JP6103774B2 - 車両用動力伝達装置 - Google Patents

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Description

本発明は、駆動源に接続された入力軸の回転を変速して出力軸に伝達する無段変速機と、出力軸および駆動輪間に配置されて前進および後進を切り換えるドグクラッチよりなる前後進切り換え機構とを備える車両用動力伝達装置に関する。
クランク式の無段変速機の下流側にドグクラッチを有する前後進切換機構を配置し、一方向にしか回転できないクランク式の無段変速機の出力軸の回転方向を前後進切換機構で切り換えることで、前進走行および後進走行を可能にした車両用動力伝達装置が、下記特許文献1により公知である。
WO2014/017438A1
ところで、上記特許文献1に記載された車両用動力伝達装置は、本願明細書の[発明を実施するための形態]の欄で詳述するように、出力軸上にワンウェイクラッチを備えるクランク式の無段変速機の特性により、例えばドライブレンジ(「D」レンジ)での走行中に駆動輪が縁石に乗り上げたような場合に、出力軸の下流側の動力伝達経路に蓄積されたトルクを解放することができなくなり、「D」レンジからニュートラルレンジ(「N」レンジ)に切り換えようとしても、ドグクラッチよりなる前後進切換機構のドグ歯が蓄積されたトルクで噛み合ったまま外れなくなり、「D」レンジから抜けなくなる可能性があった。
同様に、リバースレンジ(「R」レンジ)での走行中に駆動輪が縁石に乗り上げたような場合に、「R」レンジから「N」レンジやパーキングレンジ(「P」レンジ)に切り換えようとしても、前後進切換機構のドグ歯が噛み合ったまま外れなくなり、「R」レンジから抜けなくなる可能性があった。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、クランク式の無段変速機の下流に配置されたドグクラッチよりなる前後進切り換え機構がロックして操作不能になる事態を回避することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、駆動源に接続された入力軸の回転を変速して出力軸に伝達する無段変速機と、前記出力軸および駆動輪間に配置されて前進および後進を切り換えるドグクラッチよりなる前後進切り換え機構とを備え、前記無段変速機は、前記入力軸の軸線からの偏心量が可変であって該入力軸と共に回転する入力側支点と、前記出力軸に接続されたワンウェイクラッチと、前記ワンウェイクラッチの入力部材に設けられた出力側支点と、前記入力側支点および前記出力側支点に両端を接続されて往復運動するコネクティングロッドと、前記入力側支点の偏心量を変更する変速アクチュエータとを備え、前記入力側支点、前記出力側支点、前記入力軸および前記出力軸により四節リンクを構成する車両用動力伝達装置であって、走行レンジから非走行レンジへの切り換えが指令されたときに前記入力軸および前記出力軸間のリンク長、あるいは前記入力側支点および前記出力側支点間のリンク長を変更することで、前記ワンウェイクラッチの入力部材を係合解除方向に回転させてトルクを解放するトルク解放手段を備えることを特徴とする車両用動力伝達装置が提案される。
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、前記トルク解放手段は、走行レンジから非走行レンジへの切り換えが完了したときに前記リンク長を元の長さに戻すことを特徴とする車両用動力伝達装置が提案される。
また請求項3に記載された発明によれば、請求項2の構成に加えて、前記出力軸および駆動輪間に配置されて該出力軸をケーシングに結合するドグクラッチよりなるパーキング機構を備え、トルク解放手段は、リバースレンジからパーキングレンジへの切り換えが完了したときに前記リンク長を元の長さに戻さず、パーキングレンジからリバースレンジへの切り換えが完了したときに前記リンク長を元の長さに戻すことを特徴とする車両用動力伝達装置が提案される。
また請求項4に記載された発明によれば、請求項1〜請求項3の何れか1項の構成に加えて、前記リンク長の変更量の最大値は、最大許容トルクを伝達する際の前記出力軸の捩じれ角と、前記出力軸および前記出力側支点間のリンク長との積であることを特徴とする車両用動力伝達装置が提案される。
尚、実施の形態の第1出力軸12は本発明の出力軸に対応し、実施の形態の偏心ディスク18は本発明の入力側支点に対応し、実施の形態のピン19cは本発明の出力側支点に対応し、実施の形態のアウター部材22は本発明の入力部材に対応し、実施の形態の第1噛合切換機構35は本発明の前後進切換機構に対応し、実施の形態の第2噛合切換機構51は本発明の前後進切換機構あるいはパーキング機構に対応し、実施の形態のエンジンEは本発明の駆動源に対応する。
請求項1の構成によれば、入力軸と共に入力側支点が偏心回転すると、コネクティングロッドを介してワンウェイクラッチの入力部材が往復揺動し、入力部材が一方向に揺動したときにワンウェイクラッチが係合し、入力部材が他方向に揺動したときにワンウェイクラッチが係合解除することで、出力軸が一方向に回転する。変速アクチュエータで入力側支点の偏心量を変更すると、コネクティングロッドの往復移動のストロークが変化し、それに伴って入力部材の往復揺動のストロークが変化することで変速比が変更される。出力軸の一方向の回転を前後進切り換え機構により切り換えることで、車両は前進および後進が可能になる。
駆動輪が縁石に乗り上げたような場合にワンウェイクラッチの下流側の動力伝達経路にトルクが蓄積されてしまい、ドグクラッチよりなる前後進切り換え機構がロックして操作不能になる可能性があるが、走行レンジから非走行レンジへの切り換えが指令されたときに、トルク解放手段が入力軸および出力軸間のリンク長、あるいは入力側支点および出力側支点間のリンク長を変更することで、ワンウェイクラッチの入力部材を係合解除方向に回転させて蓄積されたトルクを解放するので、前後進切り換え機構のロックを未然に防止することができる。
また請求項2の構成によれば、トルク解放手段は、走行レンジから非走行レンジへの切り換えが完了したときにリンク長を元の長さに戻すので、リンク長の変更が無段変速機の変速機能に及ぼす影響を最小限に抑えることができる。
また請求項3の構成によれば、出力軸および駆動輪間に配置されて該出力軸をケーシングに結合するドグクラッチよりなるパーキング機構を備え、トルク解放手段は、リバースレンジからパーキングレンジへの切り換えが完了したときにリンク長を元の長さに戻さず、パーキングレンジからリバースレンジへの切り換えが完了したときにリンク長を元の長さに戻すので、リンク長を元の長さに戻す操作によりパーキング機構を構成するドグクラッチがロックするのを未然に防止し、パーキングレンジからリバースレンジへの切り換えが不能になる事態を回避することができる。
また請求項4の構成によれば、リンク長の変更量の最大値は、最大許容トルクを伝達する際の出力軸の捩じれ角と、出力軸および出力側支点間のリンク長との積であるので、リンク長の変更量を必要最小限に抑えながら蓄積されたトルクを確実に解放することができる。
車両用動力伝達装置のスケルトン図。(第1の実施の形態) 図1の2部詳細図。(第1の実施の形態) 図2の3−3線断面図(OD状態)。(第1の実施の形態) 図2の3−3線断面図(GN状態)。(第1の実施の形態) OD状態での作用説明図。(第1の実施の形態) GN状態での作用説明図。(第1の実施の形態) セレクタ装置およびディファレンシャルギヤのスケルトン図。(第1の実施の形態) セレクタ装置の縦断面図。(第1の実施の形態) 第1、第2噛合切換機構の係合表。(第1の実施の形態) パーキングレンジにおけるトルクフロー図。(第1の実施の形態) リバースレンジにおけるトルクフロー図。(第1の実施の形態) ニュートラルレンジにおけるトルクフロー図。(第1の実施の形態) ドライブレンジにおけるトルクフロー図。(第1の実施の形態) 噛合切換機構にロックが発生する理由の説明図。(第1の実施の形態) 噛合切換機構のロックを解消する手法の説明図。(第1の実施の形態) 軸間距離の変更量を求める手法の説明図。(第1の実施の形態) 軸間距離を変更するトルク解放手段の構造を示す図。(第1の実施の形態) コネクティングロッドの長さを変更するトルク解放手段の構造を示す図。(第1の実施の形態) 軸間距離制御の作用を説明するフローチャートおよびタイムチャート。(第1の実施の形態) 軸間距離制御の作用を説明するフローチャートおよびタイムチャート。(第2の実施の形態)
第1の実施の形態
以下、図1〜図19に基づいて本発明の第1の実施の形態を説明する。
図1に示すように、エンジンEの駆動力を左右の車軸10,10を介して駆動輪W,Wに伝達する車両用動力伝達装置は、無段変速機Tと、セレクタ装置Sと、ディファレンシャルギヤDとを備える。セレクタ装置Sは、「P」レンジ、「R」レンジ、「N」レンジおよび「D」レンジを切り換え可能である。
次に、図2〜6に基づいて無段変速機Tの構造を説明する。
図2および図3に示すように、本実施の形態の無段変速機Tは同一構造を有する複数個(実施の形態では4個)の変速ユニットU…を軸方向に重ね合わせたもので、それらの変速ユニットU…は平行に配置された共通の入力軸11および共通の第1出力軸12を備えており、入力軸11の回転が減速または増速されて第1出力軸12に伝達される。
以下、代表として一つの変速ユニットUの構造を説明する。エンジンEに接続されて回転する入力軸11は、電動モータのような変速アクチュエータ14の中空の回転軸14aの内部を相対回転自在に貫通する。変速アクチュエータ14のロータ14bは回転軸14aに固定されており、ステータ14cはケーシングに固定される。変速アクチュエータ14の回転軸14aは、入力軸11と同速度で回転可能であり、かつ入力軸11に対して異なる速度で相対回転可能である。
変速アクチュエータ14の回転軸14aを貫通した入力軸11には第1ピニオン15が固定されており、この第1ピニオン15を跨ぐように変速アクチュエータ14の回転軸14aにクランク状のキャリヤ16が接続される。第1ピニオン15と同径の2個の第2ピニオン17,17が、第1ピニオン15と協働して正三角形を構成する位置にそれぞれピニオンピン16a,16aを介して支持されており、これら第1ピニオン15および第2ピニオン17,17に、円板形の偏心ディスク18の内部に偏心して形成されたリングギヤ18aが噛合する。偏心ディスク18の外周面に、コネクティングロッド19のロッド部19aの一端に設けたリング部19bがボールベアリング20を介して相対回転自在に嵌合する。
第1出力軸12の外周に設けられたワンウェイクラッチ21は、コネクティングロッド19のロッド部19aにピン19cを介して枢支されたリング状のアウター部材22と、アウター部材22の内部に配置されて第1出力軸12に固定されたインナー部材23と、アウター部材22の内周の円弧面とインナー部材23の外周の平面との間に形成された楔状の空間に配置されてスプリング24…で付勢されたローラ25…とを備える。
図2から明らかなように、4個の変速ユニットU…はクランク状のキャリヤ16を共有しているが、キャリヤ16に第2ピニオン17,17を介して支持される偏心ディスク18の位相は各々の変速ユニットUで90°ずつ異なっている。例えば、図2において、左端の変速ユニットUの偏心ディスク18は入力軸11に対して図中上方に変位し、左から3番目の変速ユニットUの偏心ディスク18は入力軸11に対して図中下方に変位し、左から2番目および4番目の変速ユニットU,Uの偏心ディスク18,18は上下方向中間に位置している。
次に、図7および図8に基づいて、セレクタ装置SおよびディファレンシャルギヤDの構造を説明する。
セレクタ装置Sは、車軸10の外周に相対回転自在に嵌合する筒状の第1出力軸12に加えて、車軸10の外周に相対回転自在に嵌合する筒状の第2出力軸31と、この第2出力軸31に外周に相対回転自在に嵌合する筒状の第3出力軸32とを備える。第1出力軸12の右端に第1外周スプライン12aが形成される。第2出力軸31の左端に第1接続部材34がスプライン結合33されており、第1接続部材34が軸方向左側かつ径方向外側に延びた先端に第2外周スプライン34aが形成される。第3出力軸32の軸方向左端から径方向外側に延びた位置に第3外周スプライン32aが形成される。尚、第2出力軸31および第1接続部材34を別部材に分割したのは組立性のためであり、第2出力軸31および第1接続部材34を一部材で構成して第2出力軸31に直接第2外周スプライン34aを形成しても良い。
ドグクラッチよりなる第1噛合切換機構35を構成する第1外周スプライン12a、第2外周スプライン34aおよび第3外周スプライン32aは軸方向に整列しており、第2外周スプライン34aおよび第3外周スプライン32aの外径は相互に等しく、かつ第1外周スプライン12aの外径よりも小さくなっている。また第1噛合切換機構35のスリーブ36は、外径が大きい第1内周スプライン36aと、外径が小さい第2内周スプライン36bとを備えており、第1内周スプライン36aは第1外周スプライン12aに常時噛合し、第2内周スプライン36bは第3外周スプライン32aに常時噛合し、第2内周スプライン36bは図8に示す左動時にのみ第2外周スプライン34aに噛合する。つまり、スリーブ36がフォーク37で図8に示す左動状態から右動すると第2内周スプライン36bと第2外周スプライン34aとの噛合が解除される。
尚、ケーシング38と第1出力軸12との間にはボールベアリング39が配置され、ケーシング38と第1接続部材34のフランジ部34bとの間にはニードルベアリング40が配置され、第1接続部材34と第3出力軸32との間にニードルベアリング41が配置される。
遊星歯車機構42は、第1要素としてのサンギヤ43と、第3要素としてのキャリヤ44と、第2要素としてのリングギヤ45と、キャリヤ44にニードルベアリング46を介して相対回転自在に支持された複数のピニオン47…とを備えており、ピニオン47…はサンギヤ43およびリングギヤ45に噛合する。サンギヤ43の左端は第3出力軸32の右端にスプライン結合48され、リングギヤ45は第2出力軸31の右端から径方向外側に延びる第2接続部材49の外周部に接続される。
キャリヤ44の外周部に形成した外周スプライン44aとケーシング50に形成した外周スプライン50aとに、ドグクラッチよりなる第2噛合切換機構51のスリーブ52に形成した内周スプライン52aが噛合する。従って、スリーブ52がフォーク53で図8に示す位置に左動すると、キャリヤ44がケーシング50から切り離され、スリーブ52がフォーク53で図8に示す位置から右動すると、キャリヤ44がケーシング50に結合される。
ディファレンシャルギヤDの外郭を構成するディファレンシャルケース54は、ミッションケース50にボルト55およびベアリングホルダ56により固定したボールベアリング57により回転自在に支持される。ディファレンシャルケース54の左端は第2出力軸31の右端にスプライン結合58される。ディファレンシャルギヤDは、ディファレンシャルケース54に固定したピニオンシャフト59に回転自在に支持した一対のピニオン60,60と、車軸10,10の端部に固設されてピニオン60,60に噛合するサイドギヤ61,61とを備える。
次に、無段変速機Tの一つの変速ユニットUの作用を説明する。
変速アクチュエータ14の回転軸14aを入力軸11に対して相対回転させると、入力軸11の軸線L1まわりにキャリヤ16が回転する。このとき、キャリヤ16の中心O、つまり第1ピニオン15および2個の第2ピニオン17,17が成す正三角形の中心は入力軸11の軸線L1まわりに回転する。
図3および図5は、キャリヤ16の中心Oが第1ピニオン15(つまり入力軸11)に対して第1出力軸12と反対側にある状態を示しており、このとき入力軸11に対する偏心ディスク18の偏心量が最大になって無段変速機TのレシオはOD(オーバードライブ)状態になる。図4および図6は、キャリヤ16の中心Oが第1ピニオン15(つまり入力軸11)に対して第1出力軸12と同じ側にある状態を示しており、このとき入力軸11に対する偏心ディスク18の偏心量が最小になって無段変速機Tのレシオは無限大のGN(ギヤドニュートラル)状態になる。
図5に示すOD状態で、エンジンEで入力軸11を回転させるとともに、入力軸11と同速度で変速アクチュエータ14の回転軸14aを回転させると、入力軸11、回転軸14a、キャリヤ16、第1ピニオン15、2個の第2ピニオン17,17および偏心ディスク18が一体になった状態で、入力軸11を中心に反時計方向(矢印A参照)に偏心回転する。図5(A)から図5(B)を経て図5(C)の状態へと回転する間に、偏心ディスク18の外周にリング部19bをボールベアリング20を介して相対回転自在に支持されたコネクティングロッド19は、そのロッド部19aの先端にピン19cで枢支されたアウター部材22を反時計方向(矢印B参照)に回転させる。図5(A)および図5(C)は、アウター部材22の前記矢印B方向の回転の両端を示している。
このようにしてアウター部材22が矢印B方向に回転すると、ワンウェイクラッチ21のアウター部材22およびインナー部材23間の楔状の空間にローラ25…が噛み込み、アウター部材22の回転がインナー部材23を介して第1出力軸12に伝達されるため、第1出力軸12は反時計方向(矢印C参照)に回転する。
入力軸11および第1ピニオン15が更に回転すると、第1ピニオン15および第2ピニオン17,17にリングギヤ18aを噛合させた偏心ディスク18が反時計方向(矢印A参照)に偏心回転する。図5(C)から図5(D)を経て図5(A)の状態へと回転する間に、偏心ディスク18の外周にリング部19bをボールベアリング20を介して相対回転自在に支持されたコネクティングロッド19は、そのロッド部19aの先端にピン19cで枢支されたアウター部材22を時計方向(矢印B′参照)に回転させる。図5(C)および図5(A)は、アウター部材22の前記矢印B′方向の回転の両端を示している。
このようにしてアウター部材22が矢印B′方向に回転すると、アウター部材22とインナー部材23との間の楔状の空間からローラ25…がスプリング24…を圧縮しながら押し出されることで、アウター部材22がインナー部材23に対してスリップして第1出力軸12は回転しない。
以上のように、アウター部材22が往復回転したとき、アウター部材22の回転方向が反時計方向(矢印B参照)のときだけ第1出力軸12が反時計方向(矢印C参照)に回転するため、第1出力軸12は間欠回転することになる。
図6は、GN状態で無段変速機Tを運転するときの作用を示すものである。このとき、入力軸11の位置は偏心ディスク18の中心に一致しているので、入力軸11に対する偏心ディスク18の偏心量はゼロになる。この状態でエンジンEで入力軸11を回転させるとともに、入力軸11と同速度で変速アクチュエータ14の回転軸14aを回転させると、入力軸11、回転軸14a、キャリヤ16、第1ピニオン15、2個の第2ピニオン17,17および偏心ディスク18が一体になった状態で、入力軸11を中心に反時計方向(矢印A参照)に偏心回転する。しかしながら、偏心ディスク18の偏心量がゼロであるため、コネクティングロッド19の往復運動のストロークもゼロになり、第1出力軸12は回転しない。
従って、変速アクチュエータ14を駆動してキャリヤ16の位置を図3のOD状態と図4のGN状態との間に設定すれば、無限大レシオおよび所定レシオ間の任意のレシオでの運転が可能になる。
無段変速機Tは、並置された4個の変速ユニットU…の偏心ディスク18…の位相が相互に90°ずつずれているため、4個の変速ユニットU…が交互に駆動力を伝達することで、つまり4個のワンウェイクラッチ21…の何れかが必ず係合状態にあることで、第1出力軸12を連続回転させることができる。
次に、「P」レンジ、「R」レンジ、「N」レンジおよび「D」レンジを切り換えるセレクタ装置Sの作用を説明する。
図9および図10に示すように、第1噛合切換機構35のスリーブ36を左動し、第1出力軸12、第2出力軸31および第3出力軸32を一体に結合するとともに、第2噛合切換機構51のスリーブ52を右動して遊星歯車機構42のキャリヤ44をケーシング50に結合すると、「P」レンジが確立する。
「P」レンジでは、ディファレンシャルケース54と一体の第2出力軸31が第2接続部材49を介して遊星歯車機構42のリングギヤ45に結合されるとともに、前記第2出力軸31が第1接続部材34、第1噛合切換機構35および第3出力軸32を介して遊星歯車機構42のサンギヤ43に接続され、更に遊星歯車機構42のキャリヤ44が第2噛合切換機構51を介してケーシング50に結合される。その結果、遊星歯車機構42はロック状態になり、それにディファレンシャルギヤDを介して接続された駆動輪W,Wが回転不能に拘束される。
図9および図11に示すように、第1噛合切換機構35のスリーブ36を右動し、第1出力軸12および第3出力軸32を結合して第2出力軸31を切り離すとともに、第2噛合切換機構51のスリーブ52を右動して遊星歯車機構42のキャリヤ44をケーシング50に結合すると、「R」レンジが確立する。
「R」レンジでは、無段変速機Tから第1出力軸12に出力された駆動力が第1噛合切換機構35→第3出力軸32→サンギヤ43→キャリヤ44→リングギヤ45→第2接続部材49の経路でディファレンシャルケース54に伝達され、同時に遊星歯車機構42において減速されて逆回転となることで、車両を後進走行させることができる。
図9および図12に示すように、第1噛合切換機構35のスリーブ36を右動し、第1出力軸12および第3出力軸32を結合して第2出力軸31を切り離すとともに、第2噛合切換機構51のスリーブ52を左動して遊星歯車機構42のキャリヤ44をケーシング50から切り離すと、「N」レンジが確立する。
「N」レンジでは、遊星歯車機構42のキャリヤ44がケーシング50から切り離されるため、リングギヤ45および第2接続部材49が自由に回転可能になり、かつ第1接続部材34が第1噛合切換機構35から切り離されるため、第2出力軸31が自由に回転可能になり、第2接続部材49および第2出力軸31に接続されたディファレンシャルケース54が自由に回転可能になって駆動輪W,Wが拘束されない状態となる。この状態でエンジンEの駆動力は、無段変速機Tから第1出力軸12→第1噛合切換機構35→第3出力軸32の経路でサンギヤ43に伝達されるが,キャリヤ44が拘束されていないために遊星歯車機構42が空転し、駆動力がディファレンシャルギヤDに伝達されることはない。
図9および図13に示すように、第1噛合切換機構35のスリーブ36を左動し、第1出力軸12、第2出力軸31および第3出力軸32を一体に結合するとともに、第2噛合切換機構51のスリーブ52を左動して遊星歯車機構42のキャリヤ44をケーシング50から切り離すと、「D」レンジが確立する。
「D」レンジでは、遊星歯車機構42のリングギヤ45に第2接続部材49および第2出力軸31を介して接続された第1接続部材34と、遊星歯車機構42のサンギヤ43に接続された第3出力軸32とが第1噛合切換機構35で結合されるため、遊星歯車機構42は一体に回転可能な状態になる。その結果、無段変速機Tから第1出力軸12に出力された駆動力が第1噛合切換機構35→第1接続部材34→第2出力軸31の経路で、あるいは第1噛合切換機構35→第3出力軸32→サンギヤ43→キャリヤ44→リングギヤ45→第2接続部材49の経路でディファレンシャルケース54に伝達され、車両を前進走行させることができる。
以上のように、本実施の形態の変速機Tの第1出力軸12は、ワンウェイクラッチ21…を介して駆動力が伝達されるために前進走行方向にしか回転することができないが、前後進切換機能を有するセレクタ装置Sを第1出力軸12の下流側に配置したことで、後進走行用の電動モータを設けてハイブリッド化することなく、車両を後進走行させることができる。
次に、ドグクラッチよりなる第1噛合切換機構35および第2噛合切換機構51に発生するロックの原因について説明する。
図14(A)に示すように、無段変速機Tがトルクを伝達するとき、コネクティングロッド19に押されたワンウェイクラッチ21のアウター部材22は矢印p方向に回転し、アウター部材22およびインナー部材23間にローラ25が噛み込むことでトルクを伝達する。「D」レンジでの前進走行中に駆動輪W,Wが縁石に乗り上げて止まったような場合、アウター部材22に入力する矢印p方向のトルクによりインナー部材23が矢印q′方向に捩じられ、第1出力軸12から駆動輪W,Wまでの動力伝達経路に配置された各動力伝達部材が弾性変形し、そこにトルクが蓄積される。このトルクの蓄積は、特に第1出力軸12が矢印q′方向に捩じられて弾性変形することにより発生する。
この状態から偏心ディスク18の偏心量εをゼロにして入力軸11から第1出力軸12への駆動力の伝達を停止しても、蓄積されたトルクは解放されずに保持される。則ち、トルクにより矢印q′方向に捩じられて弾性変形した第1出力軸12が元の状態に戻ろうとする復元トルクでインナー部材23が矢印q方向に回転すると、ローラ25はアウター部材22およびインナー部材23間に更に噛み込むため、アウター部材22は矢印p′方向に回転してコネクティングロッド19を入力軸11側に押し出すことになる。
このとき、図14(B)に示すように、偏心ディスク18の偏心量εがゼロであると、矢印r方向に押されたコネクティングロッド19はロックして移動することができず、アウター部材22の矢印p′方向の回転が阻止されて第1出力軸12が元の状態に戻ることができず、蓄積されたトルクは解放されずに保持される。
また図14(C)に示すように、偏心ディスク18が入力軸11に対して偏心量εで偏心している場合、エンジンEと入力軸11とがクラッチ等の手段で切り離されていれば、偏心ディスク18および入力軸11は矢印s方向に回転するが、偏心ディスク18が外死点に達するとそれ以上回転できないため、蓄積されたトルクは完全に解放されずに保持される。
以上、単一の変速ユニットUについて説明したが、実際のように複数の変速ユニットU…が並置されている場合を考察する。図14(D)に示すように、2個の変速ユニットU,Uの2個のコネクティングロッド19,19が矢印r方向に押し出されたとき、一方のコネクティングロッド19により入力軸11は矢印s方向に回転しようとするが、他方のコネクティングロッド19により入力軸11は矢印s′方向に回転しようとするため、それらが相殺して入力軸11は回転することができず、蓄積されたトルクは結局解放されずに保持される。
以上説明した理由により、「D」レンジでの前進走行中に駆動輪W,Wが縁石に乗り上げて止まったような場合、第1出力軸12の下流に蓄積されたトルクは解放されずに保持されることになる。また「R」レンジでの後進走行中に駆動輪W,Wが縁石に乗り上げて止まったような場合にも、同様にして第1出力軸12の下流に蓄積されたトルクは解放されずに保持されることになる。
「D」レンジでは図13に示す動力伝達経路が確立しているため、蓄積されたトルクにより、第1噛合切換機構35のスリーブ36の第1内周スプライン36aが第1出力軸12の第1外周スプライン12aに強く噛み込み、またスリーブ36の第2内周スプライン36bが第1接続部材34の第2外周スプライン34aおよび第3出力軸32の第3外周スプライン32aに強く噛み込むため、スリーブ36が移動不能にロックする可能性がある。このようにしてスリーブ36が移動不能にロックすると、「D」レンジから「N」レンジを経て「R」レンジにシフトし、後進して縁石から離れようとしても、「D」レンジから抜けなくなる可能性がある、
また「R」レンジでは図11に示す動力伝達経路が確立しているため、蓄積されたトルクにより、第1噛合切換機構35のスリーブ36の第1内周スプライン36aが第1出力軸12の第1外周スプライン12aに強く噛み込み、またスリーブ36の第2内周スプライン36bが第3出力軸32の第3外周スプライン32aに強く噛み、更に第2噛合切換機構51のスリーブ52の内周スプライン52aがケーシング50の外周スプライン50aおよびキャリヤ44の外周スプライン44aに強く噛み込むため、スリーブ36,52が移動不能にロックする可能性がある。このようにしてスリーブ36,52が移動不能にロックすると、「R」レンジから「N」レンジを経て「D」レンジにシフトし、前進して縁石から離れようとしても、「R」レンジから抜けなくなる可能性がある。また「R」レンジから「P」レンジにシフトしようとしても、同様に「R」レンジから抜けなくなる可能性がある。
このように、「D」レンジあるいは「R」レンジから抜けなくなる事態を回避するために本実施の形態では、図15(A)に示すように、入力軸11および第1出力軸12間の距離を伸長するか、あるいはコネクティングロッド19の長さ(つまり偏心ディスク18およびピン19c間の距離)を短縮する。入力軸11および第1出力軸12間の距離を伸長した場合には、第1出力軸12の位置が相対的に図中左側に移動することで、ワンウェイクラッチ21のインナー部材23に対してアウター部材22が図中時計方向に角度θ回転する。またコネクティングロッド19の長さを短縮した場合には、ピン19cの位置が相対的に図中右側に移動することで、ワンウェイクラッチ21のインナー部材23に対してアウター部材22が図中時計方向に角度θ回転する。
その結果、アウター部材22がインナー部材23に対して矢印p′方向に角度θ相対回転してワンウェイクラッチ21が係合解除するため、インナー部材23がアウター部材22に対して相対回転することが可能になり、インナー部材23に接続された第1出力軸12がアウター部材22に対して捩れが戻る方向に相対回転することで、第1出力軸12の下流側に蓄積されたトルクが解放され、第1噛合切換機構35および第2噛合切換機構51のロックが回避される。
変速ユニットUの構造には、コネクティングロッド19がアウター部材22を押すときにワンウェイクラッチ21が係合して駆動力を伝達するプッシュタイプと、コネクティングロッド19がアウター部材22を引くときにワンウェイクラッチ21が係合して駆動力を伝達するプルタイプとがあるが、以上の説明はプッシュタイプの場合に対応する。
変速ユニットUの構造がプルタイプの場合には、図15(B)に示すように、入力軸11および第1出力軸12間の距離を短縮するか、あるいはコネクティングロッド19の長さを伸長する。入力軸11および第1出力軸12間の距離を短縮した場合には、第1出力軸12の位置が相対的に図中右側に移動することで、ワンウェイクラッチ21のインナー部材23に対してアウター部材22が図中反時計方向に角度θ回転する。またコネクティングロッド19の長さを伸長した場合には、ピン19cの位置が相対的に図中左側に移動することで、ワンウェイクラッチ21のインナー部材23に対してアウター部材22が図中反時計方向に角度θ回転する。
その結果、アウター部材22がインナー部材23に対して矢印p方向に角度θ相対回転してワンウェイクラッチ21が係合解除するため、インナー部材23がアウター部材22に対して相対回転することが可能になり、インナー部材23に接続された第1出力軸12がアウター部材22に対して捩れが戻る方向に相対回転することで、第1出力軸12の下流側に蓄積されたトルクが解放され、第1噛合切換機構35および第2噛合切換機構51のロックが回避される。
蓄積されたトルクを解放するのに必要な入力軸11および第1出力軸12間の距離の変更量、あるいはコネクティングロッド19の長さを変更量は、以下のようにして決定される。
図16(A)に示すように、第1出力軸12の捩れ角と伝達トルクとの関係は第1出力軸12のトーション特性により決まり、第1出力軸12の伝達トルクが最大値である許容伝達トルクの場合の捩れ角を許容最大捩れ角θとする。従って、図16(B)に示すように、ワンウェイクラッチ21のアウター部材22を許容最大捩れ角θだけ係合解除方向に回転させれば、蓄積されたトルクを完全に解放することができる。図16(C)に示すように、第1出力軸12の軸線およびピン19c間のリンク長をRとし、入力軸11および第1出力軸12間の距離の変更量、あるいはコネクティングロッド19の長さの変更量をLとすると、L=R×θとすることで、必要な変更量Lを算出することができる。これにより、入力軸11および第1出力軸12間の距離の変更量L、あるいはコネクティングロッド19の長さの変更量Lを必要最小限に抑えながら、蓄積されたトルクを確実に解放することができる。
図17は入力軸11および第1出力軸12間の距離を変更してワンウェイクラッチ21を係合解除するトルク解放手段71を示すもので、ハウジング72に摺動自在に支持された軸受けブロック73にボールベアリング74を介して第1出力軸12が回転自在に支持されており、アクチュエータ75により回転する雄ねじ76が軸受けブロック73に形成した雌ねじ77に螺合する。アクチュエータ75で雄ねじ76を駆動すると、それに螺合する雌ねじ76が設けられた軸受けブロック73がハウジング72に沿って摺動することで、第1出力軸12が入力軸11に対して接近・離間して軸間距離が変更される。
図18はコネクティングロッド19の長さを変更してワンウェイクラッチ21を係合解除するトルク解放手段71を示すもので、コネクティングロッド本体部78に摺動自在に支持したコネクティングロッド小端部79に雌ねじ80を形成し、この雌ねじ80にコネクティングロッド本体部78に設けたアクチュエータ81で回転する雄ねじ82が螺合する。アクチュエータ81で雄ねじ82を駆動すると、それに螺合する雌ねじ80が設けられたコネクティングロッド小端部79がコネクティングロッド本体部78に対して摺動することで、コネクティングロッド19の長さが変更される。
次に、図19のフローチャートおよびタイムチャートに基づいて、「D」レンジから「N」レンジにシフトするときの作用と、「R」レンジから「N」レンジあるいは「P」レンジにシフトするときの作用とを説明する。
「D」レンジから「N」レンジにシフトするときには、先ずステップS11で運転者がシフトコラムを「D」レンジから「N」レンジに操作したことを図示せぬセンサが検出すると、ステップS12で図17に示すトルク解放手段71が作動して入力軸11および第1出力軸12間の距離を伸長し、第1出力軸12の下流に蓄積されたトルクを解放する。その結果、ステップS13で「N」レンジへの移行が完了したことを図示せぬセンサが検出すると、ステップS14でトルク解放手段71が作動して入力軸11および第1出力軸12間の距離を元の長さに復帰させる。このように、シフトの完了後に軸間距離を元の長さに戻すので、軸間距離の変更が無段変速機Tの変速機能に及ぼす影響を最小限に抑えることができる。
「R」レンジから「N」レンジあるいは「P」レンジにシフトするときには、先ずステップS21で運転者がシフトコラムを「R」レンジから「N」レンジあるいは「P」レンジに操作したことを図示せぬセンサが検出すると、ステップS22でトルク解放手段71が作動して入力軸11および第1出力軸12間の距離を伸長し、第1出力軸12の下流に蓄積されたトルクを解放する。その結果、ステップS23で「N」レンジあるいは「P」レンジへの移行が完了したことを図示せぬセンサが検出すると、ステップS24でトルク解放手段71が作動して入力軸11および第1出力軸12間の距離を元の長さに復帰させる。
図19ではトルク解放手段71が入力軸11および第1出力軸12間の距離を変更する場合について説明したが、トルク解放手段71がコネクティングロッド19の長さを変更する場合も同様である。
第2の実施の形態
次に、図20に基づいて本発明の第2の実施の形態を説明する。
「R」レンジから「P」レンジにシフトした場合、一旦伸長した軸間距離を元に戻すときに第2噛合切換機構51のスリーブ52がロックして作動不能になる可能性がある。
その理由を説明すると、図10に示す「P」レンジにおいて、第2噛合切換機構51のスリーブ52の内周スプライン52aは、ケーシング50の外周スプライン50aおよびキャリヤ44の外周スプライン44aに噛合している。「R」レンジから「P」レンジへのシフトが完了したときにトルク解放手段71を操作して軸間距離を元に戻すべく短縮すると、アウター部材22が係合方向に回転してワンウェイクラッチ21が係合するため、トルク解放手段71のトルクが第1出力軸12から第2噛合切換機構51のスリーブ52を介してケーシング52に伝達されてしまい、スリーブ52の内周スプライン52aがケーシング50の外周スプライン50aおよびキャリヤ44の外周スプライン44aに強く噛み込んでロックすることで、「P」レンジから抜けなくなる可能性がある。
そこで本実施の形態では、「R」レンジから「P」レンジを経由するシフトを、図20に示す手順で行っている。先ず先ずステップS31で運転者がシフトコラムを「R」レンジから「P」レンジあるいは「N」レンジに操作したことを図示せぬセンサが検出すると、ステップS32でトルク解放手段71が作動して入力軸11および第1出力軸12間の距離を伸長し、第1出力軸12の下流に蓄積されたトルクを解放する。続いてステップS33およびステップS35で「P」レンジへの移行が完了したとき、第1の実施の形態では軸間距離を元の状態に戻す操作を行ったが、本実施の形態では軸間距離を元の状態に戻す操作を行わず、これにより第2噛合切換機構51のスリーブ52のロックを阻止し、「P」レンジから抜けなくなるのを防止する。そしてステップS36で「R」レンジへの移行が完了し、ステップS37で車両が後退したときに、ステップS38で軸間距離が元の状態に戻される。
一方、前記ステップS33で「R」レンジから「N」レンジへの移行が完了したときには、第1の実施の形態と同様に、ステップS34で軸間距離が元の状態に戻される。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、無段変速機Tのコネクティングロッド19をプッシュタイプにするかプルタイプにするかは任意に選択可能である。
またトルク解放手段71はアクチュエータおよびねじを用いたものに限定されず、油圧等の他の手段を用いたものであっても良い。
11 入力軸
12 第1出力軸(出力軸)
14 変速アクチュエータ
18 偏心ディスク(入力側支点)
19 コネクティングロッド
19c ピン(出力側支点)
21 ワンウェイクラッチ
22 アウター部材(入力部材)
35 第1噛合切換機構(前後進切換機構)
50 ケーシング
51 第2噛合切換機構(前後進切換機構、パーキング機構)
71 トルク解放手段
E エンジン(駆動源)
T 無段変速機
W 駆動輪
ε 偏心量

Claims (4)

  1. 駆動源(E)に接続された入力軸(11)の回転を変速して出力軸(12)に伝達する無段変速機(T)と、
    前記出力軸(12)および駆動輪(W)間に配置されて前進および後進を切り換えるドグクラッチよりなる前後進切り換え機構(35,51)とを備え、
    前記無段変速機(T)は、
    前記入力軸(11)の軸線からの偏心量(ε)が可変であって該入力軸(11)と共に回転する入力側支点(18)と、
    前記出力軸(12)に接続されたワンウェイクラッチ(21)と、
    前記ワンウェイクラッチ(21)の入力部材(22)に設けられた出力側支点(19c)と、
    前記入力側支点(18)および前記出力側支点(19c)に両端を接続されて往復運動するコネクティングロッド(19)と、
    前記入力側支点(18)の偏心量(ε)を変更する変速アクチュエータ(14)とを備え、
    前記入力側支点(18)、前記出力側支点(19c)、前記入力軸(11)および前記出力軸(12)により四節リンクを構成する車両用動力伝達装置であって、
    走行レンジから非走行レンジへの切り換えが指令されたときに前記入力軸(11)および前記出力軸(12)間のリンク長、あるいは前記入力側支点(18)および前記出力側支点(19c)間のリンク長を変更することで、前記ワンウェイクラッチ(21)の入力部材(22)を係合解除方向に回転させてトルクを解放するトルク解放手段(71)を備えることを特徴とする車両用動力伝達装置。
  2. トルク解放手段(71)は、走行レンジから非走行レンジへの切り換えが完了したときに前記リンク長を元の長さに戻すことを特徴とする、請求項1に記載の車両用動力伝達装置。
  3. 前記出力軸(12)および駆動輪(W)間に配置されて該出力軸(12)をケーシング(50)に結合するドグクラッチよりなるパーキング機構(51)を備え、
    前記トルク解放手段(71)は、リバースレンジからパーキングレンジへの切り換えが完了したときに前記リンク長を元の長さに戻さず、パーキングレンジからリバースレンジへの切り換えが完了したときに前記リンク長を元の長さに戻すことを特徴とする、請求項2に記載の車両用動力伝達装置。
  4. 前記リンク長の変更量の最大値は、最大許容トルクを伝達する際の前記出力軸(12)の捩じれ角と、前記出力軸(12)および前記出力側支点(19c)間のリンク長との積であることを特徴とする、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の車両用動力伝達装置。
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