JP6325267B2 - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、磁気共鳴イメージング装置に関する。
磁気共鳴イメージング装置は、静磁場中に置かれた患者の原子核スピンをラーモア周波数の高周波(RF:Radio Frequency)信号で励起し、励起に伴って患者から発生する磁気共鳴信号を再構成して画像を生成する撮像装置である。
磁気共鳴イメージングの分野において、心拍の信号を観測して同期撮像を行う技術があり、一般に心電同期法と呼ばれる。また、同じく磁気共鳴イメージングの分野において、複数の心時相で心臓の画像を生成し、心時相に応じた時系列で再生することを可能とするシネ撮像が行われている(例えば、特許文献1等)。
特開2009−160378号公報
磁気共鳴イメージングにおける心臓のシネ撮像では、呼吸性の動きによる心臓の位置ずれを低減させるために、息止めでの撮像が行われる。一方、心臓の撮像では、左心室全体をカバーするように複数の短軸像を撮像することが多い。この場合、10スライス程度の短軸像の収集が必要であり、1つのスライスの短軸像を撮像するために1回の息止め撮像を行い、次のスライスの短軸像を撮像するためにまた息止め撮像を行い、これを10回繰り返すことになる。このため、全体の撮像に要する時間が長くなり、患者に対する負担も大きくなる。また、息止めが困難な患者の場合は、呼吸性の動きによる画質の低下や、画像間での位置ずれが生じることになる。
この問題に対して、パラレルイメージング法などを用いて1スライスの撮像時間を短縮する方法もあるが、必ずしも十分な解決策とはなっていない。
そこで、息止めを必要としない自由呼吸下においても、画質の低下や位置ずれを低減しつつ連続的にシネ撮像することができる磁気共鳴イメージング装置が要望されている。
本実施形態の磁気共鳴イメージング装置は、複数の励起パルスを用いて心臓内の所定のスライス断面から診断用信号を収集する本収集シーケンスと、複数のダミーパルスを用いて前記診断用信号を安定化させるダミーシーケンスとを、交互に被検体に印加する撮像条件を設定する撮像条件設定部と、前記本収集シーケンスでは、前記心臓内の所定のスライス断面を前記励起パルスで励起して前記スライス断面のデータを収集し、前記ダミーシーケンスでは、前記本収集シーケンスと同じスライス断面を前記ダミーパルスで励起する一方、前記スライス断面とは異なる断面方向に前記スライス断面を投影した投影断面のデータを収集するデータ収集部と、前記本収集シーケンスで収集されたデータを再構成して前記スライス断面の画像を生成すると共に、前記ダミーシーケンスで収集されたデータを再構成して前記投影断面の画像を生成する再構成部と、前記本収集シーケンスの直前のダミーシーケンスを第1のダミーシーケンスとし、前記本収集シーケンスの直後のダミーシーケンスを第2のダミーシーケンスとするとき、前記第1のダミーシーケンスによって生成される投影断面画像から第1の重心位置を求める一方、前記第2のダミーシーケンスによって生成される投影断面画像から第2の重心位置を求め、前記第1及び第2の重心位置から前記スライス断面の動き補正量を算出する補正量算出部と、前記動き補正量を用いて、前記第2のダミーシーケンスの直後に行わる本収集シーケンスのスライス断面の位置を更新するスライス位置更新部と、を備えたことを特徴とする。
実施形態の磁気共鳴イメージング装置の全体構成例を示す構成図。 心臓のシネ撮像の処理に関わる構成を示すブロック図。 第1の実施形態の動作を説明するフローチャート。 心臓の短軸断面の概念を説明する図。 実施形態の磁気共鳴イメージング装置で用いられるパルスシーケンスの一例を示す図。 本収集シーケンスとダミーシーケンスで収集するデータの断面を説明する図。 本収集シーケンスとダミーシーケンスにおけるパルスシーケンスの具体例を示す図。 第1の実施形態における動き補正量の算出概念を説明する図。 第1の実施形態におけるスライス位置の更新の概念を説明する第1の図。 第1の実施形態におけるスライス位置の更新の概念を説明する第2の図。 第1の実施形態の変形例(1)のパルスシーケンスを示す図。 第1の実施形態の変形例(2)のパルスシーケンスを示す図。 第1の実施形態の変形例(3)のパルスシーケンスを示す図。 第1の実施形態の変形例(4)の動作概念を説明する図。 第1の実施形態の変形例(5)の動作概念を説明する図。 第2の実施形態の動作を説明するフローチャート。 第2の実施形態の動作を説明する第1の図。 第2の実施形態の動作を説明する第2の図。
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
(1)全体構成
図1は、本実施形態における磁気共鳴イメージング装置1の全体構成を示すブロック図である。実施形態の磁気共鳴イメージング装置1は、磁石架台100、寝台200、制御キャビネット300、コンソール400等を備えて構成される。
磁石架台100は、静磁場磁石10、傾斜磁場コイル11、RFコイル12等を有しており、これらの構成品は円筒状の筐体に収納されている。寝台200は、寝台本体20と天板21を有している。
一方、制御キャビネット300は、静磁場用電源30、傾斜磁場電源31(X軸用31x、Y軸用31y、Z軸用31z)、RF受信器32、RF送信器33、シーケンスコントローラ34等を備えている。また、コンソール400は、プロセッサ40、記憶部41、入力部42、表示部43等を有するコンピュータとして構成されている。
磁石架台100の静磁場磁石10は、概略円筒形状をなしており、被検体(患者)の撮像領域であるボア(静磁場磁石10の円筒内部の空間)内に静磁場を発生させる。静磁場磁石10は超電導コイルを内蔵し、液体ヘリウムによって超電導コイルが極低温に冷却されている。静磁場磁石10は、励磁モードにおいて静磁場用電源30から供給される電流を超電導コイルに印加することで静磁場を発生し、その後、永久電流モードに移行すると、静磁場用電源30は切り離される。一旦永久電流モードに移行すると、静磁場磁石10は長時間、例えば1年以上に亘って、大きな静磁場を発生し続ける。なお、静磁場磁石10を永久磁石として構成しても良い。
傾斜磁場コイル11も概略円筒形状をなし、静磁場磁石10の内側に固定されている。この傾斜磁場コイル11は、傾斜磁場電源(31x、31y、31z)から供給される電流によりX軸,Y軸,Z軸の方向に傾斜磁場を被検体に印加する。
寝台200の寝台本体20は天板21を上下方向に移動可能であり、撮像前に天板21に載った被検体を所定の高さまで移動させる。その後、撮影時には天板21を水平方向に移動させて被検体をボア内に移動させる。
RFコイル12は全身用コイルとも呼ばれ、傾斜磁場コイル11の内側に被検体を挟んで対向するように固定されている。RFコイル12は、RF送信器33から伝送されるRFパルスを被検体に向けて送信する一方、また、水素原子核の励起によって被検体から放出される磁気共鳴信号を受信する。
RF送信器33は、シーケンスコントローラ34からの指示に基づいて、RFコイル12にRFパルスを送信する。一方、RF受信器32は、RFコイル12によって受信された磁気共鳴信号を検出し、検出した磁気共鳴信号をデジタル化して得られる生データをシーケンスコントローラ34に対して送信する。
シーケンスコントローラ34は、コンソール400による制御のもと、傾斜磁場電源31、RF送信器33およびRF受信器32をそれぞれ駆動することによって被検体のスキャンを行う。そして、シーケンスコントローラ34は、スキャンを行ってRF受信器32から生データを受信すると、その生データをコンソール400に送信する。
コンソール400は、磁気共鳴イメージング装置1全体を制御する。具体的には、検査技師等のマウスやキーボード等(入力部42)の操作によって撮像条件その他の各種情報や指示を受け付ける。そして、プロセッサ40は、入力された撮像条件に基づいてシーケンスコントローラ34にスキャンを実行させる一方、シーケンスコントローラ34から送信された生データに基づいて画像を再構成する。再構成された画像は表示部43に表示され、或いは記憶部41に保存される。
磁気共鳴イメージング装置1は、心電計(図示せず)等から得られる患者の心電信号(例えば、R波)に同期させて患者の心臓をシネ撮像することができる。
図2は、心臓のシネ撮像の処理に関わる構成を示すブロック図である。図2に示すように、磁気共鳴イメージング装置1は、撮像条件設定部410、再構成部420(再構成部(1)422、再構成部(2)424)、補正量算出部430(重心位置算出部432、演算部434)、スライス位置更新部440、シネ画像生成部450等のユニットを有している。これらの各ユニットの機能は、所定のプログラムコードを、コンソール400のプロセッサ40が実行することによって実現されるが、このようなソフトウェア処理に限らず、例えば、ASIC等を用いたハードウェア処理で実現しても良いし、ソフトウェア処理とハードウェア処理とを組み合わせて実現しても良い。
なお、図2において、図1に示す磁気共鳴イメージング装置1の構成のうち、コンソール400を除いた構成の総称をデータ収集部500としている。また、図2における入力部42及び表示部43は、図1に示すものと同じであるため、同じ符号を付している。
上記各ユニットのうち、撮像条件設定部410は、複数の励起パルスを用いて心臓内の所定のスライス断面から診断用信号を収集する本収集シーケンスと、複数のダミーパルスを用いて前記診断用信号を安定化させるダミーシーケンスとを、交互に被検体に印加する撮像条件を設定する。この撮像条件は、操作者によって入力部42から入力される情報や、スライス位置更新部440が出力するスライス位置の情報等によって設定される。設定された撮像条件は、データ収集部500のシーケンスコントローラ34に送られる。本収集シーケンスとダミーシーケンスの具体的な内容については後述する。
データ収集部500は、本収集シーケンスにおいては、心臓内の所定のスライス断面を複数の励起パルスで励起して前記所定のスライス断面のデータを収集する。また、ダミーシーケンスでは、収集シーケンスと同じスライス断面を複数のダミーパルスで励起する一方、前記スライス断面とは異なる断面方向に前記スライス断面を投影した投影断面のデータを収集する。データ収集部500のより具体的な動作についても後述する。
再構成部420の再構成部(2)424は、本収集シーケンスで収集されたデータを再構成して前記スライス断面の画像を生成する。一方、再構成部420の再構成部(1)422は、ダミーシーケンスで収集されたデータを再構成して前記投影断面の画像を生成する。
補正量算出部430の重心位置算出部432は、本収集シーケンスの直前のダミーシーケンスを第1のダミーシーケンスとし、前記本収集シーケンスの直後のダミーシーケンスを第2のダミーシーケンスとするとき、前記第1のダミーシーケンスによって生成される投影断面画像から第1の重心位置を求める一方、前記第2のダミーシーケンスによって生成される投影断面画像から第2の重心位置を求める。そして、補正量算出部430の演算部434は、第1及び第2の重心位置から前記スライス断面の動き補正量を算出する。
スライス位置更新部440は、算出された動き補正量を用いて、第2のダミーシーケンスの直後に行わる本収集シーケンスのスライス断面の位置を更新する。
前述したように、心臓の位置は呼吸に伴う横隔膜の動きによってその位置が変化するが、上記動き補正量は、このような呼吸性の動きを補正するものである。2次元シネ撮像では、心臓内の所定の同一断面を継続的に撮像することを意図しているが、呼吸性の動きがあると撮像断面が変化するため、所望の断面の画像が得られない。そこで、本実施形態の磁気共鳴イメージング装置1では、呼吸性の動きを、ダミーシーケンスで収集されたデータから動き補正量としてリアルタイムで算出し、この動き補正量を用いたプロスペクティブな撮像位置の補正によって次に撮像すべきスライス断面の位置を更新している。この結果、呼吸によって心臓の位置が動いたとしても、心臓内の解剖学的に同一な断面を追尾しながら、常に同一スライスの撮像データを本収集シーケンスにおいて収集することができ、自由呼吸下での心臓のシネ撮像が可能となる。
なお、動き補正量は、呼吸性の動きだけでなく、撮像中の被検体の体の動きも含んだ補正量であるため、両方の動きを同時に補正することも可能である。
シネ画像生成部450は、本収集シーケンスで収集されたデータに基づいて再構成された2次元画像を心時相に従って時系列に並べてシネ画像を生成する。
(2)動作(第1の実施形態)
図3は、第1の実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置1の動作を説明するフローチャートである。以下、図3のフローチャートに沿って磁気共鳴イメージング装置1の動作を説明する。
ステップST100では、操作者によって入力部42から入力される撮像条件に関する各種の情報を装置が取り込む。撮像条件には、例えば撮像断面(以下、スライスと呼ぶ場合もある)に関する情報や、パルスシーケンスに関する情報が含まれる。
磁気共鳴イメージング装置1は、心臓の所定の解剖学的断面を撮像するものであるが、心臓を診断する上で、左室短軸断面(以下、単に短軸断面と呼ぶ)の画像(短軸断面像)が非常に重要であることが知られている。図4は、短軸断面の概念を説明する図である。図4に示すように、左室心尖部と僧帽弁の中心を結ぶ軸を左室長軸と呼ぶが、短軸断面は、この左室長軸に直交する左心室内の断面である。短軸断面の撮像においては、1つの所定の短軸断面を撮像する場合もあるが、図4に示すように、左室長軸上の異なる位置において、左心室全体をカバーするように複数の短軸断面で撮像する場合も多い。
磁気共鳴イメージング装置1が対象とする心臓の撮像断面は、短軸断面に限定されるものではなく、心臓の様々な位置の断面を撮像対象とすることができるが、以下の説明では、短軸断面の撮像を例に挙げて説明する。
また、同一の短軸断面を連続的にシネ撮像する動作を第1の実施形態として説明し、異なる複数の短軸断面を切り換えながら撮像する動作、即ち、1つの短軸断面をシネ撮像した後に次の短軸断面に移動してこれを撮像するといった動作を第2の実施形態として後述する。
ステップST100では、撮像断面に関する情報として、例えば上述した短軸断面の位置や向き等の情報が取り込まれる。そして、ステップST102では、撮像条件設定部410が、これらの撮像断面に関する情報を装置に設定する。
また、ステップST100では、パルスシーケンスに関する情報も取り込まれ、この情報はステップST102において装置に設定される。
図5は、磁気共鳴イメージング装置1で用いられるパルスシーケンスの一例を示す図である。磁気共鳴イメージング装置1は、心臓の断面を、心拍に対応する動きが反映された動画として描出できるように撮像することができる、即ち、シネ撮像することができるように構成される。このため、非常に高速なパルスシーケンスを用いる必要があり、グラディエントエコー系(フィールドエコー系とも呼ぶ)のパルスシーケンスが好適である。
高速のグラディエントエコー(GRE:Gradient Echo)系のパルスシーケンスとしては、残留横磁化を積極的に消失させるSpoiled GRE系のパルスシーケンスや、定常状態となる縦磁化と横磁化の両方を利用するbalanced SSFP(Steady State Free Precession)シーケンス等が有り、実施形態の磁気共鳴イメージング装置1ではこれらのパルスシーケンスを使用することができる。
これらのうち、Spoiled GRE系のパルスシーケンスには、励起パルスの前に傾斜磁場をかけて強制的に位相分散をはかることによって位相消失を行う方法(gradient spoilingと呼ばれる)用いるパルスシーケンス(代表的には、FLASH(Fast low angle shot)シーケンス)や、連続する励起パルスの位相を一定量ずつ変化させて横磁化を消失させる方法(RF spoilingと呼ばれる)を用いるパルスシーケンス(代表的には、SPGR(Spoiled gradient-recalled acquisition in the steady state)等がある。
一方、balanced SSFPシーケンスは、1つのTR(Repetition time:隣接する各励起パルスの間隔)内での傾斜磁場の合計をゼロとするパルスシーケンスであり、TrueSSFP(True Steady State Free Precession)、TrueFISP(True Fast imaging steady state free precession)、FIESTA(Fast imaging employing steady-state acquisition)、balancedFFE(balanced Fast field echo)等の名称で呼ばれるパルスシーケンスである。
これらの高速GRE系のパルスシーケンスでは、図5(a)に例示するように、励起パルスの間隔TRとして非常に短い値(例えば、10ms以下)が用いられる。また、通常、本収集シーケンスの前にダミーシーケンスが設けられる。ここで、本収集シーケンスとは、診断用信号(診断用の画像を生成するための磁気共鳴信号)を収集するための複数の励起パルスからなるシーケンスのことである。また、ダミーシーケンスとは、本収集シーケンスにおける縦磁化を定常状態に至らせるために付加されるシーケンスであり、換言すれば、診断用信号を安定化させるためのシーケンスである。ダミーシーケンスにおいても複数の励起パルスが用いられる(ダミーシーケンスの励起パルスをダミーパルスと呼ぶ)。ダミーパルスのTR及びフリップ角は、通常、本収集シーケンスにおける励起パルスのTR及びフリップ角と同じ値に設定される。但し、ダミーシーケンス内のダミーパルスの数は、通常、本収集シーケンス内の励起パルスの数よりも少なく設定される。
ダミーシーケンスは、本収集シーケンスにおける縦磁化を定常状態に至らせることを目的としており、このため、従来、ダミーシーケンスでデータを取得することはほとんど考えられていなかった。これに対して、実施形態の磁気共鳴イメージング装置1では、ダミーシーケンスにおいて、動き補正用のデータを取得するものとしている。つまり、本実施形態の磁気共鳴イメージング装置1におけるダミーシーケンスは、診断用信号を安定化させる機能と、動き補正用のデータを取得する機能の2つの機能を同時に実現している。
図5のパルスシーケンスについてさらに説明する。図5のパルスシーケンスでは、心電信号(例えば、R波)に同期した心電同期シーケンスとなっている。本実施形態における心電同期とは、プロスペクティブな心電同期と、レトロスペクティブな心電同期の両方を含みうる。プロスペクティブな心電同期の場合、装置がR波のタイミングを検出し、このR波に同期させて励起パルス列を発生させる。図5に示す例の場合、検出したそれぞれのR波に同期させて、各R波の直後の本収集シーケンスの励起パルス列を発生させる。本収集シーケンスの直後のダミーシーケンスの励起パルスは、本収集シーケンスの励起パルス列と連続性を確保するように発生させる。そして、次のR波が到来すると、そのR波に同期させて本収集シーケンス内の励起パルス列を新たに発生させる。
一方、レトロスペクティブな心電同期の場合、磁気共鳴信号の取得と同時に心電信号を取得して記憶する一方、本収集シーケンスの励起パルス列とダミーシーケンスの励起パルス列はR波とは独立して連続的に切れ目なく発生する。そして、磁気共鳴信号と心電信号との対応付けを、記憶した心電信号に基づいて事後的に行うことにより、磁気共鳴信号と心電信号とを同期させる。
また、図5に示すパルスシーケンスは、1つの短軸断面像を生成するための磁気共鳴信号を、複数の心拍に分割して収集する、所謂セグメンティド心電同期法によるシーケンスとなっている。1つの心拍が1つのセグメントに対応する。図5に示す例では、セグメント1からセグメントMまでのM個のセグメントによって、1つの短軸断面像を生成するために必要な磁気共鳴信号を収集する。具体的には、1つの短軸断面像を生成するために必要な位相エンコード方向のk空間データを、各セグメントにおいて、1/Mずつ分けて収集する。セグメントMのデータ収集が終了した時点で、画像再構成に必要なすべてのk空間データが充足されることになる。
一方、各セグメント(1R−R間)内では、複数の心時相(図5の例では、心時相1から心時相NまでのN心時相)に亘って磁気共鳴撮像装置が収集される。セグメントMのデータ収集が終了した時点で、同じ心時相のk空間データが、セグメント1からセグメントMまでの夫々のk空間データから取り出され、心時相ごとに、1つの短軸断面像を生成するために必要なフルのk空間データが集められる。
なお、位相エンコード方向の解像度を低減し、或いはFOV(Field of view)の大きさを小さくすることによって位相エンコード数を限定し、或いは、心時相の数を限定することにより、セグメンティド法に依らず、1心拍内において、複数心時相の短軸断面像を生成するために必要なデータを収集することもできる。
また、実施形態の磁気共鳴イメージング装置1では、本収集シーケンスとダミーシーケンスとを交互に印加するように構成されている。図5に示すパルスシーケンスでは、最も左にあるダミーシーケンスに続いて本収集シーケンス(1)が印加され、これに続いてダミーシーケンスが印加され、その直後に本収集シーケンス(2)が印加される、というように、本収集シーケンスとダミーシーケンスとが交互に印加される。
ここで、本収集シーケンスでは、心臓内の所定のスライス断面(今の例では、短軸断面)を複数の励起パルスで励起して前記所定のスライス断面のデータを収集する。一方、ダミーシーケンスでは、本収集シーケンスと同じスライス断面をダミーパルスで励起するものの、前記スライス断面とは異なる断面方向に前記スライス断面を投影した投影断面のデータを収集する。
図6は、本収集シーケンスとダミーシーケンスで収集するデータの断面を説明する図である。図6の左上の心臓の模式図はコロナル面の図であり、被検体の左右方向をX方向、腹背方向をY方向、頭足方向をZ方向とする座標系で示している。以下、この座標系で説明する。
本収集シーケンスでは、心臓模式図上に太い実線で示した短軸断面を、この断面に垂直な方向から見た画像(図6の左下にクロスハッチングで示す短軸断面像)として再構成するためのデータを収集する。このため、短軸断面に対応するスライス面を選択して励起パルスを印加する。そして、位相エンコード方向はY方向(腹背方向)とし、リードアウト方向は、短軸断面の傾斜に沿ったX/Z合成方向とする。
一方、ダミーシーケンスで収集するデータは、図6の右側に示すように、短軸断面をX方向(左右方向)に投影した投影断面像(サジタル断面像となる)として再構成するためのデータを収集する。このサジタル断面像を得るために、選択するスライス面は、本収集と同じ短軸断面に対応するスライス面とし、位相エンコード方向も本収集シーケンスと同じY方向(腹背方向)とするものの、リードアウト方向は本収集シーケンスとは異なり、Z方向とする。
図7(a)は、本収集シーケンスにおける上述の短軸断面のデータを収集するためのパルスシーケンスの具体例を、また、図7(b)は、ダミーシーケンスにおける上述の投影断面(サジタル面)のデータを収集するためのパルスシーケンスの具体例を示す図である。いずれのパルシーケンスも1TR分を示しており、balanced SSFPシーケンスに対応するものである。
図7(a)に示すように、本収集シーケンスでは、スライス選択用にはX方向傾斜磁場GxとZ方向傾斜磁場Gzが同時に印加されており、X/Z合成方向に傾斜した短軸断面のスライスを選択する。同様に、リードアウト用にも、傾斜磁場Gxと傾斜磁場Gzが同時に印加されており、X/Z合成方向に磁気共鳴信号を読み出すことができる。位相エンコード用には、Y方向傾斜磁場Gyのみが用いられる。
一方、ダミーシーケンスでは、スライス選択用と位相エンコード用の傾斜磁場は本収集と同じであるが、リードアウト用の傾斜磁場には、Z方向傾斜磁場Gzのみが用いられている。
前述したように、本実施形態の磁気共鳴イメージング装置1では、ダミーシーケンスで収集したデータから、動き補正用のデータを求める構成としている。より具体的には、ダミーシーケンスで収集したデータから投影画像を再構成し、この投影画像の重心位置の変化から、呼吸等によって変動する心臓位置の変化を求める構成としている。ここで、呼吸による心臓位置の変動は、主に横隔膜の上下方向(頭足方向)の動きに起因しており、Z方向の動きが支配的となる。そこで、ダミーシーケンスにおけるリードアウト方向をZ方向とし、投影断面をサジタル面とすることにより、呼吸性の動きが投影断面像上に、より顕著に現れるようにしている。
なお、投影断面像は、Z方向とY方向の2次元画像であるため、Z方向の動きだけでなく、Y方向の動きも検出することができる。
また、セグメンティド法を用いる本収集シーケンスでは、複数の心拍に亘ってデータを収集し、1つの短軸断面を複数の心時相で撮像したシネ画像を生成するのに対して、ダミーシーケンスでは、1心拍内の1つのダミーシーケンスで収集されるデータから、1つの投影断面像を生成する。つまり、動き補正量を算出するための投影断面像は、心拍毎に生成され、1つの短軸断面像が生成される時間よりも短い。したがって、1つの短軸断面像を生成する間に変動する心臓の動きを、より細かい周期で補正することができる。
ここまで、図3のステップST102で設定される撮像条件(パルスシーケンスや、撮像断面等)について説明してきたが、次に、このパルスシーケンス等を用いた動き補正の具体的な方法について説明する。
図3のステップST104において撮像開始の指示が入力部42から入力されると、撮像条件設定部410に設定された上記の撮像条件がシーケンスコントローラ34に送られ、設定されたパルスシーケンスの被検体への印加が開始される。
ステップST106からステップST114は、図5に示すパルスシーケンスのうち、R波から次のR波までの1つのセグメントの処理を示すものであり、セグメント1からセグメントMまで、ステップST106からステップST114までの処理が繰り返される。なお、セグメントMの終了後も撮像を継続する場合には、引き続き、セグメント1からセグメントMまで、ステップST106からステップST114までの処理が繰り返される。そして、ステップST114において撮像終了の指示を受けたことが判定されると、そこで処理を終了する。
なお、図5のパルスシーケンスは、セグメント1からセグメントMまでのシーケンスが繰り返し行われる場合に、その一部を取り出したものであり、図5の本収集シーケンス(1)の直前には「ダミーA」(図5(b)参照)で表記されるダミーシーケンスが既に行われているものとする。つまり、図3のステップST106における本収集シーケンスの実行が、図5(b)の本収集シーケンス(1)の実行であるとすると、その実行の前に既に「ダミーA」の実行が終わっている。そして、ステップST108では、本収集シーケンス(1)の直後のダミーシーケンス(「ダミーB」、図5(b)参照)が実行される。
ステップST110では、ダミーシーケンスの収集データに基づく動き補正量が算出される。
図8は、ステップST110における動き補正量の算出概念を説明する図である。図8(a)に示す実線の楕円は、本収集シーケンス(1)の直前のダミーA印加時における心臓の外形位置を模式的に示した図である。また、太い実線の線分は、同じくダミーA印加時における短軸断面の位置を示す。
一方、図8(a)に示す破線の楕円は、本収集シーケンス(1)の直後のダミーB印加時における心臓の外形位置を模式的に示した図であり、太い破線の線分は同じくダミーB印加時における短軸断面の位置を示している。実線で示すダミーA印加時の短軸断面位置と、破線で示すダミーB印加時における短軸断面の位置との差は、本収集シーケンス(1)の開始と終了との間における心臓位置の変化(呼吸等に起因する)に因るものである。
ダミーA及びダミーBで収集されたデータは、図2の再構成部(1)422でそれぞれ再構成され、図8(b)に楕円形で例示する、投影断面像A、及び投影断面像Bがそれぞれ生成される。
次に、図2に示す補正量算出部430の重心位置算出部432は、投影断面像A、及び投影断面像Bの重心位置α、及び重心位置βを夫々算出する。さらに、補正量算出部430の演算部434は、重心位置α、及びβから、動き補正量Cαβを算出する。
動き補正量Cαβは、例えば、重心位置α及びβの差から、Cαβ=β−α、として算出される。
ステップST112では、算出された動き補正量を用いて撮像断面位置の補正を行って、次の本収集シーケンスで収集するスライス位置を更新する。
スライス位置の更新の概念を図9及び図10に示す。図9の上段の図に示すように、本収集シーケンス(1)の撮像対象である短軸断面1に対応するスライスとして、スライス1−1が設定されているとする。そして、本収集シーケンス(1)の直前のダミーAの重心位置がαであり、本収集シーケンス(1)の直後のダミーBの重心位置がβであるとする。このときの動き補正量Cαβは重心位置の差(β―α)として算出される。この場合、ダミーBの直後の本収集シーケンス(2)の撮像対象は、本収集シーケンス(1)と同じ短軸断面1であるが、そのスライス位置は、動き補正量Cαβを用いて、次式、
スライス1−2の設定位置=スライス1−1の設定位置+動き補正量Cαβ
により、スライス1−1からスライス1−2に更新される。
その後、図3の処理は、ステップST114を経てステップST106に戻り、更新されたスライス1−2の位置で本収集シーケンス(2)が実行される。そして、本収集シーケンス(2)の直後にステップST108として実行されるダミーCから算出される重心位置γと、既に算出されているダミーBの重心位置βとから、動き補正量Cβγが算出され、次の本収集シーケンス(3)のスライス1−3の設定位置が、次式、
スライス1−3の設定位置=スライス1−2の設定位置+動き補正量Cβγ
により、スライス1−2からスライス1−3に更新される。以下、このような処理が撮像終了まで繰り返される。
図10は、上述した処理の概念を、横軸を時間、縦軸を短軸断面の位置とするグラフで説明する図である。図10の曲線が呼吸等による動きによって変化する短軸断面の位置を表しており、黒丸が、ダミーシーケンスによって求められる投影断面の重心位置である。そして、太い実線が、動き補正量によって更新される本収集シーケンスのスライス設定位置を表している。
上述したように、実施形態の磁気共鳴イメージング装置1は、本収集シーケンスの直前のダミーシーケンスを第1のダミーシーケンスとし、本収集シーケンスの直後のダミーシーケンスを第2のダミーシーケンスとするとき、第1のダミーシーケンスによって生成される投影断面画像から第1の重心位置を求める一方、前記第2のダミーシーケンスによって生成される投影断面画像から第2の重心位置を求め、前記第1及び第2の重心位置から前記スライス断面の動き補正量を算出するように、補正量算出部430を構成している。
また、算出した前記動き補正量を用いて、前記第2のダミーシーケンスの直後に行わる本収集シーケンスのスライス断面の位置を更新するように、スライス位置更新部440を構成している。更新された本収集シーケンスのスライス断面の位置は、撮像条件設定部410において新たな撮像条件として設定され、次の本収集シーケンスの実行のためにシーケンスコントローラ34に送出される。
上述したように、第1の実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置1によれば、呼吸等による心臓の動きを、ダミーシーケンスによって収集されたデータを用いて検出し、撮像断面(例えば、短軸断面)の動きに追随させて、撮像断面に対応するスライス位置を逐次更新している。この結果、撮像時間の長い心臓のシネ撮像においても、位置ずれの少ない良好な画像を自由呼吸化で取得することが可能となる。
また、心臓の動きを検出するためのパルスシーケンスは、診断用信号を安定化するために元々必要であったダミーシーケンスと兼用するものであり、新たに別のパルスシーケンスを付加するものではない。したがって、撮像時間を余分に延長することがない。
また、心臓の動きを検出するためにダミーシーケンスで生成する投影断面像は、本収集シーケンスと同じ解剖学的部位(同じ短軸断面)を励起しているため、ダミーシーケンスで検出する呼吸性の動きと、本収集シーケンスの撮像対象となる解剖学的部位の動きとは概ね一致しており、高い精度の動き補正量を取得することができる。
さらにまた、ダミーシーケンスで生成する投影断面像は、被検体の頭足方向に平行な断面(例えば、サジタル断面)であるため、横隔膜の変動に伴う心臓の呼吸性の動きを良好に検出することができる。また、ダミーシーケンスで生成する投影断面像は2次元画像であるため、頭足方向に加えてこれに直交する方向(腹背方向)の動きも検出することができ、本収集シーケンスの撮像対象部位の変動を2次元で補正することができる。
(3)第1の実施形態の変形例
以下、第1の実施形態の各種変形例について説明する。いずれの変形例も、図1及び図2に示す構成と同じ構成によって実現することができる。
図11は、第1の実施形態の変形例(1)のパルスシーケンスを示す図である。第1の実施形態では、図5(b)に示すように、R波の後に本収集シーケンスを印加し、その後、次のR波の前にダミーシーケンスを印加している。これに対して、変形例(1)では、R波の後、先にダミーシーケンスを印加し、その後次のR波の前に本収集シーケンスを印加している。このように、ダミーシーケンスと本収集シーケンスの順序をR−R内で入れ替えたとしても、ダミーシーケンスと本収集シーケンスとを交互に実行する点に関しては、第1の実施形態と同じであり、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
図12は、第1の実施形態の変形例(2)のパルスシーケンスを示す図である。隣接するR波の間隔は必ずしも一定ではない。特に、不整脈等によってR波の間隔が想定値よりも短くなった場合、図5(b)に示す第1の実施形態のパルスシーケンスでは、ダミーシーケンスにおいて当初計画しただけの量のデータを収集することができず、重心位置を正しく算出できなくなる。そこで、変形例(2)では、図12に示すように、ダミーシーケンスの実行中に、当初計画した量のデータを収集する前に次のR波が到来した場合には、計画した量のデータの収集が完了するまでダミーシーケンスを延長できるように構成している。これにより、重心位置を正しく算出することが可能となり、次の本収集シーケンスのスライス位置を正しく補正することが可能となる。
図13は、第1の実施形態の変形例(3)のパルスシーケンスを示す図である。変形例(3)では、1R−R間で複数の本収集シーケンスと複数のダミーシーケンスを実行する。図13に示す例では、1R−R間で2つの本収集シーケンスと2つのダミーシーケンスを実行している。この場合においても、各ダミーシーケンスにおいて夫々重心位置を算出することや、本収集シーケンスの直前と直後のダミーシーケンスで算出された重心位置を用いて次の本収集シーケンスのスライス位置を更新することに関しては、第1の実施形態と同じである。但し、変形例(3)では、本収集シーケンスのスライス位置の更新間隔が短くなるため、動きの補正をより高い精度で実現することができる。
図14は、第1の実施形態の変形例(4)の動作の概念を示す図である。図14の横軸は時間、縦軸は短軸断面の位置であり、図14の曲線が呼吸等による動きによって変化する短軸断面の位置を表している。変形例(4)では、本収集シーケンスの直前のダミーシーケンスから得られた重心位置と、直後のダミーシーケンスから得られた重心位置との差を演算部434が判定し、この差が、所定の閾値範囲内にあるときに限り、次の本収集シーケンスのスライス位置を更新してデータを収集する構成としている。
例えば、図14に例示するように、スライス1−1の設定位置における本収集シーケンス(1)の直前のダミーシーケンスから得られた重心位置αと、直後のダミーシーケンスから得られた重心位置βとの差(β―α)が所定の閾値T以上の場合は、次の本収集シーケンス(2)のスライス位置は更新せず、またデータも収集しない。或いは、スライス位置は更新してもデータは収集しない。一方、本収集シーケンス(2)の直前のダミーシーケンスから得られた重心位置βと、直後のダミーシーケンスから得られた重心位置γとの差(γ―β)が所定の閾値Tよりも小さい場合は、次の本収集シーケンス(3)のスライス位置を更新してデータを収集する。変形例(4)によれば、動きによる影響の大きいデータを取り除くことができ、画質の向上を図ることが可能となる。
図15(a)、(b)は、第1の実施形態の変形例(5)の動作の概念を示す図である。変形例(5)では、本収集シーケンスのスライス断面の位置を、その直前のダミーシーケンスと直後のダミーシーケンスとの間において、動き補正量を用いて、段階的に滑らかに更新する構成とするものである。
例えば、図15(a)、(b)に示すように、ダミーBの収集によってその重心位置βが得られ、動き補正量(β―α)(=Cαβ)が算出されると、ダミーBからダミーCまでの間において、本収集シーケンス(2)のスライス位置を、スライス位置Z1−2−1、スライス位置Z1−2−2、スライス位置Z1−2−3、のように、段階的に(図15の例では、3段階に)滑らかに更新する構成とするものである。このとき、例えば、各スライス位置は、
1−2−1=Z1−1+k1(β―α)、
1−2−2=Z1−1+k2(β―α)、
1−2−3=Z1−1+k3(β―α)、
のように、動き補正量(β―α)と、所定の係数k1、k2、k3を用いて算出される。係数k1、k2、k3は、例えば、1よりも小さい係数であり、心臓の動きを計測したデータベース等から適宜決定することができる。本収集シーケンス(2)に続く次の本収集シーケンス(3)においても、同様に、動き補正量(γ―β)(=Cβγ)を用いて、本収集シーケンス(3)のスライス位置が、スライス位置Z1−3−1、スライス位置Z1−3−2、スライス位置Z1−3−3、のように、段階的に滑らかに更新される。
変形例(5)によれば、補正によるスライス位置が第1の実施形態に比べて滑らかに連続的に変化することになるため、画像間の連続性の低下を抑制することが可能となる。
(4)第2の実施形態
第2の実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置1では、異なる複数の短軸断面を切り換えながら撮像する動作、即ち、1つの短軸断面をシネ撮像した後に次の短軸断面に移動してこれをシネ撮像するといった動作を、計画した短軸断面(スライス)の数だけ繰り返し行う。
第1の実施形態においては、スライス位置更新部440は、第1の本収集シーケンスが対象とするスライス断面と、その後の第2の本収集シーケンスが対象とするスライス断面とが同じ断面として計画されている場合であり、この場合、第1の本収集シーケンスの直後の第2のダミーシーケンスでは、第1の本収集シーケンスに対して設定したスライス断面を投影した投影断面のデータを収集する。
これに対して、第2の実施形態においては、第1の本収集シーケンスが対象とするスライス断面と、その後の第2の本収集シーケンスが対象とするスライス断面とが、所定の変位量だけ異なる断面として計画されている。この場合、第1の本収集シーケンスの直後の第2のダミーシーケンスでは、第1の本収集シーケンスで収集したスライス断面を前記所定の変位量だけ変位させ、変位後のスライス断面を投影した投影断面のデータを収集する。つまり、第2の実施形態では、短軸断面の位置を切り換えて本収集シーケンスを実行しようとするとき、その本収集シーケンスの直前のダミーシーケンスでの収集対象のスライス断面の位置が、第1の実施形態と異なっている。
図16は、第2の実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置1の動作例を示すフローチャートである。第1の実施形態のフローチャート(図3)との相違点は、撮像断面の変更の有無を判定するステップST200と、ステップST202乃至ステップST206を新たに追加している点である。その他は同じ処理であり図3と同じ符号を付している。
図16のステップST200では、撮像断面を変更するか否かが判定される。例えば、左心室内を複数の短軸断面で撮像する場合において(図4参照)、ある1つの短軸断面のセグメント1からセグメントMまでのデータ収集が終了し、次の短軸断面に変更するとき、ステップ200の判定はYESとなる。
この判定がYESの場合、現在の短軸断面の最後の本収集シーケンス(セグメントMの本収集シーケンス)の直後のダミーシーケンスを、現在の短軸断面ではなく、変更予定の短軸断面に対して実行する。
図17及び図18は、撮像断面を短軸断面1から短軸断面2に計画的に変更する場合における第2の実施形態の動作を説明する図である。図17及び図18では、短軸断面1の最後の本収集シーケンス(セグメントMの本収集シーケンス)がスライス1−Mに対して実行されており、その後、短軸断面2の本収集シーケンス(セグメント1の本収集シーケンス)がスライス2−1に対して実行される例を示している。
この場合、スライス1−M(短軸断面1)の本収集シーケンスの直前のダミーBの収集データから、投影断面像1−Mの重心位置βが算出される。一方、スライス1−M(短軸断面1)の本収集シーケンスの直後のダミーCは、スライス2−1(短軸断面2)の投影断面像2−1からその重心位置γが算出される。ここで、図17の右側、及び図18の中段に示すように、投影断面像2−1の重心位置γと、先の求めた重心位置βとの差(γ―β)は、呼吸等の動きによる移動量Sと、短軸断面1から短軸断面2に変更するときの計画的な変位量Δとの和になっている。したがって、ダミーBの重心位置βと、ダミーCの重心位置γを差分することによって、計画的位置変更を考慮した動き補正量Cβγ(=(γ―β))が算出される(図16のステップST204)。
そして、短軸断面2の本収集シーケンスのスライス2−1の位置は、図18の下段に示すように、次式、
スライス2−1の位置=スライス1−Mの位置+動き補正量Cβγ(=(γ―β))、
によって補正及び更新される(ステップST206)。
なお、短軸断面1から短軸断面2に変更した後、変更後の短軸断面2を続けて撮像する動作は、第1の実施形態と同じである。
左室全体を複数の短軸断面でカバーするように撮像する場合(マルチスライス2Dシネ撮像する場合)、撮像時間が長くなるが、第2の実施形態による磁気共鳴イメージング装置1によれば、スライス変更時においても、呼吸等による動きを補正することができるため、自由呼吸化での連続撮像が可能となる。この他、第1の実施形態の磁気共鳴イメージング装置1で得られる技術的効果は、第2の実施形態においても同様に得られる。
また、第1の実施形態の変形例(1)乃至変形例(5)は、第2の実施形態にも適用可能であり、この場合、変形例(1)乃至変形例(5)で得られる技術的効果は、第2の実施形態においても享受できる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1 磁気共鳴イメージング装置
40 プロセッサ
42 入力部
43 表示部
400 コンソール
410 撮像条件設定部
420 再構成部
430 補正量算出部
440 スライス位置更新部
500 データ収集部

Claims (11)

  1. 複数の励起パルスを用いて心臓内の所定のスライス断面から診断用信号を収集する本収集シーケンスと、複数のダミーパルスを用いて前記診断用信号を安定化させるダミーシーケンスとを、交互に被検体に印加する撮像条件を設定する撮像条件設定部と、
    前記本収集シーケンスでは、前記心臓内の所定のスライス断面を前記励起パルスで励起して前記スライス断面のデータを収集し、前記ダミーシーケンスでは、前記本収集シーケンスと同じスライス断面を前記ダミーパルスで励起する一方、前記スライス断面とは異なる断面方向に前記スライス断面を投影した投影断面のデータを収集するデータ収集部と、
    前記本収集シーケンスで収集されたデータを再構成して前記スライス断面の画像を生成すると共に、前記ダミーシーケンスで収集されたデータを再構成して前記投影断面の画像を生成する再構成部と、
    前記本収集シーケンスの直前のダミーシーケンスを第1のダミーシーケンスとし、前記本収集シーケンスの直後のダミーシーケンスを第2のダミーシーケンスとするとき、前記第1のダミーシーケンスによって生成される投影断面画像から第1の重心位置を求める一方、前記第2のダミーシーケンスによって生成される投影断面画像から第2の重心位置を求め、前記第1及び第2の重心位置から前記スライス断面の動き補正量を算出する補正量算出部と、
    前記動き補正量を用いて、前記第2のダミーシーケンスの直後に行わる本収集シーケンスのスライス断面の位置を更新するスライス位置更新部と、を備えたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  2. 前記本収集シーケンスは、心電同期下で、前記スライス断面を複数の心時相に対して2次元でシネ撮像するシーケンスであり、
    前記ダミーシーケンスは、前記投影断面のデータを心拍ごとに収集するシーケンスである、ことを特徴とする請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  3. 前記データ収集部は、前記スライス断面の画像を再構成するために必要なデータを、セグメント法を用いて複数の心拍に分割して収集する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  4. 前記第1のダミーシーケンスと第2のダミーシーケンスとの間の本収集シーケンスを第1の本収集シーケンスとし、前記第2のダミーシーケンスの直後の本収集シーケンスを第2の本収集シーケンスとするとき、前記データ収集部は、前記スライス位置更新部によって更新されたスライス位置に対して前記第2の本収集シーケンスのデータを収集する、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  5. 記第1の本収集シーケンスが対象とするスライス断面と、前記第2の本収集シーケンスが対象とするスライス断面とが同じ断面として計画されている場合、前記第2のダミーシーケンスは、前記データ収集部は、前記第1の本収集シーケンスに対して設定したスライス断面を投影した投影断面のデータを収集する、ことを特徴とする請求項4に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  6. 記第1の本収集シーケンスが対象とするスライス断面と、前記第2の本収集シーケンスが対象とするスライス断面とが、所定の変位量だけ異なる断面として計画されている場合、前記第2のダミーシーケンスでは、前記データ収集部は、前記第1の本収集シーケンスで収集したスライス断面を前記所定の変位量だけ変位させスライス断面を投影した投影断面のデータを収集する、ことを特徴とする請求項4に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  7. 前記ダミーシーケンスの投影断面は、前記被検体の頭足方向に平行な断面であり、前記ダミーシーケンスのリードアウト方向は前記頭足方向である、ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  8. 前記データ収集部は、前記動き補正量が所定の閾値範囲内にあるときに限り、前記本収集シーケンスのスライス断面のデータを収集する、ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  9. 前記スライス位置更新部は、本収集シーケンスのスライス断面の位置を、その直前のダミーシーケンスと直後のダミーシーケンスとの間において、前記動き補正量を用いて、段階的に滑らかに更新する、ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  10. 前記本収集シーケンスは、心電同期信号の後から開始されて所定の継続期間後に終了し、前記ダミーシーケンスは、前記本収集シーケンスの終了後に開始され、次の心電同期信号の到来前に所定のデータ量が収集されていればその時点で前記ダミーシーケンスを終了し、次の心電同期信号の到来時においても前記所定のデータ量が収集されていなければ、前記所定のデータ量が収集されるまで前記ダミーシーケンスを継続する、ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  11. 前記ダミーシーケンスは、心電同期信号の後から開始されて所定のデータ量を収集後に終了し、前記本収集シーケンスは、前記ダミーシーケンス終了後に開始され、次の心電同期信号の到来時に終了する、ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の磁気共鳴イメージング装置。
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