JP6102959B2 - エンジンの冷却装置 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンの冷却装置に関する。
従来、エンジンの暖機を促進するために、暖機時に冷却水の循環を制限するようにしたエンジンの冷却装置が知られている(例えば特許文献1を参照)。
特許文献1に記載のエンジンの冷却装置は、エンジンのシリンダヘッドから導出された冷却水を空気/液体熱交換器(ラジエータ)に導き、空気/液体熱交換器から導出された冷却水をシリンダヘッドに戻す冷却回路と、冷却回路に設けられた機械式ポンプと、下流端部が冷却回路における空気/液体熱交換器と機械式ポンプの間に接続され、エンジンのシリンダヘッドから導出された冷却水を排ガス再循環冷却器、乗員室用熱交換器(ヒータコア)、およびエンジンオイル冷却器にこの順序で導き、エンジンオイル冷却器から導出された冷却水をシリンダヘッドに戻す暖房回路と、暖房回路に設けられた電動ポンプと、機械式ポンプおよび電動ポンプを制御するコントロール装置とを備えている。
エンジンが冷えているときには、コントロール装置は、機械式ポンプを停止させるとともに電動ポンプを駆動する制御を行う。これにより、ヒータコアおよびエンジンの暖機を促進することができる。エンジンの暖機が進むと、コントロール装置は、機械式ポンプおよび電動ポンプを駆動する制御を行う。これにより、ヒータコアの暖機を促進しつつ、エンジンの冷却を促進することができる。
特表2006−528297号公報
しかしながら、特許文献1に記載の冷却装置においては、暖房回路に乗員室用熱交換器および補機(排ガス再循環冷却器およびエンジンオイル冷却器)が配置されているため、乗員室用熱交換器と補機に供給される冷却水の流量が同じになってしまう。乗員室用熱交換器と補機とでは、要求される冷却水流量が異なることが多いため、乗員室用熱交換器と補機を同じ冷却水回路に設けることが好ましくない場合がある。
このような不都合を解消するために、暖房回路の下流端部をシリンダヘッドに直接接続し、暖房回路に乗員室用熱交換器および電動ポンプのみを設け、冷却回路に空気/液体熱交換器、補機、および機械式ポンプを設けることにより、乗員室用熱交換器と補機に別々の経路で冷却水を供給することが考えられる。
しかしながら、このような構成を採用した場合には、乗員室用熱交換器の暖機を促進するために、電動ポンプを常時駆動させておく必要があり、電動ポンプによる消費電力が多くなるとともに、電動ポンプの劣化を早めてしまう虞がある。特に、製造コストの低減および電動ポンプのコンパクト化を図るべく、小型の電動ポンプを使用する場合には、その傾向が強くなる。
なお、ここでは、冷却水と空気との間で熱交換を行うことにより空気を加熱する上記乗員室用熱交換器に代えて、冷却水とEGRガスとの間で熱交換を行うことによりEGRガスを加熱できるEGRクーラ、或いは、冷却水とオイルとの間で熱交換を行うことによりオイルを加熱するATFウォーマを暖房回路に設ける場合においても、同様の問題が生じる虞がある。
本発明は、上記の事情に鑑みて成されたものであり、ヒータコア等の流体を加熱する熱交換器用の冷却水循環経路とそれ以外の冷却水循環経路とを別々に設けた冷却水循環系において、上記熱交換器用の冷却水循環経路に設けた電動ポンプにかかる負荷を低減することにより、当該ポンプの消費電力低減および寿命向上を図ることができるエンジンの冷却装置の提供を目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明は、シリンダヘッドの所定部分を通過するシリンダヘッド内流路、当該シリンダヘッド内流路に接続されて流体を加熱する熱交換器を通過する熱交換器側流路、および、冷却水を圧送する電動ポンプを含む第1の循環経路と、前記シリンダヘッド内流路と接続可能でかつ前記シリンダヘッド外を通過する外部流路、および、エンジンの動力を受けて作動して冷却水を圧送するエンジン動力ポンプを含む第2の循環経路と、暖機開始後の所定期間、前記シリンダヘッド内流路と前記外部流路との接続を解除し、前記所定期間経過後、前記シリンダヘッド内流路と前記外部流路との接続を行う流路接続手段と、前記熱交換器側流路と前記シリンダヘッド内流路の接続部分に設けられ、前記流路接続手段により前記シリンダヘッド内流路と前記外部流路との接続がされた状態で、前記シリンダヘッド内流路を流れる冷却水の流れを利用して、前記熱交換器側流路から当該シリンダヘッド内流路へ冷却水を吸い出す吸出し機構とを備えた、エンジンの冷却装置を提供する。
本発明における「流体を加熱する熱交換器」には、例えば、空気を加熱するヒータコア、EGRガスを加熱するEGRクーラ、オイルを加熱するATFウォーマなどが含まれる。
本発明によれば、暖機開始後の所定期間にシリンダヘッド内流路と外部流路との接続が解除される。これにより、第1の循環経路と第2の循環経路とが互いに独立した循環経路となり、シリンダヘッドで温められた冷却水が電動ポンプの圧送力で熱交換器へ供給される。第1の循環経路と第2の循環経路は互いに独立しているため、第2の循環経路内の低温の冷却水が熱交換器に流入せず、ヒータコア等の流体を加熱する熱交換器において流体(ヒータコアの場合は空気、EGRクーラの場合にはEGRガス、ATFウォーマの場合にはオイル)の加熱が促進される。
暖機が進むと(上記所定期間経過後)、シリンダヘッド内流路と外部流路とが接続される。これにより、シリンダヘッド内流路を経由して、第2の循環経路で冷却水が循環するため、暖機の進んだシリンダヘッドの冷却を促進することができる。そして、この接続により、エンジン動力ポンプの圧送力がシリンダヘッド内流路に作用し、その圧送力によってシリンダヘッド内流路を冷却水が流れる。シリンダヘッド内流路と熱交換器側流路との接続部分には吸出し機構が設けられているため、シリンダヘッド内流路における冷却水の流れを利用して、熱交換器側流路からシリンダヘッド内流路へ冷却水が吸い出される。これにより、熱交換器側流路にエンジン動力ポンプの圧送力を利用した冷却水の流れが生じる。熱交換器側流路から吸出し機構を経由してシリンダヘッド内流路に導入された冷却水は、第2の循環経路を経由して熱交換器側流路に戻る。つまり、シリンダヘッドで温められた冷却水を、エンジン動力ポンプの圧送力を利用して熱交換器側流路に流すことができる。
従って、ヒータコア等の流体を加熱する熱交換器用の冷却水循環経路とそれ以外の冷却水循環経路とを別々に設けた冷却水循環系において、上記熱交換器用の冷却水循環経路に設けた電動ポンプにかかる負荷を低減し、その結果、当該電動ポンプの消費電力低減および寿命向上を図ることができる。
また、本発明は、シリンダヘッドの所定部分を通過するシリンダヘッド内流路、当該シリンダヘッド内流路に接続されて空調装置のヒータコアを通過するヒータ側流路、および、冷却水を圧送する電動ポンプを含む第1の循環経路と、前記シリンダヘッド内流路と接続可能でかつ前記シリンダヘッド外の補機を通過する補機側流路、および、エンジンの動力を受けて作動して冷却水を圧送するエンジン動力ポンプを含む第2の循環経路と、暖機開始後の所定期間、前記シリンダヘッド内流路と前記補機側流路との接続を解除し、前記所定期間経過後、前記シリンダヘッド内流路と前記補機側流路との接続を行う流路接続手段と、前記ヒータ側流路と前記シリンダヘッド内流路の接続部分に設けられ、前記流路接続手段により前記シリンダヘッド内流路と前記補機側流路との接続がされた状態で、前記シリンダヘッド内流路を流れる冷却水の流れを利用して、前記ヒータ側流路から当該シリンダヘッド内流路へ冷却水を吸い出す吸出し機構とを備えた、エンジンの冷却装置を提供する。
本発明によれば、暖機開始後の所定期間にシリンダヘッド内流路と補機側流路との接続が解除される。これにより、第1の循環経路と第2の循環経路とが互いに独立した循環経路となり、シリンダヘッドで温められた冷却水が電動ポンプの圧送力でヒータコアへ供給される。第1の循環経路と第2の循環経路は互いに独立しているため、第2の循環経路内の低温の冷却水がヒータコアに流入せず、ヒータコアの昇温が促進される。
暖機が進むと(上記所定期間経過後)、シリンダヘッド内流路と補機側流路とが接続される。これにより、シリンダヘッド内流路を経由して、第2の循環経路で冷却水が循環するため、暖機の進んだシリンダヘッドの冷却を促進することができる。そして、この接続により、エンジン動力ポンプの圧送力がシリンダヘッド内流路に作用し、その圧送力によってシリンダヘッド内流路を冷却水が流れる。シリンダヘッド内流路とヒータ側流路との接続部分には吸出し機構が設けられているため、シリンダヘッド内流路における冷却水の流れを利用して、ヒータ側流路からシリンダヘッド内流路へ冷却水が吸い出される。これにより、ヒータ側流路にエンジン動力ポンプの圧送力を利用した冷却水の流れが生じる。ヒータ側流路から吸出し機構を経由してシリンダヘッド内流路に導入された冷却水は、第2の循環経路を経由してヒータ側流路に戻る。つまり、シリンダヘッドで温められた冷却水を、エンジン動力ポンプの圧送力を利用してヒータ側流路に流すことができる。
従って、ヒータコア用の冷却水循環経路と補機用の冷却水循環経路とを別々に設けた冷却水循環系において、ヒータコア用の冷却水循環経路に設けた電動ポンプにかかる負荷を低減し、その結果、当該電動ポンプの消費電力低減および寿命向上を図ることができる。
本発明においては、前記シリンダヘッド内流路は、前記シリンダヘッドの排気ポート側の部分を通過する排気側流路であり、前記第2の循環経路は、前記シリンダヘッドの前記排気ポート側以外の部分を通過するメイン流路をさらに含み、前記排気ポート側の部分と前記排気ポート側以外の部分との間に、当該排気ポート側の部分と当該排気ポート側以外の部分とを分離する隔壁が形成されていることが好ましい。
この構成によれば、特に、第1の循環経路を冷却水が流れる際には、シリンダヘッドの排気ポート側の部分の熱をヒータコアの昇温に優先的に利用することができ、ヒータコアの昇温が促進される。
本発明においては、前記吸出し機構は、前記シリンダヘッド内流路の流路断面積よりも小さい流路断面積を有し、前記シリンダヘッド内流路を流れる冷却水を導入する第1の導入部と、前記ヒータ側流路内の冷却水を導入する第2の導入部と、前記第1の導入部に導入された冷却水の流れ方向に対して、前記第2の導入部に導入された冷却水の流れ方向を斜めの方向に整える整流部と、前記整流部から流出した冷却水と前記第1の導入部から流出した冷却水とを合流させる合流部と、前記合流部で合流した冷却水を導出する導出部とを備えることが好ましい。
この構成によれば、第1の導入部は、シリンダヘッド内流路の流路断面積よりも小さい流路断面積を有するので、第1の導入部に導入された冷却水は高速流体となる。そして、第2の導入部に導入されたヒータ側流路内の冷却水の流れ方向が、第1の導入部に導入された高速の冷却水の流れ方向に対して斜めの方向に整流されるので、第2の導入部に導入された冷却水は、第1の導入部から合流部に達した高速の冷却水の流れにスムーズに導かれて、導出部から導出される。つまり、高速の冷却水により合流部に負圧を発生させ、その負圧によってヒータ側流路から冷却水を吸い出し(エゼクタ効果)、冷却水の吸い出しを促進することができる。従って、ヒータ側流路を流れる冷却水の流量を増大させ、ヒータコアの昇温を促進することができる。
本発明においては、前記電動ポンプの動作を制御する制御部をさらに備え、前記制御部は、前記流路接続手段により接続が行われた状態で、前記電動ポンプを停止させることが好ましい。
この構成によれば、暖機が進んだ段階で、電動ポンプが停止されるので、電動ポンプの更なる消費電力低減および寿命向上を図ることができる。
以上説明したように、本発明によれば、ヒータコア等の流体を加熱する熱交換器用の冷却水循環経路とそれ以外の冷却水循環経路とを別々に設けた冷却水循環系において、上記熱交換器用の冷却水循環経路に設けた電動ポンプにかかる負荷を低減することにより、当該電動ポンプの消費電力低減および寿命向上を図ることができる。
本発明の実施形態に係るエンジンの冷却装置の全体構成を示すブロック図であり、冷却水の温度がT0未満のときに、冷却装置全体で冷却水の流れを停止させている状態(水停止状態)を示す図である。 (a)は、図1に示す制御状態におけるロータリバルブの周壁の展開図であり、(b)は、ロータリバルブを囲うハウジングに設けられた開口部の位置を示す図である。 本発明における吸出し機構周辺の構造を示す断面図であり、冷却水の流れが停止している状態を示す図である。 本発明の実施形態に係るエンジンの冷却装置の全体構成を示すブロック図であり、燃焼室壁温がT0以上かつT1未満のときの制御状態(制御状態A)を示す図である。 本発明における吸出し機構周辺の構造を示す断面図であり、制御状態Aにおける冷却水の流れを示す図である。 本発明の実施形態に係るエンジンの冷却装置の全体構成を示すブロック図であり、燃焼室壁温がT1以上かつT2未満のときの制御状態(制御状態B)を示す図である。 図6に示す制御状態におけるロータリバルブの周壁の展開図である。 本発明における吸出し機構周辺の構造を示す断面図であり、制御状態Bにおける冷却水の流れを示す図である。 本発明の実施形態に係るエンジンの冷却装置の全体構成を示すブロック図であり、燃焼室壁温がT2以上かつT3未満のときの制御状態(制御状態C)を示す図である。 図9に示す制御状態におけるロータリバルブの周壁の展開図である。 本発明における吸出し機構周辺の構造を示す断面図であり、制御状態Cにおける冷却水の流れを示す図である。 本発明の実施形態に係るエンジンの冷却装置の全体構成を示すブロック図であり、燃焼室壁温がT3以上かつT4未満のときの制御状態(制御状態D)を示す図である。 図12に示す制御状態におけるロータリバルブの周壁の展開図である。 本発明における吸出し機構周辺の構造を示す断面図であり、制御状態Dにおける冷却水の流れを示す図である。 本発明の実施形態に係るエンジンの冷却装置の全体構成を示すブロック図であり、燃焼室壁温がT4以上で、かつエンジン負荷が所定値未満のときの制御状態(制御状態E)を示す図である。 図15に示す作動状態におけるロータリバルブの周壁の展開図である。 本発明における吸出し機構周辺の構造を示す断面図であり、制御状態Eにおける冷却水の流れを示す図である。 本発明の実施形態に係るエンジンの冷却装置の全体構成を示すブロック図であり、燃焼室壁温がT4以上で、かつエンジン負荷が所定値以上のときの制御状態(制御状態F)を示す図である。 図18に示す作動状態におけるロータリバルブの周壁の展開図である。 本発明の実施形態におけるECUによる制御動作を示すフローチャートである。 本発明の実施形態におけるECUによる制御動作を示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照しながら本発明の好ましい実施形態について詳述する。
図1に示されるように、本実施形態におけるエンジン5は、シリンダブロック5Bと、シリンダブロック5Bの上側に設けられたシリンダヘッド5Aとを有している。
図1は、シリンダヘッド5Aを上方から見たものとして表し、シリンダブロック5Bを吸気側から見たものとして表している。
なお、図1,3,4,5,6,8,9,11,12,14,15,17,18において、冷却水の流路に矢印が記載されている場合には、その流路に冷却水が流れていることを表し、流路に矢印が記載されていない場合には、その流路に冷却水が流れていないことを表している。
シリンダヘッド5Aおよびシリンダブロック5Bの内部には、ピストン(図示略)がそれぞれ嵌挿された複数の気筒#1〜#4が形成されている。具体的には、図1の左から順に第1気筒#1,第2気筒#2,第3気筒#3,第4気筒#4が形成されている。エンジン5は、4つの気筒#1〜#4がクランク軸方向に直列に並ぶ直列4気筒エンジンである。シリンダヘッド5Aにおける第4気筒#4側の端部に、後述のロータリバルブ装置2が設けられている。エンジン5は、車両前部に設けられたエンジンルーム内に配置されている。
ピストンの上方には燃焼室が形成されている。シリンダヘッド5Aには、燃焼室に向かって開口する吸気ポートおよび排気ポート(いずれも図示略)が形成されている。吸気ポートは、図1において気筒#1〜#4の下側に位置しており、排気ポートは、図1において気筒#1〜#4の上側に位置している。吸気ポートは、各気筒内に吸気を導入するためのものである。排気ポートは、各気筒内から排気を排出するためのものである。
また、シリンダヘッド5Aには、排気側ウォータジャケットおよびメインウォータジャケットが形成されている。排気側ウォータジャケットは、シリンダヘッド5Aの排気ポート側の部分を第1気筒#1側から第4気筒#4側まで気筒列方向に通過する。メインウォータジャケットは、シリンダヘッド5Aの排気ポート側の部分以外の部分、つまり燃焼室の周囲の部分および吸気ポート側の部分を第1気筒#1側から第4気筒#4側まで気筒列方向に通過する。
排気側ウォータジャケットは、後述の排気側流路22(図1参照)に相当する。メインウォータジャケットは、後述のメイン流路23(図1参照)に相当する。排気側ウォータジャケット(排気側流路22)とメインウォータジャケット(メイン流路23)の間には隔壁28が設けられ、この隔壁28を介して排気側ウォータジャケットとメインウォータジャケットとは相互に分離して形成されている。
シリンダブロック5Bは、気筒#1〜#4の周囲に設けられたメインウォータジャケットを有している。メインウォータジャケットは、シリンダブロック5Bを第1気筒#1側から第4気筒#4側を回って第1気筒#1側まで一巡するように通過する。シリンダブロック5Bのウォータジャケットは、後述のブロック側流路25(図1参照)に相当する。
次に、エンジン5の冷却装置1について詳細に説明する。
図1に示されるように、冷却装置1は、ヒータ用循環経路40と、補機用循環経路41と、水温センサ7,8,24と、アクセル開度センサ30と、クランク角センサ32と、吸気温センサ38と、ヒータ側ポンプ4と、補機側ポンプ3と、ロータリバルブ装置2と、吸出し機構50と、ECU31(Electronic Control Unit)とを備えている。
ヒータ側ポンプ4は、電子制御式の電動ポンプである。ヒータ側ポンプ4は、本発明における「電動ポンプ」に相当する。ヒータ側ポンプ4は、後述のヒータ側流路15におけるヒータコア6の下流側部分に設けられている。ヒータ側ポンプ4は、吸込口と吐出口を一つずつ有している。吸込口は、ヒータコア6から流出した冷却水を吸い込む。吐出口には、下流側で2つに分岐する図外の分岐管が接続されている。分岐管における分岐した一方側の端部に後述の連絡流路26(図1参照)の上流端部が接続され、他方側の端部に後述のETB側流路19(図1参照)の上流端部が接続されている。
補機側ポンプ3は、機械式ポンプであり、エンジンの駆動力を受けて作動する。補機側ポンプ3は、本発明における「エンジン動力ポンプ」に相当する。
本実施形態における補機は、EGR(Exhaust Gas Recirculation)クーラ9、オイルクーラ10、EGRバルブ11、ATF(Automatic Transmission Fluid)ウォーマ12、電子制御スロットルボディ(以下、「ETB」と称する)13、およびラジエータ14である。
<ヒータ用循環経路40の構成>
ヒータ用循環経路40(図1参照)は、冷却水が循環する経路であり、排気側流路22、ヒータ側流路15、およびETB側流路19を有している。ヒータ用循環経路40は、本発明における「第1の循環経路」に相当する。
排気側流路22は、シリンダヘッド5Aの排気ポート側5aの部分を通過する通路である。排気側流路22の一端部は、ブロック側流路25に接続されており、より具体的にはブロック側流路25におけるロータリバルブ装置2とは反対側の部分に接続されている。排気側流路22の他端部は、ロータリバルブ装置2に接続されている。
ヒータ側流路15は、空調装置のヒータコア6を通過する流路である。ヒータ側流路15の上流端部は、排気側流路22の中途部、より具体的には排気側流路22におけるロータリバルブ装置2とは反対側の部分に接続されている。ヒータ側流路15におけるヒータコア6の下流側には、冷却水の温度を検出する水温センサ7が設けられている。
ヒータ側流路15は、ヒータ側ポンプ4の上流側の部分と、ヒータ側ポンプ4の下流側の部分26とを有している。ヒータ側ポンプ4の下流側の部分26は、ヒータ側ポンプ4の吐出口と排気側流路22とを連絡する流路である。以下の説明では、ヒータ側ポンプ4の下流側の部分26を「連絡流路26」と称する。連絡流路26の下流端部は、排気側流路22におけるロータリバルブ装置2付近の部分に接続されている(図1,3参照)。
ETB側流路19は、ETB13を通過する流路である。ETB側流路19の下流端部は、ヒータ側流路15におけるヒータコア6とヒータ側ポンプ4の間の区間に接続されている。
<吸出し機構50の構成>
図3に示されるように、吸出し機構50は、連絡流路26と排気側流路22の接続部分に設けられている。
吸出し機構50は、シリンダヘッド側導入部51と、ヒータ側導入部59と、整流部54と、合流部56と、導出部55とを備えている。
シリンダヘッド側導入部51は、排気側流路22側に開口する開口部52を有し、この開口部52から排気側流路22とは反対側へ延びる円筒状をなしている。シリンダヘッド側導入部51の内径は、開口部52付近において大きく、開口部52から離れた部分において小さくなっている。シリンダヘッド側導入部51は、排気側流路52内の冷却水を、開口部52から導入する。
シリンダヘッド側導入部51の流路断面積(流路をシリンダヘッド側導入部51の軸方向に直交する面で切断したときの断面積)は、排気側流路22の流路断面積よりも小さい。従って、冷却水が排気側流路22からシリンダヘッド側導入路51に導入された際に、冷却水の流速が大きくなる。
ヒータ側導入部59は、連絡流路26から冷却水を導入する部分であり、連絡流路26側に開口する開口部と、この開口部から導入した冷却水を整流部53内へ導く導入口57とを有している。
整流部54は、シリンダヘッド側導入部51の周囲を覆うように配置された円錐状の周壁53と、周壁53の排気側流路22側の端部に設けられた円板状部とを有している。この円板状部の中心部には貫通孔が形成されており、この貫通孔の内周縁から、排気側流路22とは反対側(後述の流路調節弁V1側)へシリンダヘッド側導入部51が延びている。周壁53とシリンダヘッド側導入部51の間には、導入口57および合流部56と連通する隙間が形成されている。
整流部54は、シリンダヘッド側導入部51内に導入された冷却水の流れ方向に対して、ヒータ側導入部59に導入された冷却水の流れ方向を斜めの方向に整える。つまり、整流部54内(隙間)に流入した冷却水は、円錐状の周壁53に沿って流路調節弁V1側へ導かれ、周壁53の先端部付近に集められる。
合流部56は、整流部54の周壁53の先端部から流路調節弁V1側へ延びる円筒状部分である。整流部54から流出した冷却水とシリンダヘッド側導入部51から流出した冷却水は、合流部56内において合流する。
導出部55は、整流部54の先端に連続して設けられ、流路調節弁V1側へ延びる円筒状部分である。導出部55の先端部は、流量調節弁V1に接続されている。合流部56内で合流した冷却水は、導出部55を通じて流路調整弁V1へ導出される。
この吸出し機構50においては、シリンダヘッド側導入部51は、排気側流路22の流路断面積よりも小さい流路断面積を有するので、シリンダヘッド側導入部51に導入された冷却水は高速流体となる。そして、ヒータ側導入部59に導入された連絡流路26内の冷却水の流れ方向が、シリンダヘッド側導入部51に導入された高速の冷却水の流れ方向に対して斜めの方向に整流されるので、ヒータ側導入部59に導入された冷却水は、シリンダヘッド側導入部51から合流部56に達した高速の冷却水の流れにスムーズに導かれて、導出部55から導出される。つまり、高速の冷却水により合流部56内に負圧を発生させ、その負圧によって連絡流路26(ヒータ側流路15)から冷却水を吸い出し(エゼクタ効果)、冷却水の吸い出しを促進することができる。従って、ヒータ側流路15を流れる冷却水の流量を増大させ、ヒータコア6の昇温を促進することができる。
なお、この吸出し機構50においては、流量調節弁V1が閉弁している場合には、連絡流路26からヒータ側導入部59に流入した冷却水を、整流部54およびシリンダヘッド側導入部51を介して、排気側流路22へ導出することが可能である(図4,5参照)。また、流量調節弁V1が閉弁し、流量調節弁V2,V3が開弁している場合には、吸出し機構50は、連絡流路26からヒータ側導入部59に流入した冷却水を、整流部54およびシリンダヘッド側導入部51を介して排気側流路22へ導出するとともに、整流部54、合流部56、および導出部55を介して流量調節弁V1へ導出することが可能である(図6,8参照)。
<ロータリバルブ装置2の構成>
ロータリバルブ装置2は、図2(b)に示されるように、円筒状のロータリバルブ2aと、ロータリバルブ2aを収容する直方体状のハウジング2bと、ロータリバルブ2aを回転駆動する電子制御式の電動モータ(図示略)とを有している。ロータリバルブ2aは、ハウジング2b内で周方向(軸周り方向)に回転可能となっている。
図2(b)に示されるように、ハウジング2bは、開口部H1,H2,H3と、図外の開口部(以下、「図外開口部」と称する)とを有している。開口部H1は、ハウジング2bにおけるエンジン5側の面(図2(b)における左側の面)に形成されている。開口部H2は、ハウジング2bにおける上面(図2(b)における上側の面)に形成されている。開口部H3は、ハウジング2bにおける下側の面(図2(b)における下側の面)に形成されている。これら開口部H1,H2,H3は、冷却水が通過する穴である。
開口部H1とロータリバルブ2aとの間には、開口部H1の内周縁からロータリバルブ2aに向かって延びる円筒状のリップ部2cが設けられている。リップ部2cの開口部H1側の端部は、開口部H1の内周縁に固定されている。リップ部2cは、ロータリバルブ2aとは別体となっており、ロータリバルブ2aには固定されていない。リップ部2cのロータリバルブ2a側の端面は、ロータリバルブ2aの外周面に沿った形状となっている。これにより、リップ部2cのロータリバルブ2a側の端面は、ロータリバルブ2aの外周面に摺接可能となっている。
開口部H2とロータリバルブ2aの間にも、リップ部2cと同様のリップ部2dが設けられている。また、開口部H3とロータリバルブ2aの間にも、リップ部2cと同様のリップ部2eが設けられている。
図2(a)に示されるように、ロータリバルブ2aは、その周壁に切欠孔K1,K2,K3を有している。また、ロータリバルブ2aの軸方向端部には、開口部36(図2(b)参照)が形成されている。
図2(a)は、ロータリバルブ2aの周面上の位置を、ロータリバルブ2aの軸心周りの角度0°〜360°で表した、ロータリバルブ2aの展開図である。図2(a)における上下方向を、ロータリバルブ2aの軸方向とし、図2(a)における左右方向を、ロータリバルブ2aの周方向とする。開口部H1,H2,H3と切欠孔K1,K2,K3との位置関係を示すために、図2(a)には、開口部H1,H2,H3を二点鎖線で示している。図2(a)に示されるように、開口部H1の中心は基準位置0°に常時あるものとする。
図2(a)に示されるように、切欠孔K1,K2,K3は、この順に、ロータリバルブ2aの軸方向一端側から他端側に並んでいる。
ロータリバルブ2aは、回転するにつれて切欠孔K1,K2,K3の位置が周方向(図2(a)の左右方向)に変化する。
切欠孔K1は、ロータリバルブ2aの周方向に延びる長方形状をなしており、図2(a)に示される或る時点(冷却装置1全体において冷却水の流れを停止させるとき)では、30°付近から315°付近に亘って延在している。
切欠孔K2は、ロータリバルブ2aの周方向に延びて長手方向一端側(図2(a)における左側端部)が凹状に窪んだ長方形状の主部K2cと、主部K2cの長手方向他端部(図2(a)における右側端部)に連続して設けられて三角形状に窄まる窄まり部K2bと、窄まり部K2bの先端から突出する突起部K2aとを有する。図2(a)に示される或る時点では、切欠孔K2は、230°付近から45°付近に亘って延在している。切欠孔K2の主部K2aの幅(ロータリバルブ2aの軸方向に沿った長さ)は、切欠孔K1の幅よりも大きい。
切欠孔K3は、ロータリバルブ2aの周方向に延びて長手方向一端側が凹状に窪んだ長方形状の主部K3cと、主部K3cの長手方向他端部に連続して設けられて三角形状に窄まる窄まり部K3bと、窄まり部K3bの先端から突出する突起部K3aとを有している。主部K3cの周方向の長さは、切欠孔K2における主部K2cの周方向長さよりも短くなっており、図2(a)に示される或る時点では、15°付近から140°付近に亘って延在している。切欠孔K3の主部K3cの幅は、切欠孔K2の主部K2cの幅に等しく、切欠孔K1の幅よりも大きい。
開口部H1は、ロータリバルブ2aの回転に応じて切欠孔K1と重なり合うことが可能な位置に設けられており、図2(a)に示される0°を中心とした位置に設けられている。開口部H1の直径は、切欠孔K1の幅よりも若干大きい。開口部H1は、排気側流路22におけるロータリバルブ装置2側の端部に接続されている。
開口部H2は、ロータリバルブ2aの回転に応じて切欠孔K2と重なり合うことが可能な位置に設けられており、図2(a)に示される90°を中心とした位置に設けられている。開口部H2の直径は、切欠孔K2の幅よりも若干大きい。開口部H2は、後述の補機側流路35における上流側流路34に接続されている。
開口部H3は、ロータリバルブ2aの回転に応じて切欠孔K3と重なり合うことが可能な位置に設けられており、図2(a)に示される270°を中心とした位置に設けられている。開口部H3の直径は、切欠孔K3の幅よりも若干大きい。開口部H3は、後述のラジエータ側流路33の上流端部に接続されている。
このロータリバルブ装置2においては、切欠孔K1と開口部H1が重なり合ったときに、排気側流路22とロータリバルブ2a内が連通し、切欠孔K1と開口部H1が重なり合っていないときには、排気側流路22とロータリバルブ2a内が連通しない(遮断される)。また、これらが重なり合っている面積(連通面積)が、ロータリバルブ2aの回転に応じて変化する。つまり、切欠孔K1と開口部H1によって、流量調節弁が構成されている。以下の説明では、切欠孔K1と開口部H1によって構成される流量調節弁を流量調節弁V1と称する。
同様に、切欠孔K2と開口部H2によって、流量調節弁が構成されている。また、切欠孔K3と開口部H3によって、流量調節弁が構成されている。以下の説明では、切欠孔K2と開口部H2によって構成される流量調節弁を流量調節弁V2と称し、切欠孔K3と開口部H3によって構成される流量調節弁を流量調節弁V3と称する。
ロータリバルブ2aの軸方向端部の開口部36(図2(b)参照)と、ハウジング2bにおける開口部36に対向する内壁面との間には隙間が設けられている。ハウジング2bに形成された上記の図外開口部は、この隙間や切欠孔K1〜K3を通じて、ロータリバルブ2aの内部と常時連通している。この常時連通している部分を、図1において連通部37として図示する。
このロータリバルブ装置2において、流量調節弁V1,V2,V3が全て閉じている場合には、ロータリバルブ装置2を通じて冷却水は流れない(図1,3,4,5参照)。つまり、ロータリバルブ装置2内で冷却水が流れない。
流量調節弁V1のみが開いている場合には、冷却水はロータリバルブ装置2を通じて排気側流路22とメイン流路23の間で流れる(図6,8参照)。つまり、ロータリバルブ装置2内に、排気側流路22とメイン流路23流路とを繋ぐ流路が形成される。
流量調節弁V2のみが開いている場合には、冷却水はロータリバルブ装置2を通じて補機側流路35とメイン流路23の間で流れる(図9,11参照)。つまり、ロータリバルブ装置2内に、補機側流路35とメイン流路23流路とを繋ぐ流路が形成される。
流量調節弁V1,V2のみが開いている場合には、冷却水はロータリバルブ装置2を通じて排気側流路22、メイン流路23、および補機側流路35の間で流れる(図12,14参照)。つまり、ロータリバルブ装置2内に、排気側流路22と、メイン流路23と、補機側流路35とを繋ぐ流路が形成される。
流量調節弁V1,V2,V3の全てが開いている場合には、冷却水はロータリバルブ装置2を通じて排気側流路22、メイン流路23、補機側流路35、およびラジエータ側流路33の間で流れる(図15,17,18,20参照)。つまり、ロータリバルブ装置2内に、排気側流路22と、メイン流路23と、補機側流路35と、ラジエータ側流路33とを繋ぐ流路が形成される。
つまり、流量調節弁V1,V2,V3により、流路切替弁が構成される。
ヒータ用循環経路40に冷却水を流すためには、ヒータ側ポンプ4が作動していればよく、流量調節弁V1,V2,V3の開弁は必要としない(図4,5,6,8,9,11,12,14,15,17,18参照)。つまり、ヒータ側ポンプ4が作動していれば、流量調節弁V1,V2,V3が開いるか否かに拘わらず、ヒータ用循環経路40において冷却水が循環する。
<補機用循環経路41の構成>
補機用循環経路41(図1参照)は、冷却水が循環する経路であり、ブロック側流路25、メイン流路23、上流側流路34、オイルクーラ側流路20、EGRバルブ側流路21、EGRクーラ側流路17、リターン流路16、ロータリバルブ装置2内の流路、およびラジエータ側流路33を有している。補機用循環経路41は、本発明における「第2の循環経路」に相当する。
オイルクーラ側流路20、EGRバルブ側流路21、EGRクーラ側流路17、およびリターン流路16により、補機側流路35が構成されている。補機側流路35は、本発明における「外部流路」に相当する。
ブロック側流路25は、シリンダブロック5Bを通過する流路である。ブロック側流路25の上流端部は、補機側ポンプ3の吐出口に接続されている。
メイン流路23は、シリンダヘッド5Aの排気ポート側部分以外の部分、つまり燃焼室の周囲の部分および吸気ポート側の部分を通過する流路である。メイン流路23におけるロータリバルブ装置2とは反対側の端部は、ブロック側流路25に接続されている。
上流側流路34は、ロータリバルブ装置2の開口部H4(流量調節弁V2)から流出した冷却水を、オイルクーラ側流路20、EGRバルブ側流路21、およびEGRクーラ側流路17に導くための流路である。上流側流路34の上流端部は、開口部H2に接続されている。上流側流路34の下流端部は、オイルクーラ側流路20、EGRバルブ側流路21、およびEGRクーラ側流路17の上流端部に接続されている。上流側流路34には、冷却水の温度を検出する水温センサ8が設けられている。
オイルクーラ側流路20の下流端部は、リターン流路16に接続されている。オイルクーラ側流路20には、オイルクーラ10が設けられている。
EGRバルブ側流路21の下流端部は、リターン流路16に接続されている。EGRバルブ側流路21には、EGRバルブ11およびATFウォーマ12が設けられている。
ラジエータ側流路33の上流端部は、ロータリバルブ装置2の開口部H3(流量調節弁V3)に接続されている。ラジエータ側流路33の下流端部は、リターン流路16に接続されている。ラジエータ側流路33には、ラジエータ14が設けられている。
リターン流路16は、オイルクーラ側流路10、EGRバルブ側流路21、ラジエータ側流路33、およびEGRクーラ側流路20から流出した冷却水を補機側ポンプ3に戻すための流路である。リターン流路16の上流部または中流部に、オイルクーラ側流路10、EGRバルブ側流路21、ラジエータ側流路33、およびEGRクーラ側流路20の下流端部が接続されている。リターン流路16の下流端部は、補機側ポンプ3の吸込口に接続されている。
補機用循環経路41において冷却水を循環させるためには、補機側ポンプ3が作動している状態において、流量調節弁V2または流量調節弁V3の少なくとも一方が開弁している必要がある(図9,11,12,14,15,17,18参照)。
水温センサ24は、メイン流路23に設けられており、メイン流路23を流れる冷却水の温度を検出する。水温センサ7は、ヒータ側流路15におけるヒータコア6の下流側に設けられており、ヒータコア6から流出した冷却水の温度を検出する。水温センサ8は、上流側流路34に設けられており、ロータリバルブ装置2から流出した冷却水の温度を検出する。アクセル開度センサ30は、運転者によるアクセルペダルの踏込量をアクセル開度として検出する。クランク角センサ32は、クランクシャフトの回転角度を検出する。吸気温センサ38は、エンジン5に流入する吸入空気の温度を検出する。
<ECU31の構成>
ECU31は、CPU、RAM、ROM等により構成されている。ECU31は、水温センサ24、アクセル開度センサ30、およびクランク角センサ32から受けた検出値を示す信号に基づいて、ロータリバルブ装置2およびヒータ側ポンプ4の動作を制御するための制御信号を生成し、その制御信号をロータリバルブ装置2およびヒータ側ポンプ4に送信する。ECU31は、本発明の「制御部」に相当する。
なお、水温センサ7,8の検出値は、ECU31によってロータリバルブ装置2およびヒータ側ポンプ4が制御されている間、ヒータコア6やエンジン5が適切に温度調節されているかどうかを判断するために用いられる。以下の説明では、水温センサ7,8の検出値を用いたロータリバルブ装置2およびヒータ側ポンプ4の制御動作の説明は省略する。
次に、ECU31によるロータリバルブ装置2およびヒータ側ポンプ4の制御動作について、図20,21のフローチャートを参照しつつ説明する。
図20に示されるように、まず、ECU31は、水温センサ24、アクセル開度センサ30、クランク角センサ32、および吸気温センサ38から、検出値を示す信号を入力する(ステップS1)。
次いで、ECU31は、アクセル開度センサ30が検出したアクセル開度に基づいて、エンジンで発生したエンジン負荷(エンジンで発生する駆動トルク)を算出する(ステップS2)。
次いで、ECU31は、クランク角センサ32が検出したクランク角に基づいて、エンジン回転数を算出する(ステップS3)。
次いで、ECU31は、冷却水温度、エンジン負荷、エンジン回転数、および吸入空気温度に基づいて、エンジン5のシリンダヘッド5A側の燃焼室の壁面温度(以下、「燃焼室壁温」と称する)を算出する(ステップS4)。この燃焼室壁温は、本発明における「エンジンの温度」に相当する。
次いで、ECU31は、燃焼室壁温がレベル0の温度範囲にあるかどうかを判断する(ステップS5)。レベル0の温度範囲は、冷間状態に相当する温度T0未満の温度であり、本発明における「第1の温度範囲」に含まれる。
ECU31は、ステップS5でYESの判断をした場合には、流量調節弁V1〜V3の開度を全閉状態とし、ヒータ側ポンプ4を停止状態とする制御を行う(ステップS6)。
ステップS6の制御が行われることにより、図2(a)に示されるように、ロータリバルブ装置2において、開口部H1と切欠孔K1は重なり合わず、開口部H2と切欠孔K2も重なり合わず、開口部H3と切欠孔K3も重なり合わない状態となる。これにより、図1に示されるように、冷却装置1のいずれの流路においても冷却水は流れないので、エンジン5の暖機が促進される。以下、ステップS6の制御状態を、「水停止状態」と称する。ECU31は、ステップS6の処理を実行した後、ステップS1にリターンする。
ECU31は、ステップS5でNOの判断をした場合には、燃焼室壁温がレベル1の温度範囲にあるかどうかを判断する(ステップS7)。レベル1の温度範囲は、温度T0以上かつT1未満の温度範囲(暖機中)であり、本発明における「第1の温度範囲」に含まれる。
ECU31は、ステップS7でYESの判断をした場合には、流量調節弁V1〜V3の開度を全閉状態とし、ヒータ側ポンプ4を作動させる制御を行う(ステップS8)。ヒータ側ポンプ4は、冷却水をヒータ側流路15側から連絡流路26およびETB側流路19側へ流す向きに作動する。
ステップS8の制御が行われることにより、図4に示されるように、排気側流路22、ヒータ側流路15、およびETB側流路19に冷却水が流れる。すなわち、これら排気側流路22、ヒータ側流路15、およびETB側流路19から構成されるヒータ用循環経路40において冷却水が循環する。
このとき、流量調節弁V1が閉弁しているため、図5に示されるように、連絡流路26から吸出し機構50に流入した冷却水は、整流部54およびシリンダヘッド側導入部51を経由して、排気側流路22に流入する。
以下、ステップS8の制御状態を、「制御状態A」と称する。ECU31は、ステップS8の処理を実行した後、ステップS1にリターンする。
ECU31は、ステップS7でNOの判断をした場合には、燃焼室壁温がレベル2の温度範囲にあるかどうかを判断する(ステップS9)。レベル2の温度範囲は、温度T1以上かつT2未満の温度範囲(暖機中)であり、本発明における「第2の温度範囲」に相当する。
ECU31は、ステップS9でYESの判断をした場合には、流量調節弁V1の開度を全開状態とし、流量調節弁V2,V3の開度を全閉状態とし、ヒータ側ポンプ4を作動させる制御を行う(ステップS10)。
具体的には、ロータリバルブ2aがハウジング2b内で回転することにより、図7に示されるように、ロータリバルブ装置2において、開口部H1と切欠孔K1が重なり合い、開口部H2と切欠孔K2は重なり合わず、開口部H3と切欠孔K3も重なり合わない状態となる。これにより、図6に示されるように、メイン流路23と排気側流路22が接続される。メイン流路23は、排気側流路22に接続されることにより、ヒータ側循環経路40に組み込まれ、排気側流路22およびヒータ側流路15と共に冷却水が循環する経路を構成する。
つまり、排気側流路22、メイン流路23、ブロック側流路25におけるロータリバルブ装置2とは反対側の部分、ロータリバルブ装置2内の流路(流量調節弁V1と連通部37とを結ぶ流路)、ヒータ側流路15、連絡流路26、およびETB側流路19によって循環経路が構成され、この循環経路全体において冷却水が循環する。
このとき、流量調節弁V1が開弁しているため、図8に示されるように、連絡流路26から吸出し機構50に流入した冷却水は、整流部54およびシリンダヘッド側導入部51を経由して排気側流路22に流入するとともに、整流部54、合流部56、および導出部55を経由してロータリバルブ装置2内に流入する。
以下、ステップS10の制御状態を、「制御状態B」と称する。ECU31は、ステップS10の処理を実行した後、ステップS1にリターンする。
ECU31は、ステップS9でNOの判断をした場合には、燃焼室壁温がレベル3の温度範囲にあるかどうかを判断する(ステップS11)。レベル3の温度範囲は、温度T2以上かつT3未満の温度範囲(暖機中)であり、本発明における「第3の温度範囲」に含まれる。
ECU31は、ステップS11でYESの判断をした場合には、流量調節弁V1,V3を全閉状態とし、流量調節弁V2の開度を小開度とし、ヒータ側ポンプ4を作動させる制御を行う(ステップS12)。
具体的には、図10に示されるように、ECU31は、ロータリバルブ2aを、各切欠孔K1,K2,K3が図10における左側から右側へ進むように回転させる(以下、「右回転」と称する)。ロータリバルブ2aが回転することにより、図10に示されるように、ロータリバルブ装置2において、開口部H1と切欠孔K1が重なり合わず(流量調節弁V1が全閉状態)、開口部H2と、切欠孔K2の突起部K2aおよび窄まり部K2bとが重なり合い(流量調節弁V2が小開度状態)、開口部H3と切欠孔K3とが重なり合わない状態(流量調節弁V3が全閉状態)となる。
流量調節弁V2が開弁することにより、図9に示されるように、メイン流路23と補機側流路35が接続される。そして、補機側ポンプ3の圧送力により、メイン流路23、ロータリバルブ装置2内の流路(連通部37と流量調節弁V2とを結ぶ流路)、補機側流路35、およびブロック側流路25を経由して冷却水が循環する。つまり、冷却水が補機用循環経路41を循環する。
流量調節弁V1が閉弁することにより、ロータリバルブ装置2において、排気側流路22とメイン流路23の間の流路が遮断されるため、ヒータ用循環経路40と補機用循環経路41の間で冷却水は流れない。つまり、ヒータ用循環経路40とヒータ用循環経路40は、冷却水が混じり合わない互いに独立した循環経路となり、それぞれの循環経路において冷却水が別々に循環する。
また、流量調節弁V2が小開度状態となることにより、流量調節弁V2の開弁時に、補機側流路35内、つまり、オイルクーラ側流路20、EGRバルブ側流路21、EGRクーラ側流路17、およびリターン流路16内の低温の冷却水が短時間のうちに大量にメイン流路23に流入することが防止される。
また、ステップS12において、開口部H2に切欠孔K2の突起部K2aから重なり始める(図10参照)。従って、メイン流路23と補機側流路35が接続された当初の所定期間は流量が少量に制限される。その後、開口部H2と、切欠孔K2の突起部K2aおよび窄まり部K2bとが重なり合う状態となるまで、流量が次第に多くなっていく。従って、メイン流路23と補機側流路35を接続する際に、補機側流路35内の低温の冷却水がメイン流路23に徐々に流入するので、燃焼室周りの急激な温度低下を抑制することができる。
また、流量調節弁V1が閉弁しているため、図11に示されるように、連絡流路26から吸出し機構50に流入した冷却水は、整流部54およびシリンダヘッド側導入部51を経由して排気側流路22に流入する。
以下、ステップS12の制御状態を、「制御状態C」と称する。
ECU31は、ステップS11でNOの判断をした場合には、図21に示されるように、燃焼室壁温がレベル4の温度範囲にあるかどうかを判断する(ステップS13)。レベル4の温度範囲は、温度T3以上かつT4未満の温度範囲(暖機中)であり、本発明における「第3の温度範囲」に含まれる。温度T4は、エンジンが暖機中か否かの判断基準となる温度である。つまり、燃焼室壁温がT4未満であればエンジンは暖機中であり、T4以上であればエンジンは暖機完了状態にある。
ECU31は、ステップS13でYESの判断をした場合には、ロータリバルブ装置2において、流量調節弁V1の開度を全開状態とし、流量調節弁V3の開度を全閉状態とし、流量調節弁V2の開度を大開度(全開状態よりは開度が少し小さい状態)とし、ヒータ側ポンプ4を停止させる制御を行う(ステップS14)。
具体的には、ECU31は、ロータリバルブ2aを右回転させる(図13参照)。ロータリバルブ2aが右回転することにより、図13に示されるように、ロータリバルブ装置2において、開口部H1と切欠孔K1が重なり合い(流量調節弁V1が全開状態)、開口部H2と、切欠孔K2の窄まり部K2bおよび主部K2cとが重なり合い(流量調節弁V2が大開度状態)、開口部H3と切欠孔K3は重なり合わない状態(流量調節弁V3が全閉状態)となる。
流量調節弁V2の開度が大きくなることにより、ロータリバルブ装置2から補機側流路35へ流出する冷却水の量が増加する。
流量調節弁V1,V2が開弁することにより、図12に示されるように、排気側流路22とメイン流路23と補機側流路35とが接続されるため、ヒータ用循環経路40と補機用循環経路41(ラジエータ側流路33を含まない)で冷却水が流れる。
具体的には、排気側流路22において、制御状態Cとは冷却水の流れ方向が反対向きとなり、排気側流路22、メイン流路23、ロータリバルブ装置2内の流路(流量調節弁V1と連通流路37と流量調節弁V2とを結ぶ流路)、補機側流路35、およびブロック側流路25によって、補機用循環経路41が構成される。
補機側ポンプ3の圧送力により、排気側流路22において、ロータリバルブ装置2とは反対側からロータリバルブ装置2側へ冷却水が流れる。排気側流路22から吸出し機構50(図14参照)内に導入された冷却水は、吸出し機構50内で高速流体となる。吸出し機構50のヒータ側導入部59に導入された冷却水は、シリンダヘッド側導入部51から合流部56に達した高速の冷却水の流れにスムーズに導かれて、導出部55から流量調節弁V1へ導出される。
導出部55から流量調節弁V1へ導出された冷却水は、図12に示されるように、ロータリバルブ装置2内の流路(流量調節弁V1と流量調節弁V2とを結ぶ流路)、補機側流路35、ブロック側流路25におけるロータリバルブ装置2とは反対側の部分、排気側流路22におけるロータリバルブ装置2とは反対側の部分、ヒータ側流路15、およびETB側流路19において循環する。
従って、シリンダヘッド5Aで温められた冷却水を、補機側ポンプ3の圧送力を利用してヒータ側流路15に流すことができるため、ヒータ側ポンプ3にかかる負荷を低減し(ヒータ側ポンプ3を停止させ)、その結果、ヒータ側ポンプ3の消費電力低減および寿命向上を図ることができる。
以下、ステップS14の制御状態を、「制御状態D」と称する。
ECU31は、ステップS13でNOの判断をした場合には、エンジン負荷が所定の閾値未満であるかどうかを判断する(ステップS15)。その閾値は、エンジン5が高負荷状態であるか否かの判断基準となる値である。つまり、エンジン負荷がその閾値未満であれば、エンジン5は低負荷または中負荷状態であり、エンジン負荷がその閾値以上であれば、エンジン5は高負荷状態である。なお、ステップS13でNOと判断された場合には、燃焼室壁温はT4以上である。T4以上の温度範囲は、本発明における「第4の温度範囲」に相当する。
ECU31は、ステップS15でYESの判断をした場合には、流量調節弁V1,V2を全開状態とし、流量調節弁V3を中開度状態とし、ヒータ側ポンプ4を停止させる制御を行う(ステップS16)。
具体的には、ECU31は、ロータリバルブ2aを右回転させる(図16参照)。ロータリバルブ2aが右回転することにより、図16に示されるように、ロータリバルブ装置2において、開口部H1と切欠孔K1が重なり合い(流量調節弁V1が全開状態)、開口部H2と、切欠孔K2の主部K2cとが重なり合い(流量調節弁V2が全開状態)、開口部H3と、切欠孔K3の突起部K3a、窄まり部K3bおよび主部K3cとが重なり合う状態(流量調節弁V3が中開度状態)となる。
流量調節弁V2の開度が大きくなることにより、ロータリバルブ装置2から補機側流路35へ流出する冷却水の量が増加する。
流量調節弁V1,V2,V3が開弁することにより、排気側流路22とメイン流路23と補機側流路35とラジエータ側流路33とが接続されるため、図15に示されるように、ヒータ用循環経路40と補機用循環経路41(ラジエータ側流路33を含む)で冷却水が流れる。
つまり、吸込み機構50を設けることにより、制御状態Dと同様、シリンダヘッド5Aで温められた冷却水を、補機側ポンプ3の圧送力を利用してヒータ側流路15に流すことができるため、ヒータ側ポンプ3にかかる負荷を低減し(ヒータ側ポンプ3を停止させ)、その結果、ヒータ側ポンプ3の消費電力低減および寿命向上を図ることができる。
また、流量調節弁V3が中開度状態となることにより、ラジエータ側流路33内の低温の冷却水が短時間のうちに大量にメイン流路23に流入することが防止される。
また、ステップS16において、開口部H3に切欠孔K3の突起部K3aから重なり始める。従って、メイン流路23とラジエータ側流路33とが接続された当初の所定期間は流量が少量に制限される。その後、開口部H3と、切欠孔K3の突起部K3aおよび窄まり部K3bとが重なり合う状態となるまで、流量が次第に多くなっていく。従って、メイン流路23とラジエータ側流路33を接続する際に、ラジエータ側流路33内の低温の冷却水がメイン流路23に徐々に流入するので、燃焼室周りの急激な温度低下を抑制することができる。以下、ステップS16の制御状態を、「制御状態E」と称する。
ECU31は、ステップS15でNOの判断をした場合には、流量調節弁V1,V3の開度を全開状態とし、流量調節弁V2の開度を小開度とし、ヒータ側ポンプ4を作動させる制御を行う(ステップS17)。
具体的には、ECU31は、ロータリバルブ2aを右回転させる(図19参照)。ロータリバルブ2aが右回転することにより、図19に示されるように、ロータリバルブ装置2において、開口部H1と切欠孔K1が重なり合い(流量調節弁V1が全開状態)、開口部H2と、切欠孔K2の主部K2cの一端部(凹部側)とが重なり合い(流量調節弁V2が小開状態)、開口部H3と、切欠孔K3の主部K3cとが重なり合う状態(流量調節弁V3が全開状態)となる。
流量調節弁V2の開度が小さくなることにより、ロータリバルブ装置2から補機側流路35へ流出する冷却水の量が減少する。
流量調節弁V3の開度が大きくなることにより、ロータリバルブ装置2からラジエータ側流路33へ流出する冷却水の量が増加する。つまり、ラジエータ14(図18参照)を通過する冷却水の量が増加し、ラジエータ14による冷却能力が増大する。
また、吸込み機構50を設けることにより、制御状態D,Eと同様、シリンダヘッド5Aで温められた冷却水を、補機側ポンプ3の圧送力を利用してヒータ側流路15に流すことができるため、ヒータ側ポンプ3にかかる負荷を低減し(ヒータ側ポンプ3を停止させ)、その結果、ヒータ側ポンプ3の消費電力低減および寿命向上を図ることができる。
以下、ステップS17の制御状態を、「制御状態F」と称する。
以上説明したように、本実施形態によれば、暖機の初期に排気側流路22と補機側流路15との接続が解除される(水停止状態、および制御状態A〜C)。これにより、ヒータ用循環経路40と補機用循環経路41とが互いに独立した循環経路となり、排気側流路22で温められた冷却水が補機側ポンプ3の圧送力でヒータコア6へ供給される。ヒータ用循環経路40と補機用循環経路41は互いに独立しているため、補機用循環経路41内の低温の冷却水がヒータコア6に流入せず、ヒータコアの昇温が促進される。
暖機が進むと、排気側流路22と補機側流路15とが接続される(制御状態D〜F)。これにより、排気側流路22を経由して、補機用循環経路41で冷却水が循環するため、暖機の進んだシリンダヘッド5Aの冷却を促進することができる。そして、この接続により、補機側ポンプ3の圧送力が排気側流路22に作用し、その圧送力によって排気側流路22を冷却水が流れる。このように、補機側ポンプ3の圧送力により、排気側流路22を冷却水が流れると、排気側流路22とヒータ側流路15との接続部分に吸出し機構50が設けられているため、上記の通り、エゼクタ効果によって、ヒータ側流路15から排気側流路22へ冷却水が吸い出される。これにより、ヒータ側流路15に補機側ポンプ3の圧送力を利用した冷却水の流れが生じる。ヒータ側流路15から吸出し機構50を経由して排気側流路22に導入された冷却水は、補機用循環経路41を経由してヒータ側流路15に戻る。つまり、シリンダヘッド5Aで温められた冷却水を、補機側ポンプ3の圧送力を利用してヒータ側流路15に流すことができる。
従って、ヒータ用循環経路40と補機用循環経路41とを別々に設けた冷却水循環系において、ヒータ用循環経路40に設けたヒータ側ポンプ4(電動ポンプ)にかかる負荷を低減し、その結果、ヒータ側ポンプ4の消費電力低減および寿命向上を図ることができる。
また、本実施形態においては、シリンダヘッド5Aにおける排気ポート側の部分5aと排気ポート側以外の部分5bとの間に、排気ポート側の部分5aと排気ポート側以外の部分5bとを分離する隔壁28が形成されているので、特に、ヒータ用循環経路40を冷却水が流れる際には、シリンダヘッドの排気ポート側の部分5aの熱をヒータコア6の昇温に優先的に利用することができ、ヒータコア6の昇温が促進される。
また、本実施形態によれば、吸出し機構50のシリンダヘッド側導入部51は、排気側流路22の流路断面積よりも小さい流路断面積を有するので、シリンダヘッド側導入部51に導入された冷却水は高速流体となる。そして、ヒータ側導入部59に導入されたヒータ側流路15内の冷却水の流れ方向が、シリンダヘッド側導入部51に導入された高速の冷却水の流れ方向に対して斜めの方向に整流されるので、ヒータ側導入部59に導入された冷却水は、シリンダヘッド側導入部51から合流部56に達した高速の冷却水の流れにスムーズに導かれて、導出部55から導出される。つまり、高速の冷却水により合流部56に負圧を発生させ、その負圧によってヒータ側流路15から冷却水を吸い出し(エゼクタ効果)、冷却水の吸い出しを促進することができる。従って、ヒータ側流路15を流れる冷却水の流量を増大させ、ヒータコア6の昇温を促進することができる。
なお、上記実施形態においては、ステップS14,S16,S17において、ヒータ側ポンプ4を停止させる制御を行っているが、これに限られない。これらのステップにおいて、ステップS8,S10,S12よりも少ない吐出量(低い回転数)でヒータ側ポンプ4を作動させてもよい。このような制御を行っても、ヒータ側ポンプ4の負荷を低減し、ヒータ側ポンプ4の消費電力低減および寿命向上を図ることができる。
1 エンジンの冷却装置
2 ロータリバルブ装置(流路切替弁、流量調節弁)
3 補機側ポンプ(エンジン動力ポンプ)
4 ヒータ側ポンプ(電動ポンプ)
5 エンジン
5A シリンダヘッド
5B シリンダブロック
5a シリンダヘッドの排気ポート側部分
5b シリンダヘッドの排気ポート側部分以外の部分
6 ヒータコア
9 EGRクーラ
10 オイルクーラ
11 EGRバルブ
12 ATFウォーマ
14 ラジエータ
15 ヒータ側流路
16 リターン流路
17 EGRクーラ側流路
19 ETB側流路
20 オイルクーラ側流路
21 EGRバルブ側流路
22 排気側流路
23 メイン流路
24 水温センサ
25 ブロック側流路
26 連絡流路
28 隔壁
30 アクセル開度センサ
31 ECU(制御部)
32 クランク角センサ
33 ラジエータ側流路
34 上流側流路
35 補機側流路
37 連通部
38 吸気温センサ
40 ヒータ用循環経路(第1の循環経路)
41 補機用循環経路(第2の循環経路)
50 吸出し機構
51 シリンダヘッド側導入部(第1の導入部)
54 整流部
55 導出部
56 合流部
59 ヒータ側導入部(第2の導入部)
H1,H2,H3 開口部
K1,K2,K3 切欠孔
V1,V2,V3 流量調節弁

Claims (5)

  1. シリンダヘッドの所定部分を通過するシリンダヘッド内流路、当該シリンダヘッド内流路に接続されて流体を加熱する熱交換器を通過する熱交換器側流路、および、冷却水を圧送する電動ポンプを含む第1の循環経路と、
    前記シリンダヘッド内流路と接続可能でかつ前記シリンダヘッド外を通過する外部流路、および、エンジンの動力を受けて作動して冷却水を圧送するエンジン動力ポンプを含む第2の循環経路と、
    暖機開始後の所定期間、前記シリンダヘッド内流路と前記外部流路との接続を解除し、前記所定期間経過後、前記シリンダヘッド内流路と前記外部流路との接続を行う流路接続手段と、
    前記熱交換器側流路と前記シリンダヘッド内流路の接続部分に設けられ、前記流路接続手段により前記シリンダヘッド内流路と前記外部流路との接続がされた状態で、前記シリンダヘッド内流路を流れる冷却水の流れを利用して、前記熱交換器側流路から当該シリンダヘッド内流路へ冷却水を吸い出す吸出し機構とを備えた、エンジンの冷却装置。
  2. シリンダヘッドの所定部分を通過するシリンダヘッド内流路、当該シリンダヘッド内流路に接続されて空調装置のヒータコアを通過するヒータ側流路、および、冷却水を圧送する電動ポンプを含む第1の循環経路と、
    前記シリンダヘッド内流路と接続可能でかつ前記シリンダヘッド外の補機を通過する補機側流路、および、エンジンの動力を受けて作動して冷却水を圧送するエンジン動力ポンプを含む第2の循環経路と、
    暖機開始後の所定期間、前記シリンダヘッド内流路と前記補機側流路との接続を解除し、前記所定期間経過後、前記シリンダヘッド内流路と前記補機側流路との接続を行う流路接続手段と、
    前記ヒータ側流路と前記シリンダヘッド内流路の接続部分に設けられ、前記流路接続手段により前記シリンダヘッド内流路と前記補機側流路との接続がされた状態で、前記シリンダヘッド内流路を流れる冷却水の流れを利用して、前記ヒータ側流路から当該シリンダヘッド内流路へ冷却水を吸い出す吸出し機構とを備えた、エンジンの冷却装置。
  3. 前記シリンダヘッド内流路は、前記シリンダヘッドの排気ポート側の部分を通過する排気側流路であり、
    前記第2の循環経路は、前記シリンダヘッドの前記排気ポート側以外の部分を通過するメイン流路をさらに含み、
    前記排気ポート側の部分と前記排気ポート側以外の部分との間に、当該排気ポート側の部分と当該排気ポート側以外の部分とを分離する隔壁が形成されていることを特徴とする、請求項1または2に記載のエンジンの冷却装置。
  4. 前記吸出し機構は、
    前記シリンダヘッド内流路の流路断面積よりも小さい流路断面積を有し、前記シリンダヘッド内流路を流れる冷却水を導入する第1の導入部と、
    前記ヒータ側流路内の冷却水を導入する第2の導入部と、
    前記第1の導入部に導入された冷却水の流れ方向に対して、前記第2の導入部に導入された冷却水の流れ方向を斜めの方向に整える整流部と、
    前記整流部から流出した冷却水と前記第1の導入部から流出した冷却水とを合流させる合流部と、
    前記合流部で合流した冷却水を導出する導出部とを備えることを特徴とする、請求項2に記載のエンジンの冷却装置。
  5. 前記電動ポンプの動作を制御する制御部をさらに備え、
    前記制御部は、前記流路接続手段により接続が行われた状態で、前記電動ポンプを停止させることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載のエンジンの冷却装置。
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