JP6104199B2 - 感熱性発色組成物、及び、赤外線感光性発色組成物 - Google Patents

感熱性発色組成物、及び、赤外線感光性発色組成物 Download PDF

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Description

本発明は、感熱性発色組成物、及び、赤外線感光性発色組成物に関する。
支持体上に感熱発色層を設けた、いわゆる感熱記録材料では、熱による発色のオン/オフを付与するために、サーモクロミック材料を用いたり、ロイコ色素と顕色剤のどちらか一方又は両方を、固体分散又はマイクロカプセル中に内在させることで、互いに出会えない環境に隔離することで感熱性を実現している。
従来のサーモクロミック材料としては、特許文献1に記載されているものが知られている。また、従来の感熱記録媒体としては、特許文献2に記載されているものが知られている。
特開平7−165762号公報 特開2014−751号公報
本発明者が検討を行った結果、特許文献1に記載されているような、従来のサーモクロミック化合物では、その可逆性という特性から経時による退色が問題となることを本発明者は見いだした。
また、特許文献2に記載されているような、ロイコ色素と顕色剤との組み合わせにおける固体分散やマイクロカプセルでは、分散させるために溶媒として水を用いるため、利用可能な素材が水溶性化合物に限定され、汎用性に問題があった。
本発明が解決しようとする課題は、熱により高濃度で発色し、かつ経時による退色が少ない感熱性発色組成物を提供することである。
本発明が解決しようとする他の課題は、赤外線露光により高濃度で発色し、かつ経時による退色が少ない赤外線感光性発色組成物を提供することである。
上記課題は、下記<1>又は<7>に記載の手段により達成された。好ましい実施態様である<2>〜<6>及び<8>〜<12>と共に以下に示す。
<1>(成分A)式(A−1)で表される化合物、(成分B)式(B−1)で表される化合物又はアニリン化合物、及び、(成分C)バインダーポリマー、を含有することを特徴とする感熱性発色組成物、
Figure 0006104199
式中、R〜Rはそれぞれ独立に、水素原子又は1価の有機基を表し、R及びR、又は、R及びRの組み合わせでこれらの基が連結して環を形成してもよく、R及びR、又は、R及びRの組み合わせの少なくとも一方は連結して環を形成しており、Rはアルキル基を表し、Rはそれぞれ独立に、アルキル基、ハロゲン原子、OR、NR又はSRを表し、nは0〜4の整数を表し、隣り合う2個のRが連結して環を形成してもよく、Qは、酸素原子、NR10、硫黄原子又はジアルキルメチレン基を表し、R〜R10はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基又はアリール基を表す。
<2>成分Aが、式(A−2)又は式(A−3)で表される化合物である、<1>に記載の感熱性発色組成物、
Figure 0006104199
式中、R11はアルキル基を表し、R12及びR13はそれぞれ独立に、アルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、OR14、NR1516又はSR17を表し、xは0〜4の整数を表し、yは0〜5の整数を表し、R12及びR13は隣り合う2個の基同士が連結して環を形成してもよく、Qは酸素原子、NR18、硫黄原子又はジアルキルメチレン基を表し、R14〜R18はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基又はアリール基を表す。
<3>成分Aが、上記式(A−2)で表される化合物であり、かつQがジアルキルメチレン基である、<2>に記載の感熱性発色組成物、
<4>成分Bが、上記式(B−1)で表される化合物である、<1>〜<3>のいずれか1つに記載の感熱性発色組成物、
<5>成分Bが、式(B−2)で表される化合物である、<1>〜<4>のいずれか1つに記載の感熱性発色組成物、
Figure 0006104199
式中、R19はアルキル基を表し、R20はそれぞれ独立に、アルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、OR21、NR2223又はSR24を表し、zは0〜4の整数を表し、隣り合う2個のR20が連結して環を形成してもよく、R21〜R24はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基又はアリール基を表す。
<6>上記アニリン化合物が、式(B−3)で表される化合物である、<1>〜<3>のいずれか1つに記載の感熱性発色組成物、
Figure 0006104199
式中、Ra1及びRa2はそれぞれ独立に、アルキル基を表し、Ra3〜Ra7はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヒドロキシ基又はアルコキシ基を表し、Ra3、Ra5及びRa7のうち少なくとも1つは水素原子である。
<7>(成分A)式(A−1)で表される化合物、(成分B)式(B−1)で表される化合物又はアニリン化合物、(成分C)バインダーポリマー、及び、(成分D)赤外線吸収剤、を含有することを特徴とする赤外線感光性発色組成物、
Figure 0006104199
式中、R〜Rはそれぞれ独立に、水素原子又は1価の有機基を表し、R及びR、又は、R及びRの組み合わせでこれらの基が連結して環を形成してもよく、R及びR、又は、R及びRの組み合わせの少なくとも一方は連結して環を形成しており、Rはアルキル基を表し、Rはそれぞれ独立に、アルキル基、ハロゲン原子、OR、NR又はSRを表し、nは0〜4の整数を表し、隣り合う2個のRが連結して環を形成してもよく、Qは、酸素原子、NR10、硫黄原子又はジアルキルメチレン基を表し、R〜R10はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基又はアリール基を表す。
<8>成分Aが、式(A−2)又は式(A−3)で表される化合物である、<7>に記載の赤外線感光性発色組成物、
Figure 0006104199
式中、R11はアルキル基を表し、R12及びR13はそれぞれ独立に、アルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、OR14、NR1516又はSR17を表し、xは0〜4の整数を表し、yは0〜5の整数を表し、R12及びR13は隣り合う2個の基同士が連結して環を形成してもよく、Qは酸素原子、NR18、硫黄原子又はジアルキルメチレン基を表し、R14〜R18はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基又はアリール基を表す。
<9>成分Aが、上記式(A−2)で表される化合物であり、かつQがジアルキルメチレン基である、<8>に記載の赤外線感光性発色組成物、
<10>成分Bが、上記式(B−1)で表される化合物である、<7>〜<9>のいずれか1つに記載の赤外線感光性発色組成物、
<11>成分Bが、式(B−2)で表される化合物である、<7>〜<10>のいずれか1つに記載の赤外線感光性発色組成物、
Figure 0006104199
式中、R19はアルキル基を表し、R20はそれぞれ独立に、アルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、OR21、NR2223又はSR24を表し、zは0〜4の整数を表し、隣り合う2個のR20が連結して環を形成してもよく、R21〜R24はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基又はアリール基を表す。
<12>上記アニリン化合物が、式(B−3)で表される化合物である、<7>〜<9>のいずれか1つに記載の赤外線感光性発色組成物。
Figure 0006104199
式中、Ra1及びRa2はそれぞれ独立に、アルキル基を表し、Ra3〜Ra7はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヒドロキシ基又はアルコキシ基を表し、Ra3、Ra5及びRa7のうち少なくとも1つは水素原子である。
本発明によれば、熱により高濃度で発色し、かつ経時による退色が少ない感熱性発色組成物を提供することができた。
また、本発明によれば、赤外線露光により高濃度で発色し、かつ経時による退色が少ない赤外線感光性発色組成物を提供することができた。
以下、本発明について詳細に説明する。
なお、本明細書中、「xx〜yy」の記載は、xx及びyyを含む数値範囲を表す。また、「(成分A)式(A−1)で表される化合物」等を単に「成分A」等ともいう。
「(メタ)アクリレート」等は、「アクリレート及び/又はメタクリレート」等と同義であり、以下同様とする。
また、本発明において、「質量%」と「重量%」とは同義であり、「質量部」と「重量部」とは同義である。
本明細書において、式で表される化合物における基の表記に関して、置換あるいは無置換を記していない場合、当該基が更に置換基を有することが可能な場合には、他に特に規定がない限り、無置換の基のみならず置換基を有する基も包含する。例えば、式において、「Rはアルキル基、アリール基又は複素環基を表す」との記載があれば、「Rは無置換アルキル基、置換アルキル基、無置換アリール基、置換アリール基、無置換複素環基又は置換複素環基を表す」ことを意味する。
また、本発明において、好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
(感熱性発色化合物、及び、赤外線感光性発色組成物)
本発明の感熱性発色組成物は、(成分A)式(A−1)で表される化合物、(成分B)式(B−1)で表される化合物又はアニリン化合物、及び、(成分C)バインダーポリマー、を含有することを特徴とする。
本発明の感熱性発色組成物は、熱を付与されることにより発色する組成物である。
本発明の赤外線感光性発色組成物は、(成分A)式(A−1)で表される化合物、(成分B)式(B−1)で表される化合物又はアニリン化合物、(成分C)バインダーポリマー、及び、(成分D)赤外線吸収剤、を含有することを特徴とする。
本発明の赤外線感光性発色組成物は、赤外線の露光により発色する組成物であり、また、熱を付与されることにより発色する組成物でもある。
また、本発明の赤外線感光性発色組成物は、平版印刷版原版の画像記録層の作製に用いることができる。
また、以下において、「本発明の発色組成物」とは、本発明の感熱性発色組成物及び本発明の赤外線感光性発色組成物の両方を表すものとする。
Figure 0006104199
式中、R〜Rはそれぞれ独立に、水素原子又は1価の有機基を表し、R及びR、又は、R及びRの組み合わせでこれらの基が連結して環を形成してもよく、R及びR、又は、R及びRの組み合わせの少なくとも一方は連結して環を形成しており、Rはアルキル基を表し、Rはそれぞれ独立に、アルキル基、ハロゲン原子、OR、NR又はSRを表し、nは0〜4の整数を表し、隣り合う2個のRが連結して環を形成してもよく、Qは、酸素原子、NR10、硫黄原子又はジアルキルメチレン基を表し、R〜R10はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基又はアリール基を表す。
本発明において、熱の付与及び/又は赤外線の露光による発色とは、熱の付与及び/又は赤外線の露光の前後において、可視光領域の吸収が変化することであり、具体的には、付与された熱及び/又は赤外線露光により生じる熱により、成分Aと成分Bとが反応し、可視光領域に少なくとも吸収を有する色素を発生することである。
本発明の発色組成物は、露光後に強く着色又は吸収が長波長化し可視光領域に吸収を有するようになる組成物であることが好ましい。
本発明の発色組成物における発色機構は定かではないが、付与された熱及び/又は赤外線露光により生じる熱によって、下記式に示すような反応が起こり、下記式の右側に1例として示すようなスクアリリウム色素及び/又はその類似構造の色素が発生し、可視光領域に吸収を有するようになり、発色すると推定される。また、下記式では、推定機構として、水の脱離を記載しているが、実際に水として脱離するのか、水が反応又は配位した他の化合物として脱離するのかは不明である。
Figure 0006104199
式中、R〜R、Q及びnは、式(A−1)又は式(B−1)におけるR〜R、Q及びnと同義であり、R、Ra1及びRa2はそれぞれ独立に、水素原子又は1価の置換基を表し、mは0〜4の整数を表す。
以下、本発明の発色組成物に使用する各成分について詳細に説明する。
(成分A)式(A−1)で表される化合物
本発明の発色組成物は、(成分A)式(A−1)で表される化合物を含有する。
(成分A)式(A−1)で表される化合物は、付与された熱及び/又は赤外線露光により生じる熱により、成分Bと反応する化合物である。
式(A−1)において、R〜Rはそれぞれ独立に、水素原子又は1価の有機基を表す。1価の有機基としては、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基、アリーロキシ基、ジアルキルアミノ基、ジアリールアミノ基、アルキルアリールアミノ基、アルキルチオ基又はアリールチオ基であることが好ましい。
上記1価の有機基の炭素数は、1〜40であることが好ましく、1〜30であることがより好ましく、1〜15であることが更に好ましい。
また、上記1価の有機基は、更にハロゲン原子、シアノ基及び/又は上記1価の有機基により置換されていてもよい。
〜Rのアルキル基、アルコキシ基、ジアルキルアミノ基、アルキルアリールアミノ基又はアルキルチオ基におけるアルキル基の炭素数は、1〜30であることが好ましく、1〜15であることがより好ましく、1〜10であることが更に好ましい。
具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、イソプロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、イソヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、及び、2−ノルボルニル基が挙げられる。
これらアルキル基の中でも、メチル基、エチル基、又は、プロピル基が特に好ましい。
〜Rのアリール基、アリーロキシ基、ジアリールアミノ基、アルキルアリールアミノ基又はアリールチオ基におけるアリール基の炭素数は、6〜30であることが好ましく、6〜20であることがより好ましく、6〜12であることが更に好ましい。
具体的には、例えば、フェニル基、ナフチル基、p−トリル基、p−クロロフェニル基、p−フルオロフェニル基、p−メトキシフェニル基、p−ジメチルアミノフェニル基、p−メチルチオフェニル基、及び、p−フェニルチオフェニル基が挙げられる。
これらアリール基の中でも、フェニル基、p−メトキシフェニル基、p−ジメチルアミノフェニル基、又は、ナフチル基が好ましい。
〜Rのアルケニル基の炭素数は、1〜30であることが好ましく、1〜15であることがより好ましく、1〜10であることが更に好ましい。
及びR、又は、R及びRの組み合わせでこれらの基が連結して環を形成してもよく、R及びR、又は、R及びRの組み合わせの少なくとも一方は連結して環を形成している。
及びRが連結して環を形成する場合、R及びRが連結して形成する環は、5又は6員環を形成することが好ましく、6員環を形成することがより好ましい。
また、R及びRが連結して形成する環は、芳香環であることが好ましく、芳香族炭化水素環であることがより好ましく、ベンゼン環であることが更に好ましい。
及びRが連結して環を形成する場合、R及びRが連結して形成する環は、5又は6員環を形成することが好ましく、5員環を形成することがより好ましい。
また、R及びRが連結して形成する環は、複素環であることが好ましく、含窒素複素環であることがより好ましい。また、上記複素環には、芳香環が更に縮合していることが好ましく、ベンゼン環が更に縮合していることがより好ましい。また、上記複素環は、インドリン環、ベンゾイミダゾリン環、ベンゾオキサゾリン環、ベンゾチアゾリン環、又は、2,3−ジヒドロベンゾフラン環であることが更に好ましく、インドリン環、ベンゾイミダゾリン環、ベンゾオキサゾリン環、又は、ベンゾチアゾリン環であることが特に好ましく、インドリン環であることが最も好ましい。
また、これらの環には、置換基を有していてもよく、置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アミノ基、メルカプト基、シアノ基及び/又は上記1価の有機基が挙げられる。
成分Aは、式(A−2)又は式(A−3)で表される化合物であることが好ましく、式(A−2)で表される化合物であることがより好ましい。
Figure 0006104199
式中、R11はアルキル基を表し、R12及びR13はそれぞれ独立に、アルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、OR14、NR1516又はSR17を表し、xは0〜4の整数を表し、yは0〜5の整数を表し、R12及びR13は隣り合う2個の基同士が連結して環を形成してもよく、Qは酸素原子、NR18、硫黄原子又はジアルキルメチレン基を表し、R14〜R18はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基又はアリール基を表す。
11〜R18がアルキル基である場合の好ましい態様は、後述する以外については、R〜Rにおけるアルキル基の好ましい態様と同様である。
11は、炭素数1〜4のアルキル基であることが特に好ましく、メチル基であることが最も好ましい。
12及びR13におけるハロゲン原子としては、塩素原子又は臭素原子であることが好ましく、塩素原子であることがより好ましい。
14〜R18がアリール基である場合の好ましい態様は、R〜Rにおけるアリール基の好ましい態様と同様である。
xは、0〜4の整数を表し、0〜3の整数であることが好ましく、0〜2の整数であることがより好ましい。
yは、0〜5の整数を表し、0〜3の整数であることが好ましく、0〜2の整数であることがより好ましく、0又は1であることが更に好ましい。
12及びR13は隣り合う2個の基同士が連結して環を形成してもよく、当該場合の環は、芳香環であることが好ましく、ベンゼン環であることがより好ましい。
また、R12及びR13はそれぞれ独立に、アルキル基、塩素原子、シアノ基、OR14又はNR1516であることが好ましい。
14〜R17はそれぞれ独立に、アルキル基であることが好ましく、炭素数1〜4のアルキル基であることがより好ましく、メチル基であることが更に好ましい。
は、酸素原子、アルキルイミノ基、硫黄原子又はジアルキルメチレン基であることが好ましく、ジアルキルメチレン基であることがより好ましく、ジメチルメチレン基であることが更に好ましい。
18は、アルキル基であることが好ましく、炭素数1〜4のアルキル基であることがより好ましく、メチル基であることが更に好ましい。
以下に、式(A−1)に示す化合物の好ましい具体例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 0006104199
式(A−1)で表される化合物の合成方法としては、特に制限はなく、公知の方法を用いて合成することができ、例えば、スクアリン酸と芳香環とを反応させる方法、スクアリン酸と2−メチリデンインドリン化合物とを反応させる方法、スクアリン酸と2−メチルインドレニン塩とを反応させる方法等が好適に挙げられる。
中でも、下記式(1)、(2)又は(3)のルートで必要に応じて原料を変更し合成することが好ましい。なお、下記において、Etはエチル基を表し、tBuはt−ブチル基を表し、EWGは電子求引性基を表し、EDGは電子供与性基を表す。
Figure 0006104199
Figure 0006104199
本発明の発色組成物は、成分Aを1種単独で使用しても、2種以上併用してもよい。
本発明の発色組成物において、式(A−1)で表される化合物は、任意な量で含有させることができるが、式(A−1)で表される化合物の含有量は、発色組成物の全固形分中、1〜90質量%であることが好ましく、10〜50質量%であることがより好ましく、15〜45質量%であることが更に好ましい。なお、全固形分とは、組成物や層中における溶剤等の揮発性成分を除いた成分の総量である。
(成分B)式(B−1)で表される化合物又はアニリン化合物
本発明の発色組成物は、(成分B)式(B−1)で表される化合物又はアニリン化合物を含有する。
また、成分Bとしては、式(B−1)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 0006104199
式中、Rはアルキル基を表し、Rはそれぞれ独立に、アルキル基、ハロゲン原子、OR、NR又はSRを表し、nは0〜4の整数を表し、隣り合う2個のRが連結して環を形成してもよく、Qは、酸素原子、NR10、硫黄原子又はジアルキルメチレン基を表し、R〜R10はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基又はアリール基を表す。
〜R10がアルキル基である場合の好ましい態様は、後述する以外については、R〜Rにおけるアルキル基の好ましい態様と同様である。
は、炭素数1〜4のアルキル基であることが特に好ましく、メチル基であることが最も好ましい。
がハロゲン原子である場合の好ましい態様は、後述する以外については、R12及びR13におけるハロゲン原子の好ましい態様と同様である。
nは、0〜4の整数を表し、0〜3の整数であることが好ましく、0〜2の整数であることがより好ましい。
は、隣り合う2個のR同士が連結して環を形成してもよく、当該場合の環は、5又は6員環を形成することが好ましく、5員環を形成することがより好ましい。
また、隣り合う2個のR同士が連結して形成する環は、芳香環であることが好ましく、ベンゼン環であることがより好ましい。
また、Rはそれぞれ独立に、アルキル基、ハロゲン原子、OR又はNRであることが好ましく、ハロゲン原子、OR又はNRであることがより好ましく、ハロゲン原子であることが更に好ましく、塩素原子であることが特に好ましい。
〜R10がアリール基である場合の好ましい態様は、R〜Rにおけるアリール基の好ましい態様と同様である。
〜Rはそれぞれ独立に、アルキル基であることが好ましく、炭素数1〜4のアルキル基であることがより好ましく、メチル基であることが更に好ましい。
は、酸素原子、アルキルイミノ基、硫黄原子又はジアルキルメチレン基であることが好ましく、ジアルキルメチレン基であることがより好ましく、ジメチルメチレン基であることが更に好ましい。
10は、アルキル基であることが好ましく、炭素数1〜4のアルキル基であることがより好ましく、メチル基であることが更に好ましい。
式(B−1)で表される化合物としては、式(B−2)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 0006104199
式中、R19はアルキル基を表し、R20はそれぞれ独立に、アルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、OR21、NR2223又はSR24を表し、zは0〜4の整数を表し、隣り合う2個のR20が連結して環を形成してもよく、R21〜R24はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基又はアリール基を表す。
19は、式(B−1)におけるRと同義であり、好ましい態様も同様である。
20及びzは、式(B−1)におけるR及びnとそれぞれ同義であり、好ましい態様もそれぞれ同様である。
成分Bとして用いることができるアニリン化合物としては、成分Aと反応して発色することができるアニリン化合物であれば、特に制限はないが、N,N−ジ置換アニリン化合物であることが好ましく、N,N−ジアルキルアニリン化合物であることがより好ましい。また、N,N−ジアルキルアニリン化合物における窒素原子に結合するアルキル基の炭素数としては、1〜20であることが好ましく、1〜10であることがより好ましく、1〜4であることが更に好ましく、1又は2であることが特に好ましい。
また、アニリン化合物としては、式(B−3)で表される化合物が好ましい。
Figure 0006104199
式中、Ra1及びRa2はそれぞれ独立に、アルキル基を表し、Ra3〜Ra7はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヒドロキシ基又はアルコキシ基を表し、Ra3、Ra5及びRa7のうち少なくとも1つは水素原子である。
a1及びRa2におけるアルキル基の炭素数は、1〜20であることが好ましく、1〜10であることがより好ましく、1〜4であることが更に好ましく、1又は2であることが特に好ましい。また、Ra1及びRa2は、共にメチル基であることが最も好ましい。
a3〜Ra7はそれぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシ基又はアルコキシ基であることが好ましく、水素原子又はヒドロキシ基であることがより好ましい。
また、Ra5は水素原子であることが好ましい。
上記アニリン化合物として、具体的には、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジメチル−3−ヒドロキシアニリン、N,N−ジメチル−3−ヒドロキシアニリン、及び、N,N−ジメチル−3−メトキシアニリンが好ましく挙げられ、N,N−ジメチル−3−ヒドロキシアニリン、及び、N、N−ジメチル−3−メトキシアニリンがより好ましく例示できる。
以下に、成分Bの好ましい具体例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 0006104199
式(B−1)で表される化合物及びアニリン化合物の合成方法としては、特に制限はなく、公知のインドリン化合物、ベンゾイミダゾリン化合物、ベンゾオキサゾリン化合物、ベンゾチアゾリン化合物、2,3−ジヒドロベンゾフラン化合物、又は、アニリン化合物の合成方法を参照して合成することができる。
本発明の発色組成物は、成分Bを1種単独で使用しても、2種以上併用してもよい。
また、成分Bとして、式(B−1)で表される化合物とアニリン化合物とを併用してもよい。
本発明の発色組成物において、成分Bは、任意な量で含有させることができるが、式(A−1)で表される化合物の含有量は、発色組成物の全固形分中、1〜90質量%であることが好ましく、10〜50質量%であることがより好ましく、15〜45質量%であることが更に好ましい。
また、本発明の発色組成物において、成分Aの含有量が、質量比で、成分Bの含有量よりも多いことが好ましい。
また、本発明の発色組成物の全固形分中、成分A及び成分Bの総含有量が、2〜95質量%であることが好ましく、10〜95質量%であることがより好ましく、20〜95質量%であることが更に好ましく、30〜90質量%であることが特に好ましい。
更に、上述した成分Aと成分Bとの好ましい組み合わせは、それぞれの好ましい態様の組み合わせが最も好ましい。
(成分C)バインダーポリマー
本発明の発色組成物は、(成分C)バインダーポリマーを含有する。
本発明に用いることができるバインダーポリマーとしては、皮膜性を有するポリマーであれば特に限定されず、感光性発色組成物や感熱性発色組成物に用いられる公知のバインダーポリマーを使用することができる。中でも、アクリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリウレタン樹脂が好ましく、アクリル樹脂が特に好ましい。
本発明の発色組成物は、バインダーポリマーを1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
バインダーポリマーは、本発明の発色組成物中に任意な量で含有させることができるが、バインダーポリマーの含有量は、本発明の発色組成物の全固形分に対して、10〜95質量%であることが好ましく、20〜90質量%であることがより好ましい。
(成分D)赤外線吸収剤
本発明の赤外線感光性発色組成物は、(成分D)赤外線吸収剤を含有する。
また、本発明の感熱性発色組成物は、(成分D)赤外線吸収剤を含有していてもよい。
赤外線吸収剤(「IR色素」又は「赤外線吸収色素」ともいう。)は、吸収した赤外線を熱に変換する機能を有する化合物である。また、赤外線吸収剤は、赤外線により励起して後述する重合開始剤に電子移動及び/又はエネルギー移動する機能を更に有していてもよい。
赤外線吸収剤としては、750〜1,400nmの波長域に極大吸収を有することが好ましい。また、赤外線吸収剤としては、染料又は顔料が好ましく用いられる。
染料としては、市販の染料、及び、例えば、「染料便覧」(有機合成化学協会編集、昭和45年刊)等の文献に記載されている公知のものが利用できる。具体的には、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、ナフトキノン染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料、シアニン染料、スクアリリウム色素、ピリリウム塩、金属チオレート錯体等の染料が挙げられる。
これらの染料のうち好ましいものとしては、シアニン色素、スクアリリウム色素、ピリリウム塩が挙げられる。中でも、シアニン色素が好ましく、インドレニンシアニン色素が特に好ましい。
シアニン色素の具体例としては、特開2001−133969号公報の段落0017〜0019に記載の化合物、特開2002−023360号公報の段落0016〜0021、特開2002−040638号公報の段落0012〜0037に記載の化合物、好ましくは特開2002−278057号公報の段落0034〜0041、特開2008−195018公報の段落0080〜0086に記載の化合物、最も好ましくは特開2007−90850号公報の段落0035〜0043に記載の化合物が挙げられる。
また、特開平5−5005号公報の段落0008〜0009、特開2001−222101号公報の段落0022〜0025に記載の化合物も好ましく使用することができる。
顔料としては、特開2008−195018号公報の段落0072〜0076に記載の化合物が好ましい。
また、これらの(成分D)赤外線吸収剤は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよく、赤外線吸収剤として顔料と染料とを併用してもよい。
本発明の発色組成物において、赤外線吸収剤は、任意な量で含有させることができるが、赤外線吸収剤の含有量は、発色組成物の全固形分100質量部に対し、0.05〜30質量%であることが好ましく、0.1〜20質量%であることがより好ましく、0.2〜10質量%であることが更に好ましい。
(成分E)重合開始剤
本発明の発色組成物は、(成分E)重合開始剤を含有してもよい。
本発明の発色組成物に用いられる重合開始剤は、光、熱あるいはその両方のエネルギーによりラジカルやカチオン等の重合開始種を発生する化合物であって、公知の熱重合開始剤、結合解離エネルギーの小さな結合を有する化合物、光重合開始剤などを適宜選択して用いることができる。
重合開始剤としては、ラジカル重合開始剤が好ましく、オニウム塩がより好ましい。
また、重合開始剤としては、赤外線感光性重合開始剤であることが好ましい。
重合開始剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ラジカル重合開始剤としては、例えば、(a)有機ハロゲン化物、(b)カルボニル化合物、(c)アゾ化合物、(d)有機過酸化物、(e)メタロセン化合物、(f)アジド化合物、(g)ヘキサアリールビイミダゾール化合物、(h)有機ホウ酸塩化合物、(i)ジスルホン化合物、(j)オキシムエステル化合物、(k)オニウム塩化合物が挙げられる。
(a)有機ハロゲン化物としては、例えば、特開2008−195018号公報の段落0022〜0023に記載の化合物が好ましい。
(b)カルボニル化合物としては、例えば、特開2008−195018号公報の段落0024に記載の化合物が好ましい。
(c)アゾ化合物としては、例えば、特開平8−108621号公報に記載のアゾ化合物等を使用することができる。
(d)有機過酸化物としては、例えば、特開2008−195018号公報の段落0025に記載の化合物が好ましい。
(e)メタロセン化合物としては、例えば、特開2008−195018号公報の段落0026に記載の化合物が好ましい。
(f)アジド化合物としては、例えば、2,6−ビス(4−アジドベンジリデン)−4−メチルシクロヘキサノン等の化合物を挙げることができる。
(g)ヘキサアリールビイミダゾール化合物としては、例えば、特開2008−195018号公報の段落0027に記載の化合物が好ましい。
(h)有機ホウ酸塩化合物としては、例えば、特開2008−195018号公報の段落0028に記載の化合物が好ましい。
(i)ジスルホン化合物としては、例えば、特開昭61−166544号、特開2002−328465号の各公報に記載の化合物が挙げられる。
(j)オキシムエステル化合物としては、例えば、特開2008−195018号公報の段落0028〜0030に記載の化合物が好ましい。
上記重合開始剤の中でもより好ましいものとして、硬化性の観点から、オキシムエステル及びオニウム塩が挙げられ、ヨードニウム塩、スルホニウム塩及びアジニウム塩が更に好ましく挙げられる。また、平版印刷版原版に用いる場合は、ヨードニウム塩、スルホニウム塩が特に好ましい。これら化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
ヨードニウム塩の例としては、ジフェニルヨードニウム塩が好ましく、特に電子供与性基、例えば、アルキル基又はアルコキシル基で置換されたジフェニルヨードニウム塩が好ましく、また、非対称のジフェニルヨードニウム塩が好ましい。具体例としては、ジフェニルヨードニウム=ヘキサフルオロホスファート、4−メトキシフェニル−4−(2−メチルプロピル)フェニルヨードニウム=ヘキサフルオロホスファート、4−(2−メチルプロピル)フェニル−p−トリルヨードニウム=ヘキサフルオロホスファート、4−ヘキシルオキシフェニル−2,4,6−トリメトキシフェニルヨードニウム=ヘキサフルオロホスファート、4−ヘキシルオキシフェニル−2,4−ジエトキシフェニルヨードニウム=テトラフルオロボラート、4−オクチルオキシフェニル−2,4,6−トリメトキシフェニルヨードニウム=1−ペルフルオロブタンスルホナート、4−オクチルオキシフェニル−2,4,6−トリメトキシフェニルヨードニウム=ヘキサフルオロホスファート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム=ヘキサフルオロホスファートが挙げられる。
スルホニウム塩の例としては、トリアリールスルホニウム塩が好ましく、特に電子求引性基、例えば、芳香環上の基の少なくとも一部がハロゲン原子で置換されたトリアリールスルホニウム塩が好ましく、芳香環上のハロゲン原子の総置換数が4以上であるトリアリールスルホニウム塩が更に好ましい。具体例としては、トリフェニルスルホニウム=ヘキサフルオロホスファート、トリフェニルスルホニウム=ベンゾイルホルマート、ビス(4−クロロフェニル)フェニルスルホニウム=ベンゾイルホルマート、ビス(4−クロロフェニル)−4−メチルフェニルスルホニウム=テトラフルオロボラート、トリス(4−クロロフェニル)スルホニウム=3,5−ビス(メトキシカルボニル)ベンゼンスルホナート、トリス(4−クロロフェニル)スルホニウム=ヘキサフルオロホスファート、トリス(2,4−ジクロロフェニル)スルホニウム=ヘキサフルオロホスファートが挙げられる。
重合開始剤の含有量は、発色組成物の全固形分に対して、好ましくは0.1〜50質量%、より好ましくは0.5〜30質量%、特に好ましくは0.8〜20質量%である。
(成分F)重合性化合物
本発明の発色組成物は、(成分F)重合性化合物を含有してもよい。重合性化合物を含有する本発明の発色組成物は、熱の付与及び/又は赤外線露光による発色性に加えて重合硬化機能を有する発色性硬化性組成物である。
また、本発明の発色組成物は、(成分E)重合開始剤及び(成分F)重合性化合物を含有する硬化性組成物として好適に用いることができ、赤外線硬化性かつ赤外線感光性発色組成物としてより好適に用いることができる。
本発明の発色組成物に用いられる(成分F)重合性化合物は、例えば、ラジカル重合性化合物であっても、カチオン重合性化合物であってもよいが、少なくとも1個のエチレン性不飽和結合を有する付加重合性化合物(エチレン性不飽和化合物)であることが好ましい。エチレン性不飽和化合物としては、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個有する化合物であることが好ましく、末端エチレン性不飽和結合を2個以上有する化合物であることがより好ましい。重合性化合物は、例えばモノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体若しくはオリゴマー、又は、それらの混合物などの化学的形態をもつ。
モノマーの例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と多価アルコール化合物とのエステル類、不飽和カルボン酸と多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。また、ヒドロキシ基、アミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル類あるいはアミド類と単官能もしくは多官能イソシアネート類あるいはエポキシ類との付加反応物、及び単官能もしくは多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアネート基、エポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル類あるいはアミド類と単官能又は多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、更にハロゲン原子、トシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル類あるいはアミド類と単官能又は多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸を、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。これらは、特表2006−508380号公報、特開2002−287344号公報、特開2008−256850号公報、特開2001−342222号公報、特開平9−179296号公報、特開平9−179297号公報、特開平9−179298号公報、特開2004−294935号公報、特開2006−243493号公報、特開2002−275129号公報、特開2003−64130号公報、特開2003−280187号公報、特開平10−333321号公報等に記載されている。
多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、イソシアヌール酸エチレンオキシド(EO)変性トリアクリレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー等がある。メタクリル酸エステルとして、テトラメチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、ビス〔p−(メタクリルオキシエトキシ)フェニル〕ジメチルメタン等がある。また、多価アミン化合物と不飽和カルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビスメタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビスアクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビスメタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等がある。
また、イソシアネートとヒドロキシ基の付加反応を用いて製造されるウレタン系付加重合性化合物も好適であり、その具体例としては、例えば、特公昭48−41708号公報に記載されている1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、下記式(M)で表されるヒドロキシ基を含有するビニルモノマーを付加させた1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。
CH=C(RM4)COOCHCH(RM5)OH (M)
式(M)中、RM4及びRM5はそれぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。
また、特開昭51−37193号公報、特公平2−32293号公報、特公平2−16765号公報、特開2003−344997号公報、特開2006−65210号公報に記載のウレタンアクリレート類、特公昭58−49860号公報、特公昭56−17654号公報、特公昭62−39417号公報、特公昭62−39418号公報、特開2000−250211号公報、特開2007−94138号公報に記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類、米国特許第7153632号明細書、特表平8−505958号公報、特開2007−293221号公報、特開2007−293223号公報に記載の親水基を有するウレタン化合物類も好適である。
重合性化合物の構造、単独使用か併用か、添加量等の使用方法の詳細は、最終的な赤外線感光性発色組成物又は平版印刷版原版の用途等を考慮して任意に設定できる。
重合性化合物の含有量は、発色組成物の全固形分に対して、好ましくは5〜75質量%、より好ましくは10〜70質量%、特に好ましくは15〜60質量%である。
本発明の発色組成物は、目的に応じて上記以外の添加物を含有することができる。発色組成物を適当な溶剤に溶解又は分散した液を支持体などに塗布、乾燥して、発色組成物膜を形成して、感熱性発色材料や赤外線感光性発色材料等に用いることができる。
感熱性発色材料は、ファクシミリ、コンピューターの端末プリンタ、自動券売機、計測用レコーダー、スーパーマーケットやコンビニのレジなどで、チケットやレシートなどの感熱記録媒体として広範囲に利用可能である。また、赤外線感光性発色組成物は、印刷版の焼き出し画像用に用いることも可能である。
本発明において、発色組成物は、塗工する際には種々の溶剤に各成分を溶解又は分散して使用してもよい。
溶剤としては、公知の溶剤を用いることができる。具体的には例えば、アセトン、メチルエチルケトン(2−ブタノン)、シクロヘキサン、酢酸エチル、エチレンジクロライド、テトラヒドロフラン、トルエン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、アセチルアセトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメーチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、1−メトキシ−2−プロパノール、3−メトキシ−1−プロパノール、メトキシメトキシエタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、乳酸メチル、乳酸エチル等が挙げられる。これらの溶剤は、1種単独、又は、2種以上を混合して使用することができる。なお、塗布液中の固形分濃度は、1〜50質量%であることが好ましい。なお、固形分濃度とは、溶剤を除いた全成分の濃度である。
また、本発明の赤外線感光性発色組成物は、平版印刷版原版の画像記録層に好適に用いることができる。
上記画像記録層に用いる場合、本発明の赤外線感光性発色組成物は、(成分E)重合開始剤、及び、(成分F)重合性化合物を含むことが更に好ましい。
また、上記画像記録層に用いる場合、本発明の赤外線感光性発色組成物は、画像記録層に用いられる公知の添加剤を含有していてもよい。
上記平版印刷版原版の他の構成としては、所望に応じ、公知の構成を用いることができる。例えば、支持体と画像記録層との間に下塗り層を、また、画像記録層の上に保護層を設けることができる。
また、上記平版印刷版原版は、印刷機上で現像処理を行うことができる機上現像型平版印刷版原版として好適に用いることができる。
また、平版印刷版原版の構成要素としては、例えば、特開2013−199089号公報、特開2008−284817号公報、特開2006−091479号公報、米国特許公開第2008/0311520号明細書、及び、特開2008−195018号公報の等を参照することができる。
(発色物形成方法、及び、画像形成方法)
本発明の発色物形成方法の第1の実施態様は、本発明の感熱性発色組成物を準備する組成物準備工程、及び、上記感熱性発色組成物に熱を付与し発色させる加熱工程、を含む。
本発明の発色物形成方法の第2の実施態様は、本発明の赤外線感光性発色組成物を準備する組成物準備工程、及び、上記赤外線感光性発色組成物を赤外線により露光し露光部を発色させる露光工程、を含む。
本発明の発色物形成方法により形成された発色物は、高濃度で発色しており、かつ経時による退色が少ない発色物であるため、赤外線露光検出部材や熱履歴検出部材等に好適に用いることができる。
また、本発明の発色物形成方法において、熱の付与又は赤外線露光を画像様に行った場合、画像形成方法として好適である。
すなわち、本発明の画像形成方法の第1の実施態様は、本発明の感熱性発色組成物を準備する組成物準備工程、及び、上記感熱性発色組成物に熱を画像様に付与し発色させる加熱工程、を含む。また、本発明の画像形成方法の第2の実施態様は、本発明の赤外線感光性発色組成物を準備する組成物準備工程、及び、上記赤外線感光性発色組成物を赤外線により画像様露光し露光部を発色させる露光工程、を含む。
上記組成物準備工程としては、特に制限はなく、本発明の発色組成物を調製してもよいし、調製済みの本発明の発色組成物を用意するだけでもよい。
本発明の発色物形成方法における上記加熱工程、及び、本発明の画像形成方法における上記加熱工程における加熱温度としては、発色が生じる温度であれば、特に制限はないが、80℃〜250℃であることが好ましく、100℃〜220℃であることがより好ましく、120℃〜200℃であることが更に好ましい。
また、上記加熱工程における加熱時間としては、発色が生じる時間であれば、特に制限はないが、60分以下であることが好ましく、10分以下であることがより好ましく、5分以下であることが更に好ましく、0.01秒〜1分であることが特に好ましい。
上記加熱工程に用いられる加熱手段としては、特に制限はなく、公知の加熱手段を用いることができるが、例えば、ヒーター、オーブン、ホットプレート、赤外線ランプ、赤外線レーザー等が挙げられる。
本発明の発色物形成方法における上記露光工程、及び、本発明の画像形成方法における上記露光工程に用いることができる赤外線照射手段としては、特に制限はないが、赤外線を放射する固体レーザー及び半導体レーザーが好適である。赤外線光源の波長は、750〜1,400nmが好ましく用いられる。露光機構は内面ドラム方式、外面ドラム方式、フラットベッド方式等の何れでもよい。
本発明の発色物形成方法における上記加熱工程においては、全面加熱を行ってもよいし、所望の部分のみ加熱を行ってもよい。
また、本発明の発色物形成方法における上記露光工程においては、全面露光を行ってもよいし、所望の部分のみ露光を行ってもよい。
また、上記加熱工程における感熱性発色組成物、又は、上記露光工程における赤外線感光性発色組成物の形状は、特に制限はなく、所望の形状であればよいが、上記画像形成方法においては膜状であることが好ましい。
更に、本発明の発色物形成方法、及び、本発明の画像形成方法は、上記工程以外に、その他公知の工程を含んでいてもよい。
以下、実施例によって本発明を説明するが本発明はこれらに限定されるものではない。なお、本実施例において、「部」、「%」とは、特に断りのない限り、「質量部」、「質量%」を意味する。なお、実施例で使用したW−A1、W−A4、W−A8、−A9、W−A12、W−B2、W−B4、W−B7及びW−B9は、上述したW−A1、W−A4、W−A8、W−A9、W−A12、W−B2、W−B4、W−B7及びW−B9とそれぞれ同じ化合物である。
以下に、W−A1及びW−A8の合成方法を示す。
(W−A1の合成)
下記式中、Etはエチル基を表す。
Figure 0006104199
<H−3の合成>
H−1(16.0g、94.0mmol)、H−2(32.5g、94.0mmol)、及び、トリエチルアミン(14.1g、139mmol)の混合物をエタノール(240mL)で、24時間室温(25℃、以下同様)下で反応させた。生じた沈殿をろ過し、エタノール(100mL×2)で固体を洗浄し、H−3(24.4g、78,4mmol)を得た。
<W−A1の合成>
H−3(15g、48.2mmol)のエタノール(240mL)溶液に対して、40質量%の水酸化ナトリウム水溶液(4.8g、48.2mmol)を添加し、70℃で3分間撹拌した後、希塩酸で反応混合液を中和し、酢酸エチルを1,000mL、水500mL添加した。有機層を水及び飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒留去することでW−A1(12.3g、45.6mmol)を得た。
(W−A8の合成)
下記式中、Meはメチル基を表す。
Figure 0006104199
<H−5の合成>
H−4(50.0g、438mmol)、塩化チオニル(132g、1.01mol)の混合物をクロロホルム(250mL)中で、7時間還流下で反応させた。溶媒を約9割留去した後、ヘキサン(100mL)添加し生じた沈殿をろ過し、H−5(35.0g、234mmol)を得た。
<H−6の合成>
H−5(3.00g、19.8mmol)、アニソール(2.16g、20.0mmol)のクロロホルム(20mL)溶液に対して、塩化アルミニウム(2.15g、16.1mmol)を内温が10℃以下に保ちながら添加し、室温下で1時間撹拌した。反応混合溶液を氷(100g)中に添加したのち、有機層を水で洗浄したのち、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒留去で得られるオイルをジエチルエーテルで洗浄することでH−6(2.80g、12.7mmol)を得た。
<W−A8の合成>
H−6(1.00g、4.49mmol)、1N塩酸(10mL)の混合系を100℃で1時間撹拌した。生じた沈殿をろ過することでW−A8(0.412g、2.02mmol)を得た。
(実施例1〜7:感熱性発色組成物)
I−1.感熱性発色組成物膜A−1〜A−7の作製
下記の感熱性発色組成物(1)を調製し、下記の方法により作製したアルミニウム支持体A上に乾燥塗布量が1.0g/mになるようにバー塗布した後、30℃120秒でオーブン乾燥して、感熱性発色組成物膜A−1〜A−7(実施例1〜7用)を作製した。
<感熱性発色組成物(1)>
・ポリメチルメタクリレート(Mw.12,000):0.200部
・成分A(表1中に記載の化合物):0.080部
・成分B(表1中に記載の化合物):0.057部
・フッ素系界面活性剤(下記構造):0.004部
・2−ブタノン:11.00部
上記フッ素系界面活性剤の構造は、以下に示す通りである。なお、下記における括弧[]の右下の30及び70の数値は、モル比を表す。
Figure 0006104199
<アルミニウム支持体Aの作製>
厚み0.3mmのアルミニウム板(材質JIS A 1050)の表面の圧延油を除去するため、10質量%アルミン酸ソーダ水溶液を用いて50℃で30秒間、脱脂処理を施した後、毛径0.3mmの束植ナイロンブラシ3本とメジアン径25μmのパミス−水懸濁液(比重1.1g/cm)とを用いアルミニウム表面を砂目立てして、水でよく洗浄した。この板を45℃の25質量%水酸化ナトリウム水溶液に9秒間浸漬してエッチングを行い、水洗後、更に60℃で20質量%硝酸に20秒間浸漬し、水洗した。この時の砂目立て表面のエッチング量は約3g/mであった。
次に、60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的な粗面化処理を行った。このときの電解液は、硝酸1質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む。)、液温50℃であった。交流電源波形は、電流値がゼロからピークに達するまでの時間TPが0.8msec、duty比1:1、台形の矩形波交流を用いて、カーボン電極を対極として電気化学的な粗面化処理を行った。補助アノードにはフェライトを用いた。電流密度は電流のピーク値で30A/dm、補助陽極には電源から流れる電流の5%を分流させた。硝酸電解における電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量175C/dmであった。その後、スプレーによる水洗を行った。
続いて、塩酸0.5質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む。)、液温50℃の電解液にて、アルミニウム板が陽極時の電気量50C/dmの条件で、硝酸電解と同様の方法で電気化学的な粗面化処理を行い、その後、スプレーによる水洗を行った。次に、この板に15質量%硫酸(アルミニウムイオンを0.5質量%含む。)を電解液として電流密度15A/dmで2.5g/mの直流陽極酸化皮膜を設けた後、水洗、乾燥してアルミニウム支持体Aを作製した。
その後、非画像部の親水性を確保するため、支持体Aに2.5質量%3号ケイ酸ソーダ水溶液を用いて60℃で10秒間、シリケート処理を施し、その後、水洗して支持体Bを得た。Siの付着量は10mg/mであった。この基板の中心線平均粗さ(Ra)を直径2μmの針を用いて測定したところ、0.51μmであった。
(比較例1)
I−2.感熱性発色組成物膜A’−1の作製
下記の感熱性発色組成物(2)を調製し、アルミニウム支持体A上に乾燥塗布量が1.0g/mになるようにバー塗布した後、30℃120秒でオーブン乾燥して、感熱性発色組成物膜A’−1(比較例1用)を作製した。
<感熱性発色組成物(2)>
・ポリメチルメタクリレート(Mw.12,000):0.200部
・比較化合物(下記構造):0.050部
・フッ素系界面活性剤(上記構造):0.004部
・2−ブタノン:11.00部
上記比較化合物の構造は、以下に示す通りである。
Figure 0006104199
(比較例2及び3)
I−3.感熱性発色組成物膜A’−2及びA’−3の作製
上記感熱性発色組成物(1)の調製において、成分A又は成分Bを使用しなかった以外は同様に感熱性発色組成物を調製し、アルミニウム支持体A上に乾燥塗布量が1.0g/mになるようにバー塗布した後、30℃120秒でオーブン乾燥して、感熱性発色組成物膜A’−2及びA’−3(比較例2及び3用)をそれぞれ作製した。
<評価>
I−4.感熱性発色組成物の発色性の評価
作製した感熱性発色組成物膜を、アズワン社製ホットプレートTH−900上で160℃30秒加熱し、発色性の評価は、加熱前と、加熱直後と、加熱後そのまま暗所、室温(25℃)の条件で24時間経過後との発色を測定した。発色は、L表色系のL値(明度)を用い、加熱後の各L値と加熱前のL値との差ΔLで表記した。ΔLの値が大きい程、発色性が優れることを意味する。測定は、コニカミノルタ(株)製分光測色計CM2600dとオペレーションソフトCM−S100Wを用い、SCE(正反射光除去)方式で行った。
評価結果を表1に示す。
Figure 0006104199
表1の結果から、本発明の感熱性発色組成物は、加熱後の発色性が良好であり、かつ24時間後の退色が無く、優れた熱発色性を有することが分かる。また、比較例2及び3より、成分A単独、又は、成分B単独では発色しないことが明らかとなった。
(実施例8〜14:赤外線感光性発色組成物)
II−1.赤外線感光性発色組成物膜B−1〜B−7の作製
下記の赤外線感光性発色組成物(1)を調製し、上記アルミニウム支持体A上に乾燥塗布量が1.0g/mになるようにバー塗布した後、30℃120秒でオーブン乾燥して、赤外線感光性発色組成物膜B−1〜B−7(実施例8〜14用)を作製した。
<赤外線感光性発色組成物(1)>
・ポリメチルメタクリレート(Mw.12,000):0.015部
・成分A(表2中に記載の化合物):0.080部
・成分B(表2中に記載の化合物):0.057部
・赤外線吸収剤(下記構造):0.014部
・フッ素系界面活性剤(上記構造):0.004部
・2−ブタノン:5.10部
上記赤外線吸収剤の構造は、以下に示す通りである。
Figure 0006104199
(比較例4)
II−2.赤外線感光性発色組成物膜B’−1の作製
下記の赤外線感光性発色組成物(2)を調製し、上記アルミニウム支持体A上に乾燥塗布量が1.0g/mになるようにバー塗布した後、30℃120秒でオーブン乾燥して、赤外線感光性発色組成物膜B’−1(比較例4用)を作製した。
<赤外線感光性発色組成物(2)>
・ポリメチルメタクリレート(Mw.12,000):0.200部
・比較化合物(上記構造):0.050部
・赤外線吸収剤(上記構造):0.014部
・フッ素系界面活性剤(上記構造):0.004部
・2−ブタノン:11.00部
(比較例5及び6)
II−3.赤外線感光性発色組成物膜B’−2及びB’−3の作製
上記赤外線感光性発色組成物(1)の調製において、成分A又は成分Bを使用しなかった以外は同様に赤外線感光性発色組成物を調製し、アルミニウム支持体A上に乾燥塗布量が1.0g/mになるようにバー塗布した後、30℃120秒でオーブン乾燥して、赤外線感光性発色組成物膜B’−2及びB’−3(比較例5及び6用)をそれぞれ作製した。
<評価>
II−4.赤外線感光性発色組成物の発色性の評価
作製した赤外線感光性発色組成物膜を、FUJIFILM Electronic Imaging社製Violet半導体レーザーVx9600(InGaN系半導体レーザー405nm±10nm)にて、解像度2,483dpi、露光パターンは50%のスクエアドットを使用し、出力を変化させて露光した。なお、露光は25℃、50%RHの条件下で行った。
発色性の評価は、露光直後と、露光後そのまま暗所、室温(25℃)の条件で24時間経過後との発色を測定した。発色は、L表色系のL値(明度)を用い、露光部のL値と未露光部のL値との差ΔLで表記した。ΔLの値が大きい程、発色性が優れることを意味する。測定は、コニカミノルタ(株)製分光測色計CM2600dとオペレーションソフトCM−S100Wを用い、SCE(正反射光除去)方式で行った。
評価結果を表2に示す。
Figure 0006104199
表2の結果から、本発明の赤外線感光性発色組成物は、赤外線露光後の発色性が良好であり、かつ24時間後の退色が無く、赤外線露光による優れた発色性を有することが分かる。また、比較例5及び6より、成分A単独、又は、成分B単独では発色しないことが明らかとなった。

Claims (12)

  1. (成分A)式(A−1)で表される化合物、
    (成分B)式(B−1)で表される化合物又はアニリン化合物、及び、
    (成分C)バインダーポリマー、を含有することを特徴とする
    感熱性発色組成物。
    Figure 0006104199
    式中、R〜Rはそれぞれ独立に、水素原子又は1価の有機基を表し、R及びR、又は、R及びRの組み合わせでこれらの基が連結して環を形成してもよく、R及びR、又は、R及びRの組み合わせの少なくとも一方は連結して環を形成しており、Rはアルキル基を表し、Rはそれぞれ独立に、アルキル基、ハロゲン原子、OR、NR又はSRを表し、nは0〜4の整数を表し、隣り合う2個のRが連結して環を形成してもよく、Qは、酸素原子、NR10、硫黄原子又はジアルキルメチレン基を表し、R〜R10はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基又はアリール基を表す。
  2. 成分Aが、式(A−2)又は式(A−3)で表される化合物である、請求項1に記載の感熱性発色組成物。
    Figure 0006104199
    式中、R11はアルキル基を表し、R12及びR13はそれぞれ独立に、アルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、OR14、NR1516又はSR17を表し、xは0〜4の整数を表し、yは0〜5の整数を表し、R12及びR13は隣り合う2個の基同士が連結して環を形成してもよく、Qは酸素原子、NR18、硫黄原子又はジアルキルメチレン基を表し、R14〜R18はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基又はアリール基を表す。
  3. 成分Aが、前記式(A−2)で表される化合物であり、かつQがジアルキルメチレン基である、請求項2に記載の感熱性発色組成物。
  4. 成分Bが、前記式(B−1)で表される化合物である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の感熱性発色組成物。
  5. 成分Bが、式(B−2)で表される化合物である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の感熱性発色組成物。
    Figure 0006104199
    式中、R19はアルキル基を表し、R20はそれぞれ独立に、アルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、OR21、NR2223又はSR24を表し、zは0〜4の整数を表し、隣り合う2個のR20が連結して環を形成してもよく、R21〜R24はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基又はアリール基を表す。
  6. 前記アニリン化合物が、式(B−3)で表される化合物である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の感熱性発色組成物。
    Figure 0006104199
    式中、Ra1及びRa2はそれぞれ独立に、アルキル基を表し、Ra3〜Ra7はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヒドロキシ基又はアルコキシ基を表し、Ra3、Ra5及びRa7のうち少なくとも1つは水素原子である。
  7. (成分A)式(A−1)で表される化合物、
    (成分B)式(B−1)で表される化合物又はアニリン化合物、
    (成分C)バインダーポリマー、及び、
    (成分D)赤外線吸収剤、を含有することを特徴とする
    赤外線感光性発色組成物。
    Figure 0006104199
    式中、R〜Rはそれぞれ独立に、水素原子又は1価の有機基を表し、R及びR、又は、R及びRの組み合わせでこれらの基が連結して環を形成してもよく、R及びR、又は、R及びRの組み合わせの少なくとも一方は連結して環を形成しており、Rはアルキル基を表し、Rはそれぞれ独立に、アルキル基、ハロゲン原子、OR、NR又はSRを表し、nは0〜4の整数を表し、隣り合う2個のRが連結して環を形成してもよく、Qは、酸素原子、NR10、硫黄原子又はジアルキルメチレン基を表し、R〜R10はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基又はアリール基を表す。
  8. 成分Aが、式(A−2)又は式(A−3)で表される化合物である、請求項7に記載の赤外線感光性発色組成物。
    Figure 0006104199
    式中、R11はアルキル基を表し、R12及びR13はそれぞれ独立に、アルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、OR14、NR1516又はSR17を表し、xは0〜4の整数を表し、yは0〜5の整数を表し、R12及びR13は隣り合う2個の基同士が連結して環を形成してもよく、Qは酸素原子、NR18、硫黄原子又はジアルキルメチレン基を表し、R14〜R18はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基又はアリール基を表す。
  9. 成分Aが、前記式(A−2)で表される化合物であり、かつQがジアルキルメチレン基である、請求項8に記載の赤外線感光性発色組成物。
  10. 成分Bが、前記式(B−1)で表される化合物である、請求項7〜9のいずれか1項に記載の赤外線感光性発色組成物。
  11. 成分Bが、式(B−2)で表される化合物である、請求項7〜10のいずれか1項に記載の赤外線感光性発色組成物。
    Figure 0006104199
    式中、R19はアルキル基を表し、R20はそれぞれ独立に、アルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、OR21、NR2223又はSR24を表し、zは0〜4の整数を表し、隣り合う2個のR20が連結して環を形成してもよく、R21〜R24はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基又はアリール基を表す。
  12. 前記アニリン化合物が、式(B−3)で表される化合物である、請求項7〜9のいずれか1項に記載の赤外線感光性発色組成物。
    Figure 0006104199
    式中、Ra1及びRa2はそれぞれ独立に、アルキル基を表し、Ra3〜Ra7はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヒドロキシ基又はアルコキシ基を表し、Ra3、Ra5及びRa7のうち少なくとも1つは水素原子である。
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