従来、ランダムに搬送されてくる煎餅等の薄片状物品を一列に整列させた上で順次包装処理する包装機が実用に供されている。製袋充填包装のような包装処理の場合、物品が袋内で所定の位置を占めるように物品を袋内へと供給することが必要であり、したがって、ランダムに搬送されてくる物品をその搬送途中で一定の間隔で前後に並ぶように整列させ、その状態のまま順次包装機に供給することが求められる。前後に一列に並ばせるためには、例えば搬送路の横幅を徐々に狭めて薄片状物品の幅に合わせればよいが、前後方向の搬送ピッチを一定にするためには、薄片状物品の搬送ピッチが当該一定のピッチより短い場合にはその途中で搬送を一時停止するなどして前後の間隔を広げ、逆に搬送ピッチが長くなると間隔を狭める処理が必要となる。更に、上流からの薄片状物品の供給自体が一時停止したり、連続して搬送ピッチが長くなることにも対処する必要がある。
ところで、従来、縦一列で搬送されてきた物品を横に複数個並んだ状態に変換して排出する装置として、サーボループ装置が用いられている。当該サーボループ装置は、搬送路を挟んで両側にスプロケットを配置するとともに、そのスプロケットにエンドレスチェーンを掛け渡し、そのエンドレスチェーンにバケットを一定間隔に取り付け、更に、スプロケットは、自転してエンドレスチェーンを回転させるとともに、搬送路の搬送方向と直交方向に往復移動できるようにした装置である。サーボループ装置の搬入側では、縦一列で搬送されてきた物品が順次バケットに送り込まれ、搬出側では、連続する複数のバケットに収容されている物品が横に並んで、即ち、グループ化されて次段に搬出される。
薄板状の物品を定間隔を置いて整列させる装置として、特許文献1に開示された物品搬送供給装置がある。この物品搬送供給装置は、上述のサーボループ装置を貯留装置として用いており、搬送されてくるピッチのほうが排出ピッチより短い場合(即ち、物品が密に搬送されてくる)にはサーボループ装置上で物品を貯留していき、逆に供給されてくるピッチのほうが長い場合(即ち、物品が疎に搬送されてくる)には上記サーボループ装置上に貯留した物品を排出することにより、ランダムに搬送されてきた物品の受け取りタイミングに関わらず一定間隔に薄板状物品を排出することを可能にしている。貯留装置は、物品の搬入側の搬送手段の延長線上を挟んで配置された一対の回転体(「スプロケット」に対応)と、その回転体に掛け渡された無端状動力伝達手段(「エンドレスチェーン」に対応)と、その無端状動力伝達手段に取り付けられた複数のバケットを有しているコンベア手段である。
薄板状物品は、横に寝かせた状態のほうが縦にするよりも安定的であるが、横にした状態のまま搬送・整列処理をすると、横幅が大きいためサーボループ装置に設けるバケットの幅(間隔)が大きくなり装置全体も大型化する。そこで、当該物品搬送供給装置では、薄板状物品を縦にして搬送・整列処理をすることを図っており、水平面上で回転可能とされたバケットの側壁内面を傾斜状とすることにより、薄板状物品も所定傾斜角度で起立した状態のまま搬出側の搬送手段上へ移し替えている。サーボループ装置から搬出側の搬送手段上への移替えに際して、傾斜した薄板状物品の下端が搬出側搬送手段の搬送面の一方の側縁近傍に位置し、押送フィンガーが薄板状物品の後側中央部位に接する方が安定して押送可能であるので、押送フィンガーの移動経路を確保するための搬出側搬送手段の搬送面に形成される開口部は必然的に中央付近となる。こうした構造によって、側縁近傍で接触する薄板状物品が当該開口部に落ちることが防がれている。
このように、特許文献1に開示されている装置は、ランダムに搬入される薄板状物品を搬送方向に一定間隔を置いて順次、次段の処理装置へと搬出する物品搬送供給装置としてサーボループ装置を備えており、サーボループ装置の適宜の往復運動によって、受け取りタイミングに関わらず処理可能としている。
しかしながら、特許文献1に開示されている物品搬送供給装置においては、貯留装置として用いられているサーボループ装置が側壁の内面が傾斜状に構成されているという特殊な構造のバケットを備えており、更に平コンベアから成る搬入側の搬送装置とサーボループ装置との間においては、薄板状物品を所定傾斜角度で起立させるため、一対のエンドレスベルトとそのエンドレスベルトを掛け渡すための第1,第2プーリとを備え、上流側(第1ベルトコンベア側)の第1プーリを水平方向に伸びるように配置し、下流側の第2プーリを斜め上下方向に伸びるように配置してなる姿勢反転装置を配設することが必要である。また、サーボループ装置と平コンベアから成る搬出側の搬送装置との間においては、バケット内に斜め起立状態の薄板状物品を搬出側の搬送コンベアに移し替えるため、両装置を跨ぐようにしてその上方にプッシャーを備えた小ヤグラコンベア装置と、プッシャーの移動に伴いバケット内から前方に押し出される薄板状物品の傾斜を徐々に下降させるガイド部材とを配設してなる移し替え機構を備えることが必要である。
したがって、サーボループ装置それ自体が、特殊な構造のバケットを備えることで構造が複雑で且つ製造コストが上昇しており、更に、サーボループ装置の搬入側において姿勢反転装置を備え、搬出側において小ヤグラコンベア装置とガイド部材とを備えた移し替え機構を配設する必要があり、部品点数の大幅な増加と製造コストの上昇を招いており、これらの配設された装置については作動の良好であることを常に監視する必要があると共にメンテナンスにおいても多大な負担を強いられている。
その他、関連する技術として、所定間隔毎に供給される袋詰め物品等を集合させ、この集合物品を箱詰め機等の次工程に向けて所定個数単位で一括して搬送供給するための物品の集合搬送装置が特許文献2、3に開示されている。この物品の集合搬送装置は、物品搬送方向に平行に配置した一対の無端搬送手段を夫々独立して駆動可能とすることにより、一方の無端搬送手段の保持部材群に保持した物品群を排出位置まで搬送する間は他方の無端搬送手段の保持部材群に後続の物品を受入れることで、物品の排出作業と受入れ作業とを同時に行なって物品の高速搬送処理と作業能率の向上を図るものである。即ち、平行に配置された一方の無端搬送手段の保持手段を物品の受取り位置に臨ませて該搬送手段を独立駆動して前進させることで物品を物品搬送方向に対向する保持手段に順次受入れ、当該保持手段に所定個数の物品が受入れられると該保持手段を速い速度で物品の排出位置まで移動させ、また、一方の無端搬送手段における保持手段を排出位置に移動した間は、他方の無端搬送手段の保持手段が受取り位置に臨むと共に、独立駆動されて前進することにより該保持手段に前工程から順次供給される物品が間断なく受入れられる。なお、一方の無端搬送手段である無端チェンに配設された保持部材群に所定個数の物品が供給される毎に、その保持部材群を物品排出位置に臨む位置まで一気に前進移動した後に位置決め停止し、無端チェンと交差方向に動作するプッシャーの作動により物品は機外に排出される。
また特許文献4には、サーボループ装置の一構造が開示されている。当該サーボループ装置は、横長の機枠にその長手方向に沿って所定範囲で略水平に往復移動可能に移動体を配設しておき、この移動体にその移動方向に所定間隔離間して水平スプロケットを配置し、更に搬入位置側と搬出位置側とにはそれぞれ回転駆動源としての正逆回転可能なサーボモータの出力軸に駆動用回転体としての駆動用スプロケットを取着して配置し、水平スプロケットと駆動用スプロケットとに無端チェンを巻き掛けて、サーボモータの回転方向及び回転速度・回転量等の出力を制御することで、物品搬送体の搬入位置に対する移動・停止と、物品搬送体の搬出位置に対する移動・停止とをタイミング的に独立して行なうよう構成されている。
そこで、サーボループ装置を備えており、ランダムに搬入される薄板状物品を、当該サーボループ装置の適宜の往復運動によって一定間隔に揃えて順次、次段の処理装置へと搬出する物品整列供給装置において、サーボループ装置それ自体を特殊な構造に構成することなく、また搬入側での姿勢変更装置や搬出側での移し替え機構を要しない構造簡単な物品整列供給装置を得る点で解決すべき課題がある。
この発明の目的は、上記課題を解決することであり、サーボループ装置を用いてランダムに搬入されてくる物品を一定間隔に整列させるに当たって、サーボループ装置それ自体も特殊な構造を備えておらず構造が簡単であり、しかも搬入側と搬出側とで姿勢変更装置や移し替え機構のような特殊な装置を必要とせず、部品点数も少なく安価に製造することができ、しかもメンテナンスも最小限なもので済ますことができる物品整列供給装置を提供することである。
上記の課題を解決するため、この発明による物品整列供給装置は、搬入側に配設されていて物品を搬送する搬入コンベア、搬出側に配設されていて前記物品を搬送する搬出コンベア、及び前記搬入コンベアと前記搬出コンベアとの間に配設されていて、前記搬入コンベアから搬送されてくる前記物品をそれぞれが受け取り且つ前記物品を起立又は傾斜状態で収容可能な複数のバケットを備えており、前記バケットに受け取った前記物品を前記バケット内に収容状態でループに沿って搬送し、前記バケットに収容されて搬送されてくる前記物品を一定間隔を置いて整列して前記搬出コンベアに搬出可能とするサーボループ装置を備えており、前記搬入コンベアと前記サーボループ装置との間には、前記搬入コンベアで搬送されてくる前記物品を前記サーボループ装置の物品受取り位置に到来した前記バケットに起立又は傾斜状態で受け渡すための投入シュートが配設されており、前記サーボループ装置と前記搬出コンベアとの間には、前記サーボループ装置の前記バケット内に起立又は傾斜状態で収容されて物品受渡し位置に搬送されてくる前記物品を前記搬出コンベアに搬出するための搬出シュートが配設されており、前記サーボループ装置は、前記搬入コンベアと前記搬出コンベアとに対して上下方向に傾斜して配設されており、前記サーボループ装置の前記傾斜により、前記投入シュートによる前記物品の受取り方向及び前記搬出シュートへの前記物品の受渡し方向が、前記バケットの収容高さ方向に倣っていることを特徴としている。
この物品整列供給装置によれば、搬入側に配設されている搬入コンベアによって物品が搬送されてくると、物品は、投入シュートによってサーボループ装置の物品受取り位置に到来しているバケットに投入されて起立又は傾斜した状態で受け取られ、サーボループ装置においてはバケット内に起立又は傾斜して収容された状態でループに沿って搬送され、更にバケットに起立又は傾斜して収容された状態で物品受渡し位置に搬送されてくる物品は搬出シュートを経て一定間隔を置いて整列する状態になるように搬出コンベアに搬出される。サーボループ装置の作動には駆動源を要するが、それ以外の物品の受取りと受渡しは、いずれも特別の駆動機構を有する装置によるものではなく、重力を利用したシュートによって行われる。したがって、サーボループ装置における物品の受取りと受渡しは、簡素な構造で且つ駆動源を要しない省エネルギーにて行うことができる。
この物品整列供給装置において、前記サーボループ装置は、前記搬入コンベアと前記搬出コンベアとに対して上下方向に傾斜して配設されている。搬入コンベアと搬出コンベアとは、装置の設置スペース、他の装置との配置関係及び作業のし易さから、搬送高さに大きな差がないように配置することが好ましい。このような場合、サーボループ装置を両コンベアに対して上下方向に傾斜して配設することで、搬入コンベアからサーボループ装置への接続及びサーボループ装置から搬出コンベアへの接続に、重力を利用することで駆動源を要しないシュートを利用することができる。
この物品整列供給装置において、前記サーボループ装置の前記傾斜により、前記投入シュートによる前記物品の受取り方向及び前記搬出シュートへの前記物品の受渡し方向は、前記バケットの収容高さ方向に倣わされている。この物品整列供給装置によれば、サーボループ装置における物品の受取りと受渡しの方向とがバケットの収容高さ方向に倣っているので、物品は投入シュートからバケット内へと姿勢を殆ど維持した状態でスムーズに受け取られる。また、搬出シュートへの物品の受渡し方向についてもバケットの高さ方向に倣っているので、物品はバケット内から姿勢を殆ど変えることなく搬出シュートへとスムーズに受け渡される。サーボループ装置の傾斜方向の定め方により、サーボループ装置の物品受取り位置におけるバケットの走行方向を傾斜昇り方向とすることができる。物品受取り位置におけるバケットの走行方向を傾斜昇り方向とすることにより、サーボループ装置の上方のスペースを利用して搬入コンベアと搬入シュートを配置することができるとともに、サーボループ装置における物品の搬送や搬送状態のチェックが容易になる。また、サーボループ装置の物品受渡し位置におけるバケットの走行方向を傾斜下り方向とすることができる。物品受渡し位置におけるバケットの走行方向を傾斜下り方向とすることにより、サーボループ装置の下方のスペースを利用して搬出シュートと搬出コンベアを配置することができる。
この物品整列供給装置において、前記搬入コンベアと前記搬出コンベアは水平に配設されており、前記搬入コンベアを前記搬出コンベアよりも高い位置に配置することができる。搬入コンベアと搬出コンベアの間に比較的に高低差があっても良い場合には、搬入コンベアと搬出コンベアを水平に配設し、搬入コンベアを搬出コンベアよりも高い位置に配置することで、搬入コンベアから傾斜したサーボループ装置への接続及び傾斜したサーボループ装置から搬出コンベアへの接続に、重力を利用することで駆動源を要しないシュートを利用することができる。
また、この物品整列供給装置において、前記サーボループ装置は、上下方向に傾斜して配置されているとともに左右に互いに平行に形成され且つ面一な共通面内に置かれた傾斜面をそれぞれ備えるベース、前記両傾斜面間において当該ベースの傾斜昇降方向にスライド可能に配置されているスライド体、前記スライド体に対して前記傾斜昇降方向に隔置して且つ回転可能に支持されて配置されており前記傾斜面に平行な面内で回転可能な二つの回転体、前記二つの回転体にそれぞれ巻き掛けられる二つの巻掛け走行路と両巻掛け走行路間を繋ぐ搬入側走行路と搬出側走行路とを含んで前記ループを形成しており、前記バケットが前記ベースの前記傾斜面に沿って移動可能に前記ループに沿って並べて取り付けられている無端帯、及び前記搬入側走行路と前記搬出側走行路とにそれぞれ配置されており、前記搬入側走行路の前記無端帯の走行と前記搬出側走行路の前記無端帯の走行とをそれぞれ独立して制御して前記物品の前記バケットへの受取りと前記バケットから前記搬出コンベアへの前記物品の受渡しとのタイミングを制御する二つのサーボモータを備えるものとすることができる。
搬入コンベアからランダムに到来する物品のバケットへの受取りは、搬入側走行路における物品受取り位置で行われ、バケットから搬出シュートへの物品の受渡しは、搬出側走行路における物品受渡し位置で一定のタイミング間隔を置いて行われる。
この物品整列供給装置によれば、搬入側走行路と搬出側走行路とにおける無端帯の送りは、それぞれの走行路に配置されたサーボモータのサーボ制御により独立して制御されるので、物品がランダムに搬送されてきても物品受取り位置において物品をバケットに順次受け取ることができ、またバケットに収容された状態の物品を物品受渡し位置においてバケットから一定のタイミング間隔を置いて搬出シュートに受け渡すことができる。搬入側走行路と搬出側走行路とにおける無端帯の送り量に差があるときには、無端帯及び二つの回転体を支持するスライド体がその差に応じてベースに対して傾斜方向にスライドする。ループの物品受取り位置と物品受渡し位置との間においてバケット内に貯留されるべき物品の数が変動しても、このスライド体のスライドにより、自動的に吸収される。
また、この物品整列供給装置において、前記ベースには、前記物品受渡し位置に対応して前記搬出シュートに繋がる排出孔が形成されており、前記搬出側走行路を走行する前記バケットが前記排出孔に整合したとき、前記バケット内に収容されていた前記物品を前記バケットから前記排出孔を通じて前記搬出シュートに受け渡すことができる。この物品整列供給装置によれば、ベースに形成するものは物品が通り抜ける排出孔だけでよく、搬出シュートとともに構造を極めて簡素にすることができる。また、バケット内の物品は、バケットが排出孔に整合したときに当該排出孔を通じて搬出シュートに受け渡される。バケットが搬出側走行路を走行する際には、排出孔を通じて物品を受け渡すことを可能にするため、バケット内に収容されている物品がベースの傾斜面上を摺接するが、バケットの形状を工夫することによって、搬出側走行路以外の走行路を走行する際には、物品がベース及びスライド体の傾斜面に直接に摺接するのを回避する極力回避することができる。
また、この物品整列供給装置において、前記スライド体に作用する傾斜下り方向の落下力と対抗するため、前記スライド体に傾斜上方のエア力を与えるエアシリンダと、当該エアシリンダにおける圧力を精密に制御する精密レギュレータとを備えることができる。
スライド体に作用する傾斜下り方向の落下力に対抗するために、ばねを用いることが考えられるが、ばねはその伸びに伴って復元力が変動するので、ばねによってスライド体に作用する傾斜昇り方向の力がスライド体の昇降方向位置によって変動する。こうしたばね力の変動に起因して、スライド体を傾斜に沿って昇降させるために無端帯に与えるサーボモータによる正味の出力が、スライド体の昇降方向位置に応じて変動することになるので、こうした状況は好ましくない。スライド体に傾斜上方のエア力を与えるエアシリンダの圧力を、スライド体の昇降方向位置、即ち、エアシリンダのピストン位置に関わらず、精密レギュレータによって常に同じに精密制御することにより、サーボループ装置のスライド体の作動を常に正確に制御することができる。
更に、この物品整列供給装置において、物品は煎餅のような薄板状の食品であるとすることができる。コンベア、シュート及びバケットは、いずれも薄板状の物品の取扱いがし易く、整列供給するのに適している。また、次段の処理工程は、当該食品を袋包装する横型製袋充填包装機による包装工程であるとすることができる。横型製袋充填包装機は、帯状の包装フィルムを製筒器によって筒状に湾曲成形し、センターシーラによって筒状の包装フィルムに成形し、物品を横方向に送られる筒状の包装フィルム内に送り込み、エンドシーラによって筒状の包装フィルムを物品の前後方向両側でシールすることにより、物品を内部に収容・包装した袋包装体を連続して製造する包装機であって、周知のものでよい。
この発明による物品整列供給装置は上記のように構成されており、搬入されてくる物品を一定間隔に整列させるに当たって、搬入コンベアと搬出コンベアとの間に、搬入コンベアから投入シュートによって受け取った物品を収容・搬送し、搬出コンベアに一定間隔を置いて搬出するために物品を搬出シュートに受け渡すサーボループ装置を配設している。物品がたとえランダムに搬入されるときでも、サーボループ装置はランダムなタイミングで物品を受け取ることができる。したがって、サーボループ装置それ自体も、サーボループ装置への物品の受け取り及びサーボループ装置からの物品の受け渡しに特殊な構造を備えておらず、物品をそれぞれが受け取り且つ起立又は傾斜状態で収容可能な複数のバケットを備えているだけであって構造が簡単である。また、サーボループ装置への物品の受取り及び受渡しに際して姿勢変更装置や移し替え機構のような駆動源を伴う特殊な装置を必要とせず、投入シュートや搬出シュートという物品に作用する重力を利用した駆動源を要しない簡単な構造を採用している。サーボループ装置のバケット内への物品の投入とバケットからの物品の排出とは、かかる簡単な構造を備えるシュートによって行うことができる。物品整列供給装置の全体としても、主要な構成であるサーボループ装置とその周辺の装置の部品点数が少なく安価に製造することができ、しかも運転やメンテナンスの費用も最小限なもので済ますことができる。
また、サーボループ装置は搬入コンベアと搬出コンベアとに対して上下方向に傾斜して配設されているので、搬入コンベアと搬出コンベアとは、装置の設置スペース、他の装置との配置関係及び作業のし易さから、搬送高さに大きな差がないように配置することができるとともに、搬入コンベアからサーボループ装置への接続及びサーボループ装置から搬出コンベアへの接続に、重力を利用することで駆動源を要しないシュートを利用し易くなる。
更に、サーボループ装置における物品の受取りと受渡しの方向とがバケットの収容高さ方向に倣っているので、物品を投入シュートからバケット内へと姿勢を殆ど維持した状態でスムーズに受け取ることができる。また、搬出シュートへの物品の受渡し方向についてもバケットの高さ方向に倣っているので、物品をバケット内から姿勢を殆ど変えることなく搬出シュートへとスムーズに受け渡すことができる。
以下、添付した図面に基づいて、この発明による物品整列供給装置の実施例を説明する。図1はこの発明による物品整列供給装置の一実施例を示す側面図、図2はその上面図である。
図1及び図2に示す物品整列供給装置1は、搬入側に配設されている搬入コンベア2と、搬出側に配設されている搬出コンベア3と、搬入コンベア2と搬出コンベア3との間に配設されているサーボループ装置4とを備えている。搬入コンベア2は、上流側の工程である、例えば煎餅のような食品製造物である薄板状物品P(以下、「物品P」という。)を、その製造装置からの排出や集積装置からの繰り出し等によって、ランダムに即ち送り方向の間隔が不揃いの状態で搬送する。サーボループ装置4は、ランダムに搬送されてくる物品Pを、一定間隔を置いた整列状態で搬出コンベア3に搬出する働きをする。
サーボループ装置4は、搬入コンベア2から搬送されてくる物品Pをそれぞれが受け取り可能な複数のバケット5を備えている。バケット5に受け取られた物品Pは、バケット5内に収容状態でループに沿って搬送される。バケット5内に収容状態で搬送されてくる物品Pは、順次、バケット5から搬出コンベア4に対して、搬出コンベア4で搬送されるときに一定間隔を置くように搬出される。
サーボループ装置4は、搬入コンベア2と搬出コンベア3とに対して上下方向に傾斜して配設されている。即ち、搬入コンベア2は搬出コンベア3よりも大きな高低差ではないが高い位置に配置されており、サーボループ装置4は、側面図である図1に示すように、搬入コンベア2側の端部を搬入コンベア2よりも低い位置にそして搬出コンベア3側の端部を搬出コンベア3よりも高い位置に置くように、上下方向に傾斜して配設されている。サーボループ装置4における物品Pの搬送ループは、搬入コンベア2から搬入された物品Pを傾斜の上側寄りの経路を経て搬出コンベア3に搬出するループ部分である。上面図である図2示すように、搬入コンベア2は、サーボループ装置4の傾斜昇り経路に沿って配置され、搬出コンベア3はサーボループ装置4の傾斜下り経路に沿って配置されており、搬入コンベア2と搬出コンベア3は横方向にオフセットして配置されている。
搬入コンベア2とサーボループ装置4との間には、搬入コンベア2で搬送されてくる物品Pをサーボループ装置4の物品受取り位置6に到来したバケット5に受け渡すための投入シュート7が配設されている。また、サーボループ装置4と搬出コンベア3との間には、サーボループ装置4のバケット5内に収容されて物品受渡し位置8に搬送されてくる物品Pを搬出コンベア3に受け渡すための搬出シュート9が配設されている。
したがって、物品整列供給装置1によれば、搬入コンベア2によって物品Pがランダムに搬送されてくると、物品Pは投入シュート7によってサーボループ装置4の物品受取り位置6に到来しているバケット5に投入されることでバケット5に受け取られる。サーボループ装置4においては、物品Pはバケット5内に収容状態で上記のループ部分に沿って搬送される。そして、バケット5に収容状態で物品受渡し位置8に搬送されてくる物品Pは、バケット5から搬出シュート9に受け渡されて、搬出シュート9を経て搬出コンベア3に搬出される。サーボループ装置4の作動には駆動源(後述するサーボモータ)を要するが、サーボループ装置4における物品Pの投入シュート7からの受取りと搬出シュート9への受渡しとは、いずれも重力を利用したシュートによる投入・搬出であって特別の駆動機構を有する装置によって行われるものではない。したがって、サーボループ装置4における物品Pの受取りと受渡しを簡素な構造にて且つ駆動源を要しない省エネルギーにて行うことができる。
物品整列供給装置1において、サーボループ装置4は、図3及び図4にも詳細に示されているように、機械フレームに対して不動であって上下方向に傾斜して取り付けられているベース10と、上下方向に傾斜して置かれており且つベース10に対して傾斜の昇降方向にスライド可能に配置されているスライド体11とを備えている。ベース10は、傾斜方向に対して左右の側に、当該傾斜方向に延びる傾斜面12,12を備えている。傾斜面12,12は,面一な共通面内に置かれている面である。スライド体11においても、その傾斜方向両端側において、それぞれ、左右の傾斜面12,12と面一に接続する傾斜面13,13を有している。ベース10には、左右の傾斜面12,12間に形成されている凹部14の凹部底において、傾斜方向に延びるレール15が取り付けられている。また、スライド体11は、レール15に嵌合し且つレール15が延びる方向にスライド可能なスライド部材16を備えている。したがって、スライド体11は、ベース10に対して傾斜方向にスライド可能である。ベース10の傾斜面12,12及びスライド体11の傾斜面13,13は、サーボループ装置4の搬送面を定めている。
サーボループ装置4は、スライド体11に対して昇り下り方向に隔置して且つ回転可能に支持されて配置された二つの回転体17,18を備えている。回転体17,18は、傾斜面12,13に平行な面内で回転可能である。回転体17,18には、無端帯19が巻き掛けられてループを形成している。無端帯19には、複数のバケット5が当該ループに沿って等間隔に並べて取り付けられている。各バケット5は、ベース10やスライド体11の傾斜面12,13の直上を当該傾斜面12,13に沿って移動可能である。回転体17,18及び無端帯19は、この実施例では、二つのスプロケットと当該スプロケットに噛み合い係合するチェーンとされており、かかる噛み合いによって、各バケット5の滑りのない確実な位置制御を可能にしている。ベース10及びスライド体11については、物品Pが食品であることを考慮して、適宜分割構成も可能であり、機械フレームに対して取り外し可能とすることで洗浄や清掃・消毒等の衛生面での対応を取ることもできる。チェーン・スプロケットに代えて、歯付きのタイミングベルト・タイミングプーリを用いることも可能である。
無端帯19は、二つの回転体17,18にそれぞれ巻き掛けられている二つの巻掛け走行路20,21と両巻掛け走行路20,21間を繋ぐ直線状の搬入側走行路22と搬出側走行路23とを含んで循環するループを形成している。搬入側走行路22は、サーボループ装置4の傾斜昇り経路にあり、搬出側走行路23はサーボループ装置4の傾斜下り経路にある。無端帯19の搬入側走行路22と搬出側走行路23の外側側方には、無端帯19と噛み合い係合する回転体(スプロケット)26,27が配置されており、それぞれサーボモータ24,25によって駆動される。サーボモータ24,25の出力制御により、回転体26,27をそれぞれ独立して駆動可能である。図3及び図4に示すように、回転体26,27はベース10の内部に形成された窪み28,29内に配置されている。
サーボモータ24,25の出力が同じになるようにサーボ制御をすると、回転体26,27の回動量は同じになり、その回動量に応じて無端帯19が走行し、バケット5が移動する。バケット5がループに沿って移動することで、バケット5に収容された状態の物品Pが搬送される。サーボモータ24,25の出力が異なるようにサーボ制御をすると、スライド体11は、レール15とスライド部材16とがスライド係合をしていることによって、回動量の差に応じて傾斜方向に移動する。スライド体11の移動量は、回動量の差に応じた無端帯19の走行量の半分の長さに相当する。投入シュート7からランダムに到来する物品Pのバケット5への受取りは、搬入側走行路22における物品受取り位置で行われ、バケット5から搬出シュート9への物品の受渡しは、搬出側走行路23における物品受渡し位置で行われる。
物品整列供給装置1のサーボループ装置4によれば、二つのサーボモータ24,25によって、搬入側走行路22における無端帯19の走行と、搬出側走行路23における無端帯19の走行とをサーボ制御している。ランダムに到来する物品Pをセンサで検出し、その検出情報に基づいてサーボモータ24を制御することで、回転体26の出力を介して搬入側走行路22における無端帯19の走行が制御される。それによって、ランダムに到来する物品Pを物品受取り位置においてバケット5で受け取るタイミング制御が行われる。また、サーボモータ25を制御することで、回転体27の出力を介して搬出側走行路23における無端帯19の走行が制御される。それによって、物品受渡し位置においてバケット5から物品Pを一定間隔を置いて搬出シュート9へ受け渡すタイミング制御が行われる。サーボモータ24,25の両制御によって、無端帯19の走行に伴ってバケット5が進行し、バケットに収容された状態の物品Pが搬送される。搬入側走行路22における無端帯19の走行量と、搬出側走行路23における無端帯19の走行量との間に差があると、スライド体11が移動して、物品Pを受け取る位置(物品受取り位置6)を占めるバケット5と物品Pを受け渡す位置(物品受渡し位置8)を占めるバケット5との間に存在するバケット5の数、即ち、ループに貯留される物品Pの貯留量、即ち、物品Pの数の変動を吸収することができる。
バケット5は、図5に示すように上下が開口した概して断面長四角形の筒状体である。各バケット5は、長四角形の一方の短辺側において無端帯19に起立した取付けピン30に取り付けられており、長四角形の長辺側が無端帯19の側方外側に向かって延びている。取付けピン30については、チェーンに用いられるピンを軸方向に延長した態様で設けることができる。薄板状の物品Pは、バケット5内において、板の面方向を四角形の長辺に沿わせ板厚方向を四角形の短辺に沿わせるように収容される。即ち、薄板状の物品Pは、バケット5内において起立した状態又は傾斜した状態に収容され、バケット5の数に応じて密な状態で搬送される。サーボループ装置4は傾斜しているので、物品Pは、搬入側走行路22,23を走行中には長辺側の内壁面に凭れた傾斜状態で搬送される。
物品整列供給装置1においては、サーボループ装置4が傾斜しており、その傾斜の程度は、投入シュート7からの物品Pの受取り方向(即ち、投入シュート7による物品Pの投入方向;図1においてBで示す。)及び搬出シュート9への物品Pの受渡し方向(即ち、搬出シュート9による物品Pの搬出方向;図1においてCで示す。)が、バケット5の収容高さ方向に倣うものとなっている。バケット5の収容高さ方向は、開口が開く上下方向のことであって、図5においてDで示されている。サーボループ装置4の傾斜とバケット5の高さ方向とについて上記のように設定していることにより、物品Pは投入シュート7からバケット5内へと姿勢を殆ど維持した状態でスムーズに受け取られる。また、バケット5から搬出シュート9への物品Pの受渡しについても、物品Pはバケット5内から姿勢を殆ど変えることなく搬出シュート9へとスムーズに受け渡される。
図2に示すように、物品整列供給装置1において、投入シュート7によるサーボループ装置4への物品Pの投入方向Bと、サーボループ装置4の物品受取り位置6におけるバケット5の走行方向Eとは、水平方向には横方向に振れることなく順方向に倣っている。バケット5による物品Pの受取り前後において、物品Pの移動についてはその水平方向の動きが同じ方向となり、物品Pに対する横方向の衝撃とそれによる損傷が少なくなって、バケット5にスムーズに受け取られる。また、サーボループ装置4の物品受取り位置6におけるバケット5の走行方向Eは、傾斜昇り方向とされており、サーボループ装置4の上方のスペースを利用して搬入コンベア2と投入シュート7を配置することができるとともに、サーボループ装置4における物品の搬送や搬送状態のチェックが容易になる。本実施例では、搬入コンベア2による物品Pの搬入方向Fについても、投入シュート7による物品の送り込み方向Bに対して横方向に振れることなく順方向に倣う方向となっており、この場合には、搬入コンベア2、投入シュート7及びサーボループ装置4の配置が無駄なく省スペースで簡素な配置となり、物品Pの移動についても水平方向の動きが同じ方向に倣うので、物品Pへの衝撃の度合いを更に小さくすることができる。
サーボループ装置4の物品受渡し位置8におけるバケット5の走行方向Gと、サーボループ装置4のバケット5から搬出シュート9への物品Pの受渡し方向Cとは、水平方向には横方向に振れることなく逆順方向に倣っている。サーボループ装置4から搬出シュート9への物品受渡し前後において、物品Pの移動の方向について水平方向の動きとしては逆順方向となっても、物品Pの横方向の衝撃とそれによる損傷が小さく、スムーズな受渡しを行わせることができる。更に、サーボループ装置4の物品受渡し位置8におけるバケット5の走行方向Gは傾斜下り方向となっているので、サーボループ装置4の下方のスペースを利用して搬出シュート9と搬出コンベア3を配置することができる。本実施例では、搬出コンベア3による物品Pの搬出方向Hについても、搬出シュート9による物品Pの搬出方向Cに対して横方向に振れることなく順方向に倣う方向となっており、この場合には、サーボループ装置4、搬出シュート9及び搬出コンベア3の配置が無駄なく省スペースで簡素な配置となり、物品Pの移動についても水平方向には直線状に整列するので、物品Pへの特に横方向の衝撃の度合いを小さくすることができる。
ベース10には、図1に破線で示すように、搬出側走行路23に置かれる物品受渡し位置8に対応して、搬出シュート9に繋がる排出孔31が形成されている。搬出側走行路23を走行するバケット5が排出孔31に整合したとき、バケット5内に収容されていた物品Pは、排出孔31を通じて搬出シュート9に受け渡される。ベース10には、物品受渡し位置8に対応して、物品Pが通り抜ける排出孔31を形成するだけでよく、ベース10の構造が極めて簡素である。バケット5が単に筒状体に形成されている場合には、各走行路20,21,22,23を走行する際に、バケット5内に収容されている物品Pがベース10の傾斜面12,13上を摺接する。バケット5の形状、特に底部の構造について、例えば、進行方向後ろ側の一部に底部を形成するなどの工夫をすることによって、搬出側走行路23以外の走行路を走行する際には、物品Pがベース10及びスライド体11の傾斜面12,13に直接に摺接するのを極力回避することができる。
図6には、物品整列供給装置1に用いられるサーボループ装置4のスライド体11の支持構造の一例が示されている。スライド体11はベース10にスライド支持されているので、回転体17,18及び無端帯19とそれらを支持するスライド体11(取付けピン30及びスライド部材16を含む。)とからなるスライド組立体35には、その合計重さに比例して、傾斜下り方向の落下力が作用する。かかる落下力に対抗するため、ベース10とスライド体11との間には、スライド組立体35を傾斜上方に引き上げる方向にエア力を与えるエアシリンダ40が配設されている。エアシリンダ40を配設することで、サーボモータ24,25に要求される出力を低出力のものとことができる。この例では、シリンダ部41がレール15に取り付けられ、シリンダ部41内を摺動するピストン部42がスライド体11に取り付けられている。エアシリンダ40における圧力を一定圧力に精密に制御するため、エア配管44を通じて、精密レギュレータ43がエアシリンダ40に接続されている。
スライド体11に作用する傾斜下り方向の落下力に対抗するために、機械的な手段としてばねを用いることが考えられる。しかしながら、ばねはその伸びに伴って復元力が変動するので、ばねによってスライド体11を傾斜昇り方向に持ち上げる力はスライド体11の昇降方向位置によって変動する。このようにばね力が変動すると、スライド組立体35を傾斜に沿って昇降させる力は、ばね力と無端帯19に与えるサーボモータ24,25による出力との合計であるので、ばね力の変動を補償するようにサーボモータ24,25による出力を制御しなければ、スライド体11の昇降方向位置に応じて変動することになり、スライド組立体35のスライド制御上、好ましくない。そこで、スライド組立体35に傾斜上方のエア力を与えるエアシリンダ40の圧力を、シリンダ部41のピストン位置に関わらず、精密レギュレータ43によって常に同じに精密制御する。これによって、スライド組立体35の昇降方向位置に関わらず、サーボループ装置4のスライド組立体35の作動、即ち、物品受取り位置6と物品受渡し位置8とにおけるバケット5の位置を常に正確に制御することができる。
物品整列供給装置1において、処理すべき物品Pは、例えば煎餅のような薄板状の食品である。搬入及び搬出コンベア2,3、投入及び搬出シュート7,9及びバケット5は、いずれも薄板状の物品Pの取扱いがし易い構造を備えており、整列供給するのに適している。また、物品整列供給装置1の次段の処理工程は、例えば、煎餅を袋包装する横型製袋充填包装機による包装工程である。横型製袋充填包装機は、特に図示しないが周知のものであって良く、帯状の包装フィルムを製筒器によって筒状に湾曲成形し、センターシーラによって両側縁部をヒートシールして筒状の包装フィルムに成形し、物品Pを横方向に送られる筒状の包装フィルム内に送り込み、エンドシーラによって筒状の包装フィルムを物品Pの前後方向両側で横断方向にシールすることにより、物品Pを内部に収容・包装した袋包装体を連続して製造する包装機である。
図7には、本発明による物品整列供給装置の別実施例が側面図として示されている。図7に示す物品整列供給装置50においては、図1等に示す本発明による物品整列供給装置1を構成する各要素と同等のものには、同じ符号と名称を使用することで、再度の詳細な説明を省略する。搬入コンベア2と搬出コンベア3の両搬送面間により大きな高低差があっても良い場合には、物品整列供給装置50は、搬入コンベア2の搬送面を搬出コンベア3の搬送面よりも高い位置に配置し、サーボループ装置4の搬送面を搬入コンベア2と搬出コンベア3とに対して高さ方向の中間で且つ平行、即ち、水平配置している。搬入コンベア2からサーボループ装置4への接続、即ち、物品Pのサーボループ装置4への移載には投入シュート7が用いられ、サーボループ装置4から搬出コンベア3への接続、即ち、物品Pの搬出コンベア3への移載には搬出シュート9が用いられており、いずれも、重力を利用することで駆動源を要しないシュートが利用されている。
以上、説明したように、物品整列供給装置1によれば、物品Pがたとえランダムに搬入されてきても、当該物品を一定間隔に整列させるに当たって、搬入コンベア2と搬出コンベア3との間において、サーボループ装置4を配設している。サーボループ装置4は、搬入コンベア2から投入シュート7によって受け取り、受け取った物品Pを起立又は傾斜した状態で収容し搬送し、そして搬出コンベア3に一定間隔を置いて搬出するために物品を搬出シュート9に受け渡す。サーボループ装置4それ自体も、特殊な構造を備えておらず、物品Pをそれぞれが受け取り且つ起立又は傾斜した状態で収容可能な複数のバケット5を備えており、簡単な構造とされている。また、サーボループ装置4への物品の受取り及び受渡しに際して、姿勢変更装置や移し替え機構のような駆動源を伴う特殊な装置を必要とせず、投入シュート7や搬出シュート9という物品Pに作用する重力を利用した駆動源を要しない簡単な構造によって、サーボループ装置4のバケット5内への物品Pの投入とバケット5からの物品Pの排出とを行うことができる。物品整列供給装置1は、その全体として、部品点数が少なく安価に製造することができ、しかも運転コストも安く且つメンテナンス費用も最小限なものとなり、物品Pがたとえランダムに搬入されてくるものであっても、当該物品Pを一定間隔に整列させる装置として極めて有用である。サーボループ装置4は、搬入コンベア2と搬出コンベア3とに対して上下方向に傾斜して配設されていてもよく、或いは搬入コンベア2が搬出コンベア3よりも高い位置に置かれている場合にはその高さ方向中間で且つ水平に配設されていてもよい。