラフが得られる。そうすると、プロットされた呼吸位相データは、ナビゲータシーケンスの実行タイミングにおける呼吸位相データとなり、呼吸位相データの収集間においてイメージングシーケンスの実行によるイメージングデータの収集が実行されることとなる。
呼吸位相データのパラメータである位置のシフト量δZは、呼吸レベル及び横隔膜の相対位置とみなすことができる。一方、呼吸位相データのパラメータである位相のシフト量Δφは、周期的に変動する呼吸レベル及び横隔膜の位置の変動方向を示す指標と考えることができる。すなわち、横隔膜の位置が同一であっても、呼気と吸気では、横隔膜の移動方向が異なる。そこで、横隔膜の移動方向を位相として表現することができる。
図示された例では、位相のシフト量Δφの正側の最大値が吸気側となっており、負側の最小値が呼気側となっている。従って、横隔膜の位置が同一であっても、呼吸位相が正であれば吸気中における横隔膜の位置であり、呼吸位相が負であれば呼気中における横隔膜の位置であるということになる。
このように呼吸性の動きを表す情報を、周期性を有し、かつ基準位置からの位置シフト量及び基準位相からの位相シフト量をパラメータとする呼吸位相データを用いて表現することができる。ここでは、図9に例示されるような周期性を有する呼吸位相データのデータ群を呼吸周期データと称する。そうすると、呼吸周期データは、異なるタイミングに対応する複数の位置のシフト量と複数の位相のシフト量との関係を示す情報となる。
呼吸周期データは、関数を用いて表現することができる。呼吸周期データは、円でない複雑な閉曲線となる。そこで、複数の呼吸位相データが得られている場合には、任意の周期関数のフィッティングによって関数を求めることができる。但し、呼吸周期データは、不規則なカーブとなる。このため、位置シフト量の各値と位相シフト量の各値とを互いに関連付けた換算テーブルを用いて呼吸周期データを表現するようにしてもよい。
従って、ナビゲータシーケンスの実行による呼吸位相データの収集に先だって呼吸周期データを関数又は換算テーブルとして予め決定しておくことができる。すなわち、多数の被検体Pの呼吸位相データを収集し、統計的かつ経験的なデータとして呼吸周期データを予め求めておくことができる。
そうすると、ナビゲータシーケンスの実行によってイメージング対象となる被検体Pから少なくとも1回取得される呼吸位相データを、関数又は換算テーブルとして表現された呼吸周期データ上にマッピングすることが可能となる。呼吸位相データを、呼吸周期データ上にマッピングすると、ナビゲータ信号の収集タイミングに対応する呼吸周期データ上の位置を特定することが可能となる。
また、必要に応じて実際に取得された呼吸位相データに基づいて呼吸周期データを校正することも可能となる。つまり、イメージング対象となる被検体Pから取得される呼吸位相データに基づいて、基準となる呼吸周期データを補正することができる。例えば、呼吸周期データが周期関数で表現されている場合であれば、実際に取得された呼吸位相データを用いたカーブフィッティング等によって呼吸周期データを補正することができる。一方、呼吸周期データがテーブルで表現されている場合であれば、実際に取得された呼吸位相データからの呼吸周期データの乖離量を示す指標が最小となるように呼吸周期データを移動及び伸縮させる補正を行うことができる。
もちろん、イメージング対象となる被検体Pからのイメージングデータの収集に先だって異なる複数のタイミングでナビゲータ信号を収集し、複数のタイミングに対応する呼吸位相データに基づいて呼吸周期データを求めることもできる。つまり、実際にイメージング対象となる被検体Pから収集した呼吸位相データに基づいて呼吸周期データを求めることもできる。
そこで、呼吸性動き検出部41Aには、ナビゲータシーケンスの実行によって取得される複数の呼吸位相データに基づいて呼吸周期データを求める機能、ナビゲータシーケンスの実行によって取得される呼吸位相データに基づいて必要に応じて呼吸周期データを補正する機能、ナビゲータシーケンスの実行によって取得される呼吸位相データを呼吸周期データ上にマッピングすることによってナビゲータシーケンスの実行タイミングにおける横隔膜の相対位置及び移動方向を特定する機能が備えられる。つまり、呼吸性動き検出部41Aは、呼吸性の動きを表す情報として、呼吸周期データ自体の検出に加え、ナビゲータ信号の収集タイミングにおける呼吸位相データの呼吸周期データ上における位置を検出する機能を有している。
一方、呼吸周期データ記憶部44に、呼吸周期データを保存することができる。複数の被検体Pから取得される呼吸位相データに基づいて統計的かつ経験的に予め決定される呼吸周期データであれば、初期関数又は初期テーブルとして呼吸周期データを呼吸周期データ記憶部44に保存することができる。この場合、呼吸周期データ記憶部44には、ナビゲータ信号を異なる複数のタイミングで収集すると仮定した場合に複数のタイミングに対応して取得される複数の位置のシフト量と複数の位相のシフト量との関係を示す情報が保存されることになる。また、呼吸周期データ記憶部44には、呼吸性動き検出部41Aにおいて求められた呼吸周期データを記録することもできる。
そして、呼吸性動き検出部41Aは、呼吸周期データ記憶部44に保存された呼吸周期データを読み込んで補正を行い、補正後の呼吸周期データを呼吸周期データ記憶部44に書き込んで保存できるように構成される。
撮像条件設定部40の第1の動き補正部40Cは、呼吸性動き検出部41Aにおいて検出された呼吸性の動きを表す情報に基づいてイメージングシーケンスのProspectiveな動き補正を実行する機能を有する。具体的には、第1の動き補正部40Cは、ナビゲータシーケンスの実行タイミングにおける呼吸位相データに基づいてイメージングシーケンスの実行タイミングにおける呼吸位相データを予測し、予測した呼吸位相データに対応する撮像領域からイメージングデータが収集されるように、イメージングシーケンスの撮像パラメータを補正する機能を有している。
呼吸周期データを、周期関数又はテーブルで表現すると、呼吸周期データは、基準となる時刻からの経過時刻、つまり相対時刻の関数となる。従って、ナビゲータ信号の収集によって求められた呼吸位相データを、呼吸周期データ上にマッピングすると、ナビゲータ信号の実際の収集時刻を、呼吸周期データのパラメータである相対時刻に換算することが可能となる。
そうすると、ナビゲータシーケンスの実際の実行時刻からイメージングシーケンスの実際の実行時刻までの時間に基づいて、イメージングシーケンスの実際の実行時刻も、呼吸周期データの相対時刻に換算することが可能となる。この結果、イメージングシーケンスの実行タイミングにおける相対時刻と呼吸周期データとから、イメージングシーケンスの実行タイミングに対応する呼吸位相データを予測することができる。
イメージングシーケンスの実行タイミングにおける呼吸位相データが予測できると、呼吸位相データに含まれる位置シフト量及び位相シフト量に基づいて、イメージングシーケンスの実行タイミングにおける横隔膜の位置及び移動方向を予測することができる。そうすると、横隔膜の位置及び移動方向に応じたイメージングデータのデータ収集領域を撮像領域として決定することができる。そして、予測した呼吸位相データに対応する撮像領域が決定すると、決定した撮像領域からイメージングデータが収集されるように撮像パラメータを補正することができる。
イメージングデータのデータ収集領域は、呼吸レベルに応じて移動及び伸縮する。従って、イメージングシーケンスの補正は、データ収集領域のデフォルト領域からの平行移動及び伸縮変形となる。すなわち、イメージングデータの各収集位置の平行移動に加え、イメージングデータの空間的な収集間隔の補正もイメージングシーケンスの補正に含まれる。このため、RFパルスの位相、RFパルスの周波数及びエンコード量等のデータ収集領域を定めるための各種パラメータが補正対象となる。
一方、データ処理部41の画像生成部41Bはイメージングシーケンスの実行によってイメージングデータとして収集されたNMR信号に基づいて診断用のMR画像データを生成する機能を有する。具体的には、イメージングスキャンによって収集されたNMR信号をk空間データ記憶部42に形成されたk空間に配置し、FTを含む画像再構成処理を施すことによってMR画像データを生成することができる。生成されたMR画像データは、画像データ記憶部43に書き込んで保存することができる。また、MR画像データを画像データ記憶部43から取り込んで必要な画像処理を施すことによって表示用の2D画像データを生成することができる。そして、生成された表示用の2D画像データは、表示装置34に表示させることができる。
データ処理部41の第2の動き補正部41Cは、呼吸性動き検出部41Aにおいて取得された呼吸性の動きを表す情報に基づいて、診断用のMR画像データに対するRetrospectiveな動き補正を実行する機能を有する。具体的には、第2の動き補正部41Cは、ナビゲータシーケンスの実行タイミングにおける呼吸位相データに基づいてイメージングシーケンスの実行タイミングにおける呼吸位相データを予測し、予測した呼吸位相データに対応する撮像領域の、デフォルト領域からの移動量及び伸縮量に基づいてMR画像データの動き補正を実行する機能を有している。
イメージングシーケンスの実行タイミングにおける呼吸位相データの予測は、上述した第1の動き補正部40Cにおける呼吸位相データの予測方法と同様な方法で行うことができる。
一方、動き補正は、イメージングシーケンスの実行タイミングにおける呼吸位相データに対応する撮像領域から収集されたイメージングデータから、基準となる領域のMR画像データが生成されるように、イメージングデータ又は画像データを補正する処理となる。画像データを補正する場合には、撮像領域の移動量及び伸縮量に基づいて画像データに対する平行移動及び伸縮変形を施す動き補正が実行される。但し、画像再構成処理前におけるk空間データに対する等価な位相補正処理を動き補正として実行することが実用的である。
尚、イメージングデータが第1の動き補正部40CにおけるProspectiveな動き補正を伴って収集された場合には、第2の動き補正部41におけるRetrospectiveな動き補正は不要となる。イメージングシーケンスの実行タイミングにおける呼吸位相データは事前に予測できるため、第2の動き補正部41においてRetrospectiveな動き補正を行うよりも第1の動き補正部40CにおいてProspectiveな動き補正を行う方が、呼吸位相データの予測結果を有効に利用できるとも言える。
以上のように、データ処理部41の呼吸性動き検出部41Aでは、被検体Pの呼吸性の動きを表す情報を取得するための第1のNMR信号の信号強度を画像化した絶対値画像データの呼吸性の動きによる位置のシフト量及び第1のNMR信号の位相を画像化した位相画像データの呼吸性の動きによる位相のシフト量を含む情報として呼吸性の動きを表す情報を取得することができる。
また、撮像条件設定部40の第1の動き補正部40C及びデータ処理部41の第2の動き補正部41Cでは、呼吸性の動きを表す情報に基づく動き補正を実行することができる。すなわち、位相シフト量を含む呼吸性の動きを表す情報に基づいて、イメージングデータである第2のNMR信号の収集タイミングに対応する絶対値画像データの位置のシフト量及び位相画像データの位相のシフト量を第2のNMR信号の収集前に予測することができる。この位置のシフト量及び位相のシフト量の予測は、少なくとも単一の時刻に対応する呼吸性の動きを表す情報及び複数のタイミングに対応する複数の位置のシフト量と複数の位相のシフト量との関係を示す情報に基づいて行うことができる。そして、予測した第2のNMR信号の収集タイミングに対応する位置のシフト量及び位相のシフト量に応じた動き補正を実行することができる。また、動き補正は、呼吸性の動きを表す情報に基づく第2のNMR信号の収集条件の補正又はMR画像データの生成条件の補正として実行することができる。
尚、ナビゲータ信号である第1のNMR信号の収集タイミングが、イメージングデータである第2のNMR信号の収集タイミングに十分に近い場合には、第1のNMR信号の収集タイミングをイメージングデータの収集タイミングとみなすことができる。その場合には、第1のNMR信号の収集タイミングに対応する位置のシフト量及び位相のシフト量に応じた動き補正を実行することができる。この場合には、ナビゲータ信号である第1のNMR信号の収集タイミングに対応する位置のシフト量及び位相のシフト量が、予測された第2のNMR信号の収集タイミングに対応する位置のシフト量及び位相のシフト量であると言うことができる。
更に、データ処理部41の画像生成部41Bでは、被検体Pからのイメージングデータとして収集された第2のNMR信号に対する画像化処理によってMR画像データを生成することができる。
次に磁気共鳴イメージング装置20の動作及び作用について説明する。
図10は、図1に示す磁気共鳴イメージング装置20により呼吸性の動きをモニタリングしつつ被検体PのMR画像を撮像する際の流れを示すフローチャートである。
図10は、図4に例示されるパルスシーケンスに従ってイメージングを実行し、かつナビゲータ信号及び予め準備された呼吸周期データに基づいて予測した呼吸位相に応じてイメージングシーケンスのProspectiveな動き補正を行う場合の例を示している。
まず予め寝台37に被検体Pがセットされ、静磁場電源26により励磁された静磁場用磁石21(超伝導磁石)の撮像領域に静磁場が形成される。また、シムコイル電源28からシムコイル22に電流が供給されて撮像領域に形成された静磁場が均一化される。
そして、ステップS1において、第1のイメージングシーケンスが実行される。すなわち、RFプリパルスの印加等の所望の目的のシーケンスを実行することができる。
RFプリパルスを傾斜磁場パルスとともに印加する場合には、スケジューリング部40Aにより決定された実行タイミングで、パルスシーケンス作成部40Bにより図4に例示されるように設定された第1のイメージングシーケンスが撮像条件設定部40からシーケンスコントローラ31に出力される。そうすると、シーケンスコントローラ31は、第1のイメージングシーケンスに従って傾斜磁場電源27、送信器29及び受信器30を駆動させることにより被検体Pがセットされた撮像領域に傾斜磁場を形成させるとともに、RFコイル24からRF信号としてRFプリパルスを発生させる。
次に、ステップS2において、ナビゲータシーケンスが実行される。すなわち、スケジューリング部40Aにより決定された実行タイミングで、パルスシーケンス作成部40Bにより図4に例示されるように設定されたナビゲータシーケンスが撮像条件設定部40からシーケンスコントローラ31に出力される。このため、第1のイメージングシーケンスと同様な流れで、ナビゲータシーケンスに対応する傾斜磁場パルス及びRFパルスが被検体Pに印加される。
そうすると、被検体Pの内部における核磁気共鳴により生じたNMR信号が、RFコイル24により受信されて受信器30に与えられる。受信器30は、RFコイル24からNMR信号を受けて、デジタルデータのNMR信号を生成する。受信器30は、NMR信号をシーケンスコントローラ31に与える。シーケンスコントローラ31は、NMR信号をコンピュータ32に出力する。コンピュータ32では、呼吸性動き検出部41AがNMR信号をナビゲータ信号としてk空間データ記憶部42に配置する。
次に、ステップS3において、呼吸性動き検出部41Aがナビゲータ信号の画像再構成処理を実行する。これにより、MR画像データとしてナビゲータ画像データが生成される。すなわち、ナビゲータ信号の信号強度を画像化した図5に例示されるような絶対値画像データ及びナビゲータ信号の位相を画像化した図7に例示されるような位相画像データの双方が呼吸性動き検出部41Aにより生成される。
次に、ステップS4において、呼吸性動き検出部41Aにより、絶対値画像データに基づく位置シフト量の算出処理が実行される。例えば、図6に例示されるような位置プロファイルの、基準プロファイルからのSI方向における位置のシフト量が相互相関処理等によって算出される。これにより、絶対値画像データの位置シフト量として、ナビゲータ信号の収集タイミングにおける横隔膜の位置シフト量を検出することができる。
一方、ステップS5において、呼吸性動き検出部41Aにより、位相画像データに基づく位相シフト量の算出処理が実行される。例えば、図8に例示されるようなSI方向における位相プロファイルの、基準プロファイルからの位相方向のシフト量が差分処理等によって算出される。
次に、ステップS6において、呼吸性動き検出部41Aにより、ナビゲータシーケンスの実行タイミングにおける呼吸位相が特定される。すなわち、算出された絶対値画像データの位置シフト量及び位相画像データの位相シフト量をパラメータとする呼吸位相データが、図9に例示されるように予め準備された呼吸周期データ上にマッピングされる。これにより、ナビゲータ信号の収集タイミングにおける呼吸位相が特定される。
また、呼吸周期データ上における呼吸位相データのマッピング位置に基づいて、相対的な時刻と、実際の時刻との対応関係を求めることができる。
尚、ナビゲータシーケンスが複数回実行される場合、つまり図4においてN>1の場合、複数のナビゲータ信号が互いに異なるタイミングで連続収集されることとなる。すなわち、ステップS2からステップS6までの動作及び処理が順次繰返される。その結果、異なるタイミングで収集された複数のナビゲータ信号にそれぞれ対応する呼吸位相が特定される。
次に、ステップS7において、撮像条件設定部40の第1の動き補正部40Cにより、第2のイメージングシーケンスの実行タイミングにおける呼吸位相が予測される。すなわち、第2のイメージングシーケンスの直前のナビゲータシーケンスの実行タイミングと第2のイメージングシーケンスの実行タイミングとの間隔だけナビゲータシーケンスの実行タイミングから時間を経過させた時刻に対応する呼吸位相が、ナビゲータ信号の収集タイミングにおける呼吸位相と呼吸周期データとから求められる。つまり、呼吸周期データ上において、ナビゲータ信号の収集タイミングにおける呼吸位相が、第2のイメージングシーケンスの実行タイミングに合わせて所定時間分だけ進められる。これにより、第2のイメージングシーケンスの実行タイミングにおける呼吸位相を予測することができる。
尚、ナビゲータシーケンスの実行タイミングと第2のイメージングシーケンスの実行タイミングとの間隔が無視できる場合には、ナビゲータシーケンスの実行タイミングにおける呼吸位相を、第2のイメージングシーケンスの実行タイミングにおける呼吸位相として予測するようにしてもよい。
第2のイメージングシーケンスの実行タイミングにおける呼吸位相が予測されると、第2のイメージングシーケンスの実行タイミングにおける横隔膜の位置及び移動方向が特定される。
次に、ステップS8において、第1の動き補正部40Cにより、第2のイメージングシーケンスの動き補正が実行される。具体的には、第2のイメージングシーケンスの実行タイミングにおける横隔膜の位置に対応する領域からイメージングデータが収集されるように、第2のイメージングシーケンスの撮像パラメータが補正される。つまり、横隔膜の相対位置が、第2のイメージングシーケンスの動き補正量として用いられる。
次に、ステップS9において、第2のイメージングシーケンスが実行される。すなわち、スケジューリング部40Aにより決定された実行タイミングで、パルスシーケンス作成部40Bにより図4に例示されるように設定された第2のイメージングシーケンスが撮像条件設定部40からシーケンスコントローラ31に出力される。但し、シーケンスコントローラ31には、第1の動き補正部40Cによる動き補正後の第2のイメージングシーケンスが出力される。そして、ナビゲータ信号の収集と同様な流れで、イメージングデータが収集される。
更に、第2のイメージングシーケンスの実行が繰返され、画像再構成に必要なイメージングデータが収集される。そして、収集されたイメージングデータは、生データとしてk空間データ記憶部42に形成されたk空間に配置される。
次に、ステップS10において、イメージングデータの画像再構成処理によってMR画像データが生成される。この画像再構成処理は、画像生成部41Bにおいて実行される。
そして、ステップS1からステップS10までの動作及び処理によるMR画像データの収集は、ステップS11において撮像条件設定部40によりデータ収集が完了したと判定されるまで、つまり必要な回数だけ繰返すことができる。
尚、ステップS1からステップS10までの動作及び処理によるMR画像データの収集において、イメージングシーケンスのProspectiveな動き補正に代えて、収集データのRetrospectiveな動き補正を行うことができる。
図11は、図1に示す磁気共鳴イメージング装置20により呼吸性の動きをモニタリングしつつ被検体PのMR画像を撮像する際の別の流れを示すフローチャートである。尚、図11において図10と同様なステップには同符号を付して説明を省略する。
図11は、図4に例示されるパルスシーケンスに従ってイメージングを実行し、かつナビゲータ信号及び予め準備された呼吸周期データに基づいて予測した呼吸位相に応じて収集データのRetrospectiveな動き補正を行う場合の例を示している。
Retrospectiveな動き補正を行う場合には、図10に示すフローチャートのステップS8に対応する第2のイメージングシーケンスの動き補正が実行されない。このため、ステップS9において、第2のイメージングシーケンスを実行すると、呼吸性の動きの影響を受けたイメージングデータが収集される。
そこで、ステップS20において、動き補正を伴うイメージングデータの画像再構成処理が実行される。すなわち、第2の動き補正部41Cにより、イメージングデータ又は画像生成部41Bにおいて生成される画像データに対する呼吸性の動きの影響をキャンセルするための動き補正が実行される。
図10及び図11に示す例では、予め準備した呼吸周期データが呼吸位相の検出に用いられたが、被検体Pから実際に収集したナビゲータ信号及び呼吸位相データに基づいて呼吸周期データを求めることもできる。その場合には、図10及び図11に示すような本スキャンとしてのイメージングスキャンに先だって、呼吸周期データを求めるためのプレスキャンが実行される。
図12は、図1に示す磁気共鳴イメージング装置20により被検体Pの呼吸周期データを取得する際の流れを示すフローチャートである。尚、図12において図10及び図11と同様なステップには同符号を付して説明を省略する。
呼吸周期データを取得する場合には、イメージングシーケンスが実行されず、ナビゲータシーケンスのみが実行される。すなわち、図10及び図11に示すステップS2からステップS6に示すナビゲータシーケンスの実行によるナビゲータシーケンスの実行タイミングにおける呼吸位相の特定が行われる。
そして、ステップS30において、呼吸性動き検出部41Aにより、特定された呼吸位相データに基づく呼吸周期データの取得及び更新が行われる。すなわち、呼吸周期データの値が存在しない場合には、呼吸周期データを構成する数値として呼吸位相データが記録される。一方、呼吸周期データの初期関数又は初期テーブルが存在する場合には、呼吸位相データを用いたフィッティング等によって呼吸周期データが更新される。
このようなナビゲータシーケンスの実行による呼吸位相データの取得及び呼吸位相データに基づく呼吸周期データの更新は、ステップS11において撮像条件設定部40によりナビゲータ信号のデータ収集が完了したと判定されるまで繰返すことができる。具体的には、少なくとも呼吸1周期分の呼吸位相データを用いた呼吸周期データの更新が完了するまで、呼吸位相データの取得及び呼吸周期データの更新が繰返される。但し、呼吸位相データの取得回数を増やす程、呼吸周期データの精度を向上させることができる。
呼吸周期データが取得されると、図10又は図11に示すイメージングスキャンを開始することができる。すなわち、呼吸周期データを取得するためのプレスキャンに引続きMR画像データの収集のためのイメージングスキャンを実行することができる。
このように、イメージング対象となる被検体Pから実際に収集したナビゲータ信号及び呼吸位相データに基づいて呼吸周期データを求めれば、被検体Pごとの呼吸の特徴をより正確に反映させた呼吸周期データを取得することができる。その結果、イメージングデータの収集タイミングにおける呼吸位相の推定精度が向上し、より効果的な動き補正を行うことが可能となる。
つまり以上のような磁気共鳴イメージング装置20は、ナビゲータシーケンスの実行によって収集された第1のNMR信号に基づいて、呼吸性の動きによる位置のシフト量及び呼吸性の動きによる位相のシフト量を含む情報として呼吸性の動きを表す情報を取得し、被検体Pからのイメージングデータとしての第2のNMR信号の収集、呼吸性の動きを表す情報に基づく動き補正及び第2のNMR信号に対する画像化処理を含むMRイメージングによってMR画像データを生成するようにしたものである。
すなわち、磁気共鳴イメージング装置20では、リファレンスデータとしての呼吸周期データを参照することによって、ナビゲータ信号の収集タイミングにおける呼吸位相からイメージングシーケンスの実行タイミングにおける呼吸位相が先読みされる。そして、イメージングシーケンスの実行タイミングにおける呼吸位相に基づいて呼吸性の動き補正が実行される。
このため、磁気共鳴イメージング装置20によれば、ナビゲータ信号の収集による安定した呼吸のモニタリングが可能となる。特に、位相画像データから算出される位相シフト量に基づいて、横隔膜の位置のみならず、移動方向を特定することができる。このため、動き補正の精度を向上させることができる。
その結果、呼吸性の動きによるアーチファクトが低減された高画質な腹部等の画像データを自由呼吸下で収集することが可能となる。また、従来のナビゲータ信号を利用した呼吸同期法を改良することができる。具体的には、従来のナビゲータ信号を利用した呼吸同期法において生じ得る、横隔膜の移動方向の誤検知を回避することができる。
更に、磁気共鳴イメージング装置20によれば、1shot、つまり画像1フレーム分のデータ収集によって横隔膜の位置に加えて横隔膜の移動方向を含む呼吸位相を検出することができる。このため、ナビゲータシーケンスの実行回数を減らすことができる。特に、ナビゲータシーケンスの実行回数を1回にすることもできる。
従って、イメージングを短時間に行うことが可能となり、撮像効率の向上を図ることができる。また、ナビゲータシーケンスを実行するための期間が短いパルスシーケンスであっても、正確に呼吸位相を検出することができる。このため、ナビゲータシーケンスを繰返し実行するための期間の確保が困難なTime-SLIP等のプリパルスの印加を伴うイメージングであっても、ナビゲータ信号を利用した呼吸同期イメージングが可能となる。
以上、特定の実施形態について記載したが、記載された実施形態は一例に過ぎず、発明の範囲を限定するものではない。ここに記載された新規な方法及び装置は、様々な他の様式で具現化することができる。また、ここに記載された方法及び装置の様式において、発明の要旨から逸脱しない範囲で、種々の省略、置換及び変更を行うことができる。添付された請求の範囲及びその均等物は、発明の範囲及び要旨に包含されているものとして、そのような種々の様式及び変形例を含んでいる。
20 磁気共鳴イメージング装置
21 静磁場用磁石
22 シムコイル
23 傾斜磁場コイル
24 RFコイル
25 制御系
26 静磁場電源
27 傾斜磁場電源
28 シムコイル電源
29 送信器
30 受信器
31 シーケンスコントローラ
32 コンピュータ
33 入力装置
34 表示装置
35 演算装置
36 記憶装置
37 寝台
40 撮像条件設定部
40A スケジューリング部
40B パルスシーケンス作成部
41 データ処理部
42 k空間データ記憶部
43 画像データ記憶部
44 呼吸周期データ記憶部
P 被検体

Claims (10)

  1. 被検体第1の磁気共鳴信号を収集し、前記第1の磁気共鳴信号の信号強度を画像化した絶対値画像データの呼吸性の動きによる位置のシフト量及び前記第1の磁気共鳴信号の位相を画像化した位相画像データの前記呼吸性の動きによる位相のシフト量取得する動き検出手段と、
    前記被検体からの第2の磁気共鳴信号の収集、前記位置のシフト量及び前記位相のシフト量に基づく動き補正及び前記第2の磁気共鳴信号に対する画像化処理を含む磁気共鳴イメージングによって磁気共鳴画像データを生成するイメージング手段と、
    を備える磁気共鳴イメージング装置。
  2. 前記動き検出手段は、前記被検体の頭尾方向における動きによって前記第1の磁気共鳴信号に生じる位相シフトを強調するための動き強調傾斜磁場パルスの印加を伴って前記第1の磁気共鳴信号を収集するように構成される請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置。
  3. 前記イメージング手段は、前記第1の磁気共鳴信号の信号強度を画像化した前記絶対値画像データの前記位置のシフト量及び前記第1の磁気共鳴信号の位相を画像化した前記位相画像データの前記位相のシフト量に基づいて、前記第2の磁気共鳴信号の収集タイミングに対応する絶対値画像データの位置のシフト量及び位相画像データの位相のシフト量を前記第2の磁気共鳴信号の収集前に予測し、予測した前記第2の磁気共鳴信号の収集タイミングに対応する前記位置のシフト量及び前記位相のシフト量に応じた動き補正を実行するように構成される請求項1又は2記載の磁気共鳴イメージング装置。
  4. 前記イメージング手段は、少なくとも単一の時刻に対応する前記第1の磁気共鳴信号の信号強度を画像化した前記絶対値画像データの前記位置のシフト量及び前記第1の磁気共鳴信号の位相を画像化した前記位相画像データの前記位相のシフト量に基づいて、前記第2の磁気共鳴信号の収集タイミングに対応する絶対値画像データの位置のシフト量及び位相画像データの位相のシフト量を前記第2の磁気共鳴信号の収集前に予測し、予測した前記第2の磁気共鳴信号の収集タイミングに対応する前記位置のシフト量及び前記位相のシフト量に応じた動き補正を実行するように構成される請求項1乃至3のいずれか1項に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  5. 前記イメージング手段は、プリパルスの印加を伴って前記第2の磁気共鳴信号を収集するように構成され、
    前記動き検出手段は、前記プリパルスの印加タイミングと前記第2の磁気共鳴信号の収集タイミングとの間において、少なくとも1フレームの絶対値画像データ及び位相画像データを生成するための前記第1の磁気共鳴信号を収集するように構成される請求項1乃至4のいずれか1項に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  6. 前記イメージング手段は、第1のイメージングシーケンス及び第2のイメージングシーケンスに従って前記第2の磁気共鳴信号を収集するように構成され、
    前記動き検出手段は、前記第1のイメージングシーケンスの実行タイミングと前記第2のイメージングシーケンスの実行タイミングとの間において、少なくとも1フレームの絶対値画像データ及び位相画像データを生成するための前記第1の磁気共鳴信号を収集するように構成される請求項1乃至5のいずれか1項に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  7. 前記第1の磁気共鳴信号を異なる複数のタイミングで収集すると仮定した場合に前記複数のタイミングに対応して取得される複数の前記位置のシフト量と複数の前記位相のシフト量との関係を示す情報を保存する記憶部を更に備え、
    前記イメージング手段は、前記関係を示す情報に基づいて前記第2の磁気共鳴信号の収集タイミングに対応する前記位置のシフト量及び前記位相のシフト量を予測するように構成される請求項3又は4記載の磁気共鳴イメージング装置。
  8. 前記動き検出手段は、前記第2の磁気共鳴信号の収集に先だって、異なる複数のタイミングで前記第1の磁気共鳴信号を収集することによって前記複数のタイミングに対応する複数の前記位置のシフト量と複数の前記位相のシフト量との関係を示す情報を求め、
    前記イメージング手段は、前記関係を示す情報に基づいて前記第2の磁気共鳴信号の収集タイミングに対応する前記位置のシフト量及び前記位相のシフト量を予測するように構成される請求項3又は4記載の磁気共鳴イメージング装置。
  9. 前記動き検出手段は、前記絶対値画像データに設定された所定の領域における画像信号強度のプロファイルであって、前記被検体の頭尾方向における前記画像信号強度のプロファイルの、基準となるプロファイルからの位置方向のシフト量として前記位置のシフト量を求める一方、前記位相画像データに設定された所定の領域における位相のプロファイルであって、前記被検体の頭尾方向における前記位相のプロファイルの、基準となるプロファイルからの位相方向のシフト量として前記位相のシフト量を求めるように構成される請求項1乃至8のいずれか1項に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  10. 前記イメージング手段は、前記第1の磁気共鳴信号の信号強度を画像化した前記絶対値画像データの前記位置のシフト量及び前記第1の磁気共鳴信号の位相を画像化した前記位相画像データの前記位相のシフト量に基づく前記第2の磁気共鳴信号の収集条件の補正又は前記磁気共鳴画像データの生成条件の補正を前記動き補正として実行するように構成される請求項1乃至9のいずれか1項に記載の磁気共鳴イメージング装置。
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