JP6106655B2

JP6106655B2 - ロック装置

Info

Publication number: JP6106655B2
Application number: JP2014246641A
Authority: JP
Inventors: 遼藤井
Original assignee: Honda Motor Co Ltd
Current assignee: Honda Motor Co Ltd
Priority date: 2014-12-05
Filing date: 2014-12-05
Publication date: 2017-04-05
Anticipated expiration: 2034-12-05
Also published as: CN105673653B; JP2016109196A; CN105673653A; US20160160533A1; US10060159B2

Description

本発明は、機器を収容するケーシングと、前記ケーシングの開口部を覆うカバー部材とを締結するロック部材と、前記ロック部材を回転させて締結解除を行うロック解除部材とを備えるロック装置に関する。

一般的に、電気機器（電子機器）には、特定の部品を用いてロック解除を行うインターロック機構が採用されている。例えば、ハイブリッド車両やＥＶ等の電動車両には、複数の蓄電池（バッテリセル）が積層された蓄電池群（バッテリモジュール）を備える高圧蓄電モジュールが、モータ駆動用電源として搭載されている。その際、蓄電池やパワーコントロールユニット（ＰＣＵ）等は、ケース内に収容されており、外部から任意に接触することができないように、種々のインターロック機構が採用されている。

例えば、特許文献１に開示されている電池パックでは、電池モジュール及び補機部品が電池ケース内に収容されている。電池ケースは、電池モジュール及び補機部品を支持するロアケースと、前記電池モジュールを覆う電池モジュールカバーと、前記補機部品を覆う補機部品カバーとを有している。

電池モジュールカバーは、ロアケースに対して着脱不可能に固定される一方、補機部品カバーは、図１１に示すインターロッククリップ１を介して前記ロアケースに対し着脱可能に固定されている。インターロッククリップ１は、円柱状の頭部２とクリップ部３とを有し、前記頭部２には、同一円周上に複数個の凹部ロック穴４が同心円上に設けられている。そこで、凹部ロック穴４にサービスプラグ（図示せず）を係合させることで、インターロッククリップ１を着脱することができるように構成されている。

特開２００６−２２８５２６号公報

しかしながら、上記のインターロッククリップ１では、複数個の凹部ロック穴４が設けられているため、サービスプラグ以外の汎用工具を用いて、前記インターロッククリップ１を回転操作することができる場合がある。例えば、ラジオペンチ、スナップリングプライヤ又は２本のドライバーを、２つの凹部ロック穴４に係合させることにより、インターロッククリップ１を回転させることが可能になる。

従って、サービスプラグを用いることがなく、汎用工具によりインターロッククリップ１が回転操作されてしまい、所望のインターロックが機能しないという問題がある。

本発明は、この種の問題を解決するものであり、専用工具以外の工具によりロック部材の締結解除が行われることを可及的に抑制することができ、しかも構成を有効に簡素化させることが可能なロック装置を提供することを目的とする。

本発明に係るロック装置は、機器を収容するケーシングと、前記ケーシングの開口部を覆うカバー部材と、前記ケーシングと前記カバー部材とを締結するロック部材と、ロック解除部材とを備えている。ロック解除部材は、ロック部材に設けられる鍵受け部に係合し、前記ロック部材を回転させて該ロック部材による締結を解除させている。

鍵受け部は、回転中心に凸部を設けるとともに、前記回転中心から離間した位置に単一の凹部を設ける一方、ロック解除部材は、前記凸部に係合する解除側凹部及び前記凹部に係合する解除側凸部を有している。

また、ロック解除部材は、機器の電気回路を遮断するサービスプラグであることが好ましい。

さらに、ロック部材は、ケーシングの孔部及びカバー部材の孔部に一体に挿入され、拡縮自在なグロメットと、前記グロメット内に嵌合して該グロメットを拡径させるとともに、鍵受け部を設けた回転部と、を備えることが好ましい。

さらにまた、グロメット内には、回転部の回転軌跡上で該回転部の外周に干渉し、前記回転部に回転負荷を付与する突起が設けられることが好ましい。

また、このロック装置では、凹部を形成する底面又は解除側凸部の上面は、傾斜面に形成されることが好ましい。

本発明によれば、鍵受け部は、回転中心に凸部を設けるとともに、前記回転中心から離間した位置に単一の凹部を設けている。従って、凸部に係合する解除側凹部及び凹部に係合する解除側凸部を有するロック解除部材のみにより、ロック部材を回転させることができる。これにより、専用工具（ロック解除部材）以外の汎用工具によって、ロック部材の締結解除が行われることを可及的に抑制することができ、しかも構成を有効に簡素化させることが可能になる。

本発明の第１の実施形態に係るロック装置が組み込まれる車載用電池パックの概略斜視説明図である。前記車載用電池パックの平面説明図である。前記ロック装置を構成するロック部材の斜視説明図である。前記ロック部材の断面図である。前記ロック部材を構成するグロメットの一部斜視説明図である。前記グロメットの平面説明図である。サービスプラグで前記ロック部材を回転させる際の斜視説明図である。前記ロック部材の回転時の断面説明図である。本発明の第２の実施形態に係るロック装置を構成するロック部材の一部断面説明図である。前記ロック部材の平面説明図である。特許文献１に開示されているインターロッククリップの斜視説明図である。

図１及び図２に示すように、本発明の第１の実施形態に係るロック装置１０は、例えば、図示しないハイブリッド自動車又はＥＶ等の電動車両に搭載される車載用電池パック１２に組み込まれる。

電池パック１２は、ケーシング１４を備え、前記ケーシング１４内には、図示しないが、複数の蓄電池（バッテリセル）が電気的に直列に接続されて積層されるバッテリモジュールの他、パワーコントロールユニット（ＰＣＵ）等の電気機器が収容される。ケーシング１４には、蓄電池の交換等、各種メンテナンスを行うための開口部１６が形成される。開口部１６を開閉するカバー部材１８は、ケーシング１４の上部に着脱自在に設けられる。

カバー部材１８は、複数本のねじ２０及び１本のロック部材（専用クリップ）２２を介してケーシング１４の上部に固定される。ロック部材２２には、鍵受け部２４が設けられる。ケーシング１４には、鍵受け部２４に係合し、ロック部材２２を回転させて前記ロック部材２２による締結を解除させるサービスプラグ（ロック解除部材）２６が設けられる。

サービスプラグ２６は、本体側プラグ２８に着脱自在であり、複数の蓄電池の中間部分に接続されて電気回路を遮断可能である。サービスプラグ２６と本体側プラグ２８とが接続された状態では、複数の蓄電池が電気的に直列に接続されてバッテリモジュールから電力供給が可能である。サービスプラグ２６が本体側プラグ２８から離脱した状態では、複数の蓄電池の中間部分が電気的に遮断されてバッテリモジュールからの電力供給が不能になる。サービスプラグ２６と本体側プラグ２８とにより、インターロック機構が構成される。

図３〜図５に示すように、ロック部材２２は、ケーシング１４の孔部１４ａ及びカバー部材１８の孔部１８ａに一体に挿入されるグロメット３０と、前記グロメット３０内に嵌合する回転部３２とを備える。

グロメット３０は、例えば、樹脂で形成され、孔部１４ａ、１８ａに一体に挿入される円筒部３４を有する。円筒部３４は、周方向に複数に分割されるとともに、所定角度間隔ずつ離間して拡縮部３４ａを設ける。拡縮部３４ａは、円筒部３４の基端部側を支点にして径方向に変形自在である。円筒部３４の基端部側には、大径円筒部３６が一体成形される。

大径円筒部３６内には、中央部に孔部３８が形成されるとともに、前記孔部３８を周回して複数のガイド用傾斜面４０が形成される。ガイド用傾斜面４０は、大径円筒部３６の軸方向上方（円筒部３４から離間する方向）に向かって高さが高くなるように傾斜する。

図５及び図６に示すように、大径円筒部３６の内周面には、後述する回転部３２を下端位置及び上端位置に保持するための膨出部４２が等角度間隔ずつ離間して、例えば、４カ所に設けられる。膨出部４２の一方の面４２ａは、回転部３２を下端位置に保持し、前記膨出部４２の他方の面４２ｂは、前記回転部３２を上端位置に保持する。

各膨出部４２の近傍（面４２ａ側）には、回転部３２の回転軌跡上で前記回転部３２の外周に干渉し、前記回転部３２に回転負荷を付与する突起４４が設けられる。回転部３２は、下端位置と上端位置との間で、例えば、略４５度（４５度以下でもよい）の角度をなして配置される。

回転部３２は、図４に示すように、グロメット３０の円筒部３４に挿入されるピン部４８を有し、前記ピン部４８には、拡縮部３４ａの内側突起３４ａｔに当接して前記拡縮部３４ａを径方向外方に変形（拡径）させる凸状部５０が設けられる。回転部３２は、グロメット３０から所定の高さ位置まで引き出されるとともに、この引き出し高さ位置で、凸状部５０は、拡縮部３４ａの内側突起３４ａｔから離間して前記拡縮部３４ａを径方向内方に変形させ、ロック部材２２を孔部１４ａ、１８ａから離脱可能にする。

ピン部４８の上端部には、回転板部５２が設けられる。回転板部５２は、等角度間隔ずつ離間して、例えば、４枚設けられており、大径円筒部３６の膨出部４２の面４２ａ、４２ｂに当接して下端位置及び上端位置に保持される。回転板部５２は、突起４４に摺接することにより、所定の回転負荷が付与されるとともに、底部がガイド用傾斜面４０上に配置される。

回転板部５２上には、円板部５４が設けられるとともに、前記円板部５４には、鍵受け部２４が設けられる。図３及び図５に示すように、鍵受け部２４は、回転部３２の回転中心に凸部５８を設けるとともに、前記回転中心から離間した位置に単一の凹部６０を設ける。凸部５８は、円柱形状を有する一方、凹部６０は、開口断面円形状を有する。鍵受け部２４には、回転方向を矢印で示す表示部６２が形成される。

図１に示すように、サービスプラグ２６には、鍵受け部２４の凸部５８に係合する解除側凹部６４と、前記鍵受け部２４の凹部６０に係合する解除側凸部６６とが設けられる。なお、解除側凹部６４は、孔部であってもよい。

このように構成されるロック装置１０の動作について、以下に説明する。

先ず、図１及び図２に示すように、サービスプラグ２６が本体側プラグ２８から取り外される。このため、複数の蓄電池が接続されている電気回路が遮断され、バッテリモジュールから電力が供給されることがない。

次いで、作業者は、サービスプラグ２６を上下反転させた後、前記サービスプラグ２６をロック部材２２の鍵受け部２４に対向させる。図７に示すように、サービスプラグ２６の解除側凹部６４と解除側凸部６６とは、鍵受け部２４の凸部５８と凹部６０とに係合する。この状態で、サービスプラグ２６が、表示部６２の矢印方向に回転されると、回転部３２は、解除側凹部６４及び凸部５８を中心に矢印方向に回転する。

その際、図６に示すように、回転部３２の各回転板部５２は、膨出部４２の面４２ａに当接して配置されており、前記回転板部５２が回転を開始すると、前記膨出部４２に隣接する突起４４に摺接する。このため、回転板部５２には、所定の回転負荷が付与された後、突起４４を越えてさらに回転する。回転部３２は、ガイド用傾斜面４０と回転板部５２の案内作用下に、回転しながら上昇する。

回転部３２が所定の角度（略４５度）だけ回転すると、回転板部５２が膨出部４２の面４２ｂに当接した状態位置に保持される（図８参照）。さらに、作業者は、回転部３２の上部を把持して上方に引き上げる。従って、回転部３２は、グロメット３０の途上に保持されるとともに、ピン部４８の凸状部５０が拡縮部３４ａの内側突起３４ａｔから離脱する。

これにより、拡縮部３４ａは、径方向内方に変形して縮径する。このため、ロック部材２２は、孔部１４ａ、１８ａから離脱してケーシング１４及びカバー部材１８から取り外される。カバー部材１８は、さらに複数のねじ２０が取り外されることにより、ケーシング１４から離脱され、開口部１６を介して機器のメンテナンスや交換作業等が遂行される。

この場合、第１の実施形態では、回転部３２の鍵受け部２４は、回転中心に凸部５８を設けるとともに、前記回転中心から離間した位置に単一の凹部６０を設けている。従って、凸部５８に係合する解除側凹部６４及び凹部６０に係合する解除側凸部６６を有するサービスプラグ２６のみにより、回転部３２（ロック部材２２）を回転させることができる。

具体的には、作業者の指や工具（スクレーパ等）を単一の凹部６０に係合させても、回転部３２の回転方向に荷重を付与することができない。一方、てこの原理を利用しようとしても、回転中心から離間した位置に凸部がないため、回転部３２の回転方向に荷重を付与することができない。

これにより、専用工具であるサービスプラグ２６以外の汎用工具によって、ロック部材２２の締結解除が行われることを可及的に抑制することができ、しかも構成を有効に簡素化させることが可能になるという効果が得られる。

さらに、グロメット３０を構成する大径円筒部３６には、回転部３２の回転軌跡上で前記回転部３２の外周に干渉し、前記回転部３２に回転負荷を付与する突起４４が設けられている。このため、例え、汎用工具（細い工具等）により回転部３２に回転方向に荷重を加えても、一定以上の荷重の付与がなければ、前記回転部３２が回転することがない。従って、サービスプラグ２６以外の工具により、ロック部材２２の締結が解除されることを確実に阻止することができる。

図９は、本発明の第２の実施形態に係るロック装置７０を構成するロック部材７２の一部断面説明図である。なお、第１の実施形態に係るロック装置１０を構成するロック部材２２と同一の構成要素には、同一の参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。

ロック部材７２は、グロメット３０と回転部７４とを備える。回転部７４は、円板部７６を有するとともに、前記円板部７６には、鍵受け部７８が設けられる。図９及び図１０に示すように、鍵受け部７８は、回転部７４の回転中心に凸部５８を設けるとともに、前記回転中心から離間した位置に単一の円弧状凹部８０を設ける。

凹部８０を形成する底面８０ａは、傾斜面に形成される。底面８０ａは、凹部８０の回転方向先端側が最も深溝に設定され、回転方向後方に向かうに従って浅溝に設定される。底面８０ａの回転方向後方の端部は、円板部７６の表面と略同一位置に設定される。

このように構成される第２の実施形態では、鍵受け部７８を構成する凹部８０の底面８０ａが傾斜面に形成されている。このため、サービスプラグ２６により回転部７４にロック解除方向とは逆方向に回転負荷を与えても、解除側凸部６６が凹部８０の傾斜面に沿って移動する。従って、回転部７４には、締め付け方向に規定以上の回転荷重が付与されることがなく、ロック部材７２やサービスプラグ２６に逆回転による破損等が発生することを阻止することが可能になる。

なお、第２の実施形態では、回転部７４の凹部８０の底面８０ａを傾斜面に設定したが、これに限定されるものではない。例えば、第１の実施形態において、サービスプラグ２６を構成する解除側凸部６６の上面が、傾斜面に形成されてもよい。これにより、上記の第２の実施形態と同様の効果が得られる。また、第１及び第２の実施形態では、電池パック１２を用いて説明したが、これに限定されるものではなく、種々の電気機器を収容する設備に採用することが可能である。

１０、７０…ロック装置１２…電池パック
１４…ケーシング１６…開口部
１８…カバー部材２０…ねじ
２２、７２…ロック部材２４、７８…鍵受け部
２６…サービスプラグ２８…本体側プラグ
３０…グロメット３２、７４…回転部
３４…円筒部３４ａ…拡縮部
４２…膨出部４４…突起
４８…ピン部５２…回転板部
５４、７６…円板部５８…凸部
６０、８０…凹部６２…表示部
６４…解除側凹部６６…解除側凸部

Claims

機器を収容するケーシングと、
前記ケーシングの開口部を覆うカバー部材と、
前記ケーシングと前記カバー部材とを締結するロック部材と、
前記ロック部材に設けられる鍵受け部に係合し、該ロック部材を回転させて前記ロック部材による締結を解除させるロック解除部材と、
を備えるロック装置であって、
前記鍵受け部は、回転中心に凸部を設けるとともに、前記回転中心から離間した位置に単一の凹部を設ける一方、
前記ロック解除部材は、前記凸部に係合する解除側凹部及び前記凹部に係合する解除側凸部を有することを特徴とするロック装置。
請求項１記載のロック装置において、前記ロック解除部材は、前記機器の電気回路を遮断するサービスプラグであることを特徴とするロック装置。
請求項１又は２記載のロック装置において、前記ロック部材は、前記ケーシングの孔部及び前記カバー部材の孔部に一体に挿入され、拡縮自在なグロメットと、
前記グロメット内に嵌合して該グロメットを拡径させるとともに、前記鍵受け部を設けた回転部と、
を備えることを特徴とするロック装置。
請求項３記載のロック装置において、前記グロメット内には、前記回転部の回転軌跡上で該回転部の外周に干渉し、前記回転部に回転負荷を付与する突起が設けられることを特徴とするロック装置。
請求項１〜４のいずれか１項に記載のロック装置において、前記凹部を形成する底面又は前記解除側凸部の上面は、傾斜面に形成されることを特徴とするロック装置。